JP2013193419A - 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013193419A
JP2013193419A JP2012065673A JP2012065673A JP2013193419A JP 2013193419 A JP2013193419 A JP 2013193419A JP 2012065673 A JP2012065673 A JP 2012065673A JP 2012065673 A JP2012065673 A JP 2012065673A JP 2013193419 A JP2013193419 A JP 2013193419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reservoir
liquid
flow path
channel
discharge head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012065673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5893977B2 (ja
Inventor
Kazuya Yoshimura
和也 芳村
Yuji Tamura
裕司 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2012065673A priority Critical patent/JP5893977B2/ja
Publication of JP2013193419A publication Critical patent/JP2013193419A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5893977B2 publication Critical patent/JP5893977B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2002/14306Flow passage between manifold and chamber

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】長手方向の重量バランスのよい液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供する。
【解決手段】複数の吐出孔および複数の加圧室を備えている一方方向に長い流路部材4と、流路部材4に接合されており、複数の加圧室の中の前記液体をそれぞれ加圧する複数の加圧部と、流路部材4に接合されており、複数の加圧室に前記液体を供給するリザーバ流路42を備えている前記一方方向に長いリザーバとを備えており、リザーバにおける、前記一方方向の中央から一端部まで、および前記中央から他端部までのうち、リザーバ流路42の体積の少ない側に質量調整空間41a−4が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液滴を吐出させる液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
液体吐出ヘッドとしては、吐出孔を備えている流路部材と吐出孔から液体が吐出できるように圧力を加える圧電アクチュエータとを備える液体吐出ヘッド本体以外に、液体吐出ヘッド本体に安定して液体を供給できるように、一時的に液体を蓄えておくリザーバを備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。このリザーバでは、一方方向に長いリザーバに片側にリザーバ流路が設けられている。
特開2005−169839号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ヘッドの重量バランスが悪く、これにより、液体吐出ヘッドをプリンタ取り付け後に、取り付け精度が悪くなることがあった。より具体的には、複数の液体吐出ヘッドを用いるプリンタで、一方の側が重くなることで、液体吐出ヘッドがわずかに傾いて、印刷精度を悪くなることがあった。また、シリアルプリンタにおいて、液体吐出ヘッドを動かす際に、重量の左右差によって、動きにわずかなずれが生じて、印刷精度が悪くなることがあった。
したがって、本発明の目的は、長手方向の重量バランスのよい液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供することにある。
本発明の液体吐出ヘッドは、複数の吐出孔および該複数の吐出孔とそれぞれ繋がっている複数の加圧室を備えている一方方向に長い流路部材と、該流路部材に接合されており、前記複数の加圧室の中の前記液体をそれぞれ加圧する複数の加圧部と、前記流路部材に接合されており、前記複数の加圧室に前記液体を供給するリザーバ流路を備えている前記一方方向に長いリザーバとを備えており、前記リザーバにおける、前記一方方向の中央から一端部まで、および前記中央から他端部までのうち、前記リザーバ流路の体積の少ない側に質量調整空間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記複数の加圧部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの長手方向における質量の差が少なくなるので、取り付け精度や、液体吐出ヘッドを移動させる際の移動精度が、悪くなり難い。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドの部分縦断面図である。 (a)は、図2の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータの平面図であり、(b)は、液体吐出ヘッドを構成する分岐流路部材の平面図であり、(c)は、液体吐出ヘッドを構成するリザーバ本体を構成する部材の平面図であり、(d)は、(c)のX−X線に沿った縦断面図であり、(e)は、本発明の他の液体吐出ヘッドを構成する部材の(d)と同一部分の縦断面図である。 図3(a)の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3(a)の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図5のV−V線に沿った縦断面図である。
図1は、本発明の一実施形態による液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、液体吐出ヘッド2を有している。液体吐出ヘッド2は、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置
されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aの下面は、液体を吐出する多数の吐出孔が設けられている吐出孔面4−1となっている。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた吐出孔からは、2色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。液体吐出ヘッド2の各色を吐出する吐出孔は、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、各色を一方方向に隙間なく印刷することができる。液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、例えば、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)のうちの2色である。液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aの下面の吐出孔面4−1と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体2aから印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りロ
ーラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に、本発明の液体吐出ヘッド2について説明する。
図2は液体吐出ヘッド2の長手方向に沿った方向の縦断面図である。ただし、リザーバ40よりも上方に位置するもの、および流路部材4の内部の流路は、一部省略してある。図3(a)は、図2の液体吐出ヘッド2を構成する流路部材4および圧電アクチュエータ21の平面図であり、(b)は、液体吐出ヘッド2を構成する分岐流路部材51の平面図であり、(c)は、液体吐出ヘッド2を構成するリザーバ本体40を構成する流路構造体41aの平面図であり、(d)は、(c)のX−X線に沿った縦断面図であり、(e)は、本発明の他の液体吐出ヘッドを構成する流路構造体241aの(d)と同一部分の縦断面図である。
図4は、図2(a)の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。図5は、図2(a)の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため図4とは異なる一部の流路を省略した図である。なお、図4および図5において、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべきマニホールド5、吐出孔8、加圧室10を実線で描いている。図6は図5のV−V線に沿った縦断面図である。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aとリザーバ40とを含んでいる。液体吐出ヘッド2には、さらに金属製の筐体90を取り付けてもよい。また。ヘッド本体2aは、流路部材4と、変位素子(加圧部)30が作り込まれている圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。さらに、リザーバ40は、リザーバ本体41と分岐流路部材51とを含んでいる。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、共通流路であるマニホールド5と、マニホールド5と繋がっている複数の加圧室10と、複数の加圧室10とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔8とを備え、加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面にはマニホールド5と繋がる開口5aを有し、この開口5aより液体が供給されるようになっている。
また、流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30が加圧室10上に位置するように設けられている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部が接続されている。
リザーバ40は、リザーバ流路42が形成されているリザーバ本体41と分岐流路52
が形成された分岐流路部材51とが接合されて構成されている。リザーバ流路42の供給孔42aは外部に向けて開口しており、外部から供給された液体は、リザーバ流路42の供給孔42aから分岐流路の流出孔を通って流路部材4のマニホール5に供給される。詳細には、外部から順に、リザーバ流路42には、リザーバ42の長手方向の一端部から他端部まで延在する導入流路、導入流路に繋がっており、リザーバ42の長手方向の中央部から一端部まで延在し、途中にフィルタ48が設けられているフィルタ流路と、リザーバ40の長手方向の一端部から他端部まで延在するとともに、長手方向の中央部でフィルタ流路に繋がっており、長手方向の一端部および他端部で共通流路に繋がっている分岐流路52とを備えている。
このような流路構成をしていることにより、最初に液体を入れるときなどに、フィルタ流路がある側のリザーバ流路の供給孔42aから液体を入れ、一部を流路部材4へ向かわせるとともに、一部をフィルタ流路と反対側のリザーバ流路の供給孔42aから外へ出すことで、液体に混ざっていることにある気泡が流路部材4に入り込むのを抑制しつつ、効率よく液体を入れることができる。これは、液体は主に、フィルタ流路の、リザーバ流路の供給孔42a側でフィルタ48を通り、リザーバ40の中央部にある分岐流路の供給孔52aへ向かうので、分岐流路の供給孔52aの上方のフィルタ流路のフィルタ48付近における液体の流れが、主に下から上に(フィルタ流路から導入流路に)向かう方向となるためである。なお、印刷時には、液体はどちらか一方から供給され、他方は不図示のプリンタの機構によって閉じるようにする。そのようにするとリザーバ流路42内の液体は、液体が供給される方のリザーバ流路42の供給孔42aから中央の分岐流路の供給孔52aまでの流れが主になり、閉じられている方の側ではあまり液体は流動しない。
一方、このような構成にすると、液体吐出ヘッド2において、長手方向において、フィルタ流路が設けられた側に空隙が多くなり、軽くなる。重量バランスが悪いと、液体吐出ヘッド2をプリンタに取り付けた後に、取り付け精度が悪くなったり、シリアルプリンタなので、液体吐出ヘッド2を移動させた使用する場合などに、動きに左右の差などが生じるおそれがある。その際、フィルタ流路とは反対側に質量調整空間41a−4を設けることで、質量の左右差を少なくすることができる。質量調整空間41a−4は、上述のリザーバ流路42の構成に限られず、リザーバ40の長手方向の中央から一端部まで、および中央から他端部までのうち、リザーバ流路42の体積の少ない側に設ければよい。
また、質量調整空間41a−4およびリザーバ流路42とは、熱伝導が低くため、それらに囲まれた、リザーバ42の部位を、熱伝導部41a−3とすることができる。熱伝導部41a−3を長手方向に沿って設ければ、熱伝導部41a−3では熱が主に長方向に伝わるので、液体吐出ヘッド2の左右の温度差を少なくできる。これにより、液体の粘度や加圧部30に温度依存性がある場合でも、吐出特性のばらつきを小さくできる。
より詳細には、リザーバ40と流路部材4とを接合している接合方向から見た場合、すなわち平板状のリザーバの40の平面視において、熱伝導部41a−3と、リザーバ40の短手方向の外壁の間にはリザーバ流路42か質量調整空間41a−4が存在する。リザーバ流路42を満たす水なので液体および質量調整空間41a−4内の気体は、金属などで構成される熱伝導部41a−3より熱伝導率が低いので、リザーバ流路42は、熱伝導部41a−3から短手方向の外壁に熱が伝わり外部に逃げていくのを抑制する断熱部として作用し、熱が長手方向に伝わり易くなる。
リザーバ40にヒータを取り付けて40〜60℃程度に加熱して使用する場合、長手方向の両端部からの熱の放散があるので、ヒータをリザーバ40の主面のほぼ全体に取り付けたとしても、液体吐出ヘッド2の両端の温度が中央の温度よりも低く成り易い。熱伝導部41a−3が存在しない場合、例えば、長手方向において2〜5℃程度の温度差が生じ
ることがあるが、液体の粘度や変位素子30の変位特性は、ある程度温度により変わるため、温度差により吐出性がばらつくことがある。熱伝導部41a−3に存在することにより、他の構造にもよるが、例えば、長手方向の温度差が1℃程度あるいは、それ以下にすることができる。
熱伝導部41a−3を、短手方向の中央部に設ければ、短手方向の温度差も少なくすることができる。ここで、熱伝導部41a−3を、短手方向の中央部に設けるとは、熱伝導部41a−3が、短手方向の中央の短手方向の幅の1/2の領域(すなわち、短手方向の端から1/4〜3/4までの領域)と重なっていることを指し、中央の幅の1/4の領域(すなわち、短手方向の端から3/8〜5/8までの領域)と重なっていることが好ましい。
リザーバ流路42を複数設ける場合には、図3(e)に示すように、複数のリザーバ流路42に重なって、覆うように設けることで、左右の質量差をさらに少なくすることができる。
リザーバ本体41は、リザーバプレートを積層して構成されている。具体的には、流路構造体41aと平板状のプレート41b、dと、ダンパプレート41cとが積層されて構成されている。流路構造体41aは厚さが5〜10mm程度とされており、平板状のプレート41b、d、ダンパプレート41cの3層は全体で0.5〜2mm程度の厚さとされている。
さらに、流路構造体41aは金属や樹脂あるいはセラミックスにより形成することができるが、樹脂製であることが好ましく、これにより複雑な形状であっても安価に作製できる。また、プレート40b、dは、樹脂や金属により形成することができるが、樹脂により形成することで、安価にできるとともに、リザーバ本体40aとの間に膨張係数差が生じないので好ましい。
リザーバ流路42の内壁の一部は弾性変形可能な材質のダンパプレート41cで構成されたダンパ46になっている。ダンパ46のリザーバ流路42と反対の面が面する方向に変形できるようになっているため、ダンパ46は弾性変形することでリザーバ流路42の体積を変化させることができ、液体吐出量が急激に多くなった場合などに、安定して液体が供給できるようになる。ダンパプレート41cの材質は、例えば、樹脂や金属であり、厚みは5〜30μm程度にされる。
本実施形態では、リザーバ流路42は長手方向に沿って独立して、2本設けられている。詳細は後述するが、これにより、1つの液体吐出ヘッド2から2色のインクを吐出できる。
分岐流路部材51には、分岐流路52が設けられており、分岐流路52の中央の供給孔52aは、リザーバ本体41の中のリザーバ流路42と繋がっている。分岐流路52は、途中で分岐して、流路部材4の中のマニホールド5の開口5aと繋がっている。
分岐流路52を設けて、マニホールド5の両端から流路部材4へ液体を供給することにより、液体の供給不足が起り難くできる。また、マニホールド5の一端から供給する場合と比較して、マニホールド5を液体が流れる際に生じる圧力損失の差を約半分にできるため、液体吐出特性のばらつきを少なくできる。さらに、圧力損失の差を少なくするために、マニホールド5の中央付近で供給したり、マニホールド5の途中の数か所から供給することも考えられるが、そのような構造では液体吐出ヘッド2の幅が大きくなり、吐出孔8の配置の幅方向への広がりも大きくなってしまう。そうなると、液体吐出ヘッド2をプリ
ンタ1に取り付ける角度のずれが印刷結果に与える影響が大きくなるので好ましくない。複数の液体吐出ヘッド2を用いて印刷する場合においても、複数の液体吐出ヘッド2の全体の吐出孔8が配置されている面積が広がるので、複数の液体吐出ヘッド2の相対的な位置の精度が印刷結果に与える影響が大きくなるので好ましくない。そのため、液体吐出ヘッド2の幅を小さくしつつ、圧力損失の差を少なくするためには、マニホールド5の両端から供給するのが好ましい。なお、分岐流路52を設けず、リザーバ流路42とマニホールド5の開口5aとを直接繋げてもよい。
また、圧力損失を少なくするため、平面視した際の、分岐流路52の長手方向の両方の端の位置と、マニホールド5の両方の端の位置とを同じにしておき、分岐流路52の両方の端からマニホールド5の両方の端へは、直線的に下方に向かう流路で繋ぐことが好ましい。
分岐流路52の供給孔52aは、長手方向の中央部に形成されているため、複数の部分で繋がるマニホールド5までの流路長を比較的近くすることができるので、液体の供給を安定化させることができる。
分岐流路部材51の流路部材4に接合されている長尺形状の両端の間に凹部が設けられており、圧電アクチュエータ基板21が収められている。このような構造であるため、圧電アクチュエータ基板21として、幅が流路部材4の80%以上、長さがマニホールドの開口5a間の80%以上、変位素子30を構成する個別電極25が4インチにわたって形成されている非常に大きなものを用いることができる。これにより、接合する圧電アクチュエータ基板21の数を少なくできるので、工程を簡略化できるとともに、複数の圧電アクチュエータ基板21を用いる際に生じる圧電アクチュエータ基板21間の変位素子30のばらつきがなくなるため、吐出ばらつきを低減できる。
分岐流路部材51は複数の長方形状のプレート51a〜51cを積層して構成されている。分岐流路52は、分岐流路52の供給孔52aの直下で長手方向の一方および他方に分岐し、長手方向の端近くで下側に向かい、分岐流路52の流出孔52bで流路部材4のマニホールド5の開口5aに繋がる。分岐した後の分岐流路52は、マニホールド5までの流路長はそれぞれ略等しくなっている。これにより、外部から供給される液体の温度変動や圧力変動が、マニホールド5との複数の連結部に、少ない時間差で伝わるため、液体吐出ヘッド2内の液滴の吐出特性のバラツキをより少なくできる。なお、ここで言う略等しいとは、最も長い流路長に対して、最も短い流路長が80%以上であることであり、90%以上であるとより好ましい。また、分岐流路52は、それぞれの長さが略等しいだけでなく、断面積も略等しいことが好ましい。ここで断面積が略等しいとは、分岐流路52の液体導入孔60bから同じ流路長である場所での、流路の断面積の差が20%以下であることであり、10%以下であるとより好ましい。
ヘッド本体2aは、平板状の流路部材4と、流路部材4上に、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21を1つ有している。圧電アクチュエータ基板21の平面形状は長方形状であり、その長方形の長辺が流路部材4の長手方向に沿うように流路部材4の上面に配置されている。
流路部材4の内部には4つのマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延びる細長い形状を有しており、その両端において、流路部材4の上面にマニホールド5の開口5aが形成されている。本実施例においては、マニホールド5は独立して4本設けられており、それぞれ開口5aにおいて分岐流路52に繋がっている。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室10は流路部材4の上面である加圧室面4−2に開口している。
加圧室10は1つのマニホールド5と個別供給流路14を介して繋がっている。1つのマニホールド5に沿うようにして、このマニホールド5に繋がっている加圧室10の列である加圧室列11が、マニホールド5の両側に2列ずつ、合計4列設けられている。したがって、全体では16列の加圧室列11が設けられている。各加圧室列11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、37.5dpiの間隔となっている。なお、各加圧室列11の端の加圧室10は、ダミーとなっており、マニホールド5とは繋がっていない。このダミーにより、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなることで、液体吐出特性の差を少なくできる。
各加圧室列11の加圧室10は、隣接する圧室列11の間に角部が位置するように千鳥状に配置されている。1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10により加圧室群が構成されており、加圧室群は4つある。各加圧室群内における加圧室10の相対的な配置は同じになっており、各加圧室群は長手方向にわずかにずれて配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に、加圧室群間などの少し間隔が広くなって部分はあるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。つまり、これらの加圧室10によって形成された加圧室群9は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出面4−1に開口している吐出孔8に繋がるディセンダが伸びている。ディセンダは、平面視において、加圧室の対角線を延長する方向に伸びている。つまり、長手方向の吐出孔8の配置と加圧室10配置は同じになっている。各加圧室列11において、加圧室10は37.5dpiの間隔で並んでおり、1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は全体として、長手方向に150dpiの間隔になっている。さらに、4つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、長手方向に600dpiに相当する間隔でずれて配置されているため、液体加圧室10は全体で長手方向に600dpiの間隔で形成されている。前述のように、吐出孔8の長手方向の配置は液体加圧室10と同じになっているので、吐出孔8の長手方向の間隔も600dpiになっている。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図6に示した仮想直線のRの範囲に、各マニホールド5に繋がっている4つの吐出孔8、つまり全部で16個の吐出孔8が、600dpiの等間隔となっているということである。これにより、全てのマニホールド5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つのマニホールド5に繋がっている4つの吐出孔8は、仮想直線のRの範囲で150dpiの等間隔になっている。これにより、2つのマニホールド5のそれぞれに異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に300dpiの解像度で2色の画像が形成可能となる。この場合さらに、2つの液体吐出ヘッド2を用いれば、300dpiの4色の画像が印刷できる。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように
、個別電極列および個別電極群を構成している。また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極24と電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。共通電極用表面電極28は、信号伝達部の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)において接続され、共通電極用表面電極28およびその上に形成される共通電極用接続電極が、引出電極25bおよびその上に形成される接続電極26よりも面積が大きいため、信号伝達部が端からはがれ難くできる。
また、吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、カバープレート4hおよびノズルプレート4iである。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5を構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体2aは、加圧室10は流路部材4の上面に、マニホールド5は内部の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路12を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介してマニホールド5と吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端からマニホールド5へと繋がる個別供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート4c(詳細にはマニホールド5の出口)までの各プレートに形成されている。なお、この個別供給流路14には、アパーチャプレート4cに形成されている、流路の断面積が小さくなっている部位であるしぼり6が含まれている。
第3に、加圧室10の他端から吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート4i(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、マニホールド5を構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート4e〜gに形成されている。
第1〜4の連通孔が相互に繋がり、マニホールド5からの液体の流入口(マニホールド5の出口)から吐出孔8に至る個別流路12を構成している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14に入りを通り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室
10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8へと進む。
分岐流路部材51も、流路部材4と同様には圧延法等により得られプレート51a〜cに、エッチングや研削により所定の形状に加工される。プレート51a〜cの厚さは、例えば0.3〜3m程度である。
圧電アクチュエータ基板21は、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびとAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。個別電極25は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体25aそこから引き出された引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出され部分には接続電極26が形成されている。接続電極26は例えばガラスフリットを含む銀−パラジウムからなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極26は、信号伝達部に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極25には、制御部100から信号伝達部を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。ダミー接続電極27は、圧電アクチュエータ基板21と信号伝達部とを接続し、接続強度を高めるとともに、圧電アクチュエータ基板21上で接続される部分の分布を均一化し、接続する際に、接続が安定してできる。
共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内の全ての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24の厚さは2μm程度である。共通電極24は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極28に、圧電セラミック層21bに形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極28は、多数の個別電極25と同様に、信号伝達部上の別の電極と接続されている。
なお、後述のように、個別電極25に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極25に対応する加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路12を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子30に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする圧電アクチュエータである変位素子30が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極24、圧電セラミック層21b、個別電極25により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には加圧部である変位素子30が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pl(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極25は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部および配線を介して、個別に制御部100に電気的に接続されている。個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部100により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極25を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極25に供給することになる。このパルス幅は、圧力波がしぼり6から吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、加圧室10内
部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出孔8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出孔8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり、好ましい。
なお、本実施例では、加圧部として圧電変形を用いた変位素子30を示したが、これに限られるものでなく、加圧室10中の液体を加圧できるものなら他のものでよく、例えば、加圧室10中の液体を加熱して沸騰させて圧力を生じさせるものや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたものでも良い。
以上のような液体吐出ヘッド2は、例えば、以下のようにして作製する。ロールコータ法、スリットコーター法などの一般的なテープ成形法により、圧電性セラミック粉末と有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21a、21bとなる複数のグリーンシートを作製する。グリーンシートの一部には、その表面に共通電極24となる電極ペーストを印刷法等により形成する。また、必要に応じてグリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を充填する。
ついで、各グリーンシートを積層して積層体を作製し、加圧密着を行なう。加圧密着後
の積層体を高濃度酸素雰囲気下で焼成し、その後有機金ペーストを用いて焼成体表面に個別電極25を印刷して、焼成した後、Agペーストを用いて接続電極26を印刷し、焼成することにより、圧電アクチュエータ基板21を作製する。
次に、流路部材4を、圧延法等により得られ4a〜iを接着層を介して積層して作製する。プレート4a〜iに、マニホールド5、個別供給流路14、加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工する。
これらプレート4a〜iは、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
リザーバ40は、リザーバ本体41を構成する射出成形したリザーバ本体の流路構造体41a、金属にさまざまな孔を開けたプレート41b、d、およびダンパプレート41cと、積層接着分岐流路部材51を構成する、金属にさまざまな孔を開けたプレート51a〜cを積層接着し、フィルタ48を貼り付けて作製した。
圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とは、例えば接着層を介して積層接着することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ基板21や流路部材4への影響をおよぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを加熱接合することができる。
続いて、リザーバ40と流路部材4とを接着して、液体吐出ヘッド2を作製することができる。接着層としては、周知のものを使用することができるが、圧電アクチュエータ基板21や流路部材4への影響をおよぼさないために、熱硬化温度が100〜150℃のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いるのがよい。このような接着層を用いて熱硬化温度にまで加熱することによって、分岐流路部材51と流路部材4とを加熱接合することができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜i・・・(流路部材の)プレート
4−1・・・吐出孔面
4−2・・・加圧室面
5・・・マニホールド(共通流路)
5a・・・開口
6・・・しぼり
8・・・吐出孔
9・・・吐出孔列
10・・・加圧室
11・・・加圧室列
12・・・個別流路
14・・・個別供給流路
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a・・・個別電極本体
25b・・・引出電極
26・・・接続電極
27・・・ダミー接続電極
28・・・共通電極用表面電極
30・・・変位素子(加圧部)
40・・・リザーバ
41・・・リザーバ本体
41a、241a・・・流路構造体
41a−3、241a−3・・・熱伝導部
41a−4、241a−4・・・質量調整空間
41b、d・・・(リザーバ本体の)プレート
41c・・・ダンパプレート
41c−1
42・・・リザーバ流路
42a・・・リザーバ流路の供給孔
44・・・貫通孔
46・・・ダンパ
48・・・フィルタ
51・・・分岐流路部材
51a〜c・・・(分岐流路部材の)プレート
52・・・分岐流路
52a・・・分岐流路の供給孔
52b・・・分岐流路の流出孔

Claims (3)

  1. 複数の吐出孔および該複数の吐出孔とそれぞれ繋がっている複数の加圧室を備えている一方方向に長い流路部材と、
    該流路部材に接合されており、前記複数の加圧室の中の前記液体をそれぞれ加圧する複数の加圧部と、
    前記流路部材に接合されており、前記複数の加圧室に前記液体を供給するリザーバ流路を備えている前記一方方向に長いリザーバと
    を備えており、
    前記リザーバにおける、前記一方方向の中央から一端部まで、および前記中央から他端部までのうち、前記リザーバ流路の体積の少ない側に質量調整空間が設けられていることを特徴とする前記液体吐出ヘッド。
  2. 前記流路部材は、前記複数の加圧室に前記液体を供給する、前記一方方向の一端部から他端部まで延在している共通流路を備えており、
    前記リザーバは、リザーバ流路となる孔が開口しているリザーバプレートを複数積層して構成されており、
    前記リザーバ流路は、
    外部から前記液体が供給される、前記リザーバの前記一端部から前記他端部まで延在する導入流路と、
    該導入流路に繋がっており、前記リザーバの前記一方方向の中央部から前記一端部まで延在し、途中にフィルタが設けられているフィルタ流路と、
    前記リザーバの前記一端部から前記他端部まで延在するとともに、前記一方方向の前記中央部で前記フィルタ流路に繋がっており、前記一端部および前記他端部で前記共通流路に繋がっている分岐流路とを備えており、
    前記質量調整空間が、前記リザーバ流路の孔のうち前記フィルタ流路となる孔が開口している前記リザーバプレートの、前記孔と前記一方方向における反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の前記液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記複数の加圧部を制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
JP2012065673A 2012-03-22 2012-03-22 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 Active JP5893977B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065673A JP5893977B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065673A JP5893977B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013193419A true JP2013193419A (ja) 2013-09-30
JP5893977B2 JP5893977B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=49392945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012065673A Active JP5893977B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5893977B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015085621A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2015085623A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2015085622A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102018212497A1 (de) 2018-07-26 2020-01-30 Eckerle Technologies GmbH Fluidfördereinrichtung

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008162144A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008162144A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015085621A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2015085623A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2015085622A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5893977B2 (ja) 2016-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5822624B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5837978B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5997150B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5197893B2 (ja) 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド、および記録装置
WO2013100063A1 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置、ならびにそれらに用いられる圧電アクチュエータ基板
JPWO2010150876A1 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5902535B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5893977B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5388737B2 (ja) 液体吐出素子およびそれを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置
JP2012071594A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2010269450A (ja) 記録装置
JP5258600B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2013176883A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2013180405A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5997102B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5751861B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5473714B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5388834B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP6034082B2 (ja) 積層体、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置
JP6181453B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2012206468A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5783849B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2014046541A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP5826304B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2014065184A (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5893977

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150