JP6141671B2 - β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物 - Google Patents

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本発明は、β−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物に関し、特に、化粧料の製造に用いられる、高濃度でβ−1,3−1,6−グルカンを含有する組成物に関する。
人の肌は、加齢に伴い弾力が失われて、シワ、たるみ等が現れてくる。このような症状が現れてきた人を対象に、肌に水分を補い、ツヤを与え、肌のたるみを引き上げる化粧料等の皮膚外用剤が求められている。β−1,3−1,6−グルカンは、優れた皮膜形成性や、保湿効果に優れるなどの特徴があることから、皮膚に保湿性やハリ感を与える成分としてβ−1,3−1,6−グルカンを配合した化粧料が開発されている。例えば、特許文献1には、微生物類由来または担子菌類由来のβグルカンを含有することを特徴とする皮膚化粧料が開示されている。また、特許文献2には、β−1,3−1,6−グルカン、リン脂質、水を含有する組成物を高圧処理してなることを特徴とする皮膚外用剤が開示されている。
β−1,3−1,6−グルカンは、一般に、黒酵母(Aureobasidium pullulans)培養液からの抽出液のエタノール沈殿物を乾燥させた粉末(例えば、特許文献3参照)が用いられるが、このような粉末は水や溶剤への溶解性が低いために、化粧料への配合は困難であった。また、β−1,3−1,6−グルカンの配合性を改良する方法として、黒酵母培養液の有機溶媒沈殿物(β−1,3−1,6−グルカン)を多価アルコール中に分散させてなり、実質的に水を含有しない組成物が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4の組成物では、β−1,3−1,6−グルカンの沈降が起こるため、β−1,3−1,6−グルカンの含量を5質量%以上にすることができず、相対的に多価アルコールの含量が多くなるため、化粧料に配合する場合に多価アルコールの配合量も増えてしまい、自由度が低いという問題があった。また、特許文献4の組成物は、有機溶媒沈殿物を作成するためにエタノールが用いられているが、エタノールは、β−1,3−1,6−グルカン100質量部に対して50〜500質量部程度含有して、β−1,3−1,6−グルカンの分散を促しており、エタノールが無い場合には、分散性が大きく低下し、分散可能なβ−1,3−1,6−グルカン含量は0.5質量%程度に低下してしまう。また、化粧料の使用者が敏感肌の場合には、エタノールを含有する組成物を配合した化粧料は好まれないという問題がある。更に、特許文献4には、沈降溶媒として、エタノール以外にメタノール、イソプロピルアルコール、ピリジン、クロロホルムが開示されているが、これらの有機溶媒は、その臭気や毒性のために化粧料、特に、皮膚化粧料への適用は制限されている。
特開2005−015348号公報 特開2009−235010号公報 特開昭57−149301号公報 特開2011−068617号公報
従って、本発明は、皮膚に対する刺激性、臭気、毒性等を有する有機溶剤を含有することなく、β−1,3−1,6−グルカンを高濃度で含有し、水や水性媒体への溶解性が良好で化粧料へ好適に使用できる組成物を提供することを目的とする。
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、多価アルコールと水を使用することにより、β−1,3−1,6−グルカンを高濃度で分散した組成物が得られ、水への溶解性も向上することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、β−1,3−1,6−グルカンを2〜25質量%、炭素数2〜6の多価アルコールを6085質量%、及び水を10〜2質量%含有してなり、かつβ−1,3−1,6−グルカン含量≦水含量を満足することを特徴とする化粧料の製造に用いられる組成物にある。
本発明により、皮膚に対する刺激性、臭気、毒性等を有する有機溶剤を含有することなく、β−1,3−1,6−グルカンを高濃度で含有し、水や水性媒体への溶解性が良好で化粧料へ好適に使用できる組成物を提供することができる。
実施例の水溶解性試験におけるβグルカン2%の実施例1、サンプルA及び比較例5の状態を示すものである。
始めに、β−1,3−1,6−グルカンについて説明する。
グルコースが、β−1,3−グリコシド結合及びβ−1,6−グリコシド結合により連結されたβグルコースをβ−1,3−1,6−グルカンといい、(1)主鎖がβ−1,3−グリコシド結合であり、β−1,6−グリコシド結合の分岐があるもの、(2)主鎖がβ−1,3−グリコシド結合とβ−1,6−グリコシド結合とからなるもの等が知られている。なお、本発明で使用するβ−1,3−1,6−グルカンとしては、一部にβ−1,4−グリコシド結合等の結合を有するものも使用できるが、β−1,3−グリコシド結合及びβ−1,6−グリコシド結合以外のグルコシド結合の含量は、β−1,3−グリコシド結合及びβ−1,6−グリコシド結合の合計に対して、10モル%以下でなければならない。
本発明の組成物には、β−1,3−1,6−グルカンとしては、いずれのβ−1,3−1,6−グルカンも使用可能であるが、分散性が良好であることから、下記の一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンが好ましい:
Figure 0006141671
上記一般式(1)において、aは、少なくとも20の数を表わし、bは、少なくとも1の数を表わす。ただし、aとbとの合計の数は、一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンの質量平均分子量を3000〜500万とする数である。一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンの質量平均分子量が3000より少ない場合および500万より大きい場合には、皮膚への十分な保湿効果が得られない。一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンの質量平均分子量は、5000〜300万が好ましく、7000〜100万が更に好ましく、1万〜50万が最も好ましい。なお、本発明において、β−1,3−1,6−グルカンの質量平均分子量とは、水を溶媒としてゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPCともいう)分析を行った場合のプルラン換算の質量平均分子量をいう。なお、「質量平均分子量」は、「重量平均分子量」という場合もある。
上記一般式(1)において、aに対するbの比は、皮膚への保湿効果が大きいことから、0.2〜1であることが好ましく、0.5〜0.8であることが更に好ましく、0.6〜0.7であることが最も好ましい。なお、繰り返し数がaのユニットと繰り返し数がbのユニットとは、ランダム状に結合していてもよいし、ブロック状に結合していてもよい。
一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンは、公知の方法、例えば、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナなどの藻類、糸状菌等の細胞壁や産出物から、抽出することにより得ることができ、中でも黒酵母(Aureobasidiumu pullulans)から皮膚への保湿効果の高いβ−1,3−1,6−グルカンが抽出できる。β−1,3−1,6−グルカンの抽出方法は特に制限はなく、公知の方法によればよい。
また、抽出されたβ−1,3−1,6−グルカンの濃縮方法としては、水分の除去あるいは粉末化のための方法であれば特に限定されず、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥、溶媒による沈殿回収等が挙げられ、これらの組合せでもよい。中でも、β−1,3−1,6−グルカンが純度良く得られることから、β−1,3−1,6−グルカンを水で抽出した後、エタノール等の溶媒でβ−1,3−1,6−グルカンを沈殿させ、乾燥することが好ましい。
本発明の組成物において、β−1,3−1,6−グルカンの含量は、2〜25質量%である。β−1,3−1,6−グルカンの含量が、2質量%よりも少ない場合には、化粧料へ十分なβ−1,3−1,6−グルカンを配合するために同時に配合される多価アルコールの量が多くなりすぎて化粧料の配合の妨げとなる場合があり、また、25質量%を超える場合には、β−1,3−1,6−グルカンの分散性が低下して保存中に沈降物が発生したり、分散物の流動性が低下する場合がある。本発明の組成物において、β−1,3−1,6−グルカンの含量は、4〜22質量%が好ましく、6〜16質量%が更に好ましく、8〜13質量%が最も好ましい。
次に、炭素数2〜6の多価アルコールについて説明する。
炭素数2〜6の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,2−ブタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,3ブタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−2,3−ペンタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−2,4−ブタンジオール等の2価アルコール又はその縮合物;
1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環状2価アルコール;
グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール等の3価アルコール;
エリスリトール、1,2,3,4−ペンタテトロール、2,3,4,5−ヘキサテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価アルコール;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価アルコール;ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;
1−メチルグリセリルエーテル、2−メチルグリセリルエーテル、1−エチルグリセリルエーテル、2−エチルグリセリルエーテル、1−プロピルグリセリルエーテル、2−プロピルグリセリルエーテル、1−イソプロピルグリセリルエーテル、2−イソプロピルグリセリルエーテル等のグリセリンモノエーテル類等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、β−1,3−1,6−グルカンの分散安定性に優れることから、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンが好ましく、1,3−ブタンジオールが更に好ましい。なお、本発明の組成物において、多価アルコールの含量は、50〜90質量%である。多価アルコールの含量が、50質量%よりも少ない場合には、β−1,3−1,6−グルカンの分散安定性が低下し、90質量%よりも多い場合には、β−1,3−1,6−グルカン含量が相対的に少なくなるためである。多価アルコールの含量は、60〜85質量%が好ましく、65〜80質量%が更に好ましく、66.5〜70質量%が最も好ましい。
次に、水について説明する。本発明の組成物において、水の含量は、5〜27質量%である。水の含量が5質量%よりも少ない場合には、β−1,3−1,6−グルカンの分散安定性が低下し、27質量%よりも多い場合には、β−1,3−1,6−グルカン含量が相対的に少なくなると共に、配合直後には流動性が見られても経時的にゲル状となり、流動性が低下する場合がある。水の含量は、7〜26.5質量%が好ましく、10〜26質量%が更に好ましく、20〜25.5質量%が最も好ましい。
通常、β−1,3−1,6−グルカンを水に溶解させることは困難であり、高濃度の水溶液を得ることはできない。これは、β−1,3−1,6−グルカンは水溶液中で、β−1,3−1,6−グルカン同士が水素結合により会合して3重ラセン構造をとっており[例えば、Macromolecules,13,1462-1466(1980)参照]、このため、β−1,3−1,6−グルカンと水との水素結合が弱まるため、β−1,3−1,6−グルカンの水への溶解性が低くなるものと考えられている。本発明の組成物では、多価アルコールと水との混合溶媒の中にβ−1,3−1,6−グルカンの一部が溶解して、組成物を増粘させると共に、β−1,3−1,6−グルカンの粒子の表面に吸着することにより、β−1,3−1,6−グルカンの粒子の組成物中での分散安定性に寄与しているものと考えられる。また、多価アルコールと水との混合溶媒の中では、多価アルコールの影響により、β−1,3−1,6−グルカンの3重ラセン構造は一部が解離している可能性があり、上記のように水の含量が多い場合の経時でのゲルの生成は、この可能性を示唆している。
また、本発明の組成物は、上述の特許文献4に開示された組成物に比べて、水や水性媒体への溶解性が良好であり、化粧料に配合した場合の使用感に優れ、配合後に、多価アルコールの含量を調整しても、本発明の組成物を配合した化粧料の方が使用感に優れている。これは、本発明の組成物では、β−1,3−1,6−グルカンの3重ラセン構造の一部が解離し、その3重ラセン構造の中に多価アルコールが取り込まれるからではないかと推定され、多価アルコールの含量を調整した場合でも、本発明の組成物を配合した化粧料と特許文献4に開示された組成物を配合した化粧料に使用感の差があることは、これを裏付けるものである。
本発明の組成物は、この他、化粧料の成分として有効な成分を配合することもできる。このような成分としては、分散剤、乳化剤、植物由来エキス、増粘剤、抗菌剤、色素、顔料等が挙げられる。
本発明の組成物を製造する場合は、多価アルコールに、β−1,3−1,6−グルカンを添加し撹拌してスラリー状にし、加温しながら水を添加することが好ましい。この場合の温度は、40〜90℃が好ましく、45〜80℃が更に好ましく、50〜70℃が最も好ましい。本発明の組成物は、このあと、殺菌を目的として、加圧下で100〜150℃に加熱することもできる。
本発明の組成物は、β−1,3−1,6−グルカンを高濃度で含有しており、粉末状のβ−1,3−1,6−グルカンに比べて、水や水性媒体へのβ−1,3−1,6−グルカンの溶解性が大幅に改善されており、化粧料、特に水を含有する化粧料に好ましく使用できる。なお、本明細書において、水性媒体とは、水を少なくとも50質量%以上含有する溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョンをいうものとする。
本発明の組成物が好ましく使用できる化粧料としては、例えば、シャンプー、ドライシャンプー、リンス一体型シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアミスト、ヘアローション、パーマネントウエーブ剤、染毛剤等のヘアケア化粧料;洗顔料、洗顔クリーム、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、ハンドソープ、ボディソープ、ボディローション、サンスクリーン剤、化粧水、乳液、美容液、フェイスクリーム、ハンドクリーム、コールドクリーム、フェイスパック、制汗剤、シェービングソープ、シェービングフォーム、シェービングオイル、シェービングローション、アフターシェーブローション、アフターサンローション等のスキンケア化粧料;リップクリーム、入浴剤等が挙げられ、中でも、ボディローション、化粧水、乳液、美容液、フェイスクリームが特に好ましい。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。なお、以下の実施例等において「%」及び「ppm」は、特に記載が無い限り「質量基準」である。
〔製造例1〕培養上澄液
黒酵母(寄託番号FERM BP-8391)を、ポテトデキストロース寒天斜面培地で培養して保存菌株とし、YM液体培地(ディフコ社製)100mlを入れた500mlの三角フラスコに接種して、28℃にて3日間前培養した。この培養液を、クザペック(Czapeak's)培地(ディフコ社製)15リットルを入れた30リットルの発酵槽に移し、28℃にて3日間培養した。培養液を、90℃で30分加熱して殺菌した後、15リットルの水を加えてから遠心分離によって菌体を除去し、培養上澄液を得た。この培養上澄液に含まれるβ−1,3−1,6−グルカンは、一般式(1)において、a= 、b= 、aに対するbの比が0.65で、質量平均分子量が30万である化合物である。
サンプルA:製造例1で得られた培養上澄液に同量のエタノールを加えて、得られた沈殿 を真空乾燥機で乾燥したもの
サンプルB:製造例1で得られた培養上澄液を噴霧乾燥(スプレードライ)したもの
〔製造例2〕アルコール沈殿物
製造例1で得られた培養上澄液を用いて、特許文献4の実施例1に準拠してβ−1,3−1,6−グルカンのアルコール沈殿物を得た。このアルコール沈殿物は、β−1,3−1,6−グルカン33%、エタノール66%、水分1%を含有していた。
〔サンプルの調製1〕
温度計、攪拌装置を備えた容器に多価アルコールを入れ、撹拌しながらサンプルAまたはサンプルBを添加した。次に、60℃に加温しながら水を添加し、更に60℃で1時間撹拌することにより、表1に示す組成の実施例1〜8及び比較例1〜4の組成物を得た。
〔サンプルの調製2〕
容器に1,3−ブタンジオールと製造例2で得られたアルコール沈殿物を入れ、ディスパーで均一に分散させることにより、表1に示す組成の比較例5〜6の組成物を得た。なお、比較例5〜6の組成物に含まれるエタノールは全てアルコール沈殿物由来である。また、以下の表中では、β−1,3−1,6−グルカンをβグルカン、1,3−ブタンジオールを1,3−BGと記載した。
Figure 0006141671
実施例1〜8及び比較例1〜6の組成物について、以下の方法で流動性試験及び安定性試験を行った。なお、比較例5及び6は、特許文献4の組成物に相当する。結果を表2に示す。
〔流動性試験〕
組成物を100mlの蓋付きのガラス製サンプル瓶に入れ、25℃の恒温槽に24時間保存した後、以下の基準で流動性を評価した。なお、組成物をサンプル瓶に入れた直後は、いずれの組成物も流動していた。
◎:サンプル瓶を横にすると組成物が流動し、流動性が良好。
○:サンプル瓶を横にしても組成物は流動しないが、サンプル瓶を振ると流動性が回復し、流動性がやや良好。
×:サンプル瓶を振っても流動性が回復せず、流動性が不良。
〔安定性試験〕
流動性試験後のサンプル瓶を40℃の恒温槽に72時間保存し、沈降物の有無により分散安定性を評価した。
○:沈降物が見られず、分散安定性が良好。
×:沈降物が見られ、分散安定性が不良。
Figure 0006141671
表2の結果から、実施例1〜8及び比較例5の組成物が流動性及び分散安定性に優れていることが分る。
〔水溶解性試験〕
流動性試験及び安定性試験で結果が良好だった実施例1〜8及び比較例5の組成物、並びにサンプルAについて、以下の方法で水への溶解性試験を行った。結果を表3に示す。
25℃の蒸留水にβ−1,3−1,6−グルカンがそれぞれ0.1%、0.5%、1%、2%となるように添加し、ボルテックスミキサーで10分間攪拌した後、以下の基準で流動性を評価した。
○:透明で濁りが認められず、完全に溶解している。
△:わずかに濁りが認められ、溶解が不十分である。
×:明らかに白濁しており、溶解が不十分である。
Figure 0006141671
表3の結果から、本発明の組成物はβ−1,3−1,6−グルカンが比較的高濃度になるように水に溶解した場合であっても、水溶解性に優れていることがわかる。なお、βグルカン2%における実施例1、サンプルA及び比較例5の状態を図1に示す。
〔化粧水試験〕
実施例1及び比較例5の組成物について、化粧水として使用感を評価するめ、表4の組成の化粧水を調整し、下記の方法により、感触試験・皮膚刺激試験を行った。結果を表5に示す。なお、比較例7の水溶液のエタノールは比較例5由来のものである。
<試験方法>
1gの化粧用脱脂綿に、実施例9、10又は比較例10の水溶液を浸み込ませ、被験者10人(男性6人、女性4人)の右眼下部にこの水溶液の脱脂綿を、左眼下部に蒸留水(ブランク)のみを浸み込ませた脱脂綿を、同時に30分貼り付けた後、左右の感触の違いを下記の基準で数値化し、被験者10人の数値の合計を求めた。結果を表5に示す。
・うるおい感
2点:しっとりした感じがあり、うるおい感が高い
1点:特に差が感じられない
0点:ぱさついた感じがあり、うるおい感が低い
・べとつき感
2点:べとついた感じはしない
1点:ややべとついた感じがある
0点:べたべた感じがある
・ひりひり感
2点:ひりひりした刺激を感じない
1点:ややひりひりした刺激を感じる
0点:明らかにひりひりした刺激を感じる
Figure 0006141671
Figure 0006141671
本発明の組成物を使用した化粧水である実施例9及び10は、特許文献4の組成物を使用した化粧水である比較例7に比べて、使用感に優れることがわかる。実施例10は比較例7と1,3−ブタンジオール含量が同一であり、使用感の差が1,3−ブタンジオール含量によるものではないことがわかる。

Claims (4)

  1. β−1,3−1,6−グルカンを2〜25質量%、炭素数2〜6の多価アルコールを6085質量%、及び水を10〜2質量%含有してなり、かつβ−1,3−1,6−グルカン含量≦水含量を満足することを特徴とする化粧料の製造に用いられる組成物。
  2. β−1,3−1−6−グルカンが下記の一般式(1)で表わされるβグルカンであることを特徴とする請求項1に記載の化粧料の製造に用いられる組成物:
    Figure 0006141671
    [式中、aは、少なくとも20の数を表わし、bは、少なくとも1の数を表わす。ただし、aとbとの合計の数は、一般式(1)で表わされるβ−1,3−1,6−グルカンの質量平均分子量を3000〜500万とする数である。]
  3. 一般式(1)のaに対するbの比が0.2〜1であることを特徴とする請求項2に記載の化粧料の製造に用いられる組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧料の製造に用いられる組成物の製造方法において、β−1,3−1,6−グルカンと、炭素数2〜6の多価アルコールとのスラリーの分散物に、水を加える工程を有することを特徴とする組成物の製造方法。
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