JP6166004B1 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くできるスパークプラグの製造方法を提供すること。【解決手段】チップと接触する面積以上の広さの第1面が、研磨および研削の少なくとも一方により電極母材に作られ、第1電極と接触する面積以上の広さの第2面が、研磨等により電極母材に作られる。電極母材の第1面とチップとを接触させ、電極母材の第2面に第1電極を接触させ、且つ、チップ第2電極を接触させた後に、第1電極と第2電極との間に電流を流し抵抗溶接が行われる。【選択図】図2

Description

本発明はスパークプラグの製造方法に関し、特に電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くできるスパークプラグの製造方法に関するものである。
貴金属を含有するチップが電極母材に接合された接地電極、及び、火花ギャップを介して接地電極と対向する中心電極を備えるスパークプラグが知られている。電極母材とチップとを接合する手段の一つに抵抗溶接がある。抵抗溶接は、互いに重ねた電極母材およびチップに第1電極および第2電極をそれぞれ接触させ、第1電極と第2電極との間に電流を流して行われる。特許文献1には、電極母材の表面を研削した後、研削した面にチップを重ねて抵抗溶接を行う技術が開示されている。
特開2004−186152号公報
しかしながら上述した従来の技術では、抵抗溶接は電極母材とチップとの間の接触抵抗に生じるジュール熱で互いを溶融し接着するので、電極母材と第1電極との間の接触抵抗やチップと第2電極との間の接触抵抗にばらつきが生じると、電極母材とチップとの溶接にばらつきが生じるという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くできるスパークプラグの製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載のスパークプラグの製造方法は、第1電極と第2電極との間に電流を流す抵抗溶接によって、貴金属を含有するチップを電極母材に接合し接地電極を得るものである。第1工程により、チップと接触する面積以上の広さの第1面が、研磨および研削の少なくとも一方により電極母材に作られ、第2工程により、第1電極と接触する面積以上の広さの第2面が、研磨および研削の少なくとも一方により電極母材に作られる。
溶接工程により、電極母材の第1面とチップとを接触させ、電極母材の第2面に第1電極を接触させ、且つ、チップに第2電極を接触させた後に、第1電極と第2電極との間に電流を流し抵抗溶接が行われる。その結果、電極母材と第1電極との間の接触抵抗やチップと第2電極との間の接触抵抗にばらつきを生じ難くできるので、電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くできる効果がある。
そして、第1面の算術平均粗さは第2面の算術平均粗さ以上である。溶接時にチップ及び電極母材を溶融するジュール熱は電極母材の第1面とチップとの接触抵抗に依存するので、第1面の算術平均粗さを第2面の算術平均粗さ以上にすることによって、電極母材の第1面とチップとの接触抵抗を確保できる。チップと電極母材との間に生じるジュール熱を確保できるので、電極母材とチップとの接合強度を確保できる効果がある。
請求項2記載のスパークプラグの製造方法によれば、電極母材の第1面および第2面の算術平均粗さは2〜4μmであり、チップの第3面および第4面の算術平均粗さは0.4〜0.8μmである。その結果、電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くしつつ電極母材とチップとの接合強度をさらに向上できる効果がある。また、請求項3記載のスパークプラグの製造方法によれば、接地電極が接合された筒状の主体金具と筒状の絶縁体とを組付ける組付け工程を備え、組付け工程の後に、電極母材調整工程が行われる。その結果、電極母材とチップとの接合強度をさらに向上できる効果がある。また、請求項4記載のスパークプラグの製造方法によれば、第3面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことによりチップに作る第3工程と、第4面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことによりチップに作る第4工程と、を備える。その結果、チップの第3面および第4面の算術平均粗さを容易に調整することができる。
本発明の一実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。 溶接工程で使われる抵抗溶接機の模式図である。 チップ及び電極母材の斜視図である。 実効値の標準偏差の測定結果である。 冷熱試験の合格数のヒストグラムである。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるスパークプラグ10の中心軸Oを含む面で切断した断面図である。図1に示すようにスパークプラグ10は、主体金具11、接地電極12、絶縁体15、中心電極17及び端子金具18を備えている。
主体金具11は、内燃機関のねじ穴(図示せず)に固定される略円筒状の部材である。接地電極12は、主体金具11の先端に接合される金属製(例えばニッケル基合金製)の電極母材13と、電極母材13の先端に接合されるチップ14とを備えている。電極母材13は、中心軸Oと交わるように中心軸Oへ向かって屈曲する棒状の部材である。チップ14は、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム等の貴金属またはこれらを主成分とする合金によって形成される板状の部材であり、抵抗溶接によって接合されている。
絶縁体15は、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材であり、中心軸Oに沿って軸孔16が貫通し、外周に主体金具11が固定される。中心電極17は、軸孔16に挿入されて絶縁体15に保持される棒状の電極であり、火花ギャップを介して接地電極12のチップ14と対向する。端子金具18は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、先端側が絶縁体15内に配置される。
スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、絶縁体15の軸孔16に中心電極17を挿入する。中心電極17は、先端が軸孔16の先端から外部に露出するように配置される。軸孔16に端子金具18を挿入し、端子金具18と中心電極17との導通を確保した後、予め接地電極12が接合された主体金具11を絶縁体15の外周に組み付ける。抵抗溶接によって、接地電極12の電極母材13にチップ14を接合した後、チップ14が中心電極17と軸方向に対向するように電極母材13を屈曲して、スパークプラグ10を得る。
図2及び図3を参照して、電極母材13とチップ14との溶接方法について説明する。図2は溶接工程で使われる抵抗溶接機20の模式図である。図2は電極母材13の長手方向の図示が省略されている。
図2に示すように抵抗溶接機20は、トランスが接続された第1電極21及び第2電極22を備えている。電極母材13とチップ14との溶接は、電極母材13とチップ14とを接触させ、電極母材13に第1電極21を接触させ、且つ、チップ14に第2電極22を接触させた後、第1電極21と第2電極22との間に電流を流す抵抗溶接によって行われる。
電極母材13は、第1面31が、チップ14の第3面33に接触する。電極母材13の第2面32に第1電極21の接触面21aを接触させ、チップ14の第4面34に第2電極22の接触面22aを接触させる。
本実施の形態では、電極母材13を重ねたチップ14を第2電極22に載せ、電極母材13の第2面32に第1電極21を押し付けながら第1電極21と第2電極22との間に電流を流す。電極母材13の第1面31とチップ14の第3面33との接触抵抗に生じるジュール熱で、第1面31及び第3面33が溶融し接着される。
図3はチップ14及び電極母材13の斜視図である。図3は電極母材13の長手方向の図示が省略されている。図3は抵抗溶接を行う前の状態を示している。
図3に示すように電極母材13は、第2面32と、第2面32とは異なる第1面31が作られている。第2面32は、第1電極21の接触面21aと接触する面積35以上の広さの面であり、研磨および研削の少なくとも一方を電極母材13に行うことにより作られる。第1面31は、チップ14の第3面33と接触する面積以上の広さの面であり、研磨および研削の一方を電極母材13に行うことにより作られる。本実施の形態では、第1面31は第2面32の裏面に設けられている。
チップ14は第3面33の裏に第4面34がある。第3面33は、電極母材13の第1面31と接触する面積以上の広さの面であり、第4面34は、第2電極22の接触面22aと接触する面積以上の広さの面である。なお、第3面33および第4面34は、所定の表面粗さを有する板材を所定の大きさに打ち抜くことで形成しても良いし、研磨および研削の少なくとも一方をチップ14に行うことにより形成してもよい。
本実施の形態では、電極母材13の第2面32は、第1電極21の接触面21aが第2面32以外の面36(研削や研磨が行われていない面)に接触しない大きさに作られる。その結果、第2面32の全体を第1電極21の接触面21aに接触させ易くできる。但し、第1電極21の接触面21aの直径は電極母材13の幅より大きいので、電極母材13に電極面21aを接触させると、接触面21aは電極母材13の幅方向にはみ出す。
電極母材13の第1面31は、面積が、チップ14の第3面33の面積よりも大きくされる。そのため、チップ14の第3面33の全体を第1面31に接触させ易くできる。
第2電極22の接触面22aは、面積が、チップ14の第4面34の面積よりも大きくされる。そのため、チップ14の第4面34の全体を第2電極22の接触面22aに接触させ易くできる。
第1面31、第2面32は、研削砥石、研磨材、研磨布、研磨紙、研磨ディスク、研磨ベルト、研磨スリーブ、研磨ホイール、研磨ブラシ等を用いた機械的手段によって作られる。研削は表面を削りとり物理的に表面を落とす操作であり、研磨は表面を磨き、表面粗さを小さくする操作である。電極母材13に研削および研磨の両方を行うことができ、研削または研磨のいずれか一方だけを行うこともできる。
電極母材13に研削または研磨のいずれか一方を行う場合には、研磨が好適に行われる。研磨は、研削に比べて表面を削りとる量を少なくできるので、電極母材13の寸法精度の低下を防ぎながら表面粗さを小さくすることができ、さらに表面に付着した酸化膜や油膜等を除去できるからである。なお、研削後や研磨後に乾燥させたり付着物を除去したりする操作を不要にできる乾式研削や乾式研磨が好適に用いられる。
電極母材13とチップ14とを重ねて第1電極21と第2電極22との間に電流を流すと、電極母材13の第1面31とチップ14の第3面33との接触抵抗によってジュール熱が生じ、第1面31及び第3面33が溶融し接着される。電極母材13に第1面31及び第2面32が作られているので、電極母材13の第2面32と第1電極21との接触抵抗や、チップ14の第4面34と第2電極22との接触抵抗にばらつきを生じ難くできる。その結果、電極母材13の第1面31とチップ14の第3面33との接触抵抗にばらつきを生じ難くできる。生じるジュール熱のばらつきを抑制できるので、電極母材13とチップ14との溶接にばらつきを生じ難くできる。
電極母材13に研削または研磨の少なくとも一方を行うことによって作られる第1面31及び第2面32は、第1面31の算術平均粗さを、第2面32の算術平均粗さ以上に設定する。即ち、チップ14及び電極母材13に生じるジュール熱は、電極母材13の第1面31とチップ14の第3面33との接触抵抗に依存する。第1面31の算術平均粗さを第2面32の算術平均粗さ以上にすることによって、チップ14や第1電極21の表面粗さにもよるが、チップ14と電極母材13との接触抵抗を第1電極21と電極母材13との接触抵抗よりも大きくできる。電極母材13の第1面31とチップ14との接触抵抗を確保できるので、チップ14と電極母材13との間に生じるジュール熱を確保できる。その結果、電極母材13とチップ14との接合強度を確保できる。
なお、算術平均粗さRaは、JIS B0601(1994年版)に準拠して測定される。算術平均粗さRaの測定は、非接触式の形状測定レーザマイクロスコープVK−X110/X100(キーエンス社製)を用いて行われる。
電極母材13の第1面31及び第2面32の算術平均粗さは2μm〜4μmである。チップ14の第3面33及び第4面34の算術平均粗さは0.4μm〜0.8μmである。チップ14の第3面33及び第4面34の算術平均粗さが0.4〜0.8μmのときに、電極母材13の第1面31及び第2面32の算術平均粗さが4μmよりも大きいか2μmよりも小さいと、電極母材13とチップ14との接合強度が低下する傾向がみられる。算術平均粗さが4μmよりも大きいか2μmよりも小さいと、第1面31及び第2面32が溶融する面積が小さくなり、溶接部の断面積が低下して接合強度(特に電極母材13の熱膨張による剪断力に抗する強度)が低下するものと推察される。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
幅2.7mm、厚さ1.3mmの矩形板状の電極母材と、直径1mm、厚さ0.4mmの円板状のチップとを各30個準備した。電極母材はニッケル基合金製であり、チップは白金ニッケル合金製である。研磨ベルトを用いて電極母材の表面と裏面とを乾式研磨し、長さ6mm、幅2.7mmの矩形状の第1面および第2面を電極母材の表面および裏面にそれぞれ作った。チップも同様に表面および裏面を乾式研磨し、第3面および第4面を作った。
次に、形状測定レーザマイクロスコープVK−X110/X100(キーエンス社製)を用い、各30個のチップ及び電極母材について、非接触で第1面、第2面、第3面および第4面の算術平均粗さRaを測定した。電極母材の第1面および第2面の算術平均粗さは、第1面および第2面のうち2.7×1mmの矩形の範囲を測定することにより求めた。測定の結果、第1面および第2面の算術平均粗さは2.8〜3.5μmの範囲であり、第3面および第4面の算術平均粗さは0.45〜0.8μmの範囲であった。
測定後、直ちに抵抗溶接機(電源方式は単相交流式)の第2電極に第4面が接触するようにチップを載せ、チップの第3面と電極母材の第1面とを重ね、電極母材の第2面に第1電極を押し付けた。第1電極と第2電極とを押圧してチップ及び電極母材の厚さ方向に330Nの荷重を加え、第1電極と第2電極との間に通電し(通電サイクルを7、通電電流の立ち上がりであるスロープを2とし)抵抗溶接を行った。第1電極および第2電極は直径5mmの円柱状の電極であった。
電極母材は幅2.7mmであり、直径5mmの第1電極と接触させるために電極母材に作られた第2面は6×2.7mmの大きさなので、実施例1は、第2面以外の面に第1電極が接触しないようにできた。抵抗溶接機の電源の出力を固定して、各30個のチップと電極母材とを溶接し、溶接時の電流の実効値(A)の標準偏差を測定した。
(比較例1)
研磨ベルトを用いて電極母材の表面と裏面とを乾式研磨し、長さ3mm、幅2.7mmの矩形状の第1面および第2面を電極母材の表面および裏面にそれぞれ作った以外は実施例1と同様にして、30回の溶接時の電流の実効値(A)の標準偏差を測定した。比較例1は、第1電極の直径よりも第2面の長さが短い点が、実施例1と異なる。
第1電極の直径は5mmであり、電極母材に作られた第2面は3×2.7mmの大きさなので、比較例1は、第2面以外の未研磨の面にも第1電極が接触した。なお、チップは、電極母材に作られた第1面に第3面の全てが接触した。
(比較例2)
研磨ベルトを用いて電極母材を乾式研磨し、長さ3mm、幅2.7mmの矩形状の第2面を電極母材に作った以外は実施例1と同様にして、30回の溶接時の電流の実効値(A)の標準偏差を測定した。比較例2は、第1電極の直径よりも第2面の長さが短い点、電極母材に第1面を作らない点が、実施例1と異なる。
第1電極の直径は5mmであり、電極母材に作られた第2面は3×2.7mmの大きさなので、比較例2は、第2面以外の未研磨の面にも第1電極が接触した。また、電極母材に第1面が作られていないので、チップは電極母材の未研磨の面に接触した。
(比較例3)
電極母材を研磨しない以外は実施例1と同様にして、30回の溶接時の電流の実効値(A)の標準偏差を測定した。比較例3は、電極母材に第1面および第2面を作らない点が、実施例1と異なる。なお、研磨を行わない電極母材の表面および裏面の算術平均粗さを実施例1と同様に測定したところ、算術表面粗さは2.5〜3.0μmであった。比較例3は、電極母材に第1面および第2面が作られていないので、チップ及び第1電極は、電極母材の未研磨の面に接触した。
図4は実効値(A)の標準偏差の測定結果である。図4に示すように、標準偏差は比較例3、比較例2、比較例1の順に小さくなること、実施例1は最も標準偏差を小さくできることがわかった。
比較例1は、第2面以外の未研磨の面にも第1電極が接触する点が実施例1と異なる。第2面以外の未研磨の面に第1電極が接触すると、未研磨の面に付着した油膜や不純物等の異物によって、第1電極と電極母材との接触抵抗のばらつきが大きくなるものと推察される。その影響で、溶接時の実効値のばらつきが大きくなったと考えられる。溶接時の実効値の標準偏差が小さいほど、溶接によって得られる接地電極の個体差を少なくできるので、実施例1によれば電極母材とチップとの溶接にばらつきを生じ難くできる。
(実施例2)
実施例1と同様に、幅2.7mm、厚さ1.3mmの矩形板状の電極母材(ニッケル基合金製)と、直径1mm、厚さ0.4mmの円板状のチップ(白金ニッケル合金製)とを準備した。研磨ディスクを用いて電極母材の表面と裏面とを乾式研磨し、長さ6mm、幅2.7mmの矩形状の第1面および第2面を電極母材の表面および裏面にそれぞれ作った。チップも同様に表面および裏面を乾式研磨し、第3面および第4面を作った。
レーザマイクロスコープ(VK−X110/X100)によって電極母材の第1面および第2面の算術平均粗さRaを測定し(測定範囲は2.7×1mmの矩形の範囲)、算術平均粗さ0.75μm〜5.75μm(階級幅0.5μm)の10階級のサンプルに層別した(各階級のサンプルは10個)。チップは、第3面および第4面の算術平均粗さが0.45〜0.8μmのものを100個準備した。
サンプルの層別後、実施例1で使用した抵抗溶接機(電源方式は単相交流式)を用い、第1電極および第2電極によりチップ及び電極母材の厚さ方向に330Nの荷重を加えながら電流(目標実効値1000A)を通電し(通電サイクルを7、通電電流の立ち上がりであるスロープを2とし)、抵抗溶接を行った。溶接後、チップの根元の温度が1000℃になるように2分間バーナで加熱した後、1分間かけて放冷することを1サイクルとして、1000サイクルをサンプルに加える冷熱試験を行った。
冷熱試験後、チップの中心軸を含む研磨断面を作成した。金属顕微鏡を用いて研磨断面を観察し、電極母材とチップとの間に存在する酸化スケール(チップが剥離した部分)の長さLを測定した。長さL(mm)をチップの直径(1mm)で除した値が0.5以下を合格、0.5を超えたものを不合格とした。
図5は冷熱試験の合格数のヒストグラムである。図5に示すように、階級値が2〜4μmのときに合格数を5以上にできることがわかった。階級値4.5μm以上や階級値1.5μm以下になると、抵抗溶接によってチップ及び電極母材が溶融する面積が小さくなり、冷熱試験で生じる電極母材の熱膨張による剪断力に抗する強度が低下するものと推察される。
(実施例3)
実施例1と同様に、幅2.7mm、厚さ1.3mmの矩形板状の電極母材(ニッケル基合金製)と、直径1mm、厚さ0.4mmの円板状のチップ(白金ニッケル合金製)とを準備した。研磨ディスクを用いて電極母材の表面と裏面とを乾式研磨し、長さ6mm、幅2.7mmの矩形状の第1面および第2面を電極母材の表面および裏面にそれぞれ作った。チップも同様に表面および裏面を乾式研磨し、第3面および第4面を作った。
レーザマイクロスコープ(VK−X110/X100)によって電極母材の第1面および第2面の算術平均粗さRaを測定し(測定範囲は2.7×1mmの矩形の範囲)、種々の算術平均粗さの第1面(チップ側の面)及び第2面(第1電極側の面)をもつサンプル1〜3に層別した。階級幅は0.5μm、サンプルは各10個とした。チップは、第3面および第4面の算術平均粗さが0.45〜0.8μmのものを30個準備した。
サンプルの層別後、実施例1で使用した抵抗溶接機(電源方式は単相交流式)を用い、第1電極および第2電極によりチップ及び電極母材の厚さ方向に330Nの荷重を加えながら電流(目標実効値1000A)を通電し(通電サイクルを7、通電電流の立ち上がりであるスロープを2とし)、抵抗溶接を行った。溶接後は実施例2と同じ冷熱試験を行い、試験後、チップの中心軸を含む研磨断面を作成した。
金属顕微鏡を用いて研磨断面を観察し、電極母材とチップとの間に存在する酸化スケール(チップが剥離した部分)の長さLを測定した。サンプル10個のうち、長さL(mm)をチップの直径(1mm)で除した値が0.3を超えたものが5個以上存在するサンプルを不合格(×)、そうでないサンプルを合格(○)とした。
Figure 0006166004
表1は試験結果の一覧表である。表1に示すように、第1面(チップ側の面)の算術平均粗さが第2面(第1電極側の面)の算術平均粗さ以上のサンプル2及び3は合格、第1面の算術平均粗さが第2面の算術平均粗さより小さいサンプル1は不合格であった。サンプル2及び3は、第1面の算術平均粗さが第2面の算術平均粗さ以上なので、電極母材の第1面とチップとの接触抵抗を確保できたと推察される。その結果、抵抗溶接時のジュール熱を確保することができ、電極母材とチップとの接合強度を確保し、冷熱試験に合格したと推察される。
(実施例4)
スパークプラグのサンプルを以下の方法によって製造した。まず、絶縁体の軸孔に中心電極を挿入した後、軸孔に挿入した端子金具と中心電極との導通を確保した。次に、予め接地電極の電極母材が接合された主体金具を絶縁体の外周に組み付けた。次いで、研磨ブラシで電極母材を乾式研磨した後、乾式研磨したチップを抵抗溶接によって電極母材に接合し、10個のサンプルを得た。
実施例1と同様に、幅2.7mm、厚さ1.3mmの矩形板状の電極母材(ニッケル基合金製)と、直径1mm、厚さ0.4mmの円板状のチップ(白金ニッケル合金製)とを用いた。乾式研磨によって長さ6mm、幅2.7mmの矩形状の第1面および第2面を電極母材の表面および裏面にそれぞれ作った。チップも同様に乾式研磨によって第3面および第4面を作った。
レーザマイクロスコープ(VK−X110/X100)によって測定された第1面および第2面の算術平均粗さ(測定範囲は2.7×1mmの矩形の範囲)は3μmであった。同様に測定された第3面および第4面の算術平均粗さは0.45〜0.8μmであった。抵抗溶接後、電極母材の第4面(チップの反対側の面)にノッチを入れ、電極母材を90度折り曲げたところ、10個のサンプルのうち2個のサンプルのチップと電極母材との間に剥離が生じた。
(実施例5)
接地電極の電極母材を主体金具に接合した後、研磨ブラシで電極母材を乾式研磨し、その後に主体金具を絶縁体に組み付け、組み付けた後にチップと電極母材とを抵抗溶接した以外は実施例4と同様にして、実施例5におけるサンプルを10個作成した。実施例4と同様に、電極母材の第4面(チップの反対側の面)にノッチを入れ、電極母材を90度折り曲げたところ、10個のサンプルのうち4個のサンプルのチップと電極母材との間に剥離が生じた。
実施例4と実施例5とを比較すると、剥離が生じた数が少ないので、実施例4の方が、チップと電極母材との密着性が安定していた。実施例5は、主体金具を絶縁体に組み付ける前に接地電極の電極母材を研磨したので、研磨してから抵抗溶接を行うまでの間に電極母材の表面に酸化膜等の異物が付着したものと推察される。これに対し、実施例4は主体金具を絶縁体に組み付けた後に接地電極の電極母材を研磨したので、研磨してから抵抗溶接を行うまでの間に電極母材の表面に酸化膜等の異物が生じ難いと推察される。その結果、実施例4はチップの密着強度にばらつきを生じ難くできたと推察される。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、電極母材13及びチップ14の形状や寸法などは一例であり適宜設定できる。
上記実施の形態では、電源方式が単相交流式の抵抗溶接機を用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。当然のことながら、単相直流式、インバータ式、コンデンサ式等の電源方式を適宜設定できる。
上記実施の形態では、電極母材13の第1面31の裏に第2面32を作り、第1電極21と第2電極22とを同一直線上に配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2電極22との間で電極母材13とチップ14とを押圧する押圧部材(図示せず)を第2電極22と同一直線上に設け、押圧部材とは別に、通電用の第1電極21を設けて電極母材13に接触させることは当然可能である。この場合は、第1電極21が電極母材13に接触する任意の位置に第2面を作ることができる。
10 スパークプラグ
12 接地電極
13 電極母材
14 チップ
21 第1電極
22 第2電極
31 第1面
32 第2面
33 第3面
34 第4面

Claims (4)

  1. 第1電極と第2電極との間に電流を流す抵抗溶接によって、貴金属を含有するチップを電極母材に接合し接地電極を得るスパークプラグの製造方法であって、
    前記チップと接触する面積以上の広さの第1面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことにより前記電極母材に作る第1工程と、前記第1電極と接触する面積以上の広さの第2面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことにより前記電極母材に作る第2工程と、を有する電極母材調整工程と、
    前記電極母材の前記第1面と前記チップとを接触させ、前記電極母材の前記第2面に前記第1電極を接触させ、且つ、前記チップに前記第2電極を接触させた後に、前記第1電極と前記第2電極との間に電流を流し抵抗溶接を行う溶接工程と、を備え、
    前記電極母材調整工程では、前記第1面の算術平均粗さが、前記第2面の算術平均粗さ以上となるようにすることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記チップのうち、前記電極母材と接触する面を第3面とし、前記第2電極と接触する面を第4面としたとき、
    前記電極母材の前記第1面および前記第2面の算術平均粗さは2〜4μmであり、前記チップの前記第3面および前記第4面の算術平均粗さは0.4〜0.8μmであることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 筒状の絶縁体の外周に、前記接地電極が接合された筒状の主体金具を組付ける組付け工程を備え、
    前記組付け工程の後に、前記電極母材調整工程が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記第3面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことにより前記チップに作る第3工程と、
    前記第4面を、研磨および研削の少なくとも一方を行うことにより前記チップに作る第4工程と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載のスパークプラグの製造方法。
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