JP6146481B2 - スイッチング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、スイッチング装置に関するものである。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又はMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)などの高速なスイッチング動作が可能なスイッチング素子を用いた電力変換装置に関する発明が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1は、スイッチング動作の高速化により生じる技術的な課題を解決するために、スイッチング素子の制御端子(ゲート端子)に印加されるゲート電圧を制御することを開示している。
特許文献1では、高速スイッチングによるサージ電圧の増大を抑制するために、ゲート端子に接続される信号線上にゲート抵抗を設けて、ゲート電圧の変化率を低く抑えている。このため、スイッチング素子のスイッチング速度が低下してしまう。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、スイッチング素子のスイッチング速度を高く維持したまま、制御信号の反射によるリンギングノイズを低減するスイッチング装置を提供することである。
本発明の一態様に係わるスイッチング装置は、スイッチング素子を備える主回路と、スイッチング素子のオン状態及びオフ状態をスイッチングするための制御信号を生成する制御回路と、制御回路から出力される制御信号を主回路へ伝送する第1の信号線及び第2の信号線と、を有する。第1及び第2の信号線の特性インピーダンスの値は、制御回路の出力インピーダンスの値と、主回路の入力インピーダンスの値との間に設定される。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態に係わるスイッチング装置の構成を説明する。スイッチング装置は、スイッチング素子を備える主回路1と、スイッチング素子のオン状態(導通状態)及びオフ状態(非導通状態)をスイッチングするための制御信号を生成する制御回路2と、制御回路2から出力される制御信号を主回路1へ伝送する第1の信号線3及び第2の信号線4と、を有する。
図1を参照して、第1実施形態に係わるスイッチング装置の構成を説明する。スイッチング装置は、スイッチング素子を備える主回路1と、スイッチング素子のオン状態(導通状態)及びオフ状態(非導通状態)をスイッチングするための制御信号を生成する制御回路2と、制御回路2から出力される制御信号を主回路1へ伝送する第1の信号線3及び第2の信号線4と、を有する。
図1の「Zab」は、制御信号を出力する制御回路2の出力インピーダンスの値を示す。「Zcd」は、制御信号を伝送する第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンスの値を示す。「Zef」は、制御信号が入力される主回路1の入力インピーダンスの値を示す。
図2を参照して、主回路1及び制御回路2の回路例、及び各インピーダンス(Zab、Zcd、Zef)について説明する。主回路1が備えるスイッチング素子11は、例えば、高速なスイッチング動作が可能なIGBT或いはMOSFETを含む半導体素子である。図2には、コレクター電極(C)、エミッター電極(E)及びゲート電極(G)を有するIGBTを例示する。主回路1は、ゲート電極(G)に接続された第1の入力端子12、及びエミッター電極(E)に接続された第2の入力端子13を、更に備える。主回路1は、スイッチング素子11によるスイッチング動作を実行するスイッチング手段として機能する。
制御回路2は、主回路1が備えるスイッチング素子11の2つの状態(オン状態及びオフ状態)を制御するために、2つの電圧レベルからなる制御信号を生成する。例えば、直列に接続された2つのスイッチング素子(16、17)の接続点と、一方のスイッチング素子17の他方の端子との間の電位差(電圧レベル)を制御信号として生成する。スイッチング素子(16、17)のオン−オフ状態に応じて、電圧レベルの異なる制御信号が生成される。制御回路2は、生成した制御信号を出力するための第1の出力端子14及び第2の出力端子15を備える。第1の出力端子14は、2つのスイッチング素子(16、17)の接続点に接続され、第2の出力端子15は、一方のスイッチング素子17の他方の端子に接続されている。第1の出力端子14及び第2の出力端子15の間の電位差が制御信号として出力される。これにより、制御回路2は、制御信号によって主回路1のスイッチング動作を制御する制御手段として機能する。
第1の信号線3は、第1の出力端子14と第1の入力端子12の間を接続して制御信号を伝送する。第2の信号線4は、第2の出力端子15と第2の入力端子13の間を接続して制御信号を伝送する。したがって、第1及び第2の信号線(3、4)は、制御信号を伝送する伝送手段として機能する。
制御信号を出力する制御回路2の出力インピーダンス(Zab)は、第1の出力端子14と第2の出力端子15の間のインピーダンスを示す。制御信号が入力される主回路1の入力インピーダンス(Zef)は、第1の入力端子12と第2の入力端子13の間のインピーダンスを示す。
<制御信号の反射>
次に、制御信号の反射について説明する。出力インピーダンス(Zab)から特性インピーダンス(Zcd)への進行波としての制御信号は、インピーダンスの不連続部分において、そのエネルギーの一部が反射される。その反射係数(ρ1)は(1)式で表される。特性インピーダンス(Zcd)から入力インピーダンス(Zef)への進行波に係わる反射係数(ρ2)も、(1)式で表される。
次に、制御信号の反射について説明する。出力インピーダンス(Zab)から特性インピーダンス(Zcd)への進行波としての制御信号は、インピーダンスの不連続部分において、そのエネルギーの一部が反射される。その反射係数(ρ1)は(1)式で表される。特性インピーダンス(Zcd)から入力インピーダンス(Zef)への進行波に係わる反射係数(ρ2)も、(1)式で表される。
反射係数(ρ1、ρ2)の絶対値が大きいほど反射するエネルギーが増加する。そこで、実施形態では、インピーダンスの不連続部分における制御信号の反射を抑制するために、制御信号を伝達する第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンス(Zcd)の値を調整する。
制御信号を伝達する第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンス(Zcd)の値を、制御信号を出力する制御回路2の出力インピーダンス(Zab)の値と、制御信号が入力される主回路1の入力インピーダンス(Zef)の値との間となるように調整して設定する。換言すれば、各インピーダンスZab、Zcd、Zefは、(2)式或いは(3)式のいずれかを満たす。
各インピーダンスZab、Zcd、Zefの誘導成分をLab、Lcd、Lefとし、容量成分をCab、Ccd、Cefとし、抵抗成分をRab、Rcd、Refとし、アドミッタンス成分をGab、Gcd、Gefとした場合、インピーダンスZab、Zcd、Zefの各々は、(4)式、(5)式、(6)式で表される。ただし、ωは交流の角周波数を示す。
ここで、各インピーダンスZab、Zcd、Zefの実部(抵抗成分及びアドミッタンス成分)を比較する。特性インピーダンスZcdの実部(Rcd、Gcd)は、出力インピーダンスZab及び入力インピーダンスZefの実部(Rab、Gab、Ref、Gef)に比べて、無視できるほど十分に小さいことが一般的である。よって、第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンスZcdを、(7)式に示すように近似することができる。つまり、第1及び第2の信号線(3、4)の構成を設計する際には、特性インピーダンスZcdの虚部(誘導成分Lcd及び容量成分Ccd)のみを考慮すればよい。
また、第1及び第2の信号線(3、4)の各々は、平行な平板からなる場合、自己インダクタンスLo及び相互インダクタンスMoはぞれぞれ(9)式及び(10)式で近似される。図3に示すように、第1及び第2の信号線(3、4)の各々の長さをlとし、幅をwとし、高さをHとし、第1の信号線3と第2の信号線4の間隔をdとする。
一方、特性インピーダンスZcdの容量成分Ccdは、(11)式で近似される。ここで、第1の信号線3と第2の信号線4との間の比誘電率をεrとし、真空誘電率をε0とし、第1の信号線3と第2の信号線4が相互に対向する面の面積をSとする。なお、第1実施形態において、第1及び第2の信号線(3、4)の間は空気で満たされているため、比誘電率εrは、空気の比誘電率となる。
以上説明したように、(1)式に示す反射係数(ρ1、ρ2)の絶対値が小さくなるように、(4)式及び(6)式から求まる出力インピーダンスZab及び入力インピーダンスZefに対して、(7)式〜(11)式から求まる特性インピーダンスZcdを整合させる。具体的には、(2)式或いは(3)式を満たすように、特性インピーダンスZcdを調整する。例えば、第1及び第2の信号線(3、4)の各々は、平行な平板からなる場合、特性インピーダンスZcdの調整には、第1及び第2の信号線(3、4)の各々の長さ(l)、幅(w)及び高さ(H)、第1の信号線3と第2の信号線4の間隔(d)、及び第1の信号線3と第2の信号線4が相互に対向する面の面積(S)を用いればよい。
(2)式或いは(3)式を満たすことにより、制御回路2と第1及び第2の信号線(3、4)との間、及び第1及び第2の信号線(3、4)と主回路1との間でのインピーダンスの不連続が抑制され、反射係数(ρ1、ρ2)の絶対値を小さくすることができる。その結果、主回路1の2端子(12、13)間に生じる制御信号の反射によるリンギングが抑制され、かつ高速性を得ることができ、スイッチング損失を低減できる。
(2)式或いは(3)式を満たすことにより、出力インピーダンス(Zab)と特性インピーダンス(Zcd)との差、及び特性インピーダンス(Zcd)と入力インピーダンス(Zef)との差がそれぞれ小さくなる。したがって、制御回路2と第1及び第2の信号線(3、4)との接続点における制御信号の反射、及び第1及び第2の信号線(3、4)と主回路1との接続点における制御信号の反射を抑制することができる。よって、スイッチング素子のスイッチング速度を高く維持したまま、制御信号の反射によるリンギングノイズを低減することができる。このため、スイッチング素子のスイッチング損失を低減し、且つ、スイッチング素子の誤動作を抑制することができる。
第1及び第2の信号線(3、4)の各々が平行な平板から成る場合、対向する第1及び第2の信号線(3、4)の面積(S)及び間隔(d)を調整することで容易に1対の信号線の容量成分(Ccd)を制御することができる。したがって、第1及び第2の信号線(3、4)の各々を平行な平板で形成することにより、第1及び第2の信号線(3、4)の各パラメータ(l、w、H、d、S)を調整して特性インピーダンスZcdを容易に制御することができる。
(第2実施形態)
図4及び図5(a)に示すように、第2実施形態に係わるスイッチング装置は、第1及び第2の信号線(3、4)の間に配置された誘電体5を更に有する。第1実施形態では、第1及び第2の信号線(3、4)の間は空気で満たされていたため、比誘電率(εr)は空気の比誘電率であった。第2実施形態では、空気よりも比誘電率が高い誘電体5を、第1及び第2の信号線(3、4)の間に設ける。これにより、(11)式に示す容量成分Ccdが増加して、(2)式或いは(3)式を満たすように特性インピーダンスZcdを低減することができる。
図4及び図5(a)に示すように、第2実施形態に係わるスイッチング装置は、第1及び第2の信号線(3、4)の間に配置された誘電体5を更に有する。第1実施形態では、第1及び第2の信号線(3、4)の間は空気で満たされていたため、比誘電率(εr)は空気の比誘電率であった。第2実施形態では、空気よりも比誘電率が高い誘電体5を、第1及び第2の信号線(3、4)の間に設ける。これにより、(11)式に示す容量成分Ccdが増加して、(2)式或いは(3)式を満たすように特性インピーダンスZcdを低減することができる。
なお、図5(b)に示すように、誘電体5を挟持した第1及び第2の信号線(3、4)の周囲を樹脂6で覆ってもよい。これにより、誘電体5を挟持した第1及び第2の信号線(3、4)の機械的な強度を高めることができる。ただし、第1実施形態で示したように、空気で満たされている第1及び第2の信号線(3、4)の周囲を樹脂6で覆ってもよい。
(第3実施形態)
図6及び図7(a)に示すように、第3実施形態に係わるスイッチング装置は、1つの第1の信号線3と、2つの第2の信号線(4a、4b)を有し、第1の信号線3は、2つの第2の信号線(4a、4b)の間に配置されている。第1の信号線3と第2の信号線(4a、4b)との間には、誘電体(5a、5b)がそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2の信号線(3、4a、4b)間の容量成分Ccdが増加して、第1及び第2の信号線(3、4a、4b)の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
図6及び図7(a)に示すように、第3実施形態に係わるスイッチング装置は、1つの第1の信号線3と、2つの第2の信号線(4a、4b)を有し、第1の信号線3は、2つの第2の信号線(4a、4b)の間に配置されている。第1の信号線3と第2の信号線(4a、4b)との間には、誘電体(5a、5b)がそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2の信号線(3、4a、4b)間の容量成分Ccdが増加して、第1及び第2の信号線(3、4a、4b)の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
なお、図7(a)に示す第1の信号線3、及び2つの第2の信号線(4a、4b)は、等しい幅を有している。その他、例えば、図7(b)に示すように、第1の信号線3の幅(w)を第2の信号線(4a、4b)の幅よりも狭くしてもよい。この場合、図7(b)に示す断面において、誘電体5で周囲が覆われた第1の信号線3を、2つの第2の信号線(4a、4b)が挟持することになり、信号線全体(3、4a、4b)の機械的な強度を高めることができる。ただし、誘電体5がなく、第1の信号線3と第2の信号線(4a、4b)との間に空気が満たされていてもよい。
(第4実施形態)
図8(a)及び図8(b)に示すように、第4実施形態に係わるスイッチング装置は、第1及び第2の信号線(3、4)の間に配置された絶縁体(7a、7b)を更に有する。第1及び第2の信号線(3、4)の各々は板状の形状を有し、絶縁体(7a、7b)及び第1及び第2の信号線(3、4)を重ね合わせた状態で巻かれている。これにより、信号線全体8は、円柱状の形状を有することになる。そして、第1及び第2の信号線(3、4)間の容量成分Ccdが増加し、且つ誘導成分Lcdが減少する。よって、第1及び第2の信号線の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
図8(a)及び図8(b)に示すように、第4実施形態に係わるスイッチング装置は、第1及び第2の信号線(3、4)の間に配置された絶縁体(7a、7b)を更に有する。第1及び第2の信号線(3、4)の各々は板状の形状を有し、絶縁体(7a、7b)及び第1及び第2の信号線(3、4)を重ね合わせた状態で巻かれている。これにより、信号線全体8は、円柱状の形状を有することになる。そして、第1及び第2の信号線(3、4)間の容量成分Ccdが増加し、且つ誘導成分Lcdが減少する。よって、第1及び第2の信号線の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
(第5実施形態)
図9(a)及び図9(b)に示すように、第5実施形態に係わるスイッチング装置では、第1の信号線3が、第2の信号線4を囲むように配置されている。具体的には、第2の信号線4は、円柱状の形状を有し、第1の信号線3は、円筒状の形状を有する。第1の信号線3の内径は、第2の信号線4の外径よりも大きい。第2の信号線4は、第1の信号線3の内部に配置され、第2の信号線4と第1の信号線3との間には、誘電体5が配置されている。
図9(a)及び図9(b)に示すように、第5実施形態に係わるスイッチング装置では、第1の信号線3が、第2の信号線4を囲むように配置されている。具体的には、第2の信号線4は、円柱状の形状を有し、第1の信号線3は、円筒状の形状を有する。第1の信号線3の内径は、第2の信号線4の外径よりも大きい。第2の信号線4は、第1の信号線3の内部に配置され、第2の信号線4と第1の信号線3との間には、誘電体5が配置されている。
第2の信号線4を囲むように第1の信号線3を配置することにより、第1及び第2の信号線(3、4)間の容量成分Ccdが増加して、第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンスZcdを低減することができる。ただし、誘電体5が配置されずに、第1及び第2の信号線(3、4)の間に空気が満たされていてもよい。
(第6実施形態)
図10に示すように、第6実施形態に係わるスイッチング装置は、主回路1が複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子の各々に対して制御信号を伝送するように第1及び第2の信号線(3a、3b、3c、・・・、3f、4a、4b、4c、・・・、4g)を複数設けている。第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)は交互に配列され、第1及び第2の信号線の間には誘電体(5a、・・・)がそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)間の容量成分Ccdが増加して、第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
図10に示すように、第6実施形態に係わるスイッチング装置は、主回路1が複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子の各々に対して制御信号を伝送するように第1及び第2の信号線(3a、3b、3c、・・・、3f、4a、4b、4c、・・・、4g)を複数設けている。第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)は交互に配列され、第1及び第2の信号線の間には誘電体(5a、・・・)がそれぞれ配置されている。これにより、第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)間の容量成分Ccdが増加して、第1及び第2の信号線(3a〜3f、4a〜4g)の特性インピーダンスZcdを低減することができる。
第6実施形態に係わるスイッチング装置は、例えば、図11及び図12に示すように、二次電池などの直流電源22から出力される直流電力を交流電力へ変換する電力変換装置21として、適用することができる。電力変換装置21は、直流電力を三相の交流電力へ変換するインバータ27及びインバータ27へ入力される直流電圧の変動を吸収する平滑コンデンサ28からなるパワーモジュール25と、パワーモジュール25を収納する金属筐体26とを備える。インバータ27は、高速なスイッチング動作が可能なスイッチング素子(31〜36)を複数備える。インバータ27は、三相(U相、V相、W相)の各々について、上下アームを構成する直列接続された2つのスイッチング素子を有する。インバータ27は、直流電源22及び平滑コンデンサ28に対して第1及び第2の給電母線を介して並列に接続されている。
インバータ27により変換された三相の交流電力は、三相交流電力モータなどの電動機23に供給される。図11及び図12に示す電力変換システムは、電動機23を走行駆動源として走行する車両、すなわち、電動機23の出力軸が車両の車軸に連結されている電気自動車或いはハイブリッド自動車(HEV)に適用することができる。
図12に示すように、直流電源22の出力端子は、1対のシールド線44を介して、金属筐体26内の第1及び第2の給電母線53、54に接続されている。金属筐体26内には、制御回路2が収納され、図示しない第1及び第2の信号線を介して、複数のスイッチング素子(31〜36)に接続されている。インバータ27の出力端子は、金属筐体26内に配置されたバスバ43を介して、3つのシールド線42に接続されている。3つのシールド線42は、電動機23の入力端子に接続されている。よって、インバータ27により変換された三相の交流電力は、バスバ43、シールド線42を介して、電動機23へ出力される。なお、シールド線42、44は、金属線を樹脂により被覆することで形成される電線である。このように、本実施形態に係わるスイッチング装置は、三相交流電力モータなどの電動機23に交流電力を供給するインバータ27に適用することができる。
(スイッチング損失について)
図13(a)に示すように、制御信号を成すゲート電圧(Vg)が、高電位状態から所定の推移時間TTを経て低電位状態に移行したとき、ゲート電圧が振動する、所謂リンギングノイズが生じる。リンギングノイズにより、スイッチング素子のスイッチング閾値(Vgth)を跨いでゲート電圧が振動する場合、オン状態/オフ状態の誤動作Gaが生じてしまう。図13に示すリンギングピーク量RGを、スイッチング閾値(Vgth)を超えない程度に小さく抑えることにより、誤動作Gaが防止される。
図13(a)に示すように、制御信号を成すゲート電圧(Vg)が、高電位状態から所定の推移時間TTを経て低電位状態に移行したとき、ゲート電圧が振動する、所謂リンギングノイズが生じる。リンギングノイズにより、スイッチング素子のスイッチング閾値(Vgth)を跨いでゲート電圧が振動する場合、オン状態/オフ状態の誤動作Gaが生じてしまう。図13に示すリンギングピーク量RGを、スイッチング閾値(Vgth)を超えない程度に小さく抑えることにより、誤動作Gaが防止される。
図13(b)の縦軸は、スイッチング素子の制御端子(ゲート端子)に接続される信号線上にゲート抵抗が設けられた比較例、及びゲート抵抗が設けられていない本発明の実施形態について、リンギングピーク量(RGp、RGv)、及びスイッチング損失(SLp、SLv)を示している。横軸は、比較例についてはゲート抵抗値を示し、本発明の実施形態については、第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンスZcdを示している。
比較例のリンギングピーク量(RGp)は、ゲート抵抗値が大きくなるほど、小さくなる。これは、ゲート抵抗値が大きくなるほどスイッチング速度が遅くなり、推移時間TTが長くなるため、リンギングノイズも小さくなるからである。逆に、ゲート抵抗値が小さくなり、誤動作Gaを生じる閾値THよりもリンギングピーク量(RGp)が大きくなると、誤動作Gaにより比較例のスイッチング損失(SLp)は急速に増加してしまう。リンギングピーク量(RGp)が閾値THよりも小さい領域であっても、ゲート抵抗値の増加と共に、比較例のスイッチング損失(SLp)は増加してしまう。
一方、実施形態のリンギングピーク量(RGv)は、特性インピーダンスZcdが(2)式或いは(3)式を満たしている間において、特性インピーダンスZcdの増加と共に増加し始める。特性インピーダンスZcdが更に増加して、(2)式或いは(3)式を満たさなくなっても、リンギングピーク量(RGv)は、更に増加し続けている。実施形態のスイッチング損失(SLv)は、特性インピーダンスZcdが(2)式或いは(3)式を満たしている間においては低く維持されているが、(2)式或いは(3)式を満たさなくなると、急速に増加してしまう。
比較例及び実施形態のリンギングピーク量(RGp、RGv)が閾値THになるように、比較例のゲート抵抗値及び実施形態の特性インピーダンスZcdを調整した場合のスイッチング損失(Gp、Gv)を比較する。比較例のスイッチング損失(Gp)に比べて、実施形態のスイッチング損失(Gv)は30%以上、低減することができる。したがって、従来のようにスイッチング素子の制御端子に接続される信号線上にゲート抵抗を設けなくても、スイッチング素子の誤動作を抑制し、且つ、スイッチング素子のスイッチング損失を低減することができる。
上記のように、本発明の第1乃至第6の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1実施形態では、第1及び第2の信号線(3、4)の特性インピーダンスZcdを、(7)式に示すように、その実部を無視して、その虚部(誘導成分Lcd及び容量成分Ccd)のみを考慮してもよいことを述べた。これにより、特性インピーダンスZcdの設計が容易になるという効果がある。
更に、誘導成分Lcdを無視して、容量成分Ccdのみを考慮して、特性インピーダンスZcdを設計してもかまわない。第1及び第2の信号線(3、4)の長さ(l)が、間隔(d)に対して十分長い場合には、(8)〜(10)式に示した誘導成分(Lcd)の変化率に対して、第1母線と第2母線との間の容量成分(Ccd)の変化率が支配的になる。このため、誘導成分(Lcd)を無視して、容量成分(Ccd)のみを考慮することで、特性インピーダンスZcdを更に容易に設計することができる。
本出願は、2013年11月29日に出願された日本国特許願第2013−247038号に基づく優先権を主張しており、この出願の内容が参照により本発明の明細書に組み込まれる。
1 主回路
2 制御回路
3 第1の信号線
4 第2の信号線
5 誘電体
6 樹脂
11 スイッチング素子
Zab 出力インピーダンス
Zcd 特性インピーダンス
Zef 入力インピーダンス
2 制御回路
3 第1の信号線
4 第2の信号線
5 誘電体
6 樹脂
11 スイッチング素子
Zab 出力インピーダンス
Zcd 特性インピーダンス
Zef 入力インピーダンス
Claims (8)
- スイッチング素子を備える主回路と、
前記スイッチング素子のオン状態及びオフ状態をスイッチングするための制御信号を生成する制御回路と、
前記制御回路から出力される前記制御信号を前記主回路へ伝送する第1の信号線及び第2の信号線と、を有し、
前記制御信号を伝送する前記第1及び第2の信号線の特性インピーダンスの値は、前記制御信号を出力する前記制御回路の出力インピーダンスの値と、前記制御信号が入力される前記主回路の入力インピーダンスの値との間に設定される
ことを特徴とするスイッチング装置。 - 前記第1及び第2の信号線の各々は、平行な平板からなることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング装置。
- 前記第1の信号線が、2つの前記第2の信号線の間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング装置。
- 前記第1の信号線が、前記第2の信号線を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング装置。
- 前記第1及び第2の信号線の間に配置された誘電体を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスイッチング装置。
- 前記第1及び第2の信号線の間に配置された絶縁体を更に有し、
前記第1及び第2の信号線の各々は板状の形状を有し、前記絶縁体及び前記第1及び第2の信号線を重ね合わせた状態で巻かれている
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング装置。 - 前記第1及び第2の信号線の少なくとも一方は樹脂で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング装置。
- 前記主回路は複数のスイッチング素子を備え、
前記複数のスイッチング素子の各々に対して前記制御信号を伝送するように前記第1及び第2の信号線を複数設け、
前記第1及び第2の信号線は交互に配列され、且つ、前記第1及び第2の信号線の間には誘電体が配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング装置。
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