JP6085439B2 - 床構造及びそれに用いられる蓄熱補強ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、潜熱蓄熱材が収容された床構造及びそれに用いられる蓄熱補強ユニットに関する。
一般に、床構造の1つとして、水平力を高めるために、根太を設けずに床下地の厚みを厚くして、その床下地を直接に梁や床梁等の梁材に留め付ける床組みが知られており、根太を設ける構造に比べて水平力に強く、火打ち梁や火打ち金物を省くことが認められている。
具体的には、剛床という床構造が知られている。例えば、JAS(日本農林規格)に適合する厚み24mm以上の構造用合板を床下地材として使用し、この構造用合板の四周を梁材に直接載せ、N75の釘で150mm以下の間隔をあけて平打ちして梁材に留め付けるようにすることにより、床倍率3倍の床構造が得られる。
ところで、このような床構造では、床下地と床梁や土台等の横架材とを直接留めつけているため、床下地材自体に切欠きを設けることができない。このことから、床構造に様々な付加機能を持たせる構造として、従来、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、床構造と直接の関係のない床下地周辺部への工夫により通気性を持たせるようにしたもの等が提案されているだけであり、床構造の床面自体に機能を持たせる検討が殆どなされていないのが現状である。
また、従来、暖房用の床構造として、例えば特許文献3には、床構造用平板の上面に小根太(木桟)を形成して、その小根太間に上方に開放された空洞部を設け、その空洞部内に潜熱蓄熱材をヒータと共に収容したものが提案されている。
特開2002−146958号公報 特開2006−63749号公報 特許第4456884号
そこで、こうした背景の中、本発明者は、上記床構造の床面自体に種々の機能を持たせるための検討を行った。すなわち、床構造の床面に蓄熱機能を持たせるべく、蓄熱性の向上のための上記特許文献3に示されている技術を適用することで、面材の上面に枠体を固着して上方に開放された空洞部を形成し、その空洞部内に潜熱蓄熱材を収容した蓄熱ユニットを設け、この蓄熱ユニットを床面上に固定して、その枠体上に床仕上げ材を施工する構造が考えられる。
しかし、その場合、床構造の上に蓄熱ユニットを固定するので、蓄熱効果を奏し得る床構造が得られるものの、床構造の強度をそのまま維持しつつ単に蓄熱機能が追加されるだけにとどまり、その床構造の強度に関して蓄熱ユニットによる相乗効果を期待することはできない。
しかも、枠材が上方に開放されているので、その上に施工させる床仕上げ材が枠体間で撓む虞れも生じる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のように床構造の床下地上に施工される蓄熱ユニットの施工構造に工夫を加えることにより、床下地材に蓄熱機能を持たせるだけでなく、併せて床下地材と一体的に強度をも高めるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、蓄熱ユニットは、面材の下面に木桟が固着されかつ木桟間のスペースに潜熱蓄熱材が収容されたものとし、この蓄熱ユニットを床下地上に、補強面材が上側に位置して木桟の高さだけ床下地から離れかつ隣接する他の蓄熱ユニットと隙間なく当接した状態で施工するようにした。
具体的には、第1の発明は、横軸材に合板からなる複数の床下地材が固定され、該床下地材の上面に複数の蓄熱補強ユニットが固定された床構造が対象である。
そして、上記各蓄熱補強ユニットは、矩形板状の補強面材と、この補強面材とは別部材であって補強面材の下面に一体的に固着され、補強面材の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部及び横桟部が互いに当接するように配置された木桟と、この木桟の下面に固定された可撓性を有する保護層とを備えている。上記蓄熱補強ユニットの補強面材と保護層との間には、木桟で区画された蓄熱材収容部が形成されていて、該蓄熱材収容部に潜熱蓄熱材が収容されており、上記複数の蓄熱補強ユニットは、隣り合う蓄熱補強ユニット同士が隙間なくかつ該蓄熱補強ユニットの木桟同士が当接するように床下地材、又は床下地材を介して横軸材に一体的に固定されていて、上記板状の補強面材が床下地材から木桟の高さだけ離れた位置に剛性材として位置していることを特徴とする。
この第1の発明では、矩形板状の補強面材と、この補強面材とは別部材であって補強面材の下面に一体的に固着され、補強面材の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部及び横桟部が互いに当接するように配置された木桟とを有する複数の蓄熱補強ユニットが床下地材上に、隣り合う蓄熱補強ユニット同士を隙間なくかつ該蓄熱補強ユニットの木桟同士を当接させるように一体的に固定されているので、床下地材に蓄熱補強ユニットの補強面材が木桟を介して該木桟の高さだけ間隔をあけた状態で固定されることとなる。この補強面材が木桟の高さだけ床下地材から間隔をあけた状態で固定されることで、その補強面材の位置は、床下地材、蓄熱補強ユニット及び床仕上げ材を含めた床全体の厚み方向の中央から上側にずれるようになり、床全体において床下地材から離れた位置に剛性材としての補強面材が位置することで、床全体の曲げ強度を増大させることができる。
また、蓄熱補強ユニットは、上側に補強面材が配置されて施工され、その上に床仕上げ材が施工されるので、床仕上げ材が補強面材全体と接するようになり、床仕上げ材が撓み難くなる。
また、各蓄熱補強ユニットの蓄熱材収容部には潜熱蓄熱材が収容されているので、その潜熱蓄熱材によって蓄熱効果が得られる。これらによって、曲げ強度が大きくて蓄熱機能を有する床構造が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、隣り合う複数の蓄熱補強ユニット同士の継ぎ目が、複数の床下地材間の継ぎ目とずれていることを特徴とする。
この第2の発明では、蓄熱補強ユニット同士の継ぎ目が床下地材間の継ぎ目とずれているので、床下地材間の水平方向のズレを蓄熱補強ユニットにより補強することができ、より強度の高い床構造床が得られる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、横軸材が横架材であることを特徴とする。
この第3の発明では、横架材に床下地材の端部を固定し、さらに蓄熱補強ユニットの補強によっても床の強度を増大させることができ、併せて蓄熱機能を付与することができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、横軸材が横架材上に設けられた根太材であることを特徴とする。
この第4の発明では、根太材を使用した床構造において、蓄熱補強ユニットの補強によっても床の強度を増大させることができ、併せて蓄熱機能を付与することができる。
第5の発明は、横架材に合板からなる複数の床下地材が固定された床構造に対し、その床下地材の上面に固定される蓄熱補強ユニットが対象である。そして、この蓄熱補強ユニットは、矩形板状の補強面材と、この補強面材とは別部材であって補強面材の下面に一体的に固着され、補強面材の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部及び横桟部が互いに当接するように配置された木桟と、この木桟の下面に固定された可撓性を有する保護層とを備えている。上記補強面材と保護層との間には、木桟に区画された蓄熱材収容部が形成されていて、該蓄熱材収容部に潜熱蓄熱材が収容されており、隣接する蓄熱補強ユニットに対し隙間なくかつ木桟が該隣接する蓄熱補強ユニットの木桟と当接するように床下地材、又は床下地材を介して横軸材に一体的に固定されて、上記板状の補強面材が床下地材から木桟の高さだけ離れた位置に剛性材として位置するように施工されることを特徴とする。
この第5の発明でも、第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。また、第1の発明に係る床構造を実現できる蓄熱補強ユニットが得られる。
第6の発明は、第5の発明において、上記保護層は、0.5mm以下の厚みを有する片面粘着剤付きシートであり、上記片面粘着剤付きシートを介して潜熱蓄熱材が木桟と一体的に固定されていることを特徴とする。
この第6の発明では、片面粘着剤付きシートが潜熱蓄熱材及び木桟にそれぞれ粘着一体化されるので、潜熱蓄熱材が木桟に対して移動したり位置ズレしたりすることはなく、施工時の作業性や運搬性を高めることができる。
第7の発明は、第5又は第6の発明において、補強面材が、2.0〜4.0mmの厚みを有する合板、MDF、ハードボード又はHDFからなることを特徴とする。
この第7の発明では、補強面材を床下地材及び木桟と同じ木質系材料で構成することができ、寸法の変化を同等にして、同変化の相違による不具合の発生を抑制することができる。
特に補強面材が、比重の高いMDF、ハードボード又はHDFであると、熱伝導性に配慮しつつ強度を確保することができる。
以上説明したように、第1及び第5の発明によると、横軸材に合板からなる床下地材が固定された床構造において、その床下地材の上面に、補強面材と、その補強面材の下面に固着された木桟と、その木桟の下面に固定された保護層とを備えかつ潜熱蓄熱材が収容された蓄熱補強ユニットを、隣り合う蓄熱補強ユニット同士が隙間なくかつ蓄熱補強ユニットの木桟同士が当接するように一体的に固定したことにより、床全体において床下地材から離れた位置に蓄熱補強ユニットの剛性材としての補強面材を配置できるとともに、その潜熱蓄熱材によって蓄熱効果が得られ、よって床仕上げ材が撓むことがなく、曲げ強度が大きくて蓄熱機能を有する床構造が得られる。
第2の発明によると、蓄熱補強ユニット同士の継ぎ目を床下地材間の継ぎ目からずらしたことにより、床下地材間の水平方向のズレを蓄熱補強ユニットにより補強して、より強度の高い床構造が得られる。
第3の発明によれば、横架材に床下地材の端部を固定し、さらに蓄熱補強ユニットの補強によっても床の強度を増大させることができ、併せて蓄熱機能を付与することができる。
第4の発明によると、根太材を使用した床構造において、蓄熱補強ユニットの補強によっても床の強度を増大させることができ、併せて蓄熱機能を付与することができる。
第6の発明によれば、保護層を片面粘着剤付きシートとし、その片面粘着剤付きシートを介して潜熱蓄熱材を木桟と一体的に固定するようにしたことにより、潜熱蓄熱材が木桟に対して移動したり位置ズレしたりすることはなく、施工時の作業性や運搬性を高めることができる。
第7の発明によると、補強面材を合板、MDF、ハードボード又はHDFとしたことにより、補強面材を床下地材及び木桟と同じ木質系材料で構成して、寸法の変化を同等にし、同変化による不具合の発生を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る蓄熱補強ユニットの断面図である。 図2は、蓄熱補強ユニットを上下反転させかつ保護層を除去した状態で示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る床構造において、梁材に固定した床下地材上に複数の蓄熱補強ユニットを施工した図である。 図4は、本発明の実施形態に係る床構造を示す断面図である。 図5は、床下地材上に複数の蓄熱補強ユニットを施工した状態を示す斜視図である。 図6は、本発明の別の実施形態を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図3及び図4は本発明の実施形態に係る床構造を示し、1は建物の柱、2は該柱1の側面に端部が固定された水平方向に延びる横架材(横軸材)としての梁、3は梁2の側面に端部が固定された横架材(横軸材)としての床梁であって、これら梁2及び床梁3には、合板からなる複数の床下地材5,5,…(1枚のみ図示する)がそれぞれ隣り合う端面同士を突き合わせかつ四周端部を梁2及び床梁3に載せた状態で釘Nにより固定されている。
この床下地材5は、厚みが24mm以上であってもよく、或いは24mm以下であってもよい。後者のように、床下地材5の厚みが24mm以下の場合であっても、床下地材5と、後述する蓄熱補強ユニット10との双方の働きにより、梁2及び床梁3(いずれも横架材)に対し厚み24mm以上の合板からなる床下地材5のみが固定された剛床と同等以上の水平強度を有する床構造とすることも可能である。
また、この床下地材5は、厚みが12mm以上であってもよく、或いは12mm以下であってもよい。後者のように、床下地材5の厚みが12mm以下の場合であっても、床下地材5と、後述する蓄熱補強ユニット10との双方の働きにより、梁2及び床梁3(いずれも横軸材)に対し厚み12mm以上の合板からなる床下地材5のみが固定された床構造と同等以上の水平強度を有する床構造とすることも可能である。
上記において、梁2及び床梁3を例に説明したが、梁2(又は床梁3)と床下地材5の間に根太材を施工してもよい。
また、上記材梁、根太材等の横軸材としては、木製や鋼製等のどのような材質のものでも使用することができる。
上記床下地材5の上面には、本発明の実施形態に係る複数のパネル状の蓄熱補強ユニット10,10,…が固定され、この蓄熱補強ユニット10,10,…上に床仕上げ材20が施工されている。
(蓄熱補強ユニット)
上記各蓄熱補強ユニット10は、図1及び図2に示すように、補強面材11と、この補強面材11の下面に一体的に固着され、縦桟部12a及び横桟部12bからなる木桟12と、この木桟12の下面に固定された保護層13とを備えている。上記補強面材11と保護層13との間には、木桟12の縦桟部12a及び横桟部12bで区画された蓄熱材収容部15が形成されており、この蓄熱材収容部15に潜熱蓄熱材16が収容されている。
(補強面材)
上記補強面材11は、2.0〜4.0mmの厚みを有する合板、MDF、ハードボード又はHDFからなる矩形板状のものである。このように、補強面材11を合板、MDF、ハードボード又はHDFとすることで、補強面材11が床下地材5及び木桟12と同じ木質系材料で構成されるので、それらの温度や湿度に応じた寸法の変化が同等になり、同変化の違いによる不具合の発生を抑制することができる。
特に補強面材11が、比重の高いMDF、ハードボード又はHDFであると、熱伝導性に配慮しつつ強度を確保することができる。
この補強面材11の厚みは、2.0mm未満であると、床面全体の曲げ強度を補強する効果が有効に得られない一方、4.0mmを越えると、断熱層となり、蓄熱材収容部15に収容された潜熱蓄熱材16による蓄熱効果を期待できないので、2.0〜4.0mmとするのが好ましい。補強面材11の大きさは、特に限定されない。
(木桟)
上記木桟12は、補強面材11の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部12a及び横桟部12bからなり、これら縦桟部12a及び横桟部12bは互いに直交して当接するように配置されている。
このとき、補強面材11下面の周縁部に縦桟部12a及び横桟部12bによって枠部を形成するのが好ましく、さらには、その枠部の内部に他の縦桟部12a及び横桟部12bを端面が枠部内側面に当接するように配置して仕切り、枠部の内部を複数の空間に区画するようにするのがより好ましい。
例えば図2に例示する蓄熱補強ユニット10では、補強面材11の縦方向が横方向よりも長く、その横方向たる幅方向の両側に縦方向たる長さ方向に沿って延びる2本の縦桟部12a,12aが配置され、これら2本の縦桟部12a,12aの長さ方向両端部間に、補強面材11の幅方向(幅方向)に延びる2本の横桟部12b,12bが配置されて、枠部が形成されている。さらに、2本の縦桟部12a,12aの長さ方向中央部間にも同様の1本の横桟部12bが配置され、これら3本の横桟部12b,12b,…の両端面はそれぞれ縦桟部12a,12aの内側面に当接しており、以上の縦桟部12a,12a及び横桟部12b,12b,…により囲まれて2つの空間が区画形成されている。
また、その他、例えば補強面材11の大きさを910×910mmとしたとき、木桟12として高さ×幅が12×12mmの寸法を有する縦桟部12a,12a,…及び横桟部12b,12b,…を用いて9つの空間が区画形成されるようにしてもよい。
木桟12としては、高さが10〜15mmで幅が10〜100mmのものが使用され、望ましくは高さが11〜13mmで幅が13〜50mmのものがよい。その理由は、高さが10mm未満であると、潜熱蓄熱材16の効果が期待できないか又は小さくなる一方、15mmを越えると、潜熱蓄熱材16による床面の加熱又は冷却効果が得られず、コストアップを招くという問題があるからである。
木桟12を補強面材11の下面に固着するために、例えばアクリル系粘着剤を使用した構造用両面粘着テープや、ホットメルト接着剤、水性ビニルウレタン系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の接着剤、或いはステープル、釘、ビス等の各手段を単独で使用するか又は併用する。
(保護層)
上記保護層13は、上記補強面材11と同じ大きさの矩形状のもので、木桟12の縦桟部12a及び横桟部12bの下面に固定される。この保護層13を固定したときに、保護層13と補強面材11との間に、縦桟部12a及び横桟部12bにより囲まれる蓄熱材収容部15が区画形成される。
そのため、保護層13は、蓄熱材収容部15に潜熱蓄熱材16を収容できればよく、可撓性のシート状物であればどのようなものでも使用することができる。すなわち、保護層13として合板やMDF等の剛性を有する板状体を使用した場合、床下地材5に不陸が生じる虞れがあり、そのときには、床下地材5と蓄熱補強ユニット10との密着一体化が不十分となって床構造としての補強効果が期待できなくなる。
保護層13としては、片面に粘着剤が塗布された0.5mm以下の厚みを有する可撓性の片面粘着剤付きシートが好適に用いられ、この片面粘着剤付きシートを介して潜熱蓄熱材16が木桟12と一体的に固定される。これにより、潜熱蓄熱材16と片面粘着剤付きシートとが一体化されるとともに、その片面粘着剤付きシートと木桟12とも一体化されるので、潜熱蓄熱材16が蓄熱材収容部15内で移動したり位置ずれ(変位)したりせず、蓄熱補強ユニット10の施工時等の運搬性、取扱い性や作業性が向上する。
上記可撓性片面粘着剤付きシートは、例えば紙、不織布、ガラスクロス、プラスチック薄膜もしくは金属薄膜か、又はこれらの複層積層体であればどのようなものでも使用できる。
(潜熱蓄熱材)
上記蓄熱材収容部15に収容される潜熱蓄熱材16は、PCM(Phase Change Material)とも呼ばれ、物質が固相から液相、或いは液相から固相に相変化するときの潜熱を利用するものであり、固相の潜熱蓄熱材16の温度が上昇して、その融点に達すると、潜熱蓄熱材16の溶融が始まり、融解熱を外部から吸収する。逆に、液相にある潜熱蓄熱材16の温度が降下し、凝固点に達すると、凝固が始まり、凝固熱を外部に放出する。このような熱の授受を利用している。
潜熱蓄熱材16としては、例えば蓄熱材料であるノルマルパラフィンや無機水和塩を塩化カルシウム水和塩、多孔質シリカ等の多孔質材料である担持体に含浸させたもの、或いは同蓄熱材料をカプセルや袋状体に封入したものが用いられる。
本実施形態のように、床構造に用いられる潜熱蓄熱材16は、例えば融点が11〜25℃のものが好ましく、融点が約18℃のn−ヘキサデカンや約22℃のn−ヘプタデカン等が用いられる。変性や混合により融点が11〜25℃に調整された潜熱蓄熱材16であれば、どのようなものでも使用することができる。潜熱蓄熱材16の融点を11〜25℃とするのは、冬季の暖房使用時における室内空間の想定温度と一致させるためである。
(蓄熱補強ユニットの床下地材への施工構造)
上記構成の複数の蓄熱補強ユニット10,10,…を床下地材5の上面に固定して施工する構造として、図3〜図5に示すように、複数の蓄熱補強ユニット10,10,…が床下地材5の上面に載置されて固定され、その隣り合う2つの蓄熱補強ユニット10,10についてみたときに、両蓄熱補強ユニット10,10同士が隙間なくかつ該両蓄熱補強ユニット10,10の木桟12,12同士が当接するように床下地材5に一体的に固定される。これら蓄熱補強ユニット10,10,…上に床仕上げ材20が施工されている。
そのとき、図4に示すように、上記隣り合う複数の蓄熱補強ユニット10,10,…同士の継ぎ目L2が、上記複数の床下地材5,5間の継ぎ目L1とずれている。
各蓄熱補強ユニット10を床下地材5の上面に固定する際の固定手段としては、床補強ユニット10の木桟12部分を介して、梁2及び床梁3に一体に釘Nにより固定するのが最も好ましい。また、各蓄熱補強ユニット10を床下地材5の上面に固定する際の固定手段としては、床補強ユニット10の木桟12部分を介して、床下地材5に一体に釘Nにより固定してもよい。
また、例えば両面粘着テープ、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の接着剤や、ステープル、釘、ビス等の各手段を単独で使用するか又は併用してもよい。このような固定手段により、蓄熱補強ユニット10がその木桟12を介して床下地材5に強固に固定一体化され、蓄熱補強ユニット10による床剛性の補強効果が発揮される。
(実施形態の効果)
したがって、この実施形態においては、床下地材5上に複数の蓄熱補強ユニット10,10,…が、隣り合う蓄熱補強ユニット10,10同士を隙間なくかつ該蓄熱補強ユニット10,10の木桟12,12同士を当接させるように一体的に固定されている。そのため、床下地材5に蓄熱補強ユニット10,10,…の各々の補強面材11が木桟12を介して該木桟12の高さだけ間隔をあけた状態で固定されることとなり、この補強面材11が木桟12の高さだけ床下地材5から間隔をあけた状態で固定される。このことで、その補強面材11の位置は、床下地材5、蓄熱補強ユニット10及び床仕上げ材20を含めた床全体の厚み方向の中央から上側にずれるようになり、床全体において床下地材5から離れた位置に剛性材としての補強面材11が位置することで、床全体の曲げ強度を増大させることができる。
また、各蓄熱補強ユニット10の蓄熱材収容部15には潜熱蓄熱材16が収容されているので、その潜熱蓄熱材16によって蓄熱効果が得られる。
これらによって、曲げ強度が大きくて蓄熱機能を有する床構造が得られる。
また、蓄熱補強ユニット10は、上側に補強面材11が配置されて施工され、その上に床仕上げ材20が施工されるので、その床仕上げ材20は蓄熱補強ユニット10の補強面材11全体と接するようになり、床仕上げ材20の撓みが生じることはない。
しかも、上記隣り合う複数の蓄熱補強ユニット10,10同士の継ぎ目L2が、床下地材5,5間の継ぎ目L1とずれているので、床下地材5,5間の水平方向のズレを蓄熱補強ユニット10,10により補強することができ、より強度の高い床構造が得られる。
そして、上記床下地材5は、例えば厚みが24mm以上又は24mm以下のいずれであってもよく、床下地材5の厚みが24mm以上である場合には、その床下地材5は単独で剛床を構成することも可能であり、この剛床の床下地材5上に複数の蓄熱補強ユニット10,10,…が隙間なく施工されることで、厚み24mm以上の床下地材5そのものによって剛床構造が得られるだけでなく、蓄熱補強ユニット10,10,…の補強によっても強度を増大させることができ、併せて蓄熱機能を付与することができる。
一方、床下地材5の厚みが24mm以下である場合、その床下地材5に加えて蓄熱補強ユニット10,10,…による補強により、梁材に厚み24mm以上の合板からなる床下地材5のみが単独で固定された剛床と同等以上の水平強度を有するので、厚みが24mm以下の床下地材5であっても、蓄熱補強ユニット10,10,…の補強効果により厚みが24mm以上の床下地材5を施工した床構造と同等以上の強度を実現することができる。
この場合、床補強ユニット10の木桟12部分を介して、梁2及び床梁3に一体に釘Nにより固定するのが好ましい。
本実施形態のように剛床を形成する場合は、厚さ24mm〜28mmの厚物構造用合板を、梁のすべてに、N75釘を用いて、外周部・中間部ともに150mm間隔で直接打ち付けた床構造において(この場合根太は必要ない)、梁の間隔は縦横とも910mmとしており、柱や間柱に干渉する部分は、構造用合板を欠き込み、その付近の釘を増し打ちしている。これにより、床倍率3.0倍が得られる。
その他の例として、厚さ12mmの構造用合板を、梁及び根太の全てに、N50釘を用いて、外周部・中間部ともに150mm間隔で直接打ち付け床構造としてもよい。この場合、根太は落とし根太とし、梁天端と高さを揃え、根太の間隔は340mm以下とし、柱や間柱に干渉する部分は、構造用合板を欠き込み、その付近の釘を増し打ちすることで、床倍率2.0倍が得られる。
(その他の実施形態)
上記実施形態は、横軸材を梁2及び床梁3等の横架材とした場合について説明したが、例えば図6に示すように、鋼製の大引き7を床束で支えるような床構造としてもよいし(図6中、8は土台、9は基礎である)、横架材に代えて根太材とすることも可能である。この場合も、蓄熱補強ユニットの効果により、撓みの少ない床構造を提供することができる。
また、上記実施形態は、床下地材5に対し蓄熱機能に加え、水平力を保持させることを目的とした床構造の例であるが、同様に、床パネルに水平力を保持させる2×4工法における床パネルを床下地材とし、その床パネル上面に蓄熱補強ユニット10,10,…を固定するようにしてもよく、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができ、2×4工法の床パネルに対して補強効果及び蓄熱効果を付与することができる。
本発明は、床下地材に蓄熱効果だけでなく補強効果を付与できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
2 梁(横架材、横軸材)
3 床梁(横架材、横軸材)
5 床下地材
7 大引き(横軸材)
8 土台(横軸材)
L1 床下地材間の継ぎ目
10 蓄熱補強ユニット
L2 蓄熱補強ユニット間の継ぎ目
11 補強面材
12 木桟
12a 縦桟部
12b 横桟部
13 保護層
15 蓄熱材収容部
16 潜熱蓄熱材
20 床仕上げ材

Claims (7)

  1. 横軸材に合板からなる複数の床下地材が固定され、該床下地材の上面に複数の蓄熱補強ユニットが固定された床構造であって、
    上記各蓄熱補強ユニットは、矩形板状の補強面材と、該補強面材とは別部材であって補強面材の下面に一体的に固着され、補強面材の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部及び横桟部が互いに当接するように配置された木桟と、該木桟の下面に固定された可撓性を有する保護層とを備え、
    上記蓄熱補強ユニットの補強面材と保護層との間には、木桟で区画された蓄熱材収容部が形成されていて、該蓄熱材収容部に潜熱蓄熱材が収容されており、
    上記複数の蓄熱補強ユニットは、隣り合う蓄熱補強ユニット同士が隙間なくかつ該蓄熱補強ユニットの木桟同士が当接するように床下地材、又は床下地材を介して横軸材に一体的に固定されていて、上記板状の補強面材が床下地材から木桟の高さだけ離れた位置に剛性材として位置していることを特徴とする床構造。
  2. 請求項1において、
    隣り合う複数の蓄熱補強ユニット同士の継ぎ目が、複数の床下地材間の継ぎ目とずれていることを特徴とする床構造。
  3. 請求項1又は2において、
    横軸材が横架材であることを特徴とする床構造。
  4. 請求項1又は2において、
    横軸材が横架材上に設けられた根太材であることを特徴とする床構造。
  5. 横軸材に合板からなる複数の床下地材が固定された床構造に対し、該床下地材の上面に固定される蓄熱補強ユニットであって、
    矩形板状の補強面材と、該補強面材とは別部材であって補強面材の下面に一体的に固着され、補強面材の縦及び横方向にそれぞれ延びる縦桟部及び横桟部が互いに当接するように配置された木桟と、該木桟の下面に固定された可撓性を有する保護層とを備え、
    上記補強面材と保護層との間には、木桟に区画された蓄熱材収容部が形成されていて、該蓄熱材収容部に潜熱蓄熱材が収容されており、
    隣接する蓄熱補強ユニットに対し隙間なくかつ木桟が該隣接する蓄熱補強ユニットの木桟と当接するように床下地材、又は床下地材を介して横軸材に一体的に固定されて、上記板状の補強面材が床下地材から木桟の高さだけ離れた位置に剛性材として位置するように施工されることを特徴とする蓄熱補強ユニット。
  6. 請求項5において、
    保護層は、0.5mm以下の厚みを有する片面粘着剤付きシートであり、
    上記片面粘着剤付きシートを介して潜熱蓄熱材が木桟と一体的に固定されていることを特徴とする蓄熱補強ユニット。
  7. 請求項5又は6において、
    補強面材が、2.0〜4.0mmの厚みを有する合板、MDF、ハードボード又はHDFからなることを特徴とする蓄熱補強ユニット。
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