JP6111720B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高温長時間拡散を伴う深い不純物拡散層の形成工程を必要とする半導体装置の製造方法、特には、高耐圧の逆阻止IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)の製造方法に関する。
高耐圧パワーデバイスは電力変換装置中において中心的な役割を果たしている。このパワーデバイスのうちスイッチング素子としては、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)や金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)が主要なデバイスとして用いられる。前者のIGBTはバイポーラ形デバイスであり通電時に導電度変調を伴うため、後者のMOSFETより低オン電圧、低損失にできるので、近年、特に電力変換装置用のスイッチング素子として多用されるようになってきた。
また、従来は利用しなかったIGBTのコレクタ領域とドリフト層間の逆バイアス用pn接合に接合終端領域を与えることにより、逆耐圧特性を持たせた逆阻止IGBT(reverse blocking IGBT、略してRB−IGBT)が新たに開発された。このRB−IGBTをAC−AC直接変換装置やマルチレベルDC−AC変換装置用のスイッチング素子として用いると、従来必要であった逆阻止用のダイオードを省くことができるため、コスト面、オン電圧面の両方でメリットが生じる。そのため、近年、このRB−IGBTを用いた電力用AC−AC直接変換装置やDC−AC変換装置が現実味を増し、実用化されるようになってきた。
以下、図8を参照して、この逆阻止IGBTの構造を簡単に説明する。
ドリフト層1となるFZ(Floating Zone)−n導電型(以降、単にn型)のSi半導体基板(以降、ウェハと略記することがある)の一方の主面(裏面とする)には、その全面にp導電型(以降、単にp型)コレクタ層13を有する。このコレクタ層13にはコレクタ電極14がオーミック接触している。Siウェハの表面側には、複数設けられている各デバイス領域内の周辺部に、表面側からのボロン拡散によって形成され、反対面のコレクタ層13に達する深いp型分離領域7を備える。
このp型分離領域7に取り囲まれる内周側のSiウェハ表層および表面には、複数のp型領域からなるフィールドリミットリング(以降、FLRと略記することがある)6と複数のポリシリコン層からなるフィールドプレート11などの電界緩和機構とフィールド酸化膜16からなる接合終端領域101を有する。さらに、この接合終端領域101により取り囲まれる内周側の活性領域100のSiウェハ(ドリフト層1)の表層には、p型ベース領域3と、このp型ベース領域3内の表層に形成されるn+型エミッタ領域4を備える。
ドリフト層1の表層とn+型エミッタ領域4とに挟まれるp型ベース領域3の表面上にはゲート絶縁膜9を介してポリシリコン層からなるゲート電極8を有する。さらに、p型ベース領域3の表層には、n+型エミッタ領域4に隣接するとともに、エミッタ電極10に共通に表面接触するp型コンタクト領域5を有する。エミッタ電極10はゲート電極8の表面上では層間絶縁膜15を介して覆うことにより、相互の絶縁を確保している。
またさらに、複数のp型ベース領域3間のドリフト層1には、低オン電圧を狙いとしてドリフト層1より抵抗率の低いn型領域2が張り出すとともにp型ベース領域3全体を包む構成で配置されている。
このような従来の逆阻止IGBTの製造方法について説明する。
図9は従来の逆阻止IGBTの製造方法を示すプロセスフロー図である。まず、p型分離領域7を形成するために、(a)各デバイスのチップ端部となる各デバイス領域の周辺部に、Siウェハの表面側からp型ドーパント(例えばボロン)を高温長時間拡散し、仕上がりのウェハ厚さと同程度かそれ以上の深さの拡散層を形成してp型分離領域7とする。(b)このボロンの高温長時間拡散によりp型分離領域7とともにSiウェハに表面に形成される酸化膜をすべて除去する。(c)1100℃での熱酸化などにより、Siウェハに所要の厚さのフィールド酸化膜16を形成する。(d)POA(ポスト酸化アニール:Post Oxidation Anneal)処理として、窒素雰囲気で1100℃−30分の熱処理を加える。このPOA処理温度としては、酸化膜形成温度より少し低い温度(1000℃〜1100℃の範囲)から選ぶことができる。(e)フォトリソグラフィ工程、イオン注入および熱拡散処理などにより、p型分離領域7の内周側の活性領域100および接合終端領域101に、Siウェハの表層領域(n型領域2、p型ベース領域3、n+型エミッタ領域4、p+型コンタクト領域5、フィールドリミットリング6など)を形成する。(f)活性領域100内のフィールド酸化膜16を除去する。(g)ゲート酸化膜9、ゲート電極8、フィールドプレート11、層間絶縁膜15、エミッタ電極10などのSiウェハ表面上の機能領域を形成する。その後、図示しないが、よく知られたプロセスにより、n型Siウェハの裏面を、p型分離領域7が裏面に露出する厚さにまで研削して薄くし、裏面からボロンをイオン注入することによりコレクタ層13およびコレクタ電極14を形成して逆阻止IGBTとする。
このようにして作成した逆阻止IGBTは、前記図8に示すように、コレクタ層13がp型分離領域7の底面とデバイス領域の周辺部で接触するので、コレクタ接合17は裏面側から表面側に折れ曲がって接合終端領域101内のフィールド酸化膜16で保護された表面と交差して終端する。その結果、コレクタ接合17にかかる逆バイアスによって生じる高電界は、接合終端領域101の電界緩和機構により、逆耐圧を低下させるような電界集中が緩和されるので、高い逆耐圧を持つことができる。
一般に、デバイスを高耐圧にすると、耐圧に応じて厚いドリフト層1が必要になる。従って高耐圧逆阻止IGBTの場合、前述の分離拡散工程(a)において高耐圧に必要なドリフト層1の厚さに応じたp型分離領域7の拡散深さを確保する必要がある。そのような深いp型分離領域7を形成するためには、例えばドリフト層1の厚さ、すなわち拡散深さXj=100μmとした場合、ボロンの不純物拡散では酸素雰囲気で1300℃前後の高温と100時間程度の長時間の熱拡散処理が必要になる。このため、前述のボロン拡散による分離拡散工程(a)終了直後のSiウェハ内の酸素濃度は、図2(a)に示すように1300℃の拡散温度での固溶度(約1×1018cm-3)に近い酸素濃度を示す(表面に極近い層を除く)。この酸素濃度は、酸素濃度が高いことで知られているCZ(チョクラルスキー)ウェハバルク部の酸素濃度に匹敵する高濃度レベルであり、半導体特性やデバイスの良品率の大きな影響を及ぼす。
一方、従来から集積回路製造用として使用されてきたCZウェハは、よく知られているように、その結晶成長過程で高濃度に酸素が含まれるプロセスを経て作製される。そのため、このCZウェハを用いたデバイスでは、従来から、ウェハ内に含まれる高濃度酸素の析出に伴って発生する微小な結晶欠陥などを利用する内因性ゲッタリング(イントリンシックゲッタリング)が用いられて、半導体特性の向上および良品率の向上が図られてきた。
この内因性ゲッタリング方法は、集積回路を中心とする半導体デバイスの製造では広く用いられ、一般的な方法となっている。例えば、CZウェハ内に存在する格子間酸素を、熱処理によりウェハバルク内に酸素析出物として析出させ、この酸素析出物やあるいはそれによって誘起された微小な結晶欠陥や積層欠陥をゲッタリングシンクとして利用する方法を記載した文献が発行されている。具体的には、半導体素子を形成するウェハ表面近傍領域は、非酸化性雰囲気下で熱処理を行うことにより格子間酸素を外方拡散させた低酸素濃度層を形成させ、この低酸素濃度層を半導体素子形成領域として利用することにより、半導体素子特性および良品率の向上を図る方法である(非特許文献1、特許文献1)。このCZウェハの酸素外方拡散処理工程には、高温でウェハ表面の酸素を外方拡散させた後、低温での酸素析出物の核生成、またはその後の高温での酸素析出物の核成長プロセスが含まれることも記載されている。
また非特許文献2には、窒素は格子間Si(Interstitial Si)と反応してウェハ表面のSi格子空孔(Si Vacancy)濃度を増大させるのに対し、Arはそれほど格子間Siと反応しないため、ウェハ表面のSi格子空孔に与える影響が軽微であることが開示されている。
特開2010−003899号公報
Stephen A. Campbell, "The Science and Engineering of Microelectronic Manufacturing", Oxford University Press, 1996, ISBN0−19−510508−7, pp. 19〜20. Robert Doerng, Yoshio Nishi ed., "Handbook of Semconductor Manufacturing Technology"2nd ed., CRC press, ISBN1−5744−675−4, pp. 3−66 〜3−67.
しかしながら、前述のRB−IGBTの場合、ボロンの分離拡散工程(a)後には、この分離拡散に起因する高濃度酸素と、インゴットの結晶成長過程に起因し当初からSiウェハに存在していたSi格子空孔とが相互作用することによって、ウェハ表層にSiO4系の酸素析出物(内壁にSiO2のある多面体の空洞)が多数生じる。さらに、分離拡散の後工程の酸化処理でも前述と同様の相互作用の影響を受けて、二酸化珪素の結晶多形の一つであるクリストバライト(Crystoballite)やOSF(Oxidation Stack Fault)欠陥が生じるという問題が発生する。
ここで、前述の分離拡散の後工程の酸化処理には、p型分離領域7が特に深い場合であって、一回の分離拡散では分離拡散領域の深さが不充分となる場合に必要となる、外方拡散抑制用酸化膜の形成工程と、その後の酸素雰囲気での再分離拡散工程とを含む。さらに、分離拡散工程後の従来のIGBTの製造方法で必要な通常の酸化工程、例えば、通常のフィールド酸化膜やゲート酸化膜等の形成工程も含まれる。
特に、前記フィールド酸化膜の形成後の窒素雰囲気での前記POA処理では、表面格子間Siが窒素と反応して少なくなり、その分、Si格子空孔が増加する際に(格子間Si濃度とSi格子空孔濃度との積は一定である)、Si基板の表面近傍にSi格子空孔のパイルアップが生じるという問題がある。このSi格子空孔のパイルアップがフィールド酸化膜界面に形成されると、後工程で形成されるゲート酸化膜の品質低下や電気的なゲート不良に関係して不良が多くなるので問題となる。
図10は、従来の逆阻止IGBTの製造方法(図9)による(c)、(d)のステップを示すウェハ段階、すなわち、フィールド酸化膜16および窒素雰囲気でのPOA処理後のウェハ1を示している。図10の一点鎖線B1−B2における、表面近傍の酸素(Oxygen)、格子間Si(Interstitial Si)、及びSi格子空孔(Si Vacancy)の各濃度分布(O)、(I)、(V)を図11に示す。この図11によれば、従来の窒素雰囲気でのPOA処理では、前述の理由で格子間SiがN2と反応することで表面の格子間Si濃度(I)が低下し、その分、表面のSi格子空孔濃度(V)が高くなることを示している。
この図11において、ウェハ表面近傍で酸素濃度(O)が高いことは、酸化膜の形状異常(酸化膜のエッチングパターン精度の低下)または直下のSi表層におけるSiO4系の酸素析出物の生成に繋がるので、問題とされる。さらに、ウェハ表面近傍でSi格子空孔濃度(V)が高いことは、後に形成するゲート酸化膜の品質低下や電気的なゲート特性不良に繋がるので、やはり問題となる。
本発明は以上述べた点に鑑みてなされたものであり、本発明は、高温長時間の酸素雰囲気での分離拡散後のプロセスにおける酸化膜パターンの形状不良やゲート特性不良を低減することのできる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、シリコンからなる第1導電型の半導体基板の第1主面に形成した第1酸化膜をマスクとして、該半導体基板内の各デバイス領域内の周辺部に第2導電型の分離領域を選択的に酸化雰囲気で形成する第1工程と、前記第1酸化膜の全面を除去し、再度前記分離領域表面に第2酸化膜を選択的に形成し、酸素外方拡散処理を施して前記分離領域の内周側の半導体基板表面に低酸素領域を形成した後、前記第2酸化膜を除去する第2工程と、第3酸化膜を形成し、アルゴン雰囲気においてポスト酸化アニール処理を施してフィールド酸化膜を形成する第3工程と、を有する半導体装置の製造方法とする。また、前記第1工程における前記第2導電型の分離領域を形成する条件が、1150℃〜1330℃の温度範囲であって拡散時間が80時間以上300時間以下であることが好ましい。また、前記第2工程における前記酸素外方拡散処理の条件が、アルゴン雰囲気で1000℃〜1250℃のいずれかの温度と2時間〜6時間のいずれかの処理時間であり、形成される低酸素領域の深さが10μm〜30μmの範囲のいずれかであることがより好ましい。また、前記第2工程における前記酸素外方拡散処理の条件である前記1000℃〜1250℃のいずれかの温度への昇降温速度が4℃/分以上であることが好適である。ここで、前記の昇降温速度は、少なくとも600℃〜800℃の範囲で4℃/分以上であることが必要である。また、前記第3工程の前記ポスト酸化アニール処理の熱処理温度が1000℃〜1100℃の範囲いずれかの温度であることが望ましい。また、前記第1工程と前記第2工程とを、前記第2導電型の分離領域が前記半導体装置の耐圧に必要な半導体基板の厚さを超える深さになるまで繰り返し、該深さに到達後前記第3工程を行うこともできる。また、前記半導体装置の製造方法が逆阻止IGBTの製造方法であることがより望ましい。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、分離拡散工程で活性領域に導入される高濃度酸素を外方拡散処理により少なくできるので、後工程の酸化処理の際に生成され易い酸素析出物を抑制できる。また、フィールド酸化膜工程後のPOA処理をAr雰囲気で行うので、従来のようにSi格子空孔の増加によるパイルアップの形成を抑制できる。その結果、酸化膜異常に起因するパターン形成不良やゲート不良を低減できる。
本発明にかかる実施例1,2のプロセスフロー図である。 本発明にかかる酸素外方拡散処理前(a)処理後(b)のウェハ表面近傍の酸素濃度分布図である。 本発明にかかる逆阻止IGBTの製造方法における分離拡散後のウェハの断面図である。 本発明にかかる逆阻止IGBTの製造方法における分離拡散後の酸化膜除去工程後のウェハの断面図である。 本発明にかかる実施例1,2における酸素外方拡散処理後のウェハの断面図である。 本発明にかかる実施例1,2における第3工程後のウェハの断面図である。 本発明にかかる実施例1,2の逆阻止IGBTの製造方法におけるAr雰囲気でのPOA処理後のウェハ(図6の一点鎖線A1−A2)表面近傍の酸素濃度O、格子間Si濃度I、Si格子空孔濃度Vの分布を示す図である。 RB−IGBTの断面図である。 従来の逆阻止IGBTの製造方法のプロセスフロー図である。 従来の逆阻止IGBTの製造方法における窒素雰囲気でのPOA処理後のウェハの断面図である。 従来の逆阻止IGBTの製造方法におけるPOA処理後のウェハ(図10の一点鎖線B1−B2)における表面近傍の酸素濃度O、格子間Si濃度I、Si格子空孔濃度Vの分布をそれぞれ示す図である。
以下、本発明の半導体装置の製造方法にかかる実施例について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれ相対的に不純物濃度が高いまたは低いことを意味する。なお、以下の実施例の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、実施例で説明される添付図面は、見易くまたは理解し易くするために正確なスケール、寸法比で描かれていない。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
以下、図1〜図7を参照して、本発明にかかる実施例1として、逆阻止IGBTの製造方法について説明する。
図1は、本発明にかかる実施例1,2のプロセスフロー図である。まず、FZ-n型Siウェハの表面(第1主面)に所定の厚さ(厚さ0.5〜1.0μm)のマスク酸化膜(ボロンのマスクとなる第1酸化膜21)を熱酸化または堆積(CVD:Chemical Vapor Deposit)により形成する。このマスク酸化膜にフォトリソグラフィ工程により、各デバイス領域の周辺部にp型分離領域7を形成するための開口部を形成する。その後、イオン注入の際のスクリーン膜として、この開口部に薄い酸化膜を熱酸化法により形成する。その厚さは例えば30nm〜50nmとする。その後、ウェハ全面にドーズ量1×1015cm-2台のボロンイオンを注入する。その注入エネルギーは、たとえば、30keV〜200keVとする。
所定量の酸素の雰囲気で、1250℃〜1300℃の所定時間の熱拡散で、所定深さのp型分離領域7を形成する(図1(a))。ここで、この分離拡散工程における熱処理温度は1150℃〜1330℃の範囲が好ましい。また拡散時間は、デバイスに要求される耐圧に依存するが、RB−IGBTは耐圧が400Vクラスから応用できるアプリケーションがあるので、少なくとも80時間は必要であり、また製造性の観点から300時間以下であることが好ましい。拡散終了時点で、p型分離領域7とともに、ウェハ1表面に厚い酸化膜(第1酸化膜+スクリーン酸化膜+分離拡散中の酸化膜)が形成される(図3)。次に、図4に示すようにウェハ1全面の第1酸化膜を含むすべての酸化膜を除去する(図1(b))。ウェハ1全面に厚さ100nmの酸化膜(第2酸化膜22)をCVD法により堆積形成する。その後、フォトリソグラフィ工程を施し、p型分離領域7上に、後工程の熱処理の際に生じるボロンの外方拡散を防ぐための蓋となる第2酸化膜パターンを形成する(図5、図1(c))。次に1150℃のアルゴン雰囲気で酸素の外方拡散処理を行う(図1(d))。この処理で形成されるウェハ1表層の低酸素濃度層の深さLdを、逆阻止IGBTの接合終端領域101(図8)のフィールドリミットリング6の深さ(約10μm)より深く、例えばLd=20μmとする。また、この際、酸素の外方拡散処理温度(約1150℃)への昇降温速度を4℃/分以上とすることが重要である。その理由はSiO4などの酸素析出物の核を形成する600〜800℃の範囲を4℃/分以上の速度で速やかに通過することで、酸素析出物の生成を抑制することができるからである。酸素外方拡散処理の熱処理条件と低酸素濃度層の深さLdとの関係は、前記非特許文献1に記載のように次式(1)で表される。
Figure 0006111720
式(1)において、tおよびTはそれぞれ酸素外方拡散処理における熱処理時間および熱処理温度であり、kはボルツマン定数である。一般的に、フィールドリミットリングの深さは約10μm程度である。従って、例えば、表面酸素の外方拡散処理として、1150℃、4時間のAr(アルゴン)雰囲気熱処理を実施すれば、図2(b)に示すように、ウェハ表面近傍の酸素濃度が(a)から(b)に低下してフィールドリミットリングより深い約20μmの深さLdの低酸素濃度層を有するウェハが得られる。
表面酸素の外方拡散処理として、処理温度は1000℃〜1250℃から選ぶことが好ましい。また、熱処理時間は、2時間〜6時間の範囲から選択することができる。この表面酸素の外方拡散処理条件の範囲によれば、得られる低酸素濃度層の深さLdは10μm〜30μmであった。酸素外方拡散処理の終了後、ウェハ表面の第2酸化膜22を全面除去する(図1(e))。
次に、フィールド酸化膜を形成するために、所要厚さの第3酸化膜23を形成する。酸化膜形成条件は、温度1100℃、酸化雰囲気の酸素希釈ガスはN2(窒素)若しくはAr(アルゴン)とする。この第3酸化膜23の厚さは、例えば0.5〜1.0μmとする(図1(f))。第3酸化膜23の形成後、炉出しせず高温のまま、続いてポスト酸化アニール(POA)処理を従来の窒素に変えてAr(アルゴン)の雰囲気で行う(図6、図1(g))。ポスト酸化アニール(POA)処理の条件は第3酸化膜23形成温度より少し低い温度(1000℃〜1100℃の範囲)から選択して、例えば、1000℃、30分とする。その後、ウェハを所定の降温速度(4℃/分以上の速度)で低温に戻し、フィールド酸化膜とする。低温に戻した図6のステップのウェハの深さ方向(一点鎖線A1−A2)における酸素(Oxygen)、格子間Si(Interstitial Si)、Si格子空孔(Si Vacancy)の濃度分布を図7に示す。この図7を、従来の同様の濃度分布を示す前記図11と比較すればわかるように、ウェハの表層(表面から約20μmの深さ)で酸素濃度(O)とSi格子空孔濃度(V)が低下している。酸素外方拡散処理による効果のためである。この結果、酸素濃度(O)の低下により酸化膜の形状異常(酸化膜のエッチングパターン精度の低下)が少なくなり、または直下のSiにおけるSiO4系の酸素析出物の生成も少なくなるので、後工程で形成されるゲート酸化膜の品質低下や電気的なゲート不良が少なくなる。
さらに、本発明では、POA処理を不活性なAr雰囲気で行うので、Arが格子間Si[I]と反応せず、Si格子空孔(V)は表面の附近で低濃度となっている。そのため、本発明にかかる逆阻止IGBTの製造方法では、それ以降の酸化工程でSi格子空孔に関わる欠陥が低減され、特に、ゲート酸化膜9の作製工程で酸化膜の品質が劣化せず、酸化膜パターン形成などの中間形状不良やゲート特性不良を低減することができる。なお、POA処理に用いるガスは格子間Siに対して不活性であればよく、Arだけでなく、非放射性希ガスまたは非放射性希ガス同士の混合体であれば使用可能である。
これ以降の逆阻止IGBTを製造するための工程は、従来と同様の製造方法を用いることができる。前述した従来の逆阻止IGBTの製造方法に倣って、フォトリソグラフィ工程、イオン注入および熱拡散処理などにより、p型分離領域7の内周側の活性領域100および接合終端領域101に、Siウェハの表層領域(n型領域2、p型ベース領域3、n+型エミッタ領域4、p+型コンタクト領域5、フィールドリミットリング6など)を形成する(図1(h))。活性領域100内のフィールド酸化膜16を除去する(図1(i))。ゲート酸化膜9、ゲート電極8、フィールドプレート11、層間絶縁膜15、エミッタ電極10などのSiウェハ表面上の機能領域を形成する(図1(j))。その後、n型Siウェハの裏面を、p型分離領域7が裏面に露出する厚さまで研削して薄くし、裏面からボロンのイオン注入によりコレクタ層13およびコレクタ電極14を形成すると、本発明にかかる逆阻止IGBTのウェハが完成する。
(実施例2)
逆阻止IGBTの製造工程において、1回の分離拡散工程でp型分離領域7に必要な深さまで拡散できない場合を実施例2として示す。
実施例1の逆阻止IGBTより高耐圧でありドリフト層1の厚さが厚い逆阻止IGBTを製造する場合は、p型分離領域7の拡散深さを実施例1の場合より深くする必要があるが、一回の分離拡散処理で必要十分な深さにすることが困難な場合がある。例えば、高温拡散を長時間連続して処理すると、Si表面の面荒れなどが発生することがある。このような場合は、図1に示すプロセスフロー図で、(a)分離拡散(酸素雰囲気)工程から(e)第2酸化膜除去工程までを複数回行うことにより、問題なくp型分離領域7を深くしてコレクタ層13に達する深さにすることができる。
このような場合でも、分離拡散後、酸素を外方拡散する処理工程を有し、その後工程のPOA処理をAr雰囲気で行うため、表面からLd長さの範囲で酸素の濃度が低くなり、従来方法のような酸素析出物の生成は抑制され、酸化膜パターン形状などの中間形状不良、ゲート特性不良が減少し良品率が向上する。
以上説明したように、本発明にかかる実施例1、2によれば、初期の良品率を高めると同時に、結晶欠陥関連の潜在的信頼性リスクも低減できる。より低コスト、高品質なRB−IGBTを提供できる。また従来より深いp型分離領域を形成できるため、より高耐圧のRB−IGBTを高い良品率で提供できる。
1: ドリフト層
2: n型領域
3: p型ベース領域
4: n+型エミッタ領域
5: p+型コンタクト領域
6: フィールドリミットリング
7: p型分離領域
8: ゲート電極
9: ゲート酸化膜
10: エミッタ電極
11: フィールドプレート
13: コレクタ層
14: コレクタ電極
15: 層間絶縁膜
16: フィールド酸化膜
17: コレクタ接合
21: 第1酸化膜
22: 第2酸化膜
23: 第3酸化膜
100: 活性領域
101: 接合終端領域
O: 酸素濃度
I: 格子間Si濃度
V: Si格子空孔濃度

Claims (8)

  1. シリコンからなる第1導電型の半導体基板の第1主面に形成した第1酸化膜をマスクとして、該半導体基板内の各デバイス領域内の周辺部に第2導電型の分離領域を選択的に酸化雰囲気で形成する第1工程と、前記第1酸化膜を全面除去し、再度前記分離領域表面に第2酸化膜を選択的に形成し、酸素外方拡散処理を施して前記分離領域の内周側の半導体基板表面に低酸素領域を形成した後、前記第2酸化膜を除去する第2工程と、第3酸化膜を形成し、アルゴン雰囲気においてポスト酸化アニール処理を施してフィールド酸化膜を形成する第3工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1工程における前記分離領域を形成する条件が、1150℃以上1330℃以下の温度範囲であって、拡散時間が80時間以上300時間以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第2工程における前記酸素外方拡散処理の条件が、アルゴン雰囲気で1000℃以上1250℃以下のいずれかの温度と2時間以上6時間以下のいずれかの処理時間であり、形成される前記低酸素領域の深さが10μm以上30μm以下の範囲のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2工程における前記酸素外方拡散処理の条件である前記1000℃以上1250℃以下の温度への昇降温速度が4℃/分以上であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第2工程における前記酸素外方拡散処理の昇降温速度が、少なくとも600℃から800℃までの範囲で4℃/分以上にされていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法
  6. 前記第3工程において、前記ポスト酸化アニール処理の熱処理温度が1000℃以上1100℃以下の範囲のいずれかの温度であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1工程と前記第2工程とを、前記分離領域が前記半導体装置の耐圧に必要な半導体基板の厚さを超える深さになるまで繰り返し、該深さに到達後、前記第3工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記半導体装置が逆阻止IGBTであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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