JP6097727B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク式の無段変速機に関する。
特許文献1には、エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する複数のクランク式の変速ユニットを備えた無段変速機及び当該無段変速機の制御装置が開示されている。
特許文献1に開示された無段変速機の各変速ユニットは、入力軸に偏心して設けられた固定ディスクと、この固定ディスクに偏心して回転自在に設けられた揺動ディスクとから構成される。また、揺動リンクと出力軸との間には、一方向クラッチが設けられている。一方向クラッチは、揺動リンクが出力軸に対して一方側に相対回転しようとするときに、出力軸に揺動リンクを固定し、他方側に相対回転しようとするときに、出力軸に対して揺動リンクを空転させる。
入力軸には、ピニオンシャフトが挿入されるとともに、固定ディスクの偏心方向に対向する箇所に切欠孔が形成され、この切欠孔からピニオンシャフトが露出している。揺動ディスクには入力軸及び固定ディスクを受け入れる受入孔が設けられている。この受入孔を形成する揺動ディスクの内周面には内歯が形成されている。内歯は、入力軸の切欠孔から露出するピニオンシャフトと噛合する。入力軸とピニオンシャフトとを同一速度で回転させると、変速ユニットにおける偏心機構の偏心量が維持される。入力軸とピニオンシャフトの回転速度を異ならせると、変速ユニットにおける偏心機構の偏心量が変更されて、変速比が変化する。
入力軸を回転させることにより変速ユニットの偏心機構を回転させると、コネクティングロッドの大径環状部が回転運動して、コネクティングロッドの他方の端部と連結される揺動リンクの揺動端部が揺動する。揺動リンクは、一方向クラッチを介して出力軸に設けられているため、一方側に回転するときのみ出力軸に回転駆動力(トルク)を伝達する。
上記説明した無段変速機では、ピニオンシャフトを回転駆動する電動機の回転軸の位相に応じて、変速ユニットにおける偏心機構の偏心量が変更される。特許文献1に開示された制御装置は、偏心機構の偏心量を推定するために、入力軸が一回転する毎に所定数個のパルス(入力軸回転基準パルス数Ki)を発生する入力軸回転角センサと、電動機の回転軸が一回転する毎に所定数個のパルス(電動機回転基準パルス数Km)を発生する電動機回転角センサとを用いる。制御装置は、エンジンの始動時以降に入力軸回転角センサから出力されたパルスの累積値である累積入力軸パルスPiに基づいて算出される累積入力軸回転回数Mi(=Pi/Ki)と、エンジンの始動時以降に電動機回転角センサから出力されたパルスの累積値である累積電動機パルスPmに基づいて算出される累積電動機回転回数Mm(=Pm/Km)とから、偏心量推定関数h(Mi,Mm)によって偏心機構の偏心量を推定する。
さらに、制御装置は、偏心量の推定値に基づいて、入力軸及び出力軸に伝達される各トルク(入出力トルク)を導出した上で、無段変速機の動作に係る各種制御を行う。偏心量の推定値に基づく入力トルクの導出には、図17に示されるような、偏心量R1、変速比i及び入力トルクTiの関係に対応するテーブルが用いられる。出力トルクToについても入力トルクTiと同様に、偏心量R1、変速比i及び出力トルクToの関係に対応するテーブルが用いられる。これらのテーブルは、予め実験等によって決定され、メモリ等に記憶されている。
特開2012−251608号公報
上記説明した特許文献1に記載の無段変速機の制御装置は、偏心機構の偏心量を推定する際に、入力軸回転角センサが発生するパルス及び電動機回転角センサが発生するパルスを用いている。入力軸回転角センサが発生するパルスは入力軸の回転に応じたものであるが、入力軸は摩耗等による経年変化を起こす場合がある。また、電動機回転角センサが発生するパルスは、ピニオンシャフトを回転駆動する電動機の回転に応じたものであり、電動機回転角センサは、ピニオンシャフトの回転に応じたパルスを発生するものともいえる。ピニオンシャフトは、揺動ディスクの内周面に形成された内歯と噛合するものであり、ピニオンシャフトと内歯との間には「バックラッシュ」と呼ばれる隙間が設けられている。こういった経年劣化又はバックラッシュのために、各センサが発生するパルスに含まれる誤差が大きくなると、偏心量の推定値の精度は低下する。
無段変速機の制御装置は、偏心量の推定値に基づいて入出力トルクを導出するため、各センサが発生するパルスに含まれる誤差は小さい方が望ましい。このため、上記説明した経年変化に対しては、耐摩耗性の高い材質を用いて回転部材を形成したり、定期的なメンテナンスを行う等の対策によって、ある程度の誤差低減は実現可能である。また、上記説明したバックラッシュに対しては、組み付け時の設定によって、ある程度の誤差低減は実現可能である。しかし、こういった対策がなされない場合、各センサが発生するパルスに含まれる誤差が大きくなって、偏心量の推定値の精度が低下してしまう。また、偏心量の推定値に基づいて制御装置が導出する入出力トルクの精度も低下してしまう。
本発明の目的は、精度の高い偏心量を導出可能な無段変速機を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
駆動源(例えば、後述の実施形態での内燃機関E)の駆動力が伝達される入力軸(例えば、後述の実施形態での入力軸2)と、
前記入力軸と平行に配置された出力軸(例えば、後述の実施形態での出力軸3)と、
前記入力軸を中心として回転可能であり回転半径(例えば、後述の実施形態での偏心量R1)を調節自在な回転半径調節機構(例えば、後述の実施形態での回転半径調節機構4)と、前記出力軸に軸支された揺動リンク(例えば、後述の実施形態での揺動リンク18)と、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換する複数のてこクランク機構(例えば、後述の実施形態でのてこクランク機構20)と、
前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構(例えば、後述の実施形態での一方向クラッチ17)と、を備える無段変速機(例えば、後述の実施形態での無段変速機1)であって、
前記揺動リンクの外周の一部に、周方向に傾斜した***部(例えば、後述の実施形態での***部28)が設けられ、
前記揺動リンクの外周側に配置され、前記***部を含む前記揺動リンクの外周面までの距離を検出する複数の検出部(例えば、後述の実施形態でのギャップセンサ35A,35B)を備え、
前記複数の検出部のうちの任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の差分は、前記揺動リンクの揺動運動に従って連続的に変化する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の差分値は、前記揺動リンクの揺動運動に従い、前記揺動リンクの揺動角が最大角度の半値であるときの前記差分値を中心として正負対称に増減する。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、
前記任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の和は、前記揺動リンクの揺動運動に依らず一定である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記複数の検出部は、前記てこクランク機構が前記揺動リンクを介して前記出力軸に印加する荷重方向をまたがない位置に配置されている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、
前記出力軸は、軸受zによって軸支され、
前記検出部は、前記軸受に近接する前記揺動リンクの外周側に配置されている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、
前記複数の検出部は、前記揺動リンクの周方向に沿って、前記揺動リンクの外周に設けられた前記***部に対して異なる位置に配置されている。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、
前記***部は、前記揺動リンクの周方向に対して位相の異なる複数の***部を有し、前記複数の***部は、それぞれ前記出力軸の軸方向(例えば、後述の実施形態での回転中心軸線P4)に異なる位置に配置され、
前記複数の検出部の各々は、前記複数の***部の各々に対応して前記軸方向に並んで、前記揺動リンクの周方向における同一位置に配置されている。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の発明において、
前記任意の2つの検出部は、前記てこクランク機構が前記揺動リンクを介して前記出力軸に印加する荷重方向に垂直な方向の、前記出力軸の回転中心軸線上に構成される面に対して、前記揺動リンクの周方向で対称な位置に配置されている。
請求項1の発明によれば、回転半径調節機構の回転半径(偏心量)は、揺動リンクの揺動運動に従って連続的に変化する検出値の差分に基づいて推定される。複数の検出部は、***部を含む揺動リンクの外周面までの距離を検出するものであり、回転数や回転角といった回転部材の回転状態を検出するものではない。したがって、複数の検出部の検出値における、回転部材の経年変化やバックラッシュ等による誤差は非常に小さい。このように、複数の検出部から得られる検出値は高精度であるため、精度の高い回転半径(偏心量)を導出することができる。
請求項2の発明によれば、揺動リンクの揺動運動に従い、各検出値の差分値は、揺動リンクの揺動角が最大角度の半値であるときの当該差分値を中心として正負対称に増減するため、揺動リンクの揺動範囲を推定することができる。検出値に含まれる誤差は小さく、揺動範囲の推定値の精度が高いため、当該揺動範囲に応じた偏心量を高精度に導出できる。
請求項3の発明によれば、各検出値の和の半値は一定であるため、当該検出値の和の半値に基づいて、揺動リンクの拡管量を導出することができる。検出値に含まれる誤差は小さく、複数の検出部の検出値は出力軸に近い箇所における値であるため、より精度の高い出力トルクを導出できる。
請求項4の発明によれば、複数の検出部は荷重方向から離れた位置に設置されるため、その検出値は出力軸が受ける歪み等の影響を極力受けない。
請求項5の発明によれば、出力軸が受ける歪み等の影響が軸受によって抑制された箇所に設定された複数の検出部の検出値は、当該歪み等の影響を極力受けない。
請求項6の発明によれば、一つの***部を揺動リンクの外周の一部に設ければ良い。
請求項7の発明によれば、各***部の形状と検出部の位置の関係を検出値毎に設定できる。また、複数の検出部は、周方向における同一位置に配置されるため、検出値は同じ拡管の影響を受ける。
請求項8の発明によれば、複数の検出部は荷重方向から離れた位置に設置されるため、その検出値は出力軸が受ける歪み等の影響を最も受けない。
本実施形態の無段変速機を含む車両の内部構成を示すブロック図である。 本発明の無段変速機の実施形態を示す軸方向の断面図である。 図2に示した無段変速機の回転半径調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から示す模式図である。 図2の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化を示す模式図である。 図2の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角の関係を示す模式図であり、(a)は回転半径が最大、(b)は回転半径が中、(c)は回転半径が小である場合を示す。 図2の無段変速機の回転半径調節機構の回転半径の変化に対する揺動リンクの角速度の変化を示すグラフである。 図2の無段変速機のてこクランク機構によって出力軸が回転される状態を示すグラフである。 図2に示した無段変速機のてこクランク機構のカムディスク同士の関係を表す模式図であり、(a)は各カムディスクの配置関係、(b)は各カムディスクの位相の関係、(c)は各カムディスクの軸間距離の関係を示す。 軸方向から見たときの、揺動リンクの環状部に設けられた***部とセンサとの位置関係を示す図である。 拡管が発生しない場合の無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサの検出値の一例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。 拡管が発生する場合の無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサの検出値の一例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。 変形例に係る無段変速機の軸方向の断面図である。 拡管が発生しない場合の無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサの検出値の他の例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。 軸方向から見たときの、図13に対応した揺動リンクの環状部に設けられた***部と2つのセンサとの位置関係を示す図である。 周方向に対して位相の異なる位置に配置された2つの***部が軸方向に並んで設けられ、2つのセンサが同じ周方向位置で軸方向に並んで配置された形態を示す図である。 無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサの検出値の他の例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。 偏心量と変速比と入力トルクの関係を示す図である。
以下、本発明の無段変速機の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の無段変速機を含む車両の内部構成を示すブロック図である。図1に示す車両に搭載された無段変速機1は、内燃機関E等の駆動源からの駆動力を左右の車軸を介して駆動輪W,Wに伝達する。車両は、無段変速機1の変速比の制御等を行うマネジメントECU50を備える。
本実施形態の無段変速機1は、四節リンク機構型の無段変速機であり、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
まず、図2及び図3を参照して、本実施形態の無段変速機1の構成について説明する。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、入力軸回転数センサ31と、出力軸回転数センサ33と、6つの回転半径調節機構4とを備える。また、無段変速機1は、変速機ケース21に収納されている。変速機ケース21は、一端壁部21aと、一端壁部21aに対向して配置され、エンジンENGに固定されている他端壁部21bと、一端壁部21aの外縁と他端壁部21bの外縁とを連結する周壁部21cとによって形成されている。一端壁部21aと他端壁部21bには、入力軸2を軸支するための入力軸側開口部と、出力軸3を軸支するための出力軸側開口部が形成されており、それらの入力軸側開口部と出力軸側開口部には、入力軸軸受22と出力軸軸受23が嵌合されている。
入力軸2は、中空の部材であり、内燃機関Eや電動機等の駆動源からの回転駆動力を受けることで入力軸2の回転中心軸線P1を中心に回転する。
出力軸3は、入力軸2に平行に配置され、デファレンシャルギヤDや車軸等を介して車両の駆動輪W等の駆動部に回転動力を伝達させる。
入力軸回転数センサ31は、無段変速機Tの入力軸2の単位時間当たりの回転数Ninを検出する。入力軸回転数センサ31によって検出された入力軸2の回転数Ninを示す信号は、マネジメントECU33に送られる。
出力軸回転数センサ33は、無段変速機Tの出力軸3の単位時間当たりの回転数Noutを検出する。出力軸回転数センサ33によって検出された出力軸3の回転数Noutを示す信号は、マネジメントECU33に送られる。
回転半径調節機構4の各々は、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、回転部としての回転ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
回転ディスク6は、その中心から偏心した位置に受入孔6aが設けられた円盤形状であり、その受入孔6aを介して、1組のカムディスク5に対して1つずつ、回転自在に外嵌している。
回転ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から回転ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、回転ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5の間となる位置に、内歯6bが設けられている。
ピニオンシャフト7は、中空の入力軸2内に、入力軸2と同心に配置され、入力軸2に対して相対回転自在になっている。また、ピニオンシャフト7の外周には、外歯7aが設けられている。ピニオンシャフト7の外周に設けられた外歯7aは、回転ディスク6の受入孔6aの内周に設けられた内歯6bと噛合している。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
差動機構8は、遊星歯車機構として構成され、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転自在に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7用の電動機からなる調節用駆動源14の回転軸14aに連結されている。
そのため、調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、回転ディスク6はカムディスク5とともに一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、回転ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図3に示すように、回転ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、回転ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同心に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と回転ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
回転半径調節機構4、具体的には回転半径調節機構4の回転ディスク6の周縁には、コネクティングロッド15が回転自在に外嵌している。
コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に大径環状部15aの径よりも小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、ボールベアリングからなるコンロッド軸受16を介して、回転ディスク6に外嵌している。
出力軸3には、一方向回転阻止機構としての一方向クラッチ17を介して、揺動リンク18が軸支されている。
一方向クラッチ17は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を固定し、他方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。一方向クラッチ17によって揺動リンク18が出力軸3に対して固定されトルクが出力軸3に伝達されるとき、揺動リンク18は、一方向クラッチ17によって内径側から押されて、その外径は微小に増加する。以下、このときの揺動リンク18の外径が微小に増大することを「拡管」という。また、拡管時の揺動リンク18の外径の増大量を「拡管量」という。
揺動リンク18には、揺動端部18aが設けられ、揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むことができるように形成された一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bに連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結されている。また、揺動リンク18には、環状部18dが設けられている。回転中心軸線P4を挟んで揺動端部18aから離れた側の環状部18dの一部には、揺動リンク18の周方向に傾斜した***部28が設けられている。***部28は、環状部18dから連続してその外周面が出力軸3から離れる方向に***し、環状部18dの外周面の一部を形成する。
本実施形態においては、一方向回転阻止機構として一方向クラッチ17を用いているが、本発明の無段変速機に用いられる一方向回転阻止機構は、これに限らず、揺動リンク18から出力軸3にトルクを伝達可能な揺動リンク18の出力軸3に対する回転方向を切換自在に構成される二方向クラッチ(ツーウェイクラッチ)で構成してもよい。
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態の無段変速機1のてこクランク機構について説明する。
図3に示すように、本実施形態の無段変速機1では、回転半径調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とで、てこクランク機構20(四節リンク機構)が構成されている。
このてこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図2に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
このてこクランク機構20では、回転半径調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が、60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間には一方向クラッチ17が設けられているので、揺動リンク18が押された場合又は引かれた場合のいずれか一方の場合には、揺動リンク18が固定されて出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されて出力軸3が回転し、他方の場合には、揺動リンク18が空回りして出力軸3に揺動リンク18の揺動運動の力が伝達されない。6つの回転半径調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は6つの回転半径調節機構4で順に回転させられる。
また、本実施形態の無段変速機1では、図4に示すように、回転半径調節機構4の回転半径、すなわち、偏心量R1を調節自在としている。
図4(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と回転ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と回転ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図4(b)は、偏心量R1を図4(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図4(c)は、偏心量R1を図4(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図4(b)では図4(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図4(c)では図4(b)の変速比iよりも大きい「大」となる。図4(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、回転ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
また、図5は、本実施形態の回転半径調節機構4の回転半径、すなわち、偏心量R1の変化と、揺動リンク18の揺動運動の揺動角(揺動範囲)の関係を示す模式図である。
図5(a)は偏心量R1が図4(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図5(b)は偏心量R1が図4(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図5(c)は偏心量R1が図4(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、回転半径調節機構4の回転運動に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸3の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち連結ピン19の中心P5までの距離が、揺動リンク18の長さR2である。
この図5から明らかなように、偏心量R1が小さくなるにつれ、揺動リンク18の揺動範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
また、図6は、無段変速機1の回転半径調節機構4の位相θ1を横軸、揺動リンク18の角速度ωを縦軸として、回転半径調節機構4の偏心量R1の変化に伴う角速度ωの変化の関係を示す図である。
この図6から明らかなように、偏心量R1が大きい(変速比iが小さい)ほど揺動リンク18の角速度ωが大きくなることが分かる。
また、図7は、6つの回転半径調節機構4を回転させた場合(入力軸2とピニオンシャフト7とを同一速度で回転させた場合)の回転半径調節機構4の位相θ1に対する、各揺動リンク18の角速度ωを示す図である。
この図7から、6つのてこクランク機構20によって出力軸3がスムーズに回転されることが分かる。
また、図2に示したように、本実施形態の無段変速機1は、6つのてこクランク機構20を備えている。
本実施形態の無段変速機1では、図8(a)に示すように、それらの6つのてこクランク機構20の各々が有している回転半径調節機構4を、エンジンとは反対の側、すなわち、調節用駆動源(ACT)14側から順に、第1〜第6回転半径調節機構4a〜4fとし、それらの各々が有する各1組のカムディスク5を、第1〜第6カムディスク5a〜5fとしている。また、6つのてこクランク機構20の各々が有している揺動リンク18を、調節用駆動源14側から順に、第1〜第6揺動リンク18A〜18Fとしている。
そして、図8(b)に示すように、第1カムディスク5aと第2カムディスク5bとの位相は、180°ずれている。また、第2カムディスク5bと第3カムディスク5cとの位相は、図8(b)における反時計回りに、60°ずれている。第3カムディスク5cと第4カムディスク5dとの位相は、180°ずれている。第4カムディスク5dと第5カムディスク5eとの位相は、図8(b)における反時計回りに、60°ずれている。第5カムディスク5eと第6カムディスク5fとの位相は、180°ずれている。
また、図8(c)にしめすように、各カムディスク5a〜5fは、入力軸2の軸方向において、等間隔となるように配置されている。
本実施形態の無段変速機1では、第1〜第6カムディスク5a〜5fの位相、すなわち、第1〜第6回転半径調節機構4a〜4fの位相と配置をこのような関係にすることによって、各回転半径調節機構4に生じる遠心力が互いに打ち消し合い、各回転半径調節機構4が回転する際に発生する振動が抑制されている。
上記説明した無段変速機1における偏心量R1を推定するために、本実施形態では、図5に示す揺動リンク18の揺動範囲θ2を検出する。揺動リンク18の揺動範囲θ2と偏心量R1の関係は図5に示したとおりである。揺動範囲θ2が大きいほど偏心量R1が大きい。したがって、無段変速機1の四節リンク機構における特定の関係から、揺動リンク18の揺動範囲θ2に応じた偏心量R1が導出される。
図9に示すように、無段変速機1は、揺動範囲θ2を検出するために、2つのギャップセンサ35A,35Bを備える。ギャップセンサ(以下、単に「センサ」という。)35A,35Bは、***部28を含む揺動リンク18の外周面までの距離を非接触で検出する。センサ35A,35Bは、揺動リンク18の周方向に沿って、***部28に対して異なる位置に配置されている。図9に示す例では、回転半径調節機構4の回転運動が揺動リンク18の揺動運動に変換された際に出力軸3が荷重を受ける方向(荷重方向)に垂直な方向の、出力軸3の中心線上に構成される面pに対して揺動リンク18の周方向で対称な位置に、センサ35A,35Bが配置されている。但し、センサ35A,35Bは、荷重方向を示す仮想線からセンサ35A又はセンサ35Bに至るまでの周方向の角度が45度以上の条件を満たす位置に配置されている。このように、センサ35A,35Bは、荷重方向をまたがない、荷重方向を示す仮想線から離れた位置に等分に配置されている。その結果、センサ35A,35Bの検出値は、出力軸3が受ける歪み等の影響を極力受けない。
また、センサ35Aは、揺動リンク18が揺動していない状態において、***部28の最も薄い外周面までの距離を検出する位置に配置されている。一方、センサ35Bは、揺動リンク18が揺動していない状態において、***部28の最も厚い外周面までの距離を検出する位置に配置されている。また、これら2つのセンサ35A,35Bの周方向における離間角度αと、揺動リンク18の内径側に設けられた一方向クラッチ17の周方向における離間角度βとの関係は、α≠nβ(nは正の整数)である。さらに、本実施形態の無段変速機1は6つのてこクランク機構20を備えるが、センサ35A,35Bは、変速機ケース21に嵌合された入力軸軸受22及び出力軸軸受23に隣接するてこクランク機構20の揺動リンク18の少なくともいずれか一つに対して配置される。すなわち、図8(a)の模式図に示した第1〜第6揺動リンク18A〜18Fの内、センサ35A,35Bは、第1揺動リンク18A若しくは第6揺動リンク18F又はその両方に対して配置される。このため、センサ35A,35Bの検出値は、出力軸3が受ける歪み等の影響を極力受けない。
これら2つのセンサ35A,35Bがそれぞれ検出した値を示す信号は、図1に示したマネジメントECU50に送られる。図10は、拡管が発生しない場合の無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサ35A,35Bの検出値の一例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。なお、縦軸が示す値は、センサ35A,35Bの検出値にバイアスをかけた値(バイアス検出値)である。また、横軸は、揺動リンク18の揺動範囲θ2[deg]を示す。図10に示すように、揺動範囲θ2が最大値θmaxであるときのセンサ35Aの検出値Aは+1〜−1の範囲で得られ、センサ35Bの検出値Bは−1〜+1の範囲で得られ、センサ35A,35Bの各検出値は、揺動リンク18の揺動運動に従い、揺動リンク18の揺動角が0度(揺動中心角度)であるときの各検出値の平均値(バイアス検出値=0)を中心として正負対称に増減する。
マネジメントECU50は、センサ35Aの検出値Aとセンサ35Bの検出値Bの差分値(A−B)を算出する。図10に示すように、揺動範囲θ2が最大値θmaxであるときのA−B値は+2〜−2の範囲で得られ、A−B値は、揺動リンク18の揺動運動に従い、揺動リンク18の揺動角が最大角度θmaxの半値θmax/2であるときのA−B値(図10に示す例では0)を中心として正負対称に増減する。したがって、マネジメントECU50は、A−B値が+2からどの値までの範囲で得られるかに基づいて、揺動リンク18の揺動範囲θ2を推定する。例えば、A−B値が+2〜0の範囲で得られるとき、マネジメントECU50は、揺動リンク18の揺動範囲θ2は図10に示すθmax/2[deg]であると推定する。また、A−B値が+2の値しか得られないとき、マネジメントECU50は、揺動リンク18の揺動範囲θ2は0[deg]、すなわち揺動運動を行っていないと推定する。また、マネジメントECU50は、図5に示した無段変速機1の四節リンク機構における特定の関係から、推定した揺動リンク18の揺動範囲θ2に応じた偏心量R1を導出する。さらに、マネジメントECU50は、偏心量R1と、無段変速機1の変速比i(=Nin/Nout)とに基づいて、図17に示すグラフに基づくマップから入力トルクを導出する。
図10を参照した上記説明では、一方向クラッチ17によって揺動リンク18が出力軸3に対して固定されトルクが出力軸3に伝達されるときに、揺動リンク18に拡管が発生しない場合を前提としているが、実際には拡管が発生する。図11は、拡管が発生する場合の無段変速機において揺動運動が最大限に行われたときに得られる2つのセンサ35A,35Bの検出値の一例と当該検出値に関連した値を示すグラフである。縦軸及び横軸は図10と同様である。図11に示すように、揺動範囲θ2が最大値θmaxであるときのセンサ35Aの検出値Aは+0.75〜−1.25の範囲で得られ、センサ35Bの検出値Bは−1.25〜+0.75の範囲で得られる。したがって、図11に示した場合であっても、A−B値は、図10に示した場合と同様、+2〜−2の範囲で得られ、A−B値は、揺動リンク18の揺動運動に従い、揺動リンク18の揺動角が最大角度θmaxの半値θmax/2であるときのA−B値(図11に示す例では0)を中心として正負対称に増減する。したがって、マネジメントECU50は、拡管が発生する場合であっても、A−B値が+2からどの値までの範囲で得られるかに基づいて、揺動リンク18の揺動範囲θ2を推定することができる。
マネジメントECU50は、上記説明した揺動範囲θ2の推定処理とは別に、センサ35Aの検出値Aとセンサ35Bの検出値Bの和の半値((A+B)/2)を算出する。(A+B)/2値は、図10及び図11に示すように、揺動範囲θ2によらず一定の値である。但し、拡管が発生するとセンサ35A,35Bの各検出値は全体的に低下するため、(A+B)/2値も低下する。すなわち、拡管量が大きくなると(A+B)/2値も低下するため、マネジメントECU50は、(A+B)/2値に基づいて、マップ又は計算式から拡管量を推定する。拡管量が大きいことは、出力軸3に伝達される出力トルクが大きいことに等しい。したがって、マネジメントECU50は、(A+B)/2値に基づいて推定した拡管量から、マップ又は計算式を用いて出力トルクを導出する。
以上説明したように、本実施形態では、偏心量R1が揺動リンク18の揺動範囲θ2から導出され、揺動リンク18の揺動範囲θ2は、センサ35A,35Bの検出値の差分値に基づいて推定される。上述したように、センサ35A,35Bは、***部28を含む揺動リンク18の外周面までの距離を検出するものであり、回転数や回転角といった回転部材の回転状態を検出するものではない。したがって、センサ35A,35Bの検出値における、回転部材の経年変化やバックラッシュ等が起因する誤差は非常に小さい。このように、センサ35A,35Bから得られる検出値は高精度であるため、精度の高い揺動範囲θ2を推定でき、さらには精度の高い偏心量R1を導出することができる。なお、揺動リンク18の拡管によるセンサ35A,35Bの検出値への影響は、検出値の差分によって相殺されるため、揺動リンク18の揺動範囲θ2の推定に拡管は影響しない。
また、本実施形態では、精度の高い偏心量R1に基づいて入力トルクが導出され、精度の高い入力トルクを導出できる。また、センサ35A,35Bの検出値は、揺動リンク18の揺動角が0度(揺動中心角度)であるときの各検出値の平均値を中心として正負対称に増減し、当該検出値の和の半値は一定である。出力トルクは、当該検出値の和の半値に基づいて拡管量を推定した上で、拡管量から導出される。上述したようにセンサ35A,35Bから得られる検出値は高精度であり、センサ35A,35Bの検出値は出力軸3に近い箇所における値であるため、より精度の高い出力トルクを導出できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、図12に示すように、無段変速機1には、入力軸2の略中央部に位置するカムディスク5に回転中心軸線P1を中心とした円筒面7eを設け、円筒面7eを周壁部21cから延びる隔壁部21dに中間軸受26を介して回転自在に支持するように構成してもよい。この場合、隔壁部21dの出力軸3側には、出力軸3を軸支する中間軸受27が設けられ、センサ35A,35Bは、出力軸軸受23又は中間軸受27に隣接する揺動リンク18の少なくともいずれか一つに対して配置される。
また、上記実施形態では、無段変速機1における揺動運動が最大限に行われたときに得られるセンサ35A,35Bの各検出値が正弦波を示すよう***部28の***形状が設定されているが、図13に示すように、センサ35A,35Bの各検出値が直線を示すよう***部28の***形状が設定されていても良い。この場合の***部28は、図14に示すように、側面が三角形状である。
また、センサ35A,35Bに対して1つの***部28が割り付けられた構成に限らず、各センサが複数の***部を含む揺動リンク18の外周面までの距離を検出する構成であっても良い。当該構成では、揺動リンク18の環状部18dの一部には、図15に示すように、周方向に対して位相の異なる位置に配置された2つの***部28が軸方向(出力軸3の回転中心軸線P4の方向)に並んで設けられる。センサ35A,35Bは同じ周方向位置で軸方向に並んで配置され、センサ35Aは一方の***部28に対応して設けられ、センサ35Bは他方の***部28に対応して設けられている。この場合、各***部の形状とセンサ35A,35Bの位置の関係を検出値毎に設定できる。また、センサ35A,35Bは同じ周方向位置に配置されるため、検出値は同じ拡管の影響を受ける。
また、センサ35A,35Bの検出値は、図10及び図11に示したように各検出値の振幅が同一である場合に限らず、図16に示すように、それぞれ異なる振幅であっても良い。但し、(A+B)/2値は揺動範囲θ2によって異なるため、拡管量の推定には係数を利用する。
また、上記実施形態では2つのセンサ35A,35Bが設けた構成を例に説明したが、3つ以上のセンサを設けて、当該3つ以上のセンサのうちの2つのセンサの検出値を用いて揺動範囲θ2を推定しても良い。
1 無段変速機
2 入力軸
3 出力軸
4 回転半径調節機構
5 カムディスク
6 回転ディスク
6a 受入孔
6b 内歯
7 ピニオンシャフト
7a 外歯
8 差動機構
9 サンギヤ
10 第1リングギヤ
11 第2リングギヤ
12 段付きピニオン
12a 大径部
12b 小径部
13 キャリア
14 調節用駆動源
14a 回転軸
15 コネクティングロッド
15a 大径環状部
15b 小径環状部
16 コンロッド軸受
17 一方向クラッチ
18 揺動リンク
18a 揺動端部
18b 突片
18c 貫通孔
18d 環状部
19 連結ピン
20 てこクランク機構
21 変速機ケース
21a 一端壁部
21b 他端壁部
21c 周壁部
22 入力軸軸受
23 出力軸軸受
26 中間軸受
27 中間軸受
28 ***部
31 入力軸回転数センサ
33 出力軸回転数センサ
35A,35B ギャップセンサ(センサ)
50 マネジメントECU
P1 入力軸2の回転中心軸線
P2 カムディスク5の中心
P3 回転ディスク6の中心
P4 出力軸3の回転中心軸線
P5 連結ピン19の中心
Ra P1とP2の距離
Rb P2とP3の距離
R1 P1とP3の距離(偏心量,回転半径調節機構4の回転半径)
R2 P4とP5の距離(揺動リンク18の長さ)
θ1 回転半径調節機構4の位相
θ2 揺動リンク18の揺動範囲

Claims (8)

  1. 駆動源の駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸と平行に配置された出力軸と、
    前記入力軸を中心として回転可能であり回転半径を調節自在な回転半径調節機構と、前記出力軸に軸支された揺動リンクと、を有し、前記入力軸の回転運動を前記揺動リンクの揺動運動に変換する複数のてこクランク機構と、
    前記揺動リンクが前記出力軸を中心として一方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを固定し、他方側に回転しようとするときに前記出力軸に対して前記揺動リンクを空転させる一方向回転阻止機構と、を備える無段変速機であって、
    前記揺動リンクの外周の一部に、周方向に傾斜した***部が設けられ、
    前記揺動リンクの外周側に配置され、前記***部を含む前記揺動リンクの外周面までの距離を検出する複数の検出部を備え、
    前記複数の検出部のうちの任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の差分は、前記揺動リンクの揺動運動に従って連続的に変化する、無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の差分値は、前記揺動リンクの揺動運動に従い、前記揺動リンクの揺動角が最大角度の半値であるときの前記差分値を中心として正負対称に増減する、無段変速機。
  3. 請求項2に記載の無段変速機であって、
    前記任意の2つの検出部によってそれぞれ検出される値の和は、前記揺動リンクの揺動運動に依らず一定である、無段変速機。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の無段変速機であって、
    前記複数の検出部は、前記てこクランク機構が前記揺動リンクを介して前記出力軸に印加する荷重方向をまたがない位置に配置された、無段変速機。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の無段変速機であって、
    前記出力軸は、軸受によって軸支され、
    前記検出部は、前記軸受に近接する前記揺動リンクの外周側に配置された、無段変速機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の無段変速機であって、
    前記複数の検出部は、前記揺動リンクの周方向に沿って、前記揺動リンクの外周に設けられた前記***部に対して異なる位置に配置された、無段変速機。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の無段変速機であって、
    前記***部は、前記揺動リンクの周方向に対して位相の異なる複数の***部を有し、前記複数の***部は、それぞれ前記出力軸の軸方向に異なる位置に配置され、
    前記複数の検出部の各々は、前記複数の***部の各々に対応して前記軸方向に並んで、前記揺動リンクの周方向における同一位置に配置された、無段変速機。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の無段変速機であって、
    前記任意の2つの検出部は、前記てこクランク機構が前記揺動リンクを介して前記出力軸に印加する荷重方向に垂直な方向の、前記出力軸の回転中心軸線上に構成される面に対して、前記揺動リンクの周方向で対称な位置に配置された、無段変速機。
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