JP6132481B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6132481B2
JP6132481B2 JP2012130082A JP2012130082A JP6132481B2 JP 6132481 B2 JP6132481 B2 JP 6132481B2 JP 2012130082 A JP2012130082 A JP 2012130082A JP 2012130082 A JP2012130082 A JP 2012130082A JP 6132481 B2 JP6132481 B2 JP 6132481B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
pressure
mass
less
mpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012130082A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013253001A (ja
Inventor
浦井 茂雄
茂雄 浦井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2012130082A priority Critical patent/JP6132481B2/ja
Priority to TW102117891A priority patent/TWI473768B/zh
Priority to US13/910,920 priority patent/US9580346B2/en
Publication of JP2013253001A publication Critical patent/JP2013253001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6132481B2 publication Critical patent/JP6132481B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/122Heating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/125Cooling
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/16Gearing or controlling mechanisms specially adapted for glass presses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/69Controlling the pressure applied to the glass via the dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は光学素子の製造方法に関し、特にカメラやビデオ等の光学機器に使用される光学素子をプレス成形にて製造する方法に関するものである。
従来から加熱軟化したガラスをプレス成形して光学素子を得る方法が知られているが、近年では、レンズユニットの高性能化に伴い、特殊光学定数のガラス材料を成形する技術が必要となってきている。
特殊光学定数のガラス材料は、熱的に不安定な組成となることがあり、この組成のガラス材料を成形温度まで加熱すると、揮発成分の発生量が多くなる。こういったガラス材料を使用してレンズを熱間成形すると、揮発により気泡が発生し曇ったレンズが成形され、外観不良となる。そのため、特殊光学定数のガラス材料を成形する際は、揮発を抑制する技術が必要となっている。
揮発を抑制する従来技術としては、チャンバ内雰囲気を蒸気圧以上に加圧する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2004−107145号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、型とガラスが接触した面には雰囲気からの圧力は作用せず、ガラスへの加圧力が抜けてしまい揮発による気泡が成形面に発生する。更には、蒸気圧以上という基準が示されているが、特殊光学定数の材料、特にBiを10から30wt%含むリン酸系ガラスにおいては、金属元素の蒸気圧を上回る加圧を行っても揮発抑制の効果が得られないという解決すべき課題があった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、リン酸系のガラス材料を用いて、熱間でプレス成形してもプレス面が良好な光学素子の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決する光学素子の製造方法は、Bi を含むリン酸系のガラスを、熱間の型でプレスした後、冷却して光学素子を製造する方法において、前記リン酸系ガラスの組成は、Bi が10質量%以上30質量%以下であり、P が21.1質量%以上26.1質量%以下であり、SiO が0質量%以上0.7質量%以下であり、B が0質量%以上3.1質量%以下であり、
Na Oが3.42質量%以上6.2質量%以下であり、K Oが1.1質量%以上1.42質量%以下であり、Li Oが2.5質量%以上4.5質量%以下であり、BaOが0質量%以上1.1質量%以下であり、ZnOが0質量%以上1.2質量%以下であり、TiO が0質量%以上2.84質量%以下であり、Nb が24.3質量%以上34.3質量%以下であり、Sb が0質量%以上0.1質量%以下であり、WO が0質量%以上10.7質量%以下であり、前記ガラスを型のプレス面にガラス粘度logη=9から10[dPa・sec]で接触させてから、前記ガラスを熱間の型の間で10MPa以上100MPa以下の圧力でプレスするプレス工程と、前記プレス工程の後にプレスした圧力より低い圧力で、5.05MPa以上10MPa以下の圧力で保圧工程と、前記保圧工程で保圧したガラスをガラス粘度logηが12[dPa・sec]に増加するまでの間、酸素の臨界圧以上ガラス強度以下の圧力を前記ガラスに負荷しながら冷却する冷却工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、リン酸系のガラス材料を用いて、熱間でプレス成形してもプレス面が良好な光学素子の製造方法を提供することができる。
本発明の光学素子の製造方法の一実施態様を示す工程図である。 図1の光学素子の製造方法に係わる成形プロセス線図である。 本発明の光学素子の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。 図3の光学素子の製造方法に係わる成形プロセス線図である。
本発明に係る光学素子の製造方法は、Biを10から30wt%含むリン酸系のガラスを、熱間の型でプレスした後、冷却して光学素子を製造する方法において、前記ガラスを型のプレス面にガラス粘度logη=9から10[dPa・sec]で接触させてから、冷却によりガラス粘度logηが12[dPa・sec]に増加するまでの間、酸素の臨界圧以上ガラス強度以下の圧力を前記ガラスに負荷し続けることを特徴とする。
前記ガラスを型のプレス面に接触させ、加熱してガラス粘度logη=9から10[dPa・sec]に調整してから、プレスした後、冷却によりガラス粘度logηが12[dPa・sec]に増加するまでの間、酸素の臨界圧以上ガラス強度以下の圧力を前記ガラスに負荷し続けることが好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態を具体的に説明する。図1は本発明の光学素子の製造方法の一実施態様を示す工程図である。図1(a)から(e)の順に成形工程は進行する。各々の成形工程での型やガラスの状態が概略図で示されている。図1(a)は加熱工程、図1(b)は上型プレス工程,図1(c)は保圧工程、図1(d)は冷却プレス工程、図1(e)は取り出し工程である。図中1は上型、2は下型、3は胴型、4は型およびガラスプリフォームを加熱するヒータ、5はガラスプリフォーム、6は成形されたガラスレンズである。図示していないが、型に対してプレス荷重を負荷できる電動サーボなどのプレス手段を上型に接続している。5のガラスプリフォームの材質は、Biを10から30wt%含むリン酸系のガラスである。リン酸系のガラスのTg(ガラス転移点)は454から483℃である。
図2は、図1の光学素子の製造方法に係わる成形プロセス線図である。成形の工程は図1に対応した次の5つの工程である。図2のaは加熱工程、図2のbは上型プレス工程,図2のcは保圧工程、図2のdは冷却プレス工程、図2のeは取り出し工程である。
以下に各工程の説明を記述する。
図2のaの加熱工程では、下型2にガラスプリフォーム(以降、ガラスとも称す。)5を収容し、型をガラスの粘度がlogη=9から10(dPa・sec)に軟化する温度までヒータで加熱する。加熱工程の加熱温度は510から545℃の範囲が好ましい。粘度をlogη=9[dPa・sec]よりも低くしすぎると揮発が多くなり、プレス前の加熱でガラスが揮発により曇って外観不良となる。一方、logη=10[dPa・sec]よりも高くなると高圧で所定の厚みまで変形させることになるため、割れが発生してガラスが破壊してしまう。または、ガラスが破壊しない圧力で成形できたとしても所定の変形量を得るために要する時間が長くなり経済性が悪化する。
本発明におけるガラス粘度の値は、logη=7.5から10[dPa・sec]の粘度範囲では貫入式粘度測定により、logη=11から14[dPa・sec]の粘度範囲ではビームベンディング法により得られた測定値を示す。
図2のbのプレス工程では、上型1に圧力を負荷してガラスをプレスして、上下型の形状をガラスへ転写させる。この際、酸素の臨界圧以上ガラス強度以下の圧力をガラスに負荷する。好ましくは圧力値は10から100MPaの範囲で調整すると、プレス時間が比較的短時間となり、かつガラスの破壊を抑制できるので良い。図2のcの保圧工程では、面精度を高めるために冷却前のガラス内の応力が小さくなるようにガラスへの圧力を減圧するが、保圧は残す。保圧値は、酸素の臨界圧である5.05MPa以上、ガラス強度である100から300MPa以下の圧力値とする。ガラス強度は、割れが発生しガラスが破壊する圧力を表す。保圧中のレンズの中心厚の変化量をなるべく小さくし中心厚の制御を容易にするため、好ましくは酸素の臨界圧である5.05MPaから、その2倍程度の10MPaまでの範囲とする。この際、レンズ形状や温度分布による圧力分布を考慮し、プレス面内で最小の圧力となる部分が酸素の臨界圧以上となるようにしておく。圧力分布は主にレンズの肉厚差で発生していることが多く、肉厚が最も大きい部分が最小の圧力値となる。この肉厚が最も大きい部分の圧力を酸素の臨界圧以上となるようにプレス圧力値を調整すると良い。また、複雑なレンズ形状、温度分布の環境下で成形をする場合は、FEM(有限要素法)等の数値解析により圧力分布を事前評価し圧力値を決定すると良い。
図2のcの保圧工程の途中で型温度の冷却を始める。これによりガラスの粘度が高くなっていくが、ガラス粘度がlogη=12(dPa・sec)になるまでは酸素の臨界圧以上の保圧を少なくとも負荷し続ける。この際、熱収縮によってプレス面内の圧力分布が変化するが、その圧力が最小となる部分が酸素の臨界圧以上となるように保圧値を設定すると良い。
図2のdの冷却プレス工程では、面精度向上のため再度ガラスへの圧力を上げる。圧力の範囲は、ガラスの熱収縮により発生するヒケの量よりも多くの変形量が得られる圧力範囲とする。好ましくは50から100MPaの圧力範囲とする。面精度に異常が出ない場合は、圧力は上げずに冷却のみを継続すると良い。
図2のeの取り出し工程では、ガラスへの圧力負荷を解除して、型を開き、成形されたレンズを型から取り出す。取り出したレンズについては、光学顕微鏡による外観検査で割れ、くもり、気泡などの外観品質を評価する。また、ハイトゲージによる中心厚のバラツキ測定により光学素子の形状品質を評価する。
以上で説明した工程を経て得られたレンズの外観は良好となる。これは、易揮発成分であるBiと共有結合している酸素に臨界圧力以上の圧力を加えておくと、BiがBiとOに分解せずに結合が維持できるためと考えられる。この作用によって、Biがプレス面の表面に析出することや、酸素がガラス表面に気泡を発生させることを防止できる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、Biを10から30wt%、好ましくは20から30wt%含むリン酸系のガラスを材料として光学素子を製造する方法に好適に用いられる。Biを10から30wt%含むガラスを熱間でプレス成形してもプレス面に揮発による気泡等が発生せず、外観品質に優れたレンズを成形することができる。Biの含有量が10wt%よりも少ないガラスでは、ガラスからの揮発成分の発生量が少なく、本発明の成形プロセス条件で成形を行わなくても外観品質が良好である。また、Biの含有量が30wt%よりも多いガラスでは、加熱工程での揮発成分の発生量が多く、本発明の成形プロセス条件でも外観品質は良好とはならない。
次に、図面を参照して本発明の第2の実施形態を具体的に説明する。第1の実施形態が上型のみの上下動作で成形を行っていたのに対し、第2の実施形態では、上下2軸のプレス軸を持つ成形機により、上下型の圧力と温度を操作しながら、ガラスに所定の圧力を確実に負荷し続けられる方法について説明する。
図3は本発明の光学素子の製造方法の他の実施態様を示す工程図である。図3(a)から(f)の順に成形工程が進行する。各々の成形工程での型やガラスの状態を概略図で示す。図3(a)は加熱工程、図3(b)は上型プレス工程、図3(c)は下型保圧工程、図3(d)は上型/胴型突き当て工程、図3(e)は下型冷却プレス工程、図3(f)はレンズ取り出し工程である。図3中の7は上型のフランジ面、8は胴型の上面を示す。図中のP1の荷重によって、7と8の面が図3(d)の工程で突き当り、レンズの中心厚が高精度に制御できるようになっている。
図4は、図3の(a)から(f)の各成形工程に対応した成形プロセス線図を示す。図4のaは加熱工程、図4のbは上型プレス工程、図4のcは下型保圧工程、図4のdは上型/胴型突き当て工程、図4のeは下型冷却プレス工程、図4のfはレンズ取り出し工程である。
以下に各工程の説明を記述する。
図4のaの加熱工程では、型に埋め込まれたヒータにより、ガラスの粘度がlogη=9から10[dPa・sec]になるように加熱する。この際、粘度をlogη=9[dPa・sec]よりも低くしすぎると、酸素の臨界圧を後の図4のcの下型保圧工程でガラスに加えたときに、型のプレス軸方向の変形速度が速くなってしまい、中心厚の制御が困難となる。そのため、酸素の臨界圧を加圧した際に中心厚の変化速度が1μm/sec以下となる粘度に調整しておく。更には、高圧をガラスへ負荷しても中心厚の変化速度が遅くなるように、型を密閉型構造とすることや、ガラスの流路が中心から外周に向かうに伴って狭くなるような絞り部がある型形状とするのが良い。このような中心厚の変化速度の調整は予備成形にて行う。加熱工程の加熱温度は510から545℃の範囲が好ましい。
図4のbの上型プレス工程では、P1の荷重を型へ加えてガラスを加圧して型の形状にガラスを転写させる。ガラスへ負荷する圧力はガラスの変形速度を大きくするために酸素の臨界圧より大きく、ガラスが破壊する圧力より小さい圧力値とする。具体的には、ガラスへ作用する圧力をガラスが割れる限界の圧力100から300MPaよりもわずかに小さい値としサイクルタイムを短縮するのが良い。
図4のcの下型保圧工程では、図中P2の圧力で酸素の臨界圧である5.05MPaから、その2倍程度の10MPaまでの圧力がガラスに負荷される荷重値を型へ負荷する。P1>P2として、型が上方向へ持ち上がることを防止する。この状態ではガラスにはP2ではなくP1の荷重による圧力が負荷されている。
図4のdの上型/胴型突き当て工程では、7の上型フランジ面と8の胴型上面を突き当てる。このとき、P1の荷重は胴型が徐々に受け持つようになり、ガラスへの圧力はP1からP2の荷重で発生する圧力へ移行していく。これは突き当てによってP1が胴型へ作用するようになり、かつ、P1の荷重によりガラス内に発生していた応力が応力緩和で抜け、P2の荷重による圧力だけがガラスに作用するようになるためである。
一方、比較としてcの工程でP2の荷重を型へ作用させない条件にすると、突き当てによってP1の荷重がガラスに作用しなくなり、ガラス内の圧力は時間とともにほぼ0となる。この場合は易揮発成分が大量に発生しレンズは外観不良となるので、P2の荷重をガラスへ負荷するタイミングは突き当て前にしておかなければならない。
P1によるガラス内の応力が0となるまでの所要時間は、十分に成形温度を上げた成形品の厚みや突き当てによって位置決めされた上型の位置座標で比較すると算出できる。これにより、次の工程で冷却を開始するタイミングを調整し、冷却開始時点で、P1によるガラス内の応力をなるべく小さくして、面精度を安定できるようにする。
図4のeの下型冷却プレス工程では、ガラスの冷却を更に進め、ガラスの粘度がlogη=11から15[dPa・sec]の間で冷却し、P1よりも小さく、P2よりも大きなP3の荷重でガラスを再度加圧する。面精度に問題が無い場合はP3の荷重をP2よりも低くしても良いが、P2の荷重をガラスの粘度がlogη=12[dPa・sec]になるまでは少なくともガラスに負荷し続けてからP3を負荷する。
図4のfのレンズ取り出し工程では、型への圧力を解除して型開きを行い成形されたレンズを型から取り出す。
取り出したレンズについては、光学顕微鏡による外観検査で割れ、くもり、気泡などの外観品質を評価する。また、ハイトゲージによる中心厚のバラツキ測定により形状品質を評価する。以上の成形工程を経て出来上がったレンズは外観不良が見られず、ガラスに圧力を負荷し続けたにもかかわらず、中心厚のバラツキは±10μm以下に制御できる。
本発明の製造方法は、例えばレンズ、プリズム等の光学素子の製造に用いることができる。
(実施例1)
本実施例では、次に示す各種の条件で成形を行い、レンズの外観品質を確認した。なお、成形方法は本発明の第1の実施形態で述べた図1の(a)から(e)工程に準じている。
はじめに、成形に用いるガラス材料の条件について説明する。ガラス材料は、A−1、A−2、A−3、B−1、B−2の5種類を用意した。全てリン酸系のガラスで、易揮発成分であるBiの含有量をA−1、A−2、A−3、B−1、B−2の順に、5、10、20、30、40wt%とした。A−1、A−2、A−3、B−1、B−2のガラス材料の組成比を表1に示す。
Figure 0006132481
次に、成形プロセス条件について説明する。
図1(a)の加熱工程では、下型2にガラス材料の、A−2、A−3、B−1を収容し、型をヒータで加熱した。それぞれのガラスの粘度を調整するため、加熱工程の加熱温度は500から545℃の範囲とした。図1(b)の上型プレス工程では、上型プレス時のガラス粘度ηを3段階に変化させた。具体的には、logη=9.0、9.5、10.0[dPa・sec]である。
図1(c)の保圧工程では、保圧の圧力値を酸素の臨界圧を含む3段階に変化させた。具体的には、5.05(酸素の臨界圧)、10.0、50.0MPaである。保圧を終了するガラス粘度ηについては、logη=12.0、12.5、13.5[dPa・sec]の3段階とした。
図1(d)の冷却プレス工程では、冷却プレスの圧力値を0、100.0MPaの2段階に変化させた。ガラス材料A−2、A−3、B−1の外観品質の結果を工程ごとに順を追って以下に記述する。
図1(b)の上型プレス工程における上型プレス時のガラス粘度ηをlogη=9.0、9.5、10.0[dPa・sec]に変化させてもくもりや割れの外観不良は発生しなかった。
これらの結果からlogη=9.0から10.0[dPa・sec]の条件は、標準的なプレス圧力値である50から100MPaで、くもりの発生は抑制され、割れもなく、所定の厚みまでプレス変形可能なことが確認できた。なお、図1(b)の上型プレス工程では、上型1に圧力値は100MPaの圧力を負荷した。
図1(c)の保圧工程においても、保圧の圧力値を5.05MPa以上、保圧を終了するガラス粘度をlogη=12.0[dPa・sec]以上とすると外観品質が良好な光学素子が得られることが確認できた。図1(d)の冷却プレス工程では保圧工程まで外観品質が良好であった成形プロセス条件の何れもが、冷却プレス圧力値には依存せず、良好な外観品質を維持していた。ガラス粘度ηがlogη=12.0[dPa・sec]以上の粘度域になっていれば図1(d)の冷却プレス圧力値は外観品質には影響を与えないことが確認できた。
(比較例1)
本比較例では、実施例1に対して、次の条件を変更して成形を行い、外観品質が悪化するかを確認した。図1(b)の上型プレス工程で、上型プレス時のガラス粘度ηを2段階に変化させた。具体的には、logη=8.5、10.5[dPa・sec]である。
その結果、図1(b)の上型プレス工程における上型プレス時のガラス粘度ηをlogη=8.5[dPa・sec]の条件とすると、プレス前に既に揮発量が多く、ガラス表面にくもりが発生した。このくもりは、後工程の成形条件を如何なる条件としても改善することができず、外観品質は不良のままであった。一方、logη=10.5[dPa・sec]の条件にすると、くもりの発生は抑制されたものの、粘度が高すぎるため、標準的なプレス圧力値である50から100MPaから、徐々に荷重を増加させていっても所定の肉厚までプレス変形させることができない問題が出た。更に荷重を200MPaまで増加させたところで割れが発生してガラスが破壊してしまい、後工程を実施することができなくなった。なお、図1(b)の上型プレス工程では、上型1に圧力値は100MPaの圧力を負荷した。
(比較例2)
本比較例では、実施例1で外観が良好であった条件に対して、次の条件を変更して成形を行い、外観品質が悪化するかを確認した。
図1(c)の保圧工程で、保圧の圧力値を3段階に変化させた。具体的には、0.5Pa、2.5MPa、200.0MPaである。保圧の圧力値で設定した0.5Paは易揮発成分であるBiが成形時に加熱される最高の温度のときの蒸気圧値である。
その結果、図1(c)の保圧工程で、保圧の圧力値を0.5Pa、2.5MPaとした場合では、クモリが発生して、その後の後工程の成形条件を如何なる条件としても外観品質を満足することはできなかった。保圧の圧力値が、200.0MPaの条件においてはクモリの発生が抑制できたが、200MPaにすると割れが発生しガラスが破壊してしまい外観品質が不良となった。これらの結果から、Biの成形時に加熱される最高の温度のときの蒸気圧値を保圧の基準値として成形を行っても、外観不良を防止できないことが確認できた。更には、Biの蒸気圧より大きく、酸素の臨界圧より低くした場合にも外観不良が発生することを確認できた。
(比較例3)
本比較例では、実施例1で外観が良好であった条件に対して、図1(c)の保圧工程で、保圧を終了するガラス粘度ηをlogη=11.5 [dPa・sec]とし、外観品質が悪化するかを確認した。
その結果、くもりが発生し外観品質が不良となった。保圧を終了するガラスの粘度ηをlogη=12.0[dPa・sec]よりも低くすると外観品質が悪化することが確認できた。
(比較例4)
本比較例では、実施例1に記述したガラス材料B−2を使用し、実施例1と同様の成形プロセス条件で成形した光学素子の外観品質を確認した。
その結果、ガラス材料B−2にではBiが40wt%と多く含まれているため、図1(a)の加熱工程での揮発成分の発生量が多く、全ての成形プロセス条件で外観品質を満足できなかった。
(参考例1)
本参考例では、実施例1に記述した材料A−1を使用し、実施例1と同様の成形プロセス条件で成形した光学素子の外観品質を確認した。
その結果、ガラス材料A−1では、Biが5wt%しか含まれていないため、ガラスからの揮発成分の発生量が少なく、割れが発生する成形プロセス条件を除く、全ての成形プロセス条件で外観品質が良好であった。
Biが10wt%未満のリン酸系ガラスでは、本発明の成形プロセス条件で成形を行わなくても外観品質が良好である。
(実施例2)
本実施例では、本発明の第2の実施形態で説明した図3(a)から(e)の工程で、ガラスに作用する圧力プロファイルが実施例1と同様になるように、図3に示したP1からP3の圧力を設定した。具体的には、図1(b)でガラスに負荷した圧力がP1、同様に、図1(c)がP2、図1(d)がP3に対応する。レンズ形状は、径が14mmの凸メニス形状で、凸面のRが21mm、凹面のRを14mm、中心厚は1.3mmとした。なお、材料については、実施例1に記述した材料B−1を用いた。以上の条件で、光学素子の外観品質と中心厚精度を確認した。
その結果、外観品質は実施例1と同様の結果が得られた。ガラスに負荷される圧力パターンが同じであれば、上下2軸の成形型構造であっても良好な外観品質が得られた。
一方、形状品質については、図3(c)の下型保圧工程でレンズの変形速度が遅い条件、つまり、保圧開始時のガラス粘度がより高く、保圧の圧力値がより低い条件であるほど中心厚精度が向上した。本実施例のレンズ形状の成形では、外観品質が良好であった成形条件である、保圧開始時のガラス粘度がlogη=9から10[dPa・sec]、保圧の圧力値が5.05から50MPaの条件全てが保圧時のレンズの変形速度を1μm/sec以下にすることができた。
上下2軸の成形型構造で上型と胴型を突き当てる工程を実施し、かつ、保圧時のレンズ変形速度を1μm/sec以下にすると、たとえ圧力を負荷し続ける成形条件であっても、中心厚精度は±10μm以内となり、良好な形状品質が得られた。
本発明の製造方法は、リン酸系のガラス材料を用いて、熱間でプレス成形してもプレス面が良好なので、レンズ、プリズム等の光学素子の製造方法に利用することができる。
1 上型
2 下型
3 胴型
4 ヒータ
5 ガラスプリフォーム
6 成形されたガラスレンズ
7 上型のフランジ面
8 胴型の上面

Claims (2)

  1. Bi を含むリン酸系のガラスを、熱間の型でプレスした後、冷却して光学素子を製造する方法において、
    前記リン酸系ガラスの組成は、Bi が10質量%以上30質量%以下であり、P が21.1質量%以上26.1質量%以下であり、SiO が0質量%以上0.7質量%以下であり、B が0質量%以上3.1質量%以下であり、
    Na Oが3.42質量%以上6.2質量%以下であり、K Oが1.1質量%以上1.42質量%以下であり、Li Oが2.5質量%以上4.5質量%以下であり、BaOが0質量%以上1.1質量%以下であり、ZnOが0質量%以上1.2質量%以下であり、TiO が0質量%以上2.84質量%以下であり、Nb が24.3質量%以上34.3質量%以下であり、Sb が0質量%以上0.1質量%以下であり、WO が0質量%以上10.7質量%以下であり、
    前記ガラスを型のプレス面にガラス粘度logη=9から10[dPa・sec]で接触させてから、前記ガラスを熱間の型の間で10MPa以上100MPa以下の圧力でプレスするプレス工程と、
    前記プレス工程の後にプレスした圧力より低い圧力で、5.05MPa以上10MPa以下の圧力で保圧する保圧工程と、
    前記保圧工程で保圧したガラスをガラス粘度logηが12[dPa・sec]に増加するまでの間、酸素の臨界圧以上ガラス強度以下の圧力を前記ガラスに負荷しながら冷却する冷却工程と、
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記冷却工程では、50MPa以上100MPa以下の圧力を負荷しながら冷却することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
JP2012130082A 2012-06-07 2012-06-07 光学素子の製造方法 Active JP6132481B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130082A JP6132481B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 光学素子の製造方法
TW102117891A TWI473768B (zh) 2012-06-07 2013-05-21 光學元件的製法
US13/910,920 US9580346B2 (en) 2012-06-07 2013-06-05 Method for manufacturing optical element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130082A JP6132481B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 光学素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013253001A JP2013253001A (ja) 2013-12-19
JP6132481B2 true JP6132481B2 (ja) 2017-05-24

Family

ID=49714231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130082A Active JP6132481B2 (ja) 2012-06-07 2012-06-07 光学素子の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9580346B2 (ja)
JP (1) JP6132481B2 (ja)
TW (1) TWI473768B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6234316B2 (ja) * 2014-04-25 2017-11-22 オリンパス株式会社 光学素子の製造装置
JP6086954B2 (ja) * 2014-08-08 2017-03-01 Japan 3D Devices株式会社 光学用曲げガラス板及びその製造方法

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3241202B2 (ja) * 1994-03-11 2001-12-25 キヤノン株式会社 光学素子の成形方法及び高精度レンズ
JP3587499B2 (ja) * 1997-05-19 2004-11-10 Hoya株式会社 ガラス成形体の製造方法
JP2001180946A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Minolta Co Ltd 光学ガラス素子の成形方法およびその方法を用いた光学ガラス素子の成形装置
JP3825978B2 (ja) * 2001-02-19 2006-09-27 キヤノン株式会社 光学素子の成形方法
JP2002321931A (ja) * 2001-04-23 2002-11-08 Canon Inc 光学素子の成形方法
JP2002348126A (ja) * 2001-05-25 2002-12-04 Canon Inc 光学素子の成形方法
JP4603767B2 (ja) * 2002-03-14 2010-12-22 Hoya株式会社 ガラス光学素子の製造方法
JP2004107145A (ja) 2002-09-19 2004-04-08 Toshiba Mach Co Ltd 光学ガラス素子のプレス成形方法および装置
US20050011227A1 (en) * 2003-03-26 2005-01-20 Hoya Corporation Method of preparation of lens
JP2005154248A (ja) * 2003-04-17 2005-06-16 Hoya Corp 光学ガラス、プレス成形用プリフォーム及びその製造方法、光学素子及びその製造方法
JP4744795B2 (ja) * 2003-09-04 2011-08-10 Hoya株式会社 精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法並びに光学素子およびその製造方法
CN100419468C (zh) * 2004-02-12 2008-09-17 Hoya株式会社 制造玻璃光学元件的装置和方法及由此制造的玻璃光学元件
JP4925562B2 (ja) * 2004-03-15 2012-04-25 Hoya株式会社 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子ならびにそれぞれの製造方法
JP4448003B2 (ja) * 2004-10-15 2010-04-07 Hoya株式会社 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム及びその製造方法、光学素子及びその製造方法
JP4677279B2 (ja) * 2005-05-10 2011-04-27 Hoya株式会社 成形体の製造方法
CN101626986A (zh) * 2007-03-07 2010-01-13 旭硝子株式会社 制造光学玻璃元件的方法
KR20090123883A (ko) * 2007-03-14 2009-12-02 아사히 가라스 가부시키가이샤 광학 유리
JP4408937B2 (ja) * 2007-03-23 2010-02-03 Hoya株式会社 ガラスの製造方法およびこのガラスから得られる精密プレス成形用プリフォームと光学素子
JP2012041195A (ja) * 2008-12-24 2012-03-01 Asahi Glass Co Ltd 光学素子成形素材及びその製造方法
US8945713B2 (en) * 2009-05-20 2015-02-03 Hoya Corporation Glass material for press molding, method for manufacturing optical glass element employing same, and optical glass element
JP2010189269A (ja) * 2010-04-02 2010-09-02 Hoya Corp 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子
JP5197696B2 (ja) * 2010-09-06 2013-05-15 Hoya株式会社 精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013253001A (ja) 2013-12-19
US9580346B2 (en) 2017-02-28
US20130327094A1 (en) 2013-12-12
TWI473768B (zh) 2015-02-21
TW201350445A (zh) 2013-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100127420A1 (en) Method of forming a shaped article from a sheet of material
TWI413619B (zh) 由片狀物材料形成及切割成型物品之方法及裝置
JP7102984B2 (ja) 3dカバーガラスの製造方法
JP6132481B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP6739131B2 (ja) ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法
CN109422448A (zh) 3d保护玻璃的制造方法
JP2000095532A (ja) プレス成形光学素子とその製造方法と光学素子プレス成形用型および光学素子プレス成形装置
JPH09249424A (ja) 光学素子の成形法
JP2011116632A (ja) 光学素子の成形方法及び成形装置
EP0599037A2 (en) Molding machine for making an optical element and method of making the same
JP7125844B2 (ja) ガラス製成形型
JP2000086255A (ja) 光学素子の成形方法
JP3681114B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP2004307330A (ja) レンズの製造方法
US20140150498A1 (en) Process for the precision moulding of glass manufactured articles with great sizes, in particular lenses
JP2009173464A (ja) ガラス成形体の製造方法
JPH0455134B2 (ja)
KR20120102487A (ko) 정밀 프레스 성형용 글래스 소재의 두께 결정 방법 및 제조 방법과 글래스 광학 소자의 제조 방법
JP4436561B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2005320243A (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP6032951B2 (ja) 光学素子の製造方法
CN116040922A (zh) 透镜的成型方法
JP2008150266A (ja) 光学素子の成形方法
JP2012072031A (ja) 光学素子の成形方法
JP2007284286A (ja) 光学素子の成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170321

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6132481

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151