JP6128339B2 - 車両用フレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用フレーム構造に関し、特に略矩形状の主閉断面を構成するアルミ合金製車両用フレーム構造に関する。
従来より、高張力鋼板製フロントサイドフレームの先端部分に軸圧縮変形可能なクラッシュカンを設け、フロントサイドフレームの途中部から後端部に亙って積極的に折れ変形可能な複数の衝撃吸収機構を採用することにより衝突時の衝撃エネルギ吸収量を増加させて、前突時の乗員保護を図っている(特許文献1)。
このような衝撃吸収機構では、フロントサイドフレームの折れ変形によって吸収される衝撃荷重がエネルギ吸収量全体の大半を占めるため、折れ変形によるエネルギ吸収特性は圧縮変形によるエネルギ吸収特性よりもEA(Energy Absorption)性能に与える影響が大きい。
ところで、車体重量の軽量化の促進により、走行運動性能等機能的価値を高くすることができるため、近年、軽量なアルミ合金材料が車両用フレーム等の使用に供されている。
また、延性に優れたアルミ合金製車両用フレームは、断面の自由度が高く、軽量で且つ材料強度の高い断面形状が押出成形で得ることができることから、生産性にも優れている。
特許文献2のフレーム構造は、押出成形で閉断面構造に形成されたアルミ合金製フロントサイドフレーム前部と、押出成形で閉断面構造に形成され且つ閉断面構造内に上下方向に直交する仕切り壁状の中リブを設けたアルミ合金製フロントサイドフレーム後部とを備え、フロントサイドフレーム前部とフロントサイドフレーム後部との結合部を中リブ位置に沿って形成している。これにより、溶接によって局所的に強度が低下した範囲を中リブによって保持できるため、衝撃荷重による面外方向への壁面の座屈を抑えている。
特許第5104272号公報 特開平11−208517号公報
特許文献1の衝撃吸収機構では、入力した衝撃荷重のうち、主に、クラッシュカンの圧縮変形とフロントサイドフレームの折れ変形とによって吸収することができない荷重がフロントサイドフレームよりも後方の車体構成部材や車室等に伝達される。
つまり、折れ変形によって吸収される衝撃荷重が小さい場合、衝撃吸収のために必要なフロントサイドフレームの長手方向の変形ストローク、所謂クラッシュストロークが長くなり、車体デザインの自由度低下や車体重量の増加を招く虞がある。
本発明者は、上記問題点の検討にあたり、断面縦長矩形状のフレームの変形挙動のメカニズムについてCAE(Computer Aided Engineering)による解析を行った。
まず、この解析の基本的な考え方について説明する。
図14に示すように、長手方向に延びる閉断面状鋼板製フレームモデルMと、このフレームモデルMの両端部を挟み込んだ状態でフレームモデルMの軸心を曲げるための荷重付与手段Tとを準備して、荷重点Pの変位と荷重点Pの反力とを解析した。
図14,図15(a),図15(b)に示すように、荷重付与手段Tは、枢支部Rを中心として回動可能な支持部Taと、荷重を付与する荷重点Pが形成され且つ支持部Ta側へ変位しつつ回動可能な支持部Tbとを有し、枢支部Rと荷重点Pを結ぶ直線がフレームモデルMの軸心から50mmオフセットしている。尚、フレームモデルMの各壁部を、圧縮荷重が作用する圧縮側壁部Ma、引張荷重が作用する引張側壁部Mb、各々の壁部の上下端部を夫々連結する上端壁部Mc及び下端壁部Mdとしている。
フレームモデルMの支持可能な荷重とフレームモデルMが変形するストロークとの相関関係(FS特性)に基づき解析結果について説明する。
図16に示すように、長手方向に延びる閉断面状フレームでは、所定変位においてピークとなる最大(許容限界)荷重26kNが発生し、座屈後、急激に荷重が低下する。
この座屈発生のメカニズムは、以下のように推測される。
図17に示すように、許容限界を越えた荷重の付与によって圧縮側壁部Maに弾性座屈波Wが生じ、この弾性座屈波Wが上端壁部Mc及び下端壁部Mdに伝播することから、圧縮側壁部Maにおける弾性座屈波Wの谷領域mに対応した上端壁部Mc及び下端壁部Mdの山領域nに面外変形が夫々発生する。その結果、上端壁部Mc及び下端壁部Mdが夫々面外方向に膨出し且つ圧縮側壁部Maが二つ折りに折り畳まれて閉断面状フレームが座屈する。即ち、圧縮側壁部Ma、上端壁部Mc及び下端壁部Mdの弾性座屈波Wを減衰させることで、材料の塑性領域まで許容限界荷重を増加する、換言すれば、材料の保有する性能を有効に活用してEAを増加することができる。
そこで、弾性座屈波Wにおいて、周期は圧縮側壁部Maと上端壁部Mc及び下端壁部Mdの板幅が支配要因であり、振幅は各壁部Ma,Mc,Mdの板厚が支配要因であることから、圧縮側壁部Maの板幅を減少すると共に各壁部Ma,Mc,Mdの板厚を増加することで弾性座屈の発生を抑制できると考えられる。しかし、各壁部Ma,Mc,Mdの板厚を増加する場合、車体重量や閉断面状フレーム自体のコストが増加し、閉断面状フレームの単位質量当たりのEA効率(EA質量効率)が十分に向上できない虞がある。
また、単に圧縮側壁部Maの板幅を減少すると車体の主要構成フレームとして強度不足になり、圧縮側壁部Maの板幅を減少して上端壁部Mc及び下端壁部Mdの板幅を増加するとエンジンルームに配置する各部材の配置スペースが不利になる虞がある。
本発明の目的は、弾性座屈を抑制しつつ高いEA質量効率を備えた車両用フレーム構造等を提供することである。
請求項1の車両用フレーム構造は、圧縮荷重が作用する縦向きの圧縮側壁部を含む圧縮側部分と、引張荷重が作用する縦向きの引張側壁部を含む引張側部分とを備え、前記圧縮側部分と引張側部分の上下端部を夫々接合して長手方向に直交する断面が略矩形状の主閉断面を構成するアルミ合金製車両用フレーム構造において、前記圧縮側壁部から引張側壁部に延びると共に前記主閉断面内に上下に隣り合う複数の副閉断面を形成するように配設された複数の横仕切壁部を備え、隣り合う横仕切壁部の離隔幅をb、圧縮側壁部の板厚をtとしたとき、0.06≦t/b≦0.12の関係を満たすように前記複数の横仕切壁部を形成したことを特徴としている。
この車両用フレーム構造では、アルミ合金製車両用フレーム構造において、主閉断面内に上下に隣り合う複数の副閉断面を形成するように配設された複数の横仕切壁部を備えているため、軽量化を図りつつ、副閉断面の縦横比を1以下に調整することができる。
これにより、幅短縮に伴う圧縮側壁部の弾性座屈周期の短縮化によって弾性座屈を抑制することができ、車両用フレームの許容限界荷重を増加することができる。
また、隣り合う横仕切壁部の離隔幅をb、圧縮側壁部の板厚をtとしたとき、0.06≦t/b≦0.12の関係を満たすように複数の横仕切壁部を形成したため、フレーム材料の弾性領域における座屈発生を回避することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記主閉断面内に長手方向に直交するように配設され且つ前記圧縮側壁部と一体形成された1又は複数の縦仕切壁部を形成したことを特徴としている。
この構成によれば、1又は複数の縦仕切壁部によって上端壁部及び下端壁部を引っ張るため、圧縮側壁部から伝播した弾性座屈波に起因した上端壁部及び下端壁部の面外方向の変形を抑制することができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記圧縮側部分と引張側部分が夫々鋳造品で構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、押出成形が困難な主閉断面内に配設される複数の横仕切壁部と1又は複数の縦仕切壁部を備えた構造を簡単な方法で圧縮側壁部と一体形成することができる。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、前記圧縮側壁部に長手方向に直交し且つ前記主閉断面側に凹入するビードが形成され、前記縦仕切壁部が前記ビードに接合されていることを特徴としている。
この構成によれば、上端壁部及び下端壁部の面外変形を抑制できるため、車両用フレームの許容限界荷重の低下を抑制しながら車両用フレームをビード位置を起点として折れ変形させることができる。しかも、圧縮側壁部の座屈後、崩壊した縦仕切壁部が圧縮側壁部と引張側壁部との間に介在してビードに対応した位置の断面崩れを抑制するため、EA効率を増加することができる。
本発明の車両用フレーム構造によれば、弾性座屈を抑制しつつ高いEA質量効率を確保することができる。
実施例1に係るフロントサイドフレームをエンジンルーム内側から視た側面図である。 右側フロントサイドフレームの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 アウタ部材の斜視図である。 インナ部材の斜視図である。 先端部分の要部斜視断面図である。 第1アウタ部分の要部断面斜視図である。 第3アウタ部分の要部断面斜視図である。 前面衝撃荷重の入力前の車両の状態を示す模式図である。 前面衝撃荷重の入力後の車両の状態を示す模式図である。 第1の解析結果を示す表である。 第2の解析結果を示す表である。 第3の解析結果を示す表の一部である。 第3の解析結果を示す表の残部である。 閉断面状フレームの変形挙動に係る解析方法の説明図である。 閉断面状フレームの変形挙動であって、(a)は荷重を付与する前の状態図を示し、(b)は荷重を付与した後の状態図を示している。 従来の閉断面状フレームのFS特性を示すグラフである。 閉断面状フレームの弾性座屈を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両のフロントサイドフレームに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
尚、図において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図13に基づいて説明する。
まず、フロントサイドフレームが設置された前部車体構造について簡潔に説明する。
図1に示すように、車両Vは、エンジンルームEと車室とを上下方向および車幅方向に延びて仕切るダッシュパネル1と、このダッシュパネル1の前方位置で車体前後方向に延びるフロントサイドフレーム2と、フロントサイドフレーム2の側方位置でタワー形状に立設されるサスタワー部3と、このサスタワー部3と前述のダッシュパネル1とを上下方向および車体前後方向に延びて連結するエプロン部4と、エプロン部4上端で車体前後方向に延びるエプロンレインメンバ5等を備えている。尚、左右対象構造であるため、主に車体右側構造について説明し、車体左側構造については説明を省略する。
フロントサイドフレーム2の前端部には、前面衝撃荷重を受けた際、圧縮変形(軸圧縮)して、衝突エネルギの一部を吸収するためのクラッシュカン6を設置している。
フロントサイドフレーム2の前後方向中央部には、略円柱形状のエンジンマウント7を設置して、このエンジンマウント7によってパワーユニット(図示略)を弾性支持している。また、このエンジンマウント7よりも下方のフロントサイドフレーム2内には、エンジンマウント7の取り付け剛性を高めるために、マウント取付レイン8を設置している。フロントサイドフレーム2の後部下面には、サスペンションサブフレーム(図示略)を取付けるサブフレーム取付ブラケット9を接合固定している。
次に、フロントサイドフレーム2について詳細に説明する。
図2,図3に示すように、フロントサイドフレーム2は、アルミ合金材料(5000系)により形成され、上下方向に長い、所謂縦比が横比よりも大きな略矩形状の主閉断面Cを構成している。このフロントサイドフレーム2は、前後方向における各々の領域の機能に応じて、先端部分2aと、この先端部分2aの後側に連なる前側途中部分2bと、この前側途中部分2bの後側に連なる後側途中部分2cと、この後側途中部分2cの後側に連なる基端部分2dとを備えている。
先端部分2aは、前突時、前端側部分が軸圧縮変形すると共に後端側部分が上下に延びる第1ビード11fにより外折れ変形するように形成され、前側途中部分2bは、マウント取付レイン8を支持するように形成されている。また、後側途中部分2cは、前突時、途中部が上下に延びる第2ビード23fにより内折れ変形すると共に後端側部分がサブフレーム取付ブラケット9を支持するように形成され、基端部分2dは、前突時、途中部が上下に延びる第3ビード14fにより外折れ変形すると共に後端側部分がダッシュパネル1に固着されるように形成されている。
図2〜図5に示すように、フロントサイドフレーム2は、鋳造によって成形されたアウタ部材10と、鋳造によって成形されたインナ部材20とにより2分割形成されている。
図4に示すように、アウタ部材10は、先端部分2aの右半部を構成する第1アウタ部分11(圧縮側部分)と、前側途中部分2bの右半部を構成する第2アウタ部分12と、後側途中部分2cの右半部を構成する第3アウタ部分13(引張側部分)と、基端部分2dの右半部を構成する第4アウタ部分14(圧縮側部分)とによって一体形成されている。
第1アウタ部分11について説明する。
図2〜図4,図6,図7に示すように、第1アウタ部分11は、左右方向に略直交する面に沿った圧縮側壁部11aと、この圧縮側壁部11aから左方に延びる2つの縦仕切壁部11bと、圧縮側壁部11aの上端部から左方に延びる上端壁部11cと、圧縮側壁部11aの下端部から左方に延びる下端壁部11d等を一体的に備えている。
圧縮側壁部11aは、所定厚さt、例えば2.5mmに形成されている。
圧縮側壁部11aは、3つの横仕切壁部11eと、第1ビード部11fを一体的に備えている。3つの横仕切壁部11eは、主閉断面C内を上下に隣り合い且つ前後方向に延びた4つの副閉断面cを形成している。これら4つの副閉断面cは、断面横長矩形状に形成され、縦横比が1未満に設定されている。
3つの横仕切壁部11eは、所定厚さ、例えば2.0mmに夫々形成されている。
3つの横仕切壁部11eは、圧縮側壁部11aから夫々略水平状に左方に延びて上端壁部11cと下端壁部11dとの間を略均等な離隔幅bに区画している。
圧縮側壁部11aの厚さtと隣り合う横仕切壁部11eの離隔幅b(上下ピッチ)は、次式(1)を満たすように設定されている。
0.05≦t/b≦0.12 …(1)
第1ビード部11fは、圧縮側壁部11aの上下方向に亙って前後方向に略直交するように形成されている。この第1ビード部11fは、主閉断面C側に凹入している。
EA効率はビード幅a(ビードの前後幅)が小さい程増加するため、生産性を考慮して本実施例ではビード幅aを1.6mmに設定している。
これにより、圧縮側壁部11aに対して前方から所定の圧縮荷重が作用したとき、圧縮側壁部11aは第1ビード部11fを起点として右側(車幅方向外側)に折れ変形を生じる。
図4,図6,図7に示すように、2つの縦仕切壁部11bは、主閉断面C内に前後方向に直交する面に沿うように夫々配設され、圧縮側壁部11aと一体形成されている。
前側の縦仕切壁部11bは、圧縮側壁部11aから左方に延び、後側の縦仕切壁部11bは、右端部が接合された第1ビード部11fから左方に延びている。
2つの縦仕切壁部11bの離隔幅L(前後ピッチ)は、EA効率の観点から、30〜50mmに設定されている。2つの縦仕切壁部11bにより、第1ビード部11fが折れ変形する際、上端壁部11cと下端壁部11dに生じる面外変形を抑制することができる。
尚、縦仕切壁部11bの離隔幅Lは、次式(2)によって設定することができる。
0.7■(a/2+b)≦L≦1.7■(a/2+b) …(2)
上端壁部11cと下端壁部11dは、上フランジ部11gと下フランジ部11hを夫々備えている。上フランジ部11gは上端壁部11cの左端部から上方に延び、下フランジ部11hは下端壁部11dの左端部から下方に延びるように形成されている。
図2,図4に示すように、第2アウタ部分12は、断面略ハット状に形成され、左右方向に略直交する面に沿った右側壁部12aと、右側壁部12aの上端部から左方に延びる上端壁部12bと、右側壁部12aの下端部から左方に延びる下端壁部12c等を一体的に備えている。上端壁部12bと下端壁部12cは、上フランジ部12dと下フランジ部12eを夫々有し、上フランジ部12dは上端壁部12bの左端部から上方に延び、下フランジ部12eは下端壁部12cの左端部から下方に延びるように形成されている。
次に、第3アウタ部分13について説明する。
第3アウタ部分13は、左右方向に略直交する面に沿った引張側壁部13aによって構成されている。この引張側壁部13aは、所定厚さ、例えば3.0mmに形成されている。
図2,図4に示すように、この引張側壁部13aは、前後方向に延びる4つの係合部13bと、引張側壁部13aの上端部から上方に延びる上フランジ部13cと、引張側壁部13aの下端部から下方に延びる下フランジ部13dを一体的に備えている。
図8に示すように、4つの係合部13bは、上下1対の係合リブ13eと、それら係合リブ13eの間に形成された係合溝13fとを夫々有している。
これら係合リブ13eは、引張側壁部13aから主閉断面C内(左方)へ所定幅、例えば10mm突出している。この係合リブ13eの突出幅Hは、EA効率の観点から、5〜15mmの範囲で設定されている。
図2,図4に示すように、第4アウタ部分14は、圧縮側壁部14aと、3つの縦仕切壁部14bと、上フランジ部14gを有する上端壁部14cと、下フランジ部14hを有する下端壁部14d等を一体的に備えている。圧縮側壁部14aは、2つの横仕切壁部14eと、主閉断面C側に凹入した第3ビード部14fを一体的に備えている。
圧縮側壁部14aの厚さtと隣り合う横仕切壁部14eの離隔幅bは、式(1)を満たすように設定され、3つの縦仕切壁部14bの離隔幅Lは、30〜50mmに設定されている。これにより、圧縮側壁部14aに対して前方から所定の圧縮荷重が作用したとき、圧縮側壁部14aは第3ビード部14fを起点として右側に折れ変形を生じる。
第4アウタ部分14は、縦仕切壁部14b及び横仕切壁部14eの個数を除き第1アウタ部分11と略同様に構成されている。
次に、インナ部材20について説明する。
図2,図5に示すように、インナ部材20は、先端部分2aの左半部を構成する第1インナ部分21(引張側部分)と、前側途中部分2bの左半部を構成する第2インナ部分22と、後側途中部分2cの左半部を構成する第3インナ部分23(圧縮側部分)と、基端部分2dの左半部を構成する第4インナ部分24(引張側部分)とによって一体形成されている。
第1インナ部分21について説明する。
第1インナ部分21は、左右方向に略直交する面に沿った引張側壁部21aによって構成されている。この引張側壁部21aは、所定厚さ、例えば3.0mmに形成されている。この引張側壁部21aは、前後方向に延びる3つの係合部21bと、引張側壁部21aの上端部から上方に延びる上フランジ部21cと、引張側壁部21aの下端部から下方に延びる下フランジ部21dを一体的に備えている。
図3に示すように、3つの係合部21bは、3つの横仕切壁部11eの左端部と夫々係合可能に構成されている。これら係合部21bは、上下1対の係合リブ21eと、これら1対の係合リブ21eの間に形成された係合溝21fを有している。第1インナ部分21は、係合部21bの個数を除き第3アウタ部分13と略同様に構成されている。
上フランジ部21cと上フランジ部11gを接合すると共に下フランジ部21dと下フランジ部11hを接合することにより、4つの副閉断面cで構成された主閉断面Cを有する先端部分2aが形成される。これにより、横仕切壁部11eの左端部と係合部21bとが係合し、引張側壁部21aの右面部と縦仕切壁部11bの左端部とが当接或いは僅かな間隔を介して対向している。
第2インナ部分22は、左側壁部22aによって構成されている。
左側壁部22aは、上端部から上方に延びる上フランジ部22bと、下端部から下方に延びる下フランジ部22cを備えている。
図2,図4,図5に示すように、上フランジ部22bと上フランジ部12dを接合すると共に下フランジ部22cと下フランジ部12eを接合することにより、マウント取付レイン8が配設された主閉断面Cを備えた前側途中部分2bが形成される。
次に、第3インナ部分23について説明する。
図2,図5に示すように、第3インナ部分23は、圧縮側壁部23aと、3つの縦仕切壁部23bと、上フランジ部23gを有する上端壁部23cと、下フランジ部23hを有する下端壁部23d等を一体的に備えている。圧縮側壁部23aは、4つの横仕切壁部14eと、主閉断面C側に凹入した第2ビード部23fを一体的に備えている。
圧縮側壁部23aの厚さtと隣り合う横仕切壁部23eの離隔幅bは、式(1)を満たすように設定され、3つの縦仕切壁部23bの離隔幅Lは、30〜50mmに設定されている。これにより、圧縮側壁部23aに対して前方から所定の圧縮荷重が作用したとき、圧縮側壁部23aは第2ビード部23fを起点として左側(車幅方向内側)に折れ変形を生じる。第3インナ部分23は、縦仕切壁部23b及び横仕切壁部23eの個数を除き第1アウタ部分11(第4アウタ部分14)と略同様に構成されている。
上フランジ部23gと上フランジ部13cを接合すると共に下フランジ部23hと下フランジ部13dを接合することにより、5つの副閉断面cで構成された主閉断面Cを有する後側途中部分2cが形成される。これにより、横仕切壁部23eの右端部と係合部13bとが係合し、引張側壁部13aの左面部と縦仕切壁部23bの右端部とが当接或いは僅かな間隔を介して対向している。
第4インナ部分24は、左右方向に略直交する面に沿った引張側壁部24aによって構成されている。この引張側壁部24aは、所定厚さ、例えば3.0mmに形成されている。この引張側壁部24aは、前後方向に延びる2つの係合部24bと、引張側壁部24aの上端部から上方に延びる上フランジ部24cと、引張側壁部24aの下端部から下方に延びる下フランジ部24dを一体的に備えている。
2つの係合部24bは、2つの横仕切壁部14eの左端部と夫々係合可能に構成されている。これら係合部24bは、1対の係合リブ24eと、これら1対の係合リブ24eの間に形成された係合溝24fを有している。第4インナ部分24は、係合部24bの個数を除き第3アウタ部分13(第1インナ部分21)と略同様に構成されている。
上フランジ部24cと上フランジ部14gを接合すると共に下フランジ部24dと下フランジ部14hを接合することにより、3つの副閉断面cで構成された主閉断面Cを有する基端部分2dが形成される。これにより、横仕切壁部14eの左端部と係合部24bとが係合し、引張側壁部24aの右面部と縦仕切壁部14bの左端部とが当接或いは僅かな間隔を介して対向している。
次に、図9,図10の模式図に基づき、車両Vが前面衝撃荷重を受けたときの変形挙動について説明する。
図9の模式図において、Fはフロントサイドフレームとクラッシュボックスとからなるフロントフレーム体、Dはダッシュパネル、Mは連結補強メンバ、Iはダッシュロアクロスとトンネル部に設けたメンバ部材とからなる内側荷重伝達体、Uは上部連結メンバ、Q(ハッチング領域)はマウント取付レイン、R(ハッチング領域)はサブフレーム取付ブラケット、Tはフロントタイヤを夫々示している。
また、フロントフレーム体Fには、変形後の位置関係が容易に分かるように、便宜上、前後方向に略直線状に延びる複数のポイントを設定している。
第1ポイントP1はクラッシュカン6の前端位置、第2ポイントP2はフロントサイドフレーム2の前端位置、第3ポイントP3は第1ビード部11fの形成位置、第4ポイントP4はマウント取付レイン8の後端位置、第5ポイントP5は第2ビード部23fの形成位置、第6ポイントP6は第3ビード部14fの形成位置を夫々示している。
荷重Zが作用すると、フロントフレーム体Fは、圧縮変形と車幅方向の折れ変形を積極的に生じさせて衝撃エネルギを吸収する。
図10に示すように、衝突体がフロントフレーム体Fに衝突すると、フロントフレーム体Fの第1ポイントP1から第2ポイントP2までの領域及び第2ポイントP2の後側近傍領域に軸圧縮変形が生じる。
第3ポイントP3では、第1ビード部11fによって車幅方向外側へ折れ変形(外折れ変形)が発生する。第3ポイントP3から第4ポイントP4の間では、マウント取付レインQ等が存在して変形を生じさせることができないため、第2ポイントP2と第3ポイントP3との間で一旦車幅方向内側に折れ変形(内折れ変形)を生じさせ、第3ポイントP3で車幅方向外側へ折れ変形をさせるようにしている。
第5ポイントP5では、第2ビード部23fによって車幅方向内側へ折れ変形(内折れ変形)が発生する。第5ポイントP5の後側近傍領域では、サブフレーム取付ブラケットRでサブフレームを取り付け固定し、その後方位置で荷重分散するためにフレーム剛性を高めているから、車幅方向内方側への折れ変形が促進される。第6ポイントP6では、第3ビード部14fによって車幅方向外側へ折れ変形が発生する。
以上のように、第3ポイントP3と第6ポイントP6では、車幅方向外側への折れ変形を生じさせ、第5ポイントP5では、車幅方向内側への折れ変形を生じさせることにより、十分に高いEA効率を確保している。
次に、本実施例の車両用フレーム構造における作用、効果を説明する。
まず、圧縮側壁部11a(14a,23a)の厚さtと隣り合う横仕切壁部11e(14e,23e)の離隔幅bとEA効率との相関関係を検証する。
複数の副閉断面cによって構成された主閉断面Cを有するフロントサイドフレーム2は、単一矩形断面(副閉断面c)フレームの集合体と見做すことができる。即ち、矩形断面フレーム単独のEA効率を検証することで、フロントサイドフレーム2のEA効率を評価することができる。そこで、単一矩形断面の圧縮曲げモデルを準備し、CAE(Computer Aided Engineering)による第1の解析を行った。
第1のCAE解析の前提条件を説明する。
高延性で破断しないと仮定された5000系アルミ合金材料の材料特性を備えた圧縮曲げモデルを準備し、モデルの支持可能な荷重とモデルが変形するストロークとの相関関係(FS特性)に基づき座屈モードと荷重特性を検証した(図14,図15参照)。
圧縮曲げモデルは、断面(上下)高さを50(mm)に固定して、離隔幅bと見做した断面(左右)幅dを20、25、30、40、50、75(mm)、板厚tを1.0、2.5、3.0、3.5(mm)に変更した長尺状のモデルA11〜A64を使用した。
尚、判定する座屈モードは、アルミ合金材料の降伏点前の弾性領域で圧縮曲げモデルが座屈する弾性座屈モード、降伏点後の塑性領域で圧縮曲げモデルが座屈する塑性座屈モード、圧縮曲げモデルが座屈を生じることなく全塑性曲げモーメントが生じる完全弾塑性モードに分類した。
図11に、CAEによる解析結果を示す。
モデルA11〜A64のFS特性を示す各々のグラフの縦軸は荷重(kN)、横軸はストローク(mm)である。
図11に示すように、t/dが0.040以下のモデルA21,A31,A41,A51,A61〜A63は、荷重が急激に落ち込む弾性座屈モードを生じるため、材料の保有する性能を有効に活用できていない。t/dが0.047であるモデルA64は、塑性座屈モードであるものの、座屈による荷重の落ち込みが大きく、EA(Energy Absorption)効率に問題がある。これにより、弾性座屈モード、塑性座屈モード、完全弾塑性モードの分類においては、t/dが0.05以上のとき、材料の保有する性能を有効に活用でき、塑性座屈モードで圧縮曲げを実行できることが分かる。
尚、モデルA11は、t/dが0.050であるものの、弾性領域で複数箇所が座屈する弾性多段座屈モードが生じることから、弾性座屈モード、塑性座屈モード、完全弾塑性モードの何れにも属さないため、今回の分類から除外している。
t/dが0.088であるモデルA44のとき、座屈を生じることなく、完全弾塑性モードの圧縮曲げを実行することができ、t/dが0.120であるモデルA23のとき、FS特性の荷重が略フラットな完全弾塑性モードの圧縮曲げを実行することができる。
これにより、t/dが0.088以上のとき、材料性能を活用しつつ座屈の発生を回避することができ、t/dが0.120を超えたとき、EA効率が飽和することが分かる。
従って、t/dが0.06以上で且つ0.12以下のとき、弾性座屈の発生を回避して高いEA質量効率(単位質量当たりのEA効率)を確保することができる。
また、t/dが0.088以上で且つ0.12以下のとき、完全弾塑性モードを実行でき、更に高いEA質量効率を確保することができる。
次に、横仕切壁部とEA効率との相関関係を検証するにあたり、矩形断面の圧縮曲げモデルを準備し、CAEによる第2の解析を行った。
第2のCAE解析の前提条件を説明する。
第1のCAE解析と同様に、5000系アルミ合金材料の材料特性を備えた長尺状圧縮曲げモデルX1〜X6を準備し、各モデルのFS特性に基づき荷重特性を検証した。
圧縮曲げモデルは、1つの横仕切壁部が引張・圧縮両壁部に接合されたX1(t/d=0.06)、2つの横仕切壁部が引張・圧縮両壁部に接合されたX2(t/d=0.09)、3つの横仕切壁部が引張・圧縮両壁部に接合されたX3(t/d=0.12)、4つの横仕切壁部が引張・圧縮両壁部に接合されたX4(t/d=0.15)、及び圧縮側壁部から延びる3つの横仕切壁部が引張側壁部に形成された係合部(係合リブ突出幅H:10mm)に係合したX5、引張側壁部から延びる3つの横仕切壁部が圧縮側壁部形成された係合部(係合リブ突出幅H:10mm)に係合したX6を使用した。
図12に、CAEによる解析結果を示す。
モデルX1〜X4の解析結果から、4つの横仕切壁部を備えたモデルX4のEAが最も高いものの、質量を考慮すると、3つの横仕切壁部を備えたモデルX3が最もEA質量効率が高いことが分かる。また、モデルX5,X6の解析結果から、引張側壁部に係合部を形成したモデルX5のEA質量効率は圧縮側壁部に係合部を形成したモデルX6のEA質量効率の約1.3倍であることが分かる。尚、FS特性の縦軸は荷重(kN)、横軸はストローク(mm)である。
モデルX5は、曲げ変形が進行する程、横仕切壁部が引張側壁部に押し付けられるため、横仕切壁部がモデル全体の強度向上に貢献している。一方、モデルX6は、曲げ変形に伴って横仕切壁部が圧縮側壁部から離隔するため、曲げ変形が進行した際、横仕切壁部と係合部との係合が解除され、横仕切壁部がモデルの強度向上に寄与していないことがEA効率低下の理由である。更に、引張側壁部に係合リブを形成することにより、引張側壁部自体の引張強度を向上することができる。
次に、ビードとEA効率との相関関係、縦仕切壁部とEA効率との相関関係及び係合リブの突出幅HとEA効率との相関関係を検証するにあたり、矩形断面の圧縮曲げモデルを準備し、CAEによる第3の解析を行った。
第3のCAE解析の前提条件を説明する。
第1のCAE解析と同様に、5000系アルミ合金材料の材料特性を備えた長尺状圧縮曲げモデルY1〜Y11を準備し、各モデルのFS特性に基づき荷重特性を検証した。
全ての圧縮曲げモデルY1〜Y11には、圧縮側壁部(厚さ2.5mm)から引張側壁部(厚さ3.0mm)方向に延びて上下に隣り合う4つの副閉断面を形成する3つの横仕切壁部(厚さ2.0mm)と、これら3つの横仕切壁部に夫々係合可能な3つの係合部と、圧縮側壁部に主閉断面側へ凹入した上下方向に延びる幅16mmの折れ変形用のビードが設けられている。モデルY1,Y2は、横仕切壁部に係合可能な突出幅10mmの係合リブが形成されている。モデルY1は縦仕切壁部が省略され、モデルY2は圧縮側壁部にビードに接合された単一の縦仕切壁部が形成されている。尚、以下、縦仕切壁部は、モデルの長手方向に直交する面に沿うように形成され、圧縮側壁部と上端壁部と下端壁部とに一体形成されている。
モデルY3〜Y7は、横仕切壁部に係合可能な突出幅10mmの係合リブが形成され、圧縮側壁部にビードに接合された中間縦仕切壁部とその中間縦仕切壁部を間に挟む1対の左右縦仕切壁部との計3つの縦仕切壁部を備えている。
モデルY3は隣り合う各縦仕切壁部間の間隔が夫々20mm、モデルY4は隣り合う各縦仕切壁部間の間隔が夫々30mm、モデルY5は隣り合う各縦仕切壁部間の間隔が夫々40mm、モデルY6は隣り合う各縦仕切壁部間の間隔が夫々50mm、モデルY7は隣り合う各縦仕切壁部間の間隔が夫々60mmに夫々設定されている。
モデルY8〜Y11は、隣り合う縦仕切壁部間の間隔が夫々30mmに設定されている。
モデルY8は突出幅Hが3mmの係合リブ、モデルY9は突出幅Hが5mmの係合リブ、モデルY10は突出幅Hが15mmの係合リブ、モデルY11は突出幅Hが20mmの係合リブが夫々形成されている。
図13(a),図13(b)に、CAEによる解析結果を示す。尚、FS特性の縦軸は荷重(kN)、横軸はストローク(mm)である。
モデルY1,Y2の解析結果から、縦仕切壁部を形成したモデルY2のEA質量効率は縦仕切壁部を省略したモデルY1のEA質量効率よりも高いことが分かる。
これは、ビードを起点とした折れ変形が発生する際、縦仕切壁部が上端壁部と下端壁部夫々に連結されていることにより面外変形を抑制しているためである。
また、モデルY2のFS特性には、一旦落ち込んだ荷重が再度上昇する立上り部が観察された。これは、ビードを起点とした折れ変形が発生する際、崩壊した縦仕切壁部が圧縮側壁部と引張側壁部との間に介在してビードに対応した位置の断面崩れを抑制しているためである。
モデルY3〜Y7の解析結果から、縦仕切壁部間の間隔が30〜50mmであるモデルY4〜Y6のEA質量効率が2400(kJ/kg)よりも高く、この範囲以外のモデルY3,Y7のEA質量効率よりも高くなることが分かる。特に、縦仕切壁部間の間隔が30mmのモデルY4のEA質量効率が最も高い値を示している。
これは、変形の起点となるビードに対応した位置に近過ぎ或いは遠過ぎても、縦仕切壁部による面外変形抑制の寄与率が低下するためである。
モデルY4,Y8〜Y11の解析結果から、係合リブの突出幅Hが5〜15mmであるモデルY4,Y9,Y10は、平均荷重が19.8kNより高く且つEA質量効率が2500(kJ/kg)よりも高いことが分かる。
係合リブの突出幅Hが小さい程、EA質量効率は高くなるものの、横仕切壁部と係合部の係合が解除されて横仕切壁部がモデルの強度向上に寄与しない虞があり、突出幅Hが10mmを超えると湯回り等から型設計が難しく生産性が低下する虞がある。
本車両用フレーム構造によれば、アルミ合金製フロントサイドフレーム2において、主閉断面C内に上下に隣り合う複数の副閉断面cを形成するように配設された複数の横仕切壁部11e(23e,14e)を備えているため、軽量化を図りつつ、副閉断面cの縦横比を1以下に調整することができる。
これにより、上下幅短縮に伴う圧縮側壁部11a(23a,14a)の弾性座屈周期の短縮化によって弾性座屈を抑制することができ、フロントサイドフレーム2の許容限界荷重を増加することができる。また、隣り合う横仕切壁部11e(23e,14e)の離隔幅をb、圧縮側壁部11a(23a,14a)の板厚をtとしたとき、0.05≦t/b≦0.12の関係を満たすように複数の横仕切壁部11e(23e,14e)を形成したため、フレーム材料の弾性領域における座屈発生を回避することができる。
主閉断面C内に長手方向に直交するように配設され且つ圧縮側壁部11a(23a,14a)と一体形成された複数の縦仕切壁部11b(23b,14b)を形成している。
これにより、複数の縦仕切壁部11b(23b,14b)によって上端壁部11c(23c,14c)及び下端壁部11d(23d,14d)を引っ張るため、圧縮側壁部11a(23a,14a)から伝播した弾性座屈波に起因した上端壁部11c(23c,14c)及び下端壁部11d(23d,14d)の面外方向の変形を抑制することができる。
第1アウタ部分11(第3インナ部分23、第4アウタ部分14)と第1インナ部分21(第3アウタ部分13、第4インナ部分24)が夫々鋳造品で構成されている。以上により、押出成形が困難な主閉断面C内に配設される複数の横仕切壁部11e(23e,14e)と複数の縦仕切壁部11b(23b,14b)を備えた構造を簡単な方法で圧縮側壁部11a(23a,14a)と一体形成することができる。
圧縮側壁部11a(23a,14a)に長手方向に直交し且つ主閉断面C側に凹入する第1ビード部11f(第2,第3ビード部23f,14f)が形成され、縦仕切壁部11b(23b,14b)が第1ビード部11f(第2,第3ビード部23f,14f)に夫々接合されている。この構成によって、上端壁部11c(23c,14c)及び下端壁部11d(23d,14d)の面外変形を抑制できるため、フロントサイドフレーム2の許容限界荷重の低下を抑制しながらフロントサイドフレーム2を第1ビード部11f(第2,第3ビード部23f,14f)位置を起点として折れ変形させることができる。しかも、圧縮側壁部11a(23a,14a)の座屈後、崩壊した縦仕切壁部11b(23b,14b)が圧縮側壁部11a(23a,14a)と引張側壁部21a(13a,24a)との間に介在して第1ビード部11f(第2,第3ビード部23f,14f)に対応した位置の断面崩れを抑制するため、EA効率を増加することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、フロントサイドフレームの例を説明したが、リヤサイドフレーム、サスクロスメンバ、バンパビーム、センタピラー、インパクトバー等、少なくとも、圧縮荷重と引張荷重とが作用する車両用フレームであれば何れにも適用することができる。
2〕前記実施形態においては、アルミ合金材料として非熱処理型の5000系を用いた例を説明したが、少なくとも延性と軽量を備えていれば良く、非熱処理型の1000系、3000系、4000系、熱処理型の2000系、6000系、7000系から設計要件に合わせて選択的に採用することができる。
3〕前記実施形態においては、EA効率の観点から2〜4つの横仕切壁部の例を説明したが、設計上の観点から5つ以上の横仕切壁部を採用しても良い。
4〕前記実施形態においては、2及び3つの縦仕切壁部の例を説明したが、少なくとも折れ変形位置に対応した上端壁部と下端壁部の面外変形を抑制できれば良く、折れ変形位置近傍に1つの縦仕切壁部を設けても良い。また、折れ変形位置近傍に4つ以上の縦仕切壁部を設けても良い。また、縦仕切壁部とビード部とを接合せずに、折れ変形位置近傍に縦仕切壁部を設けることも可能である。
5〕前記実施形態においては、2ヶ所の外折れ変形部分と1ヶ所の内折れ変形部分が形成された車両用フレームの例を説明したが、少なくとも1ヶ所に外折れ変形部分又は内折れ変形部分が形成されれば良く、また、外折れ変形部分と内折れ変形部分の個数は任意に設定可能である。
6〕前記実施形態においては、折れ変形の起点として連続した断面U字状ビードを採用した例を説明したが、断面V字状ビードでも良く、また、複数に分断されたビードでも良い。
少なくとも折れ変形の起点になれば良く、表面処理等によって脆弱部を形成しても良い。
7〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V 車両
2 フロントサイドフレーム
11 第1アウタ部分
11a 圧縮側壁部
11b 縦仕切壁部
11e 横仕切壁部
11f 第1ビード部
21 第1インナ部分
21b 係合部
21e 係合リブ
21f 係合溝
t (圧縮側壁部)板厚
b (横仕切壁部)離隔幅
H (係合リブ)突出幅

Claims (4)

  1. 圧縮荷重が作用する縦向きの圧縮側壁部を含む圧縮側部分と、引張荷重が作用する縦向きの引張側壁部を含む引張側部分とを備え、前記圧縮側部分と引張側部分の上下端部を夫々接合して長手方向に直交する断面が略矩形状の主閉断面を構成するアルミ合金製車両用フレーム構造において、
    前記圧縮側壁部から引張側壁部に延びると共に前記主閉断面内に上下に隣り合う複数の副閉断面を形成するように配設された複数の横仕切壁部を備え、
    隣り合う横仕切壁部の離隔幅をb、圧縮側壁部の板厚をtとしたとき、
    0.06≦t/b≦0.12
    の関係を満たすように前記複数の横仕切壁部を形成したことを特徴とする車両用フレーム構造。
  2. 前記主閉断面内に長手方向に直交するように配設され且つ前記圧縮側壁部と一体形成された1又は複数の縦仕切壁部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
  3. 前記圧縮側部分と引張側部分が夫々鋳造品で構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用フレーム構造。
  4. 前記圧縮側壁部に長手方向に直交し且つ前記主閉断面側に凹入するビードが形成され、
    前記縦仕切壁部が前記ビードに接合されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用フレーム構造。
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