JP6123520B2 - 下肢形状変化測定装置、方法及びプログラム - Google Patents

下肢形状変化測定装置、方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムに関する。
人間の筋肉量と筋力は、年をとるにつれて衰える。特に人間の下肢の筋力が衰えると、立ち上がる動作、座る動作、歩行などが難しくなり、転倒する可能性も高まるので、日常生活に支障をきたす。一方、筋肉量と筋力は概ね比例することが知られている。
そこで、被験者の下肢の筋肉量を測定すれば、下肢の筋力を求めることができるので、例えば定期的に下肢の筋肉量を測定して下肢の筋力の変化を観察すれば、筋力の低下を早期に発見できる。これにより、被験者の下肢の筋力を例えば歩行可能な程度に維持する指導、治療などが可能となる。
しかし、被験者の下肢の筋肉量を正確に測定することは、以下の理由などにより難しい。第1に、人によって下肢の骨の太さ、脂肪の量が異なるため、例えば下肢の特定部位の太さを計測しても、正確な筋肉量を測定できない。第2に、下肢の特定部位の太さから筋肉量を近似する場合、下肢の特定部位を毎回正確に特定して太さを計測することは難しい。第3に、特に高齢の被験者の場合、計測時に同じ位置に静止させることが難しいが、被験者が動いてしまうと計測が難しくなる。第4に、測定時に被験者の姿勢が毎回同じでないと、力が入っている下肢の部位が異なるために測定対象の特定部位の太さが変化してしまい、測定誤差が生じてしまう。また、測定時に被験者の姿勢が毎回同じでないと、測定値を比較しても筋力の変化を正確に把握することは難しい。
巻き尺を用いて測定者が手動で被験者の下肢の太さを測定する場合の測定誤差などを低減するため、下肢の太さを測定する例えばCT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの測定装置を用いることができる。しかし、被験者を静止させ、被験者の姿勢が毎回同じになるように例えば被験者を測定装置または測定用の台にベルトなどで固定するのでは、被験者への負荷が大きくなってしまう。ここで、被験者への負荷とは、被験者が感じる不快感、疲労感、精神的及び肉体的なストレスなどを言う。また、被験者を測定用の台などにベルトなどで固定しても、被験者を毎回同じ姿勢で固定することは難しく、測定条件の再現性は悪い。さらに、測定装置を操作する操作者は、被験者を静止させたり、固定したりしてから測定装置を操作するため、測定に手間(即ち、人手と時間)がかかり、操作者への負荷が大きくなってしまう。
特開平11−101623号公報 特開2011−002907号公報 特開2012−065805号公報 特開2008−161228号公報 特開2011−177278号公報 特開2003−204953号公報
岩田博英他、「三次元形状測定装置による下肢容積の測定」、脈管学、20051025、巻:45号:10頁:783
従来技術では、被験者の下肢形状の変化を正確に判定することは難しい。
そこで、本発明は、被験者の下肢形状の変化を正確に判定可能な下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有し、前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを出力する計測部と、各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出部と、過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定部を備えた下肢形状変化測定装置が提供される。
開示の下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムによれば、被験者の下肢形状の変化を正確に判定することができる。
第1実施例における下肢形状変化測定装置の一例を示すブロック図である。 計測部の一例を示す図である。 計測部から出力される計測データの一例を示す図である。 重量動揺計が出力する圧力データの一例を示す図である。 重心動揺計が計測した被験者の足底の圧力分布の一例を示す図である。 撮像部が撮影した被験者の下肢の撮影画像の一例を示す図である。 コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。 計測部制御処理の一例を説明するフローチャートである。 下肢の稜線を説明する斜視図である。 つま先の向きを説明する図である。 下肢の三次元位置座標の変換を説明する図である。 視野境界を説明する斜視図である。 形状算出処理の一例を説明するフローチャートである。 形状算出処理の結果格納されるデータの一例を示す図である。 形状データ蓄積処理の一例を説明するフローチャートである。 形状データ蓄積処理の結果格納されるデータの一例を示す図である。 最適形状データ選出処理の一例を説明するフローチャートである。 形状変位判定処理の一例を説明するフローチャートである。 形状変位判定処理の結果出力されるデータの一例を示す図である。 第2実施例における下肢形状変化測定装置の計測部の一例を示す図である。 計測部制御処理の第1の例を説明するフローチャートである。 加速度データに基づく歩行周期の判定の一例を説明する図である。 角速度データに基づく下肢の姿勢の推定の一例を説明する図である。 被験者の歩行に伴う腰部の動揺の一例を説明する図である。 計測部制御処理の一例を説明するフローチャートである。 COPの一例を示す図である。 股関節の上下の動揺の一例を説明する図である。 股関節の可動軌跡の一例を説明する図である。 股関節の可動軌跡の一例を説明する図である。 足圧中心の位置になり得る円周の一例を説明する図である。
開示の下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムでは、計測部は、歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する向き測定部を有し、画像データ及び被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを出力する。形状算出部は、各時刻における計測データについて、画像データから算出した被験者の下肢の三次元形状のデータと、下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する。形状変位判定部は、過去に測定され記憶部に格納されているデータの対のうち、測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する。
以下に、開示の下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
図1は、第1実施例における下肢形状変化測定装置の一例を示すブロック図である。図1に示す下肢形状変化測定装置10は、計測部11、形状算出部12、形状データ蓄積部13、最適形状データ選出部14、及び形状変位判定部15を有する。
図2は、計測部11の一例を示す図である。図2に示す計測部11は、圧力計の一例である重心動揺計111、及び撮像部112−1,112−2を有する。重心動揺計111は、例えば複数の圧力センサがマトリクス状に配列された構成を有し、表面の圧力検知面111Aに対して垂直方向に印加される圧力を検知して、検知された圧力分布の特徴点の座標値と圧力値を示す圧力データを出力する周知の構成を有する。従って、被験者が重心動揺計111の圧力検知面111A上を歩行すると、被験者の足底(足の裏)圧力分布が計測される。被験者の足底の圧力分布を正確に計測できるように、被験者は好ましくは裸足で圧力検知面111A上を歩行するが、足底の圧力分布を検知できる程度であれば、靴下または履き物を履いていても良い。圧力検知面111Aの面積は、被験者が圧力検知面111A上で直立できる程度の面積より大きければ特に限定されず、被験者の歩行方向上の長さは、例えば被験者が圧力検知面111A上で一歩歩行できる程度の長さであっても、被験者が圧力検知面111A上を二歩以上歩行できる程度の長さであっても良い。
撮像部112−1,112−2は、プロジェクタ113及びカメラ114を含む同じ構成を有する。この例では、便宜上xyz座標系を用い、重心動揺計111の表面の圧力検知面111Aを地面と平行なxy平面上に設置し、撮像部112−1,112−2をy軸上の重心動揺計111の両側に設置する。被験者は、例えばx軸方向に歩行するものとし、撮像部112−1,112−2は重心動揺計111の圧力検知面111A上を歩行する被験者の下肢500を撮影可能なz軸上の高さ位置に設置する。プロジェクタ113は格子パターンを照射し、カメラ114は重心動揺計111の圧力検知面111A上を歩行する被験者の下肢500に投影されたプロジェクタ113からの照射格子パターンを撮影する。この例では、プロジェクタ113の光軸とカメラ114の光軸は一致せず、所定の角度(>0)をなす。従って、撮像部112−1のカメラ114は、被験者の下肢の右側画像を撮影して右側画像データを出力し、撮像部112−2のカメラ114は、被験者の下肢の左側画像を撮影して左側画像データを出力する。格子パターンは、下肢500の形状を測定するのに適していれば特に限定されず、この例では等間隔でxy平面と平行な線パターンである。計測部11が出力する計測データは、重心動揺計111が出力する圧力データと、撮像部112−1,112−2が出力する画像データを含む。撮像部112−1,112−2は、重心動揺計111が被験者が圧力検知面111A上を歩行する
なお、撮像部112−1,112−2の設置位置は、一定の距離を隔てて互いに対向していればy軸上でなくても良く、被験者の歩行の妨げにならない位置であれば良い。撮像部112−1,112−2の位置関係を一定に保てるように、撮像部112−1,112−2は例えば板状などのフレーム(図示せず)に固定されていることが好ましく、この場合、重心動揺計111は撮像部112−1,112−2のフレーム上に設置されても良い。
下肢形状変化測定装置10には時計(図示せず)が設けられており、重心動揺計111が圧力検知された圧力分布の特徴点の座標値(即ち、特徴点座標)を示す圧力データを出力する場合には、当該圧力分布の特徴点が検知された日時、時刻、検知時間(圧力が継続的に検知される期間)などの時間データと共に出力する。また、撮像部112−1,112−2が撮影した画像の右側画像データ及び左側画像データを出力する際には、これらの右側及び左側画像データが撮影された日時、時刻、検知時間(特徴点が継続的に検知された期間)などの時間データと共に出力される。計測部11の圧力データの出力タイミングと、撮像部112−1,112−2の画像データの出力タイミングは同期されており、この例では共通の時間データと計測部11及び撮像部112−1,112−2から出力されるデータを含む計測データが出力される。図3は、計測部11から出力される計測データの一例を示す図である。
重力動揺計111が出力する圧力データは、例えば図4に示すように、時間データ、圧力分布の特徴点の座標値、及び特徴点の圧力値を含んでも良い。この場合、図3に示す計測データは、特徴点座標に加え、図4に示す如き特徴点の圧力値(即ち、特徴点圧力)を含んでも良い。
図5は、重心動揺計111が計測した被験者の足底の圧力分布の一例を示す図である。図5中、(a)は被験者の左足底のかかと部分が重心動揺計111の圧力検知面111A上に着地した状態、(b)は被験者の左足底の略全体が重心動揺計111の圧力検知面111A上に着地した状態、(c)は被験者の左足底の五指部分が重心動揺計111の圧力検知面111A上に着地した状態、(d)は被験者の左足底の親指部分が重心動揺計111の圧力検知面111A上に着地した状態における被験者の足底の圧力分布を示す。なお、図5では説明の便宜上、被験者の足底の圧力分布を上方から透視した状態で示し、被験者の足底の各部の圧力は、圧力が高い程黒く示してある。図5中、(a)〜(d)は、重心動揺計111により一定時間毎に検知された状態である。また、図5中、Pは被験者の足底の圧力分布の中心、即ち、足底の圧力検知面111Aとの接地面の重心を示す。この重心Pは、圧力分布の特徴点の一例であり、図5に示す例では被験者がx軸方向に歩行するにつれてy軸方向及びz軸方向へ移動する。
図6は、撮像部112−2が撮影した被験者の下肢500の撮影画像の一例を示す図である。図6中、(a),(b),(c),(d)は、夫々図5中の(a),(b),(c),(d)の状態で撮像部112−1が撮影した被験者の左側の下肢500の左側画像である。撮像部112−1は、対象部位撮影部112−2と同様にして被験者の左側の下肢500を右側画像を撮影する。また、撮像部112−1は、上記と同様にして被験者の右側の下肢500を右側画像を撮影し、撮像部112−2は、上記と同様にして被験者の右側の下肢500を左側画像を撮影する。後述するように、撮像部112−1,112−2が撮影した下肢500の右側画像及び左側画像に基づいて、下肢500の太さなどの形状データを算出することができる。
図7は、コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。図7に示すコンピュータシステム20は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)21、記憶部22、入力部23、表示部24、及びインタフェース(I/F)25がバス26で接続された構成を有する。なお、コンピュータシステム20内の各部の接続は、図7に示すバス26による接続に限定されないことは言うまでもない。
CPU21は、コンピュータシステム20全体の制御を司り、プログラムを実行することで図1に示す計測部11の動作タイミングなどを制御する計測部制御処理を実行したり、図1に示す形状算出部12、形状データ蓄積部13、最適形状データ選出部14、及び形状変位判定部15などの機能を実現したりすることができる。CPU21は、下肢形状変化測定装置10の時計として機能する内部時計または内部タイマなどを含んでも良い。記憶部22は、CPU21が実行するプログラム、CPU21が実行する演算の中間結果、CPU21が実行するプログラム及び演算で用いるデータなどを格納する。記憶部22は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体で形成可能である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、半導体記憶装置であっても良い。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体などの場合、記憶部22はロードされた記録媒体に対して情報の読み書きを行うリーダ・ライタで形成可能である。入力部23は、キーボードなどで形成可能であり、コンピュータシステム20にコマンド、データなどを入力するのに用いられる。表示部24は、操作者へのメッセージ、下肢形状変化測定処理に関連したデータなどを表示する。I/F25は、計測部11を含む外部装置と有線または無線で通信可能である。
図8は、計測部制御処理の一例を説明するフローチャートである。図8に示す計測部制御処理は、例えばCPU21により実行できるが、計測部111内にプロセッサが設けられている場合にはこのプロセッサにより実行できる。図8において計測部制御処理が開始すると、ステップS11では重心動揺計111を起動し、ステップS12では計測対象となる被験者の被験者IDに対して新しい計測IDを採番する。次に、ステップS13〜S15を含む処理と、ステップS16〜S18を含む処理を並行して実行する。
ステップS13では、撮像部112−1,112−2を制御して、撮像部112−1のプロジェクタ113と撮像部112−2のプロジェクタ113から交互に格子パターンを照射させて、重心動揺計111の圧力検知面111A上を歩行する被験者の下肢500の右側と左側に交互に格子パターンを投影する。ステップS14では、撮像部112−1,112−2を制御して、撮像部112−1のカメラ114と撮像部112−2のカメラ114により交互に格子パターンを投影されている側の被験者の下肢500を撮影させる。このような格子パターンの交互の照射及び下肢500に投影された格子パターンの交互の撮影は、後述する三次元形状の算出精度を向上する観点からすると高速に行われること、即ち、格子パターンの交互の照射が略同時であり投影された格子パターンの交互の撮影が略同時であることが好ましい。ステップS15では、撮像部112−1,112−2のカメラ114から得られる右側画像データと左側画像データを対として採番した画像番号と共に、当該対を形成する右側画像データとその右側画像の撮影時刻、及び当該対を形成する左側画像データとその左側画像データの撮影時刻を記憶部22に格納する。
なお、撮像部112−1のプロジェクタ113とカメラ114が用いる波長帯と、撮像部112−2のプロジェクタ113とカメラ114が用いる波長帯とが異なるようにして、撮像部112−1,112−2による同時撮影時に対向する2つのカメラ114でのハレーションを防止するようにしても良い。
一方、ステップS16では、重心動揺計111が被験者の下肢500の足底の圧力を検知したか否かを判定する。ステップS16の判定結果がYESになると、ステップS17では、図5と共に説明したように、重心動揺計111が一定時間毎に計測した被験者の足底の圧力分布中の重心(中心)Pの座標(以下、「重心座標P」とも言う)を計測した時刻Tと共に記憶部22に格納する。ステップS18では、重心動揺計111で被験者の下肢500の足底の圧力が検知されないか否かを判定し、足底の圧力が検知され判定結果がNOであると処理はステップS16へ戻る。
ステップS13〜S15を含む処理及びステップS16〜S18を含む処理の終了後(ステップS18の判定結果がYESとなると)、処理はステップS19へ進む。ステップS19では、検知時間内に撮像部112−1,112−2のカメラ114が撮影した画像データを記憶部22に格納する。ステップS20では、被験者の左右の下肢500についての計測が終了すると重心動揺計111の動作を停止させ、処理は終了する。
各撮像部112−1,112−2において、プロジェクタ113の光軸とカメラ114の光軸は一致しないので、プロジェクタ113が照射して被験者の下肢500に投影された格子パターンをカメラ114で撮影することで、下肢500の表面形状に応じて格子パターンが変形する。そこで、変形する格子パターンの撮影画像を解析することで、下肢500の対象部位(即ち、格子パターンが投影された部位)の三次元形状を算出することができる。また、下肢500の対象部位の三次元形状の変化を算出することもできる。このような三次元形状の算出及び三次元形状の変化の算出には、周知の手法や方法を用いることができる。つまり、下肢500の対象部位の三次元形状は、三角測量を応用した周知の光学的な三次元計測手法及び計算方法を用いて算出することができる。
例えば、カメラ114が撮影した、被験者の下肢500に投影された格子パターンの撮影画像から、周知の光学的な三次元計測手法を用いて格子パターンが投影された部位の三次元位置座標を算出できる。算出された三次元位置座標を結んだ線分のうち、等高線の山を結んだ図9中太線で示す線分を下肢500の稜線510とみなす。稜線510は、被験者の下肢(または、脚部)姿勢を表すパラメータの1つとして利用できる。図9は、下肢500の稜線510を説明する斜視図である。また、稜線510に基づき、下肢500の姿勢の一例である下肢500の向きを求める。この例では、下肢500の向きとは、つま先の向きQであり、被験者が重心動揺計111のx軸方向に沿って歩行する場合、図10に示すように下肢500の稜線510が圧力検知面111Aに対して垂直(即ち、地面と垂直なz軸方向)に延びる状態では、x軸方向である。図10は、つま先の向きQを説明する図である。下肢500の稜線510が圧力検知面111Aに対してxz平面上でz軸からある角度(>0)傾いた状態では、つま先の向きQはxz平面上で同様に傾く。そこで、例えば図11中、(a)に示すような下肢500の稜線510がz軸に対して角度α傾斜している状態で撮影された格子パターンの撮影画像から算出した格子パターンが投影された部位の三次元位置座標は、(b)に示すような下肢500の稜線510がz軸と平行な状態まで角度α回転させた場合の三次元位置座標に変換する。図11は、下肢500の三次元位置座標の変換を説明する図である。そして、つま先の向きQがx軸方向から傾斜している下肢500の変換後の三次元位置座標を用いて、三次元位置座標を結んだ線分のうち、xy平面に対して平行となる線分を選択して対応する下肢500の部位の周径(または、周囲)を算出する。
カメラ114が撮影した撮影画像では、図12に示すように、下肢500の太線で示す部分に撮影範囲の限界のため視野境界520が発生する。図12は、視野境界520説明する斜視図である。このような視野境界520は、撮像部112−1,112−2のいずれのカメラ114が撮影した撮影画像にも同様に発生する。そこで、視野境界520については、視野境界520と隣り合う画素の位置座標を用いた周知の線形補間などを用いることで、視野境界520の部分で欠落している画像データを補間しても良い。このような補間を行うことで、形状算出精度が向上する。補間で用いる視野境界520と隣り合う画素は、両方の撮像部112−1,112−2のカメラ114で撮影した撮影画像の画素を利用しても良い。なお、図12において、118は撮像部112−1,112−2が固定されるフレームを示す。
図13は、形状算出部12が実行する形状算出処理の一例を説明するフローチャートである。図13に示す形状算出処理は、例えばCPU21により実行できる。形状算出処理は、被験者の左右の下肢500に対して同様に実行できるので、以下の説明では一方の下肢500に対する形状算出処理を説明する。この例では、例えば図12において撮像部112−1から撮像部112−2の方向を見た場合、左方向はx軸方向の正の値、右方向はx軸方向の負の値、手前方向はy軸方向の正の値、奥行き方向はy軸方向の負の値、上方向はz軸方向の正の値、下方向はz軸方向の負の値であるものとする。
図13において形状算出処理が開始すると、ステップS21では、撮像部112−1,112−2のカメラ14から出力される対の右側画像データ及び左側画像データから、被験者の下肢500の画像を含む画像データを抽出する。下肢500の画像を含む画像データは、例えば肌色の画像を含む画像データを抽出したり、画像全体の明るさと閾値との比較などに基づいて抽出することが可能である。ステップS22では、画像の縦方向(即ち、z軸方向)の画素数をカウントするカウンタ(i)に「0」を代入する。ステップS23では、画像の下端からi行目の一列分を選択して当該一列分の明るさLを算出する。画像の一列分の明るさLは、例えば一列に含まれる画素の明るさの平均値であっても良い。ステップS24では、画像にi+1行目が存在するか否かを判定し、判定結果がNOであれば処理は後述するステップS27へ進む。
一方、ステップS24の判定結果がYESであると、ステップS25では、Li+1>Lであるか否かを判定し、判定結果がYESであると処理はステップS24へ戻る。ステップS25の判定結果がNOであると、ステップS26では、i行目に含まれる全画素について周知の光学的な三次元計測手法を用いて三次元位置座標(C)を算出し、行数iと共に記憶部22に格納し、処理はステップS24へ戻る。
このようにして、上下の列と比較して最も暗い行がある場合、その行に含まれる全ての画素について周知のパターン投影法を用いて三次元空間上の位置座標(即ち、三次元位置座標(C))を算出し、その時の行数(i)と共に格納する。また、抽出した画像の全ての行に対して上記の処理を行うことで、最も暗い行の三次元位置座標を算出する。
ステップS27では、カウンタ(k)に「1」を代入し、ステップS28では、i=k行の三次元位置座標があるか否かを判定する。ステップS28の判定結果がNOであると、ステップS29では、kをk=k+1にインクリメントし、処理はステップS28へ戻る。一方、ステップS28の判定結果がYESであると、ステップS30では、i行の三次元位置座標を抽出する。ステップS31では、算出した三次元位置座標のうち、y座標の値が最大となる頂点の画素を選択する。ステップS32では、全ての行について頂点を選択したか否かを判定し、判定結果がNOであると処理はステップS28へ戻る。
ステップS32の判定結果がYESであると、ステップS33では、下肢500の稜線510のz軸に対する傾き角度(α)を算出する。ステップS34では、傾き角度(α)に基づいて、下肢500の稜線510がz軸と平行な状態まで角度α回転させた場合の三次元位置座標(C')を算出する。ステップS35では、対の右側画像データ及び左側画像データが表す各画像の変換後の三次元位置座標(C')に基づき、重心動揺計111の圧力検知面111A(即ち、xy平面)からのz軸方向上の高さ位置毎にxy平面と平行な面で測定した下肢500の周径R(または、周囲)を算出する。ステップS36では、全ての対の画像について下肢500の周径R(または、周囲)を算出したか否かを判定し、判定結果がNOであると処理はステップS21へ戻り、判定結果がYESであると処理は終了する。
図14は、形状算出処理により算出され、例えば記憶部22に格納されるデータの一例の一部を示す図である。図14に示す例では、形状算出処理の結果は、例えば日時、下肢500のx軸に対する向き、変換後の稜線510の回転角度などに加え、各変換後の稜線510の回転角度についてxy平面からの高さと下肢500の周径Rなどを含む。
図15は、形状データ蓄積処理の一例を説明するフローチャートである。図15に示す形状データ蓄積処理は、例えばCPU21により実行できる。図15において、形状データ蓄積処理が開始すると、ステップS41では、ステップS42において操作者または被験者が入力部23から入力した当該被験者の被験者IDに加え、この被験者IDに対して採番された計測ID、画像データ、画像データの撮影時刻、傾き角度(α)に基づいて下肢500の稜線510がz軸と平行な状態まで角度α回転させた場合の三次元位置座標(C')、xy平面からの高さ位置毎の周径R、特徴点座標である重心座標P、計測時刻Tなどを、例えば記憶部22内の形状蓄積データベース(DB:Data-Base)に格納する。ステップS43では、計測IDについて足底の圧力分布の特徴点を結合して得られる特徴点の軌跡を算出し、例えば記憶部22に格納する。この例では、ステップS43では、計測IDについて例えば図6中(a)〜(d)に示す如き重心座標Pを結合して得られる重心の軌跡V(以下、「足圧の軌跡」とも言う)を算出し、計測IDと組で、例えば記憶部22内の足圧軌跡データベース(DB)に格納し、処理は終了する。
図16は、形状データ蓄積処理の結果、例えば記憶部22に格納されるデータの一例の一部を示す図である。図16に示す例では、形状データ蓄積処理の結果は、例えば日時、時刻、検知時間、足圧の軌跡V上の足圧座標、変換後の稜線510の回転角度などに加え、各変換後の稜線510の回転角度についてxy平面からの高さと下肢500の周径などを含む。
図17は、最適形状データ選出処理の一例を説明するフローチャートである。図17に示す最適形状データ選出処理は、例えばCPU21により実行できる。図17において、最適形状データ選出処理が開始すると、ステップS51では、同一計測IDで傾き角度(α)が「0」である画像データ(X)を最適形状データとして選出し、例えば記憶部22内の形状蓄積DBに格納し、処理は終了する。なお、α=0である画像データが存在しない場合には、αが最小の画像データを最適形状データとして選出すれば良い。
図18は、形状変位判定処理の一例を説明するフローチャートである。図18に示す形状変位判定処理は、例えばCPU21により実行できる。図18において、形状変位判定処理が開始すると、ステップS61では、足圧軌跡DBから足圧軌跡Vを抽出し、ステップS62では、足圧軌跡Vが一致、且つ、被験者IDが一致する計測IDのデータD'を形状蓄積DBから抽出する。ステップS63では、データD'にα=0の画像データX'(α0)が存在するか否かを判定する。ステップS63の判定結果がNOであると、ステップS64では、データD'から傾き角度(α)がz軸と平行に近い画像、即ち、αが最小の画像を抽出してX'(α0)とみなす。ステップS64の後、または、ステップS63の判定結果がYESであると、ステップS65では、データD'から画像データX'(α0)のときの周径R(X'(α0))を抽出する。ステップS66では、xy平面からの高さhにh=0を代入し、ステップS67では、画像データX(α0)と画像データX'(α0)の高さhで周径差があるか否かを判定し、判定結果がNOであると処理は終了する。
一方、ステップS67の判定結果がYESであると、ステップS68では、高さhの上下の所定範囲内においても周径差があるか否かを判定し、判定結果がNOであると処理はステップS67へ戻る。ステップS68の判定結果がYESであると、ステップS69では、高さhの周径Rに変化箇所有り、即ち、過去に同様の条件下で計測した高さhの周径Rから変位が有ると判定し、処理は終了する。
このようにして、重心動揺計111の圧力検知面111A(即ち、xy平面)からの高さhの値を0から増加させていき、画像データX(α0)と画像データX'(α0)で周径差がある場合には、高さhの上限の所定範囲(例えば、3mm)内においても周径差があればこの高さhの周径Rに変位が有ると判定する。
図19は、形状変位判定処理の結果出力されるデータの一例を示す図である。図19に示す例では、形状変位判定処理の結果は、例えばxy平面からの高さhと、周径Rの変位などを含む。周径Rの変位は、例えば負の値であれば周径Rの減少、正の値であれば周径Rの増加を表す。形状変位判定処理の結果は、例えば表示部24に出力されて表示されても良く、プリンタ(図示せず)により出力しても良く、I/F25を介して外部装置へ送信しても良い。また、形状変位判定処理の結果は、例えば記憶部22に格納されても良い。例えば、周径Rの変化(または、差)が閾値を超えると、表示部24に警告メッセージを表示しても良く、下肢500のある部位の周径Rの変化(または、差)が閾値を超えると、例えば当該部位の病歴と共に記憶部22に格納しても良い。また、これらの閾値は、下肢500の部位毎に設定されていても良い。
上記実施例によれば、被験者の下肢形状の変化を正確に測定することができる。また、下肢形状の変化を正確に測定できるので、下肢の筋力量または筋力の変化(例えば、下肢のむくみ)なども正確に検知できる。さらに、被験者の下肢形状を測定する際、被験者を静止させたり、毎回同じ姿勢を取らせることはないので、被験者への負荷が抑えられる。被験者の下肢を撮影する場合、被験者は例えばふくらはぎが露出する検診衣など着用していれば良いため、この点でも被験者への負荷を抑えられる。また、CT、MRIなどの規模が大きく高価な測定装置を用いることなく、且つ、操作者への負荷も抑えられる。
さらに、上記実施例によれば、撮影した被験者の下肢の撮影画像のうち、足底の圧力分布の特徴点、例えば、重心が同じか類似している(即ち、重心の差が閾値以下である)状態で撮影された撮影画像から算出された三次元形状を比較するので、測定条件の再現性が良い。
被験者の下肢姿勢の一例である下肢の向き(上記の例ではつま先の向き)は、被験者の足底の圧力分布の特徴点、或いは、足圧の軌跡(即ち、足底の圧力分布の特徴点を結合して得られる特徴点の軌跡)に基づき、例えばCPU21により求めることができる。この場合、重心動揺計111及びコンピュータシステム20(具体的には、CPU21)は、被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部の一例を形成可能である。また、図9と共に説明した例のように下肢500の稜線510を用いて被験者の下肢姿勢を求める場合、重心動揺計111、撮像部112−1,112−2及びコンピュータシステム20(具体的には、CPU21)は、被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部の一例を形成可能である。
なお、後述するように、被験者の下肢に加速度センサ及び被験者の腰部に角速度センサなどを装着させるなどして、三次元形状計測時の被験者の下肢姿勢の一例である下肢の向きをセンサ出力に基づいて判定し、この下肢姿勢に基づいて最適形状データ選出処理を実行するようにしても良い。
次に、本発明の第2実施例について説明する。図20は、第2実施例における下肢形状変化測定装置の計測部の一例を示す図である。図20中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図20に示す実施例では、重心動揺計111は設けられず、被験者の下肢500の加速度を検知する加速度センサ115が下肢500に装着され、被験者の腰部の角速度を検知する角速度センサ116が腰部(図示せず)に装着される。センサ115は、例えば下肢500の足首付近にベルトなどで装着され、角速度センサ116は、例えば被験者の腰部にベルトなどで装着される。加速度センサ115は、検知した加速度を示す加速度データを出力する周知の構成を有し、角速度センサ116は、検知した角速度を示す角速度データを出力する周知の構成を有する。センサ115,116は、無線通信により加速度データ及び角速度データを下肢形状変化測定装置10に入力する。各センサ115,116は、例えば図7に示すコンピュータシステム20のI/F25と無線通信可能な周知の構成を有する。図20において、555は地面(または、床)の一部を示す。
図21は、計測部制御処理の第1の例を説明するフローチャートである。図21中、図8と同一ステップには同一符号を付し、その説明は省略する。図21において計測部制御処理が開始すると、ステップS11Aでは、センサ115,116がオンにされる。ステップS12で計測対象となる被験者の被験者IDに対して新しい計測IDを採番すると、ステップS13〜S15を含む処理と、ステップS116〜S119を含む処理を並行して実行する。
ステップS116では、被験者が撮像部112−1,112−2の間を歩行する際に加速度センサ115から出力される加速度データを、歩行状態の区間の加速度データとして抽出する。ステップS117では、下肢500における加速度センサ115の装着位置を、歩行時の進行方向及び重力方向の加速度データの変化に基づいて推定する。ステップS118では、被験者の歩行時の2軸の加速度データの極大点と極小点の変位から歩行の周期を判定する。ステップS119では、歩行の周期と角速度センサ116から出力される角速度データに基づき、下肢500の姿勢の一例である下肢500の向き(例えば、つま先の向き)を推定する。
人間は、直立姿勢では常に僅かな動揺を繰り返しながら動的平衡を維持することが知られている。この動揺を身体重心の移動として前後左右上下の各方向から計測し、モーメント(体重に距離を乗じた値)、或いは、移動距離として測定される値が、重心動揺である。
歩行周期は、例えば荷重の受け継ぎ期間、単脚支持期間、及び遊脚肢の前方への動き期間に分けられることが知られている。荷重の受け継ぎ期間は、腫接地が生じる初期接地(または、イニシャルコンタクト)と、足底接地が生じる荷重応答期(または、ローディングレスポンス)を含む。単脚支持期間は、立脚中期(または、ミッドスタンス)と、腫離地が生じる立脚終期(または、ターミナルスタンス)を含む。遊脚肢の前方への動き期間は、つま先離地が生じる前遊脚期(または、プレイスイング)と、加速期である遊脚初期(または、イニシャルスイング)と、遊脚中期(または、ミッドスイング)と、減速期間である遊脚終期(または、ターミナルスイング)を含む。
そこで、ステップS118では、加速度センサ115から出力される歩行状態の区間の足首の加速度データから、歩行周期が「腫接地」〜「腫離地」のうちどの歩行周期に該当しているかを判定し、ステップS119では、角速度センサ116から出力される角速度データが示す腰部の角速度から足の向きを判定する。
人間は、単脚支持期のときに体が伸び上がるため、身体重心の位置も高くなる。一方、両脚支持期のときには身体重心の位置が最も低くなる。従って、身体重心の位置の変化は、重力方向の加速度、即ち、Z軸方向の加速度から判定可能である。
図22は、加速度データに基づく歩行周期の判定の一例を説明する図である。図22中、(a)は加速度センサを被験者の腹部に装着した場合の加速度の一例を示し、(b)は加速度センサを被験者の脹脛外側部に装着した場合の加速度の一例を示す。図22中、縦軸は振幅を任意単位で示し、横軸は時間を任意単位で示す。また、被験者の進行方向に相当するX軸方向の加速度は実線、被験者の進行方向に対する左右方向に相当するY軸方向の加速度は一点鎖線、被験者の進行方向に対する上下方向に相当するZ軸方向の加速度は二点鎖線で示す。さらに、図22中、(a)の上部には、対応する加速度データが得られた時点における被験者の下肢500の画像データを示し、単脚支持期のZ軸方向の加速度がAminで示すように最小になることがわかる。
図23は、角速度データに基づく下肢の姿勢の推定の一例を説明する図である。図23中、(a)は加速度センサを被験者の脹脛外側部に装着した場合の加速度の一例を示し、(b)は角速度センサを被験者の脹脛外側部に装着した場合の角速度の一例を示す。図23中、縦軸は振幅を任意単位で示し、横軸は時間を任意単位で示す。また、被験者の進行方向に相当するX軸方向の加速度及び角速度は実線、被験者の進行方向に対する左右方向に相当するY軸方向の加速度及び角速度は一点鎖線、被験者の進行方向に対する上下方向に相当するZ軸方向の加速度及び角速度は二点鎖線で示す。この例では、被験者のZ軸方向の角速度はゼロ(0)、即ち、骨盤に対してニュートラルである。
図24は、被験者の歩行に伴う腰部の動揺の一例を説明する図である。図24は、被験者の下半身の平面を模式的に示す。被験者がX軸方向に歩行すると、腰部を形成する骨盤が図24中矢印で示す時計方向及び反時計方向(図示せず)に動揺する。骨盤が動揺すると、立脚中期の状態MStに対して立脚終期の状態TStと遊脚終期の状態TSwとの間で例えば合計10°の範囲で動揺する。
従って、図23中(b)に示すように、角速度データから被験者の足を蹴り出す動作、足を内側に捩る動作などを判定し、下肢500の姿勢の一例である下肢500の向きを推定することができる。
図21の説明に戻るに、ステップS13〜S15を含む処理及びステップS116〜S119を含む処理の終了後、処理はステップS19へ進む。ステップS19で検知時間内に撮像部112−1,112−2のカメラ114が撮影した画像データを記憶部22に格納すると、ステップS20Aでは、センサ115をオフにし、処理は終了する。
図25は、計測部制御処理の第2の例を説明するフローチャートである。図25中、図21と同一ステップには同一符号を付し、その説明は省略する。ステップS12で計測対象となる被験者の被験者IDに対して新しい計測IDを採番すると、ステップS13〜S15を含む処理と、ステップS126〜S131を含む処理を並行して実行する。
ステップS126では、被験者が撮像部112−1,112−2の間を歩行する際に加速度センサ115から出力される加速度データを、歩行状態の区間の加速度データとして抽出する。ステップS127では、下肢500におけるセンサ115の装着位置を、歩行時の進行方向及び重力方向の加速度データの変化に基づいて推定する。ステップS128では、単脚支持期間の下肢500が写っている画像データから初期位置を設定する。具体的には、ステップS128では、被験者の足が真っ直ぐになり重力方向の加速度データが最小のときの画像データから、初期位置を設定する。ステップS129では、加速度センサ115から出力される加速度データから股関節が描く身体重心(COG)の位置を計算により推定する。ステップS130では、推定した股関節が描く身体重心(COG)の位置に、入力部23から入力されるか、或いは、記憶部22に格納されている、被験者の足長Lと、加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度θを用いて、Ltanθで描く範囲CLtanθを計算する。そして、ステップS130では、重力方向の加速度データが最小のときの範囲CLtanθとなる接線を通る軌跡を通過する点が足圧中心(COP)であるとみなすことで足圧中心(COP)を推定する。足圧中心(COP)の推定の詳細については後述する。ステップS131では、足圧中心(COP)と角速度センサ116から出力される角速度データに基づき、下肢500の姿勢の一例である下肢500の向き(例えば、つま先の向き)を推定する。
人間の身体重心(COG:Center Of Gravity)は、股関節、骨盤、及び体幹による重心を指し、人間の足圧中心(COP:Center Of Pressure)は、足関節、足部による足圧の中心を指す。人間の完全な静止立位では、COGの真下にCOPが位置し、COGとCOPの位置関係が水平面上で一致しない場合には、身体には回転トルクが生じることが知られている。歩行時のCOPのベクトルの先は身体重心の位置ではなく、股関節の位置であるため、歩行時はCOGを地面に下ろした点とCOPの位置関係は一致しない。
そこで、第2の例では、被験者の歩行時の加速度からCOPが描く軌跡を推定し、記憶部22に格納された過去の同じ軌跡のデータを検索し、同じ下肢の姿勢の画像データを抽出して現在の画像データと比較することで、下肢の三次元形状の変位を判定する。
なお、同じ足の姿勢の場合、同じ位置にCOPが位置するときには、足の力の入り方(即ち、筋肉の伸縮具合)は近似していると仮定することができる。図26はCOPの一例を示す図であり、図26に示すように、COPは股関節HPから足底に伸ばした仮想直線VLと地面Gとの交点である。
COPは、例えば次のように推定することができる。先ず、足の加速度から得られる動揺軌跡は、股関節の可動軌跡をXY平面で形成される地面Gに写像したものであると仮定して、加速度データから股関節の可動軌跡を計算する。次に、歩行時の股関節は、図24と共に説明したように前後左右に、即ち、XY平面と平行な方向で合計10°の範囲で動揺する。また、歩行時の股関節は、図27に示すように、上下に、即ち、YZ平面と平行な方向に例えば4°〜7°の範囲で動揺する。このため、角速度データから歩行時の股関節の三次元空間の位置を推定する。図27は、股関節の上下の動揺の一例を説明する図である。
図28及び図29は、股関節の可動軌跡の一例を説明する図である。図28は、左下肢を進行方向の一例であるX軸方向(即ち、YZ平面と垂直な方向)から見た図であり、図29は、左下肢をY軸方向(即ち、XZ平面と垂直な方向)から見た図である。図28及び図29では、左足つま先の甲部311、左足の親指312、及び左足の小指を313を便宜上示す。股関節の位置は、千鳥模様付きの○印で示し、股関節の可動軌跡を破線で示す。図28及び図29に示すように、歩行周期に従って股関節の位置が、腫接地ICの時の足、立脚中期MStの時の足、及び立脚終期TStの時の足の姿勢に応じて破線で示す可動軌跡上を移動する。
なお、歩行周期は、腰部の角速度から推定できるが、上記の第1の例の場合のように、下肢(例えば、足首)の加速度から推定しても良い。
図30は、足圧中心の位置になり得る円周の一例を説明する図である。図30は、便宜上、被験者の右足について足圧中心(COP)を求める場合を示す。股関節の位置は、千鳥模様付きの○印で示す。また、IC,MSt、TStは、夫々腫接地ICの時、立脚中期MStの時、及び立脚終期TStの時の股関節の位置を示す。矢印で示す進行方向は、例えばX軸方向である。
推定した股関節が描く身体重心(COG)の位置に、入力されるか、或いは、格納されている、被験者の足長Lと、加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度θを用いて、Ltanθで描く範囲CLtanθを計算し、重力方向の加速度データが最小のときの範囲CLtanθとなる接線を通る軌跡を通過する点が足圧中心(COP)であるとみなすことで足圧中心(COP)を推定する。図30の例では、重力方向の加速度データが最小のときの範囲CLtanθとなる接線を通る軌跡は、円周である。
図25の説明に戻るに、ステップS13〜S15を含む処理及びステップS126〜S131を含む処理の終了後、処理はステップS19へ進む。ステップS19で検知時間内に撮像部112−1,112−2のカメラ114が撮影した画像データを記憶部22に格納すると、ステップS20Aでは、センサ115をオフにし、処理は終了する。
これにより、本実施例では、形状変位判定部15は、過去に測定され記憶部22に格納されているデータの対のうち、測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する。
なお、下肢の向きは、角速度センサ116を腰部ではなく足首に装着することで、角速度データに基づいて推定するようにしても良い。この場合、加速度センサ115と角速度センサ116は、これらのセンサ115,116が一体的に設けられたセンサユニットで形成可能である。
本実施例の場合、センサ115及びコンピュータシステム20(具体的には、CPU21)は、被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部の一例を形成可能である。本実施例のように、三次元形状計測時の被験者の下肢姿勢の一例である下肢の向きをセンサ115の出力データに基づいて判定し、この下肢姿勢に基づいて最適形状データ選出処理を実行する場合、被験者の足圧を直接測定しなくても良いため、重心動揺計を省略可能である。また、重心動揺計を設けない場合、被験者が歩行する際に、足を着地させる位置が重心動揺計の圧力検知面上に限定されない。このため、下肢形状変化測定装置の構成を簡略化可能となり、被験者への負荷が抑えられる。
なお、被験者が撮像部112−1,112−2間を歩行する際に、例えば地面に書かれた矢印に沿って歩行するような場合、図9と共に説明したように下肢500の稜線510から求めた被験者の下肢の向きを下肢姿勢の一例として用いても良い。この場合、撮像部112−1,112−2及びコンピュータシステム20(具体的には、CPU21)は、被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部の一例を形成可能である。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有し、前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを出力する計測部と、
各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出部と、
過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定部
を備えたことを特徴とする下肢形状変化測定装置。
(付記2)
前記撮像部は、前記被験者の下肢を前記被験者の歩行時に対向する位置から撮影し、夫々から前記下肢の一方面についての画像データを出力する一対の撮像部を有することを特徴とする、付記1記載の下肢形状変化測定装置。
(付記3)
前記測定部は、前記被験者の足底の圧力を計測して圧力データを出力する圧力計を有し、
前記計測部は、前記圧力データから算出した前記被験者の足底の圧力分布の特徴点及び前記画像データを含む計測データを出力し、
前記形状算出部は、各時刻における前記計測データについて、前記被験者の足底の圧力分布の特徴点と、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータとを対で前記記憶部に格納し、
前記形状変位判定部は、過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の圧力分布の特徴点との差が閾値以下の特徴点と対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定することを特徴とする、付記1または2記載の下肢形状変化測定装置。
(付記4)
前記被験者の足底の圧力分布の特徴点は、前記圧力分布の重心であることを特徴とする、付記3記載の下肢形状変化測定装置。
(付記5)
前記形状算出部は、前記被験者の下肢が地面に対する垂線から傾斜している状態の画像データの三次元位置座標を、前記垂線と平行な状態まで回転させた三次元位置座標に変換してから前記被験者の下肢の三次元形状のデータを算出することを特徴とする、付記3または4記載の下肢形状変化測定装置。
(付記6)
前記計測データのうち、前記被験者の下肢が地面に対する垂線と平行な状態の画像データを選出して最適形状データとして前記記憶部に格納する最適形状データ選出部
をさらに備えたことを特徴とする、付記3乃至5のいずれか1項記載の下肢形状変化測定装置。
(付記7)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測部は、前記被験者の歩行時の2軸の加速度データの極大点と極小点の変位から歩行の周期を判定し、前記歩行の周期と前記角速度データに基づき前記下肢の姿勢を推定し、前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記1または2記載の下肢形状変化測定装置。
(付記8)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測部は、前記加速度データから前記被験者の股関節が描く身体重心の位置を計算により推定し、前記身体重心の位置に前記被験者の足長と加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度とを用いて描く範囲を計算し、前記重力方向の加速度データが最小のときの前記範囲となる接線を通る軌跡を通過する点から足圧中心を推定し、前記足圧中心前記角速度データに基づき前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記1または2記載の下肢形状変化測定装置。
(付記9)
前記センサは、前記被験者の足首付近に装着される加速度センサと、前記被験者の腰部に装着される角速度センサを含むことを特徴とする、付記7または8記載の下肢形状判定装置。
(付記10)
前記形状変位判定部は、比較した三次元形状データの差が閾値を超えると表示部にメッセージを表示することを特徴とする、付記1乃至9のいずれか1項記載の下肢形状変化判定装置。
(付記11)
歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有する計測部からの前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを取得する計測手順と、
各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出手順と、
過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定手順
を含むことを特徴とする下肢形状変化測定方法。
(付記12)
前記計測手順は、前記撮像部に、前記被験者の下肢を前記被験者の歩行時に対向する位置から撮影し、夫々から前記下肢の一方面についての画像データを出力する一対の撮像部を用いることを特徴とする、付記11記載の下肢形状変化測定方法。
(付記13)
前記測定部は、前記被験者の足底の圧力を計測して圧力データを出力する圧力計を有し、
前記計測手順は、前記圧力データから算出した前記被験者の足底の圧力分布の特徴点及び前記画像データを含む計測データを出力し、
前記形状算出手順は、各時刻における前記計測データについて、前記被験者の足底の圧力分布の特徴点と、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータとを対で前記記憶部に格納し、
前記形状変位判定手順は、過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の圧力分布の特徴点との差が閾値以下の特徴点と対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定することを特徴とする、付記12または13記載の下肢形状変化測定方法。
(付記14)
前記被験者の足底の圧力分布の特徴点は、前記圧力分布の重心であることを特徴とする、付記13記載の下肢形状変化測定方法。
(付記15)
前記形状算出手順は、前記被験者の下肢が地面に対する垂線から傾斜している状態の画像データの三次元位置座標を、前記垂線と平行な状態まで回転させた三次元位置座標に変換してから前記被験者の下肢の三次元形状のデータを算出することを特徴とする、付記13または14記載の下肢形状変化測定方法。
(付記16)
前記計測データのうち、前記被験者の下肢が地面に対する垂線と平行な状態の画像データを選出して最適形状データとして前記記憶部に格納する最適形状データ選出手順
をさらに含むことを特徴とする、付記13乃至15のいずれか1項記載の下肢形状変化測定方法。
(付記17)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測手順は、前記被験者の歩行時の2軸の加速度データの極大点と極小点の変位から歩行の周期を判定し、前記歩行の周期と前記角速度データに基づき前記下肢の姿勢を推定し、前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記12または13記載の下肢形状変化測定方法。
(付記18)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測手順は、前記加速度データから前記被験者の股関節が描く身体重心の位置を計算により推定し、前記身体重心の位置に前記被験者の足長と加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度とを用いて描く範囲を計算し、前記重力方向の加速度データが最小のときの前記範囲となる接線を通る軌跡を通過する点から足圧中心を推定し、前記足圧中心前記角速度データに基づき前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記12または13記載の下肢形状変化測定方法。
(付記19)
前記センサは、前記被験者の足首付近に装着される加速度センサと、前記被験者の腰部に装着される角速度センサを含むことを特徴とする、付記17または18記載の下肢形状判定方法。
(付記20)
前記形状変位判定手順は、比較した三次元形状データの差が閾値を超えると表示部にメッセージを表示することを特徴とする、付記12乃至19のいずれか1項記載の下肢形状変化判定方法。
(付記21)
コンピュータに被験者の下肢の形状変化を測定させる処理を実行させるプログラムであって、
歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有する計測部からの前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを取得する計測手順と、
各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出手順と、
過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定手順
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記22)
前記計測部からの画像データは、前記被験者の下肢を前記被験者の歩行時に対向する位置から撮影し、夫々から前記下肢の一方面についての画像データを出力する一対の撮像部から出力されたものであることを特徴とする、付記21記載のプログラム。
(付記23)
前記測定部は、前記被験者の足底の圧力を計測して圧力データを出力する圧力計を有し、
前記計測手順は、前記圧力データから算出した前記被験者の足底の圧力分布の特徴点及び前記画像データを含む計測データを出力し、
前記形状算出手順は、各時刻における前記計測データについて、前記被験者の足底の圧力分布の特徴点と、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータとを対で前記記憶部に格納し、
前記形状変位判定手順は、過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の圧力分布の特徴点との差が閾値以下の特徴点と対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定することを特徴とする、付記21または22記載のプログラム。
(付記24)
前記被験者の足底の圧力分布の特徴点は、前記圧力分布の重心であることを特徴とする、付記23記載のプログラム。
(付記25)
前記形状算出手順は、前記被験者の下肢が地面に対する垂線から傾斜している状態の画像データの三次元位置座標を、前記垂線と平行な状態まで回転させた三次元位置座標に変換してから前記被験者の下肢の三次元形状のデータを算出することを特徴とする、付記23または24記載のプログラム。
(付記26)
前記計測データのうち、前記被験者の下肢が地面に対する垂線と平行な状態の画像データを選出して最適形状データとして前記記憶部に格納する最適形状データ選出手順
を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする、付記23乃至25のいずれか1項記載のプログラム。
(付記27)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測手順は、前記被験者の歩行時の2軸の加速度データの極大点と極小点の変位から歩行の周期を判定し、前記歩行の周期と前記角速度データに基づき前記下肢の姿勢を推定し、前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記21または22記載のプログラム。
(付記28)
前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
前記計測手順は、前記加速度データから前記被験者の股関節が描く身体重心の位置を計算により推定し、前記身体重心の位置に前記被験者の足長と加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度とを用いて描く範囲を計算し、前記重力方向の加速度データが最小のときの前記範囲となる接線を通る軌跡を通過する点から足圧中心を推定し、前記足圧中心前記角速度データに基づき前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、付記21または22記載のプログラム。
(付記29)
前記センサは、前記被験者の足首付近に装着される加速度センサと、前記被験者の腰部に装着される角速度センサを含むことを特徴とする、付記27または28記載の下肢形状判定方法。
(付記30)
前記形状変位判定手順は、比較した三次元形状データの差が閾値を超えると表示部にメッセージを表示することを特徴とする、付記21乃至29のいずれか1項記載のプログラム。
以上、開示の下肢形状変化測定装置、方法及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
10 下肢形状変化測定装置
11 計測部
12 形状算出部
13 形状データ蓄積部
14 最適形状データ選出部
15 形状変位判定部
20 コンピュータシステム
21 CPU
22 記憶部
111 重心動揺計
111A 圧力検知面
112−1,112−2 撮像部
113 プロジェクタ
114 カメラ
115 加速度センサ
116 角速度センサ

Claims (7)

  1. 歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有し、前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを出力する計測部と、
    各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出部と、
    過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定部
    を備えたことを特徴とする下肢形状変化測定装置。
  2. 前記測定部は、前記被験者の足底の圧力を計測して圧力データを出力する圧力計を有し、
    前記計測部は、前記圧力データから算出した前記被験者の足底の圧力分布の特徴点及び前記画像データを含む計測データを出力し、
    前記形状算出部は、各時刻における前記計測データについて、前記被験者の足底の圧力分布の特徴点と、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータとを対で前記記憶部に格納し、
    前記形状変位判定部は、過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の圧力分布の特徴点との差が閾値以下の特徴点と対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定することを特徴とする、請求項1記載の下肢形状変化測定装置。
  3. 前記被験者の足底の圧力分布の特徴点は、前記圧力分布の重心であることを特徴とする、請求項2記載の下肢形状変化測定装置。
  4. 前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
    前記計測部は、前記被験者の歩行時の2軸の加速度データの極大点と極小点の変位から歩行の周期を判定し、前記歩行の周期と前記角速度データに基づき前記下肢の姿勢を推定し、前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、請求項1記載の下肢形状変化測定装置。
  5. 前記測定部は、前記被験者に装着され前記下肢の加速度を示す加速度データ及び検知した角速度を示す角速度データを出力するセンサを有し、
    前記計測部は、前記加速度データから前記被験者の股関節が描く身体重心の位置を計算により推定し、前記身体重心の位置に前記被験者の足長と加速度データから計算される足と重力方向とのなす角度とを用いて描く範囲を計算し、前記重力方向の加速度データが最小のときの前記範囲となる接線を通る軌跡を通過する点から足圧中心を推定し、前記足圧中心前記角速度データに基づき前記被験者の下肢の姿勢データ及び前記画像データを含む計測データを出力することを特徴とする、請求項1記載の下肢形状変化測定装置。
  6. 歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有する計測部からの前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを取得する計測手順と、
    各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出手順と、
    過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定手順
    を含むことを特徴とする下肢形状変化測定方法。
  7. コンピュータに被験者の下肢の形状変化を測定させる処理を実行させるプログラムであって、
    歩行する被験者の下肢を撮影して画像データを出力する撮像部と、前記被験者の下肢姿勢を測定して姿勢データを出力する姿勢測定部を有する計測部からの前記画像データ及び前記被験者の下肢の姿勢データを含む計測データを取得する計測手順と、
    各時刻における前記計測データについて、前記画像データから算出した前記被験者の下肢の三次元形状のデータと、前記下肢の姿勢データとを対で記憶部に格納する形状算出手順と、
    過去に測定され前記記憶部に格納されているデータの対のうち、前記測定時のデータの対の下肢の姿勢データとの差が閾値以下の姿勢データと対をなす三次元形状データと測定時のデータの対の三次元形状データを比較し、三次元形状の変位を判定する形状変位判定手順
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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