JP6127851B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに用いられる高圧ポンプに関する。
近年、省資源の観点から、燃費の良い直噴エンジンが注目されている。直噴エンジンではインジェクタから高圧の燃料を噴射する必要がある。従来、シリンダの内壁面をプランジャが往復移動することにより、燃料タンクから供給される燃料を吸入し加圧してインジェクタ側へ圧送する高圧ポンプが知られている。
この種の高圧ポンプでは、プランジャが下降するときに燃料室から吸入室を経由して加圧室へ燃料を吸入する「吸入行程」、プランジャが上昇するときに加圧室の燃料の一部を燃料室へ戻す「調量行程」、及び、吸入弁を閉じた後プランジャがさらに上昇するときに燃料を加圧する「加圧行程」を繰り返すことにより、燃料を加圧して吐出する。
また、大流量を確保し、燃料室に流出入する燃料の脈動を低減することを目的として、プランジャを大径部と小径部とからなる段付きの構成としたものが多く用いられている。
こうした高圧ポンプを組み立てる過程や組み立てた高圧ポンプをエンジンに搭載する過程において、プランジャがシリンダから落下することを防ぐため、シリンダの端部にプランジャストッパを取り付けたものがある。
例えば特許文献1には、筒状のシリンダ形成部に取り付けられたプランジャストッパがプランジャの大径部と小径部との段差面に当接することでプランジャの移動を規制する高圧ポンプが開示されている。
特開2012−167663号公報
特許文献1の高圧ポンプにおいて、プランジャストッパの係合部がシリンダ形成部の外壁面に係合するタイプのものでは、径外方向から径内方向へ押し付ける力によって、プランジャストッパをシリンダ形成部に保持している。この構成では、シリンダ形成部の端部を内側に変形させ、シリンダ内壁とプランジャ外壁との摺動クリアランスを減少させる結果、プランジャの耐焼き付き性を低下させるおそれがある。
また、特許文献1の構成では、プランジャの段差面とプランジャストッパの底部との間の燃料は、周辺部の燃料については外壁の切り欠き部から外部に排出されるが、中央付近の燃料については適正に排出されず、底部に滞留する。そのため、劣化燃料がガム質や腐食性の生成物に変質し、プランジャの動作に悪影響を及ぼすという問題がある。最悪の場合には、焼き付きが発生するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プランジャストッパの取り付けに伴うシリンダ形成部の変形を防止し、プランジャの耐焼き付き性を向上させる高圧ポンプを提供することにある。
本発明は、大径部及び小径部を有するプランジャ、プランジャの大径部を摺動可能に収容するシリンダを内側に有するシリンダ形成部、及び、シリンダ形成部に取り付けられプランジャの段差面に当接することでプランジャの移動を規制するプランジャストッパを備える高圧ポンプにおいて、プランジャストッパは、筒部の雌ねじ部がシリンダ形成部の雄ねじ部に螺合し、底部にシリンダ形成部の端面が突き当たることでシリンダ形成部に締結されることを特徴とする。
本発明では、シリンダ形成部の端面がプランジャストッパの底部に突き当てられ軸方向の圧縮力がかかるため、シリンダ形成部の端部が内側に変形することが防止される。したがって、プランジャの耐焼き付き性を向上させることができる。
また、プランジャストッパの底部には、軸方向に貫通し燃料が加圧室と反対側に排出される排出穴が形成されていることが好ましい。この場合、排出穴は、プランジャの小径部が挿通される挿通穴の径外方向に連続して形成されてもよく、挿通穴と分離して形成されてもよい。
これにより、吸入行程でプランジャが下降するとき、段差面の下にある燃料は排出穴を通って軸方向に流れるため滞留しない。したがって、滞留による燃料の変質、及びそれによるプランジャの動作への悪影響を防止することができる
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図である。 本発明の第1実施形態によるプランジャストッパの組付状態図(図1の要部拡大断面図)である。 本発明の第1実施形態によるプランジャストッパの軸方向断面図である。 本発明の第1実施形態によるプランジャストッパの平面図(図3のIV方向矢視図)である。 本発明の第2実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第3実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第4実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第5実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第6実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第7実施形態によるプランジャストッパの平面図である。 本発明の第8実施形態によるプランジャストッパの(a)軸方向断面図、(b)底面図である。
以下、本発明の高圧ポンプの複数の実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の高圧ポンプについて、図1〜図4を参照して説明する。
まず、本実施形態による高圧ポンプ1の全体構成について、図1を参照して説明する。高圧ポンプ1は、車両に搭載されて用いられ、燃料タンクから低圧ポンプによって供給される燃料を加圧し、インジェクタが接続される燃料レールへ吐出する。高圧ポンプ1の燃料入口(図示しない)の上流側には低圧ポンプからの配管が接続される。
なお、以下の説明において図1の上側を「上」、図1の下側を「下」として説明する。
図1に示すように、高圧ポンプ1は、ポンプボディ10、プランジャ部20、ダンパ室40、吸入弁部50、電磁駆動部60、吐出弁部70等を備えている。以下、各部の構成について順に説明する。
[ポンプボディ10及びプランジャ部20]
ポンプボディ10は、高圧ポンプ1の外郭を構成する。ポンプボディ10の上部にはダンパ室40が設けられており、ポンプボディ10の下部であってエンジンブロック側にはプランジャ部20が設けられている。
ポンプボディ10の中心部には加圧室12が形成されている。また、本実施形態では、加圧室に連通するシリンダ11がポンプボディ10に直接形成されている。すなわち、ポンプボディ10が「シリンダ形成部14」を一体に含んでいる。
シリンダ形成部14は、ポンプボディ10の下方に筒状に突出しており、加圧室12と反対側に端面141を有している。シリンダ形成部14の周囲には、シールエレメント25を収容する凹部13が略円環状に形成されている。また、シリンダ形成部14の加圧室12と反対側の端部の外壁142には、雄ねじ部15が形成されている。
プランジャ部20は、プランジャ21、ワッシャ23、燃料シール部材24、シールエレメント25、プランジャスプリング28、プランジャストッパ291等から構成されている。
プランジャ21は、軸方向の加圧室12側の端部に大径部211を有し、大径部211との段差面214から軸方向の他端に延びる小径部213を有している。大径部211及び小径部213は同軸に形成されている。
プランジャ21は、大径部211側の端部が加圧室12に臨むように、大径部211がシリンダ11に摺動可能に収容されている。これにより、プランジャ21は、シリンダ11の軸方向に往復移動可能である。プランジャ21の小径部213側の下端部にはスプリング座27が結合されている。
燃料シール部材24は、小径部213の周囲を囲んで装着され、上方をワッシャ23により保持されている。燃料シール部材24は、小径部213の外周面に摺動可能に接触する内周側のテフロン(登録商標)リング241と外周側のOリング242とからなり、小径部213の周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ21の摺動によるエンジンへの燃料のリークを抑制する。
シールエレメント25は、上部がポンプボディ10に形成された略円環状の凹部13に嵌め込まれ、例えば溶接により固定されている。また、下部が小径部213の周囲に装着され、燃料シール部材24を収容し保持している。
また、シールエレメント25のスプリング座27側の端部には、小径部213の周囲を囲んでオイルシール26が装着されている。オイルシール26は、小径部213の外周面に摺動可能に接触しており、小径部213の周囲のオイル油膜の厚さを規制し、プランジャ21の摺動によるオイルのリークを抑制する。
プランジャ21の下部に結合されたスプリング座27には、プランジャスプリング28の一方の端部が係止されている。プランジャスプリング28の他方の端部は、ポンプボディ10に固定されているシールエレメント25の所定の端面に係止されている。
シールエレメント25とスプリング座27とに両端部を係止されたプランジャスプリング28は、プランジャ21の戻しバネとして機能し、プランジャ21を図示しないタペットに付勢する。そして、プランジャ21は、このプランジャスプリング28の戻しバネ機能により、タペットを介してカムシャフトのカムに当接することで、シリンダ11内を軸方向に往復移動する。このプランジャ21の往復移動により、加圧室12の容積が変化し、燃料が吸入され、加圧される。
小径部213の外壁面、プランジャ21の段差面214およびシリンダ11の内壁面に囲まれる略円環状の空間により、可変容積室16が形成される(図2の破線参照)。可変容積室16は、プランジャ21の往復移動に伴い、大径部211と小径部213との断面積差にプランジャ21の移動距離を乗じた容積が変化する。
シールエレメント25とポンプボディ10との間には、互いに連通する筒状通路17及び環状通路18が形成される。また、ポンプボディ10には、環状通路18に連通する容積室通路19が形成される。可変容積室16は、これらの筒状通路17、環状通路18、及び容積室通路19を経由して、ダンパ室40に連通する。
次に、本発明の特徴的構成であるプランジャストッパ291について、主に図2〜図4を参照して説明する。図3、図4では組付状態でのシリンダ形成部14並びにプランジャ21の大径部211及び小径部213を仮想線(二点鎖線)で示す。
プランジャストッパ291は、筒部30及び底部36からなるカップ状を呈している。
筒部30は、図の上側である端面35側に開口し、略円筒面の外壁31及び内壁33を有している。内壁33の端面35側には、シリンダ形成部14の雄ねじ部15に螺合する雌ねじ部34が形成されている。
底部36は、筒部30の図の下側である「雌ねじ部34と反対側」に設けられる。底部36の中央には、プランジャ21の小径部213が挿通される挿通穴381が形成されている。また、挿通穴381の径外方向には、底部36を軸方向に貫通し、燃料が下方、すなわち加圧室12と反対側に排出される排出穴391が形成されている。
本実施形態では、排出穴391は挿通穴381の径外方向に連続して形成されており、全体として六角形状の穴となっている。つまり、排出穴391と挿通穴381とは、明確な境界によって区別されているわけではない。ただし、機能的に小径部213が挿通するための最小限の円形の範囲(仮想線で示す)を挿通穴381とみなし、その径外方向の部分を排出穴391とみなす。六角形状の六つの角部が主に排出穴391として機能する。
挿通穴381の周囲であって、大径部211に対応する範囲内(仮想線の内側)且つ排出穴391以外の部位は、プランジャ21が下降したとき段差面214が当接可能なストッパ部371として機能する。
またプランジャストッパ291は、締付用工具の六角形のビット部分を排出穴391に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。本実施形態では、六角形の穴サイズを六角ビットやレンチの規格に合わせることで、汎用の工具を使用可能である。
プランジャストッパ291は、雌ねじ部34がシリンダ形成部14の雄ねじ部15に螺合し、底部36にシリンダ形成部14の端面141が突き当たることでシリンダ形成部14に締結される。
こうしてシリンダ形成部14に取り付けられたプランジャストッパ291は、ストッパ部371によってプランジャ21の下降を規制する。したがって、高圧ポンプ1を組み立てる過程や組み立てた高圧ポンプ1をエンジンに搭載する過程において、プランジャ21がシリンダ11から落下することを防ぐことができる。
[ダンパ室40]
ダンパ室40は、凹部41、カバー42、ダンパユニット43等から構成されている。
ポンプボディ10には、シリンダ11の反対側に、シリンダ11側に凹む凹部41が設けられている。この凹部41には、カバー42が被せられている。
ダンパ室40には、ダンパユニット43が配設されている。ダンパユニット43は、パルセーションダンパ44と、凹部41の底部に配置される底側支持部45と、カバー42側に配置される蓋側支持部46とで構成される。
パルセーションダンパ44は、2枚の金属ダイアフラム441、442の内部に所定圧の気体が密封されている。そして、2枚の金属ダイアフラム441、442がダンパ室40の圧力変化に応じて弾性変形することで、ダンパ室40の燃圧脈動を低減する。
ダンパ室40の凹部41の底部には、底側支持部45を位置決めする窪み47が形成されている。また、窪み47には、図示しない燃料入口(インレット)の開口部が形成されており、低圧ポンプからの燃料が、燃料入口を通じて供給される。
蓋側支持部46の上方に配置された波ばね48は、カバー42をポンプボディ10に取り付けた状態で、蓋側支持部46を底側支持部45側へ押圧する。
[吸入弁部50]
吸入弁部50は、吸入室52、弁ボディ53、シート部54、吸入弁55等から構成されている。
ポンプボディ10に設けられた筒部51の内部の吸入室52には弁ボディ53が収容され、係止部材によって固定されている。弁ボディ53の内側には、凹テーパ状の円周面を有するシート部54が形成されており、シート部54と相対して吸入弁55が配置されている。吸入弁55は、弁ボディ53の底部に設けられた孔の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁55は、シート部54から離座することで吸入室52を開放し、シート部54に着座することで吸入室52を閉塞する。
弁ボディ53の内壁に固定されたストッパ56は、吸入弁55の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。また、ストッパ56の内側と吸入弁55の端面との間に設けられた第1スプリング57は、吸入弁55を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢する。
また、ストッパ56には、ストッパ56の軸に対して傾斜する傾斜通路58が周方向に複数形成されている。ダンパ室40から吸入室連通路59及び吸入室52を通って供給された燃料は、傾斜通路58を通って加圧室12に吸入される。
[電磁駆動部60]
電磁駆動部60は、コネクタ61、固定コア62、可動コア63、フランジ64等から構成されている。
コネクタ61は、コイル611及び端子612を有し、端子612を通じてコイル611に通電されることにより磁界を発生するようになっている。固定コア62は磁性材料で作られ、コイル611の内側に収容されている。可動コア63は磁性材料で作られ、固定コア62と対向して配置されている。可動コア63は、フランジ64の内側に軸方向に往復移動可能に収容されている。
フランジ64は、磁性材料で作られ、ポンプボディ10の筒部51に取り付けられている。また、フランジ64は、コネクタ61等をポンプボディ10に保持すると共に、筒部51の端部を塞いでいる。フランジ64の中央に設けられた孔の内壁には、筒状のガイド筒65が取り付けられている。非磁性材料で作られた筒部材66は、固定コア62とフランジ64との間の磁気的な短絡を防止する。
ニードル67は略円筒状に形成され、ガイド筒65の内壁に案内されて往復移動する。ニードル67は、一方の端部が可動コア63に固定され、他方の端部が吸入弁55の電磁駆動部60側の端面に当接可能である。
固定コア62と可動コア63との間には、第2スプリング68が設けられている。第2スプリング68は、第1スプリング57が吸入弁55を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア63を開弁方向へ付勢している。
コイル611に通電していないとき、第2スプリング68の弾性力によって、可動コア63と一体のニードル67が吸入弁55側へ移動し、ニードル67の端面が吸入弁55を押圧することで吸入弁55が開弁する。
[吐出弁部70]
吐出弁部70は、加圧室12と燃料出口72とを連通する吐出通路71、及び、吐出通路71に組み付けられた吐出弁装置80等から構成されている。
吐出弁装置80は、吐出弁部材82、スプリング83、アジャスティングパイプ84等から構成され、吐出弁部70に組み付けられている。吐出弁部材82は、ポンプボディ10の弁座85に相対して収容されている。吐出弁部材82の燃料出口72側には、アジャスティングパイプ84との間にスプリング83が収容されている。
吐出弁装置80は、次のように作動する。
プランジャ21がシリンダ11内を上昇するにつれ、加圧室12の燃料の圧力が上昇する。そして、加圧室12側(上流側)の燃料から吐出弁部材82が受ける力が、スプリング83の弾性力と吐出弁部材82より燃料出口72側(下流側)の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁装置80は開弁状態となり、加圧室12で加圧された高圧燃料は、吐出通路71を通って燃料出口72に吐出される。
他方、プランジャ21がシリンダ11内を下降するにつれて加圧室12の燃料の圧力が低下する。そして、上流側の燃料から吐出弁部材82が受ける力が、スプリング83の弾性力と下流側の燃料から受ける力との和と同等以下になると、吐出弁装置80は閉弁状態となり、下流側の燃料が上流側の加圧室12へ逆流することが防止される。
次に、高圧ポンプ1の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフトの回転により、プランジャ21がシリンダ11内を上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室12の容積が増加し、加圧室12内の燃料が減圧される。すると、吐出弁装置80は閉弁状態となり、また、吸入弁部50では、加圧室12と吸入室52との差圧により、吸入弁55が第1スプリング57の付勢力に抗して図1の右方向に移動して開弁状態となる。このとき、電磁駆動部60のコイル611への通電は停止されているので、可動コア63、及び可動コア63と一体のニードル67は第2スプリング68の付勢力により図1の右方向に移動する。したがって、ニードル67と吸入弁55とが当接し、吸入弁55は開弁状態を維持する。これにより、吸入室52から加圧室12に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ21の下降により可変容積室16の容積が減少する。したがって、可変容積室16の燃料は、筒状通路17、環状通路18、及び容積室通路19を経由してダンパ室40へ送り出される。
(2)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ21がシリンダ11内を下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室12の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル611への通電が停止されているので、第2スプリング68の付勢力によりニードル67と吸入弁55は図1の右方向に位置する。これにより、吸入室52は開放した状態が維持される。このため、加圧室12に一度吸入された低圧燃料が吸入室52へ戻される。したがって、加圧室12の圧力は上昇しない。
調量行程では、プランジャ21の上昇により可変容積室16の容積が増大する。したがって、ダンパ室40の燃料は、容積室通路19、環状通路18、及び筒状通路17を経由して可変容積室16へ流入する。
(3)加圧行程
プランジャ21がシリンダ11内を下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル611へ通電される。するとコイル611に発生する磁界により、固定コア62と可動コア63との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング68の弾性力と第1スプリング57の弾性力との差より大きくなると、可動コア63とニードル67は固定コア62側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁55に対するニードル67の押圧力が解除される。吸入弁55は、第1スプリング57の弾性力、及び加圧室12からダンパ室40側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、シート部54側へ移動する。したがって、吸入弁55はシート部54に着座し、吸入室52が閉塞される。
吸入弁55がシート部54に着座した時から、加圧室12の燃料圧力は、プランジャ21の上死点に向かう上昇と共に高くなり、吐出弁部材82が開弁する。これにより、加圧室12で加圧された高圧燃料は吐出通路71を経由して燃料出口72から吐出される。
なお、加圧行程の途中でコイル611への通電が停止される。加圧室12の燃料圧力が吸入弁55に作用する力は、第2スプリング68の付勢力より大きいので、吸入弁55は閉弁状態を維持する。
以上のように、高圧ポンプ1は、(1)吸入行程、(2)調量行程、(3)加圧行程を繰り返し、エンジンに必要な量の燃料を加圧して吐出する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、シリンダ形成部14の端面141がプランジャストッパ291の底部36に突き当てられ軸方向の圧縮力がかかる。したがって、径外方向から径内方向へ押し付ける力によってプランジャストッパをシリンダ形成部に保持する特許文献1の従来技術のように、シリンダ形成部14の端部が内側に変形することが防止される。そのため、シリンダ11の内壁とプランジャ21の外壁との摺動クリアランスを適正に維持することができるため、プランジャ21の耐焼き付き性を向上させることができる。
また、プランジャストッパ291の底部36には、軸方向に貫通し燃料が排出される排出穴381が形成されている。これにより、吸入行程でプランジャ21が下降するとき、段差面214の下にある燃料は排出穴291を通って軸方向に流れる。したがって、底部に排出穴を有しない特許文献1の従来技術のように燃料が滞留することがない。よって、滞留による燃料の変質、及びそれによるプランジャの動作への悪影響を防止することができる。またシリンダ形成部14及び雄ねじ部15に働くのは圧縮力のみであるため、遅れ破壊のおそれはない。
さらに、本実施形態では、排出穴391は、挿通穴381の径外方向に連続して形成されているため、底部36に形成する穴が一つとなり、加工工数を低減することができる。また、穴が大きくなることで、底部36の中央付近の燃料がより滞留しにくくなり、燃料の変質を一層防止することができる。
加えて、本実施形態のプランジャストッパ291では、排出穴391に係合するように締付用工具を挿入し、プランジャストッパ291を軸中心に回転させてシリンダ形成部14に着脱可能とすることで、組付作業性やメンテナンス時の分解作業性を向上させることができる。
以下、プランジャストッパの形態に係る他の実施形態について、順に説明する。
(第2〜第7実施形態)
本発明の第2〜第7実施形態は、第1実施形態に対し、プランジャストッパの挿通穴及び排出穴の構成のみが異なる。各実施形態のプランジャストッパの平面図を図5〜図10に示す。これらに対応する軸方向断面図は第1実施形態の図3と同様である。そのうち、第2〜第5実施形態は、第1実施形態と同様、排出穴が挿通穴の径外方向に連続して形成されており、第6、第7実施形態は、排出穴が挿通穴と分離して形成されている。
いずれの実施形態も、シリンダ形成部14の端部が内側に変形することを防止し、プランジャ21の耐焼き付き性を向上させることができる。また、燃料が排出穴から軸方向に排出されるため、燃料の滞留による変質、及びそれによるプランジャ21の動作への悪影響を防止することができる。また、排出穴に係合するように締付用工具を挿入し、プランジャストッパを軸中心に回転させることができる。例えば第4〜第7実施形態等では専用の締付用工具を使用することを想定している。
図5に示す第2実施形態のプランジャストッパ292は、挿通穴382の四方向に排出穴392が連続して形成された、全体として四角形状の穴を有している。四角形状の四つの角部が主に排出穴392として機能する。また、四辺の外側の部位がストッパ部372として機能する。プランジャストッパ292は、締付用工具の四角形のビット部分を排出穴392に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
図6に示す第3実施形態のプランジャストッパ293は、挿通穴383の三方向に排出穴393が連続して形成された、全体として三角形状の穴を有している。三角形状の三つの角部が主に排出穴393として機能する。また、三辺の外側の部位がストッパ部373として機能する。プランジャストッパ293は、締付用工具の三角形のビット部分を排出穴393に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
図7に示す第4実施形態のプランジャストッパ294は、挿通穴384の六方向に突出する排出穴394が連続して形成された、全体として六角星形状の穴を有している。径外方向に突出した六つの角部が主に排出穴394として機能する。また、周方向に隣接する排出穴394同士の間の部位がストッパ部374として機能する。プランジャストッパ294は、締付用工具の六角星形のビット部分を排出穴394に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
図8に示す第5実施形態のプランジャストッパ295は、挿通穴385の四方向に突出する排出穴395が連続して形成された穴を有している。径外方向に突出した四つの部分が排出穴395として機能する。また、周方向に隣接する排出穴395同士の間の部位がストッパ部375として機能する。プランジャストッパ294は、締付用工具のビットの径方向の突起部分を排出穴395に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
図9に示す第6実施形態のプランジャストッパ296は、プランジャ21の小径部213よりもわずかに大きな円形に形成された挿通穴386と、挿通穴386の周囲に周方向に等間隔に設けられた複数の円形の排出穴396とが分離して形成されている。挿通穴386の周囲であって排出穴396以外の部位がストッパ部376として機能する。プランジャストッパ296は、締付用工具の複数の円筒状突起からなるビット部分を排出穴396に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
図10に示す第7実施形態のプランジャストッパ297は、第6実施形態と同様の挿通穴386と、挿通穴386の周囲に周方向に等間隔に設けられた複数の円弧形の排出穴397とが分離して形成されている。挿通穴386の周囲であって排出穴397以外の部位がストッパ部377として機能する。プランジャストッパ297は、締付用工具の複数の断面円弧状の突起からなるビット部分を排出穴397に係合するように挿入し、軸方向に回転させることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態は、第1実施形態に対し、プランジャストッパの筒部30の外壁31の構成のみが異なる。
図11に示すように、第8実施形態のプランジャストッパ298は、筒部30の外壁31の底部36側に、互いに平行な二面の平面部からなる切り欠き32が形成されている。これにより、一般のスパナやモンキースパナを用いて、プランジャストッパ298をシリンダ形成部14に着脱することができる。
図11に例示した形態では、底部36の挿通穴381及び排出穴391として第1実施形態の構成を援用しているが、外壁31の切り欠き32の構成を、他の実施形態の挿通穴及び排出穴の構成と組み合わせてもよい。また、切り欠き32を用いてプランジャストッパを締付け可能であるため、排出穴を締付用工具の挿入用の穴として用いなくてもよい。
(その他の実施形態)
(ア)締付用工具を挿入してプランジャストッパを回転可能な挿通穴の形状は、上記実施形態で例示した形状に限らず、どのような形状としてもよい。
(イ)筒部30の外壁31に締付用の切り欠きが形成される形態は、上記第8実施形態のように二面の平面部が形成される形態に限らず、四面、六面の平面部が形成される形態や凹凸状の切り欠きが形成される形態でもよい。
(ウ)高圧ポンプのプランジャ部以外の各部の構成は上記実施形態に限定されない。例えば、ダンパ室40にパルセーションダンパ44が設けられなくてもよい。吸入弁55は、上記実施形態のようにノーマリーオープン式でなくノーマリークローズ式であってもよい。また、ポンプボディ10に一体にシリンダ形成部14が形成されるのでなく、特許文献1の図16に第6実施形態として記載された形態のように、ポンプボディ10に組み付けられた「別体のシリンダ形成部材」の一部にシリンダ形成部を含む構成としてもよい。
以上、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
1 ・・・高圧ポンプ、 11 ・・・シリンダ、 12 ・・・加圧室、
14 ・・・シリンダ形成部、 141 ・・・端面、 142 ・・・外壁、
15 ・・・雄ねじ部、
21 ・・・プランジャ、
211 ・・・大径部、 213 ・・・小径部、 214 ・・・段差面、
291−298 ・・・プランジャストッパ、
30 ・・・筒部、 33 ・・・内壁、 34 ・・・雌ねじ部、
36 ・・・底部、
371−377 ・・・ストッパ部、
381−386 ・・・挿通穴。

Claims (4)

  1. 軸方向の一端に大径部(211)を有し、当該大径部との段差面(214)から軸方向の他端に延びる小径部(213)を有するプランジャ(21)と、
    燃料が加圧される加圧室(12)に連通し前記プランジャの前記大径部の端部が前記加圧室に臨むように前記大径部を摺動可能に収容するシリンダ(11)を内側に有し、前記加圧室と反対側の端部の外壁(142)に雄ねじ部(15)が形成されているシリンダ形成部(14)と、
    前記シリンダ形成部の前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部(34)が内壁(33)に形成された筒部(30)、及び、前記筒部の前記雌ねじ部と反対側に設けられ前記プランジャの小径部が挿通される挿通穴(381−386)の周囲で前記プランジャの前記段差面が当接可能なストッパ部(371−377)を有する底部(36)を含み、前記雌ねじ部が前記シリンダ形成部の前記雄ねじ部に螺合し、前記底部に前記シリンダ形成部の端面(141)が突き当たることで前記シリンダ形成部に締結され、前記ストッパ部によって前記プランジャの移動を規制するプランジャストッパ(291−298)と、
    を備えることを特徴とする高圧ポンプ(1)。
  2. 前記プランジャストッパは、
    前記底部を軸方向に貫通し、燃料が前記加圧室と反対側に排出される排出穴(391−397)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記排出穴(391−395)は、前記挿通穴(381−385)の径外方向に連続して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記プランジャストッパ(298)は、
    前記筒部の外壁(31)に締付用の切り欠き(32)が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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