(第一実施形態)
以下、第一実施形態を説明する。
図1に示すように、DC−DCコンバータ10は、入力電圧Vi(同図左端)に基づいて出力電圧Vo(同図右端)を生成する。
DC−DCコンバータ10は、入力電圧Viが供給される配線(以下、配線Vi)に接続されたトランジスタT1を有している。トランジスタT1はスイッチ回路の一例である。トランジスタT1は例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT1のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT1のドレイン端子はダイオードD1のカソードに接続されている。ダイオードD1のアノードは低電位電圧Vssレベルの配線(以下、配線Vss)に接続されている。低電位電圧Vssは例えば0[V](ゼロボルト)である。
トランジスタT1とダイオードD1の間のノード(接続点)N1はインダクタL1の第1端子に接続されている。インダクタL1の第2端子はキャパシタC1の第1端子に接続され、キャパシタC1の第2端子は配線Vssに接続されている。インダクタL1とキャパシタC1の間のノードN2は図示しない負荷に接続されている。負荷は、例えば、マイクロプロセッサ等のデジタル回路、アナログ回路、発光素子、表示素子、センサなどである。ノードN2における出力電圧Voは負荷に供給される。負荷に供給される電流を出力電流Ioとする。
出力電圧Voは、差動回路11に供給される。
差動回路11は、電流源21と差動対22を有している。電流源21の第1端子は配線Viに接続され、電流源21の第2端子は差動対22に接続されている。電流源21は第1の電流源の一例である。差動対22は、一対のトランジスタT11,T12を有している。トランジスタT11,T12は例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT11,T12のソース端子は互いに接続されている。トランジスタT11とトランジスタT12の間のノード(接続点)は電流源21の第2端子に接続されている。トランジスタT11のドレイン端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT11のゲート端子は電圧源E1の第1端子(プラス端子)に接続され、電圧源E1の第2端子(マイナス端子)は配線Vssに接続されている。電圧源E1は、所定の基準電圧Vr1を生成する。基準電圧Vr1は、第1の基準電圧の一例である。基準電圧Vr1は、トランジスタT11のゲート端子に供給される。トランジスタT12のドレイン端子はカレントミラー回路12に接続されている。トランジスタT12のゲート端子には出力電圧Voが供給される。
差動回路11のトランジスタT11,T12は、電流源21から供給される電流I11を、それぞれのゲート端子に加わる電圧に応じて分流する。したがって、出力電圧Voが基準電圧Vr1と等しい状態(以下、「バランス状態」ともいう)のとき、トランジスタT11とトランジスタT12流れる電流は互いに等しい。すなわち、バランス状態のとき、トランジスタT11が流す分流電流とトランジスタT12が流す分流電流I12とは共に電流I11の1/2になる。
出力電圧Voが基準電圧Vr1よりも高いとき、分流電流I12は上記バランス状態のときと比べて減少する。出力電圧Voが高いほど分流電流I12は減少し、最小で0[A]まで減少する。すなわち、差動回路11によって分流される分流電流I12は、出力電圧Voの上昇に伴って電流I11の1/2から0[A]まで減少する。
一方、出力電圧Voが基準電圧Vr1よりも低いとき、分流電流I12は上記バランス状態のときと比べて増加する。出力電圧Voが低いほど分流電流I12は増加し、最大で電流I11まで増加する。すなわち、差動回路11によって分流される分流電流I12は、出力電圧Voの低下に伴って電流I11の1/2から電流I11まで増加する。
このように、差動回路11は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との比較結果に応じた分流電流I12を生成する。差動回路11は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との差電圧を分流電流I12に変換する電圧電流変換回路である。
カレントミラー回路12は、トランジスタT13,T14を有している。トランジスタT13,T14はたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT13のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT13のドレイン端子は差動対22のトランジスタT12のドレイン端子に接続されている。そして、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT13のドレイン端子に接続されている。また、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT14のゲート端子に接続されている。トランジスタT14のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT14のドレイン端子は充電回路13に接続されている。トランジスタT14の電気的特性は、トランジスタT13の電気的特性と等しく設定されている。したがって、トランジスタT14は、トランジスタT13に流れる分流電流I12と等しい充電電流Ip1を充電回路13から配線Vssに向かって流す。すなわち、トランジスタT14は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との電圧差に応じた電流値を持つ充電電流Ip1を生成する。
充電回路13は、キャパシタCp1、スイッチSw1、電流源23を有している。キャパシタCp1とスイッチSw1と上記カレントミラー回路12は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との差電圧に基づく充電電流Ip1と電流源23の出力電流I13との差電流とキャパシタCp1の容量に応じた傾きのランプ電圧Vp1を生成する。カレントミラー回路12と充電回路13はランプ電圧生成回路の一例である。
キャパシタCp1の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCp1の第2端子は上記トランジスタT14のドレイン端子に接続されている。スイッチSw1の第1端子はキャパシタCp1の第1端子に接続され、スイッチSw1の第2端子はキャパシタCp1の第2端子に接続されている。すなわち、キャパシタCp1とスイッチSw1は互いに並列に接続されている。これらキャパシタCp1及びスイッチSw1とカレントミラー回路12(トランジスタT14)の間のノードN11は比較器14の非反転入力端子に接続されている。スイッチSw1の制御端子には、後述する制御信号生成回路18から制御信号SK1が供給される。スイッチSw1は、制御信号SK1に応答してオンオフする。
例えば、Lレベル(低電位電圧Vssレベル。例えば、グランドレベル)のクロック信号CLKに応答してスイッチSw1がオフすると、トランジスタT14が流す充電電流Ip1によってキャパシタCp1が充電される。このため、スイッチSw1がオフしている期間では、キャパシタCp1の容量値と充電電流Ip1の電流値とに基づく時定数に応じて、上記ランプ電圧Vp1(ノードN11の電圧)の電圧値が徐々に低下する。一方、Hレベル(高電位電圧レベル。例えば、入力電圧Viレベル)のクロック信号CLKに応答してスイッチSw1がオンすると、キャパシタCp1の両端子が短絡され、キャパシタCp1に蓄えられた電荷が放電されるため、ランプ電圧Vp1が入力電圧Viレベルに初期化(リセット)される。
電流源23の第1端子は配線Viに接続され、電流源23の第2端子はキャパシタCp1の第2端子に接続されている。すなわち、電流源23の第2端子はノードN11に接続されている。電流源23は、所定の電流I13をノードN11に対して供給する。電流源23に流れる電流I13は、差動回路11の電流源21における電流I11に応じて設定されている。例えば、電流I13は、電流I11の1/4に設定される。
比較器14の非反転入力端子にはランプ電圧Vp1が供給されている。比較器14の反転入力端子は電圧源E2の第2端子(マイナス端子)に接続され、電圧源E2の第1端子(プラス端子)は配線Viに接続されている。電圧源E2は、第1端子と第2端子の間の電位差を入力電圧Viから減じた基準電圧Vc1を生成する。基準電圧Vc1は第2の基準電圧の一例である。
比較器14は、ランプ電圧Vp1を基準電圧Vc1と比較した結果に応じた出力信号Saを生成する。例えば、比較器14は、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1よりも高いときにHレベルの出力信号Saを生成する。また、比較器14は、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1よりも低いときにLレベルの出力信号Saを生成する。この出力信号Saはインバータ回路15と制御信号生成回路18に供給される。
インバータ回路15は、トランジスタT15,T16を有している。トランジスタT15は例えばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT16はNチャネルMOSトランジスタである。両トランジスタT15,T16のゲート端子に出力信号Saが供給される。トランジスタT15のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT15のドレイン端子はトランジスタT16のドレイン端子に接続され、トランジスタT16のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT15のドレイン端子とトランジスタT16のドレイン端子の間のノードはフリップフロップ回路16に接続されている。インバータ回路15は、比較器14の出力信号Saのレベルを論理反転したレベルの制御信号Saxを出力する。
フリップフロップ回路16は、例えばRS−フリップフロップ回路である。上記インバータ回路15からの制御信号Saxは、フリップフロップ回路16のセット端子Sに供給される。フリップフロップ回路16のリセット端子Rにはクロック信号CLKが供給される。フリップフロップ回路16の反転出力端子XQはオア回路17に接続されている。このクロック信号CLKは、例えばDC−DCコンバータ10に含まれる発振回路から供給される。なお、DC−DCコンバータ10を含む半導体装置の発振回路から供給されるクロック信号を用いてもよい。クロック信号CLKは、DC−DCコンバータ10に含まれる発振回路、又はDC−DCコンバータ10を含む半導体装置の発振回路から供給される。フリップフロップ回路16は、Hレベルのクロック信号CLKに応答して、反転出力端子XQからHレベルの出力信号Sc1を出力する。また、フリップフロップ回路16は、Hレベルの制御信号Saxに応答してLレベルの出力信号Sc1を出力する。出力信号Sc1は、オア回路17に供給される。
オア回路17にはクロック信号CLKとフリップフロップ回路16の出力信号Sc1が供給される。オア回路17の出力端子はトランジスタT1の制御端子(ゲート端子)に接続されている。オア回路17は、クロック信号CLKと出力信号Sc1を互いに論理演算(論理和演算)した結果に応じたレベルの制御信号Sc2を出力する。オア回路17は、クロック信号CLKがHレベルである期間、トランジスタT1をオフするように制御信号Sc2を生成するためのものであり、オア回路17を省略することも可能である。オア回路17を省略した場合、フリップフロップ回路16の出力信号Sc1がトランジスタT1のゲート端子に供給される。
制御信号生成回路18には、比較器14の出力信号Saとクロック信号CLKが供給される。制御信号生成回路18は、出力信号Saとクロック信号CLKに基づいて、上記の充電回路13に含まれるスイッチSw1を制御するための制御信号SK1を生成する。例えば、制御信号生成回路18は、Lレベルの出力信号Saに応答してHレベルの制御信号SK1を出力する。そして、制御信号生成回路18は、クロック信号CLKの立ち下がりエッジのタイミング、つまりクロック信号CLKがHレベルからLレベルへと変化するときに、Lレベルの制御信号SK1を出力する。
フリップフロップ回路16は、Hレベルの制御信号Saxに応答してLレベルの出力信号Sc1を出力する。トランジスタT1は、Lレベルの出力信号Sc1に基づく制御信号Sc2に応答してオンする。また、フリップフロップ回路16は、Hレベルのクロック信号CLKに応答してHレベルの出力信号Sc1を出力し、トランジスタT1はHレベルの出力信号Sc1に基づく制御信号Sc2に応答してオフする。制御信号生成回路18は、トランジスタT1がオンしてから、クロック信号CLKがLレベルへと遷移するまでの間、Hレベルの制御信号SK1を出力する。充電回路13のスイッチSw1はHレベルの制御信号SK1に応答してオンし、Lレベルの制御信号SK1に応答してオフする。差動回路11,カレントミラー回路12,充電回路13,比較器14,インバータ回路15,フリップフロップ回路16,オア回路17,制御信号生成回路18,検出回路19は、制御部の一例である。
このDC−DCコンバータ10は、検出回路19を有している。検出回路19は、差動回路11の状態を検出した結果に応じた制御電圧Vb1を生成する。制御電圧Vb1は、差動回路11の電流源21に供給される。電流源21は、制御電圧に応じた電流を流す。差動回路11は、電流源21に流れる電流I11と、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧とに応じた量の上記分流電流I12を生成する。つまり、差動回路11の電流源21に、この差動回路11の状態に応じた制御電圧Vb1が帰還される。
検出回路19は、トランジスタT17、電流源24、増幅器25を有している。トランジスタT17は例えばNチャネルMOSトランジスタである。電流源24の第1端子は配線Viに接続され、電流源24の第2端子はトランジスタT17のドレイン端子に接続されている。トランジスタT17のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT17のゲート端子は上記のカレントミラー回路12に含まれるトランジスタT13のゲート端子に接続されている。電流源24とトランジスタT17の間のノードN13は増幅器25の入力端子に接続されている。電流源24は第2の電流源の一例である。
電流源24に流れる電流I15は、差動回路11の電流源21における電流I11に応じて設定されている。例えば、電流I15は、電流I11の1/2に設定される。トランジスタT17の電気的特性は、カレントミラー回路12に含まれるトランジスタT13の電気的特性と等しく設定されている。ノードN13における電位は、電流源24に流れる電流I15と、トランジスタT17に流れる電流I14に応じた電位となる。
増幅器25はノードN13の電位に応じた電位の制御電圧Vb1を出力する。例えば、増幅器25の利得は「1」に設定され、増幅器25はノードN13の電位と等しい電位の制御電圧Vb1を出力する。制御電圧Vb1は、差動回路11の電流源21に供給される。電流源21は、制御電圧Vb1に応じて電流I11の電流量を変更する。また、制御電圧Vb1は、電流源23,24に供給される。電流源23,24は、制御電圧Vb1に応じて電流I13,I15の電流量を変更する。
次に、図2にしたがって、差動回路11、充電回路13,検出回路19の回路例を説明する。
差動回路11の電流源21はトランジスタT21を含む。トランジスタT21は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT21のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT21のドレイン端子は差動対22のトランジスタT11,T12に接続されている。トランジスタT21のゲート端子には制御電圧Vb1が供給される。
充電回路13の電流源23はトランジスタT23を含む。トランジスタT23は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT23のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT23のドレイン端子はノードN11に接続されている。トランジスタT23のゲート端子には制御電圧Vb1が供給される。
検出回路19は、トランジスタT17,T24〜T26、キャパシタCc1、抵抗R1〜R3を有している。トランジスタT24,T25は例えばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT17,T26は例えばNチャネルMOSトランジスタである。図1に示す電流源24はトランジスタT24を含む。また、図1に示す増幅器25は、トランジスタT25,T26、抵抗R1〜R3、キャパシタCc1を含む。
トランジスタT24,T25のソース端子は配線Viに接続されている。トランジスタT24のゲート端子とトランジスタT25のゲート端子は互いに接続されている。また、トランジスタT25のゲート端子は同トランジスタT25のドレイン端子に接続されている。トランジスタT25のドレイン端子は抵抗R1の第1端子に接続されている。抵抗R1の第2端子は抵抗R2の第1端子に接続され、抵抗R2の第2端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT25には、ゲート端子電圧、つまりトランジスタT25のドレイン端子電圧に応じた電流I16が流れる。
そして、トランジスタT25のゲート端子は、上記のトランジスタT21のゲート端子とトランジスタT23のゲート端子に接続されている。したがって、上記の制御電圧Vb1の電圧は、トランジスタT25のゲート端子電圧である。
検出回路19に含まれるトランジスタT24,T25の電気的特性は互いに等しく設定されている。充電回路13に含まれるトランジスタT23は、トランジスタT24の1/2の電流を流すように設定されている。そして、トランジスタT24,T25の電気的特性は、差動回路11に含まれるトランジスタT21の電流I11の1/2の電流を流すように設定されている。
トランジスタT24のドレイン端子はトランジスタT17のドレイン端子に接続されている。トランジスタT17のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT24とトランジスタT17の間のノードN13はキャパシタCc1の第1端子に接続され、キャパシタCc1の第2端子は配線Vssに接続されている。また、ノードN13はトランジスタT26のゲート端子に接続されている。トランジスタT26のドレイン端子は配線Viに接続され、トランジスタT26のソース端子は抵抗R3の第1端子に接続され、抵抗R3の第2端子は抵抗R1と抵抗R2の間のノードに接続されている。
キャパシタCc1の第1端子は、トランジスタT24のドレイン端子とトランジスタT17のドレイン端子の間のノードN13に接続され、キャパシタCc1の第2端子は配線Vssに接続されている。したがって、キャパシタCc1の第1端子には、トランジスタT24に流れる電流I15と、トランジスタT17に流れる電流I14の差に応じた電荷が蓄積される。トランジスタT26のゲート端子電圧は、キャパシタCc1に蓄積された電荷に応じた電圧となる。
トランジスタT24とトランジスタT17の間のノードN13は、キャパシタCc1の第1端子とトランジスタT26ゲート端子に接続されている。したがって、ノードN13は高インピーダンスとなり、トランジスタT24に流れる電流I15とトランジスタT17に流れる電流I14の差の電流は、高インピーダンスで出力される。
上記したように、トランジスタT17に流れる電流I14は、出力電圧Voと基準電圧Vr1の間の電位差に対応する。したがって、電流I14の電圧値は、出力電圧Vo、つまりトランジスタT1のオンオフに応じて変化する。キャパシタCc1は、変化する電流I14によるノードN13の電位を安定化する平滑用キャパシタとして働く。トランジスタT26は、この平滑化されたノードN13の電位に応じた電流を流す。したがって、検出回路19は、キャパシタCc1により平滑化した電圧に応じた制御電圧Vd1を生成する。
キャパシタCc1の第1端子は、トランジスタT24のドレイン端子とトランジスタT17のドレイン端子の間のノードN13に接続されている。トランジスタT24は、差動回路11のトランジスタT21における電流I11の1/2の電流I15を流す。トランジスタT17は、トランジスタT13に流れる電流I12と等しい電流I14を流す。トランジスタT13は差動対22のトランジスタT12に流れる電流と等しい電流I12を流す。
トランジスタT17のゲート端子は、トランジスタT14のゲート端子に接続されている。そして、トランジスタT17の電流特性は、トランジスタT14の電流特性と等しい。従って、トランジスタT17は、トランジスタT14が流す電流、つまり充電回路13のキャパシタCp1に対する充電電流Ip1と等しい。
次に、図3にしたがって、上記のDC−DCコンバータ10の作用を説明する。なお、図3は、各信号を判りやすくするため、各信号の波形を縦軸方向及び横軸方向に適宜拡大,縮小して示している。
図3に示すように、Hレベルのクロック信号に基づいてHレベルの出力信号Sc1(制御信号Sc2)が生成される。トランジスタT1は、出力信号Sc1に基づくHレベルの制御信号Sc2に応答してオフする。
充電回路13において、Hレベルのクロック信号CLKに応答してスイッチSw1がオンする。これにより、キャパシタCp1の両端子が短絡され、ノードN11の電位、すなわちランプ電圧Vp1は入力電圧Viレベルにリセットされる。
クロック信号CLKがLレベルになると、そのLレベルのクロック信号CLKに応答してスイッチSw1がオフする。すると、充電電流Ip1に応じてノードN11の電位、つまりランプ電圧Vp1が低下する。そして、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1より低くなると、図1に示す比較器14はLレベルの出力信号Saを出力し、インバータ回路15はHレベルの制御信号Saxを出力する。フリップフロップ回路16は、そのHレベルの制御信号Saxに応答してLレベルの出力信号Sc1を出力する。したがって、トランジスタT1のゲート端子にLレベルの制御信号Sc2が供給され、トランジスタT1がオンする。すると、入力電圧ViがインダクタL1に供給され、インダクタL1に電磁エネルギーが蓄積される。
例えば、出力電流Ioが減少する(負荷が軽くなる)と、それに応じて出力電圧Voが上昇する。出力電圧Voの上昇に応じて差動回路11の出力電流I12が減少する。カレントミラー回路12は、差動回路11の出力電流I12と等しい充電電流Ip1を生成する。したがって、充電電流Ip1が減少し、ランプ電圧Vp1の変化する割合(ランプ電圧Vp1の傾き)が減少し、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1より低くなるまでの時間が増加し、比較器14の出力信号Saの発生タイミングが遅れるため、制御信号Sc2がLレベルとなる時間が短くなる。
検出回路19のトランジスタT17には、充電電流Ip1と等しい電流I14が流れる。検出回路19の電流源24は、差動回路11の電流源21の電流I11に応じた電流I15(=I11/2)の電流を流す。検出回路19は、電流I14,I15の差に応じて、両電流I14,I15を等しくするように制御電圧Vb1を生成する。この制御電圧Vb1により、差動回路11の電流源21は電流I11を調整する。つまり、図3において、出力電流Ioが減少すると、出力電圧Voが高くなり、差動回路11の分流電流I12が少なくなる。このため、トランジスタT17に流れる電流I14が減少し、ノードN13の電位が上昇する。このため、抵抗R1,R2,R3の接続点の電位が上昇し、抵抗R1に印加される電圧が小さくなることにより、トランジスタT25に流れる電流I16が減少する。以上により、電流源21における電流I11は、負荷が高い場合よりも少なくなる。そして、電流I11が充電電流Ip1の2倍になる(I11=2×Ip1=I12)と、差動回路11がバランス状態となる。これにより、出力電圧Voは、基準電圧Vr1と等しく、または基準電圧Vr1とのずれが少なくなる。なお、図3では、基準電圧Vr1を判りやすくするため、出力電圧Voに対してずらして示している。
次に、図4にしたがって、比較例を説明する。なお、比較例において、図1に示すDC−DCコンバータ10と同様の部材については同じ符号を用いてその説明を省略する。
このDC−DCコンバータ40において、出力電圧Voは差動回路41に供給される。差動回路41は、定電流源51と差動対22を有している。定電流源51は、差動対22に対して一定の電流I21を流すように設定されている。電流I21は、所定の負荷に対して出力電流Ioを供給するときに、出力電圧Voを基準電圧Vr1と等しくするように設定されている。
差動対22は、トランジスタT11のゲート端子に供給される基準電圧Vr1と、トランジスタT12のゲート端子に供給される出力電圧Voの電圧差に応じて電流I21を分流した電流I22を出力する。
カレントミラー回路12は、差動回路41の出力電流I22に応じた充電電流Ip1を生成する。
充電回路13は、定電流源52、キャパシタCp1、スイッチSw1を有している。定電流源52は、差動回路11の定電流源51の電流I21に応じた一定の電流I23を流す。例えば、電流I23は、電流I21の1/4である。充電回路13は、キャパシタCp1とトランジスタT14の間のノードN11に、充電電流Ip1の電流値とキャパシタCp1の容量値に基づく時定数に応じて変化するランプ電圧Vp1を生成する。比較器14は、ランプ電圧Vp1を基準電圧Vc1と比較した結果に応じたレベルの出力信号Saを出力する。この出力信号Saとクロック信号CLKに基づいて、トランジスタT1に供給する制御信号Sc2が生成される。
図5に示すように、出力電流Ioが減少する(負荷が軽くなる)と、それに応じて出力電圧Voが上昇する。出力電圧Voの上昇に応じて差動回路41の出力電流I22が減少する。カレントミラー回路12は、差動回路41の出力電流I22と等しい充電電流Ip1を生成する。したがって、充電電流Ip1が減少し、ランプ電圧Vp1の変化する割合(ランプ電圧Vp1の傾き)が減少する。
差動対22のトランジスタT11,T12は、ゲート端子における電圧とソース端子における電圧に応じた電流を流す。出力電圧Voと基準電圧Vr1が等しいとき、出力電流I22は定電流源51の電流I21の1/2となる。ここで、定電流源51の電流I21が入力電圧Viの変動に対して理想的に追従できないための設定誤差や出力電流Ioの変動による目標時定数の変化が生じると、充電電流Ip1の目標値すなわち出力電流I22に、定電流源51の電流I21の1/2からずれを生じる。このずれは、帰還回路により、出力電圧Voと基準電圧Vr1の電圧差によって補償される。つまり、出力電圧Voが基準電圧Vr1に対してずれた電圧にて安定してしまう。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)検出回路19は、差動回路11の出力電流I12に応じた電流I14と、電流源24の電流I15を比較した結果に応じた制御電圧Vb1を生成する。差動回路の電流源21は、制御電圧Vb1に応じた電流I11を流す。差動回路11は、電流源21に流れる電流I11を、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧とに応じて分流して出力電流I12を生成する。つまり、差動回路11の電流源21に、この差動回路11の状態に応じた制御電圧Vb1が帰還される。
カレントミラー回路12は、差動回路11の出力電流I12に応じた充電電流Ip1を生成する。充電回路13は、キャパシタCp1を充電電流Ip1により充電する。キャパシタCp1の充電により、出力電流I12に応じた割合(時定数)で変化するランプ電圧Vp1が生成される。そして、このランプ電圧Vp1と基準電圧Vc1の比較結果によりトランジスタT1が制御される。
差動回路11は、電流源21の電流I12を、差動対22のトランジスタT11,T12により分流して出力電流I12を生成する。出力電圧Voと基準電圧Vr1が等しいとき、この分流比が1/2となる。検出回路19のトランジスタT17は、出力電流I12と等しい電流I14を流す。このとき、電流源24から流れる電流I15は、差動回路11の電流源21の電流I11の1/2に設定されている。そして、電流源24の電流I15が電流I14と等しくなるようにノードN13の電圧が変動し、その結果、検出回路19からの制御電圧Vb1が変化する。この制御電圧Vb1の変化により、差動回路11の出力電流I12と電流源24の電流I15とが等しくなる。したがって、差動回路11の出力電流I12が差動回路11の電流源21の電流I11の1/2となり、出力電圧Voと基準電圧Vr1を一致させる、または出力電圧Voと基準電圧Vr1の差を抑制することができる。
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・図6に示すように、検出回路19aは、トランジスタT24,T17,T31,T32、キャパシタCc1、抵抗R1〜R3を有している。
トランジスタT31は例えばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT32はNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT31のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT31のドレイン端子はトランジスタT24のソース端子に接続されている。トランジスタT31のゲート端子には、トランジスタT24と同様に、制御電圧Vb1が供給される。トランジスタT24のドレイン端子はトランジスタT17のドレインに接続されている。トランジスタT17のソース端子はトランジスタT32のドレイン端子に接続され、トランジスタT32のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT32のゲート端子は、トランジスタT17と同様に、トランジスタT13のゲート端子に接続されている。ノードN13には抵抗R3の第1端子が接続され、抵抗R3の第2端子はキャパシタCc1の第1端子と、抵抗R1と抵抗R2の間のノードに接続されている。抵抗R3とキャパシタCc1は、ノードN13の電位に対するフィルタ(LPF)として働く。
したがって、検出回路19aは、ノードN13と配線Viの間に、直列接続された2つのトランジスタT24,T31を含む。また、検出回路19aは、ノードN13と配線Vssの間に、直列接続された2つのトランジスタT17,T32を含む。このように接続されたトランジスタT24,T31,T17,T32は、出力電流利得(gm)を下げ、目標帯域幅とするためのキャパシタCc1の容量値を低減する。なお、直列接続された3段以上のトランジスタを接続するようにしてもよい。
・図7に示すように、検出回路19bは、トランジスタT17,T24,T25、抵抗R1〜R3,R11,R12、キャパシタCc1を有している。
ノードN13には抵抗R3の第1端子が接続され、抵抗R3の第2端子はキャパシタCc1の第1端子と、抵抗R1と抵抗R2の間のノードに接続されている。抵抗R3とキャパシタCc1は、ノードN13の電位に対するフィルタ(LPF)として働く。
抵抗R11の第1端子は配線Viに接続され、抵抗R11の第2端子はトランジスタT24のソース端子に接続されている。トランジスタT24のドレイン端子はトランジスタT17のドレイン端子に接続されている。トランジスタT17のソース端子は抵抗R12の第1端子に接続され、抵抗R12の第2端子は配線Vssに接続されている。抵抗R11,R12は、図6に示すトランジスタT31,T32と同様に、出力電流利得(gm)を下げ、目標帯域幅とするためのキャパシタCc1の容量値を低減する。抵抗R11,R12の占有面積は、図6に示すトランジスタT31,T32の占有面積と比べ少ないことがある。このため、この検出回路19bは、図6に示す検出回路19aと比べ、回路の形成に必要な面積の増大を抑制することが可能となる。
(第二実施形態)
以下、第二実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明の一部または全てを省略する。
図8に示すように、DC−DCコンバータ60は、入力電圧Vi(同図左端)に基づいて出力電圧Vo(同図右端)を生成する。
出力電圧Voは、差動回路61に供給される。
差動回路61は、電流源71と差動対22を有している。電流源71の第1端子は配線Viに接続され、電流源71の第2端子は差動対22に接続されている。差動対22は、一対のトランジスタT11,T12を有している。トランジスタT11,T12のソース端子は互いに接続され、その接続点は電流源71の第2端子に接続されている。トランジスタT11のドレイン端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT11のゲート端子は電圧源E1の第1端子(プラス端子)に接続され、電圧源E1の第2端子(マイナス端子)は配線Vssに接続されている。電圧源E1は、所定の基準電圧Vr1を生成する。トランジスタT12のドレイン端子はカレントミラー回路12に接続されている。トランジスタT12のゲート端子には出力電圧Voが供給される。
差動回路61のトランジスタT11,T12は、電流源71に流れる電流I11を、それぞれのゲート端子に加わる基準電圧Vr1と出力電圧Voの電圧差に応じて分流する。出力電圧Voが基準電圧Vr1と等しいバランス状態のとき、トランジスタT11が流す電流とトランジスタT12が流す電流は、互いに等しい。出力電圧Voが基準電圧Vr1より高くなる、トランジスタT12が流す分流電流I12は減少する。出力電圧Voが基準電圧Vr1より低くなると、トランジスタT12が流す分流電流I12は増加する。したがって、差動回路61は、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧に応じた分流電流I12を生成する。
カレントミラー回路12は、トランジスタT13,T14を有している。トランジスタT13のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT13のドレイン端子は差動対22のトランジスタT12のドレイン端子に接続されている。そして、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT13のドレイン端子に接続されている。また、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT14のゲート端子に接続されている。トランジスタT14のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT14のドレイン端子は充電回路62に接続されている。トランジスタT14は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との電圧差に応じた電流値を持つ充電電流Ip1を生成する。
充電回路62は、キャパシタCp1、スイッチSw1、電流源72を有している。キャパシタCp1とスイッチSw1と上記カレントミラー回路12は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との差電圧に基づく時定数に応じて電圧値が変化するランプ電圧Vp1を生成する信号生成回路に含まれる。
キャパシタCp1の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCp1の第2端子は上記トランジスタT14のドレイン端子に接続されている。スイッチSw1の第1端子はキャパシタCp1の第1端子に接続され、スイッチSw1の第2端子はキャパシタCp1の第2端子に接続されている。すなわち、キャパシタCp1とスイッチSw1は互いに並列に接続されている。これらキャパシタCp1及びスイッチSw1とカレントミラー回路12(トランジスタT14)の間のノードN11は比較器14の非反転入力端子に接続されている。スイッチSw1は、制御信号SK1に応答してオンオフ制御される。
電流源72の第1端子は配線Viに接続され、電流源72の第2端子はキャパシタCp1の第2端子に接続されている。すなわち、電流源72の第2端子はノードN11に接続されている。電流源72は、所定の電流I13をノードN11に対して供給する。電流源72に流れる電流I13は、差動回路61の電流源71における電流I11に応じて設定されている。例えば、電流I13は、電流I11の1/4に設定される。
比較器14の非反転入力端子にはランプ電圧Vp1が供給されている。比較器14の反転入力端子は電圧源E11の第2端子(マイナス端子)に接続され、電圧源E11の第1端子(プラス端子)は配線Viに接続されている。電圧源E11には制御電圧Vb2が供給される。電圧源E11は、制御電圧Vb2に応じた基準電圧Vc2を生成する。基準電圧Vc2は第2の基準電圧の一例である。
比較器14は、ランプ電圧Vp1を基準電圧Vc2と比較した結果に応じた出力信号Saを生成する。例えば、比較器14は、非反転入力端子に供給されるランプ電圧Vp1が基準電圧Vc2よりも高いときにHレベルの出力信号Saを生成する。また、比較器14は、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc2よりも低いときにLレベルの出力信号Saを生成する。この出力信号Saはインバータ回路15に供給される。
インバータ回路15は、トランジスタT15,T16を有している。トランジスタT15,T16のゲート端子に出力信号Saが供給される。トランジスタT15のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT15のドレイン端子はトランジスタT16のドレイン端子に接続され、トランジスタT16のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT15のドレイン端子とトランジスタT16のドレイン端子の間のノードはフリップフロップ回路16に接続されている。インバータ回路15は、比較器14の出力信号Saのレベルを論理反転したレベルの制御信号Saxを出力する。
フリップフロップ回路16は、例えばRS−フリップフロップ回路である。上記インバータ回路15からの制御信号Saxは、フリップフロップ回路16のセット端子Sに供給される。フリップフロップ回路16のリセット端子Rにはクロック信号CLKが供給される。フリップフロップ回路16の反転出力端子XQはオア回路17に接続されている。
フリップフロップ回路16は、Hレベルのクロック信号CLKに応答して反転出力端子XQからHレベルの出力信号Sc1を出力する。また、フリップフロップ回路16は、Hレベルの制御信号Saxに応答してLレベルの出力信号Sc1を出力する。出力信号Sc1はオア回路17に供給される。
オア回路17の出力端子はトランジスタT1の制御端子(ゲート端子)に接続されている。オア回路17は、クロック信号CLKと出力信号Sc1を互いに論理演算(論理和演算)した結果に応じたレベルの制御信号Sc2を出力する。オア回路17は、クロック信号CLKがHレベルである期間、トランジスタT1をオフするように制御信号Sc2を生成するためのものであり、オア回路17を省略することも可能である。オア回路17を省略した場合、フリップフロップ回路16の出力信号Sc1がトランジスタT1のゲート端子に供給される。
制御信号生成回路18には、比較器14の出力信号Saとクロック信号CLKが供給される。制御信号生成回路18は、出力信号Saとクロック信号CLKに基づいて、上記の充電回路62に含まれるスイッチSw1を制御するための制御信号SK1を生成する。制御信号生成回路18は、Lレベルの出力信号Saに応答してHレベルの制御信号SK1を出力する。そして、制御信号生成回路18は、クロック信号CLKの立ち下がりエッジのタイミング、つまりクロック信号CLKがHレベルからLレベルへと変化するときに、Lレベルの制御信号SK1を出力する。
このDC−DCコンバータ60は、検出回路63を有している。
検出回路63は、トランジスタT17、電流源73、増幅器74を有している。電流源73の第1端子は配線Viに接続され、電流源73の第2端子はトランジスタT17のドレイン端子に接続されている。トランジスタT17のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT17のゲート端子は上記のカレントミラー回路12に含まれるトランジスタT13のゲート端子に接続されている。電流源73とトランジスタT17の間のノードN13は増幅器74の入力端子に接続されている。
電流源73に流れる電流I15は、差動回路61の電流源71における電流I11に応じて設定されている。例えば、電流I15は、電流I11の1/2に設定される。トランジスタT17の電気的特性は、カレントミラー回路12に含まれるトランジスタT13に流れる電流I12と等しい電流量の電流I14を流すように設定されている。したがって、ノードN13における電位は、電流源73に流れる電流I15と、トランジスタT17に流れる電流I14に応じた電位となる。
増幅器74はノードN13の電位に応じた電位の制御電圧Vb2を出力する。例えば、増幅器74の利得は「1」に設定され、増幅器74はノードN13の電位と等しい電位の制御電圧Vb2を出力する。したがって、検出回路63は、差動回路61の状態を検出した結果に応じた制御電圧Vb2を生成する。
制御電圧Vb2は、電圧源E11に供給される。電圧源E11は、制御電圧に応じた値の基準電圧Vc2を生成する。制御電圧Vb2は、差動回路61の状態に対応する。したがって、電圧源E11は、差動回路61の状態に応じた値の基準電圧Vc2を生成する。
図9に示すように、差動回路61の電流源71はトランジスタT21を含む。トランジスタT21のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT21のドレイン端子は差動対22のトランジスタT11,T12に接続されている。トランジスタT21のゲート端子は電流生成回路64に接続されている。
電流生成回路64は、トランジスタT41と定電流源75を有している。トランジスタT41は例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT41のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT41のドレイン端子は同トランジスタT41のゲート端子と、定電流源75の第1端子に接続されている。定電流源75の第2端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT41のゲート端子は、差動回路61に含まれるトランジスタT21のゲート端子に接続されている。
トランジスタT21は、トランジスタT41のドレイン端子における電位に応じた電流を流す。トランジスタT41には、定電流源75による一定の電流が流れる。したがって、トランジスタT21は、電流源71における電流に応じた電流I11を流す。
差動回路61の差動対22に含まれるトランジスタT11のゲート端子は、電圧源E1aに接続されている。電圧源E1aは、例えばバンドギャップリファレンス回路(BGR(bandgap reference)回路)であり、基準電圧Vraを生成する。この基準電圧Vraの電圧値は、一般的に負荷に必要な出力電圧Voの電圧値(目標電圧)より低い。したがって、図9に示す回路例では、分圧回路65を含む。分圧回路65は、抵抗Rd1,Rd2を有している。抵抗Rd1の第1端子に出力電圧Voが供給され、抵抗Rd1の第2端子は抵抗Rd2の第1端子に接続され、抵抗Rd2の第2端子は配線Vssに接続されている。分圧回路65は、抵抗Rd1と抵抗Rd2の抵抗比により出力電圧Voに比例した帰還電圧Vfbを生成する。抵抗Rd1,Rd2の抵抗値は、出力電圧Voの目標電圧と基準電圧Vraに応じて設定されている。例えば、抵抗Rd1,Rd2の抵抗値は、出力電圧Voが目標電圧と等しいとき、生成する帰還電圧Vfbを基準電圧Vraと等しくするように設定される。この帰還電圧Vfbは、差動回路61の差動対22に含まれるトランジスタT12のゲート端子に供給される。なお、分圧回路65の抵抗Rd1に対して並列にキャパシタを接続してもよい。
充電回路62の電流源72はトランジスタT23を含む。トランジスタT23のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT23のドレイン端子はノードN11に接続されている。トランジスタT23のゲート端子は電流生成回路64に接続されている。したがって、トランジスタT23に、電流生成回路64の定電流源75に流れる電流に応じた電流I13が流れる。
電圧源E11は、トランジスタT42〜T44と抵抗R21,R22を有している。トランジスタT42,T43は例えばPチャネルMOSトランジスタであり、トランジスタT44は例えばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT42のソース端子は配線Viに接続されている。トランジスタT42のゲート端子は電流生成回路64のトランジスタT41のゲート端子に接続されている。トランジスタT42のドレイン端子はトランジスタT43のソース端子に接続されている。トランジスタT43のドレイン端子は配線Vssに接続され、トランジスタT43のゲート端子には基準電圧Vraが供給される。トランジスタT42とトランジスタT43の間のノードはトランジスタT44のゲート端子に接続されている。トランジスタT44のソース端子は抵抗R22の第1端子に接続され、抵抗R22の第2端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT44のドレイン端子は抵抗R21の第2端子に接続され、抵抗R21の第1端子は配線Viに接続されている。
この電圧源E11において、配線Viと、抵抗R21とトランジスタT44の間のノードN21の間に基準電圧Vc2を生成する。トランジスタT43,T44はバッファ回路に含まれ、抵抗R21,R22の抵抗値と基準電圧Vraに応じて、基準電圧Vc2の上限値を設定する。基準電圧Vc2の上限値は、[Vc2:Vra=R21:R22]となるように設定される。
検出回路63は、トランジスタT17,T45〜T47、キャパシタCc2、抵抗R23を有している。トランジスタT45〜T47は例えばPチャネルMOSトランジスタである。図8に示す電流源73はトランジスタT45を含む。
トランジスタT45のソース端子は配線Viに接続されている。トランジスタT45のゲート端子は電流生成回路64のトランジスタT41のゲート端子に接続されている。トランジスタT45のドレイン端子はトランジスタT17のドレイン端子に接続されている。トランジスタT45とトランジスタT17の間のノードN13はトランジスタT47のゲート端子に接続されている。トランジスタT47のドレイン端子は配線Vssに接続され、トランジスタT47のソース端子はトランジスタT46のドレイン端子と抵抗R23の第1端子に接続されている。トランジスタT46のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT46のゲート端子は電流生成回路64のトランジスタT41のゲート端子に接続されている。したがって、トランジスタT46は電流源として働く。抵抗R23の第2端子はノードN21に接続されている。キャパシタCc2の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCc2の第2端子はノードN21に接続されている。
トランジスタT45は、そのゲート端子電圧により、差動回路61の電流源71であるトランジスタT21に流れる電流I11の1/2の電流I15を流す。トランジスタT17は、そのゲート端子電圧により、差動回路61に含まれる差動対22のトランジスタT12流れる電流I12と等しい電流I14を流す。したがって、トランジスタT45とトランジスタT17の間のノードN13は、電流I11と電流I12に応じた電位となる。そして、ノードN13の電位は差動回路61の状態に応じて変化する。このトランジスタT47は、ソースホロワ回路として働き、ソース電の電圧にノードN13の電圧を反映させる。これに応じて、電圧源E11のノードN21の電位、即ち基準電圧Vc2の値が変更される。キャパシタCc2は、ノードN21の電位を平滑化する平滑用キャパシタとして働く。
次に、上記のDC−DCコンバータ60の作用を説明する。
図10に示すように、出力電流Ioが減少する(負荷が軽くなる)と、それに応じて出力電圧Voが上昇する。出力電圧Voの上昇に応じて差動回路61の出力電流I12が減少する。カレントミラー回路12は、差動回路61の出力電流I12と等しい充電電流Ip1を生成する。したがって、充電電流Ip1が減少し、ランプ電圧Vp1の変化する割合(ランプ電圧Vp1の傾き)が減少する。
検出回路63のトランジスタT17には、充電電流Ip1と等しい電流I14が流れる。検出回路63の電流源として働くトランジスタT45は、差動回路61の電流源71の電流I11に応じた電流I15(=I11/2)の電流を流す。この電流I15に対して、充電電流Ip1が減少したときには、トランジスタT17に流れる電流I14が少なくなる。電流I14,I15の差によってノードN13の電位が低下し、トランジスタT47及び抵抗R23を介して、基準電圧Vc2を低くする。これにより、比較器14に入力されるランプ電圧Vp1の検出レベルが低下する。ランプ電圧Vp1の振幅が大きくなることで、トランジスタT1に対する信号Sc2のデューティが小さくなるように調整される。また、前記の通り減少する充電電流Ip1により、信号Sc2のデューティが小さくなる。以上の2つの信号により、トランジスタT1のオン時間が短くなるため、出力電圧Voが低下する。ここで、検出回路側は利得が高く、前述した通り、電流I14と電流I15の差がある限り基準電圧Vc2を変化させるため、電流I14と電流I15が互いに等しくなるまで基準電圧Vc2が変化する。その結果、電流I15と電流I14が互いに等しくなり、電流I14と等しい充電電流Ip1についても電流I11の1/2(Ip1=I11/2=I12=I15)となり、差動回路61がバランス状態となる。これにより、出力電圧Voは、基準電圧Vr1と等しく、または基準電圧Vr1とのずれが少なくなる。なお、図10では、図3と同様に、基準電圧Vr1を判りやすくするため、出力電圧Voに対してずらして示している。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)検出回路63は、差動回路61の状態を検出した結果に応じた制御電圧Vb2を生成する。制御電圧Vb2は、電圧源E11に供給される。電圧源E11は、制御電圧Vb2に応じた基準電圧Vc2を生成する。差動回路61は、電流源71に流れる電流I11に基づいて、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧とに応じた量の分流電流I12を生成する。
カレントミラー回路12は、差動回路61の出力電流I12に応じた充電電流Ip1を生成する。充電回路62は、キャパシタCp1を充電電流Ip1により充電する。キャパシタCp1の充電により、出力電流I12に応じた割合(時定数)で変化するランプ電圧Vp1が生成される。そして、このランプ電圧Vp1と、電圧源E11により生成された基準電圧Vc2の比較結果によりトランジスタT1が制御される。
基準電圧Vc2が変化すると、それに応じてトランジスタT1のオン時間とオフ時間が変更される。トランジスタT1のオン時間とオフ時間は、出力電圧Voに影響する。出力電圧Voが変化すると、差動回路61における状態が変化する。これにより、差動回路61をバランス状態とすることができ、出力電圧Voを基準電圧と一致させる、または出力電圧Voと基準電圧Vr1の差を抑制することができる。
(第三実施形態)
以下、第三実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明の一部または全てを省略する。
図11に示すように、DC−DCコンバータ100は、入力電圧Vi(同図左端)に基づいて出力電圧Vo(同図右端)を生成する。
出力電圧Voは、差動回路11に含まれる差動対22のトランジスタT12のゲート端子に供給される。トランジスタT12のドレイン端子はカレントミラー回路102に接続されている。
カレントミラー回路102は、トランジスタT13,T14a,T14bを有している。トランジスタT13,T14a,T14bはたとえばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT13のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT13のドレイン端子は差動対22のトランジスタT12のドレイン端子に接続されている。そして、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT13のドレイン端子に接続されている。また、トランジスタT13のゲート端子は、トランジスタT14aのゲート端子と、トランジスタT14bのゲート端子に接続されている。
トランジスタT14aのソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT14aのドレイン端子は充電回路103に接続されている。トランジスタT14aの電気的特性は、トランジスタT13の電気的特性と等しく設定されている。したがって、トランジスタT14aは、トランジスタT13に流れる分流電流I12と等しい充電電流Ip1を充電回路103から配線Vssに向かって流す。すなわち、トランジスタT14aは、出力電圧Voと基準電圧Vr1との電圧差に応じた電流値を持つ充電電流Ip1を生成する。
トランジスタT14bのソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT14bのドレイン端子は充電回路103に接続されている。トランジスタT14bの電気的特性は、トランジスタT13の電気的特性と等しく設定されている。したがって、トランジスタT14bは、トランジスタT13に流れる分流電流I12と等しい充電電流Ip2を充電回路103から配線Vssに向かって流す。すなわち、トランジスタT14bは、出力電圧Voと基準電圧Vr1との電圧差に応じた電流値を持つ充電電流Ip2を生成する。
充電回路103は、信号生成回路104a,104bを有している。
信号生成回路104aは、キャパシタCp1、スイッチSw1を含む。
キャパシタCp1の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCp1の第2端子はトランジスタT14aのドレイン端子に接続されている。スイッチSw1の第1端子は配線Viに接続され、スイッチSw1の第2端子はトランジスタT14aのドレイン端子に接続されている。すなわち、キャパシタCp1とスイッチSw1は互いに並列に接続されている。スイッチSw1の制御端子には、切替制御回路105から制御信号SK1が供給される。スイッチSw1は制御信号SK1に応答してオンオフする。スイッチSw1は、例えばLレベル(低電位電圧Vssレベル)の制御信号SK1に応答してオフする。Hレベル(入力電圧Viレベル)の制御信号SK1に応答してオンする。スイッチSw1がオフしている期間、トランジスタT14aが流す充電電流Ip1によってキャパシタCp1が充電される。このため、スイッチSw1がオフしている期間では、キャパシタCp1の容量値と充電電流Ip1の電流値で傾きが決まるランプ電圧Vp1の電圧値は徐徐に低下する。スイッチSw1がオンすると、キャパシタCp1の両端子間が短絡され、キャパシタCp1に蓄積された電荷が放電され、ランプ電圧Vp1の電圧値が入力電圧Viレベルに初期化(リセット)される。この信号生成回路104aは、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧とキャパシタCp1の容量値に基づく時定数に応じて電圧値が変化するランプ電圧Vp1を生成する。
信号生成回路104bは、キャパシタCp2、スイッチSw1を含む。
キャパシタCp2の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCp2の第2端子はトランジスタT14bのドレイン端子に接続されている。スイッチSw2の第1端子は配線Viに接続され、スイッチSw2の第2端子はトランジスタT14bのドレイン端子に接続されている。すなわち、キャパシタCp2とスイッチSw2は互いに並列に接続されている。スイッチSw2の制御端子には、切替制御回路105から制御信号SK2が供給される。スイッチSw2は制御信号SK2に応答してオンオフする。スイッチSw2は、例えばLレベル(低電位電圧Vssレベル)の制御信号SK2に応答してオフする。Hレベル(入力電圧Viレベル)の制御信号SK2に応答してオンする。スイッチSw2がオフしている期間、トランジスタT14bが流す充電電流Ip2によってキャパシタCp2が充電される。このため、スイッチSw2がオフしている期間では、キャパシタCp2の容量値と充電電流Ip2の電流値で傾きが決まるランプ電圧Vp1の電圧値は徐徐に低下する。スイッチSw2がオンすると、キャパシタCp2の両端子間が短絡され、キャパシタCp2に蓄積された電荷が放電され、ランプ電圧Vp2の電圧値が入力電圧Viレベルに初期化(リセット)される。この信号生成回路104bは、出力電圧Voと基準電圧Vr1の差電圧とキャパシタCp2の容量値に基づく時定数に応じて電圧値が変化するランプ電圧Vp2を生成する。
キャパシタCp1とトランジスタT14aの間のノードN31はスイッチ回路SWGに接続されている。同様に、キャパシタCp2とトランジスタT14bの間のノードN32はスイッチ回路SWGに接続されている。スイッチ回路SWGは、ノードN31に接続された第1端子と、ノードN32に接続された第2端子と、比較器14の非反転入力端子に接続された共通端子を有している。スイッチ回路SWGは、切替制御回路105から供給される制御信号SKGに応じて、共通端子を第1端子又は第2端子に接続する。スイッチ回路SWGは、例えばHレベルの制御信号SKGに応答して共通端子を第1端子に接続する。比較器14の非反転入力端子は、スイッチ回路SWGを介してノードN31に接続される。したがって、比較器14の非反転入力端子にランプ電圧Vp1が供給される。また、スイッチ回路SWGは、例えばLレベルの制御信号SKGに応答して共通端子を第2端子に接続する。比較器14の非反転入力端子は、スイッチ回路SWGを介してノードN32に接続される。したがって、比較器14の非反転入力端子にランプ電圧Vp2が供給される。例えば、スイッチ回路SWGは、共通端子の接続先を切り替える際に、ブレイク・ビフォー・メイク動作を行う。これにより、ノードN31とノードN32の間の短絡を防止し、ランプ電圧Vp1,Vp2の電圧値の変化を抑制する。スイッチ回路SWGと切替制御回路105は選択回路の一例である。
切替制御回路105は、分周器106とパルス生成回路107を有している。
分周器106は、クロック信号CLKを所定の分周比(例えば、2分周)で分周した周期の制御信号SKGを生成する。すなわち、分周器106は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで、レベルをHレベルとLレベルに交互に変更した制御信号SKGを生成する。
パルス生成回路107には、クロック信号CLKと制御信号SKGが供給される。パルス生成回路107は、クロック信号CLKと制御信号SKGとに基づいて、制御信号SK1,SK2を生成する。例えば、パルス生成回路107は、Hレベルのクロック信号CLKとHレベルの制御信号SKGに基づいて、Hレベルの制御信号SK2を生成する。また、パルス生成回路107は、Hレベルのクロック信号CLKとLレベルの制御信号SKGに基づいて、Hレベルの制御信号SK1を生成する。
次に、上記のDC−DCコンバータ100の作用を説明する。
なお、ここでは、充電回路103と切替制御回路105に係る作用について説明する。
図12に示す領域(1)は、デューティが50%の動作波形を表す。この状態で差動回路11はバランス状態にある。
Hレベルのクロック信号CLKに基づいてフリップフロップ回路16はリセットされ、トランジスタT1のゲート端子にはHレベルの出力信号Sc1が供給される。トランジスタT1はオフ状態になる。また、切替制御回路105の分周器106は、クロック信号CLKの立ち上がりごとに制御信号SKGの論理レベルを切り替える。
制御信号SKGがLレベルの場合において、クロックサイクルの始めにHレベルの制御信号SK1が切替制御回路105から出力される。制御信号SK1により、充電回路103の備えるスイッチSw1はオンする。これにより、キャパシタCp1は放電されランプ電圧Vp1は入力電圧Viに初期化される。制御信号SK1がLレベルになるとスイッチSw1はオフし、充電電流Ip1によってキャパシタCp1の充電が開始される。キャパシタCp1の充電に伴いランプ電圧Vp1は低下する。このクロックサイクルはキャパシタCp1の充電開始からの初期段階であり、このクロックサイクルをプレサイクルとする。
キャパシタCp1のプレサイクル経過後、Hレベルのクロック信号CLKに基づいて次のクロックサイクルが開始する。クロック信号CLKに基づいて、Hレベルの制御信号SKGが分周器106から出力される。ランプ電圧Vp1は、スイッチ回路SWGにより比較器14に供給される。比較器14によって、ランプ電圧Vp1と基準電圧Vc1とが比較される。キャパシタCp1のランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1を下回ると比較器14の出力信号SaはHレベルからLレベルに遷移する。これにより、トランジスタT1のゲート端子電圧はLレベルに遷移し、トランジスタT1のオフ期間Toffが終了しオン状態になる。オン期間Tonはクロックサイクル終了まで続く。このサイクルは、ランプ電圧Vp1と基準電圧Vc1とが比較されるクロックサイクルである。
制御信号SKGがHレベルの場合において、クロックサイクルの始めにHレベルの制御信号SK2が切替制御回路105から出力される。制御信号SK2により、充電回路103が備えるスイッチSw2はオンする。これにより、キャパシタCp2は放電されランプ電圧Vp2は入力電圧Viに初期化される。制御信号SK2がLレベルになるとスイッチSw2はオフし、充電電流Ip2によってキャパシタCp2の充電が開始される。キャパシタCp2の充電に伴いランプ電圧Vp2は低下する。このクロックサイクルはキャパシタCp2の充電開始からの初期段階であり、このクロックサイクルをプレサイクルとする。
キャパシタCp2のプレサイクル経過後、Hレベルのクロック信号CLKに基づいて次のクロックサイクルが開始する。クロック信号CLKに基づいて、Lレベルの制御信号SKGが分周器106から出力される。ランプ電圧Vp2は、スイッチ回路SWGにより比較器14に供給される。比較器14によって、ランプ電圧Vp2と基準電圧Vc1とが比較される。キャパシタCp2のランプ電圧Vp2が基準電圧Vc1を下回ると比較器14の出力信号SaはHレベルからLレベルに遷移する。これにより、トランジスタT1のゲート端子電圧はLレベルに遷移し、トランジスタT1のオフ期間Toffが終了しオン状態になる。オン期間Tonはクロックサイクル終了まで続く。このサイクルは、ランプ電圧Vp2と基準電圧Vc1とが比較されるクロックサイクルである。
キャパシタCp1およびキャパシタCp2は、クロック信号CLKのHレベルパルス信号が出力される度に、一方が初期化され、他方の端子電圧が比較器14に供給される。つまり、キャパシタCp1のプレサイクルと、ランプ電圧Vp2と基準電圧Vc1とが比較されるクロックサイクルとは、同じクロックサイクルの中で行われる。また、キャパシタCp2のプレサイクルと、ランプ電圧Vp1と基準電圧Vc1とが比較されるクロックサイクルとは、同じクロックサイクルの中で行われる。Hレベルのクロック信号CLKに基づいて、基準電圧Vc1の比較対象がランプ電圧Vp1とランプ電圧Vp2との間で交互になされ、スイッチング動作が繰り返される。
キャパシタCp1,Cp2への充電動作は、充電が開始されるプレサイクルを経て、ランプ電圧Vp1,Vp2が基準電圧Vc1と比較される次のクロックサイクルまでの連続する2クロックサイクルの間、継続して行なわれる。キャパシタCp1,Cp2への充電動作を2クロックサイクルで行なうことにより、充電に必要となる充電電流Ip1、Ip2は、1クロックサイクルの場合に比して半分程度となる。
キャパシタCp1およびキャパシタCp2の充電について説明する。充電電流Ip1および充電電流Ip2の電流値はカレントミラー回路102により分流電流I12の電流値と等しい。したがって、充電電流Ip1および充電電流Ip2は差動回路11に入力される出力電圧Voと基準電圧Vr1との電圧差により制御される。基準電圧Vr1と出力電圧Voとが等しいバランス状態では、出力電流I12は電流源21における電流I11の1/2である。充電電流Ip1および充電電流Ip2も同様に電流I11の1/2である。
出力電圧Voが基準電圧Vr1と比較し高い場合、バランス状態と比較し、出力電流I12の電流値は減少する。出力電圧Voが高いほど充電電流Ip1および充電電流Ip2は減少し、最小で0Aとなる。一方、出力電圧Voが基準電圧Vr1と比較し低い場合、バランス状態と比較し、出力電流I12の電流値は増加する。出力電圧Voが低いほど充電電流Ip1および充電電流Ip2は増加し、最大で電流I11となる。
充電回路103は、差動回路11の出力電流I12に従い、充電電流Ip1および充電電流Ip2が制御され、ランプ電圧Vp1およびランプ電圧Vp2の電圧値の時間当たりの低下速度が制御される。これにより、トランジスタT1のオフ期間Toffが制御される。クロック信号CLKによりスイッチング動作の周期が決定されるため、オフ期間の制御によりスイッチング動作のデューティが決定される。入力電圧Vi、基準電圧Vr1で設定される出力電圧Vo、およびクロック信号CLKの周期に応じて、キャパシタCp1およびキャパシタCp2の充電電流Ip1および充電電流Ip2によりオフ期間が決定される。
充電が開始されてからランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1を下回るまでの期間を充電期間Tcpとする。ランプ電圧Vp2についても同様である。例えば、1クロックサイクルでオフ期間が設定されるDC−DCコンバータでは、充電期間Tcpはオフ期間と等しい。図12の(1)に示す波形では、充電期間Tcpは、キャパシタCp1のプレサイクルとオフ期間を加算されたものとなる。キャパシタCp2についても同様である。したがって、各キャパシタCp1,Cp2の充電期間Tcpは、1つのキャパシタにより基準電圧Vc1と比較する参照電圧を生成する場合と比べ長くなる。充電電流Ip1、Ip2は充電期間Tcpに反比例する。
例えば、デューティが50%のときオフ期間がクロックサイクルの1/2であるのに対し、本実施形態のオフ期間はプレサイクル期間が加算されて3/2サイクルとなる。このため、充電電流Ip1および充電電流Ip2は、1/3の電流値となる。こおで、デューティが25%に変化するためには、第2のキャパシタCp2を持たない場合では、充電時間が50%増えるため、電流値は、50%のときの2/3倍となる。第2のキャパシタCp2を持つ場合は、充電時間が3/2サイクルから7/4サイクル(1+1−25%)となり、電流値は50%のときの6/7倍(=(3/2)/(7/4))となる。この変化を実数で書けば、0.667倍から0.857倍となる。つまり、デューティ変化に対応するオフ期間の変化を実現するのに必要な充電電流Ip1および充電電流Ip2の変化の比率が小さくなる。したがって、差動回路11におけるバランス状態からのズレを小さく抑えることができ、出力電圧Voの基準電圧Vr1からのズレを小さなものとすることができる。出力電圧Voの精度が改善される。
また、キャパシタCp1,Cp2の充電によるランプ電圧Vp1,Vp2の低下は、2クロックサイクルに渡って行なわれ、ランプ電圧Vp1,Vp2が基準電圧Vc1を下回るクロックサイクルに先立ってプレサイクルがある。このため、ランプ電圧Vp1,Vp2の時間変化傾き変化幅は、動作条件の違いに伴うオフ期間の変化に関わらず、相対的小さなものとなる。比較器14において、ランプ電圧Vp1,Vp2が基準電圧Vc1を下回る際の電圧値の時間変化割合の変化幅が小さいため、比較器14における入力電圧の遷移に伴う出力信号の遷移までの遅延時間の変化幅が小さなものとなる。動作条件の違いに伴う信号の伝播遅延時間の変化幅が小さくなる。
次に、出力が過渡的に変化した場合の波形変化について述べる。
図12の領域(2)は、過渡的に負荷電流が増加して、出力電圧Voが低下した場合で、デューティが100%で動作している場合を示している。キャパシタCp1,Cp2の充電時間は、1サイクル(プレサイクル+オフ期間Toff=0)であり、充電電流Ip1および充電電流Ip2は、標準デューティの50%の場合と比較すると、充電時間の逆数となるため、(3/2)/1=1.5倍大きくなれば良い。第2のキャパシタCp2を持たない場合には、充電時間を0(ゼロ)とすることになり、充電電流Ip1を無限大としなくてはならないが、充電電流は差動回路11がもともとバランスしていた状態から2倍で制限されるため、一定以上にデューティを大きくすることができなかった。
図12の領域(3)は、過渡的に負荷電流が減少して、出力電圧Voが上昇した場合で、デューティが0%となった場合を示している。キャパシタCp1,Cp2の充電時間は、2サイクル(プレサイクル+オフ期間Toff)であり、充電電流Ip1および充電電流Ip2は、標準デューティの50%の場合と比較すると、(3/2)/2=0.75倍と小さくなれば良い。
よって、DC−DCコンバータ100は、キャパシタCp1,Cp2を備えることにより、負荷電流の急激な増大により出力電圧Voが動的に変動し、出力電圧Voが過渡的に基準電圧Vr1を下回るとき、デューティの100%が取ることができ、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合に比してより大きなデューティで動作することができ、1周期のオン期間Tonを長くできる。過渡的に低下した出力電圧Voを迅速に増加させることができる。また、負荷電流が急減して出力電圧Voが動的に変動し、出力電圧Voが基準電圧Vr1を上回るとき、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合と比較し、より小さい出力電圧Voの増加量でデューティを0%にできる。負荷への電力供給を停止して出力電圧Voの更なる増大を停止することができる。負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voの過渡的な変動に対する応答特性を改善することができる。
なお、差動回路11の電流源21の電流I11は、例えば、トランジスタT1を50パーセント(%)のデューティにて制御する場合に適した電流量に設定される。この電流量に対し、3/4から4/3倍の電流可変幅を設定する。このような設定により、トランジスタT1のデューティ0〜100%の範囲で、差動回路11をバランス状態とすることが可能となる。このため、差動回路11の電流源21において、入力電圧Viと出力電圧Voに応じた電流量を設定する必要がなくなり、電流源21を簡略化することができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(3−1)上記の第一実施形態と同様の効果を奏する。
(3−2)DC−DCコンバータ100の充電回路103は、2つのキャパシタCp1,Cp2をスイッチSw1,Sw2により充放電して生成したランプ電圧Vp1,Vp2を、比較器14に対して交互に供給し、トランジスタT1をオンオフする出力信号Sc1を生成する。このような2相制御では、キャパシタCp1,Cp2の充電期間が、例えば第一実施形態のように、1つのキャパシタを用いた場合と比べ長くなる。したがって、トランジスタT1を制御する出力信号Sc1のデューティが変化するとき、キャパシタCp1,Cp2の充電期間を変更するための充電電流Ip1,Ip2の変更量は、1つのキャパシタによりランプ電圧を生成する場合と比べ、少なくなる。各キャパシタCp1,Cp2に対する充電電流Ip1,Ip2は、差動回路11の出力電流I12に基づく。したがって、電流源21において制御する電流I11の変更量を小さく抑えることができる。このため、差動回路11の状態に応じた制御電圧Vb1の精度、つまり差動回路11の状態の検出精度が向上し、出力電圧Voの設定精度を向上することができる。
(3−3)図11における検出回路19は、電流源21を制御して差動回路11をバランス状態とする帰還回路に含まれ、差動回路11がバランス状態に収束するため、出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致させることができる。第2のキャパシタCp2を含む充電回路103により、電流源21の調整範囲が狭くなり、電流源21のより小さな調整で差動回路11をバランスさせることができる。動作点の変動が小さくなるため、より高い精度で出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致させることができるようになる。
(第四実施形態)
以下、第四実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明の一部または全てを省略する。
図13に示すように、このDC−DCコンバータ150の比較器14の反転入力端子には電圧源E11により生成される基準電圧Vc2が供給される。この電圧源E11は、検出回路63により生成される制御電圧Vb2に応じた基準電圧Vc2を生成する。
このDC−DCコンバータ150は、切替制御回路155を有している。この切替制御回路155は、分周器106とパルス生成回路157を有している。
分周器106は、クロック信号CLKを所定の分周比(例えば、2分周)で分周した制御信号SKGを生成する。すなわち、分周器106は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで、レベルをHレベルとLレベルに交互に変更した制御信号SKGを生成する。
パルス生成回路157には、クロック信号CLK,制御信号SKGと、比較器14の出力信号Saが供給される。パルス生成回路157は、クロック信号CLKと制御信号SKGと出力信号Saとに基づいて、制御信号SK1,SK2を生成する。例えば、パルス生成回路157は、Hレベルのクロック信号CLKとHレベルの制御信号SKGに基づいて、とHレベルの制御信号SK2を生成する。また、パルス生成回路157は、Hレベルのクロック信号CLKとLレベルの制御信号SKGに基づいて、Hレベルの制御信号SK1を生成する。
充電回路103に含まれるスイッチSw1は、Hレベルの制御信号SK1に基づいてオンする。これにより、キャパシタCp1に蓄積された電荷が放電され、ランプ電圧Vp1の電圧値が入力電圧Viレベルに初期化(リセット)される。同様に、充電回路103に含まれるスイッチSw2は、Hレベルの制御信号SK2に基づいてオンする。これにより、キャパシタCp1に蓄積された電荷が放電され、ランプ電圧Vp1の電圧値が入力電圧Viレベルに初期化(リセット)される。
次に、上記のDC−DCコンバータ150の作用を説明する。
図14に示すように、キャパシタCp1,Cp2を、クロック信号CLKの2周期毎に充放電してランプ電圧Vp1,Vp2を生成する。そして、生成したランプ電圧Vp1,Vp2を、クロック信号CLKの周期に応じて、交互に比較器14に供給し、その比較器14の出力信号Saに基づいてトランジスタT1をオンオフ制御する。
検出回路63は、電流源73の電流I15と、トランジスタT17の電流I14の差に応じた制御電圧Vb2を生成する。この制御電圧Vb2により、電圧源E11は、基準電圧Vc2を低くする。これにより、トランジスタT1に対する出力信号Sc1のデューティが調整され、充電電流Ip1,Ip2が電流I11の1/2(Ip1=Ip2=I11/2=I12)となり、差動回路61がバランス状態となる。これにより、出力電圧Voは、基準電圧Vr1と等しく、または基準電圧Vr1とのずれが少なくなる。なお、図14では、図3と同様に、基準電圧Vr1を判りやすくするため、出力電圧Voに対してずらして示している。
なお、基準電圧Vc2の標準値は、例えば、トランジスタT1を50パーセント(%)のデューティにて制御する場合に適した電圧値に設定される。この電圧値に対し、2/3から4/3倍の範囲で基準電圧Vc2が調整される。このような設定により、トランジスタT1のデューティ0〜100%の範囲で、差動回路61をバランス状態とすることが可能となる。このため、差動回路61の電流源71において、入力電圧Viと出力電圧Voに応じた電流量を設定する必要がなくなり、電流源71を簡略化することができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(4−1)上記の第二実施形態、第三実施形態と同様の効果を奏する。
(4−2)図13における検出回路63は、電圧源E11を制御して差動回路61をバランス状態とする帰還回路に含まれ、差動回路61がバランス状態に収束するため、出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致させることができる。第2のキャパシタCp2を含む充電回路103により、電圧源E11の調整範囲が狭くなり、より小さな調整で差動回路61をバランスさせることができる。動作点の変動が小さくなるため、より高い精度で出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致させることができるようになる。
(第五実施形態)
以下、第五実施形態を説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明の一部または全てを省略する。
[差動対に供給する基準電圧Vr1を出力電圧Voに応じて変更する]
図15に示すように、DC−DCコンバータ200は、入力電圧Vi(同図左端)に基づいて出力電圧Vo(同図右端)を生成する。
出力電圧Voは、分圧回路201に供給される。分圧回路201は、抵抗Rd3,Rd4を有している。抵抗Rd3の第1端子に出力電圧Voが供給され、抵抗Rd3の第2端子は抵抗Rd4の第1端子に接続され、抵抗Rd4の第2端子は配線Vssに接続されている。分圧回路201は、抵抗Rd3と抵抗Rd4の抵抗比により出力電圧Voに比例した帰還電圧Vfbを生成する。この帰還電圧Vfbは、差動回路61に含まれる差動対22のトランジスタT12のゲート端子に供給される。なお、分圧回路201の抵抗Rd3に対して並列にキャパシタを接続してもよい。
また、上記の帰還電圧Vfbは、誤差増幅器202の反転入力端子に供給される。誤差増幅器202の非反転入力端子は、電圧源E1aに接続されている。電圧源E1aは、例えばバンドギャップリファレンス回路(BGR(bandgap reference)回路)であり、基準電圧Vraを生成する。この基準電圧Vraの電圧値は、負荷に必要な出力電圧Voの電圧値(目標電圧)より低い。
誤差増幅器202は、帰還電圧Vfbと基準電圧Vraの電圧差に応じた基準電圧Vr2を出力する。この基準電圧Vr2は、差動回路61に含まれる差動対22のトランジスタT11のゲート端子に供給される。分圧回路201の抵抗Rd3,Rd4の抵抗値は、出力電圧Voの目標電圧と基準電圧Vraに応じて設定されている。
差動対22のトランジスタT11,T12の間のノードは電流源71に接続され、その電流源71は、差動対22に対して電流I11を供給する。トランジスタT12のドレイン端子はカレントミラー回路12に接続されている。カレントミラー回路12は、トランジスタT13,T14を有している。トランジスタT13のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT13のドレイン端子は差動対22のトランジスタT12のドレイン端子に接続されている。そして、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT13のドレイン端子に接続されている。また、トランジスタT13のゲート端子はトランジスタT14のゲート端子に接続されている。トランジスタT14のソース端子は配線Vssに接続され、トランジスタT14のドレイン端子は充電回路62に接続されている。トランジスタT14の電気的特性は、トランジスタT13の電気的特性と等しく設定されている。したがって、トランジスタT14は、トランジスタT13に流れる出力電流I12と等しい充電電流Ip1を充電回路62から配線Vssに向かって流す。すなわち、トランジスタT14は、帰還電圧Vfbと基準電圧Vr2との差電圧に応じた電流値の充電電流Ip1を生成する。
充電回路62は、キャパシタCp1、スイッチSw1、電流源72を有している。キャパシタCp1とスイッチSw1と上記カレントミラー回路12は、出力電圧Voと基準電圧Vr1との差電圧に基づく時定数に応じて電圧値が変化するランプ電圧Vp1を生成する信号生成回路に含まれる。
キャパシタCp1の第1端子は配線Viに接続され、キャパシタCp1の第2端子は上記トランジスタT14のドレイン端子に接続されている。スイッチSw1の第1端子はキャパシタCp1の第1端子に接続され、スイッチSw1の第2端子はキャパシタCp1の第2端子に接続されている。すなわち、キャパシタCp1とスイッチSw1は互いに並列に接続されている。これらキャパシタCp1及びスイッチSw1とカレントミラー回路12(トランジスタT14)の間のノードN11は比較器14の非反転入力端子に接続されている。スイッチSw1は、制御信号SK1に応答してオンオフする。
比較器14の非反転入力端子にはランプ電圧Vp1が供給されている。比較器14の反転入力端子は電圧源E2の第2端子(マイナス端子)に接続され、電圧源E2の第1端子(プラス端子)は配線Viに接続されている。電圧源E2は、第1端子と第2端子の間の電位差を入力電圧Viから減じた基準電圧Vc1を生成する。電圧源E2にはランプ電圧Vp1が供給される。電圧源E2は、制御電圧に応じた値の基準電圧Vc1を生成する。
比較器14は、ランプ電圧Vp1を基準電圧Vc1と比較した結果に応じた出力信号Saを生成する。例えば、比較器14は、非反転入力端子に供給されるランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1よりも高いときにHレベルの出力信号Saを生成する。また、比較器14は、ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1よりも低いときにLレベルの出力信号Saを生成する。この出力信号Saはインバータ回路15に供給される。
インバータ回路15は、トランジスタT15,T16を有している。トランジスタT15,T16のゲート端子に出力信号Saが供給される。トランジスタT15のソース端子は配線Viに接続され、トランジスタT15のドレイン端子はトランジスタT16のドレイン端子に接続され、トランジスタT16のソース端子は配線Vssに接続されている。トランジスタT15のドレイン端子とトランジスタT16のドレイン端子の間のノードはフリップフロップ回路16に接続されている。インバータ回路15は、比較器14の出力信号Saのレベルを論理反転したレベルの制御信号Saxを出力する。
フリップフロップ回路16は、例えばRS−フリップフロップ回路である。上記インバータ回路15からの制御信号Saxは、フリップフロップ回路16のセット端子Sに供給される。フリップフロップ回路16のリセット端子Rにはクロック信号CLKが供給される。フリップフロップ回路16の反転出力端子XQはオア回路17に接続されている。
フリップフロップ回路16は、Hレベルのクロック信号CLKに応答して反転出力端子XQからHレベルの出力信号Sc1を出力する。また、フリップフロップ回路16は、Hレベルの制御信号Saxに応答してLレベルの出力信号Sc1を出力する。出力信号Sc1はオア回路17に供給される。
オア回路17にはクロック信号CLKとフリップフロップ回路16の出力信号Sc1が供給される。オア回路17の出力端子はトランジスタT1の制御端子(ゲート端子)に接続されている。オア回路17は、クロック信号CLKと出力信号Sc1を互いに論理演算(論理和演算)した結果に応じたレベルの制御信号Sc2を出力する。オア回路17は、クロック信号CLKがHレベルである期間、トランジスタT1をオフするように制御信号Sc2を生成するためのものであり、オア回路17を省略することも可能である。
制御信号生成回路18には、比較器14の出力信号Saとクロック信号CLKが供給される。制御信号生成回路18は、出力信号Saとクロック信号CLKに基づいて、上記の充電回路62に含まれるスイッチSw1を制御するための制御信号SK1を生成する。制御信号生成回路18は、Lレベルの出力信号Saに応答してHレベルの制御信号SK1を出力する。制御信号生成回路18は、クロック信号CLKがHレベルのときにもHレベルの制御信号SK1を出力する。そして、制御信号生成回路18は、クロック信号CLKの立ち下がりエッジのタイミング、つまりクロック信号CLKがHレベルからLレベルへと変化するときに、Lレベルの制御信号SK1を出力する。
次に、上記のDC−DCコンバータ200の作用を説明する。
図16に示すように、出力電流Ioが減少する(負荷が軽くなる)と、それに応じて出力電圧Voが上昇する。出力電圧Voの上昇に応じて差動回路61の出力電流I12が減少する。カレントミラー回路12は、差動回路61の出力電流I12と等しい充電電流Ip1を生成する。したがって、充電電流Ip1が減少し、ランプ電圧Vp1の変化する割合(ランプ電圧Vp1の傾き)が減少し、最終的にデューティを小さくすることにより、出力電圧Voを低下させるように動作する。
誤差増幅器202は、帰還電圧Vfbを基準電圧Vraと比較した結果に応じた基準電圧Vr2を出力する。この誤差増幅器202は、出力電圧Voに応じた帰還電圧Vfbと、基準電圧Vraの差に応じて、差動対22のトランジスタT11に供給する基準電圧Vr2を調整する。
そして、このDC−DCコンバータ200では、トランジスタT12に供給される帰還電圧Vfbと、基準電圧Vraとを互いに一致させるように動作する。したがって、誤差増幅器202によりトランジスタT11に供給する基準電圧Vr2を調整することにより、出力電圧Voを目標電圧と一致する、又は出力電圧Voと目標電圧との差を抑制することができる。
誤差増幅器202の応答速度は、トランジスタT1のスイッチング周波数より低い。したがって、出力電圧Voの細かな変化に対し、誤差増幅器202から出力される基準電圧Vr2が追従しない、例えばキャパシタCp1に対する充電電流Ip1の変化が少ないため、安定した出力電圧Voを得ることができる。
図17に示すように、通常負荷(図において上部の出力電圧Vo〜出力信号Sc1)のとき、出力電圧Voの平均電圧は出力電圧Voの変動範囲(リップル)の中心にある。そして、基準電圧Vraに応じてオンデューティ(充電電流Ip1)が設定される。したがって、出力電圧Voを分圧した帰還電圧Vfbの平均電圧は、基準電圧Vra,Vr2とほぼ等しくなる。
軽負荷のとき、出力電圧Voが上昇する。誤差増幅器202からの基準電圧Vr2を下げることにより、差動回路61の出力電流I12を少なくする。これにより、時定数、つまりキャパシタCp2の充電期間を長くする。これにより、トランジスタT1のオン時間が短くなり、出力電圧Voを低くし、目標電圧に近づける。なお、軽負荷では、インダクタL1に流れる電流が不連続となる不連続モードとなるため、図17の下部に示す波形のように、出力電圧Voが変化する。誤差増幅器202は、この出力電圧Voを分圧した帰還電圧Vfbの平均値に応答して基準電圧Vr2を生成するため、出力電圧Voの平均値が目標電圧に一致する。
次に、図18にしたがって比較例のDC−DCコンバータ250を説明する。なお、この比較例のDC−DCコンバータ250において、上記の各実施形態と同様の部材については同じ符号を用いるものとする。
DC−DCコンバータ250において、出力電圧Voは増幅器251の反転入力端子に供給される。増幅器251の非反転入力端子には基準電圧Vr1が供給される。増幅器251の出力電圧Vrbは、比較器14の非反転入力端子に供給される。この比較器14の反転入力端子には出力電圧Voが供給される。比較器14の出力信号Saはインバータ回路15に供給される。インバータ回路15はトランジスタT15,T16を有している。インバータ回路15からの制御信号Saxはフリップフロップ回路16のリセット端子Rに供給される。フリップフロップ回路16のセット端子Sには、クロック信号CLKが供給される。フリップフロップ回路16の反転出力端子XQから出力される制御信号Sc1はトランジスタT1のゲート端子に供給される。
図19に示すように、この比較例では、通常負荷のとき、出力電圧Voの平均電圧は、その出力電圧Voの変動範囲(リップル)の中心付近となる。増幅器251の出力電圧Vrbは、出力電圧Voの変動範囲のトップ(最大電圧)であり、基準電圧Vr1より高くなる。軽負荷のとき、出力電圧Voの平均電圧は、出力電圧Voの振幅の中心より低下する。このように、トップ電圧と平均電圧の差電圧が変動するため、基準電圧Vr1のような固定電圧では、出力平均電圧が変動する。この変動を回避するため、増幅器251で補正をかけた出力電圧Vrbを生成している。図18に示すように、初段がコンパレータとなっており、電圧利得が非常に高いため、本来出力デューティによる電圧誤差は生じないが、出力電圧の平均値を制御しておらず、トップ電圧(またはボトム電圧)と平均電圧の差が一定でないための電圧誤差を補償している。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(5−1)誤差増幅器202は、差動回路61の差動対22のトランジスタT12に供給される帰還電圧Vfbと、基準電圧Vraの差に応じた基準電圧Vr2を出力する。この基準電圧Vr2は、差動対22のトランジスタT11に供給される。差動対22は、帰還電圧Vfbと誤差増幅器202からの基準電圧Vr2の差に応じた出力電流I12を生成する。
誤差増幅器202は、帰還電圧Vfbと基準電圧Vraを互いに一致するように基準電圧Vr2を生成する。基準電圧Vraは、出力電圧Voの目標電圧に応じて設定される。したがって、出力電圧Voを目標電圧と一致する、または出力電圧Voと目標電圧の差を少なくすることができる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・第一,第二実施形態、図15,図16に示すオア回路17を省略し、フリップフロップ回路16の出力信号Sc1をトランジスタT1のゲート端子に供給するようにしてもよい。
・第三,第四実施形態のDC−DCコンバータ100,150に、図1に示すオア回路17を追加してもよい。
・図1等に示す充電回路13の電流源23を省略する。同様に、図8,図15に示す充電回路62の電流源72を省略する。
・図11に示すDC−DCコンバータ100おいて、充電回路103に電流源(例えば、図1に示す電流源23)を追加する。同様に、図15に示すDC−DCコンバータ150において、充電回路103に定電流源(例えば、図8に示す定電流源72)を追加する。
・第二実施形態において、図9に示すトランジスタT46を省略する。
・図2に示す第一実施形態において、図9に示すトランジスタT46と同様に、トランジスタT26のソース端子と配線Vssの間に定電流源(例えば、ゲート端子に所定のバイアス電圧が供給されたNチャネルMOSトランジスタ)を接続してもよい。
・各実施形態において、制御信号生成回路18は、インバータ回路15からの制御信号Saxとクロック信号CLKに基づいて制御信号SK1を生成するようにしてもよい。また、制御信号生成回路18は、フリップフロップ回路16の出力信号Sc1、又は非反転出力端子から出力される信号に基づいて制御信号SK1を生成するようにしてもよい。
・上記第一,第三実施形態では、差動回路11の状態を検出する検出回路19にて生成する制御電圧Vb1により、差動回路11に含まれる電流源21における電流I11を制御した。上記第二,第四実施形態では、差動回路61の状態を検出する検出回路63にて生成する制御電圧Vb2により、比較器14に供給する基準電圧Vc2を制御した。差動回路11の状態に応じて制御する制御対象を適宜変更してもよい。
例えば、図20に示すように、例えば検出回路63おいて生成する制御電圧Vb2により、実線にて示すようにキャパシタCp1と配線Viの間に接続した電圧源E12を制御するようにしてもよい。電圧源E12は、キャパシタCp1を初期化(リセット)ときの電圧(リセット電圧または放電電圧という)を設定する。放電電圧を制御(変更)することで、基準電圧Vc1とノードN11におけるランプ電圧Vp1が交差するタイミング(ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1を下回るタイミング)が変化する。これにより、トランジスタT1のオン期間(またはオフ期間)が変化することで、出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致するように調整することができる。
また、図20において破線にて示すように、可変容量キャパシタCp3の容量値を制御するようにしてもよい。キャパシタCp3の容量値は、充電回路の充電特性に対応し、ランプ電圧Vp1の変化する割合(傾き)に影響する。つまり、ランプ電圧Vp1の傾きを調整することで、基準電圧Vc1とノードN11におけるランプ電圧Vp1が交差するタイミング(ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1を下回るタイミング)が変化する。これにより、トランジスタT1のオン期間(またはオフ期間)が変化することで、出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致するように調整することができる。
また、図20において一点鎖線にて示すように、トランジスタT14に流れる充電電流Ip1の量を制御するようにしてもよい。トランジスタT14における充電電流Ip1の量は、カレントミラー回路12の増幅率に対応する。つまり、カレントミラー回路12の増幅率を制御するようにしてもよい。トランジスタT14における充電電流Ip1の量は、例えばトランジスタT14のバックゲート電圧の調整により変更することができる。したがって、ランプ電圧Vp1の傾きを調整することで、基準電圧Vc1とノードN11におけるランプ電圧Vp1が交差するタイミング(ランプ電圧Vp1が基準電圧Vc1を下回るタイミング)が変化する。これにより、トランジスタT1のオン期間(またはオフ期間)が変化することで、出力電圧Voを基準電圧Vr1に一致するように調整することができる。
なお、図20には、複数の制御対象を1つのDC−DCコンバータに示したが、複数の制御対象は、それぞれ独立して適用する、または複数の制御対象を選択的に適用することが可能である。
・上記各実施形態では、出力電圧Voまたは出力電圧Voに応じた帰還電圧Vfbが供給されるトランジスタT12に流れる電流をカレントミラー回路12に供給したが、基準電圧Vr1,Vraが供給されるトランジスタT11に流れる電流をカレントミラー回路12に供給するようにしてもよい。例えば、図1において、カレントミラー回路12に含まれるトランジスタT13を、差動対22のトランジスタT11と配線Vssの間に接続する。これに対応し、フリップフロップ回路16のリセット端子にインバータ回路15からの制御信号Saxを供給し、フリップフロップ回路16のセット端子にクロック信号CLKを供給する。このようなDC−DCコンバータにおいても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
・図21に、上記のDC−DCコンバータ10を有する電子機器300の一例を示す。電子機器300は、本体部310と、本体部310に電力を供給する電源部330とを有している。なお、DC−DCコンバータ60,100,150,200を用いてもよい。
まず、本体部310の内部構成例を説明する。
プログラムを実行する中央処理装置(CPU)311には、そのCPU311で実行されるプログラム又はCPU311が処理するデータを記憶するメモリ312が接続されている。また、CPU311には、インタフェース(I/F)313を介してキーボード314A及びポインティングデバイス314Bが接続されている。ポインティングデバイス314Bは、例えばマウス、トラックボール、タッチパネルや静電センサを有するフラットデバイス等である。
また、CPU311には、インタフェース315を介してディスプレイ316が接続され、インタフェース317を介して通信部318が接続されている。ディスプレイ316は、例えば液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスパネル等である。通信部318は、例えばローカルエリアネットワークボード等である。
また、CPU311には、インタフェース319を介して外部記憶装置320が接続され、インタフェース321を介して着脱可能記録媒体アクセス装置322が接続されている。外部記憶装置320は、例えばハードディスクである。アクセス装置322がアクセスする着脱可能な記録媒体としては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリカード等が挙げられる。
次に、電源部330の内部構成例を説明する。
交流アダプタ331と電池332は、スイッチSWを介してDC−DCコンバータ10に接続され、DC−DCコンバータ10は上記本体部310に接続されている。DC−DCコンバータ10は、交流アダプタ331又は電池332からの入力電圧Viを出力電圧Voに変換し、その出力電圧Voを本体部310に供給する。
このような電子機器としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の通信機器、携帯情報端末(PDA)等の情報処理装置、デジタルカメラやビデオカメラ等の映像機器、テレビジョン装置等の受信機などが挙げられる。
上記各実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御回路であって、
第1の電流源と、前記出力電圧に応じた電圧と第1の基準電圧に応じて前記第1の電流源による電流を分流して出力電流を生成する差動対を含む差動回路と、
前記出力電流に応じて前記スイッチ回路を制御する制御部と、
前記出力電流に応じた電流と、第2の電流源による電流を比較した結果に応じた制御電圧を生成する検出回路と、
を有し、
前記制御電圧に応じて前記第1の電流源及び第2の電流源の電流をそれぞれ制御すること、
を特徴とする制御回路。
(付記2)
前記制御部は、
前記出力電流に応じた充電電流によりキャパシタを充電してランプ電圧を生成するランプ電圧生成回路を有し、
前記ランプ電圧と第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の制御回路。
(付記3)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御回路であって、
第1の電流源と、前記出力電圧に応じた電圧と第1の基準電圧に応じて前記第1の電流源による電流を分流して出力電流を生成する差動対を含む差動回路と、
前記出力電流に応じた充電電流によりキャパシタを充電してランプ電圧を生成するランプ電圧生成回路と、
前記出力電流に応じた電流と、第2の電流源による電流を比較した結果に応じた制御電圧を生成する検出回路と、
前記制御電圧に応じた第2の基準電圧を生成する電圧源と、
前記ランプ電圧と前記第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御する制御部と、
を有する制御回路。
(付記4)
前記ランプ電圧生成回路は、
前記出力電流に応じた複数の充電電流を生成する電流生成回路と、
前記複数の充電電流のそれぞれにより充電される複数のキャパシタと、
前記複数のキャパシタにより生成される複数のランプ電圧のうちの1つを選択する選択回路と、
を含み、
前記選択回路により選択されたランプ電圧と前記第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御すること、
を特徴とする付記2又は3に記載の制御回路。
(付記5)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御回路であって、
前記出力電圧に応じた帰還電圧と第1の基準電圧との差に応じた出力電圧を出力する誤差増幅器と、
第1の電流源と、前記誤差増幅器の出力電圧と前記帰還電圧に応じて前記第1の電流源による電流を分流して出力電流を生成する差動対を含む差動回路と、
前記出力電流に応じた充電電流によりキャパシタを充電してランプ電圧を生成するランプ電圧生成回路と、
前記ランプ電圧と第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御する制御部と、
を有する制御回路。
(付記6)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御方法であって、
前記出力電圧に応じた電圧と第1の基準電圧に応じて第1の電流源による電流を分流して出力電流を生成し、
前記出力電流に応じた電流と、第2の電流源による電流を比較した結果に応じた制御電圧を生成し、
前記制御電圧に応じて前記第1の電流源及び第2の電流源の電流をそれぞれ制御し、
前記出力電流に応じて前記スイッチ回路を制御すること、
を特徴とする制御方法。
(付記7)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御方法であって、
前記出力電圧に応じた電圧と第1の基準電圧に応じて第1の電流源による電流を分流して出力電流を生成し、
前記出力電流に応じた充電電流によりキャパシタを充電してランプ電圧を生成し、
前記出力電流に応じた電流と、第2の電流源による電流を比較した結果に応じた制御電圧を生成し、
前記制御電圧に応じた第2の基準電圧を生成し、
前記ランプ電圧と前記第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御すること、
を特徴とする制御方法。
(付記8)
入力電圧が供給されるスイッチ回路をスイッチングさせることにより前記入力電圧から出力電圧を生成する電源を制御する制御方法であって、
前記出力電圧に応じた帰還電圧と第1の基準電圧との差に応じた出力電圧を生成し、
電流源による電流を出力電圧と前記帰還電圧に応じて分流して出力電流を生成し、
前記出力電流に応じた充電電流によりキャパシタを充電してランプ電圧を生成し、
前記ランプ電圧と第2の基準電圧との比較結果に応じて前記スイッチ回路を制御すること、
を特徴とする制御方法。