JP6197332B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6197332B2
JP6197332B2 JP2013072116A JP2013072116A JP6197332B2 JP 6197332 B2 JP6197332 B2 JP 6197332B2 JP 2013072116 A JP2013072116 A JP 2013072116A JP 2013072116 A JP2013072116 A JP 2013072116A JP 6197332 B2 JP6197332 B2 JP 6197332B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic pressure
clutch
lock
disengagement
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013072116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014196770A (ja
Inventor
明宏 吉川
明宏 吉川
規善 栗田
規善 栗田
洋 筒井
洋 筒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2013072116A priority Critical patent/JP6197332B2/ja
Publication of JP2014196770A publication Critical patent/JP2014196770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6197332B2 publication Critical patent/JP6197332B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

本発明は、車輌等に搭載される流体伝動装置の入出力回転をロックアップし得るロックアップクラッチの係合状態を、油圧指令値に基づいて油圧制御する自動変速機の制御装置に関する。
近年、車輌に搭載される自動変速機にあっては、例えば燃費向上や変速ショックの低減のためにベルト式やトロイダル式等の無段変速機構を用いた無段変速機が多く採用されている。また、このような無段変速機にあっても、車輌停止時にエンジンのアイドル回転を許容するためにトルクコンバータ(流体伝動装置)が設けられており、更に、走行中におけるトルクコンバータの滑りロスを無くして燃費向上を図るため、該トルクコンバータのロックアップを行うロックアップクラッチが設けられているものが主流である。
上述のようにロックアップクラッチを備えた自動変速機では、減速時に所定の車速以下となるとロックアップクラッチの係合解除を行っている(特許文献1)。このようなロックアップの係合解除の制御では、エンジン回転数(エンジンの出力軸の回転数)とトルクコンバータのタービン回転数(自動変速機構の入力軸の回転数)との差から、ロックアップクラッチの係合が解除されたことを判断するようにしている。
特開2010−174973号公報
ところで、上述のロックアップクラッチの係合解除の制御では、ロックアップクラッチの係合解除が開始されてから完了するまでの目標時間を設定し、実際にロックアップクラッチの係合解除にかかった時間と目標時間とを比較することで、ロックアップクラッチの係合解除時の油圧指令値を補正する学習制御を行う。即ち、ロックアップクラッチの係合解除が開始されてから、エンジン回転数とタービン回転数との差からロックアップクラッチの係合解除を判断するまでの時間を実際にロックアップクラッチの係合解除にかかった時間として、この時間を上記目標時間と比較する。そして、係合解除の判断までにかかった時間が目標時間よりも長い場合には、係合解除の時間を短くすべくロックアップクラッチの係合解除時の油圧指令値を下げるように補正し、係合解除の判断までにかかった時間が目標時間よりも短い場合には、係合解除の時間を長くすべくロックアップクラッチの係合解除時の油圧指令値を上げるように補正する。
しかしながら、上述のように、ロックアップクラッチの係合解除をエンジン回転数とタービン回転数との差から判断する場合、ロックアップクラッチの係合解除を実際に検出している訳ではないので、誤検出する可能性がある。具体的には、実際にロックアップクラッチの係合解除が完了されている状態(解放状態)であっても、減速時の条件によっては、エンジン回転数の変化量(落ち込み量)とタービン回転数の変化量とが一致する場合がある。このようにエンジン回転数とタービン回転数との変化量が一致すると、ロックアップクラッチの係合解除が完了されているにも拘らず、エンジン回転数とタービン回転数との差が検出されない。
この結果、ロックアップクラッチの係合解除にかかった時間を実際にかかった時間よりも長く検出してしまい、上記目標回転数との差から学習制御を行う場合に、誤学習が発生してしまう。具体的には、目標時間よりも長いと判断されるため、係合解除の時間を短くすべく、必要以上に油圧指令値を下げてしまう。
そこで本発明は、ロックアップクラッチの係合解除をエンジンの出力軸の回転数と自動変速機構の入力軸の回転数との差から判断する構成で、油圧指令値の誤学習を防止できる自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は(例えば図1乃至図4参照)、エンジン(2)の出力軸(2a)と自動変速機構(5)の入力軸(5a)との間の動力伝達経路に配置される流体伝動装置(4)の入出力回転をロックアップし得るロックアップクラッチ(4e)の係合状態を、油圧指令値に基づいて油圧制御する自動変速機の制御装置(1)において、
前記ロックアップクラッチ(4e)の係合を解除する際の油圧指令値を設定する油圧設定手段(23)と、
前記エンジン(2)の出力軸(2a)の回転数と前記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の回転数との差回転を検出する差回転検出手段(24)と、
前記ロックアップクラッチ(4e)の係合解除が開始されてから前記差回転が所定の閾値以上となった場合に、前記ロックアップクラッチ(4e)の係合解除を判断する係合解除判断手段(25)と、
前記ロックアップクラッチ(4e)の係合解除が開始されてから完了するまでの目標時間と、前記ロックアップクラッチ(4e)の係合解除が開始されてから前記係合解除判断手段(25)により前記ロックアップクラッチ(4e)の係合解除を判断するまでの判断時間との差から、前記ロックアップクラッチ(4e)の係合を解除する際の油圧指令値を補正する油圧補正手段(26)と、
車輌の減速度と前記自動変速機構(5)の変速比との関係が、予め設定された前記ロックアップクラッチ(4e)の係合を解除したときの前記エンジン(2)の出力軸(2a)の回転数の変化量と前記自動変速機構(5)の入力軸(5a)の回転数の変化量とが一致する所定の領域内であり、且つ、前記判断時間が前記目標時間よりも長い場合に、前記油圧補正手段(26)による前記油圧指令値の補正を禁止する補正禁止手段(27)と、を備えたことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、車輌の減速度と自動変速機構の変速比との関係が、予め設定されたロックアップクラッチの係合を解除したときのエンジンの出力軸の回転数の変化量と自動変速機構の入力軸の回転数の変化量とが一致する所定の領域内である場合に、油圧補正手段による油圧指令値の補正を禁止するため、油圧指令値の誤学習を防止できる。
また、請求項に係る本発明によると、車輌の減速度と自動変速機構の変速比との関係が所定の領域内であり、且つ、判断時間が目標時間よりも長い場合に油圧補正手段による油圧指令値の補正を禁止している。言い換えれば、上述の関係が所定の領域内であっても、判断時間が目標時間以下である場合には、油圧補正手段による油圧指令値の補正を実行させる。このため、油圧指令値の補正を禁止する学習禁止領域を適切に設定でき、学習頻度の低下を抑制できる。
本発明を適用し得る無段変速機を示すスケルトン図。 本発明の実施の形態に係る無段変速機の制御装置を示すブロック図。 (A)比較例と、(B)本実施の形態との、ロックアップOFF学習制御に関するタイムチャート。 本実施の形態に係る制御の一例を示すフローチャート。
以下、本発明に係る実施の形態について、図1乃至図4を用いて説明する。まず、本発明を適用し得るベルト式無段変速機(CVT)3の概略構成について図1及び図2に沿って説明する。図2に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機としての無段変速機3は、自動変速機構としての無段変速機構5と、エンジン(駆動源)2と無段変速機構5との間に介在されるトルクコンバータ(流体伝動装置)4と、それらを油圧制御するための油圧制御装置6とを備えて構成されている。詳細には、無段変速機3は、図1に示すように、大まかにトルクコンバータ4と前後進切換え装置7と無段変速機構5とディファレンシャル装置17とを備えている。
トルクコンバータ4は、エンジン2のクランクシャフト(出力軸)2aと無段変速機構5の入力軸5aとの間の動力伝達経路に配置され、クランクシャフト2aに連結しているポンプインペラ4a,無段変速機構5の入力軸5aに連結しているタービンランナ4b,ワンウェイクラッチ4dを介して一回転方向に規制されているステータ4cを備えており、更にポンプインペラ4aとタービンランナ4bとを機械的に直接係合し得る(入出力回転をロックアップし得る)ロックアップクラッチ4eを有している。従って、エンジン2のクランクシャフト2aの回転は、ポンプインペラ4a,タービンランナ4b,ステータ4cを経由する油流を介して、又はロックアップクラッチ4eによる機械的結合により入力軸5aに伝達される。
前後進切換え装置7は、上記動力伝達経路に上記トルクコンバータ4と直列に配置され、1個のシンプルプラネタリギヤ7aを有しており、該プラネタリギヤ7aのサンギヤ7bが入力軸5aに固定され、リングギヤ7cがプライマリプーリ10に連結され、入力軸5aとピニオン7dを支持するキャリヤ7eとの間に前進クラッチ71が介在され、更にキャリヤ7eが後進クラッチ(ブレーキ)72に連結されている。したがって、これら前進クラッチ71及び後進クラッチ72は、上記動力伝達経路にトルクコンバータ4と直列に配置される。
これにより、前進クラッチ71が係合された状態では、サンギヤ7b及びキャリヤ7eに入力軸5aの入力回転が入力され、プラネタリギヤ7aが直結状態の一体回転となって該入力回転がリングギヤ7cよりプライマリプーリ10に伝達される。また、後進クラッチ72が係合された状態では、サンギヤ7bに入力軸5aの入力回転が入力されると共にキャリヤ7eの回転が固定され、該キャリヤ7eを介して反転された逆転回転がリングギヤ7cより無段変速機構5のプライマリプーリ10に伝達される。
無段変速機構5は、プライマリプーリ10、セカンダリプーリ12及びこれら両ベルトに巻掛けられたベルト(例えば金属製プッシュタイプベルト、金属製プルタイプベルト、金属リング等のあらゆる無端ベルトを含む)11を有して構成されている。プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ12の可動プーリが油圧制御され、プライマリプーリ10のベルト11の挟持半径が大きくされると共にセカンダリプーリ12のベルト11の挟持半径が小さくされると変速比が大きくなる方向(ダウンシフト)に変速され、反対に、プライマリプーリ10のベルト11の挟持半径が小さくされると共にセカンダリプーリ12のベルト11の挟持半径が大きくされると変速比が小さくなる方向(アップシフト)に変速される。
そして、セカンダリプーリ12に連結された出力ギヤ13は、カウンターシャフト14の一端側のギヤ14aに噛合され、カウンターシャフト14の他端側のギヤ14bは、ディファレンシャル装置17のリングギヤ15に噛合されている。したがって、無段変速機構5で無段変速された出力回転は、カウンターシャフト14を介してディファレンシャル装置17に伝達され、ディファレンシャル装置17において左右駆動軸(アクセルシャフト)16a,16bの差回転が吸収されつつ、それら左右駆動軸16a,16bに接続された車輪18a、18bに出力される。
油圧制御装置6には、エンジン2の回転に連動して駆動されるオイルポンプ(不図示)が備えられており、該オイルポンプで発生された油圧は、同じく図示を省略したプライマリレギュレータバルブ及びセカンダリレギュレータバルブにより、スロットル開度に基づきライン圧及びセカンダリ圧に調圧される。また、油圧制御装置6は、不図示の複数のソレノイドバルブなどを備えており、次述する制御部20の指令により、上述の油圧などを用いて無段変速機構5の変速、前後進切換え装置7やロックアップクラッチ4eの係合などの制御を行う。
つづいて、本実施の形態に係る無段変速機の制御装置(自動変速機の制御装置)1の概略構成について図2に沿って説明する。本無段変速機の制御装置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部20は、変速制御手段21及びロックアップ制御手段22を備えて構成されている。
また、制御部20には、アクセル開度センサ31、タービンランナ4bの回転速度(タービン回転数)、つまり無段変速機構5の入力軸5aの回転速度を検出するためのタービン回転数(入力軸)センサ32、無段変速機構5の出力軸の回転速度を検出するための出力軸回転数(車速)センサ33、及び、車輌の加速度を検出する加速度センサ34が接続されていると共に、エンジン2からエンジントルク(エンジンの出力トルク)とエンジン回転数(エンジンの出力軸の回転速度)とがそれぞれ信号として入力される。なお、タービン回転数は、無段変速機構5の出力軸(不図示)の回転数を検出してギヤ比等から算出してもよく、また、エンジン回転数は、無段変速機3に入力軸回転数センサを設ける等して検出してもよい。
上記変速制御手段21は、例えば図示を省略したシフトレバーの操作位置等に基づきD(ドライブ)レンジ又はR(リバース)レンジの状態であると、上述した前進クラッチ71又は後進クラッチ72を係合制御する。また、変速制御手段21は、シフトレバーの操作や走行状態に応じて油圧制御装置6に指令して、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ12の軸方向挟持圧を油圧制御することで無段変速機構5の変速制御を自在に行う。即ち、アクセル開度センサ31により検出されるアクセル開度及び出力軸回転数センサ33により検出される出力軸回転数(車速)に基づき(つまり走行状態に基づき)、エンジン2における最適な回転速度(以下、「エンジン回転数」という)、かつ最適な出力トルクとなるように変速比を判断する。
詳細には、変速制御手段21は、アクセル開度及び出力軸回転数に基づき、エンジンの最良燃費曲線から車輌の走行状態に応じた最適なタービン回転数(無段変速機構5の入力軸5aの回転速度)に対する目標タービン回転数(入力軸の目標回転数)を設定し、出力軸回転数に対する変速比を算出して、該変速比となるように油圧制御装置6を介して無段変速機構5を制御する。
上記ロックアップ制御手段22は、エンジン2から入力されるエンジン回転数信号に基づくエンジン回転数、出力軸回転数センサ33により検出される車速、油圧制御装置6内の油温等に基づくロックアップ条件が成立した場合に、ロックアップクラッチ4eの係合を判断し、油圧制御装置6のリニアソレノイドバルブ等を制御してロックアップ係合圧を上昇するロックアップ係合制御を行う。
また、ロックアップ条件が成立しなくなったことを判定した際は、ロックアップクラッチ4eの係合解除(ロックアップOFF)を行う解放制御を行う。このためにロックアップ制御手段22は、油圧設定手段23、差回転検出手段24、係合解除判断手段25、油圧補正手段26、補正禁止手段27を有する。
上記油圧設定手段23は、ロックアップクラッチ4eの係合を解除する際の油圧指令値を設定する。具体的には、ロックアップOFFする際に、油圧設定手段23の油圧指令値に基づき、油圧制御装置6がロックアップクラッチ4eの係合圧を所定量下げる。その後、この係合圧を徐々に下げていき、係合圧が0にされると、ロックアップクラッチ4eのロックアップOFFが完了する。
上記差回転検出手段24は、上記エンジン回転数からタービン回転数(インプット回転数)を減算して、エンジン2の出力軸2aの回転数と無段変速機構5の入力軸5aの回転数との差回転を検出する。
上記係合解除判断手段25は、ロックアップクラッチ4eの係合解除(ロックアップOFF)が開始されてから、差回転検出手段24により検出される差回転が所定の閾値以上となった場合に、ロックアップクラッチ4eの係合解除を判断する。即ち、ロックアップクラッチ4eが係合状態(ロックアップON)の場合、エンジン回転数とタービン回転数とが同じとなるが、ロックアップクラッチ4eの係合が解除されると、トルクコンバータ4の流体で動力を伝達する流体伝動部で動力伝達が行われるため、エンジン回転数とタービン回転数との間で回転数の差(差回転)が変化し得る。通常、減速時にロックアップOFFするので、ロックアップOFFが完了することでエンジン2の負荷が軽くなり、エンジン回転数が低下して差回転が大きくなる。係合解除判断手段25は、このときに変化した差回転が所定の閾値以上となった場合に、ロックアップクラッチ4eの係合解除が完了したと判断する。
上記油圧補正手段26は、ロックアップクラッチ4eの係合解除が開始されてから完了するまでの目標時間と、ロックアップクラッチ4eの係合解除が開始されてから係合解除判断手段25によりロックアップクラッチ4eの係合解除を判断するまでの判断時間との差から、ロックアップクラッチ4eの係合を解除する際の油圧指令値を補正する。具体的には、判断時間が目標時間よりも長い場合には、係合解除の時間を短くすべく、油圧設定手段23により設定されるロックアップクラッチ4eの係合解除時の油圧指令値を下げるように補正する。一方、判断時間が目標時間よりも短い場合には、係合解除の時間を長くすべく、油圧設定手段23により設定されるロックアップクラッチ4eの係合解除時の油圧指令値を上げるように補正する。
ここで、係合解除時の油圧指令値の補正とは、ロックアップOFF時に最初に下げる所定量の係合圧を変更するものである。したがって、油圧設定手段23により設定される油圧指令値が油圧補正手段26により補正されることで、ロックアップOFF時の最初に下げる所定量の係合圧が変更され、ロックアップOFF開始から完了までの時間が変化する。
上記補正禁止手段27は、加速度センサ34により検出される車輌の減速度(負の加速度)と、変速制御手段21により設定される無段変速機構5の変速比との関係が、予め設定されたロックアップクラッチ4eの係合を解除したときのエンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致する所定の領域内である場合に、油圧補正手段26による油圧指令値の補正を禁止する。
即ち、車輌の減速時の条件によっては、ロックアップクラッチ4eの係合解除が完了してもエンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致する場合がある。このような場合には、エンジン回転数とタービン回転数との差回転が変化しないので、ロックアップクラッチ4eの係合解除が完了しているにも拘らず、係合解除判断手段25がロックアップクラッチ4eの係合解除の完了を検出できない。このため、このような条件を満たす場合には、油圧補正手段26による油圧指令値の補正を禁止、即ち、油圧指令値の学習制御を禁止する。
本実施の形態では、このようにエンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致する所定の領域を、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係で規定している。言い換えれば、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比とが所定の領域に含まれる条件であると、エンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致するとしている。ここで、一致するとは、完全一致と完全一致ではないがほぼ一致するとみなせる範囲とを含む。
つづいて、このような制御について、図3を用いて具体的に説明する。図3(A)(B)は、それぞれ、上から、タービン回転数とエンジン回転数(E/G回転数)、ロックアップOFF学習値の信号、ロックアップクラッチ4eの係合圧の、ロックアップOFFを開始してからの時間経過による変化を示している。図3の横軸が時間軸である。また、図3(A)は、学習制御を禁止せずにロックアップクラッチ4eの係合状態を制御する比較例を示している。図3(B)は、上述のように学習制御を禁止する本実施の形態を示している。なお、何れの場合も、ロックアップクラッチ4eの係合解除開始から完了までの目標時間(ロックアップOFF目標時間)が、ロックアップクラッチ4eの係合解除開始から完了まで実際にかかった時間(実ロックアップOFF時間)と同じであるとする。
図3(A)に示すように、減速時に所定の車速以下となることで、ロックアップクラッチ4eの係合解除が開始される(ロックアップOFF開始)。このとき、ロックアップクラッチ4eの係合圧を所定量低下させる。次いで、係合圧を徐々に低下させていくが、このとき、エンジン回転数とタービン回転数との変化量(落ち込み量)が同じであると、実際にロックアップクラッチ4eの係合解除が完了(実ロックアップOFFタイミング)しても、エンジン回転数とタービン回転数との間で差回転が変化せず、実ロックアップOFF時間を越えても、係合解除判断手段25がロックアップクラッチ4eの係合解除を判断しない。
その後、エンジン回転数とタービン回転数との間で差回転が変化し(大きくなり)、所定の閾値以上となると、係合解除判断手段25がロックアップクラッチ4eの係合解除が完了したと判断(ロックアップOFF判断)する。このとき、ロックアップクラッチ4eの係合解除の開始から係合解除判断手段25が係合解除を判断するまでのロックアップOFF判断時間は、ロックアップOFF目標時間よりも長いため、油圧補正手段26が、ロックアップクラッチ4eの係合解除時の係合圧を下げるように油圧指令値を補正してしまう。即ち、ロックアップOFF学習値として、係合圧を下げるような値を油圧指令値に反映させてしまう。図3(A)の場合、実際には、目標時間通りにクラッチの係合解除が完了しているため、油圧指令値を補正する必要がなく、上述のように補正することは誤学習となる。
これに対して図3(B)の場合、ロックアップOFF判断時間が、ロックアップOFF目標時間よりも長い場合であっても、エンジン回転数とタービン回転数との変化量が同じとなるような場合には、補正禁止手段27が油圧補正手段26による補正を禁止する。即ち、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が、エンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致する所定の領域内である場合には、ロックアップOFF学習値を変化させない。
ここで、この所定の領域は、エンジン性能のばらつきなどを考慮して設定してあるため、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比とが所定の領域に含まれても、実際には、エンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致せず、エンジン回転数とタービン回転数との差回転が変化する可能性がある。このために本実施の形態の場合には、補正禁止手段27は、次述する条件を満たすと、油圧補正手段26による補正を実行させるようにしている。
即ち、補正禁止手段27は、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が所定の領域内であっても、判断時間が目標時間以下である場合には、油圧補正手段26による油圧指令値の補正を実行させる。言い換えれば、この場合には油圧補正手段26による補正を禁止しない。目標時間以下の時間でロックアップクラッチの係合解除の判断がされれば、仮に判断時間が実際に係合解除された時間と異なっても、少なくとも目標時間よりも早く解除されていることになる。したがって、この場合に油圧指令値を補正することは、係合解除の時間を目標時間に近づけることになる。このため、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が所定の領域内であっても、判断時間が目標時間以下である場合には、補正を禁止せずに、油圧補正手段26による補正を油圧指令値に反映させるようにしている。
つづいて、本実施の形態の制御の一例について、図4を用いて説明する。まず、ロックアップONの走行状態から減速することで、車速が所定の車速(X)以下となると、ロックアップOFF制御を開始する(S1)。即ち、ロックアップクラッチ4eの係合解除を開始する。そして、係合解除判断手段25が、エンジン回転数とタービン回転数との差回転からロックアップクラッチ4eの係合解除を判断したら(S2)、補正禁止手段27が、ロックアップOFF学習値の更新判断を行う(S3)。即ち、補正禁止手段27は、次の2つの条件を満たすか否かを判断する。(1)無段変速機構5の変速比と車輌の減速度との関係が所定の領域である。(2)ロックアップOFFの判断時間が目標時間よりも長い。そして、これら2つの条件の何れも満たす場合には(S3のYES)、補正禁止手段27が油圧補正手段26による補正を禁止して、ロックアップOFF学習値を更新しない、即ち、未更新(S4)のまま、ロックアップOFF制御が終了する(S5)。
一方、S3で2つの条件の何れかでも満たさなければ(S3のNO)、補正禁止手段27は、油圧補正手段26による補正を実行させ、ロックアップOFF学習値を更新する。即ち、油圧補正手段26によりロックアップクラッチ4eの係合解除時の油圧指令値を補正する(S6)。具体的には、上述の2つの条件のうち、(1)の「無段変速機構5の変速比と車輌の減速度との関係が所定の領域である」を満たさなければ、ロックアップOFFに対応したエンジン回転数とタービン回転数との差回転を検出できるため、判断時間が目標時間より長くても、当然、ロックアップOFF学習を更新する。また、(1)の条件を満たしたとしても、(2)の「ロックアップOFFの判断時間が目標時間よりも長い」を満たさなければ、即ち、判断時間が目標時間以下であれば、差回転により判断したロックアップOFFのタイミングが、実際にロックアップOFFされたタイミングと異なっていたとしても、少なくとも、目標時間以内にロックアップクラッチ4eの係合解除が完了しているため、ロックアップOFF学習値を更新し、ロックアップOFF制御が終了する(S5)。
以上説明したように本実施の形態によると、油圧指令値の誤学習を防止できる。即ち、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が、予め設定されたロックアップクラッチ4eの係合を解除したときのエンジン回転数の変化量とタービン回転数の変化量とが一致する所定の領域内である場合に、補正禁止手段27が、油圧補正手段26による油圧指令値の補正を禁止している。このため、図3(B)に示したように、実際にロックアップクラッチ4eの係合解除にかかった時間よりも判断時間が長くなった場合の油圧指令値の補正が反映されず、油圧指令値の誤学習を防止できる。
また、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が所定の領域内であっても、判断時間が目標時間以下である場合には、補正禁止手段27は、油圧補正手段26による油圧指令値の補正を実行させるため、油圧指令値の補正を禁止する学習禁止領域を適切に設定でき、学習頻度の低下を抑制できる。即ち、エンジン回転数とタービン回転数との変化量とが一致する所定の領域は、エンジン性能のばらつきなど考慮すると広めに設定する必要がある。このため、この所定の領域内で一律に補正を禁止してしまうと、学習頻度が低下する可能性がある。一方、上述したように、所定の領域内となる条件であっても、判断時間が目標時間以下である場合には、ロックアップOFF学習を更新した方が良い。言い換えれば、このような条件の場合には、学習を禁止しない方が良い。このように、本実施の形態の場合、車輌の減速度と無段変速機構5の変速比との関係が所定の領域内であっても、係合解除判断手段25による判断時間が目標時間以下である場合には補正を実行させることで、必要以上に学習が禁止されず、言い換えれば、学習禁止領域を適切に設定でき、学習頻度の低下を抑制できる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、本無段変速機の制御装置1を適用し得る無段変速機3として、ベルト式CVT型の自動変速機を一例として説明したが、これに限らず、ハイブリッド駆動装置やトロイダル式無段変速機等、変速比を自在に変更することが可能なものであれば、どのようなものであっても本発明を適用し得る。また、本発明は、このような無段変速機構を備えた構成以外に、前進5段、6段などの有段の自動変速機構を備えた構成にも適用可能である。
また、上述の説明では、油圧補正手段26による油圧指令値の補正は、ロックアップOFF時に最初に下げる所定量の係合圧を変更することにより行っているが、係合圧を所定量下げた後に、徐々に係合圧を下げていくときの傾き、言い換えれば、係合圧を下げていく速度を変更するようにしても良い。即ち、所定量の係合圧とその後に係合圧を下げていく速度との何れか、或いは、両方を変更するようにしても良い。
1 無段変速機の制御装置(自動変速機の制御装置)
2 エンジン
2a クランクシャフト(出力軸)
3 無段変速機(自動変速機)
4 トルクコンバータ(流体伝動装置)
4e ロックアップクラッチ
5 無段変速機構(自動変速機構)
5a 入力軸
6 油圧制御装置
20 制御部
21 変速制御手段
22 ロックアップ制御手段
23 油圧設定手段
24 差回転検出手段
25 係合解除判断手段
26 油圧補正手段
27 補正禁止手段

Claims (1)

  1. エンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸との間の動力伝達経路に配置される流体伝動装置の入出力回転をロックアップし得るロックアップクラッチの係合状態を、油圧指令値に基づいて油圧制御する自動変速機の制御装置において、
    前記ロックアップクラッチの係合を解除する際の油圧指令値を設定する油圧設定手段と、
    前記エンジンの出力軸の回転数と前記自動変速機構の入力軸の回転数との差回転を検出する差回転検出手段と、
    前記ロックアップクラッチの係合解除が開始されてから前記差回転が所定の閾値以上となった場合に、前記ロックアップクラッチの係合解除を判断する係合解除判断手段と、
    前記ロックアップクラッチの係合解除が開始されてから完了するまでの目標時間と、前記ロックアップクラッチの係合解除が開始されてから前記係合解除判断手段により前記ロックアップクラッチの係合解除を判断するまでの判断時間との差から、前記ロックアップクラッチの係合を解除する際の油圧指令値を補正する油圧補正手段と、
    車輌の減速度と前記自動変速機構の変速比との関係が、予め設定された前記ロックアップクラッチの係合を解除したときの前記エンジンの出力軸の回転数の変化量と前記自動変速機構の入力軸の回転数の変化量とが一致する所定の領域内であり、且つ、前記判断時間が前記目標時間よりも長い場合に、前記油圧補正手段による前記油圧指令値の補正を禁止する補正禁止手段と、を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
JP2013072116A 2013-03-29 2013-03-29 自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP6197332B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013072116A JP6197332B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013072116A JP6197332B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014196770A JP2014196770A (ja) 2014-10-16
JP6197332B2 true JP6197332B2 (ja) 2017-09-20

Family

ID=52357695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013072116A Expired - Fee Related JP6197332B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6197332B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4576821B2 (ja) * 2003-10-08 2010-11-10 トヨタ自動車株式会社 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP4321253B2 (ja) * 2003-12-18 2009-08-26 日産自動車株式会社 トルクコンバータのロックアップ制御装置
JP4941139B2 (ja) * 2007-07-09 2012-05-30 トヨタ自動車株式会社 ロックアップクラッチの制御装置
JP5467973B2 (ja) * 2010-08-30 2014-04-09 ダイハツ工業株式会社 車両の自動変速装置
JP5789839B2 (ja) * 2011-02-25 2015-10-07 ダイハツ工業株式会社 ロックアップクラッチの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014196770A (ja) 2014-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10207714B2 (en) Control device for continuously variable transmission
US9523400B2 (en) Lockup clutch control device
US10119580B2 (en) Control apparatus for vehicle
US9821806B2 (en) Control apparatus for vehicle
CN110388433B (zh) 车辆用动力传递装置的控制装置
JP6992562B2 (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
KR101629619B1 (ko) 무단 변속기 및 그 제어 방법
JP6500115B2 (ja) 自動変速機の制御装置および自動変速機の制御方法
JP6098303B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP6197332B2 (ja) 自動変速機の制御装置
KR101823843B1 (ko) 차량의 제어 장치 및 제어 방법
JP6036484B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2014199097A (ja) 無段変速機の制御装置
JP2011099470A (ja) 車両の制御装置
JP5195536B2 (ja) 車両の制御装置
JP6888536B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2006307925A (ja) ベルト式無段変速機のダウンシフト制御装置
JP2010203597A (ja) 車両の制御装置および制御方法
WO2020110658A1 (ja) 無段変速機の制御装置および制御方法
JP2014177974A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
WO2020095742A1 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2021080949A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2013160278A (ja) 車両の制御装置
JP2020034145A (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP2019105332A (ja) 変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6197332

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees