JP6632466B2 - 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6632466B2
JP6632466B2 JP2016093578A JP2016093578A JP6632466B2 JP 6632466 B2 JP6632466 B2 JP 6632466B2 JP 2016093578 A JP2016093578 A JP 2016093578A JP 2016093578 A JP2016093578 A JP 2016093578A JP 6632466 B2 JP6632466 B2 JP 6632466B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
arrival angle
delay time
power
arrival
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016093578A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017204662A (ja
Inventor
尚祐 伊藤
尚祐 伊藤
大介 新保
大介 新保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2016093578A priority Critical patent/JP6632466B2/ja
Publication of JP2017204662A publication Critical patent/JP2017204662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6632466B2 publication Critical patent/JP6632466B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)

Description

本発明は、受信方法及び受信装置に関し、特に送信機が発する電波を受信し、受信信号をもとに送信機からの直接波の到来方向を特定する技術に関する。本発明はまた、上記の受信装置又は受信方法における処理をコンピュータに実行させるためのプログラム及び該プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
携帯電話、無線LAN、地上デジタル放送等の電波を受信する際、送信機から直接届く到来波(以下、直接波と呼ぶ)の他に、建物、車両等に反射・散乱して届く到来波(以下、遅延波と呼ぶ)の影響により、受信性能が低下する。このように複数の到来波が存在する環境をマルチパス環境と呼ぶ。
マルチパスによる受信性能の低下を抑圧する技術の1つとして、アレイアンテナによる指向性制御が知られている。アレイアンテナは複数のアンテナ素子を有し、各アンテナ素子で受信した信号を合成する際に使用する重み係数を制御することで、アレイアンテナに指向性を持たせることができる。マルチパス環境において、直接波が到来する方向にアレイアンテナのメインローブを向けるよう指向性を制御することで、遅延波の影響による性能低下を抑圧することができる。アレイアンテナの指向性制御により受信性能を向上させるためには、直接波が到来する方向を精度良く推定する必要がある。
受信機が固定されていて、予め送信機の方向が分かっている場合、送信機の方向にアレイアンテナのメインローブを向けるように指向性を手動で調整すれば良いが、車両などの移動体で電波を受信する場合、例えば車車間通信で受信をする場合に、車両の走行とともに受信装置に対する送信機の相対的な位置が変化するため、手動での調整は実際的ではない。そこで、直接波と遅延波が多重された受信信号から、直接波の到来方向を自動的に推定する必要がある。
なお、無線通信の電波環境は、受信機から見て、送信機が見通し内に存在するLOS(Line Of Sight)と、送信機が見通し外に存在するNLOS(None Line Of Sight)に分類することができるが、本発明では、LOS環境を想定している。
特許文献1には、2本のアンテナで受信した信号に基づきマルチパス到来方向を測定する装置が記載されている。この装置では、各アンテナ素子で受信した信号から伝送路の周波数特性(周波数領域の伝達関数)を推定し、推定された伝送路の周波数特性を逆フーリエ変換して複素遅延プロファイルを算出し、複素遅延プロファイルから遅延時間の異なる到来波を分離し、分離した直接波の、アンテナ素子間の位相差をもとに到来角を推定する。
特許文献2には、遅延時間の推定をMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)処理、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)処理等の超分解能処理で行うことが開示されている。特許文献2の技術は、複数のアンテナで受信した信号を周波数スペクトルに変換し、該周波数スペクトルを用いて超分解能処理により、各到来波の遅延時間を推定し、推定結果から、各到来波が混合する係数行列を推定し、この係数行列の擬似逆行列を上記の周波数スペクトルに乗算することで、直接波の成分を分離し、分離した直接波の位相差から到来角を推定する。
特許第4833144号(第1図) 特開2010−286403号公報(第1図)
菊間信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、科学技術出版社、1998年11月
非特許文献1については後に言及する。
特許文献1の技術では、遅延時間が短い遅延波が存在する場合に、直接波と遅延波とを分離することができないという課題があった。例えば、受信機の近辺に建物、車両等が存在する場合、直接波と遅延波の間で、送信機から受信機までの電波伝搬経路長に大きな差がないため、遅延時間が非常に短くなる。この遅延時間が、複素遅延プロファイルの遅延時間分解能より短くなると、推定した複素遅延プロファイル上で、直接波と遅延波が重ってしまい、分離できなくなる。その結果、到来角推定精度が大幅に低下するという問題がある。例えば、帯域幅10MHzの信号を受信して推定する複素遅延プロファイルの遅延時間分解能は、帯域幅の逆数の100ns程度である。一方、受信機から見て、送信機と反対側の3mの位置に車両等が存在する場合、直接波に対する遅延時間はτ=3×2/c=20nsである。ここで、cは光の速度(約3×10m/s)である。この遅延時間20nsは遅延時間分解能100nsよりも短く、推定された遅延プロファイル上では、直接波と遅延波が重なってしまい、その結果、到来角の推定精度が低下する。
一方、特許文献2の方法には、到来波の分離のために必要な処理、特に擬似逆行列の算出のための計算の量が多いという問題がある。
本発明は、遅延時間が短い遅延波が存在する環境下で、直接波の到来角を精度良く推定することができ、しかも必要な計算の量を抑制することができる受信装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の受信装置は、
送信機が発する電波を受信して前記送信機からの到来波の到来角を推定する受信装置であって、
アレイアンテナを構成する第1乃至第N(Nは2以上の整数)のアンテナ素子にそれぞれ対応して設けられ、対応するアンテナ素子で前記電波を受信することで得られた第1乃至第Nのアナログ信号に対し周波数変換及びAD変換を行って第1乃至第Nのデジタル信号を生成する第1乃至第Nの無線受信部と、
前記第1乃至第Nの無線受信部にそれぞれ対応して設けられ、それぞれ前記第1乃至第Nのデジタル信号から伝送路の周波数特性を推定し、第1乃至第Nの伝送路推定結果を出力する第1乃至第Nの伝送路推定部と、
前記第1乃至第Nの伝送路推定結果のうちの1つの伝送路推定結果から超分解能処理により前記電波に含まれる1又は2以上の到来波の遅延時間を推定する遅延時間推定部と、
到来角が、M個(Mは2以上の整数)の互いに異なる到来角候補のいずれかであると仮定して、それぞれの到来角候補について、当該到来角候補に対応する前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性相互間の位相差を打ち消す補正量を与えて前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性を加算することで、前記M個の到来角候補についての合成周波数特性を算出する合成部と、
前記M個の到来角候補についての合成周波数特性と、前記遅延時間とから、前記M個の到来角候補について直接波の受信電力を推定する受信電力推定部と、
前記M個の到来角候補について推定された直接波の受信電力のうちのいずれが最大であるかを判定し、受信電力が最大である到来角候補を直接波の到来角と推定する到来角推定部と
を有する。
本発明によれば、超分解能処理により到来波の遅延時間を推定した後、直接波と遅延波とを分離している。従って、遅延時間が短い遅延波が存在する場合にも、直接波を遅延波から分離することができ、直接波の到来角を高精度に推定することが可能となる。
本発明の実施の形態1の受信装置を示すブロック図である。 図1の伝送路推定部の一構成例を示すブロック図である。 図1の伝送路推定部の他の構成例を示すブロック図である。 2本のアンテナ素子を有するアンテナアレイに対する到来波の到来角と受信電波の位相差の関係を示す概念図である。 N本のアンテナ素子を有するアンテナアレイに対する到来波の到来角と受信電波の位相差の関係を示す概念図である。 図1の受信電力推定部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2の受信装置を示すブロック図である。 図7の受信電力推定部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3の受信装置を示すブロック図である。 図9の受信電力推定部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4の受信装置を示すブロック図である。 図11の受信電力推定部の一構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5の受信方法における処理の手順を示すフローチャートである。 図13の伝送路推定ステップの一例における処理の手順を示すフローチャートである。 図13の伝送路推定ステップの他の例における処理の手順を示すフローチャートである。 図13の受信電力推定ステップの一例における処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6の受信方法における処理の手順を示すフローチャートである。 図17の受信電力推定ステップの一例における処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態7の受信方法における処理の手順を示すフローチャートである。 図19の受信電力推定ステップの一例における処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態8の受信方法における処理の手順を示すフローチャートである。 図21の受信電力推定ステップの一例における処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1〜8の処理を実行するコンピュータを示すブロック図である。
実施の形態1.
図1に本実施の形態の受信装置を示す。
図示の受信装置は、送信機が発する電波を受信して、送信機の方向、即ち直接波の到来方向を推定するものである。
図示の受信装置は、無線受信部11−1、11−2、伝送路推定部12−1、12−2、遅延時間推定部13、合成部14、受信電力推定部15、及び到来角推定部16を有し、無線受信部11−1、11−2はそれぞれアンテナ素子10−1、10−2に接続されている。
無線受信部11−1、及び伝送路推定部12−1は、第1の系統を構成し、これらは互いに対応し、かつ第1のアンテナ素子10−1に対応して設けられたものである。
無線受信部11−2、及び伝送路推定部12−2は、第2の系統を構成し、これらは互いに対応し、かつ第2のアンテナ素子10−2に対応して設けられたものである。
第1の系統における処理と、第2の系統における処理とは、それぞれの系統に入力される信号が異なる(即ち、それぞれアンテナ素子10−1、10−2での受信で得られたものである)点を除き、互いに同様である。
遅延時間推定部13、合成部14、受信電力推定部15、及び到来角推定部16は上記した2つの系統に対して共通に設けられたものである。
図1に示す受信装置は、アンテナ素子の数が2である場合の構成であるが、本発明は、アンテナ素子の数が3以上であっても適用可能であるので、以下ではアンテナ素子の数がNであるとして説明することもある。
図1の無線受信部11−1、11−2はそれぞれ、アンテナ素子10−1、10−2にそれぞれ対応して設けられたものであり、各々対応するアンテナ素子で電波を受信することで得られた信号を周波数変換してベースバンド信号に変換し、AD変換することでデジタル信号Sr(nは1又は2)を生成し、生成したデジタル信号Srを出力する。
図1の伝送路推定部12−1、12−2は無線受信部11−1、11−2にそれぞれ対応して設けられたものであり、各々対応する無線受信部から出力されるデジタル信号Srから、伝送路の周波数特性(周波数領域の伝達関数)X(t)を推定する。
伝送路の周波数特性の推定方法は、通信システムで採用されている伝送方式に依存する。本発明は、任意の伝送方式に適用可能であるが、ここでは、例として、多くの通信システムで採用されているOFDM(Orthogonal Frequency Divison Multiplex)伝送方式が採用されている場合とDSSS(Direct Sequence Spectrum Spread)伝送方式が採用されている場合の伝送路の周波数特性の推定について述べる。
まず、OFDM伝送方式が採用されている場合に実施される伝送路の周波数特性の推定について述べる。OFDM伝送方式は、直交する複数のサブキャリアを多重化したシンボルを伝送単位とする伝送方式である。OFDM伝送方式を採用する多くの通信システムでは、受信側で伝送路歪を補償するために、一部のサブキャリアを送信側及び受信側で既知のパイロットサブキャリアとして使用する。本実施の形態では、このパイロットサブキャリアを用いて伝送路の周波数特性を推定する。
図2にOFDM伝送方式が採用されている場合に用いられる伝送路推定部12−n(nは1又は2)の一例を示す。
図2に示される伝送路推定部12−nは、FFT部20−n、パイロット抽出部21−n、パイロット生成部22−n、除算部23−n、及び補間部24−nを有する。
FFT部20−nは、図1の無線受信部11−nから出力されるデジタル信号SrをFFT(高速フーリエ変換)により、シンボル毎に時間軸から周波数軸に変換することで、各サブキャリアを出力する。
パイロット抽出部21−nは、FFT部20−nから出力されるサブキャリアからパイロットキャリアを抽出する。
パイロット生成部22−nは受信装置内において既知のパイロットキャリアを生成する。
除算部23−nは、パイロット抽出部21−nで抽出されたパイロットキャリアをパイロット生成部22−nで生成されたパイロットキャリアで除算することで、パイロットキャリアに作用する伝送路の周波数特性を出力する。
補間部24−nは、パイロットキャリアに作用する伝送路の周波数特性をシンボル方向とサブキャリア方向に補間することで、全サブキャリアの伝送路の周波数特性(伝送路推定結果)X(t)を得る。
次に、DSSS伝送方式が採用される場合に実施される伝送路の周波数特性の推定について述べる。DSSS伝送方式は、シンボル毎に擬似雑音系列を用いて拡散した信号を送信し、受信側で逆拡散する方式である。
図3にDSSS伝送方式が採用される場合に用いられる伝送路推定部12−n(nは1又は2)の一例を示す。
図3に示される伝送路推定部12−nは、擬似雑音系列生成部25−n、逆拡散部26−n、及びFFT部27−nを有する。
擬似雑音系列生成部25−nは、送信側において拡散時に使用されたのと同じ擬似雑音系列Nsを生成する。
逆拡散部26−nは、図1の無線受信部11−nから出力されるデジタル信号Srと擬似雑音系列Nsとのスライディング相関をシンボル単位で計算して出力する。
FFT部27−nは逆拡散部26−nの出力をFFTにより周波数領域に変換することで、伝送路の周波数特性(伝送路推定結果)X(t)を得る。
図1の伝送路推定部12−1、12−2で推定された伝送路の周波数特性(伝送路推定結果)は下記の式(1A)及び(1B)で表される。
Figure 0006632466
式(1A)及び(1B)で上添字「T」は転置を表す。
また、f(k=1,2,…,K)は、最も低い周波数fから最も高い周波数fまでの範囲を等間隔で分割した周波数であり、OFDM伝送方式の場合には、サブキャリア周波数に等しい。
さらに、tは伝送路推定を行なった時間を示す。
図1に戻り、遅延時間推定部13は、伝送路推定部12−1、12−2のうちの一つの伝送路推定部、例えば第1の伝送路推定部12−1の出力X(t)から、対応するアンテナで受信された電波に含まれる到来波の遅延時間を推定する。
遅延時間の推定は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)処理、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)処理等の超分解能処理(超分解能アルゴリズムに従う処理)により行われる。ここで、到来波の数をLとし、各到来波の遅延時間をτ,τ,…,τ(τ<τ<…<τ)とする。
超分解能処理による遅延時間の推定方法は、例えば、上記の非特許文献1の第13章に記載されている。
合成部14は、伝送路推定部12−1、12−2で推定された伝送路の周波数特性X(t)及びX(t)を合成し、合成周波数特性X(t)を生成する。
合成に際し、周波数特性X(t)及びX(t)の位相を揃えるための補正を行う。
アンテナ素子10−1、10−2で電波を受信する場合、受信電波には、到来角に応じた位相差が生じる。
例えば、図4に示すように、アンテナ素子間隔をd[m]、搬送波の波長をλ[m]、受信電波の到来角をθとすると、アンテナ素子間の伝搬経路差dと、到来角θとの間には、
=d×sinθ
の関係がある。また、伝搬経路差dと、搬送波の波長λ及び受信電波の位相差φとの間には、
=λ×φ/2π
の関係がある。
従って、到来角θと位相差φとの間には、下記の式(2)の関係がある。
Figure 0006632466
即ち、到来角θが図4に示す如くである場合、アンテナ素子10−2における受信電波は、アンテナ素子10−1における受信電波に対して、式(2)で表されるφ(=2π(d/λ)θ)だけ位相が遅れている。
この場合、例えば、X(t)の位相をφ(=2π(d/λ)θ)だけ進めれば、到来波の位相差を打消し、位相を揃えることができる。
本実施の形態では、到来角θがM個(Mは2以上の整数)の角度θ〜θのいずれかであると仮定し、仮定した到来角に対応する位相差を打ち消すように位相補正を行って、合成周波数特性を算出し、算出した合成周波数特性を用いて、遅延時間が最も短い到来波、即ち直接波の受信電力を算出し、算出した直接波の受信電力電力が最大である角度(「θ」で表す)が到来角θであると推定する。以下では、これらの仮定される角度θ〜θを「推定到来角候補」或いは単に「候補」と言う。
このような処理は、到来角の推定値を変化させて、直接波の受信電力電力が最大(ピーク値)となる推定値を探索する処理であると言える。
到来角が候補θ(mは1からMのいずれか)であると仮定したときの合成は、下記の式で表される。
Figure 0006632466
式(3)において、j2π(d/λ)sinθは、受信電波の位相差を打ち消すための補正量である。
ψは、アンテナ素子10−1、10−2および無線受信部11−1、11−2内のアナログ回路で生じる2系統間の遅延時間の差、及び位相特性の差による位相差を打ち消すための補正量である。
上記のように、上記の式(3)による合成は、到来角θが候補θに一致する場合に、合成の結果が最大値(ピーク値)となる。
合成部14は、M個の異なる到来角候補θ〜θの各々について合成を行い、M個の合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)を生成する。
なお、本実施の形態はアンテナ素子数を2としているが、本発明は、アンテナ素子の数が3以上であっても適用可能である。
アンテナ素子の数が3以上の場合も、上記と同様に、アンテナ素子の配置に依存する到来波の位相差を打ち消すための補正量及びアンテナ素子及び無線受信部内のアナログ回路で生じる位相差を打ち消すための補正量を加算して合成すれば良い。
Nが2以上であるとして一般化して説明すれば以下の如くとなる。
図5に示すように、アンテナ素子10−1とアンテナ素子10−n(nは2からNのいずれか)との間隔がd[m]であり、アンテナ素子10−1及び無線受信部11−1のアナログ回路と、アンテナ素子10−n及び無線受信部11−n内のアナログ回路で生じる系統間の遅延時間の差、及び位相特性の差による位相差を打ち消すための補正量がψであるとすれば、合成部14では、上記の式(3)の代わりに、下記の式(4)に従って合成を行えばよい。上記の式(3)は下記の式(4)でN=2とした場合に相当する。
Figure 0006632466
受信電力推定部15は、合成部14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)と、遅延時間推定部13で推定された遅延時間τ〜τとから、それぞれの到来角候補θ〜θについて遅延時間が最も短い到来波、即ち直接波の受信電力を推定する。即ち、各到来角候補θについて直接波の受信電力を推定する。M個の候補θ〜θについてそれぞれ受信電力を推定するので、M個の受信電力の推定値が得られる。
合成部14から受信電力推定部15に供給される合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)の各々、即ち候補θについての合成周波数特性X(t,θ)は、下記の式(5)で表される。
Figure 0006632466
式(5)で、F(t,θ)は複素振幅から成る列ベクトルであり、下記の式(6)で表される。
Figure 0006632466
式(6)で、F(t,θ)(lは1からLのいずれか)は、l番目の到来波の複素振幅(波源)である。
式(5)で、Aは、モード行列と呼ばれるものであり、下記の式(7)で表される。
Figure 0006632466
式(7)で、a(τ)〜a(τ)はモードベクトルと呼ばれるものであり、その各々a(τ)(lは1からLのいずれか)は、下記の式(8)で表される。
Figure 0006632466
式(8)で、τはl番目の到来波の到来遅延時間である。
式(5)でN(t,θ)は雑音ベクトルであり、下記の式(9)で表される。
Figure 0006632466
このときの相関行列Rxxは、下記の式(10)で表される。
Figure 0006632466
式(10A)において、E[・]はアンサンブル平均である。
式(10B)において、N(t,θ)は雑音電力行列である。
雑音がすべての周波数で同じ強度を持つ白熱雑音であれば、雑音電力行列は下記の式で表される。
Figure 0006632466
上記の式(11)で、σは雑音電力、Iは単位行列を表す。
上記の式(10B)において、S(θ)は、信号(波源)相関行列と呼ばれるものであり、その成分(要素)は、下記の式(12)で表される。
Figure 0006632466
式(10B)より、信号(波源)相関行列S(θ)は、下記の式(13)で求まる。
Figure 0006632466
式(13)において、上添字「H」は、複素共役転置を表し、上添字「−1」は、逆行列を表す。
到来波が互いに無相関であれば、信号相関行列S(θ)は対角行列となる。
また、到来波間に相関がある場合、空間平均法、移動平均法(Smoothing Preprocessing)と呼ばれる手法等を用いて、対角行列を生成しても良い。このような手法については、例えば非特許文献1に記載されている。
信号相関行列S(θ)が対角行列である場合、その成分は下記の式(14)で表される。
Figure 0006632466
式(14)において、第l行第l列の成分sll(θ)が、l番目の到来波の電力を表す。そのうちのl=1の成分、即ち、第1行第1列の成分s11(θ)が、直接波の電力を表す。
上記の考えに従って直接波の電力を算出するための受信電力推定部15の構成例を図6に示す。図示の受信電力推定部15は、モード行列生成部51、相関行列算出部52、雑音電力算出部53、及び到来波電力算出部54を有する。
モード行列生成部51は、遅延時間推定部13で推定された遅延時間τ〜τを入力とし、入力された遅延時間τ〜τの各々τ(lは1からLのいずれか)から式(8)に示されるモードベクトルa(τ)を生成し、すべての遅延時間τ〜τについてのモードベクトルa(τ)〜a(τ)から、式(7)に示されるモード行列Aを生成する。
相関行列算出部52は、合成部14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)を受け、M個の相関行列Rxx(θ)〜Rxx(θ)を算出する。即ち、各到来角候補θについて式(10A)の演算を行い、相関行列Rxx(θ)を算出する。
雑音電力算出部53は、合成部14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)を受け、周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列N(t,θ)を算出する。
雑音電力の算出には、種々の方法を適用することができる。例えば、合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)の分散を算出すればよい。
なお、合成周波数特性ではなく、それぞれのアンテナ素子についての伝送路推定結果X(t)、X(t)から雑音電力を算出してもよい。
到来波電力算出部54は、モード行列生成部51からモード行列A(式(7))を受け、相関行列算出部52から相関行列Rxx(θ)〜Rxx(θ)(式(10A))を受け、雑音電力算出部53から雑音電力行列N(t,θ)を受け、上記の相関行列Rxx(θ)〜Rxx(θ)から上記の雑音電力行列N(t,θ)を減算することで雑音の影響を除去し、この減算の結果に対し、モード行列A(式(7))とその複素共役転置行列Aとの積の逆行列演算を含む処理を行うことで、信号相関行列S(θ)〜S(θ)を生成する。即ち、各到来角候補θについて、上記の式(13)に従って、信号相関行列S(θ)を生成する。
到来波電力算出部54は、さらに、信号相関行列S(θ)〜S(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)を抽出し、到来角候補θ〜θについての直接波の電力として出力する。即ち、式(14)に示される各信号相関行列S(θ)から、その第1行第1列の成分s11(θ)を抽出し、到来角候補θについての直接波の電力として出力する。
到来波電力算出部54で算出された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)が受信電力推定部15の出力として、到来角推定部16に供給される。
なお、上記の式(10B)及び(13)では、雑音が、すべての周波数で同じ強度を持つ白色雑音であると仮定したが、雑音電力が周波数特性を持つ場合(雑音電力の強度が周波数によって異なる場合)にも本発明を適用することができる。
その場合には、雑音電力行列N(t,θ)は、下記の式(15)で示すように、各周波数における雑音成分n(f), n(f),…,n(f)を要素に持つ対角行列となる。
Figure 0006632466
到来角推定部16は、受信電力推定部15から供給された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、直接波の到来角θと推定する。
特許文献1の装置では、遅延時間が短い遅延波が存在する場合に、直接波と遅延波とを分離することができず、直接波の到来角推定精度が低下するという問題があった。これに対して、本実施の形態によれば、超分解能処理により到来波の遅延時間を推定した後、直接波と遅延波とを分離している。従って、遅延時間が短い遅延波が存在する場合にも、直接波を遅延波から分離することができ、直接波の到来角を高精度に推定することが可能となる。
また、遅延時間領域で分離された到来波の受信電力を算出する前に、周波数領域で雑音電力を減算することにより雑音の影響を低減することができる。即ち、到来波を遅延時間領域で分離したのちに、雑音電力を除去する場合、遅延時間領域での雑音電力を求める必要があるため、処理が複雑になる。これに対し、本実施の形態では、上記のように、周波数領域で雑音電力を減算した後に、遅延時間領域で到来波の受信電力を分離することとしているので、処理が簡単である。特に雑音電力が周波数特性を持つ場合(雑音電力の強度が周波数によって異なる場合)、周波数領域で雑音電力を減算することで処理が簡単になる。
実施の形態2.
実施の形態1では、直接波の到来角を算出している。これに対し、実施の形態2では、直接波以外の到来波の到来角を推定する。例えば、直接波に加え、直接波以外の少なくとも一つの到来波について、その到来角を推定する。以下では、直接波を含め、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明する。
図7に実施の形態2の受信装置を示す。
図7の受信装置は、図1の受信装置と概して同じであるが、受信電力推定部15及び到来角推定部16の代わりに、受信電力推定部15b及び到来角推定部16bが設けられている。
図8に受信電力推定部15bの構成例を示す。
受信電力推定部15bは、図6の受信電力推定部15と概して同じであるが、到来波電力算出部54の代わりに、到来波電力算出部54bを備えている。
到来波電力算出部54bは、実施の形態1の到来波電力算出部54と同様の処理を行って、信号相関行列S(θ)〜S(θ)を生成する。
到来波電力算出部54bはさらに、生成した信号相関行列S(θ)〜S(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)〜第L行第L列の成分sLL(θ)〜sLL(θ)を抽出して、到来角候補θ〜θについての、1番目の到来波〜L番目の到来波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S(θ)から、全ての対角成分s11(θ)〜sLL(θ)を抽出して、到来角候補θについての、1番目乃至L番目の到来波の電力として出力する。
到来波電力算出部54bで算出された1番目の到来波の電力s11(θ)〜s11(θ)〜L番目の到来波の電力sLL(θ)〜sLL(θ)が受信電力推定部15bの出力として、到来角推定部16bに供給される。
到来角推定部16bは、受信電力推定部15bから供給された1番目からL番目の到来波の電力のうちの、同じ到来波の電力を比較し、いずれが最大であるかを判定し、それぞれの到来波について、電力が最大である到来角候補を、当該到来波の到来角と推定する。即ち、到来角候補θ〜θについてのl番目の到来波の電力sll(θ)〜sll(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、l番目の到来波の到来角θalと推定する。この処理はlが取り得るすべての値、即ちl=1から、l=Lまでのすべての場合について行われる。
lが1である場合の処理は、実施の形態1の到来角推定部16における処理と同じであり、この処理により、直接波の到来角が推定される。
lが2からLのいずれかである場合には、2番目以降の各到来波の到来方法が推定される。
以上、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明したが、到来波のうちの一部のみについて到来角を推定することとしても良い。例えば、直接波について到来角を推定するとともに、直接波以外の到来波のうちの1つについて、到来角を推定することとしても良い。
実施の形態2でも実施の形態1と同様の効果が得られる。加えて、直接波以外の到来波についても、その到来角を高精度に推定することができる。
なお、実施の形態1又は2の受信電力推定部15又は15bで算出された信号相関行列S(θ)〜S(θ)から、それぞれのm=1〜Mのそれぞれの場合について、遅延時間に対する受信電力の変化、言い換えれば、それぞれの遅延時間τ〜τに対応する受信電力(受信電力プロファイル)P(τ,θ)〜P(τ,θ)を算出することもできる。そのためには、各到来角候補θについて、下記の式(16)の演算を行うことで、受信電力プロファイルP(τ,θ)を算出すれば良い。
Figure 0006632466
式(16)で、sllは信号相関行列S(θ)の対角線上の成分であり、lは1からLのいずれかである。
また、δ(τ)はディラックのデルタ関数である。
実施の形態3.
実施の形態1では、遅延時間推定部13で推定されたすべての遅延時間を用いて、即ち、すべての遅延時間の到来波を用いてモード行列(A)の生成、信号相関行列(S(θ))の算出等を行っている。これに対し、実施の形態3では、遅延時間が閾値以上の到来波は、モード行列の生成、信号相関行列の算出等に用いない。このようにするのは演算量の削減のためである。
図9に実施の形態3の受信装置を示す。
図9の受信装置は、図1の受信装置と概して同じであるが、受信電力推定部15及び到来角推定部16の代わりに、受信電力推定部15c及び到来角推定部16cが設けられている。
図10に受信電力推定部15cの構成例を示す。
図10の受信電力推定部15cは、モード行列生成部51c、相関行列算出部52c、雑音電力算出部53c、及び到来波電力算出部54c、並びに閾値設定部56、及び遅延波除去部57を有する。
閾値設定部56は、遅延時間閾値τthを設定する。遅延時間閾値τthは、遅延時間のうち、比較的長いものを除去するために用いられる。遅延時間閾値τthは、予め定めておいても良く、遅延時間推定部13で推定された遅延時間τ〜τに基づいて定めることとしても良い。
予め定める場合には、例えば、電波環境を考慮に入れて、除去後の遅延時間の数が、上限値を超えないように閾値τthは定めるのが望ましい。延時間推定部13で推定された遅延時間τ〜τに基づいて定める場合、閾値τthは、除去後の遅延時間の数が、上限値を超えないように定めるのが望ましい。
モード行列生成部51cは、遅延時間推定部13で推定された遅延時間τ〜τを入力とするとともに、閾値設定部56で設定された遅延時間閾値τthを受け、遅延時間閾値τthよりも短い遅延時間からモード行列A’を生成する。
具体的には、遅延時間τ〜τのうち、τ〜τ(qは1からLのいずれか)が閾値τthよりも短く、τ(q+1)〜τが閾値τth以上であるとすると、遅延時間τ〜τの各々τ(lは1からqのいずれか)から上記の式(8)に示されるモードベクトルa(τ)を生成し、閾値τthよりも短いすべての遅延時間τ〜τについてのモードベクトルa(τ)〜a(τ)から、下記の式(17)に示されるモード行列A’を生成する。
Figure 0006632466
遅延波除去部57は、合成部14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)から、遅延時間が上記閾値τth以上の遅延波の成分を除去し、遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波、即ち1番目からq番目の到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)を出力する。即ち、上記の各合成周波数特性X(t,θ)(mは1からMのいずれか)から遅延時間が上記閾値τth以上の遅延波の成分を除去し、遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)を出力する。
遅延波の除去には、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等のデジタルフィルタを用いる。上記の合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)の各々は伝送路の周波数特性であるため、周波数領域でフィルタ処理を施すことで、遅延時間領域における所望の成分を抽出することができる。
遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波、即ち1番目からq番目の到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)は、下記の式(18)で表されるものとなる。
Figure 0006632466
式(18)で、F’(t,θ)は、複素振幅から成る列ベクトルであり、下記の式(19)で表される。
Figure 0006632466
式(19)で、F(t,θ)(lは1からqのいずれか)は、l番目の到来波の複素振幅(波源)である。
式(18)で、A’は、モード行列と呼ばれるものであり、上記の式(17)で表される。
式(18)でN’(t,θ)は雑音ベクトルであり、上記の式(9)で表される。式(5)で用いられる雑音ベクトルN(t,θ)が、すべての到来波についての合成周波数特性X(t,θ)から算出されるのに対し、式(18)で用いられる雑音ベクトルN’(t,θ)は、遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)から算出される点で異なる。
相関行列算出部52cは、遅延波除去部57から出力された合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)から、M個の相関行列R’xx(θ)〜R’xx(θ)を算出する。即ち、各到来角候補θについて下記の式(20)の演算を行い、相関行列R’xx(θ)を算出する。
Figure 0006632466
雑音電力算出部53cは、遅延波除去部57から出力された合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)から、周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列N’(t,θ)を算出する。
到来波電力算出部54cは、モード行列生成部51cからモード行列A’(式(17))を受け、相関行列算出部52cから相関行列R’xx(θ)〜R’xx(θ)(式(20))を受け、雑音電力算出部53cから雑音電力行列N’(t,θ)を受け、上記の相関行列R’xx(θ)〜R’xx(θ)から上記の雑音電力行列N’(t,θ)を減算することで雑音の影響を除去し、この減算の結果に対し、モード行列A’(式(17))とその複素共役転置行列A’との積の逆行列演算を含む処理を行うことで、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)を生成する。即ち、各到来角候補θについて、下記の式(21)に従って、信号相関行列S’(θ)を生成する。
Figure 0006632466
式(21)の信号相関行列S’(θ)の成分は、下記の式(22)で表される。
Figure 0006632466
式(22)において、第l行第l列の成分sll(θ)が、l番目の到来波の電力を表す。そのうちのl=1の成分、即ち、第1行第1列の成分s11(θ)が、直接波の電力を表す。
到来波電力算出部54cは、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)を抽出し、到来角候補θ〜θについての直接波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S’(θ)から、その第1行第1列の成分s11(θ)を抽出し、到来角候補θについての直接波の電力として出力する。
到来波電力算出部54cで算出された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)が受信電力推定部15cの出力として、到来角推定部16cに供給される。
到来角推定部16cは、受信電力推定部15cから供給された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、直接波の到来角θと推定する。
実施の形態3でも実施の形態1と同様の効果が得られる。
加えて、遅延時間が比較的長い到来波を除去した上で、モード行列の生成、信号相関行列の算出を行うので、到来波が多く含まれる環境であっても、演算量を抑えることができ、しかも、直接波の到来角を高精度に推定することができる。
即ち、式(21)は、式(13)と同様であるが、モード行列Aの代わりにモード行列A’を用いており、遅延波が除去されているためモード行列A’はモード行列Aに比べて列の数が少ない。このため、演算量が削減される。
実施の形態4.
実施の形態3では、直接波の到来角を算出している。これに対し、実施の形態4では、遅延時間が閾値τthよりも短い到来波のうちの、直接波以外の到来波の到来角を推定する。例えば、直接波に加え、直接波以外の少なくとも一つの到来波について、その到来角を推定する。以下では、直接波を含め、遅延時間が閾値τthよりも短い、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明する。
図11に実施の形態4の受信装置を示す。
図11の受信装置は、図9の受信装置と概して同じであるが、受信電力推定部15c及び到来角推定部16cの代わりに、受信電力推定部15d及び到来角推定部16dが設けられている。
図12に受信電力推定部15dの構成例を示す。
受信電力推定部15dは、図10の受信電力推定部15cと概して同じであるが、到来波電力算出部54cの代わりに、到来波電力算出部54dを備えている。
到来波電力算出部54dは、実施の形態3の到来波電力算出部54cと同様の処理を行って、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)を生成する。
到来波電力算出部54dはさらに、生成した信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)〜第q行第q列の成分sqq(θ)〜sqq(θ)を、到来角候補θ〜θについての、1番目の到来波〜q番目の到来波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S’(θ)から、全ての対角成分s11(θ)〜sqq(θ)を、到来角候補θについての、1番目乃至q番目の到来波の電力として出力する。
到来波電力算出部54dで算出された1番目の到来波の電力s11(θ)〜s11(θ)〜q番目の到来波の電力sqq(θ)〜sqq(θ)が受信電力推定部15dの出力として、到来角推定部16dに供給される。
到来角推定部16dは、受信電力推定部15dから供給された1番目からq番目の到来波の電力のうちの、同じ到来波の電力を比較し、いずれが最大であるかを判定し、それぞれの到来波について、電力が最大である到来角候補を、当該到来波の到来角と推定する。即ち、到来角候補θ〜θについてのl番目の到来波の電力sll(θ)〜sll(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、l番目の到来波の到来角θalと推定する。この処理はlが取り得るすべての値、即ちl=1から、l=qまでのすべての場合について行われる。
lが1である場合の処理は、実施の形態3の到来角推定部16cにおける処理と同じであり、この処理により、直接波の到来角が推定される。
lが2からqのいずれかである場合には、2番目以降の各到来波の到来方法が推定される。
以上、遅延時間が閾値よりも短いすべての到来波の到来角を推定する場合について説明したが、遅延時間が閾値よりも短い到来波のうちの一部のみについて到来角を推定することとしても良い。例えば、直接波について到来角を推定するとともに、直接波以外の遅延時間が閾値よりも短い到来波のうちの1つについて、到来角を推定することとしても良い。
実施の形態4でも実施の形態3と同様の効果が得られる。しかも、実施の形態2と同様に、直接波以外の到来波についても、その到来角を高精度に推定することができる。
以上本発明の受信装置について説明したが、上記の受信装置で実施される受信方法もまた本発明の一部を成す。
以下、上記の実施の形態1〜4にそれぞれ対応する受信方法を実施の形態5〜8として説明する。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1に対応する受信方法である。
図13は、実施の形態5の受信方法における処理の手順を示す。
図13に示される受信方法は、無線受信ステップST11、伝送路推定ステップST12、遅延時間推定ステップST13、合成ステップST14、受信電力推定ステップST15、及び到来角推定ステップST16を含む。
無線受信ステップST11の処理は、図1の無線受信部11−1及び11−2が行う処理と同様である。伝送路推定ステップST12の処理は、図1の伝送路推定部12−1及び12−2が行う処理と同様である。遅延時間推定ステップST13の処理は、図1の遅延時間推定部13が行う処理と同様である。合成ステップST14の処理は、図1の合成部14が行う処理と同様である。受信電力推定ステップST15の処理は、図1の受信電力推定部15が行う処理と同様である。到来角推定ステップST16の処理は、図1の到来角推定部16が行う処理と同様である。
無線受信ステップST11においては、アンテナ素子10−1、10−2で電波を受信することで得られた第1及び第2のアナログ信号をそれぞれ周波数変換してベースバンド信号に変換し、AD変換することで第1及び第2のデジタル信号Sr、Srを生成する。
伝送路推定ステップST12においては、無線受信ステップST11で生成された第1及び第2のデジタル信号Sr、Srから、伝送路の周波数特性を推定し、第1及び第2の伝送路推定結果X(t)、X(t)を出力する。
伝送路の周波数特性の推定方法は、通信システムで採用されている伝送方式に依存する。本発明は、任意の伝送方式に適用可能であるが、ここでは、例として、多くの通信システムで採用されているOFDM(Orthogonal Frequency Divison Multiplex)伝送方式が採用されている場合とDSSS(Direct Sequence Spectrum Spread)伝送方式が採用されている場合について述べる。
図14にOFDM伝送方式が採用されている場合に実施される伝送路推定ステップST12の処理の一例の手順を示す。
図14に示される伝送路推定ステップST12は、FFTステップST20、パイロット抽出ステップST21、パイロット生成ステップST22、除算ステップST23、及び補間ステップST24を含む。
FFTステップST20においては、図13の無線受信ステップST11で生成されるデジタル信号Sr、Srを、FFT(高速フーリエ変換)により、シンボル毎に時間軸から周波数軸に変換することで、各サブキャリアを出力する。
パイロット抽出ステップST21においては、FFTステップST20で出力されるサブキャリアからパイロットキャリアを抽出する。
パイロット生成ステップST22においては、受信側において既知のパイロットキャリアを生成する。
除算ステップST23においては、パイロット抽出ステップST21で抽出されたパイロットキャリアをパイロット生成ステップST22で生成されたパイロットキャリアで除算することで、パイロットキャリアに作用する伝送路の周波数特性を出力する。
補間ステップST24においては、パイロットキャリアに作用する伝送路の周波数特性をシンボル方向とサブキャリア方向に補間することで、全サブキャリアの伝送路の周波数特性(伝送路推定結果)X(t)、X(t)を得る。
図15にDSSS伝送方式が採用される場合に実施される伝送路推定ステップST12の処理の一例の手順を示す。
図15に示される伝送路推定ステップST12は、擬似雑音系列生成ステップST25、逆拡散ステップST26、及びFFTステップST27を含む。
擬似雑音系列生成ステップST25においては、送信側において拡散時に使用されたのと同じ擬似雑音系列Nsを生成する。
逆拡散ステップST26においては、図13の無線受信ステップST11で生成されるデジタル信号Sr、Srと擬似雑音系列Nsとのスライディング相関をシンボル単位で計算する。
FFTステップST27においては、逆拡散ステップST26における計算の結果を、FFTにより周波数領域に変換することで、伝送路の周波数特性(伝送路推定結果)X(t)、X(t)を得る。
伝送路推定ステップST12で算出される第1及び第2の伝送路推定結果X(t)、X(t)は、上記の式(1A)及び(1B)で表される。
図13に戻り、遅延時間推定ステップST13においては、第1及び第2の伝送路推定結果X(t)、X(t)のいずれか、例えば、第1の伝送路推定結果X(t)に基づいて、対応するアンテナで受信された電波に含まれる1又は2以上の到来波の遅延時間を推定する。
遅延時の推定は、MUSIC処理、ESPRIT処理等の超分解能処理により行われる。ここで、到来波の数をLとし、各到来波の遅延時間をτ、τ、…、τ、遅延時間の推定値をτ(ハット)、τ(ハット)、…、τ(ハット)とする。なお、τ<τ<…<τであるとする。
合成ステップST14においては、伝送路推定ステップST12で推定された伝送路の周波数特性X(t)及びX(t)を、M個の異なる到来角候補θ〜θの各々について合成し、M個の合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)を生成する。即ち、各到来角候補θ(mは1からMのいずれか)について、上記の式(3)に従って合成し、合成周波数特性X(t,θ)を生成する。
なお、本実施の形態はアンテナ素子数を2としているが、本発明は、2より多いアンテナ素子の数が3以上であっても適用可能である。
受信電力推定ステップST15においては、合成ステップST14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)と、遅延時間推定ステップST13で推定された遅延時間τ〜τとから、それぞれの到来角候補θ〜θについて遅延時間が最も短い到来波、即ち直接波の受信電力を推定する。即ち、各到来角候補θについて直接波の受信電力を推定する。M個の候補θ〜θについてそれぞれ受信電力を推定するので、M個の受信電力の推定値が得られる。
図16に、受信電力推定ステップST15の一例における処理の手順を示す。
図16に示される受信電力推定ステップST15は、モード行列生成ステップST51、相関行列算出ステップST52、雑音電力算出ステップST53、及び到来波電力算出ステップST54を含む。
モード行列生成ステップST51においては、遅延時間推定ステップST13で推定された遅延時間τ〜τの各々τ(lは1からLのいずれか)から、上記の式(8)に示されるモードベクトルa(τ)を生成し、すべての遅延時間τ〜τについてのモードベクトルa(τ)〜a(τ)から、上記の式(7)に示されるモード行列Aを生成する。
相関行列算出ステップST52においては、合成ステップST14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)に基づいて、M個の相関行列Rxx(θ)〜Rxx(θ)を算出する。即ち、各到来角候補θについて式(10A)の演算を行い、相関行列Rxx(θ)を算出する。
雑音電力算出ステップST53においては、合成ステップST14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)に基づいて、周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列N(t,θ)を算出する。
雑音電力の算出には、種々の方法を適用することができる。例えば、合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)の分散を算出すればよい。
なお、合成周波数特性ではなく、それぞれのアンテナ素子についての伝送路推定結果X(t)、X(t)から雑音電力を算出してもよい。
到来波電力算出ステップST54においては、相関行列算出ステップST52で算出された相関行列Rxx(θ)〜Rxx(θ)(式(10A))から、雑音電力算出ステップST53で算出された雑音電力行列N(t,θ)を減算することで雑音の影響を除去し、この減算の結果に対し、モード行列A(式(7))とその複素共役転置行列Aとの積の逆行列演算を含む処理を行うことで、信号相関行列S(θ)〜S(θ)を生成する。即ち、各到来角候補θについて、上記の式(13)に従って、信号相関行列S(θ)を生成する。
到来波電力算出ステップST54においてはさらに、信号相関行列S(θ)〜S(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)を抽出し、到来角候補θ〜θについての直接波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S(θ)から、その第1行第1列の成分s11(θ)を抽出し、到来角候補θについての直接波の電力として出力する。
到来波電力算出ステップST54で算出された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)が、受信電力推定ステップST15における推定結果となる。
なお、式(10B)及び(13)では雑音が、すべての周波数で同じ強度を持つ白色雑音であると仮定したが、実施の形態1について述べたのと同様に、雑音電力が周波数特性を持つ場合(雑音電力の強度が周波数によって異なる場合)にも本発明を適用することができる。
到来角推定ステップST16においては、受信電力推定ステップST15で推定された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、直接波の到来角θと推定する。
実施の形態5でも実施の形態1と同様の効果が得られる。即ち、遅延時間が短い遅延波が存在する場合にも、直接波を遅延波から分離することができ、直接波の到来角を高精度に推定することが可能となる。また、周波数領域で雑音電力を減算するので、処理が簡単である。
実施の形態6.
実施の形態6は、実施の形態2に対応する受信方法である。
実施の形態5では、直接波の到来角を算出している。これに対し、実施の形態6では、直接波以外の到来波の到来角を推定する。例えば、直接波に加え、直接波以外の少なくとも一つの到来波について、その到来角を推定する。以下では、直接波を含め、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明する。
図17に実施の形態6の受信方法における処理の手順を示す。
図17の受信方法は、図13の受信方法と概して同じであるが、受信電力推定ステップST15及び到来角推定ステップST16の代わりに、受信電力推定ステップST15b及び到来角推定ステップST16bが含まれる。
図18に受信電力推定ステップST15bの一例における処理の手順を示す。
受信電力推定ステップST15bは、図13の受信電力推定ステップST15と概して同じであるが、到来波電力算出ステップST54の代わりに、到来波電力算出ステップST54bを含む。
到来波電力算出ステップST54bにおいては、実施の形態5の到来波電力算出ステップST54と同様の処理を行って、信号相関行列S(θ)〜S(θ)を生成する。
到来波電力算出ステップST54bにおいてはさらに、生成した信号相関行列S(θ)〜S(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)〜第L行第L列の成分sLL(θ)〜sLL(θ)を抽出して、到来角候補θ〜θについての、1番目の到来波〜L番目の到来波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S(θ)から、全ての対角成分s11(θ)〜sLL(θ)を抽出して、到来角候補θについての、1番目乃至L番目の到来波の電力として出力する。
到来波電力算出ステップST54bで算出された1番目の到来波の電力s11(θ)〜s11(θ)〜L番目の到来波の電力sLL(θ)〜sLL(θ)が受信電力推定ステップST15bにおける推定結果となる。
到来角推定ステップST16bにおいては、受信電力推定ステップST15bで推定された1番目からL番目の到来波の電力のうちの、同じ到来波の電力を比較し、いずれが最大であるかを判定し、それぞれの到来波について、電力が最大である到来角候補を、当該到来波の到来角と推定する。即ち、到来角候補θ〜θについてのl番目の到来波の電力sll(θ)〜sll(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、l番目の到来波の到来角θalと推定する。この処理はlが取り得るすべての値、即ちl=1から、l=Lまでのすべての場合について行われる。
lが1である場合の処理は、実施の形態5の到来角推定ステップST16における処理と同じであり、この処理により、直接波の到来角が推定される。
lが2からLのいずれかである場合には、2番目以降の各到来波の到来方法が推定される。
以上、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明したが、到来波のうちの一部のみについて到来角を推定することとしても良い。例えば、直接波について到来角を推定するとともに、直接波以外の到来波のうちの1つについて、到来角を推定することとしても良い。
実施の形態6でも実施の形態5と同様の効果が得られる。加えて、直接波以外の到来波についても、その到来角を高精度に推定することができる。
実施の形態7.
実施の形態7は、実施の形態3に対応する受信方法である。
実施の形態5では、遅延時間推定ステップST13で推定されたすべての遅延時間を用いて、即ち、すべての遅延時間の到来波を用いてモード行列(A)の生成、信号相関行列(S(θ))の算出等を行っている。これに対し、実施の形態7では、遅延時間が閾値以上の到来波は、モード行列の生成、信号相関行列の算出等に用いない。このようにするのは演算量の削減のためである。
図19に実施の形態7の受信方法における処理の手順を示す。
図19の受信方法は、図13の受信方法と概して同じであるが、受信電力推定ステップST15及び到来角推定ステップST16の代わりに、受信電力推定ステップST15c及び到来角推定ステップST16cが含まれる。
図20に受信電力推定ステップST15cの一例における処理の手順を示す。
図20の受信電力推定ステップST15cは、モード行列生成ステップST51c、相関行列算出ステップST52c、雑音電力算出ステップST53c、及び到来波電力算出ステップST54c並びに閾値設定ステップST56、及び遅延波除去ステップST57を含む。
閾値設定ステップST56においては、遅延時間閾値τthを設定する。遅延時間閾値τthは、遅延時間のうち、比較的長いものを除去するために用いられる。遅延時間閾値τthは、予め定めておいても良く、遅延時間推定ステップST13で推定された遅延時間τ〜τに基づいて定めることとしても良い。
予め定める場合には、例えば、電波環境を考慮に入れて、除去後の遅延時間の数が、上限値を超えないように定めるのが望ましい。推定された遅延時間τ〜τに基づいて定める場合にも、除去後の遅延時間の数が、上限値を超えないように定めるのが望ましい。
モード行列生成ステップST51cにおいては、遅延時間推定ステップST13で推定された遅延時間τ〜τと、閾値設定ステップST56で設定された遅延時間閾値τthとに基づいて、遅延時間閾値τthよりも短い遅延時間からモード行列A’を生成する。
具体的には、遅延時間τ〜τのうち、τ〜τ(qは1からLのいずれか)が閾値τthよりも短く、τ(q+1)〜τが閾値τth以上であるとすると、遅延時間τ〜τの各々τ(lは1からqのいずれか)から上記の式(8)に示されるモードベクトルa(τ)を生成し、閾値τthよりも短いすべての遅延時間τ〜τについてのモードベクトルa(τ)〜a(τ)から、上記の式(17)に示されるモード行列A’を生成する。
遅延波除去ステップST57においては、合成ステップST14で算出された合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)から、遅延時間が上記閾値τth以上の遅延波の成分を除去し、遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波、即ち、1番目からq番目の到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)を生成する。即ち、上記の各合成周波数特性X(t,θ)(mは1からMのいずれか)から遅延時間が上記閾値τth以上の遅延波の成分を除去し、遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波ついての合成周波数特性X’(t,θ)を生成する。
遅延波の除去には、FIRフィルタ、IIRフィルタ等のデジタルフィルタを用いる。上記の合成周波数特性X(t,θ)〜X(t,θ)の各々は伝送路の周波数特性であるため、周波数領域でフィルタ処理を施すことで、遅延時間領域における所望の成分を抽出することができる。
遅延時間が上記閾値τthよりも短い到来波、即ち、1番目からq番目の到来波についての合成周波数特性X’(t,θ)は、上記の式(18)で表されるものとなる。
相関行列算出ステップST52cにおいては、遅延波除去ステップST57で生成された合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)から、M個の相関行列R’xx(θ)〜R’xx(θ)を算出する。即ち、各到来角候補θについて上記の式(20)の演算を行い、相関行列R’xx(θ)を算出する。
雑音電力算出ステップST53cにおいては、遅延波除去ステップST57で生成された合成周波数特性X’(t,θ)〜X’(t,θ)から、周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列N’(t,θ)を算出する。
到来波電力算出ステップST54cにおいては、相関行列算出ステップST52cで算出された相関行列R’xx(θ)〜R’xx(θ)から、雑音電力算出ステップST53cで算出された雑音電力行列N’(t,θ)を減算することで雑音の影響を除去し、この減算の結果に対し、モード行列A’(式(17))とその複素共役転置行列A’との積の逆行列演算を含む処理を行うことで、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)を生成する。即ち、各到来角候補θについて、上記の式(21)に従って、信号相関行列S’(θ)を生成する。
到来波電力算出ステップST54cにおいては、さらに、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)を抽出し、到来角候補θ〜θについての直接波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S’(θ)から、その第1行第1列の成分s11(θ)を抽出し、到来角候補θについての、直接波の電力として出力する。
到来波電力算出ステップST54cで算出された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)が受信電力推定ステップST15cにおける推定結果となる。
到来角推定ステップST16cにおいては、受信電力推定ステップST15cで推定された直接波電力s11(θ)〜s11(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、直接波の到来角θと推定する。
実施の形態7でも実施の形態3と同様の効果が得られる。即ち、実施の形態5と同様の効果に加えて、到来波が多く含まれる環境であっても、演算量を抑えることができ、しかも、直接波の到来角を高精度に推定することができる。
実施の形態8.
実施の形態8は、実施の形態4に対応する受信方法である。
実施の形態7では、直接波の到来角を算出している。これに対し、実施の形態8では、遅延時間が閾値τthよりも短い到来波のうちの、直接波以外の到来波の到来角を推定する。例えば、直接波に加え、直接波以外の少なくとも一つの到来波について、その到来角を推定する。以下では、直接波を含め、遅延時間が閾値τthよりも短い、すべての到来波の到来角を推定する場合について説明する。
図21に実施の形態8の受信方法を示す。
図21の受信方法は、図19の受信方法と概して同じであるが、受信電力推定ステップST15c及び到来角推定ステップST16cの代わりに、受信電力推定ステップST15d及び到来角推定ステップST16dが含まれる。
図22に受信電力推定ステップST15dの一例における処理の手順を示す。
受信電力推定ステップST15dは、図20の受信電力推定ステップST15cと概して同じであるが、到来波電力算出ステップST54cの代わりに、到来波電力算出ステップST54dを含む。
到来波電力算出ステップST54dにおいては、実施の形態7の到来波電力算出ステップST54cと同様の処理を行って、信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)を生成する。
到来波電力算出ステップST54dにおいてはさらに、生成した信号相関行列S’(θ)〜S’(θ)から、それらの第1行第1列の成分s11(θ)〜s11(θ)〜第q行第q列の成分sqq(θ)〜sqq(θ)を、到来角候補θ〜θについての、1番目の到来波〜q番目の到来波の電力として出力する。即ち、各信号相関行列S’(θ)から、全ての対角成分s11(θ)〜sqq(θ)を、到来角候補θについての、1番目乃至q番目の到来波の電力として出力する。
到来波電力算出ステップST54dで算出された1番目の到来波の電力s11(θ)〜s11(θ)〜q番目の到来波の電力sqq(θ)〜sqq(θ)が受信電力推定ステップST15dにおける推定結果となる。
到来角推定ステップST16dにおいては、受信電力推定ステップST15dで推定された1番目からq番目の到来波の電力のうちの、同じ到来波の電力を比較し、いずれが最大であるかを判定し、それぞれの到来波について、電力が最大である到来角候補を、当該到来波の到来角と推定する。即ち、到来角候補θ〜θについてのl番目の到来の電力sll(θ)〜sll(θ)のうちのいずれが最大(ピーク値)であるかを判定し、電力が最大である到来角候補θ(θ〜θのいずれか)を、l番目の到来波の到来角θalと推定する。この処理はlが取り得るすべての値、即ちl=1から、l=qまでのすべての場合について行われる。
lが1である場合の処理は、実施の形態5の到来角推定ステップST16cにおける処理と同じであり、この処理により、直接波の到来角が推定される。
lが2からqのいずれかである場合には、2番目以降の各到来波の到来方法が推定される。
以上、遅延時間が閾値よりも短いすべての到来波の到来角を推定する場合について説明したが、遅延時間が閾値よりも短い到来波のうちの一部のみについて到来角を推定することとしても良い。例えば、直接波について到来角を推定するとともに、直接波以外の遅延時間が閾値よりも短い到来波のうちの1つについて、到来角を推定することとしても良い。
実施の形態8でも実施の形態4と同様の効果が得られる。即ち、実施の形態7と同様の効果に加え、実施の形態6と同様に、直接波以外の到来波についても、その到来角を高精度に推定することができる。
以上実施の形態8を実施の形態7に対する変形として説明した。実施の形態5に対しても同様の変形を加えることができる。
また、実施の形態1〜4について説明した変形と同様の変形を実施の形態4〜8にも加えることができる。
実施の形態9.
以上実施の形態1、2、3及び4において、図1、図7、図9及び図11に示される受信装置の各部分(機能ブロックとして図示した部分)は、処理回路により実現することができる。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPUであっても良い。
例えば、図1、図7、図9及び図11の各部分の機能をそれぞれ別個の処理回路で実現してもよいし、複数の部分の機能をまとめて一つの処理回路で実現しても良い。
処理回路がCPUの場合、受信装置の各部分の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア或いはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、受信装置は、処理回路により実現されるときに、図1、図7、図9及び図11に示される各部分の機能が、結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。また、これらのプログラムは、受信装置で実施される受信方法における処理の方法、或いはその手順をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
なおまた、受信装置の各部分の機能のうち、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしても良い。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
図23に上記の処理回路がCPUであって、単一のCPUを含むコンピュータ(符号100で示す)で受信装置のすべての機能を実現する場合の構成の一例を、アンテナ素子10−1、10−2とともに示す。
図23に示されるコンピュータ100は、CPU101と、メモリ102と、入力部103−1、103−2と、出力部104とを備え、これらはバス105で接続されている。
入力部103−1、103−2には、アンテナ素子10−1、10−2が接続されている。
アンテナ素子10−1、10−2で受信された信号は、入力部103−1、103−2を介して、CPU101に供給される。
CPU101は、メモリ102に記憶されたプログラムに従って動作し、入力部103−1、103−2を介して入力された信号に対して、実施の形態1、2、3又は4の受信装置の各部の処理を行って、処理の結果得られた出力信号を出力部104から出力する。
CPU101による処理の内容及び手順は、実施の形態1、2、3及び4で説明したのと同様である。
実施の形態1、2、3及び4の受信装置における各処理をコンピュータに実行させる場合について述べたが、実施の形態5、6、7及び8の受信方法の各ステップの処理を上記と同様に、コンピュータに実行させることも可能である。
受信装置で実施される受信方法、受信装置の各部分の処理、或いは受信方法における各処理をコンピュータに実行させるプログラム及び該プログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体についても、受信装置について述べたのと同様の効果が得られる。
10−1、10−2 アンテナ素子、 11−1、11−2 無線受信部、 12−1、2 伝送路推定部、 13 遅延時間推定部、 14 合成部、 15、15b、15c、15d 受信電力推定部、 16、16b、16c、16d 到来角推定部、 20−n FFT部、 21−n パイロット抽出部、 22−n パイロット生成部、 23−n 除算部、 24−n 補間部、 25−n 擬似雑音系列生成部、 26−n 逆拡散部、 27−n FFT部、 51、51c モード行列生成部、 52、52c 相関行列算出部、 53、53c 雑音電力算出部、 54、54b、54c、54d 到来波電力算出部、 56 閾値設定部、 57 遅延波除去部、 101 CPU、 102 メモリ、 103−1、103−2 入力部、 104 出力部、 105 バス。

Claims (10)

  1. 送信機が発する電波を受信して前記送信機からの到来波の到来角を推定する受信装置であって、
    アレイアンテナを構成する第1乃至第N(Nは2以上の整数)のアンテナ素子にそれぞれ対応して設けられ、対応するアンテナ素子で前記電波を受信することで得られた第1乃至第Nのアナログ信号に対し周波数変換及びAD変換を行って第1乃至第Nのデジタル信号を生成する第1乃至第Nの無線受信部と、
    前記第1乃至第Nの無線受信部にそれぞれ対応して設けられ、それぞれ前記第1乃至第Nのデジタル信号から伝送路の周波数特性を推定し、第1乃至第Nの伝送路推定結果を出力する第1乃至第Nの伝送路推定部と、
    前記第1乃至第Nの伝送路推定結果のうちの1つの伝送路推定結果から超分解能処理により前記電波に含まれる1又は2以上の到来波の遅延時間を推定する遅延時間推定部と、
    到来角が、M個(Mは2以上の整数)の互いに異なる到来角候補のいずれかであると仮定して、それぞれの到来角候補について、当該到来角候補に対応する前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性相互間の位相差を打ち消す補正量を与えて前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性を加算することで、前記M個の到来角候補についての合成周波数特性を算出する合成部と、
    前記M個の到来角候補についての合成周波数特性と、前記遅延時間とから、前記M個の到来角候補について直接波の受信電力を推定する受信電力推定部と、
    前記M個の到来角候補について推定された直接波の受信電力のうちのいずれが最大であるかを判定し、受信電力が最大である到来角候補を直接波の到来角と推定する到来角推定部と
    を有する受信装置。
  2. 前記超分解能処理が、MUSIC処理及びESPRIT処理のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記受信電力推定部は、
    前記遅延時間からモード行列を生成するモード行列生成部と、
    前記M個の到来角候補についての合成周波数特性から、前記M個の到来角候補についての相関行列を算出する相関行列算出部と、
    前記M個の到来角候補についての合成周波数特性から周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列を算出する雑音電力算出部と、
    前記M個の到来角候補についての相関行列から前記雑音電力行列を減算することで雑音の影響を除去し、該減算の結果と、前記モード行列を用いて信号相関行列を生成することで、到来波を遅延時間領域で分離し、前記遅延時間が最も短い到来波の受信電力を直接波の受信電力として抽出する到来波電力算出部と
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記到来波電力算出部は、前記信号相関行列を生成することで分離された到来波のうち、前記直接波以外の少なくとも一つの到来波についてもその受信電力を、前記M個の到来角候補について推定し、
    前記到来角推定部は、前記直接波以外の前記少なくとも一つの到来波について、前記M個の到来角候補について推定された受信電力のうちのいずれが最大であるかを判定し、受信電力が最大である到来角候補を、前記少なくとも一つの到来波の到来角と推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記受信電力推定部は、
    遅延時間閾値を設定する閾値設定部と、
    前記遅延時間のうちの、前記遅延時間閾値よりも短い遅延時間からモード行列を生成するモード行列生成部と、
    前記M個の到来候補についての合成周波数特性から、前記遅延時間が前記遅延時間閾値以上の到来波の成分を除去し、前記M個の到来候補についての、前記遅延時間が前記遅延時間閾値よりも短い到来波についての合成周波数特性を出力する遅延波除去部と、
    前記M個の到来候補についての、前記遅延時間が前記遅延時間閾値よりも短い到来波についての合成周波数特性から、前記M個の到来候補についての相関行列を算出する相関行列算出部と、
    前記M個の到来候補についての、前記遅延時間が前記遅延時間閾値よりも短い到来波についての合成周波数特性から周波数領域での雑音電力を要素とする雑音電力行列を算出する雑音電力算出部と、
    前記M個の到来候補についての相関行列から前記雑音電力行列を減算することで雑音の影響を除去し、該減算の結果と、前記モード行列とを用いて信号相関行列を生成することで、到来波を遅延時間領域で分離し、前記遅延時間が最も短い到来波の受信電力を直接波の受信電力として抽出する到来波電力算出部と
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
  6. 前記到来波電力算出部は、前記信号相関行列を生成することで分離された到来波のうち、前記直接波以外の少なくとも一つの到来波についてもその受信電力を、前記M個の到来角候補について推定し、
    前記到来角推定部は、前記遅延時間が前記遅延時間閾値よりも短い到来波のうち、前記直接波以外の前記少なくとも一つの到来波について、前記M個の到来角候補について推定された受信電力のうちのいずれが最大であるかを判定し、受信電力が最大である到来角候補を、前記少なくとも一つの到来波の到来角と推定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
  7. 前記信号相関行列の第1行第1列の成分を前記直接波の受信電力として抽出することを特徴とする請求項3又は5に記載の受信装置。
  8. 送信機が発する電波を受信して前記送信機からの到来波の到来角を推定する受信方法であって、
    アレイアンテナを構成する第1乃至第N(Nは2以上の整数)のアンテナ素子で前記電波を受信することで得られた第1乃至第Nのアナログ信号に対し周波数変換及びAD変換を行って第1乃至第Nのデジタル信号を生成する無線受信ステップと、
    前記第1乃至第Nのデジタル信号から伝送路の周波数特性を推定し、第1乃至第Nの伝送路推定結果を出力する伝送路推定ステップと、
    前記第1乃至第Nの伝送路推定結果のうちの1つの伝送路推定結果から超分解能処理により前記電波に含まれる1又は2以上の到来波の遅延時間を推定する遅延時間推定ステップと、
    到来角が、M個(Mは2以上の整数)の互いに異なる到来角候補のいずれかであると仮定して、それぞれの到来角候補について、当該到来角候補に対応する前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性相互間の位相差を打ち消す補正量を与えて前記第1乃至第Nの伝送路の周波数特性を加算することで、前記M個の到来角候補についての合成周波数特性を算出する合成ステップと、
    前記M個の到来角候補についての合成周波数特性と、前記遅延時間とから、前記M個の到来角候補について直接波の受信電力を推定する受信電力推定ステップと、
    前記M個の到来角候補について推定された直接波の受信電力のうちのいずれが最大であるかを判定し、受信電力が最大である到来角候補を直接波の到来角と推定する到来角推定ステップと
    を有する受信方法。
  9. 請求項8に記載の受信方法の各ステップの処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体。
JP2016093578A 2016-05-09 2016-05-09 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体 Active JP6632466B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016093578A JP6632466B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016093578A JP6632466B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017204662A JP2017204662A (ja) 2017-11-16
JP6632466B2 true JP6632466B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=60322469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016093578A Active JP6632466B2 (ja) 2016-05-09 2016-05-09 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6632466B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109981498A (zh) * 2019-03-12 2019-07-05 上海大学 基于超分辨率图像恢复技术的Wi-Fi标准***信道估计方法
JP7366791B2 (ja) * 2020-02-14 2023-10-23 株式会社東海理化電機製作所 通信装置、情報処理方法、及びプログラム
US20220099783A1 (en) * 2020-09-28 2022-03-31 Shenzhen GOODIX Technology Co., Ltd. AoA/AoD CALCULATION WITH LOW ANGLE OF INCIDENCE

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002243825A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 車両位置標定方法および装置
JP3575437B2 (ja) * 2001-05-10 2004-10-13 日本電気株式会社 指向性制御装置
JP4187985B2 (ja) * 2002-03-15 2008-11-26 三菱電機株式会社 測角装置、測角方法及びプログラム
JP4972852B2 (ja) * 2003-10-20 2012-07-11 三菱電機株式会社 レーダ装置
US7342535B2 (en) * 2005-04-08 2008-03-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Beam-forming apparatus and method using a spatial interpolation based on regular spatial sampling
JP5554018B2 (ja) * 2009-06-12 2014-07-23 三菱電機株式会社 測角装置、モノパルス測角装置、モノパルスレーダ、マルチスタティックレーダ
JP5932283B2 (ja) * 2011-10-13 2016-06-08 キヤノン株式会社 無線通信装置、通信方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017204662A (ja) 2017-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6513287B2 (ja) 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体
JP5230766B2 (ja) 到来方向推定装置及び到来方向推定方法
JP4309110B2 (ja) 適応アンテナ無線通信装置
JP5230779B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
JP4199128B2 (ja) 信号選択システムおよびその方法
JP4086574B2 (ja) パスサーチ回路、無線受信装置及び無線送信装置
JP3888189B2 (ja) 適応アンテナ基地局装置
JP3895228B2 (ja) 無線通信装置および到来方向推定方法
CN107431525B (zh) 接收装置和接收方法
JP2005520400A (ja) アンテナ信号処理システム
JP5183798B2 (ja) 無線通信システム、送信装置および受信装置
JP6632466B2 (ja) 受信装置及び受信方法、並びにプログラム及び記録媒体
US8184733B2 (en) Radio reception device, radio transmission device, radio base station, reception method, and transmission method
JP2008312188A (ja) アダプティブアンテナ
JP4929481B2 (ja) ダイバーシチ受信機
KR101498615B1 (ko) 무선 신호의 방향을 추정하는 장치 및 그 방법
JPH11289213A (ja) アダプティブ受信装置
JP4854529B2 (ja) Ofdm受信装置
JP4430060B2 (ja) 無線通信装置及び方法
JP4077830B2 (ja) 無線装置およびアダプティブアレイ処理方法
JP4820848B2 (ja) 適応アンテナ無線通信装置及び適応アンテナ無線通信方法
JP4213007B2 (ja) アダプティブアンテナ
Marath et al. New focusing scheme for DOA estimation of multipath clusters in WiMedia UWB systems without coarse estimation of angle of arrival
Blanchard-Lapierre et al. The JDTDOA algorithm applied to signal recovery: a performance analysis
JP2007124293A (ja) ダイバーシティ受信装置、ダイバーシティ受信方法、ダイバーシティ受信回路、集積回路、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160509

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6632466

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250