JP2005054753A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主噴射に関する失火の発生を確実に防止するように主噴射の噴射時期を最適に制御することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】 主噴射の前に早期噴射を行う本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、燃焼室内圧力を検出する筒内圧センサ29と、該筒内圧センサで検出した実際の燃焼室内圧力と機関クランク角とを用いて燃焼室内に発生した筒内発熱量に関する発熱パラメータを算出する発熱パラメータ算出手段とを具備する。早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期に、発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、主噴射に関して失火が発生することのないように主噴射の噴射時期を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】 主噴射の前に早期噴射を行う本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、燃焼室内圧力を検出する筒内圧センサ29と、該筒内圧センサで検出した実際の燃焼室内圧力と機関クランク角とを用いて燃焼室内に発生した筒内発熱量に関する発熱パラメータを算出する発熱パラメータ算出手段とを具備する。早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期に、発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、主噴射に関して失火が発生することのないように主噴射の噴射時期を制御する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、詳細にはディーゼル機関の燃焼を最適化する燃料噴射制御装置に関する。
近年の排気ガス規制の強化や騒音低減に対する要求から、ディーゼル機関においても燃焼室内での燃焼最適化の要求が高まってきている。燃焼最適化のためにはディーゼル機関においても噴射量、噴射時期、噴射期間などを正確に制御することが必要となる。
しかし、ディーゼル機関では、一般に吸入空気量の調整は行わず機関負荷は噴射量により制御している。従って、ディーゼル機関では理論空燃比よりかなり高いリーン空燃比領域で燃焼が行われ、しかも負荷に応じて空燃比が変化する。このため、従来ディーゼル機関では、ガソリン機関のように、空燃比を厳密に制御することは行われておらず、従来、噴射量、噴射時期などの燃料噴射特性もガソリン機関ほどには精密な制御は行われていない。又、従来、ディーゼル機関では機関運転条件(回転数、アクセル開度など)から噴射量、噴射時期、噴射圧などの燃料噴射特性値の目標値を決定し、この目標値に応じて燃料噴射弁をオープンループ制御しているが、オープンループ制御では、実際の噴射量が目標噴射量に対して誤差を生じることを防止できず、燃焼状態を目標とする状態に正確に制御することは困難であった。
更に、排気ガス性状の改善と騒音の低減のためには、各気筒の1サイクル中に、主噴射の前後に複数回の燃料噴射を行い、燃焼状態を最適に調整するマルチ噴射が有効である。しかし、マルチ噴射を行うためには、複数回の燃料噴射のそれぞれの噴射量と噴射時期とを精密に制御する必要がある。
また、燃焼状態改善のために最近ディーゼル機関において採用されるようになったコモンレール式高圧燃料噴射装置では、噴射時間が短く、しかも噴射中に噴射圧が変化する等のため、噴射量に誤差を生じやすい問題がある。このため、コモンレール式高圧燃料噴射装置では燃料噴射弁の公差を小さく設定して噴***度を向上させる等の対策が取られているが、実際には燃料噴射弁は各部の摩耗などにより使用期間ともに燃料噴射特性が変化するため、オープンループ制御を行っていたのでは燃料噴射特性値を常に正確に目標値に一致させることは困難である。
また、燃焼状態改善のために最近ディーゼル機関において採用されるようになったコモンレール式高圧燃料噴射装置では、噴射時間が短く、しかも噴射中に噴射圧が変化する等のため、噴射量に誤差を生じやすい問題がある。このため、コモンレール式高圧燃料噴射装置では燃料噴射弁の公差を小さく設定して噴***度を向上させる等の対策が取られているが、実際には燃料噴射弁は各部の摩耗などにより使用期間ともに燃料噴射特性が変化するため、オープンループ制御を行っていたのでは燃料噴射特性値を常に正確に目標値に一致させることは困難である。
このように、ディーゼル機関では噴射量などに誤差が生じやすいため最適な燃焼状態を得る目標値を設定できても、実際にその噴射量を目標値に合致させることが困難な事情がある。
燃焼状態を目標とする燃焼状態に合致させるためには、実際の燃焼状態を何らかの形で検出し、実際の燃焼状態が目標とする燃焼状態に合致するように噴射量や噴射時期などの燃料噴射特性値をフィードバック制御することが有効である。
燃焼状態を目標とする燃焼状態に合致させるためには、実際の燃焼状態を何らかの形で検出し、実際の燃焼状態が目標とする燃焼状態に合致するように噴射量や噴射時期などの燃料噴射特性値をフィードバック制御することが有効である。
このように、燃焼状態を検出して燃料噴射特性値をフィードバック制御する内燃機関の燃焼制御装置の例としては特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1の装置は、筒内圧センサによって燃焼室内圧力を検出し、検出した燃焼室内圧力に基づいて燃料噴射された燃料の着火時期、または燃焼室内圧力が最大となる時期を検出する。そして検出したこれら時期が目標時期と一致するように噴射時期を制御している。また、目標時期は、機関回転数と機関負荷(アクセル開度)とに基づいて設定される。
特許文献1の装置は、筒内圧センサによって燃焼室内圧力を検出し、検出した燃焼室内圧力に基づいて燃料噴射された燃料の着火時期、または燃焼室内圧力が最大となる時期を検出する。そして検出したこれら時期が目標時期と一致するように噴射時期を制御している。また、目標時期は、機関回転数と機関負荷(アクセル開度)とに基づいて設定される。
すなわち、特許文献1の装置は、実際に計測した燃焼室内圧力に基づいて噴射時期をフィードバック制御し、実際の燃焼状態を目標とする燃焼状態に合致させようとするものである。
ところで、多くのディーゼル機関では、主噴射によって噴射される主燃料の反応を加速し、主噴射の着火遅れ期間を短縮するために、主噴射の他に、内燃機関の吸気行程中に補助的に燃料を噴射する吸気中噴射や、圧縮行程中に補助的に燃料を噴射するパイロット噴射(以下、「早期噴射」と総称する)が行われる。
早期噴射による主噴射の反応の加速は主に早期噴射によって筒内温度が上昇することによって起こり、よって早期噴射によって噴射された燃料の燃焼による筒内発熱量に依存している。逆に言うと、早期噴射を行っても主噴射による燃料に着火しない(以下、「失火する」と称す)場合、早期噴射による筒内発熱量が小さいことが原因としてあげられる。
早期噴射による主噴射の反応の加速は主に早期噴射によって筒内温度が上昇することによって起こり、よって早期噴射によって噴射された燃料の燃焼による筒内発熱量に依存している。逆に言うと、早期噴射を行っても主噴射による燃料に着火しない(以下、「失火する」と称す)場合、早期噴射による筒内発熱量が小さいことが原因としてあげられる。
一方で、主噴射に関する失火が発生するか否かは、主噴射の噴射時期に応じて変わる。すなわち、主噴射の噴射時期を遅角させすぎると、筒内温度が低下してから燃料が噴射されることとなり、燃料が燃焼しなくなってしまう。
以上のことから、主噴射に関する失火の発生を防止するためには、早期噴射による筒内発熱量と主噴射の噴射時期とを適切に調整する必要がある。
以上のことから、主噴射に関する失火の発生を防止するためには、早期噴射による筒内発熱量と主噴射の噴射時期とを適切に調整する必要がある。
上述した特許文献1の装置では、早期噴射が行われることを想定していない。よって、主噴射の噴射時期は機関回転数と機関負荷とに基づいて制御され、当然、早期噴射による筒内発熱量は主噴射の噴射時期を設定するためのパラメータとはなっていない。このため、特許文献1の装置では、早期噴射が行われる内燃機関において、早期噴射による筒内発熱量に応じて、主噴射に関する失火の発生を防止するように主噴射の噴射時期を最適に制御することができない。
そこで、本発明は、早期噴射が行われているときに、主噴射に関する失火の発生を確実に防止するように主噴射の噴射時期を最適に制御することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関燃焼室に燃焼を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮上死点近傍における主噴射の前に早期噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃焼室内圧力を検出する筒内圧センサと、該筒内圧センサで検出した実際の燃焼室内圧力と機関クランク角とを用いて燃焼室内に発生した筒内発熱量に関する発熱パラメータを算出する発熱パラメータ算出手段とをさらに具備し、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期に、上記発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、上記主噴射に関して失火が発生することのないように該主噴射の噴射時期を制御する。
第1の発明によれば、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼終了後に発熱パラメータが算出されるため、算出された発熱パラメータは早期噴射によって噴射された燃料が燃焼した結果生じる筒内発熱量に相当する値となっており、また、主噴射開始前に発熱パラメータが算出されるため、算出された発熱パラメータは早期噴射の影響のみを受けた値となっている。したがって、算出された発熱パラメータの値は、早期噴射による筒内発熱量のみに対応する値となっている。
また、上述したように、主噴射に関して失火が発生するか否かは、早期噴射による筒内発熱量と主噴射の噴射時期とによって変わる。見方を変えると、早期噴射による筒内発熱量が分かれば、主噴射に関して失火が発生しないような主噴射の噴射時期が分かる。第1の発明では、算出された発熱パラメータの値に基づいて、主噴射の噴射時期を制御しているため、主噴射に関する失火の発生を確実に防止することができる。
なお、「早期噴射」とは、同一サイクルにおいて主噴射の前に行われる噴射を意味し、例えば、内燃機関の吸気行程中に補助的に燃料を噴射する吸気中噴射と、圧縮行程中に補助的に燃料を噴射するパイロット噴射とを含む。また、「失火」とは、燃料を噴射したにも関わらず、噴射した燃料の着火が起こらないことを意味する。
第1の発明によれば、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼終了後に発熱パラメータが算出されるため、算出された発熱パラメータは早期噴射によって噴射された燃料が燃焼した結果生じる筒内発熱量に相当する値となっており、また、主噴射開始前に発熱パラメータが算出されるため、算出された発熱パラメータは早期噴射の影響のみを受けた値となっている。したがって、算出された発熱パラメータの値は、早期噴射による筒内発熱量のみに対応する値となっている。
また、上述したように、主噴射に関して失火が発生するか否かは、早期噴射による筒内発熱量と主噴射の噴射時期とによって変わる。見方を変えると、早期噴射による筒内発熱量が分かれば、主噴射に関して失火が発生しないような主噴射の噴射時期が分かる。第1の発明では、算出された発熱パラメータの値に基づいて、主噴射の噴射時期を制御しているため、主噴射に関する失火の発生を確実に防止することができる。
なお、「早期噴射」とは、同一サイクルにおいて主噴射の前に行われる噴射を意味し、例えば、内燃機関の吸気行程中に補助的に燃料を噴射する吸気中噴射と、圧縮行程中に補助的に燃料を噴射するパイロット噴射とを含む。また、「失火」とは、燃料を噴射したにも関わらず、噴射した燃料の着火が起こらないことを意味する。
第2の発明では、第1の発明において、機関運転状態に基づいて上記早期噴射を行った上で上記主噴射の噴射時期を遅角させる主噴射遅角制御を実行可能であり、該主噴射遅角制御実行中には、主噴射後に上記発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、上記主噴射に関して失火が発生しない範囲内で最も遅角側の時期である失火限界時期、あるいは主噴射を遅角させることによる主噴射の燃焼悪化が起こらない範囲内で最も遅角側の時期である燃焼悪化限界時期を算出する限界時期算出手段をさらに具備し、上記主噴射の噴射時期を上記限界時期算出手段によって算出された失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期またはこれら限界時期よりも進角側の時期となるように制御する。
主噴射遅角制御を行うと、燃焼によって得られた熱エネルギのうちピストンへの仕事へ変換されるエネルギが低減されるため、排気ガスの昇温を図ることができる。排気ガスの昇温効果を高めるためには、主噴射の噴射時期をできるだけ遅角させて、ピストンへの仕事をできるだけ減らすことが必要とされる。一方で、上述したように、主噴射の噴射時期を遅角させ過ぎると、主噴射に関して失火が発生してしまう。
第2の発明によれば、主噴射に関して失火が発生しない範囲内で最も遅角側の時期である失火限界時期にまたはそれよりも進角側の時期に主噴射が行われる。あるいは、失火が起こりそうでありながら実際には失火が起きておらず主噴射の燃焼悪化が起きてしまう範囲の直前の時期にまたはそれよりも進角側の時期に主噴射が行われる。このため、主噴射の噴射時期を遅角させることによる主噴射に関する失火の発生あるいは主噴射の燃焼悪化を防止しつつ、排気ガスの昇温効果を最高にすることができる。
主噴射遅角制御を行うと、燃焼によって得られた熱エネルギのうちピストンへの仕事へ変換されるエネルギが低減されるため、排気ガスの昇温を図ることができる。排気ガスの昇温効果を高めるためには、主噴射の噴射時期をできるだけ遅角させて、ピストンへの仕事をできるだけ減らすことが必要とされる。一方で、上述したように、主噴射の噴射時期を遅角させ過ぎると、主噴射に関して失火が発生してしまう。
第2の発明によれば、主噴射に関して失火が発生しない範囲内で最も遅角側の時期である失火限界時期にまたはそれよりも進角側の時期に主噴射が行われる。あるいは、失火が起こりそうでありながら実際には失火が起きておらず主噴射の燃焼悪化が起きてしまう範囲の直前の時期にまたはそれよりも進角側の時期に主噴射が行われる。このため、主噴射の噴射時期を遅角させることによる主噴射に関する失火の発生あるいは主噴射の燃焼悪化を防止しつつ、排気ガスの昇温効果を最高にすることができる。
第3の発明では、第1または第2の発明において、上記発熱パラメータは、上記筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vとの積PVと、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のピストンの圧縮のみにより生じる燃焼室内圧力とクランク角から定まる燃焼室容積との積PVbaseとの差ΔPVである。
第3の発明において、ΔPVは、燃焼室内における燃焼によって発生した筒内発熱量を表している。すなわち、圧力と容積との積PVの値は筒内ガスのもつエネルギに対応した値であり、PVの単位時間当たりの変化量は筒内ガスに付与されたエネルギ、すなわちピストンの上昇による圧縮仕事と燃焼による発熱量との和になる。ここで、ピストンの圧縮仕事によるPVの変化量は、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合の圧力と容積との積PVbaseとして算出されており、よって、筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vとの積PVとPVbaseとの差ΔPVは気筒内での燃焼による発熱量を表す。
第3の発明において、ΔPVは、燃焼室内における燃焼によって発生した筒内発熱量を表している。すなわち、圧力と容積との積PVの値は筒内ガスのもつエネルギに対応した値であり、PVの単位時間当たりの変化量は筒内ガスに付与されたエネルギ、すなわちピストンの上昇による圧縮仕事と燃焼による発熱量との和になる。ここで、ピストンの圧縮仕事によるPVの変化量は、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合の圧力と容積との積PVbaseとして算出されており、よって、筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vとの積PVとPVbaseとの差ΔPVは気筒内での燃焼による発熱量を表す。
第4の発明では、第3の発明において、内燃機関の圧縮行程中において、上記ΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθの値が、零以上の第一所定値を超えた後に該第一所定値以下であって零近傍の第二所定値よりも小さい値となった時期を、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期として採用する。
上述したようにΔPVは燃焼による筒内発熱量を表しており、このΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθは、燃焼による単位クランク角当たりの筒内発熱量、すなわち燃焼による熱発生率を表している。したがって、この変化率d(ΔPV)/dθが正の値をとっているときは燃焼室内で燃焼が起こっており、よって内燃機関の圧縮行程においてΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθが最初に正の値をとるときは早期噴射によって噴射された燃料が燃焼しているときと考えられる。したがって、内燃機関の圧縮行程において変化率d(PV)/dθが最初に正の値をとった後に零に戻った時期は、早期噴射に対応する燃焼が終了した時期と考えられる。
このように、早期噴射に対応する燃焼が終了した時期におけるΔPVの値を算出することにより、早期噴射に対応する燃焼による筒内発熱量を正確に求めることができる。
ただし、ΔPVの値は、燃焼完了時には筒内発熱量を表しているが、燃焼室壁面等からの放熱(熱損失)により低下していく。したがって、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼が完了した後にはΔPVの値はクランク角と共に徐々に減少していく。そこで、第4の発明では、変化率d(ΔPV)/dθの値が零近傍の値である第二所定値よりも小さい値となっている場合に早期噴射が完了したものと判断する。
また、燃焼ΔPVは燃焼室内で燃焼が起こっていないときには、変化率d(ΔPV)/dθの値は零となるが、筒内圧センサの検出誤差等により燃焼が起きていなくても上記算出された変化率d(ΔPV)/dθの値が零に一致せずにぶれてしまうことがある。そこで、第4の発明では、このようなぶれを考慮して変化率d(ΔPV)/dθが零よりも僅かに大きい第一所定値を超えた場合に、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼が開始されたものと判断する。
上述したようにΔPVは燃焼による筒内発熱量を表しており、このΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθは、燃焼による単位クランク角当たりの筒内発熱量、すなわち燃焼による熱発生率を表している。したがって、この変化率d(ΔPV)/dθが正の値をとっているときは燃焼室内で燃焼が起こっており、よって内燃機関の圧縮行程においてΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθが最初に正の値をとるときは早期噴射によって噴射された燃料が燃焼しているときと考えられる。したがって、内燃機関の圧縮行程において変化率d(PV)/dθが最初に正の値をとった後に零に戻った時期は、早期噴射に対応する燃焼が終了した時期と考えられる。
このように、早期噴射に対応する燃焼が終了した時期におけるΔPVの値を算出することにより、早期噴射に対応する燃焼による筒内発熱量を正確に求めることができる。
ただし、ΔPVの値は、燃焼完了時には筒内発熱量を表しているが、燃焼室壁面等からの放熱(熱損失)により低下していく。したがって、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼が完了した後にはΔPVの値はクランク角と共に徐々に減少していく。そこで、第4の発明では、変化率d(ΔPV)/dθの値が零近傍の値である第二所定値よりも小さい値となっている場合に早期噴射が完了したものと判断する。
また、燃焼ΔPVは燃焼室内で燃焼が起こっていないときには、変化率d(ΔPV)/dθの値は零となるが、筒内圧センサの検出誤差等により燃焼が起きていなくても上記算出された変化率d(ΔPV)/dθの値が零に一致せずにぶれてしまうことがある。そこで、第4の発明では、このようなぶれを考慮して変化率d(ΔPV)/dθが零よりも僅かに大きい第一所定値を超えた場合に、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼が開始されたものと判断する。
第5の発明では、第1または第2の発明において、上記発熱パラメータは、上記筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vの予め定めた定数κ乗との積PVκと、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のピストンの圧縮のみにより生じる燃焼室内圧力とクランク角から定まる燃焼室容積の上記定数κ乗との積PVκbaseとの差ΔPVκである。
第5の発明において、ΔPVκ値は、燃焼室内における燃焼によって発生した筒内発熱量を近似的に表している。すなわち、内燃機関における熱発生率dQ/dθは、下記式(1)のように表すことができる。ここで、圧縮上死点付近において行われ且つ噴射期間の短い早期噴射では、式(1)中のV1-κを一定と近似することができる。このため、式(1)から下記式(2)を導き出すことができ、或る期間における筒内発熱量dQをその期間におけるPVκの変化量(d(PVκ))として取り出すことができる。従って、パイロット噴射による燃焼前後のPVκの変化量から早期噴射による筒内発熱量を算出することができる。
ただし、実際には燃焼室壁面等からの燃焼室内の熱が奪われて熱損失が発生している。この熱損失分を考慮すると、早期噴射によって増大したPVκの値と、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合にPVκが到達していると考えられるPVκの値(PVκbase)との差分、すなわちΔPVκが燃焼室内における燃焼によって発生した筒内発熱量を近似的に表していると考えられる。なお、κはポリトロープ指数である。
第5の発明において、ΔPVκ値は、燃焼室内における燃焼によって発生した筒内発熱量を近似的に表している。すなわち、内燃機関における熱発生率dQ/dθは、下記式(1)のように表すことができる。ここで、圧縮上死点付近において行われ且つ噴射期間の短い早期噴射では、式(1)中のV1-κを一定と近似することができる。このため、式(1)から下記式(2)を導き出すことができ、或る期間における筒内発熱量dQをその期間におけるPVκの変化量(d(PVκ))として取り出すことができる。従って、パイロット噴射による燃焼前後のPVκの変化量から早期噴射による筒内発熱量を算出することができる。
第6の発明では、第5の発明において、内燃機関の圧縮行程中において、上記ΔPVκのクランク角θに対する変化率d(ΔPVκ)/dθの値が、零以上の第一所定値を超えた後に該第一所定値以下であって零近傍の第二所定値よりも小さい値となった時期を、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期として採用する。
第7の発明では、第1〜第6の発明において、上記主噴射に関する燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段をさらに具備し、上記主噴射の噴射時期を上記限界時期算出手段によって算出された失火限界時期または燃焼悪化限界時期あるいはこれら限界時期よりも進角側の時期となるように制御した結果、上記燃焼状態検出手段によって主噴射に関する失火が発生している燃焼状態あるいは主噴射を遅角させることによる主噴射の燃焼悪化が発生している燃焼状態が検出された場合には、上記限界時期算出手段によって算出される失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を進角側に補正するようにした。
限界時期算出手段では、所定の関係(計算式または実験的に求めたマップ等)に基づいて発熱パラメータの値から失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を算出する。しかし、主噴射の噴射時期を限界時期算出手段によって算出された失火限界時期または燃焼悪化限界時期等となるように制御した結果、失火が発生している燃焼状態あるいは燃焼悪化が発生している燃焼状態が検出された場合、上記所定の関係に誤差が存在することが分かる。このような誤差の発生原因としては、燃料噴射弁固体間のばらつきや、燃焼室の放熱特性の経時変化等が挙げられる。
そこで、第7の発明によれば、上述したような場合に限界時期算出手段によって算出される失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を進角側に補正する。これにより、発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値と失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期との関係の学習制御が行われ、この関係が変化した場合であっても主噴射に関する失火が発生することあるいは主噴射に関する燃焼悪化が発生することが防止される。
限界時期算出手段では、所定の関係(計算式または実験的に求めたマップ等)に基づいて発熱パラメータの値から失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を算出する。しかし、主噴射の噴射時期を限界時期算出手段によって算出された失火限界時期または燃焼悪化限界時期等となるように制御した結果、失火が発生している燃焼状態あるいは燃焼悪化が発生している燃焼状態が検出された場合、上記所定の関係に誤差が存在することが分かる。このような誤差の発生原因としては、燃料噴射弁固体間のばらつきや、燃焼室の放熱特性の経時変化等が挙げられる。
そこで、第7の発明によれば、上述したような場合に限界時期算出手段によって算出される失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を進角側に補正する。これにより、発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値と失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期との関係の学習制御が行われ、この関係が変化した場合であっても主噴射に関する失火が発生することあるいは主噴射に関する燃焼悪化が発生することが防止される。
本発明によれば、早期噴射による筒内発熱量に応じて、主噴射に関する失火の発生を防止するように主噴射の噴射時期を最適に制御することができる。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の燃料噴射装置を自動車用ディーゼル機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図である。
図1は、本発明の燃料噴射装置を自動車用ディーゼル機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図である。
図1において、1は内燃機関(本実施形態では#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒4サイクルディーゼル機関が使用される)、10aから10dは機関1の#1から#4の各気筒燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を示している。燃料噴射弁10aから10dは、それぞれ燃料通路(高圧燃料配管)を介して共通の蓄圧室(コモンレール)3に接続されている。コモンレール3は、高圧燃料噴射ポンプ5から供給される加圧燃料を貯留し、貯留した高圧燃料を高圧燃料配管を介して各燃料噴射弁10aから10dに分配する機能を有する。
図1に20で示すのは、機関の制御を行う電子制御ユニット(ECU)である。ECU20は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。ECU20は、本実施形態では、燃料ポンプ5の吐出量を制御してコモンレール3圧力を機関運転条件に応じて定まる目標値に制御する燃料圧制御を行っている他、機関運転状態に応じて燃料噴射の噴射時期及び噴射量を設定するとともに、後述する筒内圧センサ出力に基づいて算出した燃焼パラメータの値が、機関運転状態に応じて定められる目標値に一致するように噴射量、噴射時期等をフィードバック制御する燃料噴射制御等の機関の基本制御を行う。
これらの制御を行うために、本実施形態ではコモンレール3にはコモンレール内燃料圧力を検出する燃料圧センサ27が設けられている他、機関1のアクセルペダル(図示せず)近傍にはアクセル開度(運転者のアクセルペダル踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ21が設けられている。また、図1に23で示すのは機関1のカム軸の回転位相を検出するカム角センサ、25で示すのはクランク軸の回転位相を検出するクランク角センサである。カム角センサ23は、機関1のカム軸近傍に配置され、クランク回転角度に換算して720度毎に基準パルスを出力する。また、クランク角センサ25は、機関1 のクランク軸近傍に配置され所定クランク回転角毎(例えば15度毎)にクランク角パルスを発生する。
ECU20は、クランク角センサ25から入力するクランク回転角パルス信号の周波数から機関回転数を算出し、アクセル開度センサ21から入力するアクセル開度信号と、機関回転数とに基づいて燃料噴射弁10aから10dの噴射時期と噴射量とを算出する。
また、図1に29aから29dで示すのは、各気筒10aから10dに配置され、気筒燃焼室内の圧力を検出する公知の形式の筒内圧センサである。筒内圧センサ29aから29dで検出された各燃焼室内圧力は、ADコンバータ30を経てECU20に供給される。
本実施形態では、コモンレール3の燃料圧力はECU20により機関運転状態に応じた圧力に制御され、例えば10MPaから150MPa程度の高圧で、しかも広い範囲で変化する。
ところで、本実施形態では、圧縮上死点近傍で行われる多量の燃料噴射(以下、「主噴射」と称す)と、この主噴射と同一サイクルにおいて主噴射の前に行われる補助的な少量の燃料噴射(以下、「早期噴射」と称す)とが行われる。さらに、本実施形態では、機関運転状態に応じて、早期噴射を行った上で主噴射の噴射時期を遅角させる主噴射遅角制御が行われる。以下、主噴射遅角制御について説明する。
ところで、例えば、排気浄化触媒を活性化させて排気性状を向上させるために排気浄化触媒の昇温が必要な場合、内燃機関本体から排出される排気ガスの温度を昇温することが考えられる。排気ガスを昇温させるためには、主噴射の噴射時期を遅角させることが有効である。すなわち、主噴射の噴射時期が遅角されると、主噴射において噴射された燃料が燃焼を開始してから排気弁(図示せず)が開弁されるまでにかかる時間が短い。このため、燃焼室での燃焼によって得られた熱エネルギのうちピストンの仕事へ変換されたエネルギが少ないうちに排気弁が開弁されることとなり、結果的に燃焼室から排出される排気ガスには高い熱エネルギが残り、よって排気ガスの温度が高くなる。
ただし、主噴射の噴射時期を遅角させるとその遅角幅に応じて主噴射に対応する燃焼が不安定になる。すなわち、遅角幅を大きくすると着火遅れが生じ、遅角幅を大きくし過ぎると遂には噴射された燃料が着火しなくなってしまう(すなわち、主噴射に関して失火が発生する)。
このため、主噴射の噴射時期を遅角させるときには同時に早期噴射も行われる。このような早期噴射を行うと、圧縮行程中に圧縮熱によって、早期噴射によって噴射された補助燃料からアルデヒド、ケトン、パーオキサイド、一酸化炭素等の中間生成物が生成され、これら中間生成物によって主噴射によって噴射される主燃料の反応が加速され、主燃料が着火し易くなる。
また、主噴射に対応する燃焼が開始される前に、早期噴射によって噴射された補助燃料が圧縮着火し、これにより燃焼室内の温度と圧力が上昇する。このように温度と圧力とが上昇した燃焼室に主噴射によって主燃料を噴射することにより、主燃料が着火し易くなる。
このため、主噴射の噴射時期を遅角させるときに、早期噴射を同時に併用することによって、主噴射の遅角幅を大きくとることができる。
また、主噴射に対応する燃焼が開始される前に、早期噴射によって噴射された補助燃料が圧縮着火し、これにより燃焼室内の温度と圧力が上昇する。このように温度と圧力とが上昇した燃焼室に主噴射によって主燃料を噴射することにより、主燃料が着火し易くなる。
このため、主噴射の噴射時期を遅角させるときに、早期噴射を同時に併用することによって、主噴射の遅角幅を大きくとることができる。
早期噴射としては、例えば、以下の二つの燃料噴射が挙げられる。一つは、吸気行程中(例えば、吸気上死点近傍)に行われる補助的な少量の噴射(以下、「吸気中噴射」と称す)である。吸気中噴射では、圧縮行程の開始から中間生成物の生成が行われるため、中間生成物の生成がより促進され、主燃料の反応性がより高められる。ただし、燃焼室内の温度と圧力とが低い時点で行われるため、噴射量が多くすると噴射された燃料が液状のままシリンダ壁に到達して、潤滑油希釈などの問題を起こす。このため、噴射量を多くすることはできず、また、必要とされる噴射量を分割して少量ずつ複数回に分けて噴射してシリンダ壁への液状燃料の到達を防止することが必要である。
もう一つは、主噴射よりかなり早い時期(例えば主噴射開始よりクランク角で20度(20°CA)以上早い時期)であって、圧縮行程中に行われる補助的な少量の噴射(以下、「パイロット噴射」と称す)である。パイロット噴射では、噴射が行われてから中間生成物の生成が行われるため、上述した吸気中噴射に比べて中間生成物の生成が行われにくいが、燃焼室内の温度と圧力とが高い時点で行われるため、噴射量を多くすることができ、噴射量の制御も容易である。
ところで、上述したような主噴射遅角制御では、排気ガスの昇温効果を高めるという観点からは、主噴射の噴射時期をできるだけ遅角側にするのが好ましい。しかし、噴射時期を遅角させ過ぎると早期噴射を行っていても燃焼が悪化し、遂には失火が発生してしまう。したがって、主噴射遅角制御においては、失火が発生しない限度内で最も遅角側の時期(以下、「失火限界時期」と称す)に、または噴射時期を遅角させ過ぎて燃焼悪化が生じてしまうことない範囲内で最も遅角側の時期(以下、「燃焼悪化限界時期」と称す)に、主噴射を行うことが効果的である。
この失火限界時期および燃焼悪化限界時期は、早期噴射に対応する燃焼によって発生した気筒内での発熱量に大きく依存している。すなわち、早期噴射による筒内発熱量に応じて、失火限界時期および燃焼悪化限界時期が定まる。したがって、早期噴射による筒内発熱量を求めることができれば、失火限界時期および燃焼悪化限界時期を求めることができる。
そこで、本実施形態では、筒内発熱量として、筒内圧センサ29a〜29d(以下、「筒内圧センサ29」と総称する)を用いて検出した燃焼室内圧力Pとそのときの燃焼室容積Vとを用いて算出され発熱パラメータ(燃焼室内に発生した筒内発熱量に関するパラメータ)の値を用いる。具体的には、本実施形態では、ΔPVが発熱パラメータとして用いられる。まず、発熱パラメータΔPVの物理的な意味について説明する。
図2は、早期噴射としてパイロット噴射を行った場合の、各気筒の圧縮行程後期から膨張行程前期における発熱パラメータのクランク角θに対する変化を示す図である(クランク角θ=0は圧縮上死点を示す)。図中、燃料噴射の噴射率が示されており、それぞれの山の面積は各燃料噴射の相対的な燃料噴射量を示している。図から分かるように、圧縮上死点近傍で主噴射が行われ、この主噴射に先行してパイロット噴射が行われている。
また、図2において、圧力Pは筒内圧センサ29で検出した実際の燃焼室内圧力のクランク角θに対する変化を示す。さらに、図2には、筒内圧センサ29で検出した燃焼室内圧力Pにクランク角θに基づいて算出された燃焼室容積Vを乗算した発熱パラメータPVのクランク角θに対する変化、および筒内圧センサ29で検出した燃焼室内圧力Pにクランク角θに基づいて算出された燃焼室容積Vをκ乗して得た値を乗算した発熱パラメータPVκのクランク角θに対する変化がそれぞれ示されている。ここで、κはポリトロープ指数である。
ところで、燃焼室内の気体の有するエネルギは圧力と容積との積PVで表され、このPVの値の単位時間当たりの変化量は筒内ガスに付与されたエネルギ、すなわち単位時間当たりのピストンの上昇による圧縮仕事と、燃焼による筒内発熱量との和になる。
ここで、図2に示したように、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合の燃焼室内圧力と燃焼室容積との積をPVbaseとすると、PVbaseの変化はピストンの上下動による筒内の気体のエネルギの変化を表す。よって、筒内圧センサ29に基づいて算出されたPVとPVbaseとの差分ΔPV(=PV−PVbase)は、燃焼による筒内発熱量を意味する。
したがって、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼終了後のΔPVの値を算出すれば、算出したΔPVの値は早期噴射による燃焼によって発生した総筒内発熱量を表す値となる。
このようにΔPVの値が早期噴射によって発生した総筒内発熱量を表すようにするためには、その算出時期が重要である。以下では、図3を参照して、本実施形態における、ΔPVの値の算出時期について説明する。なお、図3は、早期噴射を行った場合における圧縮上死点近傍での各発熱パラメータのクランク角θに対する変化を示す。
上述したようにΔPVの値は燃焼室内の燃焼によって生じた筒内発熱量を表しているため、燃焼室への気体の出入りの生じない圧縮行程および膨張行程においては、基本的には燃焼室内で燃焼が生じているときにはΔPVは増加し、燃焼が生じていないときにはΔPVは変化せず一定である。すなわち、ΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθの値(以下、「ΔPV微分値」と称す)は、燃焼室内で燃焼が生じているときには正となり、燃焼が生じていないときには零となる。
ただし、実際には、燃焼によって生じた気筒内のエネルギ(熱)は、燃焼室壁面等から放出されてしまうため、早期噴射に対応する燃焼終了後であって燃焼室内に燃焼が生じていないときにはΔPVの値は徐々に低下していき、したがってΔPV微分値d(ΔPV)/dθは負の値となる。
したがって、圧縮行程開始から早期噴射による燃料が燃焼するまでΔPV微分値はほぼ零となっており、早期噴射による燃料の燃焼が開始されるとΔPV微分値は正の値をとる。そして、早期噴射による燃料の燃焼が終了すると主噴射による燃料の燃焼が開始されるまでΔPV微分値は負の値をとる。
そこで、本実施形態では、ΔPV微分値が圧縮行程開始から初めて正の値をとった時期を早期噴射による燃料の燃焼が開始した時期(CAstart)と判定する。なお、実際には、筒内圧センサの検出誤差等により、圧縮行程開始から早期噴射による燃料が燃焼するまでの間にも正の値をとることがあるため、ΔPV微分値が零よりも僅かに大きい第一所定値を超えたときを燃焼が開始した時期と判定してもよい。
そして、早期噴射による燃料の燃焼の開始判定が行われてからΔPV微分値が初めて零よりも小さい値をとった時期を早期噴射による燃料の燃焼が終了した時期(CAend)と判定する。なお、筒内圧センサの検出誤差等を考慮して、判定値を零ではない零近傍の値としてもよい。
したがって、本実施形態では、ΔPVの算出時期は、圧縮行程開始においてΔPV微分値が正の値をとってから初めて零よりも小さい値をとった時期とされる(図2および図3の一点鎖線参照)。これにより、早期噴射による燃料の燃焼が完了した時期のΔPVの値を算出することができ、ΔPVの値は早期噴射による筒内発熱量に相当する値となる。
なお、上記実施形態とは異なり、ΔPVの算出時期を主噴射の噴射開始時期と同一の時期としてもよい。このような時期であれば、主噴射に対応する燃焼直前のΔPVの値を算出することができる。このようにして算出されたΔPVは、早期噴射による筒内発熱量から、早期噴射と主噴射との間の期間中における燃焼室壁面等からの熱損失分を減算した値となっており、実際に主噴射によって噴射された燃料の燃焼促進に寄与する熱量となっている。ただし、早期噴射と主噴射との噴射間隔が短い場合や、主噴射の噴射時期が比較的早い場合等には、主噴射の開始時期に早期噴射によって噴射された燃料の一部がまだ燃焼していなことがあるため、ΔPVの算出時期を主噴射の噴射開始時期とするのは、早期噴射と主噴射との噴射間隔が比較的長い場合に有効である。
ところで、上述したように、ΔPVの値の算出にあたり、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力と燃焼室容積との積PVbaseを用いている。PVbaseは、気筒内のピストンの移動による圧縮および膨張を指数κのポリトロープ変化で近似することにより、すなわちPVκ=C(一定値)とすることにより、吸気弁閉弁後であって早期噴射によって噴射された燃料の燃焼前における燃焼室内圧力と、このときの燃焼室容積とから算出することができるとも考えられる。
しかしながら、上述したように、ポリトロープ変化では気筒内のガスの圧縮・膨張による仕事以外のエネルギが付与・放出されないことが前提となっているが、実際には燃焼室壁面等から一定の割合で燃焼室内のエネルギ(熱)が奪われて熱損失が発生するため、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合でも厳密にはポリトロープ変化とはなっていない。したがって、このような熱損失を考慮しつつ、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力と燃焼室容積との積PVbaseを算出する必要がある。
そこで、本実施形態では、熱損失を考慮しつつPVbaseを算出する。以下、PVbaseの算出原理について説明する。
上述したように、PVbaseは気筒内のピストンの移動による圧縮および膨張を指数κのポリトロープ変化で近似して算出されるPVから、熱損失分を減算することで求めることができる。本実施形態では、ポリトロープ変化で近似して算出される燃焼室内圧力から熱損失分を減算することで、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力Pbaseを算出し、これにクランク角θから定まる燃焼室内容積Vを乗算することでPVbaseを求める。
上述したように、PVbaseは気筒内のピストンの移動による圧縮および膨張を指数κのポリトロープ変化で近似して算出されるPVから、熱損失分を減算することで求めることができる。本実施形態では、ポリトロープ変化で近似して算出される燃焼室内圧力から熱損失分を減算することで、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力Pbaseを算出し、これにクランク角θから定まる燃焼室内容積Vを乗算することでPVbaseを求める。
特定のクランク角θにおけるポリトロープ変化で近似して算出される燃焼室内圧力P(θ)refは、吸気弁閉弁後であってパイロット噴射前の任意のクランク角における筒内圧センサに基づいて算出された燃焼室内圧力をP(0)、このときの燃焼室容積をV(0)とすると、PVκ=C(一定値)の関係から、下記式(3)のように表される。ここで、V(θ)は上記特定のクランク角θから定まる燃焼室容積である。
また、熱損失による単位クランク角当たりの圧力の減少分dPloss/dθは下記式(4)のように表すことができる。式(4)中のαは比例定数であり、実験的に求めることができる。そして、この式(4)を積分することにより、下記式(5)が求められる。
したがって、指数κのポリトロープ変化で近似した特定のクランク角θにおける燃焼室内圧力P(θ)refは吸気弁閉弁後であってパイロット噴射前の任意のクランク角における燃焼室内圧力から算出することができ、また、熱損失分P(θ)lossは上記任意のクランク角から特定のクランク角θまでαPを積分することによって算出することができる。そして、特定のクランク角θにおけるP(θ)baseの値は、式(6)のようにポリトロープ変化で近似した特定のクランク角におけるP(θ)refから、上述したように算出した熱損失分に相当する圧力の減少分P(θ)lossを減算することによって求めることができる。
図4および図5は、早期噴射に対応する燃焼終了時におけるΔPVの値(ΔPVend)の算出操作を示すフローチャートである。本操作は、ECU20により、一定クランク角毎に実行される。
図3および図4において、ステップ101では現在のクランク角θと、筒内圧センサ29で検出した燃焼室内圧力Pとが読み込まれる。そして、ステップ102では、クランク角θに基づいて現在の燃焼室容積Vが算出される。本実施形態では、θとVとの関係は予め計算により求められ、θを用いた一次元マップとしてECU20のROMに格納されている。ステップ102では、ステップ101で読み込んだθの値を用いてこの一次元マップから燃焼室容積Vを求める。さらに、ステップ101では、算出された現在の燃焼室容積Vにステップ101で検出した燃焼室内圧力Pを乗算して積PVが算出される。
次いで、ステップ103〜109では、ΔPVの値が算出される。
ステップ103では、フラグXQの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグXQは、後述するステップ107の式(7)で用いられる初期値が既に取得されたか否かを示すフラグであり、XQ=1は既に取得されていることを示している。ステップ103において、初期値が取得されている場合(XQ=1)にはステップ104〜106は実行されない。一方、初期値が取得されていない場合(ZQ≠1)にはステップ104へと進む。
ステップ103では、フラグXQの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグXQは、後述するステップ107の式(7)で用いられる初期値が既に取得されたか否かを示すフラグであり、XQ=1は既に取得されていることを示している。ステップ103において、初期値が取得されている場合(XQ=1)にはステップ104〜106は実行されない。一方、初期値が取得されていない場合(ZQ≠1)にはステップ104へと進む。
ステップ104〜106では、後述するステップ107の式(7)内のP(i)refを算出する際に用いられる初期値P(0)およびV(0)を読み込む。ステップ104では、吸気弁が閉弁したか否かが判定される。吸気弁が閉弁したか否かの判定はECU20から吸気弁への閉弁時期の指令値に基づいて行われる。ステップ104において、吸気弁が閉弁されていないと判定された場合には以降のステップは実行されない。一方、吸気弁が閉弁されたと判定された場合にはステップ105へと進む。ステップ105では、ステップ101で読み込まれた燃焼室内圧力Pの値が初期値P(0)とされ、ステップ102で算出された燃焼室容積Vの値が初期値V(0)とされる。これにより、ステップ104で吸気弁が閉弁されたと判定された直後の燃焼室内圧力Pおよび燃焼室容積Vが初期値とされる。次いで、ステップ106では、フラグXQの値が1にセットされる。
次いで、ステップ107では、燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力P(i)baseが下記式(7)によって算出される。ここでiは、ステップ107での処理回数を表しており、吸気弁閉弁後にステップ107が実行されたときにi=1とされる。なお、式(7)中のΔP(i−1)refbaseについては下記式(8)によって算出される。また、P(i)refは式(3)によって算出される。ここで、式(3)における初期値P(0)およびV(0)にはステップ105で取得された初期値P(0)およびV(0)が用いられる。
ステップ108では、ステップ107で算出された燃焼室内で燃焼が生じなかった場合の燃焼室内圧力P(i)baseと、ステップ101で読み込まれた現在の燃焼室内圧力Pと、ステップ102で算出された現在の燃焼室容積Vとから、下記式(9)によってPVbaseが算出される。
PVbase=(P−P(i)base)・V …(9)
次いでステップ109では、ステップ102で算出したPVの値からステップ108で算出したPVbaseを減算してΔPVが算出される。
PVbase=(P−P(i)base)・V …(9)
次いでステップ109では、ステップ102で算出したPVの値からステップ108で算出したPVbaseを減算してΔPVが算出される。
ステップ110は、ΔPV微分値の算出操作を示す。本実施形態では、ΔPV微分値d(ΔPV)/dθは、ステップ109において今回算出されたΔPVの値ΔPV(j)と、前回算出されたΔPVの値ΔPV(j−1)との差分として算出される。
ステップ111〜114では、早期噴射によって噴射された燃料の燃焼が終了した時期が算出される。
ステップ111では、フラグXRの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグXRは、早期噴射に対応する燃焼が開始したか否かを示すフラグであり、XR=1は燃焼が開始したことを示している。ステップ111において、燃焼が開始している場合(XR=1)にはステップ112および113が実行ず、ステップ114へと進む。一方、燃焼が開始していない場合にはステップ112へと進む。
ステップ111では、フラグXRの値が1にセットされているか否かが判定される。フラグXRは、早期噴射に対応する燃焼が開始したか否かを示すフラグであり、XR=1は燃焼が開始したことを示している。ステップ111において、燃焼が開始している場合(XR=1)にはステップ112および113が実行ず、ステップ114へと進む。一方、燃焼が開始していない場合にはステップ112へと進む。
ステップ112では、ステップ110で算出されたΔPV微分値d(ΔPV)/dθが所定値C1よりも大きいか否かが判定される。所定値C1は零よりも僅かに大きい値であり、また、ΔPV微分値d(ΔPV)/dθは早期噴射に対応する燃焼が開始された場合に所定値C1よりも大きくる。ステップ112で、ΔPV微分値が所定値C1以下であると判定された場合にはステップ113〜116は実行されない。一方、ΔPV微分値が所定値C1よりも大きいと判定された場合にはステップ113へと進む。ステップ113では、フラグXRの値が1にセットされる。
ステップ114では、ΔPV微分値d(ΔPV)/dθが0よりも小さいか否かが判定される。ΔPV微分値が0よりも小さくなることは、早期噴射に対応する燃焼が終了したことを意味する。ステップ114において、ΔPV微分値が0以上であると判定された場合にはステップ115および116は実行されない。一方、ΔPV微分値が0よりも小さいと判定された場合にはステップ115へと進む。
ステップ115では、ステップ109において算出されたΔPVの値が、早期噴射に対応する燃焼が終了したときのΔPVの値ΔPVendとされる。すなわち、ステップ111〜114の処理を行った結果、ステップ115の処理が実行される場合とは、早期噴射に対する燃焼が終了した直後であるため、このときに算出されたΔPVの値は早期噴射に対応する燃焼が終了したときのΔPVの値を示しているからである。次いで、ステップ116では、フラグXQおよびXRの値が零にリセットされ、且つステップ107で用いられる処理回数を表すパラメータiも零にリセットされる。
上述したように、図4および図5の操作を実行することにより、各サイクル毎に、および各気筒毎に早期噴射に対応する燃焼終了時期におけるΔPVの値が算出され、記憶される。
次に、上述したように算出した早期噴射に対応する燃焼終了時期におけるΔPVの値を用いた主噴射の噴射時期制御について説明する。上述したように、失火の発生を防止しつつ排気ガスの昇温効果を高めるという観点から、主噴射遅角制御を実行している場合には、主噴射の噴射時期を失火限界時期または燃焼悪化限界時期に制御するのが好ましい。そこで、本実施形態では、主噴射の噴射時期を失火限界時期または燃焼悪化限界時期に制御する。なお、以下の説明では、主噴射の噴射時期を燃焼悪化限界時期に制御する場合について説明するが、失火限界時期に制御する場合も同様に制御を行うことができる。
本実施形態では、主噴射遅角制御中において、主噴射の噴射時期は、ECU20により別途実行される図示しない噴射時期設定操作により、機関回転数およびアクセル開度等を用いて予め定められた関係に基づいて燃焼悪化限界時期となるように設定されている。ただし、このように設定された目標噴射時期は、早期噴射による筒内発熱量に関する全てのパラメータに基づいて設定されているわけではなく、また、燃料噴射弁固体間のばらつきや、燃焼室の放熱特性の経時変化等が考慮されておらず、したがって、燃焼悪化限界時期となっていない場合がある。
そこで、本実施形態では、早期噴射に対応する燃焼終了時期におけるΔPVの値ΔPVendを用いて、主噴射の噴射時期が燃焼悪化限界時期となるように主噴射の噴射時期をフィードバック補正する。図6に、本実施形態における主噴射の噴射時期の補正操作の手順を説明するフローチャートを示す。本操作は、ECU20により図4および図5に示したΔPVの算出操作終了後毎に実行される。以下、このフローチャートに従って補正操作の手順を説明する。
ステップ121では、ECU20において噴射時期設定操作によって機関回転数およびスロットル開度に基づいて算出される目標噴射時期CAtarと、上述した図4および図5の算出操作によって算出されたΔPVendとがECU20から取得される。次いで、ステップ122において、ECU20に記憶されているマップに基づいて、ステップ121で取得されたΔPVendの値から燃焼悪化限界時期CAlimが算出される。マップにおけるΔPVendと燃焼悪化限界時期CAlimとの関係は予め実験的に求められて保存されているものであってもよいし、後述するように学習制御によって算出されるものであってもよい。なお、本実施形態では、上記マップでは、ΔPVendのみを引数として燃焼悪化限界時期CAlimが算出されるが、マップの引数はΔPVendのみではなく、機関運転状態を表す他の一つまたは複数のパラメータ(例えば、早期噴射に対応する燃焼の終了時期、機関回転数、吸気ガスの温度、機関冷却水温等)を引数としてもよい。
ステップ123では、ステップ122で算出された燃焼悪化限界時期CAlimからステップ111で取得された目標噴射時期CAtarを減算した値の絶対値|CAlim−CAtar|が所定値C2より大きいか否かが判定される。ここで、所定値C2は、零以上の絶対値であり、零近傍の値である。したがって、ステップ123では、算出された燃焼悪化時期と目標噴射時期との差が一定範囲内に収まっているか否かが判定される。ステップ123において上記絶対値が所定値以下であると判定された場合には、目標噴射時期はそのまま変更されず、その目標噴射時期に主噴射が行われるように、燃料噴射弁へ主噴射の噴射指令が送られる。
一方、ステップ123において、上記絶対値が所定値よりも大きいと判定された場合には、ステップ124へと進む。ステップ124では、ステップ122で算出された燃焼悪化限界時期CAlimがステップ111で取得された目標噴射時期CAtarよりも小さいか否か、すなわち目標噴射時期が燃焼悪化限界時期よりも早いか否かが判定される。目標噴射時期が燃焼悪化限界時期よりも早いと判定された場合(CAlim<CAlim)には、ステップ125へと進み、目標噴射時期CAtarの値に所定クランク角ΔCA1を加えた値、すなわち目標噴射時期CAtarのΔCA1だけ後が新たな目標噴射時期とされる。なお、この所定クランク角ΔCA1は予め定められた一定の値でもよいし、CAlimとCAtarとの差に基づいて算出された値であってもよい。
一方、ステップ124において目標噴射時期が燃焼悪化限界時期よりも遅いと判定された場合(CAlim>CAlim)には、ステップ125へと進み、目標噴射時期CAtarの値から所定クランク角ΔCA2を減算した値、すなわち目標噴射時期CAtarのΔCA2だけ前が新たな目標噴射時期とされる。なお、この所定クランク角ΔCA1は予め定められた一定の値でもよいし、CAlimとCAtarとの差に基づいて算出された値であってもよい。そして、これら新たな目標噴射時期に主噴射が行われるように、燃料噴射弁へ主噴射の噴射指令が送られる。
このように、図6の操作を実行することにより、燃焼悪化限界時期近傍となるように主噴射の噴射時期が制御され、主噴射に関する失火の発生を防止しつつ排気ガスの昇温効果を高めることができる。
なお、上記主噴射の噴射時期の補正操作では、ΔPVの値に基づいて目標噴射時期を補正するようにしているが、主噴射遅角制御中には、主噴射の目標噴射時期としてΔPVの値に基づいて算出された燃焼悪化限界時期を採用するようにしてもよい。これにより、主噴射に関する失火の発生を防止しつつ排気ガスの昇温効果を最大限に高めることができる。
ところで、早期噴射に対応する燃焼終了時期におけるΔPVの値ΔPVendと燃焼悪化限界時期CAlimとの関係は、常に一定ではなく、燃料噴射弁固体間のばらつきや、燃焼室の放熱特性の経時変化等によって変化する。したがって、ΔPVendとCAlimとの関係を予め実験的に求めてマップとしてECU20に記憶させ、その関係の更新をしない場合、図6に示した主噴射の噴射時期制御を行っても主噴射によって噴射された燃料の燃焼悪化が続いてしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、図6に示した主噴射の噴射時期制御を行った結果、主噴射によって噴射された燃料の燃焼悪化が起きてしまう場合には、ECU20に記憶されているマップ上のΔPVendとCAlimとの関係を燃焼悪化が起きないように補正する学習制御を行う。すなわち、上記主噴射の噴射時期制御を行った結果、主噴射に対応する燃焼の悪化が検出された場合には、ΔPVendに対する燃焼悪化限界時期CAlimを進角側へ修正する。
この様子を図7に示す。図7はマップとして記憶されるΔPVendとCAlimとの関係を示しており、図中の実線で示したΔPVendとCAlimとの関係に基づいて主噴射の噴射時期制御を行った結果として燃焼悪化が起きた場合には、ΔPVendに対するCAlimが進角側に修正されていることが分かる。図7に示した例では、全てのΔPVendに関して同じ進角量だけ進角側にCAlimが修正されているが、ΔPVendに応じて異なる進角量だけ修正するようにしてもよい。
図8に、本実施形態における、図6に示した操作のステップ112において用いられるマップの修正操作の手順を説明するフローチャートを示す。本操作は各サイクル毎に行われる。まず、ステップ141において膨張行程が終了したか否かが判定される。これは後述する燃焼悪化の判定を行う際に、膨張行程が終了していることが必要とされるためである。膨張行程が終了していないと判定された場合にはステップ142〜144は実行されない。一方、膨張行程が終了したと判定された場合、ステップ142へと進む。
ステップ142では、主噴射に対応する燃焼の悪化が生じたか否かが判定される。この燃焼悪化の判定方法については後述する。ステップ142において燃焼悪化が生じていると判定された場合にはステップ143へと進む。ステップ143では、全てのΔPVendに対するCAlimの値が所定値ΔCA3だけ進角側へ修正される。所定値ΔCA3は比較的小さい角度である。一方、ステップ142において燃焼悪化が生じていないと判定された場合には、ステップ144へと進む。ステップ144では、全てのΔPVendに対するCAlimの値が所定値ΔCA4だけ遅角側へ修正される。この所定値ΔCA4は極めて小さい角度であり、上記所定値ΔCA3に比べて小さい角度である。なお、ステップ144は、ステップ143のみを実行してCAlimが進角側にのみ修正されるのを防止するためのものである。
次に、主噴射に対応する燃焼の悪化が生じたか否かの判定方法(以下、「燃焼悪化の判定方法」と称す)について簡単に説明する。
各サイクルにおけるPVの最大値をPVmaxとし(図2参照)、PVがPVmaxとなるときのクランク角をCApvmaxとすると、燃焼悪化を生ずることなく主噴射によって噴射された燃料が燃焼した場合には、これらPVmaxおよびCApvmaxはそれぞれ所定PV範囲内および所定クランク角範囲内に収まる。
ところが、主噴射に対応する燃焼が悪化した場合には、PVmaxおよびCApvmaxは共に上記所定PV範囲内および所定クランク角範囲内になく、PVmaxは所定PV範囲よりも小さい値となり、CApvmaxは所定クランク角範囲よりも遅角側の時期となる。したがって、本実施形態では、PVmaxおよびCApvmaxを算出し、これらPVmaxおよびCApvmaxがそれぞれ所定PV範囲内または所定クランク角範囲内にあるか否かを判定し、これらの一方または両方が所定範囲内にない場合を主噴射に対応する燃焼が悪化したものとする。
なお、本実施形態では、PVendと燃焼悪化限界時期との関係を修正しているが、PVendと失火限界時期との関係を修正する場合も同様に行うことができる。ただし、この場合、失火の判定について、PVmaxは圧縮上死点で起こるため、CApvmaxは上記所定クランク角範囲よりも進角側の時期となる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、発熱パラメータとして、上記第一実施形態で用いたΔPVの代わりに、ΔPVκが用いられる。まず、このΔPVκの物理的な意味について説明する。
ところで、内燃機関における単位クランク角当たりの筒内発熱量、すなわち熱発生率dQは下記式(9)のように表せる。
ここで、圧縮上死点付近において行われ且つ噴射期間の短いパイロット燃料噴射では、V1-κの変化が小さく、したがってV1-κを一定と近似することができる。この場合、式(9)を積分して下記式(10)を導き出すことができる。したがって、PVκの値は筒内発熱量に相当する値となっている。
このため、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合の燃焼室内圧力と燃焼室内容積のκ乗との積をPVκbaseとすると、筒内圧センサ29に基づいて算出されたPVκからPVκbaseを減算した値ΔPVκは、燃焼による筒内発熱量に対応した値となる(ΔPVκ=PVκ−PVκbase)。したがって、パイロット噴射燃料燃焼終了時期におけるΔPVκ値を算出すれば、算出したΔPVκ値はパイロット燃料噴射による燃焼によって発生した総筒内発熱量に対応する値となる。
ここで、PVκbaseの算出方法について説明する。上述したように、気筒内のピストンの移動による圧縮および膨張を指数κのポリトロープ変化で近似することができれば、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のPVκ値は常に一定となる。しかしながら、上述したように、燃焼室壁面等から燃焼室内のエネルギ(熱)が奪われて熱損失が発生するため、PVκ値はクランク角θが進むにつれて徐々に小さくなる。このPVκ値の減少は、クランク角θに対して一定の割合で起こるため、図2に示したようにPVκbaseは直線的に近似できる。
そこで、本実施形態では、吸気弁閉弁後であってパイロット燃料噴射前におけるPVκ値とこのときのクランク角との関係を、クランク角の異なる2点で取得する。そして、このように取得したPVκ値とクランク角との関係に基づき、外挿法により図2に示したようなPVκbaseの直線の式が求める。
一般に、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のPVκ値の変化は緩慢であり、また、上述したPVκbaseの算出方法では、燃焼室壁面等からの熱損失分を上述したPVbaseを算出したときのように完全な近似によって求めているのではなく、実際の検出値に基づいて算出しているため、PVκbaseの直線は比較的精度よく燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のPVκの変化を表している。
上述したPVbaseの算出方法では、燃焼室壁面等からの熱損失分は完全な近似によって算出されているため、PVκbaseの算出精度はPVbaseの算出精度よりも高い。このため、場合によっては、ΔPVκの算出精度はΔPVの算出精度よりも高い。ただし、上述したようにΔPVκと筒内発熱量とは、圧縮上死点付近において行われ且つ噴射期間の短いパイロット燃料噴射を行ったときにのみ式(10)に示したような関係となるため、このようなパイロット燃料噴射を行ったときに本実施形態を利用するが好ましい。
このようにして算出されたΔPVκは、上記第一実施形態におけるΔPVと同様に用いることができる。したがって、ΔPVκのクランク角θに対する変化率d(ΔPVκ)/dθの値(以下、「ΔPVκ微分値」と称す)が、圧縮行程開始から初めて正の値をとった時期を早期噴射による燃料の燃焼が開始した時期(CAstart)と判定し、期噴射による燃料の燃焼の開始判定が行われてからΔPVκ微分値が初めて零よりも小さい値をとった時期を早期噴射による燃料の燃焼が終了した時期(CAend)と判定する。よって、ΔPVκの算出時期は、圧縮行程開始においてΔPVκ微分値が正の値をとってから初めて零よりも小さい値をとった時期とされる。
そして、主噴射の噴射時期制御では、上記算出時期に算出されたΔPVκの値ΔPVκendを用いて、主噴射の噴射時期が燃焼悪化限界時期または失火限界時期となるように主噴射の噴射時期がフィードバック補正される。これにより、主噴射に関する失火の発生を防止しつつ排気ガスの昇温効果を高めることができる。
なお、上記第一実施形態および第二実施形態では、ΔPVおよびΔPVκに基づいて燃焼悪化限界時期または失火限界時期を算出している。しかしながら、燃焼悪化限界時期または失火限界時期は、主噴射の直前における燃焼室内の温度、すなわち熱エネルギに応じても変化する。そこで、上記ΔPVまたはΔPVκの代わりに、PVに基づいて燃焼悪化限界時期または失火限界時期を算出するようにしてもよい。
1…ディーゼル機関
3…コモンレール
10a〜10d…筒内燃料噴射弁
20…電子制御ユニット(ECU)
21…アクセル開度センサ
25…クランク角センサ
29a〜29d…筒内圧センサ
3…コモンレール
10a〜10d…筒内燃料噴射弁
20…電子制御ユニット(ECU)
21…アクセル開度センサ
25…クランク角センサ
29a〜29d…筒内圧センサ
Claims (7)
- 機関燃焼室に燃焼を噴射する燃料噴射弁を具備し、圧縮上死点近傍における主噴射の前に早期噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御装置において、
燃焼室内圧力を検出する筒内圧センサと、該筒内圧センサで検出した実際の燃焼室内圧力と機関クランク角とを用いて燃焼室内に発生した筒内発熱量に関する発熱パラメータを算出する発熱パラメータ算出手段とをさらに具備し、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期に、上記発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、上記主噴射に関して失火が発生することのないように該主噴射の噴射時期を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 機関運転状態に基づいて上記早期噴射を行った上で上記主噴射の噴射時期を遅角させる主噴射遅角制御を実行可能であり、該主噴射遅角制御実行中には、主噴射後に上記発熱パラメータ算出手段によって算出された発熱パラメータの値に基づいて、上記主噴射に関して失火が発生しない範囲内で最も遅角側の時期である失火限界時期、あるいは主噴射を遅角させることによる主噴射の燃焼悪化が起こらない範囲内で最も遅角側の時期である燃焼悪化限界時期を算出する限界時期算出手段をさらに具備し、上記主噴射の噴射時期を上記限界時期算出手段によって算出された失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期またはこれら限界時期よりも進角側の時期となるように制御する請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 上記発熱パラメータは、上記筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vとの積PVと、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のピストンの圧縮のみにより生じる燃焼室内圧力とクランク角から定まる燃焼室容積との積PVbaseとの差ΔPVである請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 内燃機関の圧縮行程中において、上記ΔPVのクランク角θに対する変化率d(ΔPV)/dθの値が、零以上の第一所定値を超えた後に該第一所定値以下であって零近傍の第二所定値よりも小さい値となった時期を、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期として採用する請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 上記発熱パラメータは、上記筒内圧センサで検出した燃焼室内圧力Pとクランク角θから定まる燃焼室容積Vの予め定めた定数κ乗との積PVκと、燃焼室内で燃焼が生じなかったと仮定した場合のピストンの圧縮のみにより生じる燃焼室内圧力とクランク角から定まる燃焼室容積の上記定数κ乗との積PVκbaseとの差ΔPVκである請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 内燃機関の圧縮行程中において、上記ΔPVκのクランク角θに対する変化率d(ΔPVκ)/dθの値が、零以上の第一所定値を超えた後に該第一所定値以下であって零近傍の第二所定値よりも小さい値となった時期を、上記早期噴射に対応する燃焼の終了後であって主噴射開始前の時期として採用する請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 上記主噴射に関する燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段をさらに具備し、上記主噴射の噴射時期を上記限界時期算出手段によって算出された失火限界時期または燃焼悪化限界時期あるいはこれら限界時期よりも進角側の時期となるように制御した結果、上記燃焼状態検出手段によって主噴射に関する失火が発生している燃焼状態あるいは主噴射を遅角させることによる主噴射の燃焼悪化が発生している燃焼状態が検出された場合には、上記限界時期算出手段によって算出される失火限界時期あるいは燃焼悪化限界時期を進角側に補正するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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