JP6170646B1 - 電解質組成物、二次電池、及び二次電池の使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、シアノメタンスルホナート系アニオンを有するイオン液体、このイオン液体を含む電解質、この電解質を含むリチウム二次電池等が記載されている。
しかしながら、イオン液体を含む電解質を用いた二次電池は、充電時のカットオフ電圧の上限を高くして充放電を繰り返すと、放電容量が急激に低下する場合があった。このため、充放電を繰り返しても放電容量を低下させないためには、充電時のカットオフ電圧の上限を低くする必要があり、高容量の電池として使用することができなかった。
(1)下記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する電解質組成物。
(A)成分:融点が200℃以下のイオン性化合物(ただし、以下の(B)成分及び(C)成分を除く)
(B)成分:周期律表第1族又は第2族の金属イオンを含むイオン性化合物
(C)成分:双性イオン化合物
(2)前記(A)成分が、ピロリジニウム系カチオンを含む化合物である、(1)に記載の電解質組成物。
(3)前記(A)成分が、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンを含む化合物である、(1)又は(2)に記載の電解質組成物。
(4)前記(B)成分が、リチウムイオンを含む化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の電解質組成物。
(5)前記(C)成分が、下記式(III)
で示される化合物である、(1)〜(4)のいずれかに記載の電解質組成物。
(6)前記(B)成分の含有量が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して1質量%以上、60質量%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載の電解質組成物。
(7)前記(C)成分の含有量が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して0.1質量%以上、20質量%以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の電解質組成物。
(8)正極、負極、及び、(1)〜(7)のいずれかに記載の電解質組成物を有する二次電池。
(9)前記(8)に記載の二次電池の使用方法であって、充電時のカットオフ電圧の上限が4.4〜5.5Vである、二次電池の使用方法。
本発明の電解質組成物は、下記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する。
(A)成分:融点が200℃以下のイオン性化合物(ただし、以下の(B)成分及び(C)成分を除く)
(B)成分:周期律表第1族又は第2族の金属イオンを含むイオン性化合物
(C)成分:双性イオン化合物
本発明の電解質組成物を構成する(A)成分は、融点が200℃以下のイオン性化合物(ただし、前記(B)成分及び(C)成分を除く)である。
本発明の電解質組成物は、(A)成分を含有するため、難燃性及び不揮発性に優れるものである。
(A)成分の融点は200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。
(A)成分の融点が200℃以下であることで、高いイオン伝導度を維持できる。
また(A)成分の融点は−150℃以上が好ましく、−100℃以上がより好ましい。
(A)成分の融点の範囲は、好ましくは−150〜+200℃、より好ましくは−100〜+180℃、さらに好ましくは−100〜+150℃である。
(A)成分を構成するカチオンとしては、例えば、下記式(I)及び(II)で表されるカチオンが挙げられる。
Aは、炭素数4〜20の2つの結合手を有する基を表す。
式(II)中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、無置換又は置換基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Xは、窒素原子、リン原子又は硫黄原子を表す。ただし、Xが硫黄原子の場合、R6は存在しない。
R1〜R6の、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基が有する置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6ノアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6ノアルコキシ基;水酸基;シアノ基;ニトロ基;等が挙げられる。
また、R1〜R6の、無置換又は置換基を有する炭化水素基は、該炭化水素基の炭素−炭素結合間に酸素原子や硫黄原子が挿入されてなるものであってもよい(すなわち、エーテル結合やスルフィド結合を有するものであってもよい)。ただし、酸素原子や硫黄原子が2個以上連続して挿入される場合は除かれる。
R7、R8の、無置換又は置換基を有する炭化水素基の炭素数は1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。この場合、炭化水素基が炭素原子を含む置換基を有する場合、当該炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数を含まないものとする。
R7、R8の、無置換又は置換基を有する炭化水素基としては、R1〜R6の無置換又は置換基を有する炭化水素基として列記したものと同様のものが挙げられる。
この無置換又は置換基を有する炭素数1〜20の炭化水素基の炭素数は1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。この場合、炭化水素基が炭素原子を含む置換基を有する場合、当該炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数を含まないものとする。この無置換又は置換基を有する炭化水素基としては、R1〜R6の無置換又は置換基を有する炭化水素基として列記したものと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、サイクル特性により優れる二次電池が得られ易くなる観点から、(A)成分を構成するカチオンとしては、前記式(I)及び前記式(II−a)で示されるカチオンが好ましく、前記式(I)で示されるカチオンがより好ましく、前記式(I−a)で示されるピロリジニウム系カチオンがさらに好ましい。
(A)成分としては、前記式(I)及び前記式(II−a)で示されるカチオンと、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンからなる化合物が好ましく、前記式(I)で示されるカチオンと、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンからなる化合物
がより好ましく、ピロリジニウム系カチオンと、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンからなる化合物がさらに好ましく、ピロリジニウム系カチオンと、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオンからなる化合物が特に好ましい。かかる化合物を含有する電解質組成物を用いることで、サイクル特性により優れる二次電池が得られ易くなる。
(A)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分の製造方法は特に限定されず、イオン液体の製造方法等として公知の方法を採用することができる。
本発明の電解質組成物を構成する(B)成分は、周期律表第1族又は第2族の金属イオンを含むイオン性化合物である。
本発明の電解質組成物において、(B)成分は、イオン源として用いられる。
リチウム塩としては、リチウムビス(フルオロメタンスルホニル)アミド(LiN(SO2CH2F)2)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiN(SO2CF3)2)、リチウムビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)アミド(LiN(SO2C2H2F3)2)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)アミド(LiN(SO2C2F5)2)、リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド(LiN(SO2F)2)、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(SO2CF3)3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、リチウムテトラシアノボレート(LiB(CN)4)、リチウムビスオキサレートボレート(LiB(C2O4)2)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ヘキサフルオロヒ酸リチウム(LiAsF6)等が挙げられる。
本発明において、周期律表第1族又は第2族の金属の塩は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分の含有量の範囲は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して、好ましくは、1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
(B)成分の含有量が上記範囲内にあることで、十分なイオン伝導性を有する電解質組成物が得られ易くなる。
本発明の電解質組成物を構成する(C)成分は、双性イオン化合物である。双性イオン化合物とは、1つの分子の中に、カチオン部とアニオン部とを有する化合物をいう。
(C)成分を含有する電解質組成物を用いる二次電池は、充電時のカットオフ電圧の上限を4.4V以上に高めてもサイクル特性に優れる。
双性イオン化合物としては特に限定されないが、合成が容易であることから、下記式(III)で示される化合物が好ましい。
Y+で表されるカチオン性基としては、下記式(IV)〜(VIII)のいずれかで示される基が挙げられる。
エーテル結合を有しないアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルキル基としては、下記式で示される基等が挙げられる。
エーテル結合を有しないシアノアルキル基としては、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、6−シアノヘキシル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するシアノアルキル基としては、下記式で示される基等が挙げられる。
エーテル結合を有しないアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルケニル基としては、下記式で示される基等が挙げられる。
無置換のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
置換アリール基の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
Zのアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基等の分岐鎖状アルキレン基が挙げられる。
前記アミン化合物(1)としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−ブチルアミン)等が挙げられる。
これらのアミン化合物は、実施例に記載する合成方法等を用いて、製造し、入手することができる。また、アミン化合物として、市販品を用いることもできる。
これらは、公知化合物であり、公知の方法で製造し、入手することができる。また、スルトン化合物として、市販品を用いることもできる。
用いる不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
不活性溶媒を用いる場合、その使用量は特に制限されないが、アミン化合物(1)1質量部に対して、通常100質量部以下であることが好ましい。
反応時間は、特に限定されないが、通常、12〜332時間、好ましくは24〜168時間である。
反応は酸素による酸化や、空気中の水分によるスルトン化合物(2)の加水分解による収率の低下を防ぐ観点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
式(IX)〜(XII)で示される化合物は、実施例に記載する合成方法等を用いて、製造し、入手することができる。また、市販品を用いることもできる。
(C)成分の含有量の範囲は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。
(C)成分の含有量が上記範囲内にあることで、十分なイオン伝導性を有する電解質組成物が得られ易くなる。また、その電解質組成物を含有する二次電池は、サイクル特性により優れたものとなる。
本発明の二次電池は、正極、負極、及び、本発明の電解質組成物を有するものである。
正極集電体は、正極活物質層を保持するとともに、正極活物質との電子の受け渡しを担うものである。
正極集電体を構成する材料は特に限定されない。例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅等の金属材料や導電性高分子が挙げられる。
正極活物質層は、正極集電体の表面に形成される層であり、そこには正極活物質が含まれる。正極活物質としては、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2(例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)、およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等の無機系活物質が挙げられる。
正極活物質層は、正極活物質に加えて添加剤を含有してもよい。
かかる添加剤としては、ポリフッ化ビニリデン、合成ゴム系バインダ、エポキシ樹脂等のバインダ;カーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維等の導電助剤;本願発明の(B)成分等の電解質塩;ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、ポリプロピレンオキシド(PPO)系ポリマー、ポリエチレンカーボネート(PEC)系ポリマー、ポリプロピレンカーボネート(PPC)系ポリマー等のイオン伝導性ポリマー;等が挙げられる。
負極集電体は、負極活物質層を保持するとともに、負極活物質との電子の受け渡しを担うものである。
負極集電体を構成する材料としては、正極集電体の材料として示したものと同様のものが挙げられる。
負極活物質層は、負極集電体の表面に形成される層であり、そこには負極活物質が含まれる。負極活物質としては、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料;Li4Ti5O12等のリチウム−遷移金属複合酸化物;ケイ素単体、ケイ素酸化物、ケイ素合金等のケイ素材料;リチウム金属;リチウム−スズまたはリチウム−ケイ素合金等のリチウム−金属合金;スズ材料等の単体、合金、化合物;ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の周期律表第1族又は第2族の金属の単体、合金、化合物;硫黄またはこれらの材料を併用した複合材料等が挙げられる。
負極活物質層は、負極活物質に加えて添加剤を含有してもよい。かかる添加剤としては、正極活物質層中の添加剤として示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の二次電池は、正極と負極の間にセパレーターを有していてもよい。セパレーターは正極と負極とを電子的に絶縁してショートを防止し、イオンの移動のみを可能とする機能を有する。セパレーターを構成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の絶縁性プラスチックで形成された多孔体や、シリカゲル等の無機微粒子が挙げられる。
本発明の二次電池の製造方法は特に限定されず、公知の方法に従って製造することができる。
本発明の二次電池を使用する際は、充電時のカットオフ電圧の上限を4.4〜5.5Vの間で使用することが好ましい。
このように、本発明の二次電池は、充電時のカットオフ電圧の上限を高くしてもサイクル特性に優れるものであり、より高容量の二次電池である。
各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
滴下漏斗を備えた三口フラスコに、1−n−ブチルピロリジン5.30g(41.7mmol)、アセトン40mlを入れ、内容物を攪拌しながら、25℃で、1,3−プロパンスルトン5.09g(41.7mmol)をゆっくりと添加し、添加終了後、全容を同温度で96時間攪拌した。
反応終了後、析出した白色固体を濾取し、これをアセトニトリルで再結晶し、得られた結晶を乾燥することで、下記式で示される双性イオン化合物(1)を得た。(収量:9.82g、収率:94.5%)
1H−NMR(CD3OD,500MHz):δ=0.89−0.92(t,J=7.5Hz,3H),1.30−1.38(sext,J=6.7Hz,2H),1.65−1.71(m,2H),2.10−2.17(m,6H),2.91−2.94(t,J=7.5Hz,2H),3.23−3.26(m,2H),3.37−3.41(m,2H),3.48−3.51(t,J=1.8Hz,4H),
滴下漏斗を備えた二口ナスフラスコに、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン5.00g(43.4mmol)、1,4−ジオキサン5ml、及び25%水酸化カリウム水溶液1.25mlを入れ、内容物を5分間撹拌した。撹拌を継続しながら、アクリロニトリル2.53g(47.8mmol)をゆっくりと添加し、25℃でさらに48時間撹拌を継続した。
反応終了後、ロータリーエバポレーターを用いて、反応液から1,4−ジオキサン、及び未反応のアクリロニトリルを留去した。残留物をクロロホルムに溶解させ、得られたクロロホルム溶液を精製水で洗浄し、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾別した。ロータリーエバポレーターを用いて、濾液からクロロホルムを留去し、残留物を、アルミナカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:クロロホルム/メタノール混合溶媒(50/1,vol/vol)〕にて精製することにより、N−(2−シアノエトキシ)エチル]ピロリジン5.46gを無色透明液体として得た(収率75.3%)。
滴下漏斗を備えた二口ナスフラスコに、窒素雰囲気下、得られたN−(2−シアノエトキシ)エチル]ピロリジン5.44g(32.3mmol)、アセトン10mlを入れて、内容物を撹拌しながら、25℃で、1,3−プロパンサルトン3.95g(32.3mmol)をゆっくりと添加し、添加終了後、25℃でさらに4日間攪拌を継続した。
反応終了後、析出した沈殿物を濾取し、得られた沈殿物をアセトンで洗浄した後、アセトニトリルで再結晶を行い、1−[2−(2−シアノエトキシ)エチル]ピロリジニウム−1−(プロピルスルホネート)6.93gを無色結晶として得た(収率73.9%)。
1H−NMR(CD3OD,500MHz):δ=2.16−2.24(m,6H),2.78−2.81(t,J=7.5Hz,2H),2.94−2.97(t,J=7.5Hz、2H),3.50−3.53(m,2H),3.58−3.67(m,6H),3.74−3.76(t,J=5.9Hz,2H),3.94−3.96(m,2H)
1−メチル‐1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)アミド(関東化学社製、融点−10℃)10.0gとリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド(キシダ化学社製)0.919gをグローブボックス内で混合した。
得られた混合物(A)に、製造例1で得た双性イオン化合物(1)を、組成物全体に対する濃度が1%となるように添加し、60℃で攪拌することで、電解質組成物(1)を得た。
実施例1において、双性イオン化合物(1)の添加量を、双性イオン化合物(1)の濃度が2%になるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電解質組成物(2)を得た。
実施例1において、双性イオン化合物(1)の添加量を、双性イオン化合物(1)の濃度が3%になるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電解質組成物(3)を得た。
実施例1において、双性イオン化合物(1)の添加量を、双性イオン化合物(1)の濃度が5%になるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電解質組成物(4)を得た。
実施例4において、双性イオン化合物(1)の代わりに双性イオン化合物(2)を使用した以外は、実施例4と同様にして電解質組成物(5)を得た。
実施例1における、N−メチル‐N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)アミドとリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドとの混合物(A)を、電解質組成物(6)とした。
コバルト酸リチウム(日下レアメタル研究所社製)31.9g、アセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)2.25gを乳鉢上ですりつぶしながら混合し、次いで、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)溶液(クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン社製、KFポリマー♯1120、固形分12%)27.5g、N−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)54gを加えて混合した。得られた混合物を、ホモジナイザーを用いて30分間攪拌し、正極活物質分散液を得た。
得られた正極活物質分散液を、アプリケーターを用いてアルミ箔上に塗布し、得られた塗膜を80℃で1時間乾燥した。このものを70℃、2MPaで1時間プレスし、電極シート(1)を作製した。
測定温度:40℃
カットオフ電圧:3.0〜4.6V
正極:コバルト酸リチウム電極(前記電極シート(1))
負極:リチウム箔
セパレーター:グラスフィルター(アドバンテック社製、GA−55)
電流密度:396μA/cm2
なお、セパレーターとして用いたグラスフィルターには、電解質組成物(1)〜(4)、(6)をそれぞれ染み込ませた。
得られた結果を、図1に示す。図1中、横軸は充放電の回数を表し、縦軸は放電容量を表す。
LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)(日下レアメタル研究所社製)31.9g、アセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)2.25gを乳鉢上ですりつぶしながら混合し、次いで、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)溶液(クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン社製、KFポリマー♯1120、固形分12%)27.5g、N−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)54gを加えて混合した。得られた混合物を、ホモジナイザーを用いて30分間攪拌し、正極活物質分散液を得た。
得られた正極活物質分散液を、アプリケーターを用いてアルミ箔上に塗布し、得られた塗膜を80℃で1時間乾燥した。このものを70℃、2MPaで1時間プレスし、電極シート(2)を作製した。
測定温度:40℃
カットオフ電圧:3.0〜4.8V
正極:NMC電極(前記電極シート(2))
負極:リチウム箔
セパレーター:グラスフィルター(アドバンテック社製、GA−55)
電流密度:396μA/cm2
なお、セパレーターとして用いたグラスフィルターには、電解質組成物(4)〜(6)をそれぞれ染み込ませた。
得られた結果を、図2に示す。図2(左)中、横軸は充放電の回数を表し、縦軸は放電容量を表す。また、図2(右)中、横軸は充放電の回数を表し、縦軸はクーロン効率(放電容量/充電容量)を表す。
比較例1に比べて、実施例1〜5においては、充放電を繰り返したときの放電容量の低下が抑制されている。このように、本発明の電解質組成物を用いた二次電池は、充電時のカットオフ電圧の上限を高くして充放電を繰り返した場合に、放電容量がより低下し難くいものである。
Claims (11)
- 下記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有する電解質組成物であって、
前記(B)成分の含有量が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して1質量%以上、60質量%以下であり、
前記(C)成分の含有量が、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計に対して0.1質量%以上、20質量%以下である電解質組成物、正極、並びに、負極、
を有する二次電池の使用方法であって、充電時のカットオフ電圧の上限が4.4〜5.5Vである、二次電池の使用方法。
(A)成分:融点が200℃以下のイオン性化合物(ただし、以下の(B)成分及び(C)成分を除く)
(B)成分:周期律表第1族又は第2族の金属イオンを含むイオン性化合物
(C)成分:双性イオン化合物 - 前記(A)成分が、ピロリジニウム系カチオンを含む化合物である、請求項1に記載の二次電池の使用方法。
- 前記(A)成分が、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンを含む化合物である、請求項1又は2に記載の二次電池の使用方法。
- 前記(B)成分が、リチウムイオンを含む化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池の使用方法。
- 下記(A)成分、(B)成分、及び(C1)成分を含有する電解質組成物。
(A)成分:融点が200℃以下のイオン性化合物(ただし、以下の(B)成分及び(C)成分を除く)
(B)成分:周期律表第1族又は第2族の金属イオンを含むイオン性化合物
(C1)成分:下記式(III)
Y+は、下記式(IV)で示されるカチオン性基を表す。
- 前記(A)成分が、ピロリジニウム系カチオンを含む化合物である、請求項6に記載の電解質組成物。
- 前記(A)成分が、フッ素原子を有するスルホニルアミド系アニオンを含む化合物である、請求項6又は7に記載の電解質組成物。
- 前記(B)成分が、リチウムイオンを含む化合物である、請求項6〜8のいずれかに記載の電解質組成物。
- 正極、負極、及び、請求項6〜9のいずれかに記載の電解質組成物を有する二次電池。
- 充電時のカットオフ電圧の上限が4.4〜5.5Vである、請求項10に記載の二次電池。
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