図の説明を容易にするために、XYZ座標を用いる。図1中のX軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交する。ここで、X軸は、投写光学系124の光軸OAと平行である。−X軸方向は投写光学系124における光の進行方向であり、反対方向は+X軸方向である。Y軸は、投写型表示装置1の高さ方向と平行である。投写型表示装置1の上方向が+Y軸方向であり、下方向が−Y軸方向である。Z軸は、投写型表示装置1の横方向と平行である。つまり、Z軸は、投写型表示装置1の幅方向と平行である。投写型表示装置1の投写光Roの出射する方向(−X軸方向)から見て、右方向が+Z軸方向で、左方向が−Z軸方向である。投写型表示装置1の投写光Roの出射する面を「正面」とする。
以下の説明で、投写型表示装置を一例として説明する。また、実施の形態4の変形例では、車のヘッドライトを例として説明する。
実施の形態1.
<投写型表示装置1の構成>
図1は、本発明に係る実施の形態1の投写型表示装置1の主要構成を概略的に示す構成図である。図1に示されるように、投写型表示装置1は、光源装置2、光強度均一化素子113、照明光学系、ライトバルブ121及び投写光学系124を備えている。また、投写型表示装置1は、集光光学系80を備えることができる。
照明光学系は、リレーレンズ群115、折り曲げミラー120又は集光レンズ122を備えることができる。リレーレンズ群115は、例えば、凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117又は両凸レンズ118を備えることができる。集光光学系80は、例えば、凸レンズ81又は凹凸レンズ(メニスカスレンズ)82を備えることができる。
光源装置2は、第1の励起光源ユニット10a、第2の励起光源ユニット10b又は光合成素子70を備えることができる。第1の励起光源ユニット10a、例えば、第1の励起光源群110A及び第1の平行化レンズ群115Aを備えている。第2の励起光源ユニット10b、例えば、第2の励起光源群110B及び第2の平行化レンズ群115Bを備えている。
また、光源装置2は、アフォーカル光学系を備えることができる。アフォーカル光学系は、焦点距離が無限大の光学系である。図1では、例えば、アフォーカル光学系は、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を備えている。
また、光源装置2は、レンズ群200,300を備えることができる。レンズ群200は、例えば、凸レンズ201及び凹レンズ202を備えている。レンズ群300は、例えば、凸レンズ301及び凹レンズ302を備えている。
また、光源装置2は、集光レンズ群400を備えることができる。図1では、例えば、集光レンズ群400は、凸レンズ401及び非球面凸レンズ402を備えている。
また、光源装置2は、折り曲げミラー71、色分離フィルタ72又は色分離フィルタ73を備えることができる。
また、光源装置2は、蛍光体素子40Gを備えることができる。蛍光体素子40Gは、例えば、緑色の蛍光を発する。
また、光源装置2は、青色光源ユニット20Bを備えることができる。青色光源ユニット20Bは、例えば、青色光源群210B及び平行化レンズ群215Bを備えている。
また、光源装置2は、赤色光源ユニット30Rを備えることができる。赤色光源ユニット30Rは、例えば、赤色光源群310R及び平行化レンズ群315Rを備えている。
また、光源装置2は、制御部3を備えることができる。
ライトバルブ(light valve)121は、入射した光束に空間的な変調を行う空間光変調器である。ライトバルブ121は、入射光束の特性の2次元的な可変制御を行う。ここで、「特性」とは、例えば、光の位相、偏光状態、強度または伝播方向などである。つまり、ライトバルブ121は、光を制御するものである。又は、ライトバルブ121は、光を調節するものである。ライトバルブは、光源からの光を制御して画像光として出力する光学素子である。ここで、「画像光」とは、画像情報を有する光のことである。
ライトバルブ121は、例えば、反射型の空間光変調器である。実施の形態1では、ライトバルブ121として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(以下、DMD(Digital Micro−mirror Device;登録商標)という。)が使用される。
しかし、これに限定されるものではない。DMDに代えて、例えば、反射型液晶素子又は透過型液晶素子を使用することも可能である。ただし、色分離フィルタ73以降の光学系を、採用した空間光変調器に応じて考慮する必要がある。
ライトバルブ121は、例えば、集光レンズ122から出射された光束を入射する。
制御部3は、外部信号源(図示せず)から供給された画像信号VSに基づいて変調制御信号MCを生成する。制御部3は、この変調制御信号MCをライトバルブ121に供給する。ライトバルブ121は、変調制御信号MCに応じて入射した光束を空間的に変調する。
この入射光束の空間的な変調により、ライトバルブ121は、変調光を生成し出力する。この変調光を被投写面150に投影することで光学像が表示される。「変調光」とは、画像信号を被投写面に投影するための光学像に変換された光である。「画像光」と「変調光」とは、同じ意味で使用している。また、「被投写面」とは、映像を映し出すスクリーン等である。
投写光学系124は、ライトバルブ121から出射された変調光(画像光)を屈折させて投写光Roを出射する。投写光Roは、投写光学系124の前面124fから被投写面150に向けて出射される。投写光学系124は、変調光で表される光学像を外部スクリーン等の被投写面150に拡大投写することができる。投写光学系124は、変調光を拡大して投写する。
ここで、投写光学系124は、例えば、投写レンズである。
被投写面150は、例えば、外部に設置されたスクリーンである。
<励起光源群110A,110B、蛍光体素子40G及び緑色の光束>
図2は、投写型表示装置1の第1の励起光源(第1の励起光源群110A)及び第1の平行化レンズ(第1の平行化レンズ群115A)の配置構成を説明する模式図である。図3は、投写型表示装置1の第2の励起光源(第2の励起光源群110B)及び第2の平行化レンズ(第2の平行化レンズ群115B)の配置構成を説明する模式図である。
第1の励起光源ユニット10aは、面状に配列された複数の第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55a(以下、第1の励起光源群110Aとよぶ。)を備えている。
また、第1の励起光源ユニット10aは、面状に配列された複数の第1の平行化レンズ16a,17a,18a,19a,20a,26a,27a,28a,29a,30a,36a,37a,38a,39a,40a,46a,47a,48a,49a,50a,56a,57a,58a,59a,60a(以下、第1の平行化レンズ群115Aとよぶ。)を備えている。
第1の平行化レンズ群115Aは、対応する第1の励起光源群110Aの−X軸方向側に配置されている。例えば、第1の平行化レンズ16aは、対応する第1の励起光源11aの−X軸方向側に配置されている。このため、図2では、第1の励起光源群110Aは破線で表されている。例えば、第1の励起光源11aは破線で表されている。
第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aの各々は、−X軸方向に光束を放射する。つまり、第1の励起光源群110Aは、−X軸方向に複数の光束を放射する。
また、第1の平行化レンズ16a,17a,18a,19a,20a,26a,27a,28a,29a,30a,36a,37a,38a,39a,40a,46a,47a,48a,49a,50a,56a,57a,58a,59a,60aの各々は、対応する第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aから放射された光束を平行化する。つまり、第1の平行化レンズ群115Aは、第1の励起光源群110Aから−X軸方向に放射された複数の光束を平行化する。例えば、第1の平行化レンズ16aは、対応する第1の励起光源11aから放射された光束を平行化する。
実施の形態1において、第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aは、Y−Z平面上に配列されている。
また、実施の形態1において、第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aは、規則的に配列されている。規則的な配列は、例えば、後述する、マトリックス状の配置のことである。
第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aとしては、例えば、青色の波長域のレーザー光を出力する青色レーザーダイオード(青色LD:Blue Laser
Diode)を使用すればよい。
青色の波長域は、例えば、中心波長が450nmである。なお、中心波長が405nmの励起光源を用いても良い。
図2に示すように、第1の励起光源群110Aは、Y−Z平面上に5行5列のマトリックス状に配列されている。「マトリックス」とは、平面上の直交する2つの方向である「行」及び「列」を有するものである。例えば、光源等を「行」と「列」との交わる位置に配置する。このことから、「マトリックス状に配置する」とは、平面上に規則的に配置することの一例である。
第1の励起光源群110A及び第1の平行化レンズ群115Aは、光強度均一化素子113及びリレーレンズ群115の+X軸方向に配置されている。
第1の励起光源群110Aは、光束を−X軸方向に出射する。
第1の平行化レンズ群115Aは、第1の励起光源群110Aの−X軸方向側に配置されている。
第1の平行化レンズ群115Aは、第1の励起光源群110Aから出射された光を平行光束として出射する。
また、第1の平行化レンズ群115Aは、第1の励起光源群110Aから出射された光を−X軸方向に出射する。
光合成素子70は、第1の平行化レンズ群115Aの−X軸方向側に配置されている。
第1の平行化レンズ群115Aから出射された平行光束は、光合成素子70に入射する。その後、光合成素子70に入射した平行光束は、光合成素子70を透過する。つまり、光合成素子70は、第1の平行化レンズ群115Aから出射された平行光束を透過する特性を有している。光合成素子70の特性は後述する。
そして、光合成素子70を透過した平行光束は、−X軸方向に進行する。
両凸レンズ101は、光合成素子70の−X軸方向に配置されている。光合成素子70を透過した平行光束は、両凸レンズ101に向けて進行する。
第2の励起光源ユニット10bは、面状に配列された複数の第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55b(以下、第2の励起光源群110Bとよぶ。)を備えている。
また、第2の励起光源ユニット10bは、面状に配列された複数の第2の平行化レンズ16b,17b,18b,19b,20b,26b,27b,28b,29b,30b,36b,37b,38b,39b,40b,46b,47b,48b,49b,50b,56b,57b,58b,59b,60b(以下、第2の平行化レンズ群115Bとよぶ。)を備えている。
第2の平行化レンズ群115Bは、対応する第2の励起光源群110Bの−Z軸方向側に配置されている。例えば、第2の平行化レンズ16bは、対応する第2の励起光源11bの−Z軸方向側に配置されている。このため、図3では、第2の励起光源群110Bは破線で表されている。例えば、第2の励起光源11bは破線で表されている。
第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bの各々は、−Z軸方向に光束を放射する。つまり、第2の励起光源群110Bは、−Z軸方向に複数の光束を放射する。
また、第2の平行化レンズ16b,17b,18b,19b,20b,26b,27b,28b,29b,30b,36b,37b,38b,39b,40b,46b,47b,48b,49b,50b,56b,57b,58b,59b,60bの各々は、対応する第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bから放射された光束を平行化する。つまり、第2の平行化レンズ群115Bは、第2の励起光源群110Bから−Z軸方向に放射された複数の光束を平行化する。例えば、第2の平行化レンズ16bは、対応する第2の励起光源11bから放射された光束を平行化する。
実施の形態1において、第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bは、X−Y平面上に配列されている。
また、実施の形態1において、第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bは、規則的に配列されている。規則的な配列は、例えば、後述する、マトリックス状の配置のことである。
第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bとしては、例えば、青色の波長域のレーザー光を出力する青色レーザーダイオード(青色LD:Blue Laser
Diode)を使用すればよい。
青色の波長域は、例えば、中心波長が450nmである。なお、中心波長が405nmの励起光源を用いても良い。
また、本実施の形態1では、第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bの偏光方向は、第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aの偏光方向と、90度異なる。
例えば、第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aは、P偏光光である。そして、第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bは、S偏光光である。
図3に示すように、第2の励起光源群110Bは、X−Y平面に5行5列のマトリックス状に配列されている。
第2の励起光源群110B及び第2の平行化レンズ群115Bは、光強度均一化素子113及びリレーレンズ群115の+X軸方向に配置されている。
第2の励起光源群110Bは、光束を−Z軸方向に出射する。
第2の平行化レンズ群115Bは、第2の励起光源群110Bの−Z軸方向側に配置されている。
第2の平行化レンズ群115Bは、第2の励起光源群110Bから出射された光を平行光束として出射する。
また、第2の平行化レンズ群115Bは、第2の励起光源群110Bから出射された光を−Z軸方向に出射する。
光合成素子70は、第2の平行化レンズ群115Bの−Z軸方向側に配置されている。
第2の平行化レンズ群115Bから出射された平行光束は、光合成素子70に角度Aで入射する。その後、光合成素子70に入射した平行光束は、光合成素子70で反射される。つまり、光合成素子70は、第2の平行化レンズ群115Bから出射された平行光束を反射する特性を有している。
そして、光合成素子70で反射された平行光束は、−X軸方向に進行する。
ここで、角度Aは、90度から入射角P1を引いた値の角度である。なお、入射角P1は、光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。図1では、第2の励起光源群110Bから出射された光と光合成素子70の反射面とのなす角が角度Aである。
両凸レンズ101は、光合成素子70の−X軸方向に配置されている。光合成素子70で反射された平行光束は、両凸レンズ101に向けて進行する。
これにより、第1の平行化レンズ群115Aから出射された平行光束と第2の平行化レンズ115Bから出射された平行光束とは、同一光路上に合成される。
第1の励起光源群110Aから出射された光束と第2の励起光源群110Bから出射された光束とは、同一光路上に合成される。
光合成素子70は、例えば、図4に示す波長−透過特性を示す。図4は、光合成素子70の波長−透過率特性を示す図である。図4の縦軸は、光の透過率[%]である。図4の横軸は、光の波長[nm]である。
図4に、中心波長450nmの励起光源のスペクトルを実線4000aで示す。S偏光光の透過率特性を破線4000sで示す。P偏光光の透過特性を一点差線4000pで示す。
図4において、光合成素子70は、中心波長450nmのP偏光光を透過する特性を有していることが確認できる。また、光合成素子70は、中心波長450nmのS偏光光を反射する特性を有していることが確認できる。
第1の励起光源群110AがP偏光光で、第2の励起光源群110BがS偏光光であるとする。第1の励起光源群110Aから出射した光は光合成素子70を透過する。第2の励起光源群110Bから出射した光は光合成素子70で反射される。
そして、第1の励起光源群110Aから出射された光及び第2の励起光源群110Bから出射された光の両者は、−X軸方向に進む。
なお、光合成素子70は、第1の励起光源群110A及び第2の励起光源群110Bが合成されれば、他の構成を採用することも可能である。
図5(A)及び図5(B)は、光合成素子70の他の構成を示す模式図である。図5(A)は、反射領域74と透過領域75とをストライプ状に交互に形成した光合成素子70aの一例である。図5(B)は、反射領域74と透過領域75とを千鳥格子状に形成した光合成素子70bの一例である。
例えば、WO2013−105546に示されているように、反射領域74と透過領域75とをストライプ状に交互に形成しても構わない。一例を図5(A)に示している。そうすれば、偏光方向に関わらず光を合成することが可能となる。
また、光合成素子70として、反射領域74の位置に反射面を備えた複数の鏡を配列してもよい。
さらには、光合成素子70の透過領域75に穴を空けた構造としてもよい。つまり、透過領域75が光学部材(光合成素子70)の内部を通過しない空間領域でもよい。
また、千鳥格子状に反射領域74と透過領域75とを形成する構成とすることも可能である。そうすれば、より緻密な光束とすることが可能となる。「千鳥格子状」とは、2列のものを互い違いに配置することである。つまり、異なる2つのものを順番に列を入れかえて2列に配置することである。例えば、反射領域74と透過領域75とを順番に列を入れかえて2列に配置する。
図5(B)には、反射領域74と透過領域75とを8行8列に配置した千鳥格子状の光合成素子70bの一例を示している。灰色の部分が反射領域74である。
反射領域74の反射面は、例えば、ガラス面に反射金属膜を蒸着させて形成されている。
一方、透過領域75は、例えば、反射領域74のように、ガラス面に反射面を形成しない領域である。
例えば、ガラス板等の透明な板の片面に反射面を形成した場合には、反射領域74の反射面と透過領域75の透過面とは、同一の平面上に形成されている。
なお、図4の特性を有する光合成素子70は、光合成素子70の面上の同じ位置で第1の励起光源群110Aから出射された光束及び第2の励起光源群110Bから出射された光束を合成することが可能である。
このため、他の方式と比較して、光合成素子70から出射される光束の直径を小さくできるという効果がある。光合成素子70から出射される光束は、励起光源群110A,110Bから出射される複数の光束の束で形成される。ここで、複数の光束の束を全光束とよぶ。全光束の直径が小さくなるほど、蛍光体素子40Gへの集光効率が向上する。
両凸レンズ101には、光合成素子70を透過した光束及び反射した光束が入射する。両凸レンズ101及び両凹レンズ102は、複数の平行光束の束で形成される全光束の直径を、縮小した後に再び平行な光束に変換する。
図1では、両凸レンズ101が複数の平行光束(全光束)を集光している。両凸レンズ101は、例えば、両面が凸形状である。しかし、両凸レンズ101を片側のみ凸形状のレンズとしても構わない。
また、両凹レンズ102が複数の集光光束(全光束)を平行な光束に変換している。両凹レンズ102は、例えば、両面が凹形状である。しかし、両凹レンズ102を片側のみ凹形状のレンズとしても構わない。
折り曲げミラー71は、両凸レンズ101の−X軸方向に配置されている。
両凸レンズ101を出射した集光光束は、折り曲げミラー71に角度Bで入射する。図1では、光合成素子70で反射又は透過された光と折り曲げミラー71の反射面とのなす角が角度Bである。
図1では、例えば、角度Aが45度の場合には、両凸レンズ101を出射した集光光束の中心光線は、X軸に平行である。そのため、両凸レンズ101を出射した集光光束は、X−Y平面に対して角度B傾いた折り曲げミラー71に入射する。
ここで、X−Y平面に対して+Y軸からみて時計回りに回転させた角度が角度Bである。図1では、角度Bは、90度から入射角P1を引いた値の角度である。なお、入射角P1は、光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。
両凹レンズ102は、折り曲げミラー71の−Z軸方向に配置されている。
折り曲げミラー71で反射された集光光束は、両凹レンズ102の方向に進行する。つまり、折り曲げミラー71で反射された集光光束は、−Z軸方向に進行する。
折り曲げミラー71で反射された集光光束は、両凹レンズ102に入射する。両凹レンズ102を出射した平行光束は、−Z軸方向に進行する。
色分離フィルタ72は、両凹レンズ102の−Z軸方向に配置されている。
両凹レンズ102を出射した平行光束は、−Z軸方向に進行する。つまり、両凹レンズ102を出射した平行光束は、色分離フィルタ72の方向に進行する。
両凹レンズ102を出射した平行光束は、色分離フィルタ72に入射する。両凹レンズ102から出射した平行光束は、色分離フィルタ72を透過する。色分離フィルタ72を透過した平行光束は、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ群400は、色分離フィルタ72の−Z軸方向に配置されている。
色分離フィルタ72を透過した光束は、−Z軸方向に進行する。つまり、色分離フィルタ72を透過した光束は、集光レンズ群400の方向に進行する。
色分離フィルタ72を透過した光束は、集光レンズ群400に入射する。色分離フィルタ72を透過した光束は、集光レンズ群400を透過する。集光レンズ群400を透過した光束は、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ群400は、例えば、2枚の凸レンズ401,402を備える。集光レンズ群400は、色分離フィルタ72を透過した光束を蛍光体素子40G上に集光する。
蛍光体素子40Gは、集光レンズ群400の−Z軸方向に配置されている。
集光レンズ群400を透過した光束は、−Z軸方向に進行する。つまり、集光レンズ群400を透過した光束は、蛍光体素子40Gの方向に進行する。集光レンズ群400を透過した光束は、蛍光体素子40G上に集光する。
色分離フィルタ72は、例えば、緑色の波長域の入射光及び赤色の波長域の入射光を反射する光学特性を有する。また、色分離フィルタ72は、青色の波長域の入射光を透過する光学特性を有する。
例えば、誘電体多層膜を有するダイクロイックミラーで色分離フィルタ72を構成することが可能である。「波長域」とは、光の波長の範囲を示す。
光の波長の差異を色として分類した際には、例えば、青色の波長域は、430nmから485nmまでである。また、緑色の波長域は、500nmから570nmまでである。また、赤色の波長域は、600nmから650nmまでである。
蛍光体素子40Gは、入射する光束を励起光として吸収する。そして、蛍光体素子40Gは、550nmを主要波長とする緑色波長域の光を出力する。
上述の通り、図1に示した第1の励起光源群110Aから出射された光束及び第2の励起光源群110Bから出射された光束は、光合成素子70により同一光路上で合成される。これにより、励起光源群110A,110Bから出射された光束は、2倍の高輝度化が図れる。
また、両凸レンズ101及び両凹レンズ102により、励起光源群110A,110Bから出射された複数の平行光束の間隔は狭くなる。これにより、蛍光体素子40Gに入射する複数の平行光束の束で形成される全光束の直径は小さくなる。また、レンズ402の径を小さくでき、コンパクト化が図れる。
なお、蛍光体素子40Gの発する緑色の波長域の主要波長は550nmに限らず、例えば、520nmでもよい。
このような光学系を用いることで、例えば、直径が2mmの光束を蛍光体素子40Gに照射させることが可能である。
例えば、蛍光体素子40Gに集光する光束の強度分布を均一化するために、両凹レンズ102と色分離フィルタ72との間に光拡散素子を配置してもよい。光拡散素子を配置することにより、集光位置における光束の光の密度の偏りが小さくなる。
これにより、蛍光体素子40G上での温度上昇が抑制される。このため、蛍光体素子40Gの変換効率が向上する。また、蛍光体素子40Gの寿命を長くすることができる。
また、蛍光体素子40Gは、実施の形態1では固定された状態で配置されている。しかし、これに限定されるものではない。
例えば、回転板に塗布された緑色の蛍光体を蛍光体素子40Gに代えて使用してもよい。例えば、緑色の蛍光体は、回転板の周縁部に塗布されても良い。これにより、蛍光体素子40G部分の冷却機構の簡素化を図ることが可能となる。つまり、緑色の蛍光体に集光する光の位置が固定されず、回転板の回転により常に変わるため、緑色蛍光体の一部分の温度が上昇することを抑えることができる。
また、集光レンズ群400は、図1では、2枚の凸レンズ401,402を備えている。2枚の凸レンズ401,402を用いて蛍光体素子40Gから放射された光を平行化する際には、凸レンズ402は非球面形状をしていることが設計上好ましい。
また、本実施の形態1では、集光レンズ群400を2枚構成とした。しかし、集光レンズ群400のレンズの枚数は、2枚に限られない。集光レンズ群400は、3枚構成としても構わない。
集光レンズ群400を3枚構成とすることにより、蛍光体素子40Gに最も近いレンズに合成石英等の硝材を用いることが可能となる。合成石英は、線膨張係数が小さく、耐熱温度が高い硝材である。合成石英のような耐熱性の高い硝材は、一般的に屈折率が低い。このため、2枚のレンズ構成で集光効率を高めることは、構成によっては難易度が高い。
さらに、蛍光体素子40Gに最も近いレンズは、光束の集光位置に近いため、光強度が強く、レンズ内で温度勾配が発生し易い。レンズ内で温度勾配が発生すると、レンズには温度勾配の要因による引張応力が発生する。そして、レンズにクラックが発生しやすくなる。合成石英のような線膨張係数が小さく、耐熱性の高い硝材を使用することで、高出力の光源装置の長寿命化を実現できる。図1では、蛍光体素子40Gに最も近いレンズは、凸レンズ401である。
集光レンズ群400は、蛍光体素子40Gの+Z軸方向に配置されている。
蛍光体素子40Gから放射された光は、+Z軸方向に進行する。蛍光体素子40Gから放射された光は、集光レンズ群400に入射する。
集光レンズ群400は、蛍光体素子40Gから放射された光を平行化して出射する。
色分離フィルタ72は、集光レンズ群400の+Z軸方向に配置されている。また、色分離フィルタ72は、蛍光体素子40Gの+Z軸方向に配置されている。
集光レンズ群400を透過した光は、+Z軸方向に進行する。集光レンズ群400を透過した光は、色分離フィルタ72に到達する。
集光レンズ群400を透過した光(緑色の蛍光)は、色分離フィルタ72で反射される。
色分離フィルタ73は、色分離フィルタ72の−X軸方向に配置されている。
色分離フィルタ72で反射された光は、−X軸方向に進行する。色分離フィルタ72で反射された光は、色分離フィルタ73に到達する。
色分離フィルタ72で反射された光(緑色の蛍光)は、色分離フィルタ73で反射される。
集光光学系80は、色分離フィルタ73の+Z軸方向に配置されている。
色分離フィルタ73で反射された光は、+Z軸方向に進行する。色分離フィルタ73で反射された光は、集光光学系80に到達する。
色分離フィルタ73で反射された光は、集光光学系80により集光される。
光強度均一化素子113は、集光光学系80の+Z軸方向に配置されている。
集光光学系80により集光された光は、+Z軸方向に進行する。
集光光学系80により集光された集光光は、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。図1では、入射端面113iは、光強度均一化素子113の−Z軸方向側の端面である。
色分離フィルタ73は、赤色の波長域の光を透過する光学特性を有している。また、色分離フィルタ73は、緑色の波長域の光及び青色の波長域の光を反射する光学特性を有している。例えば、色分離フィルタ73は、誘電体多層膜で形成されたダイクロイックミラーを含むことが可能である。
なお、上述の両凸レンズ101及び両凹レンズ102は、入射した光束を平行化する機能を有する。しかし、これに限定されるものではない。両凸レンズ101、両凹レンズ102及び集光レンズ群400の組み合わせで、励起光源群110A,110Bの発する光が蛍光体素子40Gに集光すればよい。
ただし、蛍光体素子40Gから放射された光(蛍光体の発する光)は、集光レンズ群400及び集光光学系80の組み合わせで、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される必要がある。
このため、実施の形態1で示したように、集光レンズ群400から色分離フィルタ72に向けて進行する光束は、平行化されていることが設計上好ましい。つまり、両凸レンズ101及び両凹レンズ102は、入射した光束を平行化する機能を有することが好ましい。
光強度均一化素子113は、入射した光束の光強度分布を均一化する光学素子である。光強度均一化素子113は、光強度均一化素子113の光軸に垂直な平面上での光強度分布を均一化する。
図1では、光強度均一化素子113の光軸は、入射端面113iから入射する光の光軸と一致している。光強度均一化素子113は、入射端面113iから入射する光の光軸に垂直な断面上の光強度分布を均一化する。
光強度均一化素子113の内部を伝播する光は、光強度均一化素子113の内面で全反射を繰り返す。これにより、光強度均一化素子113の内部を伝播する光は、出射端面113oの近傍では重畳された光となる。
これにより、出射端面113oの光強度分布は、入射端面113iの光強度分布よりも均一化されている。つまり、光強度均一化素子113は、光を入射して光強度分布の均一性を高めた光として出射する。なお、以下において、説明を簡単にするために、出射端面113oから出射する光は、均一な光強度分布であるとして説明する。
出射端面113oの近傍において、光強度均一化素子113の内部を伝播する光は、均一な光強度分布を得ることができる。よって、光強度均一化素子113の出射端面113oは、均一な輝度で発光する面光源となる。図1では、出射端面113oは、光強度均一化素子113の+Z軸方向側の端面である。
これにより、ライトバルブ121に入射する光束の光強度分布が均一化される。つまり、ライトバルブ121は、光強度分布の均一な光束を入射する。そして、ライトバルブ121は、光強度分布の均一な光束を変調光として出射する。
例えば、光強度均一化素子113は、透明な光学材料で構成されている。透明な光学材料は、ガラス材料または透明樹脂材料などである。
例えば、光強度均一化素子113は、多角柱(ロッド)である。光強度均一化素子113は、入射端面113i、出射端面113o及び側面を備える。ここで、側面は、入射端面113iと出射端面113oとを繋ぐ面である。
この多角柱の側面は、全反射面として使用される。光強度均一化素子113の内部を伝播する光は、光学材料と外部の空気との界面で全反射する。
また、例えば、光強度均一化素子113は、中空パイプ(ライトパイプ)とすることができる。中空部分は、光反射ミラーの側面を有する。つまり、この中空パイプの内側の側面には、光を反射する光反射膜が形成されている。中空パイプの断面は、例えば、多角形状をしている。
図6は、光強度均一化素子113の一例を示す斜視図である。図6に示される光強度均一化素子113は、四角柱の形状である。光強度均一化素子113は、X−Y平面で矩形形状の断面を有する。
光強度均一化素子113の側面は、光反射ミラーまたは全反射面として構成されている。
光強度均一化素子113は、Z軸方向を長手方向としている。ここで、「長手方向」とは、四角柱の長辺と平行な方向である。つまり、「四角柱の長辺」とは、四角柱の12本の辺の内、一番長い辺である。通常、四角柱の一番長い辺は、4本ある。
つまり、光強度均一化素子113は、柱体形状をしている。「柱体」とは、合同な二つの平面図形を底面として持つ柱状の空間図形のことである。2つの底面の距離を柱体の高さという。また、柱体の底面でない面を側面という。
図6では、2つの底面はX−Y平面に平行である。また、柱体の高さの方向はZ軸方向である。実施の形態1では、入射端面113i及び出射端面113oは、柱体形状の底面に形成されている。
実施の形態1では、光強度均一化素子113の出射端面113oとライトバルブ121の光変調面とは、互いに光学的な共役関係にある。「共役関係」とは、光学系における物体と像の関係である。共役関係にあると、1点から出た光が1点に集まる。
実施の形態1の光学系では、出射端面113o上の像は、ライトバルブ121の光変調面上で結像する。このため、光の利用効率の観点からは、ライトバルブ121の光変調面の縦横比L:Hが、光強度均一化素子113の出射端面113oの縦横比L0:H0に一致することが好ましい。
ここで、横の寸法は、寸法L,L0である。また、縦の寸法は、寸法H,H0である。解像度がXGA(横の画素数×縦の画素数=1024×768)の場合には、一般的に、L:H=4:3である。実施の形態1では、長辺を横として、短辺を縦とする。
図1に示されるように、光強度均一化素子113の+Z軸方向には、リレーレンズ群115が配置されている。
光強度均一化素子113の出射端面113oから出射した光は、+Z軸方向に進行する。そして、光強度均一化素子113の出射端面113oから出射した光は、リレー光学系に到達する。図1では、光強度均一化素子113の出射端面113oから出射した光は、リレーレンズ群115に入射する。
リレー光学系は、光強度分布の均一な光束をライトバルブ121へ導く。ここで、「リレー光学系」とは、リレーレンズ群115からライトバルブ121までの光学系のことである。
リレーレンズ群115は、例えば、凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118を備える。凹凸レンズは、2つのレンズ面の内、1つのレンズ面が凹形状で、他のレンズ面が凸形状のレンズである。
なお、図1では、リレーレンズ群115は、3枚のレンズ116,117,118で構成されている。しかし、リレーレンズ群115は、2枚のレンズで構成されてもよい。この場合には、設計上では、光強度均一化素子113と折り曲げミラー120との間隔を狭くすることが好ましい。
折り曲げミラー120は、リレーレンズ群115の+Z軸方向に配置されている。
リレーレンズ群115から出射した光は、+Z軸方向に進行する。そして、リレーレンズ群115から出射した光は、折り曲げミラー120に到達する。光強度均一化素子113の出射端面113oから出射された光束は、このリレーレンズ群115を透過して折り曲げミラー120に達する。
折り曲げミラー120は、光束の光路を折り曲げる機能を有する。
リレーレンズ群115を透過した光束は、折り曲げミラー120で集光レンズ122の方向へ反射される。
集光レンズ122は、図1では、折り曲げミラー120の+X軸方向側に配置されている。集光レンズ122は、折り曲げミラー120とライトバルブ121との間に配置されている。
つまり、リレーレンズ群115を透過した光束は、折り曲げミラー120でライトバルブ121の方向へ反射される。
折り曲げミラー120で反射された光は、集光レンズ122に到達する。集光レンズ122は、入射した光を集光する。
ライトバルブ121は、集光レンズ122の+X軸方向側に配置されている。
集光光学系122により集光された光は、+X軸方向側に進行する。
集光光学系122により集光された集光光は、ライトバルブ121に集光される。
この折り曲げミラー120で反射された光束は、集光レンズ122を透過して、ライトバルブ121に入射する。
以上に説明した種々の光学部材400,72,73,80,113,115,120,122によって、蛍光体素子40Gから放射された光をライトバルブ121まで導く導光光学系が構成される。「導光」とは、光を導くことである。実施の形態1では、蛍光体素子40Gの発した光を蛍光体素子40Gからライトバルブ121まで導いている。
制御部3は、ライトバルブ121の動作を制御する機能を有する。また、制御部3は、第1の励起光源群110A、第2の励起光源群110B、青色光源群210B又は赤色光源群310Rを発光させるタイミングを制御する機能を有することができる。
この発光させるタイミングは、画像信号VSに応じて光源ごとに個別に行われる。制御部3は、第1の励起光源群110A、第2の励起光源群110B、青色光源群210B及び赤色光源群310Rのそれぞれの発光タイミングに合わせてライトバルブ121の動作を制御する。
<蛍光体素子40Gの局所的な光飽和の抑制>
ここで、光合成素子70に入射する光束の角度A及び折り曲げミラー71に入射する光束の角度Bに関して説明する。
上述のように、実施の形態1では、角度Aが45度の場合、両凸レンズ101を出射した集光光束の中心光線は、X軸に平行である。また、折り曲げミラー71は、X−Y平面に対して+Y軸からみて時計回りに角度B回転している。
図7(A)及び図7(B)は、光合成素子70の特徴を説明する図である。図7(A)は、光合成素子70を光が透過する際の特徴を説明する図である。図7(B)は、光合成素子70で光が反射する際の特徴を説明する図である。なお、図7(A)では、光合成素子70を光合成素子700aとして示している。また、図7(B)では、光合成素子70を光合成素子700bとして示している。
第1の励起光源11a,12a,13a,14a,15a,21a,22a,23a,24a,25a,31a,32a,33a,34a,35a,41a,42a,43a,44a,45a,51a,52a,53a,54a,55aから出射された平行光束は、角度Aにかかわらず、進行方向を変えずに光合成素子70を通過する。このため、図7(A)に示すように、光合成素子700aを透過した光線701aは、図1のX軸と平行な方向に進行する。図7(A)に示す光合成素子700aは、図1に示す光合成素子70に相当する。図7(A)に示す角度35度は、図1に示す角度Aに相当する。なお、光合成素子70を透過する光束は、第1の平行化レンズ群115Aで平行な光束に変換されている。
図7(A)に示すように、光合成素子700aに55度で入射した光線701aは、55度で光合成素子700aから出射する。ここで、光線701aが光合成素子700aに入射する角度55度は、90度から入射角P1を引いた値の角度である。また、光線701aが光合成素子700aから出射する角度55度は、90度から出射角P2を引いた値の角度である。
なお、入射角P1は、光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。また、出射角P2は、光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。
図1では、第1の励起光源ユニット10aから出射される光の光軸と、第2の励起光源ユニット10bから出射される光の光軸とのなす角度は90度である。そのため、光線701aが光合成素子700aに入射する角度55度は、90度から図1に示す角度Aを引いた値の角度である。また、軸C1に対して90度の角度で光合成素子700aに入射した光線701aは、軸C1に対して90度の角度で光合成素子700aを出射する。
なお、軸C1は、次のように定義される。光線701aが光合成素子700aに垂直に入射している状態から、光線701aに垂直な軸(光合成素子700aの回転軸)を中心にして光合成素子700aを回転させる。この場合に、軸C1は、光線701a及び光合成素子700aの回転軸を含む平面に対する垂線である。
図7(B)では、第2の励起光源ユニット10bから出射される光の光軸は、軸C1と一致している。
図7(A)に示す軸C1は、図1に示すZ軸に相当する。図7(A)では、光合成素子700aは、光合成素子700aの回転軸を中心に35度回転している。そして、光合成素子700aの入射面と光線701aとのなす角度は、55度である。
一方、第2の励起光源11b,12b,13b,14b,15b,21b,22b,23b,24b,25b,31b,32b,33b,34b,35b,41b,42b,43b,44b,45b,51b,52b,53b,54b,55bから出射された平行光束は、角度Aで光合成素子70に入射し、角度Aで反射される。このため、図7(B)に示すように、光合成素子700bに角度35度で入射した光線701bは、角度35度で光合成素子700bから出射する。図7(B)に示す光合成素子700bは、図1に示す光合成素子70に相当する。図7(B)に示す角度35度は、図1に示す角度Aに相当する。なお、光合成素子70で反射される光束は、第2の平行化レンズ群115Bで平行な光束に変換されている。
つまり、光合成素子700bの反射面と光合成素子700bに入射する光線701bとのなす角度は、35度である。また、光合成素子700bの反射面と光合成素子700bで反射した光線701bとのなす角度も、35度である。
このため、図7(B)に示すように、図1のX軸と平行な方向に光線701bは進行しない。なお、図7(B)に示す軸C2は、図1に示すX軸に相当する。上述のように、光線701bが光合成素子700bに入射する角度35度は、図1に示す角度Aに相当する。
また、光線701bが光合成素子700bで反射される角度35度は、90度から反射角P3を引いた値の角度である。なお、反射角P3は、反射された光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。
光線701bは、軸C2に対して90度の角度で光合成素子700bに入射する。光合成素子700bに入射した光線701bは、軸C2に対して20度の角度で反射される。ここで示した「20度」は、軸C2に対する光合成素子700bの傾斜角度55度から、光合成素子700bで反射する角度35度を引いた値である。
つまり、光線701bは、軸C2と平行な方向に反射されない。従って、角度Aが45度以外の場合には、光合成素子70で反射された第2の励起光源群110Bから出射された光は、図1のX軸と平行な方向に進行しない。
なお、軸C2は、次のように定義される。光線701bが光合成素子700bに垂直に入射している状態から、光線701bに垂直な軸(光合成素子700bの回転軸)を中心にして光合成素子700bを回転させる。この場合に、軸C2は、光線701b及び光合成素子700bの回転軸を含む平面に対する垂線である。
軸C1と軸C2とは直交する。また、回転軸は、軸C1と軸C2とを含む平面に対して垂直である。
図7(B)に示す軸C2は、図1に示すX軸に相当する。また、回転軸は、図1に示すY軸に相当する。
図7(B)では、光合成素子700bは、光合成素子700bの回転軸を中心に55度回転している。そして、光合成素子700bの反射面と光線701bとのなす角度は、35度である。
角度Aが45度の場合には、折り曲げミラー71も光合成素子70と同様である。角度Bが45度以外の場合には、折り曲げミラー71で反射された光束は、Z軸と平行な方向に進行しない。
ただし、折り曲げミラー71は、第1の励起光源ユニット10aから出射された平行光束と第2の励起光源ユニット10bから出射された平行光束との角度関係を変えない。なぜなら、双方共に、同一の方向(+X軸方向)から折り曲げミラー71に入射して、折り曲げミラー71で反射されるからである。
つまり、光合成素子70において、第1の励起光源ユニット10aから出射された平行光束と第2の励起光源ユニット10bから出射された平行光束との角度関係は、角度Aを変化させることにより変えることができる。
角度Aが45度の場合には、第1の励起光源ユニット10aから出射した平行光束及び第2の励起光源ユニット10bから出射した平行光束は、X軸に対して平行に進行する。そして、第1の励起光源ユニット10aから出射した平行光束及び第2の励起光源ユニット10bから出射した平行光束は、両凸レンズ101に向かう。
一方、角度Aが45度以外の場合には、第1の励起光源ユニット10aから出射した平行光束は、X軸に対して平行となる。しかし、第2の励起光源ユニット10bから出射した平行光束は、X軸に対して角度を有する。つまり、第2の励起光源ユニット10bから出射した平行光束は、X軸に対して傾斜している。つまり、第2の励起光源ユニット10bから出射した平行光束は、X軸に対して平行とならない。
なお、図7(B)では、図5(A)又は図5(B)に示した光合成素子70a,70bを採用した場合には、光合成素子700bの光線701bが入射する側の面に反射領域74の反射面が形成されている。このため、反射領域74の反射面と透過領域75の透過面とは同一の面上に形成されている。
図8は、本実施の形態1の効果を示す光線のシミュレーションの結果を示す図である。
第1の光線群720aは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光である。第2の光線群720bは、第2の励起光源ユニット10bから出射された光である。図8において、第1の光線群720aは、破線で表されている。図8において、第2の光線群720bは、実線で表されている。
光合成素子710は、図1に示す光合成素子70に対応する。また、折り曲げミラー712は、図1に示す折り曲げミラー71に対応する。両凸レンズ711は、図1に示す両凸レンズ101に対応する。両凹レンズ713は、図1に示す両凹レンズ102に対応する。集光レンズ714は、図1に示す集光レンズ群400に対応する。集光面715は、図1に示す蛍光体素子40Gに対応する。
第1の光線群720aは、−X軸方向に進行する。−X軸方向に進行する第1の光線群720aは、光合成素子710を透過する。光合成素子710を透過した光線群720aは、−X軸方向に進行する。
両凸レンズ711は、光合成素子710の−X軸方向に配置されている。
光合成素子710を透過した第1の光線群720aは、両凸レンズ711を透過する。
両凸レンズ711を透過した第1の光線群720aは、−X軸方向に進行する。
折り曲げミラー712は、両凸レンズ711の−X軸方向に配置されている。
両凸レンズ711を透過した第1の光線群720aの中心光線は、折り曲げミラー712に角度Eで入射する。ここで、角度Eは、90度から入射角P1を引いた値の角度である。
なお、両凸レンズ711を透過した第1の光線群720aの中心光線は、X軸に対して平行である。つまり、角度Eは、X−Y平面に対して折り曲げミラー712が+Y軸方向からみて時計回りに回転した角度を示していることになる。
折り曲げミラー712で反射された第1の光線群720aは、−Z軸方向に進行する。
両凹レンズ713は、折り曲げミラー712の−Z軸方向に配置されている。
折り曲げミラー712で反射された第1の光線群720aは、両凹レンズ713に入射する。両凹レンズ713に入射した第1の光線群720aは、両凹レンズ713により平行な光束となる。
平行な光束となった第1の光線群720aは、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ714は、両凹レンズ713の−Z軸方向に配置されている。
平行な光束となった第1の光線群720aは、集光レンズ714に入射する。平行な光束となった第1の光線群720aは、集光レンズ714により集光面715の集光位置715aに集光する。
集光面715は、集光レンズ714の−Z軸方向に位置している。
第1の光線群720aの集光位置715aは、光軸C3に対して−X軸方向に位置する。光軸C3は、両凹レンズ713及び集光レンズ714の光軸である。
第2の光線群720bは、−Z軸方向に進行する。−Z軸方向に進行する第2の光線群720bは、光合成素子710に角度Dで入射する。ここで、角度Dは、90度から入射角P1を引いた値の角度である。角度Dは、図1に示す角度Aに相当する。
なお、角度Dは、Y−Z平面に対して光合成素子710が+Y軸方向からみて反時計回りに回転した角度を示していることになる。
−Z軸方向に進行する第2の光線群720bは、光合成素子710で反射される。光合成素子710で反射された第2の光線群720bは、−X軸方向に進行する。
両凸レンズ711は、光合成素子710の−X軸方向に配置されている。
光合成素子710で反射された第2の光線群720bは、両凸レンズ711に向けて進行する。光合成素子710で反射された第2の光線群720bは、両凸レンズ711を透過する。両凸レンズ711を透過した第2の光線群720bは、−X軸方向に進行する。
折り曲げミラー712は、両凸レンズ711の−X軸方向に配置されている。
両凸レンズ711を透過した第2の光線群720bの中心光線は、折り曲げミラー712に角度Eより大きい角度で入射する。つまり、両凸レンズ711を透過した第2の光線群720bの中心光線は、角度Dから45度引いた値の2倍の角度分だけ、角度Eより大きい角度で入射する。
つまり、両凸レンズ711を透過した第2の光線群720bは、両凸レンズ711を透過した第1の光線群720aよりも+Z軸方向側を−X軸方向に進行する。
なお、厳密には、第2の光線群720bの中心光線は、両凸レンズ711に垂直と異なる角度を有して透過するため、上述の説明に対して、若干角度は異なる。
折り曲げミラー712で反射された第2の光線群720bは、−Z軸方向に進行する。
両凹レンズ713は、折り曲げミラー712の−Z軸方向に配置されている。
折り曲げミラー712で反射された第2の光線群720bは、両凹レンズ713に入射する。両凹レンズ713に入射した第2の光線群720bは、両凹レンズ713により平行な光束となる。
平行な光束となった第2の光線群720bは、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ714は、両凹レンズ713の−Z軸方向に配置されている。
平行な光束となった第2の光線群720bは、集光レンズ714に入射する。平行な光束となった第2の光線群720bは、集光レンズ714により集光面715の集光位置715bに集光する。
集光面715は、集光レンズ714の−Z軸方向に位置している。
第2の光線群720bの集光位置715bは、光軸C3に対して+X軸方向に位置する。
ここで、角度Dは45度より大きい角度である。角度Dは、例えば、45.8度である。図8に示す角度Dは、図1に示す角度Aに相当する。
これにより、第2の光線群720bは、光合成素子710で反射された後、+Z軸方向に傾いて−X軸方向に進行する。つまり、光合成素子710よりも−X軸方向側では、第2の光線群720bは、第1の光線群720aよりも+Z軸方向側にずれた位置にある。
また、角度Eは、45度より小さい角度である。角度Eは、例えば、44.5度である。図8に示す角度Eは、図1に示す角度Bに相当する。
これにより、第1の光線群720aは、折り曲げミラー712で反射された後、光軸C3に対して−X軸方向に傾いて−Z軸方向に進行する。また、第2の光線群720bは、折り曲げミラー712で反射された後、第1の光線群720aよりも+X軸方向側を−Z軸方向に進行する。例えば、図8では、第2の光線群720bは、折り曲げミラー712で反射された後、光軸C3に対して+X軸方向に傾いて−Z軸方向に進行している。
これは、折り曲げミラー712に対する第2の光線群720bの入射角P1が、第1の光線群720aの入射角P1よりも小さいからである。入射角P1と反射角P3とは、光の反射の法則から等しくなる。このため、折り曲げミラー712に対する第2の光線群720bの反射角P3は、第1の光線群720aの反射角P3よりも小さくなる。
上述のように、角度D及び角度Eを調整することにより、図8に示すように、第1の光線群720aの集光位置715aと第2の光線群720bの集光位置715bとを、集光面715上でX軸方向に分離することができる。つまり、第1の光線群720aの集光位置715aと第2の光線群720bの集光位置715bとを、集光位置715の面上の異なる位置とすることができる。
このようにすることで、特許文献1のような複雑な光学素子を用いることなく、集光面715に集光する光束のエネルギー密度を半減させることが可能となる。
なお、図8の一例では、光合成素子710の角度Dは、折り曲げミラー712の角度Eより大きい角度となっている。しかし、光軸C3を中心として、集光面715上で異なる位置に集光させることができればよく、角度Eと角度Dの関係については特に上述の例に限定されない。
ただし、第1の光線群720aの集光位置715aと第2の光線群720bの集光位置715bとが光軸C3を中心としてX軸方向に均等な間隔で分離するためには、角度Dの45度に対する傾きが、角度Eの45度に対する傾きよりも大きくなることが好ましい。
また、図1の光合成素子70及び折り曲げミラー71に調整機構を設けてもよい。それにより、光合成素子70及び折り曲げミラー71を取り付ける際の公差(取り付けばらつき)を補正することができる。
また、投写型表示装置1の製造工程で、調整用の工具等を用いて、光合成素子70の角度A及び折り曲げミラー71の角度Bを調整してもよい。そうすることにより、調整機構が不要となり投写型表示装置1のコンパクト化及び低コスト化が図れる。
図9は、蛍光体素子40G上の励起光のスポット像の概略図を示した図である。図9は、+Z軸方向から蛍光体素子40Gを見た図である。図9に示された光強度分布は、等高線で表されている。そして、スポット像の中心は黒丸で示されている。等高線では、スポット像の中心ほど光強度が高い分布を示している。つまり、スポット像の中心に近いほど光強度が高い。蛍光体素子40Gの蛍光面は、図8に示す集光面715に相当する。光軸Cは、図8に示す光軸C3に相当する。
第1の励起光源ユニット10aから出射された光は、集光位置400aに集光している。集光位置400aは、図8に示す集光位置715aに相当する。集光位置400aは、光軸Cの−X軸方向側に位置している。
第2の励起光源ユニット10bから出射された光は、集光位置400bに集光している。集光位置400bは、図8に示す集光位置715bに相当する。集光位置400bは、光軸Cの+X軸方向側に位置している。
集光光は、実際には、図9に示すように集光位置400a,400bを中心とした光強度分布を有している。
図10から図13までは、蛍光体素子40G上の励起光のスポット像のシミュレーション結果の一例を示す図である。なお、便宜上、図1に示す両凹レンズ102と色分離フィルタ72との間に光拡散素子を配置した場合においてシミュレーションを行っている。
図10(A)及び図10(B)は、第2の励起光源群110Bから出射された光が蛍光体素子40G上に集光した際の光強度分布を示す。図11(A)及び図11(B)は、第1の励起光源群110Aから出射された光が蛍光体素子40G上に集光した際の光強度分布を示す。図12(A)及び図12(B)は、第1の励起光源群110Aから出射された光及び第2の励起光源群110Bから出射された光が蛍光体素子40G上に集光した際の光強度分布を示す。図13(A)及び図13(B)は、実施の形態1の構成を採用しない場合の第1の励起光源群110Aから出射された光及び第2の励起光源群110Bから出射された光が蛍光体素子40G上に集光した際の光強度分布を示す。
図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)は、蛍光体素子40Gの面(X−Y平面)上の光強度分布を示す。図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)の光強度分布は、相対的な光強度を5段階に分けている。5段階の光強度は、最大の光強度を1として、0〜0.2の領域、0.2〜0.4の領域、0.4〜0.6の領域、0.6〜0.8の領域及び0.8〜1の領域に分けられて表されている。光強度の強い方の領域を、黒色を濃くして表示している。つまり、スポット像の中心に近い領域ほど光強度が高い。スポット像の中心の領域が0.8〜1の領域である。スポット像の最も外側の領域が0〜0.2の領域である。
図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)の蛍光体素子40Gの面のX軸方向の大きさは、長さ2aである。つまり、図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)では、X軸は、−aから+aで表されている。図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)は、横軸がY軸で縦軸がX軸である。図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)は、向かって左側が+Y軸方向で、上側が+X軸方向である。図10(A)、図11(A)、図12(A)及び図13(A)は、光軸Cが原点(0,0)で表されている。
図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)は、蛍光体素子40Gの光軸Cを通り、X軸に平行な線上の相対的な光強度分布を示す。図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)は、横軸がX軸を表し、縦軸が相対的光強度[%]を表している。図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)の横軸は、向かって右側が+X軸方向である。図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)において、横軸の左端の値は−aで、横軸の右端の値は+aである。図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)の縦軸は、X軸上の光強度分布を最も光強度の高い値で正規化した相対光強度を示している。図10(B)、図11(B)、図12(B)及び図13(B)の縦軸は、パーセントで表されており、相対的光強度の最小値は0%で、最大値は100%である。
図10(A)は、第2の励起光源群110Bから発せられた光の光強度分布を表している。図10(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、Xの値が正の値の範囲に位置している。つまり、図10(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、Xの値が0から+aまでの範囲に位置している。図10(B)から分かるように、光強度の最大値は、+0.25a付近である。
図11(A)は、第1の励起光源群110Aから発せられた光の光強度分布を表している。図11(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、Xの値が負の値の範囲に位置している。つまり、図11(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、Xの値が−aから0までの範囲に位置している。図11(B)から分かるように、光強度の最大値は、−0.25a付近である。
以上より、第1の励起光源群110Aから出射された光と第2の励起光源群110Bから出射された光とは、光軸Cを通りY軸に平行な軸に対して軸対称の位置に集光していることが確認できる。
なお、図10(A)に示す光強度分布は、X軸方向に長い楕円形状をしている。一方、図11(A)に示す光強度分布は、Y軸方向に長い楕円形状をしている。楕円形状の長辺方向の相違は、励起光源の偏光方向に起因するものである。
実施の形態1では、例えば、第1の励起光源群110Aの発する光は、P偏光光である。ここで、第1の励起光源群110Aを出射した際のP偏光光の偏光方向は、Z軸と平行な方向である。第1の励起光源群110Aの発する光は、平行化レンズ群115Aを透過すると、Y軸方向に長い照度分布を持つ。
一方、第2の励起光源群110Bの発する光は、S偏光光である。ここで、第2の励起光源群110Bを出射した際のS偏光光の偏光方向は、Y軸と平行な方向である。第2の励起光源群110Bの発する光は、平行化レンズ群115Bを透過すると、X軸方向に長い照度分布を持つ。
なお、本実施の形態1では、偏光を用いて第1の励起光源群110Aの発する光及び第2の励起光源群110Bの発する光を合成している。しかし、例えば、ストライプ状のミラー等によって合成する際には、偏光に依存しないため、楕円形状の照度分布の長辺の方向を変えることは可能である。
図12(A)は、第1の励起光源群110Aから発せられた光及び第2の励起光源群110Bから発せられた光の光強度分布を表している。図12(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、2箇所存在する。
図12(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、+X軸方向側に1つあり、−X軸方向側に1つある。第1の励起光源群110Aから発せられた光の光強度分布の中心は、−X軸方向側にある光強度分布の最も明るい箇所である。第2の励起光源群110Bから発せられた光の光強度分布の中心は、+X軸方向側にある光強度分布の最も明るい箇所である。
+X軸方向側の光強度分布の最も明るい箇所と−X軸方向側の光強度分布の最も明るい箇所とは、光軸Cを中心として、対称の位置にある。つまり、上述のように、2つの光強度分布の最も明るい箇所は、光軸Cを通りY軸に平行な軸に対して軸対称の位置である。
図12(B)から分かるように、光強度のピーク位置は2箇所に分かれているが、光軸Cを中心とする領域は、均一な光強度となっていることが確認できる。図12(B)では、光軸Cを中心とする領域は、Xの値が−0.25aから+0.25aまでの範囲である。つまり、図12(B)では、Xの値が−0.25aから+0.25aまでの範囲は、均一な光強度となっている。
図13(A)は、第1の励起光源群110Aから発せられた光及び第2の励起光源群110Bから発せられた光が、1箇所に集光した場合の光強度分布を表している。つまり、角度A及び角度Bが45度の場合を示している。図13(A)の光強度分布の最も明るい箇所は、光軸C上に存在する。
図13(B)では、2つの光強度分布を曲線D1及び曲線D2で示している。曲線D1は、図12(A)に示す光強度分布のX軸上の光強度の値を示している。つまり、曲線D1は、図12(B)に示す光強度を表している。曲線D2は、図13(A)に示す光強度分布のX軸上の光強度の値を示している。
図13(B)の縦軸は、曲線D2のX軸上の強度分布の最も光強度の高い値で正規化した相対光強度を示している。
曲線D2は、光軸C(X=0)を中心として急峻な光強度曲線を示している。形状としては、曲線D2は、三角形形状をしている。それに対し、曲線D1の相対光強度の最大値は、曲線D2の相対光強度の最大値の50%である。曲線D1の光強度の最大値は、曲線D2の光強度の最大値に対して半減している。つまり、曲線D1の局所的な光強度は、曲線D2の局所的な光強度に対して半減している。形状としては、曲線D2は、台形形状をしている。
これにより、曲線D1の相対光強度の特性を有する光は、蛍光体素子40Gの局所的な光飽和を抑制することが可能となる。また、曲線D1の相対光強度の特性を有する光は、蛍光体素子40Gの変換効率が向上する。また、曲線D1の相対光強度の特性を有する光は、蛍光体素子40Gの長寿命化が図れる。
また、このような蛍光体素子40Gの局所的な光飽和の抑制は、光合成素子70及び折り曲げミラー71を回転させて配置するという単純な構成により実現できる。このように、簡易な構成とすることで組立性が改善されて、低コスト化が図れる。
<赤色光源ユニット30Rと赤色の光束>
光源装置2は、赤色光源ユニット30Rを備えている。赤色光源ユニット30Rは、赤色の波長域で発光する赤色光源群310Rを備えている。また、赤色光源ユニット30Rは、平行化レンズ群315Rを備えている。
赤色光源群310Rは、複数の赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333を備えている。赤色の波長域の中心波長は、例えば、640nmである。
図14は、赤色光源ユニット30Rの配置構成を示す構成図の一例である。赤色光源ユニット30Rは、図14に示すように、赤色光源群310R及び平行化レンズ群315Rを備える。
赤色光源群310Rは、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333を備えている。
赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333は、X−Y平面上に配列されている。図14では、例えば、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333は、X−Y平面上にマトリックス状に配列されている。
また、平行化レンズ群315Rは、平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336を備えている。
平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、X−Y平面上に配列されている。図14では、例えば、平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、X−Y平面上にマトリックス状に配列されている。
また、平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333の+Z軸方向に配置されている。例えば、平行化レンズ314は、赤色光源311の+Z軸方向に配置されている。このため、図14では、赤色光源311は破線で表されている。
平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333の対応する位置に配置されている。「対応する位置」とは、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333から出射された光が、平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336を透過する位置のことである。
平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333から出射された光束を平行化する。例えば、平行化レンズ314は、赤色光源311から出射された光束を平行化する。
平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336は、平行化された光束をレンズ群300の方向に放射する。ここで、レンズ群300の方向は、+Z軸方向である。
本実施の形態1では、赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333は、レーザー光源である。
赤色光源群310Rから放射された赤色の光は、+Z軸方向に進行する。
図1に示すように、赤色光源群310Rの+Z軸方向には、平行化レンズ群315Rが配置されている。
平行化レンズ群315Rは、複数の平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336を備えている。
赤色光源群310Rから放射された赤色の光は、平行化レンズ群315Rによって、平行な光束に変換される。例えば、赤色光源311から放射された赤色の光は、平行化レンズ314によって、平行な光束に変換される。
平行化レンズ群315Rによって変換された平行な光束は、+Z軸方向に進行する。例えば、平行化レンズ314によって変換された平行な光束は、+Z軸方向に進行する。
平行化レンズ群315Rの+Z軸方向にはレンズ群300が配置されている。
レンズ群300は、例えば、凸レンズ301及び凹レンズ302を備えている。
レンズ群300は、上述した、両凸レンズ101及び両凹レンズ102と同様の特性を有している。つまり、平行化レンズ群315Rから出射された平行な光束の束(全光束)は、レンズ群300で全光束の径が縮小された平行な光束(全光束)に変換される。
凸レンズ301及び凹レンズ302から出射した赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
色分離フィルタ73は、レンズ群300の+Z軸方向に配置されている。
このレンズ群300から出射した赤色の光束は、色分離フィルタ73に到達する。そして、レンズ群300から出射した赤色の光束は、色分離フィルタ73を透過する。
色分離フィルタ73を透過した赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
集光光学系80は、色分離フィルタ73の+Z軸方向に配置されている。
色分離フィルタ73を透過した赤色の光束は、集光光学系80に到達する。そして、色分離フィルタ73を透過した赤色の光束は、集光光学系80を透過する。
色分離フィルタ73を透過した赤色の光束は、集光光学系80により光強度均一化素子113の入射端面113iに集光する。
なお、レンズ群300を除いても、集光光学系80が平行化レンズ群315Rから出射された全光束を入射できる大きさであれば、平行化レンズ群315Rから出射された光束は、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。つまり、集光光学系80は、平行化レンズ群315Rから出射された複数の光束(全光束)を入射して光強度均一化素子113に導く。例えば、集光光学系80は、平行化レンズ314から出射された光束を入射して光強度均一化素子113に導く。
赤色の光束は、入射端面113iから光強度均一化素子113に入射する。光強度均一化素子113に入射した赤色の光束の光強度分布は、均一化される。そして、均一化された赤色の光束は、出射端面113oから出射される。
出射端面113oから出射された赤色の光束は、緑色の光束と同様に、リレーレンズ群115、折り曲げミラー120及び集光レンズ122を経てライトバルブ121に入射する。
光強度均一化素子113は、複数の集光光束を入射端面113iから入射して光強度分布の均一な光束として出射する。
ライトバルブ121は、均一な光束を入射して変調光として出射する。ライトバルブ121は、入射した均一な光束を変調光に変換して出射する。
<青色光源ユニット20Bと青色の光束>
光源装置2は、青色光源ユニット20Bを備えている。青色光源ユニット20Bは、青色の波長域で発光する青色光源群210Bを備えている。また、青色光源ユニット20Bは、平行化レンズ群215Bを備えている。
青色光源群210Bは、複数の青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233を備えている。青色の波長域の中心波長は、例えば、460nmである。
図15は、青色光源ユニット20Bの配置構成を示す構成図の一例である。青色光源ユニット20Bは、図15に示すように、青色光源群210B及び平行化レンズ群215Bを備える。
青色光源群210Bは、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233を備えている。
青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233は、Y−Z平面上に配列されている。図15では、例えば、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233は、Y−Z平面上にマトリックス状に配列されている。
また、平行化レンズ群215Bは、平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236を備えている。
平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、Y−Z平面上に配列されている。図15では、例えば、平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、Y−Z平面上にマトリックス状に配列されている。
また、平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233の−X軸方向に配置されている。例えば、平行化レンズ214は、青色光源211の−X軸方向に配置されている。このため、図15では、青色光源211は破線で表されている。
平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233の対応する位置に配置されている。「対応する位置」とは、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233から出射された光が、平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236を透過する位置のことである。
平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233から出射された光束を平行化する。例えば、平行化レンズ214は、青色光源211から出射された光束を平行化する。
平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236は、平行化された光束をレンズ群200の方向に放射する。ここで、レンズ群200の方向は、−X軸方向である。
本実施の形態1では、青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233は、レーザー光源である。
青色光源群210Bから放射された青色の光は、−X軸方向に進行する。
図1に示すように、青色光源群210Bの−X軸方向には、平行化レンズ群215Bが配置されている。
平行化レンズ群215Bは、複数の平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236を備えている。
青色光源群210Bから放射された青色の光は、平行化レンズ群215Bによって、平行な光束に変換される。例えば、青色光源211から放射された青色の光は、平行化レンズ214によって、平行な光束に変換される。
平行化レンズ群215Bによって変換された平行な光束は、−X軸方向に進行する。例えば、平行化レンズ214によって変換された平行な光束は、−X軸方向に進行する。
平行化レンズ群215Bの−X軸方向にはレンズ群200が配置されている。
レンズ群200は、例えば、凸レンズ201及び凹レンズ202を備えている。
レンズ群200は、上述した、両凸レンズ101及び両凹レンズ102と同様の特性を有している。つまり、平行化レンズ群215Bから出射された平行な光束の束(全光束)は、レンズ群200で全光束の径が縮小された平行な光束(全光束)に変換される。
凸レンズ201及び凹レンズ202から出射した青色の光束は、−X軸方向に進行する。
色分離フィルタ72は、レンズ群200の−X軸方向に配置されている。
このレンズ群200から出射した青色の光束は、色分離フィルタ72に到達する。そして、レンズ群200から出射した青色の光束は、色分離フィルタ72を透過する。
色分離フィルタ72を透過した青色の光束は、−X軸方向に進行する。
色分離フィルタ73は、色分離フィルタ72の−X軸方向に配置されている。
色分離フィルタ72を透過した青色の光束は、色分離フィルタ73に到達する。そして、色分離フィルタ72を透過した青色の光束は、色分離フィルタ73で反射される。
色分離フィルタ73で反射された青色の光束は、+Z軸方向に進行する。色分離フィルタ72を透過した青色の光束は、色分離フィルタ73で+Z軸方向に反射される。
集光光学系80は、色分離フィルタ73の+Z軸方向に配置されている。
色分離フィルタ73で反射された青色の光束は、集光光学系80に到達する。そして、色分離フィルタ73で反射された青色の光束は、集光光学系80を透過する。
色分離フィルタ73で反射された青色の光束は、集光光学系80により光強度均一化素子113の入射端面113iに集光する。
なお、レンズ群200を除いても、集光光学系80が平行化レンズ群215Bから出射された全光束を入射できる大きさであれば、平行化レンズ群215Bから出射された光束は、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。つまり、集光光学系80は、平行化レンズ群215Bから出射された複数の光束(全光束)を入射して光強度均一化素子113に導く。例えば、集光光学系80は、平行化レンズ214から出射された光束を入射して光強度均一化素子113に導く。
青色の光束は、入射端面113iから光強度均一化素子113に入射する。光強度均一化素子113に入射した青色の光束の光強度分布は、均一化される。そして、均一化された青色の光束は、出射端面113oから出射される。
出射端面113oから出射された青色の光束は、緑色の光束及び赤色の光束と同様に、リレーレンズ群115、折り曲げミラー120及び集光レンズ122を経てライトバルブ121に入射する。
光強度均一化素子113は、複数の集光光束を入射端面113iから入射して光強度分布の均一な光束として出射する。
ライトバルブ121は、均一な光束を入射して変調光として出射する。ライトバルブ121は、入射した均一な光束を変調光に変換して出射する。
なお、青色光源群210Bの発する光の中心波長は、第1の励起光源群110Aの発する光の中心波長及び第2の励起光源群110Bの発する光の中心波長より10nm以上長い。
これにより、第1の励起光源群110A及び第2の励起光源群110Bを青色の光源に使用した場合と比較して、青色の色味を向上させることが可能となる。つまり、中心波長が460nm以上の青色の光源を用いれば、青色の色味は向上する。なお、波長が450nmの光は、紫色の傾向が強い青色である。460nmの波長の光の方が、450nmの波長の光より青色に近い。
<集光レンズ122、ライトバルブ121及び投写光学系124の位置関係>
図16は、正面側から見たときの投写型表示装置1の構成の一部を概略的に示す模式図である。「正面側から見る」とは、−X軸方向側から+X軸方向を見ることである。
図16においては、説明の便宜上、光強度均一化素子113より後段の光学素子に関して図示している。「後段」とは、光が進行していく方向である。つまり、図16では、光強度均一化素子113から出射された光が透過する構成要素又は反射される構成要素を図示している。
折り曲げミラー120で反射された光束は、集光レンズ122を透過する。集光レンズ122を透過した光束は、ライトバルブ121に入射する。
ライトバルブ121は、上述の通り、変調制御信号MCに応じて入射する光を空間的に変調する。そして、ライトバルブ121は、入射する光を変調光に変換して出力する。
投写光学系124は、ライトバルブ121の光変調面(光出射面)から出射された変調光を入射する。投写光学系124は、入射した変調光を被投写面150に拡大して投写する。
変調光は、被投写面150に投写される。そして、被投写面150には光学像が表示される。被投写面150は、例えば、外部のスクリーンなどである。
図16に示されるように、投写光学系124の光軸OAは、ライトバルブ121の光出射面(光変調面)の中心軸CAに対して+Y軸方向に距離dだけずれている。つまり、距離dは、投写光学系124の光軸OAからライトバルブ121の光出射面(光変調面)の中心軸CAまでのZ−X平面に対する法線方向(Y軸方向)の距離である。「+Y軸方向」とは、投写型表示装置1の高さ方向である。
光軸OA及び中心軸CAは、Y−Z平面に垂直な軸である。このため、図16では光軸OA及び中心軸CAを黒丸で示す。
なお、ライトバルブ121は、投写光学系124の+X軸方向に位置するので、ライトバルブ121の一部は、破線で示されている。
また、投写光学系124との干渉を防ぐため、集光レンズ122は、一部を切り欠いた形状をしている。ここで、「干渉」とは、部品どうしが接触するという意味である。図16では、円筒形状の投写光学系124を避けるように左上側が削られている。
図17は、投写光学系124と被投写面150との関係を説明する模式図である。
図17に示すように、被投写面150の中心位置は、投写光学系124の光軸OAに対して+Y軸方向にd×Mの距離だけずれている。なお、上述のように、距離dは、ライトバルブ121の中心軸CAから投写光学系124の光軸OAまでのY軸方向の距離である。拡大倍率Mは、投写光学系124の拡大倍率である。
なお、本実施の形態1で示すリレーレンズ群115からライトバルブ121までのリレー光学系の場合には、ライトバルブ121の中心軸CAと投写レンズの光軸OAとは一致しない。また、光軸OAは、Y−Z平面に垂直な軸である。このため、図17では光軸OAを黒丸で示す。また、図17で示した「被投写面150」は、スクリーン等の被投写面150上の映像が投写される位置を示している。
上述したように、投写型表示装置1から出射した投写光Roは、被投写面150に到達する。
投写型表示装置1の投写光学系124の光軸OAから+Y軸方向に被投写面150の中心が存在する場合には、図16に示すように、ライトバルブ121の中心軸CAに対して投写光学系124の光軸OAを+Y軸方向にずらす。これにより、図17に示すように、被投写面150を+Y軸方向に移動させることが可能となる。
一方、投写型表示装置1の投写光学系124の光軸OAから−Y軸方向に被投写面150の中心が存在する場合には、投写型表示装置1をX軸中心に180度回転させればよい。そうすれば、図17の−Y軸方向に被投写面150の中心を移動させることが可能となる。ただし、投写光学系124が投写型表示装置1のZ軸方向の中心に無い場合には、Z軸方向に投写型表示装置1を移動させる必要が生じる。
<蛍光体素子40Gと光強度均一化素子113との関係>
図18に光強度均一化素子113に集光する光束の光強度分布の概略図を示す。図18は、光強度均一化素子113の入射端面113i上の光強度分布を表す模式図である。図18に示された光強度分布は、等高線で概略を表されている。そして、スポット像の中心は黒丸で示されている。等高線では、スポット像の中心ほど光強度が高い分布を示している。つまり、スポット像の中心に近いほど光強度が高い。図18は、光強度均一化素子113の入射端面113iを−Z軸方向から見た図である。
本実施の形態1では、図18に示すように光強度均一化素子113は、X軸及びY軸に対して傾いて配置されている。例えば、光強度均一化素子113は、光軸Cを中心に回転して配置されている。図18では、入射端面113iの短辺がY軸に平行な位置から、時計回りに回転している。
図9に示すように、第1の励起光源群110Aから放射された光束は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して−X軸方向側に集光する。第1の励起光源群110Aから放射された光束は、集光位置400aに集光する。そのため、第1の励起光源群110Aから放射された光束の最大光強度の位置は、光軸Cに対して−X軸方向側にある。
また、第2の励起光源群110Bから放射された光束は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して+X軸方向側に集光する。第2の励起光源群110Bから放射された光束は、集光位置400bに集光する。そのため、第2の励起光源群110Bから放射された光束の最大光強度の位置は、光軸Cに対して+X軸方向側にある。
これより、集光位置400aに光強度分布の中心を有する光束が、蛍光体素子40Gから出射される。集光位置400aに光強度分布の中心を有する光束は、集光レンズ群400によって光束が平行化される。平行化された光束は、集光光学系80によって、光強度均一化素子113の入射端面113i上に集光する。平行化された光束の入射端面113i上の集光位置は、光軸Cに対して+X軸方向側にある。集光位置400aに光強度分布の中心を有する光束は、入射端面113i上の集光位置113aに集光する。集光位置113aは、光軸Cに対して+X軸方向側にある。
一方、集光位置400bに光強度分布の中心を有する光束が、蛍光体素子40Gから出射される。集光位置400bに光強度分布の中心を有する光束は、集光レンズ群400によって光束が平行化される。平行化された光束は、集光光学系80によって、光強度均一化素子113の入射端面113i上に集光する。平行化された光束の入射端面113i上の集光位置は、光軸Cに対して−X軸方向側にある。集光位置400bに光強度分布の中心を有する光束は、入射端面113i上の集光位置113bに集光する。集光位置113bは、光軸Cに対して−X軸方向側にある。
また、ライトバルブ121に入射する光束は、その使用の方法から、ライトバルブ121に対して斜め下から入射する。このため、光強度均一化素子113の出射端面113oの長辺の方向と、ライトバルブ121の長辺の方向とを光学的に一致させるために、光強度均一化素子113を光軸C中心に回転させて配置する。そして、折り曲げミラー120により、光束の光軸C中心に対する回転を補正する。光軸Cは、X−Y平面に垂直な軸である。このため、図18では光軸Cを黒丸で示す。
図9で説明したように、図8で説明した光合成素子710及び折り曲げミラー712の角度関係を踏襲した場合について説明する。つまり、図1に示された角度Aを45度より大きく設定し、角度Bを45度より小さく設定する。
この場合には、第1の励起光源群110Aから出射された光は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して−X軸方向に集光する。また、第2の励起光源群110Bから出射された光は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して+X軸方向に集光する。なお、図8の光合成素子710は、図1の光合成素子70に相当する。また、図8の折り曲げミラー712は、図1の折り曲げミラー71に相当する。
また、図1に示された角度Aを45度より小さく設定し、角度Bを45度より大きく設定した場合について説明する。
この場合には、第1の励起光源群110Aから出射された光は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して+X軸方向に集光する。また、第2の励起光源群110Bから出射された光は、蛍光体素子40G上で光軸Cに対して−X軸方向に集光する。なお、図1に示された角度Aは、図8に示された角度Dに相当する。また、図1に示された角度Bは、図8に示された角度Eに相当する。
なお、本実施の形態1では便宜上、中心の光強度範囲を狭くしている。しかし、色分離フィルタ72と両凹レンズ102との間に光拡散素子を配置する等により、中心の光強度範囲を広くし、強度分布を滑らかにすることは可能である。
図10から図13までに結果を示したシミュレーションは、色分離フィルタ72と両凹レンズ102との間に光拡散素子を配置している。
光拡散素子を配置しない場合には、光束の径が小さくなり、強度分布を滑らかにする効果は得られにくくなる。しかし、光拡散素子を用いない場合でも、本実施の形態1では、光強度を2つに分割できるので、蛍光体の変換効率の向上及び長寿命化の効果が得られる。
蛍光体素子40Gと光強度均一化素子113の入射端面113iとは、共役関係にある。従って、蛍光体素子40G上の光強度分布が光強度均一化素子113の入射端面113iの光強度分布となる。つまり、図9に示された蛍光体素子40G上の光強度分布の形状は、図18に示された入射端面113i上の光強度分布の形状と相似関係にある。
ここで、蛍光体素子40Gは、第1の励起光源群110Aから出射された光束が蛍光体面上に集光されると、完全拡散された光束として緑色の光束に変換され、集光レンズ群400に向けて放射される。
同様に、蛍光体素子40Gは、第2の励起光源群110Bから出射された光束が蛍光体面上に集光されると、完全拡散された光束として緑色の光束に変換され、集光レンズ群400に向けて放射される。
光源の出射角度S1と出射面積SAには以下の式(1)の関係がある。ここでの光源は、蛍光体素子40Gの蛍光体である。つまり、変換された緑色の光の放射角度が、出射角度S1に相当する。また、蛍光体素子40G上の励起光のスポット径が、出射面積SAに相当する。
SA×(sin(S1))2=一定 ・・・(1)
蛍光体素子40Gから出射される光束の発散角度(出射角度S1)を80度とし、光強度均一化素子113の有効入射角度を30度と設定する。この場合には、光強度均一化素子113の入射端面113iに入射する光束の面積は、蛍光体素子40G上の励起光のスポットの面積の約4倍となる。従って、光強度均一化素子113の入射端面113iに入射する光束の面積から蛍光体素子40Gに集光させる光束の最適な位置及び大きさ(スポット径)を決定することが可能となる。
例えば、蛍光体素子40Gから出射される光束の発散角度(80度)と、光強度均一化素子113の有効入射角度(30度)とには、下記の式(2)の関係がある。
(sin(80))2≒4×(sin(30))2 ・・・(2)
式(2)に示されるように、スポット径の面積をSA(出射面積)とすると、図6に示す光強度均一化素子113の入射端面113iの面積(L0×H0)は、4×SAと同等となる。これにより、スポット径の面積SAを決定することが可能となる。ここで、図6において、入射端面113iと出射端面113oは、縦横比(L:H)及び面積が等しいとした。
なお、入射端面113iの面積が4×SAと「同等」としているのは、厳密には、出射端面113oは矩形であり、スポット径は円形であるため、「等しい」とできないためである。「同等」とは、同じ程度であることである。
また、光源の出射面積SAは、励起光のスポット径の面積と同等としている。光源の出射面積SAは、蛍光体が蛍光を発する面積である。
ここで、光強度均一化素子113の入射端面113iに入射する光束の面積及び有効入射角度は、ライトバルブ121に入射する光束の面積及び有効入射角度により決定される。これに関しても、式(1)を用いて算出される。ここで、光強度均一化素子113の出射端面113oとライトバルブ121とが共役関係にあるため、式(1)が適用できる。
なお、入射端面113iに入射する光束の角度と出射端面113oから出射する光束の角度とを同じとした。
以上から、光強度均一化素子113の入射端面113iに入射する光束の面積及び有効角度から、蛍光体素子40Gに集光させる光の光強度分布を決定させることが可能となる。
なお、図18では、光強度均一化素子113がX軸及びY軸に対して傾いている。このため、効率的に蛍光体素子40Gからの光束を取り込めていない。しかし、光強度均一化素子113の前段の光束を、光強度均一化素子113の中心Cを軸中心として回転させて、X軸及びY軸との傾きをなくしてもよい。
なお、光強度均一化素子113より後段の光学系を工夫することにより、光強度均一化素子113から出射される光の傾きをなくしてもよい。例えば、全反射プリズムを用いた照明光学系とすることにより、光強度均一化素子113の傾きをなくすことが可能である。
また、光合成素子70及び折り曲げミラー71の回転方向は、光強度均一化素子113の入射端面113iの長辺方向に光源(蛍光体素子40G)から出射された光束が2つ形成されるように回転させる必要がある。つまり、集光位置113aと集光位置113bとは、入射端面113iの長辺方向に並ぶ必要がある。そのため、第1の励起光源ユニット10a及び第2の励起光源ユニット10bの配置も工夫する必要がある。
上述のように、蛍光体素子40Gに2つの光源像が形成される。そして、蛍光体素子40G上の局所的な光強度分布が軽減される。ここで、「局所的な光強度分布」とは、エネルギー密度が局所的に高くなることを意味する。そして、蛍光体素子40Gの局所的な光飽和を軽減することが可能となる。そして、蛍光体素子40Gの変換効率が高くなる。
さらに、蛍光体素子40G上の局所的な光強度分布の軽減は、光合成素子70及び折り曲げミラー71を回転させることにより実現可能である。つまり、光学素子の追加が不要となり、部品点数の増加を抑えることによる装置の小型化、組立性の改善又は低コスト化が図れる。
そして、光源(蛍光体素子40G)から出射された2つの光束を光強度均一化素子113の入射端面113iに入射させることができる。
本実施の形態1では、光合成素子70、両凸レンズ101、折り曲げミラー71そして両凹レンズ102の順に光束が進行する構成としている。しかし、光合成素子70、折り曲げミラー71、両凸レンズ101そして両凹レンズ102の順に光束が進行する構成としても構わない。その際も、光合成素子70と折り曲げミラー71とを、Y軸中心に同じ方向に回転させればよい。
本実施の形態1では、光束径を縮小するために両凸レンズ101及び両凹レンズ102を配置した。しかし、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を削除することができる。つまり、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を削除しても同様の効果が得られる。
同様に、レンズ群200,300も削除することができる。
以上より、光源装置2は、光合成素子70及び蛍光体素子40Gを備える。光合成素子70は、第1の励起光を透過して、第2の励起光を反射する。蛍光体素子40Gは、第1の励起光及び第2の励起光を受けて蛍光を発する。
光合成素子70から出射する第1の励起光の出射角と光合成素子70で反射する第2の励起光の反射角とが異なることにより、光合成素子70を透過した第1の励起光が蛍光体素子40Gに到達する位置400aと光合成素子70で反射された第2の励起光が蛍光体素子40Gに到達する位置400bとが異なる。
実施の形態1では、第1の励起光は、第1の励起光源群110Aから出射された光である。第2の励起光は、第2の励起光源群110Bから出射された光である。
実施の形態1では、第1の光源110Aは、「第1の励起光源群」として、複数の光源を有する形態で説明した。しかし、光量を上げるために複数の光源を用いた例を示したのであって、光量の高い光源の場合には、「光源群」である必要は無い。
また、実施の形態1では、2つの光源(光源群)を用いて説明したが、1つの光源から第1の励起光及び第2の励起光に分割することも考えられる。
光源装置2は、第1の光源110A及び第2の光源110Bを備える。第1の励起光は、第1の光源110Aから発せられ、第2の励起光は、第2の光源110Bから発せられる。
実施の形態1では、第1の光源110Aを、第1の励起光源群110Aとして説明している。また、第2の光源110Bを、第2の励起光源群110Bとして説明している。
第1の励起光は、第2の励起光を反射する光合成素子70の反射面を透過する。
光合成素子70は、第1の励起光を透過する透過領域75と、第2の励起光を反射する反射領域74の反射面とを備える。反射領域74は、透過領域75とは異なる領域である。
透過領域75は透過面を備える。透過面は、反射領域74の反射面と同一の面上に位置する。
透過領域75は、光合成素子70に設けられた穴で形成されている。
光合成素子70の反射面は、第1の励起光の光束の中心光線と第2の励起光の光束の中心光線とを含む面の法線を含み、この法線を回転軸として回転して配置されている。
光合成素子70の透過面は、第1の励起光の光束の中心光線と第2の励起光の光束の中心光線とを含む面の法線を含み、この法線を回転軸として回転して配置されている。
光合成素子70に入射する第1の励起光の光束の中心光線と光合成素子70に入射する第2の励起光の光束の中心光線とのなす角が90度である。
光合成素子70の反射面が、例えば、第1の励起光の出射側に位置する場合には、光合成素子70の反射面は、光合成素子70の反射面に対する第1の励起光の出射角が45度となる位置から第1の励起光の光束の中心光線と第2の励起光の光束の中心光線とを含む面の法線を回転軸として回転して配置されている。
光合成素子70の反射面が、例えば、第1の励起光の入射側に位置する場合には、光合成素子70の透過面は、光合成素子70の透過面に対する第1の励起光の出射角が45度となる位置から第1の励起光の光束の中心光線と第2の励起光の光束の中心光線とを含む面の法線を回転軸として回転して配置されている。
従って、光合成素子70は、第1の励起光の光束の中心光線と第2の励起光の光束の中心光線を含む面の法線を回転軸として回転して配置されている。
光源装置2は、折り曲げミラー71を備える。折り曲げミラー71は、光合成素子70を透過した第1の励起光及び光合成素子70で反射された第2の励起光を反射する。
折り曲げミラー71の反射面は、折り曲げミラー71に入射する第1の励起光の光束の中心光線と折り曲げミラー71で反射された第1の励起光の光束の中心光線とを含む平面の法線を含み、この法線を回転軸として回転して配置されている。
折り曲げミラー71の反射面は、折り曲げミラー71の反射面に対する第1の励起光の中心光線の入射角が45度となる位置から、折り曲げミラー71に入射する第1の励起光の光束の中心光線と折り曲げミラー71で反射された第1の励起光の光束の中心光線とを含む平面の法線を回転軸として回転して配置されている。
光源装置2は、第1の光源110Aから出射された第1の励起光を平行光束にする平行化レンズ115Aを備える。また、光源装置2は、第2の光源110Bから出射された第2の励起光を平行光束にする平行化レンズ115Bを備える。
実施の形態2.
図19は、本発明に係る実施の形態2の光源装置1001の主要構成を概略的に示す構成図である。実施の形態2は、回転式蛍光体素子41G,42G及び平行化レンズ群501、集光レンズ群502を備えている点で実施の形態1と異なる。実施の形態1で説明した投写型表示装置1の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1と同じ構成要素は、第1の励起光源ユニット10a、第2の励起光源ユニット10b、光合成素子70、両凸レンズ101、両凹レンズ102、折り曲げミラー71、色分離フィルタ72、色分離フィルタ73、集光レンズ群400(凸レンズ401及び非球面凸レンズ402)、青色光源ユニット20B、赤色光源ユニット30R及びレンズ群200、300である。
また、集光光学系80及び光強度均一化素子113も実施の形態1の投写型表示装置1と同じである。また、光強度均一化素子113より後段の構成要素も実施の形態1の投写型表示装置1と同様である。つまり、実施の形態1と同じ構成要素は、リレーレンズ群115(凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118)、折り曲げミラー120、集光レンズ122、ライトバルブ121、投写光学系124及び制御部3である。
光源装置2,1001は、アフォーカル光学系として、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を備える。光源装置2,1001の集光レンズ群400は、凸レンズ401及び非球面凸レンズ402を備える。光源装置2,1001のリレーレンズ群115は、凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118を備える。
なお、実施の形態1と同じ構成要素の構成、機能又は動作等は、実施の形態2で説明を省いた場合でも、実施の形態1の記載を代用する。また、実施の形態2の中で説明した、実施の形態1に関する記載は、実施の形態1の説明として用いる。ここで、「動作」とは、光の挙動を含む。
図20は、回転式蛍光体素子41Gを+Z軸方向から観察した概略図である。図21は、回転式蛍光体素子42Gを+Z軸方向から観察した概略図である。図22は、回転式蛍光体素子41Gの他の例を+Z軸方向から観察した概略図である。
<回転式蛍光体素子の構成>
回転式蛍光体素子41Gは、例えば、図20では、円板形状をしている。そして、円板の周縁部の一部に蛍光体が塗布されている。なお、回転式蛍光体素子41Gは、円板形状に限られない。
回転式蛍光体素子41Gの領域41Gaは、蛍光体が塗布された領域である。なお、円板の周縁部は、光束が照射される領域である。
回転式蛍光体素子41Gの領域41Gbは、光を透過する領域(透過領域)である。つまり、領域41Gbに入射した光束は、領域41Gbを通過する。
図20では、回転式蛍光体素子41Gの周縁部の右半分(+X軸方向側)が領域41Gaである。また、回転式蛍光体素子41Gの周縁部の左半分(−X軸方向側)が領域41Gbである。
図22では、回転式蛍光体素子41Gの周縁部を円周方向に4分割して、領域41Gaと領域41Gbとが交互に配置されている。
図22では、回転式蛍光体素子41Gの周縁部の右側(+X軸方向側)及び左側(−X軸方向側)が領域41Gaである。また、回転式蛍光体素子41Gの周縁部の上側(+Y軸方向側)及び下側(−Y軸方向側)が領域41Gbである。
回転式蛍光体素子42Gは、例えば、図21では、円板形状をしている。そして、円板の周縁部の全てに蛍光体が塗布されている。なお、回転式蛍光体素子42Gは、円板形状に限られない。
回転式蛍光体素子42Gの領域42Gaは、蛍光体が塗布された領域である。なお、円板の周縁部は、光束が照射される領域である。
<励起光源群110A,110Bから出射された光の挙動>
第1の励起光源ユニット10a及び第2の励起光源ユニット10bから出射された光束は、両凸レンズ101及び両凹レンズ102により平行化される。そして、第1の励起光源ユニット10a及び第2の励起光源ユニット10bから出射された光束は、集光レンズ群400に入射する。
なお、実施の形態1と同様に、両凸レンズ101と両凹レンズ102との間には、折り曲げミラー71が配置されている。
実施の形態1と同様に、両凸レンズ101から−X軸方向に進行した光束の進行方向は、折り曲げミラー71によって−Z軸方向に変更される。
集光レンズ群400に入射した光束は、集光レンズ群400により、回転式蛍光体素子41Gに集光する。
回転式蛍光体素子41Gの領域41Gaに集光された光束は、蛍光体により、緑色の光束(蛍光)に変換される。
領域41Gaで蛍光に変換された緑色の光束は、+Z軸方向に進行する。そして、回転式蛍光体素子41Gを出射した緑色の光束は、集光レンズ群400に到達する。回転式蛍光体素子41Gを出射した緑色の光束は、集光レンズ群400により、平行化される。そして、平行化された緑色の光束は、+Z軸方向に進行する。つまり、平行化された緑色の光束は、色分離フィルタ72に向けて進行する。
一方、回転式蛍光体素子41Gの領域41Gbに集光された光束は、回転式蛍光体素子41Gを透過する。
回転式蛍光体素子41Gを透過した光束は、−Z軸方向に進行する。
平行化レンズ群501は、回転式蛍光体素子41Gの−Z軸方向に配置されている。
平行化レンズ群501は、凸レンズ501a及び凸レンズ501bを備えている。凸レンズ501aは、平行化レンズ群501の+Z軸方向側に配置されている。凸レンズ501bは、平行化レンズ群501の−Z軸方向側に配置されている。
回転式蛍光体素子41Gを透過した光束は、平行化レンズ群501に到達する。そして、回転式蛍光体素子41Gを透過した光束は、平行化レンズ群501により再び平行化される。
平行化レンズ群501で平行化された光束は、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ群502は、平行化レンズ群501の−Z軸方向に配置されている。
集光レンズ群502は、凸レンズ502a及び凸レンズ502bを備えている。凸レンズ502bは、集光レンズ群502の+Z軸方向側に配置されている。凸レンズ502aは、集光レンズ群502の−Z軸方向側に配置されている。
そして、平行化レンズ群501で平行化された光束は、集光レンズ群502に到達する。平行化レンズ群501で平行化された光束は、集光レンズ群502により、回転式蛍光体素子42Gの領域42Gaに集光される。
集光レンズ群502により集光された光束は、−Z軸方向に進行する。
回転式蛍光体素子42Gは、集光レンズ群502の−Z軸方向に配置されている。
集光レンズ群502により集光された光束は、回転式蛍光体素子42Gに到達する。回転式蛍光体素子42Gの領域42Gaに集光された光束は、蛍光体により、緑色の光束(蛍光)に変換される。
領域42Gaで変換された緑色の光束は、+Z軸方向に進行する。そして、回転式蛍光体素子42Gを出射した緑色の光束は、集光レンズ群502に到達する。
回転式蛍光体素子42Gを出射した緑色の光束は、集光レンズ群502により、平行化される。そして、集光レンズ群502で平行化された緑色の光束は、+Z軸方向に進行する。
集光レンズ群502で平行化された光束は、平行化レンズ群501に到達する。集光レンズ群502で平行化された光束は、平行化レンズ群501により回転式蛍光体素子41Gの領域41Gbに集光する。
領域41Gbは透過領域であるため、領域41Gbに集光した光束は、回転式蛍光体素子41Gを通過する。なお、回転式蛍光体素子41Gは回転しているが、回転式蛍光体素子42Gに到達する光束は、領域41Gbを透過しているため、領域42Gaで放射された蛍光も領域41Gbを透過する。
回転式蛍光体素子41Gを通過した光束は、集光レンズ群400に到達する。回転式蛍光体素子41Gを通過した光束は、集光レンズ群400により、平行化される。
集光レンズ群400により平行化された光束は、+Z軸方向に進行する。集光レンズ群400により平行化された光束は、色分離フィルタ72に向けて進行する。
これにより、回転式蛍光体素子41G,42Gの蛍光体の塗布された領域41Ga,42Gaに集光する光束は、時間的に分割されて到達する。
つまり、光束が領域41Gaに集光する場合には、光束は回転式蛍光体素子41Gで緑色の光束に変換される。そして、光束が領域41Gbに集光する場合には、光束は回転式蛍光体素子42Gで緑色の光束に変換される。
このため、各蛍光体の局所的なエネルギー密度を、時間的に分割して半減させることが可能となる。そして、回転式蛍光体素子41G,42Gの蛍光体の発光する光への変換効率の向上が図れる。また、蛍光体の長寿命化が図れる。
ここで、各レンズ401,501a,502aは、同一のもので構わない。また、各レンズ402,501b,502bは同一のもので構わない。つまり、平行化レンズ群501及び集光レンズ群502は、集光レンズ群400と同一である。レンズを共通化することにより、モジュール化を容易にして組立性を改善でき、コストの上昇を抑えることが可能となる。
また、集光レンズ群400、平行化レンズ群501及び集光レンズ群502は、同一の焦点を有することが好ましい。
なぜなら、回転式蛍光体素子42G上に集光した光束径の大きさと、回転式蛍光体素子42Gを出射して、回転式蛍光体素子41G上で集光する光束径の大きさとが等しくなることが好ましいためである。
従って、間隔F1、間隔F2及び間隔F3は、等しいことが好ましい。間隔F1は、レンズ401と回転式蛍光体素子41Gとの間隔である。間隔F2は、回転式蛍光体素子41Gとレンズ501aとの間隔である。間隔F3は、レンズ502aと回転式蛍光体素子42Gとの間隔である。
なお、回転式蛍光体素子41G及び回転式蛍光体素子42Gを時間的に制御しない場合に関して述べた。しかし、時間的に制御する場合には、回転式蛍光体素子41Gの透過領域41Gbが光束上に位置する際に、回転式蛍光体素子42Gの蛍光体の塗布された領域42Gaが光束上に位置すればよい。つまり、例えば、図22に示すように、回転式蛍光体素子41Gの透過領域41Gbは、いくつあっても構わない。
また、回転式蛍光体素子41Gと回転式蛍光体素子42Gとは、同一のものを用いても構わない。例えば、回転式蛍光体素子42Gに、図20又は図22で示した回転式蛍光体素子41Gを採用する。
つまり、回転式蛍光体素子41Gと回転式蛍光体素子42Gとを、それぞれ時分割で駆動することにより、同一の回転式蛍光体とすることが可能となる。つまり、回転軸の方向(Z軸方向)から見て、回転式蛍光体素子41Gの領域41Gbと回転式蛍光体素子42Gの領域42Gaとが重なるように、回転式蛍光体素子41G及び回転式蛍光体素子42Gが回転すれば良い。
この場合には、回転式蛍光体素子41Gの領域41Gbを透過した光束は、回転式蛍光体素子42Gの領域42Gaに集光される。そして、部品の共通化が図れ、組立性が改善して、低コスト化が図れる。
本実施の形態2では、第1の励起光源ユニット10a及び第2の励起光源ユニット10bを配置した場合を示したが、光合成素子70及び第2の励起光源ユニット10bを削除し、第1の励起光源ユニット10aを−X軸方向に移動させてもよい。つまり、第1の励起光源ユニット10aを両凸レンズ101の方向に移動させてもよい。
これにより、投写型表示装置1001のX軸方向の寸法を小さくすることができる。時分割の駆動による蛍光体の長寿命化の効果を維持しつつ、投写型表示装置1001の小型化を図ることが可能となる。
以上より、光源装置1001は、第1の集光レンズ400、第1の回転式蛍光体素子41G及び第2の集光レンズ502を備える。また、光源装置1001は、蛍光体素子42Gを備えている。
実施の形態2では、第1の集光レンズ400は、集光レンズ群400として説明している。第2の集光レンズ502は、集光レンズ群502として説明している。また、蛍光体素子42Gは、回転式蛍光体素子42Gとして説明している。
第1の集光レンズ400は、励起光を第1の集光光にする。第1の回転式蛍光体素子41Gは、第1の集光光の集光位置に配置されている。第1の回転式蛍光体素子41Gは、蛍光体が塗布されて第1の集光光を受けて蛍光を発する第1の蛍光体領域41Ga及び第1の集光光を透過する透過領域41Gbを含む。第2の集光レンズ502は、第1の回転式蛍光体素子41Gを透過した第1の集光光を第2の集光光にする。
第1の集光光は、第1の回転式蛍光体素子41Gが回転することで、第1の蛍光体領域41Ga又は透過領域41Gbに到達する。
蛍光体素子42Gは、第2の集光光の集光位置に配置されている。蛍光体素子42Gは、蛍光体素子が塗布されて第2の集光光を受けて第2の蛍光を発する第2の蛍光体領域42Gaを含む。
光源装置1001は、第1の回転式蛍光体素子41Gを透過した第1の集光光を平行光束にする第3の集光レンズ501を備える。
実施の形態2では、第3の集光レンズ501は、集光レンズ群501として説明している。
実施の形態2では、第1の集光レンズ400に入射する光束及び第2の集光レンズ502に入射する光束は、平行光束としている。しかし、第1の集光レンズ400に入射する光束は、必ずしも平行光束である必要は無い。第1の集光レンズ400により光束が第1の回転式蛍光体素子41Gの位置で集光すれば良い。そして、第1の回転式蛍光体素子41Gで蛍光に変換された光が平行化されればよい。
また、第2の集光レンズ502に入射する光束は、必ずしも平行光束である必要は無い。第2の集光レンズ502により光束が第2の回転式蛍光体素子42Gの位置で集光すれば良い。そして、第2の回転式蛍光体素子42Gで蛍光に変換された光が平行化されればよい。なぜなら、蛍光は発散角度が大きい光であるため、第1の回転式蛍光体素子41Gの位置で集光させるためには、平行光にすることが望ましいからである。
光源装置1001は、光源110A及び平行化レンズ115Aを備える。光源110Aは、励起光を発する。平行化レンズ115Aは、光源110Aから出射された励起光を第1の平行光束にする。
光源装置1001は、第3の集光レンズ501を備える。第3の集光レンズ501は、第1の回転式蛍光体素子41Gを透過した第1の集光光を平行光束にする。
実施の形態3.
図23は、本発明に係る実施の形態3の光源装置1002の主要構成を概略的に示す構成図である。
実施の形態3では、色分離フィルタ136の特性が、実施の形態1と異なる。色分離フィルタ136は、実施の形態1の色分離フィルタ73に相当する。また、青色光源ユニット20Bから発せられた光及び赤色光源ユニット30Rから発せられた光の光路が、実施の形態1と異なる。
また、実施の形態1では、レンズ群200,300により、赤色の光束及び青色の光束は、平行光束として出射されていた。しかし、実施の形態3では、凸レンズ131B,131Rにより、赤色の光束及び青色の光束は、集光光束として出射されている。
実施の形態1で説明した投写型表示装置1の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1と同じ構成要素は、第1の励起光源ユニット10a、第2の励起光源ユニット10b、光合成素子70、両凸レンズ101、両凹レンズ102、折り曲げミラー71及び集光レンズ群400(凸レンズ401及び非球面凸レンズ402)である。
また、集光光学系80及び光強度均一化素子113も実施の形態1の投写型表示装置1と同じである。また、光強度均一化素子113より後段の構成要素も実施の形態1の投写型表示装置1と同様である。つまり、実施の形態1と同じ構成要素は、リレーレンズ群115(凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118)、折り曲げミラー120、集光レンズ122、ライトバルブ121、投写光学系124及び制御部3である。
光源装置2,1001,1002は、アフォーカル光学系として、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を備える。
光源装置2,1001,1002の集光レンズ群400は、凸レンズ401及び非球面凸レンズ402を備える。
光源装置2,1001,1002のリレーレンズ群115は、凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118を備える。
また、青色光源ユニット20B及び赤色光源ユニット30Rは、実施の形態1と配置されている位置は異なるが、機能又は特性等は実施の形態1と同様である。そのため、青色光源ユニット20B及び赤色光源ユニット30Rを構成する構成要素の符号は、実施の形態1と同じである。
また、実施の形態1の蛍光体素子40Gに相当する構成要素は、実施の形態2で示した回転式蛍光体素子42Gを用いている。しかし、実施の形態3の光源装置1002で、実施の形態1の蛍光体素子40Gを採用してもよい。
なお、実施の形態1又は2と同じ構成要素の構成、機能又は動作等は、実施の形態3で説明を省いた場合でも、実施の形態1又は2の記載を代用する。また、実施の形態3の中で説明した、実施の形態1又は2に関する記載は、実施の形態1又は2の説明として用いる。ここで、「動作」とは、光の挙動を含む。
<青色光源ユニット20Bと青色の光束>
光源装置1002は、青色光源ユニット20Bを備えている。青色光源ユニット20Bは、青色の波長域で発光する青色光源群210Bを備えている。また、青色光源ユニット20Bは、平行化レンズ群215Bを備えている。
青色光源群210Bは、複数の青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233を備えている。
青色光源211,212,213,221,222,223,231,232,233は、実施の形態1と同様に、Y−Z平面上に配列されている。
青色光源群210Bから出射した光束は、−X軸方向に進行する。
図23に示すように、青色光源群210Bの−X軸方向には、平行化レンズ群215Bが配置されている。
平行化レンズ群215Bは、複数の平行化レンズ214,215,216,224,225,226,234,235,236を備えている。
青色光源群210Bから出射された青色の光束は、平行化レンズ群215Bにより平行化される。
平行化レンズ群215Bにより平行化された青色の光束は、−X軸方向に進行する。
平行化レンズ群215Bの−X軸方向には、レンズ131Bが配置されている。
平行化レンズ群215Bにより平行化された青色の光束は、レンズ131Bに到達する。平行化レンズ群215Bにより平行化された青色の光束は、レンズ131Bにより集光される。
レンズ131Bにより集光された青色の光束は、−X軸方向に進行する。
レンズ131Bの−X軸方向には、色分離フィルタ132が配置されている。
レンズ131Bにより集光された青色の光束は、色分離フィルタ132に到達する。レンズ131Bを出射した青色の光束は、色分離フィルタ132で反射される。
色分離フィルタ132で反射された青色の光束は、進行方向を−X軸方向から+Z軸方向に変換される。
色分離フィルタ132の+Z軸方向には、光拡散素子133が配置されている。
色分離フィルタ132で反射された青色の光束は、光拡散素子133上の位置F13に集光する。
光拡散素子133の集光位置F13に集光した青色の光束は、光拡散素子133により拡散される。
光拡散素子133により拡散された青色の光束は、+Z軸方向に進行する。
光拡散素子133の+Z軸方向には、レンズ134が配置されている。
光拡散素子133により拡散された青色の光束は、レンズ134に到達する。レンズ134に到達した青色の光束は、平行化される。
レンズ134により平行化された青色の光束は、+Z軸方向に進行する。
レンズ134の+Z軸方向には、色分離フィルタ136が配置されている。
レンズ134により平行化された青色の光束は、色分離フィルタ136に到達する。レンズ134により平行化された青色の光束は、色分離フィルタ136を透過する。
色分離フィルタ136を透過した青色の光束は、+Z軸方向に進行する。
色分離フィルタ136の+Z軸方向には、集光光学系80が配置されている。
色分離フィルタ136を透過した青色の光束は、集光光学系80に到達する。色分離フィルタ136を透過した青色の光束は、集光光学系80により集光される。
集光光学系80により集光された青色の光束は、+Z軸方向に進行する。
集光光学系80の+Z軸方向には、光強度均一化素子113が配置されている。
集光光学系80により集光された青色の光束は、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。
ここで、レンズ134の焦点位置は、位置F13となることが好ましい。それにより、位置F13から出射された光束は、レンズ134により平行化される。
<赤色光源ユニット30Rと赤色の光束>
光源装置1002は、赤色光源ユニット30Rを備えている。赤色光源ユニット30Rは、赤色の波長域で発光する赤色光源群310Rを備えている。また、赤色光源ユニット30Rは、平行化レンズ群315Rを備えている。
赤色光源群310Rは、複数の赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333を備えている。
赤色光源311,312,313,321,322,323,331,332,333は、実施の形態1と同様に、X−Y平面上に配列されている。
赤色光源群310Rから出射した光束は、+Z軸方向に進行する。
図23に示すように、赤色光源群310Rの+Z軸方向には、平行化レンズ群315Rが配置されている。
平行化レンズ群315Rは、複数の平行化レンズ314,315,316,324,325,326,334,335,336を備えている。
赤色光源群310Rから出射された赤色の光束は、平行化レンズ群315Rにより平行化される。
平行化レンズ群315Rにより平行化された赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
平行化レンズ群315Rの+Z軸方向には、レンズ131Rが配置されている。
平行化レンズ群315Rにより平行化された赤色の光束は、レンズ131Rに到達する。平行化レンズ群315Rにより平行化された赤色の光束は、レンズ131Rにより集光される。
レンズ131Rにより集光された赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
レンズ131Rの+Z軸方向には、色分離フィルタ132が配置されている。
レンズ131Rにより集光された赤色の光束は、色分離フィルタ132に到達する。レンズ131Rを出射した赤色の光束は、色分離フィルタ132を透過する。
色分離フィルタ132を透過した赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
色分離フィルタ132の+Z軸方向には、光拡散素子133が配置されている。
色分離フィルタ132を透過した赤色の光束は、光拡散素子133上の位置F13に集光する。
光拡散素子133の集光位置F13に集光した赤色の光束は、光拡散素子133により拡散される。
光拡散素子133により拡散された赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
光拡散素子133の+Z軸方向には、レンズ134が配置されている。
光拡散素子133により拡散された赤色の光束は、レンズ134に到達する。レンズ134に到達した赤色の光束は、平行化される。
レンズ134により平行化された赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
レンズ134の+Z軸方向には、色分離フィルタ136が配置されている。
レンズ134により平行化された赤色の光束は、色分離フィルタ136に到達する。レンズ134により平行化された赤色の光束は、色分離フィルタ136を透過する。
色分離フィルタ136を透過した赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
色分離フィルタ136の+Z軸方向には、集光光学系80が配置されている。
色分離フィルタ136を透過した赤色の光束は、集光光学系80に到達する。色分離フィルタ136を透過した赤色の光束は、集光光学系80により集光される。
集光光学系80により集光された赤色の光束は、+Z軸方向に進行する。
集光光学系80の+Z軸方向には、光強度均一化素子113が配置されている。
集光光学系80により集光された赤色の光束は、光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。
ここで、レンズ134の焦点位置は、位置F13となることが好ましい。それにより、位置F13から出射された光束は、レンズ134により平行化される。
なお、色倍率を考慮して、青色光源群210Bから出射された青色の光束の集光位置を赤色光源群310Rから出射された赤色の光束の集光位置よりも+Z軸方向に配置してもよい。この場合には、位置F13は、青色の光束の集光位置と赤色の光束の集光位置との2箇所存在する。また、光拡散素子133は、青色の光束の集光位置と赤色の光束の集光位置との間に配置すればよい。
<色分離フィルタ132,136>
ここで、色分離フィルタ132は、青色の波長域の光束を反射し、赤色の波長域の光束を透過する特性を有すればよい。
また、青色光源ユニット20Bと赤色光源ユニット30Rとの位置を逆としてもよい。その際には、色分離フィルタ132の特性は、青色の波長域の光束を透過し、赤色の波長域の光束を反射する特性を有すればよい。
レンズ134で平行化された青色の波長域の光束及び赤色の波長域の光束は、色分離フィルタ136を透過する。青色の波長域の光束及び赤色の波長域の光束は、集光光学系80により光強度均一化素子113の入射端面113iに集光される。
ここで、色分離フィルタ136は、青色の波長域の光束及び赤色の波長域の光束を透過し、緑色の波長域の光束を反射する特性を有していればよい。
実施の形態3の構成とすることにより、レーザー光源の発する光の光路と、蛍光体を用いた光源の励起光及び蛍光の光路とを分離することが可能となる。
実施の形態3では、レーザー光源は、青色光源群210B及び赤色光源群310Rである。また、蛍光体を用いた光源は、回転式蛍光体素子42Gを備えている。そして、蛍光体の励起光は、第1の励起光源群110A及び第2の励起光源群110Bから発せられる。
レーザー光線は、スペックルが視認され易い光である。一方、蛍光体の蛍光は、スペックルが視認されにくい光である。
2つの光路を分離することにより、レーザー光源の発する光の光路のみに光拡散素子133を配置することができる。つまり、蛍光の光路上に光拡散素子133を配置することによって生じる光利用効率の低下を防ぐことができる。
また、スペックルの視認性が高い場合には、光拡散素子133を回転させてもよい。それにより、スクリーン等の被照射面150上に発生する斑点状の輝度むらが時間的に変化する。このため、スペックルの視認性を低減することが可能となる。
なお、「スペックル」とは、光源ユニットから出射されるレーザー光線の光が相互に干渉しあって、被照射面となるスクリーン上に発生する斑点状の輝度むらのことである。このスペックルは、画質低下の要因となる。
実施の形態1の構成の場合には、光強度均一化素子113の入射端面113i付近に光拡散素子133を配置することになる。この場合には、光の拡散により、蛍光体素子40Gから出射された緑色の光束の光利用効率が低下する。
なお、光拡散素子133を光源210B,310Rと共役関係となる位置に配置すると、スペックルの抑制効果は高くなる傾向がある。または、光拡散素子133を光源210B,310Rの直後に配置することが好ましい。または、光拡散素子133を光強度均一化素子113の入射端面113i付近に配置することが好ましい。または、光拡散素子133を光強度均一化素子113とライトバルブ121との間の瞳位置に配置することが好ましい。なお、「瞳位置」とは、主光線が交わる光軸上の位置である。
従って、実施の形態3に示すように、位置F13は、光強度均一化素子113の前段にある光源群210B,310Rと共役の位置としている。ここでの「前段」は、−Z軸方向側となる。これにより、回転式蛍光体素子42Gから出射された光束(蛍光)の光路上に、光拡散素子133を配置する必要がなくなる。
実施の形態3では、スペックルが視認され易い場合に関して述べた。しかし、スペックルが視認されにくい場合であれば、図1の構成において、青色光源ユニット20Bから発せられる光の光路上では、平行化レンズ群215Bと色分離素子72との間に光拡散素子133を配置すればよい。また、赤色光源ユニット30Rから発せられる光の光路上では、平行化レンズ群315Rと色分離フィルタ73との間に光拡散素子133を配置すればよい。
スペックルが視認されにくい理由としては、光源ユニット20B,30Rの備える光源の数が多いことが挙げられる。また、同色の光源ユニット20B,30Rを構成する各々の光源の中心波長がずれていること等が挙げられる。
また、異なる色の光源で、スペックルの視認性の差異が大きい場合には、図1と同様に、スペックルの視認性の低い光源ユニットを、色分離フィルタ72の+X軸方向側に配置することができる。つまり、スペックルの視認性の低い光源ユニットを、色分離フィルタ72の前段側に配置する
例えば、赤色光源ユニット30Rから出射される赤色の光束のスペックルの視認性が、青色光源ユニット20Bから出射される青色の光束のスペックルの視認性よりも高い場合には、青色光源ユニット20Bのみを、色分離フィルタ72の+X軸方向側に配置することができる。
また、スペックルの視認性の高さが逆の場合には、赤色光源ユニット30Rのみを、色分離フィルタ72の+X軸方向側に配置することができる。「スペックルの視認性の高さが逆の場合」とは、青色光源ユニット20Bから出射される青色の光束のスペックルの視認性が、赤色光源ユニット30Rから出射される赤色の光束のスペックルの視認性よりも高い場合である。
以上より、光源装置1002は、第1のレーザー光源210B、第2のレーザー光源310R及び色分離フィルタ136を備える。
実施の形態3では、第1のレーザー光源210Bは、青色光源群210Bとして説明している。また、第2のレーザー光源310Rは、赤色光源群310Rとして説明している。
第1のレーザー光源210Bは、蛍光の波長域と異なる波長域の第1のレーザー光を発する。第2のレーザー光源310Rは、蛍光の波長域及び第1のレーザー光の波長域と異なる波長域の第2のレーザー光を発する。色分離フィルタ136は、光の波長により光を反射し又は透過する。
色分離フィルタ136は、第1のレーザー光及び第2のレーザー光を透過する場合には、蛍光を反射し、第1のレーザー光及び第2のレーザー光を反射する場合には、蛍光を透過することで、第1のレーザー光、第2のレーザー光及び蛍光を同一の光路上に配置する。
実施の形態3では、回転式蛍光体素子42Gを用いて説明した。しかし、回転式蛍光体素子42Gの代わりに、実施の形態1に示した蛍光体素子40Gを用いることができる。また、回転式蛍光体素子42Gの代わりに、実施の形態2に示した回転式蛍光体素子41G,42Gを用いることができる。
また、実施の形態3では、蛍光体は緑色の光を発するとして説明した。しかし、蛍光体の発する蛍光の色は緑色以外とすることができる。例えば、蛍光の色を赤色又は青色とすることができる。
同様に、レーザー光源を青色のレーザー光源210B及び赤色のレーザー光源310Rとして説明した。しかし、レーザー光源は、他の色のレーザー光源とすることができる。例えば、レーザー光源を緑色のレーザー光源とすることができる。
実施の形態4.
図24は、本発明に係る実施の形態4の光源装置1003の主要構成を概略的に示す構成図である。実施の形態4は、光合成素子2300を備えている点で実施の形態1と異なる。実施の形態1で説明した投写型表示装置1の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1と同じ構成要素は、第1の励起光源ユニット10a(第1の励起光源群110A及び第1の平行化レンズ群115A)、第2の励起光源ユニット10b(第2の励起光源群110B及び第2の平行化レンズ群115B)、両凸レンズ101、両凹レンズ102、折り曲げミラー71、色分離フィルタ72、色分離フィルタ73、集光レンズ群400(凸レンズ401及び非球面凸レンズ402)、蛍光体素子40G、青色光源ユニット20B(青色光源群210B及び平行化レンズ群215B)、赤色光源ユニット30R(赤色光源群310R及び平行化レンズ群315R)及びレンズ群200、300である。
また、集光光学系80及び光強度均一化素子113も実施の形態1の投写型表示装置1と同じである。また、光強度均一化素子113より後段の構成要素も実施の形態1の投写型表示装置1と同様である。つまり、実施の形態1と同じ構成要素は、リレーレンズ群115(凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118)、折り曲げミラー120、集光レンズ122、ライトバルブ121、投写光学系124及び制御部3である。
光源装置2,1001,1002,1003は、アフォーカル光学系として、両凸レンズ101及び両凹レンズ102を備える。
光源装置2,1001,1002,1003の集光レンズ群400は、凸レンズ401及び非球面凸レンズ402を備える。
光源装置2,1001,1002,1003のリレーレンズ群115は、凹凸レンズ(メニスカスレンズ)116、凸レンズ117及び両凸レンズ118を備える。
なお、実施の形態1と同じ構成要素の構成、機能又は動作等は、実施の形態4で説明を省いた場合でも、実施の形態1の記載を代用する。また、実施の形態4の中で説明した、実施の形態1に関する記載は、実施の形態1の説明として用いる。ここで、「動作」とは、光の挙動を含む。
<光合成素子2300>
実施の形態1と異なる構成要素となる光合成素子2300に関して説明する。
光合成素子2300は、+X軸方向側に面2300aを備える。面2300aは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光が光合成素子2300に入射する入射面である。
また、光合成素子2300は、−X軸方向側に面2300bを備える。面2300bは、第2の励起光源ユニット10bから出射された光を反射する反射面である。面2300bは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光が光合成素子2300を透過して出射する出射面である。
面2300aを第2の励起光源ユニット10bから出射された光を反射する反射面とすることもできる。この場合には、第2の励起光源ユニット10bから出射された光は、面2300bを透過した後に、面2300aで反射され、面2300bから出射する。なお、以下において、面2300bが反射面であるとして説明する。
面2300aは透過面である。面2300aには、例えば、反射膜は形成されていない。
面2300bは、第1の励起光源ユニット10aから出射された平行光束を透過する。また、面2300bは、第2の励起光源ユニット10bから出射された平行光束を反射する。図24では、第2の励起光源ユニット10bから出射された平行光束は、面2300bによって、−X軸方向に反射されている。
例えば、面2300bは、図4に示す波長の透過特性を有する。第1の励起光源群110AがP偏光光で、第2の励起光源群110BがS偏光光の場合について考える。ここで、P偏光光は、S偏光光に対して90度偏光方向が異なる。
第1の励起光源群110Aから出射された光は、光合成素子2300を透過する。つまり、第1の励起光源群110Aから出射された光は、面2300a及び面2300bを透過する。
第2の励起光源群110Bから出射された光は、面2300bに角度Fで入射する。ここで、角度Fは、90度から入射角を引いた値の角度である。角度Fは、実施の形態1の図1に示す角度Aに対応する角度である。第2の励起光源群110Bから出射された光は、光合成素子2300の面2300bで反射される。
そして、第1の励起光源群110Aから出射した光及び第2の励起光源群110Bから出射した光は、同一の方向に進行する。図24では、第1の励起光源群110Aから出射した光及び第2の励起光源群110Bから出射した光は、−X軸方向に進んでいる。
また、図24では、第1の励起光源群110Aから出射した光及び第2の励起光源群110Bから出射した光は、面2300b上で重畳されている。
なお、必ずしも、第1の励起光源群110Aから出射した光及び第2の励起光源群110Bから出射した光を重畳させる必要はない。しかし、第1の励起光源群110Aの各光源の中心光線と第2の励起光源群110Bの各光源の中心光線とが一致していることにより、光合成素子2300より後段の光学系の小型化が図れるという新しい効果が得られる。
図24では、角度Fは、第2の励起光源群110Bから出射された光と光合成素子2300の面2300b(反射面)とのなす角である。なお、入射角は、光の進行方向と境界面の垂線との間の角度として定義される。ここで、角度Fは、Y−Z平面に対して+Y軸からみて反時計回りに光合成素子2300の面2300bを回転させた角度である。
折り曲げミラー71は、両凸レンズ101の−X軸方向に配置されている。
上述のように、実施の形態1では、両凸レンズ101を出射した集光光束の中心光線は、X軸に平行である。また、折り曲げミラー71は、X−Y平面に対して+Y軸からみて時計回りに角度Bだけ回転している。
このため、両凸レンズ101を出射した集光光束は、折り曲げミラー71に角度Gで入射する。ここで、角度Gは、90度から入射角P1を引いた値の角度である。角度Gは、実施の形態1の図1に示す角度Bに対応する角度である。
図24では、第2の励起光源ユニット10bから出射された光束を基準とした場合には、光合成素子2300で反射された光の中心光線と折り曲げミラー71の反射面とのなす角が角度Gである。また、第1の励起光源ユニット10aから出射された光束を基準とした場合には、光合成素子2300を透過した光の中心光線と折り曲げミラー71の反射面とのなす角が角度Gである。角度Gは、X−Y平面に対して+Y軸からみて折り曲げミラー71を時計回りに回転させた角度である。
図25は、光合成素子2300の形状を示す概略図を示す。光合成素子2300は、Y軸方向から観察すると、台形形状をしている。光合成素子2300は、Y軸方向から観察すると、楔形形状をしている。楔形は、一端が広く他端に至るにしたがってしだいに狭くなっている形状である。光合成素子2300は、X軸方向から観察すると、長方形の形状をしている。
面2301aは、面2300aを−Z軸方向に伸ばした面である。つまり、面2301aは、面2300aと同一面上にある。面2301bは、面2300bを−Z軸方向に伸ばした面である。つまり、面2301bは、面2300bと同一面上にある。面2301cは、面2301bと平行な面である。面2301cの+Z軸方向の端部は、面2300aの−Z軸方向の端部に接続している。
面2300aと面2300bとは平行ではない。つまり、面2300aは面2300bに対して傾斜している。面2300aと面2300bとの+Z軸方向側の間隔は、面2300aと面2300bとの−Z軸方向側の間隔よりも短い。
面2301aと面2301cとのなす角は、角度Hである。角度Hは、0度ではない。角度Hは、例えば、3度である。
<光線の挙動>
図26は、本実施の形態4の効果を示す光線のシミュレーション結果を示す図である。
図26に示す光合成素子2510は、図24に示す光合成素子2300に対応する。図26に示す面2510aは、図24に示す面2300aに対応する。図26に示す面2510bは、図24に示す面2300bに対応する。図26に示す両凸レンズ2511は、図24に示す両凸レンズ101に対応する。図26に示す折り曲げミラー2512は、図24に示す折り曲げミラー71に対応する。図26に示す両凹レンズ2513は、図24に示す両凹レンズ102に対応する。図26に示す集光レンズ2514は、図24に示す集光レンズ群400に対応する。図26に示す集光面2515は、図24に示す蛍光体素子40Gの蛍光面に対応する。
第1の光線群2520aは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光である。第2の光線群2520bは、第2の励起光源ユニット10bから出射された光である。図26において、第1の光線群2520aは、破線で表されている。図26において、第2の光線群2520bは、実線で表されている。
面2510aと面2510bとの+Z軸方向側の間隔は、面2510aと面2510bとの−Z軸方向側の間隔よりも短い。
<第1の光線群2520aの挙動>
第1の光線群2520aは、第1の励起光源ユニット10aから出射されて、−X軸方向に進行する。−X軸方向に進行した第1の光線群2520aは、光合成素子2510の面2510aに到達する。
面2510aは、光合成素子2510の面2510bに対して角度Kだけ傾いている。角度Kは、図25に示す角度Hに対応している。
面2510aに到達した第1の光線群2520aは、光合成素子2510を透過する。光合成素子2510を透過した第1の光線群2520aは、面2510bから出射する。
面2510bから出射した第1の光線群2520aは、X軸に対して角度を有している。これは、第1の光線群2520aが面2510aで屈折する角度と、面2510bで屈折する角度とが異なるからである。図26では、第1の光線群2520aは、X軸に対して、−Z軸方向に傾斜して−X軸方向に進行する。
光合成素子2510を透過した光線群2520aは、−X軸方向に進行する。
両凸レンズ2511は、光合成素子2510の−X軸方向に配置されている。
光合成素子2510を透過した第1の光線群2520aは、両凸レンズ2511に到達する。両凸レンズ2511に到達した第1の光線群2520aは、両凸レンズ2511を透過する。
両凸レンズ2511を透過した第1の光線群2520aは、−X軸方向に進行する。
折り曲げミラー2512は、両凸レンズ2511の−X軸方向に配置されている。
両凸レンズ2511を透過した第1の光線群2520aは、折り曲げミラー2512に到達する。
第1の光線群2520aの中心光線は、折り曲げミラー2512に対して角度Jより小さい角度で入射する。
角度Jは、後述する第2の光線群2520bの中心光線が折り曲げミラー2512に到達する際の角度である。第2の光線群2520bは、X軸に平行に進行しているため、角度Jは、X−Y平面に対する角度である。角度Jは、図24の角度Gに対応する角度である。
なお、厳密には、第1の光線群2520aの中心光線は、垂直と異なる角度を有して両凸レンズ2511を透過するため、上述の説明に対して、若干角度は異なる。なお、折り曲げミラー2512に対する入射角度としては、角度Jより大きくなる。
ここで、角度Jは45度より大きい角度である。角度Jは、例えば、45.8度である。
折り曲げミラー2512で反射された第1の光線群2520aは、−Z軸方向に進行する。
両凹レンズ2513は、折り曲げミラー2512の−Z軸方向に配置されている。
折り曲げミラー2512で反射された第1の光線群2520aは、両凹レンズ2513に入射する。
両凹レンズ2513に入射した第1の光線群2520aは、両凹レンズ2513により平行な光束となる。第1の光線群2520aは、平行な光束となって両凹レンズ2513から出射される。
平行な光束となった第1の光線群2520aは、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ2514は、両凹レンズ2513の−Z軸方向に配置されている。
平行な光束となった第1の光線群2520aは、集光レンズ2514に入射する。集光レンズ2514に入射した第1の光線群2520aは、集光光束として出射される。
集光光束となった第1の光線群2520aは、集光面2515の集光位置2515aに集光する。
集光面2515は、集光レンズ2514の−Z軸方向に位置している。なお、第1の光線群2520aの集光位置2515aは、光軸C4に対して−X軸方向に位置する。光軸C4は、両凹レンズ2513及び集光レンズ2514の光軸である。
なお、面2510aと面2510bとの+Z軸方向側の間隔が、面2510aと面2510bとの−Z軸方向側の間隔よりも長い場合には、集光位置2515aは、光軸C4に対して+X軸方向に位置する。つまり、角度Kが負の値の場合である。
その際、角度Jは、45度より小さい角度となる。例えば、44.2度である。
<第2の光線群2520bの挙動>
第2の光線群2520bは、第2の励起光源ユニット10bから出射されて、−Z軸方向に進行する。−Z軸方向に進行した第2の光線群2520bは、光合成素子2510の面2510bに到達する。
−Z軸方向に進行した第2の光線群2520bは、面2510bに対して、角度Iで入射する。ここで、角度Iは、90度から第2の光線群2520bの入射角P1を引いた値の角度である。角度Iは、図24の角度Fに対応する。
シミュレーションでは、角度Iは、45度である。面2510bは、Y−Z平面に対して、Y軸に平行な軸を回転軸として、+Y軸方向から見て反時計まわりに45度回転した面である。
面2510bに到達した第2の光線群2520bは、面2510bで反射される。
光合成素子2510で反射された第2の光線群2520bは、−X軸方向に進行する。
両凸レンズ2511は、光合成素子2510の−X軸方向に配置されている。
光合成素子2510で反射された第2の光線群2520bは、両凸レンズ2511に到達する。両凸レンズ2511に到達した第2の光線群2520bは、両凸レンズ2511を透過する。
両凸レンズ2511を透過した第2の光線群2520bは、−X軸方向に進行する。両凸レンズ2511を透過した第2の光線群2520bは、折り曲げミラー2512に到達する。
第2の光線群2520bの中心光線は、折り曲げミラー2512に対して角度Jで入射する。角度Jは、90度から第2の光線群2520bの中心光線の入射角P1を引いた値の角度である。
折り曲げミラー2512で反射された第2の光線群2520bは、−Z軸方向に進行する。
両凹レンズ2513は、折り曲げミラー2512の−Z軸方向に配置されている。
折り曲げミラー2512で反射された第2の光線群2520bは、両凹レンズ2513に入射する。両凹レンズ2513に入射した第2の光線群2520bは、両凹レンズ2513により平行な光束となる。第2の光線群2520bは、平行な光束となって両凹レンズ2513から出射される。
平行な光束となった第2の光線群2520bは、−Z軸方向に進行する。
集光レンズ2514は、両凹レンズ2513の−Z軸方向に配置されている。
平行な光束となった第2の光線群2520bは、集光レンズ2514に入射する。集光レンズ2514に入射した第2の光線群2520bは、集光光束として出射される。
集光光束となった第2の光線群2520bは、集光面2515の集光位置2515bに集光する。
集光面2515は、集光レンズ2514の−Z軸方向に位置している。なお、第2の光線群2520bの集光位置2515bは、光軸C4に対して+X軸方向に位置する。
なお、面2510aと面2510bとの+Z軸方向側の間隔が、面2510aと面2510bとの−Z軸方向側の間隔よりも長い場合には、集光位置2515bは、光軸C4に対して−X軸方向に位置する。つまり、角度Kが負の値の場合である。
その際、角度Jは、45度より小さい角度となる。例えば、44.2度である。
上述のように、面2510aと面2510bとの+Z軸方向側の間隔は、面2510aと面2510bとの−Z軸方向側の間隔よりも短い。
この場合に、光軸C4を中心として、第1の光線群2520aと第2の光線群2520bとをX軸方向に分離して集光するためには、角度Jは45度より大きい角度である。角度Jは、例えば、45.8度である。
また、図26に示す角度Kは、図25に示す角度Hに相当している。角度Kは、例えば、3度である。
これにより、第1の光線群2520aは、光合成素子2510を透過した後、−Z軸方向に傾いて−X軸方向に進行する。つまり、光合成素子2510よりも−X軸方向側では、第1の光線群2520aは、第2の光線群2520bよりも−Z軸方向側にずれた位置にある。
また、角度Iは、例えば、45度である。図26に示す角度Iは、図24に示す角度Fに相当している。
これにより、第2の光線群2520bは、光合成素子2510で反射された後、X軸に対して傾くことなく−X軸方向に進行する。
上述のように、角度K及び角度Jを調整することにより、図26に示すように、集光位置2515aと集光位置2515bとを、集光面2515上でX軸方向に分離することができる。集光位置2515aは、第1の光線群2520aの集光位置である。集光位置2515bは、第2の光線群2520bの集光位置である。つまり、集光位置2515aと集光位置2515bとは、集光面2515上の異なる位置となる。
このようにすることで、特許文献1のような複雑な光学素子を用いることなく、集光面2515に集光する光束のエネルギー密度を半減させることが可能となる。
なお、図26に示す一例では、光合成素子2510の角度Iは、折り曲げミラー2512の角度Jより小さい角度となっている。しかし、光軸C4を中心として、集光面2515上で異なる位置に集光させることができればよく、角度Iと角度Jとの関係については、特に上述の例に限定されない。
さらに、角度Kと角度Iとを調整することにより、図26に示すように、集光位置2515aと集光位置2515bとを、集光面2515上でX軸方向に分離することができる。つまり、集光位置2515aと集光位置2515bとは、集光面2515上の異なる位置となる。
例えば、角度Kを0.8度とし、角度Iを45.8度とし、角度Jを45度とすることで、図26の構成において同様の効果が得られる。なお、光軸C4を中心として、集光面2515上で異なる位置に集光させることができればよく、角度Kと角度Iとの関係については、特に上述の例に限定されない。
これにより、実施の形態1では、光合成素子70と折り曲げミラー71の双方を調整することにより、蛍光体素子40G上の集光位置を分離させていた。しかし、本実施の形態4では、角度Hを有する光合成素子2300(角度Kを有する光合成素子2510)を用いることで、光合成素子2300(光合成素子2510)のみを調整して、実施の形態1と同様の効果が得られる。
これは、折り曲げミラー71を用いない構成とした場合でも効果が得られることを示している。つまり、部品点数を削減することが可能となる。
つまり、光軸C4を中心に、蛍光体素子40G上の集光位置をX軸方向に分離する場合には、光合成素子2510の角度Kと角度Iを調整すればよい。実施の形態1に示すように、折り曲げミラー71(折り曲げミラー712)を用いて、光軸C3を中心に、蛍光体素子40G上の集光位置をX軸方向に分離する必要がない。このため、部品点数を削減することが可能となり、実施の形態1より低コストを実現することができる。
また、光合成素子2510の面2510aを、第2の励起光源ユニット10bから出射された光を反射する反射面とする構成としてもよい。
その場合には、面2510bは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光及び第2の励起光源ユニット10bから出射された光を透過する透過面となる。また、面2510aは、第1の励起光源ユニット10aから出射された光を透過する面となる。
これにより、面2510bを反射面とした場合よりも、第1の励起光源ユニット10aから出射された光と第2の励起光源ユニット10bから出射された光との光合成素子2510から出射する際の出射角度の差を大きくすることが可能となる。つまり、光軸C4を中心に、蛍光体素子40G上の集光位置を大きく分離する場合には、面2510aを反射面とすることが好ましい。ここでの反射面は、第2の励起光源ユニット10bから出射された光の反射面である。第1の励起光源ユニット10aから出射された光は、この反射面を透過する。
なお、上述の各実施の形態において、蛍光体素子40Gは、反射型を例にして説明した。しかし、蛍光体素子40Gは、透過型でもよい。その場合には、光強度均一化素子113に到達するように光路を工夫すればよい。
<変形例>
また、上述の各実施の形態においては、投写型表示装置1の光源装置に関して説明している。しかし、例えば、車のヘッドライト用の光源装置として用いることができる。
図27は、光源装置1003を車のヘッドライト1004に適用した例を示す構成図である。図27に示すように、蛍光体素子40Yは透過型である。例えば、蛍光体素子40Yは、黄色の蛍光を発する。蛍光体素子40Yの黄色の蛍光は、励起光源ユニット10a,10bの青色の励起光と混ざって白色の光となる。
白色の光は、蛍光体素子40Yから−X軸方向に放射される。投射レンズ2600は、蛍光体素子40Yの−X軸方向に配置されている。投射レンズ2600は、白色の光を−X軸方向に投射する。なお、「投射」は「投写」と同様の意味で使用している。「投射」及び「投写」は、光をなげかけることを意味する。
なお、図示していないが、蛍光体素子40Yの+X軸方向側に、励起光源ユニット10a,10bの波長帯域を透過し、蛍光体素子40Yで励起される黄色の波長帯域を反射する色分離フィルタを配置してもよい。
それにより、―X軸方向に出射される白色光成分の割合を増加させることが可能となる。色分離フィルタは誘電体多層膜で形成されたダイクロイックミラーで構成されることが可能である。
また、ヘッドライトに使用する際に、投写型表示装置1のように明るさを要求されない場合が考えられる。このため、励起光源ユニット10a,10bを複数の光源で構成せず1個の光源で構成しても構わない。その際、所望の明るさが得られる励起光源を選択する必要がある。
また、両凸レンズ101及び両凹レンズ102は削除することが可能である。その場合には、第1の励起光源ユニット10a及び第2の励起光源ユニット10bから出射される平行光束の全光束が非球面凸レンズ402に到達すればよい。これにより、小型化が可能である。
また、上述した、実施の形態1の構成を用いれば、光合成素子70に角度調整機構を設けて、第2の励起光源ユニット10bから出射された光束の蛍光体素子40G上の集光位置を調整できる。このため、ヘッドライトの投射方向を制御することが可能となる。
図28は、実施の形態1をヘッドライトに適用した場合の光源装置1005の一例を示した構成図である。
実施の形態1と同様に、光合成素子70の角度Aを調整する。第2の励起光源ユニット10bから出射された光束が蛍光体素子40Yに集光する位置を投射レンズ2600の光軸C5に対して、−X軸方向に移動させる。
この場合には、投射レンズ2600から出射される光束を+X軸方向に移動させることが可能となる。詳細は図29を用いて後述する。
一方、この場合には、第1の励起光源ユニット10aから出射された光束は、光合成素子70の角度調整に関わらず蛍光体素子40Yの同じ位置に集光する。このため、投射レンズ2600から出射される光束の投射方向は変わらない。
また、折り曲げミラー71に角度調整機構を設けて、角度Bを調整する。
この場合には、第1の励起光源ユニット10aから出射された光束が蛍光体素子40Yに集光するX軸方向位置と、第2の励起光源ユニット10bから出射された光束が蛍光体素子40Yに集光するX軸方向位置との間隔を維持できる。この間隔を維持しながら、投射レンズ2600から出射される光束の出射方向を制御することが可能となる。なお、制御方向は、X軸方向となる。
さらに、光合成素子70及び折り曲げミラー71の両方に角度調整機構を設けてもよい。
この場合には、第1の励起光源ユニット10aから出射された光束及び第2の励起光源ユニット10bから出射された光束の集光位置を制御できる。それにより、投射レンズ2600から出射される光束の方向を連続的に制御することが可能となる。
また、例えば、図27において、光合成素子2300に角度調整機構を設ける。第1の励起光源ユニット10aから出射された光束が蛍光体素子40Yに集光するZ軸方向位置と、第2の励起光源ユニット10bから出射された光束が蛍光体素子40Yに集光するZ軸方向位置との間隔を維持できる。この間隔を維持しながら、投射レンズ2600から出射される光束の出射方向を制御することが可能となる。なお、制御方向は、Z軸方向となる。
上述した光束の出射方向の説明を行うため、図29に、光束の振る舞いを説明する光線の軌跡図を示す。図29に示した座標は、図27に対応している。便宜上、光束は光線として図示している。また、図27の蛍光体素子40Yから−X軸方向側のみを示している。
蛍光体素子40Yの光軸C5上から出射した光線2700aは、投射レンズ2600によって平行化される。図29では、光線2700a(光束)は、実線で示されている。
平行化された光線2700a(光束)は、光軸C5に対して平行に−X軸方向に進行する。
蛍光体素子40Yの光軸C5に対して−Z軸方向の位置から出射した光線2700bは、投射レンズ2600で平行化される。図29では、光線2700b(光束)は、破線で示されている。
平行化された光線2700b(光束)は、投射レンズ2600から光軸C5に対して+Z軸方向に傾いて出射される。つまり、平行化された光線2700b(光束)は、平行化された光線2700a(光束)よりも+Z軸方向側に投射される。
これにより、蛍光体素子40Yに集光させる位置を−Z軸方向に移動させると、投射される光束の方向を+Z軸方向に制御することが可能となる。なお、同様に蛍光体素子40Yに集光させる位置を+Z軸方向に移動させると、投射される光束の方向を−Z軸方向に制御することが可能となる。
このように、点灯する光源によって、光が投射される方向を選択できる。このため、自動車で使用されているハイビーム及びロービームの選択を容易に実現することができる。また、投射光の配光を自動車の左右方向に移動させる等、配光パターンを変更するAFS(Adaptive Front Lighting System)にも適用できる。
光合成素子2300は、第1の励起光が入射する入射面2300aと第1の励起光が出射する出射面2300bとを備える。入射面2300aは、出射面2300bに対して傾斜している。
なお、上述の各実施の形態においては、「平行」や「垂直」などの部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す用語を用いている場合がある。これらは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。このため、請求の範囲に部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す記載をした場合には、製造上の公差又は組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを示している。
また、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。