JP6069217B2 - 光学ガラス、プレス成形用ガラス素材、ならびに光学素子およびその製造方法 - Google Patents

光学ガラス、プレス成形用ガラス素材、ならびに光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学ガラス、前記光学ガラスよりなるプレス成形用ガラス素材および光学素子、ならびに前記プレス成形用ガラス素材を用いる光学素子の製造方法に関する。
近年、撮像装置の高機能化、コンパクト化に伴い、高屈折率ガラス製レンズの需要が高まっている。このようなレンズのためのガラス材料としては、例えば特許文献1に開示されているような高屈折率低分散ガラスが知られている。高屈折率低分散ガラスからなるレンズは、高屈折率高分散ガラスからなるレンズと組み合わせることにより、色収差を補正しつつ光学系のコンパクト化を可能にするものであり、撮像光学系やプロジェクタなど投射光学系を構成する光学素子として非常に重要な位置を占めている。
特開2007−269584号公報
従来の高屈折率低分散ガラスでは、Taが主要成分として用いられていた(例えば特許文献1参照)。これは、Taが高屈折率低分散ガラスにおいて耐失透性や製造安定性向上等に寄与するからである。しかし近年、レアメタルの価格は高騰しており、中でもタンタル(Ta)は突出して高価になっているうえに、市場への供給量は減少している。そのため、ガラス製造分野では、ガラス原料としてのタンタルの使用量を低減することが求められている。
そこで本発明の目的は、Taの使用量を抑えつつ、優れた製造適性を有する高品質な高屈折率低分散ガラスを提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、
カチオン%表示で、
Si4+およびB3+を合計で35〜55%、
La3+、Gd3+およびY3+を合計で30〜55%(但し、Gd3+の含有量が5〜20%)、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+を合計で7〜20%、
Zr4+を2〜8%、
Zn2+を0〜10%、
含み、
Gd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/Gd3+)は0〜0.80の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するGd3+の含有量のカチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.65〜2.00の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0〜0.30の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTi4+の含有量のカチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.30〜0.90の範囲である酸化物ガラスであり、
屈折率ndが1.890〜1.950の範囲であり、
アッベ数νdが屈折率ndに対してνd≧(2.334−nd)/0.012の関係を満たし、かつ39.0以下である光学ガラス、
により、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
更に本発明の一態様によれば、
上述の光学ガラスよりなるプレス成形用ガラス素材;
上述の光学ガラスよりなる光学素子;および、
上述のプレス成形用ガラス素材を加熱し、プレス成形型を用いてプレス成形してガラス成形体を作製する工程と、
作製したガラス成形体を加工して光学素子を得る工程と、
を含む光学素子の製造方法、
も提供される。
本発明の一態様によれば、高屈折率低分散ガラスを、多量のタンタルを使用することなく安定供給することが可能となる。
比較例1、2および4ではガラス化が不可能であったことを示す結果(デジタルカメラ写真)を示す。
[光学ガラス]
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、カチオン%表示で、
Si4+およびB3+を合計で35〜55%、
La3+、Gd3+およびY3+を合計で30〜55%(但し、Gd3+の含有量が5〜20%)、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+を合計で7〜20%、
Zr4+を2〜8%、
Zn2+を0〜10%、
含み、
Gd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/Gd3+)は0〜0.80の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するGd3+の含有量のカチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.65〜2.00の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0〜0.30の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTi4+の含有量のカチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.30〜0.90の範囲である酸化物ガラスであり、
屈折率ndが1.890〜1.950の範囲であり、
アッベ数νdが屈折率ndに対してνd≧(2.334−nd)/0.012の関係を満たし、かつ39.0以下である光学ガラス、
である。
以下、本発明の一態様にかかる光学ガラスについて、更に詳細に説明する。以下において、特記しない限り「%」とは、「カチオン%」を意味するものとする。
ガラス組成
本発明の光学ガラスは酸化物ガラスであり、主要アニオン成分はO2−である。O2−以外のアニオン成分としては、F、Clなどを例示することができる。O2−の含有量は95アニオン%以上であることが好ましく、98アニオン%以上であることがより好ましく、99アニオン%以上であることがさらに好ましく、100アニオン%であることが特に好ましい。
次にカチオン成分について説明する。
Si4+、B3+はともにガラスの網目形成成分であり、Si4+とB3+の合計含有量が35%未満では、屈折率は上昇するがアッベ数の減少、ガラスの安定性低下、液相温度の上昇が起こる。一方、Si4+とB3+の合計含有量が55%を超えると屈折率は低下しアッベ数は増加する。そのため、Si4+とB3+の合計含有量は35〜55%とする。上記観点から、Si4+とB3+の合計含有量の好ましい上限は50%、より好ましい上限は49%、さらに好ましい上限は48%であり、好ましい下限は40%、より好ましい下限は42%、さらに好ましい下限は43%である。
Si4+は、ガラスの粘性を上昇させ、ガラスの安定性および成形性を向上させる働きをするため、必須成分として6%以上導入することが好ましい。屈折率および熔解性の観点からは、Si4+の含有量は15%以下とすることが好ましい。上記観点から、Si4+の含有量のより好ましい上限は14%、さらに好ましい上限は13%、一層好ましい上限は12%、さらに一層好ましい上限は11%である。
ガラスの安定性および成形性の観点から、Si4+の含有量のより好ましい下限は7%、さらに好ましい下限は8%、一層好ましい下限は9%、さらに一層好ましい下限は10%である。
3+は、ガラスの安定性を向上させるとともに液相温度を低下させる働きがあり、ガラス成形性を向上させる働きもある成分である。屈折率を高めつつガラスの安定性を維持し、液相温度の上昇を防ぎ製造安定性を確保する観点から、B3+の含有量は25%以上とすることが好ましい。上記観点から、B3+の含有量のより好ましい下限は28%、さらに好ましい下限は30%、一層好ましい下限は32%、より一層好ましい下限は33%である。
屈折率の低下を防ぐ観点からは、B3+の含有量は45%以下とすることが好ましい。上記観点から、B3+の含有量のより好ましい上限は42%、さらに好ましい上限は40%、一層好ましい上限は38%、より一層好ましい上限は37%である。
Si4+とB3+の合計含有量については上記の通りであるが、該合計含有量に対するB3+の含有量のカチオン比(B3+/(Si4++B3+))が0.3未満では屈折率は低下し液相温度は上昇するため、カチオン比(B3+/(Si4++B3+))は0.3〜1とすることが好ましい。
ガラスの安定性を改善する上から、カチオン比(B3+/(Si4++B3+))の上限を0.99とすることがより好ましく、0.95とすることがさらに好ましく、0.90とすることが一層好ましく、0.85とすることがより一層好ましく、0.80とすることがさらに一層好ましい。カチオン比(B3+/(Si4++B3+))の好ましい下限は0.40、より好ましい下限は0.50、さらに好ましい下限は0.60、一層好ましい下限は0.70、より一層好ましい下限は0.75である。
La3+は、ガラスの安定性を向上させ、後述する部分分散特性の指標であるΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める成分である。
Gd3+は、ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める成分である。
3+は、ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める成分である。
La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量が30%未満では、高屈折率および低分散を実現しつつ、ガラスの安定性を維持し、液相温度の上昇を抑制することが困難となる。一方、La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量が55%を超えると、高屈折率および低分散を実現しつつ、ガラスの安定性を維持し、比重の増加を抑制することが困難となる。したがって、La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量は30〜55%の範囲とする。上記観点から、La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量の好ましい上限は55%、より好ましい上限は45%、さらに好ましい上限は40%であり、La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量の好ましい下限は32%、より好ましい下限は34%、さらに好ましい下限は35%である。
La3+の含有量は、ガラスの安定性を向上させ、ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める観点からは、15%以上とすることが好ましい。上記観点から、La3+含有量のより好ましい下限は17%、さらに好ましい下限は19%、一層好ましい下限は20%、より一層好ましい下限は21%である。
ガラスの安定性を維持し、液相温度の上昇および比重の増大を抑制する観点からは、La3+含有量を30%以下とすることが好ましい。上記観点から、La3+のより好ましい上限は28%、さらに好ましい上限は26%、一層好ましい上限は25%、より一層好ましい上限は24%である。
Gd3+の含有量は、ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める観点からは、5%以上とすることが好ましい。上記観点から、Gd3+含有量のより好ましい下限は6%、さらに好ましい下限は7%、一層好ましい下限は8%、より一層好ましい下限は9%、さらに一層好ましい下限は10%である。
ガラスの安定性を維持し、液相温度の上昇および比重の増大を抑制する観点からは、Gd3+の含有量を20%以下とすることが好ましい。上記観点から、Gd3+含有量のより好ましい上限は18%、さらに好ましい上限は16%、一層好ましい上限は14%、より一層好ましい上限は12%である。
3+の含有量は、ガラスの安定性を維持し、液相温度の上昇および比重の増大を抑制する観点からは、10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Y3+含有量の好ましい上限は8%、より好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%である。
3+の含有量は0%以上とすることができる。ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める観点からは、Y3+含有量のより好ましい下限は0.1%、さらに好ましい下限は0.5%、一層好ましい下限は0.8%、より一層好ましい下限は1.0%、さらに一層好ましい下限は2.0%である。
Ti4+およびW6+は、屈折率を高める働きをする成分である。
Nb5+は、屈折率を高める働きをする成分であり、Ti4+やW6+よりもΔPg,F値を小さくする効果がある。
Ta5+は、高屈折率低分散ガラスにおいてガラス安定性を改善するために有効な成分である。
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量が20%を超えると、屈折率ndが上昇し、アッベ数νd、ガラス安定性ともに低下し、液相温度が上昇する。また7%未満では屈折率nd、ガラス安定性ともに低下し、液相温度が上昇する。したがって、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量は7〜20%の範囲とする。上記観点から、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量の好ましい上限は18%、より好ましい上限は16%、さらに好ましい上限は14%、一層好ましい上限は12%であり、好ましい下限は8%、より好ましい下限は9%である。
Ti4+は、屈折率を高める観点からは、1%以上導入することが好ましい。上記観点から、Ti4+含有量の好ましい下限は2%、より好ましい下限は3%、さらに好ましい下限は4%である。
ΔPg,F値の増加、ガラスの安定性低下、およびガラスの着色を抑制する観点からは、Ti4+の含有量を10%以下とすることが好ましい。Ti4+のより好ましい上限は9%、さらに好ましい上限は8%、一層好ましい上限は7%、より一層好ましい下限は6%である。
Nb5+の含有量は、ガラスの安定性を維持しつつ、アッベ数の減少および液相温度の上昇を抑制する観点からは、10%以下とすることが好ましい。Nb5+のより好ましい上限は8%、さらに好ましい上限は6%、一層好ましい上限は5%、より一層好ましい上限は4%である。
Nb5+の含有量は0%以上とすることができる。屈折率を高める観点からは、より好ましい下限は0.5%、さらに好ましい下限は1.0%、一層好ましい下限は2.0%、より一層好ましい下限は3.0%である。
Ta5+は、先に記載の通り、高屈折率低分散ガラスにおいてガラス安定性を改善するために有効な成分である。ただし、前述のように希少かつ極めて高価であるため導入量を低減することが望ましい。この点について本発明者らは相当数の試行錯誤を重ねた結果、Ta5+の含有量を低減しつつ、高品質な高屈折率低分散ガラスを提供することを可能にした。これは主に、上述したように、Ta5+の導入量をGd3+、Ti4+、Nb5+、W6+の導入量とバランスさせたことと、後述するように、Gd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比を制御したことによるものである。これにより本発明によれば、Ta5+の導入量を4%以下、更には3%以下、2.5%以下、2.0%以下、1.5%以下、さらには0%にまで低減することが可能となる。
6+の含有量は、0%以上とすることができる。ガラスの安定性を維持しつつ、ΔPg,F値および比重の増加、ならびにガラスの着色を抑制する観点からは、W6+の含有量は10%以下とすることが好ましい。上記観点から、W6+含有量のより好ましい上限は8%、さらに好ましい上限は6%、一層好ましい上限は4%、より一層好ましい上限は2%である。W6+を含有させないことがさらに一層好ましい。
Zr4+は、屈折率を高める働きをする成分であり、必須成分として2%以上導入する。ただしZr4+の含有量が8%を超えるとガラスの安定性は低下し、液相温度は上昇する。したがって、Zr4+の含有量は8%以下とする。上記観点から、Zr4+の好ましい上限は7%、より好ましい上限は6%であり、好ましい下限は3%、より好ましい下限は4%である。
Zn2+は、高屈折率を維持しつつ、熔融性を改善する成分である。ただしZn2+を10%を超えて導入すると、高屈折率を実現することが困難となる、ガラスの粘性が低下する、ガラス転移温度が低下する、ガラス安定性が低下する等の問題が生じるため、Zn2+の含有量は0〜10%の範囲とする。Zn2+の含有量の好ましい上限は8%、より好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は5%、一層好ましい上限は4%であり、より一層好ましい上限は3%である、また、熔融性改善の観点からは、好ましい下限は0.1%、より好ましい下限は0.5%、さらに好ましい下限は0.8%、一層好ましい下限は1.0%である。
上述の通りTa5+の導入量は低減することが好ましいが、Ta5+は高屈折率低分散ガラスにおいてガラスの安定性向上に寄与する成分であり、単にTa5+の導入量を低減するのみでは、ガラスが結晶化しやすくなり、高屈折率低分散特性とガラス安定性を両立することは困難となる。
これに対し本発明では、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するGd3+の含有量のカチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))を0.65〜2.00の範囲とし、かつGd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/Gd3+)を0〜0.80の範囲とすることで、Ta5+の導入量を低減しつつ、高いガラス安定性を有する高屈折率低分散ガラスを得ることができる。
一方、カチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が上記範囲外となるとガラス化は困難であり、ガラス化できたとしても、2.00を超えると、所望の特性を維持しつつ高屈折率を実現することは困難であり、0.65を下回ると低分散性特性を得ることは困難となる。また、カチオン比(Zn2+/Gd3+)を0〜0.80の範囲とすることで、ガラスの粘性を高め結晶化を抑制することができるが、0.80を超えると結晶化傾向は増大し、ガラス化が困難となる。
Ta5+の導入量を抑えつつ、高屈折率低分散特性とガラス安定性をより一層効果的に両立するためには、カチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の好ましい上限は1.80、より好ましい上限は1.60、さらに好ましい上限は1.50、一層好ましい上限は1.40、より一層好ましい上限は1.30、さらに一層好ましい上限は1.20であり、好ましい下限は0.70、より好ましい下限は0.80、さらに好ましい下限は0.90、一層好ましい下限は1.00であり、カチオン比(Zn2+/Gd3+)の好ましい上限は0.70、より好ましい上限は0.60、さらに好ましい上限は0.50、一層好ましい上限は0.40、より一層好ましい上限は0.30であり、好ましい下限は0.01、より好ましい下限は0.05、さらに好ましい下限は0.10、一層好ましい下限は0.13である。
Ta5+は、高屈折率寄与成分であるTi4+、Nb5+、Ta5+、W6+の中で最も低分散性を示すため高屈折率低分散ガラスを得るうえで有効な成分である。ただし、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.30を超えると、屈折率は低下し比重は増加するため、上記カチオン比は0〜0.30の範囲とする。また、上記の通りTa5+は高価であるため、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比0.30以下とすることは、低コスト化の点でも好ましい。カチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の好ましい上限は0.28、より好ましい上限は0.26、さらに好ましい上限は0.24、一層好ましい上限は0.22、より一層好ましい上限は0.20、さらに一層好ましい上限は0.18である。ごく少量のTa5+の添加でガラス安定性を大きく高める観点からは、カチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の好ましい下限は0.01であり、より好ましい下限は0.05である。
Ti4+は、高屈折率寄与成分であるTi4+、Nb5+、Ta5+、W6+の中で最も高分散性を示す成分であるが、最も安価である。したがって、安価なガラス材料を提供するためには、Ti4+を効果的に使用することが好ましい。そこで本発明では、高屈折率低分散ガラスを安価に提供するために、Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTi4+の含有量のカチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))0.30以上とする。ただし、上記カチオン比が0.90を超えるほどTi4+を導入すると、ガラス安定性が低下するため、上記カチオン比は0.90以下とする。カチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の好ましい上限は0.80、より好ましい上限は0.70、さらに好ましい上限は0.65、一層好ましい上限は0.60であり、好ましい下限は0.35、より好ましい下限は0.40、さらに好ましい下限は0.45、一層好ましい下限は0.50である。
以下、その他の成分について、説明する。
Li、Na、Kは、いずれも熔解性を改善する効果のある成分である。Li、Na、Kの各含有量は、0%以上とすることができる。
屈折率およびガラス安定性の低下を抑制する観点からは、それぞれの含有量は、10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Li、Na、Kのそれぞれ含有量について、より好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%である。Li、Na、Kは、いずれも導入しないことが、より一層好ましい。
Li、NaおよびKの含有量については上記の通りであるが、屈折率およびガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Li、NaおよびKの合計含有量は0〜10%とすることが好ましい。Li、NaおよびKの合計含有量のより好ましい上限は8%、さらに好ましい上限は6%、一層好ましい上限は4%、より一層好ましい上限は2%であり、さらに一層好ましい上限は1%であり、さらにより一層好ましい上限は0.5%である。上述の通り、Li、NaおよびKを導入しないことがなお一層好ましい。
Mg2+は、熔融性を改善させる働きがあり、比重を低下させる効果もある成分である。Mg2+含有量は、0%以上とすることができる。
アッベ数および液相温度の上昇、ならびにガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Mg2+の含有量を10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Mg2+含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%であり、より一層好ましい上限は1%であり、さらに一層好ましい上限は0.5%である。Mg2+を含有しないことがなお一層好ましい。
Ca2+は熔融性を改善させる働きがあり、ガラスを低比重にする効果もある成分である。Ca2+含有量は、0%以上とすることができる。
アッベ数および液相温度の上昇、ならびにガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Ca2+の含有量を10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Ca2+含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%であり、より一層好ましい上限は1%であり、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Ca2+を含有しないことがなお一層好ましい。
Sr2+は、熔融性を改善させる働きがあり、ガラスの安定性を向上させる効果もある成分である。Sr2+含有量は、0%以上とすることができる。
アッベ数の増加およびガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Sr2+の含有量を10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Sr2+の含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%であり、より一層好ましい上限は1%であり、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Sr2+を含有しないことがなお一層好ましい。
Ba2+も、熔融性を改善させる働きがあり、ガラスの安定性を向上させる効果もある成分である。Ba2+含有量は、0%以上とすることができる。
アッベ数および比重の増加、ならびにガラス安定性の低下を防ぐ観点からは、Ba2+の含有量を10%以下とすることが好ましい。上記観点から、Ba2+の含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%であり、より一層好ましい上限は1%であり、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Ba2+を含有しないことがなお一層好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の含有量については上記の通りである。屈折率およびガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量は10%以下とすることが好ましい。Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量のより好ましい上限は8%、さらに好ましい上限は6%、一層好ましい上限は4%、より一層好ましい上限は2%であり、さらに一層好ましい上限は1%であり、さらにより一層好ましい上限は0.5%である。上記の通り、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+を導入しないことがなお一層好ましい。
Yb3+は、ΔPg,F値を大きくせずに屈折率を高める成分である。Yb3+含有量は、0%以上とすることができる。
ガラスの安定性を維持しつつ、液相温度および比重の上昇を防ぐ観点からは、Yb3+の含有量を10%以下とすることが好ましい。Yb3+有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%、より一層好ましい上限は1%、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Yb3+を含有しないことがなお一層好ましい。
Te4+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの安定性を高める働きをする成分である。Te4+含有量は、0%以上とすることができる。
ガラスの安定性を維持する観点からは、Te4+の含有量を10%以下とすることが好ましい。Te4+含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%、より一層好ましい上限は1%、さらに一層好ましい上限は0.5%である。Te4+は環境負荷への配慮の観点から、その使用量を削減することが望まれるため、Te4+を含有しないことがなお一層好ましい。
Ge4+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの安定性を高める働きをする成分である。Ge4+含有量は、0%以上とすることができる。
ガラスの安定性を維持する観点からは、Ge4+の含有量を10%以下とすることが好ましい。Ge4+は、ガラス成分として使用される物質の中で、格段に高価な成分であるため、製造コストの増大を抑える観点から、その使用量を少なくすることが望まれる。したがって、Ge4+の含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%、より一層好ましい上限は1%であり、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Ge4+を含有させないことがなお一層好ましい。
Bi3+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの安定性を高める働きをする成分である。Bi3+含有量は、0%以上とすることができる。
ガラスの安定性低下および着色を抑制する観点からは、Bi3+の含有量は10%以下とすることが好ましい。Bi3+の含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%、より一層好ましい上限は1%、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Bi3+を含有させないことがなお一層好ましい。
Al3+は、ガラスの安定性、化学的耐久性を改善する働きをする成分である。Al3+含有量は、0%以上とすることができる。
屈折率およびガラス安定性の低下を抑制する観点からは、Al3+の含有量は10%以下とすることが好ましい。Al3+の含有量のより好ましい上限は6%、さらに好ましい上限は4%、一層好ましい上限は2%、より一層好ましい上限は1%、さらに一層好ましい上限は0.5%であり、Al3+を含有させないことがなお一層好ましい。
本発明の光学ガラスには、上記成分とともに清澄剤としてSb、Snなどを添加してもよい。その場合、Sb、Snの添加量はSbに換算して外割りで0〜1質量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%、Snの添加量はSnOに換算して外割りで0〜1質量%とすることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
本発明の一態様にかかる光学ガラスの好ましいガラス組成としては、
カチオン%表示で、
Si4+ 6〜15%、
3+ 25〜45%、
Li 0〜10%、
Na 0〜10%、
0〜10%、
Mg2+ 0〜10%、
Ca2+ 0〜10%、
Sr2+ 0〜10%、
Ba2+ 0〜10%、
Zn2+ 0〜10%、
La3+ 15〜30%、
Gd3+ 5〜20%、
3+ 0〜10%、
Yb3+ 0〜10%、
Zr4+ 2〜8%、
Ti4+ 1〜10%、
Nb5+ 0〜10%、
Ta5+ 0〜4%、
6+ 0〜10%、
Te4+ 0〜10%、
Ge4+ 0〜10%、
Bi3+ 0〜10%、
Al3+ 0〜10%、
を含み、Si4+およびB3+の合計含有量は35〜55%の範囲であり、
Li、NaおよびKの合計含有量は0〜10%の範囲であり、
Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量は0〜10%の範囲であり、
La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量は30〜55%の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量は7〜20%の範囲であり、
Gd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/Gd3+)は0〜0.80の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するGd3+の含有量のカチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.65〜2.00の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0〜0.30の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTi4+の含有量のカチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.30〜0.90の範囲である酸化物ガラス、
を挙げることができる。
本発明のガラスは光学ガラスであり、着色の少ないことが望まれる。したがって、ガラスを着色するV、Cr、Mn、Cu、Ni、Fe、Pr、Nd、Eu、Tb、Ho、Erを含まないことが好ましい。また、環境への負荷を軽減する上からPb、Cd、Th、U、Tl、Se、Asを含まないことが好ましい。
Ga3+、Lu3+、In3+、Hf4+は少量であれば含有しても構わないが、これら成分による有意義な効果が得られることはなく、いずれも高価な成分であることから、それぞれの含有量を0〜2%の範囲とすることが好ましく、0〜1%の範囲とすることがより好ましく、0%以上0.5%未満の範囲とすることがさらに好ましく、0%以上0.1%未満の範囲とすることが一層好ましく、ガラスの生産コストを抑える上から含有させないことがより一層好ましい。
なお、本発明において含有しない、あるいは含有させない、導入しないとは、ガラス成分として添加しないことを意味するものであり、不純物など不可避的にガラスに混入するレベルのものまでを排除するものではない。各ガラス成分の含有量は、誘導結合プラズマ原子発光法(ICP−AES法)、イオンクロマトグラフィー法等の公知の定量方法により定量すればよい。
屈折率、アッベ数
本発明の一態様にかかる光学ガラスの屈折率ndは1.890〜1.950である。屈折率ndが1.890以上であることにより、本発明の光学ガラスを用いて高機能かつコンパクトな光学系を構成する光学素子を提供することができる。ただし高屈折率ガラスでは、屈折率を高めると液相温度やガラス転移温度が上昇傾向を示し製造適性が低下する。そのため、本発明では屈折率ndの上限を1.950とし、ガラスの製造安定性、成形性を維持する。
屈折率ndの上限は、1.940であることが好ましく、1.930であることがより好ましく、1.920であることがさらに好ましく、1.915であることが一層好ましく、1.910であることがより一層好ましい。
屈折率ndの下限は、1.893であることが好ましく、1.895であることがより好ましく、1.897であることがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスは、上記範囲の屈折率とともに、アッベ数νdが屈折率ndに対してνd≧(2.334−nd)/0.012の関係を満たし、かつ39.0以下である。アッベ数νdが上記範囲であることで、多種の光学ガラスからなる光学素子と組合せることで良好な色収差補正機能を得ることができる。
アッベ数νdの上限は、38.5であることが好ましく、38.0であることがより好ましく、37.5であることがさらに好ましい。
また、アッベ数νdは、上記の通りνd≧(2.334−nd)/0.012の関係を満たし、νd≧(2.445−nd)/0.015の関係を満たすことが好ましく、νd≧(2.630−nd)/0.020の関係を満たすことがより好ましく、νd≧(3.000−nd)/0.030の関係を満たすことが一層好ましく、νd≧(4.110−nd)/0.060の関係を満たすことがより一層好ましい。なお上記関係式を満たすアッベ数νdを有することは、本発明の光学ガラスが、従来、多量のTaの導入なしには実現することが困難であった高屈折率低分散ガラスであることを示すものである。
ガラス転移温度
ガラス転移温度Tgの高いガラスはガラス化しやすく大気中での安定性も高い。本発明によれば、上記組成調整により、高屈折率低分散特性と高い安定性を有する光学ガラスにおいて、650℃以上のガラス転移温度を実現することができる。即ち、本発明の一態様にかかる光学ガラスのガラス転移温度Tgは650℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度Tgは、より好ましくは660℃以上、さらに好ましくは670℃以上、一層好ましくは680℃以上、より一層好ましくは690℃以上、さらに一層好ましくは695℃以上である、また、プレス成形時のガラスの温度およびプレス成形型の温度の上昇を抑えることで、良好なプレス成形性を得る観点から、ガラス転移温度Tgは800℃以下であることが好ましく、780℃以下であることがより好ましく、770℃以下であることがさらに好ましく、760℃以下であることが一層好ましく、750℃以下であることがより一層好ましい。
部分分散性
撮像光学系、投射光学系などで、高次の色収差補正を行うには、本発明の光学ガラスからなるレンズと分散の高いガラスからなるレンズの組合せが効果的である。より高次の色収差を補正する場合、低分散ガラスとしては、部分分散比が小さいものが望ましい。
部分分散比Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、ncを用いて、(ng−nF)/(nF−nc)と表される。
本発明の一態様にかかる光学ガラスにおいて、高次の色収差補正に適したガラスを提供する上から部分分散比Pg,Fは0.600以下であることが好ましい。Pg,Fは、0.598以下であることがより好ましく、0.596以下であることがさらに好ましく、0.594以下であることが一層好ましく、0.592以下であることがより一層好ましく、0.590以下であることがさらに一層好ましく、0.585以下であることがなお一層好ましい。
ただし、部分分散比Pg,Fを過剰に減少させると、他の特性が好ましい範囲から逸脱する傾向を示す。そのため、部分分散比Pg,Fは0.560以上とすることが好ましい。部分分散比Pg,Fのより好ましい下限は0.564、さらに好ましい下限は0.566、一層好ましい下限は0.568、より一層好ましい下限は0.570、さらに一層好ましい下限は0.575である。
なお、部分分散比Pg,F−アッベ数νd図において、正常部分分散ガラスの基準となるノーマルライン上の部分分散比をPg,F(0)と表すと、Pg,F(0)はアッベ数νdを用いて次式で表される。
Pg,F(0)=0.6483−(0.0018×νd)
ΔPg,Fは、上記ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの偏差であり、次式で表される。
ΔPg,F=Pg,F−Pg,F(0)
=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
本発明の一態様にかかる光学ガラスにおける好ましい態様は、偏差ΔPg,Fが0.01以下であり、高次の色収差補正用の光学素子材料として好適である。本発明におけるΔPg,Fの好ましい範囲は0.008以下、より好ましい範囲は0.006以下、さらに好ましい範囲は0.004以下、一層好ましい範囲は0.002以下、より一層好ましい範囲は0.000以下である。偏差ΔPg,Fの好ましい下限は−0.01、より好ましい下限は−0.008、さらに好ましい下限は−0.006、一層好ましい下限は−0.005である。
比重
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、1.890〜1.950の範囲の屈折率ndを有する高屈折率ガラスである。一般にガラスは高屈折率化すると比重が増加傾向を示す。しかし比重の増加は光学素子の重量増加を招くため好ましくない。これに対し本発明の一態様にかかる光学ガラスは、上記ガラス組成を有することにより、高屈折率ガラスでありながら比重を、例えば5.50以下にすることができる。比重を過剰に減少させるとガラスの安定性が低下し、液相温度が上昇する傾向を示すため、比重は4.50以上とすることが好ましい。即ち、本発明の一態様にかかる光学ガラスの比重は、4.50〜5.50の範囲であることが好ましい。比重のより好ましい上限は5.40、さらに好ましい上限は5.35、一層好ましい上限は5.30であり、より一層好ましい下限は4.70、さらに一層好ましい下限は4.80、さらにより一層好ましい下限は4.90、なお一層好ましい下限は5.00、なおより一層好ましい下限は5.10である。
液相温度
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、上記ガラス組成を有することで、1300℃以下の液相温度を示すことができる。これにより、熔解温度やガラス融液の流出温度の上昇の抑制が可能となるため、高屈折率化とともに、高い均質性と着色の抑制を両立することができる。液相温度のより好ましい上限は1250℃、さらに好ましい上限は1240℃、一層好ましい上限は1230℃である。
液相温度を大きく低下させると、所要の屈折率、アッベ数を得ることが困難になる傾向があり、また部分分散比Pg,F値が上昇する傾向があるため、液相温度は1150℃以上とすることが好ましい。液相温度のより好ましい下限は1160℃、さらに好ましい下限は1170℃、一層好ましい下限は1180℃、より一層好ましい下限は1190℃、さらに一層好ましい下限は1200℃である。
着色(λ70、λ5)
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、上記ガラス組成を有することで着色を低減ないし抑制することができ、これにより可視光域の広い範囲にわたり高い光透過性を示すことができる。光学ガラスの着色の指標としては、波長280〜700nmの範囲において光線透過率が70%になる波長λ70、および同光線透過率が5%となる波長λ5を用いることができる。ここで、光線透過率とは、10.0±0.1mmの厚さに研磨された互いに平行な面を有するガラス試料を用い、前記研磨された面に対して垂直方向から光を入射して得られる分光透過率、すなわち、前記試料に入射する光の強度をIin、前記試料を透過した光の強度をIoutとしたときのIout/Iinのことである。分光透過率には、試料表面における光の反射損失も含まれる。また、上記研磨は測定波長域の波長に対し、表面粗さが十分小さい状態に平滑化されていることを意味する。λ70については、本発明の一態様にかかる光学ガラスは、例えば、450nm以下のλ70を示すことができる。本発明の一態様にかかる光学ガラスのλ70は440nm以下であることが好ましく、430nm以下であることがより好ましく、420nm以下であることがさらに好ましく、ただしλ70が低くなりすぎると、所要の光学特性を満たすことが困難になったり、ガラスの安定性が低下、液相温度が上昇傾向を示す場合があるため、λ70は350nm以上であることが好ましく、360nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることがさらに好ましく、380nm以上であることが一層好ましく、390nm以上であることがより一層好ましい。
また、本発明の一態様にかかる光学ガラスのλ5の好ましい範囲は370nm以下、より好ましい範囲は365nm、さらに好ましい範囲は360nm以下、一層好ましい範囲は355nm以下、より一層好ましい範囲は350nm以下である。
このように本発明の一態様にかかる光学ガラスは、高屈折率ガラスでありながら、優れた光線透過性を示し、撮像光学系、投射光学系を構成する光学素子の材料として好適なものである。
光学ガラスの製造方法
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、熔融法によって製造することができる。熔融法では、所望の組成および光学特性のガラスが得られるように、原料である酸化物、各種塩を秤量し、十分混合して調合原料とし、調合原料を加熱、熔融し、得られた熔融物を清澄、均質化した後、流出して均質な光学ガラスからなる成形体を得る。または、調合原料をルツボに投入して粗熔解して原料をガラス化し、カレット原料を作製する。さらに所望の光学特性の光学ガラスが得られるようにカレット原料を調合し、加熱、熔融し、得られた熔融物を清澄、均質化した後、流出して均質な光学ガラスからなる成形体を得てもよい。
[プレス成形用ガラス素材]
本発明の一態様にかかるプレス成形用ガラス素材(以下、ガラス素材という)は、上述の光学ガラスよりなる。
ガラス素材は、まず、上述の光学ガラスが得られるように調合したガラス原料を加熱、溶融し、成形する。このようにして作製したガラス成形体を加工し、プレス成形品1個分の量に相当するガラス素材を作製することができる。
一例として、熔融ガラスを型に鋳込んで板状またはブロック状に成形し、アニールした後、機械加工、すなわち切断、研削、研磨を行ってガラス素材を得ることができる。
または、パイプから熔融ガラス流を流出し、プレス成形品1個分の量に相当する熔融ガラス塊を熔融ガラス流の先端から分離し、その熔融ガラス塊を成形型上でガラス素材に成形してもよい。この場合、成形型上で前記ガラス塊に風圧を加え浮上させた状態でガラス素材に成形してもよいし、成形型上の熔融ガラス塊をプレス成形した後、風圧を加え浮上させた状態で冷却しガラス素材を作製してもよい。
[光学素子とその製造方法]
本発明の一態様にかかる光学素子は、上述の光学ガラスよりなる。
本発明の一態様にかかる光学素子の具体例としては、非球面レンズ、球面レンズ、または平凹レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズなどのレンズ、マイクロレンズ、レンズアレイ、回折格子付きレンズなどの各種レンズ、プリズム、レンズ機能付きプリズムなどを例示することができる。表面には必要に応じて反射防止膜や波長選択性のある部分反射膜などを設けてもよい。
本発明の一態様にかかる光学素子は高屈折率と低部分分散比を両立することができるので、他のガラスからなる光学素子と組合せることにより、良好な色収差補正を行うことができる。また、本発明の一態様にかかる光学ガラスは高屈折率と低比重の両立が可能であるため、本発明の一態様にかかる光学ガラスによれば光学素子の軽量化が可能となる。本発明の一態様にかかる光学素子は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、監視カメラ、車載カメラなど各種カメラの撮像光学系、DVD、CDなどの光記録媒体へのデータ書き込み、読み出し用の光線を導く光学素子、例えば、光ピックアップレンズやコリメータレンズなどにも好適である。また、光通信用の光学素子としても好適である。
本発明の一態様にかかる光学素子の製造方法は、上述のプレス成形用ガラス素材を加熱、軟化し、プレス成形してガラス成形体を作製し、このガラス成形体を加工して光学素子を得るものである。
ガラス成形体は、目的とする光学素子の形状に加工しろ(研削しろ、研磨しろなど)を加えた形状を有する光学素子ブランクとする。そして光学素子ブランクを研削、研磨して目的とする光学素子を作製する。なお、本発明の一態様にかかる光学素子は、上述の光学ガラスからなるガラス成形体を研削、研磨して作製してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
[実施例1〜30]
1.光学ガラスの作製
表1に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料として、それぞれ相当する酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを適宜秤量し、十分混合して調合原料とし、これを白金坩堝内に入れ、1200〜1450℃で1〜3時間、加熱、熔融、清澄、均質化した。得られた熔融ガラスをカーボン製の型に流し込み、ガラスの転移温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷し光学ガラスを得た。
なお、光学ガラスの諸特性は、以下に示す方法により測定した。
(1)屈折率nd、ng、nF、ncおよびアッベ数νd
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nc、アッベ数νdを測定した。
(2)液相温度LT
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて2時間保持し、冷却後、ガラス内部を100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
(3)ガラス転移温度Tg、屈伏点Ts
株式会社リガク製の熱機械分析装置を用い、昇温速度を4℃/分にして測定した。
(4)部分分散比Pg,F
屈折率ng、nF、ncから算出した。
(5)部分分散比のノーマルラインからの差ΔPg,F
部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdから算出されるノーマルライン上の部分分散比Pg,F(0)から算出した。
(6)比重
アルキメデス法を用いて測定した。
(7)λ70、λ5
分光光度計を用いて、分光透過率を測定して求めた。
(8)ガラス安定性の評価
各実施例について、上記方法により得られた光学ガラスのガラスブロック(約150g)を目視で観察したところ、結晶析出は認められなかった。
以上の評価結果から、実施例の光学ガラスはTaの使用量が抑えられているものの、高い安定性および製造適性を有する高屈折率低分散ガラスであることが確認できる。
2.プレス成形用ガラス素材の作製(1)
上記1.で作製した各光学ガラスからなるガラス成形体を複数個のガラス片に切断し、各ガラス片を研削、研磨してプレス成形用ガラス素材を作製した。
各光学ガラスは優れた機械加工性を有するため、ガラスを破損させることなく、ガラス成形体からプレス成形用ガラス素材を作製することができた。
3.プレス成形用ガラス素材の作製(2)
上記1.と同様に熔融ガラスを調製し、パイプから流出させ、流出する熔融ガラス流の先端を分離して熔融ガラス塊を得、この熔融ガラス塊を成形型上で風圧を加えて浮上させながら成形し、プレス成形用ガラス素材を作製した。このようにして表1に示す各種光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材を作製した。
なお、熔融ガラス塊を成形型上でプレス成形し、次いでプレス成形したガラスを浮上させながら冷却してガラス素材を作製してもよい。
4.光学素子の作製
上記2.、3.で作製したプレス成形用ガラス素材を加熱、軟化し、プレス成形型内に導入してプレス成形し、レンズ形状に近似する形状を有するレンズブランクを作製した。
このように作製したレンズブランクをアニールして歪を低減した。その後、レンズブランクを公知の方法で研削、研磨して球面レンズを作製した。なお、レンズブランクを非球面加工することにより非球面レンズを作製することもできる。
レンズブランクは優れた機械加工性を備えたガラスで作製されているため、ガラスを破損させることなく、研削、研磨により所要の性能を有するレンズを作製することができた。
このようにして作製した各種光学ガラスからなるレンズの表面には反射防止膜を形成した。
5.撮像装置および光学系の作製
上記4.で作製した各レンズを用いて、各レンズを内蔵する一眼レフカメラ用の交換レンズ各種を作製した。
さらに上記4.で作製した各レンズを用いて、コンパクトデジタルカメラの光学系各種を作製し、モジュール化した。さらにこれら光学系にCCDあるいはCMOSなどのイメージセンサーを取り付けモジュール化した。
このように、上記4.において作製した各種レンズを用いることにより、高機能、コンパクトな光学系、交換レンズ、レンズモジュール、撮像装置を得ることができる。また、上記4.で作製したレンズと高屈折率高分散光学ガラス製のレンズとを組み合わせることにより、高次の色収差補正がなされる各種光学系とこの光学系を備える撮像装置を得ることができる。
また、上記4.で作製した各レンズを用いて、各レンズを内蔵するプロジェクターを作製した。
撮像装置と同様、高屈折率高分散光学ガラス製のレンズとを組み合わせることにより、高次の色収差補正がなされたプロジェクターを得ることができる。
[比較例1〜4]
表2に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料として、それぞれ相当する酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを秤量し、十分混合して調合原料とし、これを白金坩堝内に入れ、1200〜1450℃で1〜3時間、加熱、熔融、清澄、均質化した。得られた熔融ガラスをカーボン製の型に流し込み、ガラスの転移温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷したところ、カチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が前記した範囲を外れる比較例1、2、およびカチオン比Zn2+/Gd3+が前記した範囲を外れる比較例4では、図1にデジタルカメラ写真を示すように、ガラス化せず結晶化してしまい、光学ガラスを得ることができなかった。
一方、カチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が前記した範囲を外れる比較例3はガラス化したものの、得られた光学ガラスについて上記方法で各種特性を測定したところ、1.890以上の屈折率を実現することはできなかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、撮像光学系や投射光学系の製造分野において有用である。

Claims (10)

  1. カチオン%表示で、
    Si4+およびB3+ 合計含有量が35〜55%、
    La3+、Gd3+およびY3+ 合計含有量が30〜55%(但し、La 3+ の含有量が15〜30%、Gd3+の含有量が5〜20%)、
    Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+ 合計含有量が7〜20%(但し、Nb 5+ の含有量が0〜10%)
    Zr4+ の含有量が2〜8%、
    Zn2+ の含有量が0〜10%、
    であり
    Si 4+ およびB 3+ の合計含有量に対するB 3+ の含有量のカチオン比(B 3+ /(Si 4+ +B 3+ ))は0.3〜1の範囲であり、
    Gd3+の含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/Gd3+)は0〜0.80の範囲であり、
    Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するGd3+の含有量のカチオン比(Gd3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.65〜2.00の範囲であり、
    Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0〜0.30の範囲であり、
    Ti4+、Nb5+、Ta5+およびW6+の合計含有量に対するTi4+の含有量のカチオン比(Ti4+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.30〜0.90の範囲である酸化物ガラスであり、
    部分分散比Pg,Fが0.575以上であり、
    屈折率ndが1.890〜1.950の範囲であり、
    アッベ数νdが屈折率ndに対してνd≧(2.334−nd)/0.012の関係を満たし、かつ39.0以下である光学ガラス。
  2. Ta5+の含有量が0〜4カチオン%である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. Si4+の含有量が6〜15カチオン%であり、B3+の含有量が25〜45カチオン%である請求項1または2に記載の光学ガラス
  4. Ti4+の含有量が1〜10カチオン%である請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. 液相温度が1300℃以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. ガラス転移温度Tgが650℃以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. 比重が4.50〜5.50の範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなるプレス成形用ガラス素材。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる光学素子。
  10. 請求項に記載のプレス成形用ガラス素材を加熱し、プレス成形型を用いてプレス成形してガラス成形体を作製する工程と、作製したガラス成形体を加工して光学素子を得る工程と、
    を含む光学素子の製造方法。
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