JP7356083B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
そこで、ブローバイガスに含まれる水分の氷結防止技術に関する提案がなされている。
しかし、特許文献2の技術では、ブローバイガスに対する十分な加熱効果を期待することができない虞がある。
以下の説明は、本発明を車両用エンジンに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
まず、本発明に係るエンジン1の概略構成について、図1に基づき説明する。
エンジン1は、4輪の車両に搭載されたガソリンエンジン(特に、4ストローク式内燃機関)である。このエンジン1は、列状に配置された6つのシリンダ21を備え、これらのシリンダ21が車体前後方向に沿って並んだ直列6気筒縦置きエンジンである。
吸気装置3は、エンジン本体2の一側、例えば、左側に形成された吸気ポートに接続された上流側及び下流側吸気通路31a,31bを有している。上流側吸気通路31aには、エアクリーナ32と、ターボ過給機5のコンプレッサ51等が介設されている。新気は、エアクリーナ32を介して上流側吸気通路31aに吸入され、後述するエアパイプ10を介してコンプレッサ51に送られる。下流側吸気通路31bには、スロットルバルブ33と、インタクーラ34と、サージタンク35等が介設されている。ここで、吸気通路31a,31b及びエアパイプ10が、燃焼室に吸気を流すための吸気管に相当している。
合成樹脂製のサージタンク35は、吸気ポートと吸気通路31bとの接続部分近傍領域に所定の容積室を形成するように設けられ、各気筒の燃焼室に供給される吸気量の平準化を図っている。
排気通路41の途中部には、排気系部品として、ターボ過給機5と、触媒コンバータ44と、GPF(Gasoline Particulate Filter)45等が夫々介設されている。触媒コンバータ44は、三元触媒を含んで構成され、GPF45は、排気ガスに含まれる粒子状物質を除去可能に構成されている。
図2,図3に示すように、エンジン本体2は、側壁部の左側領域に、直方体状のエアクリーナ32等が配設され、側壁部の右側領域に、ターボ過給機5、触媒コンバータ44、及びGPF45等が配設されている。尚、図2,図3では、説明の便宜上、触媒コンバータ44及びGPF45を省略している。以下、図において、矢印F方向を車体前後方向前方とし、矢印L方向を車幅方向左方とし、矢印U方向を車体上下方向上方として説明する。
ブローバイガス通路71は、上流端部が導出部23aに嵌合連結され、一旦上方に延びた後、右側程下方に移行して下流端部が接続部72を介してエアパイプ10に締結されている。これにより、導出部23aから導出されたブローバイガス中の水分を平坦部を経由することなくエアパイプ10に供給している。
図2~図4に示すように、エアパイプ10は、ターボ過給機5の後側に配設され、上流側吸気通路31aの下流端部とコンプレッサハウジング54のフランジ部54aとを接続している。このエアパイプ10は、アルミ合金鋳物により一体形成され、エアパイプ10の熱伝導率は、アルミ合金と同様、約200W/(m・K)である。
図4,図5に示すように、エアパイプ10は、筒状の本体部11と、この本体部11の左側に形成された筒状の接続管部12と、本体部11と接続管部12との間を連結するリブ部13等を備えている。
接続管部12は、上端部に軸線L2に対して直交する延長面において径方向外側に張り出したフランジ部12a(第3フランジ部)を有している。フランジ部12aには、単一のボルト穴が形成され、フランジ部12aと接続部72の下面が面接触状に重ね合わされた状態でボルト(図示略)を用いて接続部72がエアパイプ10に固定されている。
作用、効果の説明にあたり、本実施形態1と同仕様のモデルMAと、リブ部の省略以外モデルMAと同仕様のモデルMBとを準備し、CAD(Computer Aided Design)データに基づき接続管部に対する加熱効果についてCAE(Computer Aided Engineering)による解析を行った。この解析では、エンジン回転数が1500rpm、吸気充填効率が0.86、エンジン水温が50℃、外気温度が-30℃に設定した状態において、コンプレッサハウジングHの温度と接続管部のフランジ部FA,FBの温度との差(温度低下度合)について評価した。
尚、図6がモデルMAの温度分布、図7がモデルMBの温度分布を示している。
図6に示すように、コンプレッサハウジングHに近いフランジ部FA部分の温度差は約5℃、コンプレッサハウジングHから遠いフランジ部FA部分の温度差は約9℃であり、平均温度差は約7℃であった。図7に示すように、コンプレッサハウジングHに近いフランジ部FB部分及びコンプレッサハウジングHから遠いフランジ部FB部分共に温度差は約14℃であった。以上のことから、接続管部に対して連結領域を大きく確保したリブ部Rが、コンプレッサハウジングHからフランジ部FAに多くの熱を伝導して加熱効果向上に寄与していることが判明した。
また、第2インシュレータ部24bが、平面視にて前方に突出した略ハット状に形成されているため、走行風を整流しつつ第2インシュレータ部24bとコンプレッサハウジング54の隙間からタービンハウジング55の熱を走行風を介して接続管部12に伝達することができる。
1〕前記実施形態においては、6気筒の縦置きガソリンエンジンの例について説明したが、少なくとも縦置きエンジンであれば良く、エンジン種類、気筒数、型式、配置形態等は任意に設定することが可能であり、例えば、4気筒ディーゼルエンジンであっても良い。
2 エンジン本体
5 ターボ過給機
7 ブローバイガス還流装置
10 エアパイプ
11 本体部
11a フランジ部(第2フランジ部)
12 接続管部
12a フランジ部(第3フランジ部)
13 リブ部
24 インシュレータ
31a 上流側吸気通路
51 コンプレッサ
52 タービン
54 コンプレッサハウジング
54a フランジ部(第1フランジ部)
55 タービンハウジング
71 ブローバイガス通路
Claims (7)
- 排気ガスにより駆動されるタービンとこのタービンに連結され且つ吸気を加圧するコンプレッサとを有するターボ過給機と、エンジン内部に漏出したブローバイガスを吸気管に還流するブローバイガス管とを備えたエンジンの吸気装置において、
前記コンプレッサが収納され、前記吸気管に接続可能な第1フランジ部を有するコンプレッサハウジングを設け、
前記吸気管が、前記第1フランジ部に接合された第2フランジ部と、前記ブローバイガス管に接合された接続管部と、前記第2フランジ部の延長面上に形成され且つ前記第2フランジ部と接続管部とを連結するリブ部とを有することを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 前記吸気管が、この吸気管と前記コンプレッサとを接続するエアパイプを有し、
前記エアパイプに前記第2フランジ部と接続管部とリブ部とが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。 - 前記エアパイプはアルミ合金製鋳物で形成されたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの吸気装置。
- 前記接続管部は、その軸線が前記吸気管の軸線に対して交差することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のエンジンの吸気装置。
- 前記接続管部は、前記ブローバイガス管を接合するための第3フランジ部を有し、
前記リブ部は、前記第2フランジ部と第3フランジ部とを連結することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエンジンの吸気装置。 - 前記エンジンが車体前後方向に対して略平行な縦置き配置され、
前記ターボ過給機が前記エンジンの片側側部に支持され、
前記コンプレッサが前記タービンよりも車体前後方向後側に配設されたことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のエンジンの吸気装置。 - 前記エンジンの片側側部とターボ過給機との間に気筒配列方向に延設されたインシュレータを設けたことを特徴とする請求項6に記載のエンジンの吸気装置。
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