JP6197369B2 - 配線基板の製造方法および配線基板製造用の型 - Google Patents

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Description

本願は、配線基板の製造方法および配線基板製造用の型に関する。
近年、電子機器は、小型化や高機能化が進展している。電子機器の小型化や高機能化に伴い、電子部品を実装する配線基板の配線パターンも微細化の一途を辿っている。配線パターンの微細化により、配線の幅も狭くなってきており、従来からあるフォトリソグラフィを用いた製造技術では微細なパターンの配線基板を製造することが困難になりつつある。
そこで、近年では、微細な凹凸が形成された型を樹脂材料などに押し付けて所望の配線パターンを形成するインプリントを用いた配線基板の製造技術が提案されている。インプリントを用いた製造技術によれば、フォトリソグラフィを用いた製造技術に比べると配線パターンの微細化を安価に実現することができる。なお、インプリントの際には、離型剤を型に塗布することになるが、離型剤としては、例えば、蒸気圧が高く、常圧下で昇華する物質である昇華性物質を用いたものも提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−114584号公報
微細なパターンの配線基板をインプリント技術で製造するには、適正な離型を実現することが望まれる。しかしながら、従来から用いられている離型剤では、製造工程における歩留まりに影響を与えない配線の幅に限界があり、配線パターンの更なる微細化に対応することが難しい。
そこで、本願は、インプリントの際の離型性が向上する配線基板の製造方法および配線基板製造用の型を提供することを課題とする。
本願は、次のような配線基板の製造方法を開示する。
基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面を、所定温度で消失する第1の膜によって覆い、前記所定温度で残存する第2の膜によって前記第1の膜を覆うように封止した型を、前記基板の前記絶縁性樹脂に載せる工程と、
前記凹凸面に形成されている前記配線パターンを、前記第1の膜及び前記第2の膜を挟んで前記絶縁性樹脂に転写する工程と、
前記配線パターンを前記絶縁性樹脂に転写した前記型を前記所定温度以上に加熱し、前記第1の膜を消失させる工程と、
加熱によって前記第1の膜を消失させた前記型を前記絶縁性樹脂から離型する工程と、を有する
配線基板の製造方法。
また、本願は、次のような配線基板製造用の型を開示する。
基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面と、
前記凹凸面を覆う、所定温度で消失する第1の膜と、
前記第1の膜を覆う、前記所定温度で残存する第2の膜と、を備える、
配線基板製造用の型。
上記配線基板の製造方法および配線基板製造用の型であれば、インプリントの際の離型性が向上する。
図1は、実施形態に係る配線基板の製造方法のフローを示した図の一例である。 図2は、実施形態に係る配線基板の製造方法の実行に際して用いる型を示した図の一例である。 図3は、実施形態に係る配線基板の製造方法における各工程と温度プロファイルとの関係を示したグラフである。 図4Aは、型を載せる工程を示した図の一例である。 図4Bは、配線パターンを転写する工程を示した図の一例である。 図4Cは、離型をする工程を示した第1の図の一例である。 図4Dは、離型をする工程を示した第2の図の一例である。 図4Eは、離型をする工程を示した第3の図の一例である。 図5は、型の製造方法のフローを示した図の一例である。 図6Aは、配線パターンを形成する工程を示した図の一例である。 図6Bは、封止部材を形成する工程を示した図の一例である。 図6Cは、第1の膜を形成する工程を示した図の一例である。 図6Dは、保護フィルムを剥離する工程を示した図の一例である。 図6Eは、第2の膜を形成する工程を示した図の一例である。 図7は、従来技術に係る配線基板の製造方法のフローを示した図の一例である。 図8は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第1例の図である。 図9Aは、第1例に係る熱インプリントの工程によって生じる型の破損状態を示した図の一例である。 図9Bは、第1例に係る熱インプリントの工程によって生じるパターン欠陥を示した図の一例である。 図10は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第2例の図である。 図11は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第3例の図である。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本願で開示されるものの技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
図1は、実施形態に係る配線基板の製造方法のフローを示した図の一例である。本実施形態に係る配線基板の製造方法は、図1に示すように、型を載せる工程(S101)と配線パターンを転写する工程(S102)と離型する工程(S103)とを有する。以下、実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る配線基板の製造方法の実行に際して用いる型を示した図の一例である。型1は、例えば、基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面2と、凹凸面2を覆う、所定温度で消失する第1の膜3と、第1の膜3を覆うよう
に封止する、所定温度で残存する第2の膜4と、を備えている。また、型1は、凹凸面2と第2の膜4との間に挟まれる第1の膜3を封止する封止部材であって、第1の膜3の縁に沿って第1の膜3を取り囲むように形成した封止部材5を備えている。
なお、所定温度とは、第1の膜3が気体になる温度であり、例えば、第1の膜3が昇華し又は気化する温度である。また、所定温度で消失する膜とは、所定の温度に達すると昇華又は気化し、膜としての形態を失うものをいう。また、所定温度で残存する膜とは、所定温度に達しても昇華又は気化することなく、膜としての形態を維持するものをいう。また、昇華とは、液体を経ずに固体から気体へ相変化する現象をいう。
基板を覆う絶縁性樹脂は、加熱すると硬化する熱硬化性樹脂が好ましい。絶縁性樹脂として適用可能な熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を挙げることができる。また、封止部材5は、加熱されると軟化し、凹凸面2と第2の膜4との間に挟まれる第1の膜3の封止状態を解除する熱可塑性の部材であることが好ましい。封止部材5が加熱によって軟化し、封止状態を解除するものであれば、第1の膜3を所定温度に加熱した場合の第1の膜3の消失が阻害されない。封止部材5として適用可能な熱可塑性の部材としては、例えば、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルフォン等の熱可塑性樹脂を適用可能である。
図3は、本実施形態に係る配線基板の製造方法における各工程と温度プロファイルとの関係を示したグラフである。所定温度で気体になる第1の膜3の素材として、例えば、フマル酸を用いる場合、所定温度は、フマル酸の昇華点である約200℃となる。よって、例えば、第1の膜3がフマル酸で形成されている場合、第2の膜4は、約200℃に達しても消失しない素材で形成することになる。もっとも、第1の膜3は、絶縁性樹脂に形作る配線パターンの形成において型としての役割を担う部分でもある。よって、配線パターンの精度を確保する観点に鑑みれば、第1の膜3は、絶縁性樹脂を硬化させる際の加熱時において、固体状態を維持するものであることが好ましい。例えば、フマル酸を第1の膜3の素材として用いる場合、基板を覆う絶縁性樹脂は、凹凸面2による配線パターンの転写を可能とするべく、型1が押圧されると凹凸面2の形状に従って変形する柔軟性を有し、且つ、約200℃に達する前に硬化する素材で形成されていることが望まれる。上述した熱硬化性エポキシ樹脂は、約130℃に達すると軟化し、約180℃に達すると硬化反応を生じる特性がある。よって、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を絶縁性樹脂の素材とした場合、昇温によってフマル酸を用いた第1の膜3が消失する前に絶縁性樹脂を硬化させることができ、更に、絶縁性樹脂の硬化前に第1の膜3が昇華するのを防ぐことができる。なお、第2の膜4の素材として適用することが可能な約200℃に達しても消失しない素材としては、例えば、銅等の金属類で形成した硬質の薄膜を挙げることができる。
例えば、フマル酸を第1の膜3の素材として用いる場合、基板を覆う絶縁性樹脂は、凹凸面2による配線パターンの転写を可能とするべく、型1が押圧されると凹凸面2の形状に従って変形する柔軟性を有し、且つ、約200℃に達する前に硬化する素材で形成されていることが望まれる。ところで、上述した熱硬化性エポキシ樹脂は、約130℃に達すると軟化し、約180℃に達すると硬化反応を生じる特性がある。よって、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を絶縁性樹脂の素材とした場合、昇温によってフマル酸を用いた第1の膜3が消失する前に絶縁性樹脂を硬化させることができる。
なお、第1の膜3の素材として適用可能なものとしては、フマル酸の他、例えば、トリメチルアミン塩酸塩、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、ヘキサメチレンテトラミン等の昇華性の素材を挙げることができる。トリメチルアミン塩酸塩の昇華点は約200℃であり、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸の昇華点は約210℃であり、ヘキサメチレンテトラミンの昇華点は約260℃であるため、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸
やヘキサメチレンテトラミンを用いる場合は所定温度の値を引き上げることになる。
また、封止部材5は、所定温度において第1の膜3の封止状態を解除可能とし、且つ、絶縁性樹脂が十分に硬化する前には第1の膜3が消失しないように封止状態を維持するものであることが望まれる。例えば、昇華性のフマル酸を第1の膜3の素材として用い、熱硬化性エポキシ樹脂を絶縁性樹脂の素材とする場合、封止部材5の素材としては、ポリサルフォン製の熱可塑性樹脂シートが好適である。ポリサルフォンであれば、ガラス転移温度が約190℃であるため、所定温度に到達する前の第1の膜3の消失を防ぐことができ、且つ、所定温度に達した第1の膜3の消失を阻害することも無い。なお、ポリアリレートのガラス転移温度約193℃であり、ポリエーテルサルフォンのガラス転移温度約204℃であり、ポリフェニルサルフォンのガラス転移温度約220℃である。よって、封止部材5の素材としてポリエーテルサルフォンやポリフェニルサルフォンを用いる場合、所定温度の値を引き上げることになる。
図4Aは、型を載せる工程を示した図の一例である。本実施形態に係る配線基板の製造方法の実行に際しては、例えば、図2に示したような上述の型1を、絶縁性樹脂7で覆われた基板6に載せる。
図4Bは、配線パターンを転写する工程を示した図の一例である。型1を基板6に載せた後は、型1を載せた基板6の絶縁性樹脂7を加熱して絶縁性樹脂7を軟化させて型1を加圧し、凹凸面2に形成されている配線パターンを第1の膜3及び第2の膜4を挟んで絶縁性樹脂7に転写する。配線パターンを転写する際の絶縁性樹脂7の温度は、絶縁性樹脂7が軟化する温度であれば如何なる温度であってもよい。絶縁性樹脂7が、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂であれば、配線パターンを転写する際の絶縁性樹脂7の温度を約130℃以上にする。
配線パターンが転写された後は、絶縁性樹脂7を更に加熱し、熱硬化させる。上述したように、絶縁性樹脂7が例えば熱硬化性エポキシ樹脂の場合であれば、絶縁性樹脂7を約180℃に加熱することで、配線パターンが転写された絶縁性樹脂7を硬化させることができる。
図4Cは、離型をする工程を示した第1の図の一例である。絶縁性樹脂7を硬化させた後は、封止部材5を加熱し、第1の膜3の封止状態を解除する。上述したように、封止部材5が例えばポリサルフォンであれば、封止部材5をポリサルフォンのガラス転移温度である約190℃に加熱することで、封止部材5を軟化させることができる。封止部材5が軟化すると、第1の膜3を封止する密封構造の強度が低下することになる。
図4Dは、離型をする工程を示した第2の図の一例である。封止部材5が軟化した後も更に加熱を続け、第1の膜3が所定温度に達すると、第1の膜3が気化し始める。第1の膜3が気化し始めるときには、封止部材5が既に軟化しているため、膨張した第1の膜3が封止部材5を押しのける。この結果、凹凸面2と第2の膜4との間にあった第1の膜3が封止部材5のあった部分から外部へ気散して消失し、型1の配線パターンを覆う膜としての形態を失う。また、第1の膜3は消失の過程で膨張するため、型1は、第1の膜3の消失に際して凹凸面2全体が第1の膜3から受ける力により、型1が基板6に対して概ね平行な状態を保持したまま浮き上がる。
図4Eは、離型をする工程を示した第3の図の一例である。第1の膜3が消失した後は、型1を基板6から引き離し、基板6を冷却する。型1と絶縁性樹脂7との間の密着力は、第1の膜3の消失によって既に失われているため、型1を基板6からスムーズに引き離すことができる。
上記実施形態に係る配線基板の製造方法において用いた型1は、例えば、以下の様な方法で製造することができる。
図5は、型1の製造方法のフローを示した図の一例である。型1の製造方法は、図5に示すように、配線パターンの凹凸面2を形成する工程(S201)と封止部材5を形成する工程(S202)と第1の膜3を形成する工程(S203)と第2の膜4を形成する工程(S204)とを有する。以下、型1の製造方法について説明する。
図6Aは、配線パターンを形成する工程を示した図の一例である。型1の製造にあたっては、まず、板状の素材を用意する。用意する素材は、如何なるものであってもよいが、絶縁性樹脂7に配線パターンを転写可能な硬さを有する素材であることが好ましい。絶縁性樹脂7に配線パターンを転写可能な硬さを有する素材としては、例えば、石英や金属、硬質の樹脂、Si等を挙げることができる。板状の素材に対して各種の加工を施し、配線パターンの凹凸面2を形成する(S201)。
図6Bは、封止部材5を形成する工程を示した図の一例である。配線パターンを形成した後は、表面を保護フィルム8で覆った封止部材5を、凹凸面2の縁に沿って形成する(S202)。封止部材5として、例えば、ポリサルフォン製の熱可塑性樹脂シートを用いる場合、シート状の封止部材5を凹凸面2の縁に沿って貼り付ける。
図6Cは、第1の膜3を形成する工程を示した図の一例である。封止部材5を形成した後は、第1の膜3を形成する(S203)。第1の膜3は、例えば、蒸着等によって形成可能である。第1の膜3は、型1の凹凸面2を覆うように形成する。
図6Dは、保護フィルム8を剥離する工程を示した図の一例である。型1の凹凸面2を覆うように第1の膜3を形成した後は、封止部材5の表面を覆う保護フィルム8を剥離する。
図6Eは、第2の膜4を形成する工程を示した図の一例である。第1の膜3を形成し、更に保護フィルム8を剥離した後は、第2の膜4を形成する(S204)。第2の膜4は、例えば、スパッタ等によって形成可能である。
図7は、従来技術に係る配線基板の製造方法のフローを示した図の一例である。従来技術に係る配線基板の製造方法のフローでは、図7に示すように、絶縁層ラミネートの工程(S1)、熱インプリントおよび仮硬化の工程(S2)、絶縁層粗化および残膜処理の工程(S3)、鍍金ベースを成膜する工程(S4)、Cu鍍金の工程(S5)、平坦化の工程(S6)、本硬化の工程(S7)がある。
従来技術に係る配線基板の製造方法のフローでは、熱インプリントおよび仮硬化の工程(S2)において、以下のような現象が発生することがある。
図8は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第1例の図である。本第1例では、離型剤109を塗布した型101を、絶縁性樹脂107で覆われた基板106に載せる(図8(A)を参照)。型101を基板106に載せた後は、型101を載せた基板106の絶縁性樹脂107を加熱して絶縁性樹脂107を軟化させ、型101を加圧して凹凸面102に形成されている配線パターンを絶縁性樹脂107に転写する(図8(B)を参照)。配線パターンが転写された後は、絶縁性樹脂107を更に加熱し、熱硬化させる。絶縁性樹脂107を熱硬化させた後は、絶縁性樹脂107を冷却し、型101を基板106から引き離して離型する(図8(C)を参照)。
図9Aは、上記第1例に係る熱インプリントの工程によって生じる型の破損状態を示した図の一例である。上記第1例に係る熱インプリントの工程によれば、型101に離型剤109を塗布しただけのものを用いているため、型101と絶縁性樹脂107との間の密着力が型101の強度を上回った場合、型101が破損し得る。例えば、型101の表面の一部または全部が荒れている場合、当該荒れている部分がアンカー効果を発揮し、型101と絶縁性樹脂107との間の密着力が高くなる。すなわち、アンカー効果によって離型性が悪化し、離型不良による型101の破損やパターン欠陥の発生に至る可能性が高まる。なお、荒れているとは、例えばサンドブラストを施した面のように、表面がざらついている状態をいう。
図9Bは、上記第1例に係る熱インプリントの工程によって生じるパターン欠陥を示した図の一例である。上記第1例に係る熱インプリントの工程によれば、型101に離型剤109を塗布しただけのものを用いているため、型101と絶縁性樹脂107との間の密着力が絶縁性樹脂107の強度を上回った場合、絶縁性樹脂107の一部が破損し、絶縁性樹脂107に転写された配線パターンに欠損が生じ得る。
従来技術に係る配線基板の製造方法のフローの場合、上述したように、離型に際して型の破損やパターン欠陥が生じ得る。型の破損やパターン欠陥が製品の歩留まりに与える影響は、配線が微細になるにつれて著しくなる。そこで、型の破損やパターン欠陥を生じさせない離型の実現が望まれる。型の破損やパターン欠陥を生じさせない離型としては、例えば、離型剤109に代わる素材を用いることが考えられる。離型剤109に代わる素材としては、例えば、上記実施形態に係る配線基板の製造方法において型1の第1の膜3として用いた昇華性のフマル酸が挙げられる。型101の離型剤109をフマル酸へ置き換えるのは、熱インプリントの工程が以下のように実現されることを意図したものである。
図10は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第2例の図である。本第2例では、離型剤109に代わり、フマル酸の昇華性薄膜103で凹凸面102を覆った型101を、絶縁性樹脂107で覆われた基板106に載せる(図10(A)を参照)。型101を基板106に載せた後は、型101を載せた基板106の絶縁性樹脂107を加熱して絶縁性樹脂107を軟化させ、型101を加圧して凹凸面102に形成されている配線パターンを絶縁性樹脂107に転写する。配線パターンが転写された後は、絶縁性樹脂107を更に加熱し、熱硬化させる(図10(B)を参照)。熱硬化の際、昇華性薄膜103は、絶縁性樹脂107に対する更なる加熱によって昇華が進行し、体積膨張を伴いながら消失する(図10(C)を参照)。絶縁性樹脂107を熱硬化させた後は、絶縁性樹脂107を冷却し、型101を基板106から引き離して離型する(図10(D)を参照)。
上記第2例に係る熱インプリントの工程であれば、加熱によって体積膨張する昇華性薄膜103を用いているため、離型剤109を用いる場合よりも型の破損やパターン欠陥が生じないように考えられる。しかしながら、昇華性薄膜103を用いた場合、実際には、熱インプリントの工程が以下のように実現される。
図11は、従来技術に係る熱インプリントの工程を詳細に示した第3例の図である。本第3例では、フマル酸の昇華性薄膜103で凹凸面102を覆った型101を、絶縁性樹脂107で覆われた基板106に載せる(図11(A)を参照)。型101を基板106に載せた後は、型101を載せた基板106の絶縁性樹脂107を加熱して絶縁性樹脂107を軟化させ、型101を加圧して凹凸面102に形成されている配線パターンを絶縁性樹脂107に転写する。配線パターンが転写された後は、絶縁性樹脂107を更に加熱し、熱硬化させる(図11(B)を参照)。熱硬化の際、昇華性薄膜103は、絶縁性樹
脂107に対する更なる加熱によって昇華が進行し、昇華性薄膜103の体積膨張が生じる。そして、昇華性薄膜103は昇華し始めるが、凹凸面102と絶縁性樹脂107との隙間を封止状態にするものが存在せず、凹凸面102と絶縁性樹脂107との隙間が開放されているため、昇華性薄膜103は、やがて型101と絶縁性樹脂107との隙間から消失する。昇華性薄膜103が消失すると、加熱されて熱硬化中の絶縁性樹脂107は変形し、型101の凹凸面102に密着する(図11(C)を参照)。絶縁性樹脂107を熱硬化させた後に、絶縁性樹脂107を冷却すると、絶縁性樹脂107が型101に密着した状態になっているため、離型に伴う型の破損やパターン欠陥が生じ得る(図11(D)を参照)。
一方、上記実施形態に係る配線基板の製造方法であれば、加熱によって第1の膜3を消失させた後に型1を取り除いているため、離型性が向上し、配線パターンを微細化可能である。上記実施形態に係る配線基板の製造方法であれば、例えば、型1の表面の一部または全部が荒れている場合であっても、加熱によって第1の膜3を消失させた後に型1を取り除いているため、当該荒れている部分がアンカー効果を発揮しない。よって、アンカー効果によって離型性が悪化し、離型不良による型1の破損やパターン欠陥の発生に至る可能性が極めて低い。この結果、製品の品質向上や型の長寿命化が図れることになる。
また、凹凸面2を覆う第1の膜3は、第2の膜4および封止部材5によって封止状態にあるため、例えば、第1の膜3として昇華性の素材を採用した場合であっても、第1の膜3の昇華が抑制され、第1の膜3を固体状態で封止状態の系内に保持できる。従って、絶縁性樹脂7の加熱硬化に際し、第1の膜3の硬化完了前に第1の膜3が消失し、絶縁性樹脂7が第2の膜4を介して型1に密着する可能性が低い。
また、上記実施形態に係る配線基板の製造方法に用いる型1は、凹凸面2を覆う第1の膜3を第2の膜4および封止部材5によって封止しているため、例えば、常温においても消失し得る素材を第1の膜3の素材として用いることも可能であり、第1の膜3の素材として用いることができる物質の種類の選択肢が多い。
なお、型1の配線パターンを絶縁性樹脂7に転写し、絶縁性樹脂7に配線パターンを形成した後は、例えば、絶縁性樹脂7の凹凸を埋めるCu鍍金や平坦化の処理を行うことにより、基板6に配線を形成した配線基板を完成させることができる。また、上記実施形態に係る配線基板の製造方法や型1は、上記の態様に限定されるものでなく、適宜変更し或いは組み合わせ可能である。例えば、凹凸面2は、凹凸が全面的に形成される態様に限定されるものでなく、凹凸が凹凸面2の特定の領域に形成されるものであってもよい。また、第1の膜3や第2の膜4は、一層ずつ設けたものに限定されるものでなく、例えば、複数層設けたものであってもよい。
また、本願は、以下のような付記的事項を含む。
(付記1)
基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面を、所定温度で消失する第1の膜によって覆い、前記所定温度で残存する第2の膜によって前記第1の膜を覆うように封止した型を、前記基板の前記絶縁性樹脂に載せる工程と、
前記凹凸面に形成されている前記配線パターンを、前記第1の膜及び前記第2の膜を挟んで前記絶縁性樹脂に転写する工程と、
前記配線パターンを前記絶縁性樹脂に転写した前記型を前記所定温度以上に加熱し、前記第1の膜を消失させる工程と、
加熱によって前記第1の膜を消失させた前記型を前記絶縁性樹脂から離型する工程と、を有する
配線基板の製造方法。(1、図1)
(付記2)
前記第1の膜は、昇華性の素材で形成された膜である、
付記1に記載の配線基板の製造方法。(2)
(付記3)
前記所定温度とは、前記第1の膜が気化する温度である、
付記1または2に記載の配線基板の製造方法。(3)
(付記4)
前記第2の膜は、金属製の膜である、
付記1から3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。(4)
(付記5)
前記型は、熱可塑性の素材によって形成された、前記凹凸面と前記第2の膜との隙間を封止する封止部材を更に備える、
付記1から4の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。(5)
(付記6)
基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面と、
前記凹凸面を覆う、所定温度で消失する第1の膜と、
前記第1の膜を覆うように封止する、前記所定温度で残存する第2の膜と、を備える、
配線基板製造用の型。(6、図2)
(付記7)
前記第1の膜は、昇華性の素材で形成された膜である、
付記6に記載の配線基板製造用の型。
(付記8)
前記所定温度とは、前記第1の膜が気化する温度である、
付記6または7に記載の配線基板製造用の型。
(付記9)
前記第2の膜は、金属製の膜である、
付記6から8の何れか一項に記載の配線基板製造用の型。
(付記10)
前記型は、熱可塑性の素材によって形成される、前記凹凸面と前記第2の膜との隙間を封止する封止部材を更に備える、
付記6から9の何れか一項に記載の配線基板製造用の型。
1,101・・型;2,102・・凹凸面;3・・第1の膜;4・・第2の膜;5・・封止部材;6,106・・基板;7,107・・絶縁性樹脂;8・・保護フィルム;109・・離型剤;103・・昇華性薄膜

Claims (5)

  1. 基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面を、所定温度で消失する第1の膜によって覆い、前記所定温度で残存する第2の膜によって前記第1の膜を覆うように封止した型を、前記基板の前記絶縁性樹脂に載せる工程と、
    前記凹凸面に形成されている前記配線パターンを、前記第1の膜及び前記第2の膜を挟んで前記絶縁性樹脂に転写する工程と、
    前記配線パターンを前記絶縁性樹脂に転写した前記型を前記所定温度以上に加熱し、前記第1の膜を消失させる工程と、
    加熱によって前記第1の膜を消失させた前記型を前記絶縁性樹脂から離型する工程と、を有し、
    前記型は、熱可塑性の素材によって形成された、前記凹凸面と前記第2の膜との隙間を封止する封止部材を備える、
    配線基板の製造方法。
  2. 前記第1の膜は、昇華性の素材で形成された膜である、
    請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記所定温度とは、前記第1の膜が気化する温度である、
    請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記第2の膜は、金属製の膜である、
    請求項1から3の何れか一項に記載の配線基板の製造方法。
  5. 基板を覆う絶縁性樹脂に転写する配線パターンが形成された凹凸面と、
    前記凹凸面を覆う、所定温度で消失する第1の膜と、
    前記第1の膜を覆うように封止する、前記所定温度で残存する第2の膜と、
    熱可塑性の素材によって形成された、前記凹凸面と前記第2の膜との隙間を封止する封止部材と、を備える、
    配線基板製造用の型。
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