JP6144758B2 - 抗Dll4抗体を含有する安定化製剤 - Google Patents

抗Dll4抗体を含有する安定化製剤 Download PDF

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Description

本出願は、PCT国際特許出願として2013年5月31日に出願され、2012年5月31日出願の米国特許仮出願第61/653,478号(その開示は、その全体で参照により本明細書中に組み入れられる)に対する優先権を主張する。
分野
本発明は、治療用抗体製剤の分野に関する。より具体的には、本発明は、ヒトデルタ様リガンド4(Dll4)に特異的に結合する抗体を含む医薬製剤の分野に関する。
配列表
配列表のST.25準拠コンピュータ可読テキストファイルを、米国特許施行規則第1.821条(e)項(37 C.F.R. §1.821(e))に従って本明細書と同時に提出する。該テキストファイルの内容は、参照により本明細書中に組み入れられる。米国特許施行規則第1.821条(f)項(37 C.F.R. §1.821(f))に準ずる配列表の書面による写しは、ST.25準拠コンピュータ可読テキストファイルと同一内容であり、本明細書の一部として含まれ、かつ参照により本明細書中に組み入れられる。
Notchシグナル伝達経路は、分化、増殖、およびホメオスタシスなどの多数の生物学的プロセスのために広範囲の真核生物により用いられる、細胞-細胞コミュニケーションのためのシステムである。デルタ様4(Dl4)またはデルタ様リガンド4(Dll4)(本明細書中、以下「Dll4」)は、血管内皮による非常に選択的な発現を示すNotchリガンドのデルタファミリーのメンバーである(Shutter et al. (2000) Genes Develop. 14:1313-1318)。Dll4は、Notch1およびNotch4を含むNotch受容体に対するリガンドである。ヒトDll4に対するアミノ酸配列は、配列番号9に示される。Dll4-Notchシグナル伝達経路が血管新生の調節ならびにヒトの健康および医療で果たしている重要な役割を考慮すると、Dll4ベースの医薬を開発および展開することが望まれる。1つのそのようなDll4ベースの医薬は、Dll4に対して特異的な治療用抗体である。
ヒト治療薬として有用な抗体の製造方法としては、キメラ型抗体およびヒト化抗体の生成が挙げられる(例えば、米国特許第6,949,245号を参照されたい)。例えば、ヒト抗体を産生可能な非ヒトトランスジェニックマウスの作製方法を記載する、国際公開第94/02602号(Abgenix)および米国特許第6,596,541号(Regeneron Pharmaceuticals)を参照されたい。米国特許第7,488,806号、同第7,534,868号、および同第7,919,593号、ならびに米国特許出願公開第2011-0150905A1号は、ヒトDll4に対する抗体を開示する。
治療用抗体は、該抗体を患者への投与に好適にするだけでなく、保存およびそれに続く使用の間にその安定性を維持するように製剤化されなければならない。例えば、溶液中の治療用抗体は、該溶液が適切に製剤化されなければ、断片化、沈殿、凝集、および望ましくない化学的修飾を起こしやすい。液体製剤中の抗体の安定性は、製剤中で用いられる賦形剤の種類だけでなく、互いに対する賦形剤の量および割合にも依存する。さらに、液体抗体製剤を調製する場合には、安定性に加えて他の検討事項を考慮しなければならない。そのような追加の検討事項の例としては、溶液の粘度、および所与の製剤に含めることができる抗体濃度、ならびに製剤の見た目の品質および魅力が挙げられる。つまり、治療用抗体を製剤化する際には、安定なままであり、適正な濃度の抗体を含有し、かつ好適な粘度ならびに製剤を患者に対して便利に投与することを可能にする他の特性を有する製剤に到達するために、多大な注意を払わなければならない。
米国特許第6,949,245号 国際公開第94/02602号 米国特許第6,596,541号 米国特許第7,488,806号 米国特許第7,534,868号 米国特許第7,919,593号 米国特許出願公開第2011-0150905A1号
Shutter et al. (2000) Genes Develop. 14:1313-1318
Dll4に対する抗体は、適切な製剤化を必要とする治療的に重要な巨大分子の一例である。数種類の抗Dll4抗体が公知であるが、それにもかかわらず、十分に安定でありかつ患者への投与に好適な抗Dll4抗体を含む新規な医薬製剤に対する当該技術分野での必要性が残っている。
本発明は、ヒトデルタ様リガンド4(Dll4)に特異的に結合するヒト抗体を含む医薬製剤を提供することにより、上記の必要性を満たすものである。
一態様では、(i) Dll4に特異的に結合する抗体;(ii)緩衝剤;(iii)有機共溶媒;および(iv)熱安定化剤、を含む液体医薬製剤が提供される。
一実施形態では、抗体は、約20±3mg/mL〜約75±11.25mg/mLの濃度で提供される。別の実施形態では、抗体は、約25mg/mL±3.75mg/mLの濃度で提供される。別の実施形態では、抗体は、約50mg/mL±7.5mg/mLの濃度で提供される。
一実施形態では、本発明の例示的抗Dll4抗体は、配列番号2、3、4、6、7および8のそれぞれのアミノ酸配列を有するHCDR1ドメイン、HCDR2ドメイン、HCDR3ドメイン、LCDR1ドメイン、LCDR2ドメインおよびLCDR3ドメインを含む(例えば、REGN421)。一実施形態では、抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVR、および配列番号5のアミノ酸を有するLCVR内に含まれるCDR配列を含む。
一実施形態では、液体製剤のpHは、pH約5.0〜pH約6.6;pH6.0±0.5、pH6.0±0.4、pH6.0±0.3、pH6.0±0.2、pH6.0±0.1、pH6.0±0.05、pH6.0±0.01、またはpH6.0である。特定の実施形態では、液体製剤のpHは、pH約6.0±0.5である。一実施形態では、緩衝剤は、pH約5.8〜pH約8.0;またはpH約6.0〜pH約7.5の有効緩衝範囲を有する。一実施形態では、緩衝剤は、約6.0〜約7.5のpKaを有する。一実施形態では、緩衝剤は、6.0のpKaを有する。一実施形態では、緩衝剤は、6.4のpKaを有する。一実施形態では、緩衝剤は、6.5のpKaを有する。一実施形態では、緩衝剤は、7.2のpKaを有する。
一実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩(phosphate)緩衝剤である。一実施形態では、リン酸塩は、5mM±0.75mM〜50mM±7.5mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、5mM±0.75mMまたは約5mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、10mM±1.5mMまたは約10mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、15mM±2.25mMまたは約15mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、20mM±3mMまたは約20mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、25mM±3.75mMまたは約25mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、30mM±4.5mMまたは約30mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、35mM±5.25mMまたは約35mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、40mM±6mMまたは約40mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、45mM±6.75mMまたは約45mMの濃度である。一実施形態では、リン酸塩は、50mM±7.5mMまたは約50mMの濃度である。
一実施形態では、有機共溶媒は、ポリオキシエチレン部分を含む非イオン性ポリマーである。一部の実施形態では、有機共溶媒は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポロキサマー188、およびポリエチレングリコール3350のうちのいずれか1種以上である。特定の実施形態では、有機共溶媒は、ポリソルベート20である。
一実施形態では、有機共溶媒は、約0.005%±0.00075%〜約1%±0.15%「体積当たり重量」(weight to volume)または「w/v」の濃度であり、ここで例えば、0.1g/ml=10%であり、0.01g/ml=1%である。一実施形態では、有機共溶媒はポリソルベート20であり、これは0.2%±0.03% w/v、または約0.2% w/vの濃度である。別の実施形態では、有機共溶媒はポリソルベート20であり、これは0.01%±0.0015% w/vまたは約0.01% w/vの濃度である。
一実施形態では、安定化剤は、糖、塩、アミノ酸、またはそれらのいずれか1種以上の組み合わせである。一実施形態では、糖はスクロース、ソルビトール、マンニトール、グリセロールおよびトレハロースからなる群より選択され;塩は塩化ナトリウムであり;アミノ酸はグリシンである。一実施形態では、安定化剤は、スクロースと塩化ナトリウムとの組み合わせを含む。
一実施形態では、スクロースは約5%〜約40% w/vの濃度であり;塩化ナトリウムは約50mM〜約250mMである。具体的な実施形態では、製剤は、10%±1.5%、約10%、または10%スクロース;および150mM±22.5mM、約150mM、または150mM塩化ナトリウムを含む。別の実施形態では、製剤は、20%±3%、約20%、または20%スクロースを含む。
一実施形態では、製剤の粘度は、約1センチポアズ〜約5センチポアズである。一実施形態では、製剤の粘度は、1.5センチポアズ±0.23センチポアズ、約1.5センチポアズ、または1.5センチポアズである。
一実施形態では、製剤の浸透圧は、生理的範囲内に近い。一実施形態では、製剤は、約300ミリオスモル/キログラム(mOsm)〜約700mOsmの浸透圧を有する。一実施形態では、製剤の浸透圧は、650mOsm±98mOsm、約650mOsm、または650mOsmである。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、−80℃での24ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも95%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、−80℃での24ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも57%が、非塩基性形態であり、かつ非酸性形態である(すなわち、主要ピークまたは主要荷電形態または「領域2」ピーク)。一実施形態では、抗Dll4抗体は、保存前の抗体の結合活性と比較して、−80℃での24ヵ月間の保存後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、−30℃での18ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも95%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、−30℃での18ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも57%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、保存前の抗体の結合活性と比較して、−30℃での18ヵ月間の保存後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、−20℃での6ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも95%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、−20℃での6ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも60%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、保存前の抗体の結合活性と比較して、−20℃での6ヵ月間の保存後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、5℃での6ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも95%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、5℃での6ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも61%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、保存前の抗体の結合活性と比較して、5℃での6ヵ月間の保存後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、25℃での6ヵ月間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも97%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、25℃での6ヵ月間の保存後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも53%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、保存前の抗体の結合活性と比較して、25℃での6ヵ月間の保存後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、45℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも94%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、45℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも45%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、熱ストレス条件の適用前の抗体の結合活性と比較して、45℃での28日間の熱ストレス後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、37℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも96%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、37℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも51%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、熱ストレス条件の適用前の抗体の結合活性と比較して、37℃での28日間の熱ストレス後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、25℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも97%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、25℃での28日間の熱ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも57%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4抗体は、熱ストレス条件の適用前の抗体の結合活性と比較して、25℃での28日間の熱ストレス後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、120分間の撹拌ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも98%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、120分間の撹拌ストレス後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも59%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4は、撹拌ストレス条件の適用前の抗体の結合活性と比較して、120分間の撹拌ストレス後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合に、8回の凍結/融解サイクル後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも98%が、凝集しておらず、かつ分解していない。一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーにより決定される場合に、8回の凍結/融解サイクル後に液体医薬製剤から回収される抗Dll4抗体の少なくとも58%が、主要荷電形態にある。一実施形態では、抗Dll4は、凍結/融解ストレス条件の適用前の抗体の結合活性と比較して、8回の凍結/融解サイクル後に、平均で約65%〜約135%のその結合活性を維持する。
一態様では、以下の成分:(i) 20±3mg/mL〜75±11.25mg/mLの、ヒトDll4に対して特異的に結合するヒト抗体;(ii) 5mM±0.75mM〜50mM±7.5mMリン酸塩;(iii) 0.005%±0.000075%〜1%±0.15%(w/v)ポリソルベート20;(iv) 5%±0.75%〜40%±6%(w/v)スクロース;および(v) 50mM±7.5mM〜250mM±37.5mM塩化ナトリウムを、pH約5.5〜約6.5で含む、液体医薬製剤が提供される。本態様の抗Dll4抗体は、重鎖可変領域(HCVR)/軽鎖可変領域(LCVR)の組み合わせが、それぞれ配列番号2-3-4/配列番号6-7-8のアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖相補性決定領域(HCDR1-HCDR2-HCDR3/LCDR1-LCDR2-LCDR3)を含むように、重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含む。特定の実施形態では、抗Dll4抗体は、それぞれ配列番号1および配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含む(米国特許第7,488,806号、同第7,534,868号、および同第7,919,593号、ならびに米国特許出願公開第2011-0150905号の抗体REGN421)。
一実施形態では、液体製剤は、(i) 25mg/mL±3.75mg/mLの抗体REGN421;(ii) 10±1.5mMリン酸塩;(iii) 0.2%±0.03%(w/v)ポリソルベート20;(iv) 10%±1.5%(w/v)スクロース;および(v) 150mM±22.5mM塩化ナトリウムを、pH 6.0±0.5で含む。一実施形態では、45℃での28日間の製剤の熱ストレス後、94%以上の抗体がそのネイティブなコンホメーションを保持し、45%以上の抗体が主要荷電形態にあり、かつ98%以上の抗体がその結合活性を保持する。別の実施形態では、37℃での28日間の製剤の熱ストレス後、97%以上の抗体がネイティブであり、59%以上の抗体が主要荷電形態にあり、かつ約100%の抗体がその結合活性を保持する。一実施形態では、25℃での28日間の製剤の熱ストレス後、97%以上の抗体がネイティブであり、57%以上の抗体が主要荷電形態にあり、かつ約100%の抗体がその結合活性を保持する。この特定の製剤の一実施形態では、凍結とそれに続く融解の8サイクル後、98%以上の抗体がネイティブであり、59%以上の抗体が主要荷電形態にあり、かつ約100%の抗体がその結合活性を保持する。この特定の製剤の一実施形態では、120分の撹拌ストレス後、98%以上の抗体がネイティブであり、58%以上の抗体が主な荷電形態にあり、かつ少なくとも約98%の抗体がその効力を保持する。
一態様では、上記の態様のいずれかの液体医薬製剤は、容器中で提供される。一実施形態では、容器はポリカーボネートバイアルである。別の実施形態では、容器はガラスバイアルであり、これは一部の実施形態では、フッ化炭素コーティングしたブチルゴムの栓を有する1型ホウケイ酸ガラスバイアルである。また別の実施形態では、容器は静脈内点滴(IV)バッグなどのバッグであり、これは一部の実施形態では、ポリ塩化ビニルまたはポリオレフィン製である。別の実施形態では、容器はマイクロインフューザー(microinfuser)またはシリンジなどの注入デバイスである。
一態様では、(a) 25mg/mL±3.75mg/mLの抗Ang-2抗体、(b) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6±0.5、(c)0.2%±0.03%ポリソルベート20、(d) 10% w/v±1.5%スクロース、および(e) 150mM±22.5mM塩化ナトリウムを含む医薬製剤が提供され、ここで、(a)該抗体は配列番号1のHCVDおよび配列番号5のLCVDを含み、(b)該抗体は約146kDa、約147kDa、または約150kDaの分子量を有し、(c)該抗体の約82%〜約87%がフコシル化オリゴ糖鎖を含み、かつ(d)該抗体の重鎖がC末端リシンを欠失している。
一実施形態では、(a) 25mg/mL±3.75mg/mLの抗Ang-2抗体、(b) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6±0.5、(c)0.2%±0.03%ポリソルベート20、(d) 10%±1.5%スクロース、および(e) 150mM±22.5mM塩化ナトリウムからなる医薬製剤が提供され、ここで、(a)該抗体は配列番号1のHCVDおよび配列番号5のLCVDを含み、(b)該抗体は約146kDa、約147kDa、または約150kDaの分子量を有し、(c)該抗体の約82%〜約87%がフコシル化オリゴ糖鎖を含み、かつ(d)該抗体の重鎖がC末端リシンを欠失している。
一態様では、上記の態様のいずれか1つの医薬組成物と、容器と、使用説明書とを含むキットが提供される。一実施形態では、容器は予め充填されたシリンジである。一実施形態では、容器はFLUROTECコーティング4023/50ゴム栓が備え付けられたホウケイ酸バイアルである。
以下、本発明の実施形態を示す。
(1)以下の成分:(i)ヒトデルタ様リガンド4(Dll4)に特異的に結合する抗体;(ii) pH6.0±0.5の緩衝剤;(iii)有機共溶媒;および(iv) 2種類の熱安定化剤、を含む医薬製剤。
(2)前記抗体が、配列番号2のHCDR1、配列番号3のHCDR2、配列番号4のHCDR3、配列番号6のLCDR1、配列番号7のLCDR2、および配列番号8のLCDR3を含む、(1)に記載の医薬製剤。
(3)前記抗体が、配列番号1のHCVDおよび配列番号5のLCVDを含む、(1)または(2)に記載の医薬製剤。
(4)(a)前記抗体が約150kDaの分子量を有し;かつ(b)該抗体のうちの約82%〜約87%がフコシル化されている、(1)〜(3)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(5)抗体濃度が25mg/mL±3.75mg/mLである、(1)〜(4)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(6)前記緩衝剤がリン酸塩(phosphate)である、(1)〜(5)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(7)リン酸塩濃度が10mM±1.5mMである、(6)に記載の医薬製剤。
(8)前記有機共溶媒がポリソルベート20である、(1)〜(7)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(9)ポリソルベート20濃度が0.2% w/v±0.03%である、(8)に記載の医薬製剤。
(10)前記安定化剤がスクロースおよび塩化ナトリウムからなる、(1)〜(9)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(11)スクロース濃度が10%±1.5%(w/v)であり、塩化ナトリウム濃度が150mM±22.5mMである、(10)に記載の医薬製剤。
(12)25mg/mL±3.75mg/mLの抗体、10mM±1.5mMリン酸塩、pH6±0.5、0.2%w/v±0.03%ポリソルベート20、10%w/v±1.5%スクロース、および150mM±22.5mM塩化ナトリウムを含む、(1)〜(11)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(13)45℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも94%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(12)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(14)45℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも45%が主要荷電形態である、(1)〜(13)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(15)25℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも97%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(14)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(16)25℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電形態である、(1)〜(15)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(17)37℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも97%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(16)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(18)37℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも51%が該抗体の主要荷電形態である、(1)〜(17)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(19)5℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも98%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(18)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(20)5℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも61%が該抗体の主要荷電形態である、(1)〜(19)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(21)5℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の少なくとも100%である、(1)〜(20)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(22)−80℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも99%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(21)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(23)−80℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電形態である、(1)〜(22)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(24)−80℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の少なくとも100%である、(1)〜(23)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(25)−30℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも99%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(24)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(26)−30℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電変種である、(1)〜(25)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(27)−30℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の少なくとも65%である、(1)〜(26)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(28)−20℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも98%がネイティブなコンホメーションを有する、(1)〜(27)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(29)−20℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも60%が該抗体の主要荷電変種である、(1)〜(28)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(30)−20℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の少なくとも100%である、(1)〜(29)のいずれか1に記載の医薬製剤。
(31)以下の成分:(a) 25mg/mL±3.75mg/mLの抗Dll4抗体、(b) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6±0.3、(c) 0.2%±0.03%ポリソルベート20、(d) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム、および(d) 10%±1.5%スクロースを含む医薬製剤であって、(a)該抗体が、配列番号1のHCVDおよび配列番号5のLCVDを含み;(b)該抗体が、約150kDaの分子量を有し;かつ(c)該抗体のうちの約82%〜約87%がフコシル化されている、上記医薬製剤。
(32)水中の以下の成分:(a) 25mg/mL±3.75mg/mLの前記抗体、(b) 10mM±3mMリン酸塩、pH6±0.5、(c) 0.2%±0.03%ポリソルベート20、(d) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム、および(e) 10%±1.5%スクロースからなる、(31)に記載の医薬製剤。
(33)容器に入れられている、(1)〜(32)のいずれか1に記載の医薬組成物。
(34)前記容器がバイアルである、(33)に記載の医薬組成物。
(35)前記バイアルがガラスである、(34)に記載の医薬組成物。
(36)前記容器がIV点滴バッグである、(33)に記載の医薬組成物。
(37)前記バッグがポリ塩化ビニル製である、(36)に記載の医薬組成物。
(38)前記バッグがポリオレフィン製である、(36)に記載の医薬組成物。
(39)(1)〜(32)のいずれか1に記載の医薬組成物と、容器と、使用説明書とを含むキット。
(40)前記容器が、FLUROTECコーティング4023/50ゴム栓が備え付けられたガラスバイアルである、(39)に記載のキット。
本発明の他の実施形態は、以下の詳細な説明の検討から明らかになるであろう。
本発明を説明する前に、記載される方法および条件は変わり得るので、本発明は、記載される特定の方法および実験条件に限定されないことを理解するべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書中で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、限定的であることを意図するものでないことも、理解するべきである。
特に定義しない限り、本明細書中で用いられるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中で用いる場合、「約」との用語は、特定の列挙された数値または値の範囲への言及で用いられる場合、値が、列挙された値から5%以下まで変化し得ることを意味する。例えば、本明細書中で用いる場合、「約100」との表現は、95および105ならびにその間のすべての値(例えば、95.00、95.01、95.02、95.03、95.04、...、104.96、104.97、104.98、104.99、105.00)を含む。
本明細書中に記載されたものと同様または同等のいかなる方法および材料も、本発明の実施および試験で用いることができるが、好ましい方法および材料をここで説明する。
医薬製剤
本明細書中で用いる場合、「医薬製剤」との表現は、少なくとも1種の活性成分(例えば、ヒトまたは非ヒト動物で生物学的作用を発揮することが可能な小分子、高分子、化合物等)と、活性成分または1種以上の追加の不活性成分と組み合わされた場合にヒトまたは非ヒト動物への治療的投与に好適である少なくとも1種の不活性成分との組み合わせを意味する。本明細書中で用いる場合、「製剤」との用語は、特に具体的に示されない限り、「医薬製剤」を意味する。本発明は、少なくとも1種の治療用ポリペプチドを含む医薬製剤を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、治療用ポリペプチドは、ヒトデルタ様リガンド4(Dll4)タンパク質に特異的に結合する抗体、またはその抗原結合性断片である。より具体的には、本発明は、(i)ヒトDll4に特異的に結合するヒト抗体;(ii)リン酸塩(phophate)緩衝剤;(ii)非イオン性界面活性剤である有機共溶媒;および(iv)炭水化物もしくは無機塩、または炭水化物と無機塩との組み合わせである安定化剤、を含む医薬製剤を包含する。本発明に含まれる具体的な成分および製剤の例は、以下に詳細に記載される。
Dll4に特異的に結合する抗体
本発明の医薬製剤は、ヒトDll4に特異的に結合するヒト抗体、またはその抗原結合性断片を含むことができる。本明細書中で用いる場合、「Dll4」との用語は、ヒトデルタ様リガンド4を意味し、これはNotchの血管特異的リガンドである。Dll4-Notchシグナル伝達経路は、血管分枝をブロックし、かつ血管成熟を促すことにより、血管新生を調節すると一般的に理解されている(Dll4 as a negative regulator of branching;Sainsin and Harris, Trends in Molecular Medicine, Vol. 13(9):389-395, Sep. 2007.での総説)。Dll4-Notch経路をアンタゴナイズする物質は、「過剰であるが非機能的な血管新生を引き起こす」(triggering excessive but nonfunctional angiogenesis)ことにより、腫瘍増殖の速度を阻害することが示されている(Sainsin、389を参照されたい)。Dll4はVEGFによりアップレギュレーションされ、機能的新生血管の組織的発達を促進すると考えられる。例示的なヒトDll4アミノ酸配列を、配列番号9に記載する。ヒトDll4に対する抗体は、米国特許第7,488,806号、同第7,534,868号、および同第7,919,593号に記載されている。
本明細書中で用いる場合、「抗体」との用語は、一般的に、ジスルフィド結合により互いに連結された2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖である4本のポリペプチド鎖を含む免疫グロブリン分子ならびにその多量体(例えば、IgM)を意味することが意図されるが;しかしながら、重鎖のみからなる(すなわち、軽鎖を欠失した)免疫グロブリン分子もまた用語「抗体」の定義に包含される。それぞれの重鎖が、重鎖可変領域(本明細書中ではHCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2およびCH3の3つのドメインを含む。それぞれの軽鎖が、軽鎖可変領域(本明細書中ではLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられたより保存された領域とそれが散在する、相補性決定領域(CDR)と名付けられた超可変性の領域とにさらに分けることができる。VHおよびVLはそれぞれ、3個のCDRおよび4個のFRから構成され、それらは以下の順番でアミノ末端からカルボキシ末端へと並ぶ:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
特に具体的に示さない限り、本明細書中で用いる場合、「抗体」との用語は、完全な抗体分子ならびにその抗原結合性断片を包含するものと理解されるべきである。抗体の「抗原結合性部分」または「抗原結合性断片」(または単純に「抗体部分」または「抗体断片」)との用語は、本明細書中で用いられる場合、ヒトDll4またはそのエピトープに特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片を意味する。
本明細書中で用いる場合、「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を意味することが意図され(例えば、ヒトDll4に特異的に結合する単離された抗体は、ヒトDll4以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)、一方でDll4に特異的に結合し、他方で別のエピトープに特異的に結合する二重特異的(または多重特異的)抗体の注目すべき例外を含む。さらに、単離された抗体は、他の細胞性物質または化学物質を実質的に含まないことができる。
「特異的に結合する」等の用語は、抗体またはその抗原結合性断片が、生理的条件下で比較的安定な抗原との複合体を形成することを意味する。特異的な結合は、少なくとも約1×10-6M以上の解離定数により特徴付けることができる。2つの分子が特異的に結合するか否かを決定するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴等が挙げられる。ヒトDll4に特異的に結合する単離された抗体は、しかしながら、他の生物種由来のDll4分子(オルソログ)などの他の抗原に対する交差反応性を有する場合がある。本発明の文脈では、ヒトDll4ならびに1種以上の追加の抗原に結合する多重特異的(例えば、二重特異的)抗体は、ヒトDll4に「特異的に結合する」とみなされる。
本発明の医薬製剤に含めることができる例示的な抗ヒトDll4抗体は、米国特許第7,488,806号、同第7,534,868号、同第7,919,593号、および米国特許出願公開第2011-0150905号に説明されている。
本発明の特定の実施形態によれば、抗ヒトDll4抗体は、IGHV3-33.01サブタイプの重鎖可変領域およびIGKV3-11.01サブタイプの軽鎖可変領域を含むヒトIgG1である(Barbie and Lefranc, The Human Immunoglobulin Kappa Variable (IGKV) Genes and Joining (IGKJ) Segments, Exp. Clin. Immunogenet. 1998; 15:171-183;およびScaviner, D. et al., Protein Displays of the Human Immunoglobulin Heavy, Kappa and Lambda Variable and Joining Regions, Exp. Clin. Immunogenet., 1999; 16:234-240)。生殖系IGHV3-33およびIGKV3-11配列、ならびに本明細書中で提示されるアミノ酸位置割り当て番号は、Lefranc, M.-P., et al., IMGT(登録商標), the international ImMunoGeneTics information system(登録商標), Nucl. Acids Res, 37, D1006-D1012 (2009)に記載される通り、国際免疫遺伝学(IMGT)情報システムに適合する。
一部の実施形態では、抗ヒトDll4抗体は、カノニカルな重鎖可変領域と比較して1箇所以上のフレームワーク領域での1箇所以上のアミノ酸置換を含み、このことは、抗体の露出した表面にわたる変化した荷電分布をもたらし、したがって、周囲の溶媒および賦形剤とのその相互作用に影響することが、合理的に予測される。一部の実施形態では、アミノ酸置換は、それぞれ、IGHV3-33のIMGT位置54、86、および90で、セリンでのアラニンの置換、メチオニンでのトレオニンの置換、および/またはグルタミン酸でのグルタミンの置換を含む。
一部の実施形態では、抗ヒトDll4抗体は、カノニカルな軽鎖可変領域と比較して1箇所以上のCDRでの1箇所以上のアミノ酸置換を含み、このことは、抗体の露出した表面にわたる変化した荷電分布をもたらし、したがって、溶媒環境とのその相互作用に影響することが、合理的に予測される。一部の実施形態では、アミノ酸置換は、IGKV3-11のIMGT位置106で、ヒスチジンでのグルタミンの置換を含む。
本発明の特定の実施形態によれば、抗ヒトDll4抗体、またはその抗原結合性断片は、配列番号2の重鎖相補性決定領域(HCDR)1、配列番号3のHCDR2、および配列番号4のHCDR3を含む。特定の実施形態では、抗ヒトDll4抗体、またはその抗原結合性断片は、配列番号1のHCVDを含む。
本発明の特定の実施形態によれば、抗ヒトDll4、またはその抗原結合性断片は、配列番号6の軽(κ)鎖相補性決定領域(LCDR)1、配列番号7のLCDR2、および配列番号8のLCDR3を含む。特定の実施形態では、抗ヒトDll4抗体、またはその抗原結合性断片は、配列番号5のLCVDを含む。
本明細書中の実施例で用いられる非限定的な抗体の例は、米国特許第7,488,806号、同第7,534,868号、同第7,919,593号、および米国特許出願公開第2011-0150905号の中と同様に、REGN421と称される。この抗体は、配列番号1/5を有するHCVR/LCVRアミノ酸配列ペア、および配列番号2-3-4/配列番号6-7-8により表わされるHCDR1-HCDR2-HCDR3/LCDR1-LCDR2-LCDR3ドメインを含む。
本発明の医薬製剤に含められる抗体、またはその抗原結合性断片の量は、製剤の所望とされる具体的な特性、ならびに製剤が用いられることが意図される特定の状況および目的に応じて変わり得る。特定の実施形態では、医薬製剤は、ヒトDll4に特異的に結合する、20mg/mL±3mg/mL〜75mg/mL±11.25mg/mLの抗体;25±3.75mg/mL〜70±10.5mg/mLの抗体;30±4.5mg/mL〜65±9.75mg/mLの抗体;35±5.25mg/mL〜60±9mg/mLの抗体;40±6mg/mL〜55±8.25mg/mLの抗体;45±6.75mg/mL〜50±7.5mg/mLの抗体;25mg/mL±3.75mg/mL;約25mg/mL;25mg/mL;50mg/mL±7.5mg/mL;約50mg/mL;または50mg/mLの抗体もしくはその抗原結合性断片を含有し得る液体製剤である。
賦形剤およびpH
本発明の医薬製剤は、1種以上の賦形剤を含む。本明細書中で用いる場合、「賦形剤」との用語は、所望の稠度、粘度または安定化作用を提供するために製剤に添加されるいずれかの非治療的物質を意味する。
特定の実施形態では、本発明の医薬製剤は、手荒な取扱いまたは撹拌(例えば、ボルテックスなど)の条件下でヒトDll4抗体を安定化する種類および量で、少なくとも1種の有機共溶媒を含む。一部の実施形態では、「安定化する」により意味されるものは、約60分間または約120分間、抗体-有機共溶媒溶液をボルテックスにかけることによるなどの、手荒な取扱いの過程にわたって、抗体のそのネイティブ状態(すなわち、断片化または凝集していない)でのDll4抗体の少なくとも95%(モル濃度基準)の維持を意味する。
特定の実施形態では、有機共溶媒は、非イオン性界面活性剤(アルキルポリ(エチレンオキシド)など)である。本発明の製剤に含めることができる具体的な非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、およびポリソルベート85などのポリソルベート;ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー407などのポロキサマー;またはポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。ポリソルベート20は、TWEEN 20、ソルビタンモノラウレートおよびポリエキシエチレンソルビタンモノラウレートとしても知られる。ポロキサマー188は、PLURONIC F68としても知られる。
本発明の医薬製剤に含められる非イオン性界面活性剤の量は、製剤の所望とされる具体的な特性、ならびに製剤が意図される特定の状況および目的に応じて変わり得る。特定の実施形態では、製剤は、0.01%±0.0015%〜1%±0.15%の界面活性剤を含有することができる。例えば、本発明の製剤は、約0.0085%;約0.01%;約0.02%;約0.03%;約0.04%;約0.05%;約0.06%;約0.07%;約0.08%;約0.09%;約0.1%;約0.11%;約0.12%;約0.13%;約0.14%;約0.15%;約0.16%;約0.17%;約0.18%;約0.19%;約0.20%;約0.21%;約0.22%;約0.23%;約0.24%;約0.25%;約0.3%;約0.4%;約0.5%;約0.6%;約0.7%;約0.8%;約0.9%;約1%;約1.1%;約1.15%;または約1.2%のポリソルベート20またはポロキサマー188を含むことができる。
本発明の医薬製剤はまた、熱ストレスの条件下でヒトDll4抗体を安定化する種類および量で、1種以上の安定化剤も含むことができる。一部の実施形態では、「安定化する」により意味されるものは、抗体および熱安定化剤を含有する溶液を最大約28日間まで約45℃で保持した場合に、ネイティブなコンホメーションで抗体の約94%超を維持することである。一部の実施形態では、「安定化する」により意味されるものは、抗体および熱安定化剤を含有する溶液を最大約28日間まで約37℃で保持した場合に、ネイティブなコンホメーションで抗体の約96%超を維持することである。本明細書中で用いられる場合、「ネイティブ」とは、サイズ排除による抗体の主要な形態を意味し、これは一般的には抗体のインタクトなモノマーである。
特定の実施形態では、熱安定化剤は、スクロース、ソルビトール、グリセロール、トレハロースおよびマンニトールから選択される糖もしくは糖アルコール、またはそれらのいずれかの組み合わせであり、製剤中に含められるその量は、製剤が用いられる具体的な状況および意図される目的に応じて変わり得る。特定の実施形態では、製剤は、約5%〜約40%の糖または糖アルコール;約1%〜約20%の糖または糖アルコール;約5%〜約15%の糖または糖アルコール;約7.5%〜約12.5%の糖または糖アルコール;約10%の糖または糖アルコール;10%±1.5%の糖または糖アルコール;または10%の糖または糖アルコールを含有することができる。例えば、本発明の医薬製剤は、4%±0.6%;5%±0.75%;6%±0.9%;7%±1.05%;8%±1.2%;9%±1.35%;10%±1.5%;11%±1.65%;12%±1.8%;13%±1.95%;または約14%±2.1%の糖または糖アルコール(例えば、スクロース、トレハロースまたはマンニトール)を含むことができる。
本発明の医薬製剤はまた、安定なpHを維持しかつヒトDll4抗体の安定化を助けるために機能する緩衝剤または緩衝系も含むことができる。一部の実施形態では、「安定化する」により意味されるものは、抗体および緩衝剤を含有する溶液を最大約28日間まで約45℃で保持した場合に、少なくとも94%の抗体がサイズ排除クロマトグラフィーにより決定されるそのネイティブなコンホメーションにあることである。「ネイティブ」または「ネイティブなコンホメーション」により意味されるものは、凝集も分解もしていない抗体画分である。これは一般的に、サイズ排除クロマトグラフィーアッセイなどの、実体としての抗体の相対サイズを測定するアッセイにより決定することができる。非凝集かつ非分解抗体は、ネイティブ抗体と同じでありかつ一般的に主な溶出画分である画分で溶出される。凝集した抗体は、ネイティブな抗体よりも大きなサイズを示す画分で溶出される。断片化した抗体は、ネイティブな抗体よりも小さなサイズを示す画分で溶出される。
一部の実施形態では、「安定化する」により意味されるものは、抗体および緩衝剤を含有する溶液を最大約28日間まで約45℃で保持した場合に、少なくとも45%の抗体がカチオン交換クロマトグラフィーにより決定されるその主要荷電形態にあることである。「主な荷電」または「主要荷電形態」により意味されるものは、主要なピークでイオン交換樹脂から溶出される抗体の画分を意味し、主要なピークは一般的に、一方の側でより「塩基性」のピークと、他方の側でより「酸性」のピークとにはさまれる。
本発明の医薬製剤は、約5.5〜約6.5のpHを有することができる。例えば、本発明の製剤は、約5.5;約5.6;約5.7;約5.8;約5.9;約6.0;約6.1;約6.2;約6.3;約6.4;または約6.5のpHを有することができる。一部の実施形態では、pHは、6.0±0.5;6.0±0.4;6.0±0.3;6.0±0.2;6.0±0.1;約6.0;または6.0である。
一部の実施形態では、緩衝剤または緩衝系は、pH5.5〜7.4の範囲に完全または部分的に重複する緩衝範囲を有する少なくとも1種の緩衝剤(例えば、pH4.8〜pH8.8の有用な緩衝範囲を有する緩衝剤など)を含む。一実施形態では、緩衝剤は、約7.21のpKaを有する。特定の実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩緩衝剤を含む。特定の実施形態では、リン酸塩は、5mM±0.75mM〜15mM±2.25mM;6mM±0.9mM〜14mM±2.1mM;7mM±1.05mM〜13mM±1.95mM;8mM±1.2mM〜12mM±1.8mM;9mM±1.35mM〜11mM±1.65mM;10mM±1.5mM;または約10mMの濃度で存在する。特定の実施形態では、緩衝系は、6.0±0.5のpHにて、10mM±1.5mMでリン酸塩を含む。
例示的製剤
本発明の一態様によれば、液体医薬製剤は、低粘度(すなわち、10センチポアズ未満、または約1.5センチポアズ)を有し、600〜700mOsm、または約650mOsmの浸透圧を有し;(i) 25mg/mL±3.75mg/mL、または50mg/mL±7.5mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合するヒト抗体(例えば、REGN421);(ii)pH約6.0±0.5で緩衝する緩衝系;(iii)糖および塩を含む熱安定化剤;ならびに(iv)有機共溶媒を含む。
一実施形態によれば、医薬製剤は、(i) 20±3mg/mL〜60±9mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合し、置換されたIGHV3-33型重鎖可変領域および置換されたIGKV3-11型軽鎖可変領域を含む、ヒトIgG1抗体;(ii) pH6.0±0.5で緩衝するリン酸塩緩衝剤;(iii)スクロースおよび塩化ナトリウム;ならびに(iv)ポリソルベートなどの非イオン性界面活性剤を含む。
一実施形態によれば、医薬製剤は、(i) 25mg/mL±3.75mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合し、配列番号2のHCDR1、配列番号3のHCDR2、配列番号4のHCDR3、配列番号6のLCDR1、配列番号7のLCDR2、および配列番号8のLCDR3を含む、ヒトIgG1抗体;(ii) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6.0±0.5;(iii) 10%±1.5%スクロース;(iv) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム;ならびに(v) 0.2%±0.03%ポリソルベート20を含む。
一実施形態によれば、医薬製剤は、(i) 50mg/mL±7.5mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合し、配列番号2のHCDR1、配列番号3のHCDR2、配列番号4のHCDR3、配列番号6のLCDR1、配列番号7のLCDR2、および配列番号8のLCDR3を含む、ヒトIgG1抗体;(ii) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6.0±0.5;(iii) 10%±1.5%スクロース;(iv) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム;ならびに(v) 0.2%±0.03%のポリソルベート20を含む。
一実施形態によれば、医薬製剤は、(i) 25mg/mL±3.75mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域、および配列番号5の軽鎖可変領域を含む、ヒトIgG1抗体;(ii) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6.0±0.5;(iii) 10%±1.5%スクロース;(iv) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム;ならびに(iv) 0.2%±0.03%のポリソルベート20を含む。
一実施形態によれば、医薬製剤は、(i) 50mg/mL±7.5mg/mLの、ヒトDll4に特異的に結合し、配列番号1の重鎖可変領域、および配列番号5の軽鎖可変領域を含む、ヒトIgG1抗体;(ii) 10mM±1.5mMリン酸塩、pH6.0±0.5;(iii) 10%±1.5%スクロース;(iv) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム;ならびに(v) 0.2%±0.03%のポリソルベート20を含む。
本発明により包含される医薬製剤の追加の非限定例は、下記に提示される実施例をはじめとして、本明細書中のいずれかの箇所で説明される。
医薬製剤の安定性および粘度
本発明の医薬製剤は、典型的に、高レベルの安定性を示す。医薬製剤に関して本明細書中で用いる場合、「安定な」との用語は、医薬製剤中の抗体が、所定の条件下での保存後に、許容できる程度の化学的構造または生物学的機能を保持することを意味する。製剤は、その中に含まれる抗体が所定の時間の保存後に100%のその化学的構造または生物学的機能を維持していなくとも、安定であり得る。特定の状況下では、所定の時間の保存後に抗体の構造または機能のうちの少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%または99%の維持を、「安定である」とみなすことができる。
安定性は、とりわけ、所定の温度での所定の時間の保存後に、製剤中に保持されるネイティブな抗体の割合(%)を決定することにより、測定することができる。ネイティブな抗体の割合(%)は、とりわけ、ネイティブが非凝集および非断片化を意味するように、サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー[SE-HPLC])により測定することができる。「許容できる程度の安定性」とは、この語句が本明細書中で用いられる場合、抗体のネイティブ形態のうちの少なくとも90%を、所与の温度での所定の時間の保存後に製剤中で検出することができることを意味する。特定の実施形態では、抗体のネイティブ形態のうちの少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%を、所定の温度での所定の時間の保存後に製剤中で検出することができる。その後に安定性が測定される所定の時間は、少なくとも14日間、少なくとも28日間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも12ヵ月間、少なくとも18ヵ月間、少なくとも24ヵ月間、またはそれ以上であり得る。安定性を評価する際に医薬製剤を保存することができる所定の温度は、約−80℃〜約45℃のいずれかの温度であり得、例えば、約−80℃、約−30℃、約−20℃、約0℃、約4℃〜8℃、約5℃での保存である。熱ストレスを、安定性を評価するために医薬製剤に適用することができる。熱ストレスとしては、例えば、約25℃、約35℃、約37℃、もしくは約45℃で約14日間または約28日間、製剤を保持することが挙げられる。
例えば、5℃での6ヵ月間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%または99.5%がネイティブである(すなわち、ネイティブピーク画分にある)場合、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。25℃での6ヵ月間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。37℃での28日間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%または99.5%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。45℃での28日間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも94%、95%、96%、97%、98%または99%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。−20℃での6ヵ月間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも98.5%、99%または99.5%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。−30℃での18ヵ月間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも99%または99.5%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。−80℃での6ヵ月間の保存後に、SE-HPLCにより検出される抗体のうちの少なくとも99%または99.5%がネイティブである場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。
安定性は、とりわけ、合計の併せたピーク面積と比較して、イオン交換の間に抗体の主要画分に移動する抗体(「主要荷電形態」)の割合(%)を決定することにより測定することができ、この場合、安定性は、主要荷電形態にある抗体の割合に比例する。理論に拘束されることを望むものではないが、抗体の脱アミド化が、脱アミド化されていない抗体と比較して、抗体をより負に荷電されるようにし、したがって酸性になるようにしている可能性がある(例えば、Robinson, N., Protein Deamidation, PNAS, April 16, 2002, 99(8):5283-5288を参照されたい)。「許容できる程度の安定性」とは、この語句が本明細書中で用いられる場合、少なくとも53%の抗体が、所定の温度での所定の時間の保存後に製剤中で検出される主要荷電形態にあることを意味する。特定の実施形態では、許容できる程度の安定性は、少なくとも53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%の抗体が、所与の温度での所定の時間の保存後、または熱ストレス、凍結/融解ストレス、もしくは撹拌ストレス下で、主要荷電形態で検出できることを意味する。その後に安定性が測定される所定の時間は、少なくとも2週間、少なくとも28日間、少なくとも1ヵ月間、少なくとも2ヵ月間、少なくとも3ヵ月間、少なくとも4ヵ月間、少なくとも5ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも7ヵ月間、少なくとも8ヵ月間、少なくとも9ヵ月間、少なくとも10ヵ月間、少なくとも11ヵ月間、少なくとも12ヵ月間、少なくとも18ヵ月間、少なくとも24ヵ月間、またはそれ以上であり得る。安定性を評価する際に医薬製剤を保存することができる温度は、約−80℃〜約45℃のいずれかの温度であり得、例えば、約−80℃、約−30℃、約−20℃、約0℃、約4℃〜8℃、約5℃、約25℃、約37℃、または約45℃での保存である。例えば、−80℃、−30℃もしくは−20℃での3ヵ月間の保存後に、約57%、58%、59%、60%、または61%以上の抗体が主要荷電形態にある場合に、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。5℃での6ヵ月間の保存後に、約59%、59.1%、59.2%、59.3%、59.4%、59.5%、59.6%、59.7%、59.8%、59.9%、60%、60.1%、60.2%、60.3%、60.4%、60.5%、60.6%、60.7%、60.8%、60.9%、61%、または61.1%以上の抗体が主要荷電形態にある場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。25℃での6ヵ月間の保存後に、約53%以上の抗体が主要荷電形態にある場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。37℃での28日間の保存後に、約50%、50.5%、51%、または51.5%以上の抗体が主要荷電形態にある場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。45℃での28日間の保存後に、約45%、45.1%、45.2%、45.3%、45.4%、45.5%、45.6%、45.7%、45.8%、45.9%、または50%以上の抗体が主要荷電形態で検出できる場合にも、医薬製剤は安定であるとみなすことができる。
その標的に対する抗体の結合親和性を測定することも、安定性を評価するために用いることができる。例えば、所定の時間(例えば、14日間〜24ヵ月間)にわたる、例えば、−80℃、−30℃、−20℃、5℃、25℃、37℃、45℃等での保存後に、該保存前の抗体の、結合親和性として測定した場合の効力のうちの少なくとも50%かつ最大で約150%を、製剤中に含有される抗Dll4抗体が維持する場合に、本発明の製剤は安定であると考えることができる。結合親和性は、例えば、ELISAまたはプラズモン共鳴により測定することができる。生物学的活性は、Dll4を発現する細胞と抗Dll4抗体を含む製剤とを接触させることによるなどの、Dll4活性アッセイにより測定することができる。そのような細胞に対する抗体の結合性は、FACS解析を用いるなどして、直接的に測定することができる。あるいは、抗体の存在下でDll4/Notchシグナル伝達経路の下流活性を測定し、抗体の非存在下でのDll4/Notchシグナル伝達経路の活性と比較することができる。一部の実施形態では、Dll4は、細胞に対して内因性であり得る。他の実施形態では、Dll4は、細胞中で異所性に(外因性に)発現される場合がある。
製剤中の抗体の安定性を評価するための追加の方法は、下記に示される実施例で明示される。
容器および投与方法
本発明の医薬製剤は、医薬品および他の治療用組成物の保存または投与に好適ないずれかの容器に入れることができる。例えば、医薬製剤は、バイアル、アンプル、シリンジ、カートリッジ、瓶、またはIVバッグなどの、所定の容量を有する密閉無菌プラスチックまたはガラス容器に入れることができる。様々なタイプのバイアルを、本発明の製剤を入れるために用いることができ、そのようなものとしては、例えば、透明および不透明(例えば、琥珀色)のガラスまたはプラスチックバイアルが挙げられる。同様に、いずれかのタイプのシリンジを、本発明の医薬製剤を入れるかまたは投与するために用いることができる。
本発明の医薬製剤は、「標準タングステン」シリンジまたは「低タングステン」シリンジに入れることができる。当業者には明らかであろう通り、ガラスシリンジの製造プロセスは、一般的に、ガラスに穿孔して、それによりそれを介してシリンジから液体を吸い出しかつ取り出すことができる穴をつくり出すために機能する高温タングステン棒の使用を含む。このプロセスは、シリンジの内表面に対する微量のタングステンの沈着をもたらす。続く洗浄ステップおよび他の加工ステップを用いて、シリンジ中のタングステン量を減少させることができる。本明細書中で用いる場合、「標準タングステン」との用語は、シリンジが500ppb(parts per billion)以上のタングステンを含有することを意味する。「低タングステン」との用語は、シリンジが500ppb未満のタングステンを含有することを意味する。例えば、本発明によれば、低タングステンシリンジは、約490、480、470、460、450、440、430、420、410、390、350、300、250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10ppb未満またはそれより少ないタングステンを含有することができる。
シリンジで用いられるゴム製プランジャ、およびバイアルの開口部を塞ぐために用いられるゴム栓は、シリンジもしくはバイアルの医薬品内容物の汚染を防ぐために、またはその安定性を保つために、コーティングされることができる。つまり、本発明の医薬製剤は、特定の実施形態によれば、コーティングされたプランジャを含むシリンジ内に、またはコーティングされたゴム栓を用いて密閉されているバイアル内に入れることができる。例えば、プランジャまたは栓は、フッ化炭素フィルムでコーティングすることができる。本発明の医薬製剤が入ったバイアルおよびシリンジとの使用のために好適なコーティングされた栓またはプランジャの例は、例えば、米国特許第4,997,423号;同第5,908,686号;同第6,286,699号;同第6,645,635号;および同第7,226,554号に言及されている。本発明の文脈で用いることができる特定のコーティングされたゴム栓およびプランジャの例は、商品名「FluroTec(登録商標)」の下に、West Pharmaceutical Services社(Lionville, PA)から市販されている。FluroTec(登録商標)は、薬物製品がゴム表面に付着するのを最小化または防止するために用いられるフッ化炭素コーティングの一例である。
本発明の特定の実施形態によれば、医薬製剤は、フッ化炭素コーティングされたプランジャを含む低タングステンシリンジに入れることができる。
医薬製剤は、注射(注入)(例えば、皮下、静脈内、筋内、腹腔内等)または経皮投与、粘膜投与、鼻内投与、肺内投与または口腔内投与などの非経口経路により患者に投与することができる。多数の再利用可能なペンまたは自己注射器送達デバイスを、本発明の医薬製剤を皮下的に送達するために用いることができる。例としては、限定するものではないが、AUTOPENTM(Owen Mumford, Inc., Woodstock, UK)、DISETRONICTMペン(Disetronic Medical Systems, Bergdorf, Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25TMペン、HUMALOGTMペン、HUMALIN 70/30TMペン(Eli Lilly and Co., Indianapolis, IN)、NOVOPENTM I、IIおよびIII(Novo Nordisk, Copenhagen, Denmark)、NOVOPEN JUNIORTM(Novo Nordisk, Copenhagen, Denmark)、BDTMペン(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)、OPTIPENTM、OPTIPEN PROTM、OPTIPEN STARLETTM、ならびにOPTICLIKTM(sanofi-aventis, Frankfurt, Germany)が挙げられる。本発明の医薬組成物の皮下送達での用途を有するディスポーザブルのペンまたは自己注射器送達デバイスの例としては、限定するものではないが、SOLOSTARTMペン(sanofi-aventis)、FLEXPENTM(Novo Nordisk)、およびKWIKPENTM(Eli Lilly)、SURECLICKTM Autoinjector(Amgen, Thousand Oaks, CA)、PENLETTM(Haselmeier, Stuttgart, Germany)、EPIPEN(Dey, L.P.)、ならびにHUMIRATMペン(Abbott Labs, Abbott Park, IL)が挙げられる。
本発明の医薬製剤を送達するためのマイクロインフューザーの使用もまた、本明細書中で考慮される。本明細書中で用いる場合、「マイクロインフューザー」との用語は、長時間(例えば、約10、15、20、25、30分以上)にわたって多量(例えば、最大約2.5mLまたはそれ以上)の治療用製剤をゆっくりと投与するために設計された皮下送達デバイスを意味する。例えば、米国特許第6,629,949号;同第6,659,982号;およびMeehan et al., J. Controlled Release 46:107-116 (1996)を参照されたい。マイクロインフューザーは、高濃度(例えば、約100、125、150、175、200mg/mL以上)または粘性溶液中に含まれる治療用タンパク質の大量投与量の送達に特に有用である。
一実施形態では、医薬製剤は、該製剤が生理学的に許容される溶液が入ったIVバッグ中で希釈されるように、IV点滴を介して投与される。一実施形態では、医薬組成物は、薬物製品の単回用量が100mL、250mL(または静脈内点滴送達に好適な他の同様の量)の生理学的緩衝液(例えば、0.9%生理食塩液)中に希釈されるように、静脈内輸液バッグ中の混ぜ合わされた無菌調製物である。一部の実施形態では、輸液バッグはポリ塩化ビニル製である(例えば、VIAFLEX, Baxter, Deerfield, Illinois)。一部の実施形態では、輸液バッグはポリオレフィン製である(EXCEL IVバッグ, Braun Medical Inc., Bethlehem, Pennsylvania)。
医薬製剤の治療的使用
本発明の医薬製剤は、とりわけ、Dll4またはNotchシグナル伝達経路により媒介される疾患または障害をはじめとする、Dll4活性と関連するいずれかの疾患または障害の治療、予防または改善のために有用である。本発明の医薬製剤の投与により治療または予防することができる非限定的な疾患および障害の例としては、それにより新しい血管が形成される生物学的プロセスである血管新生を含む種々の疾患が挙げられる。異常な血管新生は、例えば、増殖性網膜症、関節リウマチおよび乾癬をはじめとする数種類の疾患状態と関連する。さらに、血管新生が腫瘍増殖および維持のために重要であることは、十分に確立されている。
以下の実施例は、本発明の方法および組成物をどのように製造および使用するかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために提示され、本発明者らが自身の発明であるとみなすものの範囲を限定することを意図しない。用いられる数値(例えば、量、温度など)に関する正確さを確保するための努力がなされてきたが、幾分かの実験的誤差および偏差は説明されるべきである。特に示さない限り、部はモルによる部(parts by mole)であり、分子量は平均分子量であり、パーセント濃度(%)は溶質の質量(グラム)を溶液の体積(ミリリットル)で除算して100%を倍したものを意味し(例えば、10%スクロースは1ミリリットルの溶液当たり0.1グラムのスクロースを意味する)、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧であるかまたは大気圧に近い。
当初の製剤開発活動は、静脈内および皮下注射(注入)のために近生理的浸透圧および低粘度を維持しながら、タンパク質と適合し、かつその安定性を高める賦形剤を特定するための、抗Dll4抗体の液体製剤および凍結乾燥製剤中の有機共溶媒、熱安定化剤、および緩衝剤のスクリーニングを含んだ。最大のタンパク質安定性のための至適pHを決定するために、緩衝条件もまた検討された。
実施例1:例示的抗Dll4製剤
製剤開発活動は、タンパク質の安定性を高める賦形剤を特定するための、抗Dll4抗体の液体製剤中の緩衝剤、有機共溶媒、および熱安定化剤のスクリーニングを含んだ。最大のタンパク質安定性のための至適pHを決定するために、緩衝条件も検討された。これらの研究から生成された結果を、臨床的使用に好適な、安定な液体製剤を開発するために用いた。抗Dll4(例えば、REGN421)を、25±3.75mg/mLまたは50±7.5mg/mLで製剤化した。一実施形態では、抗Dll4抗体を、10±1.5mMリン酸塩(pH6.0±0.5)、0.2%±0.03%ポリソルベート20、10%±1.5%スクロース、および150mM±22.5mM塩化ナトリウム中で製剤化する。リン酸二水素塩(monobasic phosphate)とリン酸水素塩(dibasic phosphate)との組み合わせであるリン酸塩緩衝剤を、抗Dll4安定性および低い凝集率に対する至適pHでのその緩衝能のために選択した。抗Dll4抗体REGN421は、pH6.0での最適な安定性ならびに最も低い凝集率および荷電変種(charge variant)の形成率を有することが観察された。ポリソルベート20は、撹拌安定化剤として選択され、抗体が撹拌された際、そして別の方法で取り扱われた際に、凝集率および沈殿率を低下させた。溶液中での抗体の凝集率を低下させることが観察されたスクロースは、熱安定化剤の成分として選択された。溶液中での抗体の荷電分子種の形成を低減することが観察された塩化ナトリウムは、熱安定化剤の別の成分として選択された。
実施例2:ストレス安定性研究方法
光学密度(405nm)および逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を開発研究で用いて、製剤化された抗Dll4抗体の物理的安定性を評価した。物理的安定性は、溶液中の可溶性型の抗体の回収率として定義される。抗体の損失は、沈殿または吸着のいずれかによるものであり得た。粒子状物質の存在は、目視観察によるか、または405nmでの光学密度(OD)測定により検出することができ(濁度測定)、この場合、ODの上昇は、粒子状物質の形成による濁度の上昇を示す。目視で、またはOD測定により決定される粒子状物質の存在は、サンプルが安定性を維持できなかったことを示す。抗Dll4抗体の回収率は、RP-HPLCおよび280nmでのUV分光光度法により測定した。各試験サンプルの濃度は、所与の濃度の抗体を用いて生成した標準曲線と比較した溶出された抗体ピークの面積から決定する。
サイズ排除-HPLC(SE-HPLC)を用いて、抗Dll4抗体の純度を評価し、被験抗Dll4抗体とは分子サイズが異なる抗体凝集体、断片および不純物の相対量の測定値を提供した。精製された抗Dll4抗体は、概ね、小さな凝集体ピークおよび大きなネイティブ二量体ピークならびにそれに続く小さな低分子量ピークとして溶出された。この方法は、高解像度シリカ系サイズ排除カラムおよびリン酸塩-塩化ナトリウム緩衝液を用いた。215nmでの吸光度を記録し、純度測定のために統合(integrate)した。SE-HPLCによる抗Dll4抗体についての純度指定(purity specification)は、主要ピークの面積が合計ピーク面積の90.0%以上であることを必要とした。高分子量ピーク面積および低分子量ピーク面積についての合計ピーク面積のうちの割合(%)を、表に報告する。
抗体荷電変種を、pH6.0にてリン酸塩緩衝液中の緩やかな塩勾配(40mM〜120mM NaCl、1mL/分にて44分間)にわたって、Dionex社製の弱カチオン交換カラム(PROPAC(登録商標) WCX-10、4×250mm)を用いるカチオン交換クロマトグラフィーにより分析した。215nmでの吸光度を記録し、荷電不均一性を評価するために統合した。抗Dll4抗体のクロマトグラムを、ピークを3つの主要荷電群:酸性、主要および塩基性に分けることにより統合した。最初に溶出されたピークの群は、酸性分子種と指定されている(これは、高pHおよび温度に曝露された物質を分析することにより決定された)。クロマトグラム中の主なピークは、主要ピーク、主要荷電形態、または主な荷電変種と指定されている。ピークの最後の群は、塩基性分子種として報告されている。指定は、高レベルの正の荷電によるものと最も考えられる延長したカラム保持時間に基づいてなされた。抗体試験サンプルのピークパターンを参照標準のピークパターンと比較し、酸性分子種、主要分子種および塩基性分子種のピーク面積割合(%)を報告した。
抗Dll4抗体の活性または効力を、結合アッセイを用いて評価した。Notch1へのビオチン化hDll4-hFcの結合を遮断する該抗体の能力を、特異的かつ高感度なELISAを用いて測定した。ELISAは、ビオチン-hDll4-hFcおよび抗Dll4抗体の混合物により構成される溶液中の、未結合のビオチン化hDll4-hFcを測定した。ヒトNotch1を用いてコーティングしたマイクロタイタープレートに、該混合物を添加した。固定された量のビオチン-hDll4-hFcを、様々な量の抗体を用いて力価測定し;抗体:ビオチン-hDLL4-hFc複合体を洗浄して除去した。プレートに結合したままのビオチン-hDll4-hFcの量を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートしたストレプトアビジンを用いて検出した。分析したサンプルを、参照標準と比較し、相対効力を決定した。HRP比色基質を検出のために用い、OD450nmを測定した。OD450nm値を溶液中の抗体濃度に対してプロットし、非線形回帰分析を用いてIC50を決定した。IC50は、hNotch1-hFcコーティングプレートに対するビオチン-hDLL4-hFcの最大結合の50%を遮断するのに必要とされる抗体濃度として定義し、これらの値は、hDLL4に対する抗体の遮断効力(blocking potency)を反映する。効力は、同じプレートで試験した参照標準サンプルとの比較により決定され、参照標準IC50値の割合(%)として表した。
実施例3:緩衝剤およびpH
抗Dll4の安定性に対するpHおよび緩衝剤の影響を検討した。REGN421抗体(「REGN421」)は、10mMリン酸塩緩衝剤または10mMヒスチジン緩衝剤のいずれかを用いて製剤化された場合に、最も安定であった。リン酸塩は、液体状態での保存中のヒスチジン酸化の考えられるリスクに対する懸念から、製剤化のための緩衝剤として選択された。リン酸二水素塩とリン酸水素塩との混合物は、REGN421抗体と一緒にすべての賦形剤が添加される場合に、pH6.0をもたらす。
上昇した温度でインキュベートした、緩衝されたREGN421の分析により、主なタンパク質分解経路が、凝集体、切断産物、および荷電変種の形成であったことが明らかになった。したがって、REGN421安定性に対するpHおよび緩衝剤の影響を評価するために、5.0〜8.0のpH値の種々の緩衝液中で45℃にてREGN421試験サンプルをインキュベートして、該タンパク質の熱安定性を増加させる条件を特定した(表1)。REGN421は、該タンパク質をpH6.0で製剤化した場合に、SE-HPLCおよびカチオン交換高速液体クロマトグラフィー(CEX-HPLC)の両方により測定される最大の安定性を有した。pH6.0のリン酸塩またはヒスチジン緩衝液中でのREGN421の製剤化は、コハク酸塩またはクエン酸塩緩衝液中でのpH6.0での製剤化と比較して、より大きなタンパク質安定性をもたらした。リン酸塩は、液体状態での長期保存中のヒスチジン酸化の考えられるリスクに対する懸念から、REGN421製剤化のために選択された。
表1に示される結果に関して、FluroTec(登録商標)コーティング4432/50ブチルゴム栓を有する2mL 1型ホウケイ酸ガラスバイアル中の0.2%ポリソルベート20を含有する10mM試験緩衝液中の0.3mLの25mg/mL REGN421を、45で28日間試験した。濁度は、出発材料と比較した相対的OD405の変化として報告した。出発材料の結果は、14種類すべての製剤に対する出発材料の平均結果を表わす。OD=光学密度;RP-HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE-HPLC=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;CEX-HPLC=カチオン交換高速液体クロマトグラフィー。
Figure 0006144758
実施例4:撹拌ストレスに対する保護剤の選択
液体状態で撹拌された場合にREGN421を安定化したので、有機共溶媒として0.2%ポリソルベート20を選択した。有機共溶媒の非存在下での撹拌に続いてREGN421の安定性をモニタリングするために最初に行なわれた研究は、様々な結果を生じた。SE-HPLCを介した撹拌されたREGN421の分析は、1つの特定の研究での抗体の凝集の増加を実証したが、REGN421に対して行われた他の撹拌研究の大多数では、凝集の有意な増加は観察されなかった。2つの代表的な安定性研究からの結果を、表2に示す。それにもかかわらず、REGN421の製造、輸送、および取扱いの間に起こり得る考えられる撹拌依存的タンパク質不安定性を防ぐために、REGN421製剤にポリソルベート20を添加する保存的アプローチが採られた。REGN421の熱安定性を変化させなかったので、ポリソルベート20が他の有機共溶媒の中から選択された。
表2に示される抗体安定性結果に関して、FluroTec(登録商標)コーティング4432/50ブチルゴム栓を有する2mL 1型ホウケイ酸ガラスバイアル中の10mMリン酸塩(pH6.0)中の0.3mLの25mg/mL REGN421を、有機共溶媒と併せ、120分間ボルテックスにかけた。濁度は、出発材料と比較した相対的OD405の変化として報告した。出発材料の結果は、9種類すべての製剤に対する出発材料の平均結果を表わす。OD=光学密度;RP-HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE-HPLC=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー。
Figure 0006144758
実施例5:熱ストレスに対する保護剤の選択
REGN421の熱安定性を増大させるその能力について、糖、アミノ酸、および無機糖などの安定化剤を調べた。調べられた熱安定化剤の概要を、表3に提示する。スクロースおよびトレハロースを含有する製剤は、SE-HPLC分析で測定される最も少ない量のREGN421凝集体形成を示した。製剤への塩化ナトリウムの添加は、荷電変種の形成(CEX-HPLC)を減少させることが示されたが、増加した量の凝集体形成(SE-HPLC)をもたらした。引き続く研究は、10%スクロースおよび150mM塩化ナトリウム(NaCl)の組み合わせを用いた製剤化の後のREGN421の熱安定性を調べるために行なった。この研究の目標は、製剤中にスクロースを含め、それにより製剤中での荷電変種形成に対するNaClの保護作用を維持することにより、NaCl誘導性凝集を低減させることであった。スクロース濃度は、製剤の浸透圧を制御するために20%(NaClなし)〜10%(NaClあり)に調節した。CEX-HPLC分析(荷電変種の形成)により測定されるこの製剤中のREGN421の熱安定性は、単独の安定化剤としてNaClを用いた結果と同様であり(表3)、このことは、荷電変種形成に対するNaClの保護作用を実証した。さらに、単独の安定化剤としてNaClを用いた製剤と比較して、凝集体形成率が著明に低減され、このことは、製剤に対するスクロースの安定化作用を実証した。これらの結果に基づいて、REGN421を10%スクロースおよび150mM NaClを用いて製剤化した。
表3に示される抗体安定性結果に関して、FluroTec(登録商標)コーティング4432/50ブチルゴム栓を有する2mL 1型ホウケイ酸ガラスバイアル中の、0.3mLの10mMリン酸塩、pH6.0、0.2%ポリソルベート20、および25mg/mL REGN421、ならびに示した熱安定化剤を、28日間、45℃に供した。濁度は、出発材料と比較した相対的OD405の変化として報告した。出発材料の結果は、45℃でインキュベートされていない、10種類すべての製剤に対する出発材料の平均結果を表わす。OD=光学密度;RP=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;CEX=カチオン交換高速液体クロマトグラフィー。
Figure 0006144758
実施例6:REGN421製剤に対するストレス安定性研究
REGN421を25℃で6ヵ月間保持することにより、加速ストレス研究(accelerated stress study)を行なった。この加速条件では、より酸性の分子種への荷電変種プロフィールのシフトが、カチオン交換クロマトグラフィー(CEX-HPLC)により観察された。2%〜5%の純度の低下が、6ヵ月間の保存後にSDS-PAGEにより観察され、1.6%の純度の低下およびSE-HPLCにより検出された高分子量凝集体形成の1.2%の増加を伴った。25℃での6ヵ月の保存後の結合アッセイにより測定した場合、REGN421の効力の損失はなかった。
REGN421抗体に対して行なった追加の加速研究およびストレス安定性研究は、60分間または120分間ボルテックスした場合、8サイクルにわたって−80℃から常温まで凍結融解した場合、45℃にて28日間インキュベートした場合、37℃にて28日間インキュベートした場合、または25℃にて28日間インキュベートした場合に、該タンパク質が物理的に安定であることを示す(表4)。これらの研究の間、溶液は目視で透明のままであり、タンパク質の損失は観察されず、これらのストレス後にpHの変化は生じなかった。しかしながら、タンパク質を25℃以上で28日間インキュベートした場合に、サイズ排除HPLCおよびカチオン交換HPLCによりREGN421の純度の低下が検出され、このことは、REGN421がストレス条件に曝露されるときに、分子量および荷電変種の変化が生じることを示した。45℃でのインキュベーションと比較して、37℃でタンパク質をインキュベートした場合、より低いレベルの化学的分解が検出された。REGN421は、25℃での14日間の評価期間にわたって、かつ撹拌および凍結/融解サイクル後に、物理的および化学的に安定であった。Dll4/Notch結合アッセイを用いて測定した場合、いずれのストレス付与サンプルに関しても効力の有意な損失は観察されなかった。
Figure 0006144758
表4に示される抗体安定性結果に関して、FluroTec(登録商標)コーティング4432/50ブチルゴム栓を有する2mL 1型ホウケイ酸ガラスバイアル中の、0.3mLの10mMヒスチジン、pH6.0、0.2%ポリソルベート20、10%スクロース、150mM NaCl、および25mg/mL HIH685Pを、有機共溶媒と併せ、種々の示したストレスに供した。濁度は、出発材料と比較した405nmでのODの相対変化として報告した。結合アッセイに関する許容基準は、参照標準の50〜150%であった。OD=光学密度;RP=逆相高速液体クロマトグラフィー;SE=サイズ排除高速液体クロマトグラフィー;CEX=カチオン交換高速液体クロマトグラフィー。
実施例7:製剤化された抗Dll4抗体の保存安定性
−80℃、−30℃、または−20℃での24ヵ月の保存後に、UV分光光度法により、またはSDS-PAGEにより測定した場合に、REGN421の有意な損失は観察されなかった。5℃での24ヵ月の保存後に、0.8%の純度の低下および0.4%の凝集体形成の増加が、SE-HPLCにより検出された。試験条件での24ヵ月の保存後に、CEX-HPLCにより検出した場合、荷電変種の有意な変化はなかった。保存期間の終わりに結合アッセイにより測定した場合に、効力の変化はなかった。5℃での24ヵ月間の保存後に、すべての分析について、REGN421は許容基準を満たし続けた。表5を参照されたい。
Figure 0006144758
実施例8:IV送達デバイスとの適合性
25mg/mL REGN421製剤を、標準的生理食塩液が入った、ジ-(2-エチルヘキシル)-フタレート(DEHP)を含むポリ塩化ビニル(PVC)から構成される静注(IV)バッグ中で希釈した。3種類の異なる用量のREGN421をこの試験で検討し、用量は、低用量(0.1mg/kg、40kg患者)、中間用量(4mg/kg、40kg患者)、および高用量(16mg/kg、120kg患者)を含んだ。低用量に関して、撹拌に対してREGN421を安定化するのを助けるために、バッグ中に追加の「プラセボ」を添加した。
希釈されたREGN421が入ったIVバッグを、まず5℃にて24時間保持し、続いて、25℃にてさらに24時間保持した。これらのインキュベーションが完了した後、IVバッグを輸液セットに接続し、希釈抗体を用いてプライミングし、常温で1時間保持した。希釈抗体を、25mL/hr〜500mL/hrの範囲の速度にて、輸液セットを通してポンプで送った。大手の供給業者(Alaris, Baxter, and Hospira)を代表する3種類の輸液ポンプおよび3種類の輸液セットを、この研究に用いた。これらの輸液セットは、インラインフィルターを有する輸液セットを含む、すべての基本的な材料(DEHPを含むPVC、トリオクチル-トリメリテート(TOTM)を含むPVC、およびポリオレフィン)に相当する。すべての輸液セットが、0.2μmポリエーテルスルホンフィルターを含んだ。
5℃にて24時間保持し、25℃にて24時間保持し(表6を参照されたい)、種々の輸液セット中で常温にて1時間保持し、25mL/hrまたは500mL/hrのいずれかの速度で種々の輸液ポンプを用いる輸液セットを通してポンプで送られた場合に、REGN421は物理的に安定であった。目視検査または濁度により沈殿は検出されず、溶液のpHは安定であり、試験したいずれのサンプルでも、RP-HPLCにより測定した場合に検出されるタンパク質濃度の低下はなかった。タンパク質はまた、化学的にも安定であった。この適合性試験で、それぞれSE-HPLCおよびCEX-HPLCにより測定した場合に、分子量分子種(molecular weight species)または荷電変種の増加は観察されなかった。
Figure 0006144758
このデータは、以下の結論を支持する:(a)生理食塩液が入った50mL IVバッグ中での4mgのREGN421の希釈または250mL IVバッグの生理食塩液中での1920mgのREGN421の希釈後に、REGN421は安定であった。生理食塩液が入った生理食塩液のIVバッグは、DEHPを含有するPVCから構成されていた。(b)希釈されたREGN421は、5℃での最大24時間または25℃での24時間のIVバッグ中でのインキュベーション後に安定であった。(c)希釈されたREGN421は、輸液ポンプを用いて投与することができる。(d)希釈されたREGN421は、DEHPを含有するPVC、TOTMを含有するPVC、またはポリオレフィンのいずれかにより構成される輸液セットを用いて投与することができる。(e)インライン型0.2μmポリエーテルスルホンフィルターの使用は、REGN421と適合する。(f)希釈されたREGN421は、25mL/hr〜500mL/hrの範囲の速度で投与することができる。
実施例9:分子量測定
製剤化されたREGN421を、タンパク質構造および活性に関して特性決定した。グリコシル化を含まないネイティブREGN421の予測されるタンパク質分子量は、約146kDaである。非還元性SDS-PAGEを行なって、ヘテロ4量体分子の分子量を確認し、無傷の抗体と一緒に精製される高分子量および低分子量タンパク質形態のレベルを調べた。ジスルフィドシャッフリングを防止し、かつ加熱による抗体の分解を最小限にするために、サンプル調製の間、アルキル化試薬を添加した。電気泳動およびクーマシー染色に続いて測定されたグリコシル化抗体の実測分子量は、約150kDaであることが観察された。REGN421の質量はまた、還元条件下でのSDS-PAGEを用いても調べた。電気泳動前にサンプルを還元および加熱し、タンパク質バンドを、クーマシーブルーを用いて染色することにより検出した。REGN421は、抗体重鎖(約50kDa)および軽鎖(約25kDa)に対応する2本の主なバンドとして検出された。
REGN421の質量を評価するために、キャピラリー電気泳動-SDS(CE-SDS)も用いた。CE-SDSは、還元されたIgGポリペプチド鎖をサイズにより分割することができ、REGN421抗体中に存在し得る不均一性および変異体の定量を可能にする。非グリコシル化重鎖の割合(%)は、非グリコシル化重鎖およびグリコシル化重鎖に対応する補正ピーク面積の合計に対する、非グリコシル化重鎖の補正ピーク面積の比から算出される。REGN421抗体に対するCE-SDS還元性電気泳動像にて、2つの主なピークが観察された。原薬(drug substance)ロットに対する2つの主なピークは、IgG対照標準において還元された軽鎖(LC)およびグリコシル化重鎖(HC)として特定された2つの主なピークと一致する。REGN421およびIgG対照標準についてHCおよびLCとラベルされたピークの分子量は、それぞれ約60kDaおよび25kDaである。この方法により決定された重鎖および軽鎖の分子量は、ヒトIgG1に対して予測されるよりも若干大きく、このことは、この技術が、重鎖および軽鎖の分子量を若干過大評価し得ることを示唆する。REGN421の試験されたロットの非グリコシル化重鎖(NGHC)形態の相対量は、検出された合計ピーク面積のうちの約1.5%を占める。
実施例10:フコシル化分析
抗体重鎖からN-結合オリゴ糖を放出させるために、REGN421原薬ロットを、PNGaseFを用いて処理した。続いて、遊離のオリゴ糖を、蛍光試薬であるアントラニル酸を用いて、還元末端で誘導体化した。修飾されたオリゴ糖を、逆相HPLCおよびMALDI-TOF質量分析により分析した。HPLCクロマトグラムの検討は、修飾されたオリゴ糖が、非フコシル化二分岐型(bi-antennary)分子種およびフコシル化二分岐型分子種の2つの主な群に分離されたことを明らかにした。それぞれの群(フコシル化vs.非フコシル化)内で、オリゴ糖は、ジガラクトシル(G2)、モノガラクトシル(G1)またはアガラクトシル(G0)型にさらに分離された。オリゴ糖構造の割り当ては、MALDI-TOF質量分析を用いた各分画化オリゴ糖の質量分析によって達成した。分析されたREGN421ロットは、クロマトグラム中の対応するピークの積分に基づいて、82.4〜87.0%(84.6%±1.47%;av±SD)のフコシル化オリゴ糖鎖を含んだ(表7)。プールされたオリゴ糖の質量分析は、フコシル化二分岐型オリゴ糖が優勢な分子種であることを実証し、これはHPLC分析と一致する。REGN421の様々な試験ロット間でのN-結合糖鎖内のガラクトシル化量の観察された差異は、抗体生成の間に生じ得る不均一性を反映する。
Figure 0006144758
実施例11:重鎖C末端リシン分析
ペプチドマッピングを用いて、REGN421のC末端配列を確認した。REGN421を、6.0M尿素、100mM Tris、pH7.5中で変性させ、5mM DTTを用いて還元し、12.5mMヨードアセトアミドを用いてアルキル化した。次に、タンパク質を6倍に希釈して尿素濃度を1.0Mまで低下させ、続いて37℃にて3時間、トリプシンを用いて消化した(1:20の酵素:基質比)。ペプチドをHPLCにより分離し、質量分析によって分析した。REGN421由来のネイティブC末端ペプチドの特定のための標準として、3種類の最もありそうな推定上のC末端ペプチド配列(SLSLSP、SLSLSPG、およびSLSLSPGK;それぞれ、配列番号10、配列番号11、および配列番号12)に対応する3種類の合成ペプチドを作製し、REGN421のトリプシンマップ中の実際のC末端ペプチドの特定を促進するために、REGN421トリプシン消化ペプチドを溶出するために用いた勾配と比較して同じ溶媒溶出勾配を用いて、HPLCにより分析した。SLSLSPGK(配列番号12)の予測されるトリプシン誘導C末端ペプチドは、試験したREGN421ロットのいずれのトリプシンマップにも見出されず、このことは、C末端Lysが除去されたことを示唆する。トリプシンマップでは、1種類のペプチドのみ(46.60分で溶出)が、合成ペプチドのうちの1種類(SLSLSPG;配列番号11)と共に溶出される。このペプチドは、質量分析によりREGN421重鎖のC末端ペプチドに対応する(予測質量659.69、実測質量660.2)。結果は、翻訳後プロセシングが、重鎖C末端からの予測されるLysの完全な除去をもたらすことを示唆する。

Claims (30)

  1. 以下の成分:
    (a) 25mg/mL±3.75mg/mLのヒトIgG1抗Dll4抗体、
    (b) 10mM±3mMリン酸塩(phosphate)、pH6±0.5
    (c) 0.2%±0.03%ポリソルベート20、
    (d) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム、及び
    (e) 10%±1.5%スクロース
    を含む医薬製剤であって、前記抗体が配列番号1のHCVD及び配列番号5のLCVDを含む、前記医薬製剤。
  2. 水中の以下の成分:
    (a) 25mg/mL±3.75mg/mLの前記抗体、
    (b) 10mM±3mMリン酸塩、pH6±0.5、
    (c) 0.2%±0.03%ポリソルベート20、
    (d) 150mM±22.5mM塩化ナトリウム、及び
    (e) 10%±1.5%スクロース
    から成る、請求項1記載の医薬製剤。
  3. 45℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも94%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1又は2記載の医薬製剤。
  4. 45℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも45%が該抗体の主要荷電形態である、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬製剤。
  5. 25℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも97%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬製剤。
  6. 25℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電形態である、請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬製剤。
  7. 37℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも97%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬製剤。
  8. 37℃での28日間の保存後に、前記抗体の少なくとも51%が該抗体の主要荷電形態である、請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬製剤。
  9. 5℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも98%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬製剤。
  10. 5℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも61%が該抗体の主要荷電形態である、請求項1〜9のいずれか1項記載の医薬製剤。
  11. 5℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の100%である、請求項1〜10のいずれか1項記載の医薬製剤。
  12. −80℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも99%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の医薬製剤。
  13. −80℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電形態である、請求項1〜12のいずれか1項記載の医薬製剤。
  14. −80℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の100%である、請求項1〜13のいずれか1項記載の医薬製剤。
  15. −30℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも99%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬製剤。
  16. −30℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも57%が該抗体の主要荷電変種である、請求項1〜15のいずれか1項記載の医薬製剤。
  17. −30℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の少なくとも65%である、請求項1〜16のいずれか1項記載の医薬製剤。
  18. −20℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも98%がネイティブなコンホメーションを有する、請求項1〜17のいずれか1項記載の医薬製剤。
  19. −20℃での6ヵ月間の保存後に、前記抗体の少なくとも60%が該抗体の主要荷電変種である、請求項1〜18のいずれか1項記載の医薬製剤。
  20. −20℃での6ヵ月間の保存後の前記抗体の相対効力(%)が、保存前の該抗体の効力の100%である、請求項1〜19のいずれか1項記載の医薬製剤。
  21. 容器に入れられている、請求項1〜20のいずれか1項記載の医薬製剤
  22. 前記容器がバイアルである、請求項21記載の医薬製剤
  23. 前記バイアルがガラスである、請求項22記載の医薬製剤
  24. 前記容器がIV点滴バッグである、請求項21記載の医薬製剤
  25. 前記バッグがポリ塩化ビニル製である、請求項24記載の医薬製剤
  26. 前記バッグがポリオレフィン製である、請求項24記載の医薬製剤
  27. 前記抗体が約150kDaの分子量を有する、請求項1〜26のいずれか1項記載の医薬製剤。
  28. 前記抗体のうちの約82%〜約87%がフコシル化されている、請求項1〜27のいずれか1項記載の医薬製剤。
  29. 請求項1〜28のいずれか1項記載の医薬製剤と、容器と、使用説明書とを含むキット。
  30. 前記容器が、フッ化炭素コーティング4023/50ゴム栓が備え付けられたガラスバイアルである、請求項29記載のキット。
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