JP6078607B1 - 車両の空調装置 - Google Patents

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【課題】乗員に不快感を与えることを抑えながら、乗員の大腿部やつま先などの下肢全体の冷えといった体感温度を調整する車両の空調装置を提供する。【解決手段】車両に乗車した乗員が着座するシートを有する車両の空調装置2は、シートの幅方向一側部または一方側に設けられる一方側通気口53を有する一方側ダクト51と、シートの幅方向他側部または他方側に設けられる他方側通気口56を有する他方側ダクト54と、シートより前側に設けられる前吸気口59を有する前側ダクト57と、を有する。一方側ダクト51および他方側ダクト54の中の少なくとも一方は、空気流を吹き出し、空気流を吹き出していない一方側ダクト51または他方側ダクト54は、空気流を吸い込み、前側ダクト57は、前吸気口59から空気流を吸い込む。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車といった車両の空調装置に関する。
現在の自動車といった車両では、乗員室内の温度を調整する空調装置が用いられている。このような車両の空調装置では、乗員室の前面などに配置された通気口から強い空気流を噴き出すことにより、乗員室の全体の温度を空調している。
また、特許文献1では、そのような通気口を乗員の大腿部から腰にかけての下半身に向けて設け、通気口から温風を吹き出している。このように強い温風を直接吹き付けるようにして乗員に当てることにより、乗員を直接的に温めることができる。
特開2011−105120号公報
しかしながら、特許文献1では、通気口は、シートに着座した乗員の前側において後向きに配置されている。このように乗員の前側から乗員に対して温風を吹き付けた場合、温風は、乗員の大腿部から腰にかけての下半身を通過した後、上体に沿って上へ上がり、乗員の顔といった頭部にも吹き付けることになる。その結果、乗員に不快感を与える可能性がある。
このように車両の空調装置では、乗員に不快感を与えることを抑えながら、乗員の大腿部からつま先までの下肢全体の冷えといった体感温度を調整することが望まれている。
本発明に係る車両の空調装置は、車両に乗車した乗員が着座するシートを有する車両の空調装置であって、前記シートの幅方向一側部または一方側に設けられる一方側通気口を有する一方側ダクトと、前記シートの幅方向他側部または他方側に設けられる他方側通気口を有する他方側ダクトと、前記シートより前側に設けられる前吸気口を有する前側ダクトと、を有し、前記一方側通気口および前記他方側通気口は、前記シートの座部の座面より上側へ離間した位置において前記座部の両側で向き合って設けられ、前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは前記座部に落ちるように低速で空気流を吹き出して前記座面の上で空気流を合流させ、前記前側ダクトは、前記前吸気口から弱く空気流を吸い込んで前記シート上の空気流を前へ移動させる。
本発明に係る他の車両の空調装置は、車両に乗車した乗員が着座するシートを有する車両の空調装置であって、前記シートの幅方向一側部または一方側に設けられる一方側通気口を有する一方側ダクトと、前記シートの幅方向他側部または他方側に設けられる他方側通気口を有する他方側ダクトと、前記シートより前側に設けられる前吸気口を有する前側ダクトと、を有し、前記一方側通気口および前記他方側通気口は、前記シートの背部の幅方向両側部に設けられ、前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは、前記シートの座部の座面に落ちるように低速で空気流を吹き出して前記座面の上で空気流を合流させ、前記前側ダクトは、前記前吸気口から弱く空気流を吸い込んで前記シート上の空気流を前へ移動させる。
好適には、前記前吸気口は、前記車両の乗員室を画成するトーボードまたは前記トーボードの上に配置されるダッシュボードの下部に設けられる、とよい。
好適には、前記シートの座部の幅方向一方側に設けられたコンソールボックス内に設けられ、空気を暖める調温ユニットを有し、前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは、前記調温ユニットに接続され、前記調温ユニットにより暖められた空気流を吹き出す、とよい。
好適には、前記前側ダクトは、前記調温ユニットに接続される、とよい。
好適には、前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトから吹き出される空気流は、0.01m/秒以上、6m/秒以下である、とよい。
本発明では、シートの幅方向両側部または両側に一方側通気口および他方側通気口が設けられ、この中の少なくとも一方は空気流を噴き出す。よって、たとえば一方側通気口および他方側通気口の一方が空気流を吸い込む場合、シートに着座した乗員の前には一方側通気口と他方側通気口との間を流れる空気流が流れる。
また、シートの座部より前側に設けられる前吸気口から空気流を吸い込む。よって、シートに着座した乗員の前を左右に流れる空気流の一部は、前吸気口に引き込まれるように前へ移動する。
その結果、空気流は、シートに着座した乗員の下肢に沿って流れる。着座した乗員の大腿部の上から、つま先へ向かって流れる。これにより、乗員の大腿部、膝、脛、足首、足先といった下肢全体の周囲に調温された空気層を形成し、乗員の下肢全体の体感温度を調整できる。乗員の大腿部といった下肢の冷えを全体的に抑制することが可能になる。
また、空気流は、シートの幅方向に向かって流れた後、前へ向かって流れる。よって、仮にたとえば乗員の前側から乗員へ向かって空気を流した場合のように空気流が上体に沿って上がって乗員の頭部またはその周辺に当たることもない。顔に風が当たることによる不快感を乗員に与えることもない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調装置が適用される自動車の構造を模式的に示す説明図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る空調装置の構成の説明図である。 図3は、図2の空調装置による乗員周りでの空気の流れを示す説明図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る空調装置の構成の説明図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る空調装置の構成の説明図である。 図6は、図5の空調装置による乗員周りでの空気の流れを示す説明図である。 図7は、本発明の第4実施形態に係る空調装置の構成の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調装置2が適用される自動車1の構造を模式的に示す説明図である。
自動車1は、車両の一種である。自動車1の車体の前後方向中央部には、乗員が乗車する乗員室が形成される。車体の前部には、燃料エンジンなどを配置するための前室が形成される。車体の後部には、荷室などとして用いることができる後室が形成される。
乗員室は、略四角形のフロアパネル11、フロアパネル11の前角に立設される一対のAピラー12、フロアパネル11の前後方向中央に立設される一対のBピラー13、フロアパネル11の後角に立設される一対のCピラー14、を有する。Aピラー12の上端とCピラー14の上端とは、ルーフレール15により連結される。Bピラー13の上端は、ルーフレール15の前後方向中央に接合される。左右一対のルーフレール15の間には、略四角形のルーフパネル16が接合される。
フロアパネル11の前縁と一対のAピラー12の下部との間にはトーボード17が配置され、トーボード17の上側にはダッシュボード18が配置される。ダッシュボード18、一対のAピラー12の上部、およびルーフパネル16の前縁に囲われるように、フロントガラス19が嵌め込まれる。一対のCピラー14の上部の間には、リアガラス20が嵌め込まれる。
前後方向に並ぶAピラー12とBピラー13との間には、Aピラー12に回転可能に支持される図示外の前ドアが配置される。Bピラー13とCピラー14との間には、Bピラー13に回転可能に支持される図示外の後ドアが配置される。フロアパネル11の左右幅方向両縁には、一対のサイドシル21が接合される。
このように、自動車1の乗員室は、略立方体形状の箱型の空間となる。
また、フロアパネル11の左右幅方向中央には、乗員室内へ突出するように前後方向へ延在するセンタートンネル22が形成される。センタートンネル22の下側には、たとえば燃料エンジンの駆動力を後輪へ伝達するための図示外のドライブシャフトが配置される。
フロアパネル11の前部には、フロントシートとして、ドライバが着座するドライバシート23、ナビゲータが着座するナビゲーションシート24が左右幅方向に並べて取り付けられる。ドライバシート23は、座部41と背部42とを有する。ナビゲーションシート24は、座部41と背部42とを有する。ドライバシート23の座部41とナビゲーションシート24の座部41との間にセンタートンネル22が位置する。センタートンネル22の上には、シフトレバー25、図示外のサイドブレーキレバー、内装部材としてのコンソールボックス26などが取り付けられる。
ドライバシート23およびナビゲーションシート24の前には、左右幅方向へ延在するダッシュボード18が位置する。ドライバシート23の前には、ダッシュボード18から後向きに突出して設けられたステアリングホイール27が位置する。
フロアパネル11の後部には、リアシートとして、複数の乗員が着座できるベンチシート28が取り付けられる。ベンチシート28は、座部41と背部42とを有する。ベンチシート28は、フロアパネル11と同等の左右幅を有する。ベンチシート28には、通常3名までの乗員が着座することが可能である。
ところで、従来の自動車1では、自動車1の動力源として燃料エンジンを用いるのが一般的であった。しかしながら、二酸化炭素の排出量規制などにより、近年の自動車1では、燃料エンジンと電気モータとを併用するハイブリッド駆動方式を採用することがある。また、電気モータのみを動力源として採用することもある。
そして、電気モータを用いる自動車1では、発熱源および動力源としての燃料エンジンが無かったり、常時動作していなかったりするため、乗員室の空調に用いる冷気または暖気を生成するために自動車1に搭載されているバッテリの電力を用いることになる。この場合、自動車1に搭載しているバッテリの電力を空調に消費してしまうので、走行可能距離が短くなったり、速度などの走行性能を抑える必要が生じたりすることになる。
このように、自動車1の空調装置2では、空調装置2によるエネルギー消費を改善することが将来的に求められている。特に、乗員は冬場において下肢のつま先などおいて冷えを感じ易い。
そこで、本実施形態では、自動車1の乗員室の全体を空調するのではなく、たとえば乗員毎に空調を実施するパーソナル空調装置2を提案する。このような空調装置2を用いることにより、たとえば自動車1の乗員室の全体を暖めたり冷やしたりする必要性を減らすことができる。また、乗員室の全体を空調する空調装置と併用する場合でもその負担を削減できるので、結果として自動車1における空調装置2のエネルギー消費を削減することを期待できる。
図2は、本発明の第1実施形態に係る空調装置2の構成の説明図である。
空調装置2は、内側ダクト51、内側ファン52、外側ダクト54、外側ファン55、前側ダクト57、前側ファン58、調温ユニット61、制御部71、を有する。
調温ユニット61は、たとえばユニットボックス62内にヒータ63、ペルチェ素子64、温度センサ65、が配置されたものでよい。ヒータ63は、自動車1に搭載されているバッテリの電力を用いて、ユニットボックス62内の空気を加熱する。ペルチェ素子64は、自動車1に搭載されているバッテリの電力を用いて、ユニットボックス62内の空気を冷却する。この他にもたとえば、調温ユニット61は、乗員室の全体を空調する空調装置のダクトに連結され、その全体空調装置から加熱または冷却された空気の供給を受けてもよい。また、燃料エンジンの冷却水などの温媒や冷媒が供給されてもよい。温度センサ65は、ユニットボックス62内の空気の温度を検出する。
内側ダクト51は、一端に内側通気口53を有し、他端が調温ユニット61のユニットボックス62に連結される。内側通気口53は、ルーバなどの風向調整機構が設けられてよい。内側通気口53の内側であるダクト内に、空気を低速で吸い込ませる又は吹き出すための内側ファン52が設けられてよい。
外側ダクト54は、一端に外側通気口56を有し、他端が調温ユニット61のユニットボックス62に連結される。外側通気口56には、ルーバなどの風向調整機構が設けられてよい。外側通気口56の内側であるダクト内に、空気を低速で吹き出させる又は吹き出すための外側ファン55が設けられてよい。
前側ダクト57は、一端に前吸気口59を有し、他端が調温ユニット61のユニットボックス62に連結される。前吸気口59には、ルーバなどの風向調整機構が設けられてよい。前吸気口59の内側であるダクト内に、空気を低速で吸い込むための前側ファン58が設けられてよい。
制御部71は、空調装置2の動作を制御するものである。制御部71は、たとえばマイクロコンピュータでよい。制御部71は、自動車1に設けられる他の制御部71と、1つのマイクロコンピュータに統合されてよい。このようなマイクロコンピュータとしては、たとえばECUがある。制御部71には、たとえばヒータ63、ペルチェ素子64、温度センサ65、内側ファン52、外側ファン55、前側ファン58、が接続される。
そして、このような空調装置2は、たとえばシートに着座した乗員毎に設けられる。ここでは、ナビゲーションシート24に対して設置されている。
具体的には、内側通気口53は、ナビゲーションシート24の座部41の内側に配置されるコンソールボックス26についての、ナビゲーションシート24側の側面に設けられる。内側通気口53は、ナビゲーションシート24の座部41の座面より上側に離間した高さ位置に設けられる。
外側通気口56は、ナビゲーションシート24の座部41の外側において座部41の座面より上側に離間した高さ位置に設けられる。
前吸気口59は、ナビゲーションシート24の前側足下に設けられるトーボードに形成される。前吸気口59は、ナビゲーションシート24の座面より低い位置に設けられる。
調温ユニット61は、コンソールボックス26内に設けられる。よって、内側ダクト51もコンソールボックス26内に設けられる。また、外側ダクト54は、コンソールボックス26から突出し、ナビゲーションシート24の座部41の下側を通じて、ナビゲーションシート24の座部41の外側まで伸びる。また、前側ダクト57は、コンソールボックス26から突出し、たとえばトーボードの前側に至るまでセンタートンネル22に沿って前へ伸びる。
次に、空調装置2の動作について説明する。
図3は、図2の空調装置2による乗員周りでの空気の流れを示す説明図である。
空調装置2の制御部71は、たとえば温度センサ65の検出温度を取得し、所望の温度となるようにヒータ63およびペルチェ素子64の動作および停止を制御する。制御目標温度としては、乗員の体感温度が高まるような温度であればよい。冬季などの暖房を必要とする場合には、たとえば20度程度の温度でよい。
また、制御部71は、ユーザ操作に基づいて内側ファン52、外側ファン55、前側ファン58、を動作させて空調制御を開始する。この際、制御部71は、内側ファン52、外側ファン55および前側ファン58を低速で回転させる。たとえば内側ファン52または外側ファン55による空気流が0.01m/秒以上、6m/秒以下となるように低速で回転させる。このように流速を6m/秒以下とすることにより、空気流による体感温度の低下分を1度程度またはそれ以下にすることができる。また、前側ファン58は、内側ファン52の流速と、外側ファン55の流速との合計に対応する速度とすればよい。これにより内側ファン52から前側ファン58へ向かう弱い空気の流れと、外側ファン55から前側ファン58へ向かう弱い空気の流れとを生成し得る。好ましくは、前側ファン58による空気流が0.01m/秒以上、6m/秒以下となるように、内側ファン52および外側ファン55の空気流をさらに低く抑えてよい。また、内側ファン52の流速と内側ファン52との流速は、基本的に同じであるのが望ましいが、異なっていてもよい。
これにより、内側通気口53および外側通気口56から、調温された空気流が吹き出される。吹き出された空気流は、座部41に落ちて座面の上で合流する。座面に落ちて合流した空気流は、座面の上で滞留する。
また、前吸気口59は、ナビゲーションシート24の座部41の前側にある空気を吸い込む。これにより、座面の上に滞留する空気が、座面上で前へ移動し、座面からシート前へ移動する。前吸気口59へ向かって移動する。
このように空調装置2は、シートの座面の左右両側から弱い空気流を吹き出して座面の上に滞留する空気を生成し、さらにその空気流を座面の前へ向かってゆっくりと移動させることができる。シートに着座した乗員の下肢に沿って、大腿部から爪先へ向かってゆっくりと流れる空気流を生成し、この空気流により乗員の下肢全体を包み込む調温された空気層を形成することができる。
以上のように、本実施形態では、シートの幅方向両側部に内側通気口53および外側通気口56を設け、該通気口の双方から弱い空気流を噴き出す。よって、内側通気口53から吹き出した低速の弱い空気流と外側通気口56から吹き出した低速の弱い空気流とは、シートの座面の上で合流してシート上に滞留し易い。空気流はシートに着座した乗員の大腿部の上へ供給され、この大腿部の上に滞留し易い。しかも、シートの座部41より前側に設けられる前吸気口59から空気流を弱く吸い込む。よって、シート上に滞留した空気流は、シートの座部41の上から前へ移動する。
その結果、空気流は、シートに着座した乗員の下肢に沿って流れる。乗員の大腿部からつま先へ向かって流れる。これにより、乗員の大腿部、膝、脛、足首、足先といった下肢全体を調温された空気流で包み込み、下肢全体の体感温度を左右均等に且つ全体的に調整できる。乗員の大腿部といった下肢の冷えを全体的に抑制することが可能になる。
また、生成される空気流は弱いので、早い空気流のように乗員から熱を奪いにくい。空気流により熱が奪われる場合、空気流の温度はそれを補うように調整しなければならない。
また、空気流は、シートの左右から流れた後に前へ向かって流れるので、仮にたとえば乗員の前側から乗員へ向かって空気を流した場合のように空気流が上体に沿って上がって頭部またはその周辺に到達することがない。顔に風が吹き付けることによる不快感を乗員に与えることもない。
また、本実施形態において特に内側通気口53は、シートの座部41の幅方向内側に設けられたコンソールボックス26の側面に設けられている。これにより、コンソールボックス26の高さを利用して、内側通気口53を大腿部より上側となる高さ位置に容易に設けることができる。
また、本実施形態では、空気を暖めたりする調温ユニット61がコンソールボックス26内に設けられる。よって、調温ユニット61から内側通気口53までの内側ダクト51および調温ユニット61から外側通気口56までの外側ダクト54が最短となり、これらのダクトでの熱損を最小限に抑えることができる。また、調温ユニット61をシートの周囲に露出して設ける必要がなくなる。
また、本実施形態では、内側通気口53および外側通気口56から吐出された空気流は、前吸気口59ら吸い込まれ、前側ダクト57を通じて調温ユニット61へ戻される。その結果、空気流は循環し、空気流を再度暖めるために必要となる熱量を抑えることができる。調温ユニット61を連続動作させている動作期間において、空気流を暖め続けるために必要となる総熱量を格段に削減することができる。
これにより、乗員の体感温度といった快適性を損なうことなく、空調に使用するエネルギーを削減できる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る空調装置2は、第1実施形態のものと比べて、内側通気口53および外側通気口56がシートに配置されている点において異なる。以下の説明では、主に第1実施形態のものとの相違点について説明する。また、説明の便宜上、第1実施形態と同じ符号を使用する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る空調装置2の構成の説明図である。乗員周りでの全体的な空気の流れは、図3と略同様である。
内側通気口53は、シートの背部42の幅方向内側部に設けられる。外側通気口56は、シートの背部42の幅方向外側部に設けられる。好ましくは、シートの背部42は、腰の左右を支えるように前へ張り出した部分を有し、内側通気口53および外側通気口56はこれらの張り出し部分に設けてよい。そして、内側ダクト51および外側ダクト54は、コンソールボックス26から外へ突出し、ナビゲーションシート24の背部42まで伸びる。
そして、本実施形態では、シートの背部42の幅方向内側部に内側通気口53および外側通気口56が設けられている。この場合であっても、これらの通気口の双方から弱い空気流を噴き出すとともに、前吸気口59から弱い空気流を吸い込むことにより、シートに着座した乗員の大腿部、膝、脛、足首、足先といった下肢全体を調温された空気流で包み込み、下肢全体の体感温度を左右均等に且つ全体的に調整できる。乗員の大腿部といった下肢の冷えを全体的に抑制することが可能になる。
なお、本実施形態では、内側通気口53および外側通気口56がシートに配置されている。この他にもたとえば、内側通気口53および外側通気口56の一方を、図2のように。シートの横に設けてもよい。たとえば第1実施形態のように内側通気口53をコンソールボックス26などに設けてもよい。
[第3実施形態]
第2実施形態に係る空調装置2は、第1実施形態のものと比べて、外側ファン55の動作が異なる。外側ファン55は、制御部71により、外側通気口56から空気流を吸い込むように動作する。以下の説明では、主に第1実施形態のものとの相違点について説明する。また、説明の便宜上、第1実施形態と同じ符号を使用する。
図5は、本発明の第3実施形態に係る空調装置2の構成の説明図である。
図6は、図5の空調装置2による乗員周りでの空気の流れを示す説明図である。
制御部71は、内側ファン52を低速で動作させ、内側通気口53から弱い空気流を吹き出させる。また、制御部71は、外側ファン55および前側ファン58を低速で動作させ、外側通気口56および前吸気口59から弱い空気流を吸い込む。この場合、内側ファン52は、空気流が0.01m/秒以上、6m/秒以下となるように低速で回転させる。前側ファン58および外側ファン55は、それらの合計の空気流が内側ファン52の流速に対応する速度とすればよい。これにより内側ファン52から外側ファン55へ向かう弱い空気の流れと、内側ファン52から外側ファン55へ向かう弱い空気の流れとを生成し得る。距離が離れている前吸気口59の効果を高めるために、前側ファン58の流速を、外側ファン55の流速より高めるようにしてもよい。
そして、本実施形態では、外側通気口56から弱い空気流を吸い込む。これにより、内側通気口53から外側通気口56へ向かう弱い空気流が生成される。シートに着座した乗員の前を、上体の前面に沿っておよび大腿部の上面に沿って流れる弱い空気流を生成できる。しかも、シートの座部41より前側に設けられる前吸気口59から空気流を弱く吸い込む。よって、シート上を滞留するように流れる空気流は、シートの座部41の上から前へ移動する。その結果、乗員の大腿部、膝、脛、足首、足先といった下肢全体を調温された空気流で包み込み、下肢全体の体感温度を左右均等に且つ全体的に調整できる。乗員の大腿部といった下肢の冷えを全体的に抑制することが可能になる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る空調装置2は、第1実施形態のものと比べて、前吸気口59がダッシュボード18の下部に配置されている点において異なる。以下の説明では、主に第1実施形態のものとの相違点について説明する。また、説明の便宜上、第1実施形態と同じ符号を使用する。
図7は、本発明の第4実施形態に係る空調装置2の構成の説明図である。乗員周りでの全体的な空気の流れは、図3と略同様である。
前吸気口59は、トーボードの上側に位置するダッシュボード18の下部に設けられる。そして、前側ダクト57は、コンソールボックス26から突出し、ダッシュボード18の前側まで伸びる。
そして、本実施形態では、前吸気口59がトーボード17の上側に位置するダッシュボード18の下部に設けられる。よって、トーボード17に前吸気口59を設けた場合と同様に、空気流により、シートに着座した乗員の下肢を全体的に包む空気層を形成することができる。しかも、トーボード17より上側となる位置において、乗員からは見え難い下側の位置にあるため、乗員室内の意匠性に影響を与えないようにできる。しかも、トーボード17といった車体を構成する部材ではなく、ダッシュボード18といった内装部品に設けているため、車体剛性等に影響を与えることなく前吸気口59を容易に形成できる。
なお、前吸気口59は、この他にもサイドシル21またはフロアパネル11に設けてもよい。しかしながら、これらの部材に前吸気口59を形成する場合、前側ダクト57内に雨滴やダストなどが入り込み易くなるので、その対策が不可欠である。特に、これらの部材の前端部分ではなく、中央部分や後側部分に形成した場合、前吸気口59が人目に触れ易くなる。乗員室内の意匠性に影響を与えてしまう可能性がある。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例である。本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
1…自動車(車両)、2…空調装置、11…フロアパネル、12…Aピラー、13…Bピラー、14…Cピラー、15…ルーフレール、16…ルーフパネル、17…トーボード、18…ダッシュボード、19…フロントガラス、20…リアガラス、21…サイドシル、22…センタートンネル、23…ドライバシート、24…ナビゲーションシート、25…シフトレバー、26…コンソールボックス、27…ステアリングホイール、28…ベンチシート、41…座部、42…背部、51…内側ダクト、52…内側ファン、53…内側通気口、54…外側ダクト、55…外側ファン、56…外側通気口、57…前側ダクト、58…前側ファン、59…前吸気口、61…調温ユニット、62…ユニットボックス、63…ヒータ、64…ペルチェ素子、65…温度センサ、71…制御部

Claims (6)

  1. 車両に乗車した乗員が着座するシートを有する車両の空調装置であって、
    前記シートの幅方向一側部または一方側に設けられる一方側通気口を有する一方側ダクトと、
    前記シートの幅方向他側部または他方側に設けられる他方側通気口を有する他方側ダクトと、
    前記シートより前側に設けられる前吸気口を有する前側ダクトと、
    を有し、
    前記一方側通気口および前記他方側通気口は、前記シートの座部の座面より上側へ離間した位置において前記座部の両側で向き合って設けられ、
    前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは前記座部に落ちるように低速で空気流を吹き出して前記座面の上で空気流を合流させ
    前記前側ダクトは、前記前吸気口から弱く空気流を吸い込んで前記シート上の空気流を前へ移動させる、
    車両の空調装置。
  2. 車両に乗車した乗員が着座するシートを有する車両の空調装置であって、
    前記シートの幅方向一側部または一方側に設けられる一方側通気口を有する一方側ダクトと、
    前記シートの幅方向他側部または他方側に設けられる他方側通気口を有する他方側ダクトと、
    前記シートより前側に設けられる前吸気口を有する前側ダクトと、
    を有し、
    前記一方側通気口および前記他方側通気口は、前記シートの背部の幅方向両側部に設けられ、
    前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは前記シートの座部の座面に落ちるように低速で空気流を吹き出して前記座面の上で空気流を合流させ
    前記前側ダクトは、前記前吸気口から弱く空気流を吸い込んで前記シート上の空気流を前へ移動させる、
    車両の空調装置。
  3. 前記前吸気口は、前記車両の乗員室を画成するトーボードまたは前記トーボードの上に配置されるダッシュボードの下部に設けられる、
    請求項1または2記載の車両の空調装置。
  4. 前記シートの座部の幅方向一方側に設けられたコンソールボックス内に設けられ、空気を暖める調温ユニットを有し、
    前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトは、前記調温ユニットに接続され、前記調温ユニットにより暖められた空気流を吹き出す、
    請求項からのいずれか一項記載の車両の空調装置。
  5. 前記前側ダクトは、前記調温ユニットに接続される、
    請求項記載の車両の空調装置。
  6. 前記一方側ダクトおよび前記他方側ダクトから吹き出される空気流は、0.01m/秒以上、6m/秒以下である、
    請求項からのいずれか一項記載の車両の空調装置。
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