JP6209153B2 - 粉末配合物 - Google Patents
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Description
なお、IL−2、IL−4及びIFN−γは、リンパ球やNK細胞の活性化に関与する。また、IL−10は、病弱者や高齢者のQOL(quality of life)維持に関与する。さらに、IL−12は、悪性腫瘍の増殖抑制に関与する。
また、植物性乳酸菌は、胃酸に耐えて腸管に届き、腸管環境を整える作用を持つ。芽粉末と併せて摂ることで、芽粉末の持つ、免疫能活性化効果、腫瘍抑制効果(抗腫瘍効果)、脱毛抑制効果など、様々な生理活性のほか、植物性乳酸菌の持つ作用を合わせて得ることができる。
なお、植物性乳酸菌としては、例えば、ラブレ菌(Lactobacillus brevis subspecies coagulans)や、トレイルS1菌(Lactobacillus plantarum s1)、F-1菌(Lactobacillus piantarum Formula-1)などが挙げられる。
また、椎茸菌子実体の芽の粉末及び植物性乳酸菌を添加した、あるいはさらに他の成分(植物性乳酸菌以外の乳酸菌乾燥末、各種ビタミン末など)を添加した、液状のあるいはゼリー状の飲物として製品化することもできる。例えば、日本茶、紅茶、コーヒー、ココア、アルカリイオン水、天然水、清涼飲料水、清酒、どぶろく、マッコリ、焼酎、果実酒などの酒類、ゼリータイプの飲物(流動食品)が挙げられる。
さらに、芽粉末及び植物性乳酸菌を添加した、あるいはさらに他の成分(植物性乳酸菌以外の乳酸菌乾燥末、各種ビタミン末など)を添加した、各種の食物として製品化することもできる。このような食物としては、特に限定されないが、例えば、食肉、魚介類、野菜類、果実類等の生鮮食品、ハム、ソーセージ等の加工畜産物、はんぺん、かまぼこ、魚肉ソーセージ等の加工水産物、ジャム、乾燥果実等の加工果実、漬物等の加工野菜、牛乳、バター、クリーム、チーズ、ヨーグルト等の乳製品、ナタネ油、パーム油、ひまわり油、ショートニング等の油脂類、豆腐、油揚げ、納豆等の大豆加工食品、醤油、味噌、ソース、ケチャップ等の調味料、パン類、ケーキ類、和菓子、洋菓子等の菓子類、うどん、そば、そうめん、スパゲッティ等の麺類などが挙げられる。
また、椎茸菌子実体の芽を粉砕した粉末としては、椎茸菌子実体の芽の乾燥粉末のほか、未乾燥、半乾燥の粉末も挙げられる。
椎茸菌子実体の芽の栽培手法としては、椎茸菌子実体の栽培(椎茸栽培)と同様の手法が採用できる.具体的には、ほだ木に種菌(種駒)を接種する、いわゆるほだ木椎茸栽培の栽培手法や、おがくず等に栄養源の米糠等を混ぜた菌床に椎茸菌を蔓延させる、いわゆる菌床椎茸栽培の栽培手法を用いることができる。特に、菌床栽培は、栽培期間が短くできる上、ほだ木に比して菌床の取り扱いが容易であるため、椎茸菌子実体の芽の収穫も容易になり好ましい。菌床栽培の手法としては、棚栽培方式、菌床吊り下げ方式など公知の手法を採用することができる。
なお、乾燥粉末としては、椎茸菌子実体の芽、あるいは椎茸菌子実体の芽を裁断した芽の断片を、温風乾燥、冷風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥、温風・遠赤外線併用乾燥、凍結乾燥(真空凍結乾燥)、あるいは、シリカゲルなどの乾燥剤による乾燥などの手法で乾燥したり、さらに乾燥後に粉砕したものが挙げられる。
しかも、免疫能活性化効果、腫瘍抑制効果(抗腫瘍効果)、脱毛抑制効果など、様々な生理活性について、椎茸菌子実体の芽の粉末との相乗効果を得ることができる。サイトカイン(IL−2,IL−4,IL−10,IL−12、IFN−γ)に関しても相乗的に増加させることができる。
菌床栽培の手法としては、前述したように、棚栽培方式、菌床吊り下げ方式など公知の手法を採用することができる。
即ち、本発明の粉末配合物である飲食物は、芽粉末を配合してあるので、この飲食品を摂取することにより、芽粉末の持つ、免疫能活性化効果、腫瘍抑制効果(抗腫瘍効果)、脱毛抑制効果など、様々な生理活性を得ることができる。
なお、このような飲食物としては、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、ペースト、シロップ等の形態の栄養補助食品が挙げられる。このほか、前述したように、例えば、芽粉末を添加した液状のあるいはゼリー状の飲物が挙げられる。また、芽粉末を添加した、各種の食物、例えば、食肉、魚介類、野菜類、果実類等の生鮮食品、加工畜産物、加工水産物、加工果実、加工野菜、乳製品、油脂類、大豆加工食品、調味料、パン類、ケーキ類、菓子類、麺類などが挙げられる。
なお、医薬品の剤形としては、粉末のほか、顆粒、錠剤、カプセル剤、ペースト、シロップ等の形態が挙げられる。
なお、医薬部外品の剤形としては、粉末のほか、顆粒、錠剤、カプセル剤、ペースト、シロップ等の形態が挙げられる。
なお、哺乳類用医薬品の剤形としては、粉末のほか、顆粒、錠剤、カプセル剤、ペースト、シロップ等の形態が挙げられる。
このような哺乳類用えさとしては、ペット(愛玩動物)に与えるペット用の餌のほか、飼育する豚、牛等の哺乳類用に与える飼料がある。例えば、哺乳類用えさの形態としては、芽粉末を添加した液状のあるいはゼリー状の動物用飲物が挙げられる。また、芽粉末を添加した、各種のペット用の餌や飼料が挙げられる。
−80℃で冷凍保管されたマウス肺転移腫瘍細胞(LLC細胞)を、PBS液で洗浄後、RPMI−1640(10%FBS)培養液で2日間培養し、0.025%トリプシン液でピペッティングして増殖細胞を剥がし、1000rpmで5分間にわたり遠心分離を行い、上澄み液を吸引廃棄した。沈殿した細胞に4℃に氷上冷却したPBS液を加え、再度、1000rpmで5分間にわたり遠心分離を行い、上澄み液を吸引廃棄した。沈殿した細胞を生理食塩水で希釈し、5.0×105個/0.05mLの濃度の腫瘍細胞液を調製した。
また別途、同様の手法で、3.0×105個/0.05mL、及び、1.5×105個/0.05mLの濃度の腫瘍細胞液を調製し、C57BL/6マウスの大腿部皮下に0.05mL(3.0×105個または1.5×105個相当)注入移植した。腫瘍が2〜3mmφに成長した移植1週間後から、後述する第2実験を開始した。
また、第2実験では、3.0×105個移植したマウス群をT3群、1.5×105個移植したマウス群をT1.5群とする。また、腫瘍移植を行っていないマウスをNT2群とする。
農事組合法人INSにおいて菌床吊り下げ方式で栽培した菌床に生えた、椎茸菌子実体の芽を収穫し、50℃以下の温風・遠赤外線併用乾燥により乾燥した後、粉砕して、椎茸菌子実体の芽を粉砕した粉末(芽粉末)を得た。
この芽粉末を50wt%、マウス飼育固形飼料(MF)の粉砕粉末を20wt%、きな粉20wt%、チーズ5wt%、硬化用米粉5wt%を、水道水を加えて混合し、自然乾燥させて、芽粉末入り固形飼料(以下、「芽粉末飼料」ともいう)を作製した。
また、ルイ・パストゥール医学研究センターの分子免疫研究所で培養されたF1乳酸菌(Lactobacillus piantarum Formula-1)を、生理食塩水で1.0×107個/0.3mLの濃度に希釈した「乳酸菌水」を、別途用意した。
前述した腫瘍移植を行ったT5群のマウス(LLC担癌マウス)を4群に分け、4群の腫瘍移植を行っていないC57BL/6マウス(無担癌マウス)と同様に飼育し、体重変化、腫瘍体積変化、血中サイトカイン濃度を測定した。各群とも、15匹/群のC57BL/6マウスを飼育した。
<無担癌マウス:NT1群>
・NT1−C群:無担癌マウス/コントロール群(一般飼料・水投与群)
・NT1−F群:無担癌マウス/乳酸菌単独投与群(一般飼料・乳酸菌水投与群)
・NT1−M群:無担癌マウス/芽粉末単独投与群(芽粉末飼料・水投与群)
・NT1−F+M群:無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群(芽粉末飼料・乳酸菌水投与群)
<担癌マウス:T5群(5.0×105個移植)>
・T5−C群:担癌マウス/コントロール群(一般飼料・水投与群)
・T5−F群:担癌マウス/乳酸菌単独投与群(一般飼料・乳酸菌水投与群)
・T5−M群:担癌マウス/芽粉末単独投与群(芽粉末飼料・水投与群)
・T5−F+M群:担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群(芽粉末飼料・乳酸菌水投与群)
乳酸菌水投与群(NT1−F群,NT1−F+M群,T5−F群,T5−F+M群)のマウスには、連日、前述の乳酸菌水0.3mLを、金属ゾンデにより強制経口投与し、1.0×107個/day/匹のF1乳酸菌を摂取させた。
また、芽粉末飼料投与群(NT1−M群,NT1−F+M群,T5−M群,T5−F+M群)のマウスには、前述の芽粉末飼料を、連日、自由摂取(0.8〜1.2g/day/匹)させた。
NT1群(無担癌マウス)及びT5群(担癌マウス)について、実験開始から連日、体重を測定した。その変化を図2,図3に示す。図2から判るように、NT1群の各無担癌マウスの体重変化は、芽粉末飼料(芽粉末)及び乳酸菌水(F1乳酸菌)の投与/非投与で、全実験期間において有意差が認められなかった。従って、体重変化からは、芽粉末飼料(芽粉末)、あるいは、乳酸菌水(F1乳酸菌)について、毒性は認められない。図3に示す、T5群の各担癌マウスの体重変化からも、同様なことが言える。但し、T5−C群(担癌マウス/コントロール群)については、実験開始後10日目をピークに、体重が減少している。癌の進行に伴って、食餌量(飼料摂取量)が減少したためである。
腫瘍の成長状態を腫瘍の体積で数値化した。腫瘍の形状をラグビーボール状(回転楕円体:長径D1、短径D2)であると仮定すると、腫瘍の体積Vは、V=3π/4・(D1/2)・(D2/2)2 =π/6・D1・D22 ≒0.523D1・D22 で与えられる。そこで、T5群の各マウスの腫瘍を、回転楕円体と見た場合の長径D1及び短径D2を計測し、上式を用いて、腫瘍の体積Vを算出した。
T5群内の4群のマウスについて、腫瘍の体積Vを連日測定し、乳酸菌単独投与、芽粉末単独投与、及び、芽粉末+乳酸菌併用の場合の抗腫瘍効果について評価した。結果を図4に示す。各群のデータは、15匹の平均値である。
実験開始から14日後に、マウスの心臓から採血した血液(約1.5〜2.5mL)を、低温遠心分離器(処理温度:4℃)において3500rpm、5分間遠心分離し、上澄みの血清を0.7〜1.0mL採取した。採取した血清は、直ちに−80℃で保存し、全マウス処理後に各血清を解凍し、Bio−Plex(NAVIOS:BECKMAN COULTER社製)を用いて、サイトカイン濃度を各マウスに付き2回ずつ測定した。測定したサイトカインは、IL−2,IL−4,IL−10,IL−12,IFN−γであり、各群とも、3匹(6測定値)の平均値である。
NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)の血中濃度(0.85pg/ml)に比して、NT1−F群(無担癌マウス/乳酸菌単独投与群)は、1.1倍の濃度であった。
これに対し、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)では、NT1−C群に比して、IL−2が2.3倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)に比しても良好な、サイトカインIL−2の増加作用が認められる。
そして特に、NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、NT1−C群に比して、IL−2が2.53倍(=1.1×2.3)よりも大きい4.2倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)との併用により、サイトカインIL−2について、相乗作用による特に良好な増加作用が認められる。
NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)の血中濃度(0.22pg/ml)に比して、NT1−F群(無担癌マウス/乳酸菌単独投与群)は、1.3倍の濃度であった。
これに対し、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)では、NT1−C群に比して、IL−2が1.6倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)に比しても良好な、サイトカインIL−4の増加作用が認められる。
そして特に、NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、NT1−C群に比して、IL−4が2.08倍(=1.3×1.6)よりも大きい4.6倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)との併用により、サイトカインIL−4についても、相乗作用による特に良好な増加作用が認められる。
NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)の血中濃度(5.8pg/ml)に比して、NT1−F群(無担癌マウス/乳酸菌単独投与群)は、1.5倍の濃度であった。
これに対し、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)では、NT1−C群に比して、IL−2が1.6倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)に比して若干良好な、サイトカインIL−10の増加作用が認められる。
そして特に、NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、NT1−C群に比して、IL−10が2.4倍(=1.5×1.6)よりも大きい3.8倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)との併用により、サイトカインIL−10についても、相乗作用による特に良好な増加作用が認められる。
NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)の血中濃度(9.7pg/ml)に比して、NT1−F群(無担癌マウス/乳酸菌単独投与群)は、1.8倍の濃度であった。
これに対し、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)では、NT1−C群に比して、IL−12が2.7倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)に比して良好な、サイトカインIL−12の増加作用が認められる。
そして特に、NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、NT1−C群に比して、IL−12が4.86倍(=1.8×2.7)よりも大きい5.1倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)との併用により、サイトカインIL−12についても、相乗作用による特に良好な増加作用が認められる。
NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)の血中濃度(1.6pg/ml)に比して、NT1−F群(無担癌マウス/乳酸菌単独投与群)は、1.3倍の濃度であった。
これに対し、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)では、NT1−C群に比して、IFN−γが1.5倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)に比して良好な、インターフェロンIFN−γの増加作用が認められる。
そして特に、NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、NT1−C群に比して、IFN−γが1.95倍(=1.3×1.5)よりも大きい2.7倍に増加していた。このことから、芽粉末飼料(芽粉末)には、乳酸菌水(F1乳酸菌)との併用により、インターフェロンIFN−γについても、相乗作用による特に良好な増加作用が認められる。
C57BL/6マウスは、一般に、14週齢程度飼育すると、背中や脇腹に脱毛したり白毛が発生したマウスが現れるようになる。
NT1−F+M群(無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)のマウスのうち、実験開始から45日目(14週齢)のマウスを写真撮影し、拡大写真上で形状補正をして、脱毛あるいは白毛となった部分の面積である脱毛面積(mm2)を計測した。NT1−C群(無担癌マウス/コントロール群)のマウスのうち、実験開始から45日目(14週齢)のマウスについても、同様に、脱毛面積を計測した。試料数は、それぞれ7である。
また、図11にNT1−F+M群のマウスの写真を、図12にNT1−C群のマウスの写真を示す。この写真を比較すれば理解できるように、図12のNT1−C群のマウスでは、明らかに背中に白毛が生じているほか、脇腹部分に脱毛も観察される。毛並みもNT1−F+M群のマウス(図11参照)に比して悪いことが判る。一方、図11のNT1−F+M群のマウスは、毛並みがつややかであり、脱毛や白毛も殆どないことが判る。なお、写真や脱毛面積で示していないが、NT1−M群(無担癌マウス/芽粉末単独投与群)のマウスについても、NT1−F+M群のマウス程ではないが、NT1−C群のマウスに比して、脱毛や白毛の発生が抑制され,毛並みも良好になる。
前述の第1実験では、比較的多量(5.0×105個)の腫瘍移植を行ったマウス(LLC担癌マウス)について、腫瘍体積Vの推移を観察した。
これに対し、第2実験では、比較的少量(3.0×105個、1.5×105個)の腫瘍移植を行ったマウス(LLC担癌マウス)を用いて、芽粉末飼料の投与、及び乳酸菌水の投与による、腫瘍体積Vの抑制状況を観察した。
<無担癌マウス:NT2群>
・NT2−C群:無担癌マウス/コントロール群(一般飼料・水投与群)
・NT2−F+M群:無担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群(芽粉末飼料・乳酸菌水投与群)
<担癌マウス:T3群(3×105個移植)>
・T3−C群:担癌マウス/コントロール群(一般飼料・水投与群)
・T3−F+M群:担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群(芽粉末飼料・乳酸菌水投与群)
<担癌マウス:T1.5群(1.5×105個移植)>
・T1.5−C群:担癌マウス/コントロール群(一般飼料・水投与群)
・T1.5−F+M群:担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群(芽粉末飼料・乳酸菌水投与群)
腫瘍の成長状態を腫瘍の体積で数値化した。腫瘍の体積Vは、第1実験と同じく、各マウスの腫瘍を、回転楕円体と見た場合の長径D1及び短径D2を計測し、腫瘍の体積Vを算出した。
T3群及びT1.5群の各マウスについて、腫瘍の体積Vを連日測定し、体積Vの時間的変化、従って、芽粉末+乳酸菌併用の場合の抗腫瘍効果について評価した。結果を図13に示す。なお、各群のデータは、15匹の平均値である。
一方、移植腫瘍細胞数が少ないT1.5−C群(担癌マウス/コントロール群)では、13.5日であった。これに対し、T1.5−F+M群(担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、T1.5−C群に比して、1.8倍の24.0日であった。
これらから、芽粉末と乳酸菌とを併用するT3−F+M群及びT1.5−F+M群(担癌マウス/芽粉末+乳酸菌併用群)では、T5群(第1実験)と同様、高い抗腫瘍効果が認められる。
次いで、本件の芽粉末、及び、この芽粉末を配合した粉末配合物の製造について、図1を参照して説明する。まず、ステップS1に示すように、培地(本例では、菌床吊り下げ方式で栽培した菌床)に生えた椎茸菌子実体の芽を収穫する。次いで、ステップS2では、椎茸菌子実体の芽を小さく裁断し、50℃以下の温風・遠赤外線併用乾燥により乾燥した後、粉砕して、椎茸菌子実体の芽を粉砕した粉末(芽粉末)を得た。
例えば、錠剤の成形にあたり、賦形剤(乳糖やデンプンなど)を併せて用いて、錠剤を成形しても良い。また、胃酸で不溶性のコーティング剤で被膜して腸溶錠とすることもできる。また、上記の実施形態では、芽粉末とF1乳酸菌の乾燥粉末とを混合して、錠剤に成形した。しかし、芽粉末のみを有効成分として、錠剤に成形しても良い。また逆に、芽粉末及びF1乳酸菌の乾燥粉末のほかに、ビタミン、ミネラルその他の有効成分をも含めても良い。
Claims (5)
- 椎茸菌子実体の芽を粉砕した芽粉末及び植物性乳酸菌を配合した粉末配合物。
- 請求項1に記載の粉末配合物であって、
前記芽粉末は、
前記椎茸菌子実体の芽の乾燥粉末である
粉末配合物。 - 請求項1または請求項2に記載の粉末配合物であって、
前記植物性乳酸菌が、Lactobacillus piantarum Formula-1である
粉末配合物。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粉末配合物であって、
前記椎茸菌子実体の芽は、菌床椎茸栽培によって栽培した菌床から採取してなる
粉末配合物。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の粉末配合物は、
飲食物、医薬品、医薬部外品、哺乳類用医薬品、または、哺乳類用えさである
粉末配合物。
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