本明細書で提供される組成物及び方法が記載される前に、当然のことながら、実施態様は変わり得るので、記載される特定の方法、組成物、又は方法論に限定されるものではない。また当然のことながら、明細書中に使用される用語はいくつかの実施態様を記載する目的のためであり、そして実施態様の範囲を限定することを意図するものではない。
種々の方法及び実施態様が本明細書に記載されている。方法及び実施態様は互いに組み合わせることができる。本明細書に記載の定義及び方法は、文脈が明瞭に、それがそのように限定されるべきことを示さないかぎり、特定の方法及び実施例に限定されない。
本明細書に使用されるように、語句「被検体の検出」、「被検体を検出すること」は、単一信号での複数被検体の検出をいう。複数被検体の検出は、本明細書に記載のように、少なくとも、又は正確には単一信号での2つ、3つ、4つ、又は5つの被検体であり得る。
なお、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が別に指図しない限り複数の参照を含む。他に定義されない限り、本明細書に使われるすべての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等のいかなる方法も、本発明の実施態様の実施又はテストに使用することができるが、好ましい方法をここに記載する。本明細書に言及するすべての刊行物は、現在記載の主題を裏付ける程度に、その全体が参照によって組み入れられる。本明細書のいずれも、本主題が先行発明のせいで、そのような開示に先行する権利がないことの是認と解釈されるべきではない。
本明細書で使用されるように、用語「約」は、それが使用されている数の数値のプラス又はマイナス10%を意味する。従って、約50%は45%〜55%の範囲であることを意味する。加えて、語句「約X〜Y」は、「約X〜約Y」と同じであり、即ち用語「約」は「X」及び「Y」の両方を修飾する。
本明細書で使用されるように、用語「任意の」又は「場合により」は、その後に記載の構造、事象又は状況は起こり得るか又は得ないこと、そして記述は事象が起こる場合の例及びそれが起こらない場合の例を含むことを意味する。
本明細書で使用されるように、用語「サンプル」は、特定品(例えば被検体)を含有し又は特定品が含有することが疑われ得るいかなる流体媒質又は液体をも意味する。いくつかの実施態様では、更なる処理がなく溶解固体が多いサンプルが使用され得て、そしていくつかの実施態様では、多い固体(非溶解)を含有するサンプルは、フィルターを用いて又は更なる手動工程と併せて使用して分析され得る。サンプルはまた、本明細に記載の方法又はデバイスで使用されるより前に非濾過又は精製され得る。サンプルは、液体、懸濁液、抽出又は溶解サンプル、又は超臨界流体であってよい。サンプルがフローデバイス(縦又は横方向)で使用されようとしている場合、本明細書に記載のデバイス及びシステムを通しての流れを可能にするために、いくらかの流動性がサンプル又はエキスに存在する必要がある。サンプルの例は、限定されるものではないが、血液、食品スワブ、食品抽出物、食品懸濁液、食品培養物、細菌培養物、ウイルス培養物、増幅反応物、唾液、生体液、PCR反応物などを含む。サンプルはまた、別のサンプルから由来してもよい。例えば、PCR反応は、別のサンプル(例えば、食品、細胞、ウイルス、細菌、血液など)から抽出され、単離され、及び/又は精製されている核酸混合物で行うことができる。PCR反応物は別のサンプルから由来するサンプルであると考えられ得る。
「食品懸濁液」は、溶液に入れられ又は懸濁されている生の又は調理食品をいう。食品液は混合、ボルテックス又はブレンドされ得る。「食品培養物」はサンプルを濃縮する条件下で培養される食品サンプルである。この方法はまた「濃縮」とも言うことができる。濃縮は、単一信号で複数の被検体の有無をよりよく検出するためにサンプル分析を容易にするように使用することができる。サンプルはまた、異なるサンプルから由来する反応サンプルでもあり得る。反応サンプルの例は「濃縮物」である。例えば、血液又は食品サンプルは処理(例えば培養、精製、成分分離など)され得て、そして処理サンプルは複数被検体の検出用にテストすることができる。いくつかの実施態様では、2つの被検体が血液サンプル又は食品サンプルにおいて検出される。いくつかの実施態様では、被検体は2つの被検体に特異的な2つの増幅反応を行うことによって検出することができ、そして次いで2つの増幅産物は、サンプル中の2つの被検体の存在を同時に検出するために、単一信号で検出することができる。いくつかの実施態様では、3つの被検体が単一信号を用いて検出される。検出は同時であり得て、即ち、信号は、すべての被検体が同じサンプル中に存在するときにだけ生成される。信号の同時生成は、本明細書に記載されるブリッジ錯体の作成を通して達成することができる。ブリッジ錯体の非限定実施態様は、図1〜3に見ることができる。
本明細書で使用されるように、用語「固体支持体」は、選択したシステムに実質的に不溶で、又はそれが存在する選択したシステムから(例えば沈殿によって)容易に分離することができる材料を意味する。本法を実施するのに有用な固体支持体は、ある化合物又は分子(例えば捕捉試薬、抗体など)が固体支持体に結合されることを可能にするように活性化され又は活性化することができるグループを含むことができる。固体支持体は、例えば、アガロース、セファロース、ポリアクリルアミド、アガロース/ポリアクリルアミド共重合体、デキストラン、セルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ニトロセルロース、紙やすり、又は適切な固体支持体を提供することができるその他の適切な物質であってよい。いくつかの実施態様では、固体支持体は、クロマトグラフィーで用いるのに適切な顆粒、粉末又はゲルの形態であってよい。固体支持体はまた、ニトロセルロース、PVCなどのような膜であってよい。他のタイプの膜もまた使用できて、そして使用することができる膜のタイプには特定の要求はない。いくつかの実施態様では、固体支持体は試験膜である。試験膜の例は本明細書に記載される。
本明細書で使用されるように、用語「被検体」には、限定されるものではないが、抗原、細胞によってコード化される核酸分子、ウイルス、細菌又は他のタイプの微生物、増幅産物(例えばアンプリコン)、ペプチド、糖などが挙げられる。いくつかの実施態様では、被検体は、抗体又はその機能的フラグメントではない。核酸分子は、本明細書に記載の方法を、増幅方法(例えばPCR、RT−PCRなど)、ハイブリダイゼーション法、標識付きプライマーなどの他の公知の方法又はデバイスと組み合わせて用いることによって本明細書に記載のように検出することができる。用語「標的分子」は、用語「被検体」と互換的に使用することができる。増幅方法は、被検体の検出を容易にするように、サンプル中に存在する核酸分子の量を増幅するために使用することができる。本明細書に記載の方法を用いて検出することができる他のタイプの被検体には、限定されるものではないが、抗原、抗体、受容体、リガンド、キレート、タンパク質、酵素、核酸、DNA、RNA、農薬、除草剤、無機若しくは有機化合物、又はそれに対する特異的結合試薬が見出され得るいかなる材料も挙げられる。被検体はまた、同じタンパク質又はポリペプチドに存在する異なるエピトープと言うことができる。被検体はまた、病原性又は非病原性生物からの被検体と言うことができる。被検体はまた、サンプル中の関心ある被検体と言うことができる。即ち、被検体は、使用者がサンプル中の有無を測定する作用物質(agent)と言うことができる。
本明細書に論じられるように、被検体はPCR反応の産物のような増幅産物であり得る。PCR産物は、テストサンプルから核酸配列を増幅している。このように、サンプル中のPCR産物の検出は、PCR産物がそれに基づいている核酸配列が、当初のサンプル中に存在するかどうかを決定している。例えば、当業者が、食品サンプルが大腸菌に汚染されているかを決定している場合、大腸菌に特異的な核酸配列は(例えばPCRによって)増幅され、そして次いで本明細書に記載の方法に従って検出することができる。増幅産物(即ちアンプリコン)の検出は、食品サンプルが大腸菌に特異的なネイティブ核酸配列を含有したことを示す。この例は非限定的で、そして他の核酸配列又はネイティブサンプル中に存在する他のタイプの被検体を検出するのに適用することができる。被検体は当初のサンプル中にあるもの、又は、例えばPCRを用いることにより当初のサンプルから由来する被検体であり得る。複数の被検体が本明細書で提供される方法に従って単一信号で検出されているとき、被検体はまた、異種タグ又は相互作用ユニットを有することもでき、そして修飾被検体もまた被検体と言われる。いくつかの実施態様において、被検体は、蛍光タグ、ビオチン、ジゴキシゲニンなどの異種相互作用ユニットが無いであろう。
被検体は被検体の有無を検出するのに使用される試薬と異なる。このように、被検体が存在するかどうかを決定するためにサンプルに加えられる試薬は関心ある被検体ではない。例えば、典型的なサンドイッチアッセイでは、第一の抗体は固体支持体に取り付けられる。抗体でコーティングされた固体支持体は、抗体に結合する抗原の有無を決定するのにサンプルと接触させられる。二次抗体は次いでまた、抗原を検出するのに加えられる。二次抗体の存在は次いでしばしば、それが種々の手段(例えばHRP連結抗体)を通して検出することができるように、例えば、それに接合した(conjugated)酵素を有する第三の抗体の追加によって検出される。二次抗体は、それが一次抗原を検出するのに使用される試薬であることから、関心ある被検体ではない。従って、サンドイッチアッセイは、二次抗体が抗原、又は関心ある被検体の有無を検出するための試薬、又は手段であるので、本明細書に記載の方法に従って単一信号で複数の被検体の存在を検出しない。被検体はまた、ブリッジング実体(bridging entity)上に見出される成分又は一部分ではない。例えば米国公開出願番号2010/0273145で、図1及び2は、ブリッジング実体に結合する被検体を示し、それは次いで被検体の存在を検出するために信号伝達実体に結合する。ブリッジングユニットも、又はそのいかなる部分も、又はシグナル伝達実体も、被検体又は関心ある被検体ではない。これらの成分は、米国公開出願番号2010/0273145の場合に単一被検体の検出である被検体を検出するのに使用される試薬である。米国公開出願番号2010/0273145は、それにより、その図表及びそれらのコンポーネントの説明に関して参照によって組み入れられる。
いくつかの実施態様では、被検体は、病原体タンパク質のようなタンパク質である。病原体タンパク質は病原体に由来するタンパク質を言う。病原体の例としては、限定されるものではないが、ウイルス、原核生物及び、例えば、単細胞病原性生物及び多細胞寄生生物などの病原性真核生物が挙げられる。病原体はまた、それらが細胞内病原体であるライフサイクルの段階を含む原生動物病原体を含むことができる。本明細書に使われるように、用語「細胞内病原体」は、その生殖又はライフサイクルの少なくとも一部が宿主細胞内に存在し、そしてその中で病原体タンパク質を産生し又は産生されるようにするウイルス又は病原産物を意味する。病原体はまた、食品媒介病原体であり得る。
限定されるものではないが、細菌性病原体は、限定されるものではないが:肺炎球菌性、ブドウ球菌性、及び連鎖球菌性を含む、細菌性病原菌性グラム陽性球菌を含む。病原性グラム陰性球菌は、限定されるものではないが:髄膜炎菌性及び淋菌性を含む。病原性腸内グラム陰性桿菌としては、限定されるものではないが:腸内細菌科、シュードモナス、アシネトバクター、エイケネラ、類鼻疽、サルモネラ、細菌性赤痢、ヘモフィルス、軟性下疳、ブルセラ症、野兎病、エルシニア(パスツレラ)、ストレプトバチルス−モニリフォルミス、スピリルム、リステリア菌、豚丹毒菌、ジフテリア、コレラ、炭疽病、ドノバン症(鼠径肉芽腫)、及びバルトネラ症が挙げられる。病原性嫌気性細菌には、限定されるものではないが、破傷風、ボツリヌス中毒症、他のクロストリジウム属、結核、Hansen病、及び他のマイコバクテリアが挙げられる。病原性スピロヘータ疾患には、限定されるものではないが:梅毒、トレポネーマ症、イチゴ腫、ピンタ及び地方病性梅毒、及びレプトスピラ病が挙げられる。高病原性細菌及び病原性真菌によって引き起こされる他の感染症には、限定されるものではないが:放線菌症、ノカルジア症、クリプトコッカス症、ブラストミセス症、ヒストプラズマ症及びコクシジオイド症、カンジダ症、アスペルギルス症、ムコール菌症、スポロトリクム症、パラコクシジオイデス症、ペトリエリジオシス(petriellidiosis)、トルロプシス症、菌腫、クロモミコーシス、及び皮膚糸状菌症が挙げられる。リケッチア感染症には、限定されるものではないが、リケッチア属及びリケッチア症が挙げられる。マイコプラズマ及びクラミジア感染症の例には、限定されるものではないが:マイコプラズマ肺炎、性病性リンパ肉芽腫症、オウム病、及び周産期クラミジア感染症が挙げられる。病原性原虫及び蠕虫及びそれによる感染性真核生物は、限定されるものではないが:アメーバ症、マラリア、リーシュマニア症、トリパノソーマ症、トキソプラズマ症、ニューモシスチス・カリニ、バベシア症ジアルジア鞭毛虫症旋毛虫症フィラリア症住血吸虫症、線虫、吸虫又は肝蛭、及び条虫(サナダムシ)感染症が挙げられる。細菌はまた、限定されるものではないが、リステリア、大腸菌、カンピロバクター種及びサルモネラ種が挙げられる。いくつかの実施態様では、大腸菌は大腸菌0157である。
ウイルスの例としては、限定されるものではないが、HIV、A型、B型及びC型肝炎、FIV,レンチウイルス、ペスチウイルス、西ナイルウイルス、麻疹、天然痘、牛痘、エボラ、ウシコロナウイルスなどが挙げられる。他の病原体もまた、米国特許出願公開番号20080139494に記載され、それは参照によって本明細書に組み入れられる。
いくつかの実施態様では、病原体は食品媒介病原体である。被検体は食品媒介病原体に存在し得る。食品媒介病原体は汚染食品を摂食後に疾病を引き起こす病原体(例えばウイルス性又は細菌性)である。食品それ自体は直接病気を引き起こさないが、それはむしろ病気を引き起こす食品に存在する食品媒介病原体の摂取である。いくつかの実施態様では、食品媒介病原体は大腸菌、リステリア菌、カンピロバクター種、又はサルモネラ種である。いくつかの実施態様では、被検体は、食品媒介病原体被検体から選択される。例えば、食品媒介病原体被検体は、限定されるものではないが、大腸菌被検体、リステリア菌被検体、カンピロバクター属被検体、又はサルモネラ属被検体から選択できる。いくつかの実施態様では、被検体は特異O抗原である。いくつかの実施態様では、O抗原は大腸菌抗原及び/又はサルモネラ種O抗原であり、そして大腸菌及びサルモネラの検出に使用することができる。いくつかの実施態様では、被検体はフラゲリン抗原である。いくつかの実施態様では、被検体はカンピロバクターフラゲリン抗原である。いくつかの実施態様では、被検体は病原性大腸菌又はサルモネラから増幅される志賀毒素遺伝子のような病原性因子遺伝子である。いくつかの実施態様では、被検体は、増幅方法(例えばPCR又はRT−PCR)を介して増幅され、そして次いで本明細書に記載の方法に従って検出されるDNA又はRNA配列である。
本明細書に記載のように、被検体は増幅産物であり得る。PCR産物(例えば二本鎖PCR産物)のような増幅産物は相互作用ユニットで標識することができる。ユニットでの標識付き増幅産物の生成は、2つの相互作用ユニットで標識され又は接合されたプライマーの使用によって作ることができる。いくつかの実施態様では、被検体は、ブリッジング錯体が組み立てることができるように2つの異なる相互作用ユニットを有し、そして複数検体の検出が信号検出ユニットを通して可能である。
本明細書で使用されるように、用語「信号検出ユニット」は、被検体又は複数の被検体がサンプル中に存在するかどうかを決定するのに検出することができるユニットを意味する。信号検出ユニットは検出することができるいかなる試薬又は組成物であり得る。いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは捕捉試薬に取り付けられる。このように、信号検出ユニットは、その特異的結合パートナーに結合する捕捉試薬の存在を検出するのに使用することができる。捕捉試薬は直接検出試薬を含むことができ、又は捕捉試薬は更に検出試薬を含む粒子を含むことができる。いくつかの実施態様では、捕捉試薬及び/又は粒子は、色、コロイド金、放射性タグ、蛍光タグ、又は化学発光基質を含む。いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは近赤外若しくは赤外タグ又は基質を含む。いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは、色、コロイド金、放射性タグ、蛍光タグ、又は化学発光基質を含む。いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは、ナノ結晶、機能化ナノ粒子、アップコンバートナノ粒子、セレン化カドミウム/硫化カドミウム融合ナノ粒子、量子ドット、及び近赤外(NIR)フルオロフォア又はNIRスペクトルで発光することができる材料(限定されるものではないが、ランタニドクラスター及びフタロシアニン、並びにCuPc、PdPc、及びPtPcから成る発光ダイオードなど)を含む。いくつかの実施態様では、捕捉試薬及び/又は粒子は、限定されるものではないが、コロイド金、銀、放射性タグ、蛍光タグ、又は化学発光基質、近赤外化合物(例えば基質、分子、粒子)、又は赤外化合物(例えば基質、分子、粒子)、ナノ粒子、放射性ナノ粒子、量子ドット、磁性粒子、又は酵素などの信号検出ユニットに接合される。
信号検出ユニットはまた、例えば、ウイルス粒子、ラテックス粒子、脂質粒子、蛍光粒子、近赤外粒子、又は赤外粒子であり得る。本明細書で使用されるように、用語「蛍光粒子」は蛍光スペクトルで発光する粒子を意味する。本明細書で使用されるように、用語「近赤外粒子」は近赤外スペクトルで発光する粒子を意味する。本明細書で使用されるように、用語「赤外粒子」は赤外スペクトルで発光する粒子を意味する。いくつかの実施態様では、コロイド金は:約20nm、約30nm、又は約40nmの、又は約20〜30nm、約20〜40nm、約30〜40nm、又は約35〜40nmの範囲の直径サイズを有する。いくつかの実施態様では、粒子は金属合金粒子を含む。いくつかの実施態様では、金属合金粒子は約10〜約200nmの直径を有する。金属合金粒子の例としては、限定されるものではないが、金金属合金粒子、金−銀バイメタリック粒子、銀金属合金粒子、銅合金粒子、カドミウム−セレン粒子、パラジウム合金粒子、白金合金粒子、及び鉛ナノ粒子が挙げられる。
本明細書に論じられるように、信号検出ユニットは被検体の1つに結合することができる。被検体に結合する信号検出ユニットの非限定例は図1に示される。本明細書でより詳細に記載される図1は、捕捉試薬50を通して被検体40に結合する信号検出ユニット60を示す。しかしながら、信号検出ユニットはまた、錯体の他の部分に結合することができる。複数の被検体の双方が錯体中に存在するときにだけ必ず存在するいかなる成分も、信号検出ユニットに対する結合パートナーとなり得る。排他的ではないが、しばしばこれは被検体の1つであり得て、しかしまた被検体に結合される捕捉試薬であり得る。対照的に、いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは、固体支持体に存在する場合、固体支持体に結合される被検体、固体支持体、又は固体支持体に直接結合される試薬に単独で結合しない。例えば、図1では、信号検出ユニットは固体支持体10、捕捉試薬15、又は被検体20に直接結合し得ない。いかなる特定の理論にとらわれることなく、信号検出ユニットが固体支持体10、捕捉試薬15、又は被検体20と直接結合する場合、信号は必ず存在している複数の被検体無しに検出されるので、方法は偽陽性を呈し得る。例えば、図6は、マルチコンポーネントブリッジングユニットのコンポーネントに結合する信号検出ユニットを示す。ブリッジングユニット及びマルチコンポーネントブリッジングユニットの実施態様は本明細書に記載され、そして例えば、図4及び5を参照されたい。図6は、ブリッジングユニット30のコンポーネントに結合するその捕捉試薬50を備えた信号検出ユニット60を示す。ブリッジングユニット30は、粒子34、第一の捕捉試薬31、第二の捕捉試薬32、及び第三の捕捉試薬33を含む。図6は、第二の捕捉試薬32に結合する信号検出ユニットを示す。捕捉試薬32は、両方の被検体が錯体中に存在する場合、錯体中にだけ存在しよう。捕捉試薬32が存在しない場合、これは複数の被検体のブリッジ錯体がないことを意味する。従って、複数の被検体が錯体中に存在する場合、信号検出ユニットは錯体のほんの一部となり、それ故に偽陽性を回避しよう。両方の被検体が存在しない場合、捕捉試薬32は錯体の一部とならない、そして従って、信号検出ユニットに対する結合パートナーとならない。従って、複数の被検体が存在するときのみ、信号検出ユニットは検出可能となろう。従って、いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは、複数の被検体も存在するときだけ、存在する任意のコンポーネントに結合する。マルチコンポーネントブリッジングユニットの他の性質、特性、及び構造的特徴もまた本明細書に開示され、そして本開示に基づいて容易に明らかである。
本記載の方法が使用することができるデバイスの例は、例えば、米国特許番号8,012,770、2012年1月27日に出願された米国特許出願番号13/360,528、PCT公開番号WO2011/044574に記載され、その各々はその全体が参照によって組み入れられる。本記載方法は、しかしながら、マルチウェルプレート、アレイ、マイクロアレイなどのいくつものデバイス又は形式で、又は「ELISA」タイプ形式で使用することができる。デバイスの例もまた本明細書に記載されるが、これらの例は非限定である。本明細書に記載の方法はまた、側方流動デバイスと併せて使用することができる。側方流動デバイスでは、デバイスの異なる部分は垂直流デバイスと向かい合った同じ平面にある。側方流動デバイスの非限定例は、米国特許6,485,982、6,818,455、6,951,631、7,109,042、RE39,664などに見ることができて、その各々は本明細書によって参照によって組み入れられる。側方流動デバイスは、それらが垂直流デバイスに対して記載されているように、本明細書に記載の方法に対して適合することができる。側方流動デバイスでは、肯定的又は否定的結果を示す領域は、被検体の1つに結合する捕捉試薬を含むことができる。ブリッジユニットは、側方流動領域の1つに存在し得るか又はデバイスへの追加前に被検体と混合することができる―これはまた他のデバイス及び固体支持体にたいしても行うことができる。シグナル検出ユニットはまた、側方流動領域の1つに組み込むことができる。本開示から明らかなように、デバイス又は固体支持体のタイプは重要な意味は持たず、そして方法は本明細書に記載の実施例及び実施態様に基づいて適合することができる。
本明細書で使用されるように、用語「アンプリコン」は、PCR反応若しくは他の増幅反応又は方法によって増幅される核酸分子などの増幅産物を意味する。本明細書に論じられるように、アンプリコンは被検体であり得る。アンプリコンは二本鎖核酸分子であり得る。増幅産物は、抗体又は他の捕捉試薬システムを通して直接又は間接に検出することができ、本明細書に記載されるものを含む。増幅産物はまた、本明細書に記載のように全体において又は部分的にハイブリダイゼーション法を通して検出することができる。増幅産物はまた、例えば、RT−PCR又は線形増幅を通して生成することができる。
いくつかの実施態様では、アンプリコンはPCR産物である。PCR反応産物(例えばアンプリコン)は、別の抗体か又は、限定されるものではないが、ビオチン−アビジン/ストレプトアビジンシステム、システム、ハプテンシステム、などのシステムのような抗体、DNAのBRDU標識化、PCR産物が標識される場合に標識DNA、標識付きdNTPSなどを使用することができるインターカレート剤によって、それらが検出可能なように標識することができる。被検体は、例えは、限定されるものではないが、核酸(一本鎖又は二本鎖)であり得て、そして本明細書に記載のような抗体及び他の捕捉試薬システムで認識又は検出することができる。核酸分子は、ビオチン標識、又は本明細書に記載の方法を用いて検出することができる他のタイプの標識で標識することができる。標識の他の例は蛍光標識を含む。蛍光標識は例えば、フルオレセイン(例えばフルオレセインイソチオシアナート(FITC))、ローダミン(例えばテトラメチルローダミン(TAMRA))などであり得る。アンプリコンは標識付きプライマーを用いることによってこれらの標識で生成することができる。標識は増幅手順を通してアンプリコンに組み込むことができ、そしてこのようにして被検体の一部になり得る。標識はアンプリコンの鋳型として使用されるネイティブ配列中に見出されないことから、標識は異種タグと考えられ得る。本明細書に記載されている錯体を形成するのを助ける標識に結合する捕捉試薬(例えば抗体)を使用することができて、それが単一信号で複数被検体の検出を可能にする。これらの標識は相互作用ユニットとして機能することができる。複数被検体が単一信号で検出することができるように、どのようにして標識が相互作用ユニットとして機能することができるかの非限定例は、図3に示される。
例えば、いくつかの実施態様では、PCR反応は、被検体核酸配列に相同性を有するハプテン及び/又はビオチン標識付きDNA又はRNAプライマーで行われる。被検体核酸配列は、限定されるものではないが、食肉サンプルからの毒素遺伝子及び/又は毒素分子(例えば志賀毒素)であり得る。サンプルは、しかしながら、いかなるサンプルであってもよく、そして被検体は本明細書に記載のいかなるその他のタイプの被検体であってもよい。PCR反応は相互作用ユニットで複数被検体を生成するように行うことができる。プライマーでの増幅に続いて、PCRサンプルは本明細書に記載の方法を用いて検出することができる。PCR反応はまた、ジゴキシゲニン及び/又はTAMRAで及び/又はFITC及びTAMRA標識付きプライマーで行うことができる。これらは、捕捉試薬の使用を通して一緒にブリッジすることができる差分的(differentially)標識付きアンプリコンを作り出すことができ、単一信号で複数被検体の検出を可能にする。そのような錯体の例は図3に示される。
図3は、抗Dig抗体(即ち、捕捉試薬15)、ジゴキシゲニン/TAMRA標識付きアンプリコン(即ち、第一の被検体20、第一の相互作用ユニット21、及び第二の相互作用ユニット22)、抗ローダミン抗体(即ちブリッジユニット30)、FITC/TAMRA標識付きアンプリコン(即ち、第二の被検体40、第一の相互作用ユニット41、及び第二の相互作用ユニット42);及びビオチン化抗FITC抗体(即ち、信号生成ユニット60及び第三の捕捉試薬50)に結合するストレプトアビジン−金錯体を有する試験膜(即ち固体支持体10)を示す。
簡潔には、PCR反応が行われた後に、アンプリコンは固体支持体、ブリッジングユニット、及び信号検出ユニットと接触することができる。固体支持体は第一の被検体上で相互作用ユニットに結合する捕捉試薬を有することができる。ブリッジングユニットは、第一及び第二の被検体上で相互作用ユニットへの結合が被検体を一緒に錯体中に持ち込むように、第一及び第二の被検体上で相互作用ユニットに結合する捕捉試薬を有することができ、又は捕捉試薬であり得る。信号検出ユニットは、第二の被検体の1つに存在する相互作用ユニットに結合することができる。信号検出ユニットは次いで検出可能信号を放出することができ、又は信号検出ユニットは別の検出システムの追加によって検出することができる。例えば、図3では、信号検出ユニットは第二の被検体上で相互作用ユニットに結合する捕捉医薬(例えば抗体)である。信号検出ユニットはビオチン化される。信号検出ユニットの存在は次いでストレプトアビジンの付加によって決定することができる。ストレプトアビジンは存在する両方の被検体を有する錯体にだけ結合するであろう。図3に示される非限定例では、ストレプトアビジンは検出を可能にするコロイド金で標識される。しかしながら、他の標識又は検出システムはストレプトアビジンを検出するのに使用され得よう。本明細書に記載の垂直流デバイスの実施態様では、試験膜は捕捉試薬を有する固体支持体であり、そしてコンジュゲートパッドは、第二の被検体の相互作用ユニットへの信号検出ユニットの結合を検出する信号検出ユニット又は分子を含むことができる。
図7は、サンプル中の関心ある被検体の存在を検出するために、アンプリコンを用いて単一信号で複数の被検体を検出するのに使用し得る、非限定ワークフロー手順を示す。食品サンプル7000は病原性大腸菌の有無を決定するために分析される。食品サンプル7000は、食品サンプル中に存在する核酸を抽出、単離さもなければ利用可能にするために、処理される(例えば、濃縮、培養、核酸、精製、単離、抽出、又は他の類似工程)。処理サンプル7001中に存在する核酸配列は、例えば、限定されるものではないが、PCRなどによって増幅することができ、特定病原性大腸菌配列を増幅する。これらの配列の例は本明細書に記載される。特定プライマーセットは、それらが増幅される予定の標的配列に基づいて修飾することができるので、使用する必要はない。本明細書に記載のように、プライマーは標識することができ、それにより標識アンプリコン(異種相互作用ユニットを有する被検体)を作り出す。標的配列が食品サンプル及び処理サンプル中に存在する場合、第一の被検体7020及び第二の被検体7040が生成されよう。被検体は異種相互作用ユニットで示される(7021、7022、7041、及び7042)。被検体はブリッジユニット7030と混合することができる。混合物はブリッジ錯体7100を形成しよう。被検体は次いで、ブリッジ錯体を、捕獲試薬7015を含む固体支持体7010、及び捕獲試薬7050を含む信号検出ユニット7060と接触させることにより検出することができる。本明細書に論じられるように、捕獲試薬7050を含む信号検出ユニット7060は、膜上で吸収することができそしてブリッジ錯体と相互作用させることができる。捕獲試薬7015を含む固体支持体7010は抗体を有する試験膜であり得る。これらのエレメントは本明細書に記載のデバイスに組み込むことができる。図7は別々に行われている工程を示すが、これらはまた異なる順序で行うことができ、そしていくつかの工程が組み合わし得る。例えば、被検体をブリッジユニットと混合する工程はまた、被検体を捕捉試薬を含む信号検出ユニットと接触させることと組み合わすことができる。次いで固体支持体へ錯体を加える検出工程を続いて行うことができよう。いくつかの実施態様では、被検体、ブリッジユニット、捕捉試薬を含む信号検出ユニット、及び捕捉試薬を含む固体支持体は同時に又はほとんど同時に合わせて混合することができ、そして次いで信号検出ユニットを検出することができる。信号検出ユニットは、複数の被検体がテストされているサンプル中に存在するときだけ、検出され又はバックグラウンドレベルを超えて(即ちネガティブコントロールを超えて)検出されよう。即ち、図7では、両方の被検体、及びそれ故両方の標的配列が食品サンプル7000中に存在する場合だけ、錯体7200は形成されよう。被検体の1つが欠けている場合、錯体7200は形成されないであろう。図7に示されるワークフローはまた、錯体7200を形成しないいかなる非結合材料又は成分をも洗い流すための洗浄工程を含むことができる。洗浄工程はまた、本明細書に記載されるいかなる方法にも組み込み得る。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施態様では、単一信号で複数の被検体を検出する方法は、サンプル中に存在する複数の標的核酸配列を増幅することを含む。標的配列は被検体であり得て、又は増幅産物は被検体であり得る。増幅配列(例えば、PCR産物)の検出は、元のサンプル中における鋳型配列の存在を示す。
いくつかの実施態様では、単一信号で複数の被検体を同時に検出する方法は、a)単一信号で複数の被検体を検出するためのデバイスを複数の被検体を含む1つ又はそれ以上のサンプルと接触させること;及び関心のある第一の被検体及び関心のある第二の被検体の有無を同時に示す信号検出ユニットの有無を検出することを含む。デバイスは、限定されるものではないが、本明細書に記載のデバイスを含む被検体の有無を検出するのに使用されるいかなるデバイスでもあり得る。いくつかの実施態様では、デバイスは:コンジュゲートパッドとの流体接触における入口開口部;力部材;力部材と接触する摺動可能なロック部材;力部材と接触する取付部材;取付部材と接触するスライドボタン;及びコンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材含む検出膜システム;を含むハウジングを含み:少なくともコンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材の一部は実質的に互いに並列であり、力部材は検出膜システムと接触しそして検出膜システムに実質的に垂直に圧力をかけることができ、スライドボタンは摺動可能なロック部材を動かし、コンジュゲートパッドは第三の捕捉試薬を含む信号検出ユニットを含み;試験膜は試験膜に取り付けられた第一の捕捉試薬を含む。
いくつかの実施態様では、1つ又はそれ以上のサンプルは、関心のある第一の被検体、関心のある第二の被検体、及び第二の捕捉試薬を含むブリッジユニットを含み、ここで関心のある第一の被検体は、第一の捕捉試薬に結合する第一の相互作用ユニット及びブリッジユニットに結合する第二の相互作用ユニットを含み、そして関心のある第二の被検体は、ブリッジユニットを結合する第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含む。いくつかの実施態様では、信号検出ユニットは、第二の被検体に、第二の被検体の第一の相互作用ユニット又は第二の相互作用ユニットに、第一及び第二の被検体錯体の成分に、又は錯体が第一及び第二の被検体を含有するときだけ存在するブリッジユニットのコンポーネントに結合する、第三の捕捉試薬を含む。
いくつかの実施態様では、検出は、1つ又はそれ以上のサンプルの一部分がコンジュゲートパッドと接触して流れた後にコンジュゲートパッドを動かすこと、それによって、単一シグナルで複数の被検体の有無を示すように信号検出ユニットの検出用に試験膜の少なくとも一部分を露出することを含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは摺動可能なロック部材を動かすことによって動かされる。いくつかの実施態様では、1つ又はそれ以上のサンプルは検出膜システムを圧縮するに先だってコンジュゲートパッドと接触される。方法は、複数の被検体を検出するために複数サンプルで行うことができる。例えば、複数の増幅反応が複数のアンプリコン(被検体)を生成するように行われる場合、複数の増幅反応の各々は別々のサンプルと考えられる。単一信号で複数の被検体を検出するために、サンプルは混合される必要がある、複数のサンプルはデバイスと接触するより前に混合され、又は逐次的に、又は同時にデバイス(固体支持体)と接触することができる。
いくつかの実施態様では、第一及び第二の被検体はアンプリコンである。いくつかの実施態様では、第一及び第二の被検体はPCR反応産物である。いくつかの実施態様では、第一の被検体の第一の相互作用ユニットはジゴキシゲニン標識である。いくつかの実施態様では、第一の被検体の第二の相互作用ユニットはローダミン標識である。いくつかの実施態様では、第二の被検体の第一の相互作用ユニットはローダミン標識である。いくつかの実施態様では、第二の被検体の第二の相互作用ユニットはフルオレセイン標識である。いくつかの実施態様では、第三の捕捉試薬は第二の被検体の第二の相互作用ユニットに結合する。いくつかの実施態様では、第三の捕捉試薬はビオチン化捕捉試薬である。いくつかの実施態様では、信号相互作用ユニットはストレプトアビジンでコーティングされる。いくつかの実施態様では、信号相互作用ユニットはストレプトアビジンコーティングされたコロイド金である。いくつかの実施態様では、第一及び第二の被検体は核酸増幅産物であり、ここで:第一の被検体はジゴキシゲニン標識及びローダミン標識を含み;第二の被検体はローダミン標識及びフルオレセイン標識を含み;第一の捕捉試薬は抗ジゴキシゲニン標識抗体であり;第二の捕捉試薬は抗ローダミン標識抗体であり;第三の捕捉試薬はビオチン化抗フルオレセイン標識抗体であり;そして信号相互作用ユニットはストレプトアビジンコーティングされたコロイド金である。
本明細書で及び全体にわたって使用されるように、用語「取り付けられる」又は「取付」は、直接取付又は間接取付の両方を含むことができる。互いに直接取り付けられる2つのコンポーネントはまた互いと物理的に接触している。互いに間接に取り付けられる2つのコンポーネントは中間コンポーネントを通して取り付けられる。例えば、コンポーネントAが直接コンポーネントCに取り付けられそしてコンポーネントCが直接コンポーネントBに取り付けられる場合、コンポーネントAはコンポーネントBに間接に取り付けることができる。従って、そのような例では、コンポーネントAはコンポーネントBに間接に取り付けられると言われよう。
用語「捕捉試薬」は、サンプル中に検出されようとしている標的分子又は被検体を結合することができる試薬を意味する。捕捉試薬の例には、限定されるものではないが、抗体又はその抗原結合フラグメント、オリゴヌクレオチド、及びペプトイドが挙げられる。捕捉試薬の他の例には、限定されるものではないが、小分子又はビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ハプテン、ジゴキシゲニン、BRDU、一本鎖及び二本鎖核酸結合タンパク質又はインターカレート剤などのタンパク質、又は同一物を認識しそして捕捉する分子が挙げられる。これらは捕捉試薬の非限定例である。他のタイプの捕捉試薬もまた使用することできる。
本明細書に論じられるように、捕捉試薬はまた、例えば、抗体を言うことができる。免疫グロブリンとしても知られるインタクト抗体は、通常各々約25kDaの2つの軽(L)鎖、及び各々約50kDaの2つの重(H)鎖から構成される通常四量体のグリコシル化タンパク質である。λ及びκと称される2つのタイプの軽鎖は抗体中に存在する。重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、5つの主要クラス:A、D、E、G、及びMに帰属され、そしてこれらのうちのいくつかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2に分けられ得る。各軽鎖はN末端可変(V)ドメイン(VL)及び定常(C)ドメイン(CL)から構成される。各重鎖はN末端Vドメイン(VH)、3つ又は4つのCドメイン(CH)、及びヒンジ領域から構成される。VHに最近接のCHドメインはCH1と呼ばれる。VH及びVLドメインは、フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)という名前の比較的保存された配列の4領域から成り、それは超可変配列の3領域(相補性決定領域、CDR)の足場(scaffold)を形成する。CDRはCDR1、CDR2、及びCDR3と言われる。従って、重鎖上のCDR構成成分はH1、H2、及びH3と言われ、一方で軽鎖上のCDR構成成分はL1、L2、及びL3と言われる。CDR3は、抗体又は抗原結合タンパク質−結合部位内の分子多様性の最大生成源である。例えば、H3は2つのアミノ酸残基と同じ短さ又は26アミノ酸より大きくてよい。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び3次元立体配置は当技術分野で周知である。抗体構造のレビューについては、Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Eds. Harlow et al., 1988を参照されたい。当業者は、各サブユニット構造、例えば、CH、VH、CL、VL、CDR、及び/又はFR構造が活性フラグメントを含むことを認識していよう。例えば、活性フラグメントは、抗原を結合するVH、VL、又はCDRサブユニットの一部分、即ち、抗原結合フラグメント、又はFc受容体又は補体に結合し及び/又は活性化するCHサブユニットの一部分から成り得る。
本明細書で使用される用語「抗原特異的抗体」内に包含される結合フラグメントの非限定例には:(i) Fabフラグメント、VL、VH、CL及びCH1ドメインから成る一価フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント; (iii) VH及びCH1ドメインから成るFdフラグメント; (iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインから成るFvフラグメント; (v)VHドメインから成るdAbフラグメント;及び(vi)単離CDRが挙げられる。更に、Fvフラグメント、VL及びVHの2ドメインは別々の遺伝子によってコード化されるが、それらは合成リンカーによって組換で接合され得て、VL及びVHドメインが一価分子を形成するように一対になる単一タンパク質を作り出す(単鎖Fv(scFv)として知られる)。最も一般に使用されるリンカーは15残基(Gly4Ser)3ペプチドであるが、他のリンカーもまた当技術分野で公知である。単鎖抗体はまた、用語「抗体又は抗原結合タンパク質」、又は抗体の「抗原結合フラグメント」内に包含されることを意図している。抗体はまた、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、抗原結合フラグメント、Fcフラグメント、単鎖抗体、又はそのいかなる誘導体でもあり得る。捕捉試薬又は抗体はまた、VHH領域、二重特異性抗体、抗原結合部位を含むペプチドフラグメント、又は関心のある抗原に化合物であり得る。関心のある抗原はアンプリコン又は他のタイプの被検体であり得る。
これらの抗体は購入することができるし又は当業者に公知の従来技術を用いて得ることができる、そしてフラグメントはインタクト抗体と同じように実用性のためにスクリーニングされる。抗体多様性は、可変ドメイン及び種々の体細胞事象をコード化する多重生殖細胞遺伝子によって作り出される。体細胞事象は、完全VHドメインを作るために多様性(D)の可変遺伝子セグメント及び接合(J)遺伝子セグメントの組換、及び完全VLドメインを作るために可変及び接合遺伝子セグメントの組換を含む。組換プロセス自体は不正確で、V(D)J接合部でアミノ酸の欠如又は付加をもたらす。これらの多様性の機構は、抗原曝露より前に発育中の(developing)B細胞で起こる。抗原刺激後、B細胞中の発現抗体遺伝子は体細胞突然変異を受ける。生殖細胞系列遺伝子セグメントの推定数に基づいて、これらのセグメントのランダム組換、最大1.6x107の異なる抗体までのランダムVH−VL対合が生成され得る(Fundamental Immunology, 3rd ed. (1993), ed. Paul, Raven Press, New York, N.Y.)。抗体多様性(体細胞突然変異のような)に寄与する他のプロセスを考慮に入れるとき、1x1010以上の異なる抗体が生成され得る(Fundamental Immunology, 3rd ed. (1993), ed. Paul, Raven Press, New York, N.Y.)と考えられる。抗体多様性生成に関与する多くのプロセス故に、同じ抗原特異性を備えた独立誘導モノクローナル抗体が同一アミノ酸配列を有するだろうとは思われない。
抗原、エピトープ、又は本明細書に記載の他の分子と特異的に相互作用することができる抗体又は抗原結合タンパク質分子は、当業者に周知の方法で生成し得る。例えば、モノクローナル抗体は公知の方法に従ってハイブリドーマの生成によって生成し得る。このようにして形成されたハイブリドーマは次いで、関心のある分子又は化合物と特異的に相互作用する抗体を生成する1つ又はそれ以上のハイブリドーマを同定するために、酵素免疫吸着法(ELISA)及びBiacore分析などの標準方法を用いてスクリーニングすることができる。
モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを調製する代替法として、本発明のポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、本発明のポリペプチドで組換コンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングすることによって、同定及び単離され得て、それによりポリペプチドに結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離し得る。ファージディスプレイライブラリーを生成及びスクリーニングする技術及び市販のキットは、当業者に周知である。加えて、抗体又は抗原結合タンパク質ディスプレイライブラリーを生成及びスクリーニングするのに特に用いやすい方法及び試薬の例は、文献中に見出すことができる。
用語「捕捉試薬」はまた、ヒト化抗体、並びに完全ヒト化抗体などのキメラ抗体を含む。いくつかの実施態様では、捕捉試薬は、ヤギ抗大腸菌0157:H7抗体Cat#:70−XG13(Fitzgerald Industries);大腸菌0157:H7モノCat#:10−E13A(Fitzgerald Industries);大腸菌0157:H7Cat#:10C−CR1295M3(Fitzgerald Industries);大腸菌0157:H7モノCat#:10−E12A(Fitzgerald Industries);又はヤギ抗マウスIgGCat#:ABSE−020(DCN)である。捕捉試薬はまた、例えば、プロテインA、プロテインGなどであり得る。捕捉試薬はまた、蛍光標識(例えばフルオレセイン又はローダミン)、ハプテン、ジゴキシゲニンなどに結合する又は特異的に結合する抗体であり得る。ストレプトアビジンのような捕捉試薬はコロイド金と接合することができる。ストレプトアビジン−金錯体は次いで、例えば、ビオチン化抗体のようなビオチン化産物に結合するのに使用することができる。非限定例は図3に見ることができる。図3に示される標識は例示目的だけのためでありそして他の順列(permutation)を使用することができる。
捕捉試薬はまた抗抗体を、即ち別の抗体を認識し、しかし限定されるものではないが、抗IgG、抗IgM、又は抗IgE抗体などの被検体に特異的ではない抗体を含むことができる。
本明細書で使用されるように、用語「同時に」は複数被検体の同時又はほとんど同時検出をいう。本明細書で使用されるように、「単一信号で複数の被検体を同時に検出する方法」、又はそのバリエーションは、単一アッセイ(例えば単一ウェル、単一ドット、アレイ上の単一位置)を使用する方法、又は単一信号で複数の被検体を検出するデバイスの単一使用をいう。異なるデバイス、ウェル、又はアレイが単一信号で複数の被検体を検出するのに使用される場合、これは単一信号で複数の被検体を同時に検出する方法ではない。方法が単一信号で複数の被検体を同時に検出する方法であるためには、方法は、単一位置(ウェル、ドット、膜又は他のタイプの固体支持体におけるラインなど)で単一信号(信号の例は本明細書に記載される)だけを生成する必要があり、それは複数の被検体がサンプル中に存在することを使用者に知らしめる。例えば、単一被検体がそのウェル(又はアレイ上のスポット)中に存在するかを示すのに異なるウェルで使われている、そして次いで複数被検体が存在するかを決定するのに複数ウェル(又はスポット)を分析している同じ信号は、単一信号で複数の被検体を同時に検出する方法ではない。
本明細書で使用されるように、用語「単一信号」は単一部分又は方法に基づく信号の検出を意味する。例えば、信号が赤色である場合、そのとき複数の被検体は赤色の存在時だけによって示される。即ち、この非限定例において、赤色は複数被検体がサンプル中に存在することを示す。対照的に、1つの被検体が赤色で示され、そして第二の被検体が黄色で示される場合、2色(即ち、信号)の使用は単一信号での複数被検体の検出ではない。信号は比色検出に限定されない。使用することができる信号の例は本明細書に提供される。
用語「検出すること」又は「検出」は、標的被検体の定性的及び/又は定量的測定を含むように最広義の意味で使用される。
本明細書で使用されるように、用語「相互作用ユニット」は、別の分子(例えば捕捉試薬、ブリッジユニット、又は信号検出ユニット)によって認識又は結合される被検体に取り付けられる被検体の一部又は異種タグ若しくは標識を意味する。相互作用ユニットは、被検体それ自体の一部であり得て又は異種タグ又は標識であり得る。相互作用ユニットはまた、被検体を認識する抗体又は他のタイプの捕捉試薬であり得る。いくつかの実施態様では、被検体は1、2、3、4、又は5より多い相互作用ユニットを含むことができる。いくつかの実施態様では、相互作用ユニットは、被検体それ自体又は被検体の一部である異種タグに存在する別の相互作用ユニットに結合する捕捉試薬である。例えば、被検体がペプチド又はタンパク質の一部である場合、タンパク質の一部又はペプチドそれ自体は、捕捉試薬、ブリッジユニット、又は信号検出ユニットによって認識される相互作用ユニットであり得る。いくつかの実施態様では、ペプチドはまた、異種タグ又は標識に共有結合し、そして異種タグ若しくは標識、又は異種タグ若しくは標識とペプチドの錯体は相互作用ユニットと考えられる。このように、いくつかの実施態様では、被検体は、第一の相互作用ユニット及び/又は第二の相互作用ユニットを含む。いくつかの実施態様では、1つ又は複数の相互作用ユニットは被検体それ自体に固有であり得て、又は1つ又は複数の相互作用ユニットは、架橋、化学反応を通した共有結合、非共有相互作用(例えば抗体−抗原、被検体の一部分と別の分子間のハイブリダイゼーションなど)などのいくつかの他の方法を通して加えられ得よう。相互作用ユニットが2分子(例えば2つのヌクレオチド配列)のハイブリダイゼーションによって形成される場合、そのように別の分子によって認識されるハイブリダイゼーション産物のそのような部分は相互作用ユニットと考えられ得よう。相互作用ユニットはまた、増幅反応を通して被検体に加えることができる。これは相互作用ユニットを含有するプライマーの使用を通して生成することができる。相互作用ユニットはまた、検出可能信号を有することができるが、それは検出されるこれらの信号ではない。
本明細書で使用されるように、相互作用ユニットに関する用語「異種」は、被検体にネイティブではないグループ、分子又は部分を意味する。例えば、増幅産物は、正に核酸分子又はヌクレオチド塩基を含むことができる。増幅産物は、しかしながら、限定されるものではないが、ハプテン、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光分子(例えばフルオレセイン又はローダミン)などのような異種タグに接合又は取り付けることができる。異種相互作用ユニットの例には、限定されるものではないが、ハプテン、ビオチン、核酸分子、ペプチドフラグメント(例えばHis−タグ、GST−タグなど)、酵素、ストレプトアビジン、アビジン、蛍光分子などが挙げられる。このリストは非限定であり、そしていかなる相互作用ユニットも使用することができる。被検体は、ジゴキシゲニン、ローダミン、フルオレセイン、DNP、BRDUなどの分子で標識することができ、そして次いで所定分子に特異的な捕捉試薬によって検出することができる。
いくつかの実施態様によれば、複数の被検体を検出する方法が提供される。本記載方法は複数被検体を検出するのに使用することができる。予想外の驚くべき結果は、複数検体が単一信号を用いて検出することができることである、これは、複数被検体の有無が1つの信号の検出だけで検出することができるという予想外の結果を有する。これは、サンプル中の複数被検体の存在を検出するのに同じ反応において別個の信号を用いる、又は複数被検体を検出するのに別々の反応及び方法の実施を必要とする、複数被検体の存在の検出とは対照的である。即ち、本明細書に記載の実施態様は、部分的に、単一信号の検出がサンプル中の複数被検体の存在を示し、又は単一信号の不存在がサンプル中の複数被検体の不存在を示すような、単一信号でサンプル中の複数被検体を同時に検出する方法を提供する。本実施態様は単一信号で少なくとも2、3、4、又は5つの被検体を同時に検出する方法を提供する。いくつかの実施態様では、方法は、単一信号で2、3、4、又は5つの異なる被検体を同時に検出するように使用することができる。多くの例が2つの被検体を検出するために提供されるが、方法は、3、4、又は5つの被検体の検出に対する本開示に基づいて適合しそして変更することができる。
本明細書で使用されるように、用語「異なる被検体」は、被検体が同じではないことを意味する。異なる被検体は、しかしながら、同じ名前で言うことができるが、異なる生物由来又は同じ生物の異なる株由来であり得る。例えば異なる生物は、同じ機能を有する遺伝子及びタンパク質を含有し、そして、従って、同じ名前が与えられていた。しかし遺伝子及びタンパク質は異なる源由来であり、そしてそれ故に異なる被検体と考えられる。それらは異なる配列を有しても又は有していなくともよい。異なる被検体はまた、異なる生物由来の被検体を意味する。例えば、いかなる多くの大腸菌株がある。すべての大腸菌株が食品媒介病を引き起こすわけではない。本方法は、例えば、非病原性大腸菌株由来の被検体を検出するのと対照的に、病原性大腸菌株由来の複数の被検体を検出するのに使用することができる。標準は、特定のタイプの被検体に対して本開示を通して作られ得るが、被検体は、限定されるものではないが、本明細書に記載の被検体のクラスに対していかなるタイプの被検体であってもよい。
例えば、いくつかの実施態様では、第一の被検体及び第二の被検体を同時に検出する方法が提供される。いくつかの実施態様では、方法は、第一の被検体を備えた第一の捕捉試薬を含む固体支持体、第二の被検体、第二の捕捉試薬を含むブリッジユニット、及び第三の捕捉試薬を含む信号検出ユニットを接触させること;そして第一の被検体及び第二の被検体の存在を示す信号検出ユニットの存在を検出することを含む。いくつかの実施態様では、第一の捕捉試薬は固体支持体に添着される。いくつかの実施態様では、第一の被検体は、第一の捕捉試薬に結合する第一の相互作用ユニット及びブリッジユニットに結合する第二の相互作用ユニットを含み;第二の被検体はブリッジユニットを結合する第一の相互作用ユニット及び信号検出ユニットに結合する第二の相互作用ユニットを含む。信号検出ユニットは次いで検出することができる。信号検出ユニットが検出される場合、それは複数検体が存在することを示す。
いかなる理論にも拘束されるのを望むことなく、複数被検体は錯体を形成することによって同時に検出することができる。いくつかの実施態様では、錯体は、第一の被検体、第二の被検体、ブリッジユニット、及び信号検出ユニットを含み、ここで錯体の各部材は直接又は間接に互いに結合する。サンプルは、固体支持体を保持しながら洗浄することができ、そして錯体が形成される場合だけ錯体は検出され得よう。これらの錯体の例は、更に本明細書に記載される図1〜3に見ることができる。
いくつかの実施態様では、第一の被検体及び第二の被検体を同時に検出する方法が提供され、方法は:固体支持体を関心のある第一の被検体、関心のある第二の被検体、第二の捕捉試薬を含むブリッジユニット、及び第三の捕捉試薬を含む信号検出ユニットと接触させること;及び関心のある第一の被検体及び関心のある第二の被検体の有無を同時に示す信号検出ユニットの有無を検出することを含み、ここで:第一の捕捉試薬は固体支持体に添着され;そして関心のある第一の被検体は、第一の捕捉試薬に結合する第一の相互作用ユニット及びブリッジユニットに結合する第二の相互作用ユニットを含み;そして関心のある第二の被検体はブリッジユニットを結合する第一の相互作用ユニットを含み;信号検出ユニットは、第二の被検体に、第二の被検体の第一の相互作用ユニット又は第二の相互作用ユニットに、第一及び第二の被検体錯体又は錯体が第一及び第二の被検体を含有するときだけ存在するブリッジユニットに結合する。
図1は、単一信号で2つの被検体を同時に検出するために形成され得る錯体を示す。図1は固体支持体10に添着された捕捉試薬15を示す。捕捉試薬15は第一の被検体20に結合する。ブリッジユニット30は第一の被検体に結合する。ブリッジユニットはまた第二の被検体40に結合する。図1はまた、第二の被検体40に結合する捕捉試薬50を含む信号検出ユニット60を示す。図1は、部材のすべてが存在しそして互いに結合することができるときだけ、この錯体が形成することを示す。次いで信号検出ユニットは検出することができる。図3はまた、単一信号で2つの被検体を検出する実施態様を示す。図3は特異的標識(例えばFITC、TAMRA、DIG、ビオチン、ストレプトアビジンなど・・・)を示すが、これらの標識は本開示に従って修正することができる。
いくつかの実施態様では、方法は1つ又はそれ以上の洗浄工程を含む。洗浄工程は非結合材料を除去するのに使用することができる。例えば、固体支持体が第一のサンプルと接触する場合、固体支持体はいかなる非結合材料を除去するように洗浄することができる。固体支持体がビーズであるいくつかの実施態様では、ビーズはサンプルと接触することができ、そして次いでビーズは洗浄することができる。ビーズ洗浄は日常的でありそして当業者に周知である。ビーズ又は他のタイプの固体支持体を洗浄する方法は、使用されそして頻繁には重要な特徴ではない特定の固体支持体に基づいて変更し又は選択することができる。
いくつかの実施態様では、第一の被検体を備えたサンプルは固体支持体と接触される。いくつかの実施態様では、混合物は固体支持体に結合されなかったいかなる材料ももはや存在しないように洗浄される。いくつかの実施態様では、固体支持体はまた、第二の被検体及び/又はブリッジユニットを含む同じサンプル又は異なるサンプルと接触される。次いで混合物はいかなる非結合材料をも除去するために再び洗浄することができる。いくつかの実施態様では、捕捉試薬を含む信号検出ユニットが加えられる。洗浄工程はまたいかなる非結合信号検出ユニットをも除去するために含むことができる。次いで信号検出ユニットは検出することができ、又は信号検出ユニットの存在を検出する別の試薬を加えることができる。いくつかの実施態様では、すべての工程は同時又はほとんど同時に行われる。方法の実施中、洗浄工程は適切な場合に挿入され得る。
いくつかの実施態様では、異なる被検体又はサンプルは、固体支持体に適用前に又は同時に、一緒に混合することができる。サンプルは、例えば、被検体を生成するのに使用され、又は生成することを試みられた増幅反応混合物であり得る。いくつかの実施態様では、異なる増幅反応が複数の被検体を増幅するために行われよう。従って、サンプル又は被検体が固体支持体に適用されるより前に、サンプル又は被検体は一緒に混合することができる。サンプル又は被検体はまた、固体表面と接触されるより前に捕捉試薬及び/又はブリッジングユニットと混合することができる。
いくつかの実施態様では、第一の被検体の第一及び第二の相互作用ユニット並びに第二の被検体の第一及び第二の相互作用ユニットは、各々独立して異種相互作用ユニットである。いくつかの実施態様では、第一の被検体の相互作用ユニット及び第二の被検体の相互作用ユニットはハプテンである。いくつかの実施態様では、第一の被検体及び第二の被検体の相互作用ユニットはフルオレセイン又はローダミン分子である。従って、いくつかの実施態様では、第一の被検体及び第二の被検体は共通して少なくとも1つの相互作用ユニットを有する。相互作用ユニットの共通性は、ブリッジングユニットが2つの被検体を検出可能錯体に入れることを可能にし得よう。いくつかの実施態様では、第一及び第二の被検体は同じ相互作用ユニットを有さない。いくつかの実施態様に対するそのような場合には、ブリッジング実体は、互いに2つの被検体を連結することができる二価の捕捉試薬(例えば二価抗体)であり得よう。二価捕捉試薬は第一及び第二の被検体の両方を同時に結合することができるであろう。いくつかの実施態様では、複数の被検体上に存在する相互作用ユニットの各々は異なる。いくつかの実施態様では、相互作用ユニットのいくつかは異なるが、相互作用ユニットのいくつかは同じである。いくつかの実施態様では、被検体はハプテン相互作用ユニット及びビオチン相互作用ユニットを含む。いくつかの実施態様では、第一の被検体はジゴキシゲニン相互作用ユニット及びローダミン相互作用ユニットを含み;第二の被検体はローダミン相互作用ユニット及びFITC相互作用ユニットを含み、そしてブリッジングユニットはローダミン相互作用ユニットに結合する。次いでブリッジングユニットは第一及び第二の被検体の両方を含有する錯体を形成することができる。これは、例えば図3で見ることができる。
いくつかの実施態様では、複数の被検体は同じタイプの被検体である。例えば、検出される被検体の各々はペプチドであり得る。いくつかの実施態様では、被検体の各々は増幅産物(例えばアンプリコン)のような核酸分子である。被検体はまた、限定されるものではないが、本明細書に記載の被検体を含むいかなるタイプであってもよい。いくつかの実施態様では、被検体は異なる。いくつかの実施態様では、第一の被検体は増幅産物であり、そして第二の被検体はタンパク質又はペプチドである。被検体のいかなる組み合わせも使用することができる。
本明細書で使用されるように、用語「ブリッジユニット」又は「ブリッジ」は、錯体において2つ又はそれ以上の被検体を連結することができる1つ又は複数の分子を意味する。即ち、例えば、ブリッジユニットは第一の被検体上の相互作用ユニット及び第二の被検体上の相互作用ユニットに結合できる。2つの被検体だけを検出する場合、1つのブリッジユニットを使用し得る。3つの被検体を検出する場合、2つのブリッジユニットを使用することができる。いくつかの実施態様では、方法は「n−1」ブリッジユニットを使用し、ここでは「n」は検出される被検体の数である。いくつかの実施態様では、単一ブリッジユニットが2つ以上の被検体を検出するのに使用される。ブリッジユニットの例には、限定されるものではないが、免疫グロブリン分子(例えばIgM、IgE、IgG、IgAなど)、ストレプトアビジン、及びブリッジユニットが1つより多い相互作用ユニットに結合することができるような複数の捕捉試薬を含む分子が挙げられる。いくつかの実施態様では、ブリッジユニットは多価捕捉試薬である。
いくつかの実施態様では、ブリッジユニットは化合物、物質、又は高分子の錯体である。例えば、ブリッジユニットは、抗体及び別々の抗体でコーティングされたナノ粒子を含み得る。この非限定例では、抗体でコーティングされたナノ粒子は、被検体又は被検体上の相互作用ユニットに結合する抗体を含有することができ、そしてまた別々の抗体に結合する抗体を含有することができる。別々の抗体は異なる被検体に結合することができる。抗体及び別々の抗体でコーティングされたナノ粒子の相互作用は次いで、異なる被検体を一緒にブリッジすることができ得る。このブリッジ錯体の非限定例示は図4及び5に見ることができ、それはまた下記に記載される。錯体であるブリッジの他のバリエーションもまた作られ得る。ブリッジユニットの正確な構造及び形態は、それが錯体中の複数の被検体を「ブリッジ」することができる限りは必須ではない。このように、ブリッジは、一緒に被検体をブリッジするのに複数サブユニット又はコンポーネントから構成され得よう。ブリッジユニットは2つの被検体をブリッジングして図示し検討することができるが、ブリッジユニットは、3、4、5、又はそれ以上の2つより多い被検体をブリッジするように設計することができる。従って、いくつかの実施態様では、ブリッジユニットは、2、3、4、5、又はそれ以上の被検体をブリッジする。いくつかの実施態様では、ブリッジユニットは、少なくとも2、3、4、又は5つの被検体をブリッジする。2つの検体をブリッジングする非限定例は説明目的だけのためであり、そして本明細書に開示の実施態様は2つの被検体だけをブリッジするのに限定されない。
本明細書に記載のように、本方法は2つより多い被検体を検出するのに適用することができる。例えば、第一の被検体、第二の被検体、及び第三の被検体を単一信号で同時に検出する方法が提供される。追加の被検体の検出のために、方法は同様のやり方で適合することができる。いくつかの実施態様では、方法は、固体支持体を備えた第一、第二、及び第三の被検体、第一のブリッジユニット、第二のブリッジユニット、及び信号検出ユニットと接触させること;及び第一、第二、及び第三の被検体の存在を単一信号で同時に示す信号検出ユニットの存在を検出すること、ここで第一の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み;第二の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み;第三の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み;固体支持体は第一の被検体の第一の相互作用ユニットに結合する第一の捕捉試薬を含み;第一のブリッジユニットは第一の被検体の第二の相互作用ユニット及び第二の被検体の第一の相互作用ユニットに結合し;第二のブリッジユニットは第二の被検体標識の第二の相互作用ユニット及び第三の被検体の第三の相互作用ユニットに結合し;そして信号検出ユニットは第三の被検体の第二の相互作用ユニットに結合する。いかなる理論にもとらわれることなく、第一、第二、及び第三の被検体は錯体を形成することから、被検体は同時に検出することができることが予想され、ここで錯体は固体支持体、第一の被検体、第二の被検体、第三の被検体、第一のブリッジユニット、第二のブリッジユニット、及び錯体の各部材が互いに直接又は間接に信号検出ユニットを含む。
図2は、図1に示される例に類似した3つの被検体を検出するために形成することができる錯体を示す。図2は第一の被検体70に結合された捕捉試薬15を備えた固体支持体10を示す。第一の被検体は第一のブリッジユニット80に結合される。第一のブリッジユニットは、第二のブリッジユニット30に同様に結合される第二の被検体20に結合される。第二のブリッジユニットはまた、捕捉試薬50に結合される第三の被検体40に結合される。捕捉試薬はまた信号検出ユニット60に結合される。このように、図2は、3つの被検体がどのように単一信号で検出することができるかの非限定例を示す。
図4は、1つより多い分子、高分子、又は物質から構成される非限定ブリッジ錯体を示す。これは多成分ブリッジ錯体と言われ得る。図4は、粒子34、第一の捕捉試薬31、第二の捕捉試薬32、及び第三の捕捉試薬33を含むブリッジユニット30を示す。ブリッジユニット30はまた、第一の被検体20及び第二の被検体40を合わせて、そして第一の被検体20及び第二の被検体40を連結する錯体からもたらすことができる。図4は、直接か又は間接に相互作用ユニットを通して、第一の被検体20に結合する第一の捕捉試薬31でコーティングされた粒子34(例えばナノ粒子、ポリスチレン、アガロースなど)、第二の被検体40に結合される第二の捕捉試薬32に結合する粒子34にも存在する第三の捕捉試薬33を示す。この錯体は次いで、図5に図示される本明細書に記載の方法及び組成物に従って検出することができる。図5は、第一の被検体20に結合された捕捉試薬15を備えた固体支持体10、及び第二の被検体40に結合する捕捉試薬50を含む信号検出ユニット60と相互作用する図4のブリッジ錯体を示す。本明細書に論じられるように、第二の被検体に結合する信号検出ユニットの図は説明の目的だけのためである。シグナル検出信号が固体支持体又は固体支持体それ自体と相互作用している被検体に結合していない限り、信号検出ユニットはまた、錯体の他の部分を結合することができる。固体支持体40は、例えば、図3に示される試験膜のような試験膜であり得る。固体支持体の他の例は本明細書で提供される。
本発明は、固体支持体、第一の被検体、第二の被検体、ブリッジユニット、及び錯体の各部材が直接又は間接に互いに結合する信号検出ユニットを含む錯体を提供する。いくつかの実施態様では、固体支持体は第一の被検体に結合され、ブリッジユニットは第一の被検体及び第二の被検体に結合され、そして信号検出ユニットは第二の被検体に結合される。いくつかの実施態様では、固体支持体は第一の捕捉試薬を含み、第一の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み、第二の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み、ブリッジユニットは、第一の被検体の第二の相互作用ユニット及び第二の被検体の第一の相互作用ユニットに独立して結合する1つ又はそれ以上の捕捉試薬を含み、そして信号検出ユニットは第二の被検体の第二の相互作用ユニットに結合する捕捉試薬を含む。
いくつかの実施態様では、錯体は、固体支持体、第一の被検体、第二の被検体、第三の被検体、第一のブリッジユニット、第二のブリッジユニット、及び信号検出ユニットを含み、ここで固体支持体、第一の被検体、第二の被検体、第三の被検体、第一のブリッジユニット、第二のブリッジユニット、及び信号検出ユニットは直接又は間接に互いに結合される。いくつかの実施態様では、固体支持体は第一の被検体に結合し、第一のブリッジユニットは第一の被検体及び第二の被検体に結合し、第二のブリッジユニットは第二の被検体及び第三の被検体に結合し、そして信号検出ユニットは第三の被検体に結合する。いくつかの実施態様では、固体支持体は第一の捕捉試薬を含み、第一の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み、第二の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み、第三の被検体は第一の相互作用ユニット及び第二の相互作用ユニットを含み、第一のブリッジユニットは、第一の被検体の第二の相互作用ユニット及び第二の被検体の第一の相互作用ユニットに独立して結合する1つ又はそれ以上の捕捉試薬を含み、第二のブリッジユニットは、第二の被検体の第二の相互作用ユニット及び第三の被検体の第一の相互作用ユニットに独立して結合する1つ又はそれ以上の捕捉試薬を含み、そして信号検出ユニットは第三の被検体の第二の相互作用ユニットに結合する捕捉試薬を含む。
いくつかの実施態様では、本記載方法は、単一信号での複数の食品媒介病原体被検体の検出によって食品媒介病原体を検出するのに使用することができる。例えば、サンプルは、被検体(例えば抗原若しくは毒素、又は食品媒介病原体核酸が単離され増幅され得る)を単離するために処理され得る。複数の被検体(例えば食品媒介病原体タンパク質及び/又はアンプリコン)は本明細書に記載の方法と同時に検出することができる。方法は次いでテストの特異性により大きな信頼性をもたらしそして偽陰性を回避することができる。いくつかの実施態様では、食品媒介病原体の存在を示す肯定的な結果は2、3、又は4つの被検体の検出を必要とする。本方法は単一信号で同時に被検体を検出するのに使用することができる。信号は検出されている複数の被検体のすべてがサンプル中に存在する場合にだけ検出され得ることから、単一信号は解釈容易な結果を提供する。このように、2つの被検体が検出される場合、次いで信号は両方の被検体が存在している場合だけ検出可能であろう。いくつかの実施態様では、信号は3つの被検体が存在するときだけ検出可能である。このタイプの方法は他の検出方法に適用することができる。
いくつかの実施態様では、方法は食品汚染の陽性テストを提供する3つのクラスの被検体を検出するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、被検体の1つは毒素(例えば志賀毒素1及び/又は2)である。毒素はそれ自体検出することができ、又は毒素の産生をコード化し又は制御するヌクレオチド配列を検出することができる。いくつかの実施態様では、被検体の1つは病原性因子とも言われ得るeae遺伝子である。eae遺伝子は、例えば、腸管出血性大腸菌に見出され、又は発現され得る。
いくつかの実施態様では、被検体の1つは血清型被検体で、それは食品媒介病原体の菌株によって特異的に産生される抗原であり得る。いくつかの実施態様では、血清型被検体は大腸菌血清型である。いくつかの実施態様では、大腸菌血清型はO26、O45、O103、O111、O121、及びO145である。従って、いくつかの実施態様では、食品媒介汚染に対する陽性テストは単一信号で3つの被検体の検出を必要とし、ここで3つの被検体は志賀毒素(例えば志賀毒素1及び/又は2)、eae遺伝子であり、そして大腸菌血清型か選択される血清型被検体はO26、O45、O103、O111、O121、及びO145である。いくつかの実施態様では、血清型被検体は病原性菌株によって特異的に発現されるタンパク質である。いくつかの実施態様では、被検体は抗原をコード化する核酸配列である。いくつかの実施態様では、核酸配列は抗原のコード配列のフラグメントである。特異的フラグメントは重要ではなく、そして当業者はルーチン方法を用いて増幅するために配列又はそのフラグメントを決定することができる。本明細書に記載のように、標的配列は異種相互作用ユニットで増幅及び任意に標識することができる。次いで被検体は本明細書で提供される方法に従って検出することができる。
例えば、ウイルスに対する陽性テストが2つの別個の核酸配列の存在を必要とする場合、2つの核酸配列は、1つより多い信号で別々に2つの核酸配列を検出するのと対照的に、本明細書に記載の方法を用いて単一信号で同時に検出することができる。加えて、癌の存在がサンプル中に発現されている複数の遺伝子の検出を必要とする場合、遺伝子は、本明細書に記載の方法に従って、それらの発現(例えば遺伝子産物を増幅するのにRT−PCRを用いることによって)と相関する被検体を用いることによって単一信号で同時に検出することができる。従って、本記載方法は広範な適用性を有し、そして複数の被検体(標的分子)で及び同じではない被検体でも使用することができる。
いくつかの実施態様では、方法は、フロー(垂直又は側方)デバイスを用いて複数被検体を検出することを含む2つ又はそれ以上の被検体を検出するために提供される。垂直流デバイスの例及びそれらを用いる方法は、米国特許番号8,012,770、8,183,059及び米国特許出願番号13/500,997、13/360,528、13/445,233に提供され、その各々は本明細書によってその全体が参照によって組み入れられる。デバイスは単一信号を用いて複数検体の検出に適合することができる。
従って、本明細書で提供される実施態様は、垂直流及び垂直流を用いるデバイスを使用することによって単一信号で複数被検体を検出する方法を提供する。垂直流は、被検体及び/又はサンプルが被検体検出膜システムの層/膜を通して流れることを可能にする。「層を通して」又は「膜を通して」とは、サンプルが層を通してそして層を横切って垂直に流れることを言う意味である。いくつかの実施態様では、サンプルは異なる層/膜を横切って水平又は側方に流れない。
下記の用語は種々の垂直流デバイスの記述と併せて使用される。他の用語はいくつかの垂直流デバイスに関連して定義され又はその使用は同様に全体にわたって記載されている。
用語「圧力アクチュエータ」及び「力アクチュエータ」は互換的に使用することができ、そして例えば、力の適用を通して圧力をかけることができるコンポーネントをいう。力アクチュエータはまた力部材と言うことができる。例は、限定されるものではないが、本明細書に記載される種々の力部材を含む。他の例は、限定されるものではないが、ピストン又は他の固体支持体構造物を含む。別のコンポーネントに対する力アクチュエータの位置は上げられ、下げられ、又は側方に動かすことができる。力アクチュエータの位置は手動で又は信号処理ユニット(例えばコンピュータ)を通して制御することができる。力アクチュエータの位置を制御する能力は、限定されるものではないが、被検体検出膜システムのような別のコンポーネントにかけられている力(例えば圧力)を調節するのに使用することができる。膜システムにかけられる力を制御することによって、サンプルの流量を調節することができる。力は膜システムを通してサンプルの流量を一定に保つのに使用することができ、又は流量は可変であり得る。流量はまた、停止することができそしてサンプルを膜システムの異なる層に留まる(dwell)ことを可能にする。例えば、サンプルがコンジュゲートパッドと接触するとき、サンプルの流量はゼロ又はほとんどゼロであり得る。コンジュゲートパッド上で静置後、流量は力アクチュエータによってかけられている圧力を調節することによって増加することができる。次いでサンプルは膜システム全体を通して流れることができ、又はかけられている力はサンプルが膜システムの別の層に留まる(静置する)ことを可能にするように調節することができる。力は、手動か又はシグナル処理ユニット(例えばコンピュータ)を用いることによって正確に調節することができ、サンプルが膜システムを通して垂直に流れるとき、流量はいかなるポイントでも修正することができる。流量はまた、膜システムにおける膜の吸収性及び/又はシステムの膜の数に基づいて調節することができる。吸収性に基づいて、流量は調節することができる(例えば増加又は減少)。
流量は、限定されるものではないが、μl/分又はμl/秒などを含むいかなる単位でも測定することができる。ドウェル(dwell)中の流量は、例えば、0μl/秒、又は1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1μl/秒又はμl/分未満であり得る。流量は、手動で又はシグナル処理ユニット(例えばコンピュータ)によってモニターでき、そして同じ物によって調節することができる。流量は、本明細書に記載のものに加えて当業者に周知のそして公知のルーチン方法によって制御しそしてモニターすることができる。いくつかの実施態様では、流量は、約0〜1ml/分、約0〜10ml/分、約1〜9ml/分、約1〜8ml/分、約1〜7ml/分、約1−6ml/分、約1〜5ml/分、約1〜4ml/分、約1〜3ml/分、約1〜2ml/分、約0.5〜1.5ml/分、約1〜1.5ml/分、約0.5〜1ml/分である。いくつかの実施態様では、流量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ml/分である。いくつかの実施態様では、流量は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ml/分である。いくつかの実施態様では、流量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ml/分である。
いくつかの実施態様では、単一シグナルで複数被検体を検出するのに使用されるデバイスは、第一のハウジング部材及び第二のハウジング部材を含むハウジングを含む。いくつかの実施態様では、第一及び第二のハウジング部材は単一ユニットとして構成することができる。ハウジングは入口開口部を含むことができる。入口開口部はクロマトグラフィーアッセイへのサンプルの導入を可能にする。いくつかの実施態様では、第一のハウジング部材は入口開口部を含む。入口開口部は、デバイスに加えられる溶液の適切な容量を処理するのに十分なサイズであり得る。いくつかの実施態様では、開口部のサイズは、約0.1〜3ml、約0.1〜2.5ml、約0.5〜2.0ml、約0.1〜1.0ml、約0.5〜1.5ml、約0.5〜1.0ml、及び約1.0〜2.0mlを処理するのに十分な大きさである。
いくつかの実施態様では、ハウジングはコンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び/又は吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは被検体検出膜システムを含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムはコンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは透過性膜が無い。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは下記の順序で:コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び吸収性部材を含む。
本明細書で使用されるように、用語「コンジュゲートパッド」は、膜又は捕捉試薬を含むことができる他のタイプの材料をいう。コンジュゲートパッドは、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、ガラス繊維、膜、ポリエーテルスルホン、再生セルロース(RC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、 ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート(例えば、4,4−ヒドロキシ−ジフェニル−2,2’−プロパン)、酸化アルミニウム、混合セルロースエステル(例えば、酢酸セルロースと硝酸セルロースの混合物)、ナイロン(例えば、ポリアミド、ヘキサメチレンジアミン、及びナイロン66)、ポリプロピレン、PVDF、高密度ポリエチレン(HDPE)+核形成剤「アルミニウムジベンゾアート」(DBS)(例えば80μ0.024HDPE DBS(Porex))、及びHDPEであり得る。コンジュゲートパッドの例としてはまた、Cyclopore(登録商標)(ポリエチレンテレフタレート)、Nucleopore(登録商標)(ポリエチレンテレフタレート)、Membra-Fil(登録商標)(酢酸セルロース及び硝酸セルロース)、Whatman(登録商標)(酢酸セルロース及び硝酸セルロース)、Whatman #12-S(レーヨン))、Anopore(登録商標)(酸化アルミニウム)、 Anodisc(登録商標)(酸化アルミニウム)、 Sartorius(酢酸セルロース、例えば5μm)、及び Whatman Standard 17(結合ガラス(bound glass))が挙げられる。コンジュゲートパッドはまた、サンプル又は他の液体と接触後に溶解する材質で作ることができる。本明細書に記載のシステムの他の層が目視検査(例えば被検体の検出)のために、又はスペクトロメータ検査(例えばスペクトロメータによる被検体の検出)のために露呈又は露出することができるように、コンジュゲートパッドの溶解を行うことができる。
いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド又は試験膜は捕捉試薬を含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド又は試験膜は捕捉試薬と接触され、そして次いで垂直流デバイスで使用される前に乾燥させられる。コンジュゲートパッド又は試験膜はまた、それが室温で又は冷凍若しくは凍結温度下で安定に保存することができるように、捕捉試薬を保存するための他の組成物を含むことができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド又は試験膜は捕捉試薬が適用されるより前に緩衝剤で浸漬される。いくつかの実施態様では、緩衝剤は非特異的結合を防止するのに使用されるブロッキング緩衝液である。いくつかの実施態様では、緩衝剤は、ホウ酸塩、BSA、PVP40及び/又はTween-100、又はそのいかなる混合物をも含む。いくつかの実施態様では、緩衝剤は、10mMホウ酸塩、3%BSA、1%PVP40、及び0.25%Tween-100である。いくつかの実施態様では、捕捉試薬はトレハロース及び庶糖を含む溶液中でパッド又は膜に適用される。いくつかの実施態様では、捕捉試薬は、トレハロース、庶糖及びリン酸塩及び/又はBSAを含む溶液中で、パッド、膜、又は両方に適用される。いくつかの実施態様では、捕捉試薬は、5%トレハロース、20%庶糖、10mMリン酸塩、及び1%BSAである溶液中に適用される。いくつかの実施態様では、試験膜は標識付きアンプリコンに結合する捕捉試薬を含む。いくつかの実施態様では、捕捉試薬は、ジゴキシゲニン、フルオレセイン(例えばFITC)、ローダミン(TAMRA)などを認識し又はそれに結合する抗体である。
いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドはストレプトアビジンを含む。ストレプトアビジンはまた更に、本明細書に記載のように標識することができる。いくつかの実施態様では、ストレプトアビジンは、単一信号で複数被検体を検出するのに使用されるビオチン化抗体に結合する捕捉試薬である。
いくつかの実施態様では、着脱可能な部材はコンジュゲートパッドの表面と接触し、そして接着部材はコンジュゲートパッドの裏面と接触する。
いくつかの実施態様では、デバイスは接着部材を含む。接着部材は、サンプルがコンジュゲートパッドを流れそして試験膜と接触することを可能にする接着部材入口を含むことができる。いくつかの実施態様では、接着部材入口は着脱可能な部材入口と同じサイズ及び形状である。いくつかの実施態様では、接着部材入口は着脱可能な部材入口と異なるサイズ及び形状である。いくつかの実施態様では、接着部材での入口は同じ形状であるが、異なる面積を有する。異なる面積を備えた入口は異なるサイズを有すると考えられよう。接着部材は、1つの部材又は膜を別の部材又は膜に接着するのに適切ないかなる物質からも構成することができる。いくつかの実施態様では、接着部材は液体に非透過性である。いくつかの実施態様では、接着部材は着脱可能な部材と接触する。
デバイスのいくつかの実施態様では、透過性膜は試験膜に取り付け又は接着される。いくつかの実施態様では、透過性膜は試験膜上へ積層される。透過性膜は、流体サンプルのようなサンプルが試験膜に流れることを可能にするいかなる材料の膜であってもよい。試験膜の例には、限定されるものではないが、ニトロセルロース、セルロース、ガラス繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなどが挙げられる。いくつかの実施態様では、透過性膜は開口部を含む。開口部は試験膜の視覚化又は検出を可能にするように存在することができる。いくつかの実施態様では、透過性膜中の開口部は実質的にハウジング中の入口開口部と同じサイズである。透過性膜の例としては、限定されるものではないが、Protran BA83、Whatmanなどが挙げられる。
本明細書に論じられるように、固体支持体の1つの例は試験膜である。本明細書及び全範囲にわたって使用されるように、「試験膜」は捕捉試薬への結合パートナーの検出が生じる膜をいう。試験膜には、限定されるものではないが、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリエーテルスルホン膜などが挙げられる。試験膜は、捕捉試薬の結合パートナー(例えば標識付き被検体、抗原又はエピトープ)の存在を検出するのに当業者によって使用することができるいかなる材料でもあり得る。試験膜はまた捕捉試薬を含むことができる。いくつかの実施態様では、試験膜は捕捉試薬と接触し、そして捕捉試薬は試験膜を乾燥する及びそれに接着することを可能にさせられる。試験膜の例としては、限定されるものではないが、Protran BA83、Whatman、Opitran BA-SA83、及び0.22mmのホワイトプレーン (Millipore Product No. SA3J036107)が挙げられる。試験膜はまた、捕捉試薬が結合されるナノ粒子マトリックスから構成される。ナノ結晶は、限定されるものではないが、カーボンベースの粒子、金又は金属合金粒子、共重合体マトリックス、並びに単分散半導体、磁性、金属及び強誘電性ナノ結晶などの材料で2Dシート及び3Dマトリックスに配列することができる。試験膜は複数の捕捉試薬を含むことができる。いくつかの実施態様では、試験膜は1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の捕捉試薬を含む。いくつかの実施態様では、試験膜は各々異なる捕捉試薬を備えた複数の領域を含む。いくつかの実施態様では、複数の領域は互いに完全には重なり合わず又は一致しない。
いくつかの実施態様では、デバイス又はハウジングはまた、吸収性部材を含む。吸収性部材はまた、「芯パッド(wick pad)」又は「ウィッキングパッド(wicking)」とも言われる。吸収性部材は、サンプルがデバイスに適用されるときデバイスを流れる流体を吸収し、そしてそれがデバイスに適用されるときサンプルの流れを助けるウィッキング力を提供する。「吸収性部材」は、材料が接触している表面から離れて溶液を引き込み(ウィック)そして保持する能力を有する材料と言う意味である。吸収性を増加又は減少させる材料の組み合わせ使用はまた、サンプルの動きの制御を可能にすることができる。
吸収性部材は、コンジュゲートパッドを通したそして試験膜へのサンプルの流れを容易にすることができるいかなる材料であってもよい。吸収性部材の例としては、限定されるものではないが、セルロース、高吸水性ポリマー、ガラス繊維パッド(例えばC083(Millipore))などが挙げられる。いくつかの実施態様では、ハウジングは複数(例えば2又はそれ以上)の吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは2、3、4、又は5つの吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、吸収性部材は最大10までの個別の膜の1つ又はそれ以上の膜を含み、そして各々の膜は同じ材料又は異なる材料であってよい。いくつかの実施態様では、デバイスは吸収性部材であるただ1つの膜から成る。
いくつかの実施態様では、デバイスは力部材を含む。力部材の例は下記に記載されそして図面で見ることができる。これらの例は非限定で、そして他の形態の力部材を使用することができる。力部材は、いくつかの実施態様では、互いに被検体検出膜システムの他のコンポーネントに圧力をかけ又は圧縮するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、力部材は、限定されるものではないが、プラスチック又はステンレススチールを含むいかなる材料からも作り上げることができる。図23に示されるように、クリップは力部材として機能することができる。ステンレススチールは、それがクリップとして機能することができるようにレーザカットすることができる。これらのクリップの非限定例は図23に見ることができる。力部材は膜システムに圧力をかけるように機能する。力部材はクリップに限定されず、むしろ膜システム(例えばナノ粒子マトリックス)に圧力をかけることができるいかなる形状(非限定例の図参照)、及びアセンブリ内に戦略的に置かれた構造物のようなピストンであってもよい。いくつかの実施態様では、力部材はピストンである。力部材は、互いに被検体検出膜システムの他のコンポーネントに圧力をかけ又は圧縮するのに使うことができる。いくつかの実施態様では、力部材はシャフト及びヘッドを含むことができる。力部材は、ヘッドがシャフトよりも広い、きのこタイプ形状を有することができる。いくつかの実施態様では、ヘッドはシャフトよりも狭い。ヘッド及びシャフトを含む力部材は、単一ユニットであり得て、又は力部材を形成するように互いに接触する複数の部分から構成することができる。例えば、ヘッドはシャフトから離すことができる1つのユニットであり得よう。組み立て時にヘッド及びシャフトは力部材を作るのに互いと接触される。別の例では、ヘッド及びシャフトは1つの粘着ユニットであり、そして一緒に製造され、そして力部材を形成するのに後で組み立てられる別々の部分としてではない。力部材は、デバイスが側方流に依存するのと対照的に垂直流と連動することを可能にする。
いくつかの実施態様では、力部材は吸収性部材の表面と接触する。いくつかの実施態様では、力部材は吸収性部材の表面及び着脱可能な層の表面と接触する。いくつかの実施態様では、力部材は、膜検出システムの上下から膜検出システムを圧縮する。例えば、いくつかの実施態様では、力部材は、膜検出システムのすべての層を挟むことができる。いくつかの実施態様では、力部材は支持部材に取り付けられる。
いくつかの実施態様では、デバイスは、下記の順序で着脱可能な部材、コンジュゲートパッド、及び接着部材を含む。
デバイスはまた、支持部材を含むことができる。支持部材は、いくつかの実施態様では、吸収性部材の表面と接触する。支持部材はまた、支持部材入口を有することができる。入口は着脱可能な部材及び/又は接着部材中の入口と同じサイズ及び/又は形状であり得る。いくつかの実施態様では、支持部材は、着脱可能な部材及び/又は接着部材中の入口と異なるサイズ及び/又は形状である入口を含む。支持部材は、限定されるものではないが、プラスチックを含むいかなる材料からも作ることができる。いくつかの実施態様では、第二のハウジング部材は支持部材として働く。
本明細書に記載のデバイスは、捕捉試薬の結合パートナーの存在を検出するためのアッセイにおいて使用することができる。これらのアッセイは本明細書に示されるように単一信号の検出用に複数被検体を検出するのに使用することができる。例えば、抗原は本発明のデバイスを用いて抗体によって検出することができる。用語「垂直流」は全体にわたって使用される。用語「垂直流」は、サンプルが異なる膜及びデバイスに存在する部材を横切って流れる方向を言う。垂直流は、膜、パッド又は吸収性部材を横切って流れる(例えば側面から側面へ)サンプルをいう、側方流と対照的に膜を流れる(例えば上部から下部へ)サンプルをいう。側方流デバイスでは、膜及びパッドは、実質的に同じ平面において互いに水平に隣接して位置する。垂直流デバイスでは、各膜又はパッドは互いに実質的に並行又は完全に並行であり、そしてデバイス中で実質的に異なる空間平面を占める。膜及びパッドは、それらが圧縮され又は圧力下に置かれるとき、類似の平面を占め得る。いくつかの実施態様では、各部材、膜、又はパッドの少なくとも一部分は互いの上部に層状にされる。いくつかの実施態様では、部材、膜、又はパッドの各層の少なくとも一部分は実質的に互いに並行である。いくつかの実施態様では、各層の少なくとも一部分は互いの層よりも異なる空間平面にある。
垂直流が効率的に生じることを可能にするために、いくつかの実施態様では及び存在するとき、コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜及び吸収性部材は実質的に互いに並行である。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜及び吸収性部材は異なる空間平面に存在する。いくつかの実施態様では、ハウジングはまた、サンプルの垂直流を遅くし又は止めることができる疎水性膜を含む。疎水性膜は試験膜と接触することができ、それはサンプルが試験膜にドウェルし又は静止することを可能にしよう。ドウェルは感度及び検出の増加を可能にすることができる。垂直流は膜、パッド、及び/又は部材にかけられる圧力によって調節される。いくつかの実施態様では、圧力は試験膜及び/又はコンジュゲートパッドに垂直にかけられる。いくつかの実施態様では、圧力は、コンジュゲートパッドがハウジングに対して圧縮されるようにかけることができる。ハウジングに対する圧縮は、コンジュゲート(conjugate)がハウジング、Oリング、又はカラーと直接接触して、又はコンジュゲートパッド及び試験膜が互いに圧縮されるように介在物を通すようにできる。
力部材は試験膜に実質的に垂直の圧力をかけることができる。いかなる特定の理論にとらわれることなく、圧力は垂直流を容易にする。圧力は膜スタックの各層が別の層と接触することを可能にする。圧力はまた、テストサンプルが試験膜にドウェルし又は静止することができるように、流れを停止するために軽減することができ、それはより大きな感度を可能にすることができる。次いで、サンプルを1つ又は複数の吸収性部材に流入させることを可能にすることによって、垂直流が続くことを可能にするように圧力を再度かけることができる。コンジュゲートパッドがハウジングの一部分(例えば、第一及び第二のハウジング部材又は着脱可能な層)と接触するように、力部材は圧力をかけることができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、それが力部材によって加えられている圧力の下になく、力部材が圧力を加える際にコンジュゲートパッドがハウジングの一部分に対して圧縮されるときに、ハウジングと接触する。
いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは入口開口部の周辺(perimeter)と接触する。入口開口部はまた、カラー又はOリングのような他の類似の形体(feature)を含むことができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドはカラー及び/又はOリングの周辺と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、いくつかの実施態様において、カラー及び/又はOリングを含むことができる、入口開口部の周辺に対して圧縮することができる。
「入口開口部の周辺に対して圧縮することができる」とは、入口開口部の周辺と直接接触して圧縮されているか、又は入口開口部の周辺と接触している別の層又は材料(例えば膜)に対して圧縮されている膜又はパッド(例えばコンジュゲートパッド)を言う。
いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドはハウジングと直接物理的接触をせず、ハウジングと流体接触している。「流体接触」は、サンプルが入口開口部又は他の開口部を通してデバイスに適用される場合、流体はコンジュゲートパッドと接触するであろうことを意味する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは透過性膜のような別の膜によってハウジングから分離することができ、ここでは他の膜はハウジングと直接物理的接触をして、又はカラー又はOリングと直接物理的接触をしている。サンプルがデバイスに適用されるとき、流体は先ず他の膜と接触し、そして次いでコンジュゲートパッドと接触することができる。これはハウジングと流体接触しているコンジュゲートパッドのほんの一例である。コンジュゲートパッドがハウジング、カラー、又はOリングと直接物理的接触をしていないが、ハウジングと流体接触している、多数の他の実施態様がある。
力部材は、異なる膜層を横切って垂直流を容易にするのに十分ないかなる圧力もかけることができる。いくつかの実施態様では、デバイス(例えば、コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び吸収性部材)の層は、約5lbf〜100lbf、約5lbf〜50lbf、約10lbf〜40lbf、約15lbf〜40lbf、約15lbf〜25lbf、又は約30lbf〜40lbfから選ばれる力の下で圧縮される。いくつかの実施態様では、デバイス(例えば、コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び吸収性部材)の層は、約1lbf〜100lbf、約1lbf〜50lbf、約1lbf〜5lbf、約1lbf〜10lbf、約1lbf〜15lbf、約1lbf〜20lbf、約1lbf〜30lbf、約1lbf〜25lbfから選ばれる力の下で圧縮される。力はまた、1つがデバイス中に存在する場合、同様に疎水性又は非透過性膜を含むことができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、力部材は吸収性部材の表面と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは試験膜と接触する。いくつかの実施態様では、試験膜の表面は透過性膜と接触する。いくつかの実施態様では、試験膜の表面は吸収パッドの裏面と接触する。いくつかの実施態様では、デバイスは疎水性膜を含み、そして例えば、疎水性膜は試験膜の裏面と接触する。いくつかの実施態様では、疎水性膜は吸収パッドの表面と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは接着部材と接触する。いくつかの実施態様では、試験膜は接着部材と接触する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面はハウジングと接触し、そしてコンジュゲートパッドの裏面は透過性膜の表面と接触し、ここで透過性膜の裏面は試験膜の表面と接触し、ここで試験膜の裏面は吸収パッドの表面と接触し、ここで吸収パッドの裏面は力部材と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面は該ハウジングの入口開口部の周辺と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面はカラー又はOリングの周辺と接触する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面はハウジングと接触し、そしてコンジュゲートパッドの裏面は接着部材の表面と接触し、ここで接着部材の裏面は試験膜の表面と接触し、ここで試験膜の裏面は吸収パッドの表面と接触し、ここで吸収パッドの裏面は支持部材と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面は入口の周辺と接触する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面はカラー又はOリングの周辺と接触する。
デバイスはまた、取付部材を含むことができる。いくつかの実施態様では、取付部材は可撓性であり又は可撓性材料から作られる。いくつかの実施態様では、取付部材は固定され又は非可撓性材料から作られる。固定取付部材は、例えば、コンジュゲートパッド又は別の層又はシステムの膜と接触することができ、そしてその変位を仲介することができる、例えば、ヒンジなどであり得る。限定されるものではないが、固定ヒンジ又はヒンジのように機能する他の圧縮材料などの固定取付部材は、圧縮解放時に形状又は次元に戻ることができる。取付部材はコンジュゲートパッドを変位可能にすることができる。取付部材はまた、まさしくプラスチックであり得て、そして曲がることはできるが、その曲げ特性はデバイスの機能中に使用されない。
可撓性材料は、例えば、弾性又はエラストマー材料であり得る。取付部材は、例えば、コンジュゲートパッド及び/又は疎水性膜にも取り付けることができる。取付部材はまた、例えば、デバイスのいかなる膜又は部材にも取り付けることができる。取付部材の例としては、限定されるものではないが、エラストマーバンド、ゴムバンド、ばねなどが挙げられる。いくつかの実施態様では、取付部材は形状記憶合金から構成することができる。いくつかの実施態様では、取付部材は、ロック部材の動きとコンジュゲートパッド又は、取付部材がそれに結合されるその他のタイプの膜若しくはパッドの動きの間に遅れを作り出すことを可能にする。いくつかの実施態様では、パッド又は部材の運動は、スライドボタン又はロック部材が動かされるので同時には起こらない。単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、いかなる特定の理論にとらわれないで、スライドボタン又はロック部材は動かされるので、エネルギーは取付部材に蓄積され、そしてこのエネルギーは圧力が解放された後にそれが取付部材に取り付けられるパッド又は膜上で引っ張るように使用される。いくつかの実施態様では、ロック部材は、コンジュゲートパッドが動かされ又は除去される前に、力部材から離される(即ち、力部材はもはやロック部材と接触しない)。いくつかの実施態様では、一旦、力部材によってかけられている圧縮又は圧力が完全に除かれると、コンジュゲートパッドが動かされる。
取付部材はまた、スライドボタンか又はロック部材に取り付けることができる。取付部材は、接着剤、ステープル、結束などのいかなる手段を通しても他のコンポーネントに取り付けることができる。いくつかの実施態様では、膜又はパッドは、取付部材を膜又はパッドに取り付けることを可能にする膜又はパッド中にノッチを有する。非限定例は図9に見ることができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、ハウジングはロック部材を含む。ロック部材は、デバイス内を動くことができる摺動可能なロック部材であり得る。ロック部材は、異なる層で力部材によって作り出される力が維持されるような位置に力部材をロックするために使用することができる。例えば、ロック部材が力部材の位置を変える(即ち下げる)ことを可能にするように動かないかぎり圧力が軽減され得ないように、ロック部材は所定の位置に力部材をロックしている。ロック部材は、例えば、力部材のヘッドの下にはめ合うことができ、それは力部材を上げた位置に保つであろう。ロック部材はまた、それが力部材を特定の位置(例えば上げる又は下げる)に保つように置くことができる。ロック部材は、限定されるものではないが、プラスチックなどを含むいかなる材料からも構成することができる。ロック部材は、例えば、力部材が圧力を解放することを阻止する別のコンポーネントを通して直接的か又は間接的に力部材と接触することができる。いくつかの実施態様では、ロック部材はコンジュゲートパッドを圧縮する力部材と接触する。
ロック部材の動きが、取付部材、いかなるその他の部材(例えばコンジュゲートパッド、疎水性膜、試験膜、又は吸収性部材)又は取付部材に取り付けられる他のコンポーネントを動かすであろうように、ロック部材はまた、取付部材と接触することができる。例えば、ロック部材が力部材の圧力を除去するために動かされ、それによって力部材が位置(例えば上げた位置から下げた位置へ)を変えることを可能にする場合、ロック部材の動きはまた、エネルギーを取付部材へと変形/蓄積し得て、従って一旦圧力が十分に低下されてしまうと、それは膜又はパッドを動かすことができる。コンジュゲートパッドが取付部材に取り付けられそしてロック部材が動かされるとき、一旦圧力が十分に低下されてしまうとこれはまたコンジュゲートパッドを動かすであろう。いくつかの実施態様では、圧力は完全に除かれる。コンジュゲートパッドは、例えば、それがデバイスから除かれるように動かすことができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは入口開口部を通して試験膜を露呈するように動かされる。露呈される試験膜の量は使用される検出のタイプによって決まるであろう。視覚的検出では、試験膜の多くが入口開口部に露呈される必要があり得る。非視覚、例えば、蛍光、近赤外、赤外、放射線又は化学ルミネセンス検出では、試験膜の殆どは又は全く露呈される必要はないかもしれない。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、それがもはや入口開口部を通して見る又は検出することができないように動かされる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの動きは、試験膜を視覚化又は検出するために、入口開口部以外の別の開口部を作り出すことができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、試験膜を視覚化又は検出するために(例えば単一信号での被検体又は複数被検体の検出)溶解される。コンジュゲートパッドがサンプル又は他の溶液と接触するとき、コンジュゲートパッドは部分的に又は完全に溶解するように、コンジュゲートパッドは溶ける材料で構成することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、取付部材はまた、非透過性又は疎水性膜に取り付けられる。取付部材が動かされるとき、その動きはまた、非透過性又は疎水性膜を動かし又は除くであろう。本明細書に論じられるように、非透過性又は疎水性膜の存在は、垂直流を減速又は停止することによってテストサンプルが試験膜にドウェル又は静止することを可能にすることができる。取付部材へのその取り付けによるか又は他の手段を通して、非透過性又は疎水性膜が動かされ又は除かれるとき、垂直流はもはや妨害又は阻止されない。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、ハウジングはスライドボタンを含む。スライドボタンはまた摺動部材とも言うことができる。スライドボタンはハウジングの内面又は外面を交差することができる。いくつかの実施態様では、スライドボタン又は摺動部材はハウジングの外面に突出する。いくつかの実施態様では、スライドボタンはロック部材に直接的又は間接的に取り付けられる。スライドボタンがロック部材に取り付けられるとき(直接又は間接に)、スライドボタンの動きもロック部材を動かす。いくつかの実施態様における取付部材はスライドボタンに取り付けることができる。いくつかの実施態様では、取付部材はスライドボタン及びロック部材の両方に取り付けられる。スライドボタン及びロック部材はまた、単一ユニットとして構成することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、いかなる1つ又はそれ以上の入口は約0.2〜約20cm2の範囲から選ばれる開口部を含む。いくつかの実施態様では、いかなる1つ又はそれ以上の入口は、約1〜約2cmの直径である。いくつかの実施態様では、いかなる1つ又はそれ以上の入口は、約1又は約1.5cmの直径である。いくつかの実施態様では、いかなる1つ又はそれ以上の入口は、約1、約2、約3、約4、又は約5cmの直径である。1つより多い入口があるいくつかの実施態様では、入口は異なるサイズ又は同じサイズであり得る。各入口のサイズは互いに独立している。本明細書に記載のデバイス及びシステムのいくつかの実施態様では、デバイス又はシステムは、1、2、3、4、又は5つの入口を含む。本明細書に記載のデバイス及びシステムのいくつかの実施態様では、デバイス又はシステムは、少なくとも1、2、3、4、又は5つの入口を含む。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、入口開口部は約0.2〜20cm2の範囲から選ばれる開口部を含む。いくつかの実施態様では、入口開口部は約1〜約2cmの直径である。いくつかの実施態様では、入口開口部は約1又は約1.5cmの直径である。いくつかの実施態様では、入口開口部は、約1、約2、約3、約4、又は約5cmの直径である。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、被検体を検出するデバイスは第一の部材及び第二の部材を含む。いくつかの実施態様では、第一の部材及び第二の部材は互いに接触している。いくつかの実施態様では、第一の部材は1つ又はそれ以上の入口を含む。いくつかの実施態様では、第一及び第二の部材間に被検体検出膜システムはある。いくつかの実施態様では、第一及び第二の部材間の被検体検出膜システムは、コンジュゲートパッド、接着部材、試験膜及び吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは下記の順序で;コンジュゲートパッド;接着部材;試験膜;及び吸収性部材を含む。本明細書に論じられるように、いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材の各々の少なくとも一部分は実質的に互いに並列である。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材の各々の少なくとも一部分は異なる空間平面にある。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは第一及び第二の部材間(例えば力部材)で圧縮される。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは、第一部材によって形成される平面と第二部材によって形成される平面間で圧縮され、ここで第一及び第二の部材によって形成される平面は実質的に互いにそして被検体検出膜システムに並列である。いくつかの実施態様では、平面は実質的に互いにそして被検体検出膜システムに並列である。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムを含む第一及び第二の部材は力部材である。例えば、力部材は、被検体検出膜システムを圧縮する力を作り出すのに第一及び第二の部材を含むと言われ得る。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、第一及び第二の部材は、第二の部材の端部に並列である第一の部材の端部に沿って互いに取り付けられる。いくつかの実施態様では、第一及び第二の部材は、ばね、ヒンジなどによって取り付けられる。第一及び第二の部材が取り付けられる方法は限定されず、そして被検体膜システムが第一及び第二の部材間で圧縮されることができるようにするいかなる構造によって取り付けられ得る。いくつかの実施態様では、第一及び第二の部材は互いに隣接してそしてクリップを形成する。クリップの例(例えば力部材)は本出願にわたって示される(例えば図16)。クリップは、例えば被検体検出膜システムが第一及び第二の部材間に挿入することができるように、第一の部材を可撓性にできる金属又は他のタイプの材料から切り取ることができる。いくつかの実施態様では、第一の部材は着脱可能である。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、第一の部材はコンジュゲートパッドに取り付けられ又は接触し、ここで第一の部材の動き又は除去はコンジュゲートパッドを動かし又はコンジュゲートパッドをデバイスから除去する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは着脱可能である。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、ただコンジュゲートパッドを除去することによって第一及び第二の部材を含むデバイスから除去される。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドはタブを含む。タブはコンジュゲートパッドを除去するのに又はその除去を容易にするのに使用することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、本明細書に記載のデバイスが容器中に置かれる。いくつかの実施態様では、容器はパウチ又はバッグである。いくつかの実施態様では、容器は入口を含む。いくつかの実施態様では、容器は、動かされるか又は除去されるとき、サンプルが被検体検出膜システムに適用されることを可能にする入口を露出する着脱可能若しくは可動部材又は層を含む。着脱可能な又は可動部材又は層の例は、限定されるものではないが、フラップ又はタブである。フラップ又はタブは、例えば、図18及び19に示される。いくつかの実施態様では、着脱可能な層又は可動層はまた、容器用のシールとして機能することできる。シールはコンジュゲートパッド及び/又は被検体検出膜システムを保護することができる。
本明細書に記載のデバイス及びシステムのいくつかの実施態様では、着脱可能又は可動層はコンジュゲートパッドと接触し又はそれに取り付けられる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、被検体を検出するデバイスは、第一の内部部材及び第二の内部部材を含む第一の外部部材及び第二の外部部材を含み、ここで第一の内部部材及び第二の内部部材は互いに接触している。いくつかの実施態様では、第一の外部部材は入口を含む。いくつかの実施態様では、第一の内部部材は入口を含む。いくつかの実施態様では、第一の外部部材及び第一の内部部材は入口を含む。いくつかの実施態様では、第一及び第二の内部部材の間に、被検体検出膜システムがある。いくつかの実施態様では、デバイスはコンジュゲートパッドを含む。いくつかの実施態様では、デバイスはコンジュゲートパッドを欠く。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは、試験膜、吸収性部材及び場合によりコンジュゲートパッドを含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは、下記の順序で試験膜及び吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、任意のコンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材の各々の少なくとも一部分は実質的に互いに並列である。いくつかの実施態様では、上記に論じられたように、被検体検出膜システムは第一の内部部材と第二の内部部材間で圧縮される。いくつかの実施態様では、デバイス及び/又はシステムは明細書に記載の接着部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは濾過膜を含む。いくつかの実施態様では、濾過膜は被検体検出膜システムの範囲内にあり得る。いくつかの実施態様では、濾過膜の表面は第一の内部部材の表面と接触し、そして濾過膜の裏面は別の膜又は被検体検出膜システムの部材と接触する。いくつかの実施態様では、濾過膜の裏面は試験膜の表面と接触する。濾過膜は本明細書に記載のいかなる材料でもあり得る。例えば、濾過膜は、いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材などであり得る同じ材料であり得る。いくつかの実施態様では、濾過膜はガラス繊維である。
コンジュゲートパッドがデバイス又はシステム内に存在しない、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートは液体として又は液体(例えば水、緩衝液、食塩水など)中に溶解することができる材料として供給される。コンジュゲートは別々の容器(例えばチューブ)で供給することができ、そして本明細書に記載されるデバイス又はシステムで提供することができる。コンジュゲートが容器で供給される場合、コンジュゲートはサンプルが被検体検出膜システムに適用される前にサンプルとインキュベートされる。サンプルは、いかなる方法によっても及び/又は本明細書に記載のように生成することができる。例えば、一片の肉は綿棒で採取し(swab)又は拭くことができ、そしてテストサンプルを生成する。テストサンプルは次いで、テストサンプル−コンジュゲート混合物を作るためにコンジュゲートとインキュベート又は接触することができる。この混合物は次いで、本明細書に記載のデバイス及び/又はシステムを用いて、本明細書に記載の被検体検出膜システムに適用することができる。いくつかの実施態様では、テストサンプル−コンジュゲート混合物は試験膜に直接適用される。いくつかの実施態様では、テストサンプル−コンジュゲート混合物は、試験膜と接触するのに先立ち、濾過され又は別の膜を通過する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは第一及び第二の内部部材間で圧縮される。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは第一の内部部材によって形成される平面と第二の内部部材によって形成される平面間で圧縮され、ここで第一の内部部材及び第二の内部部材によって形成される平面は実質的に互いにそして被検体検出膜システムに並列である。いくつかの実施態様では、平面は実質的に互いにそして被検体検出膜システムに並列である。いくつかの実施態様では、平面は実質的に第一及び第二の外部部材に並列である。
本明細書に及び全体にわたって記載のいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは、本明細書に記載の第一及び第二の内部部材によって又は力部材によって圧縮されない。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、第一の外部部材は着脱可能な又は可動タブを含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは該第一の外部部材に取り付けられる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは着脱可能な又は可動タブに取り付けられる。いくつかの実施態様では、第一の外部部材及び第二の外部部材は容器を形成し、そして容器は第一及び第二の内部部材をカプセル化する。いくつかの実施態様では、容器は、パウチ、バッグ(例えばシール可能な(例えばジッパー、接着剤など))又は被検体検出膜システムを包含することができ、そして第一及び第二の内部部材間で圧縮されるいかなるその他のタイプの容器である。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、容器は着脱可能な又は可動タブを含む。着脱可能な又は可動タブはいかなる形状であってもよく、そして入口を露出する程度に完全に着脱可能であり又は除去することができる。いくつかの実施態様では、タブは、動かされ又は除去されるときコンジュゲートパッドを除去し又は動かす。コンジュゲートパッドは、例えば、試験膜の結果が解析される(例えば視覚化される)ことができるのに十分な距離を動かすことができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドの表面は第一の外部部材と接触し、そしてコンジュゲートパッドの裏面は第一の内部部材と接触している。
単一シグナルで複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、第一及び第二の内部部材は、第二の内部部材の端部に並列している第一の内部部材の端部に沿って互いに取り付けられる。いくつかの実施態様では、第一及び第二の内部部材は、ばね、ヒンジなどによって取り付けられる。第一及び第二の内部部材が取り付けられる方法は限定されず、そして被検体膜システムを第一と第二の内部部材間で圧縮することができるようにするいかなる構造によってもよい。いくつかの実施態様では、第一及び第二の内部部材は互いと隣接しており、そして例えば、クリップを形成する。クリップの例は本出願の全体にわって示される。クリップは、例えば、被検体検出膜システムを第一及び第二の部材間に挿入することができるように、第一の内部部材を可撓性にさせる金属又は他のタイプの材料から切り取ることができる。いくつかの実施態様では、第一の内部部材は着脱可能である。
本明細書に論じられるように、デバイス及びシステムは着脱可能な又は可動層(例えばタブ)を含むことができる。着脱可能な又は可動層は、限定されるものではないが、剥離又は引き裂きのような手動力によって除去し又は動かすことができる。着脱可能な又は可動層はまた機械力によって除去され又は動かすことができる。着脱可能な又は可動層が動かされる方法はいかなる手段であってもよい。着脱可能な又は可動層の例としては、限定されるものではないが、タブ、フラップなどが挙げられる。本明細書に論じられるように、このフラップ又はタブはシールなどとして機能する。
本明細書に論じられるように、コンジュゲートパッドは被検体特異的捕捉試薬を含むことができる。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは複数の被検体特異的捕捉試薬を含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは1、2、3、4、又は5つの被検体特異的捕捉試薬を含む。被検体は捕捉試薬によって特異的に認識することができるいかなる分子であってもよい。被検体の例としては、ポリヌクレオチド分子(例えばDNA、RNA、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド)、ペプチド、タンパク質、糖類、多糖類、炭水化物などが挙げられる。抗原はまた、同じタンパク質又はポリペプチド上に存在する異なるエピトープを言うことができる。被検体はまた、病原性又は非病原性生物由来の抗原を言うことができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスは単独で、ペアで、又は複数の構成で収容し得る。ハウジングは漏れを防止するために防水性であり得て、そして高分子材料のような種々の不活性材料から製造することができる。いくつかの実施態様では、入口は、本発明で使用される予定の所望量のサンプル又は試薬を含有するのに十分な容量であり得る。
いくつかの実施態様では、デバイスの膜、部材、又はパッドは化学的に不活性であることから、それらは、それが溶媒輸送に対して特異的結合試薬を固定化することが求められるいかなる反応部位においても活性化される必要があり得る。種々の方法が、試薬の特定の化学的性質に従って試薬を固定化させるのに必要とされ得る。一般に、媒体がニトロセルロース又は混合ニトロセルロースエステルであるとき、試薬の固定化に対して特別な化学結合は必要としない。種々の技術が、カルボニルジイミダゾール、グルタルアルデヒド若しくはコハク酸などの材料による機能化、又は臭化シアンのような材料による処理を含む他の材料又は試薬に使用され得る。他の適切な反応は、アルデヒド、カルボニル及びアミノ基の還元に対してシッフ塩基及びホウ化水素による処理を含む。DNA、RNA及びある抗原は、クロマトグラフィー材料上で焼き付けすることによって溶媒輸送に対して固定化され得る。焼き付けは、約60℃から約120℃までの範囲の温度で約5分から約12時間、そしていくつかの実施態様では、約80℃で約2時間行われ得る。
本明細書に記載の実施態様はまた、本明細書に記載のデバイス及び緩衝剤容器を含むシステムを提供する。システムは単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができる。緩衝剤容器は、テストされようとしているサンプルを混合しそして次いでデバイスに適用することができるいかなる緩衝剤でもあり得る。例えば、サンプルは源から採取することができ、そしてサンプルは緩衝剤と混合することができる。緩衝剤は、分析が適切に行うことができるように、細胞をリシスするリシス緩衝剤又はサンプルのpHを維持する緩衝剤であり得る。緩衝液容器はいかなる形状でもあり得て、そしてデバイスのハウジングの外側又は内側に含むことができる。
いくつかの実施態様では、サンプルコレクタを含むシステムが提供される。サンプルコレクタは源からサンプルを取り、そしてサンプルをテストすることができるようにするいかなる材料であってもよい。例えば、サンプルコレクタは綿棒のようなスワブであり得る。いくつかの実施態様では、サンプルコレクタは接種装置(inoculator)であり得る。いくつかの実施態様では、ハウジングはサンプルコレクタを含み、そしてサンプルコレクタの一部分はハウジングの内側にある。いくつかの実施態様では、サンプルコレクタはハウジングの部分的に外側及び部分的に内側にある。いくつかの実施態様では、サンプルコレクタはハウジングの完全に外側にある。
単一信号で複数被検体を検出するキットもまた提供され、ここでキットは本明細書に記載のデバイスを含む。キットは、本明細書に記載のようなデバイス、サンプルコレクタ、緩衝剤容器、取扱説明書、陽性対照、陰性対照、又はそのいかなる組み合わせをも含むことができる。キットについては、陽性対照はキット中に存在するデバイスで検出することができる1つ又は複数の被検体を含有することが知られているサンプルである。対照的に陰性対照はキットによって検出することができる被検体を含有しないであろう。例えば、陰性対照は、抗抗体と併せて使用されるとき、デバイスが適切に作動することを示すことができよう。
緩衝剤はまた本発明に含むことができる。緩衝剤の例としては、限定されるものではないが、1XPBS(10mMリン酸塩、137mM塩化ナトリウム、2.7mM塩化カリウム)、洗浄緩衝剤(例えば10mMリン酸ナトリウム、150mMNaCl、0.5%Tween-20、0.05%ナトリウムアジド)、膜緩衝剤(例えば10mMリン酸ナトリウム、0.1%庶糖、0.1%BSA、0.2%PVP−40pH7.21、0.2μmフィルターで濾過)、ポリクローナルコンジュゲートブロック緩衝剤(例えば50mMホウ酸塩、10%BSA、pH8.93);ポリクローナルコンジュゲート希釈剤(例えば50mMホウ酸塩、1%BSA、pH9.09)、又はブロッキング緩衝剤(例えば10mMリン酸ナトリウム、0.1%蔗糖、0.025%Silwet pH7.42;10mMリン酸ナトリウム、1%蔗糖、1%トレハロース、0.01%BSA、0.025%Tween-20;0.05%ナトリウムアジド、0.025%Silwet pH7.4;10mMリン酸ナトリウム、0.1%蔗糖、0.1%BSA、0.2%PVP−40pH7.21)が挙げられる。緩衝剤はまた、限定されるものではないが、ブロッキング緩衝剤(例えば脱イオン水中10%BSA、pH7.4又は脱イオン水中1%BSA、pH7.4);10mMホウ酸塩、3%BSA、1%PVP40、及び0.25%Tween-100などであり得る。
コンジュゲートパッド及び試験膜は、捕捉試薬の存在か又は不存在において本明細書に記載のいかなる緩衝剤とも接触することができ、そしていくつかの実施態様では、乾燥させることが可能であり得る。
リシス緩衝剤である例としては、限定されるものではないが、例えば、2%Tween(v/v)及び0.1%Triton(v/v);2%Tween(v/v)及び0.1%SDS(w/v);2%Tween(v/v)及び0.1%BSA(w/v);2%Tween(v/v)及び1%BSA(w/v)、0.1%SDS(w/v)、1%BSA(w/v)、又はそのいかなる組み合わせが挙げられる。リシス緩衝剤はまた、例えば、5%Tween/PBS;2%Tween/PBS+0.1%SDS;2%Tween/PBS+1%BSAであり得る。リシス緩衝剤の他の例としては、限定されるものではないが、5%Tween-80(v/v);5%TritonX−100(v/v);5%NP40(v/v);2%Tween-80(v/v);2%TritonX-100(v/v);2%NP40(v/v);1%Tween-80(v/v);1%TritonX-100(v/v);及び1%NP40(v/v)が挙げられる。界面活性剤及び緩衝剤の他の成分はタンパク質に適切ないかなる適切な緩衝剤からも作ることができ、そして限定されるものではないが、水及び緩衝食塩水が挙げられる。リシス緩衝剤は、サンプルを本明細書に記載のデバイスと接触させるより前にサンプルを調製するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、リシス緩衝剤は使用されない。表面タンパク質又は表面被検体が本方法で検出されるのが望ましいとき、リシス緩衝剤はサンプルに使用されない。従って、いくつかの実施態様では、サンプルはリシス又は細胞がリシスされるようにする条件にかけられない。細胞が使用されている場合、細胞はブリッジング錯体の一部であり得て、そして、例えば、図3に示されるアンプリコンを置換し得よう。類似のブリッジング錯体を作り出すことができる捕捉試薬がある限り、細胞は標識され又は非標識であり得る。
本主題はまた、サンプルを本明細書に記載のデバイス及び/又はシステムと接触させることを含む複数検体を検出する方法を提供し、ここでサンプルはコンジュゲートパッド及び試験膜と接触し、ここで試験膜での陽性反応は複数検体の存在を示す。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは信号検出ユニット又は信号検出ユニットに結合する捕捉試薬を含む。いくつかの実施態様では、試験膜は第二の被検体特異的捕捉試薬を含む。これは被検体に存在する相互作用ユニットに結合することができる。サンプルは、例えば、差分的に標識付けされたアンプリコンを有することができる。例えば、試験膜は、第一の被検体に存在する相互作用ユニットに結合する第一の捕捉試薬を含むことができる。コンジュゲートパッドは信号検出ユニットに結合する捕捉試薬を有することができる。被検体は、デバイスに適用されそしてコンジュゲートパッド及び/又は試験膜と接触するより前に、ブリッジングユニット及び/又は信号検出ユニットとインキュベートすることができる。被検体の錯体、捕捉試薬、及びシグナル検出ユニットが存在するとき、陽性反応が示される。そうでなければ、信号は生成されない。捕捉試薬は、それがその特異的結合パートナーに結合するときそれが陽性反応を示すであろうように、試験膜に適用することができる。システム及びデバイスは本明細書に記載の錯体を形成するのに利用することができる。例えば、差分的標識付き増幅産物を作り出すPCR反応が起こった後、産物はブリッジング錯体を作り出すのに使用することができる抗体とインキュベートされる。次いでインキュベーション混合物はデバイスに加えられる。サンプルは捕捉試薬を含有するコンジュゲートパッドを流れ、そして次いで別の捕捉試薬を含有する試験膜と相互作用する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは信号を検出することができるように除去され又は動かされる。垂直流デバイス中のコンジュゲートパッドの動きは本明細書に記載される。すべての被検体が存在する場合、ブリッジング錯体が作り出されそして単一信号を検出することができる。試験膜上の特異的捕捉試薬は、それが検出されるとき、それが線、円、プラス記号、破線、「X」又はその他のパターンを形成することができるように、いかなる方法でも適用することができる。いくつかの実施態様では、デバイスが適切に作動していることを示すコントロールラインは、被検体特異的ラインを横切り、そして複数被検体が存在しそして検出されるとき、検出可能標識はプラス記号を形成し得る。検出は、本明細書に記載の検出試薬の検出によって、そして当業者に公知のルーチン方法によって決定することができる。類似の方法は、例えば、ELISA系で使用することができる。
いくつかの実施態様では、サンプルはデバイスと接触し、それは次いでサンプルがデバイスと接触した後に緩衝剤がデバイスに適用されることが続く。例えば被検体を含むサンプルは、サンプルがコンジュゲートパッドに移動されるようにコンジュゲートパッドと接触することができる。コンジュゲートパッドとの接触に続いて、別々の溶液が、本明細書に記載のデバイスを通して垂直流を容易にし又は開始するようにデバイスに適用することができる。
本明細書に記載のように、いくつかの実施態様では、捕捉試薬は抗体である。いくつかの実施態様では、テストされるサンプルは溶液であり、しかしまたデバイスに適用することができる溶液又は緩衝剤及び固形物の混合物であり得る。溶液は次いで1つ又は複数の被検体を可溶化して、そしてコンジュゲートパッドの捕捉試薬がサンプル中に存在する適切な被検体と接触することを可能にしよう。いくつかの実施態様では、サンプルは細胞溶解物を含む。いくつかの実施態様では、細胞溶解物は非可溶性材料を除くために遠心分離又は他の手段によって清澄化されている。
いくつかの実施態様では、方法は、テストサンプルをサンプルコレクタと接触させること及びサンプルコレクタをデバイスと接触させることを含む。テストサンプルは、複数検体から作り出されるアンプリコンを含むサンプルであり得る。いくつかの実施態様では、方法はサンプルコレクタを溶液又は緩衝剤と接触させることを含み、ここで溶液又は緩衝剤はデバイスに適用される。いくつかの実施態様では、サンプルは、サンプルを試験膜と接触させるより前にコンジュゲートパッドと接触する。いくつかの実施態様では、サンプルはコンジュゲートパッド及び試験膜と同時に接触する。
いくつかの実施態様では、方法は本明細書に記載のコンジュゲートパッドを動かすことを含み、ここでデバイスの動きは検出のために試験膜を露出する。いくつかの実施態様では、ロック部材はコンジュゲートパッドを動かす。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドはロック部材及び/又はスライドボタン部材に取り付けられる。いくつかの実施態様では、着脱可能な部材の動き又は除去は、コンジュゲートパッドを動かし又は除去する。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドは着脱可能な部材及び/又は接着部材に取り付けられる。いくつかの実施態様では、着脱可能な部材が動かされ又は除去されるとき、接着部材はまたその元に位置に対して動かされ又はデバイスから除去される。被検体は、本明細書に論じられる被検体、又は本明細書に記載されている方法及びデバイスを用いて検出することができるその他の被検体であり得る。いくつかの実施態様では、方法は、サンプルをデバイスに適用すること及びサンプルが垂直流を介して流れるのを可能にすることを含む。
いくつかの実施態様では、複数被検体の有無の検出又は表示は60秒未満に起こる。いくつかの実施態様では、複数被検体の有無の検出又は表示は約30〜約60秒で起こる。いくつかの実施態様では、複数被検体の有無の検出又は表示は2分未満で起こる。いくつかの実施態様では、複数被検体の有無の検出又は表示は約30秒で起こる。
いくつかの実施態様では、単一信号で複数被検体を検出するデバイスが提供される。いくつかの実施態様では、デバイスはハウジングを含む。デバイスはハウジングを形成するために第一のハウジング部材及び第二のハウジング部材を含むことができる。いくつかの実施態様では、第一及び第二のハウジング部材は別々の部材である。第一及び第二のハウジング部材は単一部品として製造することができる。いくつかの実施態様では、単一部品は、ハウジング(例えばデバイス)に材料を導入することができるように2つのハウジング部材に分離することができる。いくつかの実施態様では、デバイスは入口を含む。入口はいずれかのハウジング部材(第一又は第二のハウジング部材)中にあり得る。入口を通ってデバイスへ導入されるサンプルが試験膜と接触するより前にコンジュゲートパッドと接触するように、入口はコンジュゲートパッド上方に向きを合わせることができる。デバイスは、デバイスにかけられるいかなる圧力に関係なく、サンプルが膜の層(例えば被検体検出膜システム)を通して垂直に下方に流れるように向きを合わせられる。従って、いくつかの実施態様では、第二のハウジング部材は入口開口部を含む。いくつかの実施態様では、第二のハウジング部材は第一のハウジング部材の上部にある。サンプルが被検体検出膜システムと接触することができるように、サイズ及び形状がデバイスへのサンプルの導入に十分である限り、入口は、本明細書に記載のようないかなるサイズ及び形状であってもよい。
デバイスは1つ又はそれ以上の力部材を含むことができる。力部材は被検体検出膜システムに圧力をかけることができる。力は、被検体検出膜システムの膜又は層に垂直に又は実質的に垂直にかけられる。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、及び5つの力部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の力部材を含む。力部材はハウジング部材と接触し得る。いくつかの実施態様では、力部材の表面はハウジング部材(例えば第一又は第二のハウジング部材)と接触している。いくつかの実施態様では、力部材の裏面は被検体検出膜システムと接触する。本明細書に記載のように、被検体検出膜システムを通したサンプルの流れを容易にするために、力部材は被検体検出膜システムを圧縮するように使用することができる。圧力は、サンプルが被検体検出膜システムを通して垂直に流れるのを助けることができる。力部材は互いに独立してデバイスに向きを合わせることができる。力部材はまた、各力部材が異なる被検体検出膜システムに圧力をかけて、そして各被検体検出膜システムにかけられた力が異なり又は、いくつかの実施態様では、同じ又は実質的に同じであるように、操作することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスは1つ又はそれ以上の可動ロック部材を含む。いくつかの実施態様では、可動ロック部材は力部材と接触する。いくつかの実施態様では、可動ロック部材はデバイス中に存在する各力部材と接触する。例えば、第一及び第二の力部材を含むデバイスでは、可動ロック部材は第一の力部材及び第二の力部材と接触している。可動ロック部材は、いくつかの実施態様では、力部材が高い位置にあるように力部材を支持する。高い位置は、それが可動ロック部材と接触しているときの力部材の位置を、力部材が可動ロック部材と接触していないときと比較することによって決定することができる。力部材と可動ロック部材間に接触がない場合、力部材は第一の位置にある。可動ロック部材が力部材と接触しているとき、力部材は第二の位置にある。いくつかの実施態様では、力部材の第二の位置は上げた位置であると考えられる。上げた位置は被検体検出膜システムの層(例えば膜)を圧縮するのに使用することができる。可動ロック部材が力部材と接触していないとき、いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは圧縮されない。
デバイスは1つ又はそれ以上の可動ロック部材を含むことができる。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の、又は1、2、3、4、又は5つの可動ロック部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、又は5の可動ロック部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは、デバイスに存在する力部材の数と等しいいくつかの可動ロック部材を含む。
可動ロック部材はまた、限定されるものではないが、ハンドルのような可動部材を含むことができる。可動部材は、例えば、ロック部材が力部材と接触するように、可動ロック部材を回転し又は動かすのに使用することができる。いくつかの実施態様では、可動部材は、力部材が位置を変える(例えば上げた位置から下の位置まで)ように、力部材からロック部材を外す。可動部材は、被検体検出膜システムにかけられている圧力を解放又はかけるのに使用することができる。可動部材はまた、被検体検出膜システムの圧縮を解放又はかけるのに使用することができる。いくつかの実施態様では、可動部材はロック部材をデバイスの中心軸周りに回転させる。例えば、サンプルをデバイスに適用しそしてサンプルが少なくとも1つの被検体検出膜システムを通して流れた後、可動部材が動かされ、それが可動ロック部材を時計回りか又は反時計回り方向に回転させる。可動ロック部材の回転は、力部材を異なる位置に低下させることを可能にする。可動ロック部材の回転はまた、被検体検出膜システムにかけられる圧力が解放されるのを可能にする。いくつかの実施態様では、圧力は完全に解放され、又はいくつかの実施態様では、圧力は一部だけ解放される。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、可動ロック部材を動かす可動部材は第一又は第二のハウジング部材を通して突出する。いくつかの実施態様では、可動部材は可動部材出口を通してアクセス可能である。いくつかの実施態様では、可動部材は動いたときデバイスの中心軸周りを回転する。いくつかの実施態様では、可動部材は可動ロック部材を側方に(例えば水平方向に)又は垂直に動かす。いくつかの実施態様では、可動ロック部材は動いたとき側方に(例えば水平方向に)又は垂直に動く。
可動部材及び可動ロック部材は単一部品として又は2つの部品として構成することができる。いくつかの実施態様では、ここでは可動ロック部材及び可動部材は2つの別々の部品であり、そして1つの動きが他を動かすように互いと相互作用するように構成される。例えば、2つの部品の1つは表面から突出する「雄部材」を有することができ、そして相互作用を形成するために他の部品の「雌部材」に挿入する。
可動部材による可動ロック部材の動きはまた、被検体検出膜システムに存在するコンジュゲートパッドを動かし又は除去するのに使用することができる。本明細書に論じられるように、コンジュゲートパッドは試験膜の視覚化又は分析を可能にするために除去することができる。本明細書に論じられるように、コンジュゲートパッドは、被検体検出膜システム又は試験膜の視覚化又は分析を可能にするのに十分な量から完全に除去することができる。試験膜の分析は単に目視検査に基づき得て、又はいくつかの実施態様では、光学式読取装置がサンプル中の抗原の有無を決定するのに試験膜を分析するために使用することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスは複数、又は2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、又は5つの被検体検出膜システムを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは1、2、3、4、又は5の被検体検出膜システムを含む。被検体検出膜システムは本明細書にそして本出願全体にわたって記載され得る。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスは1つ又はそれ以上の可撓性又は非可撓性取付部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の可撓性又は非可撓性取付部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、又は5つの可撓性又は非可撓性取付部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは1、2、3、4、又は5つの可撓性又は非可撓性取付部材を含む。いくつかの実施態様では、可撓性又は非可撓性取付部材は可動ロック部材と接触する。いくつかの実施態様では、可撓性又は非可撓性取付部材は可動ロック部材及びコンジュゲートパッドと接触する。可撓性又は非可撓性取付部材は、被検体検出膜システムの層(例えば膜)の残りからコンジュゲートパッドを除去しそして動かす。いくつかの実施態様では、デバイスは、デバイス中に存在する被検体検出膜システムの数に等しいいくつかの可撓性又は非可撓性取付部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは、デバイス中に存在する力部材の数に等しいいくつかの可撓性又は非可撓性取付部材を含む。可撓性又は非可撓性取付部材はまた、試験膜の一部分又はすべてを露呈し又は露出するようにコンジュゲートパッドを後退させるのに使用することができる。
例えば、いくつかの実施態様では、デバイスは3つの被検体検出膜システム及び3つの力部材を含む。1つより多い被検体検出膜システムを備えたデバイスは、異なる被検体又は異なる複数の被検体セットを検出するのに使用することができる。そのようなデバイスでは、例えば、デバイスは第一、第二、及び第三の取付部材を含む。第一の取付部材は、第一の被検体検出膜システムのコンジュゲートパッド及び可動ロック部材と接触することができる。加えて、いくつかの実施態様では、第二の取付部材は、第二の被検体検出膜システムのコンジュゲートパッド及び可動ロック部材と接触することができる。いくつかの実施態様では、第三の取付部材は、第三の被検体検出膜システムのコンジュゲートパッド及び可動ロック部材と接触することができる。いくつかの実施態様では、第一、第二、及び第三の取付部材は同じ可動ロック部材と接触している。いくつかの実施態様では、第一、第二、及び第三の取付部材は異なる可動ロック部材と接触している。例えば、いくつかの実施態様では、第一及び第二の取付部材は同じ可動ロック部材と接触され、そして第三の取付部材は異なる可動ロック部材と接触している。各取付部材は独立して1つ又はそれ以上の可動ロック部材と接触している。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、可動ロック部材は1つ又はそれ以上の可動ロック部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、可動ロック部材延長部分は力部材と接触する。いくつかの実施態様では、デバイスは、デバイス中に存在する力部材の数と同じいくつかの可動ロック部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、可動ロック部材延長部分は力部材を部分的に取り囲み又は包囲する。いくつかの実施態様では、可動ロック部材延長部分は力部材を完全に取り囲み又は包囲する。可動ロック部材又は部材延長部分の形状は、力部材を上げた位置に保つようないかなる形状であってもよい。いくつかの実施態様では、延長部分は部分的又は完全に取り囲み又は包囲するフック又はフック様形状である。形状が力アクチュエータ(例えば力部材)の支持体として機能する限り、形状は本質的なものではない。
可動ロック部材延長部分の数は、本明細書に記載のデバイスに存在する力部材の数と同じ又は異なり得る。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の可動ロック部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、又は5つの可動ロック部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは1、2、3、4、又は5つの可動ロック部材延長部分を含む。例えば、いくつかの実施態様では、デバイスは第一、第二、及び第三の力部材取付部材、並びに第一、第二、及び第三の可動ロック部材延長部分を含む。この非限定例では、例えば、第一の力部材は第一の可動ロック部材延長部分と接触し、第二の力部材は第二の可動ロック部材延長部分と接触し、そして第三の力部材は第三の可動ロック部材延長部分と接触する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、可動ロック部材は可撓性又は不撓性であり得る取付部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、取付部材延長部分は取付部材と接触する。いくつかの実施態様では、取付部材延長部分は取付部材延長結節を含む。結節は、取付部材が可動ロック部材とその接触を確実に維持するように、取付部材が固定されることを可能にするいかなる形状又はサイズでもあり得る。いくつかの実施態様では、1つ又はそれ以上の可動ロック部材延長部分は可動ロック部材の中心から放射状に(例えば外側に)伸びる。
取付部材延長部分の数は、本明細書に記載のデバイスに存在する被検体検出膜システムの数と同じ又は異なり得る。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の可撓性又は非可撓性取付部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、又は5つの可撓性又は非可撓性取付部材延長部分を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは1、2、3、4、又は5つの可撓性又は非可撓性取付部材延長部分を含む。例えば、いくつかの実施態様では、デバイスは第一、第二、及び第三の取付部材、及び第一、第二、及び第三の取付部材延長部分を含む。この非限定例では、例えば、第一の取付部材は第一の取付部材延長部分と接触し、第二の取付部材は第二の取付部材延長部分と接触し、そして第三の取付部材は第三の取付部材延長部分と接触する。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のデバイスは可撓性又は非可撓性取付部材及び/又は部材延長部分を含む。本開示全体にわたって、可撓性又は非可撓性である取付部材又は部材延長部分について説明され得る。1つの実施態様が可撓性部材を開示する場合、当然のことながら、別の実施態様もまた開示され、ここでは文脈が逆の指示でなければ部材は非可撓性である。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスはチャンネルシステムを含む。チャンネルシステムは、サンプル(例えば流体)をデバイスの入口開口部からデバイスに存在する1つ又は複数の被検体検出膜システムまで輸送するのに使用することができる。本明細書で使用される「チャンネルシステム」は、どれほど多くの個々のチャンネルがシステムの一部であるかには関係なく、全体のシステムをいう。例えば、チャンネルシステムは、限定されるものではないが、流体を入口から被検体検出膜システムまで輸送するキャピラリーのような2つ又はそれ以上のチャンネルを含むことができる。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは1つ又はそれ以上のブランチ(例えばアーム)を含む。1つ又はそれ以上のブランチは流体を1つ又はそれ以上の被検体検出膜システムに輸送することができる。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは1、2、3、4、又は5つのブランチを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは、デバイスに存在する被検体検出膜システムの数に等しいチャンネルシステム中にいくつかのブランチを含む。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、チャンネルシステムの各ブランチは、流体を入口から被検体検出膜システムまで輸送するキャピラリーチューブを含む。いくつかの実施態様では、各ブランチは複数のキャピラリーチューブを含む。いくつかの実施態様では、各ブランチは少なくとも1、2、3、4、又は5つのキャピラリーチューブを含む。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはキャピラリーチューブ又はチューブ様構成を含まず、サンプルの一部分が入口から被検体検出システムのコンジュゲートパッドまで輸送されることを可能にする材料から作られる。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは、サンプルを入口から被検体検出膜システムまで輸送するのに使用することができる多孔性材料である。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはコンジュゲートパッドと同じ材料から作られる。いくつかの実施態様では、チャンネルシステム及びコンジュゲートパッドは材料の隣接部品である。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはPorex材料である。これらの多孔性材料は、入口が被検体検出膜システムと流体連通することを可能にする。いくつかの実施態様では、多孔性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF、エチルビニルアセテート、ナイロン6、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、SCPなどを含む。いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッド及びチャンネルシステムは同じ材料又は異なる材料である。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは多孔性材料及び/又はキャピラリーチューブシステムを含まない。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、チャンネルシステムは入口と接触する。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは被検体検出膜システムの上部と接触する。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはコンジュゲートパッドの上部又はコンジュゲートパッドの上部にある膜と接触する。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはコンジュゲートパッドの端部及びコンジュゲートパッドの上部にある膜の端部と接触する。サンプルがどのように被検体検出膜システムと接触するかに関係なく、いくつかの実施態様では、サンプルは被検体検出膜システムを通して垂直に流れる。従って、サンプルは入口から被検体検出膜システムまで水平に(例えば側方に)流れ得るが、サンプルはそれが被検体検出膜システムを通してを垂直に流れるまで分析されない。これは、サンプルが複数膜又はテスト層を通して側方に(例えば水平に)流れる側方流システムと明らかに異なる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、チャンネルシステムはサンプルを均等部分に分け、ここで各均等部分は独立の被検体検出膜システムと接触する。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムはサンプルを1つ又はそれ以上の不均等部分に分ける。1つ又はそれ以上の不均等部分は次いで独立の被検体検出膜システムに輸送される。
例えば、第一及び第二の被検体検出膜システムを含むデバイスでは、デバイスは第一及び第二のブランチを含むチャンネルシステムを含む。いくつかの実施態様では、第一のブランチは第一の被検体検出膜システムと接触し、そして第二のブランチは第二の被検体検出膜システムと接触する。サンプルのデバイスへの適用時に(例えば入口開口部を通して)、サンプルは、チャンネルシステムの第一及び第二のブランチを通して第一及び第二の被検体検出膜システムへ均等部分(equal portion)で輸送される。いくつかの実施態様では、サンプルはチャンネルシステムの第一及び第二のブランチを通して、第一及び第二の被検体検出膜システムへ不均等部分で輸送される。サンプルは、例えば、各ブランチに存在するキャピラリーの数に基づいて、不均等部分に分けることができる。例えば、第一のブランチは第二のブランチよりも多いキャピラリーを含むことができる。より多い数のキャピラリーは、より多くのサンプルが第二のブランチよりも第一のブランチを通して輸送されることを可能にして、よれにより不均等部分を第一及び第二の被検体検出膜システムへ送達する。
従って、チャンネルシステムのブランチは同数のキャピラリー又は異なる数のキャピラリーを有し得る。チャンネルシステムの各ブランチ中のキャピラリーの数は各ブランチで独立している。即ちチャンネルシステムの各ブランチは、別のブランチと同数又は異なる数のキャピラリーを有することができる。従って、いくつかの実施態様では、デバイスのチャンネルシステムはキャピラリーチャンネルシステムと記載することができる。いくつかの実施態様では、チャンネルシステムは、デバイスそれ自体に対して本明細書に記載される第一及び第二のハウジング部材とは別々のそして別個のチャンネルハウジングに囲まれる。いくつかの実施態様では、チャンネルハウジングは透明、半透明、不透明、又は部分的に半透明である。
本明細書に論じられるように、試験膜は、単一信号で複数被検体の有無を決定するのに、人の目で視覚的に又は光学式読取装置などの機械を通して分析することができる。いくつかの実施態様では、分析はポータルを通して行われる。いくつかの実施態様では、デバイスは、1つ又はそれ以上の被検体検出膜システムの試験膜の視覚化を可能にするのに十分なサイズの1つ又はそれ以上のポータルを含む。いくつかの実施態様では、単一ポータルはデバイス中に存在する試験膜の各々を視覚化するのに使用される。いくつかの実施態様では、デバイスはポータルを含まない。デバイスがポータルを含まない実施態様では、試験膜は、デバイスに対して透明又は半透明ハウジングを用いることによって更に視覚化することができる。いくつかの実施態様では、第一及び/又は第二のハウジングは透明又は半透明である。第一及び/又は第二のハウジングが透明又は半透明である場合、これは、それがコンジュゲートパッドを動かし又は除去する際に露呈されるとき、被検体検出膜システム及びその試験膜を可能にすることができる。いくつかの実施態様では、デバイスは複数のポータルを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは少なくとも1、2、3、4、及び5つのポータルを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは1、2、3、4、及び5つのポータルを含む。いくつかの実施態様では、デバイスは連続した1つのポータルを含み、そしてデバイス中に存在する各被検体検出膜システムを目視検査に露出する。
本明細書に論じるように、力部材は少なくとも2つの位置(例えば、上げた又は下げた、係合する又は外す)間で動くことを可能にすることができる。いくつかの実施態様では、力部材は力アクチュエータ出口によって下けられそして囲まれる。このように、いくつかの実施態様では、デバイスは、それが下げられると力部材を受け入れることができる1つ又はそれ以上の力アクチュエータ出口を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは複数の力アクチュエータ出口を含む。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口は溝である。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口は円又は実質的に円形である。力アクチュエータ出口は、力アクチュエータ(例えば力部材)を特定の位置に掛けるのに使用することができる。力アクチュエータ出口はまた、力アクチュエータを第二の位置に保持するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口の周囲は、出口に入っている力部材の部分の円周よりも大きい。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口の円周は、力部材の最大円周よりも大きい。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口の周囲は、力部材の部分の最大円周よりも大きくなく、ここで力部材は少なくとも2つの円周を備えた領域を有する。例えば、2つの異なる円周を有する力部材が本明細書に記載される。力部材は1つの円周のキャップ、及び異なる円周を備えたキャップを支持する支持構造物を含むことができる。支持構造物は、いくつかの実施態様では、キャップよりも小さい円周を有する。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口は、支持構造物円周より大きいがキャップ構造物円周よりも小さい円周を有することができる。いくつかの実施態様では、力アクチュエータ出口の数はデバイス中に存在する力部材の数と同じか又は異なる。
力アクチュエータ出口はまた、それが下げられそしてもはや被検体検出膜システムを圧縮しないとき、デバイス中の各々の及びあらゆる力部材を受け入れることができるハウジング部材における連続的窪みであり得る。出口は力部材を一時的に収容することができ、そしてそれは、力部材が被検体検出膜システムを圧縮又は更に圧縮するのに再び上げることができないように恒久的であり得る。
本明細書にそして本出願の全体にわたって論じられるように、コンジュゲートパッド、透過性膜、試験膜、及び吸収性膜は、本明細書に記載されるある力の下で、そして限定されるものではないが、約1lbfから約100lbfまでの力の下で力部材によって圧縮することができ又は圧縮される。いくつかの実施態様では、複数の被検体検出膜システムがある場合、各膜検出システムにかけられる圧力は異なり得て又はそれは同じであり得る。例えば、第一、第二、及び第三の被検体検出膜システムを有するデバイスでは、第一の被検体検出膜システムは5lbfの力の下で圧縮することができ、第二の被検体検出膜システムは10lbfの力の下で圧縮することができ、そして第三の被検体検出膜システムは25lbfの力の下で圧縮することができる。別の例において、いくつかの実施態様では、第一及び第二の被検体検出膜システムは同じ圧力の下で圧縮され、そして第三の被検体検出膜システムは第一及び第二の被検体検出膜システムとは異なる圧力の下で圧縮される。圧力の差は、異なる被検体に有用であり得る異なる流量を用いるのに使用することができる。圧力は流量と相関している。圧力は力部材の位置及びどれだけ被検体検出膜システムの層が圧縮されるかによって操作される。使用される特定の力は、公知の及びルーチン方法を用いて当業者によって決定しそして測定することができる。
本明細書に記載のように、いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書に記載のいかなるデバイスを含むシステム、緩衝剤容器及び/又はサンプルコレクタを提供する。いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書に記載のいかなるデバイス及び1つ又はそれ以上の陽性対照、陰性対照、取扱説明書、緩衝剤容器及びサンプルコレクタ、又はその任意の組み合わせを含むキットを提供する。
本明細書に記載の方法は、例えば、複数、2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムを有するデバイスと共に使用することができる。方法はまた、2、3、4、又は5つの被検体検出膜システムを有するデバイスで使用することができる。2つ以上の被検体検出膜システム(例えば3、4、5、6、7、8、9、又は10)がある場合、本明細書に含まれる方法及び説明は、被検体検出膜システムの数と合致するように修正される。これらの変更は、本明細書に含まれる説明及び当業者に公知であるいかなるルーチン変更とも合致してなされる。当業者の知見と合わせて本明細書に含まれる説明に基づき、2つより多い被検体検出膜システムを包含する変更は、必要以上の実験を必要としない。本明細書に記載のようないくつか実施態様では、デバイスは2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムを含む。いくつかの実施態様では、方法はサンプル(例えば複数被検体を含むサンプル)をデバイスと接触させることを含み、そしてサンプルの一部分がチャンネルシステムを通して2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムのコンジュゲートパッドに輸送される。いくつかの実施態様では、方法は被検体に対する陽性又は陰性反応を検出することを含み、ここで陽性反応は複数被検体の存在を示す。いくつかの実施態様では、2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムは力部材によって圧縮される。いくつかの実施態様では、サンプルはコンジュゲートパッドから試験膜へ垂直に流れる。いくつかの実施態様では、方法は更に、力部材により被検体検出膜システムを圧縮することを含む。いくつかの実施態様では、方法は、サンプルの一部分が接触しそしてコンジュゲートパッドを流れた後に、2つ又はそれ以上の検出システムのコンジュゲートパッドを動かすことを含み、それにより分析用の試験膜を露出することを含む。いくつかの実施態様では、試験膜は検出のためのポータル開口部内に露出される。いくつかの実施態様では、2つ又はそれ以上検出システムのコンジュゲートパッドは、可動ロック部材を動かすことによって動かされる。いくつかの実施態様では、可動ロック部材を動かすことは、デバイスの中心軸周りに可動ロック部材を回転させることを含む。いくつかの実施態様では、可動ロック部材は側方又は垂直に動かされる。いくつかの実施態様では、可動ロック可能部材は2つ又はそれ以上の検出システムのコンジュゲートパッドを同時に又は逐次的に動かす。いくつかの実施態様では、方法は更に2つ又はそれ以上の被検体検出システムの圧縮を解放することを含む。圧力は、例えば、可動ロック部材を動かすことによって解放され又は低減することができる。いくつかの実施態様では、可動ロック部材は、可動ロック部材に連結される可動部材を回転し又は動かすことによって動かされる(例えば回転される)。
いくつかの実施態様では、1つ又はそれ以上の被検体検出膜システムはサンプルがチャンネルシステムと接触するより前に圧縮される。いくつかの実施態様では、1つ又はそれ以上の被検体検出膜システムは、サンプルが1つ又はそれ以上の被検体検出膜システムのコンジュゲートパッドと接触するより前に圧縮される。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムの各々は同時に圧縮される。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムの各々は独立して圧縮される。いくつかの実施態様では、デバイス中に存在する被検体検出膜システムの各々はサンプルがコンジュゲートパッドと接触するより前に圧縮される。
いくつかの実施態様では、方法は、力部材によって2つ又はそれ以上の被検体検出膜システムにかけられた圧力を解放することを含み、ここで該力部材は、該圧力を解放するために垂直又は水平に動く。いくつかの実施態様では、方法は、圧力を解放するために第一の位置から第二の位置まで動く力部材を含む。いくつかの実施態様では、力部材の動きが圧力を解放し若しくは減少させ、又は被検体検出膜システムにかけられている力を解放し若しくは減少させるとき、力部材は力アクチュエータ出口へ動き又はそれと接触する。いくつかの実施態様では、力部材は部分的に又は完全にデバイスから離脱する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、本発明は、圧力アクチュエータ、圧力解放、被検体検出膜システム、被検体検出膜システムレセプタクル、及び出口を含む被検体を検出するデバイスを提供する。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムレセプタクルは、被検体検出膜システムを受け入れるのに十分なサイズ及び形状からなる。いくつかの実施態様では、レセプタクルは溝である。いくつかの実施態様では、レセプタクルは、必ずというわけではないが、デバイスから除去することができるケースである。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載されるように、被検体検出膜システムは、カートリッジ又はハウジング内に包含され又は含有されることができる。ハウジングは第一及び/又は第二のハウジング部材を含むことができる。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムがハウジング又はカートリッジ内に含有される場合、レセプタクルは、ハウジング又はカートリッジを受け入れるのに十分なサイズ及び形状からなる。いくつかの実施態様では、ハウジング又はカートリッジは入口を含む。入口はサンプルを被検体検出膜システムに適用するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、カートリッジ又はハウジングは、サンプルがハウジング及びカートリッジを通してそしてそこから流れることを可能にする、第二の出口を含む。被検体検出膜システムは本明細書に記載のいかなる被検体検出膜システムでもあり得る。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイスは圧力アクチュエータを含む。圧力アクチュエータは、例えば、本明細書に記載されている力部材であり得る。いくつかの実施態様では、圧力アクチュエータは、空気圧を被検体検出膜システムにかけるか又は被検体検出膜システムを通して真空に引く空気弁又は真空弁である。いくつかの実施態様では、圧力アクチュエータは、圧力解放又は圧力調節器によって調節することができる。圧力解放又は圧力調節器は、例えば、真空解放であり得る。解放又はレギュレータは、被検体検出膜システムにかけられている圧力又は真空を調節するのに使用することができる。圧力又は真空は、デバイスに存在している出口又はチューブを通して被検体検出膜システムにかけることができる。出口は本明細書記載のカートリッジ又はハウジングに存在する同じ出口であり得て、又はそれは異なる出口又はチューブであり得る。出口又はチューブは、圧力又は真空が、それが全デバイスを横切って拡散することを可能にするよりむしろ、特異的にかけられるように使用することができる。
いくつかの実施態様では、被検体膜検出を入れるハウジング(例えばカートリッジ)は、上部ハウジング及び下部ハウジングを含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは複数の膜又はパッドホルダを含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは1つ又はそれ以上の膜又はパッドホルダを含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは1、2、3、4、及び5つの膜又はパッドホルダを含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは少なくとも1、2、3、4、及び5つの膜又はパッドホルダを含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは入口を含む。いくつかの実施態様では、ハウジングは出口を含む。いくつかの実施態様では、真空アクチュエータは直接又は間接にハウジング出口と接触する。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、デバイス及び本明細書に記載のいかなるデバイスもハウジングを排出するエジェクタを含む。エジェクタは被検体検出膜システムを含有するハウジングの除去を容易にするのに使用することができる。いくつかの実施態様では、デバイスはハウジング分離装置を含む。ハウジング分離装置はハウジングの分離を容易にするのに使用することができる。いくつかの実施態様では、エジェクタはまたハウジング分離装置としても機能することができる。
本明細書に記載の方法に加えて、いくつかの実施態様では、複数被検体を検出する方法は、複数の被検体を含有するサンプルを、圧力アクチュエータ、圧力調整器、被検体検出膜システム、被検体検出膜システムレセプタクル、及び出口又は本明細書に記載のその他のデバイス又は被検体検出膜システムを含むデバイスに適用することを含む。いくつかの実施態様では、サンプルは被検体検出膜システムと接触され、ここでサンプルは被検体検出膜システムを通って垂直に流れる。いくつかの実施態様では、方法は被検体の有無を検出することを含む。これは、相互作用ユニット、捕捉試薬、及び本明細書に記載の信号検出ユニットの使用を通して形成されるブリッジング錯体に従って行うことができる。
複数被検体を検出するためのデバイスを用いるいくつかの実施態様では、検出することは、被検体検出膜システムに存在するコンジュゲートパッドを除去し又は動かして結果を視覚化するのに十分な量を含み、ここで肯定的な結果は複数被検体の存在を示す。いくつかの実施態様では、検出は、デバイスから被検体検出膜システムを除去してそして更にコンジュゲートパッドを除去し又は動かして単一信号で被検体又は複数被検体の検出を視覚化するのに十分な量を含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムはハウジング又はカートリッジ内に含有され、そしてそれ故に、いくつかの実施態様では、ハウジング又はカートリッジはコンジュゲートパッドの動き又は除去より前にデバイスから除去される。いくつかの実施態様では、ハウジングは、本明細書に記載のようにコンジュゲートパッドの除去又は動きより前に、第一の(例えば上部)及び第二の(例えは下部)ハウジングに分けられる。いくつかの実施態様では、ハウジングの第一及び第二のハウジングへの分離はコンジュゲートパッドを除去し又は動かし、本明細書に記載のように試験膜を視覚化する。いくつかの実施態様では、ハウジングは手動及び/又は機械的に分けられる。いくつかの実施態様では、ハウジング(例えばカートリッジ)はデバイスから排出される。いくつかの実施態様では、ハウジングはエジェクタによりデバイスから排出される。いくつかの実施態様では、ハウジングは分離装置によって分離される。いくつかの実施態様では、エジェクタはまた分離装置として機能する。
いくつかの実施態様では、方法は被検体検出膜システムに圧力をかけること又はそれを通して真空に引くことを含む。いくつかの実施態様では、方法は圧力又は真空を解放すること又は低減することを含む。いくつかの実施態様では、圧力又は真空は、圧力調節器を用いることによって解放され又は低減される。本明細書に記載される方法のいくつかの実施態様では、被検体検出膜システムと接触するサンプルは、圧力アクチュエータによって調節される流量で被検体膜システムを流れる。いくつかの実施態様では、全サンプルは一定速度で被検体検出膜システムを流れる。いくつかの実施態様では、サンプルは可変速度で被検体検出膜システムを流れる。いくつかの実施態様では、可変速度は、サンプルの一部分の流量が0である、少なくとも1つの期間を含む。例えば、サンプルがある期間被検体検出膜システムを流れることを停止するように、かけられている圧力又は引かれている真空を調節することができる。これは「ドウェル(dwell)」と言うことができる。本文書の別の所の記載のように、ドウェルは、コンジュゲートパッドと被検体検出膜システムの他の層の間に非透過性又はやや非透過性膜を入れることによって実行することができる。しかしながら、ドウェルはまた、被検体検出膜システムにかけられる圧力を調節する(例えば変える)ことによって調節することができる。ドウェルはまた、被検体検出膜システムを通して引かれている真空を調節する(例えば変える)ことによって調節することができる。限定されるものではないが、システムコンジュゲートパッド及び/又は試験膜を通る流量を含んで、被検体検出膜システムを通る流量を調節するいかなる方法も、使用することができる。
本明細書のデバイスはまた、自動化することができ又は光学式読取装置又は他のタイプのスペクトロメータと併せて使用することができる。システム及び本明細書に記載のデバイスを光学式読取装置又は他のタイプのスペクトロメータと組み合わせる利点は、サンプル中に存在するより少ない被検体でサンプルをその被検体に対して陽性と同定するのに必要であるように、デバイス及びアッセイの感度を増加することができることである。このより高い感度は次いで、例えば、食物が病原体を含有し、人がある疾患又は病態を有するか、又は、本記載の方法及びデバイスを使用するのにかかるのと同じ時間量で、産物が他のデバイス及び方法を用いてさもなければ検出不能である被検体を有するか、を決定するのに使用することができる。
従って、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、本発明は、サンプル入口、被検体検出カートリッジレセプタクル、被検体検出カートリッジレセプタクル入口、光学式コンジュゲートパッドリムーバ、圧力アクチュエータ、スペクトロメータ(例えば光学式読取装置)、ディスプレイユニット、シグナル処理ユニットを含む複数被検体を検出するためのデバイスを提供する。圧力アクチュエータは、その位置がデバイスと併せて使用される被検体検出膜システムにかけられている圧力を調節するのに修正される、力部材であり得る。圧力アクチュエータはまた、デバイスと併せて使用される被検体検出膜システムを通して真空に引くことによって圧力を調節することができる。スペクトロメータは信号の存在を検出することができるいかなるスペクトロメータでもあり得る。信号は光学的シグナルであり得る。信号は、例えば、赤外スペクトル;近赤外スペクトル;可視スペクトル;x線スペクトル;紫外スペクトル;γ線;電磁スペクトル等から選ばれるスペクトルで発せられる信号であり得る。
スペクトロメータは信号処理ユニット(例えばコンピュータ)に接続することができる。信号処理ユニットは、それに伝えられる信号を受け取り、そしてサンプルの有無を決定するのに信号を分析することができる。信号処理ユニットの例は、限定されるものではないが、コンピュータである。信号処理ユニットは、スペクトロメータによって伝えられる信号を分析するのにプログラム化することができる。プログラミングは、サンプル中の被検体の有無を決定するために信号を分析するためのアルゴリズムを行うことができる。アルゴリズムは、信号処理ユニットの記憶にプレインストールされる、又はデバイスの使用者によって入力される基準に基づくことができる。入力することができる情報のタイプは正又は負の信号に対するカットオフ、又は処理時間などであり得る。信号処理ユニットはまた、被検体検出膜システムにかけられる圧力又はそれを通して引かれる真空を調節するのに使用することができる。
信号処理ユニットは、被検体検出膜システムを通してサンプルの流量を調節するのに使用し又はプログラム化することができる。流量は、被検体検出膜システムにかけられる圧力又はそれを通して引かれる真空を調節することによって調節することができる。本明細書に記載の方法に関して上記のように、被検体検出膜システムと接触するサンプルは、圧力アクチュエータによって調節される流量で被検体膜システムを流れる。圧力調節器は、例えば、信号処理ユニットによって順番に調節することができる。いくつかの実施態様では、全サンプルは信号処理ユニットによって調節される、一定速度で被検体検出膜システムを流れる。いくつかの実施態様では、全サンプルは信号処理ユニットによって調節される、可変速度で被検体検出膜システムを流れる。いくつかの実施態様では、可変速度は、信号処理ユニットによって調節することができる、サンプルの一部分の速度が0である、少なくとも1つの期間を含む。例えば、かけられている圧力又は引かれている真空は、サンプルがある時間の間被検体検出膜システムを流れることを停止するように、信号処理ユニットによって調節することができる。本明細書に記載のように、これは「ドウェル」と言うことができる。ドウェルは、例えば、信号処理ユニットによって実施され又は制御することができる、被検体検出膜システムにかけられる圧力を調節する(例えば変える)ことによって調節することができる。ドウェルはまた、信号処理ユニットによって実施され又は制御することができる、被検体検出膜システムを通して引かれている真空を調節する(例えば変える)ことによって調節することができる。限定されるものではないが、システムコンジュゲートパッド及び/又は試験膜を通る流量を含んで、被検体検出膜システムを通る流量を調節するいかなる方法も使用することができ、そしてそのような方法は信号処理ユニットによって調節し又は実施することができる。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、本明細書に及び全体にわたって記載のデバイスは、被検体検出カートリッジレセプタクル位置決め部材を含む。検出カートリッジレセプタクル位置決め部材は、例えば、サンプルを受け入れるために及び/又はサンプルが分析されるために適切な位置に被検体検出膜システムを入れるのに使用することができる。いくつかの実施態様では、システムはスペクトロメータ分析用に位置付けされる。いくつかの実施態様では、検出カートリッジレセプタクル位置決め部材は、信号処理ユニットによって電動化され及び/又は制御することができる。いくつかの実施態様では、検出カートリッジレセプタクル位置決め部材は電動化されずに、限定されるものではないが、そのレセプタクルの位置が修正されることを可能にするレバー又はスクリューなどの手動制御装置によって制御することができる。いくつかの実施態様では、信号処理ユニットは被検体膜検出レセプタクル可動部材を動かすことによって被検体膜検出レセプタクルの動きを制御する。いくつかの実施態様では、被検体検出カートリッジレセプタクル位置決め部材は被検体検出カートリッジレセプタクルと接触している。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、本明細書に記載のデバイスは廃棄物レセプタクルを含むことができる。廃棄物レセプタクルはデバイスの内部に又は外側にあるが、尚デバイスと接触している。廃棄物レセプタクルは使用されていた被検体検出膜システムを受け入れることができる。いくつかの実施態様では、本明細書に記載のように、被検体検出膜システムはハウジング(例えばカートリッジ)中に含有される。ハウジングは次いで廃棄物レセプタクルへ排出することができる。排出は手動でもよく又は自動化することができる。いくつかの実施態様では、排出は信号処理ユニットによって制御される。いくつかの実施態様では、信号処理ユニットは、被検体検出膜システムレセプタクルから廃棄物レセプタクルへ被検体検出膜システムを排出するエジェクタを制御する。本明細書に記載されるすべてのデバイスのように、いくつかの実施態様では、デバイスはハウジング(例えばカートリッジ)中に入れることができる又はできない、被検体検出膜システムを含む。
単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスのいくつかの実施態様では、圧力アクチュエータは被検体検出膜システムと接触する。いくつかの実施態様では、圧力アクチュエータは、圧力アクチュエータの動きを可能にする点でデバイスに取り付けられる。いくつかの実施態様では、圧力アクチュエータは、単一接触点で圧力アクチュエータを枢動することを可能にする回転軸に取り付けられる。
いくつかの実施態様では、本明細書に記載のデバイスはディスプレイを含む。いくつかの実施態様では、ディスプレイは電子ディスプレイである。いくつかの実施態様では、信号処理ユニットはスペクトロメータから入力を受け、そしてディスプレイユニット上に情報を表示する。ディスプレイユニットは、限定されるものではないが、1つ又はそれ以上の被検体の存在及び/又は不存在、状態などを含む種々の情報を表示することができる。
いくつかの実施態様では、本発明は、信号処理ユニットを含むデバイス、又は本明細書に記載のデバイスを用いて複数検体を検出することを含む。いくつかの実施態様では、方法は、デバイスを、デバイス内で被検体検出膜システムと接触するサンプルと接触させることを含む。サンプルは次いで被検体検出膜システムを通って流れる。いくつかの実施態様では、方法は被検体の有無を検出することを含む。いくつかの実施態様では、検出することは、被検体膜システムから光信号を検出する光学式読取装置、光信号を信号処理ユニットに伝える光学式読取装置、被検体の有無を決定するために光信号を分析する信号処理ユニット;及びディスプレイユニット上に結果を表示する信号処理ユニットを含む。表示された結果は視覚的及び/又は可聴式であり得る。分析される信号は、赤外スペクトル;近赤外スペクトル;可視スペクトル、x線スペクトル、紫外スペクトル、γ線、又は電磁スペクトルから選ばれるスペクトル中の信号であり得る。いくつかの実施態様では、信号は近赤外スペクトルにある。いくつかの実施態様では、方法は被検体検出膜システムを廃棄物レセプタクルへ排出することを含む。いくつかの実施態様では、信号処理ユニットはコンピュータである。
図面を参照して、いくつかの実施態様では、図1〜36は、デバイスの実施態様、そのような代表的デバイスのコンポーネント、及び本明細書に記載の方法で、及び/又は他のデバイス及び/又はシステムと併せて又は併せないで使用することができる、そのような具体化デバイスの種々の図を描写する。
本明細書に記載のこれらのデバイスは非限定的で、そして他の垂直流デバイスを含むいかなるその他のデバイスも、種々の標識及び捕捉試薬を用いて創り出されるブリッジングコンジュゲートを用いた本明細書に記載の方法に従って、複数被検体を検出するのに使用することができる。
図8は、第一のハウジング部材(10)、緩衝剤容器(15)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン用の溝(25)、スライドボタン(30)、入口開口部 (35)、カラー(40)、及び試験膜(45)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスを描写する。図8は、2つの捕捉試薬を含む試験膜(45)を描写する。第一(10)及び第二(20)のハウジング部材はまた、それぞれ、下部及び上部ハウジング部材と言うことができる。図8では、サンプルは、入口開口部(35)を通して適用されよう、そして試験膜(45)に垂直に流れることを可能にすることができる。図8では、溝(25)は、スライドボタンが動くことを可能にし、それは、ロック部材に取り付けられるとき、ロック部材を動かし、そしていくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドを動かしそして力部材の位置を変えることができる。
図9は、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン用の溝(25)、スライドボタン(30)、入口開口部(35)、カラー(40)、試験膜(45)、コンジュゲートパッド(50)、複数の吸収性部材(例えばパッド)(55)、取付部材(60)、ロック部材(65)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスを描写する。図9は、コンジュゲートパッド(50)、試験膜(45)及び実質的に互いに並列に配列される吸収性パッド(55)を描写する。力部材(70)は、吸収性部材と接触しているとき、コンジュゲートパッドに実質的に垂直である圧力をかけていよう。図9で見ることができるように、入口開口部(35)を通してデバイスと接触しているサンプルは、コンジュゲートパッド(50)を通して試験膜(45)に垂直に流れよう。図9にはっきりとは示されていないが、いくつかの実施態様では、透過性膜はまた、透過性膜の表面がコンジュゲートパッド(50)の面と接触し、透過性膜の裏面が試験膜(45)の面と接触する状態で、コンジュゲートパッド(50)及び試験膜(45)に実質的に並列である。
図10は、 コンジュゲートパッド (50)、透過性膜(75)、試験膜(45)、及び単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができる複数の吸収性膜(55)を描写する。図10は、実質的に互いに並列である単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるコンポーネントを描写する。図10は、開口部を含む透過性膜(75)を描写する。この開口部は試験膜の結果の視覚化及び検出を可能にするように使用することができる。
図11は、第一のハウジング部材(10)、緩衝剤容器(15)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン(30)、試験膜(45)、コンジュゲートパッド(50)、透過性膜(75)、複数の吸収性部材(例えばパッド)(55)、取付部材(60)、ロック部材(65)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスを描写する。図11はまた、ヘッド(71)がシャフト(72)より広いシャフト(72)及びヘッド(71)を含む力部材(70)を描写する。
図12は、第一のハウジング部材(10)、ロック部材(65)、スライドボタン(30)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの部分図を描写する。図12は、力部材(70)が上げた方法であるように、力部材(70)と接触しているロック部材(65)を描写する。図12はまた、力部材が位置を変えることを可能にする力部材(70)から離れているロック部材(65)及びスライドボタン(30)の動きを描写する。いくつかの実施態様では、位置の変化は力部材が下げられることである。
図13は、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン(30)、ロック部材(65)、カラー(40)、Oリング(41)、力部材(70)、及び力部材用の支持体(73)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの側面断面図を描写する。シャフトの支持体は、例えば、第一のハウジング部材(10)の一部であり得て、そして例示目的だけのために異なって斜線が施されている。図13は、ボタン(30)の動きがロック部材(65)を動かすであろうように、ロック部材(65)と接触しているボタン(30)を描写する。ロック部材(65)の動きは力部材(70)から支持体を取り除き、それは力部材(70)が位置を変えることを可能にしよう。図13はまた、力部材のシャフト(72)及びヘッド(71)を描写する。ヘッド(71)は、ロック部材(65)が下に摺動しそして力部材(70)を支持することができるリップを創り出す。
図14は、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、入口開口部(35)、試験膜(45)、コンジュゲートパッド(50)、複数の吸収性部材(55)、アタッチメント部材(60)、ロック部材(65)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの部分図を描写する。図14は、コンジュゲートパッド(50)及びロック部材(65)に取り付けられた取付部材(60)を描写する。図14はまた、第二のハウジング部材(20)及び入口開口部(35)の周辺に対して圧縮されているコンジュゲートパッドを描写する。図14は、複数の吸収性部材(55)と接触することによって圧力をかける力部材 (71)のヘッドを描写する。図14では、サンプルがコンジュゲートパッド(50)と接触し、そして圧力にのために垂直流を通してサンプルがテスト部材(45)と接触するように、サンプルは入口開口部(35)を通してデバイスに適用することができる。
図15Aは、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、入口開口部(35)、試験膜(45)、コンジュゲートパッド(50)、複数の吸収性部材(55)、取付部材(60)、ロック部材(65)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの部分図を描写する。図15Aは、取付部材(60)に取り付けられるロック部材(65)の動きを描写する。コンジュゲートパッド(50)に取り付けられている取付部材(60)の動きは、コンジュゲートパッドを動かす。図15Aは、試験膜(45)の圧力及び/又は圧縮の減少又は排除を変える力部材(70)を描写する。図15C及び15Dはまた、視覚化及び/又は検出のために試験膜(45)を露呈する入口開口部(35)から離れてコンジュゲートパッド(50)の動きを描写する。
図16は、コンジュゲートパッド(50)に取り付けられている取付部材(60)を描写する。図16は、取り付ける予定の取付部材(60)用の位置としてコンジュゲートパッド(50)中のノッチ(51)を描写する。取付部材はまた、接着剤、止め金、及び他の形の取付など他の手段を通して取り付けることができる。
図17は、第二のハウジング部材(20)、複数のパッド又は膜(80)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの部分図を描写し、ここで複数のパッドは、試験膜、透過性膜、及び1つ又はそれ以上の吸収性部材、及び複数のパッド又は膜(80)を保持することができる保持膜(85)を含む。図10は、コンジュゲートパッドが動かされるとき、複数のパッドが所定の位置に留まる構造を描写する。複数のパッドを所定の位置に保つためにいかなる手段又は他の構造を使用することができる。
図18は、ハウジング入口(1006)を更に含む第一のハウジング部材(1002)
、及び第二のハウジング部材(1004)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができる代表的デバイスを描写する。いくつかの実施態様では、第一及び第二のハウジング部材は単一ユニットとして構成することができる。ハウジング入口は、ハウジング内部のコンポーネントへのサンプルの導入を可能にする。ハウジング入口は、デバイスに加えられる溶液の適切な容量を取り扱うのに十分なサイズであり得る。いくつかの実施態様では、ハウジング入口によって作り出される開口部のサイズは、約0.1〜約3ml、約0.1〜約2.5ml、約0.5〜約2.0ml、約0.1〜約1.0ml、約0.5〜約1.5ml、約0.5〜約1.0ml、及び約1.0〜約2.0mlを取り扱うのに十分である。いくつかの実施態様では、デバイスの次元は、いかなる次元(例えば、幅、奥行、又は高さ)も約5.08cm(2.000インチ)未満か等しいような次元である。いくつかの実施態様では、デバイスの高さは、約0.635cm(0.250インチ)未満、約0.254cm(0.100インチ)未満、約0.191cm(0.075インチ)未満、約0.165cm(0.065インチ)未満、約0.152cm(0.06インチ)未満、又は約0.140cm(0.055インチ)未満である。いくつかの実施態様では、デバイスの高さは、約0.127cm(0.050インチ)である。いくつかの実施態様では、デバイスの幅又は奥行は、約5.08cm(2.000インチ)、約4.83cm(1.900インチ)、約4.699cm(1.850インチ)、約4.572cm(1.800インチ)、約4.445cm(1.750インチ)、約4.191cm(1.650インチ)、約4.064cm(1.600インチ)、又は約3.81cm(1.500インチ)未満か又は等しい。いくつかの実施態様では、デバイスは、約0.127cm(0.050インチ)の高さ、約4.445cm(1.750インチ)の奥行、及び約3.81cm(1.500インチ)の幅である。
いくつかの実施態様では、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスは、1つ又はそれ以上の:着脱可能な部材、コンジュゲートパッド、接着部材、試験膜、吸収性部材、力部材、支持部材、又はその任意の組み合わせを含む複数のコンポーネントを含む。
いくつかの実施態様では、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスは、力部材、着脱可能な部材、コンジュゲートパッド、試験膜、接着部材及び/又は吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、デバイスは被検体検出膜システムを含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは、コンジュゲートパッド、試験膜、及び吸収性部材を含む。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは追加の透過性膜を含むが、デバイスはまた透過性膜がないこともあり得る。いくつかの実施態様では、被検体検出膜システムは、下記の順序で;コンジュゲートパッド、接着部材、試験膜、及び吸収性部材を含む。
図19は、着脱可能な部材(1005)、コンジュゲートパッド(1050)、接着部材(1010)、試験膜(1030)、吸収性部材(1040)、及び支持部材(1020)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができる代表的デバイスの分解図を描写し、ここで支持部材は更に任意の支持部材入口(1025)を含む。着脱可能な部材及び接着部材はまた、それぞれ任意の着脱可能な部材入口(1008)及び接着部材入口(1012)を含む。そのようなコンポーネントは、例えば、図18のデバイス内に存在する。
図20は、接着部材(1010)、支持部材(1020)、試験膜(1030)、及び吸収性部材(1040)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができる別の代表的デバイスのコンポーネントを描写する。図20で見ることができるように、サンプルは接着部材(1010)を流れ、そして試験膜(1030)と接触することができる。
図21は、接着部材(1010)、支持部材(1020)、試験膜(1030)、及び吸収性部材(1040)を描写する。図21は実質的に互いに並列になっているコンポーネントを描写する。図21は更に、支持部材入口(1025)を含む支持部材(1020)を描写する。この入口はサンプルがデバイスを垂直に流れることを可能にするように使用することができる。
図22は、部分的に、コンジュゲートパッド(1050)、試験膜(1030)、及び吸収性部材(1040)を描写する。図22はまた、着脱可能な部材(1005)と接触し及び/又は取り付けられるコンジュゲートパッドを描写する。図22はまた、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスから除去され又は離されている着脱可能な部材を描写すし、それはまた、デバイスからコンジュゲートパッドを除去し又は離す。コンジュゲートパッドの動きは、試験膜が視覚化されることを可能にし、それは、単一信号での複数被検体を含む被検体の分析及び検出を容易にする。
図23は、力部材(例えばクリップ)の例を描写する。代表的力部材は、種々の形状、サイズ、及び構成で提供する(come in)ことができるが、各部材は、力部材に入れられるか又は置かれるコンポーネントに圧力をかける。各力部材はまた、それに被検体サンプルが適用される開口部(+)を含むことができる。図23は、第一の部材(110)及び第二の部材(100)を備えた力部材の非限定例を描写する。
図24A、24B、24C、及び24Dは、部分的に、第一の部材(110)、b)第二の部材(100)、入口(115)、及び被検体検出膜システム(120)を含む力部材を描写する。図24A及び24Bはまた、部分的に、コンジュゲートパッド(1050)を描写する。コンジュゲートパッドは図24C及び24Dでは見られない。図24C及び24Dはまた、部分的に、被検体検出膜システムの部分である試験膜(1030)を描写する。図24Dは、部分的に、バンドによって視覚化される対照と反応していた試験膜(1030)を描写する。
図25は、部分的に、着脱可能な又は可動タブ(200)、入口(210)、コンジュゲートパッド(1050)、及びコンジュゲートパッド(1050)のタブを含む容器を描写する。コンジュゲートパッドのタブ(255)は、試験膜を露出するために、デバイスからコンジュゲートパッド(1050)を除去するのに使用することができる。例えば、使用者は、容器からコンジュゲートパッド(1050)を除去するのに、コンジュゲートパッドのタブ(255)を引っ張り得る。視覚化されないものは、本明細書に記載のように第一の部材(110)と第二の部材(100)間で圧縮される被検体検出膜システムである。
図26は、部分的に、第一の外部部材(310)、第二の外部部材(320)、可動又は着脱可能なタブ(330)、及びコンジュゲートパッド(1050)を描写する。可動又は着脱可能なタブ(330)は、サンプルがコンジュゲートパッドに適用することができるように、コンジュゲートパッド(1050)を露出する入口を含む。図26は、被検体検出膜システム(120)を圧縮する第一の内部部材(110)及び第二の内部部材(100)を示さない。動かされ又は除去されるとき着脱可能な又は可動タブ(330)は、コンジュゲートパッド(1050)を動かし又は除去し、それは、試験膜が視覚化されそして分析されることを可能にする。
着脱可能な部材内の着脱可能な部材入口は、コンジュゲートパッドへのサンプルの導入を可能にする。入口は、デバイスに加えられる溶液の適切な容量を取り扱うのに十分なサイズであり得る。いくつかの実施態様では、入口のサイズは、約0.1〜約3ml、約0.1〜約2.5ml、約0.5〜約2.0ml、約0.1〜約1.0ml、約0.5〜約1.5ml、約0.5〜約1.0ml、及び約1.0〜約2.0mlを取り扱うのに十分大きい。着脱可能な部材はまた、着脱可能な部材の一部分が溶液(即ち、着脱可能な部材入口によって規定される領域)に対して透過性で、そして別の領域は非透過性であるように構成される。透過性領域は、それが、溶液が着脱可能な部材を横切ってそしてコンジュゲートパッドと接触することを可能にすることから、入口として機能することができる。着脱可能な部材入口は多くの形状及びサイズのどれでもを有することができる。いくつかの他の実施態様では、第一のハウジング部材は着脱可能な部材としての機能を果たす。他の実施態様では、第一のハウジング部材及び着脱可能な部材は別々のコンポーネントである。第一のハウジング部材及び着脱可能な部材が別々のコンポーネントである実施態様では、ハウジング入口及び着脱可能な部材入口の少なくとも一部分は、溶液が両方の入口を通して入ることができるように重なる。
いくつかの実施態様では、着脱可能な部材はコンジュゲートパッドの表面と接触する。着脱可能な部材はまた、コンジュゲートパッドに取り付けることができる。着脱可能な部材は、着脱可能な部材がデバイスから除去され又はその位置が変わるとき、コンジュゲートパッドはまた除去され又はコンジュゲートパッドの位置もまた変わるように、いかなる手段によってもコンジュゲートパッドに取り付けることができる。着脱可能な部材は、例えば、限定されるものではないが、接着剤でコンジュゲートパッドに取り付けることができる。接着剤は、限定されるものではないが、着脱可能な部材及びコンジュゲートパッドが互いに取り付けられることを可能にするような接着剤、テープ又は他の物質を含む。
着脱可能な部材は、いくつかの実施態様では、コンジュゲートパッドと直接接触し、又は別の層を通してコンジュゲートパッドと間接に接触する。サンプルは、いくつかの実施態様では、着脱可能な部材の開口部を通してコンジュゲートパッドに直接適用することができる。
図27Aは、部分的に、複数のポータル(2036)、入口(2035)、及びハウジング部材(2010)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの俯瞰図を描写する。図27Aはまた、部分的に、ポータル(2301)を通して目に見えるチャンネルシステム(2300)の一部分を描写する。図27Bは、部分的に、デバイスの拡大領域、具体的にはポータル(2036)を描写する。ポータルではまた、複数のキャピラリーチューブ(2301)を見ることができる。
図28は、複数の力アクチュエータ出口(2200)、ハウジング部材(2020)、及び可動部材(2100)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの下からの図を描写する。
図29は、部分的に、第一のハウジング部材(2010)、第二のハウジング部材(2020)、複数のポータル(2036)、入口(2035)、チャンネルシステム(2300)、複数のキャピラリーチューブ(2301)、コンジュゲートパッド(2050)、複数の試験膜(2045)、及び可動ロック部材(2065)を描写する。図29に描写されるチャンネルシステムは、 デバイスに存在する被検体検出膜システムの数に等しい3つのブランチから成るように描写される。
図30は、部分的に、第二のハウジング部材(2020)、チャンネルシステム(2300)、複数のキャピラリーチューブ(2301)、コンジュゲートパッド(2050)、試験膜(2045)、及び吸収性膜(2055)、及び可動ロック部材(2065)、可撓性取付部材(2060)、被検体検出膜システム(2400)を描写する。
図31Aは、部分的に、複数の力アクチュエータ出口(2200)、チャンネルシステム(2300)、複数のキャピラリーチューブ(2301)、複数の力部材(2070)、可動ロック部材(2065)、複数の可動ロック部材延長部分(2068)、コンジュゲートパッド(2050)、複数の可撓性又は非可撓性取付部材延長部分(2066)及び結節(2067)、試験膜(2045)、及び吸収性膜(2055)を描写する。
図31Bは、部分的に、図24Aで示されるデバイスの類似部分を描写する、しかしながら、可動ロック部材(2065)は中心軸の周りを回転して、可動ロック部材延長部分(2068)はもはや力部材(2070)を支持せず、そして力部材は後退し又は力アクチュエータ出口(2200)に落ちている。
図32は、部分的に、チャンネルシステム(2300)、コンジュゲートパッド(2050)、試験膜(2045)、複数の力部材(2070)、描写された可動ロック部材(2065)を回すことができる可動部材(2100)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの分解図を描写する。図32はまた、部分的に、可動ロック部材延長部分(2068)、複数の可撓性又は非可撓性取付部材延長部分(2066)及び結節(2067)、可撓性取付部材(2060)、出口(2105)、第二のハウジング部材(2020)、複数の力アクチュエータ出口(2200)、及び被検体検出膜システムの一部分(2047)を描写する。被検体検出膜システムの一部分(2047)を含む領域は拡大され、そして部分的に、力部材(2070)、試験膜(2045)、吸収性部材(2055)、及び可動ロック部材延長部分の一部分(2068)を描写する。
図33は、部分的に、ハウジング部材(2020)、キャピラリーチャンネル(2301)及びチャンネルシステム(2300)を描写する。図33の一部分は、コンジュゲートパッド(2050)、吸収性部材(2055)、及び複数のキャピラリーチューブ(2301)を描写するために拡大されている。
図34は、部分的に、複数のポータル(2036)、入口(2035)、可動ロック部材(2065)、可動ロック部材(2100)を動かすことができる可動部材、力部材(2700)、力アクチュエータ出口(2200)、複数の吸収性部材(2055)、試験膜(2045)、及び可動ロック部材延長部分(2068)を含む、単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの断面図を描写する。図34はまた、コンジュゲートパッド(2050)、透過性膜(2056)、及び吸収性部材(2055)を含む、被検体検出膜システムの一部分の分解図を描写する。
図35は、部分的に、可動ロック部材(2065)及び可動ロック部材延長部分(2068)の非限定例を描写する。
図36は、部分的に、複数のポータル(2036)及び入口(2035)を含むハウジングの外部図及び内部図を描写する。
図37は、部分的に、複数の力アクチュエータ出口(2200)及び可動部材出口(2105)を含むハウジングの内部図及び外部図を描写する。
図38は、部分的に、被検体検出膜システムを包含することができるカートリッジ(3100)、力アクチュエータ(3200)、及び力解放(3000)、及び出口(3400)、及び被検体検出膜システムレセプタクル(3300)を含むデバイスを描写する。
図39は、部分的に、図38に描写される出口(3400)、レセプタクル(3300)、及びカートリッジ(3100)の拡大図を描写する。
図40は、部分的に、第一のハウジング部材(3110)、入口(3135)、コンジュゲートパッド(3350)、第二のハウジング部材(3120)、及び複数の膜ホルダ(3122)を含むカートリッジ(3100)の分解図を描写する。
図41は、部分的に、入口(3335)、膜システムレセプタクル(3300)、及びディスプレイ(3500)を含む被検体を検出するデバイスを描写する。
図42は、部分的に、図41に描写される単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの内部を描写する。デバイスは、被検体検出膜システム(3100)、膜システムレセプタクル(3300)、力アクチュエータ(3200)、スペクトロメータ(例えば光学式読取装置又は光検出器(3600))、任意のコンジュゲートパッドリムーバ(3201)、任意の廃棄物レセプタクル(3606)、モータ及び膜システムレセプタクル発動機(3605/3607)を含むカートリッジを含む。
図43は、図35に描写された同じコンポーネントによる使用の種々の段階において、図41及び42に描写される単一信号で複数被検体を検出するのに使用することができるデバイスの内部を描写する。図43Aはレセプタクルに挿入されているカートリッジを描写する。図43Bは、サンプル適用のための入口の下で動かされているカートリッジを保持するレセプタクルを描写し、そして図43Cはスペクトロメータによって分析されているサンプルを描写する。
図44は、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン用の溝(25)、スライドボタン(30)、入口開口部(35)、試験膜(45)、コンジュゲートパッド(50)、追加の膜(51)、接着剤(52)、複数の吸収性部材(例えばパッド)(55)、取付部材(60)、ロック部材(65)、及び力部材(70)を含む、単一信号で複数の被検体の検出のために使用することができるデバイスの分解図を描写する。コンポーネントは、垂直流を用いて被検体を検出することができるデバイスを作るために、本明細書に記載され及び/又は示されるように組み立てることができる。
図45は、第一のハウジング部材(10)、第二のハウジング部材(20)、スライドボタン用の溝(25)、スライドボタン(30)、入口開口部(35)、見えない試験膜、コンジュゲートパッド(50)、複数の吸収性部材(例えばパッド)(図示せず)、取付部材(60)、ロック部材(図示せず)、及び力部材(図示せず)を含む、単一信号で複数の被検体の検出のために使用することができるデバイスの部分的分解図を描写する。このデバイスの他のバリエーションはまた、本明細書に記載の方法に従って作られそして使用することができる。
実施態様はここで下記の実施例を参照して記載される。これらの実施例はただ例示の目的のためだけに提供され、そして実施態様はこれらの実施例に限定されていると決して解釈されるべきではなく、むしろ本明細書で提供される教示の結果として明らかになるいかなる及びすべてのバリエーションを包含すると解釈されるべきである。当業者は、本質的に類似の結果をもたらすように変更又は修正し得る種々の重要でないパラメータを容易に認識し得る。
〔実施例1〕
2つの別々のPCR反応は:1)ジゴキシゲニン及びビオチン、及び2)FITC及びビオチンを用いて標識したアンプリコンを生成した鋳型として、志賀毒素遺伝子を用いて行った。アンプリコンは次いで、ストレプトアビジンの存在下又は非存在下で一緒に混合するか(ブリッジユニット)、又は迅速フロースルーアッセイで別々に実行した:サンプルA)アンプリコン1単独、サンプルB)アンプリコン2単独、又はサンプルC)ストレプトアビジンの有り無しでのアンプリコン1+アンプリコン2。フロースルーアッセイは、抗ジゴキシゲニン(第一の捕捉試薬)でコーティングした固体支持体(ニトロセルロース膜)、及び抗FITC抗体でコーティングしたコロイド金粒子から成っていた。これに関連して、ストレプトアビジン有りのサンプルC)だけが単独の陽性テスト信号を発生したが、しかるに、サンプルA)及びサンプルB)、又はストレプトアビジン無しのサンプルC)は陰性テストの結果に終わった。
〔実施例2〕アンプリコンブリッジングを用いた複数被検体の検出。
材料:
PCR試薬:一つのTaqホットスタートポリメラーゼ (New England Biolabs); 5X標準反応緩衝剤;ハプテン化MHALT1.RV (Integrated DNA Technologies (IDT)); ハプテン化MgC.CH1AS (IDT); INV018.7E4 VH 遺伝子鋳型(ZG); dNTPs; dH2O。
PCRは3〜4℃/秒のランプ(ramp)速度下、標準サーモサイクラーで行った。PCR反応は、Veriflow Cassette (Invisible Sentinel)を含む、本明細書に記載のような垂直流アッセイを通して実行した。
アンプリコンは標準プロトコールに従って生成した。 1つのアンプリコンはフルオレセインイソチオシアナート(FITC)及びテトラメチルローダミン(TAMRA)で二重標識して生成し:そしてTARMA及びジゴキシゲニン(DIG)で二重標識して別のアンプリコンを生成した。PCR反応からのDNAアンプリコンは場合により沈殿することができた。沈殿を実施した場合、それはEtOHか又はイソプロパノール+1/10v酢酸ナトリウム3M、pH 5.2での沈殿で行った。沈殿を容易にするために、1μLのtRNAグリコーゲンもまた加えることができる。沈殿は、−20℃で最小2時間又は−80℃で15分間で起こさせた。沈殿したDNAは最高速度で約15分間遠心分離した。上清を廃棄しDNAペレットは15分間空気乾燥させた。20μLICE冷70%EtOHによる任意の第二洗浄を行うことができ、続いて遠心分離及び乾燥を行った。DNAペレットはTE(Tris−HCl/EDTA)で懸濁し、そしてDNAは室温で約24時間再水和させた。生成アンプリコンは一般的配列でありそしていかなる特定の細菌に特異的なものではなかった。
アンプリコンは、FITCを認識するビオチン化抗体及びローダミンを認識した抗体(即ちTAMRA標識)と混合した。混合物はより長時間、例えば5、10、15、20、25、又は30分間インキュベートすることができたが、それほどの長時間は必要ではなかった。インキュベートした混合物は、非標識化抗ジゴキシゲニン抗体を含む試験膜、及びストレプトアビジン−金コンジュゲートを含有するコンジュゲートパッドを含有した、Veriflow Cassette (vertical flow device)に加えた。デバイスは、単一信号(コロイド金)を有する両方のアンプリコンを含有するブリッジ錯体の存在を検出した。適切な制御を行い、そしてブリッジ錯体を創り出すのに必要なすべてのコンポーネントが存在したとき、コロイド金だけが検出された。いかなる特定の理論にとらわれることなく、図3は異なるコンポーネントで形成することができる錯体を示す。ブリッジング錯体が形成されるとき(図3参照)、コロイド金信号が検出される。他のタイプの検出可能信号も使用することができる。アンプリコンの1つが存在しない場合、信号は検出されなかった。サンプルがデバイスを通過した後、ストレプトアビジン−コロイド金錯体はコンジュゲートパッドから放出され、そしてコンジュゲートパッドは除去される。垂直流デバイスを作成しそして使用する方法の例は、本明細書に、そして米国特許番号8,012,770、8,183,059及び米国特許出願番号13/500,997、13/360,528、13/445,233に見出すことができ、その各々はそれによってその全体が参照によって組み入れられる。これらの結果は、2つの被検体が、この実施例ではコロイド金である単一検出信号で特異的に検出することができることを示した。信号の検出は、PCR反応工程を実施後にアンプリコンを沈殿させることに依存するものではなかった。
各々の及びすべての特許、特許出願、刊行物、及び本明細書に引用の受入番号の開示は、それによってそれらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
本発明は具体的実施態様を参照して開示されている一方で、当然のことながら、この発明の他の実施態様及びバリエーションは、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく他の当業者によって考案され得る。添付の特許請求の範囲はそのようなすべての実施態様及び同等のバリエーションを含むと解釈されるように意図される。