以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る給紙装置を適用した画像形成装置の一例を示す概略断面図である。図1に示す本発明に係る給紙装置は、プリンター機、ファクシミリ機、コピー機等の画像形成装置1に適用した例を示している。画像形成装置1は、原稿読取装置2、印刷部11、用紙搬送部12、用紙供給部13、大容量給紙カセット(LCC)14等の様々な機構を備えている。大容量給紙カセット14には、後述する本発明に係る給紙装置71(図2参照)が適用されている。
画像形成装置1は、原稿読取装置2による原稿画像の読み取り、又は外部の装置から画像データの入力を受け付けることにより、画像データを取得する。そして、画像形成装置1は、画像データに対し、必要に応じて種々の画像処理を施した上で、印刷部11により画像データにより示される画像を、用紙供給部13又は後述する給紙装置71から供給される記録用紙上に形成する。
印刷部11の略中央には、感光体ドラム21が配置され、その周囲に帯電装置22、レーザ露光装置23、現像装置24、転写ローラ25、及びクリーニング装置26が配置されている。
感光体ドラム21は、その表面に光感光層を有しており、図中に示した矢印方向に回転されつつ、その表面をクリーニング装置26によりクリーニングされてから、その表面を帯電装置22により均一に帯電される。レーザ露光装置23は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニング部(LSU)であり、画像データを入力し、画像データに応じてレーザビームの強度を変調しつつ、レーザビームにより感光体ドラム21表面を走査して、感光体ドラム21表面に静電潜像を書込む。現像装置24は、感光体ドラム21表面の静電潜像をトナーにより現像して、感光体ドラム21表面にトナー像を形成する。
転写ローラ25は、感光体ドラム21に圧接されて、感光体ドラム21との間にニップ域を形成し、感光体ドラム21と共に回転する。感光体ドラム21及び転写ローラ25は、搬送経路33を通じて搬送されて来た記録用紙をそのニップ域に挟み込んで搬送しつつ、感光体ドラム21表面のトナー像を記録用紙上に転写する。
印刷部11の上側には、定着装置27が配置されている。定着装置27は、相互に圧接された加熱ローラ28と加圧ローラ29とを有し、加熱ローラ28と加圧ローラ29との間のニップ域に記録用紙を挟みこんで、記録用紙を加熱及び加圧し、記録用紙上に転写されたトナー像を定着させる。この記録用紙は、定着装置27から排紙ローラ対36へと搬送されて、排紙ローラ対36により排紙トレイ37へと排出される。
一方、用紙搬送部12は、記録用紙を搬送するための複数の搬送ローラ対31、レジストローラ対32、搬送経路33、迂回経路34、分岐爪35、排紙ローラ対36、排紙トレイ37等の搬送に係る機構を備えている。
また、用紙供給部13は、複数の給紙カセット38を備えている。各給紙カセット38は、記録用紙を収容しておくためのトレイであり、画像形成装置1の下方で複数段に設けられている。また、各給紙カセット38は、記録用紙を一枚ずつ引き出して搬送経路33に送り出すためのそれぞれのピックアップローラ39等の部材を備えており、引き出した記録用紙を用紙搬送部12の搬送経路33へと送り出す。
大容量給紙カセット(LCC)14は、記録用紙を多量に収納することが可能であり、各給紙カセット38と同様に、記録用紙を一枚ずつ引き出して搬送経路33に送り出す。
搬送経路33では、いずれかの給紙カセット38から引き出された記録用紙を用紙搬送方向Cに搬送してレジストローラ対32へと受け渡し、記録用紙の先端を、一時的に停止されたレジストローラ対32に突き当てて、記録用紙を撓ませ、記録用紙の弾性力により該記録用紙の先端をレジストローラ対32と平行に揃え、この後にレジストローラ対32の回転を開始して、レジストローラ対32により記録用紙を感光体ドラム21と転写ローラ25との間のニップ域へと搬送する。この記録用紙は、感光体ドラム21と転写ローラ25との間のニップ域を通過して、トナー像を転写され、加熱ローラ28と加圧ローラ29との間のニップ域を通過して、トナー像を定着され、排紙ローラ対36により順方向Aに搬送されて排紙トレイ37へと排出される。
また、記録用紙の裏面にも画像を印刷する場合は、記録用紙を順方向Aに搬送して排紙トレイ37へと排出する途中で排紙ローラ対36を停止させ、つまり記録用紙を挟み込んだ状態で排紙ローラ対36を停止させる。そして、分岐爪35を斜め下方の向きに切り替えてから、排紙ローラ対36を逆回転させて、記録用紙を逆方向Bに搬送して迂回経路34へと導き、迂回経路34を通じて搬送経路33へと再び導いて、この記録用紙をレジストローラ対32へと戻す。
このような記録用紙の搬送方向の切替えをスイッチバック搬送と称し、このスイッチバック搬送により記録用紙の表裏が反転され、同時に記録用紙の先端及び後端が入れ替わる。従って、記録用紙が反転されて戻されると、記録用紙の後端がレジストローラ対32に当接して、記録用紙の後端がレジストローラ対32と平行に揃えられ、レジストローラ対32により記録用紙がその後端から感光体ドラム21と転写ローラ25との間のニップ域へと搬送されて、記録用紙の裏面に印刷がなされ、加熱ローラ28及び加圧ローラ29によりトナー像が記録用紙の裏面に定着され、記録用紙が排紙ローラ対36を介して排紙トレイ37へと排出される。
次に、画像形成装置1の本体上部に搭載された原稿読取装置2を説明する。この原稿読取装置2は、下側の第1読取部41と、上側の原稿搬送部42とを備えている。原稿搬送部42は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により第1読取部41の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿搬送部42が開かれたときには、第1読取部41のプラテンガラス44が開放され、このプラテンガラス44上に原稿用紙が載置される。
第1読取部41は、プラテンガラス44、第1走査ユニット45、第2走査ユニット46、結像レンズ47、CCD(Charge Coupled Device)48等の画像読取に係る機構を備えている。第1走査ユニット45は、光源51及び第1反射ミラー52を備えている。このような第1走査ユニット45は、副走査方向へと原稿用紙のサイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、プラテンガラス44上の原稿用紙表面を光源51によって照明し、その反射光を第1反射ミラー52により反射して第2走査ユニット46へと導く。これにより原稿用紙表面の画像を副走査方向に走査する。第2走査ユニット46は、第2反射ミラー53及び第3反射ミラー54を備えており、第1走査ユニット45に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿用紙からの反射光を第2反射ミラー53及び第3反射ミラー54により反射して結像レンズ47へと導く。結像レンズ47は、原稿用紙からの反射光をCCD48に集光して、原稿用紙表面の画像をCCD48上に結像させる。CCD48は、原稿用紙表面の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、主走査ラインのナログ画像信号を出力する。
また、第1読取部41は、静止原稿だけではなく、原稿搬送部42により搬送されている原稿用紙表面の画像を読み取ることができる。この場合は、図1に示すように第1走査ユニット45を原稿読取ガラス55の下方の読み取り位置に移動し、第1走査ユニット45の位置に応じて第2走査ユニット46を位置決めし、この状態で、原稿搬送部42による原稿用紙の搬送を開始する。
原稿搬送部42では、ピックアップローラ56を原稿トレイ57上の原稿用紙に押し当てた状態で回転することにより、原稿用紙を引き込む。そして、原稿搬送部42は、原稿用紙を、原稿搬送経路58を通じて搬送し、第1読取部41の原稿読取ガラス55上を通過させ、更に、第2読取部43の下を通させて排紙ローラ対61から排紙トレイ62へと搬送する。
原稿用紙の搬送に際し、第1走査ユニット45の光源51は、原稿読取ガラス55を介して原稿用紙表面を照明し、原稿用紙からの反射光を第1走査ユニット45及び第2走査ユニット46の各反射ミラーにより結像レンズ47へと導く。原稿用紙からの反射光は、結像レンズ47によりCCD48に集光され、原稿用紙表面の画像がCCD48上に結像する。結像した原稿用紙表面の画像は、CCD48により読み取られる。
また、原稿搬送部42により搬送されている原稿用紙表面の画像を読み取ると同時に、原稿搬送部42に内蔵された第2読取部43は、原稿用紙裏面の画像を読み取ることができる。この第2読取部(以下CISと称する)43は、密着印刷画像センサ(Contact Image Sensor(CIS))であって、プラテンガラス44の上方に配置されている。第1読取部41の原稿読取ガラス55の上を通過した原稿用紙は、CIS43の下を通過して排紙トレイ62へと排出される。CIS43は、原稿用紙の通過に際し、原稿用紙裏面を照明し、原稿用紙からの反射光を受光して、原稿用紙裏面の画像を読み取る。
このようにCCD48及びCIS43により読み取られた原稿用紙の画像は、CCD48及びCIS43からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号(画像データ)は、種々の画像処理を施されてから画像形成装置1のレーザ露光装置23へ送信され、画像形成装置1において画像が記録用紙上に形成され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
次に、大容量給紙カセット14に内蔵されている本発明の実施形態に係る給紙装置71の構成を詳しく説明する。この給紙装置71は、多量の記録用紙を積載収容し、記録用紙を一枚ずつ引き出して搬送経路33(図1に示す)に送り出すものである。
図2は、本発明に係る給紙装置71の一例を示す概略平面図であり、図3は、本発明に係る給紙装置71の一例を示す概略正面図である。図2及び図3に示すように給紙装置71は、外側枠体72、底板73、外側枠体72の内側に配置された用紙積載台74、外側枠体72の一端上側に配置された用紙引出部75等の機構を備えている。
用紙積載台74は、多量の記録用紙が用紙束として積載されるものであって、外側枠体72の内側に昇降可能に設けられている。用紙積載台74には、記録用紙の引出方向(給紙及び搬送方向)Eに長い開口部74aが形成されている。用紙後端ガイド76は、底板73上で記録用紙の引出方向Eに沿って往復移動可能に支持され、用紙積載台74の開口部74aを通じて上方に突出している。なお、記録用紙の引出方向Eを前方、引出方向Eとは逆方向を後方と呼ぶものとする。
この用紙積載台74の両側には、それぞれの凹所74bが形成されており、各凹所74bには、それぞれのアシストダクト77、78が配置されている。各アシストダクト77、78は、外側枠体72の両側で引出方向Eと直交する方向に両矢印で示すように往復移動可能に支持されており、互いに接近するように又は互いに離間するように連動して移動させることができる。
用紙引出部75は、4つの用紙搬送ベルト81、各用紙搬送ベルト81を架け渡す1組のローラ82、83、吸排気ファン84、吸気ダクト85、排気ダクト86等の搬送に係る機構を備えている。各用紙搬送ベルト81には、多数の通気孔81aが形成されており、空気が各用紙搬送ベルト81の各通気孔81aから吸気ダクト85を通じて吸排気ファン84へと吸引される。また、吸排気ファン84から排気された空気は、排気ダクト86を通じて導かれ、排気ダクト86から外側枠体72の内側へと引出方向Eとは逆方向(後方)に吹き出される。
図4は、本発明に係る給紙装置71の一例を斜め後方からの視点で示す概略斜視図である。図4は、給紙装置71の用紙引出部75を取り外した状態で、外側枠体72、底板73、用紙積載台74等の内部構成を斜め後方から示している。図4に示すように各アシストダクト77、78の外側には、それぞれのアシストファン79、80が設けられている。各アシストダクト77、78は、中空体であって、その内部に通気経路を有している。各アシストファン79、80により吸引された空気は、それぞれのアシストダクト77、78の通気経路に送り込まれ、送り込まれた空気は、各アシストダクト77、78の排気口77a、78aから外側枠体72の内側に吹き出される。
また、図2及び図4に示すように用紙後端ガイド76は、記録用紙の引出方向Eに沿って往復移動可能であり、引出方向Eに沿った任意の位置で位置決めされる。更に、図2及び図4に示すように各アシストダクト77、78は、引出方向Eと直交する方向に往復移動可能であり、引出方向Eと直交する方向に沿った任意の位置で位置決めされる。
用紙積載台74への用紙束の積載について説明する。積載に際しては、用紙後端ガイド76を後方に移動させて、用紙後端ガイド76と外側枠体72の当接板72bとの間を広く開ける。また、各アシストダクト77、78を相互に離間する方向に移動させて、各アシストダクト77、78の間を広く開ける。この状態で、用紙束を用紙積載台74に積載する。そして、用紙後端ガイド76を引出方向Eに移動させ、用紙後端ガイド76の柱部76aにより用紙束の後端を引出方向Eに押して、用紙束を用紙積載台74上で滑らして移動させる。さらに、用紙束の先端を外側枠体72の当接板72bに当接させ、用紙束の先端及び後端を用紙後端ガイド76の柱部76aと外側枠体72の当接板72bとの間に挟み込んで位置決めする。また、各アシストダクト77、78を相互に接近する方向に移動させて、用紙束の両端を各アシストダクト77、78の間に挟み込んで位置決めする。
また、図4に示すように用紙積載台74の両側には、突出片74cが2つずつ形成されており、各突出片74cが外側枠体72の両側の開口部72aから突出している。外側枠体72の片側では、2本のワイヤー87が用紙積載台74の片側の各突出片74cに接続され、各ワイヤー87が複数の従動プーリ88に掛けられて引き回され巻取プーリ89に接続されている。また、外側枠体72の他の片側でも、他の2本のワイヤー87が用紙積載台74の他の片側の各突出片74cに接続され、他の各ワイヤー87が他の複数の従動プーリ88に掛けられて引き回され他の巻取プーリ89に接続されている。各巻取プーリ89は、回転自在に支持された共通の軸91の両端に固定されており、パルスモータ92により軸91が回転駆動されて、各巻取プーリ89が回転し、各ワイヤー87が各巻取プーリ89に巻取られたり各巻取プーリ89から繰り出されたりする。
そして、パルスモータ92により軸91が回転駆動することにより、各巻取プーリ89が巻き取り方向に回転すると、各ワイヤー87が各巻取プーリ89に巻き取られて、用紙積載台74が上昇する。また、各巻取プーリ89が反対方向に回転すると、各ワイヤー87が各巻取プーリ89から繰り出されて、用紙積載台74が下降する。また、パルスモータ92により回転駆動される巻取プーリ89の回転角度と用紙積載台74の高さとは対応関係にある。従って、パルスモータ92の回転方向及び回転角度を制御することにより、用紙積載台74の高さを調節設定することができる。また、用紙積載台74上の用紙束の最上層の高さは、用紙後端ガイド76の頭部76bに設けられた高さ位置センサ93により検出される。
次に、用紙引出部75の構成を詳しく説明する。図5は、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75の一例を斜め上前方からの視点で示す概略斜視図である。図6は、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75の一例を斜め上後方からの視点で示す概略斜視図である。図7は、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75の一例を斜め下後方からの視点で示す概略斜視図である。そして、図8は、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75における用紙搬送ベルト等の部材の一例を拡大して示す概略平面図である。
図5、図6及び図7に示すように用紙引出部75は、4つの用紙搬送ベルト81、各用紙搬送ベルト81を架け渡す1組のローラ82、83、吸排気ファン84、吸気ダクト85、排気ダクト86等の用紙を引き出すための機構を備えている。
吸気ダクト85は、中空体であって、その内部に引出方向Eと直交する方向に長い通気経路を有しており、その一側端部85aが吸排気ファン84に接続されている。そして、矢印Fに示すように吸気ダクト85の通気経路から一側端部85aを通じて吸排気ファン84の吸気口(図示せず)へと空気が吸引される。
また、吸気ダクト85の上面85b及び下面85gが平面状に形成されている。更に、吸気ダクト85の前端部85c及び後端部85dには、それぞれの凹所85hが形成されており、これらの凹所85hにそれぞれのローラ82、83が配置されて回転可能に軸支されている。
また、吸気ダクト85の下面85gには、引出方向Eに長い複数のリブ85jが並べて形成されている。そして、図8の平面図に拡大して示すように吸気ダクト85の下面85gにおける各リブ85jの間には、吸気ダクト85の通気経路に通じる複数の吸気孔85eが形成されている。
そして、搬送モータ107が前方のローラ82を矢印方向D(図5参照)に回転駆動し、後方のローラ83が従動回転し、各用紙搬送ベルト81が矢印方向Dに周回移動する。このとき、各用紙搬送ベルト81は、吸気ダクト85の下面85gに形成された各リブ85jに摺接する。
図8に示すように、用紙搬送ベルト81の各通気孔81aが引出方向Eに沿って複数列に並べて形成され、これらの列が各リブ85jと同一の間隔で形成され、これらの列が各リブ85jの間に位置するように用紙搬送ベルト81が架け渡されている。従って、各リブ85jの間には、該各リブ85j、用紙搬送ベルト81、及び吸気ダクト85の下面85gにより囲まれた空間が形成されている。形成されている空間に対しては、用紙搬送ベルト81の各通気孔81a及び吸気ダクト85の下面85gの各吸気孔85eが空気の出入り口となる。このため、吸排気ファン84により吸気ダクト85内の空気が吸引されると、空気が用紙搬送ベルト81の各通気孔81a及びその空間を通じて吸気ダクト85の下面85gの各吸気孔85eへと流入し、空気が吸気ダクト85を通じて吸排気ファン84へと流れる。これにより、記録用紙を各用紙搬送ベルト81の下面に吸着して搬送することが可能となる。
一方、排気ダクト86も、中空体であって、引出方向Eとは直交する方向に長い通気経路を有しており、その一側端部86aが吸排気ファン84に接続され、矢印Kで示すように吸排気ファン84の排気口(図示せず)から排気ダクト86の一側端部86aを通じて排気ダクト86の通気経路へと空気が送り込まれる。
また、図7に示すように排気ダクト86の内壁面86dには、排気ダクト86の通気経路に通じる各排気口86bが形成されている。この排気ダクト86の内壁面86dが外側枠体72の当接板72bの外側面に重ねて設けられ、排気ダクト86の各排気口86bが外側枠体72の当接板72bの切欠部72cを介して外側枠体72の内側に臨んでいる。吸排気ファン84から排気ダクト86へと空気が送り込まれると、この空気が各排気口86bから外側枠体72の内側後方へと吹き出される。
更に、吸気ダクト85の一側端部85a及び排気ダクト86の一側端部86aが吸排気ファン84に共に接続され、また吸気ダクト85の他の側端部85f及び排気ダクト86の他の側端部86cが互いに接続され、これにより吸排気ファン84、吸気ダクト85、及び排気ダクト86が一体化されている。
次に、給紙装置71への記録用紙の載置、及び載置された記録用紙が搬送される工程について、前述の図5乃至図8、及び図9を用いて説明する。図9は、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75及びその周辺の構成例を模式的に示す概略側断面図である。図9では、給紙装置71に積載された用紙束が搬送される状態を模式的に示している。先ず、給紙装置71において、用紙束を用紙積載台74に載せて、用紙束の先端及び後端を用紙後端ガイド76の柱部76aと外側枠体72の当接板72bとの間に挟み込んで位置決めし、また用紙束の両端を各アシストダクト77、78の間に挟み込んで位置決めする。そして、パルスモータ92により各巻取プーリ89を巻取方向に回転させて、用紙積載台74を上昇させる。このとき、高さ位置センサ93により用紙積載台74上の用紙束の最上層の用紙が検出されると、つまり最上層の用紙が検出基準の高さに到達すると、パルスモータ92を停止して、最上層の用紙の高さを検出基準の高さに設定するか、あるはパルスモータ92の回転方向及び回転角度を更に制御して、最上層の用紙の高さを調節設定する。また、各アシストファン79、80から各アシストダクト77、78へと空気を送り込み、空気を各アシストダクト77、78の排気口77a、78aから用紙積載台74に積載された用紙束の先端寄り両側面の上層に吹き付けて、空気を各用紙間に侵入させ、各用紙をばらつかせる。
さらに、吸排気ファン84から排気ダクト86へと空気を送り込み、空気を排気ダクト86の各排気口86bから用紙束の先端面の上層に吹き付けて、空気を各用紙間に侵入させ、各用紙をばらつかせる。これにより、用紙束の上層の各用紙の密着力が低下し、用紙束からの用紙の引き出しが容易になり、用紙を1枚ずつ引き出すことが容易になる。
この状態で、空気を吸気ダクト85から吸排気ファン84へと吸引して、空気を用紙搬送ベルト81の各通気孔81a及び吸気ダクト85の下面85gの各吸気孔85eを通じて吸い込みつつ、各ローラ82、83を間欠的に回転させて、各用紙搬送ベルト81を間欠的に周回移動させる。これにより、各用紙搬送ベルト81の下面に1枚の記録用紙が吸着されて、各用紙搬送ベルト81により記録用紙が引出方向Eに引き出されて画像形成装置1の搬送ローラ対31へと搬送され、記録用紙が搬送経路33を通じて搬送される。引き続いて各用紙搬送ベルト81の下面に次の1枚の記録用紙が吸着されて、各用紙搬送ベルト81により記録用紙が引出方向Eに引き出されて搬送ローラ対31へと搬送され、以降同様に各用紙搬送ベルト81の下面に記録用紙が吸着されて、各用紙搬送ベルト81により記録用紙が引出方向Eに引き出されて搬送される。
搬送経路33上で、搬送ローラ対31の手前側には、記録用紙の先端を検出する用紙先端センサ106が配置されている。用紙先端センサ106は、光学センサを用いて構成され、搬送される記録用紙の先端が通過したことを検出する。また、各ローラ82、83の下側を周回する用紙搬送ベルト81の内側から下方へ向けて重送センサ108が配置されている。重送センサ108は、用紙積載台74の前方側の外側枠体72の前方に配置されており、複数枚の記録用紙が同時に送られる、所謂連れ送りの発生の有無を光学的に検出する。重送センサ108は、重送を検知すると重送検知信号を後述する制御部101及び/又は給紙装置71へ出力する。
次に、本発明に係る画像形成装置1及び給紙装置71の制御系の構成を説明する。
図10は、本発明に係る画像形成装置1及び給紙装置71の構成例を示すブロック図である。画像形成装置1は、前述の原稿読取装置2、印刷部11、用紙搬送部12、用紙供給部14(大容量給紙カセット14)及び給紙装置71の他、制御部101、入力操作部102、メモリ103、画像処理部104等の各種装置及び機構を備えている。
制御部101は、画像形成装置1及び給紙装置71を統合的に制御する機構である。制御部101は、CPU、RAM、ROM、その他各種のインターフェース等の回路を備えている。
入力操作部102は、複数の操作キー、液晶パネル、液晶タッチパネル等の機構を備え、各種情報の表示及び入力のためのマンマシンインターフェースとなる機構である。
メモリ103は、各種プログラム及びデータ等の情報を記録するハードディスクドライブ(HDD)等の機構である。
画像処理部104は、画像データに基づいて各種の画像処理を施す機構である。
また、給紙装置71は、前述の高さ位置センサ93、用紙先端センサ106及び重送センサ108の他、サイズ検出部105、計時部109等の各種機構を備えている。
サイズ検出部105は、例えば、給紙装置71における用紙後端ガイド76の引出方向Eの位置及び各アシストダクト77、78の引出方向Eと直交する方向の位置を検出し、これらの位置に対応する記録用紙のサイズを示す検出出力を出力する機構である。
計時部109は、記録用紙の搬送開始から用紙先端センサ106が記録用紙の先端を検出するまでの時間を測定する機構である。
以上のように構成された給紙装置71においては、様々な種類の記録用紙を用紙積載台74に積載することになるので、記録用紙の種類に関わらず、各用紙搬送ベルト81の下面に記録用紙を吸着して引き出す必要がある。
しかしながら、記録用紙の種類等の様々な条件が変化すると、各用紙搬送ベルト81の下面への記録用紙の吸着状況にばらつきが生じ、記録用紙の搬送エラーが発生する場合もある。例えば、記録用紙は、サイズ、坪量、透気度等が異なる様々な種類があり、これらの種類によって記録用紙の適正な吸着条件が異なる。
記録用紙のサイズとは、一般的にはB5、A4、B4等の定型サイズであり、この記録用紙のサイズが変わると、記録用紙の重さが変わる。また、記録用紙の坪量とは、記録用紙の単位面積当たりの重量であり、この記録用紙の坪量が変わると、記録用紙の重さや剛性が変わる。そして、記録用紙が重くなり過ぎると、空気を用紙搬送ベルト81の各通気孔81aから吸引しても、記録用紙が浮き上がり難く、各用紙搬送ベルト81の下面への記録用紙の吸着が困難になる。また、記録用紙の剛性が高くなり過ぎると、記録用紙が各用紙搬送ベルト81の下面に密着し難くなり、各用紙搬送ベルト81の下面への記録用紙の吸着が困難になる。
また、透気度とは、記録用紙の一方の面から他方の面へと空気が抜ける速さであり、空気の抜け易さである。この透気度が大きくなり過ぎると、空気が用紙搬送ベルト81の各通気孔81aから吸引されたときに、空気が記録用紙の下面から上面へと抜けて、記録用紙が浮き上がり難く、各用紙搬送ベルト81の下面への記録用紙の吸着が困難になる。
このように記録用紙の種類によって、適正な吸着条件が異なるため、適正な吸着条件が設定されていないと、各用紙搬送ベルト81の下面への記録用紙の吸着に異常が発生し、記録用紙の搬送エラーに繋がる恐れがある。また、記録用紙の種類だけで無く、記録用紙の裁断状態、カールの状態、調湿状態等の状態によっても適正な吸着条件が異なる。
次に、記録用紙の重送の発生について説明する。図11A及び図11Bは、本発明に係る給紙装置71の用紙引出部75及びその周辺の構成例を模式的に示す概略側断面図である。図11Aは、搬送が正常に行われている状態を示しており、図11Bは、搬送に異常が発生している状態を示している。
図11A及び図11Bは、記録用紙が1枚搬送された後の状態を示している。図11Aに示すように、搬送が正常に行われた場合、記録用紙は1枚ずつ引き出されて、搬送されるため、残された記録用紙は、全て用紙積載台74内に載置されたままの状態である。
しかしながら、1枚ずつ搬送される場合であっても、用紙積載台74から複数枚の用紙が引き出される重送(連れ送り)が発生することもある。このような場合、積載された最上層の記録用紙が1枚搬送され、最上層の記録用紙と供に引き出された次層の記録用紙が、給紙装置71の前方に位置する排気ダクト86の内壁面86dに当たって、搬送経路33まで到達することなく、一部だけが給紙装置71からはみ出た状態となる場合がある。図11Bは、このような搬送エラーが発生した状態を示しており、上層に位置していた記録用紙と供に引き出された記録用紙が、外側枠体72を超えて給紙装置71からはみ出し、排気ダクト86の内壁面86dに当接した状態で最上層の記録用紙となっている。
このような搬送エラーが続くと、搬送経路33へ複数枚の記録用紙が搬送され搬送トラブル等の異常発生の原因ともなり得るので、吸着等の搬送条件を修正して、異常発生を未然に防ぐ必要がある。
このような搬送エラーにより、給紙装置71から最上層の記録用紙がはみ出した場合、はみ出した最上層の記録用紙は次の搬送に際し、その一部が既に引き出された状態であるため、搬送開始から搬送経路33へ搬送される時間が、正常時と比べて短縮されることになる。したがって、搬送開始から、搬送経路33上に配置された用紙先端センサ106が、搬送されている記録用紙の先端を検出するまでの時間を測定することにより、連れ送りによる搬送エラーが発生しているか否かを判断することが可能である。
また、給紙装置71から最上層の記録用紙がはみ出しているか否かについては、用紙搬送ベルト81の内側に配置された重送センサ108により、光学的に検出することも可能である。
そこで、本発明に係る給紙装置71では、用紙先端センサ106及び/又は重送センサ108の検出結果に基づいて、搬送条件を修正することにより、搬送トラブル等の異常発生を未然に防ぐようにしている。修正する搬送条件は、排気ダクト86からの吹出量の調整、吸気ダクト85による吸引量の調整等の空気の流量の調整である。
次に、本発明に係る画像形成装置1及び給紙装置71の処理を説明する。
図12は、本発明に係る画像形成装置1が備える給紙装置71の第1調整処理の一例を示すフローチャートである。第1調整処理とは、用紙先端センサ106を用いて空気の流量を調整する処理である。
画像形成装置1が備える制御部101の制御に基づいて、給紙装置71は、給紙処理をスタートする(S101)。ステップS101の給紙処理のスタートとは、画像形成等の処理を目的として、一又は複数枚の記録用紙を、用紙積載台74から搬送経路33へ、積載された用紙束の最上層から1枚ずつ送り出す処理を開始する処理である。なお、給紙処理の開始に際し、排気ダクト86からの吹出量及び吸気ダクト85による吸引量は初期値に設定される。吹出量及び吸引量を初期値に設定する初期化処理は、新たな給紙ジョブの開始時、画像形成装置1の消耗品交換時等の適宜定められたタイミングで実行される。
給紙装置71は、用紙積載台74から送り出された記録用紙について、通過ポイントまでの通過時間を計時部109により計測する(S102)。ステップS102では、用紙の搬送開始時期から通過ポイントを通過するまでの時間を計測する。用紙の搬送開始時期とは、積載された記録用紙の最上層の用紙を、用紙積載台74から引き出す工程を開始した時期を示す。通過ポイントを通過する時刻とは、用紙先端センサ106が、搬送経路33を搬送される記録用紙の先端を検知した時期を示す。
給紙装置71は、ステップS102にて計時部109が計測した時間を、予め設定されている所定時間と比較し、計測した時間が所定時間以内であるか否かを判定する(S103)。図11Bに示したように、積載されている最上層の記録用紙の一部が用紙積載第74からはみ出している場合、引き出されている記録用紙は、引き出されている分だけ、搬送開始時期から通過ポイントを通過するまでの時間が短くなる。従って、適切な所定時間を設定することにより、計時部109が計測した時間が所定時間以内である場合には、連れ送りが発生している可能性があると推測することができる。
ステップS103において、通過時間が所定時間以内であると判定した場合(S103:YES)、給紙装置71は、吸気ダクト85による吸引量を減量し、かつ排気ダクト86からの吹出量を増量する(S104)。吸気ダクト85による吸引量を抑制することにより、複数枚の記録用紙が吸い上げられることを防止し、重送の発生を防止することが可能となる。また、排気ダクト86からの吹出量を上げることにより、積載された用紙束をさばく効率を上げ、重なった個々の記録用紙を分離し、重送を発生を防止することが可能となる。なお、吹出量の増量レベル及び吸引量の減量レベルは予め設定されている値を用いて調整が行われる。例えば、初期値として、吸引量及び吹出量の流量比が50:50となるように設定されている場合に、吸引量及び吹出量を20:80に調整する。
吸引量及び吹出量の調整後、給紙装置71は、全ての給紙処理が終了したか否かを判定する(S105)。ステップS105において、全ての給紙処理が終了したと判定した場合(S105:YES)、第1調整処理を終了する。また、給紙処理が終了していないと判定した場合(S105:NO)、給紙処理が終了するまで、ステップS105の終了判定を繰り返す。
ステップS103において、通過時間が所定時間を超えていると判定した場合(S104)、給紙装置71は、全ての給紙処理が終了したか否かを判定する(S106)。ステップS106において、全ての給紙処理が終了したと判定した場合(S106:YES)、第1調整処理を終了する。
ステップS106において、給紙処理が終了していないと判定した場合(S106:NO)、給紙装置71は、ステップS102以降の処理を繰り返す。即ち、次に搬送される記録用紙についての通過時間の計測を行い、必要に応じて空気の流量の調整を行う。
このようにして、第1調整処理が行われる。
以上のように第1の実施形態に係る給紙装置71、及び給紙装置71を用いた画像形成装置1は、記録用紙の搬送状況に応じて空気の流量を調整する。具体的には、搬送の開始から搬送路中の所定位置までの通過時間が所定時間を超えていると判定した場合に、吸引量の減量及び吹出量の増量を行う。これにより、記録用紙の状態、その他、様々な状況に応じて流量を適正化することができるので、記録用紙の重送を抑止することが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態において、用紙の搬送状況の検出に重送センサを用いる形態である。なお、以降の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、第1の実施形態を参照するものとし、その説明を省略する。
第2の実施形態では、第1の実施形態に係る第1調整処理に代替して、重送センサ108を用いる第2調整処理を実行する。図13は、本発明に係る画像形成装置1が備える給紙装置71の第2調整処理の一例を示すフローチャートである。第2調整処理とは、重送センサ108を用いて空気の流量を調整する処理である。
画像形成装置1が備える制御部101の制御に基づいて、給紙装置71は、給紙処理をスタートする(S201)。
給紙装置71は、用紙積載台74から記録用紙が引き出されて搬送経路33へ搬送される都度、重送センサ108が重送を検知したか否かを判定する(S202)。重送の検知の判定は、重送センサ108が重送検知信号を出力したか否かにより判定される。
ステップS202において、重送を検知したと判定した場合(S202:YES)、給紙装置71は、吸気ダクト85による吸引量を減量し、かつ排気ダクト86からの吹出量を増量する(S203)。
吸引量及び吹出量の調整後、給紙装置71は、全ての給紙処理が終了したか否かを判定する(S204)。ステップS204において、全ての給紙処理が終了したと判定した場合(S204:YES)、第2調整処理を終了する。また、給紙処理が終了していないと判定した場合(S204:NO)、給紙処理が終了するまでステップS04の判定処理を繰り返す。
ステップS202において、重送を検知していないと判定した場合(S202:NO)、給紙装置71は、全ての給紙処理が終了したか否かを判定する(S205)。ステップS205において、全ての給紙処理が終了したと判定した場合(S205:YES)、第2調整処理を終了する。
ステップS205において、給紙処理が終了していないと判定した場合(S205:N
)、給紙装置71は、ステップS202以降の処理を繰り返す。即ち、次に記録用紙が搬送された後、重送センサ108が重送を検知したか否かを判定し、必要に応じて空気の流量の調整を行う。
このようにして、第2調整処理が行われる。
以上のように第2の実施形態に係る給紙装置71、及び給紙装置71を用いた画像形成装置1は、記録用紙の搬送状況に応じて空気の流量を調整する。具体的には、重送センサ108が重送を検出した場合に、吸引量の減量及び吹出量の増量を行う。これにより、記録用紙の状態、その他、様々な状況に応じて流量を適正化することができるので、記録用紙の重送を抑止することが可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態において、空気の流量の調整を複数回行う形態である。なお、以降の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、第1の実施形態を参照するものとし、その説明を省略する。
第3の実施形態では、1回のジョブにつき、1度だけ調整を行うのではなく、調整量を細かく分級し、数段階に渡って流量を調整する。具体的には、図12に例示したフローチャートにおいて、給紙装置71は、ステップS104にて吸気ダクト85による吸引量の減量及び排気ダクト86からの吹出量の増量を行った後、ステップS102へ戻り、通過ポイントまでの通過時間を計時部109により計測する。そして、ステップS103以降の処理を繰り返す。
このようにすることで、流量を過剰に調整することなく、適正な調整を実現することが可能である。なお、調整の回数及び調整量に上限を設けるようにしても良い。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第2の実施形態において、空気の流量の調整を複数回行う形態である。なお、以降の説明において、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、第1の実施形態及び第2の実施形態を参照するものとし、その説明を省略する。
第4の実施形態では、図13に例示したフローチャートにおいて、給紙装置71は、ステップS203にて吸気ダクト85による吸引量の減量及び排気ダクト86からの吹出量の増量を行った後、ステップS202へ戻り、重送センサ108が重送を検知したか否かを判定する。そして、ステップS203又はS205以降の処理を繰り返す。
このようにすることで、流量を過剰に調整することなく、適正な調整を実現することが可能である。なお、調整の回数及び調整量に上限を設けるようにしても良い。
前記第1〜第4の実施形態は、本発明の無数に存在する実施例の一部を開示したに過ぎず、目的、用途、仕様、設定等の様々な要因を加味して適宜設計することが可能である。
例えば、前記実施形態では、重送の可能性がある場合に初期値から一定量、例えば、吸引量50%及び吹出量50%から、吸引量20%及び吹出量80%に調整する例を示したが、第3及び第4の実施形態でも述べたように、調整量は適宜設定することが可能である。また、個別に制御することが可能であれば、吸引量のみ又は吹出量のみを調整するようにしても良い。
さらに、例えば、第1調整処理にて通過時間が予め定められた上限時間を上回る場合、吸引量を上げ、吹出量を下げるという逆の調整を行うようにしても良い。
また、第1〜第4の実施形態は、それぞれ独立して実行するだけでなく、適宜組み合わせて実行することも可能である。
以上詳述したように、本願に記載の給紙装置71は、用紙束を積載する用紙積載台74と、空気を吸引する吸引部(吸排気ファン84、吸気ダクト85)を有し、前記吸引部(吸排気ファン84、吸気ダクト85)の吸引により前記用紙積載台74に積載された用紙束の用紙を吸引し、吸引した用紙を搬送する用紙搬送部(用紙搬送ベルト81)と、用紙束における用紙の搬送方向側の端部に向けて空気を吹き出す吹出部(排気ダクト86)とを備え、用紙束の用紙を、搬送路(搬送経路33)を介して供給先へ供給する給紙装置71であって、用紙の搬送状況を検出する検出手段(用紙先端センサ106、重送センサ108、計時部109)と、前記検出手段(用紙先端センサ106、重送センサ108、計時部109)の検出結果に応じて、空気の流量を調整する調整手段(制御部101)とを備えることを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、用紙の重送が発生している可能性のある場合に、空気の流量を調整して、重送の発生を抑制することが可能である。
また、本願に記載の給紙装置71は、前記調整手段(制御部101)は、前記吸引部(吸排気ファン84、吸気ダクト85)による吸引量及び前記吹出部(排気ダクト86)からの吹出量のうち、少なくとも一方を調整することを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、吸引量及び/又は吹出量を適正化して、重送の発生を抑制することが可能である。
また、本願に記載の給紙装置71は、前記検出手段は、前記用紙載積台に積載された用紙束から、複数枚の用紙が引き出されたことを検出する重送検出部(重送センサ108)であり、前記調整手段(制御部101)は、前記重送検出部(重送センサ108)が、複数枚の用紙が取り出されたことを検出した場合に、空気の流量を調整することを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、重曹検出部(重送センサ108)により、重送を検出することが可能である。
また、本願に記載の給紙装置71は、前記検出手段は、搬送の開始から前記搬送路中の所定位置までの搬送時間を計時する計時部109であり、前記調整手段(制御部101)は、前記計時部109が計時した搬送時間に応じて、空気の流量を調整することを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、搬送時間が短い場合に、前の用紙の搬送につれ送りが生じている可能性があるとして、重送を検出することが可能である。
また、本願に記載の給紙装置71は、前記調整手段(制御部101)は、空気の流量の調整として、前記吸引部(吸排気ファン84、吸気ダクト85)による吸引量の減量及び前記吹出部(排気ダクト86)からの吹出量の増量のうち、少なくとも一方を行うことを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、重送の可能性がある場合に、吸引量の抑制による複数枚の用紙が吸い上げ防止及び/又は吹出量の増量による個々の記録用紙の分離に伴う用紙束のさばき効率の向上により、重送の発生を抑制することが可能である。
本願に記載の給紙装置71は、用紙積載台に積載された用紙束から、装置内部に発生させた気流を用いて分離した用紙を搬送して、供給先へ供給する給紙装置71であって、用紙の搬送状況を検出する検出手段(用紙先端センサ106、重送センサ108、計時部109)と、前記検出手段(用紙先端センサ106、重送センサ108、計時部109)の検出結果に応じて、空気の流量を調整する調整手段(制御部101)とを備えることを特徴とする。
したがって、本願に係る給紙装置71は、用紙の重送が発生している可能性のある場合に、空気の流量を調整して、重送の発生を抑制することが可能である。
本願に記載の画像形成装置1は、前記給紙装置71と、前記給紙装置71から供給された用紙上に画像を形成する画像形成部(画像処理部104)とを備えることを特徴とする。
したがって、本願に係る画像形成装置1は、用紙の重送が発生している可能性のある場合に、空気の流量を調整して、重送の発生を抑制することが可能である。