JP6168173B2 - 方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、方向性電磁鋼板とその製造方法に関し、具体的には、優れた磁気特性と被膜特性を兼備する方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、主にトランスの鉄心材料として使用されることから、磁気特性に優れること、特に鉄損が低いことが強く求められている。そのため、方向性電磁鋼板は、従来、冷間圧延したSi含有鋼板に、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施し、MgOを主剤とする焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍において二次再結晶を起こさせ、結晶粒を{110}<001>方位(いわゆる、ゴス方位)に高度に揃える方法で製造している。上記仕上焼鈍は、上記の二次再結晶させる焼鈍と、最高1200℃程度の温度まで昇温する純化処理と合わせて10日間程度を要するため、通常、コイルに巻いた状態で行うバッチ焼鈍により行われている。
上記仕上焼鈍中においては、脱炭焼鈍時に鋼板表面に形成されるSiOを主体としたサブスケールと、脱炭焼鈍後に鋼板表面に塗布したMgOを主剤とする焼鈍分離剤が、MgO+SiO→MgSiOの反応を起こし、鋼板表面にガラス質のフォルステライト被膜が形成される。上記フォルステライト被膜は、絶縁性や耐食性を付与することの他に、鋼板表面に引張応力を付与して磁気特性を改善する効果があるため、均一で、密着性に優れることが要求される。
上記フォルステライト被膜は、地鉄の内部に喰い込んだ形で形成され、鋼板表面に機械的に接着している。しかし、被膜と地鉄との界面の凹凸が激しくなると、凹凸部に残留磁化が生じるため、ヒステリシス損が増加する。そのため、被膜密着性とヒステリシス損は、トレードオフの関係にあり、この二つを両立させることは困難である。
なお、フォルステライト被膜を形成させずに、鋼板表面に直接絶縁被膜を被成する技術も開発されているが、現時点においては、被膜密着性を確保するのが難しく、絶縁性や耐電圧特性、耐食性も不十分である。そのため、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板に対するニーズは依然として高い。さらに、近年、省エネルギーに対する要求を背景として、方向性電磁鋼板には、さらなる鉄損特性の改善が求められるようになってきており、ヒステリシス損をさらに低減することは必須の課題となってきている。
上記課題に対して、フォルステライト被膜を改善する技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、表面から10μm深さの範囲に存在する内部酸化物量を適正化することによって、曲げ密着性を改善する技術が開示されている。また、特許文献2には、フォルステライト被膜のTiとBの目付量、および、これらとNのモル比を適正化することによって、レーザによる磁区細分化処理を施したときの被膜損傷を抑え、鉄損を低減する技術が開示されている。また、特許文献3には、一次被膜(フォルステライト被膜)中にCa,Sr,Baの中から選ばれる1種または複数の元素と希土類元素と硫黄を含む化合物を含有させることによって、一次被膜の根の部分に硫化物を残存させ、強加工下での被膜密着性を改善する技術が開示されている。さらに、特許文献4には、被膜剥離試験後の鋼板側剥離部に観察される下地被膜構成粒子跡の平均粒径を特定することによって、双晶発生率を抑える技術が開示されている。
特開2004−238734号公報 特開平09−184017号公報 特表2008−062853号公報 特表2012−076702号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、フォルステライト被膜と地鉄との界面の凹凸が大きくなり過ぎて、磁化した際に鋼板表面に磁極が残留し、ヒステリシス損が却って増加してしまうという問題がある。また、特許文献2に開示の技術は、積鉄心など、歪取焼鈍を行わない用途に限定されることに加え、TiやBとNの関係を狭い範囲内に収める必要があり、また、焼鈍におけるコイルの内巻と外巻あるいは板幅方向での条件変動の影響を受け、コイルの全長全幅に亘って磁気特性を改善するのは困難である。また、特許文献3に開示の技術は、一次被膜の根の部分に硫化物を残存させるために、被膜−地鉄界面の凹凸が激しくなり、却ってヒステリシス損が増加するという問題がある。さらに、特許文献4に開示の技術は、被膜と地鉄界面の凹凸を低減し、双晶などでの破壊の起点を低減することには有効であるが、凹凸が微細過ぎるため、被膜密着性の改善に対しては大きな効果が得られないという問題がある。
本発明は、従来技術が抱える上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォルステライト被膜−地鉄界面の凹凸を適正化することによって、被膜密着性を確保しつつヒステリシス損を低減した方向性電磁鋼板を提供するとともに、その有利な製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を重ねた。その結果、脱炭焼鈍後の鋼板表層の酸素目付量を適正化するとともに、MgOを主剤とする焼鈍分離剤中に、添加剤として、Tiに加えてNaを極微量適正範囲で添加し、さらにMgOまたは添加物中にBaを適正量含有させることで、フォルステライト被膜−地鉄界面の凹凸を適正化し、被膜密着性を改善しつつヒステリシス損を低減できることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板であって、上記フォルステライト被膜の酸素目付量が両面で1.8〜2.8g/m、上記フォルステライト被膜の表面を蛍光X線分析したときのMgに対するTiの強度比(ITi/IMg)が0.03〜0.12、上記フォルステライト被膜断面における被膜と地鉄との界面の複雑度Lが1.1〜1.9の範囲にあることを特徴とする方向性電磁鋼板である。
また、本発明は、C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0050mass%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
また、本発明は、C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Se:0.003〜0.030mass%および/またはS:0.002〜0.03mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
また、本発明は、C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.010〜0.050mass%およびN:0.003〜0.020mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
また、本発明は、C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.010〜0.050mass%、N:0.003〜0.020mass%、Se:0.003〜0.030mass%および/またはS:0.002〜0.03mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
また、本発明における上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.010〜1.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.0100mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%、V:0.001〜0.010mass%およびTi:0.0005〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、フォルステライト被膜の密着性を損なうことなく被膜−地鉄界面の凹凸を低減して、鉄損特性を改善することができる。
焼鈍分離剤に含まれるNa,Baが、鉄損およびフォルステライト被膜の密着性に及ぼす影響を示すグラフである。 焼鈍分離剤に含まれるNa,Baが、フォルステライト被膜に及ぼす影響を観察した断面写真である。 フォルステライト被膜−地鉄界面の複雑度Lを説明する図である 焼鈍分離剤に含まれるNa,Baが、フォルステライト被膜−地鉄界面の複雑度Lおよびフォルステライト被膜中に侵入するTi量に及ぼす影響を示すグラフである。
まず、本発明を開発する契機となった実験について説明する。
<実験1>
C:0.065mass%、Si:3.44mass%、Mn:0.08mass%、Al:0.03mass%およびN:0.008mass%を含有する鋼を溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした後、1410℃の温度に再加熱し、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、1050℃×60秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延して中間板厚の1.8mmとし、1120℃×80秒の中間焼鈍を施した後、200℃温度で温間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とした。
次いで、上記冷延板に、一次再結晶焼鈍を兼ねて、50vol%H−50vol%N、露点55℃の湿潤雰囲気下で840℃×100秒の脱炭焼鈍を施した。なお、このときの脱炭焼鈍後の酸素目付量は両面で0.9g/mであった。なお、上記酸素目付量は、脱炭焼鈍後の鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析により求め、単位面積あたりの目付量に換算した値である。
その後、上記鋼板表面に、酸化マグネシウムMgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して、酸化チタンをTi換算で5mass%、水酸化ストロンチウムをSr換算で3mass%、水酸化ナトリウムをNa換算で0〜60massppm含有し、さらに、不純物としてBaを種々の濃度で含有するMgOを使用することによりBaを焼鈍分離剤全体に対して0〜35massppmの範囲で種々に変化して含有する焼鈍分離剤(スラリー)を鋼板表面に塗布し、乾燥した。なお、上記MgO、酸化チタンおよび水酸化ストロンチウム中に含まれるNa濃度および酸化チタン、水酸化ストロンチウム中に含まれるBa濃度を分析したところ、いずれも検出限界以下であった。
次いで、上記鋼板に、二次再結晶させてから、水素雰囲気下で1200℃×7時間の純化処理を行う仕上焼鈍を施した後、未反応の焼鈍分離剤を除去し、絶縁被膜液を塗布し、絶縁被膜の焼付けと形状矯正を兼ねた平坦化焼鈍を800℃×30秒で施し、方向性電磁鋼板とした。
斯くして得た方向性電磁鋼板について、鉄損W17/50と、被膜密着性(曲げ剥離径)を測定し、その結果を図1に示した。
図1(a)から、鉄損W17/50は、焼鈍分離剤中のBa含有量が30massppm未満において良好となること、ただし、Ba含有量が低い場合でも、Na添加量が20〜40massppmの範囲から外れて、高過ぎたり低過ぎたりしたときには、鉄損が増加していることがわかる。
また、図1(b)から、被膜密着性は、Na添加量が高い方ほど良好となるが、Ba含有量には適正範囲があり、5〜25massppmの範囲で良好であるが、その範囲より低過ぎても高過ぎても、被膜密着性が劣る傾向となることがわかる。
これらの結果から、BaおよびNaは、極微量ではあるが、それぞれ適正範囲に収めて添加することで、鉄損特性と被膜密着性とを両立できることがわかる。
<実験2>
次に、上記のような結果が得られた原因を調査するため、仕上焼鈍によって形成されたフォルステライト被膜と地鉄との界面形状、フォルステライト被膜中へのTi侵入量およびフォルステライト被膜の酸素目付量を測定した。なお、上記酸素目付量は、フォルステライト被膜形成後、即ち、上記実験1で得られた鋼板の表面から絶縁被膜を除去した鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析で求め、単位面積あたりの目付量に換算した値である。
ここで、上記フォルステライト被膜と地鉄との界面形状は、光学顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察した。
また、フォルステライト被膜中へのTi侵入量については、フォルステライト被膜形成後、即ち、上記実験1で得られた鋼板の表面から絶縁被膜を除去した表面を蛍光X線分析し、得られたTi強度ITiをMg強度IMgで規格化した(ITi/IMg)を求めた。
図2に、フォルステライト被膜の断面写真と、Ti侵入量および酸素目付量の調査結果を示した。
図2から、NaもBaも含有していない条件(a)では、被膜と地鉄との界面が平坦で、Tiの侵入量(ITi/IMg)も低いことがわかる。
これに対して、Baのみを含有する条件(b)では、被膜と地鉄との界面の凹凸が激しくなっているが、Tiの侵入量(ITi/IMg)については無添加の条件(a)より若干高まるものの大きな変化はない。酸素目付量については、Baを含有することによって若干低下する傾向にある。
また、Naのみを添加した条件(c)では、被膜と地鉄との界面の凹凸は、条件(a)と大きな違いはないが、Tiの侵入量(ITi/IMg)が著しく高くなっている。酸素目付量は、他の2条件と大きな変化はないが、若干増大する傾向にある。
また、BaとNaの両方を含有する条件(d)では、被膜と地鉄との界面の凹凸が大きくなり、Tiの侵入量(ITi/IMg)も高くなる。
これらの結果から、Baを含有すると、被膜と地鉄との界面の凹凸が大きくなり、鉄損が増大し、密着性は向上する傾向にあり、一方、Naを添加すると、Tiの侵入量(ITi/IMg)が増加して鉄損特性が向上し、密着性が改善する傾向にある、したがって、鉄損を改善するには、被膜の凹凸を平坦にすること、密着性を改善するには、被膜と地鉄との界面の凹凸と被膜中のTi量を増やすことが有効であると示唆される。
<実験3>
次に、上記<実験2>の写真観察では、フォルステライト被膜と地鉄との界面の凹凸を定性的にしか評価できないため、図3に示した方法で、界面の凹凸を数値化した。具体的には、上記1000倍の光学顕微鏡の断面写真から、鋼板表面に平行な長さL(=50μm)の線分における被膜−地鉄界面の長さLを画像処理装置で測定し、これをLで規格化した値(L/L)を界面の複雑度Lと定義して数値化した。なお、図2の(a)や(d)の写真の被膜上部から遊離した粒子については、この測定においては考慮しなかった。
図4に、BaおよびNaの含有量と、界面の複雑度L(=L/L)およびTi侵入量(ITi/IMg)との関係を示した。図4(a)から、Baを含有することによって、界面の複雑度Lは大きくなるが、Na添加の影響は小さいこと、また、図4(b)から、Naを添加することによってTi濃化量(ITi/IMg)は増大するが、Na添加の影響は小さいことがわかる。
以上の結果から、焼鈍分離剤中に極微量のNaの添加と、MgO中に微量に存在するBaにより、鉄損特性と被膜密着性を両立することができることがわかった。
上記理由について、本発明者らは以下のように考えている。
まず、Ba(Ba2+イオン)が、被膜密着性に及ぼす影響について説明する。
脱炭焼鈍によって鋼板表層に形成されるサブスケールは、主に非晶質のSiO粒子が鋼板表層中に分散した形態をとっている。このSiOは、密度が約2.2g/cmで、地鉄の約7.7g/cmと比べて低い。そのため、脱炭焼鈍によって低密度のSiOが形成されると、鋼板表層部は膨張する。脱炭焼鈍後の鋼板は、その後、焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布して仕上焼鈍を施されるが、この仕上焼鈍中に、上記SiO粒子は地鉄表層側に移動し、濃化する。その結果、地鉄表層から、膨張の原因となっていた低密度の粒子がなくなり、それを緩和するため、フォルステライト被膜に圧縮応力が働き、被膜と地鉄との界面に凹凸が形成される。
ここで、Ba(Ba2+イオン)は、非晶質SiOのSi−O間の結合を切断することにより、SiOの可動度を高めて表層濃化(地鉄表面への濃化)を促進する働きがある。Baが無添加のときには、SiOの表層濃化が緩やかに進行するため、Feの拡散も同時に起こり、表面応力が発生しにくくなる結果、界面の凹凸は小さくなるが、Baを添加すると、SiOが速やかに表層濃化するため、圧縮応力が発生して、フォルステライト被膜と地鉄との界面の変形が起こり、凹凸が形成されやすくなる。被膜−地鉄界面に凹凸が形成された状態では、被膜が地鉄にめり込んでいるため、曲げ応力を加えたときでも密着性が確保される。
ただし、Baには、焼鈍分離剤の主剤をなすMgO中に含まれるMg(Mg2+イオン)やO(O2−イオン)の仕上焼鈍中における体拡散を抑える働きもある。そのため、Baが多量に含有されていると、被膜の形成が抑制されて被膜形成不良を起こし、密着性も低下する。そのため、被膜密着性に対しては、Ba含有量には適正範囲がある。
上記のBaの効果は、Baが焼鈍分離剤の主剤であるMgOや添加剤中に含まれているときに特に効果的に発現する。というのは、Ba化合物を、主剤であるMgOや添加剤と混合してスラリー化するときに添加すると、スラリー内でBa化合物が凝集して不均一に分布するため局所的にしかBaの添加効果が得られない。これに対して、Baが主剤であるMgOや添加剤中に不純物のように均一な状態で含まれている場合には、上記のような不均一分布となり難いため、極微量であってもBaの添加効果が均一に発現させることができるからである。
Baの鉄損に対する影響についても、上記と同様に説明することができる。
つまり、Baの含有量を増やすと、被膜−地鉄界面の凹凸が増大する。このような状態で磁化させると、界面の凹凸部で残留磁化が発生し、ヒステリシス損が増大する。したがって、Baの過度な含有は、鉄損を劣化させるため、Ba添加量には上限が存在する。
次に、Na(Naイオン)の被膜密着性改善効果について説明する。
Naは、他の金属イオンと容易に結合して、低融点化合物を形成する。焼鈍分離剤中には、Mg2+やTi4+などの金属イオンがイオン結合して化合物として存在しているが、Naの添加によりMg2+,Ti4+イオンの一部が溶融し、液相拡散によって鋼板表面まで速やかに到達して、フォルステライト被膜を形成する。そのため、Naを添加すると、フォルステライト被膜中にTiが侵入しやすくなり、被膜中のTi濃度が高まる。このTiには、フォルステライト被膜の粒界に濃化して被膜強度を高める働きがあるため、被膜密着性が高まる。
Naの磁気特性に対する影響については、上記のように、Naの添加により被膜中へのTiの侵入が促進され、Ti濃度が高まるが、Tiは、被膜強度を高め、引張張力付与効果を高める効果があるため、渦電流損が低下して鉄損が改善される。ただし、Naを添加し過ぎると、Tiの侵入が促進され過ぎ、地鉄にまでTiが侵入するため、却って鉄損の増大を招く。そのため、Na添加量にも適正範囲が存在する。
前述したように、Baの効果は主剤であるMgO中や添加剤中に含まれているときに最も効果的に発現する。しかし、Naの場合、スラリー化するときにNa化合物として添加しても所望の効果を発現させることができる。その理由は十分に明確になっていないが、Naの添加量はBaのように微量ではないことと、Na化合物は低融点であるため、仕上焼鈍中に溶融し、拡散して分布が均一化するためであると考えられる。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造に用いる鋼素材(スラブ)の成分組成について説明する。
C:0.002〜0.10mass%
Cは、0.002mass%未満であると、Cによる粒界強化効果が失われ、スラブに割れが生じるなどして製造に支障を来たすようになる。一方、0.10mass%を超えると、製造工程の脱炭焼鈍において、磁気時効の起こらない0.005mass%以下に低減することが難しくなる。よって、Cは0.002〜0.10mass%の範囲とする。好ましくは0.010〜0.080mass%の範囲である。
Si:2.0〜8.0mass%
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減するのに必要な元素である。上記効果は、2.0mass%未満では十分ではなく、一方、8.0mass%を超えると、加工性が低下し、圧延して製造すること困難となる。よって、Siは2.0〜8.0mass%の範囲とする。好ましくは2.5〜4.5mass%の範囲である。
Mn:0.005〜1.0mass%
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素である。上記効果は、0.005mass%未満では十分ではなく、一方、1.0mass%を超えると、製品板の磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.005〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.20mass%の範囲である。
上記C,SiおよびMn以外の成分については、二次再結晶を生じさせるために、インヒビターを利用する場合と、しない場合とに分けられる。
まず、二次再結晶を生じさせるためにインヒビターを利用する場合で、例えば、AlN系インヒビターを利用するときには、AlおよびNは、それぞれAl:0.010〜0.050mass%、N:0.003〜0.020mass%の範囲で含有させるのが好ましい。また、MnS・MnSe系インヒビターを利用する場合には、前述した量のMnと、S:0.002〜0.030mass%およびSe:0.003〜0.030mass%のうちの1種または2種を含有させるのが好ましい。それぞれの添加量が、上記下限値より少ないと、インヒビター効果が十分に得られず、一方、上記上限値を超えると、インヒビター形成成分がスラブ加熱時に未固溶で残存し、磁気特性の低下をもたらす。なお、AlN系とMnS・MnSe系のインヒビターは併用して用いてもよい。
一方、二次再結晶を生じさせるためにインヒビターを利用しない場合には、上述したインヒビター形成成分であるAl,N,SおよびSeの含有量を極力低減し、Al:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0050mass%未満に低減した鋼素材を用いるのが好ましい。
なお、本発明の方向性電磁鋼板は、上記成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。ただし、磁気特性の改善を目的として、Ni:0.010〜1.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn;0.005〜0.50mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.0100mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%、V:0.001〜0.010mass%およびTi:0.0005〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を適宜添加してもよい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
前述した成分組成を有する鋼を常法の精錬プロセスで溶製した後、常法の造塊−分塊圧延法または連続鋳造法で鋼素材(スラブ)を製造してもよいし、あるいは、直接鋳造法で100mm以下の厚さの薄鋳片を製造してもよい。上記スラブは常法に従い、例えば、インヒビター成分を含有する場合には、1400℃程度の温度に再加熱し、一方、インヒビター成分を含まない場合は、1300℃以下の温度に再加熱した後、従来公知の条件で熱間圧延に供する。なお、インヒビター成分を含有しない場合には、連続鋳造後、再加熱することなく直ちに熱間圧延に供してもよい。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延してもよいし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。
次いで、上記熱間圧延して得た熱延板は、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。この熱延板焼鈍の温度は、良好な磁気特性を得るためには、800〜1150℃の範囲とするのが好ましい。800℃未満では、熱間圧延で形成されたバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなり、二次再結晶の発達が阻害される。一方、1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化し過ぎて、やはり整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなる。
熱間圧延後あるいは上記熱延板焼鈍後の熱延板は、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍の温度は、900〜1200℃の範囲とするのが好ましい。900℃未満では、中間焼鈍後の再結晶粒が細かくなり、一次再結晶組織におけるGoss核が減少して製品板の磁気特性が低下する傾向がある。一方、1200℃を超えると、熱延板焼鈍のときと同様、結晶粒が粗大化し過ぎて、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなる。
また、最終板厚とする冷間圧延(最終冷間圧延)は、冷間圧延時の鋼板温度を100〜300℃の温度に昇温して行う温間圧延とすることや、冷間圧延の途中で100〜300℃の温度で時効処理を1回または複数回施すことが、一次再結晶集合組織を改善し、磁気特性を向上させるのに有効である。
最終板厚とした冷延板は、その後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施す。この焼鈍温度は700〜900℃、保持時間は30〜300秒の範囲とするのが好ましい。焼鈍温度が700℃未満、もしくは、保持時間が30秒未満では、脱炭が不十分となったり、一次再結晶粒径が小さ過ぎたりして磁気特性が劣化する。一方、焼鈍温度が900℃を超えたり、保持時間が300秒を超えたりすると、一次再結晶粒径が大きくなり過ぎて磁気特性が劣化する。
上記脱炭焼鈍においては、鋼板の表層にサブスケールを形成させるが、そのサブスケールの酸素目付量は、両面で0.7〜1.1g/mの低い範囲に抑えることが必要である。表層に形成されるサブスケール中のSiOは低密度であるため、鋼板表層と中心層の間に応力を付与する効果を有するが、酸素目付量が多いと、仕上焼鈍中における地鉄からのSiOの消失により、フォルステライト被膜に圧縮応力が加わり、SiO粒子が抜けた空隙部に被膜が入り込み、被膜と地鉄との界面の凹凸が激しくなるため、鉄損が劣化する。逆に、少な過ぎると、フォルステライト被膜の形成量が不足して、被膜の密着性が低下する。
上記脱炭焼鈍した鋼板は、その後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布する。この焼鈍分離剤は、主剤として少なくとも50mass%以上のMgOを含み、さらに、添加剤として、焼鈍分離剤全体に対して、Ti化合物をTi換算で1〜7mass%、Na化合物をNa換算で20〜40massppm含有し、磁気特性や被膜特性を改善するため、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%の範囲で含有し、さらに、Baを主剤および/または添加剤中に、焼鈍分離剤全体に対して5〜25massppmの範囲で含有することが必要である。
ここで、上記Ti化合物の種類は特に限定されず、酸化物や塩化物、硫酸塩、硝酸塩、チタン酸塩、水酸化物などを用いることができる。添加量が上記下限値より少ないと、フォルステライト被膜中に含有されるべきTi量が少なくなって密着性が低下し、逆に、上記上限値より多いと、鋼中にまで浸Tiして鉄損特性が低下する。
また、Na化合物も、種類は特に限定されず、酸化物や塩化物、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを用いることができる。添加量が上記上限値より多いと、鋼中に浸Tiが発生し、また、上記下限値より低いと、被膜形成が不十分となり、鉄損特性や被膜密着性が低下する。
また、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物の添加量は、該金属換算の合計で0.1mass%よりも少ないと、添加効果が十分ではなく、一方、5mass%よりも多いと、添加効果が強すぎ、却って磁気特性や被膜が劣化する。
また、Baは、フォルステライト被膜−地鉄界面に適度の凹凸を形成させるために必要であり、上記上限値より多いと、界面の凹凸が激しくなり、鉄損特性が低下する。逆に、上記下限値より少ないと、界面の凹凸が少な過ぎて、被膜密着性が低下する。
ここで、上記Baは、主剤であるMgO中および/または添加剤中に含有させることが重要である。含有させる方法としては、例えば、MgO中に含有させる場合には、製造原料であるMg(OH)の段階でBa化合物を添加し、その後、焼成する方法がある。なお、添加剤中に含ませる場合も同様の方法で含有させることができる。
上記焼鈍分離剤を塗布、乾燥した鋼板は、その後、コイルに巻き取った状態で仕上焼鈍を施し、Goss方位に高度に集積させた二次再結晶組織を発達させるとともに、フォルステライト被膜を形成させる。上記仕上焼鈍は、二次再結晶を発現させるためには800℃以上の温度に昇温することが、また、二次再結晶を完了させるためには1100℃の温度まで昇温することが好ましい。また、フォルステライト被膜を形成させたり、純化処理を施したりするためには、上記二次再結晶焼鈍に引き続いて1200℃程度の温度まで昇温するのが好ましい。
上記仕上焼鈍を施した鋼板は、その後、水洗やブラッシング、酸洗等で、鋼板表面に付着した未反応の焼鈍分離剤を除去した後、平坦化焼鈍を施して、最終製品である方向性電磁鋼板とする。
上記のようにして製造した本発明の方向性電磁鋼板は、下地被膜(フォルステライト被膜)の酸素目付量が1.8〜2.8g/m、鋼板表面を蛍光X線分析したときのMgに対するTiの強度比(ITi/IMg)が0.03〜0.12、フォルステライト被膜と地鉄との界面の複雑度Lが1.1〜1.9の範囲において鉄損特性と被膜特性とが優れるものとなる。
酸素目付量が1.8g/m未満では、フォルステライト被膜の形成量が少な過ぎ、外部応力により被膜が破壊され易くなって密着性が低下し、一方、2.8g/mより多いと、仕上焼鈍中に形成されるフォルステライトが過剰となるため、フォルステライト被膜と地鉄との界面の凹凸が十分に形成されず、密着性が保てなくなる。
また、(ITi/IMg)が0.03未満では、フォルステライト被膜中へのTiの侵入量が不足しているため、被膜密着性が劣り、一方、0.12を超えると、Tiが浸入し過ぎて、鋼中にも浸Tiして、鉄損特性が低下する。
さらに、界面の複雑度Lは、1.1未満では十分な被膜密着性が得られず、一方、1.9を超えると、界面の凹凸が激しくなり過ぎて、鉄損特性が低下する。
なお、鉄損をより低減するためには、磁区細分化処理を施すことが有効である。処理方法としては、一般的に実施されている、最終製品板にレーザや電子ビーム、プラズマを照射して線状または点状の熱歪や衝撃歪を導入したり、ローラ等で加圧して線状または点状の溝や歪を付与したりする方法、最終板厚に冷間圧延した以降の中間工程で、鋼板表面にエッチング加工を施して溝等を形成する方法等を用いることができる。
C:0.070mass%、Si:3.43mass%、Mn:0.08mass%、Al:0.007mass%、N:0.003mass%およびS:0.002mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1250℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延して1.8mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とし、その後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。
ここで、上記脱炭焼鈍は、50vol%H−50vol%N、露点50〜65℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100秒間保持し、露点を変えて酸素目付量を表1に示したように変化させた。なお、上記酸素目付量は、脱炭焼鈍後の鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析して求め、単位面積当たりの目付量に換算して得た値である。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して、TiOをTi換算で2mass%添加し、硫酸Naの添加量およびTiO中に含まれるBa濃度を種々に変化させることにより、焼鈍分離剤全体に対するNaおよびBaの含有量を表1に示したように種々に変化させた焼鈍分離剤をスラリー状にして塗布、乾燥した後、二次再結晶焼鈍させてから、1200℃×10時間の純化処理を行う仕上焼鈍を施し、方向性電磁鋼板とした。なお、上記仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理における1200℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍時を含む)および降温時はNとした。
Figure 0006168173
斯くして得た各種方向性電磁鋼板について、被膜特性(酸素目付量、Ti侵入量(ITi/IMg)、界面複雑度L)、磁気特性(鉄損W17/50)および被膜密着性(曲げ剥離径)を調査し、その結果を表1に併記した。なお、フォルステライト被膜の酸素目付量は、仕上焼鈍後の鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析して求め、単位面積当たりの目付量に換算することにより測定した。
同表から、本発明を適用することで、被膜密着性に優れ、かつ、磁気特性にも優れる方向性電磁鋼板を製造し得ることがわかる。
表2に記載の各種成分組成を有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるNo.1〜19の鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1380℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.0mmの熱延板とし、1030℃×10秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とし、その後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。なお、上記脱炭焼鈍は、50vol%H−50vol%N、露点55℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100秒間保持した。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgOを主剤とし、添加剤として、焼鈍分離剤全体に対して、TiOをTi換算で2mass%、水酸化カルシウムをCa換算で3mass%含有し、NaおよびBaを表2に示したように種々の濃度で含有する焼鈍分離剤をスラリー状にして鋼板表面に塗布した。なお、上記焼鈍分離剤中のNaの濃度は、硫酸Naの添加量を変えることで、また、Ba濃度は、水酸化カルシウム中に不純物として含まれるBa濃度を種々に変化させることで調製した。
次いで、上記焼鈍分離剤を塗布した鋼板は、二次再結晶させてから、1220℃×4時間の純化処理を行う仕上焼鈍を施し、方向性電磁鋼板とした。なお、上記仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1220℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍時を含む)および降温時はArとした。
Figure 0006168173
上記のようにして得た各種方向性電磁鋼板について、実施例1と同様にして、被膜特性(酸素目付量、Ti侵入量(ITi/IMg)、界面複雑度L)および磁気特性(鉄損W17/50)を調査し、その結果を表2に示した。同表から、本発明の成分組成を満たし、かつ、本発明に適合する製造方法で製造された鋼板は、いずれも良好な被膜密着性と磁気特性が両立できていることがわかる。
C:0.060mass%、Si:3.38mass%、Mn:0.06mass%、Al:0.017mass%、N:0.008mass%およびSe:0.015mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1400℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延して1.8mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とし、その後、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。
ここで、上記脱炭焼鈍は、50vol%H−50vol%N、露点55℃の湿潤雰囲気下で、840℃の温度に100秒間保持して酸素目付量が1.0m/gとなるようなサブスケールを形成させた。なお、上記酸素目付量は、脱炭焼鈍後の鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析して求め、単位面積当たりの目付量に換算して得た値である。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して、TiOをTi換算で5mass%、硫酸NaをNa換算で25massppm、および、微量元素としてBaを焼鈍分離剤全体に対して表3に示した量を含有する各種添加剤を添加した焼鈍分離剤をスラリー状にして塗布、乾燥させた。ここで、Baは添加剤の製造工程の途中で添加することにより含有させた。
その後、二次再結晶焼鈍させてから、1200℃×10時間の純化処理を行う仕上焼鈍を施し、方向性電磁鋼板とした。なお、上記仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理における1200℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍時を含む)および降温時はNとした。
Figure 0006168173
斯くして得た各種方向性電磁鋼板について、被膜特性(酸素目付量、Ti侵入量(ITi/IMg)、界面複雑度(L)、磁気特性(鉄損W17/50)および被膜密着性(曲げ剥離径)を調査し、その結果を表3に併記した。なお、フォルステライト被膜の酸素目付量は、仕上焼鈍後の鋼板全体(全厚)の酸素量を化学分析して求め、単位面積当たりの目付量に換算することにより求めた。
同表から、本発明を適用することで、被膜密着性に優れ、かつ、磁気特性にも優れる方向性電磁鋼板を製造し得ることがわかる。

Claims (6)

  1. フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板であって、上記フォルステライト被膜の酸素目付量が両面で1.8〜2.8g/m、上記フォルステライト被膜の表面を蛍光X線分析したときのMgに対するTiの強度比(ITi/IMg)が0.03〜0.12、上記フォルステライト被膜断面における被膜と地鉄との界面の複雑度Lが1.1〜1.9の範囲にあることを特徴とする方向性電磁鋼板。
  2. C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.01mass%未満、N:0.0050mass%未満、S:0.0050mass%未満およびSe:0.0050mass%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、
    上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Se:0.003〜0.030mass%および/またはS:0.002〜0.03mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、
    上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.010〜0.050mass%およびN:0.003〜0.020mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、
    上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. C:0.002〜0.10mass%、Si:2.0〜8.0mass%、Mn:0.005〜1.0mass%、Al:0.010〜0.050mass%、N:0.003〜0.020mass%、Se:0.003〜0.030mass%および/またはS:0.002〜0.03mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材を熱間圧延して熱延板とし、熱延板焼鈍を施すことなくあるいは熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚の冷延板とし、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    脱炭焼鈍後の酸素目付量を両面で0.7〜1.1g/mとし、
    上記焼鈍分離剤として、MgOを主剤とし、添加剤として焼鈍分離剤全体に対して少なくともTi化合物をTi換算で1〜7mass%およびNa化合物をNa換算で20〜40massppm、Ca,Sr,Mn,Mo,Fe,Cu,Zn,Ni,Al,K,Li,Sbの酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物および硫化物のうちから選ばれる1種または2種以上を該金属換算の合計で0.1〜5mass%含有し、かつ、上記主剤中および/または添加剤中にBaを5〜25massppmの範囲で含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 上記鋼素材は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.010〜1.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Te:0.0005〜0.0100mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%、V:0.001〜0.010mass%およびTi:0.0005〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。

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