JP6070438B2 - 機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路にSCR触媒を備える内燃機関に適用され、前記機関における燃料の燃焼状態を制御する機関制御装置に関する。
一般に、ディーゼル機関等の内燃機関(以下、単に「機関」とも称呼する。)の運転時、燃料の燃焼によって生じるエネルギーの一部はクランクシャフトを回転させる仕事に変換されるが、残りは損失となる。この損失には、機関本体から発生する熱として失われる冷却損失、排ガスによって大気中に放出される排気損失、吸気及び排気に伴って発生するポンプ損失、並びに、機械抵抗損失等が含まれる。このうち、冷却損失及び排気損失は、損失全体に対して大きな割合を占める。従って、内燃機関の燃費を改善させるためには冷却損失及び排気損失を減少させることが有効である。
しかしながら、一般に、冷却損失と排気損失とはトレードオフの関係にある。即ち、冷却損失を低下させれば排気損失が増加し、排気損失を低下させれば冷却損失が増加する。従って、冷却損失と排気損失との和が小さくなる燃焼状態を実現できれば、機関の燃費は改善される。
ところで、機関における燃料(混合気)の燃焼状態は、燃料噴射時期及び過給圧等の「燃焼状態に影響を及ぼす多くのパラメータ」に応じて変化する。以下、燃焼状態に影響を及ぼすパラメータは、単に「燃焼パラメータ」とも称呼される。ところが、複数の燃焼パラメータが各運転状態に対して適切な値(組み合わせ)となるように、各燃焼パラメータを実験及びシミュレーション等によって予め求めることは容易ではなく、且つ、莫大な適合時間を必要とする。そのため、燃焼パラメータを体系的に決定する手法が開発されてきている。
例えば、従来の制御装置の一つ(以下、「従来装置」とも称呼する。)は、「1回の燃焼行程中に発生する総熱量のうち、その半分の熱量が発生した時点のクランク角度(以下、「燃焼重心角度」と称呼する。)」を算出する。更に、従来装置は、その燃焼重心角度と所定の基準値とが乖離している場合、燃料噴射時期を補正することによって、或いは、EGR率を調整して燃焼室(気筒)内の酸素濃度を調節することによって、燃焼重心角度を基準値と一致させている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−202629号公報
例えばディーゼル機関においては、1つのサイクルの燃焼に対して燃料を複数回噴射する多段噴射が行われる場合がある。より具体的に述べると、ディーゼル機関においては、主噴射(メイン噴射)に先立ちパイロット噴射が行なわれ、次いで、主噴射が行なわれる場合がある。更に、主噴射の後にアフター噴射が行われる場合がある。
パイロット噴射と主噴射が行われる場合のクランク角度と熱発生率との関係は、例えば、図11の(A)の曲線C1により示された波形により表される。熱発生率とは、単位クランク角度(クランクシャフトの回転位置の単位変化量)あたりに混合気の燃焼により発生する熱の量、即ち、単位クランク角度あたりの熱発生量である。この波形は、以下「燃焼波形」とも称呼される。図11の(A)に示された波形は、クランク角度θ1にて開始されるパイロット噴射により極大値Lpをとり、クランク角度θ2にて開始される主噴射により極大値Lmをとっている。
更に、図11の(B)は、クランク角度と、「曲線C1により示される燃焼によって発生した熱量の積算値の、総発生熱量に対する比率(発熱量比率)」と、の関係を示している。図11の(B)に示した例において、前述した燃焼重心角度(発熱量比率が50%となるクランク角度)はクランク角度θ3である。
これに対し、図12の(A)に実線C2により示したように、パイロット噴射の開始時期のみがクランク角度θ1からクランク角度θ0へとΔθだけ進角側に移動された場合、パイロット噴射の燃料の燃焼によって発熱が始まるクランク角度はクランク角度Δθだけ進角側に移動する。しかし、図11の(A)及び図12の(A)に示した燃焼においては、燃焼重心角度は主噴射の燃料の燃焼が開始された後(クランク角度θ2以後)である。従って、曲線C2により示される燃焼についての発熱量比率を示した図12の(B)から理解されるように、燃焼重心角度はクランク角度θ3のままであって変化しない。即ち、パイロット噴射時期が進角側に移動することによって燃焼波形が変化しても、燃焼重心角度が変化しない場合がある。換言すると、燃焼重心角度は必ずしも各サイクルの燃焼状態を正確に反映する指標値ではない。
実際に、発明者は、「燃焼重心角度と燃費悪化率との関係」を種々の「機関の負荷(要求トルク)及び機関回転速度」の組み合わせについて測定した。その結果を図13に示す。図13の曲線Hb1乃至曲線Hb3は、それぞれ、低回転速度且つ低負荷、中回転速度且つ中負荷、及び、高回転速度且つ高負荷の場合の測定結果である。図13から理解されるように、発明者は、機関の負荷及び/又は機関回転速度が相違すると、燃費悪化率が最小となる燃焼重心角度(燃費が最良となる燃焼重心角度)も相違するとの知見を得た。換言すると、燃焼重心角度が一定の基準値に一致するように燃焼状態が制御されたとしても、機関の負荷及び/又は機関回転速度が相違すれば燃費悪化率が必ずしも小さくならないことが判明した。
そこで、発明者は、燃焼状態を表す指標値として、従来の燃焼重心角度の代わりに「熱発生率重心位置」に着目した。この熱発生率重心位置は、以下に述べるように種々の手法により定義される。熱発生率重心位置は、クランクシャフト回転位置(即ち、クランク角度)で表される。
(定義1)熱発生率重心位置Gcは、図1(A)に示したように、「クランク角度を横軸(一方の軸)に設定し、且つ、熱発生率(単位クランク角度あたりの熱の発生量)を縦軸(前記一方の軸に直交する他方の軸)に設定した座標系(グラフ)」に描かれる熱発生率の波形と、前記横軸(前記一方の軸)と、により囲まれる領域の幾何学的重心Gに対応するクランク角度である。
(定義2)熱発生率重心位置Gcは、下記の(1)式を満たすクランク角度Gcである。この(1)式において、CAsは燃料の燃焼が始まるクランク角度であり、CAeは前記燃焼が終わるクランク角度であり、θは任意のクランク角度であり、dQ(θ)はクランク角度θにおける熱発生率である。即ち、熱発生率重心位置Gcは、一つの燃焼行程における燃焼開始から燃焼終了までの間の特定クランク角度であって、「燃焼開始から特定クランク角度まで間の任意の第1クランク角度と特定クランク角度との差の大きさ」と「その任意の第1クランク角度における熱発生率」との積を燃焼開始から特定クランク角度までクランク角度について積分(積算)した値と、「特定クランク角度から燃焼終了までの間の任意の第2クランク角度と特定クランク角度との差の大きさ」と「その任意の第2クランク角度における熱発生率」との積を特定クランク角度から燃焼終了までクランク角度について積分(積算)した値と、が等しくなるような特定クランク角度である。
Figure 0006070438
(定義2’)上記(1)式を変形すると下記の(2)式が得られる。従って、定義2について別の言い方をすると、熱発生率重心位置Gcは、一つの燃焼行程についての燃焼開始(燃焼開始クランク角度)から燃焼終了(燃焼終了クランク角度)までの特定クランク角度であって、任意のクランク角度から特定クランク角度を減じて得られる値と、前記任意のクランク角度における熱発生率と、の積に対応した値を、燃焼開始から燃焼終了までクランク角度について積分(積算)して得られる値が「0」となるような特定クランク角度である。
Figure 0006070438
(定義3)定義1、定義2及び定義2’に基づけば、熱発生率重心位置Gcは、下記(1)式に則った演算により求められるクランク角度であると定義される。
Figure 0006070438
(定義3’)
定義3に基づけば、熱発生率重心位置Gcは、
任意のクランク角度と燃焼開始クランク角度との差(A=θ−CAs)と、同任意のクランク角度における熱発生率(B=dQ(θ))と、の積(A・B)のクランク角度についての積分値(上記(3)式の右辺第1項の分子)を、クランク角度に対する熱発生率の波形によって画定される領域の面積(上記(3)式の右辺第1項の分母)で割って得られる値に、前記燃焼開始クランク角度(CAs)を加えることにより得られるクランク角度である、と定義される。
この熱発生率重心位置Gcは、例えば、図1の(A)に示した例においてはクランク角度θ3である。加えて、図1(B)に示したように、パイロット噴射の開始時期がクランク角度θ1からΔθpだけ進角側へ移動されてクランク角度θ0に設定されると、熱発生率重心位置Gcはクランク角度Δθgだけ進角側へと移動してクランク角度θ3’となる。これらから理解されるように、熱発生率重心位置は、従来の燃焼状態の指標値である燃焼重心角度に比較して、燃焼状態をより正確に反映する指標値であると言える。
更に、発明者は、「熱発生率重心位置と燃費悪化率との関係」を種々の「機関の負荷(要求トルク)及び機関回転速度」の組合せについて測定した。その結果を図2に示す。図2の曲線Gc1乃至曲線Gc3は、それぞれ低回転速度且つ低負荷、中回転速度且つ中負荷、及び、高回転速度且つ高負荷の場合の測定結果である。図2から理解されるように、機関回転速度及び機関の負荷が相違した場合であっても、燃費悪化率が最小となる熱発生率重心位置は特定(一定)のクランク角度θa(図2の例においては圧縮上死点後7°)であった。更に、図13に示した燃焼重心角度に比較して、熱発生率重心位置がクランク角度θaの近傍にある限り、機関の負荷及び/又は機関回転速度が変化しても燃費悪化率は最小値に近い略一定の値となることが判明した。
これらから、発明者は、熱発生率重心位置は燃焼状態を良好に示す指標値であり、従って、熱発生率重心位置を機関の負荷及び/又は機関回転速度に依らず所定の一定値(例えば、上記クランク角度θa近傍の値、即ち、クランク角度θaからの差の大きさが所定クランク角度以内であるクランク角度)に維持することにより機関の燃焼状態を特定の状態に維持でき且つ燃費を改善できるとの知見を得た。そこで、発明者は、熱発生率重心位置を、機関の負荷及び/又は機関回転速度に依らず一定のクランク角度(第1クランク角度)に維持する機関制御装置を検討している。
ところで、ディーゼル機関の排気通路には、窒素酸化物(NOx)の排出量を低減するためにSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒が配設されることがある。SCR触媒は、NOxをアンモニア(NH)によって還元することにより浄化する触媒である。SCR触媒は、「NOx選択還元触媒」とも称呼されている。
SCR触媒により窒素酸化物を還元させるためには、窒素酸化物の還元剤であるアンモニアをSCR触媒に供給する必要がある。そこで、従来の装置は、アンモニアの代わりに尿素(CO(NH=HN−CO−NH)を含む水(以下、「尿素水」と称呼する。)をSCR触媒の上流に供給する。尿素水は加水分解によってアンモニアと二酸化炭素とに変化する。この加水分解により得られたアンモニアがSCR触媒内において窒素酸化物を還元する。
しかしながら、尿素水タンク(尿素水貯留部)に貯留されている尿素水が総て消費されてしまうと、SCR触媒によりNOxを浄化できなくなるので、大気中へのNOxの排出量が増大するという問題がある。従って、尿素水タンクに貯留されている尿素水の残量が少なくなってきた場合、SCR触媒に流入するNOxの量を減少させることによって尿素水の単位時間あたりの使用量(以下、単に「尿素水の消費量」とも称呼する。)を低減させ、もって、機関の運転中に尿素水の残量が「0」にならないようにすることが望ましい。
一方、SCR触媒の上流及び下流にそれぞれ備えられたNOxセンサの出力(NOx排出量相関値)に基づいてSCR触媒に供給する尿素水の量を制御しているシステムにおいて、何れかのNOxセンサが異常となった場合、もはや適量の尿素水をSCR触媒に供給できない怖れがある。また、SCR触媒の下流に備えられたNOxセンサの出力(NOx排出量相関値)に基づいてSCR触媒に供給する尿素水の量を制御しているシステムにおいても、そのNOxセンサが異常となった場合、もはや適量の尿素水をSCR触媒に供給できない。これらの場合、尿素水のSCR触媒への供給が停止されるか又は尿素水のSCR触媒への供給量が不足する場合があり、その結果、NOxの大気中への排出量が増大する。従って、この場合においても、SCR触媒に流入するNOxの量を減少させることによって、大気中に排出されるNOxの量を低減することが望ましい。
即ち、本発明の目的は、熱発生率重心位置を一定のクランク角度(第1クランク角度)に維持することにより燃費を向上させるとともに、SCR触媒に流入する窒素酸化物の量を低減すべき特定条件が成立した場合、熱発生率重心位置を「第1クランク角度よりも遅角側の第2クランク角度」へと移行させることにより、尿素水の使用量を減少した場合又は尿素水の使用を停止した場合であっても、NOxの大気中への排出量が著しく増大しないようにすることが可能な機関制御装置を提供することにある。
この目的を達成するための本発明による機関制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、排気通路に配設されたSCR触媒と、尿素水を貯留する尿素水貯留部と、前記尿素水貯留部に貯留されている前記尿素水を前記SCR触媒に供給する尿素水供給部と、を備える内燃機関に適用される。
更に、本発明装置は、
前記尿素水供給部から前記SCR触媒に供給される尿素水の量を制御する尿素水量制御部と、
前記機関の気筒に供給される燃料の燃焼状態を制御する燃焼制御部と、
を備える。
前記燃焼制御部は、「前記SCR触媒へと流入する窒素酸化物の量を減少すべき特定条件」が成立していない場合には、少なくとも前記機関の負荷が第1閾値から同第1閾値よりも大きい第2閾値までの特定負荷範囲内にあるとき、「前記燃料の燃焼により発生する熱の単位クランク角度あたりの量(即ち、熱発生率)により定まる熱発生率重心位置(上述した定義1、2、2’、3及び3’を参照。)」が前記負荷に依らず一定のクランク角度(即ち、第1クランク角度)に等しくなるように前記燃焼状態を変化させる。
更に、前記燃焼制御部は、
前記特定条件が成立している場合には、少なくとも前記機関の負荷が前記特定負荷範囲内にあるとき、前記熱発生率重心位置が「前記第1クランク角度よりも遅角側のクランク角度である第2クランク角度」に等しくなるように前記燃焼状態を変化させる。
なお、上記第1閾値は、機関がとり得る負荷のうちの最小値であってもよく、その最小値よりも大きい値であってもよい。また、上記第2閾値は、機関がとり得る負荷のうちの最大値であってもよく、その最大値よりも小さい値であってもよい。更に、燃焼状態を制御することは、燃焼パラメータを設定すること(即ち、燃焼パラメータをフィードフォワード制御及び/又はフィードバック制御により機関の運転状態に応じた適値に設定・変更すること)と実質的に同義である。燃焼パラメータについては後述する。
加えて、前記尿素水量制御部は、
前記特定条件が成立している場合には前記特定条件が成立していない場合に比較して前記SCR触媒に供給される尿素水の量を減少させる。この尿素水の減少は、尿素水のSCR触媒への供給を停止することも含む。前記SCR触媒に供給される尿素水の量は、熱発生率重心位置に応じたフィードフォワード制御により減少されてもよい。即ち、熱発生率重心位置が遅角されるほど尿素水の量が減少されてもよい。或いは、前記SCR触媒に供給される尿素水の量は、SCR触媒の下流に設けられたNOxセンサの出力等に基づくフィードバック制御により、SCR触媒の下流に流出するNOxの量が少ないほど減少されてもよい。
本発明装置によれば、少なくとも機関の負荷が前記特定負荷範囲内であり且つ前記特定条件が成立していないときには、熱発生率重心位置が第1クランク角度に維持される。よって、その第1クランク角度を、例えば、燃費が最良となるクランク角度、及び、燃料消費量と尿素水の消費量とにより定まるトータル・ランニングコスト(機関が搭載された車両の走行に要する実質的費用)が最低となるようなクランク角度等の所定クランク角度(燃費が最良となるクランク角度θaからの差の大きさが所定クランク角度以内であるクランク角度)に設定することにより、ランニングコストを効果的に改善することができる。
これに対し、少なくとも機関の負荷が前記特定負荷範囲内であり且つ前記特定条件が成立しているときには、熱発生率重心位置が第2クランク角度に維持されるとともにSCR触媒に供給される尿素水の量が減少させられる。
第2クランク角度は第1クランク角度よりも遅角側のクランク角度である。従って、燃焼が緩慢になるので、気筒から排出されるNOxの量が低減され、その結果、SCR触媒に流入するNOxの量も低減される(図4を参照。)。更に、図4に示されているように、機関本体から排出されるNOxの量の変化率(従って、SCR触媒に流入するNOxの量の変化率)は、機関の負荷及び/又は機関回転速度に依らず、熱発生率重心位置に対して実質的に一義的に定まる。NOxの量の変化率とは、例えば、熱発生率重心位置が第1クランク角度(或いは、燃費悪化率が最小となるクランク角度θa)であるときの機関から排出されるNOxの量を「1」とした場合の、NOxの量の比率である。よって、熱発生率重心位置を第2クランク角度に維持することにより、NOxの変化率を精度良く狙いの値とできるので、SCR触媒に流入するNOxの量を精度良く狙いの値とすることもできる。この結果、本発明装置によれば、SCR触媒に供給される尿素水の量が減少させられたとしても、NOxの大気中への排出量が著しく増大することがないようにすることができる。
本発明装置の一の態様において、前記特定条件は、前記尿素水貯留部に貯留されている前記尿素水の残量が「所定の閾値尿素水残量」未満となったときに成立する条件であってもよい。
更に、この場合、
前記燃焼制御部は、
前記尿素水の残量が少なくなるほど前記第2クランク角度をより遅角側のクランク角度に設定するように構成され、
前記尿素水量制御部は、
前記第2クランク角度が遅角されるほど前記SCR触媒に供給される尿素水の量を減少させるように構成され得る。
これによれば、尿素水の残量に応じて尿素水の消費量が低減され得る。換言すると、燃費ができるだけ悪化しないようにしながら、NOxの大気中への排出量が増大することを抑制でき、しかも、尿素水の残量が著しく少なくなる可能性を小さくすることができる。
本発明装置の他の態様において、
前記尿素水量制御部は、
前記SCR触媒から流出するNOxの排出量に相関を有するNOx排出量相関値を取得するNOx排出量取得部と、
前記NOx排出量相関値に基づいて前記SCR触媒に供給される尿素水の量を制御する尿素水量調整部と、
を含む。
この場合、前記特定条件は、前記NOx排出量取得部が異常となった場合に成立する条件であることができる。
この態様によれば、NOx排出量取得部の異常に起因してSCR触媒によるNOxの浄化が期待できない場合(例えば、NOx排出量取得部の異常時に尿素水の供給を停止する場合、及び、NOx排出量取得部の異常時には機関運転状態から推定される機関本体からのNOx排出量の所定割合分を還元するのに必要な量の尿素水を供給する場合等)であっても、NOxの大気中への排出量が増大することを抑制することができる。
なお、本発明装置において、前記第1クランク角度は、上述したトータル・ランニングコストが最低となるようなクランク角度に定められていることが好ましい。或いは、本発明装置において、前記第1クランク角度は、前記機関の冷却損失と前記機関の排気損失との和が最小となるクランク角度であって前記機関の燃料消費量が最小となるクランク角度(即ち、燃費が最良となるクランク角度)又はその近傍のクランク角度に定められていてもよい。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、熱発生率重心位置(熱発生率重心クランク角度)を説明するためのグラフであり、(A)は所定のタイミングにてパイロット噴射及び主噴射が行なわれた場合の燃焼波形を示し、(B)は(A)に比べてパイロット噴射が進角された場合の燃焼波形を示す。 図2は、機関回転速度及び機関の負荷の組合せ毎の、熱発生率重心位置と燃費悪化率との関係を表したグラフである。 図3は、本発明の第1実施形態に係る機関制御装置、及び、その機関制御装置が適用される内燃機関の概略構成図である。 図4は、熱発生率重心位置と機関本体から排出されるNOxの量の変化率との関係、及び、熱発生率重心位置と燃費悪化率との関係を示したグラフである。 図5は、機関本体から排出されるNOxの量(SCR触媒に流入するNOxの量)とランニングコストとの関係を示したグラフである。 図6は、機関の負荷と目標熱発生率重心位置(目標クランク角度)との関係を表したグラフである。 図7は、走行距離と尿素水残量との関係、及び、走行距離と尿素水の消費量との関係を示したタイミングチャートである。 図8は、図3に示した制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図3に示した制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図10は、図3に示した制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図11は、燃焼重心角度を説明するためのグラフである。 図12は、燃焼重心角度を説明するためのグラフである。 図13は、機関回転速度毎の、燃焼重心角度と燃費悪化率との関係を示したグラフである。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る機関制御装置(以下、「第1装置」とも称呼する。)について説明する。
(構成)
第1装置は、図3に示した内燃機関(機関)10に適用される。機関10は、多気筒(本例では直列4気筒)・4サイクル・ピストン往復動型・ディーゼル機関である。機関10は、機関本体部20、燃料供給系統30、吸気系統40、排気系統50及びEGRシステム60を含んでいる。
機関本体部20は、シリンダブロック、シリンダヘッド及びクランクケース等を含む本体21を備える。本体21には、4つの気筒(燃焼室)22が形成されている。各気筒22の上部には燃料噴射弁(インジェクタ)23が配設されている。燃料噴射弁23は、後述するエンジンECU(電子制御ユニット)70の指示に応答して開弁し、気筒内に燃料を直接噴射するようになっている。
燃料供給系統30は、燃料加圧ポンプ(サプライポンプ)31と、燃料送出管32と、コモンレール(蓄圧室)33と、を含む。燃料加圧ポンプ31の吐出口は燃料送出管32に接続されている。燃料送出管32はコモンレール33に接続されている。コモンレール33は燃料噴射弁23に接続されている。
燃料加圧ポンプ31は、図示しない燃料タンクに貯留されている燃料を汲み上げた後に加圧し、その加圧された高圧燃料を燃料送出管32を通してコモンレール33へ供給するようになっている。燃料加圧ポンプ31は、機関10のクランクシャフトに連動する駆動軸により作動する。燃料加圧ポンプ31は、電子制御ユニット70の指示に応答し、コモンレール33内の燃料の圧力(即ち、燃料噴射圧、コモンレール圧)を調整できるようになっている。
吸気系統40は、インテークマニホールド41、吸気管42、エアクリーナ43、過給機44のコンプレッサ44a、インタークーラー45、スロットル弁46、スロットル弁アクチュエータ47を含んでいる。
インテークマニホールド41は各気筒に接続された枝部と、枝部が集合した集合部と、を含む。吸気管42はインテークマニホールド41の集合部に接続されている。インテークマニホールド41及び吸気管42は吸気通路を構成している。吸気管42には、吸入空気の流れの上流から下流に向け、エアクリーナ43、コンプレッサ44a、インタークーラー45及びスロットル弁46が順に配設されている。スロットル弁アクチュエータ47は、電子制御ユニット70の指示に応じてスロットル弁46の開度を変更するようになっている。
インタークーラ45は、吸気温度を低下するようになっている。インタークーラ45は、図示しないバイパス通路及びそのバイパス通路に介装されたバイパスバルブを備える。更に、インタークーラ45は図示しない冷却機との間で通流する冷却水(冷媒)量を調整できるようになっている。従って、インタークーラ45は、ECU70の指示に応答してバイパスバルブの開度及び/又は冷却水量を調整することにより、インタークーラ45の冷却効率(インタークーラ45の流入ガスの温度とインタークーラ45の流出ガスの温度との比により表される効率)を変更できるようになっている。
排気系統50は、エキゾーストマニホールド51、排気管52、過給機44のタービン44b、ディーゼル酸化触媒(DOC)53、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)54、SCR触媒55、尿素水タンク(尿素水貯留部)56、尿素水供給管57、及び、尿素水噴射弁(尿素水供給弁)58を含んでいる。
エキゾーストマニホールド51は各気筒に接続された枝部と、枝部が集合した集合部と、を含む。排気管52はエキゾーストマニホールド51の集合部に接続されている。エキゾーストマニホールド51及び排気管52は排気通路を構成している。排気管52には、排ガスの流れの上流から下流に向け、タービン44b、DOC53、DPF54及びSCR触媒55が配設されている。
過給機44は周知の可変容量型過給機であり、そのタービン44bには図示しない複数のノズルベーン(可変ノズル)が設けられている。更に、タービン44bは、図示しない「タービン44bのバイパス通路、及び、そのバイパス通路に設けられたバイパスバルブ」を備えている。ノズルベーン及びバイパスバルブは、電子制御ユニット70の指示に応じて開度が変更され、その結果、過給圧が変更(制御)されるようになっている。即ち、本明細書において「過給機44を制御する」とは、ノズルベーンの角度及び/又はバイパスバルブの開度を変更することによって過給圧を変更することを意味する。
DOC53は、排ガス中の未燃ガス(HC、CO)を酸化する。即ち、DOC53により、HCは水とCOに酸化され、COはCOに酸化される。更に、DOC53により、NOxのうちのNOがNOに酸化される。
DPF54は、炭素からなる煤及びこれに付着した有機物を含むPM(パティキュレートマター)を捕集する。捕集された炭素及びDPF54に流入するNOは結合してCOとNOとに変化する。
SCR触媒55は、NOxをアンモニア(NH)によって還元することにより浄化する触媒である。SCR触媒は「NOx選択還元触媒」とも称呼されている。即ち、SCR触媒55内において、NOxとNHはNとHOへと変化する。
尿素水噴射弁58は、SCR触媒55の上流位置であってDPF54の下流位置(即ち、DPF54とSCR触媒55との間)に配設されている。尿素水噴射弁58は、尿素水供給管57を介して尿素水タンク56(の底部)に接続されている。尿素水タンク56は尿素水を貯留している。尿素水供給管57には図示しない加圧装置が配設されている。従って、尿素水は、尿素水タンク56から尿素水供給管57を介して尿素水噴射弁58へと加圧されながら供給され、尿素水噴射弁58が後述する電子制御ユニット70の指示に基づいて開弁させられたとき尿素水噴射弁58を介してSCR触媒55へと供給される。従って、尿素水供給管57、図示しない加圧装置及び尿素水噴射弁58は、尿素水貯留部に貯留されている尿素水をSCR触媒55に供給する尿素水供給部を構成している。
SCR触媒55に供給される尿素水は、加水分解によってアンモニアと二酸化炭素とに変化する。この加水分解により得られたアンモニアがSCR触媒55内においてNOxを還元する。
EGRシステム60は、排気還流管61、EGR制御弁62及びEGRクーラー63を含んでいる。
排気還流管61は、排気通路(エキゾーストマニホールド51)であってタービン44bよりも上流位置と、吸気通路(インテークマニホールド41)であってスロットル弁46の下流位置と、を連通している。排気還流管61はEGRガス通路を構成している。
EGR制御弁62は排気還流管61に配設されている。EGR制御弁62は、電子制御ユニット70からの指示に応答してEGRガス通路の通路断面積を変更することにより、排気通路から吸気通路へと再循環される排ガス量(EGRガス量)を変更し得るようになっている。
EGRクーラ63は排気還流管61に介装され、排気還流管61を通過するEGRガスの温度を低下するようになっている。EGRクーラ63は、図示しないバイパス通路及びそのバイパス通路に介装されたバイパスバルブを備える。更に、EGRクーラ63は図示しない冷却機との間で通流する冷却水(冷媒)量を調整できるようになっている。従って、EGRクーラ63は、ECU70の指示に応答してバイパスバルブ開度及び/又は冷却水量を調整することにより、EGRクーラ63の冷却効率(EGRクーラ63の流入ガスの温度とEGRクーラ63の流出ガスの温度との比により表される効率)を変更できるようになっている。
電子制御ユニット70は、周知のマイクロコンピュータを含む電子回路であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM及びインターフェース等を含む。電子制御ユニット70は、以下に述べるセンサ類と接続されていて、これらのセンサからの信号を受信(入力)するようになっている。更に、電子制御ユニット70は、CPUからの指示に応じて、各種アクチュエータに指示(駆動)信号を送出するようになっている。
電子制御ユニット70は、エアフローメータ71、スロットル弁開度センサ72、吸気管圧力センサ73、燃料圧力センサ74、筒内圧センサ75、クランク角度センサ76、EGR制御弁開度センサ77、水温センサ78、SCR上流側排ガス温度センサ79、SCR下流側排ガス温度センサ80、NOxセンサ81及び尿素水残量センサ82と接続されている。
エアフローメータ71は吸気通路内を通過する吸入空気(EGRガスを含まない新気)の質量流量を測定し、質量流量(以下、「吸入空気量Ga」と称呼する。)を表す信号を出力する。更に、エアフローメータ71は吸入空気の温度を検出し、その吸気温THAを表す信号を出力する。
スロットル弁開度センサ72はスロットル弁開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力する。
吸気管圧力センサ73は、吸気通路内であってスロットル弁46よりも下流の吸気管内のガスの圧力(吸気管圧力)Pimを表す信号を出力する。吸気管圧力Pimは過給圧であると言うこともできる。
燃料圧力センサ74は、コモンレール33内の燃料の圧力(燃料圧力、燃料噴射圧、コモンレール圧)を検出し、燃料噴射圧Fpを表す信号を出力する。
筒内圧センサ75は、各気筒(燃焼室)に対応するように配設されている。筒内圧センサ75は、対応する気筒内の圧力(即ち、筒内圧)を検出し、筒内圧Pcを表す信号を出力する。
クランク角度センサ76は、機関10の図示しないクランクシャフトの回転位置(即ち、クランク角度)に応じた信号を出力する。電子制御ユニット70は、このクランク角度センサ76及び図示しないカムポジションセンサからの信号に基づいて、所定の気筒の圧縮上死点を基準とした機関10のクランク角度(絶対クランク角度)θを取得する。更に、電子制御ユニット70は、クランク角度センサ76からの信号に基づいて、機関回転速度Neを取得する。
EGR制御弁開度センサ77は、EGR制御弁62の開度を検出し、その開度を表す信号Vegrを出力する。
水温センサ78は、機関10の冷却水の温度(冷却水温)を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力する。
SCR上流側排ガス温度センサ79は、排気管52(排気通路)であって「SCR触媒55の上流位置」に配設されている。SCR上流側排ガス温度センサ79は、SCR触媒55に流入する排ガスの温度を検出し、上流排ガス温Tuを表す信号を出力する。
SCR下流側排ガス温度センサ80は、排気管52であって「SCR触媒55の下流位置」に配設されている。SCR下流側排ガス温度センサ80は、SCR触媒55から流出する排ガスの温度を検出し、下流排ガス温Tdを表す信号を出力する。
NOxセンサ81は、排気管52であって「SCR触媒55の下流位置」に配設されている。NOxセンサ81は、NOxセンサ81に到達する排ガス(即ち、SCR触媒55から流出する排ガス)に含まれる窒素酸化物の濃度を検出し、その窒素酸化物濃度を表す信号DNOxを出力する。
尿素水残量センサ82は、尿素水タンク56に貯留されている尿素水の量(即ち、尿素水残量)を検出し、その残量を表す信号Urを出力する。
加えて、電子制御ユニット70は、アクセル開度センサ83、車速センサ84及び燃料残量センサ85と接続されている。
アクセル開度センサ83は、図示しないアクセルペダルの開度(アクセルペダル操作量)を検出し、アクセルペダル開度Accpを表す信号を出力する。
車速センサ84は、機関10が搭載された車両の走行速度を検出し、その走行速度(車速)Spdを表す信号を出力する。
燃料残量センサ85は、図示しない燃料タンクに貯留されている燃料の量(即ち、燃料残量)を検出し、その残量を表す信号Frを出力する。
(制御の概要)
次に、第1装置の作動の概要について説明する。第1装置は、前述した定義1、2、2’3及び3’等の何れかによって規定される熱発生率重心位置が所定の目標熱発生率重心位置(以下、単に、「目標重心位置」とも称呼する。)となるように燃焼制御を行なう(即ち、燃焼パラメータを設定する。)。目標熱発生率重心位置は、目標熱発生率重心角度又は目標クランク角度とも称呼される。なお、熱発生率重心位置は、燃焼波形が同じであれば、前述した定義1、2、2’、3及び3’の何れによっても同じクランク角度になる。
第1装置においては、熱発生率重心位置が目標重心位置と一致するように機関の運転状態(機関の負荷及び機関回転速度等)に対して燃焼パラメータが予め定められ且つROMに記憶されている。第1装置は、目標重心位置と実際の機関の運転状態とに基づいてROMから燃焼パラメータを読み出し、その燃焼パラメータを使用する制御(即ち、フィードフォワード制御)によって熱発生率重心位置を目標重心位置に一致させる。更に、第1装置は、実際の熱発生率重心位置を筒内圧センサ75が検出する筒内圧Pcに基づいて推定し、その推定した熱発生率重心位置が目標重心位置と一致するように燃焼パラメータをフィードバック制御する。但し、係るフィードバック制御は必ずしも必須ではない。更に、フィードフォワード制御は実行せず、フィードバック制御のみにより熱発生率重心位置を目標重心位置と一致させてもよい。
ところで、発明者の実験によれば、図4の(B)に示したように、熱発生率重心位置と燃費悪化率とは機関の負荷及び機関回転速度に依らず実質的に1対1の関係があることが判明した。更に、図4の(A)に示したように、熱発生率重心位置と機関10の本体21からのNOxの排出量の変化率とは、機関の負荷及び機関回転速度に依らず実質的に1対1の関係があることが判明した。燃費悪化率とは、例えば、熱発生率重心位置が第1クランク角度(或いは、燃費悪化率が最小となるクランク角度θa)であるときの燃料消費量を「1」とした場合の、燃料消費量の比率である。NOxの量の変化率とは、例えば、熱発生率重心位置が第1クランク角度であるときの機関から排出されるNOxの量を「1」とした場合の、NOxの量の比率である。
従って、発明者は、熱発生率重心位置を燃焼状態を表す指標値として用いることにより、換言すると、熱発生率重心位置を特定のクランク角度に一致させることにより、「機関10の燃費(或いは燃費悪化率)」と「機関10の本体からのNOxの排出量(或いはNOx排出量の変化率)」とを「機関の負荷及び機関回転速度」に依らず狙いとした値に容易に制御することができるとの知見を得た。
かかる知見に基づき、発明者は熱発生率重心位置をどのようなクランク角度に設定することが適切かにつきランニングコストの観点から検討した。ランニングコストは、機関10を搭載した車両が所定の単位距離(例えば、100km)を走行する際に必要となる費用(コスト)である。
図5は、熱発生率重心位置を種々の値に一致させた際のランニングコストを示すグラフである。このグラフの横軸は、機関10の本体21から排出されるNOxの量(機関NOx排出量)であり、縦軸はランニングコストである。
ランニングコストのうちのトータル・ランニングコストRCは下記の(4)式により算出される。(4)式において、燃料消費量は機関10を搭載した車両が単位距離を走行するために必要な燃料量、燃料価格は単位量あたりの燃料の価格、SIはスート・インデックス(DPF再生補正係数)、尿素水消費量は機関10を搭載した車両が単位距離を走行する際にNOxの浄化のために必要となる尿素水の量、尿素水価格は単位量あたりの尿素水の価格である。スート・インデックスSIは、DPF54の再生に要する燃料分を燃料消費量として扱うことができるようにするための係数である。
Figure 0006070438
図5の一点鎖線Luは、尿素水に要する費用(上記(4)式の右辺第2項=尿素水消費量・尿素水価格)を示している。機関NOx排出量が増大するにつれてNOxを浄化するための尿素水の量が増大するから、尿素水に要する費用も機関NOx排出量に比例するように増大する。
図5の破線Lfは、燃料に要する費用(上記(4)式の右辺第1項=燃料消費量・燃料価格・SI)である。
図5の実線Ltは上記(4)式により計算されるトータル・ランニングコストRCである。
図5から明らかなように、トータル・ランニングコストRCは、機関NOx排出量がある程度の値N1となり、そのNOxをある程度の量の尿素水を用いてSCR触媒55にて浄化しながら機関10の運転を行う場合に最小となる(点p1を参照。)。そこで、発明者は、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urthよりも多い第1残量Ur1である場合、実際の熱発生率重心位置が点p1に対応する熱発生率重心位置(図4の第1クランク角度θp1)となるように燃焼状態を制御すれば良いとの結論に到った。従って、第1装置は、図6に実線C1により示したように、少なくとも機関の負荷が「第1閾値Pem1から第2閾値Pem2までの範囲(以下、「特定負荷範囲」と称呼する。)」内にあるとき、熱発生率重心位置が「一定の第1クランク角度θp1」に一致するように燃焼状態を制御する。
更に、図5から明らかなように、点p1におけるトータル・ランニングコストRCよりも大きなトータル・ランニングコストRCとなる点p2にて機関10の運転を行うことにより、トータル・ランニングコストRCは多少増加するものの、機関NOx排出量が値N2(値N1よりも小さい値)となることから、尿素水の消費量を低減できることが理解される。
そこで、発明者は、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urthよりも少ない第2残量Ur2である場合、実際の熱発生率重心位置が点p2に対応する熱発生率重心位置(図4の第2クランク角度θp2)となるように燃焼状態を制御すれば良いとの結論に到った。従って、第1装置は、図6に一点鎖線C2により示したように、少なくとも機関の負荷が特定負荷範囲内にあるとき、熱発生率重心位置が「第1クランク角度θp1よりも遅角側である一定の第2クランク角度θp2」に一致するように燃焼状態を制御する。
更に、第1装置は、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urthよりも少ない範囲において少なくなるほど、トータル・ランニングコストRCの増大を招いても尿素水の消費量が一層低下するように、機関10の燃焼状態を制御する(図4及び図5の点P2’を参照。)。換言すれば、第1装置は、図4及び図6に示した「目標熱発生率重心位置の第1クランク角度θp1からの遅角量ΔG(目標熱発生率重心位置Gctgtの遅角量ΔG)」を尿素水残量が少なるなるほど大きくする。
図7は、上記第1装置の作動を示すタイミングチャートである。この例において、機関10は特定負荷範囲(Pem1〜Pem2)内の一定の負荷、一定の機関回転速度Ne及び一定の車速で運転されている。従って、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満となる時刻t1以前においては、機関NOx排出量は一定であるから、単位時間あたりに消費される尿素水の量(尿素水消費量)も一定である。よって、時刻t1に至るまで、尿素水残量Urは時間(従って、走行距離)に略比例するように減少する。
時刻t1以降においては、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満であるから、熱発生率重心位置が第1クランク角度θp1から第2クランク角度θp2へと変更される。更に、第2クランク角度θp2と第1クランク角度θp1との差(遅角量ΔG)は尿素水残量Urが小さいほど大きくなる。従って、時刻t1以降において、機関NOx排出量は徐々に減少し、それにより尿素水消費量も徐々に減少する。よって、時刻t1以降、尿素水残量Urの減少速度は時間の経過とともに小さくなる。
この結果、時刻t1以降においても熱発生率重心位置が第1クランク角度θp1に維持されている場合には時刻t2にて尿素水残量Urが「0」となるところ、第1装置によれば、尿素水は時刻t3まで残存することになる。
なお、図6に示したように、機関の負荷が第2閾値Pem2より大きくなって、全負荷(WOT)に近づくにつれて燃料噴射量を増大して行くと、筒内圧力の最大値が機関10の許容圧力を超えることが判明した。そこで、第1装置は、熱発生率重心位置を第1クランク角度θp1又は第2クランク角度θp2に維持していると筒内圧力の最大値を許容圧力以下にできなくなる場合、機関の負荷が大きくなるにつれて熱発生率重心位置を遅角側に移行させる。
更に、第1装置は、機関の負荷が第1閾値Pem1以下であるときも、熱発生率重心位置が第1クランク角度θp1又は第2クランク角度θp2に一致するように燃焼状態を制御する。但し、第1装置は、機関の負荷が第1閾値Pem1以下であるとき、他の要求(例えば、機関本体の暖機要求、又は、DOC等の触媒暖機要求)に基づいて、熱発生率重心位置を「第1クランク角度θp1又は第2クランク角度θp2」以外のクランク角度に一致させてもよい。
(実際の作動)
次に、電子制御ユニット70のCPU(以下、単に「CPU」と表記する。)が実際に行う処理について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎に図8にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。従って、適当なタイミングになると、CPUは図8のステップ800から処理を開始し、ステップ810に進んで種々の運転状態パラメータを上述したセンサ等から取得する。
次に、CPUはステップ820に進み、SCR触媒55がNOxの還元を行うことができる状態にあるか否かを判定する。より具体的に述べると、CPUは、SCR上流側排ガス温度センサ79が検出する上流排ガス温TuとSCR下流側排ガス温度センサ80が検出する下流排ガス温Tdとに基づいてSCR触媒55の温度Tsを推定していて(例えば、Ts=(Td+Tu)/2)、その推定されたSCR触媒55の温度Tsが閾値温度Tsth以上であるか否かを判定する。そして、CPUは、SCR触媒55の温度Tsが閾値温度Tsth以上であると判定されるとき、SCR触媒55がNOxの還元を行うことができる状態にあると判定する。
SCR触媒55がNOxの還元を行うことができる状態になければ、CPUはステップ820にて「No」と判定してステップ830に進み、熱発生率重心位置の通常制御を実行する。より具体的に述べると、CPUは熱発生率重心位置が図6の実線C1により示した目標熱発生率重心位置Gctgt(クランク角度)と一致するように、燃焼パラメータを設定する。従って、機関の負荷が上述した特定負荷範囲(Pem1〜Pem2)内にあれば、熱発生率重心位置は第1クランク角度θp1に略一致する。更に、CPUは、後述する熱発生率重心位置のフィードバック制御を行っているので、熱発生率重心位置は第1クランク角度θp1に精度良く一致する。
これに対し、CPUがステップ820の処理を実行する時点において、SCR触媒55がNOxの還元を行うことができる状態にあれば、CPUはステップ820にて「Yes」と判定してステップ840に進み、尿素水残量センサ82により検出される尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満であるか否かを判定する。尿素水の残量Urが閾値尿素水残量Urth以上であると、CPUはステップ840にて「No」と判定してステップ830に進み、上述した通常制御を実行する。
これに対し、CPUがステップ840の処理を実行する時点において、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満であると、CPUはステップ840にて「Yes」と判定してステップ850に進み、燃料残量センサ85により検出される燃料残量Frが閾値燃料残量Frth以上であるか否かを判定する。燃料残量Frが閾値燃料残量Frth未満であると、CPUはステップ850にて「No」と判定してステップ830に進み、上述した通常制御を実行する。これは、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満であっても、燃料残量Frが閾値燃料残量Frth未満であるならば、尿素水消費量を低減したところで燃料が先になくなるので(即ち、機関10を搭載した車両の走行ができなくなるので)、トータル・ランニングコストRCが小さい運転を継続すべきだからである。
これに対し、CPUがステップ850の処理を実行する時点において、燃料残量Frが閾値燃料残量Frth以上であると、CPUはステップ850にて「Yes」と判定してステップ860に進み、熱発生率重心位置の遅角制御を実行する。より具体的に述べると、CPUは、尿素水残量Urが少ないほど「熱発生率重心位置の第1クランク角度θp1からの遅角量ΔG」が大きくなるように遅角量ΔGを算出する。このとき、CPUは燃料残量Frが多いほど遅角量ΔGが大きくなるように遅角量ΔGを補正してもよい。
次いで、CPUは上述した通常制御にて用いられる「図6の実線C1により示した目標熱発生率重心位置Gctgt」を遅角量ΔGだけ遅角した値を「遅角制御における目標熱発生率重心位置Gctgt」として設定する(図6の一点鎖線C2を参照。)。換言すると、機関の負荷が上述した特定負荷範囲(Pem1〜Pem2)内にある場合には、CPUは、目標熱発生率重心位置Gctgtを第1クランク角度θp1から第2クランク角度θp2へと遅角(変更)する。
そして、CPUは、熱発生率重心位置が「その設定された遅角制御における目標熱発生率重心位置Gctgt」となるように燃焼パラメータを設定する。従って、機関の負荷が上述した特定負荷範囲(Pem1〜Pem2)内にあれば、熱発生率重心位置は第2クランク角度θp2に略一致する。更に、CPUは、後述する熱発生率重心位置のフィードバック制御を行っているので、熱発生率重心位置は第2クランク角度θp2に精度良く一致する。
CPUは、ステップ830及びステップ860の何れか一方からステップ870以降に進み、尿素水の供給量制御を行う。より具体的に述べると、CPUはステップ870にて尿素水の供給量制御条件が成立しているか否かを判定する。尿素水供給量制御条件は、例えば、以下の総ての条件が成立したときに成立する。
・SCR触媒55がNOxの還元を行うことができる状態にある(推定されたSCR触媒55の温度Tsが閾値温度Tsth以上である。)。
・NOxセンサ81が異常でない。
なお、CPUはNOxセンサ81が異常であるか否かを別途判定している。より具体的に述べると、CPUは、例えば、NOxセンサ81により示されるNOx濃度DNOxが「NOxセンサ81が正常である場合には出力し得ない高いNOx濃度(異常濃度値)」以上となっているか否かを判定し、NOx濃度DNOxが異常濃度値以上となっている場合、NOxセンサ81が異常であると判定する。或いは、CPUは、例えば、NOxセンサ81により示されるNOx濃度DNOxが「0」である状態が所定時間以上にわたり継続している場合、NOxセンサ81が異常であると判定してもよい。
いま、尿素水供給量制御条件が成立していると仮定すると、CPUはステップ870にて「Yes」と判定してステップ875に進み、NOxセンサ81により示されるNOx濃度DNOxが目標濃度Dth(極めて「0」に近い正の値)よりも大きいか否かを判定する。
NOx濃度DNOxが目標濃度Dthよりも大きいと、CPUはステップ875にて「Yes」と判定してステップ880に進み、尿素水噴射弁58からSCR触媒55へと供給される尿素水量を所定量ΔUrだけ増大させる。これにより、SCR触媒55内にてより多くのNOxが還元されるから、NOx濃度DNOxは減少する。その後、CPUはステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、NOx濃度DNOxが目標濃度Dth以下であると、CPUはステップ875にて「No」と判定してステップ885に進み、尿素水噴射弁58からSCR触媒55へと供給される尿素水量を所定量ΔUrだけ減少させる。その後、CPUはステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUがステップ870の処理を実行する時点において、尿素水供給量制御条件が成立していなければ、CPUはそのステップ870にて「No」と判定してステップ890に進み、尿素水噴射弁58からの尿素水の供給を停止する。その後、CPUはステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
上述したステップ875乃至ステップ885の処理により、機関10の本体21から排出されるNOxの量(即ち、SCR触媒55に流入するNOxの量)が多いほど尿素水がより多く供給(消費)される。従って、熱発生率重心位置Gcが第1クランク角度θp1よりも遅角側のクランク角度(第2クランク角度θp2)であって第1クランク角度θp1から遠ざかるほど(即ち、遅角量ΔGが大きくなるほど)、単位時間あたりに機関10の本体21から排出されるNOxの量が減少するから、単位時間あたりに消費される尿素水の量が減少する。
なお、CPUはステップ875乃至ステップ885の処理に代え、以下に述べる処理を行ってもよい。
・CPUは、検出されたNOx濃度DNOxに基づいて、SCR触媒55においてSCR触媒55に流入するNOxの実質的に総てを浄化するために必要となる尿素水の量(単位時間あたりの必要尿素水量)を算出する。
・CPUは、算出した必要尿素水量の尿素水がSCR触媒55に供給されるように、尿素水噴射弁58を制御する。
加えて、上記ステップ850は省略され得る。ステップ850が省略される場合、CPUはステップ840にて「Yes」と判定するとステップ860に進み、ステップ840にて「No」と判定するとステップ830に進む。
<熱発生率重心位置のフィードバック制御>
次に、熱発生率重心位置のフィードバック制御について説明する。CPUは、所定時間が経過する毎(例えば、1サイクル、即ち、任意の気筒のクランク角度が720°経過する毎)に図9にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。このルーチンにより、実際の熱発生率重心位置Gcが「図8のステップ830及びステップ860の何れかにて設定される目標重心位置Gctgt」と等しくなるように、燃焼パラメータの一つである主噴射の噴射時期CMinjがフィードバック制御により調整される。なお、本ルーチンは機関10の気筒毎に実行される。また、クランク角度θは、着目している気筒の圧縮上死点後のクランク角度(ATDC deg)によって表される。従って、圧縮上死点よりも進角側のクランク角度θは負の値となる。
適当なタイミングになると、CPUは図9のステップ900から処理を開始してステップ905に進み、アクセルペダル開度Accpと機関回転速度Neにより規定される現時点の運転状態が、所定時間前における運転状態と同一であるか否かを判定する。運転状態が変化している場合、CPUはステップ905にて「No」と判定してステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、運転状態が変化していない場合、CPUはステップ905にて「Yes」と判定してステップ910に進み、筒内圧センサ75により検出されている筒内圧Pcに基づいて熱発生率を算出し、その熱発生率に基づいて実際の熱発生率重心位置Gcを推定する。なお、ステップ905は省略することができる。この場合、CPUは所定時間が経過する毎にステップ910から処理を開始する。
具体的には、CPUは、筒内圧Pcに基づいてクランク角度θ[degATDC]に対する単位クランク角度あたりの発熱量である熱発生率dQ(θ)[J/degATDC]を周知の手法に基づいて算出する(例えば、特開2005−54753号公報、及び、特開2007−285194号公報等を参照。)。なお、CPUは、単位クランク角度が経過する毎に各気筒の筒内圧Pcを取得し、その筒内圧Pcをその筒内圧Pcが取得された気筒及びその気筒のクランク角度に対応付けてRAM内に記憶するようになっている。
次いで、CPUは熱発生率dQ(θ)を下記の(5)式に適用することにより、熱発生率重心位置Gcを取得・推定する。なお、実際には、熱発生率重心位置Gcは、(5)式をデジタル演算式に変換した式に基づいて計算される。(5)式において、CAsは燃焼が開始するクランク角度であり、CAeは燃焼が終了するクランク角度である。なお、(5)式のCAsに代えて燃焼開始クランク角度よりも十分に早いクランク角度が(5)式による計算に採用され、且つ、CAeに代えて燃焼終了クランク角度よりも十分に遅いクランク角度が(5)式による計算に採用されてもよい。
Figure 0006070438
次に、CPUはステップ915に進み、機関の負荷に相当する値に基づいて目標重心位置Gctgtを読み出す。目標重心位置Gctgtは、先に説明した図8のステップ830及びステップ860の何れかにて決定されている。なお、CPUは、アクセルペダル開度Accp、機関回転速度Ne及び尿素水残量Ur(及び/又は燃料残量Fr)と、ルックアップテーブルMapGctgt(Accp, Ne,Ur)と、に基づいて目標重心位置Gctgtを決定してもよい。このように決定される目標重心位置Gctgtは、図8のステップ830及びステップ860の何れかにて決定される目標重心位置Gctgtと同じである。
次に、CPUはステップ920に進み、実際の熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上遅角側であるか否かを判定する。実際の熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上遅角側である場合、CPUはそのステップ920にて「Yes」と判定してステップ925に進み、主噴射の噴射時期CMinjを所定の微小角度ΔCAだけ進角する。これにより、熱発生率重心位置Gcが僅かに進角側に移動するので、目標重心位置Gctgtに近づく。その後、CPUはステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、CPUがステップ920の処理を実行する時点において、実際の熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上遅角側でない場合、CPUはそのステップ920にて「No」と判定してステップ930に進み、実際の熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上進角側であるか否かを判定する。熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上進角側である場合、CPUはステップ930にて「Yes」と判定してステップ935に進み、主噴射の噴射時期CMinjを所定の微小角度ΔCAだけ遅角する。これにより、熱発生率重心位置Gcが僅かに遅角側に移動するので、目標重心位置Gctgtに近づく。その後、CPUはステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPUがステップ930の処理を実行する時点において、熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに対して正の微小角度Δθs以上進角側でなければ、熱発生率重心位置Gcと目標重心位置Gctgtとの差の大きさは微小角度Δθs未満である。この場合、CPUはステップ930にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。即ち、主噴射の噴射時期CMinjは修正されない。このようにして、実際の熱発生率重心位置Gcが目標重心位置Gctgtに一致するように燃焼パラメータがフィードバック制御される。
以上、説明したように、第1装置は機関10に供給される燃料(混合気)の燃焼状態を制御する燃焼制御部を有する。
その燃焼制御部は、
SCR触媒55へと流入する窒素酸化物の量を減少すべき特定条件(尿素水残量センサ82により検出される尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urth未満であるという条件)が成立していない場合には(図8のステップ840での「No」との判定を参照。)、少なくとも機関10の負荷が第1閾値Pem1から同第1閾値よりも大きい第2閾値Pem2までの特定負荷範囲内にあるとき、「燃料の燃焼により発生する単位クランク角度あたりの熱の量により定まる熱発生率重心位置Gc」が前記負荷に依らず一定のクランク角度である第1クランク角度θp1に等しくなるように前記燃焼状態を変化させ(図8のステップ830、及び、図9のルーチンを参照。)、且つ、
前記特定条件が成立している場合には少なくとも機関10の負荷が前記特定負荷範囲内にあるとき前記熱発生率重心位置が「前記第1クランク角度θp1よりも遅角側のクランク角度である第2クランク角度θp2」に等しくなるように前記燃焼状態を変化させる(図8のステップ860、及び、図9のルーチンを参照。)。
更に、第1装置はSCR触媒55に供給される尿素水の量を制御する尿素水制御部を有する。
その尿素水量制御部は、
前記特定条件が成立している場合には前記特定条件が成立していない場合に比較して前記SCR触媒に供給される尿素水の量を減少させる(図8のステップ875乃至ステップ885を参照。)。
更に、第1装置においては、少なくとも機関10の負荷が前記特定負荷範囲内であり且つ前記特定条件が成立していないときには、熱発生率重心位置が「燃料消費量と尿素水の消費量とにより定まるトータルランニングコストRCが最低となるようなクランク角度(図4及び図5の点p1に対する第1クランク角度θp1を参照。)」に維持される。よって、機関10が搭載された車両のランニングコストを効果的に改善することができる。
これに対し、少なくとも機関10の負荷が前記特定負荷範囲内であり且つ前記特定条件が成立しているときには、第1装置は、熱発生率重心位置を「第1クランク角度θp1よりも遅角側の第2クランク角度θp2」に維持することによりSCR触媒55に流入するNOxの量を減少させ、且つ、SCR触媒55に供給される尿素水の量を減少させる。よって、SCR触媒55に供給される尿素水の量が減少させられたとしても、NOxの大気中への排出量が著しく増大することがないようにすることができる。更に、尿素水残量が著しく少なくなる事態の発生を回避することができる。
なお、NOxセンサ81は、SCR触媒55から流出するNOxの排出量に相関を有するNOx排出量相関値(窒素酸化物濃度DNOx)を取得するNOx排出量取得部に対応し、
ステップ870乃至ステップ885は、尿素水供給部からSCR触媒55に供給される尿素水の量を制御する尿素水量制御部、及び、前記NOx排出量相関値に基づいて前記SCR触媒55に供給される尿素水の量を制御する尿素水量調整部に対応している。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る機関制御装置(以下、「第2装置」とも称呼する。)について説明する。第2装置は、電子制御ユニット70のCPUが図9に代えて「図10に示したルーチン」を実行する点のみにおいて第1装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
図10に示したルーチンは、図8のステップ840及びステップ850をステップ1010に置換し、図8のステップ860をステップ1020に置換したルーチンである。即ち、CPUはステップ820にて「Yes」と判定した場合、ステップ1010に進んでNOxセンサ81が異常であるか否かを判定する。NOxセンサ81が異常でなければ、CPUはステップ1010にて「No」と判定してステップ830に進み、前述した「熱発生率重心位置の通常制御」を実行する。
これに対し、NOxセンサ81が異常であると、CPUはステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1020に進み、熱発生率重心位置の遅角制御を実行する。
ところで、NOxセンサ81が異常であると、尿素水の供給が停止される(ステップ870及びステップ890を参照。)。従って、NOxセンサ81が異常である場合、SCR触媒55によるNOxの浄化を期待することはできない。そのため、CPUは、ステップ1020にて、熱発生率重心位置が「SCR触媒55によるNOxの浄化が行われなくともNOxの大気への排出量が規定値以下となるようなクランク角度、即ち、第1クランク角度θp1に対して大きく遅角された第2クランク角度θp2’(図4及び図5を参照。)」と一致するように燃焼状態を制御する。
以上説明したように、第2装置は、第1装置と同様な燃焼制御部及び尿素水制御部を有する。
但し、第2装置の燃焼制御部は、SCR触媒55へ供給される尿素水の量を制御(フィードバック制御)する際に使用されるNOxセンサ81(SCR触媒55から流出するNOxの排出量に相関を有するNOx排出量相関値を取得するNOx排出量取得部)が異常であるという「SCR触媒55へと流入する窒素酸化物の量を減少すべき特定条件」が成立した場合(ステップ1010での「Yes」との判定を参照。)、少なくとも機関10の負荷が前記特定負荷範囲内にあるときには、前記熱発生率重心位置が前記第1クランク角度θp1よりも遅角側のクランク角度である第2クランク角度θp2’に等しくなるように前記燃焼状態を変化させる(ステップ1020を参照。)。
従って、第2装置によれば、NOxセンサ81が異常でない場合にはトータル・ランニングコストとNOxの大気中への排出量を低減でき、且つ、NOxセンサ81の異常に起因してSCR触媒55によるNOxの浄化が期待できない場合であってもNOxの大気中への排出量が増大することを抑制することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1装置と第2装置とは組み合わせることができる。即ち、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urthよりも大きく且つNOxセンサ81が正常である場合には「熱発生率重心位置の通常制御」が実行され、尿素水残量Urが閾値尿素水残量Urthよりも小さく且つNOxセンサ81が正常である場合には図8のステップ860の熱発生率重心位置の遅角制御が実行され、NOxセンサ81が異常である場合には図10のステップ1020の熱発生率重心位置の遅角制御が実行されてもよい。
加えて、上記各実施形態に係る機関制御装置は、燃焼パラメータとして以下に述べる値の一つ以上を採用することもできる。
(1)主噴射の時期
(2)燃料噴射弁が燃料を噴射するときの圧力である燃料噴射圧
(3)主噴射よりも進角側にて行われる燃料噴射であるパイロット噴射の噴射量
(4)パイロット噴射の回数
(5)パイロット噴射の時期
(6)パイロット噴射の燃料噴射量
(7)主噴射よりも遅角側にて行われる燃料噴射であるアフター噴射の噴射量及び噴射時期
(8)過給機44による過給圧
(9)インタークーラー45の冷却効率(冷却能力)
(10)吸入空気に対するEGRガスの比率であるEGR率(又は、EGRガスの量)
(11)機関に備えられ且つ機関の排気通路に配設された過給機のタービンよりも下流側の排ガスを機関の吸気通路へと還流させる低圧EGR装置により還流させられる低圧EGRガスの量に対する、機関に備えられ且つ過給機のタービンよりも上流側の排ガスを吸気通路へと還流させる高圧EGR装置により還流させられる高圧EGRガスの量の比(高低圧EGR率)
(12)EGRクーラー63の冷却効率(冷却能力)
(13)気筒内のスワール流の強度(例えば、スワールコントロールバルブの開度)
なお、上記のインタークーラー45の冷却効率及びEGRクーラー63の冷却効率は、結局のところ機関10の吸気温度を制御するから、機関10の吸気温度は燃焼パラメータの一つであると言うこともできる。
このような燃焼パラメータを用いて熱発生率重心位置Gcを進角させる場合には、機関制御装置は以下の動作を行えばよい。
(1a)機関制御装置は、主噴射の時期を進角側に移動させる。

(2a)機関制御装置は、燃料噴射圧を増加させる。
(3a)機関制御装置は、パイロット噴射の噴射量を増加させる。
(4a)機関制御装置は、パイロット噴射のみに関して決まるパイロット噴射の熱発生率重心位置(以下、「パイロット熱発生率重心位置」と称呼する。)が進角側へ移動するようにパイロット噴射の回数を変更する。
(5a)機関制御装置は、パイロット熱発生率重心位置が進角側へ移動するようにパイロット噴射の時期を変更する。
(6a)機関制御装置は、パイロット熱発生率重心位置が進角側へ移動するようにパイロット噴射の燃料噴射量を変更する。
(7a)機関制御装置は、アフター噴射の噴射量を減少する、若しくは、アフター噴射を行わない。或いは、機関制御装置は、アフター噴射の噴射時期を進角側に移動させる。
(8a)機関制御装置は、過給圧を増加させる。
(9a)機関制御装置は、インタークーラー45の冷却効率を低下させる(吸気温度を上昇させる)。
(10a)機関制御装置は、EGR率を低下させる(EGR量を減少させる。)。
(11a)機関制御装置は、高低圧EGR率を低下させる。
(12a)機関制御装置は、EGRクーラーの冷却効率を低下させる(吸気温度を上昇させる)。
(13a)機関制御装置は、スワール流の強度を増大させる。
熱発生率重心位置Gcを遅角させる場合には、機関制御装置は以下の動作を行えばよい。
(1b)機関制御装置は、主噴射の時期を遅角側に移動させる。
(2b)機関制御装置は、燃料噴射圧を減少させる。
(3b)機関制御装置は、パイロット噴射の噴射量を減少させる。
(4b)機関制御装置は、パイロット熱発生率重心位置が遅角側へ移動するようにパイロット噴射の回数を変更する。
(5b)機関制御装置は、パイロット熱発生率重心位置が遅角側へ移動するようにパイロット噴射の時期を変更する。
(6b)機関制御装置は、パイロット熱発生率重心位置が遅角側へ移動するようにパイロット噴射の燃料噴射量を変更する。
(7b)機関制御装置は、アフター噴射の噴射量を増大する。或いは、機関制御装置は、アフター噴射の噴射時期を遅角側に移動させる。
(8b)機関制御装置は、過給圧を減少させる。
(9b)機関制御装置は、インタークーラー45の冷却効率を上昇させる(吸気温度を低下させる)。
(10b)機関制御装置は、EGR率を上昇させる(EGR量を増大させる。)。
(11b)機関制御装置は、高低圧EGR率を上昇させる。
(12b)機関制御装置は、EGRクーラーの冷却効率を上昇させる(吸気温度を低下させる)。
(13b)機関制御装置は、スワール流の強度を低下させる。
更に、上記実施形態に係るCPUは、通常制御時の目標熱発生率重心位置Gctgtとして設定される第1クランク角度θp1を、機関10の燃費が最良になるクランク角度θa(図2を参照。)に設定してもよい。また、機関10の負荷は、アクセルペダル開度Accpと機関回転速度NEとにより定まる要求(指令)燃料噴射量であってもよい。要求(指令)燃料噴射量は要求トルクでもある。更に、機関10の負荷は、要求トルクを排気量で除した値に比例する値であってもい。
更に、CPUは、第1クランク角度θp1及び/又は第2クランク角度θp2を各気筒毎に設定してもよい。加えて、SCR触媒55への尿素水供給量は、熱発生率重心位置が第1クランク角度θp1に対して遅角するほど(即ち、遅角量ΔGが大きくなるほど)減少するように(設定される目標熱発生率重心位置Gctgtに基づいて)フィードフォワード制御されてもよい。
10…機関、21…本体、22…気筒(燃焼室)、23…燃料噴射弁、33…コモンレール、44…過給機、45…インタークーラー、55…SCR触媒、56…尿素水タンク、57…尿素水供給管、58…尿素水噴射弁、70…電子制御ユニット、75…筒内圧センサ、81…NOxセンサ、82…尿素水残量センサ、83…アクセル開度センサ、85…燃料残量センサ。

Claims (4)

  1. 排気通路に配設されたSCR触媒と、
    尿素水を貯留する尿素水貯留部と、
    前記尿素水貯留部に貯留されている前記尿素水を前記SCR触媒に供給する尿素水供給部と、
    を備える内燃機関に適用され、
    前記尿素水供給部から前記SCR触媒に供給される尿素水の量を制御する尿素水量制御部と、
    前記機関の気筒に供給される燃料の燃焼状態を制御する燃焼制御部と、
    を備えた機関制御装置において、
    前記燃焼制御部は、
    クランク角度を横軸に設定し、且つ、単位クランク角度あたりの熱の発生量である熱発生率を縦軸に設定した座標系に描かれる当該熱発生率の波形と、前記横軸と、により囲まれる領域の幾何学的重心に対応するクランク角度を熱発生率重心位置と規定するとき、
    前記SCR触媒へと流入する窒素酸化物の量を減少すべき特定条件が成立していない場合には少なくとも前記機関の負荷が第1閾値から同第1閾値よりも大きい第2閾値までの特定負荷範囲内にあるとき前記熱発生率重心位置が前記負荷に依らず一定のクランク角度である第1クランク角度に等しくなるように前記燃焼状態を変化させ、且つ、前記特定条件が成立している場合には少なくとも前記機関の負荷が前記特定負荷範囲内にあるとき前記熱発生率重心位置が前記第1クランク角度よりも遅角側のクランク角度である第2クランク角度に等しくなるように前記燃焼状態を変化させ、
    前記尿素水量制御部は、
    前記特定条件が成立している場合には前記特定条件が成立していない場合に比較して前記SCR触媒に供給される尿素水の量を減少させる、
    機関制御装置。
  2. 請求項1に記載の機関制御装置において、
    前記特定条件は、前記尿素水貯留部に貯留されている前記尿素水の残量が所定の閾値尿素水残量よりも少なくなったときに成立する条件である機関制御装置。
  3. 請求項2に記載の機関制御装置において、
    前記燃焼制御部は、
    前記尿素水の残量が少なくなるほど前記第2クランク角度をより遅角させるように構成され、
    前記尿素水量制御部は、
    前記第2クランク角度がより遅角されるほど前記SCR触媒に供給される尿素水の量を減少させるように構成された、
    機関制御装置。
  4. 請求項1に記載の機関制御装置において、
    前記尿素水量制御部は、
    前記SCR触媒から流出するNOxの排出量に相関を有するNOx排出量相関値を取得するNOx排出量取得部と、
    前記NOx排出量相関値に基づいて前記SCR触媒に供給される尿素水の量を制御する尿素水量調整部と、
    を含み、
    前記特定条件は前記NOx排出量取得部が異常となった場合に成立する条件である機関制御装置。
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