JP6186916B2 - 野菜サラダ用クルトン - Google Patents
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Description
クルトンの製法としては、製パン法や押し出し法が用いられており、製パン法によってクルトンを製造する場合、厚みのある食パン状に焼いたパンを放冷後に所定の形状にカットし、加熱乾燥するか、またはその後さらに油で揚げるのが一般的な製法である。
製パン製法では、厚みのある食パンをカットしてクルトンを製造するため、従来の製パン製法で得られるクルトンは全体的には食パン内部由来の個片が大半であり、白色または淡黄色の単調な色調であるためトッピング材として使用する際に見た目の存在感が乏しかった。
しかしながら、従来の製パン製法で得られるクルトンは、単調な色調であるため見た目の存在感に乏しく、特許文献1に記載のクルトンは、野菜・果実等の味風味も出るため、小麦の自然な風味の感じられるクルトンとはやや異なるものである。また、特許文献2〜7に記載の方法によって製造されるクルトンは、野菜サラダに用いる場合には食感が硬すぎたり、口の中で感じる油脂感が強くなりすぎて好ましくないというデメリットがある。
さらに、食感面の改善のため高比容積の食パンを用いて工業的にクルトンを製造する場合、一般的に使用する裁断機(スライサー等)でのカット中に食パンがつぶれてしまうといった不具合が生じていた。
[1] 向かい合った面にパンのミミ部分を有することを特徴とするクルトン。
[2] 四角柱(好ましくは、略立方体または略直方体)であって、該四角柱の向かい合った面にパンのミミ部分を有することを特徴とするクルトン。
[3] 角型のクルトンであって、1辺の長さが6〜20mmである、上記[1]または[2]に記載のクルトン。
[4] パン生地を用いて、焼成後の厚みが8〜24mmとなるように食パンを製造し、該食パンを放冷後、カットおよび加熱乾燥することを特徴とする上記[1]ないし[3]のいずれかに記載のクルトン。
[5] 比容積が2〜4ml/gであることを特徴とする上記[1]ないし[4]のいずれかに記載のクルトン。
[6] パン生地を用いて、焼成後の厚みが8〜24mmとなるように食パンを製造し、該食パンを放冷後、カットおよび加熱乾燥することを特徴とするクルトンの製造方法。
[7] 1辺の長さが焼成後の食パンの厚みと同じになるようにカットすることを特徴とする上記[6]に記載のクルトンの製造方法。
[8] クルトンの比容積が2〜4ml/gであることを特徴とする上記[6]または[7]に記載のクルトンの製造方法。
本発明における食パンの焼成温度は190〜230℃であり、好ましくは200〜220℃である。
本発明における食パンの焼成時間は10〜50分であり、好ましくは20〜40分である。
焼成後の厚みが8〜24mmである食パンをカットおよび加熱乾燥することにより、向かい合った面にパンのミミ部分を有するクルトンを製造することができる。例えば、角型のクルトンの場合、1辺の長さが食パンの焼成後の厚みと同じ長さになるようにカットすることにより、少なくとも上面および下面にパンのミミ部分を有するクルトンを製造することができる。
本発明における乾燥温度は100〜180℃であり、好ましくは120〜160℃である。
本発明における乾燥時間は10〜60分であり、好ましくは20〜50分である。
さらに、焼成後の厚みが8〜24mmとなるように焼成した食パンは、カット工程においてつぶれ難い。
本発明におけるクルトンの比容積は、特に限定されるものではないが、好ましくは2〜4ml/gであり、より好ましくは2.5〜3.5ml/gである。比容積が2ml/gより小さい場合、クルトンの食感は重く(堅く)なる傾向があり、比容積が4ml/gより大きい場合、クルトンの食感は軽くなる傾向がある。
本発明におけるクルトンの比容積は、クルトンの製造におけるパン生地の配合成分の配合量、焼型に入れるパン生地の重量、食パンの焼成温度および焼成時間、ならびにカット後の乾燥温度および乾燥時間により適宜調整することができる。
本発明のクルトンの大きさは、特に限定されるものではないが、見た目、食感等の観点から、一辺の長さが6〜20mmであることが好ましく、より好ましくは7〜16mmであり、特に好ましくは8〜12mmである。
本発明のクルトンは、スープの浮き身やサラダ、グラタン等のトッピング材として使用することができ、特に野菜サラダ用に適している。また、ドレッシング等の具材として使用することもできる。
具体的には、(1)パン生地を調製する工程、(2)得られたパン生地を金属製の焼型に入れ、発酵させた後、190〜230℃(好ましくは、200〜220℃)で、10〜50分(好ましくは、20〜40分)焼成し、焼成後の厚みが8〜24mmとなるように食パンを製造する工程、(3)該食パンを放冷後、カットする工程、および(4)100〜180℃(好ましくは、120〜160℃)で、10〜60分(好ましくは、20〜50分)乾燥する工程を含む方法である。
上記(3)工程において、1辺の長さが焼成後の食パンの厚みと同じになるようにカットすることにより、少なくとも上面および下面にパンのミミ部分を有するクルトンを製造する。
上記(1)工程におけるパン生地の配合成分の配合量、上記(2)工程におけるパン生地の重量、食パンの焼成温度および焼成時間、上記(4)工程における乾燥温度および乾燥時間を適宜調整することにより、比容積が2〜4ml/gであるクルトンを製造することができる。
得られたパン生地を、クルトンの各比容積に応じた生地重量で分割し、36cm×31cm×1.2cmのトレイに入れた。40〜45℃、湿度60〜80%で10〜20分間発酵させた。その後、ハンドローラーを使用して、生地を薄く伸ばし、40〜45℃、湿度60〜80%で10〜20分間再度発酵させた。発酵させた生地を、約200℃で20〜30分間焼成した後に、放冷した。焼成後の食パンの厚さは12mmであった。放冷後、該食パンを12mm×12mmに裁断し、約140℃で30分以上乾燥させ、クルトンを得た。
実施例1〜3と同様に得られたパン生地を、分割し、容器に入れて40〜45℃、湿度60〜80%で10〜20分間発酵させた。次に、クルトンの各比容積に応じた生地重量で分割し、延伸した後で丸めて、36cm×13cm×12cmのトレイへ生地を入れて、40〜45℃、湿度60〜80%で10〜20分間再度発酵させた。発酵させた生地を、約200℃で20〜30分間焼成した後に、放冷した。焼成後の食パンの厚さは120mmであった。放冷後、該食パンを12mm×12mm×12mmに裁断し、約140℃で30分以上乾燥させ、クルトンを得た。
比較例2については、上記で得られたクルトンに対して、80〜90℃で加熱溶解させた固体油脂(融点約40℃)を添加し、均一にコーティングされるよう十分に攪拌した。油脂の添加量は、クルトンの乾燥重量に対して、30重量%とした。その後、クルトンを攪拌しながら、冷風下で冷却した。翌日、パンにラクトースを添加し、全体を十分に攪拌し、油脂コーティングされたクルトンを得た。
容積は、クルトン個片の各片の長さを測定し算出した。次いでクルトン個片の重量を計量して次式により求めた。
比容積(ml/g)=容積(ml)/重量(g)
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたパンの厚みならびにクルトンの比容積および油脂コーティングの有無を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたクルトンについて、ミミ入りクルトンの割合を計算により求めた。さらに、見た目、食感、味風味を、3名のパネラーにより評価した。結果を表2に示す。
表2における評価基準は以下の通りである。
(1)ミミ入りクルトンの割合:
ミミ入りクルトンの割合は、以下のようにして算出した。
実施例1〜3では、焼成後の厚さが12mmになるように食パンを薄く焼成した後、12mm×12mmにカットすることにより、全てのクルトン個片は向かい合う両面にミミを有していた。よって、ミミ入りクルトンが含まれる割合は100%である。
比較例1〜3では、焼成後の食パンのサイズは、36cm×13cm×12cmであった。該食パンを12mm×12mm角(30列×11列×10列)にカットすることにより、3300個のクルトン個片が得られた。このうち、短側面:11列×10列×2面から220個のクルトンが得られ、長側面:28列×10列×4面から1120個のクルトンが得られたため、少なくとも1面にミミを有するクルトン個片は合計で1340個であった。
したがって、ミミ入りクルトンが含まれる割合は、約41%である。
(2)見た目:
◎:とても存在感がある
○:存在感がある
△:存在感がない
(3)食感:
◎:かりかりしている
○:やや硬い、またはやや軽い
△:硬すぎる、または軽すぎる
(4)味・風味:
◎:とても香ばしい味・風味がある
○:香ばしい味・風味がある
△:香ばしい味・風味が弱い、または油っぽい
Claims (5)
- パン生地を用いて、焼成後の厚みが8〜24mmとなるように食パンを製造し、該食パンを放冷後、カットおよび加熱乾燥することを特徴とする、クルトンの製造方法。
- クルトンが角型のクルトンである、請求項1に記載のクルトンの製造方法。
- 1辺の長さが、いずれも焼成後の食パンの厚みと同じになるようにカットすることを特徴とする、請求項1または2に記載のクルトンの製造方法。
- 1辺の長さがいずれも6〜20mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクルトンの製造方法。
- クルトンの比容積が2〜4ml/gであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクルトンの製造方法。
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- 2013-06-14 JP JP2013125687A patent/JP6186916B2/ja active Active
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