JP5768723B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、流体を加圧し吐出する高圧ポンプに関する。
従来、プランジャの往復移動により流体を加圧室に吸入し、加圧して吐出する高圧ポンプが知られている。例えば特許文献1には、流体としての燃料を加圧し吐出し、内燃機関へ供給する高圧ポンプが開示されている。この高圧ポンプでは、内壁でプランジャを摺動可能に支持する筒状のシリンダがハウジングの圧入穴部に圧入されている。
国際公開第2006/069819号パンフレット
特許文献1の高圧ポンプの場合、シリンダをハウジングに圧入するときに圧入穴部の内壁が削れることで生じたバリが加圧室に侵入するおそれがある。加圧室に侵入したバリは、高圧ポンプの作動時、燃料とともに燃料の流通経路を流れるため、高圧ポンプの吸入弁や吐出弁の弁部に噛み込まれるおそれがある。吸入弁や吐出弁の弁部にバリが噛み込まれると、加圧室へ吸入する燃料の量や吐出量等が不安定になるおそれがある。また、吸入弁を開閉駆動する電磁駆動部の可動コアと固定コアとの間にバリが侵入し噛み込まれた場合、電磁駆動部による吸入弁の開閉駆動を高精度に行えなくなるおそれがある。
また、特許文献1の高圧ポンプでは、シリンダの外壁の全周に亘って径方向内側へ凹む円筒状の溝が形成されている。この構成では、シリンダをハウジングに圧入するとき、前記溝にバリが生じるおそれがある。また、シリンダには、前記溝とハウジング外部とを連通する通路が形成されている。そのため、前記溝に生じたバリが燃料とともに前記通路を経由してハウジング外部へ流出するおそれがある。ハウジング外部へ流出した燃料は高圧ポンプに環流されるため、バリを含む燃料が高圧ポンプ内部に流入し、上述した問題と同様の問題が生じるおそれがある。また、シリンダの外壁の全周に亘って円筒状の溝が形成されているため、高圧ポンプにおけるデッドボリュームが増大するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、シリンダ圧入時に生じたバリが流体に混入するのを抑制可能な高圧ポンプを提供することにある。
請求項1に記載の高圧ポンプの発明は、プランジャとシリンダとハウジングとを備えている。プランジャは、往復移動可能に設けられている。シリンダは、内壁でプランジャを摺動可能に支持する筒部、当該筒部の一端を塞ぐ底部、当該底部と筒部の内壁とプランジャの一端の外壁とで形成される加圧室、筒部に形成され加圧室に流体を吸入する吸入孔、および、筒部に形成され加圧室で加圧された流体を吐出する吐出孔を有している。ハウジングは、シリンダが底部側から圧入されるシリンダ圧入穴部、吸入孔に連通する吸入通路、および、吐出孔に連通する吐出通路を有している。
本発明では、シリンダは、筒部の外壁のうち吸入孔の底部とは反対側、および、筒部の外壁のうち吐出孔の底部とは反対側の少なくとも一方に、径方向内側へ凹むことでシリンダ圧入穴部の内壁との間に第1隙間を形成する第1溝を有している。そのため、シリンダをハウジングに圧入するときに生じたバリが第1隙間より大きい場合、バリを第1溝に留めておくことができる。これにより、高圧ポンプの作動時、高圧ポンプ内を流通する流体にバリが混入するのを抑制することができる。よって、バリが流体とともに吸入孔または吐出孔および加圧室を経由して高圧ポンプ内を流通するのを抑制することができる。
なお、第1溝は、筒部の全周ではなく、周方向の特定の箇所(吸入孔近傍および吐出孔近傍の2箇所)に形成されているため、デッドボリュームの増大を抑制することができる。また、第1隙間より小さいバリは流体に混入し得るが、第1隙間の大きさをバリの許容大きさ以下に設定すれば、許容大きさを超える大きさのバリが高圧ポンプ内を流通するのを防ぐことができる。
さらに高圧ポンプは、弁部材とニードルと可動コアと固定コアとコイルと付勢部材とを備えている。弁部材は、吸入通路を開閉可能である。ニードルは、一端が弁部材に当接可能に設けられ、軸方向に往復移動することで、弁部材が吸入通路を開閉するよう弁部材を押圧する。可動コアは、ニードルの他端にニードルと一体に設けられる。固定コアは、可動コアの弁部材とは反対側に設けられる。コイルは、通電により可動コアをニードルとともに固定コア側へ吸引する。付勢部材は、ニードルを弁部材側へ付勢する。
本発明では、第1溝は、付勢部材がニードルを付勢することで可動コアと固定コアとの間に形成されるコア間隙間の最大の大きさより第1隙間のほうが小さくなるよう形成されている。
本発明の一実施形態による高圧ポンプを示す断面図。 本発明の一実施形態による高圧ポンプのシリンダを示す斜視図。 本発明の一実施形態による高圧ポンプのシリンダの吐出孔側の第1溝および第2溝近傍を示す断面図。 本発明の他の実施形態による高圧ポンプのシリンダの吐出孔側の第1溝近傍を示す断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による高圧ポンプを図1に示す。
高圧ポンプ1は、例えば内燃機関としてのエンジンに、流体としての燃料を高圧で供給する燃料ポンプである。高圧ポンプ1がエンジンに供給する燃料は、例えばガソリンである。すなわち、高圧ポンプ1の燃料供給対象は、ガソリンエンジンである。高圧ポンプ1は、図示しない燃料タンク側から燃料を吸入し、図示しないデリバリパイプ側へ吐出する。これにより、デリバリパイプ内の燃料は、蓄圧され、デリバリパイプに接続するインジェクタからエンジンに噴射供給される。
高圧ポンプ1は、プランジャ20、シリンダ30、ハウジング40、吸入弁部16および電磁駆動部18等を備えている。以下では、便宜上、図1の上側を「上」、図1の下側を「下」として説明する。
プランジャ20は、例えばステンレス等の金属により中実円筒状に形成されている。プランジャ20は、大径部21、小径部22および突出部23からなる。小径部22は、大径部21の一端の中央から軸方向に延びるようにして形成され、外径が大径部21の外径よりも小さい。突出部23は、大径部21の他端の中央から小径部22とは反対側へ突出するようにして形成され、外径が大径部21の外径よりも小さい。
シリンダ30は、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成されている。シリンダ30は、筒部31および底部32からなる。筒部31は中空円筒状に形成されている。筒部31の内側には、プランジャ20が突出部23側から挿入されている。底部32は、筒部31の一端を塞いでいる。
シリンダ30は、底部32と筒部31の内壁とプランジャ20の一端すなわち突出部23の外壁とで形成される加圧室33を有している。また、シリンダ30は、筒部31に形成され加圧室33に燃料を吸入する吸入孔34を有している。また、シリンダ30は、筒部31に形成され加圧室33で加圧された燃料を吐出する吐出孔35を有している。
シリンダ30の筒部31の内壁とプランジャ20の大径部21の外壁とは摺動可能である。すなわち、シリンダ30は、筒部31の内壁でプランジャ20を軸方向に往復移動可能かつ摺動可能に支持している。プランジャ20が筒部31の内側で往復移動すると、加圧室33の容積が変化する。なお、シリンダ30は、プランジャ20の摺動による焼付や摩耗を抑えるため、例えば焼き入れ等の熱処理によって硬度が高められている。
シリンダ30は、径外側と加圧室33とを連通する吸入孔34および吐出孔35を有している。吸入孔34と吐出孔35とは、シリンダ30の軸に直交する仮想直線上に形成されている。すなわち、吸入孔34は、吐出孔35の反対側に形成されている。また、シリンダ30は、外壁から径外方向へ突出する環状突起36を有している。
シリンダ30のより具体的な形状等については、後に詳述する。
ハウジング40は、例えばステンレス等の金属により形成されている。ハウジング40は、上ハウジング41および下ハウジング46からなる。
上ハウジング41は、略直方体状に形成されている。上ハウジング41は、長手方向の中央を短手方向に貫くシリンダ圧入穴部42を有している。また、上ハウジング41は、外壁面とシリンダ圧入穴部42の内壁面とを接続する吸入通路43および吐出通路44を有している。
上ハウジング41は、吐出通路44の軸方向の途中に形成される環状の段差面454を有している。また、上ハウジング41は、外壁面と吸入通路43を形成する内壁面とを接続する通孔45を複数有している。
下ハウジング46は、第1筒部47、板部48および第2筒部49からなる。第1筒部47は、中空円筒状に形成されている。板部48は、第1筒部47の一端から径外方向へ板状に延びるようにして形成されている。第2筒部49は、板部48から第1筒部47とは反対側へ略円筒状に延びるようにして形成されている。また、第1筒部47と第2筒部49との間には、板部48を板厚方向に貫く通孔481が複数形成されている。また、板部48には、高圧ポンプ1をエンジンに取り付けるための締結部材が挿通される取付穴(図示せず)が形成されている。
シリンダ30は、筒部31および底部32の外径がシリンダ圧入穴部42の内径よりやや大きく形成されている。また、シリンダ30は、底部32の筒部31とは反対側の端部の外縁端が面取りされている。シリンダ30は、加圧室33側の端部すなわち底部32側から下ハウジング46の第1筒部47の内側および上ハウジング41のシリンダ圧入穴部42に挿入される。これにより、シリンダ圧入穴部42に、シリンダ30の底部32側が圧入される。
シリンダ30がシリンダ圧入穴部42に圧入された状態で、上ハウジング41の吸入通路43は、シリンダ30の吸入孔34に連通している。また、上ハウジング41の吐出通路44は、シリンダ30の吐出孔35に連通している。
また、シリンダ30の環状突起36は、下ハウジング46に当接している。これにより、下ハウジング46は、第1筒部47が上ハウジング41と環状突起36とに挟み込まれた状態となっている。
本実施形態では、下ハウジング46の板部48の第2筒部49とは反対側に、カバー部材11が設けられている。カバー部材11は、例えばステンレス等の金属によりカップ状に形成されている。カバー部材11は、筒部111、および、当該筒部111の一端を塞ぐ底部112からなる。カバー部材11は、上ハウジング41および下ハウジング46の第1筒部47を、筒部111の内側に位置するよう覆っている。筒部111の底部112とは反対側の端部は、下ハウジング46の板部48に当接し、全周に亘り溶接されている。これにより、筒部111と板部48との間は液密に保たれ、カバー部材11の内側に燃料ギャラリ113が形成されている。
筒部111の吸入通路43に対応する箇所には、穴121が形成されている。また、筒部111の吐出通路44に対応する箇所には、穴122が形成されている。また、筒部111には、図示しない燃料インレットが取り付けられている。燃料インレットは、筒状に形成され、一端が筒部111に形成された穴に嵌め込まれるとともに外周が筒部111に溶接されている。燃料インレットの他端には、図示しない燃料タンクに接続する燃料配管が接続される。これにより、燃料タンク内の燃料が、燃料配管および燃料インレットを経由して燃料ギャラリ113に供給される。
燃料ギャラリ113の底部112と上ハウジング41との間には、パルセーションダンパ4が設けられている。パルセーションダンパ4は、2枚のダイアフラムの周縁部が接合されることにより形成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ4は、底部112近傍に固定された保持部材5によって保持されている。パルセーションダンパ4は、燃料ギャラリ113内の燃圧の変化に応じて弾性変形することで、燃圧脈動を低減可能である。
シリンダ30の加圧室33とは反対側の端部には、オイルシールホルダ141が設けられている。オイルシールホルダ141は、プランジャ20の小径部22が挿通される筒状の基部151、および、下ハウジング46の第2筒部49の内側に圧入される圧入部152からなる。基部151と圧入部152とは、一体に形成されている。基部151の一端の内側には、環状のシール142が設けられている。シール142は、径内側のテフロン(登録商標)製のリングと径外側のゴム製のリングとからなる。シール142により、プランジャ20の小径部22周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。また、基部151の他端には、オイルシール143が設けられている。オイルシール143により、プランジャ20の小径部22の周囲のオイル油膜の厚さが調整され、オイルのリークが抑制される。
圧入部152は、基部151の一端から筒状に延びる内筒部153、当該内筒153の基部151とは反対側の端部から径外方向へ環状に延びる接続部154、および、当該接続部154の外縁から基部151側へ筒状に延びる外筒部155からなる。このように、圧入部152は、2重筒状に形成されている。圧入部152は、外筒部155の外壁が下ハウジング46の第2筒部49の内壁に圧接するようにして、第2筒部49の内側に圧入されている。
プランジャ20の小径部22の大径部21とは反対側の端部には、略円板状のスプリングシート144が設けられている。スプリングシート144とオイルシールホルダ141の圧入部152の接続部154との間には、スプリング145が設けられている。
高圧ポンプ1がエンジンに取り付けられた状態では、プランジャ20の小径部22の大径部21とは反対側の端部は、図示しないタペット等に当接する。タペットは、図示しないカムシャフトに設けられたカムに外面を当接させ、カムシャフトの回転により、カムプロファイルに応じて軸方向に往復移動する。スプリング145は、一端がスプリングシート144に係止され、他端が接続部154に係止されている。これにより、スプリング145は、プランジャ20の戻しばねとして機能し、プランジャ20をタペットに当接させるよう付勢する。
上記構成により、カムシャフトの回転に応じてプランジャ20が軸方向に往復移動し、それにともない加圧室33の容積が変化する。
吸入弁部16は、上ハウジング41の吸入通路43に設けられている。吸入弁部16は、吸入弁ボディ161、第1筒部材162、第2筒部材163、ニードル164、吸入弁部材165、ストッパ166、第1スプリング167および第2スプリング168等を有している。
吸入弁ボディ161は、略円筒状に形成され、一端の外壁が吸入通路43を形成する上ハウジング41の内壁に当接するよう設けられている。吸入弁ボディ161の加圧室33側の端面には、環状の吸入弁座171が形成されている。また、吸入弁ボディ161は、内壁と外壁とを接続する通孔172を複数有している。
第1筒部材162は、例えば磁性材料により略円筒状に形成されている。第1筒部材162は、カバー部材11の筒部111の穴121に挿通されるとともに、一端の外壁が吸入通路43を形成する上ハウジング41の内壁に当接するよう設けられている。なお、吸入弁ボディ161の他端は、第1筒部材162の一端の内側に位置している。
ここで、上ハウジング41の通孔45と吸入弁ボディ161の通孔172とは連通している。これにより、燃料ギャラリ113と吸入弁ボディ161の内側とは、通孔45および通孔172を経由して連通している。また、第1筒部材162の外壁とカバー部材11の穴121の外縁部とは、全周に亘り溶接されている。これにより、燃料ギャラリ113の液密性が保持されている。
第2筒部材163は、有底筒状に形成され、外壁が第1筒部材162の内壁に当接するよう設けられている。
ニードル164は、棒状に形成され、第2筒部材163の底部に形成された穴に挿通されるようにして設けられている。ニードル164は、軸方向の途中の外壁から径外方向へ突出する環状突起173を有している。
吸入弁部材165は、略円板状に形成され、吸入弁ボディ161の加圧室33側に設けられている。
ストッパ166は、底の浅い有底筒状に形成され、吸入弁ボディ161および吸入弁部材165の加圧室33側に設けられている。ここで、吸入弁部材165は、吸入弁ボディ161とストッパ166との間で軸方向に往復移動可能に設けられている。よって、吸入弁部材165は、一方の面の外縁部が吸入弁ボディ161の吸入弁座171に当接可能である。また、吸入弁部材165は、他方の面の外縁部がストッパ166に当接可能である。なお、ニードル164の一端は、吸入弁部材165の一方の面の中央に当接可能である。
吸入弁部材165は、吸入弁ボディ161の吸入弁座171から離間すなわち離座、または、吸入弁座171に当接すなわち着座することにより、吸入通路43を開閉可能である。以下、適宜、吸入弁部材165が吸入弁座171から離座することを「開弁」といい、吸入弁部材165が吸入弁座171から離座する方向を「吸入弁部材165の開弁方向」という。また、吸入弁部材165が吸入弁座171に着座することを「閉弁」といい、吸入弁部材165が吸入弁座171に着座する方向を「吸入弁部材165の閉弁方向」という。ここで、吸入弁部材165は、特許請求の範囲における「弁部材」に対応している。
第1スプリング167は、第2筒部材163の底部とニードル164の環状突起173との間に設けられ、ニードル164をストッパ166側に付勢している。第2スプリング168は、ストッパ166の底部と吸入弁部材165との間に設けられ、吸入弁部材165をニードル164側へ付勢している。本実施形態では、第1スプリング167の付勢力は、第2スプリング168の付勢力よりも大きく設定されている。そのため、ニードル164に外部からの力が作用していない状態では、ニードル164は、第1スプリング167により開弁方向に付勢され、吸入弁部材165を開弁方向に押圧している。これにより、吸入弁部材165は、ストッパ166に押し付けられている。すなわち、このとき、吸入弁部材165は開弁している。ここで、第1スプリング167は、特許請求の範囲における「付勢部材」に対応している。
電磁駆動部18は、吸入弁部16の加圧室33とは反対側に設けられている。電磁駆動部18は、可動コア181、固定コア182およびコイル183等を有している。
可動コア181は、磁性材料により略円筒状に形成されている。可動コア181は、ニードル164の吸入弁部材165とは反対側の端部に圧入されることで、ニードル164と一体に設けられている。これにより、可動コア181は、ニードル164とともに軸方向へ往復移動可能である。
固定コア182は、磁性材料により中実円筒状に形成され、可動コア181の吸入弁部材165とは反対側に設けられている。固定コア182と第1筒部材162との間には、非磁性材料からなる筒部材185が設けられている。
コイル183は、略円筒状に形成され、第1筒部材162の加圧室33とは反対側の端部、可動コア181および固定コア182の径外側に設けられている。コイル183の周囲は、樹脂材料からなるモールド部184により覆われている。モールド部184は、外壁から径外方向へ突出するよう形成されるコネクタ部191を有している。コネクタ部191には、ターミナル192がインサート成形されている。ターミナル192とコイル183とは、電気的に接続されている。
モールド部184は、コネクタ部191を除いて第1カバー部材193および第2カバー部材194により覆われている。第1カバー部材193は、磁性材料により有底筒状に形成され、底部が固定コア182に当接している。第2カバー部材194は、磁性材料により板状に形成され、中央に穴を有している。当該穴には、第1筒部材162の加圧室33とは反対側の端部が挿通されている。第2カバー部材194と第1筒部材162とは当接している。また、第2カバー部材194は、第1カバー部材193の底部とは反対側の端部に当接している。
コイル183は、ターミナル192を経由して外部から電力が供給されること(通電)により磁界を生じる。コイル183に磁界が生じると固定コア182、第1カバー部材193、第2カバー部材194、第1筒部材162および可動コア181に磁気回路が形成され、可動コア181は、ニードル164とともに固定コア182側へ吸引される。なお、このとき、磁気回路は、非磁性材料からなる筒部材185を避けるようにして形成される。
コイル183に電力が供給されていないとき(非通電時)、吸入弁部材165は、ニードル164を経由して第1スプリング167の付勢力により加圧室33側へ付勢され、ストッパ166に当接した状態となる。このとき、吸入弁部材165は吸入弁座171から離間しているため、吸入通路43および吸入孔34の燃料の流れは許容されている。一方、コイル183に電力が供給されること(通電)により可動コア181およびニードル164が固定コア182側に吸引されると、吸入弁部材165は、第2スプリング168の付勢力等により付勢されて加圧室33とは反対側へ移動し、吸入弁座171に当接する。これにより、吸入通路43および吸入孔34の燃料の流れが遮断される。
このように、吸入弁部16は、電磁駆動部18の作動により、吸入通路43および吸入孔34の燃料の流れを許容または遮断可能である。なお、本実施形態では、電磁駆動部18および吸入弁部16は、所謂ノーマリーオープンタイプの弁装置を構成している。
また、本実施形態では、第2筒部材163の外壁に通路溝169が形成されている。また、可動コア181には、通孔186が形成されている。そのため、吸入通路43の燃料は、通路溝169および通孔186を経由して可動コア181と固定コア182との間に到達し得る。
本実施形態では、吐出通路44に筒部材50、弁ボディ60、吐出弁部材71、リリーフ弁部材72、吐出弁付勢手段73およびリリーフ弁付勢手段74が設けられている。
筒部材50は、例えばステンレス等の金属により、略円筒状に形成されている。筒部材50は、カバー部材11の筒部111の穴122に挿通されるとともに、一端が上ハウジング41の吐出通路44を形成する内壁面の内側に位置するよう設けられている。より具体的には、筒部材50は、一端の外壁のねじ溝が吐出通路44の内壁面のねじ溝に噛み合うよう、上ハウジング41にねじ込まれるようにして設けられている。
筒部材50の他端の外壁には、ねじ溝53が形成され、図示しないデリバリパイプに接続する燃料配管が接続される。また、筒部材50の外壁とカバー部材11の穴122の外縁部とは、全周に亘り溶接されている。これにより、燃料ギャラリ113の液密性が保持されている。
弁ボディ60は、例えばステンレス等の金属により有底筒状に形成されている。弁ボディ60は、筒部61および底部62からなる。底部62は、筒部61の一端を塞いでいる。弁ボディ60は、底部62が筒部材50の段差面に当接するとともに、筒部61の他端が上ハウジング41の段差面454に当接するよう、筒部材50の内側に設けられている。これにより、弁ボディ60は、筒部材50と上ハウジング41とに挟み込まれた状態となっている。
弁ボディ60の底部62には、吐出弁通路68およびリリーフ弁通路69が形成されている。吐出弁通路68およびリリーフ弁通路69は、互いに連通することなく、それぞれ、底部62の筒部61側の端面と、筒部61とは反対側の端面と、を接続するよう形成されている。底部62の筒部61とは反対側の端面の吐出弁通路68の外周には吐出弁座66が形成されている。また、底部62の筒部61側の端面のリリーフ弁通路69の外周にはリリーフ弁座67が形成されている。
吐出弁部材71は、例えばステンレス等の金属により略円板状に形成されている。吐出弁部材71は、吐出弁座66から離間または吐出弁座66に当接することで吐出弁通路68を開閉可能に設けられている。リリーフ弁部材72は、例えばステンレス等の金属により略円板状に形成されている。リリーフ弁部材72は、リリーフ弁座67から離間またはリリーフ弁座67に当接することでリリーフ弁通路69を開閉可能に設けられている。
吐出弁付勢手段73は、スプリングと当該スプリングを支持するホルダとからなり、スプリングの付勢力により吐出弁部材71を吐出弁座66側に付勢している。リリーフ弁付勢手段74は、スプリングと当該スプリングを支持するホルダとからなり、スプリングの付勢力によりリリーフ弁部材72をリリーフ弁座67側に付勢している。
次に、シリンダ30の形状等について詳細に説明する。
図1に示すように、シリンダ30は、筒部31の外壁のうち吸入孔34の底部32とは反対側、および、吐出孔35の底部32とは反対側の2箇所に、径方向内側へ凹むよう形成される第1溝81を有している。また、シリンダ30は、筒部31の外壁のうち2つの第1溝81のそれぞれの底部32とは反対側に、径方向内側へ凹むよう形成される第2溝82を有している。ここで、第2溝82は、第1溝81より深く形成されている。
図2は、シリンダ30を吐出孔35側から見た斜視図である。図2に示すように、シリンダ30の外壁の吐出孔35の外周には、径方向内側へ凹む凹部83が形成されている。当該凹部83の底部32とは反対側に第1溝81が形成されている。凹部83、第1溝81および第2溝82は、シリンダ30の軸方向に連続するよう形成されている。すなわち、第1溝81は、凹部83を経由して吐出孔35に連通している。シリンダ30の吸入孔34側にも凹部83、第1溝81および第2溝82が形成されているが、吐出孔35側と同様のため、説明を省略する。
上述のように、第1溝81および第2溝82は、筒部31の全周ではなく、周方向の特定の箇所(吸入孔34近傍および吐出孔35近傍の2箇所)に形成されている。
図3は、吐出孔35側の第1溝81および第2溝82近傍を示す断面図である。図3に示すように、第1溝81は、シリンダ圧入穴部42の内壁との間に第1隙間S1を形成している。また、第2溝82は、シリンダ圧入穴部42の内壁との間に第2隙間S2を形成している。ここで、第1隙間S1の大きさ、すなわち、シリンダ圧入穴部42の内壁と第1溝81の最深部との距離をd1とし、第2隙間S2の大きさ、すなわち、シリンダ圧入穴部42の内壁と第2溝82の最深部との距離をd2とすると、第1溝81および第2溝82は、d1<d2の関係を満たすよう形成されている。
また、第1スプリング167がニードル164を付勢することで可動コア181と固定コア182との間に形成されるコア間隙間SCの最大の大きさ、すなわち、コイル183に電力が供給されていないとき(非通電時)の可動コア181と固定コア182との距離をd3とすると(図1参照)、第1溝81は、d1<d3の関係を満たすよう形成されている。シリンダ30の吸入孔34側の第1溝81および第2溝82も吐出孔85側と同様に形成されている。
図3に示すように、シリンダ30の上ハウジング41への圧入時、例えば筒部31の外壁と第2溝82との境界に形成される角部84により、シリンダ圧入穴部42の内壁が削られることでバリB1、B2が生じたとする。ここで、d1よりやや大きなバリB1は、第1溝81(第1隙間S1)を通過することなく、第1溝81内(第1隙間S1)に留まる。また、d1より大きなバリB2は、第1溝81(第1隙間S1)を通過することなく、第2溝82内(第2隙間S2)に留まる。
また、本実施形態では、高圧ポンプ1の作動時、高圧ポンプ1内の燃料は、可動コア181と固定コア182との間のコア間隙間SCに到達し得るが、第1隙間S1の大きさd1がコア間隙間SCの大きさd3より小さく設定されているため、大きさがd3以上のバリが燃料に混入するのを抑制することができる。その結果、バリがコア間隙間SCに噛み込まれるのを抑制することができる。
次に、本実施形態の高圧ポンプ1の作動について説明する。
「吸入行程」
プランジャ20が図1の下方へ移動するとき、コイル183への通電は停止されている。そのため、吸入弁部材165は、第1スプリング167から力を受けているニードル164により加圧室33側へ付勢されている。その結果、吸入弁部材165は、吸入弁ボディ161の吸入弁座171から離間している。また、プランジャ20が図1の下方へ移動するとき、加圧室33の圧力は低下する。そのため、吸入弁部材165が吸入弁座171側の燃料から受ける力は、加圧室33側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、吸入弁部材165には吸入弁座171から離間する方向へ力が加わり、吸入弁部材165は、ストッパ166に当接するまで移動する。吸入弁部材165が吸入弁座171から離間、すなわち開弁することにより、燃料ギャラリ113は、通孔45、通孔172、吸入弁ボディ161の内側、および、吸入孔34を経由して加圧室33に連通する。したがって、燃料ギャラリ113の燃料は、通孔45および通孔172をこの順で経由して加圧室33に吸入される。
「調量行程」
プランジャ20が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室33から吸入弁部材165側すなわち燃料ギャラリ113側へ排出される燃料の流れにより、吸入弁部材165には加圧室33側の燃料から吸入弁座171に当接する方向へ力が加わる。しかし、コイル183に通電していないとき、ニードル164は、第1スプリング167の付勢力により吸入弁部材165側へ付勢されている。そのため、吸入弁部材165は、ニードル164によって吸入弁座171側への移動が規制される。また、吸入弁部材165は、加圧室33側がストッパ166によって覆われている。これにより、加圧室33から燃料ギャラリ113側へ排出される燃料の流れが、吸入弁部材165に直接衝突することはない。そのため、燃料の流れにより吸入弁部材165に加わる閉弁方向への力が緩和される。
調量行程においては、コイル183への通電が停止されている間、吸入弁部材165は吸入弁座171から離間した状態を維持する。これにより、プランジャ20の上昇によって加圧室33から排出される燃料は、燃料ギャラリ113から加圧室33へ吸入される場合と逆に、通孔172および通孔45をこの順で経由して燃料ギャラリ113へ戻される。
調量行程の途中にコイル183へ通電すると、コイル183に発生した磁界により、固定コア182、第1カバー部材193、第2カバー部材194、第1筒部材162および可動コア181に磁気回路が形成される。これにより、互いに離間している固定コア182と可動コア181との間には磁気吸引力が発生する。固定コア182と可動コア181との間に発生する磁気吸引力が第1スプリング167の付勢力よりも大きくなると、可動コア181は固定コア182側へ移動する。そのため、可動コア181と一体のニードル164も、固定コア182側へ移動する。ニードル164が固定コア182側へ移動すると、吸入弁部材165とニードル164とは離間し、吸入弁部材165はニードル164から力を受けない。その結果、吸入弁部材165は、第2スプリング168の付勢力、および、加圧室33から燃料ギャラリ113側へ排出される燃料の流れにより吸入弁部材165に加わる閉弁方向の力によってストッパ166から離間し吸入弁座171側へ移動する。これにより、吸入弁部材165が閉弁する。
プランジャ20が上昇するとき、吸入通路43、すなわち加圧室33と燃料ギャラリ113との間を閉鎖することにより、加圧室33から燃料ギャラリ113へ戻される燃料の量が調整される。その結果、加圧室33で加圧される燃料の量が決定される。吸入弁部材165が吸入弁座171側へ移動し、吸入弁部材165が吸入弁座171に当接、すなわち閉弁することにより、吸入通路43を流通する燃料の流れが遮断される。これにより、加圧室33から燃料ギャラリ113へ燃料を排出する調量行程は終了する。
「加圧行程」
加圧室33と燃料ギャラリ113との間が閉鎖された状態でプランジャ20がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室33の燃料の圧力は上昇する。加圧室33の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁付勢手段73のスプリングの付勢力と吐出弁座66下流側の燃料から吐出弁部材71が受ける力とに抗して、吐出弁部材71は吐出弁座66から離間する。これにより、吐出弁部材71が開弁し、加圧室33で加圧された燃料は、吐出孔35、吐出通路44、吐出弁通路68、および、筒部材50の内側の空間のうち弁ボディ60の加圧室33とは反対側を通り高圧ポンプ1から吐出される。高圧ポンプ1から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。
また、このとき、筒部材50の内側の空間のうち弁ボディ60の加圧室33とは反対側の圧力が所定値以上になると、リリーフ弁付勢手段74のスプリングの付勢力とリリーフ弁座67上流側の燃料からリリーフ弁部材72が受ける力とに抗して、リリーフ弁部材72はリリーフ弁座67から離間する。これにより、リリーフ弁部材72が開弁し、筒部材50の内側の空間のうち弁ボディ60の加圧室33とは反対側の燃料は、リリーフ弁通路69を経由して加圧室33へ戻される。
プランジャ20が上死点まで移動すると、コイル183への通電が停止され、吸入弁部材165は再び吸入弁座171から離間する。このとき、プランジャ20は再び図1の下方へ移動し、加圧室33の燃料の圧力は低下する。これにより、加圧室33には燃料ギャラリ113から燃料が吸入される。
なお、吸入弁部材165が閉弁し、加圧室33の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル183への通電は停止してもよい。加圧室33の燃料の圧力が上昇すると、吸入弁部材165が吸入弁座171から離間する方向へ受ける力よりも、加圧室33側の燃料によって吸入弁座171に当接する方向へ受ける力が大きくなる。そのため、コイル183への通電を停止しても、吸入弁部材165は加圧室33側の燃料から受ける力によって吸入弁座171への当接状態を維持する。このように、所定の時期にコイル183への通電を停止することにより、電磁駆動部18の消費電力を低減することができる。
上記の「吸入行程」、「調量行程」および「加圧行程」を繰り返すことにより、高圧ポンプ1は吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、電磁駆動部18のコイル183への通電タイミングを制御することにより調節される。
高圧ポンプ1の作動時、「吸入行程」、「調量行程」および「加圧行程」が繰り返されることにより、加圧室33の圧力は周期的に変動する。そのため、加圧室33に連通する燃料ギャラリ113には、燃料の圧力脈動が生じる。本実施形態では、燃料ギャラリ113にパルセーションダンパ4を設けることにより、当該燃料の圧力脈動を抑制している。
本実施形態では、第1溝81および第2溝82は、凹部83、吸入孔34および吐出孔35を経由して加圧室33に連通している。そのため、シリンダ30を上ハウジング41に圧入するときに第1溝81または第2溝82で生じたバリは、高圧ポンプ1の作動時、高圧ポンプ1内を流れる燃料に混入し得る。しかしながら、本実施形態では、第1隙間S1の大きさがd1に設定してあるため、大きさがd1より大きなバリが燃料に混入するのを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態は、プランジャ20とシリンダ30と上ハウジング41とを備えている。プランジャ20は、往復移動可能に設けられている。シリンダ30は、内壁でプランジャ20を摺動可能に支持する筒部31、当該筒部31の一端を塞ぐ底部32、当該底部32と筒部31の内壁とプランジャ20の一端の外壁とで形成される加圧室33、筒部31に形成され加圧室33に燃料を吸入する吸入孔34、および、筒部31に形成され加圧室33で加圧された燃料を吐出する吐出孔35を有している。上ハウジング41は、シリンダ30が底部32側から圧入されるシリンダ圧入穴部42、吸入孔34に連通する吸入通路43、および、吐出孔35に連通する吐出通路44を有している。
本実施形態では、シリンダ30は、筒部31の外壁のうち吸入孔34の底部32とは反対側、および、筒部31の外壁のうち吐出孔35の底部32とは反対側に、径方向内側へ凹むことでシリンダ圧入穴部42の内壁との間に第1隙間S1を形成する第1溝81を有している。そのため、シリンダ30を上ハウジング41に圧入するときに生じたバリが第1隙間S1より大きい場合、バリを第1溝81に留めておくことができる。これにより、高圧ポンプ1の作動時、高圧ポンプ1内を流通する燃料にバリが混入するのを抑制することができる。よって、バリが燃料とともに吸入孔34または吐出孔35および加圧室33を経由して高圧ポンプ1内を流通するのを抑制することができる。
なお、第1溝81および第2溝82は、筒部31の全周ではなく、周方向の特定の箇所(吸入孔34近傍および吐出孔35近傍の2箇所)に形成されているため、デッドボリュームの増大を抑制することができる。また、第1隙間S1より小さいバリは燃料に混入し得るが、第1隙間S1の大きさd1をバリの許容大きさ以下に設定すれば、許容大きさを超える大きさのバリが高圧ポンプ1内を流通するのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、シリンダ30は、第1溝81の底部32とは反対側に、径方向内側へ凹むことでシリンダ圧入穴部42の内壁との間に第1隙間S1より大きい第2隙間S2を形成する第2溝S2を有している。これにより、シリンダ30を上ハウジング41に圧入するときに生じたバリを第2溝82に収容することができる。バリが第1隙間S1より大きい場合、バリを第2溝82に留めておくことができる。よって、高圧ポンプ1の作動時、高圧ポンプ1内を流通する燃料にバリが混入するのを抑制することができる。
なお、第2溝82内に生じたバリのうち第1隙間S1より小さいバリは第1隙間S1を経由して燃料に混入し得るが、第1隙間S1の大きさd1をバリの許容大きさ以下に設定すれば、許容大きさを超える大きさのバリが高圧ポンプ1内を流通するのを防ぐことができる。
また、本実施形態は、吸入弁部材165とニードル164と可動コア181と固定コア182とコイル183と第1スプリング167とをさらに備えている。吸入弁部材165は、吸入通路43を開閉可能である。ニードル164は、一端が吸入弁部材165に当接可能に設けられ、軸方向に往復移動することで、吸入弁部材165が吸入通路43を開閉するよう吸入弁部材165を押圧する。可動コア181は、ニードル164の他端にニードル164と一体に設けられている。固定コア182は、可動コア181の吸入弁部材165とは反対側に設けられている。コイル183は、通電により可動コア181をニードル164とともに固定コア182側へ吸引する。第1スプリング167は、ニードル164を吸入弁部材165側へ付勢する。
そして、本実施形態では、第1溝81は、第1スプリング167がニードル164を付勢することで可動コア181と固定コア182との間に形成されるコア間隙間SCの最大の大きさd3より第1隙間S1(d1)のほうが小さくなるよう形成されている。そのため、高圧ポンプ1の作動時、シリンダ30を上ハウジング41に圧入するときに生じたバリのうちコア間隙間SCの最大の大きさd3以上のバリが、高圧ポンプ1内を流通する燃料に混入するのを防ぐことができる。これにより、バリがコア間隙間SCに噛み込まれるのを抑制することができる。その結果、吸入弁部材165による吸入通路43の開閉を高精度に行うことができる。
また、高圧ポンプ1の作動時、高圧ポンプ1内を流通する燃料にバリが混入するのを抑制することにより、吸入弁部材165と吸入弁座171との間にバリが噛み込まれるのを抑制することができる。その結果、加圧室33へ吸入する燃料の量や吐出量等を安定させることができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、シリンダが、筒部の外壁のうち「吸入孔の底部とは反対側」、および、「吐出孔の底部とは反対側」の2箇所に、「第1溝81および第2溝82」を有する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、シリンダは、筒部の外壁のうち「吸入孔の底部とは反対側」、または、「吐出孔の底部とは反対側」のいずれか一方に「第1溝81および第2溝82」を有する構成であってもよい。また、第1溝81および第2溝82の形状はどのように形成されていてもよい。
また、図4に示すように、シリンダ30は、第2溝82を有さず、第1溝81のみ有する構成であってもよい。この場合、シリンダ30の上ハウジング41への圧入時、例えば筒部31の外壁と第1溝81との境界に形成される角部85により、シリンダ圧入穴部42の内壁が削られることでバリB1が生じても、バリB1の大きさがd1より大きければ、バリB1は第1溝81(第1隙間S1)を通過することなく、第1溝81内(第1隙間S1)に留まる。
また、上述の実施形態では、シリンダの外壁の吸入孔の外周、および、吐出孔の外周に凹部83が形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、当該凹部83が形成されない構成であってもよい。ただし、凹部83が形成されない構成であっても、第1溝は吸入孔または吐出孔に連通している必要がある。
また、上述の実施形態では、第1溝が、コア間隙間の最大の大きさより第1隙間のほうが小さくなるよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1溝は、第1隙間がコア間隙間の最大の大きさ以上となるよう形成される構成であってもよい。
また、本発明の他の実施形態では、筒部材50、弁ボディ60、吐出弁部材71、リリーフ弁部材72、吐出弁付勢手段73およびリリーフ弁付勢手段74を備えない構成であってもよい。つまり、吐出弁部およびリリーフ弁部を備えていなくてもよい。また、吸入弁部および電磁駆動部を備えない構成としてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、上ハウジングと下ハウジングとが一体に形成される構成であってもよい。
また、本発明の他の実施形態では、高圧ポンプを、燃料以外の流体を加圧して吐出するのに用いてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
1 ・・・・高圧ポンプ
20 ・・・プランジャ
30 ・・・シリンダ
31 ・・・筒部
32 ・・・底部
33 ・・・加圧室
34 ・・・吸入孔
35 ・・・吐出孔
40 ・・・ハウジング
41 ・・・上ハウジング(ハウジング)
42 ・・・シリンダ圧入穴部
43 ・・・吸入通路
44 ・・・吐出通路
46 ・・・下ハウジング(ハウジング)
81 ・・・第1溝
S1 ・・・第1隙間

Claims (2)

  1. 往復移動可能なプランジャ(20)と、
    内壁で前記プランジャを摺動可能に支持する筒部(31)、当該筒部の一端を塞ぐ底部(32)、当該底部と前記筒部の内壁と前記プランジャの一端の外壁とで形成される加圧室(33)、前記筒部に形成され前記加圧室に流体を吸入する吸入孔(34)、および、前記筒部に形成され前記加圧室で加圧された流体を吐出する吐出孔(35)を有するシリンダ(30)と、
    前記シリンダが前記底部側から圧入されるシリンダ圧入穴部(42)、前記吸入孔に連通する吸入通路(43)、および、前記吐出孔に連通する吐出通路(44)を有するハウジング(40)と、
    前記吸入通路を開閉可能な弁部材(165)と、
    一端が前記弁部材に当接可能に設けられ、軸方向に往復移動することで、前記弁部材が前記吸入通路を開閉するよう前記弁部材を押圧するニードル(164)と、
    前記ニードルの他端に前記ニードルと一体に設けられる可動コア(181)と、
    前記可動コアの前記弁部材とは反対側に設けられる固定コア(182)と、
    通電により前記可動コアを前記ニードルとともに前記固定コア側へ吸引するコイル(183)と、
    前記ニードルを前記弁部材側へ付勢する付勢部材(167)と、を備え、
    前記シリンダは、前記筒部の外壁のうち前記吸入孔の前記底部とは反対側、および、前記筒部の外壁のうち前記吐出孔の前記底部とは反対側の少なくとも一方に、径方向内側へ凹むことで前記シリンダ圧入穴部の内壁との間に第1隙間(S1)を形成する第1溝(81)を有し、
    前記第1溝は、前記付勢部材が前記ニードルを付勢することで前記可動コアと前記固定コアとの間に形成されるコア間隙間(SC)の最大の大きさより前記第1隙間のほうが小さくなるよう形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記シリンダは、前記第1溝の前記底部とは反対側に、径方向内側へ凹むことで前記シリンダ圧入穴部の内壁との間に前記第1隙間より大きい第2隙間(S2)を形成する第2溝(82)を有することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
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