JP6206322B2 - ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 - Google Patents

ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用ラジエター等の熱交換器に用いられる、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法に関するものである。
アルミニウム製熱交換器は、アルミニウム合金フィン材をコルゲート状に成形加工したものを、アルミニウム合金製の熱媒体用通路構成材料などにろう付けして製造される。このため、アルミニウム製熱交換器に使用されるアルミニウム合金フィン材として、成形性に優れるとともに、ろう付け加熱時に変形することのない、いわゆる耐サグ性に優れたものが要求されている。
ところで、アルミニウム合金フィン材を例えば扁平管にろう付けする際、フィン材が溶融したろう材によって浸食され、ろう付け後のフィン材の厚みが薄くなる、いわゆるエロージョンが発生することはよく知られている。最近では、アルミニウム合金フィン材の薄肉化が進んでおり、ろう付け時のエロージョンが激しい場合には、フィン材の厚み方向にろう材が貫通してしまうケースもある。アルミニウム合金フィン材には、上記の基本特性を満足するために、Si、Mn、Fe等が添加されているが、最近では、合金組成や製造方法に工夫を凝らして、優れた耐エロージョン性および耐サグ性を備えるアルミニウム合金フィン材が開発されている。
例えば、特許文献1には、1.2mass%を越え1.8mass%以下のFe、1.2mass%を越え2.0mass%以下のSi、および0.3mass%を超え0.9mass%以下のMnを含有し、板厚0.1mm以下にて最後に行う中間焼鈍後に、表層から見た表面積の80%以上が圧延方向に長さ10mm以上の径を有する再結晶粒によって占められる結晶組織を持つアルミニウム合金を板厚圧下率30%未満で冷間圧延して製造されたことを特徴とするブレージング用フィン材が記載されている。
これによると、薄肉化の際に必要である垂下量(熱交換器組み付け製造時の強度)、自己耐食性およびコルゲート形成性を改善し、ろう付け加熱後の引張強さと熱伝導性を向上できるとのことである。
さらに特許文献2には、a)Siを0.3〜1.5%、Feを≦0.5%、Cuを≦0.3%、Mnを1.0〜2.0%、Mgを≦0.5%、より好ましくは≦0.3%、Znを≦4.0%、Niを≦0.5%、IVb、Vb、又はVIb族由来の分散体形成元素をそれぞれ≦0.3%、及び不可避の不純物元素をそれぞれ0.05%以下、全体量で0.15%以下、残部アルミニウムを含む溶融物を鋳造し、インゴットを得るステップと、b)550℃未満、好ましくは400〜520℃、より好ましくは450〜520℃、特に470以上、最高520℃の温度でインゴットを予備加熱して、分散質粒子を形成するステップと、c)熱間圧延してストリップを得るステップと、d)ステップ(c)で得られたストリップを全圧下率90%以上、好ましくは>95%で冷間圧延して、第1の耐力値を有するストリップを得るステップと、e)次いで、第2の耐力値が、ステップ(d)の冷間圧延直後に得られた第1の耐力値より10〜50%低く、好ましくは15〜40%低く、0.2%耐力範囲が100〜200MPa、より好ましくは120〜180MPa、最も好ましくは140〜180MPaにあるストリップが得られるような方法で、ストリップ合金が再結晶することなく、焼戻しすることにより材料を軟らかくするために、送出調質まで熱処理するステップとにより製造される、耐垂れ性ストリップが記載されている。
これによると、ろう付け中の高い耐垂れ性及び液体コアの低い浸透性のような優れたろう付け性能と、送出調質における優れた成形性の特有の組合せでろう付けした後に高強度が得られるとのことである。
最近では、熱媒体流路となるチューブ材にフィン材をろう付けすることを前提に、腐食度を低減させた、強度、犠牲陽極効果、および耐食性に優れる熱交換器用のフィン材も開発されている。
例えば、特許文献3では、ろう材によりチューブ材と接合された放熱用のフィン材であって、前記フィン材が、Fe:0.5%(質量%、以下同様)以下、Si:0.3〜1.2%、Mn:0.5〜1.7%、Zn:0.3〜1.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl合金からなり、前記チューブ材が、Mn:0.3〜1.7%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.2%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl合金からなり、SWAAT液中でのフィン材単独の溶解減量が、同液中での等表面積のチューブ材との接触による溶解減量に対し、20〜50%の範囲にあり、かつ、前記フィン材の孔食電位が、前記チューブ材の孔食電位に対して卑であり、両者間の電位差が、50〜140mVの範囲にあることを特徴とする強度、犠牲陽極効果、および耐食性に優れるフィン材が記載されている。
これによると、Feの含有量を0.5%以下とすることにより、強度、耐食性、ろう付性を同時に向上させることができるとのことである。すなわち、特許文献3のアルミニウム合金フィン材では、Fe含有量が0.5%を超えると、鋳造時に生成するAl−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物が比較的粗大になりやすく、フィンの腐食速度を増大させる虞があり、さらにろう付け加熱時に形成する再結晶組織の結晶粒が細かくなるために耐エロージョン性が劣化して、ろう付け性が低下する。
特開2006−225723号公報 特開2008−190027号公報 特許第5192718号公報
確かに、通常のDC鋳造スラブから通常の行程を経て製造されたアルミニウム合金製フィン材では、Fe含有量が0.5%を超えると、鋳造時に生成するAl−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物が比較的粗大になりやすく、ろう付け加熱時に形成する再結晶組織の結晶粒が細かくなるために耐エロージョン性が劣化して、ろう付け性が低下する傾向にある。しかしながら、近年では、アルミニウム製品のリサイクルによるスクラップ材の再利用が進んでおり、スクラップ配合率が高い場合には、Fe、Si、Mn等の混入を避けることが困難になりつつある。したがって、Fe、Si、Mn等の含有量が比較的高い組成においても、優れたろう付け性を発揮できるアルミニウム合金フィン材の開発が望まれている。
本願発明は、このような従来法における課題を解決するために案出されたものであり、熱交換器用のアルミニウム合金フィン材において、Fe含有量が0.5%以上の組成においても、低コストで、しかも優れたろう付け性と耐サグ性を有するアルミニウム合金フィン材およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
例えば、固相線温度は、ろう付け加熱時にエロージョンを発生させるか否かの指標となり得るが、耐エロージョン性は、固相線温度のみによって決まるものではない。ろう付け性は、ろう付け前におけるフィン材の金属組織、すなわち、鋳造時に生成するAl−(Fe・Mn)−Si等の密度と粒径分布、マトリックスにおけるMn固溶量、冷延焼鈍材であれば、焼鈍による加工組織の回復の度合い等の因子にも影響される。すなわち、これらの因子が複雑に絡み合って、ろう付け性に影響を及ぼすと考えられる。
ところで、フィン材に残存する集積した転位(結晶欠陥)や、ろう付け加熱時に生成する結晶粒界には、溶融したろう材が浸透してエロージョンを発生させる。したがって、ろう付け時に生成する再結晶粒の結晶粒径は、大きい方が耐エロージョン性に優れたフィン材であるといえる。ところが一方で、ろう付け時に生成する再結晶粒の結晶粒径が大きくなりすぎると、耐サグ性が低下することもよく知られている。つまり、フィン材の耐エロージョン性と耐サグ性の両方の特性を向上させるためには、ろう付け時に再結晶組織を発現させることは勿論のこと、再結晶粒の結晶粒径を適度なサイズに制御する技術が必要となる。
このように、ろう付け時に生成する再結晶粒の結晶粒径を測定すれば、フィン材の耐エロージョン性について間接的に評価することが可能である。しかしながら、ろう付け加熱を想定したフィン材のみの加熱試験によって、金属組織を再結晶化させて再結晶粒の結晶粒径を測定する試験方法では、結果のバラツキが大きく再現性が良好ではない。
そこで、本発明者らは、ろう付け性と耐サグ性に優れたフィン材を開発する過程で、後述するように、コルゲート状のフィン材を用いて、ろう付け加熱試験を行い、ろう付け前の板厚に対するろう付け後の板厚(最小板厚)を測定して、板厚残存率を算出して、ろう付け性を評価することで、本願発明を完成させた。
なお、ろう付け性とは、広義には、例えば、溶融ろう材によるフィレットの形成状態なども含まれると解されるが、本明細書においては、特に断りのない限り、フィン材の耐エロージョン性と同義の取り扱いとする。
本発明のろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、その目的を達成するために、質量%で、Si:0.6〜1.6%、Fe:0.5〜1.2%、Mn:1.2〜2.6%、Zn:0.4〜3.0%、Cu:0.2%未満を含み、残部不可避的不純物とAlからなり、不純物としてのMgを0.05%未満に限定し、ろう付け加熱前の抗張力が160〜260MPaであり、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10〜50MPaであることを特徴とする。さらに、ろう付け加熱前の0.2%耐力が140〜220MPaであることが好ましい。また、金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子の密度は70〜220個/mmであることがさらに好ましい。
本発明のろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、前記成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を、薄スラブ連続鋳造機を用いて厚み2〜15mmのスラブを連続的に鋳造し、前記スラブに熱間圧延を施すことなく直接ロールに巻き取った後、冷間圧延を施し、中間焼鈍を施して、最終冷延率15〜60%の冷間圧延を施した後、最終焼鈍を施すことにより製造される。
本発明のろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、前記成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を、薄スラブ連続鋳造機を用いて厚み2〜15mmの薄スラブを連続的に鋳造するため、鋳造時の凝固速度がスラブ1/4厚み位置で40〜1000℃/秒と比較的速く、Al−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物が均一に分散された鋳塊組織が得られる。この薄スラブに対して冷間圧延、中間焼鈍、最終圧延、最終焼鈍をこの順に施すことで、ろう付け加熱前の抗張力が160〜260MPa、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10〜50MPaに調整されている。したがって、この冷延焼鈍材は、適度な強度を有するとともに、成形加工時のスプリングバック量が小さく、形状凍結性にも優れている。さらに、比較的低温で最終焼鈍処理を施して、最終冷延によって導入された加工歪を適度に回復させているため、ろう付け加熱によって再結晶化が完了して、粒径500μm以上の再結晶粒からなる再結晶組織とすることができ、ろう付け性と耐サグ性に優れたアルミニウム合金フィン材を得ることができる。
したがって、本発明により、熱交換器用アルミニウム合金フィン材が効率よく生産されるとともに、ろう付け性と耐サグ性に優れたアルミニウム合金フィン材が廉価で提供される。
ろう付け加熱試験後のフィン材の断面写真(ろう付け性良好な例) ろう付け加熱試験後のフィン材の断面写真(ろう付け性不良な例)
本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の組成を限定した理由を説明する。本願明細書において、特に限定のない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔Si:0.6〜1.6%〕
Siは、Fe、Mnと共存して鋳造凝固時にAl−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物を生成し、また一部のSiはマトリックスに固溶して、強度を向上させるとともに、耐サグ性を高める。この効果を得るためには、0.6%以上のSi含有量が必要である。Siの含有量が0.6%未満ではフィン材の高温強度が低下することで、耐サグ性が低下する。1.6%を超えると、フィン材の固相線温度が低下するため、ろう付け時にエロージョンが発生する。したがって、Si含有量は、0.6〜1.6%の範囲に限定する。好ましいSi含有量は、0.6〜1.5%の範囲である。さらに好ましいSi含有量は、0.6%〜1.4%の範囲である。
〔Fe:0.5〜1.2%〕
Feは、Mn、Siと共存して鋳造凝固時にAl−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物を生成し、強度を向上させるとともに、SiおよびMnの固溶量を減少させて、導電率(熱伝導率)を向上させる。さらに鋳造凝固時に生成したAl−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物のうち、円相当径3μm以上のものは、ろう付け加熱の際に再結晶の核生成サイトとして機能し、Mn系析出物の再結晶阻止作用とも相まって、再結晶粒の粒径が500μm以上である再結晶組織を発現させることが可能となる。この効果を得るためには、0.5%以上のFe含有量が必要である。Fe含有量が0.5%未満では、マトリックスのMn固溶量を十分に低減させることができず、ろう付け加熱時の再結晶化が遅延して耐サグ性が低下するため、好ましくない。
Fe含有量が1.2%を超えると、鋳造凝固時に生成する円相当径3μm以上の金属間化合物の存在密度が高くなり、ろう付け加熱の際に、再結晶粒の結晶粒径が小さくなりすぎて、エロージョンが発生する。したがって、Fe含有量は、0.5〜1.2%の範囲に限定する。好ましいFe含有量は、0.6〜1.2%の範囲である。さらに好ましいFe含有量は、0.6〜1.1%の範囲である。
〔Mn:1.2〜2.6%〕
Mnは、ろう付け加熱時にサブミクロンレベルのAlMn、Al(Fe・Mn)等のMn系析出物としてマトリックスに高密度に析出し、ろう付け後のフィン材の強度を向上させる。また、このようなサブミクロンレベルのMn系析出物は、ろう付け加熱時に転位や結晶粒界の移動を妨げて、金属組織の再結晶化を阻止するため、再結晶組織の結晶粒径を500μm以上として、耐エロージョン性を確保することができる。この効果を得るためには、Mn含有量1.2%以上が必要である。Mn含有量が2.6%を超えると、Mn系析出物の再結晶阻止作用が強すぎて、ろう付け時の再結晶完了が遅延して耐サグ性が低下する。したがって、Mn含有量は、1.2〜2.6%の範囲に限定する。好ましいMn含有量は、1.2〜2.5%の範囲である。さらに好ましいMn含有量は、1.3〜2.5%の範囲である。
〔Zn:0.4〜3.0%〕
Znは、フィン材のろう付け後の自然電位を卑にするため、犠牲陽極効果を与える。この効果を得るためにはZn含有量0.4%以上が必要である。Zn含有量が3.0%を超えると、フィン材の固相線温度が低下して、エロージョンを発生させてろう付け性が低下する。したがって、Zn含有量は、0.4〜3.0%の範囲に限定する。好ましいZn含有量は、0.5〜3.0%である。さらに好ましいZn含有量は0.5〜2.8%である。
〔Cu:0.2%未満〕
Cuは、フィン材の強度を向上させることができ、積極的に添加することもできる。Cu含有量は、0.2%未満であれば、ろう付け性や耐サグ性に影響することはない。ただし、Cu含有量が0.2%以上であると、フィン材の固相線温度が低くなるため、ろう付け性が低下するおそれがある。このため、Cuの含有量を0.2%未満に限定する。
〔Mg:0.05%未満〕
不純物としてのMgは、ろう付けに使用するフッ化物系のフラックスと反応して、広義の意味でのろう付け性を低下させるおそれがあるため、Mg含有量を0.05%未満に限定する。Cr、Zr、Ti、Vは、微量でも材料の導電率(熱伝導率)を低下させるので、これらの元素の含有量はそれぞれ0.05%以下であることが好ましい。
その他の不可避的不純物
不可避的不純物は原料地金、返り材等から不可避的に混入するもので、それらの許容できる好ましい含有量は、例えば、Niの0.20%未満、Gaの0.05%未満、Pb、Bi、Sn、Na、Ca、Srについては、それぞれ0.02%未満、その他の不純物元素は各0.05%未満であって、この範囲で管理外元素を含有しても本発明の効果を妨げるものではない。
次に、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の特性および金属組織を限定した理由を説明する。
ろう付け加熱前の抗張力が160〜260MPa
最終板はコイルの状態であるが、スリットによる条割りを経たのち、金型成形することによって、例えば、コルゲート状の成形フィンとし、この成形フィン材を熱交換器用のチューブ材やろう材等と組み付けた後、加熱炉に挿入してろう付けする。
薄肉化の進む熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、組み付け時の荷重による変形を防止するため、ろう付け加熱前の抗張力として、160MPa以上が必要である。また、ろう付け加熱前の抗張力が260MPaを超えると、フィン材を金型成形する際の成形性が低下する。したがって、ろう付け加熱前の抗張力は、160〜260MPaの範囲に規定する。
ろう付け加熱前の0.2%耐力が140〜220MPa
薄肉化の進む熱交換器用アルミニウム合金フィン材では、組み付け時の荷重による変形を防止するため、前述の抗張力と同様に、ろう付け加熱前の0.2%耐力として、140MPa以上が必要である。また、ろう付け加熱前の0.2%耐力が220MPaを超えると、フィン材を金型成形する際の成形性が低下するおそれがある。したがって、ろう付け加熱前の0.2%耐力は、140〜220MPaの範囲であることが好ましい。
ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10〜50MPa
金型成形時のスプリングバック量を低減させ、いわゆる形状凍結性を向上させるためには、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差を大きくしておくことが有利である。ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10MPa未満であると、フィンを成形する際のスプリングバック量が大きくなりすぎて、形状凍結性が低下する。ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が50MPaを超えると、結果的に抗張力が高くなりすぎて、成形性が低下する。したがって、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差(UTS−YS)を10〜50MPaの範囲に規定する。
金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子数が70〜220個/mm
上記のような特性およびろう付け加熱時の優れたろう付け性と耐サグ性は、前記特定の成分組成を有する3000系アルミニウム合金板の金属組織を細かく調整することにより発現される。
具体的には、金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子の密度を70〜220個/mmにすることが好ましい。金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が70個/mm未満である場合、ろう付け加熱時に生成される再結晶の核生成サイトの存在密度が低く、再結晶粒の粒径が大きくなりすぎて、ろう付け性は向上するものの、耐サグ性は低下する。また、金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が220個/mmを超える場合、ろう付け加熱時に生成される再結晶の核生成サイトの存在密度が高く、再結晶粒の粒径が小さくなりすぎて、耐サグ性は向上するものの、ろう付け性は低下する。
また詳細は後記の実施例の記載に譲るとして、いずれにしても、前記特定の成分組成を有し、且つ上記のような金属組織を有していれば、最終焼鈍板として、抗張力が160〜260MPa、抗張力と0.2%耐力との差(UTS−YS)が10〜50MPaなる値を呈するとともに、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材となる。
次に、上記のようなプレス成形用アルミニウム合金板を製造する方法の一例について簡単に紹介する。
溶解・溶製
溶解炉に原料を投入し、所定の溶解温度に到達したら、フラックスを適宜投入して攪拌を行い、さらに必要に応じてランス等を使用して炉内脱ガスを行った後、鎮静保持して溶湯の表面から滓を分離する。
この溶解・溶製では、所定の合金成分とするため、母合金等再度の原料投入も重要ではあるが、前記フラックス及び滓がアルミニウム合金溶湯中から湯面に浮上分離するまで、鎮静時間を十分に取ることが極めて重要である。鎮静時間は、通常30分以上取ることが望ましい。
溶解炉で溶製されたアルミニウム合金溶湯は、場合によって保持炉に一端移湯後、鋳造を行なうこともあるが、直接溶解炉から出湯し、鋳造する場合もある。より望ましい鎮静時間は45分以上である。
必要に応じて、インライン脱ガス、フィルターを通してもよい。
インライン脱ガスは、回転ローターからアルミニウム溶湯中に不活性ガス等を吹き込み、溶湯中の水素ガスを不活性ガスの泡中に拡散させ除去するタイプのものが主流である。不活性ガスとして窒素ガスを使用する場合には、露点を例えば−60℃以下に管理することが重要である。鋳塊の水素ガス量は、0.20cc/100g以下に低減することが好ましい。
鋳塊の水素ガス量が多い場合には、鋳塊の最終凝固部にポロシティが発生するおそれがあるため、冷間圧延工程における1パス当たりの圧下率を例えば20%以上に規制してポロシティを潰しておくことが好ましい。また、鋳塊に過飽和に固溶している水素ガスは、冷間ロールの焼鈍等熱処理条件にもよるが、最終板のプレス成形後であっても、例えばスポット溶接時に析出して、スポットビードに多数のブローホールを発生させる場合もある。このため、より好ましい鋳塊の水素ガス量は、0.15cc/100g以下である。
薄スラブ連続鋳造
薄スラブ連続鋳造機は、双ベルト鋳造機、双ロール鋳造機の双方を含むものとする。
双ベルト鋳造機は、エンドレスベルトを備え上下に対峙する一対の回転ベルト部と、当該一対の回転ベルト部の間に形成されるキャビティーと、前記回転ベルト部の内部に設けられた冷却手段とを備え、耐火物からなるノズルを通して前記キャビティー内に金属溶湯が供給されて連続的に薄スラブを鋳造するものである。
双ロール鋳造機は、エンドレスロールを備え上下に対峙する一対の回転ロール部と、当該一対の回転ロール部の間に形成されるキャビティーと、前記回転ロール部の内部に設けられた冷却手段とを備え、耐火物からなるノズルを通して前記キャビティー内に金属溶湯が供給されて連続的に薄スラブを鋳造するものである。
スラブの厚み2〜15mm
薄スラブ連続鋳造機は、厚み2〜15mmの薄スラブを連続的に鋳造することが可能である。スラブ厚み2mm未満の場合には、鋳造が可能な場合であっても、最終板の板厚にもよるが、後述する最終圧延率70〜95%を実現することが困難となる。スラブ厚み15mmを超えると、スラブを直接ロールに巻き取ることが困難となる。このスラブ厚みの範囲であると、スラブの冷却速度は、スラブ厚さ1/4の付近で、40〜1000℃/秒程度となるため、Al−(Fe・Mn)−Si等の金属間化合物が均一微細に生成する。これらの鋳造凝固時に生成する金属間化合物のうち、最終板において円相当径3μm以上のものは、ろう付け加熱時に発現する再結晶組織の再結晶の核生成サイトとして機能する。
冷間圧延
薄スラブ連続鋳造機を用いて、スラブを連続的に鋳造し、前記スラブに熱間圧延を施すことなく直接ロールに巻き取った後、冷間圧延を施す。このため、従来の半連続鋳造DCスラブに必要となる面削工程、均質化処理工程、熱間圧延工程を省略することができる。薄スラブを直接巻き取ったロールは、冷延機に通され、通常何パスかの冷間圧延が施される。この際、冷間圧延によって導入される塑性歪により加工硬化が起こるため、必要に応じて、中間焼鈍処理が行なわれる。通常中間焼鈍は軟化処理でもあるので、材料にもよるがバッチ炉に冷延ロールを挿入し、350〜450℃の温度で、1時間以上の保持を行なってもよい。保持温度が350℃よりも低いと、軟化が促進されず、保持温度が450℃をこえると、コイル冷却に時間がかかりすぎて、生産性が低下するので、好ましくない。また、中間焼鈍は、連続焼鈍炉によって例えば400℃〜500℃の温度で30秒以内保持してもよい。保持温度が400℃よりも低いと、軟化が促進されず、保持温度が500℃をこえても、軟化はそれ以上促進されず、むしろ板に熱歪が生じる可能性が高まるので、好ましくない。
最終冷延率15〜50%
最終冷延率15〜50%の冷間圧延を施した後、最終焼鈍を施す。最終冷延率がこの範囲であれば、ろう付け加熱時に生成する平均結晶粒径を500μm以上にして、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材とすることができる。最終冷延率が15%未満であると、冷間圧延時に蓄積される加工歪量が小さすぎて、最終焼鈍による回復とも相まって、ろう付け加熱時の再結晶化に必要な駆動力が得られず、ろう付け性および耐サグ性が低下する。最終冷延率が50%を超えると、冷間圧延時に蓄積される加工歪量が大きすぎて、最終焼鈍による回復が遅延していまい、ろう付け加熱時の再結晶化が不十分となり、ろう付け性および耐サグ性が低下する。したがって、最終冷延率は、15〜50%の範囲に限定する。
なお、最終焼鈍を施さない冷延まま材の場合、抗張力と0.2%耐力との差が10MPa未満となり、形状凍結性が低下するとともに、後述するように、ろう付け性および耐サグ性が低下するため好ましくない。
最終焼鈍
バッチ焼鈍炉により、保持温度120〜200℃で1〜8時間保持
最終冷間圧延の後に行なわれる最終焼鈍は、焼鈍炉によって保持温度120〜200℃で1〜8時間保持するバッチ処理が好ましい。保持温度が120℃未満であると、焼鈍処理中に適度な回復をさせることが困難となり、ろう付け加熱時の再結晶化が遅延してしまい、ろう付け性および耐サグ性が低下する。保持温度が200℃を超えると、焼鈍処理中に回復が進みすぎて、ろう付け加熱時に生成する再結晶粒の粒径が大きくなりすぎるため、耐サグ性が低下する。
保持時間が1時間未満であると、コイルの実体温度が所定の温度に到達せず焼鈍処理が不十分となるおそれがある。保持時間が8時間を超えると、処理に時間がかかりすぎ、生産性が低下する。
連続焼鈍炉により、保持温度150〜270℃で5〜60秒保持
最終焼鈍は、焼鈍炉によるバッチ処理であってもよいが、連続焼鈍炉によって150〜270℃の保持温度で5〜60秒間保持する連続焼鈍処理がより好ましい。
保持温度が150℃未満であると、焼鈍処理中に適度な回復をさせることが困難となり、ろう付け加熱時の再結晶化が遅延してしまい、ろう付け性および耐サグ性が低下する。保持温度が270℃を超えると、焼鈍処理中に回復が進みすぎて、ろう付け加熱時に生成する再結晶粒の粒径が大きくなりすぎるため、耐サグ性が低下する。
保持時間が5秒未満であると、コイルの実体温度が所定の温度に到達せず焼鈍処理が不十分となるおそれがある。保持時間が60秒を超えると、処理に時間がかかりすぎ、生産性が低下する。
いずれにしても、本発明の製造方法において最終焼鈍は必須の工程であり、この最終焼鈍によって金属組織に適度な回復をもたらして、ろう付け加熱時に結晶粒径500μm以上の再結晶粒組織を発現させることができ、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材とすることができる。いずれにしても、本発明において、所定の条件下で最終焼鈍を行うことにより、最終冷間圧延により導入された加工歪を適度に回復させることが可能となり、ろう付け加熱時のろう付け性および耐サグ性が向上する。
以上のような通常の連続鋳造工程および製板工程を経ることにより、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得ることができる。
薄スラブ連続鋳造シミュレート材(SCC材)の作製
表1に示した23水準の組成(実施例1〜9、比較例1〜14)に配合された各種インゴット各5kgを#20坩堝内に挿入し、この坩堝を小型電気炉で加熱しインゴットを溶解した。次いで、溶湯中にランスを挿入して、Nガスを流量1.0L/minで5分間吹き込んで脱ガス処理を行なった。その後30分間の鎮静を行なって溶湯表面に浮上した滓を攪拌棒にて除去した。次に坩堝を小型電気炉から取り出して、溶湯を内寸法200×200×16mmの水冷金型に流し込み、薄スラブを作製した。坩堝中の溶湯から採取した各供試材(実施例1〜9、比較例1〜14)のディスクサンプルは、発光分光分析によって組成分析を行なった。その結果を表1に示す。この薄スラブの両面を3mmずつ面削加工して、厚さ10mmとした後、均質化処理、熱間圧延を施すことなく、冷間圧延を施して板厚0.1mm、0.083mm、0.071mm、0.059mm、0.055mmの冷延材とし、アニーラーに挿入して、400℃×2hrs保持して中間焼鈍を施した。さらにこれら中間焼鈍材を最終板厚0.050mmまで冷間圧延した。この場合の最終冷延率は、それぞれ50%、40%、30%、15%、10%であった。
次にこれら冷延材の一部をアニーラーに挿入して、150℃×1hr保持し、最終焼鈍を施し、その後供試材を取り出して空冷した。このようにして得られた最終板(供試材)を薄スラブ連続鋳造シミュレート材(SCC材)として、その化学組成および製板条件を表1,表2に示す。
次に、このようにして得られた最終板(各供試材)について、金属組織の評価を行い、さらに諸特性の測定、評価を行った。
金属組織における第二相粒子数の測定
得られた最終板の圧延方向に平行な縦断面(LT方向に垂直な断面)を切り出して、熱可塑性樹脂に埋め込んで鏡面研磨し、フッ化水素酸水溶液にてエッチングを施して、金属組織観察を行った。ミクロ金属組織を光学顕微鏡にて写真撮影し(1視野当たりの面積;0.026mm、各試料8視野撮影)、写真の画像解析を行い、単位面積当たりの円相当径3μm以上の第二相粒子数を測定した。画像解析による測定結果を、表3,表4に示す。
引張試験による抗張力、0.2%耐力の測定
得られた最終板(各供試材)の特性評価は、引張り試験の抗張力、0.2%耐力によって行った。
具体的には、得られた供試材より、引張り方向が圧延方向に対して平行になるように平行部の幅を15mm、標点距離を50mmの試験片を採取し、引張り速度3mm/minの条件下で引張り試験を行って、抗張力、0.2%耐力を求めた。なお、これら引張り試験は、各供試材につき各3回(n=3)行い、各供試材の抗張力、0.2%耐力についてはその平均値(n=3)で算出した。
最終板において、抗張力が160〜260MPaであった供試材を強度良好とし、抗張力が160MPa未満であった供試材を強度不足とし、抗張力が260MPaを超えた供試材を強度超過とした。
抗張力と0.2%耐力との差が10〜50MPaであった供試材を形状凍結性良好とし、抗張力と0.2%耐力との差が10MPa未満であった供試材を形状凍結性不良とした。評価結果を表3,表4に示す。
耐サグ性の評価試験
得られた最終板(各供試材)について、ろう付けを想定した高温加熱時のサグ量の測定を行った。各供試材について長さ140mm×幅15mmに切断した試験片を作製した。これらの試験片を鉄鋼製の台から水平に、長さ50mm分だけ突き出るように固定し、鉄鋼製の台に固定されたそれぞれの試験片先端の高さを測定した。次に試験片を600℃×3分間加熱保持した後、室温まで冷却した。鉄鋼製の台に固定されたそれぞれの試験片先端の高さを再度測定し、加熱前、加熱後における試験片先端の高さの差をサグ量(mm)として算出した。
サグ量が20mm未満であった供試材を耐サグ性良好とし、サグ量が20mm以上であった供試材を耐サグ性不良とした。評価結果を表3,表4に示す。
ろう付け性の評価試験
得られた最終板(各供試材)について、ろう付け性の評価試験を行った。各供試材について長さ140mm×幅20mmに切断した試験片を作製した。この試験片を波板形状に成形したコルゲート状フィンを0.25mm厚さのブレージングシート(4045合金ろう材、8%クラッド率)の上に載置し、600℃×3分間加熱保持した後、室温まで冷却した。ろう付け後のコルゲート状フィンとブレージングシートを熱可塑性樹脂に埋め込み、鏡面研磨して光学顕微鏡にて観察し写真撮影した。ろう付けされたフィン材の断面のうち最薄部を測定して、これを残存板厚とした。さらに残存板厚/元板厚×100として、板厚残存率(%)を算出した。
板厚残存率が60%以上であった供試材をろう付け性良好とし、板厚残存率が60%未満であった供試材をろう付け性不良とした。評価結果を表3,表4に示す。
なお、全ての実施例、比較例について、Mgは0.05質量%未満であったため、フラックスとの反応による不具合はなく、広義のろう付け性は良好であった。
各供試材の金属組織評価結果
各供試材の金属組織評価結果を示す表3における実施例1〜9は、本発明の組成範囲内であり、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度(個/mm)は、基準値を満足していた。また、各供試材の金属組織評価結果を示す表4における比較例1〜5も、本発明の組成範囲内であり、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度(個/mm)は、基準値を満足していた。すなわち、具体的には、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度:70〜220(個/mm)の要件を満足していた。
比較例6は、Mn含有量が3.4質量%と高く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が243個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例7は、Mn含有量が1.0質量%と低く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が9個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例9は、Si含有量が0.3質量%と低く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が63個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例10は、Fe含有量が1.5質量%と高く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が296個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例11は、Fe含有量が0.2質量%と低く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が26個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例13は、Mn含有量が0.8質量%と低く本発明の組成範囲外であったため、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が9個/mmであり、基準値を満たしていなかった。
比較例8,12,14は、本発明の組成範囲外であったが、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が70〜220個/mmの範囲内であり、基準値を満たしていた。金属顕微鏡で観察される第二相粒子は、金属間化合物の種類が特定されているわけではないので、本発明の組成範囲外の供試材であっても、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が70〜220個/mmの範囲内となる場合もある。
比較例8は、Si含有量が1.7と高く本発明の組成範囲外であったが、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が187個/mmであり、基準値を満たしていた。
比較例12は、Cu含有量が0.5と高く本発明の組成範囲外であったが、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が83個/mmであり、基準値を満たしていた。
比較例14は、Zn含有量が3.3と高く本発明の組成範囲外であったが、円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が83個/mmであり、基準値を満たしていた。
各供試材の特性評価結果
強度、形状凍結性の評価
供試材の特性評価結果を示す表3における実施例1〜9は、本発明の組成範囲内であり、抗張力、抗張力と0.2%耐力との差(UTS−YS)とも、基準値を満足しており、強度良好(○)、形状凍結性良好(○)であった。すなわち、具体的には、抗張力:160〜260MPa、抗張力と0.2%耐力との差(UTS−YS):10〜50Paの基準値を満足していた。
供試材の特性評価結果を示す表4における比較例1は、本発明の組成範囲内であったが、最終冷延率15%の冷延まま材であったため、(UTS−YS)は基準値を満足していたものの、抗張力は155MPaであり基準値を満足しておらず、強度不足(×)、形状凍結性良好(○)であった。
比較例2は、本発明の組成範囲内であったが、最終冷延率30%の冷延まま材であったため、抗張力は基準値を満足していたものの、(UTS−YS)は5MPaであり基準値を満足しておらず、強度良好(○)、形状凍結性不良(×)であった。
比較例3は、本発明の組成範囲内であったが、最終冷延率40%の冷延まま材であったため、抗張力は基準値を満足していたものの、(UTS−YS)は6MPaであり基準値を満足しておらず、強度良好(○)、形状凍結性不良(×)であった。
比較例4は、本発明の組成範囲内であったが、本発明の規定範囲未満である最終冷延率10%の冷延焼鈍材であったため、(UTS−YS)は基準値を満足していたものの、抗張力は154MPaであり基準値を満足しておらず、強度不足(×)、形状凍結性良好(○)であった。
比較例5は、本発明の組成範囲内であったが、本発明の規定範囲を超える最終冷延率60%の冷延焼鈍材であったため、(UTS−YS)は基準値を満足していたものの、抗張力は265MPaであり基準値を満足しておらず、強度超過(×)、形状凍結性良好(○)であった。
比較例6〜14は、本発明の組成範囲外であったが、冷延焼鈍材であったため、抗張力、(UTS−YS)ともに基準値を満足しており、強度良好(○)、形状凍結性良好(○)であった。
耐サグ性、ろう付け性の評価
供試材の特性評価結果を示す表3における実施例1〜9は、本発明の組成範囲内であり、サグ量(mm)、板厚残存率(%)ともに基準値を満足しており、耐サグ性良好(○)、ろう付け性良好(○)であった。すなわち、具体的には、サグ量:20mm未満、板厚残存率:60%以上の要件を満足していた。
供試材の特性評価結果を示す表4における比較例1〜3は、本発明の組成範囲内であったが、最終冷延率15〜40%の冷延まま材であったため、サグ量、板厚残存率ともに基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性不良(×)であった。冷延まま材では、冷間圧延による加工歪の蓄積によって転位(結晶欠陥)が導入されているため、ろう付け加熱時に溶融したろう材が、集積した転位を通じてフィン材の内部に浸透してしまったと考えられる。
比較例4は、本発明の組成範囲内であったが、本発明の規定範囲未満である最終冷延率10%の冷延焼鈍材であったため、サグ量、板厚残存率ともに基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性不良(×)であった。最終冷延率が10%であったため、冷間圧延時に蓄積される加工歪量が小さすぎて、最終焼鈍による回復とも相まって、ろう付け加熱時の再結晶化に必要な駆動力が得られず、再結晶組織が得られなかったと考えられる。
比較例5は、本発明の組成範囲内であったが、本発明の規定範囲を超える最終冷延率60%の冷延焼鈍材であったため、サグ量、板厚残存率ともに基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性不良(×)であった。最終冷延率が60%であったため、冷間圧延時に蓄積される加工歪量が大きすぎて、最終焼鈍による回復が遅延していまい、ろう付け加熱時の再結晶化が不十分であったと考えられる。
比較例6は、Mn含有量が3.4質量%と高く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、板厚残存率は基準値を満足していたが、サグ量は基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性良好(○)であった。Mn含有量が3.4質量%と高かったため、ろう付け加熱の際、再結晶の核生成サイトとなる金属間化合物の存在密度は高かったものの、Mn系析出物の再結晶阻止作用が強まったことで、再結晶粒の粒径が大きくなりすぎたと考えられる。
比較例7は、Mn含有量が1.0質量%と低く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量は基準値を満足していたが、板厚残存率は基準値を満足しておらず、耐サグ性良好(○)、ろう付け性不良(×)であった。Mn含有量が1.0質量%と低かったため、ろう付け加熱の際、再結晶の核生成サイトとなる金属間化合物の存在密度は低かったものの、Mn系析出物の再結晶阻止作用が弱まったことで、再結晶粒の粒径が小さくなりすぎたと考えられる。
比較例8は、Si含有量が1.7質量%と高く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量、板厚残存率ともに基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性不良(×)であった。Si含有量が1.7質量%と高かったため、フィン材の固相線温度が低下していたと考えられる。
比較例9は、Si含有量が0.3質量%と低く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、板厚残存率は基準値を満足していたが、サグ量は基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性良好(○)であった。Si含有量が0.3質量%と低かったため、フィン材の高温強度が低下していたと考えられる。
比較例10は、Fe含有量が1.5質量%と高く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量は基準値を満足していたが、板厚残存率は基準値を満足しておらず、耐サグ性良好(○)、ろう付け性不良(×)であった。Fe含有量が1.5質量%と高く、ろう付け加熱の際、再結晶の核生成サイトとなる金属間化合物の存在密度が高すぎて、再結晶粒の粒径が小さくなりすぎたと考えられる。
比較例11は、Fe含有量が0.2質量%と低く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率40%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、板厚残存率は基準値を満足していたが、サグ量は基準値を満足しておらず、耐サグ性不良(×)、ろう付け性良好(○)であった。Fe含有量が0.2質量%と低く、ろう付け加熱の際、再結晶の核生成サイトとなる金属間化合物の存在密度が低すぎて、再結晶粒の粒径が大きくなりすぎたと考えられる。
比較例12は、Cu含有量が0.5質量%と高く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率40%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量は基準値を満足していたが、板厚残存率は基準値を満足しておらず、耐サグ性良好(○)、ろう付け性不良(×)であった。Cu含有量が0.5質量%と高かったため、フィン材の固相線温度が低下していたと考えられる。
比較例13は、Mn含有量が0.8質量%と低く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率15%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量は基準値を満足していたが、板厚残存率は基準値を満足しておらず、耐サグ性良好(○)、ろう付け性不良(×)であった。Mn含有量が0.8質量%と低かったため、ろう付け加熱の際、再結晶の核生成サイトとなる金属間化合物の存在密度は低かったものの、Mn系析出物の再結晶阻止作用が弱まったことで、再結晶粒の粒径が小さくなりすぎたと考えられる。
比較例14は、Zn含有量が3.3質量%と高く、本発明の組成範囲外であったため、最終冷延率30%の冷延焼鈍材であったにも拘らず、サグ量は基準値を満足していたが、板厚残存率は基準値を満足しておらず、耐サグ性良好(○)、ろう付け性不良(×)であった。Zn含有量が3.3質量%と高かったため、フィン材の固相線温度が低下していたと考えられる。
以上のことから、前記特定の成分組成を有し、且つ上記のような金属組織を有していれば、最終焼鈍板として、抗張力が160〜260MPa、(UTS−YS)が10〜50MPaなる値を呈する、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材となることがわかる。

Claims (4)

  1. 質量%で、Si:0.6〜1.6%、Fe:0.5〜1.2%、Mn:1.2〜2.6%、Zn:0.4〜3.0%、Cu:0.2%未満を含み、残部不可避的不純物とAlからなり、不純物としてのMgを0.05%未満に限定し、ろう付け加熱前の抗張力が160〜260MPaであり、ろう付け加熱前の0.2%耐力が140MPa以上であり、ろう付け加熱前の抗張力と0.2%耐力との差が10〜50MPaであり、金属組織における円相当径3μm以上の第二相粒子の密度が70〜220個/mm であることを特徴とする、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  2. さらに、ろう付け加熱前の0.2%耐力が140〜220MPaであることを特徴とする請求項1に記載のろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法であって、
    請求項1に記載の成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を、薄スラブ連続鋳造機を用いて厚み2〜15mmのスラブを連続的に鋳造し、前記スラブに熱間圧延を施すことなく直接ロールに巻き取った後、冷間圧延を施し、中間焼鈍を施して、最終冷延率15〜50%の冷間圧延を施した後、バッチ炉を用いて保持温度120〜200℃で1〜8時間保持する最終焼鈍を施すことを特徴とする、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載された熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法であって、
    請求項1に記載の成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を、薄スラブ連続鋳造機を用いて厚み2〜15mmのスラブを連続的に鋳造し、前記スラブに熱間圧延を施すことなく直接ロールに巻き取った後、冷間圧延を施し、中間焼鈍を施して、最終冷延率15〜50%の冷間圧延を施した後、連続焼鈍炉を用いて保持温度150〜270℃で5〜60秒保持する最終焼鈍を施すことを特徴とする、ろう付け性と耐サグ性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法。
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