以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、電気コネクタとして、種々の用途に広く適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る電気コネクタ10が、ブスバー1と電線体2とを電気的に接続している状態を示す、斜視図である。図2は、電気コネクタ10、ブスバー1及び電線体2が互いに分離した状態を示す、斜視図である。
図1及び図2を参照して、電気コネクタ10は、ブスバー(第1導電部材)1と、電線体2とを電気的且つ機械的に接続するために設けられている。尚、この場合の「機械的に接続」とは、ブスバー1の一端部1aと電線体2の一端部の圧着端子4とが、電気コネクタ10を介して互いに固定されていることをいう。
ブスバー1は、金属等の導電材料を用いて形成されている。本実施形態では、ブスバー1は、細長い薄板状に形成されている。ブスバー1は、例えば、電動モータ等の負荷と電気的に接続されている。負荷が電動モータである場合、ブスバー1は、例えば、ブラシレスモータのステータコイル、ブラシモータのブラシ等に、電気的に接続されている。
尚、ブスバー1が接続される負荷は、電動モータ以外の他の機器であってもよい。本実施形態では、ブスバー1は、強電用の導電部材として設けられており、数十kw程度の大出力の電動モータに接続されている。ブスバー1の一端部1aは、矩形の帯状に形成されている。この一端部1aには、孔部1bが形成されている。
電線体2は、例えば、バッテリー等の電源と電気的に接続されている。電源からの電力は、電線体2、電気コネクタ10、及びブスバー1を介して、電気モータ等の負荷へ出力される。電線体2は、被覆電線3と、圧着端子(第2導電部材)4と、を有している。
被覆電線3は、被覆部3aと、複数の芯線3bと、を有している。被覆部3aは、合成樹脂等の絶縁性の材料を用いて形成された、筒状の部材である。被覆部3aは、複数の芯線3bの大部分を、全周に亘って覆っている。被覆部3aの一端部から、芯線3bが突出している。
芯線3bは、金属等の導電材料を用いて形成されている。尚、本実施形態では、電線体2として、複数の芯線3bを有する形態を例に説明するけれども、この通りでなくてもよい。例えば、電線体2における芯線3bの数は、1でもよい。芯線3bの一端部は、圧着端子4に固定されており、芯線3bの他端部は、前述の電源に接続されている。
圧着端子4は、金属などの導電材料を用いて形成されている。圧着端子4は、固定部4aと、舌片部4bと、を有している。固定部4aは、筒状に形成されており、複数の芯線3bの一端部と嵌合している。固定部4aは、複数の芯線3bの一端部に圧着されている。固定部4aの縁部から、舌片部4bが延びている。
舌片部4bは、例えば、円環状に形成された、平板状の小片部材であり、孔部4cを有している。本実施形態では、ブスバー1及び圧着端子4が電気コネクタ10に接続されている状態において、ブスバー1と舌片部4bとは、平行に並んでいる。上記の構成を有する圧着端子4は、電気コネクタ10内に挿入される。
[電気コネクタの詳細な構成]
電気コネクタ10は、全体として、細長いブロック状に形成されている。尚、以下では、電気コネクタ10の長手方向を、長手方向X1という。また、電気コネクタ10の平面視において、長手方向X1と直交する幅方向を、幅方向Y1という。また、長手方向X1及び幅方向Y1の双方と直交する方向を、厚み方向Z1という。
図3は、図1のIII−III線に沿う断面図であり、電気コネクタ10、ブスバー1、及び電線体2を側方から見た状態を示している。
図3を参照して、電気コネクタ10は、コンタクト装置11と、ハウジング12と、カバー13と、リテーナ14,15と、を有している。
[コンタクト装置の詳細な構成]
コンタクト装置11は、ブスバー1及び圧着端子4のそれぞれと直接接触することで、ブスバー1と圧着端子4とを、電気的に接続する。本実施形態では、コンタクト装置11は、シーソー構造を有している。これにより、コンタクト装置11からブスバー1に作用する接触圧が、十分に高くされ、且つ、コンタクト装置11から圧着端子4に作用する接触圧が、十分に高くされている。
図4は、コンタクト装置11の斜視図である。図3及び図4を参照して、コンタクト装置11は、導電性を有する材料を用いて形成されている。コンタクト装置11は、例えば、銅合金を素材として構成されている。そして、コンタクト装置11の表面には、例えば、すずめっき又は金めっき、等のめっき処理が施されている。コンタクト装置11は、ハウジング12の後述するコンタクト収容部43に収容されている。
コンタクト装置11は、第1コンタクト形成体21と、第2コンタクト形成体22と、を有している。
第1コンタクト形成体21と、第2コンタクト形成体22とは、幅方向Y1に対称な形状に形成されている。本実施形態では、第1コンタクト形成体21と、第2コンタクト形成体22とは、別部材を用いて形成されており、互いに離隔した状態で、ハウジング12内に配置されている。
尚、第1コンタクト形成体21と、第2コンタクト形成体22は、互いに同様の形状を有している。したがって、以下では、コンタクト形成体21,22の中で、第1コンタクト形成体21の構成を主に説明する。
[第1コンタクト形成体の詳細な構成]
図5は、第1コンタクト形成体21の斜視図であり、第1コンタクト形成体21を正面側から見た状態を示している。図6(A)は、第1コンタクト形成体21の平面図である。図6(B)は、第1コンタクト形成体21の側面図である。図6(C)は、第1コンタクト形成体21の正面図である。
図3、図5、図6(A)、図6(B)及び図6(C)を参照して、第1コンタクト形成体21は、上述した導電性の板部材に、プレス加工及び曲げ加工を施すことで、形成されている。本実施形態では、第1コンタクト形成体21の全体が、単一の材料を用いて一体に形成されている。
第1コンタクト形成体21は、長手方向X1に細長い第1コンタクト100と、長手方向X1に細長い第2コンタクト200と、第1コンタクト100及び第2コンタクト200を互いに連結する連結部23と、を有している。
第1コンタクト100及び第2コンタクト200は、本発明の「互いに向かい合う第1対向コンタクト及び第2対向コンタクト」の一例である。
本実施形態では、第1コンタクト形成体21は、平面視(図6(A))において、T字状に形成されており、長手方向X1に対称な形状を有している。また、第1コンタクト形成体21は、側面視(図6(B))において、I字状に形成されており、厚み方向Z1に対称な形状に形成され、且つ、長手方向X1に対称な形状に形成されている。また、第1コンタクト形成体21は、正面視(図6(C))において、U字状に形成されており、厚み方向Z1に対称な形状に形成されている。
[第1コンタクトの詳細な構成]
第1コンタクト100は、ブスバー1の一端部1aの表面、及び圧着端子4の舌片部4bの表面に接触するために設けられている。第1コンタクト100の厚み方向が厚み方向Z1となるように、第1コンタクト100が配置されている。
第1コンタクト100は、長手方向X1に進むに従い、起伏を有する形状に形成されている。第1コンタクト100は、シーソー構造を有している。具体的には、図5に良く示されているように、第1コンタクト100は、支点部101と、第1中継部102と、第1部分103と、第1ガイド部104と、第2中継部105と、第2部分106と、第2ガイド部107と、を有している。
支点部101は、第1コンタクト100の支点部として設けられており、第1部分103及び第2部分106間に配置されている。即ち、側面視において、第1コンタクト100は、支点部101を中心として、矢印D1方向に揺動可能である。矢印D1方向は、側面視において、連結部23を中心とする円周方向である。実施形態では、支点部101は、厚み方向Z1と直交するように延びている。支点部101は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、切欠部108が形成されている。また、支点部101は、切欠部108が形成されている縁部と幅方向Y1に並ぶ縁部を有しており、この縁部は、連結部23と連続している。連結部23の詳細は、後述する。上記の構成を有する支点部101は、第1中継部102と連続している。
第1中継部102は、支点部101と第1部分103とを繋ぐ部分として設けられている。本実施形態では、第1中継部102は、側面視において、S字状に形成されており、長手方向X1に沿って支点部101から遠ざかるに従い、第2コンタクト200に近づいている。第1中継部102は、第1部分103と連続している。
第1部分103は、ブスバー1の一端部1aと直接接触するための部分として設けられている。第1部分103は、支点部101に対して傾斜している。具体的には、第1部分103は、長手方向X1に沿って支点部101から遠ざかるに従い、第2コンタクト200に近づくように延びている。本実施形態では、第1部分103は、平坦な部分である。自由状態(外力の作用していない状態)において、支持部101に対する第1部分103の傾斜角度θ1は、数度程度に設定されている。これにより、コンタクト装置11にブスバー1が挿入されたときに、第1部分103とブスバー1とは、略平行となる。第1部分103は、第2コンタクト200と向かい合う一側面を有しており、この一側面が、ブスバー1の表面と接触する。
第1部分103は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部109が形成されている。ピン通し部109は、支点部101を、厚み方向Z1に貫通している。ピン通し部109は、リテーナ14の後述するピン14bが嵌められる部分として設けられている。ピン通し部109は、平面視で円弧状に形成されている。第1部分103は、ブスバー1の表面と十分な接触面積を確保可能な大きさを有している。第1部分103の先端部から、第1ガイド部104が延びている。
第1ガイド部104は、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第1空間S1への、ブスバー1の挿入を案内する部分として設けられている。第1ガイド部104は、第1ガイド部104から遠ざかるに従い、第2コンタクト200から遠ざかるように延びている。
第1ガイド部104の幅(第1部分103の先端部の幅)と比べて、第1部分103の基端部の幅、及び支点部101の幅は、大きく設定されている。このような構成であれば、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第1空間S1へブスバー1が挿入される際、第1コンタクト100の先端を撓ませ易くできる。よって、ブスバー1の挿入作業は、容易である。また、ブスバー1からの反力は、第1コンタクト100において剛性の高い第1部分103の基端部、第1中継部102、及び支点部101に確実に伝わる。これにより、支点部101を中心とした、第1コンタクト100のシーソー運動を、確実に行うことができる。支点部101からは、第2中継部105が延びている。
第2中継部105は、支点部101と第2部分106とを繋ぐ部分として設けられている。本実施形態では、第2中継部105は、側面視において、S字状に形成されており、長手方向X1に沿って支点部101から遠ざかるに従い、第2コンタクト200に近づいている。第2中継部105は、第2部分106と連続している。
第2部分106は、圧着端子4の舌片部4bと直接接触するための部分として設けられている。第2部分106は、支点部101に対して傾斜している。具体的には、第2部分106は、長手方向X1に沿って支点部101から遠ざかるに従い、第2コンタクト200に近づくように延びている。本実施形態では、第2部分106は、平坦部分である。自由状態において、支点部101に対する第2部分106の傾斜角度θ2は、数度程度に設定されている。これにより、コンタクト装置11に舌片部4bが挿入されたときに、第2部分106と舌片部4bとは、略平行となる。第2部分106は、第2コンタクト200と向かい合う一側面を有しており、この一側面が、舌片部4bの表面と接触する。
第2部分106は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部110が形成されている。ピン通し部110は、支点部101を、厚み方向Z1に貫通している。ピン通し部110は、リテーナ15の後述するピン15bが嵌められる部分として設けられている。ピン通し部110は、平面視で円弧状に形成されている。第2部分106は、舌片部4bの表面と十分な接触面積を確保可能な大きさを有している。第2部分106の先端部から、第2ガイド部107が延びている。
第2ガイド部107は、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第2空間S2への、舌片部4bの挿入を案内する部分として設けられている。第2ガイド部107は、第2ガイド部107から遠ざかるに従い、第2コンタクト200から遠ざかるように延びている。
第2ガイド部107の幅(第2部分106の先端部の幅)と比べて、第2部分106の基端部の幅、及び支点部101の幅は、大きく設定されている。このような構成であれば、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第2空間S2へ舌片部4bが挿入される際、第1コンタクト100の先端を撓ませ易くできる。よって、舌片部4bの挿入作業は、容易である。また、舌片部4bからの反力は、第1コンタクト100において剛性の高い第2部分106の基端部、第2中継部105、及び支点部101に確実に伝わる。これにより、支点部101を中心とした、第1コンタクト100のシーソー運動を、確実に行うことができる。
上記の構成を有する第1コンタクト100は、第2コンタクト200と厚み方向Z1に並んでいる。本実施形態では、第1コンタクト100と、第2コンタクト200とは、厚み方向Z1に対称な形状である。
[第2コンタクトの詳細な構成]
第2コンタクト200は、ブスバー1の一端部1aの裏面、及び圧着端子4の舌片部4bの裏面に接触するために設けられている。第2コンタクト200の厚み方向が厚み方向Z1となるように、第2コンタクト200が配置されている。
第2コンタクト200は、ハウジング12のカバー13に隣接するように配置されている。第2コンタクト200は、長手方向X1に進むに従い、起伏を有する形状に形成されている。
第2コンタクト200は、シーソー構造を有している。具体的には、図5に良く示されているように、第2コンタクト200は、支点部201と、第1中継部202と、第1部分203と、第1ガイド部204と、第2中継部205と、第2部分206と、第2ガイド部207と、を有している。
支点部201は、第2コンタクト200の支点部として設けられており、第1部分203及び第2部分206間に配置されている。即ち、側面視において、第2コンタクト200は、支点部201を中心として、矢印D1方向に揺動可能である。本実施形態では、支点部201は、厚み方向Z1と直交するように延びている。支点部201は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、切欠部208が形成されている。また、支点部201は、切欠部208が形成されている縁部と幅方向Y1に並ぶ縁部を有しており、この縁部は、連結部23と連続している。連結部23の詳細は、後述する。上記の構成を有する支点部201は、第1中継部202と連続している。
第1中継部202は、支点部201と第1部分203とを繋ぐ部分として設けられている。本実施形態では、第1中継部202は、側面視において、S字状に形成されており、長手方向X1に沿って支点部201から遠ざかるに従い、第1コンタクト100に近づいている。第1中継部202は、第1部分203と連続している。
第1部分203は、ブスバー1の一端部1aと直接接触するための部分として設けられている。第1部分203は、支点部201に対して傾斜している。具体的には、第1部分203は、長手方向X1に沿って支点部201から遠ざかるに従い、第1コンタクト100に近づくように延びている。本実施形態では、第1部分203は、平坦な部分である。自由状態において、支点部201に対する第1部分203の傾斜角度θ3は、数度程度に設定されている。これにより、第1部分103,203間の第1空間S1にブスバー1が挿入されたときに、第1部分203とブスバー1とは、略平行となる。尚、本実施形態では、傾斜角度θ1=θ3に設定されているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、θ1>θ3であってもよいし、θ1<θ3であってもよい。第1部分203は、第1コンタクト100と向かい合う一側面を有しており、この一側面が、ブスバー1の裏面と接触する。
第1部分203は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部209が形成されている。ピン通し部209は、第1部分203を、厚み方向Z1に貫通している。ピン通し部209は、リテーナ14の後述するピン14bが嵌められる部分として設けられている。ピン通し部209は、平面視で円弧状に形成されている。第1部分203は、ブスバー1の裏面と十分な接触面積を確保可能な大きさを有している。第1部分203の先端部から、第1ガイド部204が延びている。
第1ガイド部204は、第1部分103,203間の第1空間S1への、ブスバー1の挿入を案内する部分として設けられている。第1ガイド部204は、第1ガイド部204から遠ざかるに従い、第1コンタクト100から遠ざかるように延びている。
第1ガイド部204の幅(第1部分203の先端部の幅)と比べて、第1部分203の基端部の幅、及び支点部201の幅は、大きく設定されている。このような構成であれば、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第1空間S1へブスバー1が挿入される際、第2コンタクト200の先端を撓ませ易くできる。よって、ブスバー1の挿入作業は、容易である。また、ブスバー1からの反力は、第2コンタクト200において剛性の高い第1部分203の基端部、第1中継部205、及び点部201に確実に伝わる。これにより、支点部201を中心とした、第2コンタクト200のシーソー運動を、確実に行うことができる。支点部201からは、第2中継部205が延びている。
第2中継部205は、支点部201と第2部分206とを繋ぐ部分として設けられている。本実施形態では、第2中継部205は、側面視において、S字状に形成されており、長手方向X1に沿って支点部201から遠ざかるに従い、第1コンタクト100に近づいている。第2中継部205は、第2部分206と連続している。
第2部分206は、圧着端子4の舌片部4bと直接接触するための部分として設けられている。第2部分206は、支点部201に対して傾斜している。具体的には、第2部分206は、長手方向X1に沿って支点部201から遠ざかるに従い、第1コンタクト100に近づくように延びている。本実施形態では、第2部分206は、平坦部分である。自由状態において、支点部201に対する第2部分106の傾斜角度θ4は、数度程度に設定されている。これにより、第2部分106,206間の第2空間S2に舌片部4bが挿入されたときに、第2部分206と舌片部4bとは、略平行となる。尚、本実施形態では、傾斜角度θ2=θ4に設定されているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、θ2>θ4であってもよいし、θ2<θ4であってもよい。第2部分206は、第1コンタクト100と向かい合う一側面を有しており、この一側面が、舌片部4bの裏面と接触する。
第2部分206は、第2コンタクト形成体22と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部210が形成されている。ピン通し部210は、第2部分206を、厚み方向Z1に貫通している。ピン通し部210は、リテーナ15の後述するピン15bが嵌められる部分として設けられている。ピン通し部210は、平面視で円弧状に形成されている。第2部分206は、舌片部4bの裏面と十分な接触面積を確保可能な大きさを有している。第2部分206の先端部から、第2ガイド部207が延びている。
第2ガイド部207は、第1コンタクト100と第2コンタクト200との間の第2空間S2への、舌片部4bの挿入を案内する部分として設けられている。第2ガイド部207は、第2ガイド部207から遠ざかるに従い、第1コンタクト100から遠ざかるように延びている。
第2ガイド部207の幅(第2部分206の先端部の幅)と比べて、第2部分206の基端部の幅、及び支点部201の幅、大きく設定されている。このような構成であれば、第1コンタクト100と第2コンタクト200の第2部分106,206間の第2空間S2へ舌片部4bが挿入される際、第2コンタクト200の先端を撓ませ易くできる。よって、舌片部4bの挿入作業は、容易である。また、舌片部4bからの反力は、第2コンタクト200において剛性の高い第2部分206の基端部、第2中継部205、及び支点部201に確実に伝わる。これにより、支点部201を中心とした、第2コンタクト200のシーソー運動を確実に行うことができる。
上記の構成を有する第1コンタクト100及び第2コンタクト200は、連結部23によって、互いに連結されている。
[連結部の詳細な構成]
連結部23は、第1コンタクト100の支点部101と、第2コンタクト200の支点部201と、を繋いでいる。本実施形態では、連結部23は、正面視において、U字状に形成されている。平面視において、連結部23は、第1コンタクト100及び第2コンタクト200と重ならないように配置されている。連結部23は、支点部101,201における、切欠部108,208が形成されている縁部とは反対側の縁部に連続している。厚み方向Z1における連結部23の一端部は、略90°折り曲げられた状態で、支点部101に連続している。同様に、厚み方向Z1における連結部23の他端部は、略90°折り曲げられた状態で、支点部201に連続している。長手方向X1における連結部23の長さに応じて、コンタクト100,200のシーソー運動のし易さが決定される。
図4及び図5を参照して、上記の構成を有する第1コンタクト形成体21は、前述したように、第2コンタクト形成体22と、幅方向Y1に対称な形状となるように配置されている。
[第2コンタクト形成体の構成の詳細]
第2コンタクト形成体22は、長手方向X1に細長い第3コンタクト300と、長手方向X1に細長い第4コンタクト400と、第3コンタクト300及び第4コンタクト400を互いに連結する連結部24と、を有している。
第3コンタクト300及び第4コンタクト400は、本発明の「互いに向かい合う第1対向コンタクト及び第2対向コンタクト」の一例である。
また、第1コンタクト100及び第3コンタクト300は、本発明の「横並びに離隔して配置された第1並行コンタクト及び第2並行コンタクト」の一例である。同様に、第2コンタクト200及び第4コンタクト400は、本発明の「横並びに離隔して配置された第1並行コンタクト及び第2並行コンタクト」の一例である。
[第3コンタクトの詳細な構成]
第3コンタクト300は、第1コンタクト100と同様の構成を有しており、シーソー構造を有している。より具体的には、第3コンタクト300は、支点部301と、第1中継部302と、第1部分303と、第1ガイド部304と、第2中継部305と、第2部分306と、第2ガイド部307と、を有している。
第3コンタクト300の支点部301、第1中継部302、第1部分303、第1ガイド部304、第2中継部305、第2部分306、及び第2ガイド部307は、それぞれ、第1コンタクト100の対応する支点部101、第1中継部102、第1部分103、第1ガイド部104、第2中継部105、第2部分106、及び第2ガイド部107と、同様の構成を有している。
第3コンタクト300の支点部301は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、切欠部308が形成されている。切欠部308は、切欠部108と同様の構成を有している。
第3コンタクト300の第1部分303は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部309が形成されている。ピン通し部109,309間の空間に、リテーナ14のピン14bが挿入される。
第3コンタクト300の第2部分306は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部310が形成されている。ピン通し部110,310間の空間に、リテーナ15のピン15bが挿入される。
[第4コンタクトの詳細な構成]
第4コンタクト400は、第2コンタクト200と同様の構成を有しており、シーソー構造を有している。より具体的には、第4コンタクト400は、支点部401と、第1中継部402と、第1部分403と、第1ガイド部404と、第2中継部405と、第2部分406と、第2ガイド部407と、を有している。
第4コンタクト400の支点部401、第1中継部402、第1部分403、第1ガイド部404、第2中継部405、第2部分406、及び第2ガイド部407は、それぞれ、第2コンタクト200の対応する支点部201、第1中継部202、第1部分203、第1ガイド部204、第2中継部205、第2部分206、及び第2ガイド部207と、同様の構成を有している。
第4コンタクト400の支点部401は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、切欠部408が形成されている。切欠部408は、切欠部208と同様の構成を有している。
第4コンタクト400の第1部分403は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部409(図4では図示せず)が形成されている。ピン通し部209,409間の空間に、リテーナ14のピン14bが挿入される。
第4コンタクト400の第2部分406は、第1コンタクト形成体21と向かい合う縁部を有しており、この縁部には、ピン通し部410(図4では図示せず)が形成されている。ピン通し部110,410間の空間に、リテーナ15のピン15bが挿入される。
上記の構成を有する第3コンタクト300及び第4コンタクト400は、連結部24によって、互いに連結されている。連結部24は、第1コンタクト形成体21の連結部23と同様の構成を有しており、支点部301,401に連続している。
上記の構成により、第2コンタクト形成体22の第1部分303,403間にも、ブスバー1を挿入するための第1空間S1が形成されている。また、第2コンタクト形成体22の第2部分306,406間にも、圧着端子4の舌片部4bを挿入するための第2空間S2が形成されている。
図3及び図4を参照して、上記の構成により、コンタクト100,200,300,400にブスバー1及び圧着端子4接続されている状態において、第1コンタクト100がブスバー1及び圧着端子4を向く方向と、第3コンタクト300がブスバー1及び圧着端子4を向く方向とは、同じ(厚み方向Z1の一方)に設定されている。同様に、第2コンタクト200がブスバー1及び圧着端子4を向く方向と、第4コンタクト400がブスバー1及び圧着端子4を向く方向とは、同じ(厚み方向Z1の他方)に設定されている。
以上が、コンタクト装置11の概略構成である。次に、コンタクト装置11に取り付けられるリテーナ14,15の詳細を説明する。
[リテーナの詳細な構成]
図7(A)は、リテーナ14の平面図である。図7(B)は、リテーナ14の側面図である。図7(C)は、リテーナ14の正面図である。図7(D)は、リテーナ15の正面図である。
図3、及び図7(A)〜図7(D)を参照して、リテーナ14は、ブスバー1が各第1部分103,203、303,403から外れることを規制するための、規制部材として設けられている。
本実施形態では、リテーナ14は、ハウジング12に対する厚み方向Z1への直線変位によって、ハウジング12に固定される。リテーナ14は、頭部14aと、ピン14bと、を有している。本実施形態では、リテーナ14は、合成樹脂を用いて形成された一体成形品であり、リテーナ14の全体が、絶縁体である。尚、頭部14aが合成樹脂で形成され、ピン14bが金属等の高剛性材料で形成されてもよい。
頭部14aは、リテーナ14を作業員等が操作する際の把持部として設けられている。本実施形態では、頭部14aは、多角柱形状(四角柱形状)に形成されている。頭部14aの側面には、凸部14cが複数形成されている。頭部14aの底面からピン14bが延びている。
ピン14bは、ブスバー1の孔部1bに挿入されることにより、コンタクト装置11からのブスバー1の抜けを規制する。ピン14bは、例えば、丸軸状に形成されている。上記の構成を有するリテーナ14と、リテーナ15とは、互いに同様の構成を有している。
リテーナ15は、圧着端子4の舌片部4bが各第2部分106,206,306,406から外れることを規制するための、規制部材として設けられている。
本実施形態では、リテーナ15は、ハウジング12に対する厚み方向Z1への直線変位によって、ハウジング12に固定される。リテーナ15の形状は、リテーナ14の形状と同じである。即ち、リテーナ15は、頭部15aと、ピン15bと、を有しており、頭部15aの側面に複数の凸部15cが形成されている。リテーナ14は、リテーナ15と同様の材料を用いて形成されている。ピン15bは、舌片部4bの孔部4cに挿入されることにより、コンタクト装置11からの圧着端子4の抜けを規制する。
リテーナ14,15は、長手方向X1に並ぶように配置されている。リテーナ14,15と厚み方向Z1に並ぶようにして、カバー13が配置されている。
[カバーの詳細な構成]
図8(A)は、カバー13の平面図である。図8(B)は、カバー13の側面図である。図8(C)は、カバー13の背面図である。
図3、及び図8(A)〜図8(C)を参照して、カバー13は、ハウジング12の底面12fの開口部16を塞ぐ蓋部材として設けられている。また、カバー13は、コンタクト装置11を支持する部材として設けられている。カバー13は、合成樹脂等の絶縁性の材料を用いて形成された、一体成形品である。
カバー13は、カバー本体25と、複数の結合片26と、規制用凸部27,28,29,30と、を有している。
カバー本体25は、長手方向X1に細長い矩形の板状に形成されている。カバー本体25の外周部に、結合片26が配置されている。
結合片26は、ハウジング12の開口部16の周囲の部分に嵌合されることで、この開口部16に固定される。結合片26は、カバー本体25の外周部に適宜配置されており、本実施形態では、6箇所に配置されている。カバー本体25の上面31には、ピン受け部32,33が形成されている。
ピン受け部32,33は、それぞれ、リテーナ14,15の対応するピン14b,15bと嵌合する孔部として設けられている。
ピン受け部32は、ピン14bの形状に対応する形状(本実施形態では、円柱状)の空間を形成している。ピン受け部32は、ハウジング12に保持されたリテーナ14のピン14bの先端部と嵌合している。ピン受け部32とピン14bとは、すきまばめであってもよいし、しまりばめであってもよい。
ピン受け部33は、ピン15bの形状に対応する形状(本実施形態では、円柱状)の空間を形成している。ピン受け部33は、ハウジング12に保持されたリテーナ15のピン15bの先端部と嵌合している。ピン受け部33とピン15bとは、すきまばめであってもよいし、しまりばめであってもよい。
このように、ピン受け部32,33が、対応するピン14b,15bと嵌合する構成とすることにより、電気コネクタ10を、より薄型化できる。ピン受け部32,33の周囲に、規制用凸部27,28,29,30が配置されている。
図9は、図3のIX−IX線に沿う断面図である。図10は、図3のX−X線に沿う断面図である。
図8(A)〜図8(C)、図9及び図10を参照して、規制用凸部27,28,29,30は、それぞれ、カバー13の上面31から突出する小片部材として設けられている。本実施形態では、上面31からの規制用凸部27,28,29,30の突出量は同じに設定されている。規制用凸部27,28,29,30は、それぞれ、コンタクト装置11の対応する第1部分203、第2部分206、第1部分403、及び第2部分406に隣接して配置されている。これらの規制用凸部27,28,29,30は、上記対応する部分が、カバー13側に所定量以上変位した場合に、上記対応する部分を受けることで、コンタクト装置11の過度な変形(塑性変形)を規制する。次に、ハウジング12の構成を、より具体的に説明する。
[ハウジングの詳細な構成]
図11は、図1のXI−XI線に沿う一部断面図であり、電気コネクタ10は、リテーナ14,15のピン14b,15bが表示されないように切断された状態で示されている。図12(A)は、ハウジング12の正面図であり、図12(B)は、ハウジング12の側面図であり、図12(C)は、ハウジング12の背面図である。図13(A)は、ハウジング12の平面図であり、図13(B)は、ハウジング12の底面図である。
図1、図3、図9〜図13を参照して、ハウジング12は、コンタクト装置11を収容している。また、ハウジング12は、リテーナ14,15、及びカバー13を保持している。ハウジング12は、合成樹脂等の絶縁材料を用いて形成されている。
ハウジング12は、ハウジング12は、長手方向X1に延びるブロック状に形成されており、本実施形態では、略四角柱形状の外観を有している。
図1、図12及び図13の各図に良く示されているように、ハウジング12は、一対の側面12c,12dを有している。
一方の側面12cは、溝形成部34を有している。溝形成部34は、長手方向X1に延びる溝34aを形成している。この溝34aは、正面視において、逆テーパ状に形成されており、幅方向Y1に沿ってハウジング12の中心から遠ざかるに従い、溝幅が狭くなっている。溝34aは、ハウジング12の正面12a側に開放されている。
他方の側面12dは、凸条部35を有している。凸条部35は、溝34aに対応する形状に形成されている。具体的には、凸条部35は、正面視において、逆テーパ状に形成されており、幅方向Y1に沿ってハウジング12の中心から遠ざかるに従い、溝幅が広くなっている。凸条部35は、当該凸条部35が形成されているハウジング12とは別のハウジング12の溝34aに、圧入されることが可能である。溝34aと凸条部35との嵌合により、ハウジング12と、別のハウジング12とを互いに固定することができる。即ち、複数の電気コネクタ10を束ねるための専用部材が不要である。
図12(C)に良く示されているように、ハウジング12における背面12b側の部分には、複数の孔部36〜41と、ブスバー挿入部42と、が形成されている。
孔部36〜41は、それぞれ、ハウジング12の背面12bに開放された孔部であり、長手方向X1に沿って延びている。孔部36〜41が設けられていることにより、ハウジング12の軽量化が達成されている。孔部36,37,38は、ハウジング12の上面12e寄りに配置されており、幅方向Y1に並んでいる。孔部39〜41は、ハウジング12の底面12f寄りに配置されており、幅方向Y1に並んでいる。孔部40は、ハウジング12の後述するコンタクト収容部43に開放されている。孔部36,37,38と、孔部39〜41との間に、ブスバー挿入部42が形成されている。
図11及び図12(C)に良く示されているように、ブスバー挿入部42は、ハウジング12の背面12bからブスバー1を挿入するために設けられている。ブスバー挿入部42は、幅方向Y1に扁平な形状に形成されており、ブスバー1の一端部1aを挿入するためのスロットとして設けられている。ブスバー挿入部42は、ハウジング12の背面12bからハウジング12の内部へ延びており、コンタクト収容部43に開放されている。
図1、図11及び図12(A)に良く示されているように、ハウジング12の正面12a側には、孔部44,45,46と、端子挿入部47と、が形成されている。
孔部44,45,46は、それぞれ、ハウジング12の正面12aに開放された孔部であり、長手方向X1に沿って延びている。孔部44,45,46が設けられていることにより、ハウジング12の軽量化が達成されている。孔部44,45,46は、ハウジング12の底面12f寄りに配置されており、幅方向Y1に並んでいる。孔部45は、ハウジング12のコンタクト収容部43に開放されている。孔部44,45,46に隣接した位置に、端子挿入部47が形成されている。
端子挿入部47は、ハウジング12の正面12aから電線体2を挿入するために設けられている。端子挿入部47は、圧着端子4の固定部4a及び被覆電線3が挿入される第1部分47aと、圧着端子4の舌片部4bが挿入される第2部分47bと、を有している。
第1部分47aの底側に、第2部分47bが配置されている。第2部分47bは、幅方向Y1に扁平な形状に形成されており、舌片部4bを挿入するためのスロットとして設けられている。第2部分47bは、長手方向X1に沿って、ハウジング12の正面12aからハウジング12の内部へ延びており、コンタクト収容部43に開放されている。
図3に良く示されているように、ハウジング12における上面12eには、リテーナ保持部48,49が形成されている。
リテーナ保持部48は、リテーナ14の頭部14aの形状に相当する形状の孔部であり、本実施形態では、四角柱状の孔部として形成されている。このリテーナ保持部48には、リテーナ14の頭部14aが挿入されている。頭部14aの各凸部14cは、リテーナ保持部48の内側面に係止(hold)されており、これにより、リテーナ保持部48にリテーナ14が固定されている。リテーナ保持部48の底部には、ピン挿入孔51が形成されている。このピン挿入孔51は、本実施形態では、円柱状の空間を形成しており、リテーナ14のピン14bが挿入されている。ピン挿入孔51は、コンタクト収容部43に開放されている。リテーナ保持部48と長手方向X1に並ぶようにして、リテーナ保持部49が形成されている。
リテーナ保持部49は、本実施形態では、リテーナ保持部48の形状と同様の形状を有している。具体的には、リテーナ保持部49は、リテーナ15の頭部15aの形状に相当する形状の孔部であり、本実施形態では、四角柱状の孔部として形成されている。このリテーナ保持部49には、リテーナ15の頭部15aが挿入されている。頭部15aの各凸部15cは、リテーナ保持部49の内側面に係止されており、これにより、リテーナ保持部49にリテーナ15が固定されている。リテーナ保持部49の底部には、ピン挿入孔52が形成されている。このピン挿入孔52は、本実施形態では、円柱状の空間を形成しており、リテーナ15のピン15bが挿入されている。ピン挿入孔52は、コンタクト収容部43に開放されている。
ハウジング12の底面12f側には、コンタクト収容部43が形成されている。コンタクト収容部43は、ハウジング12の底面12fの周辺において、カバー13と協働して、コンタクト装置11を収容する収容空間S3を画成している。本実施形態では、コンタクト収容部43内の収容空間S3は、長手方向X1に細長く、且つ、厚み方向Z1に薄い空間である。
図3及び図13(B)に良く示されているように、コンタクト収容部43は、第1内側面61と、第2内側面62と、第3内側面63と、第4内側面64と、上面65と、を有している。
第1〜第4内側面61〜64は、厚み方向Z1と平行に延びており、底面視において、コンタクト装置11を取り囲む矩形状に形成されている。図13(B)においては、コンタクト装置11は、想像線である二点鎖線で図示している。
第1内側面61には、前述のブスバー挿入部42が開放されている。この構成により、ブスバー挿入部42に挿入されたブスバー1は、コンタクト収容部43内の第1空間S1に到達することができる。即ち、ブスバー1と、コンタクト装置11との接触が、可能となる。また、第1内側面61には、背面12bに形成された、前述の孔部45が開放されている。この孔部45の縁部には、カバー13の1つの結合片26が掛けられており、カバー13がハウジング12から不用意に抜けることを防止している。第1内側面61と長手方向X1に向かい合うようにして、第2内側面62が配置されている。
第2内側面62には、端子挿入部47の第2部分47bが開放されている。この構成により、端子挿入部47に挿入された舌片部4bは、コンタクト収容部43内の第2空間S2に到達することができる。即ち、圧着端子4と、コンタクト装置11との接触が、可能となる。また、第2内側面62には、正面12aに形成された、前述の孔部45が開放されている。この孔部45の縁部には、カバー13の1つの結合片26が掛けられており、カバー13がハウジング12から不用意に抜けることを防止している。
コンタクト収容部43の上面65には、ピン通挿入孔51,52が開放されている。また、コンタクト収容部43の上面65には、カバー受け部66,67,68,69と、規制用凸部71,72,73,74と、セパレータ75と、が形成されている。
図9〜図13の各図に良く示されているように、カバー受け部66,67,68,69は、カバー13の上面31を受ける部分として設けられている。カバー受け部66,67,68,69は、底面視における、コンタクト収容部43の上面65の四隅に配置されており、コンタクト収容部43の上面65から、カバー13に向けて突出している。カバー受け部66,68には、ブスバー1を保持するための溝が形成されている。また、カバー受け部67,69には、圧着端子4を保持するための溝が形成されている。これらのカバー受け部66,67,68,69の間に、規制用凸部71,72,73,74が形成されている。
規制用凸部71,72,73,74は、コンタクト装置11の過度な変形を規制するように構成されている。
規制用凸部71,72,73,74は、それぞれ、コンタクト収容部43の上面65からカバー13に向けて突出する小片部材として設けられている。本実施形態では、上面65からの規制用凸部71,72,73,74の突出量は、同じに設定されている。規制用凸部71,72,73,74は、それぞれ、コンタクト装置11の対応する第1部分103、第2部分106、第1部分303、及び第2部分306に隣接して配置されている。これらの規制用凸部71,72,73,74は、上記対応する部分が、コンタクト収容部43の上面65側に所定量以上変位した場合に、上記対応する部分を受けることで、コンタクト装置11の過度な変形(塑性変形)を規制する。上記の構成を有する規制用凸部71,72,73,74に隣接した位置に、セパレータ75が配置されている。
図13(B)に良く示されているように、セパレータ75は、コンタクト装置11の第1コンタクト形成体21と第2コンタクト形成体22とを離隔した状態で配置するために設けられている。本実施形態では、セパレータ75は、複数の小片部材によって構成されている。
具体的には、セパレータ75は、主ブロック75aと、副ブロック75b〜75eと、を有している。
主ブロック75aは、コンタクト収容部43の上面65の中央に配置された、小片部材である。主ブロック75aは、第1コンタクト形成体21の支点部101の切欠部108に嵌められており、且つ、第2コンタクト形成体22の支点部301の切欠部308に嵌められている。主ブロック75aは、副ブロック75b,75cに挟まれている。
副ブロック75b,75cは、支点部101,301間に配置される小片部材である。主ブロック75a、及び副ブロック75b,75cによって、支点部101,301の互いの接触が防止されている。副ブロック75d,75eは、長手方向X1におけるコンタクト形成体21,22の一対の端部に配置されており、コンタクト形成体21,22の互いの接触を防止している。
以上が、電気コネクタ10の概略構成である。次に、(1)電気コネクタ10を介してブスバー1と圧着端子4とを電気的に接続する動作と、(2)電気コネクタ10からのブスバー1及び圧着端子4の抜けを防止するための動作と、を説明する。
[(1)電気コネクタを介してブスバーと圧着端子とを電気的に接続する動作]
図2を参照して、ブスバー1と圧着端子4とを電気的に接続する場合、作業員は、ブスバー1の一端部1aと、圧着端子4の舌片部4bとの間に、電気コネクタ10を配置する。次に、作業員は、ブスバー1を、電気コネクタ10のブスバー挿入部42(図2では図示せず)に挿入する。また、作業員は、圧着端子4を、電気コネクタ10の端子挿入部47に挿入する。
これにより、図11に示すように、ブスバー1の一端部1aは、コンタクト収容部43内の収容空間S3に挿入される。この挿入動作により、ブスバー1の一端部1aは、各コンタクト形成体21,22(図11では、第2コンタクト形成体22は図示せず)の第1空間S1に挿入され、各第1部分103,203,303,403に接触する。
また、圧着端子4は、端子挿入部47に挿入される。そして、圧着端子4の舌片部4bは、コンタクト収容部43内の収容空間S3に挿入される。この挿入動作により、舌片部4bは、各第1コンタクト形成体21,22の第2空間S2に挿入され、各第2部分106,206,306,406に接触する。
次に、第1コンタクト形成体21,22へのブスバー1及び圧着端子4の挿入動作について、より詳細に説明する。図14は、ブスバー1及び圧着端子4と、第1コンタクト形成体21とを接続させる動作を説明するための、主要部を示す図である。より具体的には、図14(A)は、接続前の状態を示す側面図である。図14(B)は、接続途中の状態を示す側面図である。図14(C)は、接続完了状態を示す側面図であり、図14(D)は、図14(C)と同じ状態を示す斜視図である。
図14(A)を参照して、例えば、ブスバー1及び圧着端子4のうちブスバー1を先に第1コンタクト形成体21に装着する場合、作業員は、長手方向X1に沿って、ブスバー1を、第1コンタクト形成体21の第1部分103,203間(第1空間S1)に挿入する。これにより、図14(B)に示すように、第1コンタクト形成体21の第1部分103,203間の間隔が広げられる。この動作により、第1コンタクト100は、支点部101回りを矢印D1方向に回転し、第2コンタクト200は、支点部201回りを矢印D1方向に回転する。その結果、第1コンタクト100の第2部分106と、第2コンタクト200の第2部分206との間隔が狭くなる。
次に、作業員は、長手方向X1に沿って、圧着端子4の舌片部4bを、第1コンタクト形成体21の第2部分106,206(第2空間S2)に挿入する。これにより、図14(C)及び図14(D)に示すように、第1コンタクト形成体21の第2部分106,206間の間隔が広げられる。この動作により、第1コンタクト100は、支点部101回りを矢印D1方向に回転する力を受ける。また、第2コンタクト200は、支点部201回りを矢印D1方向に回転する力を受ける。その結果、第1コンタクト形成体21の第1部分103,203には、ブスバー1を挟む力が作用し、第2部分106,206には、圧着端子4を挟む力が作用する。即ち、第1コンタクト100及び第2コンタクト200によるシーソー運動によって、第1部分103,203が、ブスバー1を強い力で挟持し、第2部分106,206が、圧着端子4を強い力で挟持する。
尚、ブスバー1及び圧着端子4のうち圧着端子4を先に第1コンタクト形成体21に装着する場合も、上記と同様の作用が生じる。また、第2コンタクト形成体22においても、第1コンタクト形成体21と同様の動作が生じることで、第1部分303,403が、ブスバー1を強い力で挟持し、第2部分306,406が、圧着端子4を強い力で挟持する。
上記の動作によって、ブスバー1の一端部1aと、圧着端子4の舌片部4bとは、コンタクト装置11を介して、電気的に接続される。この電気的な接続が達成された後、コンタクト装置11からのブスバー1及び圧着端子4の抜けを防止するための動作が行われる。
[(2)電気コネクタからのブスバー及び圧着端子の抜けを防止するための動作]
次に、図3及び図14(D)を参照して、作業員は、リテーナ14を、ハウジング12のリテーナ保持部48に挿入する。これにより、リテーナ14の頭部14aがリテーナ保持部48に固定される。また、リテーナ14のピン14bは、ピン挿入孔51を貫通する。ピン14bは、更に、コンタクト装置11のピン通し部109,309間を通り、更に、ブスバー1の一端部1aの孔部1bを貫通し、ピン通し部209,409間を通ることで、コンタクト装置11を貫通する。このピン14bの先端部は、カバー13のピン受け部32に挿入される。
また、作業員は、リテーナ15を、ハウジング12のリテーナ保持部49に挿入する。これにより、リテーナ15の頭部15aがリテーナ保持部49に固定される。また、リテーナ15のピン15bは、ピン挿入孔52を貫通する。ピン15bは、更に、コンタクト装置11のピン通し部110,310間を通り、更に、圧着端子4の孔部4cを貫通し、ピン通し部210,410間を通ることで、コンタクト装置11を貫通する。このピン15bの先端部は、カバー13のピン受け部33に挿入される。
尚、ブスバー1及び圧着端子4をコンタクト装置11から取り外す際には、作業員は、まず、リテーナ14,15を、厚み方向Z1に沿ってハウジング12から引き抜く。次に、作業員は、ブスバー1及び圧着端子4を、それぞれ、ハウジング12から引き抜く。
以上説明したように、電気コネクタ10によると、コンタクト100,200,300,400は、それぞれ、シーソー構造を含んでいる。この構成によると、コンタクト100,200,300,400において、第1部分103,203,303,403及び第2部分106,206,306,406の何れか一方(例えば、第1部分103,203,303,403)と、対応するブスバー1及び圧着端子4(例えば、ブスバー1)とが、接触する。これにより、各コンタクト100,200,300,400が、例えば第1部分103,203,303,403を力点とし且つ支点部101,201,301,401を支点として、変位する。これにより、第1部分103,203,303,403及び第2部分106,206,306,406の何れか他方(例えば、第2部分106,206,306,406)が、作用点として、圧着端子4側へ変位する。したがって、第2部分106,206,306,406と圧着端子4とが、所定の接触圧を生じるように接触する。また、第2部分106,206,306,406が圧着端子4から受ける反力は、第1部分103,203,303,403を、ブスバー1に加圧する力となる。よって、第1部分103,203,303,403及び第2部分106,206,306,406は、何れも、対応するブスバー1及び圧着端子4と十分な接触圧で接触できる。その結果、コンタクト装置11を介した、ブスバー1と圧着端子4との電気的な接続を、より確実に維持できる。
また、電気コネクタ10によると、コンタクト100,200,300,400の第1部分103,203,303,403間に、ブスバー1を挿入するための第1空間S1が形成されている。また、コンタクト100,200,300,400の第2部分106,206,306,406間に、圧着端子4を挿入するための第2空間S2が形成されている。この構成によると、第1部分103,203;303,403間にブスバー1が挿入されることで、第2部分106,206;306,406間の間隔を狭くしようとする力が、生じる。これにより、第2部分106,206;306,406は、当該第2部分106,206;306,406間に配置された圧着端子4に加圧される。また、第2部分106,206;306,406が圧着端子4から受ける反力は、第1部分103,203;303,403を、ブスバー1に加圧する力となる。このように、各コンタクト100,200,300,400とブスバー1及び圧着端子4との接触圧を、より一層高くできる。その結果、コンタクト装置11を介した、ブスバー1と圧着端子4との電気的な接続を、より確実に維持できる。
また、コンタクト100,200間のブスバー1又は圧着端子4にこじり運動が生じても、このこじり運動に追従するように、コンタクト100,200が変位できる。これにより、コンタクト100,200を介した、ブスバー1と圧着端子4との電気的な接続を、より確実に維持できる。同様に、コンタクト300,400との間のブスバー1又は圧着端子4にこじり運動が生じても、このこじり運動に追従するように、コンタクト300,400が変位できる。これにより、コンタクト300,400を介した、ブスバー1と圧着端子4との電気的な接続を、より確実に維持できる。
また、電気コネクタ10によると、コンタクト形成体21,22は、連結部23,24を含んでいる。この構成によると、各コンタクト100,200,300,400、は、より確実に、対応する支点部101,201,301,401を支点とするシーソー運動を行うことができる。
また、電気コネクタ10によると、コンタクト100,300が互いに分離された状態で横並びに配置されている。このため、ブスバー1又は圧着端子4がねじれるように変位した場合でも、コンタクト100,300は、このねじれ運動に追従する変位を生じ易い。これにより、ブスバー1及び圧着端子4と、各コンタクト100,300との接触状態を、より確実に維持できる。
同様に、コンタクト200,400が互いに分離された状態で横並びに配置されている。このため、ブスバー1又は圧着端子4がねじれるように変位した場合でも、コンタクト200,400は、このねじれ運動に追従する変位を生じ易い。これにより、ブスバー1及び圧着端子4と、各コンタクト200,400との接触状態を、より確実に維持できる。
また、電気コネクタ10は、ブスバー1が第1部分103,203,303,403から外れることを規制するための、リテーナ14を有している。また、電気コネクタ10は、圧着端子4が第2部分106,206,306,406から外れることを規制するための、リテーナ15を有している。この構成によると、コンタクト装置11からブスバー1及び圧着端子4が不用意に外れることを、抑制できる。
また、電気コネクタ10によると、リテーナ14,15は、圧入固定により、ハウジング12に固定される。このような構成であれば、ブスバー1とコンタクト装置11との固定、及び圧着端子4とコンタクト装置11との固定に、ねじ部材を用いる必要がない。このため、リテーナ14,15をハウジング12に固定する際に、リテーナ14,15を複数回に亘って工具で回転させるという、手間のかかる作用が不要である。また、ねじ部材の緩みを防止するための、ねじ部材の定期的な増し締め作業が不要であり、電気コネクタ10の保守作業が容易である。更に、ブスバー1と圧着端子4とを、電気コネクタ10で直接的に接続できる。これにより、端子台等の部材を別途用意する必要がない。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したけれども、本発明は各上記実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。尚、以下では、上記実施形態と異なる構成を主に説明し、上記実施形態と同様の構成については、図に同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
[第1変形例]
図15(A)は、本発明の第1変形例に係るコンタクト装置11Aの斜視図であり、図15(B)は、図15(A)に示すコンタクト装置11Aの正面図であり、図15(C)は、図15(A)に示すコンタクト装置11Aの底面図である。
図15(A)〜図15(C)を参照して、コンタクト装置11Aが、コンタクト装置11と異なっているのは、コンタクト装置11Aが一部品で構成されている点にある。
具体的には、コンタクト装置11Aは、第1コンタクト形成体21Aと、第2コンタクト形成体22Aと、結合部80と、を有している。
第1コンタクト形成体21A,22Aは、それぞれ、対応するコンタクト形成体21,22と同様の構成を有している。但し、各支点部101A,201A,301A,401Aは、それぞれ、切欠部を有していない。
また、図示していないけれども、コンタクト装置11Aを収容するハウジングは、セパレータ75の主ブロック75aが省略されている点以外、ハウジング12と概ね同様の構成となる。
結合部80は、第1コンタクト形成体21Aと第2コンタクト形成体22Aとを結合している。結合部80は、第2コンタクト200Aを幅方向Y1に延長した形状に形成されており、側面視において、第2コンタクト200A及び第4コンタクト400Aと同じ形状を有している。
結合部80は、ピン通し部81,82を有している。ピン通し部81は、第2コンタクト200A及び第4コンタクト400Aの第1部分203A,403Aと協働して、円形の貫通孔を形成している。この貫通孔には、リテーナ14のピン14bが挿入される。ピン通し部82は、第2コンタクト200A及び第4コンタクト400Aの第2部分206A,406Aと協働して、円形の貫通孔を形成している。この貫通孔には、リテーナ15のピン15bが挿入される。
コンタクト装置11Aによると、コンタクト装置11Aを構成する部品点数を少なくできる。また、各コンタクト形成体21A,22Aを一括してハウジングへ組み付けることができる。よって、電気コネクタを製造する手間を、より少なくできる。
[第2変形例]
図16(A)は、本発明の第2変形例に係るコンタクト装置11Bの斜視図であり、図16(B)は、図16(A)に示すコンタクト装置11Bの正面図であり、図16(C)は、図16(A)に示すコンタクト装置11Bの底面図である。
図16(A)〜図16(C)を参照して、本発明の第2変形例に係るコンタクト装置11Bが、第1変形例に係るコンタクト装置11Aと異なっているのは、リテーナ14,15のピン14b,15bを挿入するための構成が省略されている点にある。具体的には、コンタクト形成体21B,22Bのコンタクト100B,200B,300B,400B、及び結合部80Bの何れにも、ピン通し部が形成されていない。
このコンタクト装置11Bを収容するハウジングには、リテーナ14,15は装着されない。
[第3変形例]
図17(A)は、本発明の第3変形例に係るコンタクト装置11Cの斜視図であり、図17(B)は、図17(A)に示すコンタクト装置11Cの正面図であり、図17(C)は、図17(A)に示すコンタクト装置11Cの底面図である。
図17(A)〜図17(C)を参照して、本発明の第3変形例に係るコンタクト装置11Cが、第2変形例に係るコンタクト装置11Bと異なっているのは、第2コンタクト200C、第4コンタクト400C、及び結合部80Cに、凸部83,84が形成されている点にある。
凸部83は、コンタクト200C,400Cの第1部分203C,403C、及び結合部80Cに形成されており、第1空間S1へ向けて突出している。これにより、凸部83は、第1空間S1に挿入されるブスバー1の孔部1b(図17では図示せず)に嵌まることができる。これにより、リテーナを用いることなく、コンタクト装置11Cからのブスバー1の抜けを抑制できる。
凸部84は、コンタクト200C,400Cの第2部分206C,406C、及び結合部80Cに形成されており、第2空間S2へ向けて突出している。これにより、凸部84は、第2空間S2に挿入される圧着端子4の孔部4c(図17では図示せず)に嵌まることができる。これにより、リテーナを用いることなく、コンタクト装置11Cからの圧着端子4の抜けを抑制できる。
[第4変形例]
図18(A)は、本発明の第4変形例に係るコンタクト装置11Dの斜視図であり、図18(B)は、図18(A)に示すコンタクト装置11Dの正面図であり、図18(C)は、図18(A)に示すコンタクト装置11Dの底面図である。
図18(A)〜図18(C)を参照して、本発明の第4変形例に係るコンタクト装置11Dが、本発明の実施形態に係るコンタクト装置11と異なっている点は、主に、第2コンタクト形成体が省略されている点と、第1コンタクト形成体21Dがより幅広に形成されている点と、にある。
より具体的には、コンタクト装置11Dは、第1コンタクト形成体21Dを有している。
第1コンタクト形成体21Dは、第1コンタクト100Dと、第2コンタクト200Dと、連結部23と、を有している。
各コンタクト100D,200Dの支点部101D,201Dには、切欠部が形成されていない。コンタクト100D,200Dの第1部分103D,203Dには、ピン通し部109D,209Dが形成されている。ピン通し部109D,209Dは、それぞれ、円形状の孔部であり、リテーナ14のピン14bを挿入可能である。また、コンタクト100D,200Dの第2部分106D,206Dには、ピン通し部110D,210Dが形成されている。ピン通し部110D,210Dは、それぞれ、円形状の孔部であり、リテーナ15のピン15bを挿入可能である。
また、図示していないけれども、コンタクト装置11Dを収容するハウジングは、セパレータ75が省略されている点以外、ハウジング12と概ね同様の構成となる。
[第5変形例]
図19(A)は、本発明の第5変形例に係るコンタクト装置11Eの斜視図であり、図19(B)は、図19(A)に示すコンタクト装置11Eの正面図であり、図19(C)は、図19(A)に示すコンタクト装置11Eの底面図である。
図19(A)〜図19(C)を参照して、本発明の第5変形例に係るコンタクト装置11Eが、第4変形例に係るコンタクト装置11Dと異なっているのは、ピン通し部109D,110D,209D,210Dが省略されている点にある。これ以外の構成については、各コンタクト100E,200Eは、対応するコンタクト100D,200Dと同様の構成を有している。また、コンタクト装置11Eを収容するハウジングには、リテーナ14,15は、装着されない。
[第6変形例]
図20(A)は、本発明の第6変形例に係るコンタクト装置11Fの斜視図であり、図20(B)は、図20(A)に示すコンタクト装置11Fの正面図であり、図20(C)は、図20(A)に示すコンタクト装置11Fの底面図である。
図20(A)〜図20(C)を参照して、本発明の第6変形例に係るコンタクト装置11Fが、第5変形例に係るコンタクト装置11Eと異なっているのは、第2コンタクト200Eに、凸部85,86,87,88が形成されている点にある。
凸部85,86は、コンタクト100F,200Fの第1部分103F,203Fに形成されており、互いに向かい合うように突出している。これにより、凸部85,86は、第1空間S1に挿入されるブスバー1の孔部1b(図20では図示せず)に嵌まることができる。これにより、リテーナを用いることなく、コンタクト装置11Fからのブスバー1の抜けを抑制できる。また、凸部87,88は、コンタクト100F,200Fの第2部分106F,206Fに形成されており、互いに向かい合うように突出している。これにより、凸部87,88は、第2空間S2に挿入される圧着端子4の孔部4c(図20では図示せず)に嵌まることができる。これにより、リテーナを用いることなく、コンタクト装置11Fからの圧着端子4の抜けを抑制できる。
[第7変形例]
図21は、本発明の第7変形例に係る電気コネクタ10G、及びブスバー1Gの斜視図であり、図21(A)は、電気コネクタ10Gにブスバー1G及び電線体2が接続されていない状態を示しており、図21(B)は、電気コネクタ10Gにブスバー1G及び電線体2が接続された状態を示している。
図21(A)及び図21(B)を参照して、電気コネクタ10Gは、ブスバー挿入部42に代えて、ブスバー挿入部42Gを有している。ブスバー挿入部42Gは、ハウジング12Gを、幅方向Y1に貫通している。
ブスバー1Gは、幅方向Y1に細長い形状を有しており、ハウジング12G(電気コネクタ10G)の幅よりも大きい幅を有している。ブスバー1Gは、例えば、長手方向X1に沿って変位されることで、ブスバー挿入部42Gに挿入される。その結果、ブスバー1Gは、コンタクト装置11(図20では図示せず)に接続される。
電気コネクタ10Gによると、ブスバー1Gの幅の大きさに拘わらず、ブスバー1Gをブスバー挿入部42Gに挿入することができる。よって、電気コネクタ10Gの汎用性を、より高くできる。
[第8変形例]
図22(A)は、本発明の第8変形例に係る電気コネクタ10Hの断面図である。図22(B)は、コンタクト装置11Hの底面図である。図22(A)及び図22(B)を参照して、電気コネクタ10Hが電気コネクタ10と異なっているのは、主に、コンタクト装置11Hの構成である。
コンタクト装置11Hは、1つの第2コンタクト200Hを有している。第2コンタクト200Hは、第2コンタクト200と同様の構成を有している。但し、第2コンタクト200Hのピン通し部209H,210Hは、それぞれ、円形に形成されている。また、幅方向Y1において、第2コンタクト200Hは、コンタクト収容部43Hの略全域に亘って延びている。
ハウジング12Hのコンタクト収容部43Hには、押さえ部89が形成されている。また、カバー13Hには、押さえ部90が形成されている。押さえ部89,90の先端は、それぞれ、側面視において先細り(例えば、半球状)に形成されている。これらの押さえ部89,90によって、第2コンタクト200Hの支点部201Hが挟持されている。これにより、第2コンタクト200Hは、コンタクト収容部43H内でシーソー運動(回転運動)を行うことができる。
このように、1つの第2コンタクト200Hによって、ブスバー1と圧着端子4とを電気的に接続することができる。
尚、第8変形例では、第2コンタクト200Hによってコンタクト装置11Hを構成する形態を説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、1つの第1コンタクトによって、コンタクト装置11Hと同様のコンタクト装置を形成してもよい。
[他の変形例]
前述の実施形態及び各変形例では、導電部材が、ブスバー及び圧着端子である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。第1導電部材及び第2導電部材について、双方がブスバーであってもよいし、双方が圧着端子であってもよい。また、例えば、導電部材として、回路基板、FFC(フレキシブルフラットケーブル)、FPC(フレキシブルプリント基板)等、他の導電部材を用いてもよい。
また、前述の実施形態及び各変形例において、コンタクト装置単体で電気コネクタを構成してもよい。