JP6215001B2 - 磁気抵抗素子、磁気センサ装置および磁気抵抗素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗素子、磁気センサ装置および磁気抵抗素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板に磁気抵抗膜が形成された磁気抵抗素子、該磁気抵抗素子を備えた磁気センサ装置、および当該磁気抵抗素子の製造方法に関するものである。
固定体に対する回転体の回転を検出するロータリエンコーダでは、例えば、回転体の側にマグネットを設け、固定体の側に磁気抵抗素子を備えた磁気センサ装置が設けられる。かかる磁気抵抗素子では、基板の一方面にNi−Fe等からなる磁気抵抗膜が形成されており、磁気抵抗膜によって構成した2相(A相およびB相)のブリッジ回路から出力された出力に基づいて、回転体の角度速度や角度位置等を検出する(例えば、特許文献1参照)。
かかる磁気抵抗素子を製造するには、真空チャンバ内で基板を加熱した状態で基板の一方面に磁気抵抗膜を形成した後、磁気抵抗膜をパターニングする。かかる製造方法において、磁気抵抗膜の表面が空気と接触して酸化すると、酸化膜の厚さ分、磁気抵抗膜が薄くなってしまい、磁気抵抗効果による抵抗変化率が低下してしまう。特に、磁気抵抗素子の感度を高めるには、磁気抵抗膜を薄く形成するため、酸化膜の形成に起因する抵抗変化率の低下は大きな問題となってしまう。そこで、真空チャンバ内に窒素ガスを導入して磁気抵抗膜の温度や真空チャンバ内の温度を低下させてから、真空チャンバを大気開放し、基板を真空チャンバから取り出している。しかしながら、上記の方法を採用しても、磁気抵抗膜の表面が酸化することを十分に防止することができない。
一方、磁気抵抗膜のパターニングに用いたレジストマスクを酸素ガスと窒素ガスとの混合ガスを用いたプラズマアッシングにより除去する際に磁気抵抗膜の表面が酸化することを防止する技術が提案されている。かかる技術では、Ni−Co、Ni−Fe等の磁気抵抗膜の表面に非磁性金属からなるバリア層を積層した後、レジストマスクを形成し、磁気抵抗膜およびバリア層を一括してパターニングする(特許文献2参照)。また、特許文献2では、磁気抵抗膜の膜厚とバリア層の膜厚とが同等であるため、バリア層にMo−Si,Ti−W,Ti−N等を用いることにより、バリア層の抵抗を磁気抵抗膜の抵抗より大としている。
特開2012−118000号公報 特開2009−105208号公報
しかしながら、特許文献2に記載の構成のように、磁気抵抗膜の膜厚とバリア層の膜厚とが同等である場合、バリア層として、比抵抗値が大きな非磁性金属を用いる必要がある等、制約が大きい。また、バリア層の膜厚が厚い場合には、非抵抗値が大きな非磁性金属材料によってバリア層を形成しても、バリア層の抵抗が小さくなってしまい、磁気抵抗効果による抵抗変化率が低下してしまう。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、バリア層によって磁気抵抗膜表面の酸化を防止した場合でも、磁気抵抗効果による抵抗変化率が高い磁気抵抗素子、該磁気抵抗素子を備えた磁気センサ装置、および当該磁気抵抗素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る磁気抵抗素子は、基板と、前記基板の一方面側に形成された磁気抵抗膜と、該磁気抵抗膜の前記基板と反対側の面に当該磁気抵抗膜と同一パターンをもって積層され、当該磁気抵抗膜より膜厚が薄い非磁性金属膜からなるバリア層と、を有し、前記バリア層は、アルミニウムを主成分とすることを特徴とする。
本発明に係る磁気抵抗素子の製造方法は、基板の一方面側に磁気抵抗膜を形成する磁気抵抗膜形成工程と、前記磁気抵抗膜を酸化性雰囲気と接触させずに前記磁気抵抗膜の表面に当該磁気抵抗膜より膜厚が薄い非磁性金属膜からなるバリア層を形成するバリア層形成工程と、前記バリア層の表面にエッチングマスクを形成するマスク形成工程と、前記バリア層の表面に前記エッチングマスクを形成した状態で前記磁気抵抗膜および前記バリア層をエッチングするエッチング工程と、前記エッチングマスクを除去するエッチングマスク除去工程と、を有し、前記バリア層は、アルミニウムを主成分とすることを特徴とする。
本発明では、磁気抵抗膜を形成した後、磁気抵抗膜を酸化性雰囲気と接触させずに、磁気抵抗膜の表面にバリア層を積層し、この状態で、磁気抵抗膜およびバリア層を形成する。このため、磁気抵抗膜の表面が酸化することを防止することができる。このため、抵抗変化率を向上することができる。また、バリア層の膜厚は、磁気抵抗膜の膜厚よりも薄いため、バリア層に用いる非磁性材料に大きな制約を加えなくても、バリア層の抵抗が大きい。このため、磁気抵抗膜にバリア層を積層した場合でも、抵抗変化率への悪影響を防止することができ、酸化防止に起因する利点を活かすことができる。それ故、バリア層によ
って磁気抵抗膜表面の酸化を防止した場合でも、磁気抵抗効果による抵抗変化率が高い磁気抵抗素子を得ることができる。また、バリア層は、アルミニウムを主成分とするため、比較的安価な非磁性金属によってバリア層を形成することができる。
本発明において、前記バリア層の厚さは、0.5nmから2.0nmであることが好ましい。本発明において、前記バリア層の厚さは、1.0nmであることが好ましい。かかる膜厚であれば、バリア層に用いる非磁性材料の種類にかかわらず、バリア層の抵抗が大きい。このため、磁気抵抗膜にバリア層を積層した場合でも、抵抗変化率への悪影響を防止することができ、酸化防止に起因する利点を活かすことができる。
本発明において、前記基板には、前記バリア層と同一の金属材料からなる機能層が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、バリア層を追加しても、基板上に形成する金属材料の種類が変わらない。従って、機能層の形成に用いたターゲットを用いてバリア層を形成することができる。
本発明において、前記磁気抵抗膜の厚さは、10nmから80nmであることが好ましい。
本発明を適用した磁気抵抗素子は、磁気センサ装置等に用いられる。
本発明において、前記磁気抵抗膜形成工程を真空チャンバ内で行った後、当該真空チャンバ内に酸化性ガスを導入せずに当該真空チャンバ内で前記バリア層形成工程を行うことが好ましい。
本発明において、前記磁気抵抗膜形成工程を行った後、非酸化雰囲気中で前記磁気抵抗膜形成工程での前記磁気抵抗膜の成膜温度より高い温度で当該磁気抵抗膜を加熱するアニール工程を行うことが好ましい。かかる構成によれば、抵抗変化率を向上することができる。また、バリア層がない状態でアニール工程を行うと、抵抗変化率にヒステリシスが発生するが、本発明では、バリア層が設けられているため、アニール工程によって抵抗変化率を向上させても、抵抗変化率にヒステリシスが発生することを抑制することができる。
本発明において、前記アニール工程は、前記エッチングマスク除去工程の後に行うことが好ましい。かかる構成によれば、磁気抵抗膜の上層にバリア層を形成し、かつ、磁気抵抗膜およびバリア層をパターニングした後にアニール工程を行うので、磁気抵抗膜の歪等を効率よく減少させることができる。
本発明では、磁気抵抗膜を形成した後、磁気抵抗膜を酸化性雰囲気と接触させずに、磁気抵抗膜の表面にバリア層を積層し、この状態で、磁気抵抗膜およびバリア層を形成する。このため、磁気抵抗膜の表面が酸化することを防止することができる。このため、抵抗変化率を向上することができる。また、バリア層の膜厚は、磁気抵抗膜の膜厚よりも薄いため、バリア層に用いる非磁性材料に大きな制約を加えなくても、バリア層の抵抗が大きい。このため、磁気抵抗膜にバリア層を積層した場合でも、磁気抵抗効果による抵抗変化率の低下を抑制することができる。
本発明を適用した磁気抵抗素子を備えた磁気センサ装置、およびロータリエンコーダの原理を示す説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子の磁気抵抗膜の電気的な接続構造の説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子の説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子の製造方法を示す工程断面図である。 本発明を適用した磁気センサ装置の制御部に構成した温度制御部の概略構成を示す説明図である。 本発明を適用した磁気抵抗素子の抵抗変化率に関する評価結果を示すグラフである。 本発明を適用した磁気抵抗素子の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフである。 比較例に係る磁気抵抗素子の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフである。 本発明を適用した別の磁気抵抗素子の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフである。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した磁気抵抗素子、磁気センサ装置、およびロータリエンコーダの実施の形態を説明する。なお、ロータリエンコーダにおいて、固定体に対する回転体の回転を検出するにあたっては、固定体にマグネットを設け、回転体に磁気抵抗素子を設けた構成、および固定体に磁気抵抗素子を設け、回転体にマグネットを設けた構成のいずれの構成を採用してもよいが、以下の説明では、固定体に磁気センサ装置を設け、回転体にマグネットを設けた構成を中心に説明する。
(磁気センサ装置の構成)
図1は、本発明を適用した磁気抵抗素子4を備えた磁気センサ装置10、およびロータリエンコーダ1の原理を示す説明図であり、図1(a)、(b)、(c)は磁気抵抗素子4等に対する信号処理系の説明図、磁気抵抗素子4から出力される信号の説明図、およびかかる信号と回転体2の角度位置(電気角)との関係を示す説明図である。図2は、本発明を適用した磁気抵抗素子4の磁気抵抗膜41〜44の電気的な接続構造の説明図である。
図1に示すロータリエンコーダ1は、固定体(図示せず)に対する回転体2の軸線周り(回転軸線周り)の回転を磁気センサ装置10によって磁気的に検出する装置であり、固定体は、モータ装置のフレーム等に固定され、回転体2は、モータ装置の回転出力軸等に連結された状態で使用される。回転体2の側には、N極とS極とが周方向において1極ずつ着磁された着磁面21を回転軸線方向Lの一方側に向けるマグネット20が保持されており、マグネット20は回転体2と一体に回転軸線周りに回転する。
固定体の側には、マグネット20の着磁面21に対して回転軸線方向Lの一方側で対向する磁気抵抗素子4、および後述する処理を行う制御部90等を備えた磁気センサ装置10が設けられている。また、磁気センサ装置10は、マグネット20に対向する位置に、第1ホール素子61と、第1ホール素子61に対して周方向において機械角で90°ずれた箇所に位置する第2ホール素子62とを備えている。
磁気抵抗素子4は、基板40と、マグネット20の位相に対して互いに90°の位相差を有する2相の磁気抵抗膜(A相(SIN)の磁気抵抗膜、およびB相(COS)の磁気抵抗膜)とを備えた磁気抵抗素子である。かかる磁気抵抗素子4において、A相の磁気抵抗膜は、180°の位相差をもって回転体2の移動検出を行う+A相(SIN+)の磁気抵抗膜43、および−A相(SIN-)の磁気抵抗膜41を備えており、B相の磁気抵抗膜は、180°の位相差をもって回転体2の移動検出を行う+B相(COS+)の磁気抵抗膜44、および−B相(COS-)の磁気抵抗膜42を備えている。
+A相の磁気抵抗膜43および−A相の磁気抵抗膜41は、図2(a)に示すブリッジ回路を構成しており、一方端がA相用の電源端子VccAに接続され、他方端がA相用のグランド端子GNDAに接続されている。+A相の磁気抵抗膜43の中点位置には、+A相が出力される出力端子+Aが設けられ、−A相の磁気抵抗膜41の中点位置には、−A相が出力される出力端子−Aが設けられている。また、+B相の磁気抵抗膜44および−B相の磁気抵抗膜42も、+A相の磁気抵抗膜44および−A相の磁気抵抗膜41と同様、図2(b)に示すブリッジ回路を構成しており、一方端がB相用の電源端子VccBに接続され、他方端がB相用のグランド端子GNDBに接続されている。+B相の磁気抵抗膜44の中点位置には、+B相が出力される出力端子+Bが設けられ、−B相の磁気抵抗膜42の中点位置には、−B相が出力される出力端子−Bが設けられている。なお、図2では便宜上、A相用の電源端子VccAおよびB相用の電源端子VccBの各々を記載したが、A相用の電源端子VccAとB相用の電源端子VccBとが共通になっていてもよい。また、図2では便宜上、A相用のグランド端子GNDAおよびB相用のグランド端子GNDBの各々を記載したが、A相用のグランド端子GNDAとB相用のグランド端子GNDBとが共通になっていてもよい。
本形態の磁気センサ装置10およびロータリエンコーダ1において、磁気抵抗素子4、第1ホール素子61、および第2ホール素子62に対しては、増幅回路91、92、95、96や、これらの増幅回路91、92、95、96から出力される正弦波信号sin、cosに補間処理や各種演算処理を行うCPU(演算回路)等を備えた制御部90が構成されており、磁気抵抗素子4、第1ホール素子61、および第2ホール素子62からの出力に基づいて、固定体に対する回転体2の回転角度位置が求められる。
より具体的には、ロータリエンコーダ1において、回転体2が1回転すると、磁気抵抗素子4からは、図1(b)に示す正弦波信号sin、cosが2周期分、出力される。従って、正弦波信号sin、cosを増幅回路91、92により増幅した後、制御部90において、図1(c)に示すリサージュ図を求め、正弦波信号sin、cosからθ=tan-1(sin/cos)を求めれば、回転出力軸の角度位置θが分かる。また、本形態では、マグネット20の中心からみて90°ずれた位置に第1ホール素子61および第2ホール素子62が配置されている。このため、第1ホール素子61および第2ホール素子62の出力の組合せにより、現在位置が正弦波信号sin、cosのいずれの区間に位置するかが分かる。従って、ロータリエンコーダ1は、磁気抵抗素子4での検出結果、第1ホール素子61での検出結果、および第2ホール素子62での検出結果に基づいて回転体2の絶対角度位置情報を生成することができ、アブソリュート動作を行うことができる。
(磁気抵抗素子4の平面構成)
図3は、本発明を適用した磁気抵抗素子4の説明図であり、図3(a)、(b)は磁気抵抗素子4の平面構成を示す説明図、および断面構成を示す説明図である。なお、図3(b)では、磁気抵抗膜41〜44、温度監視用抵抗膜47(機能層)、および加熱用抵抗膜48(機能層)の層構造を模式的に示してある。また、図3(a)では、温度監視用抵抗膜47については右下がりの斜線を付し、加熱用抵抗膜48については右上がりの斜線を付してある。
図3(a)に示すように、本形態の磁気センサ装置10およびロータリエンコーダ1において、磁気抵抗素子4は、基板40と、基板40の一方面40aに形成された磁気抵抗膜41〜44とを備えており、磁気抵抗膜41〜44は、互いに折り返しながら延在している部分によって、基板40の中央に円形の感磁領域45を構成している。本形態において、基板40は四角形の平面形状を有するシリコン基板である。
磁気抵抗膜41〜44からは配線部分が一体に延在しており、配線部分の端部には、A相用の電源端子VccA、A相用のグランド端子GNDA、+A相出力用の出力端子+A、−A相出力用の出力端子−A、B相用の電源端子VccB、B相用のグランド端子GNDB、+B相出力用の出力端子+B、および−B相出力用の出力端子−Bが設けられている。
また、本形態の磁気抵抗素子4では、基板40の一方面40a側に温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48が形成されている。ここで、加熱用抵抗膜48は、基板40の辺に沿って四角枠状に延在して閉ループを構成した状態で、磁気抵抗膜41〜44が形成されている領域の全体を囲んでいる。このため、加熱用抵抗膜48と磁気抵抗膜41〜44とは、基板40の面内方向でずれた領域に形成されており、平面視で重なっていない。また、加熱用抵抗膜48の相対向する2つの辺部分の一方からは配線部分481が延在し、その端部には、加熱用抵抗膜48に対する給電用の電源端子VccHが形成されている。これに対して、2つの辺部分の他方から延在する配線部分482の端部は、A相用のグランド端子GNDAに接続している。このため、A相用のグランド端子GNDAは、加熱用抵抗膜48に対するグランド端子GNDHとしても利用されている。ここで、配線部分481と加熱用抵抗膜48との接続位置と、配線部分482と加熱用抵抗膜48との接続位置は、感磁領域45に対して点対称位置にある。このため、配線部分481と加熱用抵抗膜48との接続位置から配線部分482と加熱用抵抗膜48との接続位置に向かって右回りした際の加熱用抵抗膜48の長さと、配線部分481と加熱用抵抗膜48との接続位置から配線部分482と加熱用抵抗膜48との接続位置に向かって左回りした際の加熱用抵抗膜48の長さが等しい。
温度監視用抵抗膜47は、加熱用抵抗膜48の内側領域のうち、加熱用抵抗膜48の4つの角の1つの角付近に設けられており、感磁領域45と加熱用抵抗膜48との間に位置する。温度監視用抵抗膜47は、複数回、折り返しながら延在した平面形状になっている。このため、占有面積が狭くても、温度監視用抵抗膜47を長く形成することができる。ここで、温度監視用抵抗膜47は、磁気抵抗膜44の配線部分と部分的に重なっているが、感磁領域45とは基板40の面内方向でずれた領域に形成されており、感磁領域45とは重なっていない。温度監視用抵抗膜47一方の端部には、温度監視用の電源端子VccSが形成されている。また、温度監視用抵抗膜47の他方の端部は、B相用のグランド端子GNDBに接続している。このため、B相用のグランド端子GNDBは、温度監視用抵抗膜47に対するグランド端子GNDSとしても利用されている。
(磁気抵抗素子4の断面構成)
図3(b)に示すように、本形態の磁気抵抗素子4において、基板40の一方面40aには、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜51、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜52、およびポリイミド樹脂等からなる第3絶縁膜53が順に形成されている。
ここで、磁気抵抗膜41〜44は、基板40と第1絶縁膜51との層間に形成されている。温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48は、第1絶縁膜51と第2絶縁膜52との層間に形成されている。このため、磁気抵抗膜41〜44は、温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48とは第1絶縁膜51を介して別の層に形成され、温度監視用抵抗膜47と加熱用抵抗膜48とは同一の層に形成されている。
なお、磁気抵抗膜41〜44および加熱用抵抗膜48が基板40と第1絶縁膜51との層間に形成され、温度監視用抵抗膜47が第1絶縁膜51と第2絶縁膜52との層間に形成されている構成等を採用してもよい。
本形態において、磁気抵抗膜41〜44は蒸着法により形成されたNi−Fe膜、Ni−Co、Ni−Fe−Co等の磁性膜である。温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48はいずれも、蒸着法により形成された非磁性膜であり、チタン(Ti)膜、Ti合金膜、アルミニウム(Al)膜、Al合金膜等、チタンやアルミニウムを主成分とする膜からなる。本形態において、温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48はTi膜からなる。
(バリア層の構成)
図3(b)に示すように、本形態の磁気抵抗素子4において、磁気抵抗膜41〜44の表面(基板40と反対側の面)には、磁気抵抗膜41〜44と同一パターンをもってバリア層71〜74が積層されている。バリア層71〜74は、磁気抵抗膜41〜44より膜厚が薄い非磁性金属膜からなる。例えば、バリア層71〜74は、Al膜、Al合金膜等、アルミニウムを主成分とする膜からなる。また、磁気抵抗膜41〜44の厚さは、例えば、10nmから80nmであり、バリア層71〜74の厚さは、例えば、0.5nmから2.0nmである。本形態において、バリア層71〜74の厚さは1.0nmである。
ここで、バリア層71〜74は、図4を参照して説明する方法で磁気抵抗素子4を製造する際、磁気抵抗膜41〜44の表面が酸化されることを防止する機能を有している。
(磁気抵抗素子4の製造方法)
図4は、本発明を適用した磁気抵抗素子4の製造方法を示す工程断面図である。本形態の磁気抵抗素子4を製造するには、まず、図4(a)に示すように、基板40を準備した後、図4(b)に示す磁気抵抗膜形成工程において、基板40を蒸着用の真空チャンバ内に搬入する。次に、真空チャンバ内を真空状態とするとともに、基板40を300℃から400℃の温度、例えば、355℃の温度に加熱し、この状態で、Ni−Fe膜、Ni−Co、Ni−Fe−Co等の磁性膜からなる磁気抵抗膜49を蒸着法により形成する。磁気抵抗膜49の膜厚は、例えば、10nmから80nmであり、本形態において、磁気抵抗膜49の膜厚は35nmである。
次に、図4(c)に示すバリア層形成工程では、磁気抵抗膜49を酸化性雰囲気と接触させずに磁気抵抗膜49の表面に磁気抵抗膜49より膜厚が薄い非磁性金属膜からなるバリア層79を蒸着法により形成する。より具体的には、磁気抵抗膜49を形成した真空チャンバの内部に大気(酸化性雰囲気)を導入せずに真空状態のままとするとともに、基板40を真空チャンバから搬出せずに、蒸着材料のみ変更し、磁気抵抗膜49の表面にバリア層79を形成する。バリア層71〜74は、アルミニウムを主成分とする膜からなる。また、バリア層79の厚さは、例えば、0.5nmから2.0nmであり、本形態において、バリア層79の厚さは1.0nmである。
次に、磁気抵抗膜49およびバリア層79を形成した基板40を真空チャンバから搬出した後、図4(d)に示すマスク形成工程を行う。マスク形成工程では、バリア層79の表面に感光性樹脂を塗布した後、露光、現像し、磁気抵抗膜41〜44を形成すべき位置にレジストマスクからなるエッチングマスク89を形成する。
次に、図4(e)に示すエッチング工程では、バリア層79の表面にエッチングマスク89を形成した状態で磁気抵抗膜49およびバリア層79をエッチングする。その結果、磁気抵抗膜49は磁気抵抗膜41〜44にパターニングされ、バリア層79はバリア層71〜74にパターニングされる。かかるエッチング工程では、ドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれを用いてもよい。
次に、図4(f)に示すエッチングマスク除去工程を行い、エッチングマスク89を除去する。かかるエッチングマスク除去工程では、酸素ガスを含むガスを利用したプラズマアッシング、およびウエットアッシングのいずれを用いてもよい。
次に、図3(b)に示すように、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜51を形成した後、温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48を形成し、その後、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜52、およびポリイミド樹脂等からなる第3絶縁膜53を順に形成する。本形態では、温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48を形成する際には、Ti膜、Ti合金膜、Al膜、Al合金膜等、チタンやアルミニウムを主成分とする膜を蒸着法により形成した後、レジストマスクを用いて、パターニングする。
また、本形態では、図4(b)に示す磁気抵抗膜形成工程を行った後、非酸化雰囲気中で磁気抵抗膜形成工程での磁気抵抗膜49の成膜温度より高い温度、例えば、385℃の温度で約30分間、磁気抵抗膜49(磁気抵抗膜41〜44)を加熱するアニール工程を行うことが好ましい。本形態では、エッチングマスク除去工程を行った後、第1絶縁膜51を形成する前にアニール工程を行う。
(磁気抵抗素子4の温度調節)
図5は、本発明を適用した磁気センサ装置10の制御部90に構成した温度制御部の概略構成を示す説明図である。
図5に示すように、本形態の磁気センサ装置10の制御部90には、温度監視用抵抗膜47の抵抗変化に基づいて加熱用抵抗膜48への給電を制御する温度制御部が構成されている。より具体的には、温度監視用抵抗膜47の温度監視用の電源端子VccSには抵抗81が接続されており、抵抗81において温度監視用抵抗膜47が接続されている側と反対側は電源端子VccS0に接続されている。温度監視用抵抗膜47において抵抗81が接続されている側と反対側には温度監視用のグランド端子GNDSが設けられており、温度監視用抵抗膜47と抵抗81は、電源端子VccS0とグランド端子GNDSとの間で直列に接続されている。
加熱用抵抗膜48の加熱用の電源端子VccHにはバイポーラトランジスタからなるスイッチング素子83が接続されており、スイッチング素子83において加熱用抵抗膜48が接続されている側と反対側は電源端子VccH0に接続されている。加熱用抵抗膜48においてスイッチング素子83が接続されている側と反対側には加熱用のグランド端子GNDHが設けられており、加熱用抵抗膜48とスイッチング素子83とは、電源端子VccH0とグランド端子GNDHとの間で直列に接続されている。
ここで、温度監視用抵抗膜47と抵抗81との間は、オペアンプ82の一方の端子に入力されており、オペアンプ82の他方の端子にはスイッチング素子83をオンオフするための閾値となる電圧Voが入力されている。この状態で、基板40の温度が下がると、温度監視用抵抗膜47の抵抗値が低下し、抵抗81とで分圧された接続点の電圧が下がる。そのときオペアンプ82の他方の端子に入力されている閾値Voより低くなるとオペアンプ82がオン状態となりスイッチング素子83をオンするので加熱用抵抗膜48へ給電される。
この状態で、基板40の温度が上がると、温度監視用抵抗膜47の抵抗値が上昇し、抵抗81との接続点の電圧が上昇する。そのときオペアンプ82の他方の端子に入力されている閾値Voより高くなるとオペアンプ82がオフ状態となりスイッチング素子83をオフするので加熱用抵抗膜48への給電が停止される。それ故、磁気抵抗素子4(磁気抵抗膜41〜44)の温度は、温度監視用抵抗膜47および抵抗81の抵抗値等によって規定された所定の温度に維持される。
(評価結果)
図6は、本発明を適用した磁気抵抗素子4の抵抗変化率に関する評価結果を示すグラフであり、図6(a)、(b)は、バリア層71〜74としてアルミニウム膜を用いた場合のアルミニウム膜の膜厚と抵抗変化率(ΔR/R)との関係を示すグラフ、およびバリア層71〜74としてアルミニウム膜を用いた場合のアニール時間と抵抗変化率(ΔR/R)との関係を示すグラフである。なお、図6(a)では、アニール工程を行わなかった場合の結果を点線L0で示し、アニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合の結果を実線L1で示してある。
図7は、本発明を適用した磁気抵抗素子4の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフであり、図7(a)、(b)は、バリア層71〜74として膜厚が1.0nmアルミニウム膜を用い、アニール工程を行わなかった場合のグラフ、およびバリア層71〜74として膜厚が1.0nmアルミニウム膜を用い、アニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合のグラフである。
図8は、比較例に係る磁気抵抗素子4の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフであり、図8(a)、(b)は、バリア層71〜74を形成せずにアニール工程を行わなかった場合のグラフ、およびバリア層71〜74を形成せずにアニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合のグラフである。
図9は、本発明を適用した別の磁気抵抗素子4の磁気抵抗効果のヒステリシスを示すグラフであり、バリア層71〜74として膜厚が1.0nmチタン膜を用い、アニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合のグラフである。
なお、抵抗変化率(ΔR/R)は、磁束密度が0mTのときの抵抗値を基準にしてある。また、図7、図8および図9は、磁束密度を0mT、−15mT、0mT、+15mT、0mTに変化させたときの抵抗変化率(ΔR/R)を示してある。
まず、図6(a)から分かるように、バリア層71〜74を設けた場合、アニール工程の有無にかかわらず、バリア層71〜74を設けない場合(Al膜膜厚が0nm)に比して抵抗変化率(ΔR/R)が大きくなる。但し、バリア層71〜74が厚すぎると、抵抗変化率(ΔR/R)が低下していくことから、バリア層71〜74の厚さは、0.5nmから2.0nm、特に、1.0nmであることが好ましい。
また、バリア層71〜74を設けた場合、およびバリア層71〜74を設けない場合のいずれにおいても、アニール工程を行った場合、抵抗変化率(ΔR/R)がアニール工程を行わない場合に比して大きくなる。但し、バリア層71〜74が厚すぎる場合にアニール工程を行うと、抵抗変化率(ΔR/R)がアニール工程を行わない場合に比して抵抗変化率(ΔR/R)が低下していくことから、バリア層71〜74の厚さが0.5nmから2.0nmの場合にアニール工程を行うことが好ましい。
また、アニール温度が385℃の場合、アニール工程の時間は、0分から30分までは、時間が長い程、抵抗変化率(ΔR/R)が大きくなるが、30分を超えると、時間を長くしても抵抗変化率(ΔR/R)は一定である。従って、アニール工程の時間は30分が好ましい。
また、図7(a)、(b)に示すように、バリア層71〜74として膜厚が1.0nmアルミニウム膜を用いた場合、アニール工程を行わなかった場合(図7(a)参照)、およびアニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合(図7(b)参照)のいずれにおいても、問題となるヒステリシスは発生しない。
これに対して、図8(a)、(b)に示すように、バリア層71〜74を設けなかった場合、アニール工程を行わなかった場合(図8(a)参照)では、問題となるヒステリシスは発生しないが、アニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合(図8(b)参照)、ヒステリシスが発生する。
従って、バリア層71〜74として膜厚が1.0nmアルミニウム膜を用いた場合、アニール工程を行わなかった場合でも抵抗変化率(ΔR/R)が向上するとともに、アニール工程を行うことにより、抵抗変化率(ΔR/R)をさらに向上させても、問題となるヒステリシスは発生しない。
なお、図9に示すように、バリア層71〜74として膜厚が1.0nmチタン膜を用い、アニール工程(温度=385℃、時間=約30分間)を行った場合でも、抵抗変化率(ΔR/R)が大きく、問題となるヒステリシスは発生しない。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、磁気抵抗膜49を形成した後、磁気抵抗膜49を酸化性雰囲気と接触させずに、磁気抵抗膜49の表面にバリア層79を積層し、その後、磁気抵抗膜49およびバリア層79をパターニングする。このため、磁気抵抗膜49(磁気抵抗膜41〜44)の表面が酸化することを防止することができ、抵抗変化率を向上することができる。また、バリア層71〜74の膜厚は、磁気抵抗膜41〜44の膜厚よりも薄いため、バリア層71〜74に用いる非磁性材料に大きな制約を加えなくても、バリア層71〜74の抵抗が大きい。このため、磁気抵抗膜41〜44にバリア層71〜74を積層した場合でも、抵抗変化率への悪影響を防止することができ、酸化防止に起因する利点を活かすことができる。それ故、抵抗変化率が高い磁気抵抗素子4を得ることができる。
また、バリア層71〜74を設ければ、アニール工程を利用して抵抗変化率の向上を図った場合でも、問題となるヒステリシスの発生を抑制することができる。
また、バリア層71〜74の厚さを0.5nmから2.0nmとした場合、バリア層71〜74に用いる非磁性材料の種類にかかわらず、バリア層71〜74の抵抗が大きい。このため、磁気抵抗膜41〜44にバリア層71〜74を積層した場合でも、抵抗変化率への悪影響を防止することができ、酸化防止に起因する利点を活かすことができる。特に、バリア層71〜74の厚さが1.0nmである場合にはその効果が顕著である。
また、バリア層71〜74は、アルミニウムまたはチタンを主成分とすることが好ましい。かかる構成によれば、比較的安価な非磁性金属によってバリア層71〜74を形成することができる。特に、バリア層71〜74がアルミニウムである場合には、スパッタ時のターゲットが安価であるため、比較的安価な非磁性金属によってバリア層71〜74を形成することができる。
また、基板40には、バリア層71〜74と同一の金属材料からなる機能層が形成されている場合には、バリア層71〜74を追加しても、基板40上に形成する金属材料の種類が変わらない。従って、機能層の形成に用いた蒸着材料を用いてバリア層71〜74を形成することができる。すなわち、基板40に機能層として形成した温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48と、バリア層71〜74とが同一の金属材料からなる場合、バリア層71〜74を追加しても、蒸着材料を新規に準備する必要がないので、コストの増大を抑制することができる。
また、本形態では、アニール工程をエッチングマスク除去工程の後に行う。このため、磁気抵抗膜41〜44の上層にバリア層71〜74を形成し、かつ、磁気抵抗膜49およびバリア層79をパターニングした後にアニール工程を行うので、磁気抵抗膜の歪等を効率よく減少させることができる。それ故、アニール工程の効果が大きい。
また、本形態の磁気センサ装置10では、磁気抵抗膜41〜44が形成された基板40に、温度監視用抵抗膜47および加熱用抵抗膜48が形成されている。このため、設定温度との温度差や温度変化を温度監視用抵抗膜47の抵抗値によって監視し、その監視結果に基づいて加熱用抵抗膜48に給電し、磁気抵抗膜41〜44を設定温度にまで加熱することができる。従って、各磁気抵抗膜41〜44において、温度変化が発生した際の応力の影響に起因する抵抗変化率や、膜質の差に起因する抵抗変化率が相違している場合でも、設定温度で高い精度が得られるように、磁気抵抗膜41〜44の抵抗バランスを設定しておけば、環境温度の変化が発生しても安定した検出精度を得ることができる。すなわち、温度変化が発生しても、図1(c)に示すリサージュ図の原点位置が移動しないので、回転体2の回転角度位置を精度よく検出することができる。
1・・ロータリエンコーダ
2・・回転体
4・・磁気抵抗素子
40・・基板
41〜44、49・・磁気抵抗膜
47・・温度監視用抵抗膜(機能層)
48・・加熱用抵抗膜(機能層)
71〜74、79・・バリア層

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の一方面側に形成された磁気抵抗膜と、
    該磁気抵抗膜の前記基板と反対側の面に当該磁気抵抗膜と同一パターンをもって積層され、当該磁気抵抗膜より膜厚が薄い非磁性金属膜からなるバリア層と、
    有し、
    前記バリア層は、アルミニウムを主成分とすることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記バリア層の厚さは、0.5nmから2.0nmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記バリア層の厚さは、1.0nmであることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記基板には、前記バリア層と同一の金属材料からなる機能層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記磁気抵抗膜の厚さは、10nmから80nmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気抵抗素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気抵抗素子を備えていることを特徴とする磁気センサ装置。
  7. 基板の一方面側に磁気抵抗膜を形成する磁気抵抗膜形成工程と、
    前記磁気抵抗膜を酸化性雰囲気と接触させずに前記磁気抵抗膜の表面に当該磁気抵抗膜より膜厚が薄い非磁性金属膜からなるバリア層を形成するバリア層形成工程と、
    前記バリア層の表面にエッチングマスクを形成するマスク形成工程と、
    前記バリア層の表面に前記エッチングマスクを形成した状態で前記磁気抵抗膜および前記バリア層をエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチングマスクを除去するエッチングマスク除去工程と、
    を有し、
    前記バリア層は、アルミニウムを主成分とすることを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  8. 前記磁気抵抗膜形成工程を真空チャンバ内で行った後、当該真空チャンバ内に酸化性ガスを導入せずに当該真空チャンバ内で前記バリア層形成工程を行うことを特徴とする請求項7に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  9. 前記磁気抵抗膜形成工程を行った後、
    非酸化雰囲気中で前記磁気抵抗膜形成工程での前記磁気抵抗膜の成膜温度より高い温度で当該磁気抵抗膜を加熱するアニール工程を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  10. 前記アニール工程は、前記エッチングマスク除去工程の後に行うことを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
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