JP6166118B2 - 圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこで液体吐出ヘッドを、マニホールドおよびマニホールドから複数の加圧室をそれぞれ介して繋がる吐出孔を有した流路部材と、加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有する圧電アクチュエータ基板とを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この圧電アクチュエータ基板は、圧電セラミック層とセラミック振動板とを積層したものであり、変位素子は、圧電アクチュエータ基板の内部にある共通電極と、圧電アクチュエータ基板の表面にある複数の個別電極とその間の圧電セラミック層とで構成されている。そして、圧電アクチュエータ基板の中央部に複数の変位素子が配置されている。
特開2003−305852号公報
特許文献1に記載されているような圧電アクチュエータ基板の圧電セラミック層における結晶粒径は、変位素子の特性、例えば、変位量や耐久性などを高くすることを主眼として設計していると考えられる。また、特許文献1には、圧電セラミック層の中で結晶粒子の大きさを変えることについて記載はなく、特許文献1の圧電アクチュエータ基板では、
結晶粒径は、圧電セラミック層の中の位置に依らずほぼ一定であると考えられる。
さらに、圧電アクチュエータ基板が外力により破壊される場合には、圧電アクチュエータ基板の周縁部が起点になることが多いが、周縁部の結晶粒径が、変位素子部の結晶粒径と同程度であると、周縁部の機械的強度が低く、圧電アクチュエータ基板が壊れやすいという問題があった。
したがって、本発明の目的は、破壊され難い圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータ基板は、圧電セラミック層と、該圧電セラミック層を挟むように配置されている一対の電極を複数含む圧電アクチュエータ基板であって、平面視したときに、前記圧電アクチュエータ基板には、前記圧電セラミック層と該圧電セラミック層を挟むように配置されている前記一対の電極とを含む変位素子が複数配置されている中央領域と、前記変位素子が配置されていない周縁領域とが存在し、前記周縁領域における前記圧電セラミック層の平均結晶粒径が、前記中央領域における前記圧電セラミック層の平均結晶粒径より小さいことを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、前記圧電アクチュエータ基板と、該圧電アクチュエータ基板に接着されており、液体を吐出する吐出孔を有する流路部材とを含むことを特徴とする。
本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記圧電アクチュエータ基板を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明の圧電アクチュエータ基板によれば、周縁領域では、結晶粒径が、中央領域における結晶粒径より小さいことにより機械的強度を高くできる。
本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータ基板の平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータ基板の部分平面図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。
図1は、本発明の一実施形態による液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体13を有している。ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の吐出孔8が設けられている。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が
供給される。各液体吐出ヘッド2の吐出孔8は、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙P搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体13から印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に本発明の液体吐出ヘッドを構成するヘッド本体13について説明する。図2は、図1に示されたヘッド本体13を示す上面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図であり、ヘッド本体13の一部である。図3では、説明のため、一部の流路を省略して描いている。図4は、図3と同じ位置の拡大平面図であり、図3とは別の一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき加圧室10(加圧室群9)、しぼり12および吐出孔8などを実線で描いている。図5は、圧電アクチュエータ基板21の部分平面図であり、圧電アクチュエータ基板21の約半分が示されている。他の半分は、図5で示した構造と略対称な構造をしている。図5でも同様に、共通電極用表面電極37や貫通孔38を実線で描いている。図6は、図3のV−V線に沿った縦断面図である。
ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に、接着して積層された圧電アクチュエータ基板21とを有している。圧電アクチュエータ基板21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータ基板21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータ基板21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータ基板21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータ基板21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータ基板21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータ基板21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータ基板21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に互いに隣接してヘッド本体13の長手方向に延在している。
流路部材4は、複数の加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの加圧室群9を有している。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの加圧室10によって形成された各加圧室群9は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接着されることで閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各加圧室列に含まれる加圧室10の数は、アクチュエータである変位素子50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。吐出孔8もこれと同様に配置されている。これによって、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のRの範囲に、各副マニホールド5aが繋がっている4つの吐出孔8、つまり全部で16個の吐出孔8が600dpiの等間隔になっている。また、各副マニホールド5aには平均すれば150dpiに相当する間隔で個別流路32が接続されている。これは、600dpi分の吐出孔8を4つ列の副マニホールド5aに分けて繋ぐ設計をする際に、各副マニホールド5aに繋がる個別流路32が等しい間隔で繋がるとは限らないため、マニホールド5aの延在方向、すなわち主走査方向に平均170μm(150dpiならば25.4mm/150=169μm間隔である)以下の間隔で個別流路32が形成されているということである。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10および後述のダミー加圧室に
対向する位置には後述する個別電極35あるいはダミー個別電極45がそれぞれ形成されている。すなわち、個別電極35およびは、圧電アクチュエータ基板21の上面に、第1の方向および第1の方向とは異なる方向に渡って形成されている。個別電極35およびダミー個別電極45は加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有しており、圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
流路部材4の下面の液体吐出面には多数の吐出孔8が形成されている。これらの吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔群7は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子50を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
以上の流路は、液滴の吐出に直接関係する流路であるが、流路部材4には、図では省略してあるダミー加圧室が設けられている。ダミー加圧室は、加圧室10が設けられている台形状の領域の周囲に一列形成されている。ダミー加圧室により、加圧室10のうちの最も外側にある加圧室10の周囲の流路部材4の剛性などが、他の加圧室10の状態と近くなるので、液体吐出特性のばらつきを少なくできる。ダミー加圧室の形状は加圧室と同じであるが、他の流路に繋がってはいない。ダミー加圧室の配置は、加圧室10のマトリクス状の配置を延長するように配置される。
ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体13は、図6に示されているように、加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介して副マニホールド5aと吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔である。この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホ
ールド5aの出口)から吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータ基板21は、図6に示されるように、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ10〜90μm程度で、圧電アクチュエータ基板21の全体の厚さは20〜100μmである。圧電セラミック層21aの厚さは、例えば、22μm、圧電セラミック層21bの厚さは、例えば18μmとされる。圧電アクチュエータ基板21は、流路部材4の加圧室10の開口している平面状の面に積層されており、圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、ニオブ酸カリウムナトリウム系、チタン酸ビスマスナトリウムや、その他のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる、内部電極である共通電極34、Au系などの金属材料からなる個別電極35、個別電極25の上に形成されているAg系などの金属材料からなる接続ランド36を有している。個別電極35だけをAg系の金属材料で形成してもよい。個別電極35は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10およびダミー加圧室と対向する位置に配置されている個別電極本体35aと、個別電極本体35aから加圧室10のない位置まで引き出されている接続電極35bとを含んでいる。Au系導体の形成する場合の個別電極35の厚さは、0.3〜1μmであり、Ag系導体の形成する場合の個別電極35の厚さは、1〜3μmである。接続電極35bには接続ランド36が形成されている。接続ランド36は例えばガラスフリットを含む銀からなり、厚さが5〜15μm程度で凸状に形成されている。また、接続ランド36には、必要に応じてさらに接続バンプを形成した上、図示されていないFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100からFPCを通じて駆動信号(駆動電圧)が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
なお、以上は、圧電アクチュエータ基板21が2層の圧電セラミック層の場合の構造であるが、3層以上の圧電セラミック層を積層して、個別電極35と共通電極34が交互になるように配置してもよい。
圧電アクチェエータ基板21には、個別電極35と共通電極34と、これらに挟まれている部分の圧電セラミック層21bとを含んでいる変位素子50が複数配置されている。平面視したとき、変位素子50は、圧電アクチェエータ基板21の中央領域21−1に配置されており、圧電アクチェエータ基板21の周縁領域21−には配置されていない。図5の境界線Eは、中央領域21−1と周縁領域21−との境界を示している。中央領域21−1は、すべての変位素子50包含し、かつ(凸多角形で)面積の小さくなる領域である。なお、図5に示されている、列A、B、C上にあるダミー個別電極45は、ダミーであり、これらは変位素子50を構成していない。一部のダミー個別電極45は、圧電アクチュエータ基板21の端にかかっていたり、共通電極用表面電極37などを形成するために、個別電極35と異なる形状になっている。また、ダミー個別電極45には、外部から駆動するための電気的配線が接続されていない。さらに、個別電極35の直下の圧電セラミック層21bが分極されているのに対して、ダミー個別電極45の直下の圧電セラミック層21bは分極されていない。
中央領域21−1内では、圧電セラミック層21bの結晶粒子の粒径は、少なくとも平面方向において、部位による粒径のばらつきが小さい状態にされ、平均結晶粒径は、部位によらずほぼ一定にされる。これは、変位素子50の変位特性などが、変位素子50の圧電アクチュエータ基板21内の位置によってばらつかないようにするためである。また、中央領域21−1における平均結晶粒径は、基本的に変位素子50の特性を高くするよう設計される。例えば、変位量が大きくしたり、駆動を繰り返した際の変位量の低下を小さくしたり、ショートなどによる破壊が生じ難いようにされる。具体的に好適な粒径は、組成により異なるが、PZT系の組成では、例えば平均結晶粒径を3.5〜4.5μmにするのが好ましい。なお、平均結晶粒径は、インターセプト法などにより測定することができる。インターセプト法は、例えば、圧電セラミック層21bの表面をSEM(scanning
electron microscope)などで撮影した画像を用いて、100個以上の結晶粒子を含む測定長さで測定し、1.5×L/n(n:長さL当たりの結晶粒子数、L:測定長さ)で算出すればよい。
圧電アクチュエータ基板21は、製造工程や使用中に外力を受けて、割れるなど、破壊されてしまうことがある。その際、圧電アクチュエータ基板21の端部が、破壊の起点となること多い。また、特に、流路部材4を積層した後には、熱膨張係数差により応力を受ける端部が破壊の起点となる。変位素子50の特性を向上するために設計された平均結晶粒径では、周縁領域21−の機械的強度が低くなるので、圧電アクチュエータ基板21が破壊され難くするために、周縁領域21−2の平均結晶粒径を、中央領域21−1の平均結晶粒径よりも小さくして、周縁領域21−2の機械的強度を大きくする。このために、周縁領域21−2は、中央領域21−1を取り囲み、圧電アクチュエータ基板21の外周の端部を含む領域となっている。このような構成は、外力によって破壊されやすい、厚さ100μmの圧電アクチュエータ基板21で特に有用である。
例えば、上述のPZT系の組成では、周縁領域21−2の平均結晶粒径を2.5〜3.5μmにするのが好ましい。これにより、中央領域21−1におけるリング曲げ強度48MPaに対して、周縁領域21−2におけるリング曲げ強度を53MPaと高くすることができ、圧電アクチュエータ基板21が、端部から破壊される可能性を低くできる。周縁領域21−2は、必ずしも全体の粒径が大きくなくてもよい。周縁領域21−2のうち、圧電アクチュエータ基板21の端部から100μm程度の範囲の平均結晶粒径が、中央領域21−1の平均化粧粒径より小さければよく、0.55〜0.85倍、好ましくは、0.65〜0.75倍にされる。
周縁領域21−2は、圧電アクチュエータ基板21の端部から幅0.5〜2mm程度とされる。周縁領域21−2の、圧電アクチュエータ基板21の端部側の平均結晶粒径は、上述のように中央領域21−1の平均結晶粒径と比較して小さくされる。周縁領域21−2の、中央領域21−1側の平均結晶粒径は、端部側と同様に中央領域21−1の平均結晶粒径と比較して小さくされてもよいし、中央領域21−1の平均結晶粒径と同程度の大きさでもよい。
また、圧電アクチュエータ基板21では、外部との電気的接続を、個別電極35(より正確には接続電極35b)と、共通電極用表面電極37とで行なっている。共通電極37の一部は、圧電セラミック層21bを貫通している貫通孔38の中に入り込んで貫通電極となっており、貫通孔38の下部で、共通電極用表面電極(貫通電極)37と共通電極34とは電気的に接続されている。貫通孔38の直径は50〜200μm程度である。
貫通孔38中の貫通電極を周縁領域21−2に配置することで、貫通電極が接合している圧電セラミック層21bの強度が強くなり、貫通電極の接合強度が強くなるので、外部から、共通電極用表面電極37に応力が加わっても、接続が破壊され難い。共通電極用表面電極37を周縁領域21−2に配置することで、同様にして、共通電極用表面電極37の接合強度を強くできる。この場合、周縁領域21−2における、貫通電極あるいは共通電極用表面電極37の配置されている部位の平均結晶粒径は、中央領域21−1の平均結晶粒径より小さくされる。
上述の構成は、別の表現をすれば、変位素子50を構成する複数の一対の電極が、圧電セラミック層21bの一方の主面に配置されている複数の個別電極35と、圧電セラミック層21bの他方の主面に、複数の個別電極35と対向するように配置されている共通電極34とによって構成されており、周縁領域21−2に、圧電セラミック層21bを貫通していて、共通電極34と電気的に接続している貫通電極および共通電極用表面電極37を備えているということである。
図6に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには厚み方向に分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータ基板21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータ基板21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する吐出孔8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および吐出孔8に対応する個別の変位素子50(アクチュエータ)に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図6に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって吐出孔8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極35は、個別に電位を制御することができるように、それぞれがFPC上のコンタクトおよび配線を介して、個別にアクチュエータ制御手段に電気的に接続されている。
本実施形態における圧電アクチュエータ基板21の液体吐出時の駆動方法の一例を、個別電極35に供給される駆動電圧(駆動信号)に関して説明する。個別電極35を共通電極34と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この時圧電セラミック層21bは、その厚み方向すなわち積層方向に伸長または収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮または伸長しようとする。一方、残りの圧電セラミック層21aは、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域を持たない非活性層であるので、自発的に変形しない。つまり、圧電アクチュエータ基板21は、上側(つまり、加圧室10とは離れた側)の圧電セラミック層21bを、活性部を含む層とし、かつ下側(つまり、加圧室10に近い側)の圧電セラミック層21aを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
この構成において、電界と分極とが同方向となるように、アクチュエータ制御部により個別電極35を共通電極34に対して正または負の所定電位とすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、加圧室10内において圧力波がマニホールド5から吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。
これによると、加圧室10内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
以上のような液体吐出ヘッド2は、例えば、以下のようにして作製する。ロールコータ法、スリットコーター法などの一般的なテープ成形法により、圧電性セラミック粉末と有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21a、21bとなる複数のグリーンシートを作製する。グリーンシートの一部には、貫通孔38となる孔を、パンチングやレーザーで開ける。また、グリーンシートの一部には、その表面に共通電極34となる電極ペーストを印刷等により形成する。
ついで、各グリーンシートを積層して積層体を作製し、加圧密着を行なう。この際、共通電極34の積層方向における位置が、圧電アクチュエータ基板21となった際に、個別電極35が配置されている側の主面に近くなるように、グリーンシートの厚さを調整する。例えば、焼成後の圧電セラミック層21aの厚さを22μm、圧電セラミック層21bの厚さを18μmとする。これにより、共通電極34の積層方向における位置は、積層厚さの中央よりも個別電極35が配置されている側の主面に近い側に配置される。
ついで、この積層体を、個別電極35が形成される側の主面を上にして、ジルコニアなどを主成分とするセラミック製の焼成治具の上に置いて、高濃度酸素雰囲気下、例えば1050℃で同時焼成して、圧電アクチュエータ素体を作製する。焼成において、金、銀、銅などを主成分とする共通電極34は、圧電セラミック層21a、21bと比較して、低い温度で焼結する。共通電極34が焼結し、ほぼ一体的な構造物となった後、より高温で圧電セラミック層21a、21bが焼成収縮する。この際、共通電極34の積層方向の位置が、中央より上に位置しているため、中央より上で、積層体の焼成収縮が拘束され、圧電アクチュエータ素体は、端部が下側に下がるように変形する。この状態で焼成が進むため、熱容量の大きな焼成時治具に接している端部付近は、圧電アクチュエータ素体の中央部分と比較して、温度上昇が遅くなり、焼結が進み難くなる。これにより、中央領域21−1と比較して、周縁領域21−2では結晶粒径が小さくなる。なお、圧電アクチュエータ基板21の厚さが厚くなると、圧電アクチュエータ基板21の下面が焼成治具に接している影響が、圧電アクチュエータ基板21の上面(個別電極35が配置されている面)に
までおよび易いように、圧電アクチュエータ基板21の厚さは100μm以下であることが好ましい。
その後、Agペーストを用いて圧電アクチュエータ素体の表面に個別電極35および共通電極用表面電極37を印刷した後、圧電アクチュエータ素体の焼成温度より低い、例えば650℃で焼成する。印刷の際、Agペーストの一部は、貫通孔38に入り込んでおり、焼成により、電極用表面電極37は、貫通孔38に入り込んだ部位を通じて共通電極34と電気的に接続される。なお、焼成の際、Agペーストをグリーンシートの積層体と別焼成することにより、Agペーストの焼成収縮により、圧電アクチュエータ基板21は、端部が上側に上がるように変形する。このようにすることで、積層体焼成時の下側への変形と、Agペースト焼成時の上側への変形とは相殺され、最終的な圧電アクチュエータ基板21のそりを小さくできる。
次に、流路部材4を、圧延法等により得られプレート22〜31を、接着層を介して積層して作製する。プレート22〜31に、マニホールド5、個別供給流路6、加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工する。
これらプレート22〜31は、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ基板21や流路部材4への影響を及ぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを加熱接合することができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・マニホールドの開口
6・・・個別供給流路
8・・・吐出孔
9・・・加圧室群
10・・・加圧室
11a、b、c、d・・・加圧室列
12・・・しぼり
13・・・液体吐出ヘッド本体
15a、b、c、d・・・吐出孔列
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(セラミック振動板)
21b・・・圧電セラミック層
21−1・・・(圧電アクチュエータ基板の)中央領域
21−2・・・(圧電アクチュエータ基板の)周縁領域
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極(内部電極)
34a・・・(共通電極のうち、貫通孔周囲の厚さの)厚い部位
35・・・個別電極
35a・・・個別電極本体
35b・・・接続電極
36・・・接続ランド
37・・・共通電極用表面電極
38・・・貫通孔
45・・・ダミー個別電極
46・・・ダミー接続ランド
50・・・加圧部(変位素子)
E・・・(圧電アクチュエータ基板の中央領域と周縁領域の)境界線

Claims (6)

  1. 圧電セラミック層と、該圧電セラミック層を挟むように配置されている複数対の電極とを含む圧電アクチュエータ基板であって、
    該圧電アクチュエータ基板は、前記複数対の電極のうちの一対の電極と、前記圧電セラミック層における前記一対の電極で挟まれた部分と、で構成された変位素子を複数有しており、
    平面視したときに、
    前記圧電アクチュエータ基板には、前記変位素子が複数配置されている1つの中央領域と、該中央領域を取り囲むように配置されており前記変位素子が配置されていない1つの周縁領域とが存在し、
    前記周縁領域における前記圧電セラミック層の平均結晶粒径が、前記中央領域における前記圧電セラミック層の平均結晶粒径より小さいことを特徴とする圧電アクチュエータ基板。
  2. 複数対の電極が、前記圧電セラミック層の一方の主面に配置されている複数の個別電極と、前記圧電セラミック層の他方の主面に、前記複数の個別電極と対向するように配置されている共通電極とによって構成されており、
    前記周縁領域に、前記圧電セラミック層を貫通し、前記共通電極と電気的に接続している貫通電極を備えていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ基板。
  3. 前記圧電アクチュエータ基板の厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電アクチュエータ基板。
  4. 前記圧電セラミック層の前記共通電極側の主面に、他の圧電セラミック層が積層されて圧電セラミック積層体を構成しており、
    該記圧電セラミック積層体は、同時焼成されており、前記共通電極は、前記圧電セラミック積層体の積層方向において、前記複数の個別電極が配置されている一方の主面の反対側の主面より、前記一方の主面に近い位置に配置されており、
    前記複数の個別電極は、前記圧電セラミック積層体とは別に焼成されて、焼き付けられていることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ基板と、該圧電アクチュエータ基板に接着されており、液体を吐出する吐出孔を有する流路部材とを含むことを特徴とする
    液体吐出ヘッド。
  6. 請求項5に記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記圧電アクチュエータ基板を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
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