JP6168172B2 - 赤外線ガス分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料ガスを試料セル内に供給し、前記試料セルに赤外光を照射することにより、前記試料セルを透過した赤外光の光量に基づいて分析を行う赤外線ガス分析装置に関するものである。
排ガスなどの試料ガスに含まれる測定対象成分として、SO成分、NO成分、CO成分又はCO成分などの濃度を測定する際、赤外線ガス分析装置が用いられる場合がある。赤外線ガス分析装置には、例えば試料セルが備えられており、当該試料セル内に試料ガスを供給して赤外光を照射することにより、試料セルを透過した赤外光の光量に基づいて分析を行うことができるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
試料ガスには、測定対象成分の赤外線吸収波長域に対して、少なくとも一部の波長で重なる赤外線吸収波長域を有する成分(干渉成分)が含まれている場合がある。このような干渉成分が試料ガスに含まれている場合には、測定対象成分と干渉成分との波長の干渉に起因して、分析の精度が低下するという問題がある。
そこで、赤外線ガス分析装置の中には、試料セルと、当該試料セルを透過した赤外光を受光するための検出器との間に、干渉成分の波長を除去するためのフィルタ部が備えられているものがある。フィルタ部としては、例えば干渉成分を含むガスが封入されたガスフィルタが用いられ、試料セルを透過した赤外光が、当該ガスフィルタを介して検出器で受光されるようになっている。
特開2005−69870号公報
上記のようなフィルタ部を備えた赤外線ガス分析装置において、測定対象成分に対する干渉成分が複数存在する場合には、それらの複数の干渉成分が混合されたガスをフィルタ部(ガスフィルタ)に封入することとなる。
しかしながら、上記のように複数の干渉成分が混合されている場合には、干渉特性が一定となりにくく、フィルタ部が十分に機能しないおそれがある。特に、複数の干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっている場合には、上記のような問題が生じやすく、分析の精度が低下しやすいという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、精度よく分析を行うことができる赤外線ガス分析装置を提供することを目的とする。
本発明に係る赤外線ガス分析装置は、試料ガスを試料セル内に供給し、前記試料セルに赤外光を照射することにより、前記試料セルを透過した赤外光の光量に基づいて分析を行う赤外線ガス分析装置であって、前記試料セルを透過した赤外光が入射し、試料ガス中の測定対象成分に対する干渉成分の波長を除去するためのフィルタ部と、前記フィルタ部を透過した赤外光を検出する検出器とを備え、前記フィルタ部には、複数の干渉成分にそれぞれ対応する異なるガスが個別に封入された複数の封入室が設けられており、前記試料セルを透過した赤外光が、前記複数の封入室を順次に透過することにより、各封入室に封入されているガスに対応する干渉成分の波長のみが各封入室内で除去されて前記検出器で検出されるようになっていることを特徴とする。
このような構成によれば、複数の干渉成分にそれぞれ対応するガスが複数の封入室に個別に封入され、試料セルを透過した赤外光が、これらの複数の封入室を透過するようになっているため、複数の干渉成分が混合されている場合と比較して、干渉特性が一定となりやすい。これにより、フィルタ部としての機能を十分に発揮し、試料セルを透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
前記複数の封入室が、前記試料セルを透過した赤外光の入射方向に沿って1列で配置されていてもよい。
このような構成によれば、試料セルを透過した赤外光が、当該赤外光の入射方向に沿って1列で配置された複数の封入室を順次に透過することとなる。これにより、各封入室に封入されているガスに対応する干渉成分の波長が、試料セルを透過した赤外光から順次に除去されるため、各干渉成分の波長を確実に除去することができる。したがって、より精度よく分析を行うことができる。
試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど容積が大きく設定されていてもよい。
このような構成によれば、試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど多くの干渉成分を封入することができる。これにより、試料セルを透過した赤外光から干渉成分の波長をより良好に除去することができるため、さらに精度よく分析を行うことができる。
前記複数の封入室にそれぞれ対応する干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっていてもよい。
このような構成によれば、分析の精度が低下しやすい干渉成分の組み合わせであっても、精度よく分析を行うことができる。すなわち、複数の干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっている場合には、それらの複数の干渉成分を混合して封入したフィルタ部を用いると、干渉特性が一定となりにくく、分析の精度が低下しやすい。このような場合であっても、複数の干渉成分にそれぞれ対応するガスが複数の封入室に個別に封入されたフィルタ部を用いれば、試料セルを透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
試料ガス中の測定対象成分には、SO成分、NO成分、CO成分及びCO成分の少なくとも1つが含まれていてもよい。
このような構成によれば、SO成分、NO成分、CO成分及びCO成分の少なくとも1つが測定対象成分として試料ガスに含まれている場合に、精度よく分析を行うことができる。上記の各成分は、赤外線吸収波長域が互いに近い領域に存在しているため、これらの成分の少なくとも1つが測定対象成分であり、残りの成分の少なくとも1つが干渉成分である場合には、測定対象成分と干渉成分との波長の干渉が生じやすく、分析の精度が低下しやすい。このような場合であっても、本発明によれば、試料セルを透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
試料ガスが、排ガスであってもよい。
このような構成によれば、排ガスに含まれる測定対象成分を分析する際に、その測定対象成分に対する干渉成分の波長をフィルタ部により良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。したがって、排ガスの分析に好適な赤外線ガス分析装置を提供することができる。
特に、排ガスには多くのCO成分が含まれているため、試料ガスが排ガスである場合には、少なくともCO成分がフィルタ部の1つの封入室に封入された構成とすることで、より精度よく分析を行うことができる。
本発明によれば、複数の干渉成分にそれぞれ対応するガスが複数の封入室に個別に封入されていることにより、干渉特性が一定となりやすく、試料セルを透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る赤外線ガス分析装置の構成例を示す概略図である。 フィルタ部の構成例を示す断面図である。 フィルタ部の別の構成例を示す断面図である。 効果確認試験の結果を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る赤外線ガス分析装置の構成例を示す概略図である。この赤外線ガス分析装置は、試料ガスを試料セル1内に供給して、光源2から試料セル1に赤外光を照射することにより、試料セル1を透過した赤外光を検出器3で検出し、その光量(赤外光強度)に基づいて分析を行うためのものである。試料ガスとしては、例えばSO成分、NO成分、CO成分又はCO成分などを測定対象成分として含む排ガスを例示することができ、煙道などの排ガス流路から採取した試料ガスを用いることができる。
本実施形態に係る赤外線ガス分析装置では、基準ガス及び試料ガスを試料セル1内に交互に供給することにより、基準ガスを透過した赤外光の光量と、試料ガスを透過した赤外光の光量とに基づいて分析を行うことができる。基準ガスとしては、例えば空気が用いられる。基準ガス及び試料ガスは、共通の供給路4を介して試料セル1内に交互に供給され、試料セル1内に交互に充填されて排気されるようになっている。
試料ガスを供給するための試料ガス流路5は、電磁弁SV3を介して供給路4に接続されている。電磁弁SV3は、例えば三方弁からなり、供給路4及び試料ガス流路5の他に、ガスを排気するための排気路7が接続されている。したがって、電磁弁SV3を制御することにより、試料ガス流路5から供給路4に試料ガスを供給する状態と、試料ガス流路5から排気路7に試料ガスを排気する状態とに切り替えることができるようになっている。
基準ガスを供給するための基準ガス流路6は、電磁弁SV4を介して供給路4に接続されている。電磁弁SV4は、例えば三方弁からなり、供給路4及び基準ガス流路6の他に、上記排気路7が接続されている。したがって、電磁弁SV4を制御することにより、基準ガス流路6から供給路4に基準ガスを供給する状態と、基準ガス流路6から排気路7に基準ガスを排気する状態とに切り替えることができるようになっている。
試料測定時には、試料ガスが試料ガス流路5に導入され、かつ、基準ガスが基準ガス流路6に導入された状態で、電磁弁SV3及び電磁弁SV4が一定周期(例えば10秒周期)で切り替えられることにより、基準ガス及び試料ガスが供給路4に交互に供給されるようになっている。これにより、試料セル1内のガスが基準ガス又は試料ガスに交互に置換される動作が繰り返される。
また、本実施形態に係る赤外線ガス分析装置では、供給路4にゼロガス及びスパンガスなどの校正ガスを導入することにより、ゼロ点やスパン点の校正を行うことができるようになっている。ゼロガスとしては、例えば測定対象成分が含まれないガス(Nガスなど)を使用することができる。一方、スパンガスとしては、既知の濃度で測定対象成分が含まれるガスを使用することができる。
試料ガス流路5には、例えば三方弁からなる電磁弁SV1が設けられており、当該電磁弁SV1を制御することにより、試料ガス又は校正ガス(ゼロガス又はスパンガス)を試料ガス流路5に導入し、供給路4を介して試料セル1内に供給することができるようになっている。一方、基準ガス流路6には、例えば三方弁からなる電磁弁SV2が設けられており、当該電磁弁SV2を制御することにより、試料ガス又は校正ガス(ゼロガス)を基準ガス流路6に導入し、供給路4を介して試料セル1内に供給することができるようになっている。
校正時には、電磁弁SV1により校正ガス(ゼロガス又はスパンガス)が試料ガス流路5に導入され、かつ、電磁弁SV2により校正ガス(ゼロガス)が基準ガス流路6に導入された状態で、電磁弁SV3及び電磁弁SV4が一定周期(例えば10秒周期)で切り替えられるようになっている。
例えば、ゼロ点の校正時には、試料ガス流路5及び基準ガス流路6にゼロガスが導入されることにより、試料セル1内のガスがゼロガスに置換される。一方、スパン点の校正時には、試料ガス流路5にスパンガスが導入されるとともに、基準ガス流路6にゼロガスが導入され、試料セル1内のガスがスパンガス又はゼロガスに交互に置換される動作が繰り返される。
供給路4には、ガス中の水蒸気濃度を調節するための調湿部8が設けられている。調湿部8は、例えば半透膜水蒸気交換物質を備えた調湿器により構成され、ガス中の水蒸気濃度に応じて、ガス中の水蒸気を物質内に取り込んだり、水蒸気をガス中に放出したりすることができる調湿機能を有している。ただし、調湿部8は、半透膜水蒸気交換物質を備えた構成に限らず、他の構成により調湿機能を実現するような調湿器により構成されていてもよい。
供給路4における調湿部8よりも上流側には、分岐部41が設けられており、当該分岐部41で供給路4からバイパス流路9が分岐している。分岐部41には、例えば三方弁からなる電磁弁SV5が設けられている。電磁弁SV5は切替部を構成しており、当該電磁弁SV5を制御することにより、ガスの流路を調湿部8側又はバイパス流路9側に切り替えることができるようになっている。ただし、切替部は、電磁弁SV5により構成されるものに限らず、他の構成によりガスの流路を調湿部8側又はバイパス流路9側に切り替えてもよい。
バイパス流路9は、供給路4における調湿部8よりも下流側に設けられた合流部42で供給路4に合流している。したがって、電磁弁SV5を制御して、ガスの流路をバイパス流路9側に切り替えることにより、調湿部8をバイパスさせて試料セル1にガスを供給することができるようになっている。
試料測定時には、試料ガス流路5から供給路4に供給される試料ガス、及び、基準ガス流路6から供給路4に供給される基準ガスが、それぞれ調湿部8側に導かれ、当該調湿部8において水蒸気濃度が調節された上で試料セル1内に供給される。一方、校正時には、試料ガス流路5から供給路4に供給される校正ガス(ゼロガス又はスパンガス)、及び、基準ガス流路6から供給路4に供給される校正ガス(ゼロガス)が、それぞれバイパス流路9側に導かれ、調湿部8を経由せずに試料セル1内に供給される。
試料セル1と光源2との間には、光源2からの赤外光を断続的に遮るためのセクタ10が設けられている。セクタ10は、モータなどの駆動部(図示せず)により回転位置が制御されるようになっている。検出器3は、その内部に測定対象成分を含むガスが封入されており、測定対象成分に固有の吸収波長の赤外光強度を内部の圧力変化により検出することができる。
検出器3における検出信号は、信号処理部11に入力される。信号処理部11では、試料ガスを試料セル1に供給したときの検出器3からの検出信号と、基準ガスを試料セル1に供給したときの検出器3からの検出信号とに基づいて、測定対象成分の濃度を測定するための処理が行われる。この測定結果は、例えば液晶表示器などにより構成される表示部12に表示させることができる。
本実施形態では、試料セル1と検出器3との間に、例えばガスフィルタにより構成されるフィルタ部100が設けられている。フィルタ部100は、内部にガスが封入された構成であり、試料セル1を透過した赤外光がフィルタ部100に入射し、当該フィルタ部100を透過して検出器3で検出されるようになっている。
試料セル1を透過した赤外光が、フィルタ部100を透過して検出器3で検出されることにより、試料ガス中の測定対象成分に対する干渉成分の波長を除去することができる。すなわち、干渉成分の波長をフィルタ部100で吸収することができるため、干渉成分による影響を低減させた状態で、測定対象成分の波長を検出器3で検出することができる。
図2Aは、フィルタ部100の構成例を示す断面図である。このフィルタ部100は、筒状の本体110内にガスを封入することにより構成されている。この例では、2つの干渉成分にそれぞれ対応するガスが、本体110内に設けられた2つの封入室111、112に個別に封入されている。
CO成分を測定対象成分とする場合には、例えばCO成分及びNO成分の2つを干渉成分とすることができる。この場合、一方の封入室111に、CO成分を含むガスを封入し、他方の封入室112に、NO成分を含むガスを封入することができる。本体110内において、各封入室111、112は、例えば複数の透明板113により区画されている。各透明板113は、フッ化カルシウムなどの幅広い透過波長域を有する材料により形成することができる。
各透明板113は、試料セル1を透過した赤外光の入射方向Dに対して直交方向に延びるように、互いに平行に設けられている。この例では、隣接する透明板113間の距離が一定ではなく、異なる距離に設定されることにより、各封入室111、112が異なる容積になるように形成されている。
本実施形態では、試料セル1を透過した赤外光が、各封入室111、112を透過するようになっているため、複数の干渉成分が混合されている場合と比較して、干渉特性が一定となりやすい。これにより、フィルタ部100としての機能を十分に発揮し、試料セル1を透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
特に、本実施形態では、試料セル1を透過した赤外光が、当該赤外光の入射方向Dに沿って1列で配置された各封入室111、112を順次に透過することとなる。これにより、各封入室111、112に封入されているガスに対応する干渉成分の波長が、試料セル1を透過した赤外光から順次に除去されるため、各干渉成分の波長を確実に除去することができる。したがって、より精度よく分析を行うことができる。
この例では、試料ガスに含まれる干渉成分であるCO成分及びNO成分は、CO成分の方が多く、NO成分の方が少ない。そして、これに対応するように、CO成分を含むガスが封入されている封入室111の方が、NO成分を含むガスが封入されている封入室112よりも容積が大きく設定されている。すなわち、試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど容積が大きく設定されている。
したがって、試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど多くの干渉成分を封入することができる。これにより、試料セル1を透過した赤外光から干渉成分の波長をより良好に除去することができるため、さらに精度よく分析を行うことができる。各封入室111の容積比は、各封入室111に対応する干渉成分の試料ガス中における含有量の比と略一致していてもよい。
この例における干渉成分であるCO成分及びNO成分の赤外線吸収波長域は、少なくとも一部の波長で重なっている。このように、複数の封入室111、112にそれぞれ対応する干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっていてもよい。この場合、分析の精度が低下しやすい干渉成分の組み合わせであっても、精度よく分析を行うことができる。
すなわち、複数の干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっている場合には、それらの複数の干渉成分を混合して封入したフィルタ部を用いると、干渉特性が一定となりにくく、分析の精度が低下しやすい。このような場合であっても、複数の干渉成分にそれぞれ対応するガスが複数の封入室111、112に個別に封入されたフィルタ部100を用いれば、試料セル1を透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
なお、複数の封入室111、112にそれぞれ対応する干渉成分は、赤外線吸収波長域が少なくとも一部の波長で重なるような構成に限らず、例えば互いに反応する成分、又は、互いに反応しやすい成分など、他の態様で分析の精度が低下しやすい干渉成分の組み合わせであってもよい。
図2Bは、フィルタ部100の別の構成例を示す断面図である。このフィルタ部100は、筒状の本体120内にガスを封入することにより構成されている。この例では、3つの干渉成分にそれぞれ対応するガスが、本体120内に設けられた3つの封入室121、122、123に個別に封入されている。
本体120内において、各封入室121、122、123は、例えば複数の透明板124により区画されている。各透明板124は、フッ化カルシウムなどの幅広い透過波長域を有する材料により形成することができる。
各透明板124は、試料セル1を透過した赤外光の入射方向Dに対して直交方向に延びるように、互いに平行に設けられている。これにより、試料セル1を透過した赤外光は、当該赤外光の入射方向Dに沿って1列で配置された各封入室121、122、123を順次に透過することとなる。この例では、隣接する透明板124間の距離が一定ではなく、異なる距離に設定されることにより、各封入室121、122、123が異なる容積になるように形成されている。
この場合、図2Aの例と同様に、試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど容積が大きく設定されていてもよい。また、複数の封入室121、122、123にそれぞれ対応する干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっていてもよい。
この図2Bのような構成を有するフィルタ部100においても、図2Aの場合と同様の効果を奏することができる。すなわち、複数の干渉成分にそれぞれ対応するガスを個別に封入するための封入室は、図2Aのように2つの封入室111、112に限らず、図2Bのように3つの封入室121、122、123であってもよいし、干渉成分の数に応じて4つ以上としてもよい。
なお、複数の封入室は、図2A及び図2Bの例のように、それぞれ異なる容積で形成された構成に限らず、例えば同一の容積で形成された構成であってもよい。また、各封入室を区画する透明板113、124は、試料セル1を透過した赤外光の入射方向Dに対して直交方向に延びるような構成に限らず、例えば少なくとも1つの透明板113、124が上記直交方向に対して傾斜した構成となっていてもよい。
以上の実施形態では、試料ガスが、排ガスである場合について説明した。この場合、排ガスに含まれる測定対象成分を分析する際に、その測定対象成分に対する干渉成分の波長をフィルタ部100により良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。したがって、排ガスの分析に好適な赤外線ガス分析装置を提供することができる。
特に、排ガスには多くのCO成分が含まれているため、試料ガスが排ガスである場合には、少なくともCO成分がフィルタ部100の1つの封入室に封入された構成とすることで、より精度よく分析を行うことができる。
また、上記のような赤外線ガス分析装置によれば、SO成分、NO成分、CO成分及びCO成分の少なくとも1つが測定対象成分として試料ガスに含まれている場合に、精度よく分析を行うことができる。上記の各成分は、赤外線吸収波長域が互いに近い領域に存在しているため、これらの成分の少なくとも1つが測定対象成分であり、残りの成分の少なくとも1つが干渉成分である場合には、測定対象成分と干渉成分との波長の干渉が生じやすく、分析の精度が低下しやすい。このような場合であっても、上記のような赤外線ガス分析装置によれば、試料セル1を透過した赤外光から干渉成分の波長を良好に除去することができるため、精度よく分析を行うことができる。
ただし、本発明に係る赤外線ガス分析装置は、排ガスに限らず、他の各種ガスを試料ガスとして分析を行うことができる。この場合、SO成分、NO成分、CO成分又はCO成分以外の成分を測定対象成分として含む試料ガスの分析に、本発明に係る赤外線ガス分析装置を適用することができる。
また、本発明に係る赤外線ガス分析装置は、調湿部8やバイパス流路9を備えた構成に限らず、これらを備えていない構成などであってもよい。さらに、基準ガス及び試料ガスを試料セル1内に交互に供給するような構成に限らず、例えば試料セルと基準セルとが個別に設けられ、試料セル内の試料ガスと、基準セル内の基準ガスとに、それぞれ赤外光を照射するような構成であってもよい。
図3は、効果確認試験の結果を示す図である。以下では、図3を参照しながら、図2Aのようなフィルタ部100を用いて、CO成分を測定対象成分として含む試料ガスの分析を行った場合の効果確認試験の結果について説明する。図3では、赤外線ガス分析装置(CO計)を用いて測定を行った結果として、試料ガスに含まれている実際のCO成分の濃度に対する測定された濃度の誤差(干渉値)を、干渉成分であるCO成分の濃度に対応付けて示している。
まず、測定対象成分であるCO成分に対する干渉成分として、CO成分及びNO成分を混合して封入したフィルタ部を用いた場合には、図3にL1で示すような測定結果となり、最大で−3ppmの誤差が生じた。
次に、図2Aに示すように、CO成分及びNO成分を異なる封入室111、112に個別に封入したフィルタ部100を用いた場合には、図3にL2で示すような測定結果となり、CO成分の濃度にかかわらず、±1ppmの範囲Aの誤差に収まった。
以上のような効果確認試験の結果から、図2Aのようなフィルタ部100を用いて分析を行うことにより、精度よく分析を行うことができることが分かる。この結果によれば、図2Bのようなフィルタ部100を用いて分析を行った場合も、同様の効果を奏することができるものと考えられる。
1 試料セル
2 光源
3 検出器
4 供給路
5 試料ガス流路
6 基準ガス流路
7 排気路
8 調湿部
9 バイパス流路
10 セクタ
11 信号処理部
12 表示部
41 分岐部
42 合流部
100 フィルタ部
110 本体
111、112 封入室
113 透明板
120 本体
121、122、123 封入室
124 透明板
SV1〜SV5 電磁弁

Claims (9)

  1. 試料ガスを試料セル内に供給し、前記試料セルに赤外光を照射することにより、前記試料セルを透過した赤外光の光量に基づいて分析を行う赤外線ガス分析装置であって、
    前記試料セルを透過した赤外光が入射し、試料ガス中の測定対象成分に対する干渉成分の波長を除去するためのフィルタ部と、
    前記フィルタ部を透過した赤外光を検出する検出器とを備え、
    前記フィルタ部には、複数の干渉成分にそれぞれ対応する異なるガスが個別に封入された複数の封入室が設けられており、前記試料セルを透過した赤外光が、前記複数の封入室を順次に透過することにより、各封入室に封入されているガスに対応する干渉成分の波長のみが各封入室内で除去されて前記検出器で検出されるようになっていることを特徴とする赤外線ガス分析装置。
  2. 前記複数の封入室が、前記試料セルを透過した赤外光の入射方向に沿って1列で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線ガス分析装置。
  3. 試料ガスに含まれる量が多い干渉成分に対応する封入室ほど容積が大きく設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線ガス分析装置。
  4. 前記複数の封入室にそれぞれ対応する干渉成分の赤外線吸収波長域が、少なくとも一部の波長で重なっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線ガス分析装置。
  5. 試料ガス中の測定対象成分には、SO成分、NO成分、CO成分及びCO成分の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の赤外線ガス分析装置。
  6. 試料ガスが、排ガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線ガス分析装置。
  7. 前記複数の封入室の容積比は、各封入室に対応する干渉成分の試料ガス中における含有量の比と略一致していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の赤外線ガス分析装置。
  8. 前記フィルタ部は、前記複数の封入室が内部に設けられた本体を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の赤外線ガス分析装置。
  9. 前記複数の封入室は、前記本体内に設けられた複数の透明板により区画されていることを特徴とする請求項8に記載の赤外線ガス分析装置。
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