JP6184386B2 - 画像欠陥検出装置及び方法、画像記録装置並びにプログラム - Google Patents

画像欠陥検出装置及び方法、画像記録装置並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像欠陥検出装置及び方法、画像記録装置並びにプログラムに関し、特に一定時間内に確度の高い画像欠陥検出処理を行う画像処理技術に関する。
印刷物のスジ等の画像欠陥の検出処理は、一定時間間隔で印刷される印刷物に対して所定時間内に終了させ、次の印刷物の検出処理に備える必要があるために、短時間で終了させる必要がある。また、短時間に検出処理を終了するために、高速処理能力を有する演算装置を用いることが考えられるが、装置コストが上昇するという課題がある。
このような課題に対して、特許文献1には、印刷元データである第1の画像データと、第1の画像データに基づいて印刷された印刷物を読み取った第2の画像データとについて、3×3画素の正方形の判定領域を設けて1画素おきに画素値の第1の比較判定を行い、不良印刷画素と判定された画素数が一定の範囲内の判定領域については、その判定領域に関して第1の比較判定で用いなかった画素を用いて第2の比較判定を行う技術が記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、印刷物の検品処理を高速化することができる。
特開2011−137736号公報
しかしながら、特許文献1では、予め定められた時間内に印刷物の検査が終了できない場合があった。また、予め定められた時間内に印刷物の検査が終了できない場合に判定処理を途中で終了させると、確度の高い検査内容とならない場合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行う画像欠陥検出装置及び方法、画像記録装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために画像欠陥検出装置の一の態様は、印刷元画像と印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得手段と、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割手段と、分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得手段と、印刷元画像と印刷画像との分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出手段と、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出手段と、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定手段と、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段とを備えた。
本態様によれば、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割し、分割された領域毎の画像特徴量を取得し、分割された領域毎の差分の強度を抽出し、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出し、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出するようにしたので、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことができる。
分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥を検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間を算出する画像欠陥検出時間算出手段を備え、画像欠陥検出順序決定手段は、画像欠陥検出時間と画像欠陥期待値とから、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定することが好ましい。
画像欠陥検出順序決定手段は、画像欠陥期待値が大きい順序に決定することが好ましい。これにより、適切に順序を決定することができる。
画像欠陥検出順序決定手段は、画像欠陥期待値を画像欠陥検出時間で除算した商である画像欠陥検出効率が高い順序に決定してもよい。このように決定しても、適切な順序とすることができる。
画像欠陥期待値算出手段は、分割された領域毎の画像欠陥の視認性から、画像欠陥期待値を算出することが好ましい。これにより、画像欠陥期待値を適切に算出することができる。
画像欠陥検出時間算出手段は、分割された領域毎の画像欠陥の視認性から、画像欠陥検出時間を算出することが好ましい。これにより、画像欠陥検出時間を適切に算出することができる。
領域分割手段は、画像特徴量毎の領域に分割することが好ましい。これにより、適切に画像欠陥を検出することができる。
領域分割手段は、色の彩度及び明度の少なくとも一方を画像特徴量として分割してもよい。また、領域分割手段は、周波数成分の方向、コントラスト、及び周波数のうち少なくとも1つを画像特徴量として分割してもよい。これにより、適切に画像欠陥を検出することができる。
画像取得手段は、印刷元画像に基づいて印刷された画像の読取手段における読み取り結果を印刷画像として取得することが好ましい。これにより、印刷された画像から適切に画像欠陥を検出することができる。
画像取得手段は、印刷元画像に基づいて印刷された画像の複数の読取手段における分割読み取り結果を分割印刷画像として取得し、画像欠陥検出順序決定手段は、分割印刷画像毎に印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、画像欠陥検出手段は、分割印刷画像毎に決定した順序で画像欠陥を検出してもよい。これにより、読取手段よりも大きく印刷された画像について、適切に画像欠陥を検出することができる。
画像欠陥検出手段は、分割印刷画像毎に複数備えられ、それぞれ対応する分割印刷画像について画像欠陥を検出し、複数の画像欠陥検出手段のうち対応する分割印刷画像の画像欠陥の検出が終了した画像欠陥検出手段は、欠陥の検出が終了していない分割印刷画像の画像欠陥の検出を行うことが好ましい。これにより、欠陥の検出が終了していない分割印刷画像について、複数の画像欠陥検出手段において画像欠陥を検出することができる。
上記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、印刷元画像を取得する印刷元画像取得手段と、第1の時間間隔で複数の印刷媒体を搬送する搬送手段と、印刷元画像に基づいて搬送手段で搬送される印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、印刷した画像を読み取って印刷画像を取得する読取手段と、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割手段と、分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得手段と、印刷元画像と印刷画像との分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出手段と、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出手段と、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定手段と、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段であって、1枚の記録媒体に対して第1の時間より短い時間で画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段と、検出した画像欠陥に基づいて印刷した画像の良否判定をする判定手段と、判定手段の判定結果を出力する出力手段とを備えた。
本態様によれば、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割し、分割された領域毎の画像特徴量を取得し、分割された領域毎の差分の強度を抽出し、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出し、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出するようにしたので、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことができる。
上記目的を達成するために画像欠陥検出方法の一の態様は、印刷元画像と印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得工程と、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割工程と、分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得工程と、印刷元画像と印刷画像との分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出工程と、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出工程と、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定工程と、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出工程とを備えた。
本態様によれば、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割し、分割された領域毎の画像特徴量を取得し、分割された領域毎の差分の強度を抽出し、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出し、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出するようにしたので、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことができる。
上記目的を達成するために画像欠陥検出方法をコンピュータに実行させるプログラムの一の態様は、印刷元画像と印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得工程と、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割工程と、分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得工程と、印刷元画像と印刷画像との分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出工程と、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出工程と、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定工程と、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出工程とを備えた。
本態様によれば、印刷元画像と印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割し、分割された領域毎の画像特徴量を取得し、分割された領域毎の差分の強度を抽出し、分割された領域毎の画像特徴量と差分の強度とから、印刷画像の分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出し、画像欠陥期待値から、印刷画像の分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、決定した順序で印刷画像の画像欠陥を検出するようにしたので、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことができる。
本発明によれば、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことができる。
図1は、スジ検出装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、印刷元画像と印刷元画像を領域毎に分割した一例を示す図である。 図3は、印刷物のスジ検出方法を示すフローチャートである。 図4は、画像特徴量計算部が取得する画像特徴量の分類と、処理時間・期待値評価部が計算する処理時間と画像欠陥期待値の分類を示す図である。 図5は、画像特徴量と処理時間と画像欠陥期待値とが関連付けられたテーブルを示す図である。 図6は、画像比較部が取得する差分画像コントラストの分類と、処理時間・期待値評価部が計算する処理時間と画像欠陥期待値の分類を示す図である。 図7は、差分画像コントラストと処理時間と画像欠陥期待値とが関連付けられたテーブルを示す図である。 図8は、画像特徴量が近い領域をひとまとめにしたマップの一例を示している。 図9は、画像欠陥検出装置の概略構成を示すブロック図である。 図10は、印刷元画像と分割読取画像の一例を示す図である。 図11は、スジ検出システムの概略構成を示すブロック図である。 図12は、スジ検出システムの概略構成を示すブロック図である。 図13は、スジ検出システムの概略構成を示すブロック図である。 図14は、インクジェット記録装置の全体の概略構成を示す全体構成図である。 図15は、インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係るスジ検出装置10(画像欠陥検出装置の一例)は、印刷画像を複数の領域に分割し、分割された複数の領域に対して画像欠陥であるスジを検出する優先順序を決定し、決定した優先順序で印刷画像の領域毎のスジを検出する。この優先順序は、領域毎のスジを検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間とスジが存在する可能性を示す画像欠陥期待値とに基づいて決定する。
〔スジ検出装置の全体構成〕
図1に示すように、スジ検出装置10は、印刷元画像取得部12、RIP(Raster Image Processor)処理部14、画像読取部16、比較色空間変換部18、画像位置合わせ部20、変動補正部22、画像比較部24、画像特徴量計算部26、処理時間・期待値評価部28、判定領域優先順序付与部30、判定領域設定部32、スジ判定部34、スジ判定集積部36、及び合否判定部38を備えて構成される。
印刷元画像取得部12(画像取得手段の一例、印刷元画像取得手段の一例)は、スジ欠陥検出処理の対象となる印刷ジョブの印刷元画像を取得する。ここで、印刷ジョブとは、印刷元画像に基づいて印刷すべき1まとまりの処理単位を指す。また、印刷元画像とは、印刷物に印刷した画像の元データである。図2(a)は、印刷元画像の一例を示している。
RIP処理部14は、取得した印刷元画像にRIP処理を施す。RIP処理とは、PDL(Page Description Language)等で記述された印刷元画像をラスター形式の画像データに変換する変換処理である。RIP処理は、公知の手法を用いることができる。
画像読取部16(画像取得手段の一例)は、ラインスキャナ16−1及び画像メモリ16−2を有しており、印刷元画像に基づいて印刷された複数の印刷物をラインスキャナ16−1により読み取り、読み取り結果である読取画像(印刷画像の一例)をそれぞれ取得して画像メモリ16−2に記憶する。なお、画像読取部16は、装置外部のラインスキャナにより読み取られた画像データを読取画像として取得する入力手段であってもよい。
比較色空間変換部18は、画像読取部16により読み取られた読取画像と、RIP処理部14においてRIP処理が施された印刷元画像とを比較するために、両画像を同じ色空間に変換する。色空間変換処理は、公知の手法を用いることができる。
画像位置合わせ部20は、比較色空間変換部18において色変換された読取画像と印刷元画像とについて、印刷条件で決まる対応関係を初期値として位置合わせ処理を実施する。位置合わせ処理は、テンプレートマッチングや位相限定法などの公知の技術を用いることができる。
変動補正部22は、画像位置合わせ部20において位置合わせ処理された読取画像から、ラインスキャナ16−1の読み取りに起因する低周波の画素信号の変動を除去する。
画像比較部24(領域分割手段の一例、差分強度抽出手段の一例)は、読取画像と印刷元画像とを最小解析単位であるROI(Region of Interest)に分割し(対応する領域に分割する一例)、読取画像と印刷元画像とをROI毎に比較することで、それぞれ対応する画素間の画像信号の差分を計算し、差分信号の強度(差分の強度の一例、差分画像コントラスト)と対応する位置情報とを出力する。各ROIの面積は同一であり、n個のROIが設定される。図2(b)は、印刷元画像に設定されたROIの一例を示す図である。この例では、縦9列×横6行の計54個のROIを設定している。
画像特徴量計算部26(領域分割手段の一例、画像特徴量取得手段の一例)は、色空間変換された印刷元画像を画像比較部24と同様のROIに分割し、ROI毎の周波数特性、色等の画像特徴量を計算する。図2(c)は、印刷元画像のROI毎の画像特徴量の一例を示す図であり、同じハッチングで表されたROIは、画像特徴量が近いROIであることを示している。
処理時間・期待値評価部28は(画像欠陥検出時間算出手段の一例)、画像比較部24から入力される差分信号とその位置情報、及び画像特徴量計算部26から入力される画像特徴量に基づいて、読取画像のROI毎のスジを検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間(処理時間)の見積もりを計算する。
また、処理時間・期待値評価部28(画像欠陥期待値算出手段の一例)は、画像比較部24から入力される差分信号とその位置情報、及び画像特徴量計算部26から入力される画像特徴量に基づいて、読取画像のROI毎のスジが存在する可能性を示す画像欠陥期待値を計算する。
判定領域優先順序付与部30(画像欠陥検出順序決定手段の一例)は、各ROIの後述するスジ判定処理の優先順序を決定する。
判定領域設定部32は、判定領域優先順序付与部30において決定した優先順序に基づいて、スジ判定処理を行うROIを順に設定し、スジ判定部34に出力する。判定領域設定部32はタイマ32−1を備えており、このタイマ32−1により1つの印刷物のスジ判定処理を開始してからの時間を計測する。判定領域設定部32は、スジ判定処理を開始してから予め定められた時間が経過した場合には、後述するスジ判定部34におけるスジ判定処理を終了させる。
スジ判定部34は、読取画像の判定領域設定部32において出力されたROIについてスジ判定処理を実施する。スジ判定処理とは、読取画像の差分信号に基づいて読取画像内に存在する画像欠陥候補を検出し、検出した画像欠陥候補をスジの特徴量と比較することで、スジの特徴量と類似する画像欠陥候補をスジと判定する処理である。ここでスジとは、印刷時にドットの着弾が理想位置からずれることで生じる線状の画像欠陥であり、周囲よりも濃度が高い黒スジ、周囲よりも濃度が低い白スジを含んでいる。
また、スジ判定部34には入力部34−1を備えており、ユーザはこの入力部34−1からスジ判定基準を入力することができる。スジ判定基準は、例えば、「厳しい」、「通常」、「甘い」の3段階で設定可能である。微小なスジでも判定する必要がある場合はスジ判定基準を「厳しい」、微小なスジは判定不要である場合はスジ判定基準を「甘い」に設定する。
スジ判定集積部36は、スジ判定部34が判定したスジの画像内の位置を集約し、読取された印刷物のスジ評価及びスジ位置を決定する。合否判定部38は、スジ判定集積部36に集約されたスジ評価及びスジ位置に基づいて、読取画像の印刷物が出荷する印刷物として適しているか否かの合否判定を行う。
〔スジ検出方法〕
次に、スジ検出装置10を用いた印刷物のスジ検出方法(画像欠陥検出方法の一例)について、図3を用いて説明する。
最初に、印刷元画像取得部12において、印刷元画像を取得する(ステップS1、画像取得工程の一例)。続いて、RIP処理部14において、取得した印刷元画像にRIP処理を施す。このRIP処理後の印刷元画像を、比較色空間変換部18dにおいて、読取画像と画像比較するための色空間(例えばL*a*b*空間)に変換する(ステップS2)。
次に、画像特徴量計算部26は、色空間変換された印刷元画像について、最小解析単位であるROIに分割し、ROI毎の画像特徴量を取得する(ステップS3、領域分割工程の一例、画像特徴量取得工程の一例)。画像特徴量計算部26は、ROI毎の画像特徴量として、色について色相、彩度及び明度、周波数成分について方向、コントラスト、及び周波数を取得する。
画像特徴量計算部26は、色の色相、彩度について、図4(a)に示すように、画像欠陥の視認率に応じて「低彩度」、「中高彩度、シアン」、「中高彩度、マゼンタ」、「中高彩度、イエロー」、「中高彩度、レッド」、「中高彩度、グリーン」、「中高彩度、ブルー」の7水準に分類する。また、色の明度について、図4(b)に示すように、画像欠陥の視認率に応じて「0〜20」、「20〜40」、「40〜60」、「60以上」の4水準に分類する。
また、画像特徴量計算部26は、周波数成分の方向について、図4(c)に示すように、画像欠陥の視認率に応じて「−22.5〜22.5度」、「22.5〜67.5度」、「67.5〜112.5度」、「無し」の4水準に分類する。この周波数成分の方向は、印刷物の画像や文字を通常視認する向きとしたときの水平方向を0度としたときの角度を示している。また、周波数成分の方向が180度回転している場合も、同様に分類する。
また、画像特徴量計算部26は、コントラストについて、図4(d)に示すように、画像欠陥の視認率に応じて「低」(最低0から最高1までの値で表すと0.1未満)、「中」(0.1〜0.25)、「高」(0.25以上)の3水準に分類する。さらに、周波数について、図4(e)に示すように、画像欠陥の視認率に応じて「低(0.25cycle/mm未満)」、「中(0.25〜1cycle/mm)」、「高(1cycle/mm以上)」の3水準に分類する。
次に、処理時間・期待値評価部28は、印刷元画像のROI毎の、スジを検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間(処理時間)T1とスジが存在する可能性を示す画像欠陥期待値E1とを計算する(ステップS4)。iは、n個のROIをそれぞれ識別するための識別番号i(i=1〜N)である。処理時間T1は、各ROIの画像特徴量(画像欠陥の視認性)に応じたスジ計算複雑度に基づいて計算する。この画像特徴量とスジ計算複雑度との関係は、予めテーブルとして記憶しておく。画像欠陥期待値E1は、各ROIの画像特徴量(画像欠陥の視認性)に基づいて計算する。
処理時間・期待値評価部28は、処理時間T1として、図4(f)に示すように、「A:長い」、「B:やや長い」、「C:普通」、「D:やや短い」、「E:短い」の5水準に分類する。また、画像欠陥期待値E1として、図4(g)に示すように、「I:高い」、「II:やや高い」、「III:普通」、「IV:やや低い」、「V:低い」の5水準に分類する。
なお、ROI毎の画像特徴量である7水準の色の色相、彩度、4水準の色の明度、4水準の周波数成分の方向、3水準の周波数成分のコントラスト、及び3水準の周波数成分の周波数の全ての組み合わせについて、処理時間T1と画像欠陥期待値E1とを関連付けたテーブルを記憶部(不図示)に備えておいてもよい。この場合、処理時間・期待値評価部28は、各ROIの画像特徴量に応じてこのテーブルから処理時間T1と画像欠陥期待値E1とを読み出すことができる。
図5はこのテーブルの一例を示している。例えば、色の色相、彩度が「低彩度」、色の明度が「0〜20」、周波数成分の方向が「無し」、周波数成分のコントラストが「低(0.1未満)」、周波数成分の周波数が「低(0.25cycle/mm未満)」の場合であれば、処理時間T1について「E:短い」、画像欠陥期待値E1について「I:高い」と分類することができる。すなわち、画像が黒ベタに近い場合、スジが非常に判定しやすく、かつスジの視認性が高い。
図5に示すテーブルは、色の色相、彩度、色の明度、周波数成分の方向、周波数成分のコントラスト、及び周波数成分の周波数の各水準の組み合わせの画像を作成し、その画像内にスジ(画像欠陥)が発生した場合の視認性に基づいて画像欠陥期待値を決定する。また、スジ検出テストプログラムによる評価実験を実施して必要な検出精度に到達するまでの演算時間を測定して、処理時間を決定する。
一方、画像読取部16は、スジ検出の対象となる印刷物を読み取り、読取画像を取得する(ステップS5、画像取得工程の一例)。この読取画像を、比較色空間変換部18aにおいて、印刷元画像と画像比較するための色空間(例えばL*a*b*空間)に変換する(ステップS6)。
さらに、画像位置合わせ部20において、ステップS2において色空間変換された印刷元画像とステップS6において色空間変換された読取画像とについて、位置合わせ処理を実施し、変動補正部22において、位置合わせ処理後の読取画像から読み取りに起因する低周波の画素信号の変動を除去する(ステップS7)。
次に、画像比較部24において、この位置合わせ後の印刷元画像と読取画像とをROIに分割し、ROI毎の対応する画素間の差分信号の強度(差分画像コントラスト)を算出する(ステップS8、領域分割工程の一例、差分強度抽出工程の一例)。画素間の差分信号は正負の符号を含むため、ここでは画素間の差の二乗和を差分信号の強度とする。
画像比較部24は、差分画像コントラストについて、図6(a)に示すように、差分画像コントラストが大きい順に「A:大きい」、「B:やや大きい」、「C:普通」、「D:やや小さい」、「E:小さい」の5水準に分類する。
次に、処理時間・期待値評価部28は、画像比較部24が算出した差分信号の強度(差分画像コントラスト)に基づいて、読取画像のROI毎の、スジを検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間(処理時間)T2とスジが存在する可能性を示す画像欠陥期待値E2とを計算する(ステップS9)。
処理時間・期待値評価部28は、処理時間T2について、図6(b)に示すように、処理時間が長い順に「A:長い」、「B:やや長い」、「C:普通」、「D:やや短い」、「E:短い」の5水準に分類する。また、画像欠陥期待値E2について、図6(c)に示すように、期待値が高い順に「I:高い」、「II:やや高い」、「III:普通」、「IV:やや低い」、「V:低い」の5水準に分類する。
処理時間・期待値評価部28は、ROI毎の5水準の差分画像コントラストについて、図7に示すように、処理時間T2と画像欠陥期待値E2とを関連付けたテーブルを記憶部(不図示)に備えておいてもよい。
ここで、処理時間・期待値評価部28は、予め入力されたスジ判定基準に応じて、各差分画像コントラストに対して割り当てる処理時間T2や画像欠陥期待値E2を調整する。
図7(a)に示すように、スジ判定基準が「厳しい」の場合、すなわち微小なスジでも判定する必要がある場合は、差分画像コントラストがD水準(やや小さい)のROIがスジ判定の閾値となる。したがって、D水準のROIのスジ判定処理において精密な計算が必要となるため、D水準のROIは処理時間T2についてA水準(長い)が割り当てられ、画像欠陥期待値E2についてIII水準(普通)が割り当てられる。また、差分画像コントラストがE水準(小さい)のROIについても精密な計算が必要となるため、処理時間T2についてB水準(やや長い)が割り当てられる。さらに、差分画像コントラストがA水準(大きい)〜C水準(普通)のROIについては、微小なスジが存在すると考えられるため、I水準(高い)やII水準(やや高い)の高い画像欠陥期待値E2が割り当てられる。
また、図7(b)に示すように、スジ判定基準が「甘い」の場合、すなわち微小なスジは判定不要である場合は、差分画像コントラストがB水準(やや大きい)のROIがスジ判定の閾値となる。したがって、B水準のROIのスジ判定処理において精密な計算が必要となるため、処理時間T2についてA水準(長い)が割り当てられ、画像欠陥期待値E2についてIII水準(普通)が割り当てられる。また、差分画像コントラストがC水準(普通)〜E水準(小さい)のROIについては、微小なスジはそれほど存在しないと考えられるため、IV水準(やや低い)やV水準(低い)の低い画像欠陥期待値が割り当てられる。
また、図7(c)に示すように、スジ判定基準が「通常」の場合は、差分画像コントラストがC水準(普通)のROIがスジ判定の閾値となるため、C水準のROIの処理時間は精密な計算が必要となるためA水準(長い)が割り当てられ、画像欠陥期待値はIII水準(普通)が割り当てられる。また、差分画像コントラストがA水準(大きい)、B水準(やや大きい)のROIについては、I水準(高い)、II水準(やや高い)の高い画像欠陥期待値が割り当てられる。また、差分画像コントラストがD水準(やや小さい)、E水準(小さい)のROIについては、IV水準(やや低い)やV水準(低い)の低い画像欠陥期待値が割り当てられる。
続いて、処理時間・期待値評価部28は、ステップS4において計算した画像特徴量に基づいたROI毎の処理時間T1と画像欠陥期待値E1、及びステップS9において計算した差分信号に基づいたROI毎の処理時間T2と画像欠陥期待値E2から、最終的な(総合的な)処理時間Tと画像欠陥期待値Eとを計算する(ステップS10、画像欠陥検出時間算出工程の一例、画像欠陥期待値算出工程の一例)。
例えば、あるROIの色の色相、彩度が「低彩度」、色の明度が「0〜20」、周波数成分の方向が「無し」、周波数成分のコントラストが「低(0.1未満)」、周波数成分の周波数が「低(0.25cycle/mm未満)」の場合であれば、図5に示すように、処理時間T1について「E:短い」、画像欠陥期待値E1について「I:高い」と分類される。
また、このROIのスジ判定基準が「通常」であり、差分画像コントラストが「C:普通」の場合であれば、図7(c)に示すように、処理時間T2について「A:長い」、画像欠陥期待値E2について「III:普通」と分類される。
処理時間・期待値評価部28は、このROIの総合的な処理時間Tを、処理時間T1の「E:短い」と処理時間T2の「A:長い」のうち長い方の値「A:長い」とし、総合的な画像欠陥期待値EをE1とE2との積「I×III」とする。
同様に、全てのROIについて処理時間Tと画像欠陥期待値Eとを算出する。
次に、判定領域優先順序付与部30は、読取画像の各ROIについてスジ判定処理を行う優先順序を付与する(ステップS11、画像欠陥検出順序決定工程の一例)。本実施形態では、ステップS10において計算したROI毎の総合的な画像欠陥期待値Eが大きいROIほど高い優先順序を付与する(画像欠陥期待値が大きい順序の一例)。
また、画像欠陥期待値Eを処理時間Tで除算した商、すなわち単位処理時間当たりの画像欠陥期待値である画像欠陥検出効率V=E/Tを計算し、この画像欠陥検出効率Viが大きいROIほど高い優先順序を付与してもよい。
判定領域設定部32は、この優先順序に基づいて、読取画像の全ROIのうちスジ判定部34がスジ判定を行うROIを設定する(ステップS12)。
スジ判定部34は、判定領域設定部32において設定されたROIについて順にスジ判定を行う(ステップS13、画像欠陥検出工程の一例)。ここで、判定領域設定部32は、スジ判定処理を開始してからの時間をタイマ32−1により計測する。そして、スジ判定処理を開始してから検査時間が経過した場合には、スジ判定部34におけるスジ判定処理を終了させる。この検査時間は、印刷ジョブが印刷物を印刷する周期等から予め決定される。したがって、スジ判定部34においてスジ判定処理が行われるROIは、画像欠陥期待値Eの総和ΣEが最大、かつ処理時間Tの総和ΣTが検査時間以下となる。
スジ判定部34におけるスジ判定結果は、スジ判定集積部36に集約され、スジ判定集積部36において読取画像の印刷物のスジ評価及びスジ位置を決定する。合否判定部38は、集約されたスジ情報に基づいて、読取画像の印刷物の合否を判定する(ステップS14)。
また、合否判定部38は、スジ判定処理を印刷ジョブの全ての印刷物について行ったか否かを判定する(ステップS15)。スジ判定処理を行っていない印刷物が存在する場合は、ステップS5に戻り、同様の処理を行う。全ての印刷物について終了した場合は、処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、印刷物を読み取った読取画像を領域毎に分割し、分割した領域毎にスジ判定処理に要する処理時間を評価し、スジ判定処理が予め定められた検査時間以内に終了するようにスジ判定を行う領域と処理内容を設定し、スジの発生可能性の高い領域からスジ判定処理を行う。これにより、処理能力が相対的に低速な演算装置を使用した場合であっても、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、印刷物の画像欠陥としてスジ検出を例に説明したが、スジ以外の画像欠陥を検出することができる。画像欠陥としては、インクが用紙上の正しい位置に正しい量で付与されていない状態や、インク以外のモノがメディア上に付着している状態が考えられる。
インクが用紙上の正しい位置に正しい量で付与されていない状態としては、以下のようなものがある。
・白スジ:インクが不足または、付与されていない、且つ形状が所定方向に長く、所定方向と垂直な方向の長さは画像解像度程度
・黒スジ:インクが過剰に付与されている、且つ形状が所定方向に長く、所定方向と垂直な方向の長さは画像解像度程度
・二次色スジ、多次色スジ:複数のインクのうち、少なくとも1つのインクが不足または過剰、且つ形状が所定方向に長く、所定方向と垂直な方向の長さは画像解像度程度
・文字欠け:文字を構成するインクのうち一部のインクが不足または付着していない
・文字の余分なインク付着:文字の領域に余分なインクが付着して文字の認識ができない
・インク垂れ: インクが本来無い場所にインクが付着、且つ形状は略円形
・バンディング: インクが不足または過剰な状態が連続している、不足または過剰なインク変化の周期が比較的低周波
・ムラ:インクが不足または過剰な状態が連続している、不足または過剰なインク変化の周期が比較的高周波
・色再現: 目標の色再現から許容できない量(色差)のズレがあること
一方、インク以外のモノがメディア上に付着している状態としては、以下のようなものがある。
・紙粉:粉状の紙が印刷物上に付着している
・異物・ゴミ:紙以外の異物が印刷物上に付着している
また、本実施形態では、処理時間Tの総和ΣTが検査時間を超える分のROIについてはスジ判定処理を行っていないが、ΣT>検査時間となる場合に、スジ判定処理を演算量の少ない処理に代替することで、検査時間を超えずに全てのROIのスジ判定処理を終了するようにしてもよい。
また、本実施形態では、優先順序の高いROIの順にスジ判定処理を行ったが、優先順序の高いROIについて検査時間内にスジ判定処理を行うことができれば、スジ判定処理を行う順序は優先順序に限定されない。例えば、2番目に優先順序の高いROIのスジ判定処理を行った後に最も優先順序の高いROIのスジ判定処理を行う態様も可能である。すなわち、検査時間内にスジ判定処理を行うことができなかったROIが存在する場合に、そのROIの優先順序がスジ判定処理を行ったROIよりも低いものであればよい。
また、ROI毎に優先順序を付与し、付与された優先順序でROI毎にスジ判定処理を行ったが、画像特徴量が近い(画像特徴量が類似する)領域(画像特徴量毎の領域の一例)に分割し、この画像特徴量が近い領域をひとまとめにしたマップを作成し、画像特徴量が近い領域毎に優先順序を付与し、付与された優先順序で領域毎にスジ判定処理を行ってもよい。ここで、画像特徴量としては、図4に示した色の色相、彩度、色の明度、周波数成分の方向、周波数成分のコントラスト及び周波数成分の周波数のうち少なくとも1つを用いればよい。
図8は、図2(c)に示した印刷元画像のROI毎の画像特徴量に基づいて、画像特徴量が近い領域をひとまとめにしたマップの一例を示している。ここでは、領域R、領域R、領域R、領域R、領域R、及び領域Rの6つ領域に分割されている。このマップに基づいて、各領域R〜Rについて、処理時間・期待値評価部28において処理時間Tと画像欠陥期待値Eとを計算し、判定領域優先順序付与部30において優先順序を付与すればよい。
このように画像特徴量が類似する領域毎に印刷元画像を分割した場合であっても、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能である。
以上説明したスジ検出方法は、コンピュータに各工程を実行させるプログラムとして構成し、当該プログラムを記憶した非一時的な記録媒体(例えばCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory))を構成することも可能である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るスジ検出装置は、印刷画像を複数のラインスキャナにより分割して読み取ることで複数の分割読取画像を取得し、各分割読取画像について第1の実施形態と同様にスジ判定処理を行う。
〔スジ検出装置の全体構成〕
第2の実施形態に係るスジ検出装置40について、図9を用いて説明する。なお、図1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
画像読取部16は、画像読取部16a、画像読取部16b及び画像読取部16cから構成される。画像読取部16aはラインスキャナ16a−1及び画像メモリ16a−2を、画像読取部16bはラインスキャナ16b−1及び画像メモリ16b−2を、画像読取部16cはラインスキャナ16c−1及び画像メモリ16c−2を備えている。
画像読取部16は、1つの印刷物を3つの画像読取部16a、16b及び16cにより3分割して読み取り、3つの分割読取画像を取得する。図10(a)は印刷元画像の一例を示しており、図10(b)は、印刷元画像に基づいて印刷された印刷物を画像読取部16a、16b及び16cによりそれぞれ取得した分割読取画像a、b及びc(分割印刷画像の一例)を示している。
比較色空間変換部18は、比較色空間変換部18a、比較色空間変換部18b、比較色空間変換部18c及び比較色空間変換部18dから構成される。比較色空間変換部18は、画像読取部16a、16b及び16cにより取得された分割読取画像a、b及びcと、RIP処理部14においてRIP処理が施された印刷元画像とを比較するために、各画像を同じ色空間に変換する。ここでは、比較色空間変換部18aにおいて分割読取画像aを、比較色空間変換部18bにおいて分割読取画像bを、比較色空間変換部18cにおいて分割読取画像cを、比較色空間変換部18dにおいてRIP処理された印刷元画像を色空間変換する。
画像位置合わせ部20は、画像位置合わせ部20a、画像位置合わせ部20b及び画像位置合わせ部20cから構成される。画像位置合わせ部20は、比較色空間変換部18において色変換された分割読取画像a、b及びcと印刷元画像とについて、印刷条件で決まる対応関係を初期値として位置合わせ処理を実施する。ここでは、画像位置合わせ部20aにおいて分割読取画像aと印刷元画像、画像位置合わせ部20bにおいて分割読取画像bと印刷元画像、画像位置合わせ部20cにおいて分割読取画像cと印刷元画像との位置合わせを行う。
変動補正部22は、変動補正部22a、変動補正部22b及び変動補正部22cから構成される。変動補正部22は、画像位置合わせ部20において位置合わせ処理された分割読取画像a、b及びcから、ラインスキャナ16a−1、16a−2及び16a−3の読み取りに起因する低周波の画素信号の変動を除去する。ここでは、変動補正部22aにおいて分割読取画像aの、変動補正部22bにおいて分割読取画像bの、変動補正部22cにおいて分割読取画像cの低周波の画像信号の変動を除去する。
画像比較部24は、画像比較部24a、画像比較部24b及び画像比較部24cから構成される。画像比較部24は、分割読取画像a、b及びcと印刷元画像とを比較し、それぞれ対応する画素間の画像信号の差分を計算し、差分信号(差分画像)と対応する位置情報とを出力する。ここでは、画像比較部24aにおいて分割読取画像aと印刷元画像、画像比較部24bにおいて分割読取画像bと印刷元画像、画像比較部24cにおいて分割読取画像cと印刷元画像との比較を行う。なお、画像比較部24a、24b及び24cは、最小解析単位であるROI毎に各分割画像と印刷元画像との比較を行う。
処理時間・期待値評価部28は、画像比較部24a、24b及び24cから入力される分割読取画像a、b及びcと印刷元画像とにおける差分信号とその位置情報、及び画像特徴量計算部26から入力される画像特徴量に基づいて、分割読取画像a、b及びcのROI毎のスジを検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間(処理時間)の見積もりを計算する。また、処理時間・期待値評価部28は、分割読取画像a、b及びcのROI毎の画像特徴量と差分信号の強度に基づいて、ROI毎のスジが存在する可能性を示す画像欠陥期待値を計算する。
判定領域優先順序付与部30は、分割読取画像毎に各ROIのスジ判定処理を行う優先順序を決定する。判定領域設定部32は、判定領域優先順序付与部30において決定した優先順序に基づいて、分割読取画像毎にスジ判定処理を行うROIを順に設定し、分割読取画像毎にスジ判定部34に出力する。
スジ判定部34は、スジ判定部34a、スジ判定部34b、スジ判定部34c及び入力部34−1から構成される。スジ判定部34は、分割読取画像a、b及びcのそれぞれに対して、判定領域設定部32において出力されたROIについてスジ判定処理を実施する。ここでは、スジ判定部34aにおいて分割読取画像aのスジ判定を、スジ判定部34bにおいて分割読取画像bのスジ判定を、スジ判定部34cにおいて分割読取画像cのスジ判定を行う。
また、ユーザは入力部34−1からスジ判定基準を入力することができる。入力されたスジ判定基準は、スジ判定部34a、34b及び34cに共通に入力される。
スジ判定集積部36は、スジ判定部34a、34b及び34cが判定した分割読取画像a、b及びcのスジの画像内の位置を集約し、読取された印刷物のスジ評価及びスジ位置を決定する。
このように、本実施形態によれば、印刷物を複数のラインスキャナにより分割して読み取ることで、複数の分割読取画像を取得する。その後、第1の実施形態と同様に各分割読取画像を領域毎に分割し、分割した領域毎にスジ判定処理に要する処理時間を評価し、スジ判定処理が予め定められた検査時間以内に終了するようにスジ判定を行う領域と処理内容を設定し、分割読取画像毎にスジの発生可能性の高い領域からスジ判定処理を行う。これにより、印刷物を分割して読み取った場合であっても、処理能力が相対的に低速な演算装置を使用して確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、スジ判定部34a、34b及び34cにおいてそれぞれ分割読取画像a、b及びcのスジ判定を行ったが、各分割読取画像のスジ判定処理の処理時間にはバラツキが発生する。したがって、検査時間を超えてしまい、全てのROIのスジ判定処理ができない分割読取画像が存在する場合に、検査時間を超えない分割読取画像のスジ判定部において行わせてもよい。例えば、分割読取画像aでは全てのROIの処理時間Tの総和ΣTが短いために検査時間を超えずに処理が終了し、分割読取画像bでは全てのROIの処理時間の総和ΣTが検査時間を超える場合には、分割読取画像b(欠陥の検出が終了していない分割印刷画像の一例)の検査時間を超えた分のROIのスジ判定処理を、分割読取画像aのスジ判定処理が終了した後のスジ判定部34a(分割印刷画像の画像欠陥の検出が終了した画像欠陥検出手段の一例)に行わせることも可能である。
<第3の実施形態>
スジ検出装置10やスジ検出装置40の一部の機能をサーバに配置した場合であっても、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能である。
図11に示すスジ検出システム100は、スジ検出装置50とスジ検出サーバ60とから構成される。なお、図9に示すスジ検出装置40と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
スジ検出装置50は、印刷元画像取得部12、RIP処理部14、画像読取部16、比較色空間変換部18、画像位置合わせ部20、変動補正部22、画像比較部24、スジ判定部34、スジ判定集積部36、及び合否判定部38を備えて構成される。また、スジ検出サーバ60は、画像特徴量計算部26、処理時間・期待値評価部28、判定領域優先順序付与部30、及び判定領域設定部32を備えて構成される。
スジ検出装置50とスジ検出サーバ60とは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して通信可能に接続されており、所定のプロトコルで情報の送受信を行うことで、スジ検出装置40と同様の処理を行うことができる。したがって、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能となる。
なお、スジ検出システムにおいて、各機能のスジ検出とスジ検出サーバとの分担は、図11に示す例に限定されず、適宜決めることができる。
図12に示すスジ検出システム110は、スジ検出装置50が印刷元画像取得部12、RIP処理部14、画像読取部16、スジ判定集積部36、及び合否判定部38を備え、スジ検出サーバ70が比較色空間変換部18、画像位置合わせ部20、変動補正部22、画像比較部24、画像特徴量計算部26、処理時間・期待値評価部28、判定領域優先順序付与部30、判定領域設定部32、及びスジ判定部34を備えて構成される。
また、図13に示すスジ検出システムは、2つのサーバを用いている。スジ検出システム120は、スジ検出装置50が印刷元画像取得部12、RIP処理部14、画像読取部16、比較色空間変換部18、画像位置合わせ部20、変動補正部22、画像比較部24、スジ判定集積部36、及び合否判定部38を備え、第1スジ検出サーバ80が画像特徴量計算部26、処理時間・期待値評価部28、判定領域優先順序付与部30、及び判定領域設定部32を備え、第2スジ検出サーバ90がスジ判定部34を備えて構成される。
このように構成した場合であっても、確度の高い画像欠陥検出を一定時間内に行うことが可能である。
<第4の実施形態>
スジ検出装置10及び40、スジ検出システム100、110、及び120は、各種の印刷手段と組み合わせて印刷機を構成することも可能である。ここでは、スジ検出装置10を適用したインクジェット記録装置(画像記録装置の一例)を例に説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図14に示すように、インクジェット記録装置200は、枚葉紙である用紙P(印刷媒体の一例)にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、クロ(K)の4色のインクを打滴してカラー画像を記録する印刷機である。枚葉紙には汎用の印刷用紙が、インクには水性インクが使用される。ここで、汎用の印刷用紙とは、いわゆるインクジェット専用紙ではなく、一般のオフセット印刷などに用いられる塗工紙などのセルロースを主体とした用紙をいう。また、水性インクとは、水及び水に可溶な溶媒に染料、顔料などの色材を溶解又は分散させたインクをいう。
図14に示すように、インクジェット記録装置200は、搬送ドラム210、記録ドラム220、インクジェットヘッドユニット230、インラインセンサ240、チェーングリッパ250、ヒータ260、スタンパ270、排紙台280等を備えて構成される。
搬送ドラム210は、給紙部(不図示)から給紙された用紙Pを搬送し、記録ドラム220に受け渡す。
記録ドラム220は、用紙Pを保持する用紙保持手段として機能するとともに、用紙Pを搬送する用紙搬送手段として機能する。記録ドラム220は、搬送ドラム210から用紙Pを受け取り、チェーングリッパ250へと用紙Pを搬送する。記録ドラム220は、円筒状に形成され、駆動手段としての図示しないモータに駆動されて回転する。記録ドラム220の外周面上にはグリッパ(不図示)が備えられ、このグリッパによって用紙Pの先端が把持される。記録ドラム220は、このグリッパによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、用紙Pをチェーングリッパ250へと搬送する。
また、記録ドラム220は、その周面に多数の吸着穴(不図示)が所定のパターンで形成される。記録ドラム220の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸着穴から吸引されることにより、記録ドラム220の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平坦性をもって用紙Pを搬送することができる。
インクジェットヘッドユニット230は、シアン(C)のインク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド230Cと、マゼンタ(M)のインク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド230Mと、イエロー(Y)のインク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド230Yと、クロ(K)のインク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド230Kとを備えて構成される印刷手段である。各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kは、記録ドラム220による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。
各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kは、それぞれラインヘッドで構成され、最大の用紙幅に対応する長さで形成される。各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kは、ノズル面(ノズルが配列される面)が記録ドラム220の周面に対向するように配置される。
各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kは、ノズル面に形成されたノズルから、記録ドラム220に向けてインクの液滴を吐出することにより、記録ドラム220によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
インラインセンサ240は、用紙Pに記録された画像を読み取る画像読取手段として機能する。インラインセンサ240は、記録ドラム220による用紙Pの搬送方向に対して、インクジェットヘッドユニット230の下流側に設置され、例えばラインスキャナで構成される。インラインセンサ240は、記録ドラム220によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kによって記録された画像を読み取る。
チェーングリッパ250は、記録ドラム220から排紙台280まで用紙Pを搬送する用紙搬送手段である。チェーングリッパ250は、主として記録ドラム220に近接して設置される第1スプロケット250aと、排紙台280に近接して設置される第2スプロケット250bと、第1スプロケット250aと第2スプロケット250bとに巻き掛けられる無端状のチェーン250cと、チェーン250cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(不図示)と、チェーン250cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ250dとで構成される。
第1スプロケット250a、第2スプロケット250b、チェーン250c及びチェーンガイドは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ250dは、一対で設けられるチェーン250cに掛け渡されて設置される。
第1スプロケット250aは、記録ドラム220から受け渡される用紙Pをグリッパ250dで受け取ることができるように、記録ドラム220に近接して設置される。この第1スプロケット250aは、図示しない軸受に軸支されて回転自在に設けられるとともに、図示しないモータが連結される。第1スプロケット250a及び第2スプロケット250bに巻き掛けられる250cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット250bは、記録ドラム220から受け取った用紙Pを排紙台280で回収できるように、排紙台280に近接して設置される。すなわち、この第2スプロケット250bの設置位置が、チェーングリッパ250による用紙Pの搬送経路の終端となる。この第2スプロケット250bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン250cは、無端状に形成され、第1スプロケット250aと第2スプロケット250bとに巻き掛けられる。また、チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン250cが所定の経路を走行するようにガイドする。
グリッパ250dは、チェーン250cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ250dの取付間隔は、記録ドラム220からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、記録ドラム220から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて記録ドラム220から受け取ることができるように、記録ドラム220からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
ヒータ260は、チェーングリッパ250の内部に設置され、チェーングリッパ250により搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する。
スタンパ270は、チェーングリッパ250により搬送される用紙Pの搬送方向におけるヒータ260の下流側に配置されている。スタンパ270は、スジ検出装置10の合否判定結果に基づいて、不合格品と判定された用紙Pの先端エッジにインクを付着させる。
排紙台280は、チェーングリッパ250により搬送された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台280には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等の用紙当て(不図示)が備えられる。
また、排紙台280は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台280にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台280を昇降させる。
このように構成されたインクジェット記録装置200は、まず搬送ドラム210から受け渡された用紙Pが、記録ドラム220で受け取られる。記録ドラム220は、用紙Pの先端をグリッパで把持して回転することにより、用紙Pを搬送する。このとき、用紙Pは、記録ドラム220の吸着穴から吸引されて、記録ドラム220の外周面上に吸着保持される。
用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。
インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ240を通過する。そして、インラインセンサ240の通過時に記録面に記録された画像が読み取られる。読み取りを行う際は、記録ドラム220に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。この後、用紙Pは、吸着が解除された後、チェーングリッパ250へと受け渡される。
チェーングリッパ250は、第1スプロケット250aに接続されたモータ(不図示)を駆動すると、チェーン250cが走行する。チェーン250cは、記録ドラム220の周速度と同じ速度で走行する。また、記録ドラム220から受け渡される用紙Pが、各グリッパ250dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
グリッパ250dに受け取られ、チェーングリッパ250によって搬送される用紙Pは、記録面の反対面がガイドプレート(不図示)の上面を摺接するとともに、記録面がヒータ260により加熱される。これにより、記録面に付与されたインクが乾燥する。
また、不合格品と判定された用紙Pは、チェーングリッパ250に搬送されながらスタンパ270によりエッジにインクが付着される。
チェーングリッパ250は、排紙台280の上で用紙Pを開放し、排紙台280の上に用紙Pをスタックさせる。排紙台280は、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように昇降される。
排紙台280に積載された用紙Pの束は、その積み重ね方向から見たときに、不合格品である用紙Pにスタンパ270によるインクが付着しているため、容易に不合格品の用紙Pを特定することができる。
〔インクジェット記録装置の制御系〕
図15に示すように、インクジェット記録装置200は、搬送制御部212、記録制御部232、読取制御部242、乾燥制御部262、合否振分制御部272、排紙制御部282、スジ検出部290、入力部300及びシステム制御部302等を備えている。
搬送制御部212は、搬送ドラム210、記録ドラム220、チェーングリッパ250を制御し、用紙Pを搬送させる。記録制御部232は、インクジェットヘッドユニット230を制御し、インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kから用紙Pにインクを吐出させ、用紙Pの記録面に画像を記録させる。
読取制御部242は、インラインセンサ240を制御し、用紙Pの記録面に記録された画像を読み取らせる。乾燥制御部262は、ヒータ260を制御し、チェーングリッパ250により搬送される用紙Pを乾燥させる。合否振分制御部272(出力手段の一例)は、スタンパ270を制御し、不合格品の用紙Pの先端エッジにインクを付着させる。排紙制御部282は、排紙台280を制御し、積層される用紙Pの最上位位置を一定に保つ。
スジ検出部290は、図1を用いて説明したスジ検出装置10を適用することができる。ここでは、画像読取部16は、インラインセンサ240により読み取られた画像データを読取画像として取得する入力手段として使用する。また、合否判定部38は、印刷した画像の良否判定をする判定手段となる。
入力部300は、ユーザが印刷元画像や印刷枚数等の印刷ジョブの情報を入力するためのユーザインターフェースである。
システム制御部302は、入力部300から入力された印刷ジョブに基づいて、搬送制御部212、記録制御部232、読取制御部242、乾燥制御部262、合否振分制御部272、排紙制御部282、及びスジ検出部290等を制御することで、インクジェット記録装置200の動作を統括制御し、印刷ジョブを実行させる。
〔インクジェット記録装置の検査時間〕
このように構成されたインクジェット記録装置200では、予め定められた印刷周期(第1の時間間隔の一例)で給紙部から用紙Pが給紙され、この印刷周期で記録ドラム220により用紙Pが搬送され、この印刷周期でインクジェットヘッドユニット230により用紙Pに画像が記録される。
インクジェットヘッドユニット230により記録された画像は、この印刷周期でインラインセンサ240により読み取られる。インラインセンサ240により読み取られた画像データは、スジ検出部290に入力され、この印刷周期の時間内に用紙Pの合否判定(良否判定の一例)が行われる。この合否判定結果は、合否振分制御部272に入力され、不合格品の印刷物にはスタンパ270によりインクが付着される。
したがって、スジ検出部290における各用紙P(印刷物)の検査時間は、インクジェットヘッドユニット230における印刷周期で決まる。スジ検出装置10を適用したスジ検出部290によれば、この印刷周期の時間内(第1の時間より短い時間の一例)に確度の高いスジ検出を行うことができる。
上述したように、印刷周期の時間内で全てのROIについてスジ判定処理が終了しない場合には、スジ判定処理の内容を演算処理の少ない処理に変更してもよい。また、複数の分割読取画像について複数のスジ判定部によりスジ判定処理を行っている場合であれば、スジ判定処理の終了したスジ判定部に、他のスジ判定処理の終了していない分割読取画像のスジ判定処理を分担させてもよい。
なお、上述したように、インクジェット記録装置200は、記録ドラム220により搬送される用紙Pにラインヘッドである各インクジェットヘッド230C、230M、230Y及び230Kからインクを吐出して画像を記録する。このため、インクジェット記録装置200において発生するスジは、記録ドラム220における用紙Pの搬送方向に沿った方向に発生することになる。
本実施形態では、スタンパにより合格品の用紙Pと不合格品の用紙Pを振り分けたが、合格品の用紙Pと不合格品の用紙Pとを別々の排紙台に分離して蓄積して振り分けてもよい。また、合否判定部38の判定結果を表示する表示手段を設けてもよい。
本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。
10,40,50…スジ検出装置、12…印刷元画像取得部、14…RIP処理部、16…画像読取部、18…比較色空間変換部、20…画像位置合わせ部、22…変動補正部、24…画像比較部、26…画像特徴量計算部、28…処理時間・期待値評価部、30…判定領域優先順序付与部、32…判定領域設定部、34…スジ判定部、36…スジ判定集積部、38…合否判定部、60,70…スジ検出サーバ、80…第1スジ検出サーバ、90…第2スジ検出サーバ、100,110,120…スジ検出システム、200…インクジェット記録装置、220…記録ドラム、230…インクジェットヘッドユニット、240…インラインセンサ、250…チェーングリッパ、270…スタンパ、290…スジ検出部、300…入力部

Claims (15)

  1. 印刷元画像と前記印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得手段と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割手段と、
    前記分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得手段と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像との前記分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出手段と
    前記分割された領域毎の画像特徴量と前記差分の強度とから、前記印刷画像の前記分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出手段と、
    記画像欠陥期待値から、前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定手段と、
    前記決定した順序で前記印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段と、
    を備えた画像欠陥検出装置。
  2. 前記分割された領域毎の画像特徴量と前記差分の強度とから、前記印刷画像の前記分割された領域毎の欠陥を検出するために必要な時間を示す画像欠陥検出時間を算出する画像欠陥検出時間算出手段を備え、
    前記画像欠陥検出順序決定手段は、前記画像欠陥検出時間と前記画像欠陥期待値とから、前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する請求項1に記載の画像欠陥検出装置。
  3. 前記画像欠陥検出順序決定手段は、前記画像欠陥期待値を前記画像欠陥検出時間で除算した商である画像欠陥検出効率が高い順序に決定する請求項に記載の画像欠陥検出装置。
  4. 前記画像欠陥検出時間算出手段は、前記分割された領域毎の画像欠陥の視認性から、前記画像欠陥検出時間を算出する請求項2又は3に記載の画像欠陥検出装置。
  5. 前記画像欠陥検出順序決定手段は、前記画像欠陥期待値が大きい順序に決定する請求項1に記載の画像欠陥検出装置。
  6. 前記画像欠陥期待値算出手段は、前記分割された領域毎の画像欠陥の視認性から、前記画像欠陥期待値を算出する請求項1からのいずれか1項に記載の画像欠陥検出装置。
  7. 前記領域分割手段は、画像特徴量毎の領域に分割する請求項1からのいずれか1項に記載の画像欠陥検出装置。
  8. 前記領域分割手段は、色の彩度及び明度の少なくとも一方を前記画像特徴量として分割する請求項に記載の画像欠陥検出装置。
  9. 前記領域分割手段は、周波数成分の方向、コントラスト、及び周波数のうち少なくとも1つを前記画像特徴量として分割する請求項又はに記載の画像欠陥検出装置。
  10. 前記画像取得手段は、前記印刷元画像に基づいて印刷された画像の読取手段における読み取り結果を印刷画像として取得する請求項1からのいずれか1項に記載の画像欠陥検出装置。
  11. 前記画像取得手段は、前記印刷元画像に基づいて印刷された画像の複数の読取手段における分割読み取り結果を分割印刷画像として取得し、
    前記画像欠陥検出順序決定手段は、前記分割印刷画像毎に前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定し、
    前記画像欠陥検出手段は、前記分割印刷画像毎に前記決定した順序で画像欠陥を検出する請求項10に記載の画像欠陥検出装置。
  12. 前記画像欠陥検出手段は、前記分割印刷画像毎に複数備えられ、それぞれ対応する前記分割印刷画像について画像欠陥を検出し、
    前記複数の画像欠陥検出手段のうち前記対応する分割印刷画像の画像欠陥の検出が終了した画像欠陥検出手段は、前記欠陥の検出が終了していない分割印刷画像の画像欠陥の検出を行う請求項11に記載の画像欠陥検出装置。
  13. 印刷元画像を取得する印刷元画像取得手段と、
    第1の時間間隔で複数の印刷媒体を搬送する搬送手段と、
    前記印刷元画像に基づいて前記搬送手段で搬送される印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、
    前記印刷した画像を読み取って印刷画像を取得する読取手段と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割手段と、
    前記分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得手段と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像との前記分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出手段と
    前記分割された領域毎の画像特徴量と前記差分の強度とから、前記印刷画像の前記分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出手段と、
    記画像欠陥期待値から、前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定手段と、
    前記決定した順序で前記印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段であって、1枚の記録媒体に対して前記第1の時間より短い時間で画像欠陥を検出する画像欠陥検出手段と、
    前記検出した画像欠陥に基づいて前記印刷した画像の良否判定をする判定手段と、
    前記判定手段の判定結果を出力する出力手段と、
    を備えた画像記録装置。
  14. 印刷元画像と前記印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得工程と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割工程と、
    前記分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得工程と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像との前記分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出工程と
    前記分割された領域毎の画像特徴量と前記差分の強度とから、前記印刷画像の前記分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出工程と、
    記画像欠陥期待値から、前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定工程と、
    前記決定した順序で前記印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出工程と、
    を備えた画像欠陥検出方法。
  15. 印刷元画像と前記印刷元画像に基づいて印刷された印刷画像とを取得する画像取得工程と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像とをそれぞれ対応する領域に分割する領域分割工程と、
    前記分割された領域毎の画像特徴量を取得する画像特徴量取得工程と、
    前記印刷元画像と前記印刷画像との前記分割された領域毎の差分の強度を抽出する差分強度抽出工程と
    前記分割された領域毎の画像特徴量と前記差分の強度とから、前記印刷画像の前記分割された領域毎の欠陥が存在する可能性を示す画像欠陥期待値を算出する画像欠陥期待値算出工程と、
    記画像欠陥期待値から、前記印刷画像の前記分割された領域の画像欠陥を検出する順序を決定する画像欠陥検出順序決定工程と、
    前記決定した順序で前記印刷画像の画像欠陥を検出する画像欠陥検出工程と、
    を備えた画像欠陥検出方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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