JP2002033176A - スパークプラグおよびその製造方法 - Google Patents

スパークプラグおよびその製造方法

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JP2002033176A JP2001057258A JP2001057258A JP2002033176A JP 2002033176 A JP2002033176 A JP 2002033176A JP 2001057258 A JP2001057258 A JP 2001057258A JP 2001057258 A JP2001057258 A JP 2001057258A JP 2002033176 A JP2002033176 A JP 2002033176A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/39Selection of materials for electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T21/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of spark gaps or sparking plugs
    • H01T21/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of spark gaps or sparking plugs of sparking plugs

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接地電極に対向配置された中心電極の先端面
にIr合金よりなるチップをレーザ溶接により固定して
なるスパークプラグにおいて、熱負荷の厳しい環境で使
用した場合でもチップと中心電極との接合信頼性を確保
できるようにする。 【解決手段】 円柱状の中心電極30の先端面31に直
径φdを有する円板状のチップ60をレーザ溶接法にて
固定した後、チップ60と中心電極30との溶融部70
を切削して溶融部70の形状を調整することにより、溶
融部70及びチップ60について中心電極30の先端面
31に沿った断面をみたとき、直径φDを有する溶融部
70の最大断面積部の面積が、チップ60の径方向断面
の面積に対して1.5倍以下となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに対向して配
置された中心電極及び接地電極のうち少なくとも一方を
母材として、この母材の一面に貴金属もしくはその合金
よりなる放電部材としてのチップを溶接により固定して
なるスパークプラグおよびその製造方法に関し、特に、
コージェネレーションエンジン等の熱負荷の厳しい環境
で使用するスパークプラグに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】スパークプラグは、火花放電を行う放電
部材としてIrやPt等の貴金属もしくはそれらの合金
よりなるチップを中心電極や接地電極(母材)に溶接・
固定することにより、長寿命化、高性能化を図ってい
る。これらチップの接合方法としては、製造しやすさや
コスト等の面から、抵抗溶接が一般的である。しかし、
例えばIr合金をチップに用いる場合、Ir合金はPt
合金に比べて母材との線膨張係数の差が大きいため、抵
抗溶接ではチップと母材との接合信頼性を確保すること
が困難である。
【0003】そのため、従来では、Ir合金よりなるチ
ップを母材に接合する場合、レーザ溶接により、Ir合
金と母材(Ni合金等)との間にIr合金と母材とを溶
融させた合金層(緩和層)を形成し、チップと母材との
接合部に加わる熱応力を緩和することにより、チップと
母材との接合信頼性を確保している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討によれば、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接方法
に関わらず、チップのサイズが大きい場合や、熱負荷の
厳しい環境(例えば、コージェネレーションエンジンで
は、中心電極の温度が950℃程度になる)でプラグを
使用する場合、熱応力を増大させてしまい、最悪、母材
からチップが脱落してしまうという問題が発生すること
がわかった。
【0005】そこで、本発明は上記問題に鑑み、熱負荷
の厳しい環境で使用した場合でも、チップと母材との接
合信頼性を確保できるようなスパークプラグ及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】溶接によって形成される
チップと母材との溶融部のサイズを極力小さくすれば、
熱応力を低減できると考え、溶融部のサイズ等について
実験検討を行った。その結果、溶融部のサイズを所定値
以下に小さくすることにより、コージェネレーションエ
ンジン等の熱負荷の厳しい環境でプラグを使用した場合
に、実用上、接合信頼性を確保できることを実験的に見
出した。そして、この実験結果に基づき請求項1〜請求
項3の発明を創案した。
【0007】まず、請求項1の発明では、互いに対向し
て配置された中心電極(30)及び接地電極(40)の
うち少なくとも一方を母材として、この母材の一面(3
1、42)に貴金属もしくはその合金よりなる放電部材
としてのチップ(60)を溶接により固定してなるスパ
ークプラグにおいて、チップと母材との溶融部(70)
及びチップについて母材の一面に沿った断面をみたと
き、溶融部の最大断面積部の面積が、チップのうち溶融
部との界面に位置する断面の面積に対して1.5倍以下
であると共に、チップのうち溶融部との界面に位置する
断面の面積が2mm2以上でかつ7mm2以下であること
を特徴としている。
【0008】ここで、チップが溶接された後の母材の一
面は、チップとの溶融部が形成される等により、面が明
確でなくなる場合もあるため、母材の一面とは、チップ
溶接前の状態を意味する。
【0009】本発明によれば、溶融部の最大断面積部の
面積を、チップのうち溶融部との界面に位置する断面の
面積に対して1.5倍以下となるように小さくすること
で、溶融部への熱応力が低減でき、コージェネレーショ
ンエンジン等の熱負荷の厳しい環境で使用した場合で
も、チップと母材との接合信頼性を確保できるようなス
パークプラグを提供することができる。また、チップの
うち溶融部との界面に位置する断面の面積が2mm2
上でかつ7mm2以下のスパークプラグにおいて、上記
効果が顕著である。
【0010】ここで、請求項2の発明のように、溶融部
(70)の最小断面積部の面積を、チップ(60)のう
ち溶融部との界面に位置する断面の面積に対して0.6
倍以上にすることが好ましい。これは、0.6倍未満で
あると、チップから母材への熱引きが悪くなり、チップ
温度が上昇してチップの消耗を増大させてしまうためで
ある。よって、0.6倍以上であれば、実用上十分な耐
消耗性を確保することができる。
【0011】また、請求項3の発明では、母材(30、
40)において、その一面(31、42)に沿った断面
がチップ(60)のうち溶融部(70)との界面に位置
する断面の面積に対して1.5倍以下になっている小断
面積部(33、43)を、母材と溶融部との界面を起点
として母材の一面と直交する方向へ2.0mm以内の長
さ(本欄にて、形成長さという)にて形成したことを特
徴としている。
【0012】それによれば、母材に上記小断面積部を形
成することで、溶融部に接する母材自身のサイズも小さ
くすることができ、熱応力をより低減することができ
る。ここで、本発明者の実験検討によれば、小断面積部
の形成長さ(L)を2.0mm以内とすることが好まし
い。これは、次の理由による。
【0013】小断面積部は、母材(中心電極及び/また
は接地電極)の他の部位に比べて細い部位となる。も
し、形成長さが2.0mmよりも大きいと、母材が細す
ぎて熱伝導性が悪化し、母材の温度上昇による影響が大
きくなり、結果として溶融部への熱応力を増大させてし
まうため、接合信頼性を確保しにくくなる。その点、小
断面積部の形成長さを2.0mm以内とすることによ
り、母材の温度上昇の影響を抑え、溶融部への熱応力を
低減して、上記請求項1または2の発明の効果を適切に
発揮することができる。
【0014】また、請求項4の発明では、互いに対向し
て配置された中心電極(30)及び接地電極(40)の
うち少なくとも一方を母材として、この母材の一面(3
1、42)に貴金属もしくはその合金よりなる放電部材
としてのチップ(60)を溶接により固定してなるスパ
ークプラグにおいて、チップと母材との溶融部(70)
及びチップについて母材の一面に沿った断面をみたと
き、溶融部の断面を、チップのうち溶融部との界面に位
置する断面と実質的に同一の形状及び寸法としたことを
特徴としている。
【0015】もし、チップと溶融部との界面において、
互いの断面の形状又は寸法が異なると、チップまたは溶
融部がはみ出した部分が存在する。すると、そのはみ出
した部分においてチップと溶融部とによってエッジ部が
形成される。このエッジ部は熱応力が集中しやすい部位
である。
【0016】しかし、本発明によれば、チップと溶融部
との界面において互いの断面の形状及び寸法が同一であ
るため、そのようなエッジ部が存在せず、熱応力の低減
が図れ、熱負荷の厳しい環境で使用した場合でもチップ
と母材との接合信頼性を確保できるようなスパークプラ
グを提供することができる。
【0017】ここで、請求項5の発明では、請求項4の
スパークプラグにおいて、母材(30、40)におい
て、母材の一面(31、42)に沿った断面が溶融部
(70)の断面と同一の形状及び寸法である同一形状部
(33a)を、母材と溶融部との界面を起点として母材
の一面と直交する方向へ2.0mm以内の長さ(形状長
さ)にて形成したことを特徴としている。
【0018】それによれば、母材と溶融部との界面にお
いても、エッジ部が存在しないため、請求項4の発明の
効果をより高いレベルにて発揮するスパークプラグを提
供することができる。また、本発明における同一形状部
の形状長さ(L)を2.0mm以内としたことの理由
は、上記請求項3の発明における理由と同じである。
【0019】ここで、請求項6の発明のように、チップ
(60)を、レーザ溶接により母材(30、40)の一
面(31、42)に固定されたものとすることができ
る。抵抗溶接による溶融部の厚みが一般に10〜数10
μm程度であるのに対し、レーザ溶接による溶融部の厚
みは一般に数百μm〜1mm程度である。請求項1〜請
求項5の発明は、溶融部の大きいレーザ溶接によりチッ
プを固定するようにしたスパークプラグに用いて好適で
ある。
【0020】また、請求項7の発明のように、チップ
(60)の材質としては、Irを50wt%以上含む合
金よりなるものを採用することができる。このIr合金
のような、母材との線膨張係数の差が大きいチップにお
いて、請求項1〜請求項7の発明の効果はより発揮され
る。
【0021】また、請求項8の発明では、中心電極(3
0)及び接地電極(40)のうち少なくとも一方を母材
として、この母材の一面(31、42)に貴金属もしく
はその合金よりなる放電部材としてのチップ(60)を
溶接により固定してなるスパークプラグを製造する方法
であって、母材の一面にチップを溶接した後、チップと
母材との溶融部(70)を切削等の加工を施して溶融部
の形状を調整することを特徴としている。
【0022】それによれば、母材の一面にチップを溶接
した後、チップと母材との溶融部を加工し、その形状を
調整することにより、上記した溶融部の断面の面積や形
状を所望のものにできるため、請求項1、請求項2及び
請求項4のスパークプラグを適切に製造することができ
る。
【0023】また、請求項9の発明のように、チップと
母材との溶融部(70)及びチップについて母材の一面
に沿った断面をみたとき、溶融部の最大断面積部の面積
が、チップのうち溶融部との界面に位置する断面の面積
に対して1.5倍以下になるように、溶融部(70)を
加工することにより、特に請求項1のスパークプラグを
適切に製造することができる。
【0024】さらに、請求項10の発明のように、溶融
部(70)とともに、溶融部と隣接する母材(30、4
0)を切削等の加工を施し母材の形状を調整することに
より、請求項3及び請求項5のスパークプラグを適切に
製造することができる。また、請求項11の発明のよう
に、溶接をレーザ溶接法により行うようにすれば、請求
項6のスパークプラグを適切に製造することができる。
【0025】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
図に示す実施形態について説明する。図1は本発明の第
1実施形態に係るスパークプラグ100の全体構成を示
す半断面図である。このスパークプラグ100は、コー
ジェネレーション等の熱負荷の厳しいエンジンの点火栓
等に適用されるものであり、該エンジンの燃焼室を区画
形成するエンジンブロック(図示せず)に設けられたネ
ジ穴に挿入されて固定されるようになっている。
【0027】スパークプラグ100は、導電性の鉄鋼材
料(例えば低炭素鋼等)等よりなる円筒形状の取付金具
10を有しており、この取付金具10は、上記エンジン
ブロックに固定するための取付ネジ部11を備えてい
る。取付金具10の内部には、アルミナセラミック(A
2 3 )等からなる絶縁体20が固定されており、こ
の絶縁体20の先端部21は、取付金具10から露出す
るように設けられている。
【0028】絶縁体20の軸孔22には中心電極30が
固定されており、この中心電極30は取付金具10に対
して絶縁保持されている。中心電極30は、例えば、内
材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基
合金等の耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構
成された円柱体で、図1に示すように、その先端面31
(図3(a)参照)が絶縁体20の先端部21から露出
するように設けられている。
【0029】一方、接地電極40は、一端側にて取付金
具10の一端に溶接により固定され、途中で略L字に曲
げられて、他端側の側面41において中心電極30の先
端面31と放電ギャップ50を隔てて対向している。接
地電極40は、例えば、Niを主成分とするNi基合金
からなる角柱より構成されている。
【0030】このように、中心電極30の先端面31及
び接地電極40の他端側の側面41が互いに対向して配
置されているが、本実施形態では、中心電極30を母材
として、この中心電極30の先端面(本発明でいう母材
の一面)31に、貴金属もしくはその合金よりなる放電
部材としてのチップ60が、レーザ溶接によって接合固
定されている。
【0031】本実施形態では、チップ60として、貴金
属であるIr(イリジウム)を50wt%以上含む合金
よりなり、中心電極30の先端面31に沿った断面が円
形をなす円板状のものを採用できる。なお、上記の放電
ギャップ50は、チップ60と接地電極40の他端側の
側面41との隙間である。ここで、図2に中心電極30
の先端部の拡大断面形状を示す。
【0032】図2に示す様に、直径φdの円板状のチッ
プ60と円柱状の中心電極30とが、レーザ溶接により
両者が溶け合った溶融部70を介して接合されている。
ここで、溶融部70及びチップ60について中心電極3
0の先端面(母材の長手方向と直交する面)31に沿っ
た断面をみたとき、溶融部70の最大断面積部(最大直
径φDの部位)の面積が、チップ60のうち溶融部70
との界面に位置する断面の面積に対して1.5倍以下に
なっている。
【0033】本実施形態では、チップ60は円板状であ
るため、上記のチップ60のうち溶融部70との界面に
位置する断面とは、チップ60の径方向断面(円形断
面)に相当する。また、円板状のチップ60と円柱状の
中心電極30との溶接であるため、溶融部70における
中心電極30の先端面31に沿った断面は、略円形の断
面となる。
【0034】図2に示す例では、溶融部70の最大断面
積部の面積が、チップ60の径方向断面の面積よりも大
きいため、溶融部70は、チップ60側から中心電極3
0側へ向かってテーパ状に拡径し且つ中心電極30側に
最大直径φDを有する略円柱状に形成されている。
【0035】次に、上記構成を有するスパークプラグ1
00の製造方法のうち、中心電極30とチップ60との
接合方法について述べる。なお、同製造方法のうち他の
部分の製造工程については、周知であるため説明を省略
する。図3は、本接合方法を、上記図2に対応した断面
にて示す工程図である。
【0036】まず、図3(a)に示す様に、円板状のチ
ップ60における一側の円形面を、中心電極30の先端
面31に抵抗溶接等により仮接着する。なお、本例で
は、溶接前の中心電極30の先端面31は、その直径φ
S1が基部32の直径φS2よりも小さくなっている。
次に、中心電極30を回転させながら、チップ60と中
心電極30の先端面31との間にレーザ光(矢印R)を
照射する。
【0037】これにより、図3(b)に示す様に、チッ
プ60と中心電極30とが溶け合った溶融部70が形成
される。このように、溶接を行った後、図3(c)に示
す様に、刃具等を用いて溶融部70の外周に対して切削
加工を施し(図中、切削された部分を破線Kで示す)、
溶融部70の形状を調整する。この溶融部形状調整工程
によって、溶融部70は、上記図2に示したような形状
に適切に形成される。
【0038】ところで、本実施形態では、上述したよう
に、溶融部70及びチップ60について中心電極30の
先端面31に沿った断面をみたとき、溶融部70の最大
断面積部の面積を、チップ60の径方向断面の面積に対
して1.5倍以下となるように小さくしている。限定す
るものではないが、このような構成を採用するに至った
検討結果の一例を示す。
【0039】本検討例では、チップ60として、Irが
90重量%、Rhが10重量%のIr−10Rh合金よ
りなる、直径φdが2.4mm、厚さが1.4mmの円
板状のものを用意し、母材である中心電極30として、
Ni基合金(インコネル(登録商標))よりなり、先端
面31の直径φS1が2.7mm、基部32の直径φS
2が3.2mmであり、先端面31と基部32との間に
直径φS1を有して形成された部分の長さS3(図3
(a)参照)が0.3mmの円柱状のものを用意した。
【0040】これらチップ60と中心電極30とを、上
記図3に示した様にレーザ溶接により接合し、切削加工
を施した。これにより、溶融部70の最大直径φDを、
φ2.4mm(チップ60の直径φdと同一)、φ2.
6mm、φ2.8mm、φ3.0mm、φ3.2mmと
いうように、種々変えたものを作成した。図4は、各最
大直径φDについて、溶融部70の最大断面積部の面積
とチップ60の径方向断面の面積との比(以下、「チッ
プとの最大部断面積比」という)を示す図表である。
【0041】ここで、溶融部70の最大直径φDを、φ
2.4mm(チップ60の直径φdと同一)とした場合
は、中心電極30の先端面31に沿った断面をみたと
き、溶融部70の断面が、チップ60の径方向断面と同
一の形状及び寸法(同一の円形状)となる。つまり、溶
融部70は、チップ60の直径φdと同じで且つ長さ方
向に均一な直径を有する円柱状となる。また、最大直径
φDを、φ3.2mmとしたものは、上記接合方法にお
いて切削加工を行わずレーザ溶接のみ行ったもので、従
来品(つまり、図3(b)に示す形状のもの)に相当す
る。
【0042】これら最大直径φDを種々変えたものにつ
いて、それぞれ、6気筒2000ccエンジンに搭載
し、耐久テストを行い、チップ60と中心電極30との
接合信頼性を調べた。耐久テストの運転条件は、アイド
ル状態で1分保持、スロットル全開状態6000rpm
で1分保持を1サイクルとし、このサイクルを100時
間繰り返した。
【0043】また、接合信頼性は、図5に示す剥離率に
て評価した。即ち、図5に示す断面において、チップ6
0と溶融部70との界面の長さを接合部長さA、チップ
60と溶融部70とが剥離している部分の長さを剥離長
さB1、B2とし、剥離率は、剥離長さを接合部長さで
割った値に100をかけた値100(B1+B2)/A
(%)とした。
【0044】図6は、上記最大直径φDを種々変えたも
のについて、耐久テスト後の剥離率を求め、上記図4に
示した「チップとの最大部断面積比」と剥離率(%)と
の関係をプロットしたグラフである。ここで、本発明者
の検討によれば、耐久テスト後の剥離率は25%以下で
あれば、コージェネレーションエンジン等の熱負荷の厳
しい環境で使用した場合でも、実用上、接合信頼性を満
足する。図6から、剥離率25%以下を満足するには、
上記「チップとの最大部断面積比」は1.5倍以下であ
ることが好ましい。
【0045】また、中心電極30の先端面31に沿った
断面をみたとき、溶融部70の断面をチップ60の径方
向断面と同一の形状及び寸法とした場合(上記「チップ
との最大部断面積比」が1倍の場合、以下、「溶融部と
チップの同一形状構成」という)には、殆ど剥離が起こ
らず、非常に効果が大きいことがわかる。
【0046】従って、本実施形態によれば、溶融部70
の最大断面積部の面積を、チップ60の径方向断面の面
積(チップのうち溶融部との界面に位置する断面の面
積)に対して1.5倍以下となるように小さくすること
で、溶融部70への熱応力が低減でき、コージェネレー
ションエンジン等の熱負荷の厳しい環境で使用した場合
でもチップ60と中心電極(母材)30との接合信頼性
を確保できるようなスパークプラグ100を提供するこ
とができる。
【0047】また、本実施形態において、上述の「溶融
部とチップの同一形状構成」を採用した場合でも、同様
に接合信頼性を確保できるようなスパークプラグ100
を提供することができる。もし、チップ60と溶融部7
0との界面において互いの断面の形状又は寸法が異なる
と、チップ60または溶融部70がはみ出した部分が存
在する。
【0048】すると、はみ出し部においてチップ60と
溶融部70とによって、熱応力が集中しやすいエッジ部
が形成される。しかし、「溶融部とチップの同一形状構
成」によれば、チップ60と溶融部70との界面におい
て互いの断面の形状又は寸法が同一であるため、そのよ
うなエッジ部が存在せず、熱応力の低減が図れる。
【0049】なお、図7に示すように、チップ60の径
方向中心部付近にチップ60と中心電極30とが溶け合
っていない非溶融領域Xがある場合においても、溶融部
70の最大断面積部の面積を、チップ60の径方向断面
の面積に対して1.5倍以下となるように小さくするこ
とで、チップ60と中心電極(母材)30との接合信頼
性を確保できる。そして、この図7の例における溶融部
70の最大断面積部の面積とは、溶融領域Yの断面積だ
けでなく、非溶融領域Xの断面積も含むものである。
【0050】次に、「チップとの最大部断面積比」が
1.78倍(従来品に相当)のスパークプラグと、「チ
ップとの最大部断面積比」が1倍(「溶融部とチップの
同一形状構成」)のスパークプラグについて、チップ6
0の径方向断面の面積を種々変更して耐久テストを行っ
た。なお、このテストに供したスパークプラグの材質、
構成および製造方法は上記の検討例(最大直径φDを種
々変えたもの)と同じであり、また、耐久テストの条件
および評価方法も上記の検討例と同じである。
【0051】図8はその耐久テストの結果を示すもの
で、チップ60の径方向断面(チップ断面積)と耐久テ
スト後の剥離率との関係をプロットしたグラフである。
この図8から明らかなように、チップ60の径方向断面
の面積が2mm2未満では、「チップとの最大部断面積
比」にかかわらず剥離率はほぼ0%であり、一方、チッ
プ60の径方向断面の面積が7mm2を超えると、「チ
ップとの最大部断面積比」が1倍のスパークプラグにお
いても剥離率が25%を超えてしまう。従って、チップ
60の径方向断面の面積が2mm2以上でかつ7mm2
下のスパークプラグにおいて、「チップとの最大部断面
積比」を1.5倍以下にした場合に、顕著な効果を得る
ことができる。
【0052】次に、図9に示すような、溶融部70がチ
ップ軸方向に沿って同一直径の円柱形状とされ、かつ溶
融部70の最小直径φDminがチップ60の直径φd
よりも小さいスパークプラグにおいて、溶融部70の最
小断面積部(溶融部70の最小直径φDmin部)の面
積とチップ60の径方向断面の面積との比(以下、「チ
ップとの最小部断面積比」という)を種々変更して耐久
テストを行った。
【0053】なお、図10は、このテストに供したスパ
ークプラグの各最小直径φDminについて、「チップ
との最小部断面積比」を示す図表である。また、このテ
ストに供したスパークプラグの材質、構成および製造方
法は上記の検討例(最大直径φDを種々変えたもの)と
同じである。
【0054】また、耐久テストは、コージェネレーショ
ンエンジンを用いて、スロットル全開にてエンジン回転
数を1600rpmに維持し、連続1000時間の運転
を行った。また、耐久性は、図11に示す消耗体積比に
て評価した。この消耗体積比は、各テスト品の耐久テス
トによるチップ60の消耗体積を、従来品(図3(b)
に示す形状のもの)の耐久テストによるチップ60の消
耗体積で割った値である。
【0055】図11から明らかなように、「チップとの
最小部断面積比」は0.6倍以上であることが好まし
い。これは、0.6倍未満であると、チップ60から母
材への熱引きが悪くなり、チップ温度が上昇してチップ
60の消耗を増大させてしまうためである。よって、
0.6倍以上であれば、実用上十分な耐消耗性を確保す
ることができる。
【0056】なお、図12および図13に示すように、
溶融部70においてチップ軸方向の中間部が最小直径φ
Dminとされたスパークプラグや、図14に示すよう
に、溶融部70において中心電極30側が最小直径φD
minとされたスパークプラグにおいても、「チップと
の最小部断面積比」が0.6倍以上であれば、実用上十
分な耐消耗性を確保することができる。
【0057】また、本実施形態では、より好ましい形態
として図15に示すような構成を採用することができ
る。図15において、中心電極(母材)30には、中心
電極30と溶融部70との界面を起点として該先端面3
1と直交する方向へ長さL(形成長さL)にて、小断面
積部33が形成されている。この小断面積部33は、そ
の先端面31に沿った断面がチップ60の径方向断面の
面積に対して1.5倍以下になっている部分である。本
例では、小断面積部33における先端面31に沿った断
面は、溶融部70の最大断面積部と同一の形状及び寸法
となっている。
【0058】この小断面積部33は、上記図3に示した
接合方法において、レーザ溶接後、溶融部70ととも
に、溶融部70と隣接する中心電極30の部位を切削
(図15中の破線部分)して中心電極30の形状を調整
することにより、適切に形成することができる。中心電
極30に小断面積部33を形成することで、溶融部70
に接する中心電極30自身のサイズも小さくすることが
でき、熱応力をより低減することができる。また、小断
面積部33の形成長さLは2.0mm以内であることが
必要である。これは、次のような検討結果に基づくもの
である。
【0059】小断面積部33は、中心電極30の他の部
位に比べて細い部位である。もし、形成長さLが大きす
ぎると、中心電極30が細くなって熱伝導性が悪化し、
中心電極30において熱応力低減効果よりも温度上昇に
よる影響が大きくなる。その結果、溶融部70への熱応
力が増大してしまうため、接合信頼性を確保しにくくな
る。
【0060】この考えに基づいて、形成長さLの適切な
範囲を実験検討により求めた。限定するものではない
が、その一例を図16に示す。上記図4に示した検討例
と同様のチップ60及び中心電極30を用いて、且つ、
上記「チップとの最大部断面積比」を1.5(最大直径
φDが2.94mm)としたものについて、形成長さL
を種々変えた場合に、上記図4に示した検討例と同様に
して耐久テスト後の剥離率を求めた。
【0061】図16は、形成長さL(mm)と剥離率
(%)との関係を示すグラフである。これから、最も効
果を発揮するL寸法は1.0mmであり、それを超える
と、中心電極30において熱応力低減効果よりも温度上
昇による影響が大きくなり、結果として、溶融部70へ
の熱応力が増大するため、剥離率が高くなっていく。よ
って、剥離率を25%以下にするためには、形成長さL
は2mm以下であることが好ましい。
【0062】また、上記した「溶融部とチップの同一形
状構成」を採用した場合でも、小断面積部33による効
果は同様に発揮される。この場合の断面構成を図17に
示す。図17において、小断面積部として、先端面31
に沿った断面が溶融部70の断面と同一の形状及び寸法
となっている同一形状部33aが、2.0mm以内の形
成長さLにて形成されている。
【0063】つまり、図17に示す様に、チップ60、
溶融部70及び同一形状部(小断面積部)33aは、こ
れら各部33a、60、70に渡って均一な直径φdを
有する円柱形状をなしている。それにより、中心電極3
0と溶融部70との界面においても、エッジ部が存在し
ないため、「溶融部とチップの同一形状構成」の効果を
より高いレベルにて発揮するスパークプラグを提供する
ことができる。
【0064】なお、図15の例では、小断面積部33に
おける反チップ側の端部を、先端面31と平行な面の段
付状に形成したが、図18に示すように小断面積部33
における反チップ側端部にテーパ部34も設けてもよい
し、あるいは、図19に示すように小断面積部33にお
ける反チップ側端部にR形状部35を設けてもよい。そ
して、図18および図19の例においては、先端面31
に沿った小断面積部33の面積がチップ60の径方向断
面の面積に対して1.5倍未満であるため、テーパ部3
4あるいはR形状部35の途中部位までが形成長さLの
範囲となる。
【0065】また、本実施形態では、チップ60を、レ
ーザ溶接により中心電極30の先端面31に固定された
ものとしている。レーザ溶接による溶融部の厚みは一般
に数百μm〜1mm程度であり、抵抗溶接による溶融部
の厚み(一般に10〜数10μm程度)と比べて厚くな
る。溶融部が厚いほど熱応力は低減できるが、本実施形
態により、更に、接合信頼性を向上させることができ
る。
【0066】また、コージェネレーション等の熱負荷の
厳しいエンジンでは、通常用いられる円板状のチップと
しては、直径が2.4mm程度のものが最大である。チ
ップの径が大きいほど熱応力も大きくなるが、本実施形
態では、チップ60の直径φdが2.4mmの場合にお
いて、効果を確認しており、実用サイズのスパークプラ
グにおいて接合信頼性を確保することができるといえ
る。
【0067】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
互いに対向して配置された中心電極30及び接地電極4
0のうち中心電極30を母材として、中心電極30の先
端面31に放電部材としてのチップ60を溶接固定して
いたが、本実施形態は、接地電極40にチップ60を溶
接固定した場合でも、同様の構成とすることで、同様の
効果が得られることは勿論である。以下、第1実施形態
との相違点について主に説明する。
【0068】図20は、第2実施形態に係るスパークプ
ラグの要部を示す断面図であり、接地電極40を母材と
して、その他端側の先端面(母材の一面)42に、チッ
プ60がレーザ溶接により固定されている。本例では、
チップ60はIr合金よりなる矩形板状であり、その一
端面にて、Ni基合金よりなる角柱状の接地電極40に
おける先端面42に接合されている。ここで、放電ギャ
ップ50は、チップ60の一面61と中心電極30の先
端面31との隙間である。
【0069】また、図21及び図22は、図20中の接
地電極40の他端側の構成について種々の例を示す拡大
図である。図21中、(a)は第1の例の外観図、
(b)は(a)中のC−C断面図、(c)は第2の例の
外観図、(d)は(c)中のD−D断面図であり、図2
2中、(a)は第3の例の外観図、(b)は(a)中の
E−E断面図、(c)は第4の例の外観図、(d)は
(c)中のF−F断面図である。なお、これら図21、
図22中、外観図における溶融部70の表面には識別の
ためハッチングを施してあり、断面図は上記図20の断
面に対応している。
【0070】本実施形態の第1〜第4の例において、チ
ップ60と接地電極40とが溶け合った溶融部70は、
接地電極40の先端面(母材の長手方向と直交する面)
42に沿った断面をみたとき、溶融部70の最大断面積
部の面積が、チップ60のうち溶融部70との界面に位
置する断面の面積に対して1.5倍以下になっている。
これら各例では、上記のチップ60のうち溶融部70と
の界面に位置する断面、及び、溶融部70における接地
電極40の先端面42に沿った断面は、矩形状の断面で
ある。
【0071】また、これら第1〜第4の例は、チップ6
0を接地電極40の先端面42へレーザ溶接した後、上
記同様に、溶融部70及び接地電極40を切削加工する
(図中の破線部が切削された部分)ことで形成されたも
のである。そのため、接地電極40における切削された
部分には、上記第1実施形態における小断面積部と同様
の機能を有する小断面積部43が形成される。
【0072】ここで、第1〜第4の例は、互いに、接地
電極40の切削部の形状を変えて、小断面積部43の形
状を変えたものである。具体的には、第1の例のよう
に、接地電極40の幅方向の両側を同一幅分、切削した
り、第2及び第3の例のようにテーパ状に切削したり、
あるいは、第4の例のように、接地電極40の厚み方向
の両側を同一厚さ分、切削したりすることができる。
【0073】各例において、小断面積部43は、接地電
極40と溶融部70との界面を起点として先端面42と
直交する方向へ、2.0mm以内の形成長さにて形成さ
れている。特に、第2及び第3の例のように、テーパ状
に切削した場合には、小断面積部43に相当する部分
は、接地電極40の先端面42に沿った断面をみたと
き、チップ60の断面積に対して1.5倍以下になって
いる部分までである。
【0074】そして、本実施形態のスパークプラグにお
いても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、上記第1実施形態における「溶融部とチップの同
一形状構成」、更には、上記同一形状部を有する構成に
ついても、本実施形態に適用可能であることは勿論であ
る。
【0075】(他の実施形態)なお、上記第1及び第2
実施形態は、レーザ溶接によるチップと母材とを接合す
るものであり、溶融部サイズの大きいレーザ溶接に好適
な実施形態を提供できたが、この接合は抵抗溶接による
ものであっても良い。抵抗溶接による場合も、溶融部と
隣接する母材の形状、寸法等を上記実施形態に準じた構
成とすることで、熱負荷の厳しい環境で使用した場合で
もチップと母材との接合信頼性を確保できるようなスパ
ークプラグを提供することができる。
【0076】また、チップ60は中心及び接地電極3
0、40の両方に溶接固定しても良い。また、各実施形
態において、チップ60の形状は限定するものではな
く、その材質も限定されない。上記実施形態では、チッ
プ60の材質を、母材30、40との線膨張係数の差が
大きいIrを50wt%以上含む合金としているが、P
tまたはその合金等でも良い。また、接地電極40とし
てはNi合金以外にも、Fe合金等でも良い。
【0077】また、母材30、40に対して上記の小断
面積部33、43や同一形状部33aを形成するにあた
っては、溶接後に切削加工する以外にも、溶接前に切削
加工して形成しても良い。また、切削加工ではなく、例
えば打ち抜き加工等にて、小断面積部や同一形状部を形
成しても良い。
【0078】要するに、本発明は、中心電極及び接地電
極のうち少なくとも一方を母材として、この母材の一面
にチップを溶接固定してなるスパークプラグにおいて、
チップと母材との溶融部及びチップについて母材の一面
に沿った断面をみたとき、溶融部の最大断面積部の面積
が、チップのうち溶融部との界面に位置する断面の面積
に対して1.5倍以下になっていること、または、上記
の「溶融部とチップの同一形状構成」とすること、を要
部とするものであり、他の部分は適宜設計変更可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスパークプラグの
全体を示す半断面図である。
【図2】図1中の中心電極の先端部の拡大断面図であ
る。
【図3】中心電極とチップとの接合方法を示す工程図で
ある。
【図4】各最大直径φDについて溶融部の最大断面積部
の面積とチップの径方向断面の面積との比(「チップと
の最大部断面積比」)を示す図表である。
【図5】剥離率を示す図である。
【図6】「チップとの最大部断面積比」と剥離率との関
係を示すグラフである。
【図7】非溶融領域Xがある中心電極の例を示す断面図
である。
【図8】チップ断面積と剥離率との関係を示すグラフで
ある。
【図9】溶融部の最小直径がチップの直径よりも小さい
中心電極の例を示す断面図である。
【図10】各最小直径φDminについて、「チップと
の最小部断面積比」を示す図表である。
【図11】「チップとの最小部断面積比」とチップの消
耗体積比との関係を示すグラフである。
【図12】溶融部の最小直径がチップの直径よりも小さ
い中心電極の例を示す断面図である。
【図13】溶融部の最小直径がチップの直径よりも小さ
い中心電極の例を示す断面図である。
【図14】溶融部の最小直径がチップの直径よりも小さ
い中心電極の例を示す断面図である。
【図15】中心電極に小断面積部を形成した例を示す断
面図である。
【図16】小断面積部の形成長さLと剥離率との関係を
示すグラフである。
【図17】中心電極に小断面積部としての同一形状部を
形成した例を示す断面図である。
【図18】中心電極に小断面積部を形成した例を示す断
面図である。
【図19】中心電極に小断面積部を形成した例を示す断
面図である。
【図20】本発明の第2実施形態に係るスパークプラグ
の要部を示す断面図である。
【図21】図20中の接地電極の他端側構成についての
第1及び第2の例を示す拡大図である。
【図22】図20中の接地電極の他端側構成についての
第3及び第4の例を示す拡大図である。
【符号の説明】
30…中心電極、31…中心電極の先端面、33…中心
電極の小断面積部、33a…同一形状部、40…接地電
極、42…接地電極の先端面、43…接地電極の小断面
積部、60…チップ、70…溶融部。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配置された中心電極(3
    0)及び接地電極(40)のうち少なくとも一方を母材
    として、この母材の一面(31、42)に貴金属もしく
    はその合金よりなる放電部材としてのチップ(60)を
    溶接により固定してなるスパークプラグにおいて、 前記チップと前記母材との溶融部(70)及び前記チッ
    プについて前記母材の一面に沿った断面をみたとき、 前記溶融部の最大断面積部の面積が、前記チップのうち
    前記溶融部との界面に位置する断面の面積に対して1.
    5倍以下であると共に、 前記チップのうち前記溶融部との界面に位置する断面の
    面積が2mm2以上でかつ7mm2以下であることを特徴
    とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記溶融部(70)の最小断面積部の面
    積が、前記チップ(60)のうち前記溶融部との界面に
    位置する断面の面積に対して0.6倍以上になっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記母材(30、40)において、前記
    母材の一面(31、42)に沿った断面が前記チップ
    (60)のうち前記溶融部(70)との界面に位置する
    断面の面積に対して1.5倍以下になっている小断面積
    部(33、43)が、前記母材と前記溶融部との界面を
    起点として前記母材の一面と直交する方向へ2.0mm
    以内の長さにて形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 互いに対向して配置された中心電極(3
    0)及び接地電極(40)のうち少なくとも一方を母材
    として、この母材の一面(31、42)に貴金属もしく
    はその合金よりなる放電部材としてのチップ(60)を
    溶接により固定してなるスパークプラグにおいて、 前記チップと前記母材との溶融部(70)及び前記チッ
    プについて前記母材の一面に沿った断面をみたとき、 前記溶融部の断面が、前記チップのうち前記溶融部との
    界面に位置する断面と実質的に同一の形状及び寸法であ
    ることを特徴とするスパークプラグ。
  5. 【請求項5】 前記母材(30、40)において、前記
    母材の一面(31、42)に沿った断面が前記溶融部
    (70)の断面と同一の形状及び寸法である同一形状部
    (33a)が、前記母材と前記溶融部との界面を起点と
    して前記母材の一面と直交する方向へ2.0mm以内の
    長さにて形成されていることを特徴とする請求項4に記
    載のスパークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記チップ(60)は、レーザ溶接によ
    り前記母材(30、40)の一面(31、42)に固定
    されたものであることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1つに記載のスパークプラグ。
  7. 【請求項7】 前記チップ(60)は、Irを50wt
    %以上含む合金よりなることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
  8. 【請求項8】 中心電極(30)及び接地電極(40)
    のうち少なくとも一方を母材として、この母材の一面
    (31、42)に貴金属もしくはその合金よりなる放電
    部材としてのチップ(60)を溶接により固定してなる
    スパークプラグを製造する方法であって、 前記母材の一面に前記チップを溶接した後、前記チップ
    と前記母材との溶融部(70)を加工して前記溶融部の
    形状を調整することを特徴とするスパークプラグの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記チップと前記母材との溶融部(7
    0)及び前記チップについて前記母材の一面に沿った断
    面をみたとき、 前記溶融部の最大断面積部の面積が、前記チップのうち
    前記溶融部との界面に位置する断面の面積に対して1.
    5倍以下になるように、 前記溶融部(70)を加工することを特徴とする請求項
    8に記載のスパークプラグの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溶融部(70)とともに、前記溶
    融部と隣接する前記母材(30、40)を加工して前記
    母材の形状を調整することを特徴とする請求項8または
    9に記載のスパークプラグの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記溶接をレーザ溶接法により行うこ
    とを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記
    載のスパークプラグの製造方法。
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