JP6156264B2 - 電気自動車の制御装置 - Google Patents
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Description
このトルクマップでは、トルク指令値T*が負の変化を生じる領域(図7において、トルクマップが右下がりの領域)が、モータ制御系の共振により車両の振動が継続しやすい領域となる。
本発明の目的は、制御系の応答を下げることなく、車両の継続振動を止めることができる電気自動車の制御装置を提供することにある。
また、前記第1モード復帰条件の成立には、制御周期毎に得られる実モータ回転数の今回値と、前記固定値のモータ回転数との絶対値の差が第2判定閾値以上になった場合を含むことが好ましい。
図1に示す電流指令値算出部22は、トルク指令値T*に応じた電流指令値Id*及びIq*を算出し、2相/3相変換部23に出力する。前記Id*及びIq*は、それぞれベクトル制御に用いられる電流指令値のd軸成分およびq軸成分である。また、3相/2相変換部24は、図示しない電流検出部からの各相のモータ電流Iu、Iv、Iw、及びモータ回転数Nを入力して、モータ電流Iu、Iv、Iwを3相/2相変換によりd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換し、2相/3相変換部23に入力する。
次に、本実施の形態に係る電気自動車の制御装置20の作用を図3〜図5を参照して説明する。
図示しないバッファから現在の駆動モータ10の実モータ回転数(今回値)の読み取りが行われる。
前回値から今回値が第1判定閾値以上増加しているか否かが判定される。今回値が前回値よりも第1判定閾値以上増加している場合は、「YES」と判定されてS30に移行する。また、今回値が前回値よりも第1判定閾値未満の増加の場合は、「NO」と判定されてS70に移行する。
(S30)
非検出時間カウンタがクリアされ、S40に移行する。
増加減少方向フラグが0にリセットされているか否かが判定される。増加減少方向フラグが0にリセットされている場合は、「YES」と判定されてS50に移行する。また、増加減少方向フラグが0にリセットされていない場合は、「NO」と判定されて図4のS130にジャンプする。
検出回数カウンタがインクリメントされて、S60に移行する。ここで、検出回数は、実モータ回転数Nの増減の繰り返し回数に相当する。
増加減少方向フラグが1にセットされて、図4のS130に移行する。
ここで、S40、及びS60における増加減少方向フラグに関する処理の意味について説明する。
S20からS70に移行した場合、今回値が前回値よりも第1判定閾値以上減少しているか否かが判定される。今回値が前回値よりも第1判定閾値以上減少している場合は、「YES」と判定されてS80に移行する。また、今回値が前回値よりも第1判定閾値未満で減少している場合は、「NO」と判定されてS120に移行する。
(S80)
非検出時間カウンタがクリアされ、S90に移行する。
増加減少方向フラグが1にセットされているか否かが判定される。増加減少方向フラグが1にセットされている場合は、「YES」と判定されてS100に移行する。また、増加減少方向フラグが0に1にセットされていない場合は、「NO」と判定されて図4のS130にジャンプする。
前記検出回数カウンタがインクリメントされて、S110に移行する。
(S110)
増加減少方向フラグが0にリセットされて、図4のS130に移行する。
実モータ回転数Nが波形状に変化する場合、前記波形状の頂部から下降(実モータ回転数が減少)する領域がある。このように実モータ回転数Nが前記頂部から下降し続ける場合、S70で「YES」、S90で「YES」とされると、S110で、増加減少方向フラグが0にリセットされることになる。
S70からS120に移行した場合は、非検出時間カウンタをインクリメントし、図4のS130に移行する。
図4に示すS130では、前記検出回数カウンタのカウント値がモード遷移許容値以上か否かが判定される。前記検出回数カウンタのカウント値がモード遷移許容値以上の場合、「YES」と判定されて、すなわち、車両振動の振動検出がされてS140に移行する。また、前記検出回数カウンタのカウント値がモード遷移許容値未満の場合は、「NO」と判定されてS150にジャンプする。すなわち、検出回数カウンタのカウント値がモード遷移許容値以上となっていないため、車両振動ではないとしているのである。
なお、S130からS150にジャンプした場合、車両振動の検出がされていないため、後のS180のトルクマップで使用される駆動モータ10のモータ回転数のパラメータとして、当該制御周期で取得したS10の今回値がセットされる。
S130において、「YES」と判定されると、車両振動の検出がされたこととなり、今回値を次回の制御周期においてトルクマップを参照する際に使用する固定値とするのである。なお、前記固定値は、実モータ回転数が取り得る最大値と実モータ回転数が取り得る最小値の間の値となり、S130で「YES」と判定されたときにおける今回値の値となる。S140では、振動検出が開始されたことになる。この振動検出は、後のS190で、振動検出が解除されるまで行われていることになる。
なお、一旦、固定値が設定された場合、後のS180で検出回数カウンタがクリアされない限り、次回以降の制御周期におけるS130では、前記検出回数カウンタがモード遷移許容値以上(「YES」)と判定されてS140に移行する。しかし、既に固定値が設定されているため、固定値に変更はない。
今回値と前記固定値との絶対値の差が、第2判定閾値以上か否かが判定される。
今回値と前記固定値との絶対値の差が、第2判定閾値以上の場合、「YES」と判定されて、S180に移行する。また、今回値と前記固定値との絶対値の差が、第2判定閾値未満の場合、「NO」と判定されて、S160に移行する。
(S160)
非検出時間カウンタが復帰許容値以上か否かが判定される。非検出時間カウンタが復帰許容値以上の場合は、「YES」と判定されて、S180に移行する。非検出時間カウンタが復帰許容値未満の場合は、「NO」と判定されて、S170に移行する。なお、復帰許容値(すなわち、復帰許容時間)は、例えば500msであるが、数値は限定されるものではなく、他の時間であってもよい。
今回値が0か否かが判定される。今回値が0の場合は、「YES」と判定されて、S180に移行する。また、今回値が0でない場合は、「NO」と判定されて、S200にジャンプする。S170において、今回値が0の場合は、第1モード復帰条件の成立した場合に相当する。
S150〜S170において、それぞれ「YES」と判定された場合、検出回数カウンタがクリアされて、S190に移行する。
第1モード復帰条件が成立したものとして、車両振動の検出が解除されて固定値のセットが解除される。すなわち、この後、トルクマップでは、今回値とアクセル操作量とが使用されることになる。
トルクマップを参照して、トルク指令値T*の算出が行われる。すなわち、第1モードの場合には、今回値とアクセル操作量を使用してトルクマップを参照してトルク指令値T*の算出が行われる。また、第2モードの場合は、前記固定値と今回値とアクセル操作量を使用してトルクマップを参照してトルク指令値T*の算出が行われる。この後、S10にリターンする。
実モータ回転数Nが0以外の値であって、トルク指令値T*と実モータ回転数Nが非共振の場合、S10、S20で「NO」、S70で「NO」、S120、S130で「NO」、S150で「NO」、S160で「NO」、S170で「NO」とされてS200での処理が行われる。
実モータ回転数Nが0以外の値であって、トルク指令値T*と実モータ回転数Nとが共振している場合について説明する。
ここで、S40では、前記共振が開始された場合は、増加減少方向フラグは0に設定されているため、判定は「YES」となり、S50、S60の処理が行われて、S130に移行する。
S150、S160及びS170は、S140において固定値が設定された以降における振動検出解除のための処理である。
このため、S130では、「YES」と判定されて、S140において、車両振動の検出がされたこととなり、今回値を、今回制御周期以降においてトルクマップを参照する際に使用する固定値とする。
同図のAにおいて、トルク指令値と実モータ回転数とが共振した場合、Bにおいて車両振動が検出されると、車両振動が検出されたときの実モータ回転数が固定値とされて、この固定値がトルクマップに用いられる。
なお、ドライバーのアクセル操作に応じてアクセル操作量は変化するため、アクセル操作量に応じてトルク指令値も変化させることができる。このため、この場合においても、加速、減速を通常通り行うことも可能である。
(1)本実施形態の電気自動車の制御装置20は、駆動モータ10の実モータ回転数Nの増減の繰り返し回数に基づいて、車両振動の有無を判定する振動判定部26(判定部)を備える。また、トルク指令値算出部21は、振動判定部26(判定部)により車両振動が有ると判定された際、前記車両振動が有ると判定された際の実モータ回転数を固定値とし、その固定値とアクセル操作量に応じてトルクマップに基づいてトルク指令値を算出する。
すなわち、トルク指令値と実モータ回転数とが共振したときには、トルクマップに用いるモータ回転数の値を固定することで、継続振動の原因となる制御系の共振を止めることができる。このときにおいても、ドライバーのアクセル操作に応じてアクセル操作量は変化するため、アクセル操作量に応じてトルク指令値も変化させることができる。このため、この場合においても、加速、減速を通常通り行うことも可能である。
(5)本実施形態の第1モード復帰条件の成立には、今回値の実モータ回転数が0になった場合を含む。この結果、今回値の実モータ回転数が0になった場合、第1モードに復帰できる。
・前記実施形態のS170では、今回値が0か否かが判定されたが、今回値が、0以外の値、例えば、0<N<100rpmの低速回転数としてもよい。ただし、この値は例示であって、この数値に限定するものではない。
・前記実施形態において、S150〜S170のうち、S150とS160、S150とS170、またはS160とS170のいずれか1つの組合せを省略してもよい。
20…制御装置、21…トルク指令値算出部、22…電流指令値算出部、
23…2相/3相変換部、24…3相/2相変換部、
25…PWM変換部、26…振動判定部(判定部)、
30…インバータ、40…回転数センサ、50…アクセル操作量センサ。
Claims (5)
- 制御周期毎に、アクセル操作量と駆動モータの実モータ回転数とに応じて前記駆動モータのトルク指令値をトルクマップに基づいて算出するトルク指令値算出部を含み、前記制御周期毎に前記トルク指令値に基づいた電流指令値を前記駆動モータ用として出力する制御系を有する電気自動車の制御装置において、
前記駆動モータの実モータ回転数の増減の繰り返し回数に基づいて、車両振動の有無を判定する判定部を備え、
前記トルク指令値算出部は、前記判定部により前記車両振動が有ると判定された際、前記車両振動が有ると判定された際の前記実モータ回転数を固定値とし、その固定値と前記アクセル操作量に応じて前記トルクマップに基づいてトルク指令値を算出する電気自動車の制御装置。 - 前記トルク指令値算出部において、実モータ回転数とアクセル操作量を使用して前記トルクマップに基づいてトルク指令値を算出する方式を第1モードとし、前記固定値のモータ回転数とアクセル操作量を使用して前記トルクマップに基づいてトルク指令値を算出する方式を第2モードとしたとき、
前記第2モードで実行中の前記トルク指令値算出部は、前記第2モードから第1モードへの遷移を許容する第1モード復帰条件が成立した場合には、第1モードに遷移する請求項1に記載の電気自動車の制御装置。 - 前記第1モード復帰条件の成立には、前記判定部の判定結果による前記車両振動が無いとされた継続時間が復帰許容値以上となった場合を含む請求項2に記載の電気自動車の制御装置。
- 前記第1モード復帰条件の成立には、制御周期毎に得られる実モータ回転数の今回値と、前記固定値のモータ回転数との絶対値の差が第2判定閾値以上になった場合を含む請求項2乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の電気自動車の制御装置。
- 前記第1モード復帰条件の成立には、今回値の実モータ回転数が0、または第3判定閾値以上になった場合を含む請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の電気自動車の制御装置。
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