JP6079814B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関に係り、特に、タンブル流を利用して成層燃焼運転が行われる内燃機関に関する。
特許文献1には、成層燃焼運転を行う筒内噴射式エンジンの制御装置が開示されている。この制御装置は、点火時期において点火プラグの周辺に可燃混合気を滞留させて成層燃焼運転を行うために、燃料噴射弁に向かって流れてくるタンブル流に向けて当該タンブル流と逆行するように燃料を噴射するようにしている。そのうえで、上記制御装置は、タンブル流の強さと燃料の噴霧貫徹力とをバランスさせて安定した成層燃焼を実現するために、燃料噴射圧力の制御による噴霧貫徹力の調整を行う。より具体的には、アイドリング運転時に、燃料噴射圧力を設定下限値から設定上限値までの全範囲において徐々に変化させつつ、この全範囲において燃焼変動の大きさが所定値以下となるように燃料噴射時期を補正する処理が行われる。
特開2002−276421号公報 特開2003−227375号公報 特開2009−008037号公報
燃料の噴霧貫徹力は、燃料噴射弁の噴孔等へのデポジットの堆積などの要因によって内燃機関が経時変化したことに起因して増大することがある。成層燃焼のためにタンブル流を利用して点火プラグの周辺に燃料噴霧を導く構成を採用している場合には、噴霧貫徹力が上記経時変化に起因して増大すると、タンブルの強さと噴霧貫徹力とがアンバランスとなることが懸念される。このようなアンバランスが生じると、点火時期における点火プラグの周辺での可燃混合気の成層度が低下する。成層度が低下すると、すなわち、上記混合気の空燃比がリーンになると、燃焼変動が大きくなり、トルク変動が大きくなる。
特許文献1の手法によれば、燃料噴射圧力を低下させることで噴霧貫徹力を下げることができるが、燃料の微粒化が妨げられてしまう。その結果、筒内壁面への燃料付着の増大および一酸化炭素COの増加といった問題が発生することがある。したがって、噴霧貫徹力が上記経時変化に起因して増大した場合における成層度回復のための対策は、良好な燃焼に対する弊害を軽減しつつ行えるものであることが望ましい。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、成層化のための噴射燃料の噴霧貫徹力が上記経時変化に起因して増大した場合に、良好な燃焼に対する弊害を軽減しつつ、点火時期における点火プラグ周辺の可燃混合気の成層度を回復させられるようにした内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る内燃機関は、燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関であって、点火プラグと、筒内噴射弁と、タンブル流可変機構と、制御装置とを備える。点火プラグは、シリンダヘッド側の前記燃焼室の壁面の中央部に配置されている。筒内噴射弁は、成層燃焼運転が行われるときに、タンブル流の渦中心に燃料噴霧が向かうように特定タイミングにて燃料を噴射するように構成されている。タンブル流可変機構は、タンブル流の強さを可変とする。制御装置は、前記筒内噴射弁により噴射される燃料の噴霧貫徹力が前記内燃機関の経時変化に起因して増大した場合に、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御する。さらに、前記制御装置は、噴霧貫徹力が前記経時変化に起因して増大した場合であって、かつ、成層燃焼運転中に燃焼変動の大きさが判定値以上となる場合に、前記タンブル流可変機構を用いてタンブル流の強さを高める。
また、本発明の他の態様に係る内燃機関は、燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関であって、点火プラグと、筒内噴射弁と、タンブル流可変機構と、制御装置とを備える。点火プラグは、シリンダヘッド側の前記燃焼室の壁面の中央部に配置されている。筒内噴射弁は、成層燃焼運転が行われるときに、タンブル流の渦中心に燃料噴霧が向かうように特定タイミングにて燃料を噴射するように構成されている。タンブル流可変機構は、タンブル流の強さを可変とする。制御装置は、前記筒内噴射弁により噴射される燃料の噴霧貫徹力が前記内燃機関の経時変化に起因して増大した場合に、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御する。さらに、前記制御装置は、前記特定タイミングにて行われる燃料噴射の噴霧貫徹力を減少させた場合に点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側に変化するときに、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じているとして、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御する。
上記一態様および上記他の態様において、前記制御装置は、噴霧貫徹力が前記経時変化に起因して増大した場合に、点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側への変化を示さなくなるまで、成層燃焼運転中に前記タンブル流可変機構を用いてタンブル流の強さを高めることが好ましい。
上記一態様および上記他の態様において、前記制御装置は、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど成層燃焼運転中にタンブル流の強さがより高められるように、前記タンブル流可変機構を制御することが好ましい。
上記他の態様において、前記制御装置は、噴霧貫徹力が前記経時変化に起因して増大した場合であって、かつ、成層燃焼運転中に燃焼変動の大きさが判定値以上となる場合に、前記タンブル流可変機構を用いてタンブル流の強さを高めることが好ましい。
上記一態様および上記他の態様において、前記タンブル流可変機構は、前記内燃機関の吸気通路に配置されてタンブル流を生成する吸気の流れを制御するタンブル制御弁を含むものであってもよい。そして、前記タンブル制御弁は、前記吸気通路を閉塞するように動作した状態において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室を気筒軸線の方向で見たときに吸気弁の軸線の直交方向において前記吸気通路の流路断面の中心側の部位と比べて当該直交方向の外側の部位の方が吸気の流量が多くなるようにすることが好ましい。
上記一態様において、前記制御装置は、前記特定タイミングにて行われる燃料噴射の噴霧貫徹力を減少させた場合に点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側に変化するときに、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じているとして、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御するものであってもよい。
本発明によれば、タンブル流の渦中心に燃料噴霧が向かうように筒内噴射弁を用いた燃料噴射を行いつつ成層燃焼運転が行われるときにおいて、筒内噴射弁により噴射される燃料の噴霧貫徹力が内燃機関の経時変化に起因して増大した場合に、タンブル流の強さが高められるようにタンブル流可変機構が制御される。これにより、良好な燃焼に対する弊害を伴うパラメータ(燃料噴射圧力など)を変更して噴霧貫徹力を調整する場合と比べて、良好な燃焼に対する弊害を軽減しつつプラグ周辺混合気の成層度を回復させられるようになる。
本発明の実施の形態1の内燃機関のシステム構成を説明するための模式図である。 燃焼室周りの構成を気筒の軸線方向においてシリンダヘッド側から見た図である。 TCVの具体的な構造を説明するための図である。 経時変化に起因するプラグ周辺混合気の成層度の低下について説明するための図である。 経時変化による噴霧貫徹力の増大に起因してプラグ周辺混合気の成層度が低下する他の要因を説明するための図である。 筒内噴射弁の最適噴射割合Rbの経時変化を説明するための図である。 噴霧貫徹力と最適噴射割合Rbの補正量ΔRbとの関係を表した図である。 本発明の実施の形態1における制御の流れを表したフローチャートである。 最適噴射割合Rbの補正量ΔRbに基づいて噴霧貫徹力を算出する処理の流れを表したフローチャートである。 プラグ周辺空燃比の算出手法の一例を説明するための図である。 プラグ周辺空燃比と、判別時期での熱発生率dQ/dθとの関係を表した図である。 噴霧貫徹力に基づく要求TCV開度OPrの設定を説明するための図である。 TCVを閉じることによる気流分布の制御によって得られる成層度の改善効果を説明するための図である。 経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じた場合に本発明の実施の形態2において実施されるプラグ周辺混合気の成層度の回復動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における制御の流れを表したフローチャートである。 図15に示すフローチャートに従う処理の実行結果の一例を表したタイムチャートである。 本発明における他のタンブル流可変機構を備える内燃機関のシステム構成を説明するための模式図である。 図17に示すバルブマスクの詳細な構成を説明するための図である。 図18中に示すK−K線で吸気ポート周りの構成を切断した断面図である。 燃焼室内に、吸気側で下降し排気側で上昇する逆タンブル流が生成されている様子を表した図である。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10のシステム構成を説明するための模式図である。本実施形態のシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10の各気筒内には、ピストン12が設けられている。気筒内におけるピストン12の頂部側には、燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口付近には、吸入空気量を計測するためのエアフローメータ20が配置されている。また、吸気通路16には、電子制御式のスロットル弁22が設けられている。スロットル弁22は、アクセル開度に応じて開度が調整されることで、吸入空気量を調整することができる。
吸気通路16において燃焼室14に接続される部位である吸気ポート16aは、吸気の流れによって燃焼室14内に縦回転の渦、すなわち、タンブル流を生成させられるように形成されている。より具体的には、本実施形態において生成されるタンブル流は、図1に示すように、吸気側で上昇し、排気側で下降する正タンブル流である。このような正タンブル流の生成のために、図1においてシリンダボア中心側の部位における吸気の流れ(図1中の「流れ1」参照)は、当該部位の反対側(シリンダボア外周側)の部位における吸気の流れ(図1中の「流れ2」参照)よりも強くなるように吸気ポート16aが構成されている。
吸気ポート16aには、当該吸気ポート16aを開閉する吸気弁24が設けられている。吸気弁24の上流には、電子制御式のタンブル制御弁(TCV)25が配置されている。TCV25は、弁軸25aと当該弁軸25aを中心として回転する弁体25bとを備えて吸気通路16の流路面積を変化させるフラップ式の弁機構である。
図2は、燃焼室14周りの構成を気筒の軸線方向においてシリンダヘッド側から見た図である。図3は、TCV25の具体的な構造を説明するための図であり、吸気の流れの下流側から(より具体的には、図1中に示すA−A線により切断される流路断面において)TCV25を見た図である。
図2および図3中に示す「L2方向」とは、気筒軸線の方向においてシリンダヘッド側から燃焼室14周りの構成を見たときに、吸気弁24の軸線L1と直交する方向のことである。内燃機関10の場合には、L2方向は、図示省略するクランク軸の軸線方向と平行となる。内燃機関10の気筒内には、2つの吸気弁24がL2方向に沿って隣り合うように備えられている。図2に示すように、TCV25は、各吸気弁24に向けて分岐する吸気ポート16aの分岐点よりも上流側に配置されている。
TCV25の弁軸25aは、吸気通路16の流路断面におけるシリンダボア外周側(図1および図3における下方側)の流路壁面に沿う態様でL2方向と平行に配置されている。図3は、弁体25bの回転位置(すなわち、TCV25による吸気通路16の開度(以下、「TCV開度OP」と称する))の違いによる吸気通路16の閉塞の度合いの変化を表している。
図3に示すように、全開状態においては、弁体25bは、流路壁面に沿うように傾斜している。その結果、全開状態においては、TCV25は吸気の流れに対して実質的な影響を与えない。一方、TCV25によれば、弁体25bがより大きく立ち上がるほど、吸気通路16がより大きく閉塞される(すなわち、TCV開度OPがより小さくなる)。
図3中においてL2方向と直交する方向に着目して流路断面を見た場合、TCV開度OPが小さくなるにつれ、シリンダボア外周側の部位の方がシリンダボア中心側の部位と比べてより大きく閉塞されるようになる。これにより、TCV開度OPが小さいほど、シリンダボア中心側により大きく偏るように吸気の流れに変化を与えることができる。その結果、TCV開度OPが小さいほど、流れ2の流量に対する流れ1の流量の差をより多くすることができる。このため、TCV開度OPを小さくすることで、燃焼室14内のタンブル流の強さを高めることができる。
上記のように吸気通路の流路面積の一部を狭めることによってタンブル流の強さを変化させる機能は、一般的なタンブル制御弁においても備えられている基本的な機能である。そのうえで、TCV25は、以下に説明する態様にて気流分布(L2方向における吸気の流れの偏り)を変化させるという機能をも付加的に備えている。
すなわち、図3中においてL2方向に着目して流路断面を見た場合、L2方向の中心側(内側)の部位がその外側の部位と比べて大きく閉塞される。このように、L2方向における中心側の部位と外側の部位との間には、吸気通路16の開口率に差が設けられている。これにより、TCV開度OPが小さいほどL2方向における流路断面の中心側の部位の流量に対する外側の部位の流量の差が多くなるという態様においても、吸気の流れに偏りを生じさせることができる。
上記の2つの機能をともに実現するのに適した弁体形状の一例として、弁体25bは、三角形状を有している。より具体的には、弁体25bは、L2方向の中央において弁体25bの高さが最大となり、かつ、この高さ方向の頂点から吸気通路16内の弁軸25aの両端に向けて延びるように形成された三角形状を有している弁体25bをこのように形成したことにより、TCV25が吸気通路16を閉塞するように動作した状態(すなわち、全開状態に対してTCV25が閉じられた状態)において、流路断面上においてシリンダボア中心側であってL2方向の外側の部位(図3中に矢印Bで示す2つの領域参照)の流量がTCV25を閉じた際に多くなるように吸気の流れを偏らせることが可能となる。すなわち、TCV開度OPを変えることによって、タンブル流の強さを変化させるという基本的な機能と、上記態様にて気流分布を変化させるという付加的な機能とを好適に両立できるようになる。
図1を参照して、内燃機関10のシステム構成の説明を継続する。内燃機関10の各気筒には、吸気ポート16aに燃料を噴射するポート噴射弁26と、燃焼室14内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁28とが設けられている。また、各気筒には、混合気に点火するための点火装置(図示省略)の点火プラグ30が設けられている。点火プラグ30は、シリンダヘッド側の燃焼室14の壁面の中央部に配置されている。さらに、各気筒には、筒内圧を検出する筒内圧センサ32が設けられている。
排気通路18の排気ポート18aには、当該排気ポート18aを開閉する排気弁34が設けられている。また、排気通路18には、排気ガスを浄化するための排気浄化触媒36が配置されている。さらに、内燃機関10のクランク軸(図示省略)の近傍には、クランク角およびエンジン回転速度を検出するためのクランク角センサ38が取り付けられている。
さらに、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、入出力インターフェースとメモリと演算処理装置(CPU)とを備えている。入出力インターフェースは、内燃機関10もしくはこれを搭載する車両に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、内燃機関10を制御するための各種アクチュエータに対して操作信号を出力するために設けられている。メモリには、内燃機関10を制御するための各種の制御プログラムおよびマップ等が記憶されている。CPUは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて各種アクチュエータの操作信号を生成する。ECU40が信号を取り込むセンサには、上述したエアフローメータ20、筒内圧センサ32およびクランク角センサ38等のエンジン運転状態を取得するための各種センサが含まれる。ECU40が操作信号を出すアクチュエータには、上述したスロットル弁22、TCV25、ポート噴射弁26、筒内噴射弁28および上記点火装置等が含まれる。
(タンブル流を利用する成層燃焼)
内燃機関10では、上述のように、吸気ポート16aの形状の事前の選定によって、燃焼室14内にタンブル流を生成させられるようになっている。本実施形態では、成層燃焼を実現するために、このタンブル流を利用するエアガイド方式、すなわち、燃料噴霧をタンブル流によって点火プラグ30の周りに運ぶ方式が用いられる。成層燃焼とは、点火時期において点火プラグ30の周辺にその外側よりも空燃比がリッチな混合気層を形成して行う燃焼のことである。なお、図1は、圧縮上死点(圧縮TDC)前90°CA付近での状態を示している。
エアガイド方式を用いた成層燃焼を行えるようにするために、筒内噴射弁28の噴射角度は、圧縮行程の中期内の特定タイミングTにおいてタンブル流の渦中心に向けて燃料を噴射可能となるように設定されている。ここでいう圧縮行程の中期とは、好ましくは、圧縮TDC前120〜60°CAである。特定タイミングTは、ここでは一例として圧縮TDC前90°CAとされている。
成層燃焼を行う際の燃料噴射として、本実施形態では、1サイクル中に噴射すべき燃料噴射量を複数回に分割し、分割した後の個々の燃料噴射量の噴射を行う燃料噴射弁をポート噴射弁26と筒内噴射弁28とによって分担する手法が用いられる。より具体的には、最初の燃料噴射は、ポート噴射弁26を用いて行われ、2番目の燃料噴射は、筒内噴射弁28を用いて行われる。最初の燃料噴射は、メインとなる燃料噴射であり、1サイクル中に噴射すべき燃料量のうちの多くの量の燃料が排気行程もしくは吸気行程においてポート噴射弁26によって噴射される。2番目の燃料噴射は、1サイクル中に噴射すべき燃料量のうちの残りの量であって成層化のために必要とされる少量での燃料噴射である。この2番目の燃料噴射は、上記特定タイミングT(圧縮TDC前90°CA)にて筒内噴射弁28によって行われる。
上記2番目の燃料噴射がタンブル流の強さに対して適切な噴霧貫徹力で行われることで、燃料噴霧がタンブル流の渦中心に向かい、その結果、タンブル流によって燃料噴霧が包み込まれるようになる。そして、タンブル流によって包み込まれた燃料噴霧はピストン12の上昇に伴って点火プラグ30の周りに運ばれる。これにより、点火時期における点火プラグ30の周辺の混合気層がその外側よりも空燃比がリッチな可燃混合気層となるように、筒内ガスを成層化させることができる。
[実施の形態1の制御]
(本実施形態の制御の対象となる運転条件)
以下に説明する本実施形態の制御は、ファストアイドル運転を対象として行われる。ファストアイドル運転は、内燃機関10の冷間始動直後に、アイドル回転速度を、暖機終了後の通常アイドル回転速度より高く維持するために行われるものである。
(ファストアイドル運転時に成層燃焼を行う利点)
本実施形態では、ファストアイドル運転時に、上述のエアガイド方式を利用する成層燃焼が実施される。ファストアイドルの際に成層燃焼を行うこととすると、筒内全体の空燃比を大きくリッチ化することなく、点火プラグ30の周辺にその外側と比べて燃料濃度の高い可燃混合気層を生成することができるので、燃費低減を図りつつ冷間始動後の燃焼を安定化させることができる。
また、良好な成層燃焼の実現は、窒素酸化物NOxの排出抑制の観点においても有効である。すなわち、筒内でのNOxの生成量は、燃焼に付される混合気の空燃比が16付近であるときに多くなる。混合気の成層度を高めるということは、点火プラグ30の周辺の混合気層の空燃比をリッチ化することを意味する。したがって、点火時期における点火プラグ30の周辺の混合気の成層度を良好に高めることにより、点火時期における点火プラグ30の周辺において空燃比が16付近の値となる混合気層が形成されることを抑制することができ、その結果としてNOxの生成を抑制することができる。以下、本明細書においては、説明の便宜上、点火時期付近における点火プラグ30の周辺の混合気のことを「プラグ周辺混合気」と称し、このプラグ周辺混合気の空燃比のことを「プラグ周辺空燃比」と称する。
また、本実施形態では、ファストアイドル運転時において炭化水素HCの排出抑制と排気浄化触媒36の暖機促進を図るために、点火時期の遅角が行われる。この点火時期遅角制御は、最適点火時期(MBT(Minimum spark advance for Best Torque)点火時期)に対して点火時期を大きく遅角するものであり、より具体的には、例えば、圧縮TDCよりも後の時期となるように点火時期が遅角される。このように点火時期を大幅に遅角して燃焼を行うことにより、排気通路18内でのHCの後燃えを促進させることができるとともに、排気温度を高めて排気浄化触媒36の暖機を促進させることができる。さらに、点火時期を遅角すると、一般に着火が不安定となる。しかしながら、プラグ周辺混合気の成層度を高めることは、このような点火時期遅角制御が行われている場合において着火を安定させる効果もある。
(エアガイド方式を利用する成層燃焼に関する課題)
上述したエアガイド方式は、燃料噴霧がタンブル流の渦中心に向かうように燃料噴射を行って、タンブル流によって燃料噴霧を包み込んだ状態で燃料噴霧を点火プラグ30の周りに輸送するというものである。このような動作を適切に実現できるようにするために、筒内噴射弁28による特定タイミングTでの燃料噴射は、筒内に生成されるタンブル流の強さに対して適切な噴霧貫徹力にて行われるようになっている。
噴霧貫徹力の調整は、燃料噴射割合を変更することによって行うことができる。ここでいう燃料噴射割合とは、1サイクル中に噴射される燃料の総量である総燃料噴射量に対する、特定タイミングTにて行われる燃料噴射の量の割合のことである。本実施形態の内燃機関10では、1サイクル中にポート噴射弁26と筒内噴射弁28とを用いて行われる燃料噴射による燃料噴射量の合計値が上記総燃料噴射量に相当し、この総燃料噴射量に対する、特定タイミングTでの燃料噴射の量の割合が上記燃料噴射割合(以下、「筒内噴射割合R」と称する)に相当する。
噴霧貫徹力は、特定タイミングTでの燃料噴射の量が多いほど大きくなる。ECU40には、タンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスを上記動作の実現に要求される適切なバランスとすることができる筒内噴射割合Rが、初期値(適合値)Rb0として記憶されている。タンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスが上記動作の実現に関して最適なものであれば、プラグ周辺混合気の成層度を最も高めることができ、その結果、プラグ周辺空燃比を良好にリッチ化させることが可能となる。
図4は、経時変化に起因するプラグ周辺混合気の成層度の低下について説明するための図である。なお、図4は、気筒の軸線を通過する中心断面における筒内の様子を表している。
内燃機関10に経時変化が生じていない初期状態においては、筒内噴射割合Rとして初期値Rb0を用いることによって、図4中の左側の図に示すように、タンブル流の強さと噴霧貫徹力とが適切にバランスしている。その結果、燃料噴霧はタンブル流によって適切に包み込まれるようになる。
ここで、噴霧貫徹力は、筒内噴射弁28などの内燃機関10の構成部品の経時変化によって変化し得る。具体的には、噴霧貫徹力は、例えば、筒内噴射弁28の噴孔へのデポジットの堆積に起因して噴霧貫徹力が初期狙い値(すなわち、初期値Rb0に対応する値)よりも大きくなることがある。図4中の右側に示す図は、このような要因によって噴霧貫徹力が初期狙い値に対して経時的に増大した状態を示している。この状態では、タンブル流の強さに対して噴霧貫徹力が過大となっている。つまり、初期状態において得られていたタンブル流の強さと噴霧貫徹力との適切なバランスが崩れている。このため、図4に示すように、燃料噴霧がタンブル流の渦中心を通過したうえでタンブル流に乗って拡散してしまう。その結果、プラグ周辺混合気の成層度が低下する。成層度が低下すると、プラグ周辺空燃比がリーンとなる。その結果、燃焼が遅くなるので、燃焼が不安定となる。燃焼が不安定になると、トルク変動が大きくなる。また、成層度の低下によって、NOxの排出量が多くなる。
図5は、経時変化による噴霧貫徹力の増大に起因してプラグ周辺混合気の成層度が低下する他の要因を説明するための図である。図5は、燃焼室14を気筒の軸線方向においてシリンダヘッド側から見下ろした図である。図5中に「C」を付して示す矢印は、タンブル流の主流(タンブル流の他の部位と比べて流速の高い部位)を示している。また、図5中に「D1」および「D2」を付して示す図形は、成層化のために特定タイミングTにて噴射された燃料の噴霧を示している。
タンブル流の主流Cは、シリンダヘッド側から(気筒上方から)見て、シリンダボア中心側の部位を通って吸気側から排気側に流れる。筒内噴射弁28は、構造上定まる噴射角度にて燃料を噴射する。筒内噴射割合Rが成層化のための適切な値(初期値Rb0)に設定されていると、図5に示すように、経時変化による噴霧貫徹力の増大が生じていない初期状態において噴射される燃料の噴霧D1は、タンブル流の主流Cが通過する領域の幅Eと同等に広がるようになる。
一方、経時変化による噴霧貫徹力の増大が生じている状態における噴霧D2は、噴霧D1と比べて噴霧長が大きくなる。その結果、噴霧D2は、図5中に幅Fとして示すように、タンブル流の主流Cが通過する領域の幅Eよりも大きく広がってしまう。つまり、タンブル流の回転軸方向において主流Cよりも外側の部位(主流Cよりも流速が低い流れ成分が存在する部位)にまで燃料噴霧が広がってしまう。このようにしてタンブル流の主流Cに関する幅Eからはみ出した燃料噴霧については、点火時期に至るまでタンブル流の内部に包み込むことが難しくなる。このようにはみ出す燃料噴霧の量が多くなると、成層度が低下する。噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合には、図4を参照して説明した要因に加え、このような要因によっても成層度が低下する。
(実施の形態1の制御の特徴部分)
本実施形態では、上記の課題を解決するために、上述したエアガイド方式を利用する成層燃焼が実施されるファストアイドル運転中に噴霧貫徹力が内燃機関10の経時変化に起因して増大したか否かを判定することとした。そして、噴霧貫徹力が増大したと判定した場合には、タンブル流の強さを高めることによってタンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスを改善させるべく、TCV25を閉じることとした。
より具体的には、本実施形態の内燃機関10は、既述したように、燃焼室14内にタンブル流を生成させられる吸気の流れの偏りを吸気ポート16aの形状によって創出している。したがって、経時変化による噴霧貫徹力の増大が生じていない初期状態においては、TCV25は全開状態とされている。そのうえで、経時変化による噴霧貫徹力の増大が認められた場合には、TCV25が全開状態から閉じられることになる。この場合、TCV25は、噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど、より大きく閉じられる。このようにして決定されたTCV25の開度は、その後に行われるファストアイドル運転時において使用されることになる。なお、このようなTCV25の閉じ制御が行われた後にさらに経時変化による噴霧貫徹力の増大が検出された場合には、前回の制御実行時に決定されたTCV25の開度に対してさらに閉じられることになる。
(経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大を判定する手法)
内燃機関10(例えば、筒内噴射弁28)の経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大の判定は、他の手法を用いて行うようにしてもよいが、例えば、以下に示す手法を用いることができる。
図6は、筒内噴射弁28の最適噴射割合Rbの経時変化を説明するための図である。図6は、プラグ周辺空燃比と筒内噴射割合Rとの関係を示している。上述のように、噴霧貫徹力は、特定タイミングTでの燃料噴射の量が多いほど(すなわち、筒内噴射割合Rが大きいほど)大きくなる。
図6中に示す実線は、内燃機関10が経時変化の生じていない初期状態にあるときの特性を示している。筒内噴射割合Rがゼロであるときには、筒内の混合気は成層化されないので、プラグ周辺空燃比は、筒内の空燃比(すなわち、吸入空気量と燃料噴射量とで規定される供給空燃比)と等しくなる。図6中に示す「最低噴射割合Rmin」とは、筒内噴射弁28の燃料噴射量が最小噴射量であるときの筒内噴射割合Rである。最小噴射量とは、ECU40による筒内噴射弁28の燃料噴射量の制御範囲の下限値に相当する値である。
筒内噴射割合Rが最低噴射割合Rminから増加するにつれ、噴霧貫徹力が増大していく。その結果、筒内噴射割合Rの増加に伴って、プラグ周辺混合気の成層度が増加し、プラグ周辺空燃比がリッチ化していく。筒内噴射割合Rの増加に伴ってタンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスが最適となったときには、タンブル流によって燃料噴霧を最適に包み込むことができるようになる。このため、このときに成層度が最も高くなり、プラグ周辺空燃比が最もリッチとなる。このときの筒内噴射割合Rが「最適噴射割合Rb」となる。より具体的には、ECU40に記憶されている筒内噴射割合Rの上記初期値Rb0とは、タンブル流の強さが上記初期狙い値(設計上の狙い値)であるときの最適噴射割合Rbに相当し、この最適噴射割合Rb0での燃料噴射の噴霧貫徹力が上記初期狙い値に相当する。
図6中の実線において筒内噴射割合Rを最適噴射割合Rb0に対して大きくしていくと、最適なバランスを超えて噴霧貫徹力が大きくなるので、図4および図5を参照して上述したものと同様の理由で成層度が低下していくことになる。
以上説明した筒内噴射割合Rの最適噴射割合Rbは、経時変化に起因して噴霧貫徹力が増大することがあると変化する。具体的には、経時変化に起因して噴霧貫徹力が増大している状況下における最適噴射割合Rb1は、図6に示すように、初期値Rb0に対して低筒内噴射割合側に変化する。このような経時変化が生じているにもかかわらず、筒内噴射割合Rが初期値Rb0のままであると、図6中に黒丸印で示すように、最適噴射割合Rb1の下で得られる成層度(白丸印)と比べて、成層度が低下する。
図7は、噴霧貫徹力と最適噴射割合Rbの補正量ΔRbとの関係を表した図である。経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど、最適噴射割合Rbはより低くなる。したがって、最適噴射割合Rbの初期値Rb0と経時変化後の最適噴射割合Rb1との差に相当する補正量ΔRb(=Rb0−Rb1)と、噴霧貫徹力との関係は、図7に示すように表すことができる。すなわち、補正量ΔRbがゼロであるとき(すなわち、初期状態であるとき)に対して、経時変化に起因して補正量ΔRbが大きくなるほど、噴霧貫徹力が大きくなる。したがって、図7に示す関係を事前に適合して備え、かつ、成層燃焼を利用するファストアイドル運転中に最適噴射割合Rbの補正量ΔRbを算出することができれば、算出した補正量ΔRbから、経時変化後の噴霧貫徹力を算出(推定)できるようになる。
(実施の形態1における具体的処理)
図8は、本発明の実施の形態1における制御の流れを表したフローチャートである。ECU40は、内燃機関10が冷間始動した直後において触媒暖機制御を伴うファストアイドル運転を開始するときに、本フローチャートの処理を開始する。なお、このフローチャートの処理は、ECU40によって気筒毎に実行される。
ECU40は、まず、ステップ100において、燃焼変動の大きさを算出する。燃焼変動の大きさは、次のような手法によって算出することができる。すなわち、例えば、筒内圧センサ32によって検出される筒内圧のデータを利用して、各サイクルにおいて図示平均有効圧を算出し、所定の複数サイクル内での図示平均有効圧のばらつきを算出する。そして、このばらつきを燃焼変動の大きさとして用いるようにしてもよい。また、クランク角センサ38を利用してサイクル毎にクランク角速度を算出し、所定の複数サイクル内でのクランク角速度のばらつきを燃焼変動の大きさとして用いるようにしてもよい。
次に、ECU40は、ステップ102に進む。ステップ102では、燃焼変動の大きさが所定の判定値以上であるか否かが判定される。この判定値は、経時変化に起因してプラグ周辺混合気の成層度があるレベル以上という程度で低下したことを判断可能な値として事前に設定された値である。その結果、本ステップ102の判定が不成立となる場合には、本フローチャートの処理が速やかに終了される。
ステップ102において判定値以上の大きさの燃焼変動が発生していない場合としては、そもそも経時変化に起因するあるレベル以上での成層度の低下が生じていないケースが該当する。また、この場合としては、噴霧貫徹力には経時変化が生じているけれども、タンブル流の強さについても経時変化に起因する増大が生じている結果としてタンブル流の強さと噴霧貫徹力との適切なバランスを維持しているケースも該当する。
一方、ステップ102において判定値以上の大きさの燃焼変動が発生したと判定した場合には、ECU40は、ステップ104に進む。ステップ104では、噴霧貫徹力が算出される。噴霧貫徹力の算出(推定)は、例えば、図9に示すフローチャートに従う処理によって行うことができる。
図9は、最適噴射割合Rbの補正量ΔRbに基づいて噴霧貫徹力を算出する処理の流れを表したフローチャートである。このフローチャートの処理は、図6および図7を参照して説明した手法に基づくものである。
ECU40は、まず、ステップ200において、筒内噴射割合Rの補正値R(k)を算出する。補正値R(k)は、次の(1)式に従って算出される。
R(k)=R(k−1)−X ・・・(1)
ただし、(1)式において、R(k)は、上述した筒内噴射割合Rの初期値(すなわち、事前に適合された最適噴射割合)Rb0をR(0)として用いて、筒内噴射割合Rのk回目の補正時に算出される値である。R(k−1)は前回値である。Xは所定の一定量である。
上記(1)式によれば、補正値(今回値)R(k)は、前回値R(k−1)から一定量Xを減じることにより得られる値として算出される。特に、初回(1回目)の補正時に算出される補正値R(1)は、前回値R(0)に相当する初期値Rb0から一定量Xを減じることによって得られる。
一定量Xは、微小量であるが、筒内噴射割合Rの変更に伴って有意なプラグ周辺空燃比の変化をもたらせる値として事前に決定されたものである。最適噴射割合Rbの探索のための筒内噴射割合Rの変更は、燃焼状態の急激な変化を避けるために、以下に説明するように、このような一定量Xを用いて徐々に行われることになる。
次に、ECU40は、ステップ202に進み、ステップ200にて算出した補正値R(k)が上述の最低噴射割合Rminよりも大きいか否かを判定する。その結果、今回算出された補正値R(k)が最低噴射割合Rmin以下であるために本判定が不成立となる場合には、ECU40は、ステップ204に進む。ステップ204では、最適噴射割合Rbの補正量ΔRbが算出される。この場合には、最低噴射割合Rminが経時変化の影響を反映した後の最適噴射割合Rbとしてみなされ、補正量ΔRbが初期値Rb0から最低噴射割合Rminを減じて得られる値として算出される。
一方、ステップ202において補正値R(k)が最低噴射割合Rminよりも大きいと判定した場合には、ECU40は、ステップ206に進む。ステップ206では、ステップ200において算出した補正値R(k)が目標筒内噴射割合として設定される。これにより、この設定時点以降において特定タイミングTが到来したときに、補正値R(k)に従う燃料噴射量にて成層化のための筒内噴射が行われることになる。
次に、ECU40は、ステップ208に進む。ステップ208では、筒内噴射割合Rが補正値R(k)である状態でのプラグ周辺空燃比の算出処理が行われる。本ステップ208では、この算出処理の一例として、次のような手順での演算が行われる。すなわち、補正値R(k)に従う燃料噴射量にて行う成層化のための筒内噴射が所定の複数サイクルYに渡って行われる。そして、この複数サイクルY中の各サイクルにおいてプラグ周辺空燃比が算出され、算出されたプラグ周辺空燃比の平均値が算出される。このようにして算出された平均値は、更なる筒内噴射割合Rの補正が行われたときの比較対象として用いることができるように、ECU40のバッファに一時的に記憶される。平均値を利用する上記の算出処理によれば、補正値R(k)を使用した状態でのプラグ周辺空燃比を、サイクル間の燃焼のばらつきの影響を低減しつつ取得することができる。ただし、補正値R(k)を使用した状態でのプラグ周辺空燃比の取得方法は、上記のように平均値を利用するものに限らず、例えば、複数サイクルY中のある1つのサイクルの値を用いるものであってもよい。あるいは、複数サイクルYではなく1サイクルだけ補正値R(k)を使用した状態で燃焼を行い、当該サイクルでのプラグ周辺空燃比が用いられてもよい。
各サイクルでのプラグ周辺空燃比の算出自体は、例えば、次のような手法を用いることができる。図10は、プラグ周辺空燃比の算出手法の一例を説明するための図であり、熱発生率dQ/dθとクランク角との関係を表している。ECU40は、筒内圧センサ32とクランク角センサ38とを利用することで、クランク角同期での筒内圧のデータを取得することができる。そして、クランク角同期での筒内圧のデータを用いて、筒内での熱発生率dQ/dθのクランク角同期でのデータを次の(2)および(3)式に従って算出することができる。
Figure 0006079814
ただし、(2)式は、熱力学の第1法則を示している。()式において、Uは内部エネルギであり、Wは仕事である。また、(3)式において、κは比熱比であり、Vは筒内容積であり、Pは筒内圧力であり、θはクランク角度である。
図10に示すように、熱発生率dQ/dθの波形は、プラグ周辺空燃比に応じて変化する。より具体的には、プラグ周辺空燃比がリーンになるほど、燃焼が緩慢になるため、熱発生率dQ/dθの立ち上がりが遅くなる。したがって、点火時期(SA)に対して所定クランク角期間だけ遅角したクランク角を所定の判別時期として熱発生率dQ/dθの大きさを判別することで、熱発生率dQ/dθに基づいてプラグ周辺空燃比を推定することができる。より具体的には、上記判別時期として好適なクランク角タイミングは、熱発生率dQ/dθの立ち上がりを判別可能なタイミングであって、筒内噴射割合Rの変更を実施したときに想定されるプラグ周辺空燃比の変動範囲内で最もリッチなプラグ周辺空燃比にて燃焼が行われる場合において熱発生率dQ/dθがピーク値を示す位置よりも進角側のタイミングである。
図11は、プラグ周辺空燃比と、判別時期での熱発生率dQ/dθとの関係を表した図である。ECU40には、プラグ周辺空燃比の算出のために、上記図10を参照して説明した知見に基づくマップが記憶されている。このマップによれば、図11に示すように、判別時期での熱発生率dQ/dθが高いほど、プラグ周辺空燃比がリッチとなるように設定されている。ステップ208では、このようなマップを参照してプラグ周辺空燃比が算出される。
筒内圧センサを備える内燃機関では、一般的に、各サイクルの燃焼解析のためにサイクル毎に熱発生率dQ/dθの算出が行われる。そして、サイクル毎に算出される熱発生率dQ/dθのデータには、図10を参照して説明したように、個々のサイクルにおけるプラグ周辺空燃比の影響が反映されている。このため、図10および図11を参照して以上説明した手法によれば、そのような熱発生率dQ/dθを利用して、本実施形態の制御に利用するプラグ周辺空燃比を簡易にかつ精度良く推定することができる。
次に、ECU40は、次に、ステップ210に進む。ステップ210では、補正値R(k)を使用した燃焼の下でのプラグ周辺空燃比(の平均値)である今回値A/F(k)が、今回の筒内噴射割合Rの補正直前の燃焼の下でのプラグ周辺空燃比である前回値A/F(k−1)に対してリッチ化したか否かが判定される。より具体的には、前回値A/F(k−1)から今回値A/F(k)を引いて得られる差が所定値以上であるか否かが判定される。この所定値は、一定量Xでの筒内噴射割合Rの変更に伴うプラグ周辺空燃比の変化を判別可能な値として事前に設定された値である。なお、前回値A/F(k−1)としては、2回目以降の補正に関してはステップ208にて算出されてバッファに記憶されている値が使用される。初回の補正に関しては、例えば、図8中のステップ100における燃焼変動の大きさの算出に利用された複数もしくは1サイクルにおけるプラグ周辺空燃比を算出してバッファに記憶しておき、その記憶値を用いればよい。
ステップ210においてプラグ周辺空燃比のリッチ化が認められた場合には、ECU40は、ステップ200以降の処理を繰り返し実行する。一方、ステップ210においてプラグ周辺空燃比に対して有意なリッチ化が認められなかった場合、つまり、筒内噴射割合Rの変更に伴ってプラグ周辺空燃比がリッチ側への変化を示さなくなった場合には、ECU40は、ステップ212に進む。ステップ212では、補正量ΔRbが算出される。この場合には、最新の補正前の筒内噴射割合R、すなわち、前回値R(k−1)が今回のフローチャートの処理の実行による補正後の最適噴射割合Rb(より具体的には、Rb1)としてみなされ、補正量ΔRbが、初期値Rb0から前回値R(k−1)を引いて得られる値として算出される。
ステップ212もしくはステップ204の処理を実行した後には、ECU40は、ステップ214に進む。ECU40には、上記図7に表されるような噴霧貫徹力と補正量ΔRbとの関係が事前に定められたうえでマップとして記憶されている。ステップ214では、そのようなマップを参照して、ステップ212において算出した補正量ΔRbに対応する噴霧貫徹力が算出される。このようにして経時変化後の噴霧貫徹力が算出されることで、図9に示すフローチャートの処理の実行が終了される。
再び、図8に示すフローチャートの説明を継続する。ECU40は、ステップ104にて噴霧貫徹力を算出した後には、ステップ106に進む。ステップ106では、噴霧貫徹力の算出のために変更した筒内噴射割合Rを初期値Rb0に戻す処理が実行される。したがって、この処理の実行時点以降に特定タイミングTが到来したときの燃料噴射には、初期値Rb0が再び使用されることになる。
次に、ECU40は、ステップ108に進む。ステップ108では、ステップ104において算出した噴霧貫徹力が初期値(上述の初期狙い値)以上であるか否かが判定される。その結果、本判定が不成立となる場合には、ECU40は、今回のフローチャートの処理の実行を終了する。
一方、ステップ108の判定が成立する場合、すなわち、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大したと判断できる場合には、ECU40は、ステップ110に進む。ステップ110では、要求TCV開度OPrが算出される。要求TCV開度OPrとは、経時変化に起因して低下した成層度を適切に回復させるために必要とされるTCV開度OPである。
図12は、噴霧貫徹力に基づく要求TCV開度OPrの設定を説明するための図である。タンブル流の強さと噴霧貫徹力との適切なバランスが取れている状態に対して噴霧貫徹力が増大した場合には、噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど、成層度がより低下する。また、タンブル流の強さを高めることによって、タンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスを改善させることができる。図12は、そのための要求TCV開度OPrを噴霧貫徹力との関係で表したものであり、要求TCV開度OPrは、初期値に対して噴霧貫徹力がより大きく増大するほど小さくなるように設定されている。ECU40には、図12に示すような要求TCV開度OPrと噴霧貫徹力との関係が事前に定められたうえでマップとして記憶されている。ステップ110では、そのようなマップを参照して、ステップ104において算出された噴霧貫徹力に応じた要求TCV開度OPrが算出される。
次に、ECU40は、ステップ112に進む。ステップ112では、ステップ110において算出された要求TCV開度OPrとなるようにTCV25を閉じるための処理が実行される。そして、図8に示すフローチャートに従う処理の実行が終了される。さらに付け加えると、今回のフローチャートの処理の実行対象となったエンジン始動後のファストアイドル運転が継続される間は、本フローチャートに従う処理によって取得された要求TCV開度OPrが継続して使用される。また、次回以降のエンジン始動後のファストアイドル運転時についても、図8に示すフローチャートの処理によって要求TCV開度OPrが更新されない限りは、現在取得されている要求TCV開度OPrが継続して使用される。
(実施の形態1の制御の効果)
図8に示すフローチャートに従う処理によれば、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合には、TCV25を閉じることにより、燃焼室14内に生成されるタンブル流の強さが高められる(後述の図13中のタンブル流の主流C1〜C3参照)。これにより、燃料噴霧がタンブル流の渦中心に向かうように燃料噴射を行い、タンブル流によって燃料噴霧を包み込んだ状態で燃料噴霧を点火プラグ30の周りに輸送するというエアガイド方式を採用する内燃機関10において、タンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスを改善することができる。その結果として、経時変化による噴霧貫徹力の増大に起因して低下したプラグ周辺混合気の成層度を回復させることができる。より具体的には、TCV25によるタンブル流の強さの調整によれば、良好な燃焼に対する弊害を伴うパラメータ(例えば燃料噴射圧力)を変更して噴霧貫徹力を調整する場合と比べて、良好な燃焼に対する弊害を軽減しつつプラグ周辺混合気の成層度を回復させられるようになる。そして、成層度の回復により、トルク変動の増大およびNOx排出量の増加を抑制することができる。
また、本実施形態の内燃機関10は、図3を参照して説明した形状のTCV25を利用する。このような構成を有するTCV25によれば、上述のタンブル流の強化だけでなく、気流分布(L2方向における吸気の流れの偏り)を変化させるという付加的な機能によって、以下に図13を参照して示す効果をも奏することができる。
図13は、TCV25を閉じることによる気流分布の制御によって得られる成層度の改善効果を説明するための図である。初期状態においては、TCV25が全開とされる。このため、図13中の左端の図に示すように、吸気ポート16aの吸気の流れには、L2方向において偏りが生じない。「C1」を付して示す矢印は、初期状態におけるタンブル流の主流である。
一方、図13中の中央の図に示すように、TCV開度OPが全開開度に対して閉じ側に制御された状態では、吸気ポート16aの吸気の流れには、L2方向において偏りが生じる。この偏りは、L2方向の中心側の部位の流量に対する外側の部位の流量を大きくするというものである。このような偏りの生成によって、シリンダヘッド側から燃焼室14内を気筒軸線の方向で見た場合に、主流C2が通過するシリンダボア中心側の部位に向かう流れ成分G1を有意なレベルで生成できるようになる。一方、噴霧貫徹力の増大に起因して、燃料噴霧H2は、初期状態での燃料噴霧H1と比べてシリンダボア外周側により大きく広がろうとする。本実施形態のTCV25によれば、強められた流れ成分G1によって、燃料噴霧H2の広がりを抑制し、主流C2が流れるシリンダボア中心側の部位に燃料噴霧H2の多くを集めることができるようになる。
そして、TCV開度OPを小さくすることによる気流分布の上記変化は、TCV開度OPが小さくなるほど大きくなる。すなわち、図13中の右端の図に示すように、TCV開度OPがより小さくされた状態では、流れ成分G2を流れ成分G1と比べてさらに強くすることができる。このため、噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほどTCV開度OPがより小さくされることで、噴霧貫徹力の増大の程度がより大きいことに起因してより大きく広がろうとする燃料噴霧H3の広がりを、より強められた流れ成分G2によって抑制することができる。このため、噴霧貫徹力の増大の程度がより大きくなっても、主流C3が流れるシリンダボアの中心側の部位に燃料噴霧H3の多くを集めることができるようになる。
以上のことから、本実施形態の内燃機関10によれば、TCV25を閉じることによって図13を参照して説明した気流分布の制御をも行うことができるので、タンブル流の強化だけが行われる場合と比べて、プラグ周辺混合気の成層度をより改善させることができる。
また、本実施形態の制御によれば、経時変化による噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど、要求TCV開度OPrはより小さな値として算出される。このため、噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど、成層燃焼運転中にタンブル流の強さがより高められることになる。これにより、経時変化による噴霧貫徹力の増大の程度を考慮して、適切に成層度を回復させられるようになる。
また、上述した図8に示すフローチャートに従う処理によれば、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合であって、かつ、成層燃焼運転中に燃焼変動の大きさが判定値以上となる場合に、TCV25が閉じられる。換言すると、噴霧貫徹力は経時変化に起因して増大しているけれども燃焼変動の大きさが判定値未満である場合には、TCV25の制御は行われない。燃焼変動の大きさが判定値未満となるケースの1つとして、既述したように、経時変化による噴霧貫徹力の増大が生じているが、タンブル流の強さの経時的な増大も生じている結果としてタンブル流の強さと噴霧貫徹力との適切なバランスを維持しているケースがある。このケースでは、単に噴霧貫徹力が増大していることを理由としてTCV25を閉じてタンブル流の強さが高められると、タンブル流の強さと噴霧貫徹力とのバランスを却って崩してしまうことになる。これに対し、本実施形態の処理によれば、このようなケースにおいて上記バランスを崩してしまうことを回避することができる。
さらに、本実施形態の制御では、筒内噴射割合Rの変更は、経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大を検出する目的のために利用しているが、噴霧貫徹力が増大したことに起因して低下した成層度を回復させるための手段としては用いていない。噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合には、筒内噴射割合Rを小さくすることで成層度を回復させることができる(すなわち、プラグ周辺空燃比をリッチ化させることができる)。しかしながら、図6中に示す2つの白丸印のプラグ周辺空燃比を比較すると分かるように、成層度の回復のために筒内噴射割合Rが減らされると、経時変化後の最適噴射割合Rb1の下でのプラグ周辺空燃比は、初期値Rb0の下でのそれと比べてリーンとなる。このため、筒内噴射割合Rを減らすという手法は、成層度を回復させてプラグ周辺空燃比をリッチな状態に保つうえで不十分な一面がある。これに対し、TCV25を利用した本実施形態の手法によれば、筒内噴射割合Rを変更することなく成層度の回復させることができるので、プラグ周辺空燃比を適切にリッチ化させることができる。
なお、上述した実施の形態1においては、図8および図9に示すフローチャートに従う処理を実行するECU40が本発明における「制御装置」に相当している。
実施の形態2.
次に、図14〜図16を主に参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2の制御]
(実施の形態2の制御の特徴部分)
本実施形態は、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合に、タンブル流の強さを高めるべくTCV25を閉じるという基本的な部分においては、上述した実施の形態1と同様である。しかしながら、本実施形態の制御は、以下に図14を参照して説明する点において、実施の形態1の制御と相違している。
図14は、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合に本発明の実施の形態2において実施されるプラグ周辺混合気の成層度の回復動作を説明するための図である。上述した実施の形態1の手法は、最適噴射割合Rbの補正量ΔRbに基づいて噴霧貫徹力を推定し、推定した噴霧貫徹力に応じた要求TCV開度OPrをマップを参照して算出するというものである。本実施形態の手法は、補正量ΔRbに基づいて噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大したことを判定した場合に、補正量ΔRbの算出のために変更した筒内噴射割合Rを初期値Rb0に戻す動作(図14中の動作I参照)を行う点は実施の形態1の手法と同じである。そのうえで、本実施形態の手法は、筒内噴射割合Rを初期値Rb0に戻した後に、プラグ周辺空燃比をモニタしながらTCV25を徐々に閉じていくというものである。より具体的には、プラグ周辺空燃比がリッチ側への変化を示さなくなるまでTCV25が閉じられていく(図14中の動作J参照)。このような手法によれば、事前に設定されたマップの関係を利用する手法とは異なり、実際の内燃機関10の燃焼状態の影響を反映させつつ、要求TCV開度OPrをより適切に決定できるようになる。
(実施の形態2における具体的処理)
図15は、本発明の実施の形態2における制御の流れを表したフローチャートである。なお、図15において、実施の形態1における図8に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。そして、本フローチャートの処理に関する以下の説明では、図8に示すフローチャートの処理との相違点を中心に説明を行う。
ECU40は、ステップ108において噴霧貫徹力が初期値以上であると判定した場合には、ECU40は、ステップ300に進む。ステップ300では、TCV開度OPの補正値OP(k)を算出する。補正値OP(k)は、次の(4)式に従って算出される。
OP(k)=OP(k−1)−Z ・・・(4)
ただし、(4)式において、OP(k)は、TCV開度OPの初期値(TCV25の場合には全開開度)をOP(0)として用いて、TCV開度OPのk回目の補正時に算出される値である。OP(k−1)は前回値である。Zは所定の一定量である。
上記(4)式によれば、補正値(今回値)OP(k)は、前回値OP(k−1)から一定量Zを減じることにより得られる値として算出される。特に、初回(1回目)の補正時に算出される補正値OP(1)は、前回値OP(0)に相当する初期値から一定量Zを減じることによって得られる。
一定量Zは、微小量であるが、TCV開度OPの変更に伴って有意なプラグ周辺空燃比の変化をもたらせる値として事前に決定されたものである。要求TCV開度OPrの探索のためのTCV開度OPの変更は、燃焼状態の急激な変化を避けるために、以下に説明するように、このような一定量Zを用いて徐々に行われることになる。
次に、ECU40は、ステップ302に進み、ステップ300にて算出した補正値OP(k)が制御上のTCV25の最小開度OPminよりも大きいか否かを判定する。その結果、今回算出された補正値OP(k)が最小開度OPmin以下であるために本判定が不成立となる場合には、ECU40は、ステップ304に進む。ステップ304では、最小開度OPminが今回のフローチャートの処理の実行による補正後の要求TCV開度OPrとして設定される。
一方、ステップ302において補正値OP(k)が最小開度OPminよりも大きいと判定した場合には、ECU40は、ステップ306に進む。ステップ306では、ステップ300において算出した補正値OP(k)が目標TCV開度として設定される。これにより、実TCV開度が目標TCV開度となるようにTCV25が駆動される。
次に、ECU40は、ステップ308に進む。ステップ308では、実TCV開度が補正値OP(k)に制御されている状態でのプラグ周辺空燃比の算出処理が行われる。この算出処理は、上記ステップ208の処理と同様の手法で行うことができる。次いで、ECU40は、ステップ310に進む。ステップ310では、補正値OP(k)を使用した燃焼の下でのプラグ周辺空燃比(の平均値)である今回値A/F(k)が、今回のTCV開度OPの補正直前の燃焼の下でのプラグ周辺空燃比である前回値A/F(k−1)に対してリッチ化したか否かが判定される。この判定の具体的手法は、上記ステップ210の処理の手法と同様である。
ステップ310においてプラグ周辺空燃比のリッチ化が認められた場合には、ECU40は、ステップ300以降の処理を繰り返し実行する。一方、ステップ310においてプラグ周辺空燃比に対して有意なリッチ化が認められなかった場合、つまり、TCV開度OPの変更に伴ってプラグ周辺空燃比がリッチ側への変化を示さなくなった場合には、ECU40は、ステップ312に進む。ステップ312では、要求TCV開度OPrが算出される。この場合には、最新の補正前のTCV開度OP、すなわち、前回値OP(k−1)が今回のフローチャートの処理の実行による補正後の最適のTCV開度OPとしてみなされ、前回値OP(k−1)が要求TCV開度OPrとして設定される。
図16は、図15に示すフローチャートに従う処理の実行結果の一例を表したタイムチャートである。図15に示すフローチャートに従う処理によれば、経時変化による噴霧貫徹力の増大が認められた場合には、図16に示すように、プラグ周辺空燃比A/F(k)がリッチ側への変化を示す間は、TCV開度OPが徐々に減らされていく。図16は、4回目のTCV開度OPの減少を行った結果としてプラグ周辺空燃比がリッチ側への変化を示さなくなった例を示している。この例では、3回目のTCV開度OPの変更時にプラグ周辺空燃比が最もリッチな値(A/F(3))を示すため、今回の経時変化に起因して低下した成層度を適切に回復させるための要求TCV開度OPrとして、この時の補正値OP(3)が使用される。
以上説明した本実施形態の制御によれば、プラグ周辺空燃比がリッチ側への変化を示さなくなるまで、TCV開度OPを徐々に小さくする処理が実行される。これにより、現在の経時変化の状態の下で実現し得る範囲内で成層度が最も高くなるように成層度を回復させることができる。これにより、プラグ周辺空燃比をできる限りリッチ化して成層燃焼を安定化させることができる。
なお、上述した実施の形態2においては、図15および図9に示すフローチャートに従う処理を実行するECU40が本発明における「制御装置」に相当している。
[その他変形例]
ところで、上述した実施の形態1および2においては、筒内圧センサ32を利用して算出される熱発生率dQ/dθを用いてプラグ周辺空燃比を推定する手法を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明におけるプラグ周辺空燃比の取得手法は、上記に限らず、次のようなものであってもよい。すなわち、点火プラグ一体型であって赤外線吸収法を利用して燃料濃度を検出可能な光学センサが知られている。プラグ周辺空燃比は、例えば、上記光学センサを利用して検出されるものであってもよい。また、燃焼ガス中のラジカルの発光を検出する光学センサが知られている。プラグ周辺空燃比は、例えば、このような光学センサの出力を利用して算出される所定のラジカルの発光強度に基づいて推定されるものであってもよい。
また、上述した実施の形態2においては、適切な要求TCV開度OPrを探索するために、判別時期での熱発生率dQ/dθの大きさに基づいて算出したプラグ周辺空燃比を利用している。さらに、実施の形態1および2においては、経時変化後の噴霧貫徹力の算出(推定)のために最適噴射割合Rbを探索するためにも、当該プラグ周辺空燃比を利用している。しかしながら、本発明においてタンブル流の強さをどれだけ高めるかを決定したり、あるいは、経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じていることを判定したりする際に用いるパラメータは、プラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値であれば、必ずしもプラグ周辺空燃比として取得されるものに限られない。すなわち、本発明の空燃比指標値は、例えば、燃焼変動の大きさを示す値であってもよい。燃焼変動は過度にリッチな燃焼空燃比の下では悪化するが、エアガイド方式を用いた成層燃焼運転時において想定されるプラグ周辺空燃比の変動範囲内では、空燃比がリッチになるほど、燃焼変動が小さくなるといえる。したがって、上記空燃比指標値として燃焼変動の大きさを示す値を用いる場合には、噴霧貫徹力を変更して燃焼変動が小さくなったときに、空燃比指標値がリッチ側への変化を示しているとみなすことができ、逆に、燃焼変動が大きくなったときには、空燃比指標値がリーン側への変化を示しているとみなすことができる。
また、上述した実施の形態1および2においては、噴霧貫徹力の変更のために、筒内噴射割合R(燃料噴射割合)を変更することとしている。しかしながら、本発明における噴霧貫徹力の変更は、燃料噴射割合以外の燃焼に関わるパラメータの変更によるものであってもよく、例えば、燃料噴射圧力の変更によるものであってもよい。ただし、燃料の微粒化の観点などにおいて、燃料噴射割合を変更する手法の方が優れているといえる。
また、上述した実施の形態1および2においては、成層燃焼を行う際の燃料噴射として、筒内噴射弁28とポート噴射弁26とを用いる手法を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる内燃機関は、ポート噴射弁を備えずに筒内噴射弁のみを備えるものであってもよい。そして、この内燃機関において成層燃焼を行う際の燃料噴射は、筒内噴射弁のみを用いて、1サイクル中に噴射すべき燃料噴射量を複数回に分割して噴射する分割噴射であってもよい。より具体的には、メインとなる最初の燃料噴射を吸気行程において行い、かつ、成層化のために必要とされる少量での燃料噴射を、図1を参照して説明した特定タイミングTにて行うものであってもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、図2および図3を参照して説明したように、吸気通路の流路面積の一部を狭めることによってタンブル流の強さを変化させる基本的な機能とともに、気流分布(L2方向における吸気の流れの偏り)を変化させるという付加的な機能を備えるTCV25を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明における制御は、例えば、このような付加的な機能は備えずに基本的な機能のみを有する一般的な構成のタンブル制御弁を用いて、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合にタンブル流の強さを高めるものであってもよい。また、実施の形態1および2においては、吸気ポート16aの形状の選定によってベースとなるタンブル流が生成される例について説明した。しかしながら、ベースのタンブル流は、吸気ポート形状の選定に代え、あるいはそれとともに上記の一般的な構成のタンブル制御弁の利用によって生成されるようになっていてもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、タンブル流の強さを可変とするためにTCV25を利用する例について説明を行った。しかしながら、本発明におけるタンブル流可変機構は、タンブル制御弁を利用する構成に限られず、例えば、以下に図17〜図19を参照して説明する構成を有するものであってもよい。
図17は、本発明における他のタンブル流可変機構を備える内燃機関50のシステム構成を説明するための模式図である。なお、図17において、図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図17に示す内燃機関50は、TCV25を備えずに吸気可変動弁装置52およびバルブマスク54を備えている点を除き、上述した内燃機関10と同様に構成されているものとする。吸気可変動弁装置52は、吸気弁24のリフト量を連続的に変更可能な装置である。このような機能を有する可変動弁装置自体は周知のものであるので、ここではその具体的な構成の説明を省略する。
図18は、図17に示すバルブマスク54の詳細な構成を説明するための図である。なお、図18は、気筒軸線の下方から燃焼室14を見た図である。バルブマスク54は、各気筒に対して2つ備えられた吸気ポート16aのそれぞれに対し、吸気ポート16aの出口を取り囲む凸部として、燃焼室14の壁面に形成されている。ただし、バルブマスク54は、吸気弁24の軸線L1の方向におけるシリンダボア中心側の半周には設けられておらず、同方向におけるシリンダボア外周側の半周に設けられている。
図19は、図18中に示すK−K線で吸気ポート16a周りの構成を切断した断面図である。上記のように形成されたバルブマスク54を備えていることにより、図19に示すように、吸気ポート16aから流入する吸気は、バルブマスク54が設けられた部位に向けては隙間が狭いために流れにくくなり、バルブマスク54が設けられていないシリンダボア中心側の部位には流れ易くなる。このような傾向は、吸気弁24のリフト量が小さくなるほど、バルブマスク54の効果が高まるので顕著となる。したがって、吸気弁24のリフト量を小さくすることによって、タンブル流の強さを高めることができる。このように、バルブマスク54と、吸気弁24のリフト量を変更可能な吸気可変動弁装置52との組み合わせを利用して実現されるタンブル流可変機構を備えるようにしてもよい。そして、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合にタンブル流の強さを高めるべく、吸気弁24のリフト量を小さくしてもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大を検出するために筒内噴射割合Rを変更する手法を採用する構成を対象として、噴霧貫徹力が増大したと判定した場合に、筒内噴射割合Rを初期値Rb0に戻したうえでTCV25を閉じるようにしている。しかしながら、筒内噴射割合Rを一度に戻すことによる燃焼変動の増大を避けるために、次のような動作を行うようにしてもよい。すなわち、マップを参照して決定した要求TCV開度OPrとなるようにTCV開度OPを制御する実施の形態1の構成の場合には、筒内噴射割合Rを初期値Rb0に向けて徐々に戻しつつ、TCV開度OPを要求TCV開度OPrに向けて徐々に戻すようにしてもよい。また、プラグ周辺空燃比をモニタしながらTCV開度OPを徐々に小さくしていく実施の形態2の構成の場合には、TCV開度OPを徐々に小さくしていく際に筒内噴射割合Rについても徐々に初期値Rb0に向けて戻していく動作を行うようにしてもよい。そして、このような動作の実行の過程でプラグ周辺空燃比が最もリッチとなるときのTCV開度OPを要求TCV開度OPrとして取得するとともに、このときの筒内噴射割合R(必ずしも初期値Rb0とは限らない)を要求TCV開度OPrの使用時の筒内噴射割合Rとして用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、成層燃焼を利用するファストアイドル運転時を対象として、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合に、プラグ周辺混合気の成層度の回復のためにタンブル流の強さを高めるべくTCV25を閉じることとしている。しかしながら、本発明の制御の対象となる成層燃焼運転時とは、ファストアイドル運転時に限られず、例えば、所定の運転領域において成層燃焼を利用してリーンバーン運転を行う時であってもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、燃焼室14内に生成されるタンブル流として、吸気側で上昇し排気側で下降する正タンブル流を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用が可能なタンブル流はこれに限定されるものではない。図20は、燃焼室14内に、吸気側で下降し排気側で上昇する逆タンブル流が生成されている様子を表した図である。図20に示すように筒内に逆タンブル流が生成される内燃機関において、噴霧貫徹力が経時変化に起因して増大した場合に、例えば、タンブル制御弁を閉じることにより、タンブル流の強さを高めるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、1つの気筒に対して2つの吸気弁24を備える内燃機関10を例示して説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる内燃機関は、1気筒当たり2つの吸気弁を備えるものに限られず、例えば、1気筒当たり1つもしくは3つの吸気弁を備えるものであってもよい。
10、50 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 吸気通路
16a 吸気ポート
18 排気通路
18a 排気ポート
20 エアフローメータ
22 スロットル弁
24 吸気弁
25 タンブル制御弁(TCV)
25a TCVの弁軸
25b TCVの弁体
26 ポート噴射弁
28 筒内噴射弁
30 点火プラグ
32 筒内圧センサ
34 排気弁
36 排気浄化触媒
38 クランク角センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
52 吸気可変動弁装置
54 バルブマスク

Claims (6)

  1. 燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関であって、
    シリンダヘッド側の前記燃焼室の壁面の中央部に配置された点火プラグと、
    成層燃焼運転が行われるときに、タンブル流の渦中心に燃料噴霧が向かうように特定タイミングにて燃料を噴射するように構成された筒内噴射弁と、
    タンブル流の強さを可変とするタンブル流可変機構と、
    前記筒内噴射弁により噴射される燃料の噴霧貫徹力が前記内燃機関の経時変化に起因して増大した場合に、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御する制御装置と、
    を備え
    前記制御装置は、噴霧貫徹力が前記経時変化に起因して増大した場合であって、かつ、成層燃焼運転中に燃焼変動の大きさが判定値以上となる場合に、前記タンブル流可変機構を用いてタンブル流の強さを高めることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記制御装置は、前記特定タイミングにて行われる燃料噴射の噴霧貫徹力を減少させた場合に点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側に変化するときに、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じているとして、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関であって、
    シリンダヘッド側の前記燃焼室の壁面の中央部に配置された点火プラグと、
    成層燃焼運転が行われるときに、タンブル流の渦中心に燃料噴霧が向かうように特定タイミングにて燃料を噴射するように構成された筒内噴射弁と、
    タンブル流の強さを可変とするタンブル流可変機構と、
    前記筒内噴射弁により噴射される燃料の噴霧貫徹力が前記内燃機関の経時変化に起因して増大した場合に、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記特定タイミングにて行われる燃料噴射の噴霧貫徹力を減少させた場合に点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側に変化するときに、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大が生じているとして、成層燃焼運転中にタンブル流の強さが高められるように前記タンブル流可変機構を制御することを特徴とする内燃機関。
  4. 前記制御装置は、噴霧貫徹力が前記経時変化に起因して増大した場合に、点火時期における前記点火プラグの周辺の混合気の空燃比であるプラグ周辺空燃比と相関のある空燃比指標値がリッチ側への変化を示さなくなるまで、成層燃焼運転中に前記タンブル流可変機構を用いてタンブル流の強さを高めることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の内燃機関。
  5. 前記制御装置は、前記経時変化に起因する噴霧貫徹力の増大の程度が大きいほど成層燃焼運転中にタンブル流の強さがより高められるように、前記タンブル流可変機構を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の内燃機関。
  6. 前記タンブル流可変機構は、前記内燃機関の吸気通路に配置されてタンブル流を生成する吸気の流れを制御するタンブル制御弁を含み、
    前記タンブル制御弁は、前記吸気通路を閉塞するように動作した状態において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室を気筒軸線の方向で見たときに吸気弁の軸線の直交方向において前記吸気通路の流路断面の中心側の部位と比べて当該直交方向の外側の部位の方が吸気の流量が多くなるようにすることを特徴とする請求項1〜の何れか1つに記載の内燃機関。
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