JP6145776B2 - 偽造防止印刷物 - Google Patents

偽造防止印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP6145776B2
JP6145776B2 JP2013211357A JP2013211357A JP6145776B2 JP 6145776 B2 JP6145776 B2 JP 6145776B2 JP 2013211357 A JP2013211357 A JP 2013211357A JP 2013211357 A JP2013211357 A JP 2013211357A JP 6145776 B2 JP6145776 B2 JP 6145776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
latent image
line
printed matter
observed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013211357A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015074155A (ja
Inventor
淳 古田
淳 古田
健一郎 米山
健一郎 米山
佐藤 加代子
加代子 佐藤
真樹 山下
真樹 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Printing Bureau
Original Assignee
National Printing Bureau
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Printing Bureau filed Critical National Printing Bureau
Priority to JP2013211357A priority Critical patent/JP6145776B2/ja
Publication of JP2015074155A publication Critical patent/JP2015074155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6145776B2 publication Critical patent/JP6145776B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Description

本発明は、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の偽造防止又は複製防止が必要とされる偽造防止印刷物に関するものである。
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書及び重要書類等の貴重印刷物は、その性質上偽造や複製がされにくいことが要求される。また、貴重印刷物は、真正物か偽造物であるかを真偽判別するための技術も併せて要求される。その一つの手段として、古くから貴重印刷物には、何らかの手段で潜像が出現する偽造防止技術が採用されている。
この潜像が出現する偽造防止技術は、凹版インキ等で盛り上がって印刷された画線を用いることで効果を奏するものである。例えば、図16の偽造防止印刷物1´に示されたように、基材2´上に潜像印刷領域3´に形成される印刷模様は、潜像部4´を成す画線6´、非画線8´と、背景部5´を成す画線7´、非画線9´は、90度の2方向の差異を持った万線状の画線によって配置している。この偽造防止印刷物1´の印刷面を真正面から見て観察した場合、施されている潜像部4´から成る潜像模様「P」文字を容易に認識することができないが、図17に示されたように、図16に示すS1方向(斜め)から観察すると、例えば、凹版インキのような盛り上がった画線では、画線群で隣り合う画線との視角によって重なり合うため、背景部5´の領域は潜像部4´の領域よりも低明度となる。これにより、潜像部4´及び背景部5´から成る潜像模様「P」文字が顕像となって出現する。この技術の特徴は、別途判別具を用意せずとも簡単に真偽判別することができることである。
例えば、特公昭56−19273号公報では、印刷物を傾けて観察して画像を現出するような方法として、印刷基材上に縦横の画線で構成される画像を凹版印刷することで印刷面を真上から観察した場合には、確認することができない潜像が角度を変えて観察すると顕像化される方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)
また、特開2004−90381号公報では、基材上の表面に光学的変化インキにより第1のメッセージ画像を印刷し、第1のメッセージ画像上に盛り上がりのあるインキによる等間隔の線画からなる万線パターンから構成される第2のメッセージ画像を重ねて印刷し、第2のメッセージ画像が、背景部と少なくとも一つの潜像部に区分けされ、背景部と少なくとも一つの潜像部は線画の配列方向が異なった万線パターンからなることを特徴とする真偽判別可能な印刷物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)
特公昭56−19273号公報 特開2004−90381号公報
上述した従来の印刷物では、この技術の特徴は別途判別具を用意せずとも簡単に真偽判別を可能とする優れた技術である。しかし、一般的に図16に示された従来の技術は、潜像部に配列される画線と背景部に配列される画線の画線幅、ピッチ、インキ盛り量(高さ)が同一又は略同一であった。このため、潜像模様を視認する場合に、図16に示したS1乃至S4方向のいずれかから浅い角度で観察した場合に、図18(a)に示すように潜像部の濃度と背景部の濃度の差に大きな変化が得られず潜像模様が視認し難い問題であり、図16に示したS1乃至S4方向のいずれかから深い角度で観察した場合に、図18(b)に示すようにはじめて潜像模様がはっきりと視認できるものであった。さらに、図16に示したS5乃至S8方向のいずれかから観察した場合に、図19(a)乃至(d)に示すように潜像部と背景部の濃度差が得られないため潜像画像が視認し難い問題があった。
この問題を解決するために、潜像部に配列される画線の画線幅と背景部に配列される画線の画線幅を異ならせたり、潜像部に配列される画線のピッチと背景部に配列される画線のピッチを異ならせることで観察角度を深くしなくても潜像模様を視認させることを可能とした。しかしながら、潜像部と背景部の画線幅やピッチを変更することで、印刷物の印刷面を真正面から見て観察した場合、容易に潜像模様が視認されてしまう問題が発生した。
そこで、本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、潜像部と背景部が同一画線幅や同一ピッチであっても、潜像模様を視認するために観察方向を特定することなく、観察角度を深くしなくても潜像部の濃度と背景部の濃度の差に大きな変化が生じ潜像模様がはっきりと視認することができる偽造防止印刷物を提案するものである。
本発明の偽造防止印刷物は、基材上に、第1の方向に盛り上がりのある画線が配列して形成される潜像部と、第2の方向に盛り上がりのある画線が配列して形成され背景部によって潜像画像が形成され、潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さが異なる印刷物であって、印刷物を所定の角度傾けて観察した場合、潜像画像が観察されることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、潜像部に配列される画線が同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、同一画線幅又は略同一画線幅で配置され、背景部に配列される画線がピッチと同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、画線幅と同一画線幅又は略同一画線幅で配置されることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、第1の方向に盛り上がりのある画線の配列方向と、第2の方向に盛り上がりのある画線の配列方向が45〜135度の範囲で異なることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、画線の画線高さが、0.01〜0.10mmで設けていることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さの差が0.01〜0.09mmであることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、画線の画線幅が、0.05〜0.3mmで設けていることを特徴とする。
また、本発明の偽造防止印刷物は、画線の画線ピッチが、0.1〜0.6mmで設けていることを特徴とする。
本発明の偽造防止印刷物は、潜像部に配列される画線の高さと潜像部に配列される画線の高さを異ならせることによって、潜像模様を視認するために観察方向を特定することなく、観察角度が浅い角度であっても潜像部の濃度と背景部の濃度の差に大きな変化が生じ潜像模様がはっきりと視認することができる。
また、本発明の偽造防止印刷物の潜像部と背景部が同一画線幅又は略同一画線幅や同一ピッチ又は略同一ピッチであっても、観察角度が浅い角度であっても潜像部の濃度と背景部の濃度の差に大きな変化が生じ潜像模様がはっきりと視認することができる。
本発明の偽造防止印刷物の説明図である。 本発明の偽造防止印刷物の一部断面図である。 偽造防止印刷物1(形態1)の印刷面を真正面から見て観察した場合の状態である。 偽造防止印刷物(形態1)をS1方向の斜めから観察した場合の状態である。 背景部5の画線7の観察状態を示す図である。 偽造防止印刷物(形態1)をS3方向の斜めから観察した場合の状態である 潜像部4の画線6の観察状態を示す図である。 偽造防止印刷物(形態1)を図3に示したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合の状態である。 潜像部4の画線6と背景部5の画線7の観察状態を示す図である。 偽造防止印刷物(形態2)を図3に示したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合の状態である。 潜像部4の画線6と背景部5の画線7の観察状態を示す図である。 画像10を示す図である。 実施例1の偽造防止印刷物1aを示す図である。 実施例1の偽造防止印刷物1aの作用を示す図である。 実施例1の偽造防止印刷物1aの作用を図である。 従来の偽造防止印刷物1´を示す図である。 従来の偽造防止印刷物1´の作用を示す図である。 従来の偽造防止印刷物1´の問題点を示す図である。 従来の偽造防止印刷物1´の問題点を示す図である。
以下、本発明の偽造防止印刷物について、本発明を実施するための形態として、図面を用いて説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている技術の範疇であれば、その他いろいろな実施の形態が含まれる。
(偽造防止印刷物の形態1)
図1は本発明の偽造防止印刷物1の説明図である。図1に示すように本発明の偽造防止印刷物1は、基材2上に潜像印刷領域3を有する。潜像印刷領域3は潜像部4及び背景部5に区分けされる。潜像部4は第1の方向であるX方向に画線6及び非画線部8が交互に複数配列され万線画線として形成され、背景部5は第2の方向であるY方向に画線7及び非画線部9が交互に複数配列され万線画線として形成される。
図2は、図1の点線箇所の一部拡大図であるX−X´断面図である。図2(a)に示すように潜像部4を形成する複数の画線6の高さであるインキ盛り量hは、盛り量h1であり、背景部5を形成する複数の画線7の高さであるインキ盛り量hは、盛り量h2である。このとき、潜像部4を形成する複数の画線6の盛り量h1と背景部5を形成する複数の画線7の盛り量h2の関係は、h1<h2の関係である。また、潜像部4を形成する複数の画線6の盛り量h1と背景部5を形成する複数の画線7の盛り量h2の差は、盛り量h3を有する。図2(a)に示した偽造防止印刷物1は、形態1として説明する。
図2(b)は図2(a)に示した形態と異なる形態であり、潜像部4を形成する複数の画線6の高さであるインキ盛り量hは、盛り量h4であり、背景部5を形成する複数の画線7の高さであるインキ盛り量hは、盛り量h5である。このとき、潜像部4を形成する複数の画線6の盛り量h4と背景部5を形成する複数の画線7の盛り量h5の関係は、h4>h5の関係である。また、潜像部4を形成する複数の画線6の盛り量h4と背景部5を形成する複数の画線7の盛り量h5の差は、盛り量h6を有する。図2(b)に示した偽造防止印刷物1は、形態2として説明する。
(形態1の作用)
図3は偽造防止印刷物1(形態1)の印刷面を真正面から見て観察した場合の状態である。偽造防止印刷物1(形態1)の印刷面を真正面から見て観察した場合は、潜像部4の明度と背景部5の明度の差に大きな変化が得られず潜像模様が視認し難い状態である。特に、潜像部に配列される画線と背景部に配列される画線の画線幅、ピッチを同一又は略同一にすることによって単位面積当たりの画線面積率が同一となるため、より潜像模様が視認し難い状態となる。
図4は偽造防止印刷物(形態1)を図3に示したS1方向の斜めから観察した場合の状態である。背景部5の明度は、低い状態でされるが、潜像部4は、背景部5よりも高い明度で視認されるため、潜像部4と背景部5の明度差によって潜像模様が視認される。この原理について説明する。潜像部4の画線6は、観察角度及び画線6のインキ盛り量に起因して隣り合う画線6同士が重なり合って視認されることがないため、画線6の非画線部がそのままの状態で視認されるため、潜像部4の領域は真正面から観察した場合と略同一の明度で視認される。これに対して、図5に示すように背景部5の画線7は、観察角度及び画線7のインキ盛り量に起因して隣り合う画線7同士が重なり合って視認されるため、図5(a)に示すように非画線部9が画線隠蔽領域10によって消失された状態となるか、図5(b)に示すように非画線部9が画線隠蔽領域10によって一部消失された状態で視認されため、背景部5の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認される。よって、潜像部4と背景部5に明度差が生じて潜像模様が視認される。なお、偽造防止印刷物(形態1)は、図3に示したS2方向の斜めから観察した場合についても同様の効果が得られる。S1方向又はS2方向の斜めから観察した場合、偽造防止印刷物(形態1)の潜像模様はネガ状態で視認される。
図6は偽造防止印刷物(形態1)を図3に示したS3方向の斜めから観察した場合の状態である。潜像部4の明度は、低い状態でされるが、背景部5は、潜像部4よりも高い明度で視認されるため、潜像部4と背景部5の明度差によって潜像模様が視認される。この原理について説明する。背景部5の画線7は、観察角度及び画線7のインキ盛り量に起因して隣り合う画線7同士が重なり合って視認されることがないため、画線7の非画線部がそのままの状態で視認されるため、背景部5の領域は真正面から観察した場合と略同一の明度で視認される。これに対して、図7に示すように潜像部4の画線6は、観察角度及び画線6のインキ盛り量に起因して隣り合う画線6同士が重なり合って視認されるため、図7(a)に示すように非画線部8が画線隠蔽領域10によって消失された状態となるか、図7(b)に示すように非画線部8が画線隠蔽領域10によって一部消失された状態で視認されため、潜像部4の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認される。よって、潜像部4と背景部5に明度差が生じて潜像模様が視認される。なお、偽造防止印刷物(形態1)は、図3に示したS4方向の斜めから観察した場合についても同様の効果が得られる。S3方向又はS4方向の斜めから観察した場合、偽造防止印刷物(形態1)の潜像模様はポジ状態で視認される。
図8は偽造防止印刷物(形態1)を図3に示したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合の状態である。図8(a)はS5方向の斜めから観察した場合の状態であり、図8(b)はS6方向の斜めから観察した場合の状態であり、図8(c)はS7方向の斜めから観察した場合の状態であり、図8(d)はS8方向の斜めから観察した場合の状態である。背景部5の明度は、低い状態でされるが、潜像部4は、背景部5よりも高い明度で視認されるため、潜像部4と背景部5の明度差によって潜像模様が視認される。この原理について説明する。図9(a)に示すように所定角度θ1で観察した場合に、背景部5の画線7は観察角度及び画線7のインキ盛り量に起因して隣り合う画線7同士が重なり合って視認されるため、非画線部9が画線隠蔽領域10によって消失された状態となるため、背景部5の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認される。これに対して、図9(b)に示すように所定角度θ1で観察した場合に、潜像部4の画線6は、観察角度及び画線6のインキ盛り量に起因して隣り合う画線6同士が重なり合って視認されるが、非画線部8が画線隠蔽領域10によって一部のみが消失された状態で視認されため、潜像部4の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認されるが、背景部5よりも高明度で視認される。よって、潜像部4と背景部5に明度差が生じて潜像模様が視認される。S5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合、偽造防止印刷物(形態1)の潜像模様はネガ状態で視認される。
(形態2の作用)
偽造防止印刷物1(形態2)の作用について説明する。偽造防止印刷物1(形態2)を真正面から見て観察した場合、形態1と同様の作用であるため省略する。また、偽造防止印刷物1(形態2)を図3に示したS1乃至S4方向のいずれかの斜めから観察した場合についても、形態1と同様の作用であるため省略する。図10は偽造防止印刷物(形態2)を図3に示したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合の状態である。図10(a)はS5方向の斜めから観察した場合の状態であり、図10(b)はS6方向の斜めから観察した場合の状態であり、図10(c)はS7方向の斜めから観察した場合の状態であり、図10(d)はS8方向の斜めから観察した場合の状態である。潜像部4の明度は、低い状態でされるが、背景部5は、潜像部4よりも高い明度で視認されるため、潜像部4と背景部5の明度差によって潜像模様が視認される。この原理について説明する。図11(a)に示すように所定角度θ1で観察した場合に、潜像部4の画線6は観察角度及び画線6のインキ盛り量に起因して隣り合う画線7同士が重なり合って視認されるため、非画線部8が画線隠蔽領域10によって消失された状態となるため、潜像部4の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認される。これに対して、図11(b)に示すように所定角度θ1で観察した場合に、背景部5の画線7は、観察角度及び画線7のインキ盛り量に起因して隣り合う画線7同士が重なり合って視認されるが、非画線部9が画線隠蔽領域10によって一部のみが消失された状態で視認されため、背景部5の領域は真正面から観察した場合よりも低明度で視認されるが、潜像部4よりも高明度で視認される。よって、潜像部4と背景部5に明度差が生じて潜像模様が視認される。S5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合、偽造防止印刷物(形態1)の潜像模様はポジ状態で視認される。
(基材の説明)
本発明における基材2は、上質紙、コート紙、アート紙等の紙葉類、フィルム、プラスチック等を用いることができ、潜像印刷領域3に形成される画線が形成可能であれば、特に限定されるものではない。ただし、基材と画線に明度差を有する必要があるため、基材が白色系の高い明度である場合、画線は黒色等の低明度であることが好ましい。もしくは、基材が黒色系の低い明度である場合、画線は白色等の高明度であることが好ましい。これは、潜像模様を視認するために基材と画線の明度差を利用しているためである。つまり、基材2の明度と画線の明度は、明度差が高ければ高いほど本発明の効果を奏することができる。
(潜像印刷領域、潜像部及び潜像部の説明)
明細書中に記載される潜像印刷領域3とは、潜像部4の画線6と背景部5の画線7が形成される領域のことであり、実際に領域の輪郭に印刷画線等が形成されるものではない。ただし、潜像印刷領域3の輪郭に画線を形成することもできる。同様に、潜像部4とは画線6が形成される領域のことであり、背景部5とは画線7が形成される領域のことであり、実際に領域の輪郭に印刷画線等が形成されるものではない。ただし、潜像部4及び/又は背景部5の輪郭に画線を形成することもできる。
(画線、非画線の説明)
潜像部4を形成する画線6及び背景部5を形成する画線7は、盛り上がりのある画線で形成する必要がある。印刷方式については、盛り上がりのある画線が形成できれば特に限定されることはないが、凹版印刷、スクリーン印刷又は発泡印刷等が好ましい。インキの種類は特に限定されることはないが、基材と明度差を有していることが好ましい。また、磁気特性や光学特性を備える顔料をインキに配合することで読み取り装置による真偽判別効果も併せて備えることができる。
潜像部4を形成する画線6及び背景部5を形成する画線7の高さは、0.01〜0.10mmの範囲が好ましい。潜像部4を形成する画線6、背景部5を形成する画線7の高さが、0.01mm未満であると、偽造防止印刷物1を斜めから観察した場合に観察角度及び画線のインキ盛り量に起因して非画線部が画線隠蔽領域10によって消失される面積が極めて少なくなり、潜像模様が視認し難い問題が生じる。潜像部4を形成する画線6、背景部5を形成する画線7の高さが、0.10mmよりも高いと作成上困難性を有する。したがって、画線の高さは、0.01mm以上、好ましくは、0.02〜0.10mmが好ましい。
潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さの差が0.01〜0.09mmであることが好ましい。潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さの差が0.01よりも小さい場合、前述したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合に、背景部と潜像部の画線の高さに起因する明度差が得られないため、潜像模様が視認し難い状態となる。また、潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さの差が0.09よりも大きい場合、前述した好ましい画線の高さの範囲を超えてしまう問題が生じる。さらに、潜像部に配列される画線の高さと、背景部に配列される画線の高さの差が0.02〜0.09mmであることが好ましい。
また、潜像部4を形成する画線6及び背景部5を形成する画線7は、規則的に配置する。画線6及び画線7の画線幅は、0.05〜0.3mmとすることができ、好ましくは、0.1〜0.2mmが望ましい。さらに、画線6及び画線7の画線ピッチは、0.1〜0.6mmとすることができ、好ましくは、0.2〜0.3mmが望ましい。ただし、非画線の画線幅が0.02mm未満では、印刷時に画線詰りや拭き残り等が発生しやすいため、非画線の画線幅は、0.02mm以上とすることが望ましい。
また、潜像部4を形成する画線6及び背景部5を形成する画線7の画線幅と非画線幅の比率は、画線幅:非画線幅=1:1〜3:1が望ましい。理由は、前述の比率よりも画線幅の比率が高いと、潜像模様が暗くなり、デザインの制約を受ける。一方、前述の比率よりも画線幅の比率が低いと、所定の観察角度から視認した場合、非画線を画線で隠蔽することができない。ただし、潜像部4及び背景部5の一部にカムフラージュ図柄として画線の太細で形成する場合は、この限りではない。さらに、潜像部4に配列される画線6が同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、同一画線幅又は略同一画線幅で配置され、背景部5に配列される画線7が潜像部4の画線6のピッチと同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、潜像部4の画線幅と同一画線幅又は略同一画線幅であることが好ましい。
潜像部4を形成する画線6の配列方向及び背景部5を形成する画線7の配列方向は、45〜135度の範囲で異なることが好ましい。45〜135度の範囲以外であると、潜像部4と背景部5の明度差が低く、潜像模様が視認し難い問題が生じる。ただし、45〜135度の範囲以外であっても、偽造防止印刷物1は画線6及び画線7の高さの差を有するため、従来の潜像の印刷物より、潜像部4と背景部5に明度差が生じて潜像模様を視認することができる。
また、潜像部4を形成する画線6、背景部5を形成する画線7は、直線、曲線、破線、一点鎖線、微小文字等、特に限定されることがないが、直線で形成することが最も好ましい。
以上、本発明の偽造防止印刷物の画線設計は上記範囲内で画線高さ、画線幅、画線ピッチ、配列方向及び画線種類を適宜組み合わせて設計すればよい。
(スイッチ画像)
本発明の偽造防止印刷物は、図12に記載のように背景部5に配列される画線7が潜像部4の画線6の下地に画線6及び画線7と異なる色彩で画像10を形成することができる。画像10のインキについては、前述した色彩が異なっていれば特に限定されないが、パールインキ等の光学的変化インキが好ましい。パールインキで画像10を形成することによって、観察角度によって潜像模様と画像10がスイッチして視認することができる。詳細については特許第4247906号公報に記載されている。
(カムフラージュ画像)
本発明の偽造防止印刷物は、背景部5に配列される画線7が潜像部4の画線6の少なくとも一部の単位長さ当たりの面積率を異ならせて配置させることで真上から観察した場合に潜像模様が視認し難くさせるためにカムフラージュ図柄を形成することができる。また、背景部5に配列される画線7が潜像部4の画線6の画線の位相をずらすことによって真上から観察した場合に潜像模様が視認し難くさせるためにカムフラージュ図柄を形成することができる。詳細については特許第4247906号公報に記載されている。
(実施例1)
図13に本発明の実施例1の偽造防止印刷物1aを示す。実施例1の偽造防止印刷物1aは、白色用紙2aに黒インキを用いて凹版印刷機で潜像部4a及び背景部5aを印刷した。ここで、潜像部4aは画線6aの幅を0.15mm、非画線8aの幅を0.10mm、ピッチ0.25mm、画線6aの高さを0.02mm、白色用紙2の横方向を0度とした場合に画線6aの配列方向を0度として複数の画線6aを形成した。また、ここで、背景部5aは画線7aの幅を0.15mm、非画線8aの幅を0.10mm、ピッチ0.25mm、画線7aの高さを0.04mm、白色用紙2の横方向を0度とした場合に画線7aの配列方向を90度として複数の画線7aを形成した。
図14(a)は偽造防止印刷物1aの印刷面を真正面から見て観察した場合の状態である。偽造防止印刷物1aの印刷面を真正面から見て観察した場合は、潜像部4aの明度と背景部5aの明度の差に大きな変化が得られず潜像模様が視認し難い状態であった。図14(b)は偽造防止印刷物1aを図13に示したS1方向の斜めから観察した場合の状態である。背景部5aの明度は、低い状態でされるが、潜像部4aは、背景部5aよりも高い明度で視認され、潜像模様がネガ状態で視認することができた。図14(c)は偽造防止印刷物1aを図13に示したS3方向の斜めから観察した場合の状態である。潜像部4aの明度は、低い状態でされるが、背景部5aは、潜像部4aよりも高い明度で視認され、潜像模様がポジ状態で視認することができた。
図15(a)は偽造防止印刷物1aを図13に示したS5乃至S8方向のいずれかの斜めから観察した場合の状態である。図15(a)はS5方向の斜めから観察した場合の状態であり、図15(b)はS6方向の斜めから観察した場合の状態であり、図15(c)はS7方向の斜めから観察した場合の状態であり、図15(d)はS8方向の斜めから観察した場合の状態である。背景部5aの明度は、低い状態でされるが、潜像部4aは、背景部5aよりも高い明度で視認され、潜像模様がネガ状態で視認することができた。
1、1a、1´ 偽造防止印刷物
2、2a、2´ 基材
3、3´ 潜像印刷領域
4、4a、4´ 潜像部
5、5a、5´ 背景部
6、6a、6´ 潜像部の画線
7、7a、7´ 背景部の画線
8、8a、8´ 潜像部の非画線
9、9a、9´ 背景部の非画線
10 画像
11 カムフラージュ模様
h、h1、h2、h3、h4、h5、h6 盛り量
θ 観察角度

Claims (2)

  1. 基材上に、第1の方向に盛り上がりのある万線画線が配列して形成される潜像部と、第2の方向に盛り上がりのある万線画線が配列して形成され背景部によって潜像画像が形成され、
    前記潜像部に配列される万線画線の高さと、前記背景部に配列される万線画線の高さが異なる印刷物であって、
    前記印刷物を所定の角度傾けて観察した場合、いずれの観察方向からでも前記潜像部と前記背景部の濃度の差によって、前記潜像画像が観察されることを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 前記潜像部に配列される万線画線が同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、同一画線幅又は略同一画線幅で配置され、前記背景部に配列される万線画線が前記ピッチと同一ピッチ又は略同一ピッチで、かつ、前記画線幅と同一画線幅又は略同一画線幅で配置されることを特徴とする請求項1記載の偽造防止印刷物。
JP2013211357A 2013-10-08 2013-10-08 偽造防止印刷物 Active JP6145776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013211357A JP6145776B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 偽造防止印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013211357A JP6145776B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 偽造防止印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015074155A JP2015074155A (ja) 2015-04-20
JP6145776B2 true JP6145776B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=52999399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013211357A Active JP6145776B2 (ja) 2013-10-08 2013-10-08 偽造防止印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6145776B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH662989A5 (fr) * 1983-11-16 1987-11-13 De La Rue Giori Sa Papier valeur.
JP3529084B2 (ja) * 1998-04-10 2004-05-24 独立行政法人 国立印刷局 凹版潜像及び該潜像の作成方法
JP5544540B2 (ja) * 2010-09-01 2014-07-09 独立行政法人 国立印刷局 潜像凹版印刷物の作製方法
EP2767406B1 (en) * 2011-10-11 2018-01-10 National Printing Bureau, Incorporated Administrative Agency Anti-counterfeit printed matter

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015074155A (ja) 2015-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5126750B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5599124B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5493109B2 (ja) 潜像模様形成体
JP2007237416A (ja) 画像形成体
JP2011224940A (ja) 潜像模様形成体
JP4247906B2 (ja) 画像形成体
JP5692663B2 (ja) 複写、改竄防止用印刷物
JP2009119768A (ja) 画像形成体
JP6145776B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5358858B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP4415542B2 (ja) 潜像を有する印刷物およびその顕像化方法
JP5544540B2 (ja) 潜像凹版印刷物の作製方法
JP2011189690A (ja) 偽造防止印刷物
JP2009202570A (ja) 画像形成体
JP2015013380A (ja) 特殊潜像模様形成体
JP2007196413A (ja) 画像形成体
JP2018034466A (ja) 潜像凹版模様を有する印刷物
JP5835713B2 (ja) 特殊潜像画像形成体
JP5736941B2 (ja) 画像形成体
JPH11291610A (ja) 凹版潜像及び該潜像の作成方法
JP5481691B2 (ja) 偽造防止用形成体
JP2007196412A (ja) 画像形成体
JP2016137658A (ja) 偽造防止印刷物
JP6610902B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5861271B2 (ja) 画像形成体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6145776

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250