JP6211226B2 - 受信装置及び受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、送信機から送信された電波を受信する受信装置及び受信方法に関し、特に、受信信号をもとにして送信機が存在する方向を特定する技術に関するものである。
携帯電話、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)、及び地上デジタル放送等の電波を受信する受信装置(受信機)は、送信機から直接届く到来波である直接波だけではなく、ビル及び建物等のような障害物に反射及び散乱して届く到来波である遅延波をも受信する。このように、送信機から送信された電波が、様々な経路を通って受信機に届くような通信環境をマルチパス環境と言う。
マルチパス環境における受信性能の劣化を抑圧する技術の1つとして、複数のアンテナ素子を有するアレイアンテナの指向性制御が知られている。アレイアンテナにおいては、複数のアンテナ素子を通して受信された複数の信号を合成する際に使用する複数の重み係数を制御することで、アレイアンテナに指向性を持たせることができる。マルチパス環境において、アレイアンテナのメインローブを直接波の到来方向(送信機の方向)に向けるようにアレイアンテナの指向性を制御することで、遅延波の影響による受信性能の劣化を抑圧することができる。アレイアンテナの指向性制御により受信性能を向上させるためには、直接波の到来角を精度良く推定する必要がある。
受信機が固定されていて送信機の方向が既知である場合には、アレイアンテナのメインローブを送信機に向けるように、アレイアンテナの指向性を手動で調整すれば良い。しかし、車等のような移動体内の受信機で電波を受信する場合には、受信機から見た送信機の方向が変化するため、直接波と遅延波とが多重された受信信号から、直接波の到来角を推定する必要がある。なお、無線通信の電波環境は、受信機から見て送信機が見通し内に存在するLOS(Line Of Sight)と、受信機から見て送信機が見通し外に存在するNLOS(None Line Of Sight)とに分類される。本出願では、LOS環境を想定して、直接波の到来角を推定する。
一般に、電波の到来角を測定する方法として、N本(Nは2以上の整数)のアンテナ素子を備えるアレイアンテナで受信した信号の相関行列の固有値及び固有値ベクトルを用いたMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法及びESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)法が知られている。
しかしながら、MUSIC法又はESPRIT法で測定可能な到来波の数には制限があり、最大でN波である。送信機から受信機まで直接届く直接波の他に、周辺の障害物に反射して届く遅延波が多数存在するマルチパス環境下でMUSIC法又はESPRIT法を使用する場合には、アンテナアレイは、想定される到来波(直接波及び遅延波)の最大数と同数のアンテナ素子を備える必要があり、アレイアンテナが大きくなり過ぎるという欠点がある。
特許文献1は、2本のアンテナ素子で3波以上の到来角を推定する方法を記載している。この方法では、各アンテナ素子で受信した信号から算出される複素遅延プロファイルを用いて、遅延時間の異なる到来波を分離し、分離された各到来波のアンテナ素子間の位相差をもとに、到来波の到来角を推定する。
特許文献2及び特許文献3は、アレイアンテナによるマルチビームを利用して到来角を推定する方法を記載している。この方法では、アンテナ素子の本数より多い数の到来波の到来角を推定可能である。この方法では、まず、メインローブの方向が異なる複数のビームフォーミングを用いて、到来角の異なる到来波を分離し、その後、各ビームフォーミングの結果から算出される遅延プロファイルをもとにして、遅延時間を推定する。おおよその到来角は、電力が最も大きいビームフォーミングのメインローブの方向から推定できる。また、メインローブの方向が隣接するビームフォーミング間の電力差をもとにして、到来角の推定を実施することで、到来角の推定精度を一層向上させることができる。
特許第4833144号公報(第14−15頁、図6) 特開2009−206889号公報(第5頁、第7頁、図2) 特開2003−8483号公報(第6頁、第7頁、図1)
受信機の近辺に車両又は建物等が存在する場合には、直接波と遅延波の間で、送信機から受信機までの電波伝搬経路長に大きな差がないため、遅延時間が非常に短くなる。この遅延時間が、特許文献1で推定する複素遅延プロファイルの遅延時間分解能より短くなると、推定した複素遅延プロファイル上で、直接波と遅延波が重なり、両者を分離できなくなる。その結果、直接波と遅延波を合成した信号に対する到来角を推定することになり、直接波の到来角の推定精度が大幅に劣化するという問題がある。例えば、帯域幅10MHzの信号を受信して推定する複素遅延プロファイルの遅延時間分解能は、帯域幅の逆数の100ns程度である。一方、受信機から見て、送信機と反対側の3mの位置に車両等の障害物が存在する場合、直接波に対する遅延時間はτ=(3/c)×2=20nsである。ここで、cは光の速度3×10m/sである。このとき、推定する複素遅延プロファイルの遅延時間分解能100nsに対して、遅延時間は10nsであり、推定遅延プロファイル上では、直接波と遅延波が重なり1つの到来波を受信したように見える。特許文献1に記載の技術では、到来角が180度異なる直接波と遅延波を合成した信号に対する到来角を推定することになり、直接波の到来角の推定精度が劣化する。
また、特許文献2及び特許文献3は、アンテナ素子の本数が多い場合は、メインローブの幅を狭くできるため、マルチビームで、到来角の異なる複数の到来波を分離することができる。しかし、アンテナ素子の本数が少なくなるにつれて、メインローブの幅が広くなるため、到来角の異なる複数の到来波を分離することが困難になる。さらに、メインローブの向きが隣接するビームフォーミング間の電力差も小さくなるため、直接波の到来角の推定精度が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、遅延時間が遅延プロファイルの分解能より短い遅延波が存在する環境下で、直接波の到来角を、少ない本数のアンテナ素子で、精度良く推定することができる受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
本発明に係る受信装置は、複数本のアンテナ素子を含むアレイアンテナに到来する電波である到来波を受信する受信装置であって、前記複数本のアンテナ素子を介して受信された複数の信号をもとにして、前記複数の信号に対応する複数のデジタル信号を生成する無線受信部と、前記複数のデジタル信号をもとにして、前記複数のデジタル信号に対応する複数の第1電力遅延プロファイルを推定する第1電力遅延プロファイル推定部と、前記複数の第1電力遅延プロファイルを合成して合成電力遅延プロファイルを生成する合成部と、前記アレイアンテナのヌル点の方向を変更するアレイ制御部と、前記複数のデジタル信号に対し、前記アレイ制御部で変更された方向にヌル点を向けてアレイ処理を行って、アレイ処理信号を生成するアレイ処理部と、前記アレイ処理信号から第2電力遅延プロファイルを推定する第2遅延プロファイル推定部と、前記合成電力遅延プロファイルから前記第2電力遅延プロファイルを減算して得られる差分電力遅延プロファイルを生成する差分部と、前記差分電力遅延プロファイルと前記アレイ制御部で変更される前記ヌル点の方向とをもとにして、前記到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する2次元マップ部と、前記2次元マップ上における到来波の内の、遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分の到来角を出力する到来角推定部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る受信方法は、複数本のアンテナ素子を含むアレイアンテナに到来する電波である到来波を受信する受信方法であって、前記複数本のアンテナ素子を介して受信された複数の信号をもとにして、前記複数の信号に対応する複数のデジタル信号を生成する受信ステップと、前記複数のデジタル信号をもとにして、前記複数のデジタル信号に対応する複数の第1電力遅延プロファイルを推定する第1推定ステップと、前記複数の第1電力遅延プロファイルを合成して合成電力遅延プロファイルを生成する合成ステップと、前記アレイアンテナのヌル点の方向を変更し、前記複数のデジタル信号に対し、前記変更された方向にヌル点を向けてアレイ処理を行って、アレイ処理信号を生成するアレイ処理ステップと、前記アレイ処理信号から第2電力遅延プロファイルを推定する第2推定ステップと、前記合成電力遅延プロファイルから前記第2電力遅延プロファイルを減算して得られる差分電力遅延プロファイルを生成する差分ステップと、前記差分電力遅延プロファイルと前記変更されたヌル点の方向とをもとにして、前記到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する2次元マップステップと、前記ヌル点の方向を変更して、前記受信ステップ、前記第1推定ステップ、前記合成ステップ、前記アレイ処理ステップ、前記第2推定ステップ、前記差分ステップ、及び前記2次元マップステップを実行するステップと、前記2次元マップ上における前記到来波の内の、遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分の到来角を出力する到来角推定ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、アレイアンテナのヌル点を走査させながら、ヌル点の方向から到来する到来波の電力遅延プロファイルを算出することで、少ないアンテナ素子の本数でも遅延時間が電力遅延プロファイルの分解能より短い遅延波を分離することができ、直接波の到来角を精度よく推定することができる。
本発明の実施の形態1による受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 OFDM伝送方式の遅延プロファイル推定部の構成を概略的に示すブロック図である。 DSSS伝送方式の遅延プロファイル推定部の構成を概略的に示すブロック図である。 (a)及び(b)は、遅延時間が長い場合の角度プロファイルと遅延プロファイルを示す図である。 遅延時間が長い場合の到来角の分離の様子を示す図である。 遅延時間が長い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。 (a)及び(b)は、遅延時間が短い場合の角度プロファイルと遅延プロファイルを示す図である。 遅延時間が短い場合の到来角の分離の様子を示す図である。 遅延時間が短い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。 本発明の実施の形態2による受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 (a)及び(b)は、実施の形態2における遅延時間が長い場合の2次元マップを示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態2における遅延時間が短い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。 図10の補正部の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施の形態4による受信方法を示すフローチャートである。 OFDM伝送方式の遅延プロファイル推定処理を示すフローチャートである。 DSSS伝送方式の遅延プロファイル推定処理を示すフローチャートである。 実施の形態1から3の変形例としての受信装置を示すハードウェア構成図である。
《1》実施の形態1
《1−1》実施の形態1の構成
図1は、本発明の実施の形態1による受信装置1の構成を概略的に示すブロック図である。受信装置1は、送信機から発せられる電波(到来波)を受信する。図1に示されるように、実施の形態1による受信装置1は、アレイアンテナを構成するN本(Nは2以上の整数)のアンテナ素子10_1,…,10_Nに接続されたN個の無線受信部11_1,…,11_Nと、アレイ処理部12と、アレイ制御部13と、(N+1)個の遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N+1と、(N+1)個の電力算出部15_1,…,15_N+1と、合成部16と、差分部17と、2次元マップ部18と、到来角推定部19とを備えている。遅延プロファイル推定部14_nと電力算出部15_nとは、電力遅延プロファイル推定部20_nを構成する。電力遅延プロファイル推定部20_1,…,20_Nは、第1電力遅延プロファイル推定部とも言う。電力遅延プロファイル推定部20_N+1は、第2電力遅延プロファイル推定部とも言う。また、受信装置1は、無線受信部11_1,…,11_Nと、アレイ処理部12と、アレイ制御部13と、遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N+1と、電力算出部15_1,…,15_N+1と、合成部16と、差分部17と、2次元マップ部18と、到来角推定部19とを制御する制御部を備えても良い。
N個の無線受信部11_1,…,11_Nは、N本のアンテナ素子10_1,…,10_Nを介して受信されたN個の受信信号をもとにして、N個の受信信号に対応するN個のデジタル信号r(k),…,r(k)を生成する。N個の第1電力遅延プロファイル推定部20_1,…,20_Nは、N個のデジタル信号r(k),…,r(k)をもとにして、N個のデジタル信号に対応するN個の電力遅延プロファイル(第1電力遅延プロファイル)p(m,l),…,p(m,l)を推定する。合成部16は、N個の第1電力遅延プロファイルp(m,l),…,p(m,l)を合成して合成電力遅延プロファイルq(m,l)を生成する。アレイ制御部13は、アレイアンテナのヌル点の方向を指定(変更)する指向性制御部である。アレイ制御部13は、複数のアンテナ素子を通して受信された複数の信号を合成する際に使用する複数の重み係数を制御することで、アレイアンテナに指向性を持たせる。アレイ処理部12は、N個のデジタル信号r(k),…,r(k)に対し、アレイ制御部13で指定(変更)された方向にヌル点を向けてアレイ処理を行って、アレイ処理信号y(k)を生成する。第2遅延プロファイル推定部20_N+1は、アレイ処理信号y(k)から第2電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を推定する。差分部17は、合成電力遅延プロファイルq(m,l)から第2電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を減算して差分電力遅延プロファイルd(m,l)を生成する。2次元マップ部18は、差分電力遅延プロファイルd(m,l)とアレイ制御部13で指定(変更)されるアレイアンテナのヌル点の方向とをもとにして、到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する。到来角推定部19は、2次元マップ部18で作成された到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップをもとにして、到来波の内の直接波の到来角θを推定して出力する。到来角推定部19は、アレイ制御部13によりアレイアンテナのヌル点を全方向に走査(変更)しながら、2次元マップ部18で到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成し、2次元マップ上で遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分を直接波成分と判断して直接波の到来角θを推定する。
《1−2》実施の形態1の動作
無線受信部11_1,…,11_Nは、アンテナ素子10_1,…,10_Nを介して受信されたN個の受信信号に、それぞれ周波数変換処理を施して、N個のベースバンド信号を生成する。無線受信部11_1,…,11_Nは、N個のベースバンド信号をアナログデジタル(AD)変換して得られたN個のデジタル信号を出力する。N個のデジタル信号は、遅延プロファイル推定部14_1,…,14_Nにそれぞれ与えられる。また、N個のデジタル信号は、アレイ処理部12に与えられる。
アレイ処理部12は、無線受信部11_1,…,11_Nから出力されたN個のデジタル信号に対して、アレイ処理を施す。アレイ処理によってアレイ処理部12から出力される信号y(k)は次式(1)で表される。
Figure 0006211226
ここで、r(k)は、無線受信部11_n(n=1,2,…,N)から出力される信号であり、kは、無線受信部11_nにおけるAD変換後のサンプル番号(正の整数)であり、wは、信号r(k)についての複素重み係数である。
式(1)の複素重み係数w,…,wによって、N本のアンテナ素子10_1,…,10_Nから構成されるアレイアンテナの指向性が変わり、任意の方向にヌル点を向けることができる。アレイ処理部12は、アレイ制御部13で指定(変更)された方向に、ヌル点を向けるように、アレイ処理を行う。アレイ制御部13の動作は、後述する。
遅延プロファイル推定部14_1,…,14_Nは、無線受信部11_1,…,11_Nから出力される信号r(k),…,r(k)から、遅延プロファイルをそれぞれ推定(算出)する。遅延プロファイル推定部14_N+1は、アレイ処理部12から出力される信号y(k)から、遅延プロファイルを推定(算出)する。遅延プロファイルの推定方法は、通信システムで採用されている伝送方式に依存する。本発明による装置及び方法は、任意の伝送方式に適用可能である。ここでは、例として、多くの通信システムで採用されているOFDM(Orthogonal Frequency Divison Multiplex)伝送方式における遅延プロファイルの推定と、DSSS(Direct Sequence Spectrum Spread)伝送方式における遅延プロファイルの推定とについて述べる。
まず、OFDM伝送方式における遅延プロファイルの推定について述べる。OFDM伝送方式は、直交する複数のサブキャリアを多重化したシンボルを伝送単位とする伝送方式である。OFDM伝送方式を採用する多くの通信システムでは、受信装置側で伝送路歪を補償するために、送受信に際し、一部のサブキャリアを、既知のパイロットサブキャリアとして使用する。実施の形態1では、このパイロットサブキャリアを用いて遅延プロファイルを推定する。
図2は、OFDM伝送方式における遅延プロファイル推定部14_n(n=1,…,N+1)の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示されるように、OFDM伝送方式の遅延プロファイル推定部14_nは、FFT(高速フーリエ変換)部141_nと、パイロット抽出部142_nと、パイロット生成部143_nと、除算部144_nと、補間部145_nと、IFFT(逆高速フーリエ変換)部146_nとを備えている。FFT部141_nは、n=1,…,Nのときには、図1の無線受信部11_nから出力される信号r(k)を、シンボル毎に時間軸から周波数軸に変換することで、各サブキャリアを出力する。FFT部141_nは、n=N+1のときには、アレイ処理部12から出力される信号y(k)を、シンボル毎に時間軸から周波数軸に変換することで、サブキャリアを出力する。パイロット抽出部142_nは、FFT部141_nから出力される信号からパイロットキャリアを抽出する。パイロット生成部143_nは、既知のパイロットキャリアを生成する。除算部144_nは、パイロット抽出部142_nによって抽出されたパイロットキャリアを、パイロット生成部143_nで生成された既知のパイロットキャリアで除算することで、受信信号に含まれるパイロットキャリアに作用する伝送路の伝達関数を生成する。補間部145_nは、パイロットキャリアに作用する伝送路の伝達関数をシンボル方向とサブキャリア方向に補間することで、全サブキャリアの伝送路の伝達関数を生成する。最後に、IFFT部146_nは、伝送路の伝達関数を時間軸の伝達関数に変換することで、遅延プロファイルを生成し、この遅延プロファイルをシンボル単位で出力する。
次に、DSSS伝送方式における遅延プロファイル推定部について述べる。DSSS伝送方式は、シンボル毎に擬似雑音系列を用いて拡散した信号を送信し、受信装置側で逆拡散する方式である。図3は、DSSS伝送方式における遅延プロファイル推定部14_n(n=1,…,N+1)の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示されるように、DSSS伝送方式の遅延プロファイル推定部14_nは、擬似雑音系列生成部148_nと、逆拡散部149_nとを備えている。擬似雑音系列生成部148_nは、送信機側の拡散時に使用した擬似雑音系列を生成する。逆拡散部149_nは、図1の無線受信部11_n又はアレイ処理部12から出力される信号y(k)とのスライディング相関をシンボル単位で計算して出力する。この逆拡散部149_nの出力が遅延プロファイルである。
図2及び図3において、遅延プロファイル推定部14_nは、遅延プロファイルをシンボル単位で出力する。遅延プロファイル推定部14_nにおけるm番目のシンボルの遅延プロファイルの推定結果をh(m,l)で表す。ここで、lは、遅延時間のインデックスである。
遅延時間分解能Δτ[s]は、OFDM伝送方式の場合、帯域幅をWOFDM[Hz]とすると、Δτ=1/WOFDMである。
また、遅延時間分解能Δτ[s]は、DSSS伝送方式の場合、チップレートをWDSSS[Hz]とすると、Δτ=1/WDSSSである。
また、遅延プロファイルの長さLは、L×Δτが通信システムで考え得る最大遅延時間より長いものとなるように、設定される。
図1の電力算出部15_1,…,15_N+1は、遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N+1から出力される遅延プロファイルh(m,l),…,hN+1(m,l)の遅延時間毎に、次式で示される電力p(m,l)を計算して出力する。
(m,l)=|h(m,l)|
また、電力算出部15_1,…,15_N+1は、遅延プロファイルの電力の代わりに、遅延プロファイルの振幅を出力しても良い。以降、電力算出部15_1,…,15_N+1から出力される遅延プロファイルの電力p(m,l)を、電力遅延プロファイルとも呼ぶ。
図1の合成部16は、電力算出部15_1,…,15_Nから出力される電力遅延プロファイルp(m,l),…,p(m,l)を、次式(2)のように合成する。以降、合成部16の出力q(m,l)を、合成電力遅延プロファイルと呼ぶ。
Figure 0006211226
式(2)においてc(n=1,…,N)は、合成係数であり、次式(3)の条件を満たす任意の値である。
Figure 0006211226
=1/Nのとき、合成部16は、N個の電力遅延プロファイルp(m,l),…,p(m,l)を合成して、合成電力遅延プロファイルq(m,l)として出力する。また、c=1、c=0(j=2,…,N)のとき、合成部16は、アンテナ素子10_1で受信した信号の電力遅延プロファイルp(m,l)を合成電力遅延プロファイルq(m,l)として出力する。
図1の差分部17は、合成部16の出力である合成電力遅延プロファイルq(m,l)から、電力算出部15_N+1の出力である電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を減算して得られる差分電力遅延プロファイルd(m,l)を出力する。すなわち、差分電力遅延プロファイルd(m,l)は、次式で表される。
d(m,l)=q(m,l)−pN+1(m,l)
図4(a)及び(b)は、遅延時間が長い場合の角度プロファイルと遅延プロファイルを示す図である。図5の欄A、B、Cは、遅延時間が長い場合の到来角の分離の様子を示す図である。
ここで、図4(a)及び(b)に示されるような直接波と遅延波を受信する場合を考える。直接波と遅延波の到来角はそれぞれθと−θとし、直接波と遅延波の遅延時間の差をτとする。このような環境下で、アレイ処理部12のヌル点の方向θNULLがθと等しい場合、合成部16から出力される合成電力遅延プロファイルq(m,l)、電力算出部15_N+1から出力されるアレイ処理後の電力遅延プロファイルpN+1(m,l)、及び差分部17から出力される差分電力遅延プロファイルd(m,l)は、図5の欄Aのようになる。図5の欄Aにおいて、合成部16の出力q(m,l)は全到来波の成分が含まれており、電力算出部15_n+1の出力pN+1(m,l)は遅延波成分のみが含まれるため、差分部17の出力(差分電力遅延プロファイル)d(m,l)には直接波の成分が含まれることになる。つまり、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には、ヌル点の方向から到来する到来波が含まれることになる。
同様に、ヌル点の方向θNULLがθと等しい場合と、ヌル点の方向θNULLがθ及びθのいずれとも異なる場合を、図5の欄Bと欄Cに示す。図5の欄Bでは、ヌル点を遅延波の到来方向に向けているため、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には遅延波成分が含まれる。図5の欄Cでは、到来波が存在しない方向にヌル点を向けているため、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には到来波成分は含まれない。
なお、ここでは、アレイ処理部12のアンテナ利得はヌル点で急峻に落ちるものとしている。
図1のアレイ制御部13は、アレイ処理部12でヌル点を向ける方向を走査(変更)させる。具体的には、初期のヌル点の方向をθNULL=−πとし、
θNULL=−π+a×Δθ (a=0,1,…,2π/Δθ−1)
のように順次走査する。0≦a<2π/Δθについて、−πからπの全方向の走査が完了するが、引き続き、走査を続けても良い。なお、インデックスaは、Mシンボル毎にインクリメントされるものとする。このヌル点の走査方向θNULLは、アレイ処理部12の他に、2次元マップ部18でも使用される。
図1の2次元マップ部18は、ヌル点の方向から到来する到来波の電力遅延プロファイル(差分部17の出力)d(m,l)と、ヌル点の走査方向(アレイ制御部13の出力)とを用いて、遅延時間と到来方向(到来角)のそれぞれを座標軸とする座標系上に、2次元マップを作成する。具体的には、まず、2次元マップ部18は、ヌル点が
θNULL=−π+aΔθ (a=0,1,…,2π/Δθ−1)
に向けられている期間中に出力されるMシンボル分の差分電力遅延プロファルの平均d(l)を、次式(4)で計算する。差分電力遅延プロファルの平均d(l)を、平均差分電力遅延プロファイルとも呼ぶ。
Figure 0006211226
次に、2次元マップ部18は、予め準備しておいた2次元配列(2π/Δθ行、L列)に対して、a行目に式(4)で表される平均差分電力遅延プロファイルd(l)(l=0,1,…,L)を格納する。
図6は、遅延時間の差τが長い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。例えば、図4(a)及び(b)に示される電波環境の場合、遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップは図6のようになる。図6に示されるように、直接波の成分が到来角θ、遅延波の成分が到来角−θの位置に存在し、各成分の遅延時間の差はτとなる。
図1の到来角推定部19は、遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを用いて直接波の到来角θを推定する。具体的には、ある一定の閾値を設定して、2次元マップにおいて閾値を超える成分を探索し、その中で最も遅延時間の短い成分を選択する。この選択された成分が直接波であると判断する。複数の成分が選択された場合は、最も電力の大きいものを直接波であると判断する。最後に、到来角推定部19は、2次元マップにおいて直接波の成分と判断された到来角θを出力する。
なお、上記の閾値は、予め決めておいた値であっても良いし、2次元マップ上の最大値から予め決めておいた一定量だけ減衰させた値であっても良い。
図4(a)及び(b)の電波環境の場合、図6において閾値より大きな成分として、直接波と遅延波が選択され、その中で最も遅延時間が短いものとして直接波が正しく識別され、到来角θが出力されることが分かる。
実施の形態1は、遅延時間が遅延プロファイルの分解能Δτより短い遅延波が存在する環境下でも正確に直接波の到来角θを推定可能であることを図7(a)及び(b)、図8、及び図9を用いて説明する。
図7(a)及び(b)は、遅延時間が短い場合の角度プロファイルと遅延プロファイルを示す図である。図7(a)及び(b)は、遅延時間の差τが遅延プロファイルの分解能Δτより短い(τ<Δτ)遅延波が存在する電波環境を示す。図7(a)の到来角は図4(a)のものと同じであり、図7(b)の遅延時間は、図4(b)のものと異なる。
図8は、このような環境下で算出される合成電力遅延プロファイル(合成部16の出力)q(m,l)、特定の方向にヌル点を向けた際の電力遅延プロファイル(電力算出部15_N+1の出力)pN+1(m,l)、及び差分電力遅延プロファイル(差分部17の出力)d(m,l)を示す図である。図8は模式図であり、直接波を黒丸印、遅延波を白ひし形として区別できるようにしている。実際には、遅延波の遅延時間が遅延プロファイルの遅延時間分解能より短いため、合成電力遅延プロファイルq(m,l)において直接波と遅延波の成分が重なる。つまり、到来波が1波だけ存在するように見える。
図8の欄A、B、Cは、遅延時間が短い場合の到来角の分離の様子を示す図である。実施の形態1では、アレイ処理でヌル点を走査(変更)することで、上記の直接波と遅延波を分離することができる。例えば、アレイ処理部12のヌル点の方向θNULLがθと等しい場合には、図8の欄Aに示されるように、直接波がアレイ処理部12で抑圧されるため、電力算出部15_n+1の出力には直接波成分が含まれない。したがって、差分部17の出力には直接波の成分が含まれ、遅延波成分は含まれない。つまり、遅延波の遅延時間に関わらず、図4(a)及び(b)の電波環境のときと同様に、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には、ヌル点の方向から到来する到来波が含まれることになる。
同様に、ヌル点の方向θNULLがθと等しい場合と、ヌル点の方向θNULLがθ及びθのいずれとも異なる場合について、図8の欄Bと欄Cに示す。図8の欄Bでは、ヌル点を遅延波の到来方向に向けているため、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には遅延波成分が含まれる。図8の欄Cでは、到来波が存在しない方向にヌル点を向けているため、差分電力遅延プロファイルd(m,l)には到来波成分は含まれない。
図9は、遅延時間が短い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。ヌル点を全方向操作して得られる2次元マップを図9に示す。図9の2次元マップにおいて、閾値より大きな成分として直接波と遅延波が選択されるが、遅延時間が遅延プロファイルの分解能より短いため、同一の遅延時間のインデックスに両成分が存在することになる。同一遅延時間に複数の成分が存在する場合、遅延波は障害物に反射する際に電力損失するため、直接波より電力が小さくなることから、最も電力の大きいものを直接波であると判断すればよい。図9において、同一の遅延時間のインデックスに存在する直接波と遅延波において、電力が大きい方を直接波と判断し、到来角推定部19から到来角θが出力されることが分かる。
《1−3》実施の形態1の効果
特許文献1に記載の装置は、遅延時間が遅延プロファイルの遅延時間分解能より短い遅延波が存在する環境下で、直接波と遅延波を分離することができず、直接波の到来角の推定精度が劣化する。これに対して、実施の形態1による受信装置1及び受信方法によれば、図5及び図8に示された原理により、アレイアンテナのヌル点を利用して直接波と遅延波とを分離することが可能であり、精度よく直接波の到来角θを推定することができるという効果がある。
また、一般に、アレイアンテナのヌル点はメインローブに比べて鋭い指向性を持つことが知られている。そのため、メインローブを用いて到来波を分離する特許文献2に記載の方法及び特許文献3に記載の装置より、実施の形態1による受信装置の方が、少ない本数のアンテナ素子であっても複数の到来波を分離可能であり、直接波の到来角θの推定精度を向上させることができるという効果がある。
《2》実施の形態2
《2−1》実施の形態2の構成
実施の形態1による受信装置1は、図1のアレイ処理部12のアンテナ利得が、ヌル点で急峻に落ちることを利用している。しかし、実際には、アレイアンテナを構成するアンテナ素子の本数が少なくなるほど、ヌル点周辺におけるアンテナ利得の減衰が緩やかになり、その結果、ヌル点の幅が広くなる。メインローブに比べるとヌル点の幅は狭いため、アンテナ素子の本数が同数の場合、実施の形態1による受信装置の方が特許文献2及び3に記載の装置及び方法よりも、直接波の到来角の推定精度は高い。しかし、アレイアンテナを構成するアンテナ素子の本数が少なくなると、ヌル点の幅が広がり、この広がりに応じて、直接波の到来角θの推定精度が劣化する。そこで、実施の形態2に係る受信装置2では、ヌル点の幅の広がりを2次元マップ上で補正し、直接波の到来角θの推定精度の劣化を抑圧する。
図10は、本発明の実施の形態2による受信装置2の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号を付す。実施の形態2による受信装置2は、2次元マップ部18と到来角推定部19との間に補正部40を備えた点が、実施の形態1による受信装置1と相違する。この点以外については、実施の形態2は、実施の形態1と同じである。
図10の補正部40は、到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップにおいて、到来角方向にフィルタ処理を施すことで、ヌル点の幅の広がりを補正する。
《2−2》実施の形態2の動作
図11(a)及び(b)は、実施の形態2における遅延時間が長い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。ここで、図4に示される電波環境を考える。アンテナ素子の本数が少なく、ヌル点の幅が広い場合、遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップは、図11(a)のようになり、直接波の成分を到来角方向に切り出したf(θ)を図11(b)に示す。図11(b)の到来角方向の広がりの形状は、アレイアンテナの指向性の形状から一意に決まるため既知である。この既知の到来角の広がりをg(θ)とすると、図11(b)は次式で表される。
Figure 0006211226
式(5)において、δ(θ)はθ=0のときに1となるデルタ関数である。
図12(a)及び(b)は、実施の形態2における遅延時間が短い場合の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを示す図である。また、図7(a)及び(b)に示される電波環境を考える。アンテナ素子の本数が少なく、ヌル点に幅を持つ場合、遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップは図12(a)のようになる。遅延時間が遅延プロファイルの遅延時間分解能より短いため、直接波と遅延波が同一の遅延時間インデックス上に存在する。このとき、直接波と遅延波の成分を到来角方向に切り出したf(θ)を図12(b)に示す。このf(θ)は次式で表すことができる。
Figure 0006211226
式(5)と式(6)より、ヌル点の幅が広いときの2次元マップを特定の遅延時間で切り出した信号(以降、f(θ)及びf(θ)を、f(θ)と表す)は、アレイアンテナの指向性の形状から算出されたg(θ)と、ヌル点の幅が非常に狭い理想的な信号(デルタ関数で表した項)との畳み込みになる。畳み込み演算は、フーリエ変換すると掛け算になることから、ヌル点の幅の広がりを補正するためには、2次元マップを特定の遅延時間で切り出したf(θ)をフーリエ変換してF(ξ)を算出し、このF(ξ)を、g(θ)をフーリエ変換したG(ξ)で除算して、F′(ξ)=F(ξ)/G(ξ)を算出した後、F′(ξ)を逆フーリエ変換した結果f′(θ)を算出すれば良いことが分かる。
図13は、図10の補正部40の構成を概略的に示すブロック図である。フーリエ変換(FFT)部401は、2次元マップの遅延時間インデックスl(l=0,1,…,L−1)で切り出したf(θ)をフーリエ変換してF(ξ)(l=0,1,…,L−1)を算出する。補正係数生成部402は、予め用意しておいたG(ξ)を出力する。除算部403は、フーリエ変換部401から出力された信号を補正係数生成部402から出力された信号で除算して、F(ξ)/G(ξ)(l=0,1,…,L−1)を算出する。最後に、逆フーリエ変換(IFFT)部404は、除算部の出力を逆フーリエ変換した結果を出力する。
上記のθ及びξは離散信号であり、フーリエ変換と逆フーリエ変換としては、離散フーリエ変換と逆離散フーリエ変換を実施する。また、到来角のサンプル数2π/Δθが2のべき乗であれば、FFTとIFFTによって実現できる。
《2−3》実施の形態2の効果
以上に説明したように、実施の形態2による受信装置2及び受信方法によれば、アンテナ素子の本数Nが比較的少ない本数であり、アレイアンテナ利得のヌル点周辺の落ち込みが緩やかになってヌル点の幅が広くなるときに、アレイアンテナの指向性の形状から一意に決まるヌル点の広がりの形状を利用して2次元マップを補正する。このため、直接波の到来角θの推定精度が向上するという効果がある。
《3》実施の形態3
《3−1》実施の形態3の構成
実施の形態1及び2による受信装置1及び2は、アレイアンテナで受信した信号に対して、ヌル点の方向を順次変えながら、直接波の到来角θを推定している。このような処理手順は、送信機が電波を連続的に送信している場合に有効である。しかし、送信機が所定のフレーム長の信号を送信する場合に、ヌル点の走査(すなわち、ヌル点の方向を順次変えながら、直接波の到来角θを推定する処理)が、前記信号のフレーム期間に完了しない場合も考えられる。
そこで、実施の形態3では、送信機から送信される信号を構成するフレームのフレーム長が限られている場合にも、対応可能な受信装置3及び受信方法を提供する。
図14は、本発明の実施の形態3による受信装置3の構成を概略的に示すブロック図である。図14において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号を付す。図14に示される受信装置3は、信号メモリ部60_1,…,60_Nを備えている点と、プロファイルメモリ部61を備えている点とが、実施の形態1による受信装置1と相違する。これ以外の点については、実施の形態3による受信装置3は、実施の形態1による受信装置1と同じである。
《3−2》実施の形態3の動作
実施の形態3においては、所定の期間T秒分の受信信号を用いる。ここで、Tは送信信号のフレーム長以下の時間である。
図14の信号メモリ部60_1,…,60_Nは、無線受信部11_1,…,11_Nの出力をT秒分、一時的に格納する。また、プロファイルメモリ部61は、T秒分の受信信号から算出された合成電力遅延プロファイルq(m,l)を一時的に格納する。アンテナ素子を介して無線受信部11_1,…,11_Nが信号を受信しているT秒間の間、図14の無線受信部11_1,…,11_N、遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N、電力算出部15_1,…,15_N、及び合成部16は動作するが、残りの機能は動作していない。
T秒分の信号を信号メモリ部60_1,…,60_Nとプロファイルメモリ部61に格納し終えた時点で、アレイ処理部12、アレイ制御部13,遅延プロファイル推定部14_N+1、電力算出部15_N+1、差分部17、2次元マップ部18、及び到来角推定部19が動作を開始する。
アレイ制御部13は、Mシンボル毎にヌル点の方向を変化させる。信号メモリ部60_1,…,60_Nには、T秒分の信号しか存在しないため、T秒分の信号を繰り返し読み出すことで、アレイ処理部12でヌル点を全方向走査する。遅延プロファイル推定部14_N+1及び電力算出部15_N+1の動作は、実施の形態1と同じである。
差分部17は、電力算出部15_N+1からMシンボル毎に出力される電力遅延プロファイルpN+1(m,l)に対して、プロファイルメモリ部61から合成電力遅延プロファイルq(m,l)を読み出して、差分電力遅延プロファイルd(m,l)を算出する。2次元マップ部18と到来角推定部19の動作は、実施の形態1の場合と同じである。
また、実施の形態3の受信装置3に、実施の形態2において説明した補正部40を追加してもよい。
《3−3》実施の形態3の効果
以上に説明したように、実施の形態3による受信装置3によれば、所定期間T秒の受信信号に対応する信号をメモリに格納し、繰り返し読み出しながら2次元マップを作成することで、フレーム長が限られている場合でも、直接波の到来角θを正確に推定することができるという効果がある。
《4》実施の形態4
《4−1》実施の形態4による処理
実施の形態4による受信方法は、実施の形態1による受信装置1による処理と同じである。したがって、実施の形態4の説明においては、図1をも参照する。
実施の形態4による受信方法は、アレイ制御部13がヌル方向を初期化(予め決められた方向に設定)するステップ(S1)と、無線受信部11_1,…,11_Nが無線信号を受信する受信ステップ(S2)と、N個の第1電力遅延プロファイルp(k),…,p(k)を推定する第1推定ステップ(S3,S4)とを有する。また、実施の形態4による受信方法は、合成電力遅延プロファイルq(m,l)を生成する合成ステップ(ステップS5)と、アレイ処理信号y(k)を生成するアレイ処理ステップ(S6)と、アレイ処理信号y(k)から第2電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を推定する第2推定ステップ(S7,S8)とを有する。さらに、実施の形態4による受信方法は、合成電力遅延プロファイルq(m,l)から第2電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を減算して差分電力遅延プロファイルd(m,l)を生成する差分ステップ(S9)と、差分電力遅延プロファイルd(m,l)とアレイ制御部13で指定(変更)されるヌル点の方向とをもとにして、到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する2次元マップステップ(S10)とを有する。さらにまた、実施の形態4による受信方法は、アレイ制御部13によるヌル点の走査によってヌル点の方向を変更して、受信ステップ(S2)、第1推定ステップ(S3,S4)、合成ステップ(S5)、アレイ処理ステップ(S6)、第2推定ステップ(S7,S8)、差分ステップ(S9)、及び2次元マップステップ(S10)を繰り返し実行するステップ(S11,S12)と、ヌル点走査が全ての方向について完了したときに、到来波の内の直接波の到来角θを推定して出力する到来角推定ステップ(S13)とを有する。到来角推定ステップ(S13)においては、2次元マップ上における搬送波の内の、遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分を直接波と判断して直接波の到来角θを推定する。
次に、図15に基づいて、実施の形態4による受信方法をより具体的に説明する。図15のヌル方向を初期化するためのステップ(S1)においては、アレイ制御部13は、アレイアンテナのヌル方向を、例えば、−πに設定する処理である初期化を行う。
受信ステップ(S2)においては、N本のアンテナ素子10_1,…,10_Nを通して受信された信号に対して、無線受信部11_1,…,11_Nが、それぞれ受信信号を周波数変換してベースバンド信号に変換し、このベースバンド信号をAD変換してデジタル信号r(k),…,r(k)を生成する。受信ステップ(S2)の処理は、実施の形態1における無線受信部11_1,…,11_Nによる処理と同じである。
第1推定ステップ(S3,S4)では、受信ステップS2で生成されたデジタル信号r(k),…,r(k)をもとに、N個のアンテナ素子10_1,…,10_Nに対応する遅延プロファイルh(m,l)を推定する。遅延プロファイルの算出方法は、通信システムで採用されている伝送方式に依存する。
図16は、OFDM伝送方式における第1の遅延プロファイルを推定するステップ(S3)を示すフローチャートである。図16の処理は、実施の形態1における図2の処理と同じ処理である。図16に示されるように、第1の遅延プロファイルを推定するステップ(S3)は、例えば、FFTステップ(S21)、パイロット抽出ステップ(S22)、パイロット生成ステップ(S23)、除算ステップ(S24)、補間ステップ(S25)、及びIFFTステップ(S26)を有する。FFTステップ(S21)では、図15の受信ステップ(S2)で生成されたデジタル信号r(k),…,r(k)が、シンボル毎に、時間軸から周波数軸に変換されることで、サブキャリアが生成される。パイロット抽出ステップ(S22)では、FFTステップ(S21)で生成されたパイロットキャリアが抽出され、パイロット生成ステップ(S23)では、既知のパイロットキャリアが生成される。除算ステップ(S24)では、パイロット抽出ステップ(S22)で抽出されたパイロットキャリアを、パイロット生成ステップ(S23)で生成された既知のパイロットキャリアで除算することで、受信信号に含まれるパイロットキャリアに作用する伝送路の伝達関数が生成される。補間ステップ(S25)では、パイロットキャリアに作用する伝送路の伝達関数をシンボル方向とサブキャリア方向に補間することで、全サブキャリアの伝送路の伝達関数が生成される。IFFTステップ(S26)では、伝送路の伝達関数を時間軸に変換することで、遅延プロファイルが生成される。図16に示される処理は、実施の形態1(図1及び図2)における遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N+1による処理と同じである。
図17は、DSSS伝送方式における第1の遅延プロファイルを推定するステップ(S3)を示すフローチャートである。図17の処理は、実施の形態1における図3の処理と同じ処理である。図17に示されるように、第1の遅延プロファイルを推定するステップ(S3)は、例えば、疑似雑音系列を生成するステップ(S31)及び逆拡散処理を行うステップ(S32)を有する。擬似雑音系列生成ステップ(S31)では、送信機側の拡散時に使用した擬似雑音系列が生成され、逆拡散ステップ(S32)では、図15の受信ステップ(S2)で生成された信号とのスライディング相関をシンボル単位で計算して出力する。この逆拡散部の出力が遅延プロファイルである。図17に示される処理は、実施の形態1(図1及び図3)における遅延プロファイル推定部14_1,…,14_N+1による処理と同じである。
図16及び図17で述べたように、遅延プロファイルはシンボル単位で出力される。以降、n番目のアンテナ素子に対するm番目のシンボルの遅延プロファイル推定結果をh(m,l)で表す。ここで、lは遅延時間のインデックスである。遅延時間分解能Δτは、実施の形態1において既に説明されている。
図15の第1遅延プロファイルの電力を算出するステップ(S4)では、第1遅延プロファイルの推定ステップ(S3)で生成された遅延プロファイルの遅延時間毎に電力p(m,l)(n=1,…,N)を計算して出力する。ステップ(S4)の処理は、実施の形態1における電力算出部15_1,…,15_Nによる処理と同じである。
図15の合成ステップ(S5)では、ステップ(S4)で生成された第1電力遅延プロファイルを合成して、合成電力遅延プロファイルq(m,l)を生成する。ステップ(S5)の処理は、実施の形態1における合成部16による処理と同じである。
図15のアレイ処理ステップ(S6)は、受信ステップ(S5)で生成された信号r(k),…,r(k)に対して、アレイ処理を施す。ステップ(S6)の処理は、実施の形態1におけるアレイ処理部12による処理と同じである。
図15の第2遅延プロファイルの推定ステップ(S7)では、アレイ処理によって生成された信号y(k)から遅延プロファイルを推定する。遅延プロファイルの推定方法は、第1遅延プロファイルの推定ステップ(S3)と同じである。また、推定ステップ(S7)の処理は、実施の形態1における遅延プロファイル推定部14_N+1による処理と同じである。
図15の第2電力算出ステップ(S8)は、第2遅延プロファイル推定ステップ(S7)で生成された遅延プロファイルの遅延時間毎に電力を計算して出力する。電力の計算方法は、第1電力遅延プロファイルの推定ステップ(S4)と同じである。また、ステップ(S8)の処理は、実施の形態1における電力算出部15_N+1による処理と同じである。
図15の差分ステップ(S9)は、合成ステップ(S6)で生成された合成電力遅延プロファイルq(m,l)から、第2電力算出ステップ(S8)で生成された第2電力遅延プロファイルpN+1(m,l)を減算して得られる差分電力遅延プロファイルd(m,l)を出力する。差分ステップ(S9)の処理は、実施の形態1における差分部17による処理と同じである。
図15の2次元マップステップ(S10)は、ヌル点の方向から到来する到来波の電力遅延プロファイル(差分ステップの出力)と、ヌル点の方向を用いて、到来波の遅延時間(到来時刻)と到来方向(到来角)の2次元マップを作成する。2次元マップステップ(S10)の処理は、実施の形態1における2次元マップ部18による処理と同じである。
図15のヌル方向更新ステップ(S11)は、ヌルの方向を
θNULL=−π+a×Δθ (a=0,1,…,2π/Δθ−1)
のように、Δθ間隔で順次走査する。0≦a<2π/Δθの期間中、受信ステップ(S2)からヌル方向更新ステップ(S11)までを繰り返し実行する。a=2π/Δθになったときに、ヌル方向が、−πからπまでの全方向の走査が完了するため、処理を次のステップに移す。なお、ヌル点の走査方向θNULLは、2次元マップステップ(S10)でも使用する。
図15の到来角推定ステップ(S13)は、到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを用いて直接波の到来角θを推定する。具体的には、ある一定の閾値を設定して、2次元マップにおいて閾値を超える成分を探索し、その中で最も遅延時間の短い成分を選択する。この選択された成分が直接波であると判断する。複数の成分が選択された場合は、最も電力の大きいものを直接波であると判断する。最後に、到来角推定ステップ(S13)では、2次元マップにおいて直接波の成分と判断された到来角を出力する。なお、上記の閾値は、予め決めておいても良いし、2次元マップ上の最大値から予め決めておいた一定量だけ減衰させた値でも良い。なお、到来角推定ステップ(S13)の処理は、実施の形態1における到来角推定部19による処理と同じである。
なお、図15のフローチャートに示される処理は、実施の形態1による受信装置1の動作と同じである。また、図15における到来角推定ステップ(S13)の前に、実施の形態2における補正部40(図10、図13)による処理ステップを挿入しても良い。
《4−2》実施の形態4の効果
特許文献1は、遅延時間が遅延プロファイルの遅延時間分解能より短い遅延波を分離が存在する環境下で、直接波と遅延波を分離することができず、直接波の到来角の推定精度が劣化するのに対して、実施の形態4によれば、実施の形態1と同様、アレイアンテナのヌル点を利用して直接波と遅延波を分離することが可能であり、精度よく直接波の到来角を推定することができるという効果がある。
また、一般にアレイアンテナのヌル点はメインローブに比べて鋭い指向性を持つことが知られている。そのため、実施の形態1と同様、メインローブを用いて到来波を分離する特許文献2及び特許文献3に記載の技術より、実施の形態4の方が、少ないアンテナ素子の本数でも複数の到来波を分離可能であり、直接波の到来角θの推定精度を向上させることができるという効果がある。
《5》変形例
図18は、上記実施の形態1から3による受信装置の構成例を示すハードウェア構成図である。図18に示される受信装置1は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ92とを有する。図18に示される受信装置1は、実施の形態1から3による受信装置の構造の具体例を示している。図18に示される受信装置1の動作は、実施の形態1から3による受信装置の動作又は実施の形態4による受信方法と同じである。メモリ91に格納されているプログラムは、プロセッサ92を含むコンピュータで実行可能なプログラムであり、実施の形態4(図15)に示される処理をコンピュータに実行させることができる。
図18に示される受信装置1が、実施の形態1から3による受信装置における処理を実現する場合には、図1、図10、及び図14に示される受信装置の各構成要素は、プロセッサ92がメモリ91に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。なお、図1、図10、及び図14に示される受信装置の各構成要素を実現するために、プロセッサ92とメモリ91と用いる場合を例示したが、図1、図10、及び図14に示される受信装置の各構成要素の内の一部の構成要素をプロセッサ92とメモリ91で実現し、他の部分をハードウェア回路で実現してもよい。図18に示される受信装置によって、実施の形態1から3で説明した受信動作を実現することができる。
1,2,3 受信装置、 10_1,…,10_N アンテナ素子、 11_1,…,11_N 無線受信部、 12 アレイ処理部、 13 アレイ制御部、 14_1,…,14_N+1 遅延プロファイル推定部、 15_1,…,15_N+1 電力算出部、 16 合成部、 17 差分部、 18 2次元マップ部、 19 到来角推定部、 20_1,…,20_N 電力遅延プロファイル推定部(第1電力遅延プロファイル推定部)、 20_N+1 電力遅延プロファイル推定部(第2電力遅延プロファイル推定部)、 40 補正部、 60_1,…,60_N 信号メモリ部、 61 プロファイルメモリ部、 141_n FFT部、 142_n パイロット抽出部、 143_n パイロット生成部、 144_n 除算部、 145_n 補間部、 146_n IFFT部、 148_n 擬似雑音生成部、 149_n 逆拡散部、 401 フーリエ変換部、 402 補正係数生成部、 403 除算部、 404 逆フーリエ変換部。

Claims (6)

  1. 複数本のアンテナ素子を含むアレイアンテナに到来する電波である到来波を受信する受信装置であって、
    前記複数本のアンテナ素子を介して受信された複数の信号をもとにして、前記複数の信号に対応する複数のデジタル信号を生成する無線受信部と、
    前記複数のデジタル信号をもとにして、前記複数のデジタル信号に対応する複数の第1電力遅延プロファイルを推定する第1電力遅延プロファイル推定部と、
    前記複数の第1電力遅延プロファイルを合成して合成電力遅延プロファイルを生成する合成部と、
    前記アレイアンテナのヌル点の方向を変更するアレイ制御部と、
    前記複数のデジタル信号に対し、前記アレイ制御部で変更された方向にヌル点を向けてアレイ処理を行って、アレイ処理信号を生成するアレイ処理部と、
    前記アレイ処理信号から第2電力遅延プロファイルを推定する第2遅延プロファイル推定部と、
    前記合成電力遅延プロファイルから前記第2電力遅延プロファイルを減算して得られる差分電力遅延プロファイルを生成する差分部と、
    前記差分電力遅延プロファイルと前記アレイ制御部で変更される前記ヌル点の方向とをもとにして、前記到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する2次元マップ部と、
    前記2次元マップ上における到来波の内の、遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分の到来角を出力する到来角推定部と、
    を備える受信装置。
  2. 前記2次元マップ部で作成された前記2次元マップを補正し、補正後の2次元マップを前記到来角推定部に与える補正部をさらに備え、
    前記補正部は、
    前記2次元マップ部で作成された前記2次元マップ上で遅延時間毎に到来角方向の成分をフーリエ変換するフーリエ変換部と、
    前記フーリエ変換部から出力される信号を、補正係数で除算する除算部と、
    前記除算部から出力される信号を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部と、
    を有し、
    前記補正係数は、前記アレイアンテナの指向性の形状をもとにして算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記複数の無線受信部で生成された前記複数のデジタル信号を格納する信号メモリ部と、
    前記合成部で生成された前記合成電力遅延プロファイルを格納するプロファイルメモリ部と、
    をさらに備え、
    前記2次元マップ部は、前記信号メモリ部に格納されている前記複数のデジタル信号と前記プロファイルメモリ部に格納されている前記合成電力遅延プロファイルとをもとにして、前記2次元マップを作成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記アレイアンテナをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の受信装置。
  5. 前記アレイ制御部による前記ヌル点の変更は、到来波の到来角が−πから+πまでの範囲内において行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の受信装置。
  6. 複数本のアンテナ素子を含むアレイアンテナに到来する電波である到来波を受信する受信方法であって、
    前記複数本のアンテナ素子を介して受信された複数の信号をもとにして、前記複数の信号に対応する複数のデジタル信号を生成する受信ステップと、
    前記複数のデジタル信号をもとにして、前記複数のデジタル信号に対応する複数の第1電力遅延プロファイルを推定する第1推定ステップと、
    前記複数の第1電力遅延プロファイルを合成して合成電力遅延プロファイルを生成する合成ステップと、
    前記アレイアンテナのヌル点の方向を変更し、前記複数のデジタル信号に対し、前記変更された方向にヌル点を向けてアレイ処理を行って、アレイ処理信号を生成するアレイ処理ステップと、
    前記アレイ処理信号から第2電力遅延プロファイルを推定する第2推定ステップと、
    前記合成電力遅延プロファイルから前記第2電力遅延プロファイルを減算して得られる差分電力遅延プロファイルを生成する差分ステップと、
    前記差分電力遅延プロファイルと前記変更されたヌル点の方向とをもとにして、前記到来波の遅延時間と到来角との関係を示す2次元マップを作成する2次元マップステップと、
    前記ヌル点の方向を変更して、前記受信ステップ、前記第1推定ステップ、前記合成ステップ、前記アレイ処理ステップ、前記第2推定ステップ、前記差分ステップ、及び前記2次元マップステップを実行するステップと、
    前記2次元マップ上における前記到来波の内の、遅延時間が最も短く且つ電力が最も大きい成分の到来角を出力する到来角推定ステップと、
    を有する受信方法。
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