JP6157421B2 - ワークの切断方法及びワーク保持治具 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークの切断方法及びその際使用されるワークの保持治具に関する。
ワイヤソーでワークをウェーハ状に切断する場合、切断面を所定の方位に設定して切断する。その切断方法としては、まず、ワークをワーク保持治具で保持し固定した状態でワークの軸方位を測定する。そして、測定した軸方位のデータを元にワイヤソーに、ワーク保持治具を固定してワークの結晶軸の方位と切断後に要求されるウェーハの面方位に合うように、ワークの位置を調整してから切断する。
ワーク切断面の面方位の調整は、ワイヤ列に平行な面内で円柱状ワークの底面間の中心軸と垂直な軸を回転軸とした回転動作、ワイヤ列平面と底面間の中心軸のあおり動作を組み合わせて調整する。このような、ワークの結晶面方位の調整方法は内段取り方式と呼ばれている。
ワークを切断する際、ノッチやOF(Orientation Flat)等の晶癖線に最も離れた角度でワイヤを走行させて切断を行うことが、ウェーハのワレ等の発生の抑制に有効であることは知られている(特許文献1参照)。
また、内段取り方式の他には、ワークをワーク保持治具に固定する際、ワークの底面の中点を通る中心軸を回転軸としたワークの回転、及びワイヤ列面に並行な面内で旋回を行うことにより方位の調整を行う外段取り方式が有る。この外段取り方式では、ワイヤソーにおいて、ワークの面方位の調整は行わない。
それに対して、内段取り方式は、ワークの固定位置をワークの結晶学的に常に等価な位置に配置することが可能であり、ワークより切り出された製品が最も破損しにくい配置で加工することが可能である。特にシリコン単結晶においては結晶軸方位毎に劈開面の配置が知られておりOFあるいはノッチと底面の中点を通る中心軸との相対位置から知ることができる。
特開2007−90466号公報
しかし、一部の方位測定器では、方位測定器の測定部とワーク底面との距離に制約があり、特にワークの長さが加工可能な最大長(ワーク保持治具の長さ)に対し3/4以下のものは、ワーク保持治具の片側にワークをよせて固定しなければ方位測定ができなかった。その結果、ワイヤソーのワイヤ列の片側にワークを偏らせたまま切断せざるを得なかった。この方法では、切断開始からワイヤ列に必ずしも対称にワークが当たらず加工圧力の偏りが生じ、ワークに偏った変位が生じ、Warp等のソリの悪化を引き起こすという問題があった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、方位測定装置の測定部とワークの測定面の距離の制約に関わらず方位測定をすることができる上に、ワークを切断中に方位ズレを起こさずワークを切断した際のソリの悪化を抑制できるワークの切断方法及び保持治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、ワークをビームに貼り付け、該ビームを介してワーク保持治具により前記ワークを保持して結晶軸方位を測定した後、該測定した結晶軸方位を崩さないように保持したままワーク保持治具をワイヤソーにセットしてから切断面方位を調整し、前記ワーク保持治具で保持したワークを複数の溝付きローラに軸方向に往復走行するワイヤを巻掛けて形成されたワイヤ列に押し当てることで、ワークを切断するワークの切断方法であって、前記ワーク保持治具として、ワークを保持するワーク保持部と、前記ビームと前記ワーク保持部を挟み込むことにより仮固定できるクランプから成り、前記ワーク保持部に、前記ワークが貼り付けられた前記ビームを前記ワークの結晶軸方位を崩さずにスライドさせることができる基準面を有するものを用い、前記クランプにより、前記ワークが貼り付けられた前記ビームと、前記ワーク保持部とを挟み込むことにより仮固定してから、前記結晶軸方位を測定し、該測定後、前記クランプを外して仮固定を解除してから、前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせることで、前記測定した結晶軸方位を崩さずに、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させた後、前記ワーク保持具と前記ビームとを本接着して固定し、該本接着による固定後、前記ワーク保持治具をワイヤソーにセットして切断面方位を調整し、前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てることで切断することを特徴とするワークの切断方法が提供される。
このようにすれば、ワークの結晶軸方位の測定において、ワークの長さに制限されずにワークの結晶軸方位を測定することができる。そして、ワークの結晶軸方位を崩さないようにワーク保持治具の中央部に移動させることで、ワイヤソーのワイヤ列の中央部でワークの方位ズレを起こすことなく切断できる。その結果、加工圧力がワークに均一にかかるため、加工圧力の偏りが原因のウェーハのソリの悪化や破損を抑制しつつ、切断面に所望の面方位を持つウェーハを切り出すことができる。
このとき、前記ビームとして、T字形状を有するものを使用することができる。
このような形状のビームを使用すれば、ビームとワーク保持部をクランプで仮固定する際に、容易に仮固定できるとともに、クランプがワークに接触することがなく、ワークの方位ズレ等の発生を防止できる。
このとき、前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせる際に、予め前記ワーク保持治具の中点に第1のセンターマークを、前記ビームにおける前記ワークの中点の位置に第2のセンターマークをつけておき、前記第1のセンターマークと前記第2のセンターマークの位置が一致するように前記ビームをスライドさせることで、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させることが好ましい。
このようにすれば、より簡便な方法で、ワークをワーク保持治具の中央部に正確に移動させることができ、加工圧力の偏りが原因のソリの悪化や破損をより一層抑制することができる。
またこのとき、前記ワークを、前記ワーク保持治具の長さの3/4以下の長さの短尺ワークとすることができる。
ワーク保持治具の長さの3/4以下の長さの短尺ワークの軸方位を測定する際には、方位測定装置の構造上、短尺ワークをワーク保持治具の一方に寄せて固定しなければ、方位を測定することができなかった。そのため、短尺ワークをワーク保持治具の一方に寄せて固定したまま、切断を実施せざるを得なかった。しかし、このような本発明のワーク切断方法では、ワーク保持治具の基準面に沿って短尺ワークをスライド移動させることで、内段取り方式であっても、ウェーハの長さによる制限のない方位の測定と加工圧力の偏りのないワークの切断を両立することができる。
このとき、前記ワークを、シリコン単結晶インゴットとすることができる。
本発明の切断方法であれば、近年大直径化しているシリコン単結晶インゴットにおいて、例え、短尺のシリコン単結晶インゴットを切断する場合であっても、ソリや破損がより少ない大直径のシリコンウェーハを得ることができる。
更に、上記目的を達成するために、本発明によれば、ワークの結晶軸方位を測定する際と、その後ワイヤソーによって前記ワークを切断する際に前記ワークを保持するために用いられるワーク保持治具であって、前記ワーク保持治具は、ワークを保持するワーク保持部と、ワークが貼り付けられたビームを前記ワーク保持部に仮固定できるクランプとから成り、更に、前記ワーク保持部には、前記ワークが貼り付けられた前記ビームを結晶軸方位を崩さずにスライドさせることができる基準面を有するものであり、前記クランプにより、前記ワークが貼り付けられた前記ビームと、前記ワーク保持部とを挟み込むことにより仮固定してから、前記結晶軸方位を測定し、該測定後、前記クランプを外して仮固定を解除してから、前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせることで、前記測定した結晶軸方位を崩さずに、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させた後、前記ワーク保持具と前記ビームとを本接着して固定し保持することができるものであることを特徴とするワーク保持治具が提供される。
このようなものであれば、ワークの結晶軸方位の測定において、ワークの長さに制限されずにワークの結晶軸方位を測定することができる。そして、ワークの結晶軸方位を崩さないようにワーク保持治具の中央部に移動させることができるので、ワイヤソーのワイヤ列の中央部でワークの方位ズレを起こすことなく切断できる。その結果、加工圧力がワークに均一にかかるため、加工圧力の偏りが原因のウェーハのソリの悪化や破損を抑制しつつ、切断面に所望の面方位を持つウェーハを切り出すことができるものとなる。
このとき、前記ビームはT字形状を有するものとすることができる。
このような形状のビームであれば、ビームとワーク保持部をクランプで仮固定する際に、容易に仮固定できるとともにクランプがワークに接触することがなく、ワークの方位ズレ等の発生を防止できるものとなる。
前記ワーク保持治具は、その中点に第1のセンターマークを有し、更に、前記ビームは、前記ワークの中点の位置に第2のセンターマークを有し、前記第1のセンターマークと前記第2のセンターマークの位置が一致するように前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせることで、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させることができるものであることが好ましい。
このようなものであれば、より簡便な構造で、ワークをワーク保持治具の中央部に正確に移動させることができ、加工圧力の偏りが原因のソリの悪化や破損をより一層抑制することができる。
このとき、前記ワーク保持部は、前記ワーク保持部と前記ビームの接着面の端部に隙間を有するものであることが好ましい。
このように接着面の端部に隙間を有するものであれば、ワークに貼り付けたビームとワーク保持部を接着剤で本接着して固定した場合に、接着剤残りを隙間に逃がすことができるため、接着ムラができにくくなり、接着ムラによる方位ズレの発生を防ぐことができる。
本発明のワークの切断方法及びワーク保持治具であれば、ワークの結晶軸方位の測定において、ワークの長さに制限されずにワークの結晶軸方位を測定することができる。そして、結晶軸方位を崩さないようにワークをワーク保持治具の中央部に移動させることで、ワイヤソーのワイヤ列の中央部でワークを方位ズレなく切断できる。その結果、ウェーハのソリの悪化や破損を抑制しつつ、切断面に所望の面方位を持つウェーハを切り出すことができる。
本発明のワーク保持治具の一例を示す概略図である。 本発明のワーク保持治具において、ワークを一方に寄せた場合の一例を示す概略図である。 本発明のワーク保持治具でワークを保持して結晶方位軸を測定する場合の一例を示す概略図である。 本発明のワーク保持治具において、ワークを中央部に移動させた場合の一例を示す概略図である。 本発明のワーク保持治具でワークを保持して切断する場合の一例を示す概略図である。 従来のワーク保持治具の一例を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図6に示すように、従来のワーク保持治具101では、ワークWを貼り付けたビーム106は、結晶軸方位測定前に、接着剤などによりワーク保持部102に本接着され固定されていた。また、上記のように、方位測定器の測定部とワーク底面との距離に制限があり、特にワークの長さがワーク保持治具の長さに対し3/4以下の短尺ワークは、ワーク保持治具の片側にワークをよせて固定しなければ測定することができなかった。その結果、内段取り方式の切断面調整を行う場合、ワイヤ列の片側に偏らせたままワークを切断せざるを得ず、ワークに偏った変位が生じ、ソリの悪化を引き起こすという問題があった。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、結晶軸方位測定時には、クランプによりビームとワーク保持部を仮固定し、結晶軸方位測定後に仮固定を解除して、基準面に沿ってビームをスライドさせることで、結晶軸方位を崩さずにワークをワーク保持治具の中央に移動させれば、容易にワイヤ列の中央部でワークを切断できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明のワーク保持治具及びこの保持治具を使用したワークの切断方法について図1−5を参照して説明する。
まず、本発明のワーク保持治具について説明する。本発明のワーク保持治具は、ワークの結晶軸方位の測定時にワークの保持に用いられ、その後、ワークを保持したままの状態でワイヤソーにセットされ、ワークの切断時にもワークの保持に用いられるものである。
そして、図1に示すように、本発明のワーク保持治具1は、ビーム6を介してワークWを保持するワーク保持部2と、ビーム6とワーク保持部2を挟み込むことにより仮固定できるクランプ3から成る。
図1に示すように、クランプ3は、ワーク保持部2とビーム6を挟み込むことにより仮固定することができ、特に、ワークWの結晶軸方位を測定するために、図2のようにワークWをワーク保持治具1の片側に寄せた時に、一時的にワークWの位置を固定できるものである。また、このクランプ3は取り外し可能であり、特に、結晶方位測定後、ワイヤソーによるワークの切断を実施する前に、ワーク保持部2とビーム6との仮固定を解除することが可能なものである。
本発明は、上記のようにクランプ3により、ワークWの結晶軸方位測定時にワーク保持部2とビーム6を挟み込むことにより仮固定する。従って、ビーム6の形状は、クランプ3でワーク保持部2とビーム6を仮固定した際に、クランプ3がビーム6に貼り付けられたワークWに接触しないような形状とすることが好ましい。このような形状を持つビームとしては、特に、図1に示すようなT字形状を有するビーム6であることが好ましい。
T字形状であれば、容易にクランプできるとともに、ビーム6における、クランプ3の接触部と、ワークWの貼り付け部を異なる面に分離することができ、確実にワークWとクランプ3の接触を防止できるものとなる。その結果、クランプ3の接触によるワークの方位ズレの発生を防止できる。
また、ワーク保持部2には、フラットな基準面4が設けられている。この基準面4は、ワークWを貼り付けたビーム6を、その端面が基準面4に沿ってスライドさせることで、ワーク保持部2のどの位置でビーム6を接着しても、インゴット軸方位の測定結果と同等な切断方位を出すことが可能なものである。
このようなワーク保持治具1であれば、簡易な構造で結晶軸方位を崩さず容易に基準面に沿ってスライドでき、ワイヤソーによるワークWの切断時には、ワイヤ列の中央部でワークの方位ズレを起こすことなく切断を可能にできるものとなる。
また、基準面4は、ビーム6に貼り付けられたワークWが、その結晶軸方位を崩さずスライドできるようにするため、高い形状精度が必要となる。この形状精度は、特に限定はしないが、ワーク保持部2の平面度は長手方向(図1の紙面に垂直方向)に±0.3mm以内、基準面4の平面度が±0.1mm以内であることが好ましい。
また、図1に示すように、ワーク保持部2は、ワーク保持部2とビーム6の接着面の端部に隙間5を有するものであることが好ましい。隙間5があればワークWを貼り付けたビーム6とワーク保持部2を接着剤等で本接着した場合に、接着剤を隙間5に逃がすことができ、接着面に余分な接着剤を残すことがないため、接着ムラができにくくなる。これにより、接着ムラによる方位ズレを防ぐことができる。
このような、本発明のワーク保持治具1は、ワーク保持治具1の長さ3/4以下の長さの短尺ワークWを保持する場合に好適なものとなる。本発明のワーク保持治具1であれば、短尺ワークであっても、結晶軸方位を測定する際には、図2に示すように、ビーム6に貼り付けたワークWをワーク保持治具1の一端に寄せてからクランプ3で仮接着を行い結晶軸方位測定することができる。この時、仮接着のズレを無くすために、クランプ3の厚さはワーク保持部2とビーム6を合わせた厚さよりも、特に限定はしないが、1mm狭くするのが好ましい。
また、結晶軸方位の測定は、図3に示すように、ワークWを保持したワーク保持治具1を方位測定器にセットする。この際、ワークWを一定距離内に接近させてその結晶軸方位を測定する方位測定部7に、ワークWの一方の端面を近づけて結晶軸方位の測定を行う。
そしてその後、ワイヤソーによるワークWの切断を行う際には、仮固定を行っていたクランプ3を外してビーム6を貼り付けたワークWとワーク保持治具1を分離する。そして、図4に示すように、ビーム6を貼り付けたワークWをワーク保持治具1の中央部に基準面4に沿ってスライド移動させて、例えば接着剤などを用いて本接着を行い固定することができる。
このとき、図2、4のようにワーク保持治具1の中点にセンターマークMを、ビーム6におけるワークWの中点の位置に第2のセンターマークMをつけておく。そして、図4のように、センターマークM、Mの位置が一致するように、ビーム6を基準面4に沿ってスライドさせればワークWをワーク保持治具1の中央部に正確に移動させることができるものとなる。
また、このとき、ワーク保持治具1で保持するワークWは、シリコン単結晶インゴットとすることができる。シリコン単結晶インゴットは大直径化が進んでおり、大直径で短尺のインゴットの切断がしばしば要求される。この場合に、本発明のようなワーク保持治具1を用いれば、ソリや破損がより少ない大直径のシリコンウェーハを得ることができるものとなる。もちろん、切断するワークはシリコン単結晶に限定されず、化合物半導体、酸化物単結晶、石英等であっても良い。
以上のような、本発明のワーク保持治具であれば、ワークの結晶軸方位の測定において、ワークの長さに制限されずにワークの結晶軸方位を測定することができる。そして、ワークの結晶軸方位を崩さないようにワーク保持治具の中央部に移動させることができるので、ワイヤソーのワイヤ列の中央部でワークの方位ズレを起こすことなく切断できる。その結果、加工圧力がワークに均一にかかるため、加工圧力の偏りが原因のウェーハのソリの悪化や破損を抑制しつつ、切断面に所望の面方位を持つウェーハを切り出すことができるものとなる。
次に、本発明のワーク保持治具1を使用した場合の本発明のワークの切断方法について説明する。
まず、ワークを精度よく切断する為に、ワークWは、劈開方向とワイヤの走行方向が十分に離れる角度になるようにビーム6に貼り付けることが好ましい。このようにすれば、切断の際にワイヤの走行方向と劈開方向を十分に離せるため、ウェーハのワレがより一層起きにくくなる。
この場合、すでにワークWは円筒研削等により晶癖線は削り取られているので、図2中のdで示すような、ワークに刻まれたノッチ又はOFを基準に位置合わせすることができる。次に、図2に示すようにビーム6を接着したワークWをワーク保持治具1の一方に寄せてからクランプ3で仮固定を行い保持する。そして、図3に示すように、ワーク保持治具を、結晶軸方位の測定器にセットして、ワークWを方位測定部7に近づけてから、結晶軸方位測定をすることができる。
また、ビームとしては、特に、図1に示すようなT字形状を有するビーム6を用いることが好ましい。T字形状であれば、ビーム6における、クランプ3の接触部と、ワークWの貼り付け部を異なる面に分離することができ、簡単にクランプすることができるとともに、確実にワークWとクランプ3の接触を防止できるものとなる。その結果、クランプの接触によるワークの方位ズレの発生を防止できる。
そしてその後、ワイヤソーによるワークWの切断を行う際には、仮固定を行っていたクランプ3を外してビーム6を貼り付けたワークWとワーク保持治具1を分離する。そして、図4に示すように、ビーム6を貼り付けたワークWをワーク保持治具1の中央部に基準面に沿ってスライド移動させて、本接着を行い保持することができる。
このとき、図2、4のようにワーク保持治具1の中点にセンターマークMを、ビーム6のワークWの中点の位置にセンターマークMをつけておく。そして、図4のように、センターマークM、Mが一致する位置に、ビーム6を基準面4に沿ってスライドさせれば、測定した結晶軸方位を崩さずにワークWをワーク保持治具1の中央部に正確に移動させることができるものとなる。
その後、図5に示すように、ワーク保持治具1をワイヤソー8にセットする。このワイヤソー8には、複数の溝付きローラに軸方向に往復走行するワイヤを巻掛けて形成されたワイヤ列9が設けられており、このワイヤ列9の上方にワーク保持治具1を配置する。そして、ワイヤ列9に並行な面内でワークWの底面間(両端面間)の中心軸と垂直な軸を回転軸とした回転動作、ワイヤ列9と垂直な平面内で底面間の中心軸を回転させるあおり動作を組み合わせて、ワークWの結晶軸方位と切断後に要求されるウェーハの面方位が合うように、ワークWの位置を調整する。
また、このワークの切断面方位の調整は、例えばチルト機構等が備え付けられたワイヤソーを使用すれば、ワイヤソー8にワーク保持治具1を固定した後であっても実施することができる。その後、ワークWを押し下げてワイヤ列9に押し当てることでワークWを切断する。
以上のような、本発明のワークの切断方法であれば、結晶軸方位の測定において、ワークWの長さに制限されずにワークWの結晶軸方位を測定することができる。そして、ワークWの結晶軸方位を崩さないようにワーク保持治具1の中央部に移動させることで、ワイヤソー8のワイヤ列9の中央部でワークを方位ズレを起こすことなく切断できる。その結果、加工圧力がワークWに均一にかかるため、加工圧力の偏りが原因のウェーハのソリの悪化や破損を抑制しつつ、切断面に所望の面方位を持つウェーハを切り出すことができる。
さらに、本発明では、ワークWをワーク保持治具の長さの3/4以下の長さの短尺ワークとすることができる。
内段取り方式において、ワーク保持治具の長さの3/4以下の長さの短尺ワークの結晶軸方位を測定する際には、方位測定装置の構造上、短尺ワークをワーク保持治具の一方に寄せて固定しなければ、方位を測定することができなかった。そのため、短尺ワークをワーク保持治具の一方に寄せて固定したまま、切断を実施せざるを得なかった。それに対して、本発明のワークの切断方法ではビームを移動させて短尺ワークを移動させることで、ウェーハの長さによる制限のない方位の測定と、加工圧力の偏りのないワークの切断とを両立することができる。
またこのとき、ワークWを、シリコン単結晶インゴットとすることができる。
シリコン単結晶は、近年特に大直径化が進行しており、大直径で短尺のインゴットの切断が要求される。この場合であっても、本発明のワークの切断方法であれば、ソリや破損がより少ないシリコンウェーハを得ることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
図1、2に示すような、フラットな基準面4を設けた形で構成されているワーク保持治具1(材質S50C)、ビーム6(日化精工製レジンビーム)を使用してクランプ3(材質S50C)で仮固定を行い、図2に示すようにワークWをワーク保持治具1の一方に寄せて、結晶軸方位の測定を行った。その後、クランプ3を外して仮固定を解除し、図4に示すように、ワークWの結晶軸方位を崩さないでワーク保持治具1の基準面4に沿って中央へスライドさせ、接着を行った。
次にワーク保持治具1を図5のようにワイヤソー8にセットしてから切断面方位を調整し、ワークWをワイヤ列9に押し当てて切断した。切断対象のワークは、直径200mm、ワーク保持治具の長さに対するワーク長さの比率が3/4(=0.75)以下となる長さのシリコン単結晶インゴットとした。そして、上記長さの比率(ワークの長さ/ワーク保持治具の長さ)が、それぞれ0.33(実施例1)、0.54(実施例2)、0.37(実施例3)、0.40(実施例4)、0.48(実施例5)である長さのシリコン単結晶インゴットを繰り返しウェーハ状に切断した。
切断終了後、ウェーハのソリの指標となるWarpを、ウェーハ形状測定器であるE&H社のMX204−8−37で測定した。その結果を表1に示す。尚、実施例、比較例では、Warpの評価指標として、(ワーク別の切り出したウェーハのWarpの平均値/比較例1のWarpの最大値)×100で表されるWarpの相対値(%)を使用した。また、方位ズレはRigaku社のDPGSにより測定し、狙いからのズレを評価した。
表1に示すように、実施例1〜5のWarpの相対値は、43.1(実施例1)、49.0(実施例2)、45.8(実施例3)、36.3(実施例4)、37.4(実施例5)となり、後述する比較例よりも大幅に減少し、平坦度が改善されていることが確認された。従って、通常の長さのワークはもちろん、ワーク保持治具の長さに対して3/4以下となる長さの短尺ワークであっても、従来の切断方法と比べ、ウェーハのソリの悪化を抑制して切断を行えることが確認された。また、方位ズレに関しても狙いに対して殆ど変化しておらず良好であった。
(比較例1〜5)
本発明のワーク保持治具1を用いなかったこと、すなわち短尺ワークであっても結晶軸方位を測定可能にするために、ワーク保持治具の一方に寄せてワークWを保持し、ワークWを一方に寄せたままの状態で切断を行ったこと以外、実施例と同様な条件でワークを切断した。そして、その後、実施例と同様の方法でウェーハのWarpと方位ズレを評価した。但し、比較例1〜5では、上記長さ比率がそれぞれ0.42(比較例1)、0.55(比較例2)、0.55(比較例3)、0.44(比較例4)、0.34(比較例5)である長さのシリコン単結晶インゴットを繰り返しウェーハ状に切断した。その結果を表1に示す。
比較例1〜5の場合、方位ズレに関しては、実施例1〜5と同様に、狙い方位に対し殆ど変化しておらず良好であったものの、ワークをワイヤ列中央部で切断できずワークに均等に加工圧が掛らなかったため、Warpの相対値は、それぞれ、100(比較例1)、69.9(比較例2)、71.7(比較例3)、66.8(比較例4)、59.0(比較例5)と、実施例よりも大幅に増加し、平坦度が悪化していることが確認された。
表1に、実施例、比較例における実施結果をまとめたもの示す。
Figure 0006157421
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ワーク保持治具、 2…ワーク保持部、 3…クランプ、
4…基準面、 5…隙間、 6…ビーム、
7…方位測定部、 8…ワイヤソー、 9…ワイヤ列、
W…ワーク、 d…ノッチ又はオリエンテーションフラット。

Claims (9)

  1. ワークをビームに貼り付け、該ビームを介してワーク保持治具により前記ワークを保持して結晶軸方位を測定した後、該測定した結晶軸方位を崩さないように保持したままワーク保持治具をワイヤソーにセットしてから切断面方位を調整し、前記ワーク保持治具で保持したワークを複数の溝付きローラに軸方向に往復走行するワイヤを巻掛けて形成されたワイヤ列に押し当てることで、ワークを切断するワークの切断方法であって、
    前記ワーク保持治具として、ワークを保持するワーク保持部と、前記ビームと前記ワーク保持部を挟み込むことにより仮固定できるクランプから成り、前記ワーク保持部に、前記ワークが貼り付けられた前記ビームを前記ワークの結晶軸方位を崩さずにスライドさせることができる基準面を有するものを用い、
    前記クランプにより、前記ワークが貼り付けられた前記ビームと、前記ワーク保持部とを挟み込むことにより仮固定してから、前記結晶軸方位を測定し、
    該測定後、前記クランプを外して仮固定を解除してから、前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせることで、前記測定した結晶軸方位を崩さずに、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させた後、前記ワーク保持具と前記ビームとを本接着して固定し、
    該本接着による固定後、前記ワーク保持治具をワイヤソーにセットして切断面方位を調整し、前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てることで切断することを特徴とするワークの切断方法。
  2. 前記ビームとして、T字形状を有するものを使用することを特徴とする請求項1に記載のワークの切断方法。
  3. 前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせる際に、予め前記ワーク保持治具の中点に第1のセンターマークを、前記ビームにおける前記ワークの中点の位置に第2のセンターマークをつけておき、前記第1のセンターマークと前記第2のセンターマークの位置が一致するように前記ビームをスライドさせることで、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワークの切断方法。
  4. 前記ワークを、前記ワーク保持治具の長さの3/4以下の長さの短尺ワークとすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワークの切断方法。
  5. 前記ワークを、シリコン単結晶インゴットとすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワーク切断方法。
  6. ワークの結晶軸方位を測定する際と、その後ワイヤソーによって前記ワークを切断する際に前記ワークを保持するために用いられるワーク保持治具であって、
    前記ワーク保持治具は、ワークを保持するワーク保持部と、ワークが貼り付けられたビームを前記ワーク保持部に仮固定できるクランプとから成り、更に、ワーク保持部に、前記ワークが貼り付けられた前記ビームを結晶軸方位を崩さずにスライドさせることができる基準面を有するものであり、
    前記クランプにより、前記ワークが貼り付けられた前記ビームと、前記ワーク保持部とを挟み込むことにより仮固定してから、前記結晶軸方位を測定し、
    該測定後、前記クランプを外して仮固定を解除してから、前記ビームを前記基準面に沿ってスライドさせることで、前記測定した結晶軸方位を崩さずに、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させた後、前記ワーク保持具と前記ビームとを本接着して固定し保持することができるものであることを特徴とするワーク保持治具。
  7. 前記ビームは、T字形状のものであることを特徴とする請求項6に記載のワーク保持治具。
  8. 前記ワーク保持治具は、その中点に第1のセンターマークを有し、更に、前記ビームは、前記ワークの中点の位置に第2のセンターマークを有し、前記第1のセンターマークと前記第2のセンターマークの位置が一致するように前記ビームをスライドさせることで、前記ワークを前記ワーク保持治具の中央部に移動させることができるものであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のワーク保持治具。
  9. 前記ワーク保持部は、前記ワーク保持部と前記ビームの接着面の端部に隙間を有するものであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のワーク保持治具。
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