JP6213351B2 - 内燃機関の噴射量学習装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の噴射量学習装置に関し、特にディーゼルエンジンの燃料供給システムにおいて、インジェクタから噴射される燃料の噴射量を学習する噴射量学習装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンでは、燃焼騒音の低減やNOx排出量の低減を図るべく、メイン噴射に先立って微小量の燃料を噴射するいわゆるパイロット噴射を実施する技術が知られている。また、パイロット噴射による効果を十分に得るためには、パイロット噴射における噴射量を精密に調整することが重要となる。そこで従来、微小噴射についての噴射量学習に関する技術が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1には、車両の減速時などのように燃料噴射の要求がなされていない場合に、インジェクタの通電期間と実際の噴射量との関係のずれを学習し、そのずれに応じて燃料噴射量を補正することが開示されている。また、パイロット噴射における燃料噴射量がコモンレール内の圧力に応じて変化することを考慮し、コモンレール内の圧力に応じて噴射量学習を行うことが開示されている。
特許第4715821号公報
噴射量学習において、学習精度を確保しようとすると安定した減速時などのように限られた運転状態でしか学習を実施できず、学習頻度が少なくなるといった問題がある。一方で、パイロット噴射では全ての運転状態で同じ噴射量を使う訳ではなく、エンジン運転状態に応じた噴射量を噴射している。学習精度を確保する観点では、パイロット噴射の噴射量範囲内の複数の噴射量についてそれぞれ学習を実施することが考えられるが、かかる場合、学習完了までの走行距離が長くなってしまうという背反がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、噴射量学習において学習完了までに要する期間をできるだけ短くしつつ学習精度を確保することができる内燃機関の噴射量学習装置を提供することを一つの目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、蓄圧配管(13)内の高圧燃料を噴射する燃料噴射弁(32)を備える内燃機関の燃料供給システム(50)に適用され、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を学習する内燃機関(30)の噴射量学習装置に関する。請求項1に記載の発明は、前記学習の実行条件が成立した場合に、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴い発生する実トルクが、予め定めた所定の微小噴射量の燃料が前記燃料噴射弁から実際に噴射された場合の発生トルクである規定トルクに一致するように、学習用噴射として前記燃料噴射弁からの燃料の噴射を複数回実施する噴射制御手段と、前記噴射制御手段による複数回の燃料噴射における各噴射回の噴射に関するデータのうち、前記規定トルクを含む所定のトルク判定範囲に前記実トルクが属する噴射回のデータを用いて、前記微小噴射量を学習する第1学習手段と、前記噴射制御手段による複数回の燃料噴射における各噴射回の噴射に関するデータのうち、前記実トルクが前記トルク判定範囲に属する噴射回のデータと前記トルク判定範囲から外れた噴射回のデータとを用いて、前記燃料噴射弁の指令噴射量と前記実トルクとの相関を示す相関パラメータを学習する第2学習手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、上記構成では、内燃機関の実トルクが、所定の微小噴射量の燃料によって発生する規定トルクに一致するように学習用噴射として複数回の燃料噴射を実施する。そして、その学習用噴射における噴射に関するデータのうち、実トルクが所定のトルク判定範囲に属する噴射回のデータを用いて微小噴射量を学習する。また、学習用噴射における噴射に関するデータのうち、実トルクが所定のトルク判定範囲に属する噴射回のデータと、実トルクが所定のトルク判定範囲に属さない噴射回のデータとを用いて、燃料噴射弁の指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータを学習する。
実トルクを規定トルクに一致させる過程では、微小噴射量の学習には用いないデータ、すなわち実トルクが所定のトルク判定範囲に属さないデータも取得されるが、上記構成ではこうしたデータについても有効に活用することで、指令噴射量と実トルクとの関係を実際のデータを用いて把握することができる。これにより、学習したい噴射量範囲内の一点の噴射量の学習値と、指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータの学習値とを算出するだけで、その噴射量範囲内の噴射量の補正を精度良く行うことができる。この場合、学習したい噴射量範囲内の複数の噴射量についてそれぞれ学習値を算出しなくて済むため、学習完了までに要する時間を短くできる。また、指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータについては、事前に適合した値を用いるのでなく、実際のデータを用いて学習していることから精度も高い。よって、上記構成によれば、噴射量学習において学習完了までに要する期間をできるだけ短くしつつ学習精度を確保することができる。
ここで、噴射に関するデータとしては、単発噴射の実施によって発生した実トルク、該実トルクに基づき算出される実噴射量、及び単発噴射を実施した時の指令噴射量を含む。
エンジンの燃料供給システムの全体概略構成図。 学習用噴射における各噴射回の実噴射量の推移を示す図。 単発噴射における指令噴射量と実トルクとの関係をxy平面上に示した図。 噴射量学習の処理手順を示すフローチャート。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、内燃機関としての車載ディーゼルエンジンに燃料を供給する燃料供給システムを構築するものとしている。当該燃料供給システムは、電子制御ユニット(以下、ECUという。)を中枢としてエンジンへの燃料供給に関する各種制御を実施する。この制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
図1の燃料供給システム50において、燃料タンク11は、燃料配管12を介して燃料ポンプ20に接続されている。燃料ポンプ20は、燃料タンク11から燃料を汲み上げる低圧ポンプ21と、低圧ポンプ21により汲み上げられた燃料を高圧化する高圧ポンプ22とを備えている。なお、本実施形態では低圧ポンプ21と高圧ポンプ22とが一体化されているが、別々に設けられていてもよい。
高圧ポンプ22は、エンジン30の回転に伴い燃料の吸入及び吐出を行う機械式ポンプである。具体的には、高圧ポンプ22は、エンジン30の出力軸31(クランク軸)の回転に同期してプランジャが往復動されることで低圧燃料を吸入するとともにこれを高圧化し、その高圧燃料を吐出する。高圧ポンプ22の燃料吸入部には、電磁駆動式の吸入調量弁(SCV)23が設けられており、吸入調量弁23の通電制御により燃料ポンプ20からの燃料吐出量(ポンプ吐出量)が調整されるようになっている。なお、吸入調量弁23に代えて、燃料ポンプ20からの燃料吐出量を吐出開始タイミングで調整する吐出調量弁(PCV)を用いてもよい。
燃料ポンプ20には、燃料配管を介して蓄圧配管としてのコモンレール13が接続されている。コモンレール13には、燃料ポンプ20から吐出される高圧燃料が逐次供給される。これにより、コモンレール13内の燃料が高圧状態で保持される。コモンレール13には圧力検出手段としての燃圧センサ14が設けられており、燃圧センサ14によってコモンレール13内の燃料圧力(レール圧)が検出される。
エンジン30は多気筒のディーゼルエンジンであり、本実施形態では4気筒エンジンとして構成されている。エンジン30には、気筒33ごとに電磁駆動式のインジェクタ32が設けられており、それぞれのインジェクタ32に対し、高圧燃料配管15を通じてコモンレール13からの高圧燃料が供給される。また、インジェクタ32の駆動により、エンジン30の各気筒33に燃料が噴射供給される。燃料ポンプ20及びインジェクタ32には還流配管16が接続されており、燃料ポンプ20及びインジェクタ32で余剰になった燃料が還流配管16を経由して燃料タンク11に戻されるようになっている。
ECU40は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えた電子制御装置である。ECU40には、上記した燃圧センサ14の検出信号の他に、エンジン30の回転速度を検出するクランク角センサ41、アクセル操作量を検出するアクセルセンサなどの各種センサから検出信号が逐次入力される。ECU40は、エンジン回転速度やアクセル操作量等のエンジン運転情報に基づいて最適な燃料噴射量及び噴射時期を決定し、それに応じた噴射制御信号をインジェクタ32に出力する。これにより、各気筒33においてインジェクタ32からの燃料噴射が制御される。また、ECU40は、都度のエンジン回転速度や燃料噴射量に基づいて、コモンレール圧(噴射圧)の目標値である目標レール圧を設定するとともに、燃圧センサ14により検出された実レール圧が目標レール圧となるようにポンプ吐出量を制御する。
本システムの燃料噴射制御では、燃料の主噴射(メイン噴射)に先立って、メイン噴射に比して微小量の燃料を噴射するパイロット噴射を実施する。ここで、パイロット噴射では、燃焼騒音の低減及びNOx発生の抑制といった効果を十分に発揮させるために微小噴射を精度良く実施することが要求される。その一方で、インジェクタ32は、個体差及び経時的な劣化等により、インジェクタ32に対する指令噴射量、すなわち通電パルス期間と、その通電パルス期間に対して実際にインジェクタ32から噴射される燃料噴射量(実噴射量)との間にずれが現れる。そこで本システムでは、パイロット噴射で用いる微小噴射量に対応する指令値と実噴射量とのずれを検出するとともにそのずれ量を学習値として記憶し、記憶した学習値を用いてインジェクタ32から噴射する燃料量を補正している。
具体的には、本システムの噴射量学習(微小噴射量学習)では、例えば車両減速時のようにインジェクタ32の噴射要求が発生していない場合に、インジェクタ32からの燃料の噴射に伴い発生する実トルクが、予め定めた規定噴射量Qoの燃料がインジェクタ32から実際に噴射された場合の発生トルク(以下、規定トルクという。)に一致するように、学習用噴射としてインジェクタ32からの燃料噴射を複数回実施する。この規定噴射量Qoはパイロット噴射で用いる微小量の噴射量範囲内の値に相当し、例えば1mm3/stに設定されている。また、学習用噴射は単発噴射として実行される。なお、実トルクは、例えば単発噴射直前のエンジン回転速度NEb及び単発噴射によるエンジン回転速度の変動量ΔNEに基づいて算出し、具体的には、エンジン回転速度NEbと変動量ΔNEと所定の比例定数とを積算することにより算出する。
そして、複数回の単発噴射における各噴射回の噴射に関するデータのうち、実トルクが規定トルクを含む所定のトルク判定範囲RTに属する噴射回のデータを用いて、規定噴射量Qoをインジェクタ32から噴射するための指令噴射量と実噴射量との差分を算出するとともに、この差分を学習値として記憶する。なお、「噴射に関するデータ」としては、単発噴射の実施によって発生した実トルク、この実トルクに基づき算出される実噴射量、及び単発噴射を実施した時の指令噴射量並びにこれらの相関値を含む。
また本実施形態では、複数回の単発噴射の実施によって取得した噴射に関するデータのうち、実トルクがトルク判定範囲RTに属する噴射回のデータだけでなく、実トルクがトルク判定範囲RTに入るまでの噴射回のデータ、すなわち規定噴射量Qoの学習には使用しないデータについても有効に活用して微小噴射量学習を実施する。具体的には、実トルクがトルク判定範囲RTに属する噴射回のデータと、トルク判定範囲RTから外れた噴射回のデータとを用いて、インジェクタ32の指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータとしての噴射量補正係数Kqを学習する。
図2は、学習用噴射における各噴射回の実噴射量の推移を示す図である。図中、横軸は単発噴射の噴射回を示し、縦軸は実噴射量(DetectionQ)を示す。なお、縦軸に示す実噴射量は、単発噴射の実施によって発生した実トルクのデータに基づき算出した値である。エンジン30では燃料の噴射量と発生トルクとが比例関係にあることから、実トルクが分かれば実噴射量を算出することが可能である。また、図2中、Q1はトルク判定範囲RTの上限値に対応する噴射量であり、Q2はトルク判定範囲RTの下限値に対応する噴射量である。つまり、単発噴射における実噴射量が、上限値Q1と下限値Q2との間の噴射量範囲RQ内の数値である場合には、実トルクはトルク判定範囲RT内にあり、噴射量範囲RQ外の数値である場合には、実トルクはトルク判定範囲RT外にあることを意味する。図2中、白丸印はトルク判定範囲RT外のデータ、黒丸印はトルク判定範囲RT内のデータである。
本実施形態では、学習用噴射によって実トルクを規定トルクに一致させる場合の噴射量制御として、実トルクと規定トルクとの偏差に基づく噴射量フィードバック制御を実施している。ここで、個体差や経年劣化によってインジェクタ32の燃料噴射特性にずれが生じると、規定噴射量Qoの燃料を噴射するようインジェクタ32に指令しているにも関わらず、実噴射量が規定噴射量Qoに一致しなくなる。こうした状態において、実トルクと規定トルクとの偏差に基づく噴射量フィードバック制御を実施した場合、噴射量学習の開始直後の期間において規定噴射量Qoからの実噴射量の乖離量が大きくても、図2に示すように、やがて実噴射量が規定噴射量Qoに収束する。
本実施形態では、学習用噴射によって発生した実トルクが規定トルクに収束するまでの過程で取得した複数個の噴射に関するデータのうち、実トルクが規定トルクに略一致している噴射回のデータ(図2中の黒丸印)を用いて規定噴射量Qoを学習する。本実施形態では、トルク判定範囲RTに属する実トルクデータを複数個取得するまで学習用噴射を継続して実施しており、トルク判定範囲RTに属するデータが複数個存在する。ここでは、それら複数個のデータの平均値により学習値を算出する。
なお、規定噴射量Qoの学習値は、指令噴射量と実噴射量との誤差を解消するための補正量である。この学習値は、指令噴射量を直接又は間接的に補正する補正量である。つまり、規定噴射量Qoの学習値は、指令噴射量自体を補正する補正量であってもよいし、あるいは指令噴射量に対応する噴射期間(通電パルス時間)を補正する補正量であってもよい。
次に、噴射量補正係数Kqの学習について図2及び図3を用いて説明する。図3は、学習用噴射における各噴射回の指令噴射量と実トルクとの関係をxy平面上に示した図である。図3の白丸印及び黒丸印はそれぞれ図2のデータに対応している。本実施形態では、学習用噴射での実トルクが規定トルクに収束するまでの過程で取得した噴射に関するデータのうち、トルク判定範囲RTから外れた噴射回のデータも使って、指令噴射量と実トルクとの対応関係を線形関数(一次関数L1)で表し、その一次関数L1の傾きmを噴射量補正係数Kqの学習値として記憶する。
こうして求めた学習値はパイロット噴射の噴射量補正に用いる。すなわち、パイロット噴射の燃料噴射量はエンジン運転領域ごとに設定されており、パイロット噴射量として規定噴射量Qoが設定されている運転領域もあれば、規定噴射量Qoよりも少ない噴射量又は規定噴射量Qoよりも多い噴射量が設定されている運転領域もある。パイロット噴射量として規定噴射量Qoが設定されている運転領域では、エンジン運転状態(エンジン回転速度及びエンジン負荷など)に基づき算出した基本噴射量を、規定噴射量Qoの学習値を用いて補正することによりパイロット噴射における指令噴射量を算出する。一方、パイロット噴射量として規定噴射量Qo近傍の値が設定されている運転領域では、規定噴射量Qoと噴射量補正係数Kqとの積算値を用いて基本噴射量を補正することによりパイロット噴射における指令噴射量を算出する。
次に、本実施形態の噴射量学習の処理手順を図4のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU40のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図4において、ステップS101では、噴射量学習の学習実行条件が成立しているか否かを判定する。学習実行条件として本実施形態では、(a)インジェクタ32の噴射要求が発生していないこと、(b)レール圧が安定した状態であること等を含んでいる。(a)に該当する場合としては、アクセルオフに伴う車両減速時などが挙げられる。ステップS101では、これら(a)及び(b)が共に成立している場合に肯定判定される。
学習実行条件が成立している場合にはステップS102へ進み、未学習のエンジン運転領域があるか否かを判定する。未学習のエンジン運転領域がなければそのまま本ルーチンを終了し、未学習のエンジン運転領域があれば、その中から今回の学習対象のエンジン運転領域を選択してステップS103へ進む。
ステップS103では、燃圧センサ14で検出される実レール圧が学習レール圧になるように、吸入調量弁23によってポンプ吐出量を調整する。本実施形態では、レール圧に応じて噴射量学習を実施しており、ここでは、未学習のレール圧の中から今回の学習対象のレール圧を選び出し、これを学習レール圧とする。
続くステップS104では、学習用噴射としての単発噴射を実施する。単発噴射において、学習実行条件成立後の初回噴射では、指令噴射量として規定噴射量Qoが設定され、その後は実トルクと規定トルクとの偏差に応じた噴射量が設定される。また、ステップS105では、単発噴射の実施によって発生した実トルクが規定トルクと略一致しているか否かを判定する。ここでは、単発噴射の直前のエンジン回転速度、単発噴射によるエンジン回転速度の変動量及び所定の比例定数に基づき算出した実トルクがトルク判定範囲RT内の値であることが複数回判定された場合に、実トルクが規定トルクと略一致しているものと判定する。
ステップS105で否定判定された場合にはステップS106へ進み、今回の単発噴射での指令噴射量と実トルクとを噴射回に対応付けて記憶する。また、ステップS107では、実トルクと規定トルクとの偏差に応じて指令噴射量を算出する。その後、ステップS105で肯定判定されるまでステップS104〜S107の処理を繰り返す。
さて、単発噴射による実トルクが規定トルクに略一致すると、ステップS105で肯定判定されてステップS108へ進む。ステップS108では、実トルクが規定トルクに収束するまでの過程で取得した噴射に関するデータのうち、実トルクがトルク判定範囲RTに属する噴射回のデータを用いて規定噴射量Qoの学習値を算出し、これを記憶・更新する。具体的には、実トルクと規定トルクとが略一致した時の指令噴射量と、フィードバック開始前の指令噴射量との差を規定噴射量Qoの学習値として記憶・更新する。
また、ステップS109では、実トルクが規定トルクに収束するまでの過程で取得した実トルクのデータのうち、実トルクがトルク判定範囲RTに属する噴射回のデータと属しない噴射回のデータとの両方を用いて噴射量補正係数Kqを算出し、これを学習値として記憶・更新する。本実施形態では、実トルクが規定トルクに収束するまでの過程で取得した全噴射回のデータを用いて噴射量補正係数Kqを算出する。
なお、学習値の更新は、現在記憶されている学習値と新たに取得した今回の学習値とを比較し、その差分が所定値以上の場合に更新処理を行う構成としてもよい。また、図4では省略しているが、規定噴射量Qo及び噴射量補正係数Kqの各々の学習値はエンジン30の各気筒33について取得される。したがって、ステップS101〜S109の一連の処理は気筒数に相当する回数(本実施形態では4回)が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
学習用噴射として複数の燃料噴射を実施する場合、実トルクを規定トルクに一致させる過程では、規定噴射量Qoの学習には用いないデータ、すなわち実トルクがトルク判定範囲RTに属さないデータも取得されるが、上記構成ではこうしたデータについても有効に活用して噴射量補正係数Kqを算出し、これにより指令噴射量と実トルクとの関係を実際のデータを用いて把握する。この場合、学習したい噴射量範囲内の一点の噴射量(本実施形態では規定噴射量Qo)の学習値と、指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータである噴射量補正係数Kqの学習値とを算出するだけで、その噴射量範囲内の噴射量の補正を精度良く行うことができる。また、学習したい噴射量範囲内の複数の噴射量についてそれぞれ学習値を算出しなくて済むため、学習完了までに要する時間を短くできる。さらに、噴射量補正係数Kqについては事前に適合した値を用いるのでなく、実際のデータを用いて学習していることから精度も高い。よって、上記構成によれば、噴射量学習において学習完了までに要する期間をできるだけ短くしつつ学習精度を確保することができる。
微小噴射量学習に際しては、単発噴射によって発生する実トルクが規定トルクに一致するように、実トルクと規定トルクとの偏差に基づく噴射量フィードバック制御によりインジェクタ32による燃料噴射を複数回実施する構成とした。この場合、実トルクを規定トルクに正確に収束させることが可能となり、その結果、微小噴射量学習を精度良く実施することが可能となる。
インジェクタ32の指令噴射量と実トルクとの相関を示す相関パラメータについて、具体的には、各噴射回における指令噴射量と実トルクとの関係を線形関数で表したときの傾きmを噴射量補正係数Kqとして算出し、この算出した傾きmを噴射量補正係数Kqの学習値とする構成とした。指令噴射量と実トルクとの関係を線形回帰することにより、指令噴射量の変化量と実トルクの変化量との比率(傾きm)を把握することができる。また、傾きmが分かれば、規定噴射量Qoを傾きm(=噴射量補正係数Kq)によって補正することにより、規定噴射量近傍の噴射量範囲についての指令噴射量に対する実噴射量を正確に算出することができる。したがって、複数の噴射量の各々について指令噴射量と実噴射量とのずれ量を学習しなくて済む。特に本システムでは、噴射量補正係数Kqを個々のエンジン30を使って実際に求めていることから、規定噴射量Qoの学習値を使って規定噴射量Qo近傍の噴射量を算出する際に、事前に適合した値を用いて補正する場合に比べて精度の向上を図ることができる。
例えば車両減速中の燃料カット時などのようにインジェクタ32の噴射要求が発生していない運転状態では、学習用噴射が実施されなければエンジン回転速度は単調に減少する。したがって、インジェクタ32の噴射要求が発生していないことを学習実行条件に含むことにより、学習用噴射として微小噴射を行った場合の実トルクの推定を精度良く行うことができる。これにより、学習精度の向上を図ることができる。
ディーゼルエンジン30のパイロット噴射では、燃焼騒音の低減及びNOxの抑制の効果を十分に発揮させるために微小噴射の噴射量制御を高精度に行う必要がある。その一方で、インジェクタ32は、個体差及び経時的な劣化等により、インジェクタ32の通電期間(指令噴射量)と実噴射量との関係にずれが生じる。この点、本実施形態では、パイロット噴射の微小噴射量学習に本発明を適用する構成としたため、パイロット噴射の精度を高めることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、学習用噴射によって実トルクを規定トルクに一致させる場合の噴射量制御として、実トルクと規定トルクとの偏差に基づく噴射量フィードバック制御を実施する構成としたが、指令噴射量を所定量ずつ増加又は減少させることによって実トルクを規定トルクに一致させる構成としてもよい。例えば、学習実行条件の成立後の初回噴射において実トルクが規定トルクよりも小さかった場合には、その後の単発噴射において指令噴射量を所定量ずつ増加させる構成とする。
・学習実行条件の成立後の初回噴射から実トルクがトルク判定範囲RTに属している場合、あるいはトルク判定範囲RTから外れたデータ数が少ない場合には、噴射量補正係数Kqの学習精度を保証できないおそれがある。この点を考慮し、学習用噴射により得られた各噴射回の噴射に関するデータにおいて、実トルクがトルク判定範囲RTから外れるデータが無いか、又は所定数以下である場合には噴射量補正係数Kqの学習を禁止する構成としてもよい。こうした構成とすることにより、噴射量補正係数Kqの学習精度の低下を回避することができる。なお、噴射量補正係数Kqの学習を禁止した場合、事前に適合した値を用いるか、あるいは前回の学習値をそのまま用いる構成としてもよい。
・上記実施形態では、学習実行条件の成立後における初回噴射の指令噴射量を規定噴射量Qo(例えば1mm3/st)としたが、規定噴射量Qo以外の値であってもよい。例えば、初回噴射の指令噴射量を規定噴射量Qoよりも大きい値(例えば2mm3/st)とし、その後の単発噴射において実トルクと規定トルクとの偏差に基づくフィードバックを実施する。この場合、実トルクがトルク判定範囲RTから外れるデータ数を意図的に増やすことができ、噴射量補正係数Kqの学習精度を高めることができる。
・上記実施形態では、単発噴射の直前のエンジン回転速度、単発噴射によるエンジン回転速度の変動量及び所定の比例定数に基づいて実トルクを算出する構成としたが、エンジン30のトルクを直接検出可能なセンサを設け、センサによって検出した実トルクを用いて噴射量学習を実施してもよい。
・上記実施形態では、実トルクがトルク判定範囲RTに属する複数の噴射回のデータを用いて規定噴射量Qoを学習したが、1回の噴射回のデータを用いて規定噴射量Qoを学習してもよい。
・本発明は、車両用ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システム以外にも適用できる。例えば、直噴式ガソリンエンジンの蓄圧式燃料噴射システムにも適用できる。また、車両用以外のエンジンにも適用できる。
10…エンジン、13…コモンレール(蓄圧配管)、30…エンジン(内燃機関)、32…インジェクタ(燃料噴射弁)、40…ECU(噴射制御手段、第1学習手段、第2学習手段)、50…燃料供給システム、RT…トルク判定範囲。

Claims (5)

  1. 蓄圧配管(13)内の高圧燃料を噴射する燃料噴射弁(32)を備える内燃機関の燃料供給システム(50)に適用され、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を学習する内燃機関(30)の噴射量学習装置であって、
    前記学習の実行条件が成立した場合に、前記燃料噴射弁からの燃料の噴射に伴い発生する実トルクが、予め定めた所定の微小噴射量の燃料が前記燃料噴射弁から実際に噴射された場合の発生トルクである規定トルクに一致するように、学習用噴射として前記燃料噴射弁からの燃料の噴射を複数回実施する噴射制御手段と、
    前記噴射制御手段による複数回の燃料噴射における各噴射回の噴射に関するデータのうち、前記規定トルクを含む所定のトルク判定範囲に前記実トルクが属する噴射回のデータを用いて、前記微小噴射量を学習する第1学習手段と、
    前記噴射制御手段による複数回の燃料噴射における各噴射回の噴射に関するデータのうち、前記実トルクが前記トルク判定範囲に属する噴射回のデータと前記トルク判定範囲から外れた噴射回のデータとを用いて、前記燃料噴射弁の指令噴射量と前記実トルクとの相関を示す相関パラメータを学習する第2学習手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の噴射量学習装置。
  2. 前記噴射制御手段は、前記実トルクと前記規定トルクとの偏差に基づく噴射量フィードバック制御より前記学習用噴射を実施する請求項1に記載の内燃機関の噴射量学習装置。
  3. 前記第2学習手段は、各噴射回における前記指令噴射量と前記実トルクとの関係を線形関数で表したときの傾きを前記相関パラメータとして算出し、該算出した傾きを学習値として記憶する請求項1又は2に記載の内燃機関の噴射量学習装置。
  4. 前記実行条件として、前記燃料噴射弁の噴射要求が発生していないことを含み、
    前記噴射制御手段は、前記噴射要求が発生していない場合に前記学習用噴射を実施する請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の噴射量学習装置。
  5. 前記微小噴射量は、メイン噴射に先立って実施されるパイロット噴射の噴射量範囲内の値であり、
    前記第1学習手段は、前記学習として前記パイロット噴射の噴射量学習を実施する請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の噴射量学習装置。
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