JP6206021B2 - 電力用半導体装置の製造方法および電力用半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力用半導体装置の製造方法および電力用半導体装置に関するものである。
半導体装置の中でも電力用半導体装置は、産業用機器から、家電、情報端末まで幅広い機器の主電力(パワー)の制御に用いられ、特に輸送機器等においては高い信頼性が求められている。一方で、従来のシリコン(Si)を用いた半導体素子に代えて、炭化珪素(SiC)等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子を備えた半導体装置の開発が進められており、電力用半導体装置の高パワー密度化と高温動作化が進んでいる。
ところで、高温動作を実現するためには半導体素子自体の耐熱性を向上させるだけでなく半導体装置の各接合部分の接合信頼性を高める必要がある。そこで、高温動作実現するための接合方法として、焼結金属体を形成する接合材を用いて半導体素子を回路基板やヒートシンク等の回路部材に接合する、いわゆる焼結接合を用いた電力用半導体装置の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
焼結接合は、粒径がナノオーダーから数マイクロオーダーの焼結性金属粒子が含まる接合材を加圧した状態で加熱することで行われる。一般的に、金属粒子は粒子径が所定のサイズよりも小さくなると、バルク金属に比べて非常に活性な表面状態を有するようになり、表面エネルギーを減らす方向へと容易に反応が進行する。その結果、バルク金属の融点よりも低温で凝固するため低温での接合が可能となるが、接合後はバルク金属の融点まで再溶融することがない。したがって、焼結接合を用いることで融点よりも低い温度での接合が可能となるため、接合温度の上昇に伴う半導体装置の損傷や製造コストの増加を抑制できるとともに、接合温度よりも高い耐熱性を有する電力用半導体装置が得られる。
また、接合材中の焼結性金属粒子は、接合前の状態において金属粒子同士の反応してしまうのを抑制するために、表面が有機保護膜で覆われている。そして、接合時の加熱により有機保護膜を分解させ、加圧により金属粒子同士の接触を促すことで焼結を進行させ接合が可能となる。そのため、焼結接合では、接合面全域に十分な圧力を加えることが重要となり、加圧力が不足した領域では金属粒子同士の接触不良により焼結が進行せず接合強度低下し問題となる。
一方、半導体素子と回路部材との接合時に加圧する方法として、半導体素子と加圧接合機との間にシートを介在させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2012−191238号公報 特開2008−193023号公報
そこで、半導体素子と加圧接合機との間に加圧シートを介在させ、半導体素子と回路部材とを焼結接合することが考えられる。これにより、回路部材の厚みや接合材の厚みのばらつきによる加圧力の部分的な低下を抑制することができる。しかしながら、加圧シートを介在させた場合、加圧中に加圧シートが垂れ下がり半導体素子と回路部材との接合部分の周囲を覆ってしまう。そうすると、接合材に含まれる有機保護膜の揮発成分が加圧シートに覆われた空間内に滞留することとなり、半導体素子や回路部材が汚染されてしまうという問題があった。その結果、接合後に半導体素子や回路部材を除染する工程を新たに設けることとなり、製造コストの増加等を招く恐れがある。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、有機保護膜の揮発性成分による汚染を抑制することができる電力用半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる電力用半導体装置の製造方法は、回路部材の表面に支持部を設ける工程と、回路部材上に有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材を塗布する工程と、接合材上に半導体素子を配置する工程と、半導体素子上に半導体素子の表面の面積よりも大きい加圧シートを配置する工程と、加圧シートを介して半導体素子の表面を加圧するとともに接合材を加熱することで半導体素子と回路部材とを接合する工程と、を備え、支持部を設ける工程は接合する工程よりも前に行われる工程であり、かつ、回路部材の表面上において半導体素子が接合される領域の周囲に支持部を設ける工程であり、接合する工程において、回路部材と支持部と加圧シートとで囲まれた第1の空間は、第1の空間の支持部よりも外側の第2の空間と連繋しており、接合する工程は支持部によって半導体素子の表面からはみ出た加圧シートを支持した状態、かつ、接合材が第1の空間に露出された状態で行われるものである。
本発明にかかる電力用半導体装置の製造方法接合する工程において、回路部材と支持部と加圧シートとで囲まれた第1の空間は、第1の空間の支持部よりも外側の第2の空間と連繋しており、半導体素子が接合される領域の周囲に設けられた支持部によって加圧シートを支持した状態、かつ、接合材が第1の空間に露出された状態で半導体素子と回路部材との接合を行う。したがって、加圧中における加圧シートの垂れ下がりを抑制することができ、接合材に含まれる有機保護膜の揮発成分を電力用半導体装置の外部へ逃がすことができ。以上より、接合材に含まれる有機保護膜の揮発成分が滞留し半導体素子や回路部材が汚染されるのを抑制することができる。
実施の形態1にかかる電力用半導体装置を示す側面図である。 実施の形態1にかかる電力用半導体装置を示す平面図である。 実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法における各工程を示す側面図である。 実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法に用いる加圧装置の構成を示す平面図である。 接合圧力の分布に関する実験での接合方法を示す模式図である。 接合圧力の分布に関する実験結果を示す模式図である。 実施の形態1の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す側面図と平面図である。 実施の形態1の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す側面図と平面図である。 実施の形態1の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す平面図である。 実施の形態1の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す側面図である。 実施の形態2にかかる電力用半導体装置を示す側面図である。 実施の形態2にかかる電力用半導体装置を示す平面図である。 実施の形態2にかかる電力用半導体装置の製造方法における工程を示す平面図である。 実施の形態2にかかる電力用半導体装置の製造方法における工程を示す側面図である。 実施の形態2の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す平面図である。 実施の形態3にかかる電力用半導体装置を示す平面図である。 実施の形態3にかかる電力用半導体装置の製造方法の各工程を示す側面図である。 実施の形態3にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す平面図である。 実施の形態3にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す側面図である。 実施の形態4にかかる電力用半導体装置を示す側面図である。 実施の形態4にかかる電力用半導体装置を示す平面図である。 実施の形態4にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す側面図である。 実施の形態4の変形例にかかる電力用半導体装置を示す平面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかる電力用半導体装置100を示す側面図である。図2は、実施の形態1にかかる電力用半導体装置100の構成を示す平面図である。なお、図1においては、本実施の形態の特徴部分である半導体素子2と回路部材4との接合部分にかかる構成のみを図示し、他の構成については図示省略する。
図1において、電力用半導体装置100は、半導体素子2と焼結金属体3Aと回路部材4とから構成される。半導体素子2は、いわゆる電力用の半導体素子であり、厚みが0.1〜0.4mm程度であり主面2f(表面)が矩形状をなしている。より、具体的には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)、SBD(Schottky Barrier diode)、PNダイオードなどを用いることができる。例えば、半導体素子2にIGBTを用いた場合、裏面にはコレクタ電極が形成され、主面2fにはエミッタ電極と制御信号が入力されるゲート電極とが形成されている。なお、図1において、半導体素子2の各電極は図示省略している。
図1において、焼結金属体3Aは、焼結性金属粒子が焼結して凝固した金属層であり、回路部材4と半導体素子2とを接合する接合層である。また、焼結性金属粒子の種類、すなわち、焼結金属体3Aを構成する金属の種類としては、焼結接合が可能な金属であって、融点が半導体素子2の最大動作温度以上である金属(例えば、AgやCu等)とすることが好ましい。より詳細には、SiC半導体素子の場合、融点が200℃以上、より好ましくは300℃以上の金属とすることが好ましい。なお、焼結性金属粒子とは、粒径がナノオーダーから数マイクロオーダーの金属粒子であって、いわゆる焼結接合に用いられる接合材を構成する金属粒子とする。
回路部材4は、半導体素子2が載置され半導体素子2とともに主回路の一部を構成するものであり、例えばヒートスプレッダや回路パターンが形成された絶縁基板である。より詳細には、電気導電性と熱伝導性に優れた銅(Cu)や銅合金、アルミニウム(Al)等の金属ブロック状のヒートスプレッダやリードフレームと称される板材、又は絶縁性を有するセラミックの基材に金属配線パターンが形成されたセラミック絶縁基板などが挙げられる。本実施の形態では、回路部材4を回路パターンが形成された絶縁基板とするが、図示簡略のため各図において回路パターンについて図示省略する。
また、回路部材4の主面4f(表面)には、図2に示すように、溝部4mと、突起部4tとが形成されている。溝部4mと突起部4tとは、回路部材4の表面上において、半導体素子2が接合される領域の周囲に形成されている。溝部4mは、半導体素子2の周囲において、半導体素子2の外側に向かって形成されている。より、詳細には、図2に示すように、半導体素子2の中心から半導体素子2よりも外側に向かって放射状に形成されており、例えば、長さ及び幅が1.0〜5.0mmとし、深さが0.5mm以上であり、かつ、深さが回路部材4の厚さの半分以下とすることが好ましい。突起部4tは、電力用半導体装置100の製造方法の説明において後述する加圧シート50を支持する支持部として機能するものであり、半導体素子2の周囲において、半導体素子2の側面に沿って半導体素子2を完全に囲むことなく離間して複数形成されている。
なお、図2においては、突起部4tを8つ形成した場合について示したが、形成数はこれに限るものでなく、半導体素子2の各側面に対応して各々に少なくとも1ヶ所形成されていれば良い。さらに、突起部4tの材質は回路部材4と同種でも構わないし、異種のものでも良い。後述する接合工程における加熱温度と加圧力によって変形しないものであればよい。
また、溝部4mの本数についても、8つに限定されるものでなく、少なくとも1本あれば良い。溝部4mの長さについても、半導体素子2を接合する際に、溝部4mの少なくとも一部が後述する加圧シート50直下の領域からはみ出るような長さであれば良い。さらに、溝部4mの配置及び形状は、回路部材4の表面上において、半導体素子2の中心から放射状に位置するものに限定されず、部4mの少なくとも一部が後述する加圧シート50直下の領域からはみ出るような配置及び形状であれば良い。
上述したように、図1では電力用半導体装置1における半導体素子2と回路部材4との接合部分のみを図示しているが、実際には、半導体素子2主面2f側においても図示しない配線部材等が接合される。また、回路部材4の下面側には冷却部材が設けられることもある。さらに、半導体素子2を含む回路面が例えば封止樹脂によって封止されることもある。ただし、本発明は、半導体素子3の主面2f側の構成、回路部材4の下面側の構成、又は封止方法等によって限定されるものではない。そのため、これらの構成については説明を省略する。
次に、実施の形態1にかかるに電力用半導体装置100の製造方法について説明する。図3は、実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法の各工程を示す側面図である。図4は実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法に用いる加圧装置を示す平面図であり、図5は実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法に用いる加圧装置の構成を示す側面図と平面図である。以下、電力用半導体装置100の説明と同様に、半導体素子2と回路部材4との接合部分について説明する。
まず、図2に示すように、回路部材4に後述する加圧シートを支持するための支持部として突起部4tと溝部4mとを形成する。なお、本実施の形態では、はじめに突起部4tと溝部4mとを形成することとするが、突起部4tと溝部4mとを形成する工程は、それぞれ、少なくとも後述する半導体素子2と回路部材4とを接合する工程よりも以前に行うこととする。
次に、図3(a)に示すように、回路部材4の回路パターンが形成された回路面側(図中上側)において、突起部4t同士の間であって溝部4mに干渉しない位置(溝部4mが形成されていない位置)にペースト状の接合材3Bを塗布する。そして、塗布された接合材3B上に、半導体素子2の裏面(図中下側の面)を接合材3Bに対向させ、半導体素子2を配置し、接合準備品1を形成する。なお、突起部4tを形成する位置は、回路部材4の表面上であって、半導体素子2が接合される領域の周囲とする。また、接合材3Bは有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材である。
次に、図3(b)に示すように、接合準備品1の半導体素子2の主面2f(回路部材4に対向する裏面の反対側の面)上に、主面2f全体を覆うように加圧シート50を配置する。加圧シート50は、後の加圧工程において、半導体素子2の傾き等により生じる加圧力の偏り(方当たり)を抑制する機能を果たす。また、加圧シート50の面積は半導体素子2の主面2fの面積よりも大きく、半導体素子2の主面2f全体を覆うように配置される。さらに、加圧シート50の半導体素子2の主面2fからはみ出た部分は、回路部材4の突起部4tによって支えられるように配置する。
続いて、加圧加熱装置を用いて、加圧シート50が載置された接合準備品1を加圧する加圧工程について説明する。加圧加熱装置は、図3(c)及び図3(d)に示すように上側加圧板21と下側加圧板22とからなり、上側加圧板21と下側加圧板22とにはそれぞれヒーター21hとヒーター22とが設けられている。さらに、下側加圧板22の表面には、図4に示すように、接合準備品1の位置決めを行うガイド22gが設けられている。図4において、ガイド22gはL字型の突起形状をなしている。なお、本実施の形態では、ガイド22gの形状をL字型として説明を行ったが、これに限定されるものではなく、コの字型やハの字型等の接合準備1Aの側面の少なくとも隣接する2辺に接し支持する形状であればよく、さらには位置決め機能を有する機構であれば下側加圧板22に形成された突起状の構造以外のものでも構わない。
図3に戻り、加圧シート50が載置された接合準備品1を、図3(c)に示すように、加圧加熱装置の下側加圧板22上に、回路部材4の角がガイド22gのコーナー部に接するように配置する。より詳細には、ガイド22gのコーナー部に矩形状の回路部材4の角を突き当てるように配置する。これにより、半導体素子2が下側加圧板22に対して位置決めされる。
また、接合準備品1の加圧を行う前に、事前にヒーター21h、22hを通電することで、上側加圧板21と下側加圧板22とを予備加熱しておくことが好ましい。予備加熱は、接合材3B内に含まれる焼結性金属粒子同士の焼結が起こらない温度(例えば、130℃)に加熱した状態で保持する。これにより、後述する半導体素子2と回路部材4との接合工程において接合材3Bを加熱する際に、必要な加熱温度を得るまでの時間を短縮することができる。なお、下側加圧板22に直接接触する対象は、回路部材4が形成された基板や冷却装置等としてもよいが、本実施の形態では、説明を簡略化するため、回路部材4を対象として記載している。
その後、上側加圧板21を下降させるか、下側加圧板22を上昇させるかによって、図1(d)に示されるように、加圧シート50を載せた接合準備品1を上側加圧板21と下側加圧板22とではさみ、接合準備品1を加圧する。また、加圧シート50の半導体素子2の表面からはみ出た部分は突起部4tによって支持された状態であり、より詳細には突起部4tと上側加圧板21とによって加圧シート50が挟まれた状態で、接合準備品1の加圧が行われる。このとき、加圧シート50が、接合準備品1を構成する部材の厚みばらつきを吸収してくれるので、半導体素子2の主面2f全体を均一に加圧することができる。例えば、接合材3Bの塗布むら等によって厚さがばらつき、半導体素子2の主面2fと上側加圧板21との間に傾きが生じていた場合であっても、加圧シート50が厚さ方向に変形することで、半導体素子2の主面2f全体を均一に加圧することができる。
加圧力が必要な圧力範囲に達すると、上側加圧板21と下側加圧板22とを焼結接合に必要な温度(例えば、200℃〜350℃程度)まで加熱する。そして、加圧シート50、半導体素子2、接合材3B、および回路部材4の温度がそれぞれ必要な温度に達してから、必要な時間、加圧力と温度を保持する。これにより、接合材3Bに含まれる有機保護膜が分解され、焼結性金属粒子による接合が開始され、半導体素子2と回路部材4とが接合する。接合が完了すると、接合材3Bは有機保護膜が揮発し焼結性金属粒子が凝固した焼結金属体3Aとなる。
接合工程においての加圧シート50の役割は、上記のように半導体素子2にかかる加圧力の均一化以外に、半導体素子2が破損するのを防ぐクッション材としての役割がある。そのため、加圧シート50を構成する材料は、接合材3Bの焼結温度(200℃〜350℃程度)における耐熱性と、当該温度において、半導体素子2を破損しない程度の柔軟さ(弾性率)を保持する材料であれば良い。例えば、ポリイミド、PTFE等のフッ素樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
また、加圧シート50のサイズについては、半導体素子2の主面2f全体を十分に加圧するために、半導体素子2の幅よりも以上としなければならない。さらに、加圧シート50を配置する際の作業性の観点から、加圧シート50は半導体素子2の主面2fに対して、横、縦ともに1mm程度大きいことが望ましい。ただし、回路部材4上において半導体素子2の外側に向かって形成された溝部4m全体が、加圧シート50の直下の領域(加圧シート50が変形していない状態において)に含まれていると溝部4mによる汚染抑制効果が得られない。よって、接合時において、溝部4mの一端が加圧シート50の直下にあり、溝部4mの他端が加圧シート50の直下からはみ出るよう、加圧シート50の大きさを設定する。加圧シート50の厚さについては、加圧力のバラつきを低減するために、加圧前の状態では半導体素子2よりも厚く、加圧後は加圧前の厚さの半分以下になるような厚さとすることが好ましい。
上記のように加圧シート50を用いて接合を行う際、突起部4tを設けずに上側加圧板21によって加圧シート50を介して半導体素子2を押圧すると、加圧シート50が回路部材4の側に変形し垂れ下がってしまう。かかる場合、回路部材4に溝部4mが設けられていないと、半導体素子2の周辺の空間が加圧シート50によって遮蔽されてしまう。そして、遮蔽された空間内に、接合材3Bから生じる有機保護膜の揮発性成分(炭素系のガス等)が局所的に堆積し、回路部材4や半導体素子2が汚染してしまうことが筆者らの実験によって確認されている。そのため、半導体素子2と回路部材4との接合後に除染工程を設ける必要が生じてしまい、製造方法が煩雑化しコスト増加に繋がる恐れがある。
そこで、本実施の形態にかかる電力用半導体装置1の製造方法では、有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材3Bを用いた半導体素子2と回路部材4との接合方法において、突起部4tによって加圧シート50が支持された状態で半導体素子2と回路部材4との接合を行うので、加圧した際に加圧シート50によって半導体素子2の周辺の空間が遮蔽されるのを防ぎ、有機保護膜の揮発性成分が半導体素子2の周辺の空間に滞留することを抑制することができる。そのため、回路部材4や半導体素子2に有機保護膜の揮発性成分が局所的に堆積し、汚染されるのを低減することができる。
また、本実施の形態では、回路部材4に溝部4mを形成しているため、有機保護膜の揮発性成分を半導体素子2の周辺の空間から溝部4mを介して逃がすことができる。これにより、回路部材4や半導体素子2に有機保護膜の揮発性成分が局所的に堆積し、汚染されるのを低減することができる。特に、加圧シート50が例えばフッ素系樹脂からなる場合接合時の加熱、加圧により加圧シートが5〜7mm程度面内方向に伸びるため、溝部4mの長さを12mm以上とすることで、加圧した際に溝部4mを通して、有機保護膜の揮発成分を外部空間に確実に飛散させることができる。なお、本実施の形態では、溝部4mは回路部材4に対して放射状に配置するよう図示したが、この配置に限らず、ペースト状の接合材3Bを塗布する位置に干渉せず、かつ半導体素子2を接合する際に、少なくとも一本の溝部4mの一部が加圧シート50に覆われるような配置であれば良い。
さらに、本実施の形態では、回路部材4に突起部4tを設けたことにより、半導体素子2をより均一に加圧することができる。以下、突起部4tによる加圧力の均一化効果について説明する。
半導体素子2の回路部材4への接合は、加圧装置のコスト低減やサイズ低減の観点から、より低圧力で行うことが望ましい。また、低圧力での接合が可能となれば、同一荷重であっても、一括して接合できる半導体素子2の数が増加し、生産性を向上させることができる。しかしながら、接合時の圧力を低下させると、接合面内での圧力にばらつきがある場合、局所的に接合に必要な圧力を下回る領域が発生し、接合不良を生じる恐れがある。つまり、接合時の加圧力を低下させた場合には、加圧力が大きい場合には問題にならなかった接合面内での圧力ばらつきが問題となる。
そこで、回路部材4に突起部4t等の支持部を設けずに接合を行う場合において、半導体素子2の主面2fにかかる圧力分布について検証した。図5(a)は半導体素子2の主面2fにかかる圧力分布に関する実験における接合方法を示す側面図であり、図5(b)は当該実験における接合方法を示す平面図である。図6は、半導体素子2の主面2f内での加圧力の分布に関する実験結果を示す模式図である。なお、図5(b)において、実線は加圧加熱装置の上側加圧板21の位置を示し、破線は加圧シート50の位置を示し、一点鎖線は半導体素子2の位置を示している。さらに、図5(b)では、図示簡略化のため加圧シート50の反り返りを無視して図示しており、図中の矢印N1は加圧シート50の伸び量を模式的に表している。当該実験は、図5に示すように、加圧シート50を介して半導体素子2の主面2fを加圧した状態で行っており、本実施の形態とは、回路部材4に突起部4tを設けずに接合を行う点で相違した状態で行っている。
図6に示すように、半導体素子2の中心2c、すなわち、加圧シート50の中心から離れるほど同心円状に加圧力が低くなることが実験によって確認された。一方、図6において、半導体素子2の主面2fの中心2cを中心とする同心円Ftは加圧力の等圧線を示しており、同一円周状では加圧力は一定でことが確認された。したがって、半導体素子2のコーナー部Ccにかかる圧力が他の領域に比べて最も低くなることが判明した。そのため、同一構成の接合準備品1に対して、接合時の圧力を変化させ接合状態を確認すると、接合圧力を低下させていった場合、まず初めに、半導体素子2のコーナー部Cc直下で接合不良が発生することが確認された。
次に、図5(b)に戻り、半導体素子2の中心から離れるほど加圧力が低くなる理由について説明する。加圧シート50のX−Y平面内での伸び量は、図5(b)に示すように、半導体素子2の中心2cから離れるほど同心円状に大きくなることが確認された。ここで、加圧シート50がX−Y平面内で伸びるということは、加圧シート50の伸び量分だけ、半導体素子2を押圧するための加圧力がX−Y平面内での加圧シート50の変形に作用していると考えられる。そのため、加圧シート50の伸び量が大きい分だけZ軸方向への加圧力が低下すると考えられ、伸び量が最も大きい、すなわち半導体素子2の中心2cから最も離れているコーナー部Ccにおける加圧力が最も低下すると考えられる。
そこで、上記検証結果に基づいて、本実施の形態では、回路部材4に突起部4tを設けることで、半導体素子2と回路部材4との接合時において加圧シート50を突起部4tと上側加圧板21とによって挟みこむこととし、挟まれている箇所で加圧シート50を固定し伸び量が抑制している。その結果、半導体素子2のコーナー部Ccでの加圧力の低下が抑制されるため、加圧力のバラつきを低減することができる。よって、接合時の加圧力を低減したとしても、半導体素子2と回路部材4との接合不良が生じる恐れを抑制することができる。
また、本実施の形態では、上記のとおり接合時の加圧力を低減することが可能となるため、回路部材4にかかる応力集中が低減されることとなり、回路部材4の割れや損傷等を抑制することができる。さらには、加圧装置の小型化等により製造コストを低減することができる。
なお、突起部4tの形成位置は、図7において、突起部4tと上側加圧板21とによって加圧シート50を確実に挟み込むために、突起部4tの端部から加圧シート50の端部までの距離Lが1mm以上であることが望ましい。また、突起部4tの高さ4thは、図7において、半導体素子2が加圧されるため、回路部材4の主面4fから半導体素子2の主面2fまでの高さ23hよりも小さい値であればよい。しかし、高さ4thが過度に小さいと、突起部4tと上側加圧板21とによって加圧シート50を挟み込むことができない。加圧シート50の厚さは加圧後に加圧前の厚さの半分以下になるような厚さを想定しているので、少なくとも23hと、4thの高低差は加圧シート50の厚さの半分以下であればよい。
また、本実施の形態では、半導体素子2と回路部材4とを接合する際に、回路部材4、半導体素子2、および加圧シート50が積層された接合準備品1を加圧加熱装置の下側加圧板22上に配置する場合について説明した。しかしながら、この方法では、接合準備品1を下側の加圧板22上に配置する際に、加圧シート50が半導体素子2に対して位置ずれすることが考えられる。かかる場合には、上側加圧板21と半導体素子2との間に加圧シート50が介在する部分と介在しない部分とが混在する恐れがあり、半導体素子2を加圧する際に、圧力が不均等に加わり、良好な接合が得られない恐れがある。
そこで、本実施の形態の変形例として、加圧シート50を接合準備品1に対してではなく、加圧装置10に対して位置決め配置できる構成について説明する。図8は本実施の形態の変形例にかかる電力用半導体装置の製造方法の工程を示す側面図と平面図である。図8(a)は図3(c)に対応する工程の側面図であり、図8(b)は上側加圧板22の平面図である。
本変形例では、図8(a)及び図8(b)に示すように、上側加圧板21に、真空吸着用の連通孔21tを形成している。連通孔21tは、加圧シート50を吸着するために設けられた吸着機構である。そして、図3(b)で説明した工程では、加圧シート50を接合準備品1にかぶせず、接合準備品1とは別に、半導体素子2の直上に対応する位置で吸着する。これにより、図8(a)に示すように、接合準備品1は、加圧されるまで加圧シート50に触れることがなくなり、下側加圧板22に対して位置決めする際に加圧シート50との間で位置ずれが生じることを防止できる。その結果、半導体素子2の主面2f全面を加圧シート50で確実に覆うことができ、半導体素子2と回路部材4との良好な接合が可能となる。
なお、本実施の形態では、回路部材4に溝部4mと突起部4tとを同時に設けた場合について説明したが、溝部4mを省略することとしても良い。かかる場合、図7において、半導体素子2の加圧時に加圧シート50が垂れ下がり突起部4tの外側の空間Spjを遮蔽しないように、加圧シート50が突起部4tからはみ出した距離Lを調整すればよい。より具体的には、距離Lを突起部4の高さ4th以下となるようにすればよい。これにより、溝部4mを設けない場合でも、突起部4tの外側の空間Spjが確実に遮蔽されないので、離間して設けられた複数の突起部4tの隙間から、有機保護膜の揮発成分が飛散し半導体素子2と回路部材4との汚染を低減することができる。
さらに、突起部4tの配置及び形状についても、上述したとおり、確実に突起部4tと上側加圧板21とによって加圧シート50を挟み込むことができれば、例えば、図9に示すように、半導体素子2の周囲(側面)を囲むように、矩形状や円周状の一体となった突起部4tを形成することとしても良い。図9は本実施の形態にかかる電力用半導体装置の変形例を示す図であり、図2に対応する構成を平面図である。図10は図9におけるA−A断面図であり、図10においては加圧シート50と加圧加熱装置とについても図示している。
図9では、半導体素子2の周囲(側面)を囲むように、平面図において矩形状の突起部4tを一体として設けることとしている。かかる場合、図10に示すように、半導体素子2を加圧する際に回路部材4の突起部4tと加圧シート50によって遮蔽される空間Spiが発生し、有機保護膜の揮発成分が空間Spiに滞留し、半導体素子2と回路部材4が汚染される恐れがある。
そこで、このような場合には、図9及び図10に示すように、有機保護膜の揮発性成分を外部に飛散させるための貫通穴4taを突起部4tに設けることで、半導体素子2と回路部材4との汚染を低減することができる。貫通穴4taは、突起部4tによって囲まれた領域の内側と外側とを連繋するよう、突起部4tを貫通させて形成された穴である。なお、回路部材4に溝部4mを設ける場合や突起部4tを複数離間して設ける場合であっても、突起部4tに貫通穴4taを設けることで、半導体素子2と回路部材4との汚染をさらに抑制することができるのは言うまでもない。
実施の形態2.
上述の実施の形態1では回路部材4に溝部4mと突起部4tとを設けた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、加圧シート50を支持する支持部として、突起部4tの代わりに着脱可能なブロック体を用いることとしても良い。そこで、実施の形態2としてブロック体6を用いた構成について、以下説明する。
まず、本実施の形態にかかる電力用半導体装置101の構成について説明する。図11及び図12は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置101を示す側面図及び平面図である。図11及び図12において、図1及び図2と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明については省略する。また、実施の形態1と同様に、本実施の形態の特徴部分である半導体素子2と回路部材4との接合部分にかかる構成のみを図示し、他の構成については省略する。
本実施の形態にかかる電力用半導体装置101は、図11に示すように、半導体素子2と焼結金属体3と回路部材4とから構成される。実施の形態1とは回路部材4との構成において、突起部4tを設けていない点と溝部4mの配置の点で相違している。すなわち、本実施の形態では、図12に示すように、回路部材4には半導体素子2の各辺に対応して4つの溝部4mが形成され、突起部4tは形成されていない。
次に、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法について説明する。図13及び図14は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す平面図と側面図であり、実施の形態1における図3(d)に対応する図である。
本実施の形態では、図13及び図14に示すように、回路部材4にブロック体6を置いた状態で半導体素子2の加圧を行う。他の工程については実施の形態1と同様のため、以下、簡単に各工程を説明する。まず、回路部材4に、ペースト状の接合材3Bを塗布する。接合材3Bは、有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材である。
次に、塗布された接合材3B上に、半導体素子2を配置する。その後、図13に示すように、接合準備品1の回路部材4上に加圧シート50を支持する支持部として4つのブロック体6を配置する。ブロック体6は、接合後取り除くことができるよう着脱可能に配置され、図14に示すように半導体素子2の4つの角部に沿ったL字型の形状とする。なお、ブロック体6を配置する工程は、半導体素子2の配置後に行うこととしているが、接合材3Bの塗布前や、接合材3Bの塗布後であって半導体素子2の配置前に行うこととしても良く、少なくとも半導体素子2と回路部材4との接合を行う工程よりも前に行われていればよい。
ブロック体6の厚みについては、実施の形態1における突起部4tと同様に、ブロック体6の厚みが、接合材3Bの厚さと半導体素子2の厚さと加算した厚さ23hよりも低く、かつ、接合材の厚さと半導体素子2の厚さと加算した厚さ23hとブロック体6の高さとの高低差が加圧シート50の厚さの半分以下とすることが望ましい。さらに、ブロック体6の配置位置についても、実施の形態1と同様に、確実に加圧シート50を挟み込むため、ブロック体6の端部から加圧シート50の端部までの距離Lが1mm以上であることが望ましい。
そして、半導体素子2の主面2f上に、半導体素子2を含むように加圧シート50を配置する。次に、図14に示されるように、下側加圧板22のガイド22gを用いて位置決めし、加圧シート50を載置した接合準備品1を下側加圧板22上に配置する。この際、事前にヒーター21h、22hに通電することで、上側加圧板21と下側加圧板22を予備加熱する。ガイド22gの形状は、実施の形態1と同様に、接合準備1Aの側面の少なくとも2辺に接し支持する形状であればよく、さらには位置決め機能を有する機構であれば下側加圧板22に形成された突起状の構造以外のものでも構わない。
このような状態で、図14に示されるように、加圧シート50を載せた接合準備品1を上側加圧板21と下側加圧板22とではさみ、半導体素子2の加圧を行う。その際、加圧シート50は上側加圧板21と半導体素子2との間に挟まれるだけでなく、上側加圧板21とブロック体との間においても挟み込まれることとなる。そして、加圧板間の加圧力が必要な範囲に達すると、上側加圧板21と下側加圧板22とを焼結接合に必要な温度(例えば、200℃〜350℃程度)まで加熱し、保持する。これにより、接合材3Bが焼結金属体3Aへと凝固し、半導体素子2と回路部材4との接合が完了する。最後に、回路部材4上に配置されたブロック体6を取り除く。
以上のような構成により、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、ブロック体6によって加圧シート50が支持された状態で半導体素子2と回路部材4との接合を行うので、加圧した際に加圧シート50によって半導体素子2の周辺の空間が遮蔽されるのを防ぎ、有機保護膜の揮発性成分が半導体素子2の周辺の空間に滞留することを抑制することができる。そのため、回路部材4や半導体素子2に有機保護膜の揮発性成分が局所的に堆積し、汚染されるのを低減することができる。さらに、本実施の形態においても、回路部材4に溝部4mを設けているため、半導体素子2と回路部材4との汚染をより一層抑制することができる。
また、ブロック体6と上側加圧板21とによって加圧シート50を挟み込みながら加圧する点でも実施の形態1と同様となる。そのため、本実施の形態においても加圧シート50の伸び量が抑制されることとなるため、接合時の加圧力を低下させたとしても、半導体素子2のコーナー部にかかる圧力低下を抑制され、半導体素子2と回路部材4との接合不良を抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、上記のとおり接合時の加圧力を低減することが可能となるため、回路部材4にかかる応力集中が低減されることとなり、回路部材4の割れや損傷等を抑制することができる。また、加圧装置の小型化等により製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、回路部材4に直接突起部4tを形成するのではなく、回路部材4に着脱可能なブロック体6を設けることとしたため、回路部材4に突起部4tを形成する工程を簡略化することでき、ブロック体6は他の電力用半導体装置の製造に流用することができるので、製造工程の簡素化及びコスト低減を図ることができる。特に回路部材4が回路パターンを形成したセラミック基板である場合には、突起部4tを形成する加工が煩雑化するため、本実施の形態のようにブロック体6を用いることが望ましい。
なお、本実施の形態では、図13に示すように、L字型のブロック体6を4つ配置した場合について示したが、これに限るものでなく、半導体素子2の4つの側面に対応して各々の辺に少なくとも1ヶ所配置されていれば良い。また、ブロック体6の形状についても、L字型の形状に限定されるものではなく、矩形状などでも良い。さらに、ブロック体6の材質は、回路部材4と同種でも構わないし、異種のものでも良く、接合時の温度と加圧力によって変形しないものであればよい。
また、本実施の形態では、回路部材4に溝部4mを形成するとともに、ブロック体6を配置する場合について示したが、実施の形態1と同様に、半導体素子2を加圧した際に、加圧シート50がブロック体6の外側の空間Spjを遮蔽しないよう、加圧シート50のブロック体6の端部からはみ出た距離Lを調整すれば、溝部4mを形成しないこととしてもよい。かかる場合であっても、ブロック体6によって加圧シート50が支持されるため、有機保護膜の揮発成分が空間Spiに滞留し、半導体素子2と回路部材4とが汚染される恐れを抑制することができる。
さらに、ブロック体6の配置及び形状についても、前述したとおり、確実に加圧シート50を挟み込むことができれば、図15に示すように、半導体素子2の周囲(側面)を囲むように、矩形状や円周状の一体となったブロック体6を設けることとしても良い。ただし、かかる場合には、半導体素子2を加圧する際にブロック体6と加圧シート50とによって遮蔽される空間Spiが形成され、有機保護膜の揮発成分が空間Spiに滞留し、半導体素子2と回路部材4とが汚染される恐れがある。したがって、かかる場合には、図15に示すように、有機保護膜の揮発成分を外部に飛散させるための貫通穴6aをブロック体6に設ければよい。なお、図15においては加圧加熱装置及び加圧シート50については図示省略している。
実施の形態3.
上述のように実施の形態1及び2では、突起部4tやブロック体6といった加圧シート50を支持する支持部を回路部材4に設けることとしたが、加圧力が十分あり半導体素子2のコーナー部での圧力低下による接合不良等が問題とならなければ、回路部材4に支持部を設けない構成としても構わない。そこで、実施の形態3として、回路部材4に支持部を設けない構成について説明する。
まず、本実施の形態にかかる電力用半導体装置について説明する。図16は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置102を示す平面図である。図16において、図12と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。また、本実施の形態にかかる電力用半導体装置は、実施の形態2にかかる電力用半導体装置101と比較して、回路部材4に形成された溝部4mの配置及び個数の点で相違するため、以下においては、当該相違点について説明する。
図16に示すように、本実施の形態では、回路部材4には8つの溝部4mが形成されており、溝部4mは回路部材4に接合された半導体素子2の中心から放射状に形成されている。なお、溝部4mの配置、形状、及び個数については、他の実施の形態と同様にこれに限定されるものではなく、溝部4mは回路部材4に接合された半導体素子2の周囲において外周側に向かって形成されているものであれば構わない。
続いて、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法について説明する。図17は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法における各工程を示す側面図である。図17において、図3と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。なお、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法は、加圧シート50を支持する支持部を用いずに加圧工程を行う以外の点では、実施の形態1及び2にかかる電力用半導体装置の製造方法と同様となるため、以下、簡略して説明を行う。
まず、図17(a)に示すように、回路部材4の回路パターンが形成された回路面側に、溝部4mに干渉しない位置にペースト状の接合材3Bを塗布する。そして、塗布された接合材3B上に、半導体素子2の裏面を対向させて配置し、接合準備品1を形成する。次に、図17(b)に示すように、半導体素子2の主面2f上に、主面2f全体を覆うように加圧シート50を配置する。加圧シート50の大きさは、回路部材4に形成された溝部4mの配置を考慮して、平面方向(図17(b)の左右方向)において、加圧シート50の端部が溝部4mの端部よりも内側に位置するような大きさとする。
続いて、図17(c)及び図17(d)に示すように、加圧加熱装置を用いて、加圧シート50が載置された接合準備品1を加圧する。加圧加熱装置の構成は、他の実施の形態と同様とする。図17(c)に示すように、加圧シート50が載置された接合準備品1を、加圧加熱装置の下側加圧板22上に、回路部材4の角をガイド22gのコーナー部に接するように配置する。また、接合準備品1の加圧を行う前に、事前にヒーター21h、22hを通電することで、上側加圧板21と下の加圧板22とを、例えば130℃程度の温度に予備加熱しておくことが好ましい。ここで、接合準備品1に付加する加圧力は、半導体素子2のコーナー部Cc直下での圧力が低下することを考慮して、コーナー部Cc直下での加圧力が接合に必要な加圧力以上の圧力となるように設定する。これにより、半導体素子2と回路部材4との接合不良を抑制することができる。
その後、図17(d)に示されるように、加圧シート50を載せた接合準備品1を上側加圧板21と下側加圧板22とではさみ、加圧する。そして、加圧力が必要な圧力範囲に達すると、上側加圧板21と下側加圧板22とを焼結接合に必要な温度(例えば、200℃〜350℃程度)まで加熱し保持する。これにより、半導体素子2と回路部材4との接合が完了する。接合が完了すると接合材3Bは焼結性金属粒子が凝固した焼結金属体3Aとなる。
図18及び図19は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す平面図及び側面図であって、図17(d)に対応する工程を示す平面図及び側面図である。なお、図18において、上側加圧板21の構成を図示省略している。
本実施の形態では、加圧シート50を支持する支持部を設けることなく半導体素子2と回路部材4との加圧を行うため、図18及び図19に示すように、加圧シート50が垂れ下がり、半導体素子2と回路部材4との接合部分の周囲が覆われることとなる。しかしながら、本実施の形態では、回路部材4に溝部4mを設けているため、加圧シート50によって覆われた領域から溝部4mを介して、接合材3Bに含まれる有機保護膜の揮発性成分が外部空間に流出する。そのため、加圧シート50によって覆われた領域に接合材3Bに含まれる有機保護膜の揮発性成分が滞留することが抑制されるため、半導体素子2と回路部材4との汚染が抑制される。
また、本実施の形態では、加圧シート50を支持する支持部を設けていないため半導体素子2のコーナー部Cc直下での加圧力が低下するが、コーナー部Cc直下における加圧力を必要な圧力以上となるように加圧力を設定しているため、半導体素子2と回路部材4との接合不良を抑制することができる。
実施の形態4.
上述した実施の形態1ないし3においては、単一の半導体素子2と回路部材4とを接合する方法について説明したが、複数の半導体素子2と回路部材4とを同時に接合することとしてもよい。そこで、実施の形態4として、複数の半導体素子2を同時に回路部材4に接合する場合について、以下説明する。
まず、本実施の形態にかかる電力用半導体装置103について説明する。図20及び図21は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置103を示す側面図及び平面図である。図20及び図21において、図16と同じ符号を付けたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。また、本実施の形態にかかる電力用半導体装置103は、実施の形態3にかかる電力用半導体装置102と比較して、回路部材4に接合された半導体素子2を複数設けている点で相違するため、以下においては、当該相違点を中心に説明する。
図20及び図21に示すように、本実施の形態にかかる電力用半導体装置103は、2つの半導体素子2を備えている。2つの半導体素子2は、互いに離間して回路部材4に接合され、2つの半導体素子2と回路部材4とは焼結金属体3Aを介して接合されている。回路部材4には、半導体素子2が接合された周囲に溝部4mが形成されている。溝部4mは、半導体素子2の周囲に向かって放射上に配置されている。なお、本実施の形態では、2つの半導体素子2が回路部材4に接合されている場合について説明するが、半導体素子2の数は2つに限定されるものではなく、3以上の複数の半導体素子2を備えることとしても構わない。
続いて、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法について説明する。図22は、本実施の形態にかかる電力用半導体装置の製造方法の一工程を示す側面図である。図22における各図は、図17(d)に対応する電力用半導体装置の工程を示す側面図である。また、本実施の形態にかかる電力用半導体装置にかかる製造方法は、実施の形態3にかかる電力用半導体装置の製造方法と比較して、回路部材4に接合された半導体素子2を複数設けている点で相違するため、以下においては、当該相違点について説明する。
本実施の形態では、回路部材4上に複数の(2つの)半導体素子2を備えているため、図22に示すように、複数の半導体素子2と回路部材4とを一括して接合することとなる。そして、本実施の形態では、回路部材4に加圧シート50を支持する支持部を設けることなく接合を行うため、加圧シート50が垂れ下がった状態で接合が行われる。
例えば、図22(a)に示すように、2つの半導体素子2の間で、加圧シート50が回路部材4に一様に接した状態で接合が行われる場合がある。かかる場合には、2つの半導体素子2の周囲にのみ加圧シート50によって遮蔽された空間が形成されることとなるので、回路部材4の表面上であって半導体素子2の周囲に形成した溝部4mによって、接合材に含まれる有機保護膜の揮発性成分が外部空間に飛散させることができ、半導体素子2と回路部材4との汚染を抑制することができる。
一方、図22(b)に示すように、半導体素子2同士の距離や加圧シート50の材質等によっては、2つの半導体素子2の間で加圧シート50がたわむことにより、加圧シート50と回路部材4とで遮蔽される空間Spiが2つの半導体素子2間に形成されたしまうことがある。かかる場合には、有機保護膜の揮発性成分が空間Spiに流入する経路が存在すると、有機保護膜の揮発性成分が空間Spiに滞留し、回路部材4が汚染される恐れがある。
そこで、上記場合には、図23に示すように、回路部材4上の2つの半導体素子2同士の間に溝部4mを形成することが望ましい。これにより、半導体素子2の間で加圧シート50がたわむことで加圧シート50と回路部材4とで遮蔽される空間Spiが形成されたとしても、2つの半導体素子2同士の間に形成された溝部4mを介して接合材に含まれる有機保護膜の揮発性成分が外部空間に流出することとなるため、回路部材4の汚染を抑制することができる。また、3つ以上の半導体素子2を備える場合には、複数の半導体素子2の間に形成される隙間のそれぞれに対応して、回路部材4に溝部4mを設けることとすれば良い。
以上のように、本実施の形態では、半導体素子2と回路部材4との汚染を抑制することができるとともに、複数の半導体素子2と回路部材4とを一度に接合するので、電力用半導体装置の生産性を向上させることができる。
また、本実施の形態のように複数の半導体素子2と回路部材4と同時に接合する場合には、半導体素子2ごとの高さのバラつきや接合材3Bの厚みのバラつきが存在するため、複数の半導体素子2ごとに付加される加圧力にバラつきが生じてしまい接合不良が生じる恐れがある。しかしながら、本実施の形態では、加圧シート50を用いて複数の半導体素子2と回路部材4とを接合するので、加圧シート50が変形することで、加圧シート50によって半導体素子2ごとの高さのバラつきや接合材3Bのバラつきが抑制され、接合不良を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、1つの回路部材4に複数の半導体素子2を接合する場合について示したが、複数の回路部材4のそれぞれに1つの半導体素子2が接合されるものであっても良いし、複数の回路部材4のそれぞれに複数の半導体素子2が接合されるものであっても構わない。
また、複数の回路部材4を備える場合には、複数の半導体素子2同士の間に溝部4mを形成する代わりに、複数の回路部材4を離間して配置して接合を行うこととしてもよい。このような構成とすることで、複数の半導体素子2同士の間で加圧シート50のたわみが生じた場合においても、回路部材4同士の離間したスペースから外部空間への流出経路が確保されるので、有機保護膜の揮発性成分が滞留し回路部材4が汚染されるのを抑制することができる。
また、本実施の形態では、回路部材4に加圧シート50を支持する支持部を設けないこととしているが、実施の形態1又は実施の形態2において説明したように、加圧シート50を支持する支持部を回路部材4に設けることとしてもよい。これにより、加圧シート50の垂れ下がりを抑制することができるため、半導体素子2と回路部材4との汚染をより一層抑制することができる。
さらに、加圧シート50を支持部と上側加圧板とによって挟みながら加圧を行うことで、半導体素子2に付加される加圧力を均一化することができ、半導体素子2と回路部材4との接合不良を抑制することができる。また、加圧力が均一化することができるので半導体素子2に付加する加圧力を低減することができるため、加圧加熱装置に必要な荷重が低減され加圧加熱装置の小型化が可能となる。特に本実施の形態のように複数の半導体素子2と回路部材4とを同時に接合する場合には、加圧加熱装置に求められる荷重も大きくなるため加圧加熱装置が大型化する恐れがあるが、上記のように回路部材4に支持部を設けることで、加圧加熱装置の小型化が実現できる。
なお、上記各実施の形態においては、半導体素子2には、一般的に広く用いられているシリコンからなる半導体素子でも良いが、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、又はダイヤモンドといったシリコンと比べてバンドギャップが広い、いわゆるワイドバンドギャップ半導体からなる半導体素子を用いることとしてもよい。かかる場合、各実施の形態に記載したように、半導体素子2と回路部材4との接合に焼結接合を用いるので、ワイドバンドギャップ半導体の高耐圧および高温動作が可能な利点を活かした電力用半導体装置が得られる。
ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子や整流素子は、シリコンで形成された素子よりも電力損失が低いため、スイッチング素子や整流素子における高効率化が可能であり、ひいては、電力用半導体装置の高効率化が可能となる。さらに、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子や整流素子の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子や整流素子を用いることにより、電力用半導体装置も小型化が可能となる。また耐熱性が高いので、高温動作が可能であり、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷部の空冷化も可能となるので、電力用半導体装置の一層の小型化が可能になる。
その際、背景技術で説明したように、高温での信頼性が高い焼結接合が有力であり、本発明による効果を発揮することで、ワイドバンドギャップ半導体の特性を活かすことができる電力用半導体装置が得られる。
また、複数の半導体素子2を備える場合には、ワイドバンドギャップ半導体又はシリコン半導体のいずれか一方のみによって形成された複数の半導体素子2であってもよいし、ワイドバンドギャップ半導体によって形成された半導体素子2とシリコン半導体によって形成された半導体素子2との双方を備えるものであってもよい。さらに、複数の半導体素子2は、スイッチング素子やダイオード素子のいずれか一方、又はその双方であっても構わない。
なお、本発明は、発明の範囲内において、各実施の形態及びその変形例を自由に組み合わせることや、適宜、変形、省略することが可能である。
1 接合準備品、2 半導体素子、3A 焼結金属体、3B 接合材、4 回路部材、4t 突起部(支持部)、4ta 貫通穴、4m 溝部、6 ブロック体(支持部)、6a 貫通穴、21 上側加圧板、21t 連通孔、22 下側加圧板、22g ガイド、50 加圧シート、100・101・102・103 電力用半導体装置。

Claims (14)

  1. 回路部材の表面に支持部を設ける工程と、
    前記回路部材上に有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材を塗布する工程と、
    前記接合材上に半導体素子を配置する工程と、
    前記半導体素子上に前記半導体素子の表面の面積よりも大きい加圧シートを配置する工程と、
    前記加圧シートを介して前記半導体素子の表面を加圧するとともに、前記接合材を加熱することで、前記半導体素子と前記回路部材とを接合する工程と、
    を備え、
    前記支持部を設ける工程は、前記接合する工程よりも前に行われる工程であり、かつ、前記回路部材の表面上において前記半導体素子が接合される領域の周囲に前記支持部を設ける工程であり、
    前記接合する工程において、前記回路部材と前記支持部と前記加圧シートとで囲まれた第1の空間は、前記第1の空間の前記支持部よりも外側の第2の空間と連繋しており、
    前記接合する工程は、前記支持部によって、前記半導体素子の表面からはみ出た前記加圧シートを支持した状態、かつ、前記接合材が前記第1の空間に露出された状態で行われる、
    電力用半導体装置の製造方法。
  2. 前記支持部を設ける工程は、前記回路部材の表面に着脱可能なブロック体を配置する工程であり、
    前記接合する工程後、前記ブロック体を前記回路部材の表面から取り除く工程をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置の製造方法。
  3. 前記支持部を設ける工程は、前記回路部材の表面に突起部を形成する工程である、
    ことを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置の製造方法。
  4. 前記接合する工程は、加圧装置を用いて、前記加圧装置と前記支持部とによって前記加圧シートが挟み込まれた状態で行われる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  5. 前記支持部は、前記半導体素子の周囲を囲むように一体となって設けられ、
    前記支持部には、前記支持部が囲む領域の内側から外側に向かって前記支持部を貫通する貫通穴が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  6. 回路部材の表面に溝部を形成する工程と、
    前記回路部材上に有機保護膜で被膜された焼結性金属粒子を含む接合材を塗布する工程と、
    前記接合材上に半導体素子を配置する工程と、
    前記半導体素子上に前記半導体素子の表面の面積よりも大きい加圧シートを配置する工程と、
    前記加圧シートを介して前記半導体素子の表面を加圧するとともに、前記接合材を加熱することで、前記半導体素子と前記回路部材とを接合する工程と、
    を備え、
    前記溝部を形成する工程は、前記接合する工程よりも前に行われる工程であり、かつ、前記回路部材の表面上において前記半導体素子が接合される領域の周囲に前記半導体素子の中心から前記半導体素子よりも外側に向かって前記溝部を形成する工程であり、
    前記接合する工程は、前記溝部の一端が前記加圧シートの直下にあり、かつ、前記溝部の他端が前記加圧シートの直下からはみ出た状態で行われる、
    電力用半導体装置の製造方法。
  7. 前記接合する工程は、複数の前記半導体素子と前記回路部材とを接合し、前記加圧装置と前記複数の半導体素子との間に前記加圧シートを介して行われる、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  8. 前記接合する工程は、上側加圧板とガイドが設けられた下側加圧板とから構成された加圧装置を用いて行われ、かつ、前記ガイドによって前記接合材が塗布された前記回路部材を前記下側加圧板に対して位置決めした状態で行われる、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  9. 前記半導体素子は、シリコンに比べてバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体からなる、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電力用半導体装置の製造方法。
  10. 半導体素子と、
    前記半導体素子が接合される領域の周囲に突起部が形成された回路部材と、
    前記半導体素子を前記回路部材の主面に接合する焼結金属体と、
    を備え、
    前記突起部は、前記回路部材の前記主面上において、前記半導体素子が接合され領域の周囲に前記半導体素子を囲って互いに離間して複数形成され
    複数の前記突起部間の隙間を介して前記突起部によって囲まれた領域の内側と外側と連繋している
    電力用半導体装置。
  11. 半導体素子と、
    前記半導体素子が接合される領域の周囲に突起部が形成された回路部材と、
    前記半導体素子を前記回路部材の主面に接合する焼結金属体と、
    を備え、
    前記突起部は、前記回路部材の前記主面上において、前記半導体素子が接合された領域の周囲に、前記回路部材の前記主面に接合された前記半導体素子の周囲を囲むように一体となって形成され、
    前記突起部には前記突起部が囲む領域の内側から外側に向かって前記突起部を貫通する貫通穴が形成され
    前記貫通穴を介して前記突起部によって囲まれた領域の内側と外側とが連繋している、
    電力用半導体装置。
  12. 半導体素子と、
    溝部が形成された回路部材と、
    前記半導体素子を前記回路部材の主面に接合する焼結金属体と、
    を備え、
    前記溝部は、前記焼結金属体と離間して設けられ、前記回路部材の前記主面上において、前記半導体素子が接合され領域の周囲に、前記半導体素子の中心から前記半導体素子よりも外側に向かって放射状に形成され
    電力用半導体装置。
  13. 前記半導体素子は複数の半導体素子からなる、
    ことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  14. 前記半導体素子は、シリコンに比べてバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体からなる、
    ことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
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