JP6181735B2 - 安全装置、調速機、及びエレベータ - Google Patents

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Description

本発明は、安全装置、調速機、及びエレベータに関する。
メインロープの切断等による乗りかごの落下を防ぐため、エレベータには安全装置が取り付けられる。多くの場合、エレベータは、安全装置として、ガバナロープと、調速機(ガバナ)と、非常止め装置と、を備える。ガバナロープは、乗りかごの昇降に連動して走行するよう構成される。調速機は、ガバナロープの走行に基づいて乗りかごの速度超過を検出する。調速機が速度超過を検出すると、乗りかごに設置された非常止め装置が動作する。非常止め装置はガイドレールを掴んで乗りかごの落下を停止する。
通常、調速機は、ガバナロープを把持するロープ掴み機構を備える。調速機は、乗りかごに速度超過が発生したことを検出すると、ロープ掴み機構を動作させてガバナロープを把持する。非常止め装置はガバナロープと連結されている。ガバナロープが把持されると、それに連動して非常止め装置が動作する。
特開2005―213037号公報 特開2006―168928号公報
調速機は、シュー材を使用することでガバナロープを把持可能である。例えば、調速機は、シュー材とシュー材とでガバナロープを挟圧することにより、或いは、シュー材と回転を停止したガバナシーブとでガバナロープを挟圧することにより、ガバナロープを把持可能である。しかし、これらの場合、ガバナロープとシュー材との間に極めて大きな摩擦が生じるので、ガバナロープの劣化は大きい。
本発明が解決しようとする課題は、ガバナロープの劣化を小さくすることである。
実施形態の安全装置は、乗りかごの昇降に連動するガバナロープと、外周にガバナロープが巻き掛けられたガバナシーブと、ガバナロープの走行方向と垂直な方向を軸に回転するローラを少なくとも1つ備える制動手段と、を備える。ローラは、外周の一部がガバナロープを間にしてガバナシーブの外周と対向している。制動手段は、乗りかごに速度超過が発生した場合に、ガバナシーブの回転を停止するとともに、ガバナシーブの外周とローラの外周とでガバナロープを挟圧する。
実施形態1のエレベータの全体構成図である。 (A)はガバナロープの構造を示す斜視図、(B)はガバナロープの断面図である。 (A)は非常止め装置がリンクでガバナロープに接続されている様子を示す図、(B)はリンクの非常止め装置側の端部が引き下げられた様子を示す図である。 実施形態1の調速機の右側面図である。 実施形態1の調速機の左側面図である。 (A)はガバナシーブの側面図、(B)は図6(A)に示すB−B’線断面図、(C)及び(D)はガバナシーブの外周付近の拡大断面図である。 (A)制動機構が備えるローラの側面図、(B)及び(C)は図7(A)に示すC−C’線断面図、(D)はローラの変形例である。 (A)は速度超過発生時の調速機の右側面図、(B)は速度超過発生時の調速機の左側面図である。 (A)はラチェットホイールが一定角度回転した調速機の右側面図、(B)はラチェットホイールが一定角度回転した調速機の左側面図である。 (A)はガバナシーブとローラとがガバナロープを挟圧した様子を示す図、(B)は図10(A)に示すD−D’線断面図である。 実施形態2の調速機を示す図である。 実施形態3の調速機を示す図である。 実施形態4の調速機を示す図である。 ガバナロープの変形例を示す図である。 フラット形ロープが挟圧される様子を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のエレベータ1の全体構成図である。エレベータ1は、昇降路2内にある乗りかご40をメインロープLで昇降させるロープ式エレベータである。エレベータ1は、トラクション式(つるべ式)のエレベータであり、機械室3を使用するタイプとなっている。エレベータ設置場所となる建物(以下、エレベータ建屋という。)の各フロアには、エレベータ乗場4が配置される。
なお、以下の説明には、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される直交座標系を用いる。図中、矢印の指し示す方向がプラス方向である。理解を容易にするため、以下の説明では、X軸プラス方向(図1手前方向)を右方向、X軸マイナス方向(図1奥方向)を左方向とする。
エレベータ1は、図1に示すように、制御部10と、巻上機20と、釣合おもり30と、乗りかご40と、ガイドレール50と、安全装置60と、を備える。
制御部10は、エレベータ1の各部を制御する制御装置である。制御部10は、例えば、プロセッサ等の処理装置から構成される。一例として、制御部10は、各種制御スイッチを備える制御盤である。制御部10は巻上機20を制御して、ユーザが指定したフロアに乗りかご40を移動させる。
巻上機20は、乗りかご40を昇降させる駆動装置である。巻上機20は、シーブ(滑車)と、シーブを回転させるモーターと、を備える。シーブ(sheave)は、プーリー(pulley)、タックル(tackle)、若しくはブロック(block)と呼ばれることもある。シーブの外周にはメインロープLが巻き掛けられている。メインロープLは、例えば、ワイヤーロープである。メインロープLの一端は乗りかご40に固定されており、他端は釣合おもり30に固定されている。
釣合おもり30は、乗りかご40の重量と釣り合いをとるための錘である。釣合おもり30は、鉄やコンクリート等の重量のある物体で構成される。釣合おもり30は、メインロープLを介して乗りかご40と連結されている。
乗りかご40は、乗客を運ぶカゴである。乗りかご40は、乗客が乗るかご室41と、かご室41を支持するかご枠42と、を備える。かご枠42は、例えば、上梁と、下梁と、一対の縦柱と、から構成される。図1には、かご枠42として、上梁と下梁のみが示されている。
ガイドレール50は、乗りかご40の昇降をガイドするレールである。ガイドレール50は、左右一対のレールから構成される。レールの一方は昇降路2の左側面に配置されており、他方は昇降路2の右側面に配置されている。ガイドレール50は、突出レールであってもよいし、溝レールであってもよい。本実施形態では、一例として、ガイドレール50は、水平断面が凸形状の突出レールであるものとする。以下の説明では、凸形状の突出部分を突出部51という。ガイドレール50は、突出部51を乗りかご40側に向け、昇降路2の左右の側面に固定されている。
安全装置60は、メインロープLの切断もしくは巻上機20の異常動作等による乗りかご40の落下を防ぐための装置である。安全装置60は、乗りかご40に速度超過が発生すると、非常止め装置63を動作させて乗りかご40を強制停止する。ここで速度超過とは、乗りかご40が設定速度を超えて走行することをいう。設定速度は装置設計者が任意に設定可能である。一例として、設定速度は、乗りかご40の定格速度の1.4倍である。
安全装置60は、ガバナロープ61と、ガバナテンショナ62と、非常止め装置63と、調速機(ガバナ)64と、を備える。
ガバナロープ61は、メインロープLとは別体の無端ロープである。ガバナロープ61は、上部で調速機64が備えるガバナシーブ641に、下部でガバナテンショナ62が備えるシーブ621に巻き掛けられている。ガバナロープ61には、セーフティリンク631等を介して乗りかご40が連結されている。ガバナロープ61は、乗りかご40の昇降に連動して走行する。
ガバナロープ61は、例えば、ワイヤーロープである。ワイヤーロープを構成する素線(wire)は、一般的には鋼線であるが、鋼線以外のワイヤーであってもよい。例えば、素線はピアノ線であってもよい。
ガバナロープ61は、樹脂で被覆されたワイヤーロープであってもよいし、樹脂で被覆されていない一般のワイヤーロープであってもよい。以下の説明では、樹脂で被覆されたワイヤーロープのことを「樹脂被覆ロープ」という。本実施形態では、一例として、ガバナロープ61は、樹脂被覆ロープであるものとする。ガバナロープ61を樹脂被覆ロープとすることで、ガバナシーブ641の外周とガバナロープ61との間に大きな摩擦力が働くようになる。
図2(A)は、ガバナロープ61の構造を示す斜視図である。図2(A)では、内部構造を視認容易にするため、ガバナロープ61を走行方向と垂直に切断するとともに、被覆樹脂の一部を切り取っている。ガバナロープ61は、ロープ本体611と、被覆樹脂612と、を備える。被覆樹脂612は、ガバナロープ61の樹脂被覆として機能する。
図2(B)はガバナロープ61の断面図である。ガバナロープ61は、断面が略円形のロープ(以下、円形ロープという。)である。ガバナロープ61のロープ径D1、及びロープ本体611のロープ径D2は装置の設計に合わせて変更可能である。一例として、ガバナロープ61のロープ径D1は公称径で8.1mm、ロープ本体611のロープ径D2は公称径で6.2mmである。なお、ロープ径とは、ロープの断面に外接する円の直径のことをいう。ガバナロープ61が樹脂被覆ロープでない場合、ロープ本体611のロープ径D2が、ガバナロープ61のロープ径D1となる。
ロープ本体611は、図2(B)に示すように、心綱611aと、心綱611aの周りに配置された複数のストランド611bと、を備える。図2(B)に示す破線の円一つ一つが1つのストランド611b或いは心綱611aである。なお、図2(B)には、心綱611aの周りに6つのストランド611bが配置されているが、ストランド611bの数は任意に変更可能である。ストランド611bの数は6つより多くてもよいし、少なくてもよい。
心綱611aは、ワイヤーロープの中心をなすロープである。心綱611aは、繊維心(FC : fibre core)であってもよいし、ロープ心(IWRC : independent wire rope core)であってもよい。或いは、心綱611aは、ストランド心(WSC : wire strand core)であってもよい。図2(B)には、一例として、ロープ心の心綱611aが示されている。
ストランド611bは、ワイヤーロープの構成要素となる小縄である。ストランド611bは、複数の素線Wをより合わせて構成される。素線Wは、例えば、2400N/mmの公称引張強さを有する鋼線である。素線Wのより方は、交差よりであってもよいし、平行よりであってもよい。素線Wを平行よりとする場合、そのより方は、シール形、ウォーリントン形、フィラー形、及びウォーリントンシール形のいずれであってもよい。図2(B)には、一例として、ウォーリントン形のストランド611bが示されている。
被覆樹脂612は、ロープ本体611の外周を覆う可撓性の樹脂である。ガバナシーブ641の外周で高い摩擦力が得られるように、被覆樹脂612には、摩擦係数の高い樹脂材が使用される。例えば、樹脂材には、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、或いはシリコン樹脂が使用される。なお、ここでいう樹脂には、合成樹脂のみならず、天然ゴム等の天然樹脂も含まれる。
被覆樹脂612は、ガバナシーブ641の外周で強い摩擦を受けるので、耐摩耗性が優れる樹脂材を使用するのが好ましい。例えば、被覆樹脂612には、ポリウレタンを使用するのが好ましい。また、被覆樹脂612は、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。本実施形態では、被覆樹脂612は熱可塑性ポリウレタンであるものとする。
なお、火災の発生時の耐熱性を考慮し、被覆樹脂612には難燃性の樹脂材を使用することが望ましい。また、寒冷地での使用を考慮し、被覆樹脂612にはガラス転移点の低い樹脂材を使用することが望ましい。一例として、被覆樹脂612の発火温度は400℃以上、ガラス転移温度は−40.0℃である。
ロープ本体611を被覆樹脂612で覆う方法は既知の様々な方法を使用可能である。例えば、被覆樹脂612を熱収縮チューブとし、チューブの中にロープ本体611を挿入した後、チューブを熱で収縮させることによりロープ本体611を被覆樹脂612で覆ってもよい。或いは、被覆樹脂612を熱可塑性樹脂とし、ロープ本体611の周囲を熱で溶融した樹脂で覆った後、その樹脂を固化させることによりロープ本体611を被覆樹脂612で覆ってもよい。被覆樹脂612はロープ本体611の内部まで浸透していてもよいし、浸透していなくてもよい。樹脂がロープ本体611の内部でどのような状態にあっても、ロープ本体611の外周を覆っているのであれば、その樹脂は被覆樹脂612である。
図1に戻り、ガバナテンショナ62は、ガバナロープ61に張力を加えるための装置である。ガバナテンショナ62は、シーブ621と、錘622と、を備える。シーブ621は、昇降路2の下部に配置されており、その外周にはガバナロープ61が巻き掛けられている。シーブ621には、錘622が吊り下げられている。この錘622によって、ガバナロープ61には、張力が加えられる。ガバナロープ61に加えられた張力により、ガバナロープ61の外周とガバナシーブ641の外周との間には摩擦力が発生する。この摩擦力は、張力が大きくなるほど、すなわち、ガバナテンショナ62の錘622が重くなるほど大きくなる。この摩擦力により、ガバナシーブ641はガバナロープ61の走行に同期して回転することが可能になる。
非常止め装置63は、乗りかご40に速度超過が発生したときに、乗りかご40を強制停止するための装置である。非常止め装置63は、乗りかご40に設置されている。図1の例では、非常止め装置63は、かご枠42の下梁に取り付けられている。勿論、非常止め装置63は、かご枠42の他の部分に取り付けられていてもよいし、かご枠42以外の部分(例えば、かご室41)に取り付けられていてもよい。
非常止め装置63は、セーフティリンク631でガバナロープ61に接続されている。セーフティリンク631は、セーフティレバー、若しくは非常止めレバーと呼ばれることもある。図3(A)は、非常止め装置63がセーフティリンク631でガバナロープ61に接続されている様子を示す図である。図3(A)の例では、セーフティリンク631は、Y軸方向に細長いレバー状の金具となっているが、セーフティリンク631には任意の構造のものを採用可能である。セーフティリンク631の一端は非常止め装置63に固定され、他端はガバナロープ61に固定されている。
非常止め装置63は、乗りかご40に速度超過が発生したときに動作する。本実施形態の非常止め装置63は、乗りかご40に速度超過の下降が発生した時に動作するよう構成されているが、乗りかご40に速度超過の上昇が発生した時も動作するよう構成されていてもよい。乗りかご40に速度超過の下降が発生すると、調速機64がガバナロープ61を制動する。ガバナロープ61が制動されても、非常止め装置63は乗りかご40とともに下降を継続する。そのため、セーフティリンク631の非常止め装置63側の端部は、図3(B)に示すように、ガバナロープ61に対して引き下げられる。これに連動して非常止め装置63が動作し、乗りかご40の落下が停止する。
非常止め装置63の構成は、装置設計者が任意に変更可能である。非常止め装置63は、例えば、次に示す構成であってもよい。まず、非常止め装置63は内部に一対の楔632、633を備える。楔632、633は非常止めシューと呼ばれることもある。上述したように、本実施形態のガイドレール50は突出部51を有する。楔632、633は、突出部51を間にして対向して配置されている。楔632、633は、平常時(速度超過が発生していない時)には、図3(A)に示すように、突出部51から離間した状態となっている。
楔632、633は、セーフティリンク631が引き下げられるのに連動してその間隔を狭めるよう構成されている。調速機64がガバナロープ61を制動したのに伴いセーフティリンク631が引き下げられると、楔632、633は、その間隔を狭め、図3(B)に示すように、ガイドレール50の突出部51を挟圧する。これにより、楔632、633とガイドレール50との間には大きな摩擦力が生じ、乗りかご40は落下を停止する。なお、ここで示した方法はあくまで一例である。非常止め装置63が乗りかご40の落下を停止させる方法は、既知の様々な方法を採用可能である。
図1に戻り、調速機64は、乗りかご40の速度超過を検出するための装置である。図1の例では、調速機64は、機械室3に設置されているが、ガバナシーブ641が乗りかご40の走行に同期して回転するのであれば、調速機64を設置する場所は必ずしも機械室3でなくてもよい。
以下、調速機64の構成について詳しく説明する。図4及び図5は、調速機64の構成の一例である。図4が調速機64を右側(X軸プラス方向)から見た図であり、図5が調速機64を左側(X軸マイナス方向)から見た図である。一般的に調速機64は、各種部品を取り付けるためのフレームを有している。しかしながら、本実施形態では、調速機64の構造を視認容易にするため、フレームの図示は省略してある。また、図4及び図5には、調速機64以外の構成(かご枠42、ガバナロープ61、非常止め装置63、及びセーフティリンク631)も示してある。
本実施形態では、一例として、調速機64は遠心調速機であるものとする。遠心調速機は、回転軸周りに配置された振り子が遠心力で外側に振れることを利用した調速機である。本実施形態では、調速機64は、ガバナシーブ641の回転軸641aの周りに配置された振り子(回転錘642a、642b)が遠心力で外側に振れることを利用してガバナシーブ641の回転速度を検出する。なお、以下に示す構成は、あくまで一例である。調速機64がガバナシーブ641の回転速度を検出する構成には、既知の様々な構成を採用可能である。
調速機64は、図4に示すように、ガバナシーブ641と、速度検出機構642と、を備える。また、調速機64は、図5に示すように、制動機構643を備える。
ガバナシーブ641は、調速機64に配置されるシーブである。ガバナシーブは、ガバナプーリと呼ばれることもある。ガバナシーブ641は、例えば、鋼鉄等の金属で構成される。ガバナシーブ641は、エレベータ設置場所に直接的或いは間接的に固定される固定部として機能する。ガバナシーブ641は、回転軸641aを有している。ガバナシーブ641は、回転軸641aの軸受(不図示)等を介してエレベータ建屋に間接的に固定される。
図6(A)は、ガバナシーブ641の構造を視認容易にするため、調速機64からガバナシーブ641以外の構成を取り除いたものである。ガバナシーブ641の側面には、扇形の貫通孔が4つ設けられている。これにより、ガバナシーブ641の側面には、4本のスポークが形成される。なお、貫通孔の数、形状、及び位置は任意に変更可能である。貫通孔を設けず、ガバナシーブ641を単純に円盤状としてもよい。
ガバナシーブ641の外周には、ガバナロープ61が巻き掛けられる。ガバナシーブ641の外周は、ガバナロープ61との摩擦を高めるため、摩擦係数の高い樹脂材で覆われていてもよい。樹脂材は、ガバナロープ61の被覆樹脂612と同様に、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、或いはシリコン樹脂であってもよい。
図6(B)は、図6(A)に示すB−B’線断面図である。ガバナシーブ641の外周S1には、周方向に沿って溝が形成されている。溝の底部BT1は、ガバナロープ61との接触面積が大きくなるように、断面視円弧状となっている。ここで断面視とは、溝が形成された物体を溝の延伸方向と垂直な方向に切り取って見ることをいう。
図6(C)及び図6(D)は、ガバナシーブ641の外周S1付近の拡大断面図である。外周S1の溝の深さD3は、図6(C)に示すように、ガバナロープ61のロープ径D1より小さくてもよいし、図6(D)に示すように、ガバナロープ61のロープ径D1より大きくてもよい。また、溝の開口の大きさD4は、ガバナロープ61が嵌まり込むことができるように、ガバナロープ61のロープ径D1と同じ、若しくは大きい。
なお、底部BT1の曲率はガバナロープ61の曲率と同じ、若しくは小さい。ガバナロープ61の曲率とは、断面に形成される円の曲率のことである。曲率とは曲率半径の逆数のことであり、値が小さいほど曲がりが緩やかとなる。ロープ径が8.1mmなのであれば、そのロープの曲率は0.247rad/mm(=1rad/(8.1mm/2))である。
底部BT1の曲率がガバナロープ61の曲率に近いほど、ガバナロープ61と外周S1との接触面積は大きくなる。接触面積が大きくなればなるほど、ガバナロープ61と外周S1との間には大きな摩擦力が発生する。そのため、溝の底部BT1の曲率はガバナロープ61の曲率と同じであることが望ましい。
なお、底部BT1の曲率とガバナロープ61の曲率が全く同じ場合、ガバナロープ61は底部BT1に嵌合し難くなる。そのため、底部BT1の曲率はガバナロープ61の曲率より少し小さくすることが望ましい。値に多少の相違があっても、両者は同じ曲率とみなすことができる。本実施形態では、2つの曲率の差がガバナロープ61の曲率の10%より小さい場合は、両者は同じ曲率とみなすこととする。例えば、ガバナロープ61の曲率が0.247rad/mmであるとする。この場合、溝の底部BT1の曲率が0.247rad/mmより小さく0.2223rad/mm(=0.247rad/mm×0.9)より大きいのであれば、ガバナロープ61の曲率と溝の底部BT1の曲率は同じである。
図4に戻り、速度検出機構642は、乗りかご40の速度超過を検出するための機構である。速度検出機構642は、一対の回転錘642a、642bと、リンク642cと、スイッチ642dと、操作子642eと、調速バネ642fと、を備える。
回転錘642a、642bは、遠心調速機の振り子として機能する。回転錘は遠心錘と呼ばれることもある。回転錘642a及び回転錘642bは、それぞれ、縦長(或いは横長)の形状をしている。回転錘642a、642bは、ぞれぞれ、長手方向の一方が重量部、他方が非重量部となっている。図4に示す回転錘642aの例であれば、上半分が重量部、下半分が非重量部である。回転錘642bの例であれば、下半分が重量部、上半分が非重量部である。
回転錘642a、642bは、回転軸641aを挟んで向かい合うように、ガバナシーブ641の側面に軸着されている。回転錘642a及び回転錘642bは、それぞれ、4本あるガバナシーブ641のスポークの一つに、回転軸642a1若しくは回転軸642b1で固定されている。回転軸642a1、642b1の位置は、回転錘642a、642bの重心から非重量部側に偏心した位置となっている。そのため、回転錘642a、642bに遠心力が加わると、回転錘642a、642bの重量部はガバナシーブ641の外周方向に変位する。
回転錘642a及び回転錘642bは、リンク642cで連結されている。リンク642cは、例えば、板状の棒状体である。リンク642cの一端は回転錘642aに軸着されており、他端は回転錘642bに軸着されている。これにより、回転錘642a及び回転錘642bは、遠心力を受けた場合に、同期して回動することが可能になる。
スイッチ642dは、乗りかご40に速度超過が発生したときに、巻上機20の動作を停止するための装置である。スイッチ642dは、ガバナシーブ641の外周のやや外側に配置されている。スイッチ642dの表面には、ガバナシーブ641側に突出するレバースイッチLSが配置されている。操作子642eがレバースイッチLSに触れると、スイッチ642dは巻上機20の電源を遮断する。
操作子642eは、スイッチ642dを操作するための部材である。図4の例では、操作子642eは棒状体となっている。操作子642eは、回転錘642aの重量部に固定されている。操作子642eの先端はガバナシーブ641の外周方向に突出している。遠心力によって回転錘642a、642bの重量部がガバナシーブ641の外周方向に変位すると、それに伴い操作子642eはガバナシーブ641の外側に向け変位する。
調速バネ642fは、回転錘642a、642bの回動を抑制するバネである。調速バネ642fは、例えば、圧縮コイルバネである。調速バネ642fは、回転錘642bの非重量部をガバナシーブ641の内側に向け付勢するよう固定されている。調速バネ642fの一端はガバナシーブ641の側面に、他端は回転錘642bの非重量部側の端部に固定されている。調速バネ642fの付勢力は、乗りかご40の移動速度が設定速度に達したときに、操作子642eの先端がスイッチ642dの位置に達するよう調整されている。
制動機構643は、乗りかご40に速度超過が発生した場合に、非常止め装置63を動作させるための機構である。制動機構643は、ガバナロープ61を制動する制動手段として機能する。制動機構643は、一般的な調速機であれば、ロープ掴み機構に相当する構成である。制動機構643は、図5に示すように、ラチェットホイール643aと、爪643bと、作動レバー643cと、圧縮バネ643dと、ロッド643eと、ローラ643fと、を備える。
ラチェットホイール643aは、ガバナシーブ641の回転を停止させるための部材である。ラチェットホイール643aは、ガバナシーブ641の回転軸641aに回動可能に固定されている。ラチェットホイール643aは、ガバナシーブ641とは独立して回転する。ラチェットホイール643aの径はガバナシーブ641の径より小さい。図5に示す白抜き矢印は、乗りかご40が下降するときにガバナロープ61が走行する方向である。ラチェットホイール643aは、白抜き矢印の方向からのみ回転力を受けるよう構成されている。さらに、ラチェットホイール643aは、一定角度回転するとその回転を停止するよう構成されている。
爪643bは、ラチェットホイール643aに回転力を与えるための部材である。爪643bの先端部は、ラチェットホイール643aの歯部に噛合可能な形状となっている。爪643bは回転錘642aの左側面に回転可能に固定されている。爪643bが回転すると、爪643bの先端部はガバナシーブ641の径方向内側にその位置を変化させる。爪643bは、ガバナシーブ641の貫通孔を超えて、ガバナシーブ641の左側側面から突出した状態となっている。そのため、調速機64をガバナシーブ641の径方向(Y軸方向)から見た場合に、爪643bとラチェットホイール643aとは重なった状態となっている。
爪643bの回転軸は、ラチェットホイール643aに外接する円より外側に位置している。爪643bは、平常時は、ラチェットホイール643aに引っかからないように、先端部をガバナシーブ641の径方向外側に開いている。回転錘642a及び回転錘642bの重量部が遠心力でガバナシーブ641の外周方向に変位すると、爪643bは先端部をガバナシーブ641の径方向内側に変位させる。乗りかご40の移動速度が設定速度に達すると、先端部はラチェットホイール643aの歯部に噛合可能な位置まで変位する。
作動レバー643cは、ローラ643fが固定されるローラ固定部となる基体である。作動レバー643cは、ガバナシーブ641の径方向外側に配置されている。作動レバー643cは、調速機64のフレームに、回転軸643c1を中心に回動できるよう固定されている。回転軸643c1はガバナシーブ641の回転軸641aと平行である。
作動レバー643cの形状は図5に示すように縦長である。作動レバー643cの長手方向中程にはローラ643fが配置されている。作動レバー643cの回転軸643c1は、作動レバー643cの長手方向の端部に配置されている。作動レバー643cが回転軸643c1を中心に図面時計回りに回転することで、ローラ643fはガバナロープ61に当接する。なお、以下の説明では、作動レバー643cの回転軸643c1側の端部を固定端、反対側端部を開放端という。
圧縮バネ643dは、ローラ643fをガバナシーブ641から離間させるためのバネである。圧縮バネ643dは、例えば、圧縮コイルバネである。圧縮バネ643dの一端は調速機64のフレームに固定されており、他端は作動レバー643cの開放端に固定されている。圧縮バネ643dは、作動レバー643cをガバナシーブ641から離間する方向(Y軸プラス方向)に引っ張っている。
ロッド643eは、作動レバー643cにラチェットホイール643aの回転力を伝達する棒状体である。ロッド643eの一端は、作動レバー643cの開放端に固定されており、他端はラチェットホイール643aの側面に固定されている。ラチェットホイール643aが回転力を受けて回転すると、作動レバー643cはロッド643eに引っ張られてガバナロープ61側に倒れる。これにより、ローラ643fはガバナロープ61に当接する。
ローラ643fは、ガバナロープ61をガバナシーブ641の外周に押し付けるための部材である。ローラ643fは、金属、硬質樹脂等の硬質の素材で構成される。ローラ643fは、作動レバー643cに回転自在に固定されている。ローラ643fは、外周の一部がガバナロープ61を間にしてガバナシーブ641と対向している。ローラ643fの回転軸643f1はガバナシーブ641の回転軸641aと平行である。そのため、ローラ643fは、ガバナロープ61の走行方向と垂直な方向を軸に回転する。
図7(A)は、調速機64からローラ643fを取り出したものである。ローラ643fの外周は、ガバナロープ61との摩擦を高めるため、摩擦係数の高い樹脂材で覆われていてもよい。このとき、樹脂材は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、或いはシリコン樹脂であってもよい。
図7(B)は、図7(A)に示すC−C’線断面図である。ローラ643fの外周BT2には、周方向に沿って溝が形成されている。溝の底部BT2は、ガバナロープ61との接触面積が大きくなるように、断面視円弧状に湾曲している。外周S2の溝の深さD5は、ガバナロープ61のロープ径D1より小さい。例えば、溝の深さD5は、ガバナロープ61のロープ径D1の半分か、半分よりやや小さい。溝の開口の大きさD6は、図7(B)に示すように、ガバナロープ61のロープ径D1より大きくてもよいし、図7(C)に示すように、ガバナロープ61のロープ径D1より小さくてもよい。
底部BT2の曲率はガバナロープ61の曲率と同じ、若しくは小さい。ガバナロープ61との接触面積が大きくなるように、溝の底部BT2の曲率はガバナロープ61の曲率と同じであることが望ましい。なお、底部BT2の曲率とガバナロープ61の曲率が全く同じ場合、ガバナロープ61は底部BT2に嵌合することが難くなる。そのため、底部BT2の曲率はガバナロープ61の曲率より少し小さくすることが望ましい。値に多少の相違があっても、両者は同じ曲率とみなすことができる。本実施形態では、2つの曲率の差がガバナロープ61の曲率の10%より小さい場合は、両者は同じ曲率とみなすこととする。
なお、ローラ643fの外周S2に形成される溝の形状は、上記に限定されない。溝の形状は例えば断面視V字状であってもよい。また、ローラ643fの外周S2には必ずしも溝が形成されていなくてもよい。ローラ643fの外周S2は、図7(D)に示すように、フラットであってもよい。このとき、ローラ643fはフランジを有していてもよい。
次に、このような構成を有する安全装置60の動作について説明する。
平常時、操作子642eの先端は、図4に示すように、ガバナシーブ641の外周の径方向内側に位置している。乗りかご40が移動すると、乗りかご40の移動速度に同期してガバナシーブ641が回転する。そうすると、回転錘642a、642bは、調速バネ642fの付勢力に抗って回動する。乗りかご40の移動速度が速くなるに従って、回転錘642a、642bの重量部は、ガバナシーブ641の外周方向に変位する。重量部が外周方向に変位すると、それに伴い操作子642eもガバナシーブ641の外側に向け変位する。
図8(A)及び図8(B)は、乗りかご40に速度超過が発生したときの調速機64を示す図である。図8(A)が調速機64を右方向(X軸プラス方向)から見た図であり、図8(B)が調速機64を左方向(X軸マイナス方向)から見た図である。乗りかご40に速度超過が発生すると、操作子642eの先端は、図8(A)に示すように、スイッチ642dのレバースイッチLSに触れる。操作子642eがレバースイッチLSに触れると、スイッチ642dは巻上機20の電源を遮断する。これにより、巻上機20は動作を停止する。
また、乗りかご40に速度超過が発生すると、爪643bの先端部は、図8(B)に示すように、ラチェットホイール643aの歯部に噛合可能な位置まで変位する。乗りかご40が下降している場合、ガバナシーブ641は図8(B)に示す白抜き矢印の方向に回転する。反対に、乗りかご40が上昇している場合、ガバナシーブ641は白抜き矢印とは反対の方向に回転する。爪643bの先端部は、ガバナシーブ641が白抜き矢印の方向に回転している場合のみ、すなわち、乗りかご40が下降している場合のみ、ラチェットホイール643aの歯部に噛み合う。爪643bの先端部がラチェットホイール643aの歯部に噛み合うと、ラチェットホイール643aには回転力が加えられる。この回転力により、ラチェットホイール643aは白抜き矢印の方向に一定角度回転する。一定角度は、360°より小さな角度である。
図9(A)及び図9(B)は、ラチェットホイール643aが一定角度回転した調速機64を示す図である。図9(A)が調速機64を右方向から見た図であり、図9(B)が調速機64を左方向から見た図である。ラチェットホイール643aが回転すると、図9(B)に示すように、作動レバー643cはロッド643eによってガバナシーブ641のある方に引っ張られる。作動レバー643cがガバナシーブ641の側に倒れると、ローラ643fはガバナシーブ641の外周にあるガバナロープ61に当接する。
ローラ643fがガバナロープ61に当接すると、ラチェットホイール643aは、ロッド643eにより回転が妨害されて、それ以上回転できなくなる。上述したように、ラチェットホイール643aの歯部には爪643bが噛合している。爪643bは回転錘642aに固定さており、さらに、回転錘642aはガバナシーブ641に固定されている。そのため、ラチェットホイール643aが回転を停止すると、ガバナシーブ641も回転を停止する。
図10(A)は、ローラ643fがガバナロープ61に当接したときの調速機64を示す図である。理解を容易にするため、調速機64からガバナシーブ641及びローラ643f以外の構成は取り除いている。ガバナシーブ641が回転を停止しても、乗りかご40は下降を続ける。そのため、ガバナロープ61は、乗りかご40から引力F1を受け、ガバナシーブ641の外周を滑走する。図10(A)の例であれば、ガバナロープ61は、ガバナシーブ641の外周のR1の区間(以下、滑走区間R1という。)を滑走する。
ガバナロープ61が滑走することにより、ガバナシーブ641の外周とガバナロープ61との間に摩擦力が生じる。この摩擦力によりガバナシーブ641は図9(B)に示す白抜き矢印の方向に回転力を受ける。そうすると、ガバナシーブ641は、ラチェットホイール643a、ロッド643e、作動レバー643c等を介して、ローラ643fの外周をガバナロープ61に強く押し付ける。ガバナロープ61は、ローラ643fの外周とガバナシーブ641の外周との間で挟圧される。
図10(B)は、図10(A)に示すD−D’線断面図である。上述したように、ガバナシーブ641の外周には溝が形成されている。ガバナロープ61は溝の底部BT1に接触した状態となっている。ガバナロープ61と溝の底部BT1との摩擦係数がμ、ガバナロープ61がローラ643fから受ける圧力がPとすると、ガバナシーブ641とガバナロープ61との接触部分にはμPの大きさの摩擦力が生じる。この摩擦力により、ガバナロープ61には乗りかご40の引力F1に抗する方向(図10(A)に示す白抜き矢印の方向)に把持力F2が生じる。なお、ローラ643fは回転可能となっている。ローラ643fはガバナロープ61の走行に合わせて回転するので、ローラ643fとガバナロープ61との接触部分には大きな摩擦は生じない。
ガバナロープ61は、滑走区間R1で摩擦力を受ける。ガバナロープ61の外周が、摩擦係数の高い樹脂で覆われている場合、この摩擦力は大きなものとなる。この摩擦力と把持力F2とでガバナロープ61はその走行速度を低下させる。ガバナロープ61の走行速度が低下しても、乗りかご40は落下を継続しようとする。結果として、乗りかご40とガバナロープ61との間には速度差が生じる。この速度差によって、セーフティリンク631の非常止め装置63側の端部は、図10(A)に示すように、ガバナロープ61に対して引き下げられる。これに連動して非常止め装置63が動作し、乗りかご40の落下は停止する。
本実施形態によれば、ガバナロープ61の劣化を小さくすることができる。仮に、乗りかご40に速度超過の落下が発生し、ガバナロープ61がシュー材等の把持部材で把持されたとする。この場合、ガバナロープ61は、把持部材で把持されたときに、二方向から強い摩擦を受けて劣化する。特に、樹脂被覆ロープは、金属表面の一般的なワイヤーロープと比べて表面が柔らかい。そのため、ガバナロープ61を樹脂被覆ロープとした場合、高摩擦により高い制動性能を得ることができるものの、一般的なワイヤーロープより劣化しやすい。
しかしながら、本実施形態の安全装置60は、把持部材の一方をローラ643fとしている。乗りかご40に速度超過が生じ、調速機64がガバナロープ61を把持したとしても、少なくとも、ガバナロープ61のローラ643f側の表面には大きな摩擦が生じることがない。よって、制動時のガバナロープ61の劣化は小さい。
ガバナテンショナ62の錘622を重くすればするほど、ガバナロープ61は滑走区間R1で大きな摩擦力を得ることができる。しかし、この場合、錘622の重量を支えられるように、調速機64やエレベータ建屋を強度の高いものにする必要がある。したがって、エレベータ1のコストは増大する。しかしながら、本実施形態の安全装置60は、ガバナロープ61が樹脂被覆ロープとなっている。樹脂被覆ロープは、樹脂被覆されていない一般的なロープと比べ表面の摩擦係数が大きい。このため、ガバナテンショナ62の錘622を軽いものにしたとしても、安全装置60の制動機構643は、ガバナロープ61を制動するのに必要な摩擦力を滑走区間R1で得ることができる。
また、ガバナロープ61を金属製のロープとした場合、メンテナンス作業員は定期的にガバナロープ61にオイルを供給する必要がある。しかしながら、本実施形態の安全装置60は、ガバナロープ61が樹脂被覆ロープとなっているので、ガバナロープ61に定期的にオイルを供給する必要がない。よって、メンテナンス作業員の負荷を低くできる。
ローラ643fの外周をフラットとした場合、ガバナロープ61は押しつぶされて変形する恐れがある。しかしながら、本実施形態のローラ643fは、外周に溝が形成されている。溝の底部BT2はガバナロープ61の形状に合わせて断面視円弧状に湾曲している。そのため、ガバナロープ61は、ローラ643fから圧力が加えられたとしても、大きく変形することがない。
(実施形態2)
実施形態1の安全装置60(調速機64)は、ガバナロープ61を制動するためのローラ643fを1つのみ有していた。しかしながら、安全装置60はローラ643fを複数有していてもよい。以下、実施形態2のエレベータ1について説明する。なお、制動機構643以外の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
図11(A)及び図11(B)は、実施形態2の調速機64を右方向から見た図である。図11(A)が、平常時の調速機64であり、図11(B)が乗りかご40に速度超過が発生したときの調速機64である。
制動機構643は、図11(A)に示すように、ラチェットホイール643aと、爪643bと、作動レバー643cと、圧縮バネ643dと、ロッド643eと、複数のローラ643fと、を備える。制動機構643は、実施形態1と同様に、ガバナロープ61を制動する制動手段として機能する。ラチェットホイール643aと爪643bとロッド643eの構成は、実施形態1と同じである。
作動レバー643cは、実施形態1とは異なり、ガバナシーブ641の外周に沿って湾曲した形状となっている。作動レバー643cには、湾曲方向に沿って複数のローラ643fが配置されている。図11(A)に示す制動機構643はローラ643fを3つ備えているが、ローラ643fの数は3つより多くてもよいし、少なくてもよい。複数のローラ643fは、それぞれ、ガバナシーブ641の外周上のガバナロープ61と、他のローラ643fを介することなく直接対向している。複数のローラ643fの回転軸は、いずれも、ガバナシーブ641の回転軸641aと平行である。そして、複数のローラ643fは、それぞれ、ガバナロープ61と直接対向している。ローラ643fの構成は、実施形態1のローラ643fと同じである。
乗りかご40に速度超過が発生すると、作動レバー643cがロッド643eにより引っ張られる。そうすると、作動レバー643cは、図11(B)に示すように、ガバナシーブ641の側に倒れる。作動レバー643cが倒れると、複数のローラ643fは、それぞれ、ガバナロープ61を押圧する。ガバナロープ61は、ガバナシーブ641の外周と複数のローラ643fそれぞれの外周とで挟圧される。
本実施形態によれば、制動機構643は、速度超過発生時、複数のローラ643fでガバナロープ61を押圧する。そのため、制動時にガバナロープ61にかかる負荷が分散されるので、安全装置60が動作したとしても、ガバナロープ61の劣化は小さい。
(実施形態3)
実施形態1の安全装置60(調速機64)は、ガバナシーブ641を固定部とし、固定部とローラ643fとでガバナロープ61を挟圧した。しかしながら、ガバナロープ61を挟圧するための固定部は必ずしもガバナシーブ641でなくてもよい。以下、実施形態3のエレベータ1について説明する。なお、制動機構643以外の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
図12(A)及び図12(B)は、実施形態3の調速機64を右方向から見た図である。図12(A)が、平常時の調速機64であり、図12(B)が乗りかご40に速度超過が発生したときの調速機64である。
制動機構643は、図12(A)に示すように、ローラ643fと、基体643gと、圧縮バネ643hと、回転軸643iと、支持部643jと、固定側制動部材643kとを備える。制動機構643は、実施形態1と同様に、制動手段として機能する。
本実施形態では、固定側制動部材643kを使ってガバナロープ61を挟圧する。固定側制動部材643kはガバナシーブ641に替わって固定部として機能する。固定側制動部材643kはエレベータ設置場所に直接固定されていてもよいし、調速機64のフレーム等を介して間接的に固定されていてもよい。
固定側制動部材643kは、ガバナロープ61と並行な平面を有している。固定側制動部材643kは平面をガバナロープ61に対向させた状態で、エレベータ建屋に固定されている。ガバナロープ61に対向する平面には、ガバナロープ61の走行方向沿って溝が形成されていてもよい。このとき、溝の底部は、ガバナロープ61が嵌合できるように、断面視円弧状に湾曲していてもよい。挟圧時のガバナロープ61の変形を少なくすることができる。
ローラ643fは基体643gに固定されている。ローラ643fの回転軸はガバナロープ61の走行方向と垂直である。ローラ643fの外周の一部は、ガバナロープ61を挟んで固定側制動部材643kの平面と対向している。図12(A)の例であれば、ローラ643fの図面斜め下側が固定側制動部材643kの平面と対向した状態となっている。基体643gは、圧縮バネ643hを介して回転軸643iと固定されている。基体643gと圧縮バネ643hと回転軸643iは一直線に配置されている。
基体643gは、平常時、ローラ643fがガバナロープ61から離間するように、例えば、支持部643jにより支持されている。乗りかご40に速度超過が発生すると、制動機構643は、基体643gの下から支持部643jを取り除かれる。例えば、支持部643jは、ラチェットホイール643aが回転するのに連動して、基体643gの下から取り除かれるよう構成されていてもよい。
支持部643jが基体643gの下から取り除かれると、基体643gは図12(B)に示すように、回転軸643iを軸にして固定側制動部材643kの方向に倒れる。そうすると、ガバナロープ61は固定側制動部材643kの平面とローラ643fの外周とで挟圧される。
なお、図12(A)には、ローラ643fが1つのみ示されているが、基体643gには複数のローラ643fが固定されていてもよい。複数のローラ643fはそれぞれガバナロープ61の走行方向に沿って配置されていてもよい。そして、複数のローラ643fはそれぞれ固定側制動部材643kの平面と対向し、それらの外周はそれぞれガバナロープ61と直接対向していてもよい。
本実施形態の場合も、ローラ643fでガバナロープ61が挟圧されるので、制動時のガバナロープ61の劣化は小さい。
(実施形態4)
実施形態1の安全装置60(調速機64)は、平常時、ローラ643fとガバナロープ61とを離間させていた。しかしながら、安全装置60は、平常時もローラ643fをガバナロープ61に当接させていてもよい。そして、安全装置60は、乗りかご40に速度超過が発生したときに、ローラ643fをガバナロープ61に向けて押圧してもよい。以下、実施形態4のエレベータ1について説明する。なお、制動機構643以外の構成は実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
図13(A)及び図13(B)は、実施形態4の調速機64を左方向から見た図である。図13(A)が、平常時の調速機64であり、図13(B)が乗りかご40に速度超過が発生したときの調速機64である。
制動機構643は、図13(A)に示すように、ラチェットホイール643aと、爪643bと、作動レバー643cと、圧縮バネ643dと、ロッド643eと、ローラ643fと、を備える。制動機構643の構成は、ロッド643eがラチェットホイール643aのみならず作動レバー643cにも軸着されている点で実施形態1と異なっている。また、平常時、ローラ643fは、ガバナロープ61に軽く当接した状態となっている。その他の構成は、実施形態1の制動機構643と略同じである。
乗りかご40に速度超過が発生すると、作動レバー643cがロッド643eにより引っ張られる。そうすると、ローラ643fは、図13(B)に示すように、ガバナロープ61への当接圧力を増加させて、ガバナロープ61を押圧する。これにより、ガバナロープ61は、ガバナシーブ641の外周とローラ643fの外周とで挟圧される。
平常時に、ローラ643fとガバナロープ61とが離間している場合、ローラ643fは、乗りかご40に速度超過が発生したときに、ガバナロープ61に勢いをつけて衝突する。そうすると、ガバナロープ61はローラ643fから強い衝撃を受けて劣化する恐れがある。しかしながら、本実施形態の制動機構643は、平常時もローラ643fがガバナロープ61に当接した状態となっている。そのため、速度超過発生時にローラ643fは勢いをつけてガバナロープ61に衝突することがない。よって、制動時のガバナロープ61の劣化は小さい。平常時に、ローラ643fとガバナロープ61とを当接させたとしても、ローラ643fはガバナロープ61の走行に合わせて回転するので、ガバナロープ61の走行の妨害にはならない。
なお、実施形態4では、実施形態1の安全装置60をベースに、平常時もローラ643fをガバナロープ61に当接させるよう制動機構643に変形を加えた。しかし、平常時もローラ643fをガバナロープ61に当接させる構成は、実施形態2及び実施形態3の安全装置60(調速機64)にも適用可能である。
上述の各実施形態はそれぞれ一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、ガバナロープ61を構成する樹脂被覆ロープとして、ロープ本体611を被覆樹脂612で覆ったワイヤーロープを例示した。しかしながら、ガバナロープ61を構成する樹脂被覆ロープは、この例に限定されない。
例えば、樹脂被覆ロープは、図14(A)に示すように、ストランド611bそれぞれが被覆樹脂612で覆われたワイヤーロープであってもよい。なお、図14(A)は、図10(A)に示すD−D’線部分の断面図である。
また、上述の実施形態では、ガバナロープ61は、円形ロープであるものとしたが、ガバナロープ61は円形ロープに限定されない。例えば、ガバナロープ61はフラット形ロープであってもよい。フラット形ロープとは、扁平断面を有するロープのことである。図14(B)には、フラット形ロープの例として、表面が平らな平ロープが示されている。なお、図14(B)は、図10(A)に示すD−D’線部分の断面図である。図14(B)に示すロープは、ストランド611bが横一列に配置されているが、表面がフラットとなるのであれば、ストランド611bの配置は任意である。ガバナロープ61をフラット形ロープとすることで、挟圧時のロープの変形が小さくなる。
ガバナロープ61をフラット形ロープとする場合、ガバナシーブ641及びローラ643fの外周はフラットであってもよい。図15(A)は、ガバナシーブ641とローラ643fとで挟圧されたガバナロープ61を示す図である。図15(A)の例ではガバナロープ61は平ロープとなっており、ガバナシーブ641の外周とローラ643fの外周はいずれもフラットとなっている。図15(A)に示すローラ643fはフランジを有していないが、図15(A)に示すガバナシーブ641のようにフランジを有していてもよい。なお、ローラ643fに対向する部材は、ガバナシーブ641ではなく、実施形態3に示したように、固定側制動部材643kであってもよい。
なお、フラット形ロープは平ロープに限定されない。フラット形ロープは、断面が蛤形(略楕円形)のロープであってもよい。この場合も、ロープは樹脂で被覆されていてもよい。図15(B)には、断面が蛤形のロープがガバナシーブ641とローラ643fとで挟圧されている様子が示されている。ロープ断面の短軸D8が長軸D7の1/2より小さい場合、そのロープはフラット形ロープとみなしてもよい。ガバナロープ61を蛤形のロープとする場合、ガバナシーブ641の外周とローラ643fの外周には、溝が形成されていてもよい。溝の底面の曲率はガバナロープ61の曲率と同じであってもよい。この変形は、固定部を固定側制動部材643kとする場合も適用可能である。
また、ガバナロープ61を樹脂被覆ロープとする場合、樹脂被覆ロープの被覆樹脂612は透明であってもよい。このとき、被覆樹脂612は、色付きの透明であってもよいし、色なしの透明であってもよい。被覆樹脂612を非透明の樹脂とした場合、ロープ本体611視認は困難である。ロープ本体611が劣化していても、メンテナンス作業員がロープ本体611の劣化を発見することは困難である。しかしながら、被覆樹脂612が透明樹脂被覆なのであれば、ロープ本体611の視認は容易である。
なお、ガバナロープ61が樹脂被覆ロープなのであれば、ガバナロープ61はガバナシーブ641の外周で大きな摩擦を受けることになる。従って、ガバナロープ61の減速のスピードは、通常のワイヤーロープの場合と比べて速いと考えられる。そのため、ガバナロープ61が樹脂被覆ロープの場合、安全装置60(調速機64)は、必ずしも、ガバナロープ61を制動するためのロープ掴み手段を備えていなくてもよい。ロープ掴み手段は、本実施形態であれば、制動機構643の各構成のうち、ガバナシーブ641の回転を停止する機構(ラチェットホイール643a及び爪643b)を除いた部分に相当する。
実施形態1、2、4の例であれば、安全装置60(調速機64)は、作動レバー643c、圧縮バネ643d、ロッド643e、及びローラ643fを備えていなくてもよい。実施形態3の例であれば、安全装置60(調速機64)は、ローラ643f、基体643g、圧縮バネ643h、回転軸643i、支持部643j、及び固定側制動部材643kを備えていなくてもよい。速度超過発生時にガバナシーブ641が回転を停止できるのであれば、安全装置60(調速機64)は、ラチェットホイール643a及び爪643bも備えていなくてもよい。
ロープ掴み手段を備えない安全装置60の場合、ロープ掴み手段を備える安全装置60と比べてガバナロープ61の減速のスピードは小さくなる。しかしながら、ガバナロープ61がローラ643fで固定部(ガバナシーブ641若しくは固定側制動部材643k)に押し付けられないので、ガバナロープ61の劣化を小さくすることができる。また、安全装置60がロープ掴み手段を備えないことで、エレベータ1の製造コスト、設置コスト、及びメンテナンスコストを小さくすることができる。
また、上述の実施形態では、ローラ643fは作動レバー643cに回転自在に固定された。しかしながら、ローラ643fは、ローラ固定部に回転抵抗力を受ける状態で固定されていてもよい。回転抵抗力を受ける状態とは、ローラ643fが外部から圧力を受けていない状態で、ローラ643fとローラ固定部との間の摩擦係数が例えば0.1より大きな状態をいう。なお、ローラ固定部とは、ローラ643fを回転可能に支持する部材(例えば、軸受け)のことをいう。回転軸643f1が作動レバー643c等に回転できない状態で固定され、ローラ643fが回転軸643f1の周りを回転するのであれば、ローラ固定部は回転軸643f1である。ローラ643fが回転し難くなるので、挟圧時にガバナロープ61が大きな制動力を受けることができる。
また、上述の各実施形態では、エレベータ設置場所はエレベータ建屋であるものとして説明したが、エレベータ設置場所はエレベータ建屋に限定されない。例えば、エレベータ設置場所は、船舶、ロケット発射台等の移動体であってもよいし、トンネル、坑道等の地下建造物に向う昇降路であってもよい。なお、エレベータ建屋はビル、住宅、鉄塔等の地上の建造物であってもよいし、地下鉄ホーム、地下街等の地下の建造物であってもよい。
また、上述の実施形態では、エレベータ1はトラクション式のエレベータであるものとして説明したが、エレベータ1はトラクション式のエレベータに限られない。例えば、エレベータ1は巻胴式のエレベータであってもよい。また、上述の実施形態では、エレベータ1は機械室を使用するタイプのエレベータであるものとして説明したが、エレベータ1は機械室のないタイプのエレベータであってもよい。
また、上述の実施形態では、エレベータ1はロープ式のエレベータであるものとして説明したが、エレベータ1はロープ式のエレベータに限られない。例えば、エレベータ1は油圧式のエレベータであってもよいし、水圧式のエレベータであってもよい。また、エレベータ1はリニアモーター式のエレベータであってもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…エレベータ、2…昇降路、3…機械室、4…エレベータ乗場、10…制御部、20…巻上機、30…釣合おもり、40…乗りかご、41…かご室、42…かご枠、50…ガイドレール、51…突出部、60…安全装置、61…ガバナロープ、611…ロープ本体、611a…心綱、611b…ストランド、612…被覆樹脂、62…ガバナテンショナ、621…シーブ、622…錘、63…非常止め装置、631…セーフティリンク、632…楔、633…楔、64…調速機、641…ガバナシーブ、641a…回転軸、642…速度検出機構、642a…回転錘、642a1…回転軸、642b…回転錘、642b1…回転軸、642c…リンク、642d…スイッチ、642e…操作子、642f…調速バネ、643…制動機構、643a…ラチェットホイール、643b…爪、643c…作動レバー、643c1…回転軸、643d…圧縮バネ、643e…ロッド、643f…ローラ、643f1…回転軸、643h…圧縮バネ、643i…回転軸、643j…支持部、643k…固定側制動部材、BT1…底部、BT2…底部、L…メインロープ、LS…レバースイッチ、S1…外周、S2…外周、W…ワイヤー。

Claims (9)

  1. 乗りかごの昇降に連動するガバナロープと、
    外周に前記ガバナロープが巻き掛けられたガバナシーブと、
    前記ガバナロープの走行方向と垂直な方向を軸に回転するローラを少なくとも1つ備える制動手段と、を備え、
    前記ローラは、外周の一部が前記ガバナロープを間にして前記ガバナシーブの外周と対向しており、
    前記制動手段は、前記乗りかごに速度超過が発生した場合に、前記ガバナシーブの回転を停止するとともに、前記ガバナシーブの外周と前記ローラの外周とで前記ガバナロープを挟圧する、
    安全装置。
  2. 前記ガバナロープは、樹脂被覆ロープである、
    請求項1に記載の安全装置。
  3. 前記制動手段は、前記ローラを複数備え、
    前記複数のローラは、それぞれ、前記ガバナロープと直接対向しており、
    前記制動手段は、前記速度超過の発生時、前記ガバナシーブの外周と前記複数のローラそれぞれの外周とで前記ガバナロープを挟圧する、
    請求項1又は2に記載の安全装置。
  4. 前記ローラは、前記乗りかごに速度超過が発生していないときも前記ガバナロープに当接しており、
    前記制動手段は、前記乗りかごに速度超過が発生した場合に、前記ローラの前記ガバナロープへの当接圧力を増加させる、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の安全装置。
  5. 前記ローラの外周には、周方向に沿って、断面視円弧状に湾曲した底部を有する溝が形成されている、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の安全装置。
  6. 前記ガバナロープは、樹脂被覆を有するフラット形ロープである、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の安全装置。
  7. 前記ガバナロープは、透明樹脂被覆を有するロープである、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載の安全装置。
  8. 外周にガバナロープが巻き掛けられたガバナシーブと、
    前記ガバナロープの走行方向と垂直な方向を軸に回転するローラを少なくとも1つ備える制動手段と、を備え、
    前記ローラは、外周の一部が前記ガバナロープを間にして前記ガバナシーブの外周と対向しており、
    前記制動手段は、乗りかごに速度超過が発生した場合に、前記ガバナシーブの回転を停止するとともに、前記ガバナシーブの外周と前記ローラの外周とで前記ガバナロープを挟圧する、
    調速機。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の安全装置を備える、
    エレベータ。
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