JP6131163B2 - 合成樹脂表皮材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂表皮材、及びその製造方法に関する。
近年、自動車内装品(インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井など)、鉄道車輌・航空機内装部品(トリム、座席、天井など)、家具、靴・履物・鞄、建装用内外装部材、衣類表装材・裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維性シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。このような合成樹脂表皮材は、最表面に天然皮革に類似した凹凸、即ち、絞(シボ)模様を有しており、この絞模様が外観を特徴付けるものである。
例えば、自動車内装品については、車輌の高級化に伴い、内装用の表皮材についても高級感を付与させることが重要になってきている。
図2は、従来の塩化ビニル樹脂層18を有する合成樹脂表皮材30の概略断面図である。合成樹脂表皮材30は、基布12の表面に接着剤層14を介して、気泡を含む弾力性に富む塩化ビニル発泡層16が接着され、塩化ビニル発泡層16の表面に塩化ビニル樹脂層18を備え、塩化ビニル樹脂層18表面には、外観や感触を調製するための表皮層24を有している。
このような表皮材としては、天然皮革に劣らないしっとりした感触と柔らかな風合いを必要とするが、柔らかな感触を付与するために、例えば、柔軟性に優れた薄層の塩化ビニル樹脂シート18を表面近傍に用いた場合、表面の耐摩耗性が低下するという問題があった。
日常使用する自動車用内装部品や家具は耐久性を必要とするため、長期間に亘り、良好な外観と風合いとを維持しうることが重要である。
耐摩耗性を向上するために、表面近傍に存在する塩化ビニル樹脂層18を厚くしたり、高強度の塩化ビニル樹脂層を用いたりすると、風合いが損なわれるのみならず、柔軟性、屈曲性が低下して、車輛のシートなど複雑な凹凸を有する成型体に表皮材として適用することが困難となり、より柔軟で耐久性に優れた合成樹脂表皮材が求められていた。
塩化ビニル樹脂層を用いて、柔軟性、弾力性を向上させる技術として、塩化ビニル樹脂にアクリル系樹脂とガラス微小球体を添加し、カレンダー法によりビニルレザーを製造する方法(例えば、特許文献1参照。)、或は、塩化ビニル樹脂に多量の可塑剤とガラス微小球体とを含有させてなるビニルレザー(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開平6−116876号公報 特開平6−116875号公報
しかしながら、塩化ビニル樹脂層が壊れやすいガラス微小球体を含む場合、得られたビニルレザーは軽量で、当初の風合いは良好であるものの、圧縮応力が繰り返し加わると、徐々に弾力性や柔軟性が低下するため、自動車用内装部品や椅子などの家具への応用に適するものではなかった。
上記従来技術を考慮してなされた本発明の目的は、耐摩耗性と優れた風合い、柔軟性が両立され、複雑な凹凸を有する成型体に好適に使用しうる合成樹脂表皮材、及び、耐摩耗性と風合いに優れた合成樹脂表皮材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、塩化ビニル樹脂層表面に耐摩耗性処理を施し、最表面に感触が良好な有機粒子を含む表面処理層を備えることで、上記問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
本発明の第1の実施形態に係る発明は、基布上に、塩化ビニル発泡層と、塩化ビニル樹脂層と、水系架橋ポリウレタン層と、樹脂及び有機粒子を含有する表面処理層と、をこの順に備える合成樹脂表皮材である。
本発明の第2の実施形態に係る発明は、前記水系架橋ポリウレタン層が、水系ポリウレタンをカルボジイミド系架橋剤で架橋して形成された厚さ2μm〜15μmの層である、前記第1の実施形態に記載の合成樹脂表皮材である。
本発明の第3の実施形態に係る発明は、前記有機粒子が、ウレタン樹脂粒子、タンパク質粒子、アクリルビーズからなる群より選択される、平均粒子径が1μm〜10μmの有機粒子である、前記第1の実施形態又は第2の実施形態に記載の合成樹脂表皮材である。
本発明の第4の実施形態に係る発明は、前記水系架橋ポリウレタン層が、さらにシリコーン化合物を含有する、前記第1の実施形態〜第3の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材である。
本発明の第5の実施形態に係る発明は、前記基布と前記塩化ビニル発泡層との間に接着剤層14を有する、前記第1の実施形態〜第4の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材である。
本発明の第6の実施形態に係る発明は、JIS K6772に準拠して測定したタテとヨコの伸びの比率が、タテの伸び:ヨコの伸び=1:1〜1:2の範囲である前記第1の実施形態〜第5の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材である。
本発明の第7の実施形態に係る発明は、塩化ビニル樹脂層と、発泡剤と樹脂とを含有する組成物からなる塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層側に基布を接着する基布接着工程と、前記積層体の塩化ビニル樹脂層側の表面に、水系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを含有する組成物を付与し、乾燥することで、水系架橋ポリウレタン層を形成する架橋層形成工程と、前記水系架橋ポリウレタン層表面に、樹脂と有機粒子とを含有する組成物を付与して、表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、加熱により、前記塩化ビニル発泡層形成用組成物中の発泡剤を発泡させ、塩化ビニル発泡層を形成する発泡工程と、を有する合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第8の実施形態に係る発明は、前記発泡工程が、前記架橋層形成工程及び前記表面処理層形成工程の後に実施される前記第7の実施形態に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第9の実施形態に係る発明は、前記発泡工程が、前記基布接着工程の後、前記架橋層形成工程及び前記表面処理層形成工程に先立って実施される前記第7の実施形態に記載の合成樹脂表皮材の製造方法である。
本発明の第10の実施形態に係る発明は、前記基布接着工程が、前記積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層と基布との間に接着剤層を設ける工程を含む、前記第7の実施形態〜第9の実施形態のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材である。
前記本発明では、柔軟性に優れた薄層の塩化ビニル樹脂層18表面に、水系架橋ポリウレタン層20を設けることで、耐摩耗性が向上し、塩化ビニル樹脂層を厚くしたり、高強度の塩化ビニル樹脂層を使用したりすることなく、必要な耐摩耗性、耐久性が得られる。本発明の好ましい態様では、水系ポリウレタンの架橋にカルボジイミド系架橋剤を用いることで、高密度の架橋構造が形成され、柔軟性を低下させることなく、耐摩耗性がより向上する。また、水系架橋ポリウレタン層がさらにシリコーン化合物を含有することで、表面エネルギーがより低下し、耐摩耗性がより向上する。
また、表面処理層を形成する樹脂マトリックス中に、柔軟性に優れ、球状に近い形状の有機粒子を含有することで、従来つや消し剤として汎用された不定形の無機粒子を用いた場合に比較して、風合い及び触感に優れたものとなる。
本発明の合成樹脂表皮材に使用される基布12には特に制限はないが、基布12として、メリヤス編み地を使用することで、弾力性と伸縮性がより向上するという利点を有する。
本発明の合成樹脂表皮材は、既述のように、表面の耐摩耗性、耐久性に優れ、且つ、柔軟で風合いに優れることから、車輌用シートなどの車両用内装材や椅子の表面材として好適に使用される。
本発明によれば、耐摩耗性と優れた風合い、柔軟性が両立され、複雑な凹凸を有する成型体に好適に使用しうる合成樹脂表皮材、及び、耐摩耗性と風合いに優れた合成樹脂表皮材の製造方法を提供することができる。
本発明の合成樹脂表皮材の一態様を示す概略断面図である。 従来の合成樹脂表皮材の一態様を示す概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<合成樹脂表皮材>
まず、合成樹脂表皮材について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の合成樹脂表皮材10の層構成の一態様を示す概略断面図である。
本発明の合成樹脂表皮材10は、基布12上に、塩化ビニル発泡層16と、塩化ビニル樹脂層18と、水系架橋ポリウレタン層20と、ポリウレタン樹脂及び有機粒子を含有する表面処理層22と、をこの順に備える。
なお、本発明において「この順に備える」とは、基布12上に、既述の各層をこの順に有することをいい、所望により備えられる任意の層、例えば、接着剤層などの存在を否定するものではない。
合成樹脂表皮材10の最表面に位置する表面処理層22は、目的に応じて着色されたり、印刷が施されたり、絞模様に代表される天然皮革様の凹凸が形成されたりしてもよい。
なお、図1に示すように、本発明の合成樹脂表皮材10は、前記基布12と塩化ビニル発泡層16との間に接着剤層14を有することが耐久性、形状追従性向上の観点から好ましい態様である。
接着剤層14は基布12表面に接着剤を積層し、乾燥することで形成される。接着剤の積層は、転写法により行っても、塗布法により行ってもよい。
以下、本発明の合成樹脂表皮材(以下、単に「表皮材」と称することがある)を、これを構成する材料とその製造方法とともに順次説明する。
(1.基布)
本発明の合成樹脂表皮材10の基布12としては、必要な強度、耐久性を有するものであれば、目的に応じて適宜選択して用いることができ、編物、織物、及び不織布のいずれであってもよい。
表皮材を凹凸のある成型体にて寄与する場合には、ある程度の伸縮性を有する編物や織物を用いることが好ましく、感触や形状追従性の観点からは、タテとヨコの伸びの比率が均等で厚みが比較的厚い基布12を使用することが好ましい。本発明の合成樹脂表皮材は、以下に詳述するようタテとヨコの伸びの比率が、タテの伸び:ヨコの伸び比率が1.5:1〜1:2の範囲にあることが好ましく、このような物性を達成させるため、用いる基布についてもタテとヨコの伸びの比率が均等であることが好ましい。
ここで、タテとは、合成樹脂表皮材を作製する装置の長手方向を示し、ヨコとは、タテに対して垂直方向、即ち幅方向を指す。
基布としては、例えば、車両用シートの表皮材として用いる場合には、伸縮性、厚み制御の容易性の観点から、メリヤス編み地や変成メリヤス編み地などが好ましい。
また、三次元不織布なども厚みの調整が容易という観点から使用してもよい。
基布12に使用される繊維(糸)の材質は、ポリエステル、ポリアミド、レーヨン等からなる糸やこれらを含む混紡糸などが好ましい。
基布12としては、前記メリヤス編み地の他、例えば、本願出願人が先に提案した特開2013−72141号公報に記載のポンチローマ編みを用いた合成皮革用基布などを用いることもできる。
基布12の厚みは表皮材の使用目的に応じて適宜選択されるが、感触に優れ、柔軟性を低下させない範囲、例えば、0.15mm〜0.6mmの範囲が好ましく、0.3mm〜0.5mmの範囲がより好ましい。
(2.塩化ビニル発泡層)
本発明の表皮材10における塩化ビニル発泡層(以下、「発泡層」とも称する)16としては、発泡剤及び樹脂を含む発泡層形成用組成物層を形成し、その後、加熱により発泡剤を発泡させて微細な気泡を有する塩化ビニル発泡層を形成することにより形成される。
発泡層16の形成に用いられる樹脂は、塩化ビニル樹脂を含む。
発泡層16の形成に使用しうる塩化ビニル樹脂については、下記塩化ビニル樹脂層18の説明において詳述する。以下に詳述する塩化ビニル樹脂は、発泡層16の形成に好適に使用しうる。
発泡剤としては、塩化ビニル発泡層16に必要な弾力性と厚みを与える微細な気泡を形成しうるものであれば特に制限はないが、加熱により発泡するアゾジカルボンアミド(ADCA)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)などの化学的発泡剤、熱膨張ビーズなどが挙げられる。
発泡層形成用塗布液に用いる熱膨張ビーズとは、中空の熱可塑性樹粒子中に炭化水素系溶剤などの有機溶剤等を内包してなる粒子であり、加熱により有機溶剤の体積膨張により粒子の体積が増加し、結果として樹脂マトリックス(分散媒)中に気泡が内在された発泡層16が形成される。
本発明に使用される熱膨張ビーズは、加熱により膨張して前記樹脂マトリックスに気泡が形成され、形成された気泡の状態を維持しうるものであれば、いずれのものを用いてもよい。
熱膨張ビーズは市販品としても入手可能であり、例えば、日本フェライト社製のエクスパンセルシリーズ(商品名)などが挙げられ、いずれも本発明に使用しうる。
熱膨張ビーズの添加量としては、樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部であることが好ましく、1質量部〜7質量部であることがより好ましい。
本発明における塩化ビニル発泡層形成用組成物は、乾燥を効率よく行う観点から、溶媒として水ではなく、有機溶剤を用いることが好ましいが、この溶剤は熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しないものを選択することが好ましい。熱膨張ビーズを構成する樹脂が有機溶剤によって溶けた場合には、中空部分が維持できなくなり、所望の気泡を内在する発泡層16が形成し難くなるためである。
熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤の選択方法としては、評価する有機溶剤(単体及び混合物を含む)に、使用する熱膨張ビーズを室温(25℃)で3日間浸漬した後、目視判定により発泡の形跡がない有機溶剤を選択する方法が挙げられる。熱膨張ビーズを構成する樹脂が有機溶剤に溶解した場合、樹脂ビーズの外皮が損傷し、熱膨張ビーズ中に内包される気体や炭化水素系溶剤が浸漬した有機溶剤中に流出して気泡が観察され、このような有機溶剤は本発明における「熱膨張ビーズを構成する樹脂を溶解しない溶剤」には包含されない。
例えば、熱膨張ビーズとして、前記日本フェライト社製のエクスパンセルを用いた場合、使用し得る溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン、スチレン、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン(MEK)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が挙げられ、これら溶剤から1種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、塩化ビニル発泡層形成用組成物層に含まれる熱膨張ビーズを膨張させるための加熱温度は、130℃〜230℃の範囲であることが好ましく、190℃〜230℃の範囲であることがより好ましい。
発泡層16の膜厚には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、強度及び触感の観点から、発泡前の膜厚として、150μm〜700μmの範囲であることが好ましく、170μm〜450μmの範囲であることがさらに好ましい。また、発泡後の気泡を内在した塩化ビニル発泡層16の膜厚は、220μm〜1300μmの範囲であることが好ましく、400μm〜900μmの範囲であることがさらに好ましい。
(3.塩化ビニル樹脂層)
表皮材10では、塩化ビニル発泡層に隣接して塩化ビニル樹脂層18を備える。
塩化ビニル樹脂層18は、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と同時にカレンダー加工、或は、同時押し出し加工により、積層体として形成されてもよく、塩化ビニル発泡層形成用組成物層表面にペースト加工機や押し出し機で塩化ビニル樹脂層18を形成して、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と塩化ビニル樹脂層18の積層体を形成してもよい。
後述する水系架橋ポリウレタン層20を形成することで表面の耐摩耗性が向上することから、塩化ビニル樹脂層18は、必要以上に硬くて厚い層は不要であり、軟らかく薄くすることにより、得られる表皮材10としての風合いが軟らかくなり、複雑な形状のシート等に容易に貼りこむことができる。
具体的には、従来、耐摩耗性の観点から200μm〜350μmは必要であった塩化ビニル樹脂層18の厚みを、本発明においては、100μm〜250μmの範囲とすることができ、厚みは、より好ましくは、100μm〜200μmの範囲である。
塩化ビニル樹脂層18を形成する塩化ビニル樹脂としては、表皮材10に汎用される塩化ビニルであれば、いずれも用いることができる。塩化ビニル樹脂としては市販品を用いてもよく、例えば、太洋塩ビ株式会社製の商品名「TH−1300」等が挙げられる。
本発明の表皮材10の製造方法においては、既述のように、まず、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と塩化ビニル樹脂層18との積層体が形成される。
(4.水系架橋ポリウレタン層)
本発明の表皮材10は、耐摩耗性向上を目的として水系架橋ポリウレタン層20を備える。
水系架橋ポリウレタン層20の形成に使用される水系ポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物等が挙げられ、長期耐久性が必要な場合には、ポリカーボネート系ポリウレタンが好適である。
本発明におけるポリエーテル系又はポリカーボネート系の水性ポリウレタンは、単独で用いてもよく、また、本発明の効果を損なわない限り、他のポリウレタン樹脂と混合して用いてもよい。このような水系ポリウレタン主剤は分子鎖の一部に1個または2個以上の親水性のカルボキシル基を導入して、水に分散しやすくした、所謂自己乳化型水系ポリウレタンであることが好ましい。自己乳化型水系ポリウレタンは、常法に従って、ポリエーテル系又はポリカーボネート系ジオールとジオール含有低分子量物とジメチロールアルキルカルボン酸とジイソシネアネートより作製したプレポリマーを、アルカリ等で中和してから、ジアミン鎖伸長剤で高分子化しながらナノサイズの粒子径で水に分散させて得ることができる。
本発明に適した水系ポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられ、これらは単独あるいはポリエーテル系及びポリカーボネート系混合乃至共重合物であってもよい。水系ポリウレタンは、ウレタン主剤の分子鎖の一部に、水系ポリウレタン主剤に対して、質量比で0.01%〜10%、好ましくは0.05%〜5%、より好ましくは0.1%〜2%のカルボキシル基が導入されていることが望ましい。前記質量比の範囲において、充分な水分散性と乾燥成膜性が得られる。
水系架橋ポリウレタン層20は、強度と耐摩耗性を付与するために設けられ、そのような観点からは、水系ポリウレタンは、架橋構造を有することを要する。
即ち、水系架橋ポリウレタン層20の形成に際しては、ウレタン主剤にカルボキシル基が導入されたものを用いることにより、架橋層形成用組成物に、水系ポリウレタンと架橋剤とを含むことで、水系ポリウレタンのカルボキシル基と架橋剤が反応して架橋構造が形成され、架橋層20の耐摩耗性が飛躍的に向上する。
架橋構造を形成するための架橋剤としては、従来知られているイソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤などが好適であり、また、オキサゾリン系架橋剤なども好ましく用いられる。なかでも、カルボジイミド架橋剤を用いることが、三次元架橋構造を形成しやすく、緻密な架橋構造が形成されると共に、水系ポリウレタンの加水分解を抑制しうるという観点からより好ましい。
カルボジイミド架橋剤に代表される架橋剤の添加量は、架橋層形成用組成物に対して、2質量%〜10質量%であることが好ましい。
架橋層20の形成に使用する前記水系ポリウレタンは、JIS K6772で測定した硬さが、100%モジュラスで50N/cm〜1200N/cmの範囲にあるフィルムを形成しうる水系ポリウレタンであることが好適であり、98N/cm〜1176N/cmの範囲であることがさらに好ましく、196N/cm〜980N/cmの範囲であることがより好ましい。
また、架橋層20を形成するに際して主剤として用いられる前記水系ポリウレタンは、GPC法で測定した重量平均分子量が5万〜15万の範囲であることが好ましい。
架橋層20を形成するための組成物は、水系ポリウレタン、架橋剤及び組成物を形成するための溶媒に加え、本発明の効果を損なわない範囲において種々の成分を含んでいてもよい。
架橋層20に含まれうる成分としては、例えば、滑り性向上のためのシリコーン化合物、着色剤などが挙げられる。
シリコーン化合物を含有することで、表面の滑り性が向上し、耐摩耗性がより優れたものとなる。シリコーン化合物としては、架橋層20に含まれる他の成分との親和性が良好で、且つ、形成された架橋層20の表面滑り性を向上させうるものであれば特に制限なく使用できる。
シリコーン化合物を含有させる場合の含有量としては、架橋層形成用組成物中に、10質量%〜30質量%であることが好ましい。
また、架橋層20が着色剤を含むことで、所望の色相を有する表皮材を得ることができる。
着色剤としては、パール粒子、アルミ粉等の金属粉、顔料などが挙げられ、なかでも、顔料が一般的に使用される。
本発明に用いうる顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタンなどが挙げられる。例えば、カーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックとエステル系分散剤とアクリル樹脂とを予め混合した混合物として用いることが好ましい。
顔料の使用態様の一例を挙げれば、主剤となる水系ポリウレタン100質量部に対して、顔料を3質量部〜5質量部程度投入し、熱ミキシングロールで加熱混合することでポリウレタンが着色される。
パール粒子、アルミ粉、及び顔料などの着色剤を用いる場合、それらの平均粒径は、一般的には、0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、3μm〜50μmの範囲である。
架橋層20には着色剤を1種のみ含んでもよく、調色などの目的で2種以上含んでいてもよい。顔料の含有量には特に制限はなく、目的とする架橋層20の色相に応じて適宜選択されるが、一般的には、架橋層20を構成する全固形分中に3質量%〜20質量%であることが好ましい。なお、ここで固形分とは、基材層を構成する全成分中、溶剤を除く全成分を指す。
架橋層20の厚みには特に制限はないが、架橋構造に起因して薄層でも耐摩耗性に優れることから、厚みは、2μm〜15μmの範囲であればよく、5μm〜10μmの範囲であることがより好ましい。
架橋層20の膜厚が上記範囲において充分な耐摩耗効果が得られ、得られた表皮材を折り曲げた時の白化等の不具合の発生が抑制される。
架橋層20の形成は、塗布法により行われ、グラビアプリントが一般的であるが、リバースコートやダイレクトコートにより形成してもよい。
架橋剤形成用組成物からなる層を前記塩化ビニル樹脂層18表面に形成した後、加熱、乾燥することで組成物中の架橋剤による架橋構造の形成が進行し、水系架橋ポリウレタン層が形成される。
乾燥時の加熱温度としては、架橋構造が効率よく進行するという観点からは、80℃〜150℃が好ましく、100℃〜120℃がより好ましい。
加熱方法は、温風乾燥、ヒータを備えたゾーン乾燥などの非接触加熱でもよく、熱ロールなどによる接触加熱でもよい。また、加熱したカレンダーロールを表面に接触させ、絞などの凹凸模様の形成と加熱、乾燥を同時に行ってもよい。
(5.表面処理層)
本発明の表皮材10は、外観と感触向上を目的として有機粒子を含有する表面処理層22を備える。
表面処理層22は、感触向上層であり、樹脂基材及び有機粒子を含む。
表面処理層22に含まれ得る樹脂としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられ、感触が良好であるという点からは、ポリウレタンを主剤として用いることが好ましい。ここで「主剤」とは、樹脂を複数種併用する場合に、含有比率の最も高い樹脂を意味する。
表面処理層22に使用されるポリウレタンとしては、水系架橋ポリウレタン層の形成に用いられる水系ポリウレタンが好ましいものとして挙げられる。
また、表面処理層22に使用されるアクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステルの重合体或いは共重合体、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体などが挙げられる。
表面処理層22にフィラーとしての有機粒子を含むことで、従来、つや消し剤として使用されていた不定形無機フィラーを使用した場合に比較して、表皮材10にしっとりとした温か味の有る触感を付与することができる。
有機粒子としては、ウレタンビーズ、アクリルビーズなどの有機樹脂粒子、コラーゲン粒子などのタンパク質系フィラーなどが挙げられる。
有機粒子の形状は、感触がより良好になるという観点からは、真球状か或は真球状に近い球形、例えば、長径と短径との比が1.5以下、であることが好ましく、平均粒子径としては、1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、5μm〜10μmの範囲であることがより好ましい。粒子径が上記範囲において、表面処理層22からの粒子の脱落や外観への悪影響が抑制され、良好な外観と優れた風合いを長期間維持しうる。
なお、本発明における有機粒子の平均粒子径は、堀場製作所製の自動粒径測定装置(型番:CAPA−300)を用い、分散媒を水とした光透過遠心沈殿法によりディスク回転速度3000rpmで測定し、容積基準のメディアン径を測定する方法により測定した値を用いている。
有機粒子は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
表面処理層22は、必要に応じて意匠性を付与するために着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、架橋層20において挙げた汎用の着色剤を同様に用いることができ、好ましい添加量も同様である。
表面処理層22の厚みは、1μm〜5μmの範囲であることが好ましく、2μm〜3μmの範囲がより好ましい。
(6.合成樹脂表皮材の物性)
本発明の合成樹脂表皮材は、既述の層構成を有するために、耐摩耗性と優れた風合い、柔軟性が両立され、複雑な凹凸を有する成型体に好適に使用しうるものとなる。
なお、本発明の合成樹脂表皮材は、タテとヨコの伸びの比率が均等であることが好ましく、例えば、JIS K6772に準拠した方法により測定したタテの伸び:ヨコの伸び比率が1.5:1〜1:2の範囲にあることが好ましく、1:1〜1:1.5の範囲にあることがさらに好ましい。タテとヨコの伸びの比率が上記範囲であることで、複雑な凹凸を有する成型体の形成に、より好適に使用し得るものとなる。
ここで、タテとは、合成樹脂表皮材を作製する装置の長手方向を示し、ヨコとは、タテに対して垂直方向、即ち幅方向を指す。
〔合成樹脂表皮材の製造方法〕
本発明の合成樹脂表皮材の製造方法は、塩化ビニル樹脂層と、発泡剤と樹脂とを含有する組成物からなる塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層側に基布を接着する基布接着工程と、前記積層体の塩化ビニル樹脂層側の表面に、水系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを含有する組成物を付与し、乾燥することで、水系架橋ポリウレタン層を形成する架橋層形成工程と、前記水系架橋ポリウレタン層表面に、樹脂と有機粒子とを含有する組成物を付与して、表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、加熱により、前記塩化ビニル発泡層形成用組成物中の発泡剤を発泡させ、塩化ビニル発泡層を形成する発泡工程と、を有する。
本発明の製造方法について工程毎に詳細を説明する。
(a.積層体形成工程)
積層体形成工程は、前記塩化ビニル樹脂層18と、発泡剤と樹脂とを含有する組成物からなる塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体を形成する工程である。
積層体は、塩化ビニル樹脂層18と、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と、を同時にカレンダー加工、或は、同時押し出し加工により形成してもよく、或は、まず、塩化ビニル発泡層形成用組成物層を形成し、その表面にペースト加工機や押し出し機で塩化ビニル樹脂層18を形成して、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と塩化ビニル樹脂層18の積層体を形成してもよい。
(b.基布接着工程)
本工程は、積層体形成工程で予め形成された塩化ビニル樹脂層と塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体の、発泡層形成用組成物層側の表面に基布12を接着する工程である。
基布12の発泡層形成用組成物層と接する側には常法により起毛処理を行ってもよい。
接着工程は、例えば、塩化ビニル発泡層形成用組成物層の硬化前に、基布12と合わせてラミネートしてもよく、塩化ビニル発泡層形成用組成物層表面或は基布12表面に接着剤層14を形成した後、両者を、接着剤層14を介して貼り合わせてもよい。
接着剤層14は、塩化ビニル発泡層形成用組成物層表面或は基布12表面に、接着剤を積層し、乾燥することで形成される。
所望により設けられる接着剤層14の形成に使用される接着剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば(1)ウレタン系エマルジョン接着剤、(2)塩化ビニル系接着剤、(3)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(4)2液硬化型ウレタン接着剤などが好適に使用される。
通常は、塩化ビニル樹脂層18と塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体を形成した後、塩化ビニル発泡層形成用組成物層の表面に接着剤を付与することで接着剤層14が形成される。接着剤を付与する方法としては、転写法、塗布法など公知の方法を何れも使用できるが、均一な厚みの接着剤層14を簡易に形成しうるという観点からは、転写法を用いることが好ましい。
また、接着剤層14を転写法で形成する場合には、予め作製された接着剤層14の表面保護のため、接着剤層14表面に保護シートを有していてもよい。保護シートとしては、樹脂フィルム、離型処理された紙、樹脂をラミネートした紙などを適宜、用いることができる。
前記a.積層体形成工程と、b.基布と積層体の貼り合せ工程とは、同時に行ってもよく、或いは、逐次行ってもよい。即ち、前記積層体をカレンダー法などにより形成し、その積層体を搬送しながら、積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層側の表面に、基布12をニップロールなどで、加熱、押圧しながら接着してもよい。また、接着剤層14を介する場合には、積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層側の表面に、接着剤層14を形成し、その後、接着剤層14と基布12とを合わせて押圧接着してもよい。
このようにして、基布12上に、塩化ビニル発泡層形成用組成物層と塩化ビニル樹脂層18が設けられる。
(c.架橋層形成工程)
次に、前記積層体の塩化ビニル樹脂層18側の表面に、水系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを含有する組成物を付与し、乾燥することで、水系架橋ポリウレタン層を形成する架橋層形成工程を実施する。
水系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを含有する組成物の詳細は先に述べたとおりである。この組成物を、前記で得られた基材と接着された積層体の塩化ビニル樹脂層18表面に付与して乾燥し、架橋構造を形成させて水系架橋ポリウレタン層を形成する。
組成物の付与は、常法によって行われ、例えば、グラビアプリント法による塗布、リバースコーターやダイレクトコーターによる塗布などの方法から適宜選択して適用すればよく、均一な層を形成しうるという観点からは、グラビアプリント法が好ましい。
水系架橋ポリウレタン層形成用組成物を付与した後、加熱、乾燥することで、組成物に含まれた架橋剤が水系ポリウレタンとの間で三次元架橋構造を形成し、水系架橋ポリウレタン層が形成される。既述のように、好ましい態様としてカルボジイミド経過教材を使用することで緻密な三次元架橋構造が形成され、架橋層20は薄層でも耐摩耗性に優れた層となる。また、架橋層20にシリコーン化合物を含有することで、架橋層20の表面エネルギーが低くなり、耐摩耗性がより向上する。
(d.表面処理層形成工程)
本工程は、前記架橋層形成工程で得られた耐摩耗性層である水系架橋ポリウレタン層表面に、表面の感触や外観を選りすぐれたものとするために、表面処理層(感触向上層)22を形成する工程である。本工程は、樹脂と有機粒子とを含有する組成物を付与して、表面処理層22を形成することにより行われる。
組成物の付与は、架橋層形成工程と同様に行うことができ、例えば、グラビアプリント法による塗布、リバースコーターやダイレクトコーターによる塗布などの方法から適宜選択して適用すればよく、均一な層を形成しうるという観点からは、グラビアプリント法が好ましい。
(e.発泡工程)
本工程は、加熱により、前記塩化ビニル発泡層形成用組成物中の発泡剤を発泡させ、塩化ビニル発泡層を形成する工程である。加熱は、所定の温度に調整された加熱炉内を搬送させることで非接触加熱により行うことが好ましい。
塩化ビニル発泡層形成用組成物層に発泡剤として熱膨張ビーズを用いた場合には、熱膨張ビーズを膨張させるための加熱温度は、130℃〜230℃の範囲であることが好ましく、190℃〜230℃の範囲であることがより好ましい。また、発泡剤としてADCAを用いた場合には、加熱温度は、180℃〜250℃の範囲であることが好ましく、200℃〜230℃の範囲であることがより好ましい。
塩化ビニル発泡層の発泡工程は、基布接着工程の後、架橋層形成工程及び表面処理層形成工程に先立って行ってもよく、架橋層形成工程及び表面処理層形成工程の後に行ってもよい。
(f.意匠性の付与工程)
本発明の合成樹脂表皮材は、必要に応じて、さらに外観を向上させるための意匠性の付与工程を行う。
上記a工程〜e工程を完了した後、得られた基布12、塩化ビニル発泡層16、塩化ビニル樹脂層18、架橋層20及び表面処理層22を少なくとも備える積層体の表面処理層側に、絞形状が彫刻されているエンボスロールを、表面が加熱されている状態で押し当てることにより、表面に絞模様が形成された合成樹脂表皮材が得られる。
絞模様の付与は、基布接着工程の後、架橋層形成工程及び表面処理層形成工程に先立って行ってもよく、その場合には、基布12上に、発泡層形成用組成物層と塩化ビニル樹脂層18とを有する積層体を加熱することで発泡剤を発泡させ、気泡を有する発泡層を形成させた後、絞形状が彫刻されているエンボスロールを、表面が加熱されている状態で押し当てて、絞模様を形成し、その後、架橋層20と表面処理層22をこの順に形成すればよい。
絞ロールに予め天然皮革様の凹凸を形成することで、これを用いてエンボス加工することにより、表面に天然皮革様の凹凸が転写され、合成樹脂表皮材は天然皮革様の優れた外観を有することになる。
エンボス加工における加熱温度は、100℃〜190℃が好適である。
本発明の合成樹脂表皮材10は最表面に、適度につや消しされ、感触が良好な樹脂粒子を含む表面処理層22、これに隣接して耐摩耗性に優れた架橋層20を有することから、複雑な形状の成型体の表皮材として好適に使用される。
本発明の合成樹脂表皮材は、簡易な方法で形成され、外観、耐久性に優れ、柔軟であることから加、自動車用内装材、鉄道車輌・航空機内装部品、家具、靴・履物・鞄、建装用内外装部材、衣類表装材・裏地、など種々の分野に好適に使用しうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
塩化ビニル樹脂層形成用樹脂としては、平均重合度1300のポリ塩化ビニルを用いた。
塩化ビニル樹脂層形成用樹脂組成物の処方は以下に示すとおりである。
・ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100質量部
・可塑剤(フタル酸ジアルキル) 95質量部
・安定剤(Ba−Zn系複合安定剤) 2質量部
・充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
・着色剤(顔料) 5質量部
塩化ビニル発泡層形成用組成物の処方は以下に示す通りである。
(塩化ビニル発泡層形成用組成物)
・ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100質量部
・発泡剤(ADCA) 4質量部
・可塑剤(フタル酸ジアルキル) 95質量部
・安定剤(Ba−Zn系複合安定剤) 2質量部
・充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
・着色剤(顔料) 2質量部
カレンダー装置にて、上記塩化ビニル樹脂層18と塩化ビニル発泡層形成用組成物層とが積層された積層体を形成する。積層体の塩化ビニル樹脂層18の厚みは0.17mmであり、発泡層形成用組成物層(発泡前)の厚みは0.22mmであった。
得られた積層体の発泡層形成用組成物側表面に接着剤(DIC(株)製、ウレタン系エマルジョン接着剤)を約10g/m塗布し、基布12を貼り合せた。
基布12として、メリヤス編みを改良した編物(繊維:ポリエステルレーヨン混紡糸30番手使用、目付250g/m、厚み0.40mm)を使用した。この基布12を使用して得られる合成樹脂表皮材10のJIS K6772に準拠して測定したタテとヨコとの伸び比率は約1:1であって、ボリューム感にも優れている。
その後、基布12と貼り合わせた積層体の塩化ビニル樹脂層18表面に、下記架橋層形成用組成物をグラビアプリント法により塗布し、120℃で乾燥させて、膜厚8μmの水系架橋ポリウレタン層20を形成した。
(架橋層形成用組成物)
・水系2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物 100質量部
・架橋剤(カイボジイミド形架橋剤) 4質量部
・シリコーン化合物(スタール社製、水分散型シリコーン) 15質量部
さらに、触感向上のため、下記処方の表面処理層形成用組成物をグラビアプリントにて塗布し、乾燥させて、厚み2μmの表面処理層22を形成した。
(表面処理層形成用組成物)
・ウレタンビーズ入りポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物 100質量部
・溶剤(メチルエチルケトン:MEK) 17質量部
架橋層20、表面処理層22を形成した後、得られた積層体を温度条件190℃〜230℃の加熱炉内を通過させることで、発泡剤を発泡させ、気泡が内在する塩化ビニル発泡層16を形成した。
塩化ビニル発泡層16が形成された積層体の表面に、絞形状が彫刻されているエンボスロールを、表面を130℃に加熱しながら押し当ててエンボス加工を行い、表面に絞模様が形成された実施例1の合成樹脂表皮材10を得た。
(比較例1)
塩化ビニル樹脂層形成用樹脂としては、平均重合度1300のポリ塩化ビニルを用いた。
(塩化ビニル樹脂層形成用樹脂組成物)
・ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100質量部
・可塑剤(フタル酸ジアルキル) 75質量部
・安定剤(Ba−Zn系複合安定剤) 2質量部
・充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
・着色剤(顔料) 5質量部
(塩化ビニル発泡層形成用組成物)
・ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100質量部
・発泡剤(ADCA) 4質量部
・可塑剤(フタル酸ジアルキル) 75質量部
・安定剤(Ba−Zn系複合安定剤) 2質量部
・充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
・着色剤(顔料) 2質量部
カレンダー装置にて、上記塩化ビニル樹脂層形成用組成物と塩化ビニル発泡層形成用組成物層とを用いて、塩化ビニル樹脂層18と塩化ビニル発泡層形成用組成物層とが積層された積層体を形成する。
積層体における塩化ビニル樹脂層18の厚みは0.30mmであり、発泡層形成用組成物層(発泡前)の厚みは0.65mmであった。
得られた積層体の発泡層形成用組成物側表面に接着剤(DIC(株)製、ウレタン系エマルジョン接着剤)を約10g/m塗布し、基布12を貼り合せた。
基布12として、一般両面メリヤス編み編物(繊維:ポリエステルレーヨン混紡糸30番手使用、目付150g/m、厚み0.30mm)を使用した。この基布12を使用して得られる合成樹脂表皮材のJIS K6772に準拠して測定したタテとヨコとの伸び比率は約1:6であって、伸びバランスが悪くボリューム感も乏しい。
その後、基布12と貼り合わせた積層体の塩化ビニル樹脂層18表面に、下記表皮層形成組成物をグラビアプリント法により塗布し、120℃で乾燥させて、膜厚2.5μmのポリウレタン層(表皮層)24を形成した。

(表皮層形成用組成物)
・溶剤型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物 100質量部

得られた積層体を温度条件190℃〜230℃の加熱炉内を通過させることで、発泡剤を発泡させ、気泡が内在する塩化ビニル発泡層16を形成した。
塩化ビニル発泡層16が形成された積層体の表面に、絞形状が彫刻されているエンボスロールを、表面を130℃に加熱しながら押し当ててエンボス加工を行い、表面に絞模様が形成された、図2に示す構成の比較例1の合成樹脂表皮材30を得た。
(合成樹脂表皮材の評価)
得られた実施例1の合成樹脂表皮材10及び比較例1の合成樹脂表皮材30を以下の基準にて評価した。結果を下記表1に示す。
(耐摩耗性:平面摩耗性試験)
JASO M 403/88/シート表皮用布材料の平面摩耗試験機(B法)を参考に試験を行った。
以下のように、試験条件をJASO法の条件よりも厳しい条件で行った。
(試験条件)
JASO法における標準の条件→本試験の条件
押圧荷重:9.81N →19.6N
試験回数:10,000回 →40,000回

判定基準は以下に示す通りである。
等級 判定基準
5 変化が認められない
4 変化がわずかに認められる
3 変化が明らかに認められる
2 変化がやや著しい
1 変化が著しい
(伸び試験)
実施例1及び比較例1の合成樹脂表皮材をJIS K6772に記載の方法に準拠して、タテ及びヨコの伸びを測定しタテ:ヨコの伸び比率を測定した。
実施例1の合成樹脂表皮材は、タテ:ヨコの伸びは90%:95%であった。一方、比較例1の合成樹脂表皮材では、タテ:ヨコの伸びが45%:230%であった。実施例1と比較例1との対比より、実施例1の合成樹脂表皮材10は、従来品に比べてタテ:ヨコ伸びのバランスがよいことが分かる。
(触感評価)
(1)乾湿感
触感試験条件は以下の通りである。
試験機として、カトーテック(株)社製、KES−SE摩擦感テスターを用いた。
(試験条件)
摩擦子:指紋タイプセンサー
速度:1.0m/sec
荷重:25g
(評価方法)
上記条件にて得られた、MIU(平均摩擦係数)/MMD(摩擦係数変位)の値より乾湿感を求め以下の基準で判定する。MIU/MMDが10〜40の範囲において感触が良好(○)と判断される、
○:MIU/MMDが10〜40の範囲である
×:MIU/MMDが10未満であるか又は40を超える
(2)粗滑感
粗滑感に係る触感試験条件は以下の通りである。
試験機としては、東京精密(株)社製、サーフコム130A表面粗さ・輪郭形状測定機を用いてRa:中心線平均粗さ(μm)を求め、カトーテック(株)社製、KES−SE摩擦感テスターを用いてMMD:平均動摩擦係数の変動を求める。

表面粗さ・輪郭形状測定機
試験条件
速度:0.3mm/sec

摩擦感テスター
試験条件
摩擦子:指紋タイプセンサー
速度:1.0m/sec
荷重:25g

(評価方法)
上記条件にて得られた、Ra(中心線平均粗さ(μm))×MMD(平均動摩擦係数の変動)の値より粗滑感を求め客観的に判定する。Ra×MMDが0.20以下において感触が良好と判断され、0.20を超えると実用上問題となるレベルである。

(評価基準)
○:Ra×MMDが0.20以下
×:Ra×MMDが0.20を超える
表1の結果より、実施例1の合成樹脂表皮材は、厳しい条件の耐摩耗性試験においても、僅かな変化が認められたのみであり、実用上問題のないレベルの耐摩耗性を示し、耐摩耗性と、優れた感触、柔軟性とが両立され、複雑な凹凸を有する成型体に好適に使用しうることがわかる。
10 合成樹脂表皮材
12 基布
14 接着剤層
16 塩化ビニル発泡層(発泡層)
18 塩化ビニル樹脂層
20 水系架橋ポリウレタン層(架橋層)
22 表面処理層
30 従来の合成樹脂表皮材

Claims (10)

  1. 基布上に、塩化ビニル発泡層と、塩化ビニル樹脂層と、水系架橋ポリウレタン層と、樹脂及び有機粒子を含有する表面処理層と、をこの順に備える合成樹脂表皮材。
  2. 前記水系架橋ポリウレタン層が、水系ポリウレタンをカルボジイミド系架橋剤で架橋して形成された厚さ2μm〜15μmの層である、請求項1に記載の合成樹脂表皮材。
  3. 前記有機粒子が、ウレタン樹脂粒子、タンパク質粒子、アクリルビーズからなる群より選択される、平均粒子径が1μm〜10μmの有機粒子である、請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂表皮材。
  4. 前記水系架橋ポリウレタン層が、さらにシリコーン化合物を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材。
  5. 前記基布と前記塩化ビニル発泡層との間に接着剤層を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材。
  6. JIS K6772に準拠して測定したタテとヨコの伸びの比率が、タテの伸び:ヨコの伸び=1:1〜1:2の範囲である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材。
  7. 塩化ビニル樹脂層と、発泡剤と樹脂とを含有する組成物からなる塩化ビニル発泡層形成用組成物層との積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層側に基布を接着する基布接着工程と、
    前記積層体の塩化ビニル樹脂層側の表面に、水系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを含有する組成物を付与し、乾燥することで、水系架橋ポリウレタン層を形成する架橋層形成工程と、
    前記水系架橋ポリウレタン層表面に、樹脂と有機粒子とを含有する組成物を付与して、表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、
    加熱により、前記塩化ビニル発泡層形成用組成物中の発泡剤を発泡させ、塩化ビニル発泡層を形成する発泡工程と、を有する合成樹脂表皮材の製造方法。
  8. 前記発泡工程が、前記架橋層形成工程及び前記表面処理層形成工程の後に実施される請求項7に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  9. 前記発泡工程が、前記基布接着工程の後、前記架橋層形成工程及び前記表面処理層形成工程に先立って実施される請求項7に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
  10. 前記基布接着工程が、前記積層体の塩化ビニル発泡層形成用組成物層と基布との間に接着剤層を設ける工程を含む、請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の合成樹脂表皮材の製造方法。
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