JP6110138B2 - 皮膚障害防護治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)又は14-DHE含有麹菌発酵エキスを有効成分として含有する皮膚障害防護治療剤に関する。
本発明はまた、有効量の上記皮膚障害防護治療剤を含有する、医薬組成物、飲食品若しくは飼料添加物、動物飼料又は化粧組成物に関する。
麹菌発酵産物には、以下の特許文献1〜8に記載されるように、皮膚等に対して生物活性を有する種々の物質が含有されていることが知られている。
特許文献1には、米麹を乾燥粉末化して得られた乾燥麹を、皮膚に対して保湿、保護作用を有する有効成分として含有する化粧料が記載されている。
特許文献2には、麹菌及び種麹粉末からなる皮膚調整用基礎化粧料が記載されており、麹菌が生成するコウジ酸が、肌の新陳代謝を活発にし、肌に潤いを与える作用、紫外線によるメラニン色素の生成の抑制作用、シミの抑制作用などを有することが記載されている。
特許文献3には、2-0-(β-D-グルコピラノシル)アスコルビン酸、その塩若しくはエステルと、麹菌若しくはその処理物とを含有する外用組成物が記載されている。このアスコルビン酸誘導体は、強い抗酸化作用を有している。麹菌若しくはその処理物は、皮膚浸透性を改善する効果を有すると記載されている。
特許文献4には、麹菌発酵粕由来のスフィンゴ脂質が記載されており、それを構成するセラミド類のなかに保湿の役割を有するものが含まれていることが記載されている。
特許文献5〜7には、米麹菌発酵抽出物を必須成分とする、美白、日焼け止め又は老化防止のための組成物が記載されている。生理活性物質の抽出は、麹菌発酵米を水で抽出することによって行われている。
特許文献8には、これは本願と同じ出願人による出願であるが、穀類植物由来材料の麹菌発酵物又はその処理物のなかで14-DHEを有効成分として含有するものを免疫調節剤として使用することや、14-DHEを被験体の細胞と接触させることによる制御性樹状細胞や制御性T細胞の製造方法が記載されている。また、14-DHEは、麹菌発酵物をエタノール抽出した画分に含まれることが記載されている。
皮膚用のその他の薬効成分として、日焼け等により生じる皮膚の黒化や炎症、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等を防止するための、カラミン、アスコルビン酸類、グルタチオン、コロイドイオウ、ハイドロキノン、シンナミックアルデヒド等の物質や、抗酸化、肌荒れ改善、皮膚老化防止、細胞賦活の他、切創やひげそり後の傷の治療、ひび、あかぎれ、ただれ、痔疾、火傷などの改善等の創傷治療のための、アスタキサンチン、アラントイン、アロエ抽出物、人参抽出物、シコン抽出物、胎盤抽出物、牛血液除蛋白物、発酵代謝物等の薬効成分が知られている(特許文献9及び10)。
特開2001-89355号公報 特開11-92357号公報 再表2005/000319号公報 特開2012-126910号公報 特開2006-45075号公報 特開2006-36704号公報 特開2006-62984号号公報 再表2010/150867号公報 特開2008-179632号公報 日本特許第4564471号公報
本発明の目的は、新規な効果を有する皮膚障害防護治療剤を提供することである。
1.発明の概要
本発明は、要約すると、以下の特徴を有する。
(1) 14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)を有効成分として含有する、皮膚障害防護治療剤。
(2) 有効成分としての14-DHEを含有する麹菌発酵エキスを含有する、皮膚障害防護治療剤。
(3) アスタキサンチンをさらに含有する、上記(1)又は(2)に記載の皮膚障害防護治療剤。
(4) 麹菌発酵エキスが、穀類植物種子由来の材料を黒麹菌又は白麹菌で発酵させて得られる14-DHE含有発酵エキスである、上記(2)に記載の皮膚障害防護治療剤。
(5) 麹菌発酵エキスが、麹菌発酵物をエタノールで抽出することを含む方法で得られるものである、上記(2)〜(4)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤。
(6) 14-DHEが、0.0001重量%以上100重量%未満の量で含有する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤。
(7) 皮膚炎症を防護又は治療する作用を有する、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤。
(8) 経口投与剤型又は皮膚投与剤型である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤。
(9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する医薬組成物。
(10) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する食品添加物。
(11) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有するサプリメント。
(12) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤又は上記(10)に記載の食品添加物を皮膚障害防護治療有効量で含有する飲食品。
(13) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する動物飼料添加物若しくは動物飼料。
(14) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する化粧組成物。
2.定義
本明細書で使用する用語は、以下の定義を包含する。
「皮膚障害防護治療」とは、ヒトを含む哺乳動物における皮膚障害の防護又は治療を意味し、主要な皮膚障害には、疾病としての紫外線や放射線照射による急性、慢性の皮膚炎症、皮膚障害、皮膚肥厚化に加えて、日常的にみられる肌荒れ、日焼け、角質化などの皮膚障害が含まれる。
「エキス」とは、麹菌発酵物を、エタノールなどの、14-DHEの抽出を容易にする有機溶媒等によって抽出して得られる、14-DHE含有抽出液又はその14-DHE含有処理物を意味し、この処理物は、抽出液の濃縮、乾燥、クロマトグラフィー処理などの処理により得られる、14-DHE含有処理物であり、好ましくは14-DHEに富む処理物、例えば処理物あたり14-DHEを0.1重量%以上、5〜30重量%又はそれ以上、或いは50重量%以上、含有する処理物である。
「サプリメント」とは、皮膚障害防護治療効果を有する栄養補助食品を指す。
「哺乳動物」とは、ヒトを含む哺乳動物を指し、ヒト以外の動物の例は、皮膚障害を起こし易い動物、例えばイヌ、ネコ、げっ歯類、ウサギ目などのペット動物、ウシ、ウマ、ブタなどの家畜である。このような動物には、皮膚障害や疾患の治療中の動物に加えて、皮膚障害予防中の健常動物、専門医の治療を必要としない程度の軽い皮膚障害をもつ動物などが含まれる。
本発明は、14-DHEや14-DHE含有麹菌発酵エキスに、炎症時の皮膚における水分保持作用、抗炎症作用などの効果があることを見出したことに基づいており、疾病としての紫外線や放射線照射あるいは加齢による急性、慢性の皮膚炎症、皮膚障害、皮膚肥厚化に加えて、日常的にみられる肌荒れ、日焼け、角質化などの皮膚障害に対する防護治療効果を提供する。
本発明の皮膚障害防護治療剤は、14-DHE又は14-DHE含有麹菌発酵エキスを有効成分として含有することを特徴とし、その改善効果は、化粧品等に使用されるアスタキサンチンと同等以上の効果を有しており、14-DHEは、皮膚において、水分保持、水分蒸散抑制、紅斑抑制、皮膚炎症抑制などの効果を有するため、ヒトを含む哺乳動物における皮膚の恒常性維持、障害予防、障害改善などを含む皮膚障害防護治療のために有用である。
この図は、紫外線照射皮膚障害モデルマウス(へアレスマウスHOS:HR-1、4週齢、雄)に14-DHE含有麹菌発酵エキスを強制経口投与したときの皮膚障害のパラメータ(すなわち、皮膚の水分量(A)、水分蒸散量(B)及び紅斑値(C))の改善効果を示す。この図中及び以下の図中、Capacitance value(a.u.)は、皮膚の水分量を表し、TEWL(g/m2・h)は、水分蒸散量を表し、Erythema value(a.u.)は、紅斑値を表す。対照実験として、紫外線照射皮膚障害マウス及び紫外線非照射マウスにビヒクル(vehicle)(コーン油)を経口投与した。 この図は、図1の実験での、皮膚中の炎症性サイトカインである(A)TNF-αおよび(B)IL-6の組織1gあたりの産生量(μg)が減少傾向にあることを示す。対照実験として、紫外線照射皮膚障害マウス及び紫外線非照射マウスにビヒクル(vehicle) (コーン油)を経口投与した。 この図は、図1の実験での、紫外線照射による表皮部分(矢印の部分)の肥厚化を有意に抑制することを示す。ここで、図3Aは、図3Bの表皮組織染色図から測定された表皮厚(μm)を示す。*は、危険率p<0.05であることを示す。 この図は、図1と同様の紫外線照射皮膚障害モデルマウスに14-DHEを混餌投与したときの、14-DHEによる皮膚障害のパラメータ(すなわち、皮膚の水分量(A)、水分蒸散量(B)及び紅斑値(C))の改善効果を示す。対照実験として、紫外線照射皮膚障害マウス及び紫外線非照射マウスに被験物質を投与しない群を設定した。 この図は、図4の実験での、紫外線照射による表皮部分(矢印の部分)の肥厚化を有意に抑制することを示す。ここで、図5Aは、図5Bの表皮組織染色図から測定された表皮厚(μm)を示す。*は、危険率p<0.05であることを示す。 この図は、図1と同様の紫外線照射皮膚障害モデルマウスの背部皮膚に14-DHEのエタノール溶液を塗布したときの、14-DHEによる皮膚障害のパラメータ(すなわち、皮膚の水分量(A)、水分蒸散量(B)及び紅斑値(C))の改善効果を示す。対照実験として、紫外線照射皮膚障害マウス及び紫外線非照射マウスの背部皮膚にビヒクル(vehicle)を塗布した。また、別の対照実験として、アスタキサンチン(公知の抗酸化能を持つ化粧料成分)及びエルゴステロール(14-DHE類似抗炎症性物質)を、同様の紫外線照射皮膚障害マウスの背部皮膚に塗布した。*は、危険率p<0.05であることを示す。 この図は、図6の実験での、紫外線照射による表皮部分(矢印の部分)の肥厚化を有意に抑制することを示す。ここで、図7Aは、図7Bの表皮組織染色図から測定された表皮厚(μm)を示す。対照実験は図6と同じである。*は、危険率p<0.05であることを示す。 この図は、図6の実験での、14-DHEによる皮膚への免疫細胞である好中球(MPO+細胞)の浸潤抑制効果を示す。対照実験は、図6と同じである。*は、危険率p<0.05であることを示す。 この図は、図6の実験での、14-DHEによる皮膚の炎症性サイトカインであるTNF-αのメッセージレベルでの発現抑制効果を示す。対照実験は、図6と同じである。*は、危険率p<0.05であることを示す。
本発明をさらに詳細に説明する。
1.皮膚障害防護治療剤
本発明は、14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)を有効成分として含有する、皮膚障害防護治療剤を提供する。
本明細書で使用する「皮膚障害防護治療」は、上記の定義のとおり、ヒトを含む哺乳動物における皮膚障害の防護又は治療を意味し、主要な皮膚障害には、疾病としての紫外線や放射線照射あるいは加齢による急性、慢性の皮膚炎症、皮膚障害、皮膚肥厚化に加えて、日常的にみられる肌荒れ、日焼け、角質化などの皮膚障害が含まれる。
14-DHEは、後述の実施例で証明されるように、皮膚において、水分保持、水分蒸散抑制、紅斑抑制、皮膚炎症抑制などの効果を有するため、ヒトを含む哺乳動物における皮膚の恒常性維持、障害予防、障害改善などを含む皮膚障害防護治療のために有用である。
14-DHEは、1951年にアスペルギルス・ニガーにおいて見出され(Barton, DHR., and Bruun, T., J. Chem. Soc., 2728-2733 (1951))、2009年にキウイフルーツ果皮の一成分として再発見されたが(Fiorentino, A.ら, J. Agric. Food Chem., 57:4148-4155 (2009))、その生物活性については、本出願と同じ出願人である特許文献8で、14-DHEが免疫調節作用を有するという生物活性が報告されるまでは報告されていなかった。
14-DHEは、例えば麹菌による穀類植物由来材料発酵物から得ることができる。
例えば、特許文献8に記載のように、黒麹菌(秋田今野社:黒麹マイルド(アスペルギルス・アワモリ))を用いて、培養温度30℃、培養日数3日、水分量55%の固体培養条件下で小麦フスマ麹菌発酵物を調製し、得られた発酵物をさらにエタノール抽出、さらにヘキサン抽出に供し、発酵物の凍結乾燥物100gから抽出物3gを取得することができる。得られた抽出物を200mg/mLとなるようにヘキサンに溶解し、ヘキサンでコンディショニングしたMega Bond Elute SI(20g)(Varian社製)に、1本あたり3mLアプライし、続いて60mLのヘキサンでカラムを洗浄し、60mLの酢酸エチルで溶出して、カラム吸着物を回収することができる。得られた溶出液をエバポレーターで乾固し、3gのヘキサン抽出物から、2.8gのS1カラム吸着物を得ることができる。得られたS1カラム吸着物を、200mg/mLとなるようにヘキサン/エタノール(80/20;v/v)に溶解し、UK-Silica(10×250mm)(インタクト社製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(ヘキサン/イソプロパノール=98/2)にかけ、保持時間18〜19分の画分を分取し、濃縮乾固し、これをさらにヘキサン/エタノール(20/80;v/v)に溶解し、Develosil C30-UG-5(10×250mm)(野村化学社製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(アセトニトリル/イソプロパノール=99/1)にかけ、保持時間32.5〜33.5分の画分を分取する。この画分に14-DHEが含まれる。14-DHEは、以下の構造式及び物理化学的特性を有する。
(構造式)
Figure 0006110138
(物理化学的特性)
(1)分子量:394.32275(高分解能APCI-Orbitrap法による観測値:m/z 395.33057(M+H)+)
(2)分子式:C28H42O(精密分子量:394.323565)
(3)溶剤に対する溶解性:水に不溶、エタノールに難溶、クロロホルムに易溶
(4)紫外部吸収スペクトル(MeCN):391nm
(5) 1H-NMR(CD3OD)ppm: 6.15 (1H, m), 5.75 (1H, m), 5.65 (1H, dd, J = 2.2, 5.9 Hz), 5.27 (1H, dd, J = 7.0, 15.1 Hz), 5.21 (1H, dd, J = 7.9, 15.1 Hz), 3.64 (1H, m), 2.51 (1H, ddd, J = 2.2, 5.1, 10.6 Hz), 2.30 (1H, m), 2.20 (1H, m), 2.20 (1H, dd, J = 3.2, 7.8 Hz), 2.06 (1H, m), 2.05 (1H, m), 1.94 (1H, m), 1.90 (1H, m), 1.87 (2H, m), 1.87 (1H, ddd, J = 3.2, 7.0, 7.3 Hz), 1.71 (1H, m), 1.59 (1H, m), 1.57 (1H, m), 1.45 (1H, m), 1.45 (1H, ddd, J = 3.2, 6.3, 6.5 Hz), 1.30 (1H, m), 1.05 (3H, d, J = 6.8 Hz ), 0.93 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.92 (3H, s,), 0.89 (3H, s), 0.85 (3H, d, J = 6.5 Hz), 0.83 (3H, d, J = 6.3 Hz).
(6) 13C-NMR(CD3OD)ppm:149.2 (s), 143.0 (s), 135.4 (s), 132.2 (s), 132.0 (s), 120.5 (s), 120.4 (s), 117.4 (s), 70.4 (s), 58.1 (s), 46.3 (s), 45.4 (s), 42.8 (s), 41.0 (s), 39.0 (s), 38.9 (s), 37.8 (s), 37.0 (s), 36.0 (s), 33.1 (s), 32.0 (s), 21.1 (s), 19.9 (s), 19.7 (s), 19.6 (s), 17.6 (s), 16.8 (s), 14.5 (s).
本発明の皮膚障害防護治療剤に含まれる14-DHEは、精製14-DHE、粗製14-DHE又は14-DHE含有物質のいずれであってもよい。14-DHE含有物質の例は、有効成分としての14-DHEを含有する麹菌発酵エキスである。
そのような麹菌発酵エキスは、例えば以下のような、穀類植物種子由来の材料を麹菌で発酵させて得られる14-DHE含有麹菌発酵エキスである。
好ましい穀類植物としては、植物分類表においてイネ科に分類されるすべての植物が挙げられる。具体的には、イネ、オオムギ、コムギ、ライムギ、アワ、ヒエ、トウモロコシ等が例示されるが、これらに限定されるものではない。このうち、イネ、オオムギ、コムギ及びライムギが好ましく、コムギが特に好ましい。
穀類植物由来材料は、穀類植物の種子に由来する材料であり、典型的には、穀類植物の種子全体、又はその一部分である。好ましくは、種子の外皮を含む材料であり、例えば、穀類種子全粒粉、穀類植物のフスマ、米糠などが挙げられる。特に好ましい穀類植物由来材料は、穀類植物のフスマ、最も好ましくは小麦フスマである。穀類植物のフスマは、穀類植物種子の粉砕又は搗精により得られる種子の外側の部分を回収することで得ることができる。
麹菌は、穀類植物由来材料を発酵させて14-DHEを産生することができれば特に限定されないが、好ましくは、黒麹(アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・ニガー)、黄麹(アスペルギルス・オリゼー)、紅麹(モナスカス・アンカ)、醤油用麹菌(アスペルギルス・ソーヤ)、白麹(アスペルギルス・カワチ)、テンペ菌(リゾプス・オリゴスポラス)などである。好ましくは、麹菌はアスペルギルス属糸状菌であり、最も好ましくは黒麹菌である。好ましい麹菌は、狭義の黒麹菌であるアスペルギルス・アワモリ及びアスペルギルス・ニガー、狭義には白麹菌と称されるアスペルギルス・カワチ、並びにこれらの菌種から誘導された亜種を含む。これらの麹菌の種麹は、秋田今野社、樋口もやし社、日本醸造工業社などから入手することができる。
発酵は、原料に麹菌を接種して培養する当業者に公知の方法を用いて行うことができる。そのような方法としては、例えば、蓋麹法、箱麹法、床麹法、機械麹法などを挙げることができる。
種麹の添加量は、水を加えて処理(例えば、オートクレーブ、蒸煮など)された穀類植物由来材料に対して、好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%、最も好ましくは0.1重量%である。発酵温度は、使用する麹によっても若干異なるが、一般的には20℃〜50℃、好ましくは22℃〜45℃、より好ましくは30℃〜40℃である。発酵時間は、例えば、24時間〜14日間、好ましくは48時間〜10日間、より好ましくは72時間〜7日間である。発酵中に、一定時間ごと(例えば24時間ごと)に手入れ(塊になった麹をほぐす作業)を行うのが好ましい。発酵時の湿度は、当業者であれば、麹菌の種類に応じて適切に調節することができる。例えば、発酵中、相対湿度を80%以上に維持する。又は、発酵初期には相対湿度を高く(例えば90%以上)保ち、発酵後期(例えば、麹菌接種後24時間以降)は相対湿度を若干下げて(例えば75%以上)、発酵を行う。発酵方法の詳細については、例えば、発酵ハンドブック((財)バイオインダストリー協会 発酵と代謝研究会編、東京、日本、2001年)などに記載されている。
麹菌発酵エキスは、穀類植物由来材料麹菌発酵物から溶媒抽出により取得することができる。抽出方法としては、例えば、有機溶媒抽出、超臨界流体抽出法、加温加圧抽出法などが挙げられる。溶媒抽出は当業者に公知の一般的な手法を用いて行うことができる。溶媒抽出に用いる有機溶媒として、限定するものではないが、エタノール、メタノール、n‐プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタンなどを用いることができる。好ましい有機溶媒は、エタノール、メタノール、酢酸エチル、及びヘキサンである。これらの有機溶媒は2種類以上を混合して用いてもよく、また2種類以上の有機溶媒を用いた2段階以上の溶媒抽出工程を行なってもよい。具体的には、溶媒抽出は、例えば、凍結乾燥により乾燥させた発酵材料を粉砕し、これに有機溶媒を添加し、20〜50℃、好ましくは25〜45℃にて撹拌しながら超音波処理を施して行うことができる。添加する溶媒の量は、発酵材料の重量の1〜50倍、好ましくは2〜40倍、より好ましくは10〜30倍である。抽出時間は、10分間〜24時間、好ましくは15分間〜1時間、より好ましくは20〜50分間である。その後、濾過や遠心分離などにより濾液を回収し、残渣に含まれる不溶性画分を取り除き、例えば減圧蒸発により濾液から有機溶媒画分(すなわち、抽出画分)を濃縮し、流体又は乾燥形態で抽出物を得ることができる。また、有機溶媒抽出後の不溶性画分について有機溶媒による抽出を繰り返すことにより、第1回目の有機溶媒抽出後の残渣から有機溶媒画分をさらに取得することもできる。また、溶媒抽出に続いてさらに別の溶媒を用いた分画を行ってもよい。例えば、溶媒抽出により得られた有機溶媒画分に、溶媒抽出に用いたものと同じか又は異なる第2の有機溶媒を添加し、これに、第2の有機溶媒とは混和しない第3の有機溶媒を添加して抽出し、第3の有機溶媒に溶解性の画分を得ることができる。
有機溶媒画分に存在する物質をさらに精製してもよく、この場合、公知の分離、精製法を適当に組み合わせて行うことができる。例えば、液‐液分配、有機溶媒沈澱、各種カラムクロマトグラフィー(例えばHPLC、シリカゲルクロマトグラフィー、分子篩クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなど)、結晶化などを使用することができる。
好ましくは、麹菌による穀類植物由来材料発酵物又はその処理物は、発酵後に、エタノール抽出によりエタノール溶解画分を分離することにより得られたエタノール画分である。必要に応じて、エタノール抽出の後、さらにヘキサン分画によりヘキサン溶解画分を分離してもよい。
本発明の皮膚障害防護治療剤には、14-DHEが、皮膚障害防護治療剤中に0.0001〜100重量%未満、例えば0.001〜90重量%、0.01〜70重量%又は0.05〜50重量%、好ましくは、0.1〜10重量%の含量で含まれうるが、皮膚障害防護治療作用を発揮する限り、その量は特に制限されないものとする。
本発明の皮膚障害防護治療剤は、経口投与剤型又は皮膚投与剤型のいずれであっても皮膚障害防護治療効果を有する。経口投与剤型は、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、溶液剤、懸濁化剤、乳濁化剤、ゲル化剤などの経口投与に適するいずれの剤型も選択可能である。また、皮膚投与剤型は、軟膏、ローション、乳液、クリーム、ゲルなどの皮膚投与に適したいずれの剤型も選択可能である。これらの投与剤型は、14-DHEの有効成分の他に、担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、増量剤、着色剤、香味剤、甘味料、安定化剤、保存料などの添加剤を含有させることができる。
本発明の皮膚障害防護治療剤は、14-DHEの他に、アスタキサンチンをさらに含有してもよい。
アスタキサンチンは、抗酸化効果、酸化防止効果、抗炎症効果、皮膚老化防止効果、美白効果などの生物活性を有しており、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母等を、アセトン、エーテル、クロロホルム、アルコール(エタノール、メタノール等)等の有機溶媒で抽出し、カラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等で処理することによって調製することができる(日本特許第4564471号公報、特開平2-49091号公報、特開平5-155736号公報、等)。皮膚障害防護治療剤中のアスタキサンチンの含量は、好ましくは14-DHEとの間で相乗的効果又は相加的効果が得られるような量であり、例えば0.0001〜3重量%であるが、この範囲に制限されないものとする。
2.医薬組成物
本発明はさらに、本発明の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、経口投与剤型及び皮膚投与剤型(外用剤)の剤型であることが好ましい。
経口投与剤型には、有効成分である皮膚障害防護治療剤(14-DHE又は14-DHE含有麹菌発酵エキス)を製薬上許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に、液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、糖衣錠、ゲル剤などの投与形態に製剤化しうる。皮膚投与剤型には、外皮用剤、塗布剤、貼付剤などの投与形態が含まれ、有効成分である皮膚障害防護治療剤(14-DHE又は14-DHE含有麹菌発酵エキス)を製薬上許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に、軟膏剤、ローション剤、乳液剤、クリーム剤、ゲル剤、チック剤、エアゾール剤、パッチ剤、ハップ剤などの投与形態に製剤化しうる。
皮膚障害防護治療剤の含有量は、医薬組成物の単回投与剤型あたり、14-DHEの重量で換算して10ng〜100mg、好ましくは10μg〜10mgであるが、この範囲に限定されないものとする。
製薬上許容される担体、賦形剤又は希釈剤としては、限定するものではないが、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖類、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、精製水、エタノール、グリセロール、ゴマ油、ダイズ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、菜種油などの植物油、ゼラチン、ポリアルキレングリコールなどの、医薬分野で一般的に使用されている担体、賦形剤又は希釈剤を例示することができる。また、医薬組成物には、担体、賦形剤又は希釈剤の他に、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存料、皮膚浸透剤、増量剤(充填剤)、着色剤、湿潤化剤などの添加剤を使用することができる。ここで、皮膚浸透剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクチルフェニルポリエチレングリコール、オレイン酸、ポリエチレングリコール400、プロピレングリコール、N-デシルメチルスルホキシド、脂肪酸エステル、例えば、イソプロピルミリステート、メチルラウレート、グリセロールモノオレエート、プロピレングリコールモノオレエートなどが挙げられる。その他の添加剤の例は、Reminton, The Science and Practice of Pharmacy, 19th 版, Mack Publishing Company, 1995に記載されている。
皮膚障害防護治療効果をもつことが知られている他の医薬品と混合又は併用することも可能である。そのような医薬品として、例えばアスタキサンチン、ステロイド剤、アズノール剤等を挙げることができる。
医薬組成物は、経口投与の場合、例えば1日1〜3回服用し、皮膚投与の場合、例えば1日1〜3回皮膚に塗布する。
3.食品添加物又は飼料添加物
本発明はさらに、上記の本発明の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、食品添加物、動物飼料添加物、又はサプリメントを提供する。
本明細書中、有効量とは、ヒトを含む哺乳動物において、皮膚障害防護治療効果を発揮しうる用量を指す。本発明の皮膚障害防護治療のための主要な皮膚障害には、疾病としての紫外線や放射線照射による急性、慢性の皮膚炎症、皮膚障害、皮膚肥厚化に加えて、日常的にみられる肌荒れ、日焼け、角質化が含まれ、有効成分である14-DHEは、皮膚において、水分保持、水分蒸散抑制、紅斑抑制、皮膚炎症抑制などの効果を有するため、ヒトを含む哺乳動物における皮膚の恒常性維持、障害予防、障害改善などを含む皮膚障害防護治療を可能にする。
食品添加物又は動物飼料添加物は、14-DHEを含有しないか、或いは有効量の14-DHEを含有しない、食品又は動物飼料中に添加することによって、ヒトを含む哺乳動物において皮膚障害防護治療効果を発揮しうるようにする添加物である。
サプリメントは栄養補助食品であるが、本発明の場合、経口摂取によって皮膚障害防護治療効果をもたらす14-DHEを有効成分として含有することを特徴としている。
本発明の皮膚障害防護治療剤は、経口投与や摂食によって皮膚障害防護治療をもたらすことが可能であるため、上記のように経口投与剤型に製剤化しうる。本発明の添加物やサプリメントは、製剤化された皮膚障害防護治療剤の他に、他の成分、例えば各種ビタミン類、アミノ酸類、食物繊維、ミネラル、香料、着色料、酸化防止剤、酵素類、果汁液、等を適量含有しうる。これらの他の成分の含有量は、14-DHEの皮膚障害防護治療効果を損なわない限り制限されないものとする。
4.飲食品
本発明はさらに、本発明の皮膚障害防護治療剤又は食品添加物を皮膚障害防護治療有効量で含有する飲食品を提供する。
本発明の皮膚障害防護治療剤又は食品添加物を飲食品に配合してあらゆる食品形態に加工することが可能である。その配合量は、14-DHEの皮膚障害防護治療効果を発揮しうる量である。例えば1回の飲食あたり、14-DHEの重量に換算して10ng〜100mg、好ましくは10μg〜10mgであるが、この範囲に限定されないものとする。
飲食品の例としては、限定するものではないが、錠剤形、粉末状、顆粒状、カプセル状、ゼリー状等の固体形態もしくは半固体形態の、或いはドリンク剤等の液体形態の、機能性食品、健康食品又は特定保健用食品(トクホ)、パン類、菓子類、クッキー、ビスケット、チューインガム、シリアルバー、等の穀類加工品、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ等の乳製品類、炭酸飲料、清涼飲料、果汁入り飲料(オレンジジュース、リンゴジュース、グレープフルーツジュースなどの果汁入り飲料)、スポーツドリンク、茶、紅茶、コーヒー等の飲料、ソース、ドレッシング、調味料、惣菜、加工食品、等が挙げられる。
機能性食品、健康食品又は特定保健用食品(トクホ)においては、有効成分である14-DHE又は14-DHE含有麹菌発酵エキスを、食品において許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合し、さらに適宜、添加剤を加えて製造されうる。担体、賦形剤又は希釈剤としては、限定するものではないが、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖類、デンプン、デキストロース、米粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、精製水、ゴマ油、ダイズ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、菜種油などの植物油、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、マルトデキストリン、クロスポピドン、植物ガム、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、チクル、エステルガムなどを例示することができる。また、添加剤として、例えば、結合剤、光沢剤(シェラック、パラフィンワックスなど)、分散剤、懸濁剤、乳化剤(ダイズレシチン、グリセリン脂肪酸エステルなど)、緩衝剤、抗酸化剤(ビタミンC、ビタミンEなど)、保存料(ソルビン酸、安息香酸ナトリウムなど)、防かび剤(オルトフェニルフェノール、チアベンダゾールなど)、pH調整剤(塩酸、水酸化カリウムなど)、酸味料(クエン酸、乳酸、リンゴ酸など)、甘味料(ショ糖、アスパルテーム、キシリトール、ステビアなど)、調味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸二ナトリウムなど)、着色料(クチナシ色素、食用緑色3号、食用黄色4号など)、増粘安定剤(ペクチン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アルギン酸塩など)、香料(オレンジ香料、バニリン、アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド、アミルアルコール、アミルシンナムアルデヒド、蟻酸イソアミル、蟻酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、シトロネロールなど)などを、適宜、含有させることができる。
5.動物飼料
本発明はさらに、皮膚障害防護治療剤又は動物飼料添加物を皮膚障害防護治療有効量で含有する動物飼料を提供する。
好ましい飼料は、ペットフード、好ましくはイヌ、ネコ、げっ歯類又はウサギ目用のペットフードである。
本発明の皮膚障害防護治療剤又は食品添加物を動物飼料に配合してあらゆる飼料形態に加工することが可能である。その配合量は、14-DHEの皮膚障害防護治療効果を発揮しうる量である。例えば1回の食餌あたり、14-DHEの重量に換算して10ng〜100mg、好ましくは10μg〜10mgであるが、この範囲に限定されないものとする。
有効性成分である14-DHE又は14-DHE含有麹菌発酵エキスを、動物飼料において許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合し、或いは調理した肉類(チキン、ビーフ、等)と混合し、さらに適宜、添加剤を加えて製造されうる。担体、賦形剤又は希釈剤としては、限定するものではないが、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖類、デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸第二鉄、硫酸亜鉛、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、精製水、ゴマ油、ダイズ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、菜種油等の植物油などを例示することができる。また、添加剤として、例えば、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存料などを含有させることができる。
通常、動物飼料には、主成分として、炭水化物源及び/又はタンパク源が含まれ、これに、副成分として、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル、調理野菜、酵素(例えば、α−アミラーゼやフィターゼ)などが含まれる。
炭水化物源は、主に穀類である。穀類は、少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%の割合で含有させることができる。穀類の例は、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、マイロ、キャッサバ、イネ、穀類のフスマ、或いはそれらの混合物、であり、それらを粉砕したものや調理したものを使用できる。
タンパク源は、例えば、魚肉、鶏肉、牛肉などの動物タンパク質、ダイズなどの植物タンパク質などである。タンパク質としては、通常調理したものか、或いは乾燥粉末としたもの、などが使用できる。タンパク質源は、通常、飼料に対し約50%以下で含有させることができる。
本発明はさらに、上記の動物飼料又は医薬組成物をペット動物あるいは家畜に投与して皮膚炎症を予防又は改善することを含む、ペット動物あるいは家畜での皮膚障害防護治療のための方法を提供する。
好ましいペット動物は、イヌ、ネコ、げっ歯類、或いはウサギ目である。また好ましい家畜はウシ、ウマ、またはブタである。これらの動物は、アレルギー性の皮膚炎症を基とする皮膚障害を起こすことがあるため、本発明の動物飼料を与えることによって、皮膚障害の防護や治療に効果的である。このような動物には、皮膚障害予防中の健常動物、専門医の治療を必要としない程度の軽い皮膚障害をもつ動物、皮膚疾患の治療中の動物などが含まれる。
6.化粧組成物
本発明はさらに、本発明の皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する化粧組成物を提供する。
化粧組成物は、溶液剤、分散剤、懸濁剤、乳剤、微粉剤、ミクロ粒子剤、ナノ粒子剤、軟膏剤、ゲル剤、泡剤、スプレー剤、ワイプなどの種々の形態をとることができる。例えば、クリーム、ローション、ボディローション、ミルク、スプレー、エアゾールムース、フォーム、パウダー、ゲル、ファウンデーション、ヘアリキド、ヘアトニック、ヘアカラー、シェービングフォーム、アフターシェビングローション、オーデコロン、口紅、化粧水、日焼け止め(サンスクリーン)などの化粧品分野で通常使用しうるあらゆる形態に調製できる。
化粧組成物には、化粧品分野で承認されている担体や添加剤を含有させることができる。担体は、該組成物の基剤となるものであり、例えば、脂肪物質、油、水、有機溶媒、シリコーン、油脂、ロウ、脂肪酸、脂肪酸エステル、精製水、エチルアルコール、タルク、カオリン、酸化チタン、合成ポリマー(アクリル系合成ポリマーなど)、天然高分子(結晶セルロースなど)などが挙げられる。
皮膚障害防護治療剤の含有量は、化粧組成物1回使用あたり、14-DHEの重量で換算して10ng〜100mg、好ましくは10μg〜10mgであるが、この範囲に限定されないものとする。
化粧組成物を構成する成分は、14-DHE及び14-DHE含有麹菌発酵エキスを除いて、化粧品分野で通常使用される化粧品基材から選択されうる。
化粧品添加剤として、例えば、保存剤、抗酸化剤、増粘剤、軟化剤、乳化剤、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、増量剤、キレート剤、合成ポリマー、噴射剤、緩衝剤、色素、着色剤、顔料、光安定剤、抗菌剤、香料、美白剤などが挙げられる。
例えば、保存剤の例には、サリチル酸ナトリウム、パラベン、ブチルパラベンなどが含まれる。界面活性剤の例には、ポリソルベート、ヤシ脂肪酸、ラウリルベタイン、レシチンなどが含まれる。抗酸化剤の例には、アスコルビン酸、トコフェロール、白金ナノコロイド、セラミドなどが含まれる。香料の例には、植物精油、人工香料、香水、メントール、レモン油、ローズ水などが含まれる。保湿剤の例には、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、尿素、及びプロピレングリコール、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ラクトフェリン、リジン、リンゴエキス、加水分解コラーゲン、ポリグルタミン酸などが含まれる。増粘剤の例には、カラギーナン、カルボキシビニルポリマーなどが含まれる。キレート剤の例には、クエン酸などが含まれる。抗菌剤の例には、抗菌性オリゴペプチドなどが含まれる。その他に、ビタミン類(トコフェロール、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸、ビタミンQ、D、およびK、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)、カロチノド類(β−カロテン、リコペン、アスタキサンチンなど)、アミノ酸類(メチオニン、システイン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、フェノールなど)、ポリフェノール類、セラミド類などの成分を、適宜、化粧組成物に含有させることができる。
有効成分である14-DHE及び14-DHE含有麹菌発酵エキスを化粧組成物に含有させることにより、化粧効果に加えて、肌荒れの改善、日焼け等による皮膚炎症の改善、などの皮膚障害防護治療効果を化粧組成物に付与することができる。
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに具体的に説明するが、しかし、本発明の範囲は、それらの実施例によって制限されることを意図していない。
[実施例1]
この実施例では、14-DHEを含有する様な麹菌発酵物由来の抽出エキスについて、紫外線照射皮膚障害モデルに対して、強制経口投与によるin vivoでの効果を検討した。
<実験方法>
(1)麹菌醗酵エキスの調製
小麦フスマに黒麹菌を生やした醗酵物(秋田今野商店の黒麹マイルドを麹蓋1cm盛りで加水して72時間培養したもの)を凍結乾燥して、ミキサーにて細粉した。細粉した醗酵物1g当たり6mLになるようエタノール(Wako)を添加し、超音波処理(SHIBATA)を37℃で15分間施した。超音波処理後、3,000rpm、10分間遠心処理をした上清をメンブレン濾過して回収した。残渣にエタノールによる超音波抽出を加え、抽出作業を計3回行った。回収したエタノール抽出物をエバポレーターにて乾固したものを14-DHEを含有する麹菌醗酵エキスサンプルとした。なお、麹菌発酵エキスサンプル1mgあたりに1μgの14-DHEが含まれることを確認した。
(2)強制経口投与による、皮膚障害防護作用
へアレスマウス(HOS:HR-1,4週齢,雄)に、(1)で調製した麹エキスサンプルをコーン油で10mg/mLに希釈したものを麹菌醗酵エキス投与液とし、100μL(1mg/匹/day、1μg 14-DHE相当)を2週間胃内投与した(1群7匹)。最終投与の翌日に紫外線の単回照射(UV-B、線量90mJ/cm2相当)を行った。光源にはSAN-EIのUVF-204Sを用いた。照射日を基準として3日目における皮膚水分量をCorneometer CM825(Courage & Khazaka)、皮膚水分蒸散量をTewameter TM300(Courage & Khazaka)、および紅斑値をMexameter MX18(Courage & Khazaka)にて測定し、MPA5(Courage & Khazaka)で解析した。その後、マウスを安楽死させて、背部試験部位皮膚を摘出した。皮膚の一部は10%中性ホルマリン緩衝液にて固定を行い、パラフィン切片を作製し、H&E染色を行った。また、残りの一部はLysis緩衝液にて組織溶解液を作製し、その上清のサイトカインを測定した。ELISAキットはMouse TNF-α Ready-SET-Go!(eBioscience)、Mouse IL-6 Ready-SET-Go!(eBioscience)を用いた。また、コーン油のみを投与した対照群(5匹)とコーン油のみを投与しかつ紫外線照射を行わない非照射群(5匹)を設けた。
<結果>
図1に示すように、一般的に皮膚にUV-Bが照射されると水分量の低下、水分蒸散量の上昇、および紅斑値の上昇が誘導されることが報告されているが、麹菌醗酵エキスを摂取することで皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、および紅斑値の上昇を有意に抑制した。
図2に示すように、麹菌醗酵エキスの摂取でUV-B照射で誘導された炎症性サイトカインであるTNF-αおよびIL-6の産生が減少傾向であった。
図3に示した通り、麹菌醗酵エキスの摂取でUV-B照射による表皮部分(矢印の部分)の肥厚化を有意に抑制した。
以上のことより、14-DHEを含有する麹菌醗酵エキスを経口摂取することにより、紫外線照射によって起こる皮膚障害に対する防護治療効果を示すことが判明した。
[実施例2]
麹菌発酵物から単離精製した14-DHEについて、紫外線照射皮膚障害モデルに対して、混餌投与によるin vivoでの効果を検討した。
<実験方法>
(1)14-DHEの単離精製
Aspergillus kawachii (NBRC4308株)を600mLスケールで前培養(malt extract broth, 25℃, 120rpm)した。続いて、600mLの前培養液4本を、200L培養槽を用いて100Lのジャーファーメンターで250rpm、25±1℃で10日間培養した。菌体を回収し、イソプロパノールで抽出した後、シリカゲルカラムで粗精製を行ない、ODSカラムにて精製して14-DHEを得た。エバポレーターにて乾固したものを14-DHEサンプルとした。Develosil C30-UG-3 (4.6mm i.d. ×150mm, 3μm) を備えた分析用HPLC 島津LC10-ADVP(移動相A: アセトニトリル(99), 移動相B: 2-プロパノール(1), 流速: 1.0 mL/min, カラム温度: 40℃, UV波長320nm)において、14-DHEが保持時間12.23分にシングルピークとして検出されることを確認した。
(2)14-DHE混餌投与による、皮膚障害防護作用
へアレスマウス(HOS:HR-1,4週齢,雄)に、(1)で調製した14-DHEサンプルを予め2週間混餌(10μg/匹/day 相当)にて自由に摂取させた(1群6匹)。最終投与の翌日に紫外線の単回照射(UV-B、線量90mJ/cm2相当)を行い、照射日を基準として3日目における皮膚水分量、皮膚水分蒸散量、および紅斑値を測定した。その後、マウスを安楽死させて、背部試験部位皮膚を摘出した。皮膚の一部は10%中性ホルマリン緩衝液にて固定を行い、パラフィン切片を作製しH&E染色を行った。また、被験物質を摂取させない対照群(6匹)、被験物質を摂取させずかつ紫外線照射を行わない非照射群(6匹)を設けた。
<結果>
図4に示すように、一般的に皮膚にUV-Bが照射されると水分量の低下、水分蒸散量の上昇、および紅斑値の上昇が誘導されることが報告されているが、14-DHEを混餌摂取させることで皮膚水分量の低下および水分蒸散量の上昇、および紅斑値の上昇を抑制する傾向にあった。
図5に示すように、14-DHEを混餌摂取させることでUV-B照射による表皮部分の肥厚化を有意に抑制した。
以上のことより、14-DHE単体を経口摂取することにより、紫外線照射による皮膚障害に対する防護治療効果を示すことが判明した。
[実施例3]
単離精製した14-DHEについて、紫外線照射皮膚障害モデルに対して、皮膚への直接塗布によるin vivoでの効果を検討した。化粧料成分として高い効果があるとされるアスタキサンチンおよび14-DHE類似抗炎症性物質のエルゴステロールと比較検討を行なった。
<実験方法>
(1)14-DHE塗布による、皮膚障害防護作用
実験には日本SLC社より購入したヘアレスマウス(HOS:HR-1,5週齢,雌)を用いた。
実施例2で調製した14-DHEサンプルをエタノールで1mg/mLに調製し、50μL(50μg/匹/day相当)をヘアレスマウスの背部試験部位皮膚(8cm2)に1日1回、7日間の塗布を行った。アスタキサンチン(Wako)およびエルゴステロール(Wako)についても同濃度で行なった。最終塗布の翌日に紫外線の単回照射(UV-B、線量90mJ/cm2相当)を行い、照射3日後に皮膚水分量、皮膚水分蒸散量、および紅斑値を測定した。その後、マウスを安楽死させて、背部試験部位皮膚を摘出した。皮膚は10 %中性ホルマリン緩衝液にて固定を行い、パラフィン切片を作製し、H&E染色を行った(1群7匹)。エタノールのみを塗布した対照群(5匹)、エタノールのみを塗布しかつ紫外線照射を行わない非照射群(7匹)、比較対照のアスタキサンチン塗布群(7匹)、および14-DHE類似抗炎症性物質のエルゴステロール塗布群(6匹)を設けた。
(2) 14-DHE塗布による、皮膚炎症防護作用
実験には日本SLC社より購入したヘアレスマウス(HOS:HR-1,5週齢,雌)を用いた。
実施例2で調製した14-DHEサンプルをエタノールで1mg/mLに調製し、50 μL(50 μg/匹/day 相当)をヘアレスマウスの背部試験部位皮膚(8cm2)に1日1回、7日間の塗布を行った。アスタキサンチンおよびエルゴステロールについても同濃度で行なった。最終塗布の翌日に紫外線の単回照射(UV-B、線量90mJ/cm2相当)を行い、照射1日後にマウスを安楽死させて、背部試験部位皮膚を摘出した。皮膚は一部10%中性ホルマリン緩衝液にて固定を行った後、凍結切片を作製し、myeloperoxidase(MPO)の免疫組織化学染色を行った。また、残りの一部はRNAを抽出し、リアルタイムPCRで炎症性サイトカインの遺伝子発現を解析した。total RNAは RNAeasy Mini Kit(QIAGEN)およびQiashredderを用いて精製した。total RNAからcDNAをiScript cDNA Synthesis Kit(Bio-Rad)を用いて合成した。SYBR Premix Ex Taq(Perfect Real Time)(TaKaRa)を用いてLightCycler480(Roche)によりRT-PCRを行い、各種サンプルのGAPDH、TNF-αの発現解析を実施した(1群5匹)。プライマーは、GAPDH:5’-AACGACCCCTTCATTGAC-3’(順方向)(配列番号1)、5’-TCCACGACATACTCAGCAC- 3’(逆方向)(配列番号2)、TNF-α:5’-TGCCTATGTCTCAGCCTCTTC-3’(順方向)(配列番号3)、5’- GAGGCCATTTGGGAACTTCT-3’(逆方向)(配列番号4)を使用して行なった。エタノールのみを塗布した対照群(5匹)、エタノールのみを塗布しかつ紫外線照射を行わない非照射群(5匹)、比較対照のアスタキサンチン塗布群(5匹)、および14-DHE類似抗炎症性物質のエルゴステロール塗布群(5匹)を設けた。
<結果>
図6に示すように、一般的にUV-Bが照射されると照射部位の水分量の低下、水分蒸散量の上昇、および紅斑値の上昇が誘導されることが報告されているが、14-DHEの塗布により皮膚水分量の低下および紅斑値の上昇を有意に抑制した。また、皮膚水分蒸散量の上昇を抑制する傾向があった。
図7に示すように、14-DHEの塗布によりUV-B照射による表皮部分の肥厚化を有意に抑制した。
図8に示すように、14-DHEの塗布によりUV-B照射による皮膚への好中球(MPO+細胞)の浸潤数が有意に抑制された。
図9に示すように、14-DHEの塗布により、UV-Bにより誘導される炎症性サイトカインであるTNF-αのメッセージレベルでの発現が有意に抑制された。
以上のことより、14-DHE単体を皮膚に直接塗布することにより、紫外線照射によって起こる炎症を抑制することで皮膚障害防護治療効果を示すことが判明した。さらにその効果はアスタキサンチンと同等以上であった。
本発明の皮膚障害防護治療剤は、14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)又は14-DHE含有麹菌発酵エキスを有効成分として含有することを特徴とし、既に化粧品等に使用されるアスタキサンチンと同等以上の効果を有している。14-DHEは、皮膚において、水分保持、水分蒸散抑制、紅斑抑制、皮膚炎症抑制などの効果を有するため、ヒトを含む哺乳動物における皮膚の恒常性維持、障害予防、障害改善などを含む皮膚障害防護治療のために利用可能である。
配列番号1〜4:プライマー

Claims (17)

14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)を有効成分として含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための、経口用皮膚障害防護治療剤。
有効成分としての14-DHEを含有する麹菌発酵エキスを含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための、経口用皮膚障害防護治療剤。
アスタキサンチンをさらに含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤。
麹菌発酵エキスが、穀類植物種子由来材料の黒麹菌又は白麹菌による発酵エキスである、請求項2に記載の経口用皮膚障害防護治療剤。
14-DHEを0.0001重量%以上100重量%未満の量で含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための経口用医薬組成物。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための食品添加物。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するためのサプリメント。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための飲食品。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口用皮膚障害防護治療剤を有効量で含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための動物飼料添加物若しくは動物飼料。
1回の飲食又は食餌あたり14-DHEが10ng〜100mgの重量で配合された形態である、請求項9に記載の飲食品又は請求項10に記載の動物飼料添加物若しくは動物飼料。
14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)を有効成分として含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための食品組成物。
有効成分としての14-DHEを含有する麹菌発酵エキスを含有する、紫外線照射による皮膚水分量の低下、皮膚水分蒸散量の上昇、紅斑値の上昇、もしくは表皮の肥厚化、または肌荒れ、日焼けもしくは角質化を抑制するための食品組成物。
アスタキサンチンをさらに含有する、請求項12〜13のいずれか1項に記載の食品組成物。
1回の飲食あたり14-DHEが10ng〜100mgの重量で配合された形態である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の食品組成物。
穀類植物種子由来の材料を黒麹菌又は白麹菌で発酵させて得られる14-DHE含有麹菌発酵エキスを含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の食品組成物。
穀類植物種子由来の材料を黒麹菌又は白麹菌で発酵させて14-DHE含有麹菌発酵エキスを生産する工程を含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の食品組成物の製造方法。
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