JP5605177B2 - 制御回路、電子機器及び電源の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、制御回路、電子機器及び電源の制御方法に関するものである。
電子機器等において、負荷への電力供給にスイッチング電源が用いられており、例えば、直流電圧を別の直流電圧に変換するDC−DCコンバータが用いられている。従来、DC−DCコンバータに関しては、さまざまな制御方式が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
図22は、従来のDC−DCコンバータの一例を示す。
制御回路6内の比較器70は、出力電圧Voと参照電圧VR11とを比較し、その比較結果に応じたレベルの出力信号S11をRS−フリップフロップ(RS−FF)回路71のセット端子Sに出力する。発振器72は、一定周波数のクロック信号CLKをRS−FF回路71のリセット端子Rに出力する。
RS−FF回路71は、Hレベルのクロック信号CLKに応答してリセット状態になってLレベルの制御信号S12及びHレベルの制御信号S13を出力する。すると、駆動回路73は、Hレベルの制御信号DH,DLを出力し、トランジスタT11をオフさせるとともにトランジスタT12をオンさせる。このとき、RS−FF回路71から出力されるHレベルの制御信号S13に応答してスイッチSW11がオンされる。すると、電流源74から供給される電流I11に応じてコンデンサC12が充電されるため、参照電圧VR11が基準電圧VR0から固定の傾斜(=I11/C12)にて上昇する。
この参照電圧VR11が出力電圧Voよりも高くなると、比較器70からHレベルの信号S11が出力される。このHレベルの信号S11に応答して、RS−FF回路71は、セット状態になってHレベルの制御信号S12及びLレベルの制御信号S13を出力する。すると、駆動回路73は、Lレベルの制御信号DH,DLを出力し、コンバータ部5のトランジスタT11をオンさせるとともにトランジスタT12をオフさせる。
このようなDC−DCコンバータ4では、出力端子Poから出力される出力電圧Voが、
Figure 0005605177
という基準電圧VR0に応じた目標電圧に維持される。なお、Toffは、トランジスタT11がオフしているオフ時間である。
特開2010−63333号公報 特開2008−228461号公報 特開平11−332222号公報 特開2008−160905号公報
ところが、上記DC−DCコンバータ4では、入力電圧Viや負荷が変動すると、トランジスタT11のスイッチングのデューティが変動する。ここで、上記式(1)から明らかなように、出力電圧VoはトランジスタT11のオフ時間Toffに依存している。このため、例えば入力電圧Viの上昇に伴ってオフ時間Toffが長くなると、そのオフ時間Toffの変動に伴って出力電圧Voが高くなる。また、負荷の変動によって出力電流Ioが増加する場合には、その出力電流Ioによる損失の増加に伴ってオフ時間Toffが短くなるため、出力電圧Voが低くなる。このように、上記DC−DCコンバータ4では、入力電圧Viや出力電流Ioの変動に応じたデューティの変化に伴って出力電圧Voが変動するため、ラインレギュレーションやロードレギュレーションが悪いという問題がある。
本発明の一観点によれば、電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる開始タイミングを、前記スイッチ回路のスイッチングタイミングから所定時間だけ遅延させたタイミングに調整するタイミング調整回路と、を有する。
本発明の一観点によれば、出力電圧の変動を抑制することができるという効果を奏する。
第1実施形態のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 第1実施形態のDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート。 (a)〜(c)は、第1実施形態のDC−DCコンバータの動作を説明するためのタイミングチャート。 第2実施形態のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 第2実施形態の遅延回路の内部構成例を示す回路図。 (a)、(b)は、第2実施形態のDC−DCコンバータの動作を説明するためのタイミングチャート。 第3実施形態のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 第3実施形態の遅延回路の内部構成例を示す回路図。 第3実施形態のDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート。 (a)、(b)は、第3実施形態のDC−DCコンバータの動作を説明するためのタイミングチャート。 (a)、(b)は、第3実施形態のDC−DCコンバータの周波数特性を示す特性図。 第4実施形態のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 オフセット電圧生成回路の内部構成例を示す回路図。 電流源の内部構成例を示す回路図。 第4実施形態のDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート。 変形例のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 変形例の比較器の内部構成例を示す回路図。 変形例の比較器の内部構成例を示す回路図。 変形例のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 変形例のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。 電子機器を示す概略構成図。 従来のDC−DCコンバータを示すブロック回路図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、DC−DCコンバータ1は、入力電圧Viに基づいてその入力電圧Viよりも低い出力電圧Voを生成するコンバータ部2と、そのコンバータ部2を制御する制御回路3とを有している。
まず、コンバータ部2の内部構成例を説明する。
入力電圧Viの供給される入力端子Piと、入力電圧Viよりも低い電位の電源線(ここでは、グランド)との間には、メイン側のトランジスタT1と同期側のトランジスタT2とが直列に接続されている。なお、メイン側のトランジスタT1はPチャネルMOSトランジスタであり、同期側のトランジスタT2はNチャネルMOSトランジスタである。
トランジスタT1は、その第1端子(ソース)が入力端子Piに接続されるとともに、第2端子(ドレイン)がトランジスタT2の第1端子(ドレイン)に接続されている。このトランジスタT2の第2端子(ソース)は、グランドに接続されている。
また、トランジスタT1の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DHが供給されるのに対し、トランジスタT2の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DLが供給される。これらトランジスタT1,T2は、制御信号DH,DLに応答して相補的にオンオフする。なお、トランジスタT1はスイッチ回路の一例である。
両トランジスタT1,T2間のノードN1は、コイルL1の第1端子に接続されている。このコイルL1の第2端子は、出力電圧Voを出力する出力端子Poに接続されている。このように、入力端子Piと出力端子Poとの間には、メイン側のトランジスタT1とコイルL1とが直列に接続されている。また、上記コイルL1の第2端子は平滑用コンデンサC1の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC1の第2端子はグランドに接続されている。この平滑用コンデンサC1は、出力電圧Voを平滑化する平滑回路に含まれる。なお、コイルL1に直列に接続される抵抗は、コイルL1に含まれる等化直流抵抗DCRであり、コンデンサC1に直列に接続される抵抗は、コンデンサC1に含まれる等価直列抵抗ESRである。
このようなコンバータ部2では、メイン側のトランジスタT1がオンし同期側のトランジスタT2がオフした場合に、入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に応じたコイル電流ILがコイルL1に流れる。これにより、コイルL1にはエネルギーが蓄積される。また、メイン側のトランジスタT1がオフし同期側のトランジスタT2がオンすると、コイルL1が蓄えたエネルギーを放出するため、そのコイルL1に誘導電流(コイル電流IL)が流れる。このような動作により、入力電圧Viよりも降圧された出力電圧Voが生成される。そして、その出力電圧Voが出力端子Poに接続される負荷(図示略)に供給される。なお、負荷には出力電流Ioも供給される。
制御回路3は、コンバータ部2から帰還される出力電圧Voに基づいて、制御信号DH,DLのパルス幅を調整する。次に、この制御回路3の内部構成例を説明する。
参照電圧生成回路10には、コンバータ部2から出力電圧Voが供給される。この参照電圧生成回路10は、出力電圧Voに応じて、所定のスロープを有する参照電圧VR1を生成する。具体的には、参照電圧生成回路10は、出力電圧Voの目標値に応じて設定される基準電圧VR0に対して、オフセットを付加するとともに、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたスロープを付加して参照電圧VR1を生成する。本実施形態では、トランジスタT1がオフしているオフ期間に、上記スロープが付加される。そして、上記参照電圧VR1は、比較器20の非反転入力端子に供給される。
比較器20の反転入力端子には出力電圧Voが供給される。この比較器20は、出力電圧Voと参照電圧VR1との比較結果に応じた信号S1を生成する。
RS−FF回路21は、そのセット端子Sに比較器20の出力端子が接続され、リセット端子Rに発振器22が接続されている。発振器22は、所定周波数のクロック信号CLK(例えば、一定周期で生成されるパルス信号を有する信号)を生成する。上記RS−FF回路21は、セット端子Sに供給されるHレベルの信号S1に応答して、出力端子QからHレベルの制御信号S2を出力するとともに、反転出力端子XQからLレベルの制御信号S3を出力する。また、RS−FF回路21は、リセット端子Rに供給されるHレベルのクロック信号CLKに応答して、Lレベルの制御信号S2を出力するとともに、Hレベルの制御信号S3を出力する。すなわち、RS−FF回路21に対して、Hレベルの信号S1はセット信号であるとともに、Hレベルのクロック信号CLKはリセット信号である。そして、RS−FF回路21から出力される制御信号S2が駆動回路23に供給されるとともに、制御信号S3が参照電圧生成回路10と駆動回路23に供給される。
駆動回路23は、RS−FF回路21から入力する制御信号S2,S3に基づいて、コンバータ部2のトランジスタT1,T2を相補的にオンオフさせる制御信号DH,DLを生成する。なお、駆動回路23において、両トランジスタT1,T2が同時にオンしないように、制御信号DH,DLにデッドタイムを設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態における比較器20、RS−FF回路21、発振器22及び駆動回路23は、スイッチング制御部の一例である。また、本実施形態における出力電圧Voは、第1帰還電圧及び第2帰還電圧の一例、参照電圧VR1は第1基準電圧の一例、基準電圧VR0は第2基準電圧の一例である。
次に、この参照電圧VR1を生成する参照電圧生成回路10の内部構成例を説明する。
トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)11の反転入力端子には、出力電圧Voが供給される。gmアンプ11の非反転入力端子には、第1電源E1にて生成される基準電圧VR0が供給される。
上記gmアンプ11は、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたアンプ電流Iaを生成する。具体的には、gmアンプ11の相互コンダクタンス(電流変換利得)をgmとすると、gmアンプ11にて生成されるアンプ電流Iaは、
Figure 0005605177
と表わすことができる。すなわち、基準電圧VR0よりも出力電圧Voが高くなるほど、アンプ電流Iaが小さくなる一方、基準電圧VR0よりも出力電圧Voが低くなるほど、アンプ電流Iaが大きくなる。なお、本実施形態では、gmアンプ11の電流変換利得gmは高利得に設定されている。
gmアンプ11の出力端子は、コンデンサC2の第1端子に接続されている。このコンデンサC2の第2端子は、オフセット電圧Voffを生成する第2電源E2のマイナス側端子に接続されている。なお、第2電源E2のプラス側端子は第1電源E1のプラス側端子に接続されている。このため、コンデンサC2の第2端子(ノードN2)の電圧VN2は、
Figure 0005605177
と表わすことができる。すなわち、電圧VN2は、基準電圧VROに対して、オフセット電圧Voffが付加(減算)された電圧である。
gmアンプ11とコンデンサC2の間のノードN3は、スイッチSW1の第1端子に接続されている。このスイッチSW1の第2端子はノードN2に接続されている。すなわち、スイッチSW1は、コンデンサC2と並列に接続されている。これらコンデンサC2及びスイッチSW1は、アンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合でノードN2の電圧VN2を変化させて上記参照電圧VR1を生成する。
詳述すると、スイッチSW1の制御端子には、上記RS−FF回路21の反転出力端子XQから出力される制御信号S3が供給される。スイッチSW1は、制御信号S3がHレベルであるときにオフする一方、制御信号S3がLレベルであるときにオンする。このスイッチSW1がオフされると、gmアンプ11から供給されるアンプ電流IaによってコンデンサC2が充電される。これにより、コンデンサC2の第1端子の電圧は、コンデンサC2の第2端子(ノードN2)の電圧VN2からアンプ電流Iaに応じた傾斜(=Ia/C2)にて上昇する。すなわち、コンデンサC2の第1端子の電圧は、出力電圧Voが基準電圧VR0に等しくなるように制御された傾斜(アンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合)にて上昇する。そして、このコンデンサC2の第1端子の電圧が参照電圧VR1として比較器20の非反転入力端子に供給される。
このように、参照電圧VR1は、基準電圧VR0にオフセット電圧Voffを付加した電圧VN2に対して、アンプ電流Iaに応じた傾斜のスロープ(コンデンサC2の充電電圧)が付加された電圧である。ここで、上記オフセット電圧Voffは、上記比較器20で比較される、出力電圧Voと上記スロープが付加される時の参照電圧VR1(電圧VN2)との間に電位差を生じさせるための電圧である。具体的には、オフセット電圧Voffは、出力電圧Voが基準電圧VR0に等しくなるように傾斜が制御されたスロープが確実に参照電圧VR1に付加されるように、そのスロープが付加される時の参照電圧VR1を基準電圧VR0からオフセットするための電圧である。さらに、オフセット電圧Voffは、上記平滑用コンデンサC1のリップル成分よりも高い電圧に設定されている。
なお、gmアンプ11はアンプの一例、コンデンサC2とスイッチSW1は第1付加回路の一例、第2電源E2は第2付加回路の一例である。また、アンプ電流Iaはアンプの電流の一例、オフセット電圧Voffはオフセットの一例である。
次に、このように構成された制御回路3の作用について図2を参照して説明する。なお、図2において、縦軸及び横軸は、説明を簡潔にするため、適宜拡大、縮小して示している。
参照電圧VR1が出力電圧Voよりも高くなると(時刻t1)、比較器20からHレベルの信号S1が出力される。このHレベルの信号S1に応答して、RS−FF回路21は、Hレベルの制御信号S2とLレベルの制御信号S3とを出力する。そして、駆動回路23は、そのHレベルの制御信号S2及びLレベルの制御信号S3に応答してLレベルの制御信号DH,DLを生成する。すると、Lレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオンされ、Lレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT2がオフされる。このように、制御回路3は、参照電圧VR1が出力電圧Voを横切ると、メイン側のトランジスタT1をオンさせるためのHレベルの制御信号DHを生成する。換言すると、出力電圧Voと参照電圧VR1との比較結果に応じてトランジスタT1のオンタイミングが設定される。なお、以下の説明では、メイン側のトランジスタT1がオンしている時間をオン時間Tonという(時刻t1〜t2参照)。
また、上述のようにRS−FF回路21からLレベルの制御信号S3が出力されると(時刻t1)、参照電圧生成回路10内のスイッチSW1がオンされる。すると、コンデンサC2の両端子間が短絡される。これにより、コンデンサC2に蓄えられた電荷が放電されてコンデンサC2の第1端子(ノードN3)の電圧、つまり参照電圧VR1がノードN2の電圧VN2にリセットされる。このため、トランジスタT1のオン期間における参照電圧VR1は、電圧VN2と等しい一定レベルとなる(時刻t1〜t2)。
続いて、発振器22からHレベルのクロック信号CLKが一定周期で出力される(時刻t2)。このHレベルのクロック信号CLKに応答して、RS−FF回路21は、Lレベルの制御信号S2とHレベルの制御信号S3とを出力する。そして、駆動回路23は、そのLレベルの制御信号S2及びHレベルの制御信号S3に応答してHレベルの制御信号DH,DLを生成する。すると、Hレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオフされ、Hレベルの制御信号S3に応答して同期側のトランジスタT2がオンされる。このように、制御回路3は、一定周期毎に、メイン側のトランジスタT1をオフさせるためのLレベルの制御信号DHを生成する。なお、以下の説明では、メイン側のトランジスタT1がオフしている時間をオフ時間Toffという(時刻t2〜t3参照)。
また、上述のようにRS−FF回路21からHレベルの制御信号S3が出力されると(時刻t2)、参照電圧生成回路10内のスイッチSW1がオフされる。すると、上記コンデンサC2は、gmアンプ11から供給されるアンプ電流Iaにより充電される。これにより、時刻t2〜t3に示すように、トランジスタT1のオフ期間に、参照電圧VR1がアンプ電流Iaに応じた傾斜(=Ia/C2)にて上昇する。具体的には、オフ期間にアンプ電流Iaに応じた傾斜にて上昇する電圧がノードN2の電圧VN2に加算され、その加算された電圧が参照電圧VR1として比較器20に供給される。したがって、ノードN2の電圧VN2に加算される電圧をスロープ電圧Vsとすると、参照電圧VR1は、
Figure 0005605177
と表わすことができる。すなわち、参照電圧VR1は、基準電圧VR0からオフセット電圧Voffが減算された電圧VN2に対して、アンプ電流Iaに応じたスロープを持つスロープ電圧Vsが付加されて生成される。この参照電圧VR1は、上記式(4)から明らかなように、gmアンプ11にて生成されるアンプ電流Iaの増減に応じてそのスロープの傾斜が変動する。具体的には、図2に示すように、アンプ電流Iaが大きくなるほど、参照電圧VR1のスロープの傾斜が急峻(変化量が大)になる一方、アンプ電流Iaが小さくなるほど、参照電圧VR1のスロープの傾斜が緩やか(変化量が小)になる。
そして、再び参照電圧VR1が出力電圧Voを横切ると(時刻t3)、制御回路3は、メイン側のトランジスタT1をオンする。このとき、制御回路3では、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じて、その電位差が小さくなるように上記参照電圧VR1のスロープの傾斜(アンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合)を調整することで、トランジスタT1のオンタイミングを制御している。
次に、DC−DCコンバータ1(とくに、参照電圧生成回路10)の動作を図2及び図3に従って説明する。
はじめに、入力電圧Viと、出力電圧Voと、トランジスタT1のオン時間Tonと、トランジスタT1のオフ時間Toffとの関係について説明する。入力電圧Viと出力電圧Voが安定しているときの出力電圧Voは、入力電圧Viと、メイン側のトランジスタT1のオンデューティとに応じた電圧になる。ここで、トランジスタT1のオンデューティは、トランジスタT1をオンする周期、すなわちスイッチング周期Tと、トランジスタT1のオン時間Tonとの比で表わされる。したがって、出力電圧Voは、
Figure 0005605177
となる。
スイッチング周期Tは、オン時間Tonと、オフ時間Toffとの合計値である。したがって、オン時間Tonとオフ時間Toffはそれぞれ、
Figure 0005605177
と表わすことができる。
次に、入力電圧Viが上昇する場合のDC−DCコンバータ1の動作を説明する。
図3に示すように、参照電圧VR1が出力電圧Voよりも高くなると、比較器20からHレベルの信号S1が出力される。この信号S1に従ってトランジスタT1がオンされる。すなわち、出力電圧Voの波形と、参照電圧VR1の波形との交点において、トランジスタT1がオンされる。このため、トランジスタT1がオフされてからこの交点までの時間がトランジスタT1のオフ時間Toffになる。ここで、入力電圧Viが上昇すると(破線→実線参照)、上記式(6)からも明らかなように、トランジスタT1のオン時間Tonが短くなり、オフ時間Toffが長くなる。
まず、比較例として、基準電圧VR0に対して、傾斜が固定されたスロープ電圧のみが付加される参照電圧VR1aを使用する場合の動作について説明する。図3(b)に示すように、入力電圧Viが上昇してオフ時間Toffが長くなる場合には、上記参照電圧VR1aのスロープの傾斜が固定であるため、オフ時間Toffが長くなる分だけオフ時間Toffにおける参照電圧VR1aの電圧変化量が大きくなる。このため、この参照電圧VR1と交差する出力電圧Voの電圧値が高くなる。このように、比較例の場合には、出力電圧Voと参照電圧VR1aとの交点における両電圧Vo,VR1aの電圧値がオフ時間Toffに依存して変動する。したがって、比較例の場合には、図3(c)に示すように、入力電圧Viの変動(オフ時間Toffの変動)に応じて、出力電圧Voが変動する。
これに対し、本実施形態の参照電圧VR1は、基準電圧VR0に対して、電圧値が固定のオフセット電圧Voffと併せて、出力電圧Voと基準電圧VR0とが等しくなるように傾斜が制御されたスロープ電圧Vsが付加されている。ここで、入力電圧Viの上昇に伴ってオフ時間Toffが長くなると、上述したように、そのオフ時間Toffの増大に伴って出力電圧Voが上昇する。このとき、参照電圧生成回路10内のgmアンプ11は、その出力電圧Voの上昇を抑えるように、具体的には出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように、アンプ電流Iaの電流値を小さくする。すると、スロープ電圧Vsのスロープ、つまり参照電圧VR1のスロープの傾斜が緩やかになる。このため、入力電圧Viの上昇に伴ってオフ時間Toffが長くなっても、参照電圧VR1のスロープの傾斜が緩やかになる分だけ、参照電圧VR1を横切る出力電圧Voの電圧値の上昇を抑制することができる。
具体的には、参照電圧生成回路10では、gmアンプ11による負帰還制御によって、下記式に示すように、オフ時間Toffにおけるスロープ電圧Vsの変化分がオフセット電圧Voffの電圧値と等しくなるように、スロープ電圧Vsのスロープの傾斜(アンプ電流Iaの電流値)が制御される。
Figure 0005605177
このため、入力電圧Viと出力電圧Voとの関係で決まるオフ時間Toff(上記式(6)参照)における参照電圧VR1は、上記式(4)に上記式(7)を代入すると、
Figure 0005605177
となる。したがって、参照電圧VR1が基準電圧VR0になった時に、その参照電圧VR1が出力電圧Voを横切ることになる。このため、参照電圧VR1を横切る出力電圧Voの電圧値は基準電圧VR0に維持される。換言すると、参照電圧生成回路10は、参照電圧VR1のスロープの傾斜を調整することでトランジスタT1のオフ時間Toffを制御し、出力電圧Voを基準電圧VR0に維持している。これにより、図2に示すように、入力電圧Viが変動しても、その変動に伴う出力電圧Voの変動を抑制することができる(左部分→右部分参照)。このように、本実施形態のDC−DCコンバータ1では、入力電圧Viが変動しても、略一定の出力電圧Voを生成することができる。
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、入力電圧Viが低下した場合も同様に、その変動に伴う出力電圧Voの変動を抑制することができる(例えば、図3(a)の実線→破線参照)。
さらに、参照電圧VR1と出力電圧Voとの関係をより具体的に説明する。上述したように、参照電圧VR1が出力電圧Voを横切った時に、トランジスタT1がオンされる。このため、トランジスタT1がオンする時の出力電圧Voは、その時の参照電圧VR1と等しくなる。したがって、トランジスタT1がオンする時の出力電圧Voは、
Figure 0005605177
と表わすことができる。この式(9)に上記式(2)を代入すると、
Figure 0005605177
となる。本実施形態では、上述したように、gmアンプ11の電流変換利得gmを高く設定している。具体的には、gmアンプ11の電流変換利得gmが、
Figure 0005605177
という関係を満たすように高く設定している。この式(11)から上記式(10)は、
Figure 0005605177
と近似することができる。すなわち、この式(12)を満たすようにgmアンプ11の電流変換利得gmを設定することにより、出力電圧Voを表わす式からオフ時間Toffの項がキャンセルされ、トランジスタT1をオンする時の出力電圧Voが基準電圧VR0(一定電圧)と略等しくなる。換言すると、高利得のgmアンプ11によって、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように参照電圧VR1のスロープの傾斜が制御され、出力電圧Voが基準電圧VR0で略一定に維持される。詳述すると、本実施形態の参照電圧生成回路10では、高利得のgmアンプ11によって、出力電圧Voと基準電圧VR0の電位差に応じたアンプ電流Iaが生成され、その電流Iaによって参照電圧VR1のスロープの傾斜が制御される。このような参照電圧生成回路10では、gmアンプ11によって高利得の負帰還が掛かるため、そのgmアンプ11で生成されたアンプ電流Iaによって、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように参照電圧VR1のスロープの傾斜が制御される。このように制御されると、トランジスタT1のオフ時間Toffにおける参照電圧VR1(スロープ電圧Vs)の変化分がオフセット電圧Voffの電圧値と等しくなる。このため、出力電圧Voは、上記式(12)に示すように、入力電圧Vi、出力電流Ioやオフ時間Toffに依存せず、基準電圧VR0のみに依存した略一定値に維持される。したがって、本実施形態のDC−DCコンバータ1は、入力電圧Viや出力電流Ioが変動しても、安定した出力電圧Voを生成することができる。すなわち、DC−DCコンバータ1では、ラインレギュレーション及びロードレギュレーションを改善することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じて、その電位差が小さくなるようにアンプ電流Iaをgmアンプ11で生成し、その電流Iaに応じたスロープを基準電圧VR0に付加して参照電圧VR1を生成するようにした。このとき、gmアンプ11によって負帰還が掛かるため、そのgmアンプ11で生成されたアンプ電流Iaによって、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように参照電圧VR1のスロープの傾斜が制御される。例えば入力電圧Viや出力電流Ioの変動に伴ってオフ時間Toffが長くなっても、そのオフ時間Toffの変動に伴う出力電圧Voの上昇を抑えるように参照電圧VR1のスロープの傾斜が緩やかになるように制御される。したがって、入力電圧Viや出力電流Ioが変動しても、参照電圧VR1を横切る時の出力電圧Voの電圧値が変動することを抑制することができる。換言すると、ラインレギュレーション及びロードレギュレーションを改善することができる。
(2)また、スロープを生成するためのコンデンサC2の容量にばらつきがあっても、gmアンプ11による負帰還制御によって、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように参照電圧VR1のスロープの傾斜が制御されるため、そのスロープの制御によって容量ばらつきを補償することができる。すなわち、コンデンサC2の容量にばらつきがある場合には、そのばらつきが存在する分だけ参照電圧VR1のスロープの傾斜も調整されることになる。このため、コンデンサC2の容量にばらつきがあっても、トリミング等によって出力電圧Voの調整をしたり、参照電圧VR1のスロープの傾斜を別回路で調整したりする必要がない。したがって、回路規模の増大を好適に抑制することができる。
(3)基準電圧VR0に対してオフセット電圧Voffを付加して電圧VN2を生成し、その電圧VN2に対してアンプ電流Iaに応じた傾斜のスロープを付加して参照電圧VR1を生成するようにした。このように、基準電圧VR0に対してスロープを付加する分だけ、そのスロープの付加が開始される時(アンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合で変化させ始める時)の参照電圧VR1(電圧VN2)を基準電圧VR0からオフセットするようにした。さらに言うと、スロープ付加後の参照電圧VR1が基準電圧VR0レベルの出力電圧Voを横切るように、そのスロープが付加される時の参照電圧VR1を基準電圧VR0からオフセットするようにした。これにより、スロープが付加される前において、比較器20で比較される出力電圧Voと参照電圧VR1とが同電位となることを好適に抑制することができる。さらに、上記オフセット電圧Voffを付加したことにより、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように傾斜が制御されたスロープを確実に参照電圧VR1に付加することができ、出力電圧Voを基準電圧VR0に一致した状態で安定させることができる。換言すると、上記オフセット電圧Voffは、参照電圧VR1で上記スロープを形成した上で、出力電圧Voを基準電圧VR0に一致した状態で安定させるための電圧であるとも言える。
さらには、出力電圧Voが基準電圧VR0と一致した状態で安定するため、出力電圧Voの目標電圧の設定を容易に行うことができる。
(4)基準電圧VROに対して、固定電圧であるオフセット電圧Voffを付加するようにした。これにより、スロープが付加されるノードN2の電圧VN2は、常に一定である。このため、ノードN2の電圧VN2はノイズ耐性に優れている。
(5)制御回路3は、参照電圧VR1のスロープの傾斜を制御することによって出力電圧Voを安定化することができる。したがって、出力電圧Voのリップル成分を必要とせずに、出力電圧Voを安定化させることができる。このため、等価直列抵抗ESRの抵抗値が小さいコンデンサ(例えば積層セラミックコンデンサ)を平滑用コンデンサC1として用いることができる。この結果、DC−DCコンバータの小型化及び低コスト化を実現することができる。
(6)出力電圧Voと参照電圧VR1とを比較器20にて常に比較し、その比較結果に応じて即時にメイン側のトランジスタT1をスイッチングする制御方式を採用した。この制御方式では、エラーアンプ等を介さずにトランジスタT1をスイッチングすることができるため、負荷急変に対して高速応答が可能である。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、図4〜図6に従って説明する。この実施形態のDC−DCコンバータ1aは、遅延回路30を追加した点及びスイッチSW1をPチャネルMOSトランジスタT3に置換した点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、制御回路3aの遅延回路30には、RS−FF回路21から制御信号S3が供給される。この遅延回路30は、図6に示すように、Lレベルの制御信号S3に応答してLレベルの遅延信号Sd1を出力し、Hレベルの制御信号S3に応答してそのHレベルの制御信号S3から所定の遅延時間Td1だけ遅延してHレベルの遅延信号Sd1を出力する。ここで、上記遅延時間Td1は、参照電圧生成回路10a内のコンデンサC2に蓄積された電荷を放電するための放電時間Thよりも長くなるように設定されている。そして、図4に示すように、上記遅延信号Sd1は、参照電圧生成回路10a内のPチャネルMOSトランジスタT3のゲートに供給される。
トランジスタT3は、コンデンサC2と並列に接続されている。すなわち、トランジスタT3の第1端子(ソース)は、コンデンサC2の第1端子(ノードN3)に接続されている。また、トランジスタT3の第2端子(ドレイン)は、コンデンサC2の第2端子(ノードN2)に接続されている。このトランジスタT3は、Hレベルの遅延信号Sd1に応答してオフする一方、Lレベルの遅延信号Sd1に応答してオンする。
参照電圧生成回路10aは、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたスロープを有する参照電圧VR2を比較器20の非反転入力端子に出力する。
なお、本実施形態におけるトランジスタT3とコンデンサC2とは、第1付加回路の一例、コンデンサC2は第1コンデンサの一例、トランジスタT3は第1スイッチの一例、遅延回路30はタイミング調整回路の一例である。また、参照電圧VR2は第1基準電圧の一例、制御信号S3は制御信号の一例である。
次に、遅延回路30の内部構成例を図5に従って説明する。
上記RS−FF回路21から出力される制御信号S3は、PチャネルMOSトランジスタT31のゲートに供給されるとともに、インバータ回路31に供給される。
インバータ回路31の出力端子は、抵抗R31の第1端子に接続されている。抵抗R31の第2端子はコンデンサC31の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC31の第2端子はグランドに接続されている。
抵抗R31とコンデンサC31との間のノードN4は、トランジスタT31のドレインに接続されている。このトランジスタT31のソースには、バイアス電圧VBが供給される。なお、バイアス電圧VBは、例えば図示しない電源回路により生成された電圧、又は入力電圧Viである。
また、上記ノードN4は、インバータ回路32の入力端子に接続されている。このインバータ回路32から上記遅延信号Sd1が出力される。
次に、このように構成された遅延回路30の作用について図6を併せ参照して説明する。
RS−FF回路21からLレベルの制御信号S3が供給されると(時刻t4)、トランジスタT31がオンされる。すると、インバータ回路32の入力端子にバイアス電圧VB(Hレベルの信号)が供給されるため、インバータ回路32からLレベルの遅延信号Sd1が直ちに出力される。このように、遅延回路30は、Lレベルの制御信号S3に基づいて、メイン側のトランジスタT1がオフ状態からオン状態にスイッチングするタイミング(時刻t4)でLレベルの遅延信号Sd1を直ちに出力する。
なお、このとき、インバータ回路31は、Lレベルの制御信号S3に応答して、Hレベルの信号(例えば、バイアス電圧VB)を出力する。このため、抵抗R31を通じて供給される電流に応じてコンデンサC31に電荷が蓄積され、コンデンサC31の第1端子の電位が上昇する。
続いて、RS−FF回路21から出力される制御信号S3がLレベルからHレベルに遷移すると(時刻t5)、トランジスタT31がオフする。また、Hレベルの制御信号S3に応答してインバータ回路31からLレベルの信号(例えば、グランド電位)が出力される。但し、このときのコンデンサC31の第1端子、すなわちノードN4の電位がバイアス電圧VBに近い電位となっているため、インバータ回路32からはLレベルの遅延信号Sd1が出力される。そして、コンデンサC31に蓄積された電荷は、抵抗R31とコンデンサC31との時定数に応じて放電され、ノードN4の電位がグランド電位に近づくと、インバータ回路32からHレベルの遅延信号Sd1が出力される。このように、遅延回路30は、Hレベルの制御信号S3に基づいて、メイン側のトランジスタT1がオン状態からオフ状態にスイッチングするタイミング(時刻t5)から抵抗R31とコンデンサC31との時定数に応じた遅延時間Td1だけ遅延して、Hレベルの遅延信号Sd1を出力する(時刻t7)。
ここで、遅延回路30で生成された上記Hレベルの遅延信号Sd1は、参照電圧生成回路10a内のトランジスタT3のゲートに供給される。このトランジスタT3がHレベルの遅延信号Sd1に応答してオフされると、コンデンサC2の充電が開始され、参照電圧VR2がノードN2の電圧VN2からアンプ電流Iaに応じた傾斜にて上昇する。すなわち、上記遅延回路30は、ノードN2の電圧VN2にスロープを付加するタイミングを、メイン側のトランジスタT1のオフタイミング(時刻t5)から遅延時間Td1だけ遅延させている。換言すると、遅延回路30は、ノードN2の電圧VN2をアンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合で変化させる開始タイミングを、メイン側のトランジスタT1のオフタイミング(時刻t5)から遅延時間Td1だけ遅延させている。
次に、DC−DCコンバータ1aの動作を図6に従って説明する。
図6(a)に示すように、RS−FF回路21は、出力電圧Voが参照電圧VR2よりも低くなったときに比較器20から入力されるHレベルの信号S1に応答して、Hレベルの制御信号S2及びLレベルの制御信号S3を出力する(時刻t4参照)。このHレベルの制御信号S2に従ってLレベルの制御信号DHが生成され、そのLレベルの制御信号DHによってトランジスタT1がオンされる。また、Lレベルの制御信号S3に応答して、遅延回路30からLレベルの遅延信号Sd1が直ちに出力される。このLレベルの遅延信号Sd1に応答して、トランジスタT3がオンされる。すると、コンデンサC2に蓄積された電荷が徐々に放電され、参照電圧VR2が基準電圧VR0レベルからノードN2の電圧VN2(=VR0−Voff)に徐々に近づく。なお、このコンデンサC2の放電時間Thは、トランジスタT3のオン抵抗とコンデンサC2の容量値との時定数によって決まる。
続いて、コンデンサC2に蓄積された電荷の放電が完了する前の時刻t5において、Hレベルのクロック信号CLKが出力されると、RS−FF回路21からLレベルの制御信号S2及びHレベルの制御信号S3が出力される。さらに、Lレベルの制御信号S2に従ってHレベルの制御信号DHが生成され、そのHレベルの制御信号DHによってトランジスタT1がオフされる。
このとき、比較例として、制御信号S3がトランジスタT3のゲートに直接供給される場合には、上記Hレベルの制御信号S3に応答してトランジスタT3がオフされる。このため、図6(b)の時刻t8に示すように、参照電圧VR2a(実線波形)がノードN2の電圧VN2にリセットされる前に、コンデンサC2の充電が開始される。これにより、スロープが加算される電圧(時刻t8における参照電圧VR2a)がノードN2の電圧VN2(=VR0−Voff)よりも高くなる。その結果、オン時間Ton中に電圧VN2にリセットされる参照電圧VR2b(破線波形参照)の場合と比べて、トランジスタT1がオフされてから参照電圧が出力電圧Voを横切るまでの時間、つまりトランジスタT1のオフ時間Toffが短くなる。したがって、この場合には、入力電圧Viや出力電流Ioが一定であっても、上記オフ時間Toffの短縮化に起因してトランジスタT1のオンデューティを一定に維持することができない。このような問題は、入力電圧Viが出力電圧Voよりも十分に高くなった場合に(Vi≫Vo)、トランジスタT1のオン時間Tonが極めて短くなり、そのオン時間TonがコンデンサC2の放電時間Thよりも短くなるときに発生する。より具体的には、トランジスタT3のオンする時間がコンデンサC2の放電時間Thよりも短くなる場合に、上述した問題が発生する。
これに対し、本実施形態のDC−DCコンバータ1aでは、Hレベルの制御信号S3を遅延時間Td1だけ遅延させてトランジスタT3のゲートに供給するようにした。すなわち、ノードN2の電圧VN2にスロープを付加するタイミングを、トランジスタT1のオフタイミングからコンデンサC2の放電時間Thよりも長い遅延時間Td1だけ遅延させるようにした。これにより、図6(a)に示すように、オン時間TonがコンデンサC2の放電時間Thよりも短くなる場合であっても、上記遅延時間Td1によってトランジスタT3がオンする時間を放電時間Thよりも長くすることができる。したがって、図6(a)に示すように、常にコンデンサC2の放電が完了した後に、遅延信号Sd1がHレベルに立ち上がってトランジスタT3がオフされ、コンデンサC2の充電が開始される(時刻t7)。すなわち、常にコンデンサC2の放電が完了した後に、スロープの付加が開始される。このため、スロープが付加される電圧が常にノードN2の電圧VN2(=VR0−Voff)となる。これにより、入力電圧Viや出力電流Ioが一定であれば、トランジスタT1のオンデューティを一定に維持することができる。この結果、トランジスタT1のオンデューティの変動に起因する、出力電圧Voの発振やレギュレーションの悪化等の問題の発生を抑制することができる。
続いて、上述のようにコンデンサC2の充電が開始されると(時刻t7)、参照電圧VR2は、電圧VN2から所定の傾斜(=Ia/C2)にて上昇する。すなわち、トランジスタT1のオフタイミングから上記遅延時間Td1経過後に、アンプ電流Iaに応じた傾斜のスロープ電圧VsがノードN2の電圧VN2に付加される。そして、このスロープ電圧Vsは、トランジスタT3がオフしている時間、つまりコンデンサC2の充電時間Tcだけ電圧VN2に付加される。ここで、コンデンサC2の充電時間Tcは、図6(a)に示すように、トランジスタT1のオフ時間Toffから遅延時間Td1分だけ短い時間となる(Tc=Toff−Td1)。したがって、本実施形態の参照電圧VR2は、上記式(4)に代わって、
Figure 0005605177
と表わすことができる。さらに、トランジスタT1がオンする時の出力電圧Voは、
Figure 0005605177
と表わすことができる。このとき、参照電圧生成回路10aでは、gmアンプ11による負帰還制御によって、コンデンサC2の充電時間Tcにおけるスロープ電圧Vsの変化分がオフセット電圧Voffの電圧値と等しくなるように、スロープ電圧Vsのスロープの傾斜が制御される。すなわち、gmアンプ11による負帰還制御によって、
Figure 0005605177
となるように、アンプ電流Iaの電流値が制御される。このため、入力電圧Viと出力電圧Voとの関係で決まるオフ時間Toff(上記式(6)参照)において、基準電圧VR0レベルとなった参照電圧VR2が出力電圧Voを横切ることになる。これにより、本実施形態のDC−DCコンバータ1aでは、オン時間Ton中にコンデンサC2の放電が完了し、且つコンデンサC2の充電時間がオフ時間Toffと等しい場合(破線波形)と略同様のオンデューティに維持することができる。すなわち、遅延回路30を追加しても、その遅延回路30の遅延時間Td1に起因してトランジスタT1のオンデューティが変動することはほとんどない。換言すると、遅延回路30の遅延時間Td1は、トランジスタT1のオンデューティにほとんど影響を及ぼさない。
なお、図6(a)に示すように、参照電圧VR2のスロープの傾斜は、破線波形で示した参照電圧VR2b、つまり上記式(4)で算出される参照電圧VR2bのスロープの傾斜よりも急峻になっている。これは、参照電圧VR2では、コンデンサC2の充電時間Tcが遅延時間Td1分だけ短くなることに伴って、gmアンプ11にて生成されるアンプ電流Iaの電流値が大きくなるためである。
以上説明したように、実施形態によれば第1実施形態の(1)〜(6)の作用効果に加えて以下の効果を奏する。
(7)ノードN2の電圧VN2にスロープを付加するタイミングを、メイン側のトランジスタT1のオフタイミングから遅延時間Td1だけ遅延させるようにした。さらに、上記遅延時間Td1を、コンデンサC2の放電時間Thよりも長く設定するようにした。これにより、オン時間TonがコンデンサC2の放電時間Thよりも短くなる場合であっても、常に、スロープを生成するためのコンデンサC2の放電が完了した後に、上記電圧VN2に対するスロープの付加を開始することができる。したがって、スロープが加算される電圧(電圧上昇が開始される時の電圧)を、常にノードN2の電圧VN2に維持することができる。このため、入力電圧Viや出力電流Ioが一定であれば、トランジスタT1のオンデューティを略一定に維持することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、図7〜図11に従って説明する。この実施形態のDC−DCコンバータ1bは、遅延回路30が遅延回路40に置換されている点が上記第2実施形態と異なっている。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、制御回路3bの遅延回路40には、RS−FF回路21からの制御信号S3と併せて、入力電圧Viが供給される。この遅延回路40は、Lレベルの制御信号S3に応答してLレベルの遅延信号Sd2を直ちに出力する。また、遅延回路40は、Hレベルの制御信号S3に応答して、そのHレベルの制御信号S3から入力電圧Viに依存した遅延時間Td2だけ遅延してHレベルの遅延信号Sd2を出力する。ここで、上記遅延時間Td2は、参照電圧生成回路10b内のコンデンサC2の放電時間よりも長くなるように設定した時間であり、且つ入力電圧Viに依存して変化する時間である。より具体的には、遅延回路40は、入力電圧Viの変動に伴ってトランジスタT1のオフ時間Toffが変動しても、コンデンサC2の充電時間Tc(図10(a)参照)が一定になるように、上記遅延時間Td2を制御する。換言すると、遅延回路40は、アンプ電流Iaの積分に応じた変化の割合で参照電圧VR1を変化させる期間が一定になるように、上記遅延時間Td2を制御する。
参照電圧生成回路10bは、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたスロープを有する参照電圧VR3を比較器20の非反転入力端子に出力する。
なお、遅延回路40はタイミング調整回路の一例、参照電圧VR3は第1基準電圧の一例である。
次に、遅延回路40の内部構成例を図8に従って説明する。
抵抗R41の第1端子には、入力電圧Viが供給される入力端子Piが接続されている。抵抗R41の第2端子は抵抗R42の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R42の第2端子はグランドに接続されている。これら抵抗R41,R42間の接続点は、比較器41の反転入力端子に接続されている。このため、比較器41の反転入力端子には、入力電圧Viが抵抗R41,R42によって分圧された分圧電圧V1が供給される。
電流源42は、電流I1を流す。この電流源42は、その第1端子にバイアス電圧VBが供給されるとともに、第2端子にコンデンサC41の第1端子が接続されている。このコンデンサC41の第2端子はグランドに接続されている。
電流源42とコンデンサC41との間の接続点は、比較器41の非反転入力端子に接続されている。このため、比較器41の非反転入力端子には、コンデンサC41の第1端子の電圧、すなわちコンデンサC41の充電電圧V2が供給される。
また、電流源42とコンデンサC41との間の接続点は、スイッチSW41の第1端子にも接続されている。このスイッチSW41の第2端子はグランドに接続されている。すなわち、スイッチSW41は、コンデンサC41と並列に接続されている。
スイッチSW41の制御端子には、図7に示すRS−FF回路21から制御信号S3が供給される。このスイッチSW41は、制御信号S3がHレベルであるときにオフする一方、制御信号S3がLレベルであるときにオンする。すなわち、スイッチSW41は、メイン側のトランジスタT1のオン期間にオンする一方、トランジスタT1のオフ期間にオフする。
上記比較器41は、分圧電圧V1と充電電圧V2との比較結果に応じたレベルの遅延信号Sd2を生成する。この遅延信号Sd2は、図7に示す参照電圧生成回路10bのトランジスタT3のゲートに供給される。
次に、このように構成された遅延回路40の作用について図9に従って説明する。
RS−FF回路21から出力される制御信号S3がHレベルからLレベルに立ち下がると(時刻t9)、スイッチSW41がオンされる。すると、コンデンサC41の両端子間が短絡される。これにより、コンデンサC41に蓄えられた電荷が放電されてコンデンサC2の充電電圧V2がグランドレベルにリセットされる。このとき、充電電圧V2が分圧電圧V1よりも低くなるため、比較器41からはLレベルの遅延信号Sd2が直ちに出力される。このように、遅延回路40は、Lレベルの制御信号S3に基づいて、メイン側のトランジスタT1のオンタイミング(時刻t9)でLレベルの遅延信号Sd2を直ちに出力する。
一方、RS−FF回路21から出力される制御信号S3がLレベルからHレベルに遷移すると(時刻t10)、スイッチSW41がオフされる。すると、コンデンサC41は、電流源42が流す電流I1による充電を開始する。これにより、Hレベルの制御信号DHに応答してトランジスタT1がオフしているオフ期間に、充電電圧V2が固定の傾斜(=I1/C41)にて上昇する。この充電電圧V2が分圧電圧V1よりも高くなると(時刻t11)、比較器41からHレベルの遅延信号Sd2が出力される。すなわち、Hレベルの制御信号S3が入力されてから充電電圧V2が分圧電圧V1を横切るまでの時間が遅延時間Td2となる(時刻t10〜t11参照)。ここで、充電電圧V2の傾斜は固定であるため、入力電圧Viが高くなると分圧電圧V1が高くなり、充電電圧V2が分圧電圧V1を横切るまでの時間Td2が長くなる。一方、入力電圧Viが低くなると分圧電圧V1が低くなり、充電電圧V2が分圧電圧V1を横切るまでの時間Td2が短くなる。すなわち、遅延回路40の遅延時間Td2は、入力電圧Viに比例してその時間が増減される。このように、遅延回路40は、Hレベルの制御信号S3に基づいて、メイン側のトランジスタT1のオフタイミング(時刻t10)から入力電圧Viに比例した遅延時間Td2だけ遅延して、Hレベルの遅延信号Sd2を出力する。
ここで、遅延回路40で生成されたHレベルの遅延信号Sd2は、参照電圧生成回路10b内のトランジスタT3のゲートに供給される。このトランジスタT3がHレベルの遅延信号Sd2に応答してオフされると、コンデンサC2の充電が開始され、参照電圧VR3がノードN2の電圧VN2からアンプ電流Iaに応じた傾斜にて上昇する。すなわち、上記遅延回路40は、ノードN2の電圧VN2にスロープを付加するタイミングを、メイン側のトランジスタT1のオフタイミング(時刻t10)から遅延時間Td2だけ遅延させている。
これにより、上記コンデンサC2の充電時間Tcは、図9に示すように、トランジスタT1のオフ時間Toffから遅延時間Td2を引いた時間となる(Tc=Toff−Td2)。このため、上述のように入力電圧Viに比例して遅延時間Td2を変化させることにより、入力電圧Viの変動に伴ってオフ時間Toffが変動しても、コンデンサC2の充電時間Tcの変動を抑制することができる。これにより、入力電圧Viの変動に伴う参照電圧VR3の傾斜の変動が抑制されるため、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得の変動を抑制することができる。
以下に、その理由について図10及び図11を併せ参照して詳述する。なお、図11(a)には、周波数に対するDC−DCコンバータの負帰還ループの利得Gainの変化を表わすゲイン曲線が示され、図11(b)には、周波数に対する利得Gainの位相の変化を表わす位相曲線が示されている。
まず、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得は、入力電圧Viに比例するとともに、参照電圧VR3のスロープの傾斜の逆数に比例する。ここで、参照電圧VR3は、
Figure 0005605177
と表わすことができる。したがって、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得をGainとすると、
Figure 0005605177
という関係式で表わすことができる。なお、gmアンプ11の電流変換利得gmは、上記利得Gainには影響しない。
上記式(17)から明らかなように、入力電圧Viが高くなるほどDC−DCコンバータ1bの利得Gainが高くなり、参照電圧VR3の傾斜が緩やかになるほどDC−DCコンバータ1bの利得Gainが高くなる。例えば比較例として、図10(b)に示すように、入力電圧Viが高くなったときに、参照電圧VR3aの傾斜が緩やかになると(破線→実線参照)、2つの要因(入力電圧Viの上昇と参照電圧VR3aの傾斜変動)に起因して利得Gainが高くなる。具体的には、図11に示すように、入力電圧Viの上昇に伴って参照電圧VR3aの傾斜が緩やかになったときの利得G2は、入力電圧Viの上昇に関わらず参照電圧の傾斜が固定である場合の利得G1よりも高くなる。このとき、利得G2が0dBのときの位相P2は、利得G1が0dBのときの位相P1よりも小さくなるため、位相余裕が小さくなる。このため、比較例では、DC−DCコンバータが発振し易くなり動作が不安定になるという問題が発生する。
これに対し、本実施形態のDC−DCコンバータ1bでは、遅延回路40の遅延時間Td2を、入力電圧Viに比例して変動させるようにした。具体的には、遅延回路40は、入力電圧Viの変動に関わらずにコンデンサC2の充電時間Tcが一定となるように、遅延時間Td2を調整している。換言すると、遅延回路40では、このように遅延時間Td2が調整されるように、抵抗R41,R42の抵抗値、電流I1の電流値やコンデンサC41の容量値が設定されている。このため、図10(a)に示すように、入力電圧Viが高くなった場合には(破線→実線)、入力電圧Viの上昇に伴ってトランジスタT1のオフ時間Toffが長くなる分だけ遅延時間Td2も長くなる。具体的には、入力電圧Viの上昇に伴ってトランジスタT1のオフ時間Toffが時間ΔTだけ長くなった場合には、入力電圧Viの上昇に伴って遅延時間Td2も時間ΔTだけ長くなる。これにより、入力電圧Viの上昇に伴ってコンデンサC2の充電時間Tcが長くなることが抑制され、その充電時間Tcが略一定に維持される。この結果、入力電圧Viが上昇しても、gmアンプ11によって生成されるアンプ電流Iaの電流値、つまり参照電圧VR3のスロープの傾斜を略一定に維持することができ、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得Gainの変動を抑制することができる。具体的には、本実施形態のDC−DCコンバータ1bでは、入力電圧Viが上昇しても、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得Gainが1つの要因(入力電圧Viの上昇)のみに起因して上昇するため、利得G2まで上昇せず、上記利得G1と略等しい値になる。すなわち、入力電圧Viの上昇に伴って参照電圧VR3aの傾斜が緩やかになる場合に比べてDC−DCコンバータ1bの利得Gainの上昇を抑制することができる。
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(6)と、第2実施形態の(7)の作用効果に加えて以下の効果を奏する。
(8)ノードN2の電圧VN2にスロープを付加するタイミングを、メイン側のトランジスタT1のオフタイミングから入力電圧Viに比例した遅延時間Td2だけ遅延させるようにした。これにより、入力電圧Viの変動に伴ってコンデンサC2の充電時間Tcが変動することを抑制することができる。したがって、参照電圧VR3のスロープの傾斜の変動が抑制されるため、入力電圧Viの変動に伴うDC−DCコンバータ1bの利得Gainの変動を抑制することができる。この結果、位相余裕が小さくなることを抑制でき、DC−DCコンバータ1bを安定して動作させることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、図12〜図15に従って説明する。この実施形態のDC−DCコンバータ1cは、第2電源E2がオフセット電圧生成回路50に置換されている点が上記第2実施形態と異なっている。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第3実施形態の制御回路3bでは、遅延回路40の遅延時間Td2を入力電圧Viに依存させることにより、DC−DCコンバータ1bの負帰還ループの利得Gainの変動を抑制するようにした。これに対し、本実施形態の制御回路3cでは、基準電圧VR0から減算するオフセット電圧を入力電圧Viに依存させることにより、DC−DCコンバータ1cの負帰還ループの利得Gainの変動を抑制するようにした。
図12に示すように、参照電圧生成回路10cのオフセット電圧生成回路50には、第1電源E1から基準電圧VR0が供給されるとともに、入力電圧Viが供給される。このオフセット電圧生成回路50は、入力電圧Viに依存したオフセット電圧Vof1(図13参照)を生成するとともに、基準電圧VR0から上記オフセット電圧Vof1を減算した電圧VN21を生成する。そして、オフセット電圧生成回路50は、生成した電圧VN21をノードN2に出力する。
参照電圧生成回路10cは、ノードN2の電圧VN21に、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたスロープを付加して参照電圧VR4を生成し、その参照電圧VR4を比較器20の非反転入力端子に出力する。
なお、オフセット電圧生成回路50は第2付加回路の一例、オフセット電圧Vof1はオフセットの一例、オフセット電圧Vof1の電圧値はオフセット量の一例、参照電圧VR4は第1基準電圧の一例である。
次に、オフセット電圧生成回路50の内部構成例を図13及び図14に従って説明する。
図13に示すように、オペアンプ51の非反転入力端子には、基準電圧VR0が供給される。このオペアンプ51の出力端子は、抵抗R51を介して当該オペアンプ51の反転入力端子に接続されている。
抵抗R51には、電流源52から入力電圧Viに比例した電流Ioffが供給される。このため、抵抗R51と電流源52との間の接続点の電圧、つまりオフセット電圧Vof1は、
Figure 0005605177
となる。すなわち、オフセット電圧Vof1は、入力電圧Viに比例して電圧値が変動する。
そして、上記オペアンプ51は、基準電圧VR0からオフセット電圧Vof1を減算した電圧VN21をノードN2に出力する。すなわち、電圧VN21は、
Figure 0005605177
と表わすことができる。
次に、電流源52の内部構成例を図14に従って説明する。
抵抗R52の第1端子には、入力電圧Viが供給される入力端子Piが接続されている。抵抗R52の第2端子は抵抗R53の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R53の第2端子はグランドに接続されている。これら抵抗R52,R53間の接続点は、オペアンプ53の非反転入力端子に接続されている。このため、オペアンプ53の非反転入力端子には、入力電圧Viが抵抗R52,R53によって分圧された分圧電圧V3が供給される。
このオペアンプ53の出力端子はNチャネルMOSトランジスタT51のゲートに接続されている。トランジスタT51は、そのドレインがPチャネルMOSトランジスタT52のドレインに接続されるとともに、ソースがオペアンプ53の反転入力端子と抵抗R54の第1端子とに接続されている。その抵抗R54の第2端子はグランドに接続されている。
上記オペアンプ53は、反転入力端子の電圧を入力電圧Viの分圧電圧V3と等しくするように、トランジスタT51を制御する。すなわち、抵抗R54の第1端子の電圧が分圧電圧V3になるように制御される。したがって、抵抗R54の両端子間には、この抵抗R54の抵抗値と、両端子間の電位差(分圧電圧V3)とに応じた電流I2が流れる。すなわち、電流I2は、入力電圧Viに比例した電流となる。
上記トランジスタT52は、そのソースにバイアス電圧VBが供給されるとともに、ゲートが同トランジスタT52のドレインとPチャネルMOSトランジスタT53のゲートに接続されている。そのトランジスタT53のソースにはバイアス電圧VBが供給される。したがって、トランジスタT52とトランジスタT53とは、カレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT52,T53の電気的特性に応じて、抵抗R54に流れる電流I2に比例した電流IoffをトランジスタT53に流す。
そして、上記トランジスタT53のドレインが図13に示す抵抗R51の第2端子に接続され、入力電圧Viに比例した電流Ioffが抵抗R51に供給される。
このように、オフセット電圧生成回路50は、入力電圧Viに比例した電流Ioffに応じて、入力電圧Viに比例したオフセット電圧Vof1を生成し、そのオフセット電圧Vof1を基準電圧VR0から減算して電圧VN21を生成する。具体的には、オフセット電圧生成回路50は、入力電圧Viの変動に関わらずに参照電圧VR4のスロープの傾斜が一定となるようにオフセット電圧Vof1及び電圧VN21を生成する。さらに言うと、オフセット電圧生成回路50では、このようなオフセット電圧Vof1及び電圧VN21が生成されるように、抵抗R51〜R54の抵抗値やトランジスタT52,T53のサイズ比等が設定されている。
次に、DC−DCコンバータ1cの動作を図15に従って説明する。
入力電圧Viが上昇すると(破線→実線)、オフ時間Toffが長くなり、トランジスタT3がオフする時間、つまりコンデンサC2の充電時間Tc(=Toff−Td1)が長くなる。このとき、入力電圧Viの上昇に伴ってオフセット電圧Vof1も上昇する(破線→実線)。このため、スロープ電圧Vsが付加される電圧VN21(=VR0−Vof1)が低下する。すなわち、基準電圧VR0と、スロープが付加される時の参照電圧VR4との電位差が大きくなる。したがって、基準電圧VR0と参照電圧VR4とを等しくするためのスロープ電圧Vsの変化量が大きくなる。この結果、図15に示すように、入力電圧Viの上昇に伴ってコンデンサC2の充電時間Tcが長くなっても、参照電圧VR4の傾斜が変動する(緩やかになる)ことを抑制することができる。これにより、DC−DCコンバータ1cの負帰還ループの利得Gainの変動を抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第3実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、基準電圧VR0に対してオフセット電圧Voff,Vof1を付加するようにした。しかし、比較器20で比較される出力電圧Voとスロープを付加する時の参照電圧VR1〜VR4との間に電位差が生じるようにオフセット電圧が付加されるのであれば、その付加方法は特に限定されない。以下に、第1実施形態のDC−DCコンバータ1を変形したDC−DCコンバータ1dについて説明する。
例えば図16に示されるように、出力電圧Voと参照電圧VR5とを比較する比較器60にDCオフセットを付加するようにしてもよい。すなわち、この比較器60は、2つの入力端子間にオフセット電圧Vof2を有している。比較器60は、参照電圧生成回路10dで生成される参照電圧VR5(=VR0+Vs)からオフセット電圧Vof2だけ低い電圧VR5a(=VR0+Vs−Vof2)と出力電圧Voとを比較する。そして、比較器60は、出力電圧Voが電圧VR5aよりも高いときにLレベルの信号S1aを出力し、出力電圧Voが電圧VR5aよりも低いときにHレベルの信号S1aを出力する。したがって、このような構成であっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、本変形例におけるオフセット電圧Vof2はオフセットの一例、参照電圧VR5は第1基準電圧の一例である。
上述したオフセット電圧Vof2は、比較器60の入力端子から出力端子までの電流バランス又は電圧バランスを崩すことによって付加することができる。以下、その具体的な付加方法について説明する。
まず、比較器60の内部構成例を図17に従って説明する。
差動入力回路61内の入力トランジスタT61,T62は互いにソースが接続され、そのソースが電流源62に接続されている。入力トランジスタT61のゲートには、出力電圧Voが供給される反転入力端子−INが接続されている。入力トランジスタT62のゲートには、参照電圧VR5が供給される非反転入力端子+INが接続されている。これら入力トランジスタT61,T62のドレインはそれぞれ、カレントミラー回路に含まれるNチャネルMOSトランジスタT63,T64のドレインに接続されている。また、トランジスタT63,T64は、それらのゲートがトランジスタT63のドレインに接続されるとともに、それらのソースがグランドに接続されている。
トランジスタT62,T64間の接続点は、NチャネルMOSトランジスタT65のゲートに接続されている。このトランジスタT65は、ソースがグランドに接続されるとともに、ドレインが電流源63に接続されている。これらトランジスタT65と電流源63との間の接続点が出力端子OUTに接続されている。そして、出力端子OUTから信号S1aが出力される。
このように構成された比較器60において、入力トランジスタT61,T62の素子サイズを異なるサイズに設定する。具体的には、出力電圧Voがゲートに供給される入力トランジスタT61の素子サイズを、参照電圧VR1がゲートに供給される入力トランジスタT62の素子サイズよりも大きくする。これにより、比較器60にDCオフセット(オフセット電圧Vof2)を付加することができる。なお、この場合には、上記入力トランジスタT61,T62が第2付加回路として機能する。
また、図18に示されるように、入力トランジスタT61のソースに抵抗R61を接続し、入力トランジスタT62のソースに上記抵抗R61よりも高抵抗である抵抗R62を接続するようにしてもよい。この構成によっても、比較器60にDCオフセット(オフセット電圧Vof2)を付加することができる。さらに、上記抵抗R61,R62を可変抵抗とし、その抵抗値を入力電圧Viに依存させて可変させるようにしてもよい。このようにすれば、比較器60に付加されるオフセット電圧Vof2を入力電圧Viに依存させて可変させることができる。なお、この場合には、上記抵抗R61,R62が第2付加回路として機能する。
・あるいは、出力電圧Voにオフセット電圧Voff,Vof1を付加するようにしてもよい。
・また、図19に示されるように、第1電源E1とは別の第3電源E3から供給される基準電圧Vrにスロープを付加するようにしてもよい。但し、この基準電圧Vrは、基準電圧VR0に応じて設定される電圧であり、具体的には基準電圧VR0よりもオフセット電圧に相当する電圧分だけ低く設定された電圧である。したがって、この変形例における第3電源E3は第2付加回路の一例であり、基準電圧VR0と基準電圧Vrとの差電圧はオフセットの一例である。
・上記各実施形態におけるオフセット電圧Voff,Vof1,Vof2の付加を省略してもよい。
・上記各実施形態では、基準電圧VR0と出力電圧Voのうち、基準電圧VR0側にスロープを付加するようにした。これに限らず、例えば出力電圧Vo側にスロープを付加するようにしてもよい。以下に、第1実施形態の制御回路3を変形したDC−DCコンバータ1eについて説明する。
例えば図20に示されるように、制御回路3eの比較器20の非反転入力端子には、基準電圧VR0からオフセット電圧Voffを減算した参照電圧VR6(=VR0−Voff)が供給される。また、比較器20の反転入力端子には、帰還電圧生成回路10eにて生成される第1帰還電圧VFBが供給される。この比較器20は、第1帰還電圧VFBが参照電圧VR6よりも高いときにLレベルの信号S1を生成する一方、第1帰還電圧VFBが参照電圧VR1よりも低いときにHレベルの信号S1を生成する。
帰還電圧生成回路10eは、出力電圧Voに対して、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じたスロープを付加して第1帰還電圧VFBを生成する。具体的には、帰還電圧生成回路10eのgmアンプ11eは、出力電圧Voと基準電圧VR0との電位差に応じて、その電位差が小さくなるようにアンプ電流Ia1を生成する。gmアンプ11eの出力端子は、コンデンサC3の第1端子とスイッチSW3の第1端子とに接続されている。これらコンデンサC3の第2端子とスイッチSW3の第2端子とは、当該DC−DCコンバータ1dの出力端子Poに接続されている。このように、コンデンサC3とスイッチSW3とは並列に接続されている。このコンデンサC3の第1端子の電圧が第1帰還電圧VFBとして比較器20の反転入力端子に供給される。
上記スイッチSW3の制御端子には、上記RS−FF回路21の反転出力端子XQから制御信号S3が供給される。このスイッチSW3は、制御信号S3がHレベルであるときにオフする一方、制御信号S3がLレベルであるときにオンする。すなわち、スイッチSW3は、メイン側のトランジスタT1のオン期間にオンする一方、トランジスタT1のオフ期間にオフする。
このスイッチSW3がオンされると(トランジスタT1がオンされると)、コンデンサC3の両端子間が短絡される。これにより、コンデンサC3の第1端子の電圧がコンデンサC3の第2端子の電圧、つまり出力電圧Voと等しくなる。このため、トランジスタT1のオン期間における第1帰還電圧VFBは、出力電圧Voと等しい一定レベルとなる。
一方、スイッチSW3がオフされると(トランジスタT1がオフされると)、gmアンプ11eにて生成されるアンプ電流Ia1に応じてコンデンサC3に蓄えられた電荷が放電される。これにより、トランジスタT1のオフ期間における第1帰還電圧VFBは、出力電圧Voからアンプ電流Ia1に応じた傾斜(=Ia1/C3)にて低下する。換言すると、トランジスタT1のオフ期間において、アンプ電流Ia1に応じた傾斜のスロープが出力電圧Voに付加されて第1帰還電圧VFBが生成される。
このような構成であっても、gmアンプ11eによる負帰還制御によって、出力電圧Voが基準電圧VR0と等しくなるように、アンプ電流Ia1の電流値、つまり第1帰還電圧VFBのスロープの傾斜が制御されるため、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。なお、本変形例におけるgmアンプ11eはアンプの一例、コンデンサC3とスイッチSW3とは第1付加回路の一例、参照電圧VR6は第1基準電圧の一例、第1帰還電圧VFBは第1帰還電圧の一例、出力電圧Voは第2帰還電圧の一例である。
・さらに、上記変形例におけるDC−DCコンバータ1eにおいて、第1帰還電圧VFBにオフセット電圧Voffを付加するようにしてもよい。具体的には、出力電圧Voにオフセット電圧Voffを加算した電圧に対して、アンプ電流Ia1に応じた傾斜のスロープを付加して第1帰還電圧VFBを生成するようにしてもよい。この場合、基準電圧VR0が比較器20の非反転入力端子に供給されることになる。なお、このときの基準電圧VR0は、第1基準電圧及び第2基準電圧の一例である。
・上記各実施形態では、第2帰還電圧の一例として出力電圧Voをgmアンプ11,11eに供給するようにした。これに限らず、第2帰還電圧としては、出力電圧Voに応じた電圧(例えば、出力電圧Voを分圧した電圧等)であれば特に制限されない。また、このような出力電圧Voの分圧電圧に対して、上述したスロープやオフセットを付加して第1帰還電圧VFBを生成するようにしてもよい。
・上記第3実施形態における遅延回路40の遅延時間Td1を、入力電圧Viと出力電圧Voとに依存させて変動させるようにしてもよい。
・上記第3実施形態における遅延回路40において、入力電圧Viに応じて、遅延時間Td2をコンデンサC2の放電時間Thよりも短く調整するようにしてもよい。
・上記第4実施形態における遅延回路30を省略してもよい。
・上記第4実施形態におけるオフセット電圧生成回路50にて生成されるオフセット電圧Vof1を、入力電圧Viと出力電圧Voとに依存させて変動させるようにしてもよい。
・上記各実施形態を適宜組み合わせるようにしてもよい。例えば第3実施形態のDC−DCコンバータ1bの第2電源E2を、第4実施形態のオフセット電圧生成回路50に置換するようにしてもよい。また、上記変形例のDC−DCコンバータ1d,1eに、第2実施形態の遅延回路30や第3実施形態の遅延回路40を適用するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、スロープ生成用のコンデンサC2,C3と並列に接続されたスイッチSW1,T3,SW3に制御信号S3を供給するようにしたが、メイン側のトランジスタT1のオン期間又はオフ期間に対応する信号であれば特に制限されない。例えば図1に示す制御信号S2を論理反転した信号、制御信号DH,DLやノードN1の電圧であってもよい。
・上記各実施形態では、所定周期で立ち上がるHレベルのクロック信号CLKに従ってトランジスタT1をオフさせるようにした。これに限らず、例えば比較器20の出力信号S1の立ち上がりタイミング(トランジスタT1のオンタイミング)から所定時間経過後にトランジスタT1をオフさせるようにしてもよい。この場合、例えば発振器22の代わりに、上記出力信号S1の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viや出力電圧Voに依存した時間経過後にHレベルのパルス信号をRS−FF回路21のリセット端子Rに出力するタイマ回路を設けてもよい。あるいは、RS−FF回路21及び発振器22に代えて1ショットフリップフロップ回路を設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、スイッチ回路の一例としてPチャネルMOSトランジスタT1を開示したが、NチャネルMOSトランジスタを用いてもよい。また、スイッチ回路としてバイポーラトランジスタを用いてもよい。あるいは、複数のトランジスタを含むスイッチ回路を用いてもよい。
・上記各実施形態における基準電圧VR0を制御回路3,3a〜3eの外部で生成するようにしてもよい。
・上記各実施形態におけるトランジスタT1,T2を各制御回路3,3a〜3eに含めるようにしてもよい。また、コンバータ部2を各制御回路3,3a〜3eに含めるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、同期整流方式のDC−DCコンバータに具体化したが、非同期整流方式のDC−DCコンバータに具体化してもよい。
・上記各実施形態では、出力電圧Voと参照電圧VR1〜VR5とを比較し、その比較結果に応じてメイン側のトランジスタT1のオンタイミングを設定するDC−DCコンバータに具体化した。これに限らず、例えば出力電圧Voと参照電圧VR1〜VR5とを比較し、その比較結果に応じてメイン側のトランジスタT1のオフタイミングを設定するDC−DCコンバータに具体化してもよい。
・図21に、上記DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ1a〜1e)を備える電子機器100の一例を示す。電子機器100は、本体部110と、本体部110に電力を供給する電源部130とを有している。
まず、本体部110の内部構成例を説明する。
プログラムを実行する中央処理装置(CPU)111には、そのCPU111で実行されるプログラム又はCPU111が処理するデータを記憶するメモリ112が接続されている。また、CPU111には、インタフェース(I/F)113を介してキーボード114A及びポインティングデバイス114Bが接続されている。ポインティングデバイス114Bは、例えばマウス、トラックボール、タッチパネルや静電センサを有するフラットデバイス等である。
また、CPU111には、インタフェース115を介してディスプレイ116が接続され、インタフェース117を介して通信部118が接続されている。ディスプレイ116は、例えば液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスパネル等である。通信部118は、例えばローカルエリアネットワークボード等である。
また、CPU111には、インタフェース119を介して外部記憶装置120が接続され、インタフェース121を介して着脱可能記録媒体アクセス装置122が接続されている。外部記憶装置120は、例えばハードディスクである。アクセス装置122がアクセスする着脱可能な記録媒体としては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリカード等が挙げられる。
次に、電源部130の内部構成例を説明する。
DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ1a〜1e)と交流アダプタ131は、スイッチSW1を介して上記本体部110に接続されている。これらDC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ1a〜1e)及び交流アダプタ131のいずれか一方から電力が本体部110に供給される。DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ1a〜1e)は、図21の例では、例えば電池132からの入力電圧Viを出力電圧Voに変換し、その出力電圧Voを本体部110に供給する。
このような電子機器としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の通信機器、携帯情報端末(PDA)等の情報処理装置、デジタルカメラやビデオカメラ等の映像機器、テレビジョン装置等の受信機などが挙げられる。
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
電源の制御回路であって、
前記電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、
前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と前記出力電圧の目標値に応じて設定される第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、
前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、
を有することを特徴とする制御回路。
(付記2)
前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる開始タイミングを、前記スイッチ回路のスイッチングタイミングから所定時間だけ遅延させたタイミングに調整するタイミング調整回路を有することを特徴とする付記1に記載の制御回路。
(付記3)
前記タイミング調整回路は、前記スイッチ回路のオン期間又はオフ期間に対応する制御信号に前記所定時間の遅延を与えて遅延信号を生成し、
前記第1付加回路は、
前記アンプの電流が供給される第1コンデンサと、
前記第1コンデンサに並列接続され、前記遅延信号によりオンオフする第1スイッチとを含み、前記遅延信号に応答して、前記第1コンデンサの充電に応じて前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させ、
前記所定時間は、前記第1コンデンサに蓄積された電荷を放電するための放電時間よりも長く設定されていることを特徴とする付記2に記載の制御回路。
(付記4)
前記タイミング調整回路は、前記入力電圧に応じて前記所定時間を調整することを特徴とする付記2又は3に記載の制御回路。
(付記5)
前記タイミング調整回路は、前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる期間が一定となるように前記所定時間を調整することを特徴とする付記4に記載の制御回路。
(付記6)
前記タイミング調整回路は、前記スイッチ回路のオン期間又はオフ期間に対応する制御信号に基づいて、前記スイッチ回路を第1状態から第2状態にスイッチングするタイミングに応じて第1のレベルの遅延信号を出力し、前記スイッチ回路を第2状態から第1状態にスイッチングするタイミングから前記所定時間だけ遅延して前記遅延信号を第2のレベルとし、
前記第1付加回路は、前記第1のレベルの遅延信号に応答して前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を一定レベルにて出力し、前記第2のレベルの遅延信号に応答して前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させることを特徴とする付記2〜5のいずれか1つに記載の制御回路。
(付記7)
前記タイミング調整回路は、
第1電流が供給される第2コンデンサと、
前記第2コンデンサに並列接続され、前記スイッチ回路のオン期間又はオフ期間に対応する制御信号によりオンオフする第2スイッチと、
前記入力電圧に応じた第1電圧と前記第2コンデンサの充電電圧との比較結果に応じて、前記制御信号を前記所定時間だけ遅延させた遅延信号を生成する比較器と、
を有することを特徴とする付記4又は5に記載の制御回路。
(付記8)
前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させ始める時に前記第1帰還電圧と前記第1基準電圧との間に電位差が生じるように、前記第1帰還電圧及び前記第1基準電圧の少なくとも一方にオフセットを付加する第2付加回路を有することを特徴とする付記1〜7のいずれか1つに記載の制御回路。
(付記9)
前記第2付加回路は、前記入力電圧に応じて前記オフセットのオフセット量を調整することを特徴とする付記8に記載の制御回路。
(付記10)
前記第2付加回路は、前記変化の割合が一定となるように前記オフセットのオフセット量を調整することを特徴とする付記9に記載の制御回路。
(付記11)
前記第2付加回路は、
前記入力電圧に応じた第2電流を出力する電流源と、
前記第2電流が流れる抵抗と、を含み、
前記抵抗の電圧を前記オフセットとすることを特徴とする付記9又は10に記載の制御回路。
(付記12)
前記スイッチング制御部は、前記第1帰還電圧と前記第1基準電圧とを比較する比較器を有し、
前記第2付加回路は、前記比較器に前記オフセットを付加することを特徴とする付記8〜11のいずれか1つに記載の制御回路。
(付記13)
制御回路を有する電源と、前記電源の出力電圧が供給される内部回路と、を有する電子機器であって、
前記制御回路は、
前記電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、
前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と前記出力電圧の目標値に応じて設定される第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、
前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、
を有することを特徴とする電子機器。
(付記14)
電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングする電源の制御方法であって、
前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と前記出力電圧の目標値に応じて設定される第2基準電圧との差に応じた電流を生成し、
前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成することを特徴とする電源の制御方法。
1,1a〜1e DC−DCコンバータ(電源)
3,3a〜3e 制御回路
T1 トランジスタ(スイッチ回路)
11,11e トランスコンダクタンスアンプ(アンプ)
20,60 比較器
21 RS−FF回路
22 発振器
23 駆動回路
30,40 遅延回路(タイミング調整回路)
50 オフセット電圧生成回路
100 電子機器
110 本体部(内部回路)
C2 コンデンサ(第1コンデンサ)
C3 コンデンサ
C41 コンデンサ(第2コンデンサ)
SW1,SW3 スイッチ
SW41 スイッチ(第2スイッチ)
T3 トランジスタ(第1スイッチ)
E1 第1電源
E2 第2電源
E3 第3電源

Claims (7)

  1. 電源の制御回路であって、
    前記電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、
    前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、
    前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、
    前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる開始タイミングを、前記スイッチ回路のスイッチングタイミングから所定時間だけ遅延させたタイミングに調整するタイミング調整回路と、
    を有することを特徴とする制御回路。
  2. 前記タイミング調整回路は、前記スイッチ回路のオン期間又はオフ期間に対応する制御信号に前記所定時間の遅延を与えて遅延信号を生成し、
    前記第1付加回路は、
    前記アンプの電流が供給される第1コンデンサと、
    前記第1コンデンサに並列接続され、前記遅延信号によりオンオフする第1スイッチとを含み、前記遅延信号に応答して、前記第1コンデンサの充電に応じて前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させ、
    前記所定時間は、前記第1コンデンサに蓄積された電荷を放電するための放電時間よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させ始める時に、前記第1帰還電圧及び前記第1基準電圧の少なくとも一方にオフセットを付加する第2付加回路を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
  4. 電源の制御回路であって、
    前記電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、
    前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、
    前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、
    前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させ始める時に、前記第1帰還電圧及び前記第1基準電圧の少なくとも一方にオフセットを付加する第2付加回路と、
    を有することを特徴とする制御回路。
  5. 前記第2付加回路は、前記入力電圧に応じて前記オフセットのオフセット量を調整することを特徴とする請求項3又は4に記載の制御回路。
  6. 制御回路を有する電源と、前記電源の出力電圧が供給される内部回路と、を有する電子機器であって、
    前記制御回路は、
    前記電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングするスイッチング制御部と、
    前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と第2基準電圧との差に応じた電流を生成するアンプと、
    前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成する第1付加回路と、
    前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる開始タイミングを、前記スイッチ回路のスイッチングタイミングから所定時間だけ遅延させたタイミングに調整するタイミング調整回路と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  7. 電源の入力電圧が供給されるスイッチ回路を、前記電源の出力電圧に応じた第1帰還電圧と第1基準電圧との比較結果に応じてスイッチングする電源の制御方法であって、
    前記出力電圧に応じた第2帰還電圧と第2基準電圧との差に応じた電流を生成し、
    前記電流の積分に応じた変化の割合で前記第2帰還電圧を変化させて前記第1帰還電圧を生成する、又は前記変化の割合で前記第2基準電圧を変化させて前記第1基準電圧を生成し、
    前記第1帰還電圧又は前記第1基準電圧を前記変化の割合で変化させる開始タイミングを、前記スイッチ回路のスイッチングタイミングから所定時間だけ遅延させたタイミングに調整することを特徴とする電源の制御方法。
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