以下に、本発明に係る現像剤補給装置、画像形成装置および搬送装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
本発明に係る現像剤補給装置(搬送装置)の一実施例としてのトナー補給装置50、およびそれを搭載する画像形成装置の一実施例としての画像形成装置10の構成を説明する。まず、その画像形成装置10の構成およびその動作について説明する。
実施例の画像形成装置10は、図1に示すように、カラープリンタであり、箱状の筐体11に収容されて構成されている。この画像形成装置10(筐体11)では、上方にトナー容器装填部12が設けられている。このトナー容器装填部12は、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器(収納容器)13Y、13M、13C、13Bkに対応して並列されて、それぞれトナー容器13が交換可能(着脱可能)とされている。また、トナー容器装填部12は、トナー容器13Bkの斜め下に特殊トナーに対応したトナー容器13Sに対応して設けられ、そのトナー容器13Sが交換可能(着脱可能)とされている。なお、この明細書において交換可能とは、利用者による交換を意図した構成であって、利用者が簡単な操作(作業)で交換することを可能とすること(構成)を言う。この各トナー容器装填部12では、筐体11の前面に設けられた本体カバーを開放することにより、各トナー容器13S、13Y、13M、13C、13Bkを露出させることが可能とされている。
各トナー容器装填部12では、後述する各色の現像装置23内のトナー消費に応じて、設置された各トナー容器13S、13Y、13M、13C、13Bkから適宜トナーを補給する。この構成については、後に詳細に説明する。また、各トナー容器装填部12では、各トナー容器13S、13Y、13M、13C、13Bkが寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になる)、新品のものに交換されて装填される。この構成についても、後に説明する。
画像形成装置10(筐体11)では、中間転写ユニット14が設けられている。この中間転写ユニット14は、中間転写ベルト14a、5つの1次転写バイアスローラ14b、中間転写クリーニング部14c、2次転写バックアップローラ14d、クリーニングバックアップローラ14e、複数の支持ローラ14fを有する。中間転写ユニット14では、中間転写ベルト14aが、2次転写バックアップローラ14d、クリーニングバックアップローラ14e、および複数の支持ローラ14fに架け渡されて支持されている。この中間転写ベルト14aは、無端状ベルト(始まりの端部および終わりの端部の区別なく同一経路上を周回移動される)であり、2次転写バックアップローラ14dの回転駆動により矢印方向に移動される。その中間転写ベルト14aに対向して、各色(特殊トナー、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部15S、15Y、15M、15C、15Bkが並んで設けられている。
その特殊トナーとは、カラー画像を形成するための4つの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーとは異なる特性を持つトナーである。その異なる特性とは、例えば、色(色相)、明度、透過率、定着後の光沢度が異なるものや、磁気特性を有するものがある。このような特殊トナーとしては、例えば、クリアトナー、特色トナー、MICR(Magnetic Ink Character Recognition)トナーがある。そのクリアトナーは、カラー画像を形成するための4つの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の最上層に転写することにより、カラー画像の表面の平滑性を向上させることで、当該カラー画像の光沢度合いを高めるものである。なお、このクリアトナーは、光沢度合いの変更を可能とするために、複数の種類が設けられている。特色トナーは、カラー画像を形成するための4つの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の減色混合では再現が困難な色の画像を形成したり、有色転写紙(白色ではない被転写材P)にカラー画像を形成したりするために用いるものである。その特色トナーとしては、白色トナー、金色トナー、銀色トナーがあげられる。MICRトナーは、形成した画像(文字列等も含む)をコンピュータシステム等で読み取ることを可能とするものであり、所謂磁気印刷のために用いるものである。
この特殊トナーに対応する作像部15Sは、他の作像部15Y、15M、15C、15Bkに対して、中間転写ベルト14aの移動方向(矢印参照)における最も上流側(図1を正面視して左側)に設けられている。これは、上述したように、特殊トナーとしてのクリアトナーが、カラー画像を形成するための4つの色の最上層に転写するものであることによる。すなわち、後述するように、中間転写ベルト14aには、中間転写ベルト14aの移動方向(矢印参照)に従って各作像部15S、15Y、15M、15C、15Bkに対応する画像が順に転写(1次転写)されてカラー画像が形成される。その中間転写ベルト14aに転写されたカラー画像は、後述するように、被転写材P上に転写(2次転写)される。このため、被転写材Pでは、中間転写ベルト14aにおいて最下層に転写された画像が、最上層に転写される画像となる。このため、作像部15Sは、中間転写ベルト14aの移動方向(矢印参照)における最も上流側に設けられている。
このような特殊トナーは、上述したように、目的に応じて用いられる種類(特性)が異なるものであることから、種類を変更する要望が生じる。ここで、種類を変更すべく、単にトナー容器13(13S)を交換しただけでは、後述するトナー補給装置50(特にそのトナー搬送チューブ52)に交換前の特殊トナーが残存してしまう。このことは、例えば、白色トナーからクリアトナーに交換する場合、クリアトナーは、カラー画像の全体に渡って最上層に転写されるものであることから、残存した白色トナーが混入すると、カラー画像の全体に渡って白い点々が存在してしまう虞がある。このため、後述するトナー補給装置50(特にトナー搬送チューブ52)に交換前の特殊トナーが残存すると、被転写材Pに形成した画像の品質の低下を招いてしまう虞がある。本発明のトナー補給装置50では、トナー容器13(13S)を異なる種類に交換した場合であっても、交換前の特殊トナーが残存することを防止する。このことについては、後に詳細に説明する。
なお、画像形成装置10では、トナー容器(13)を始として、作像部(15)等が各色(特殊トナー、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応して5つずつ設けられているが、それらは基本的に同様な構成とされている。このため、以下の説明および図2では、各色を示す符号(アルファベット(S、Y、M、C、Bk))を省略して説明する。
作像部15は、図2に示すように、感光体ドラム21と、感光体ドラム21の周囲に設けられた帯電部22と、現像装置(現像部)23と、クリーニング部24と、潤滑剤塗布部25と、を有する。この作像部15では、感光体ドラム21上において、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、それぞれが対応された色の画像が形成される。
感光体ドラム21は、駆動モータにより、図2を正面視した反時計方向に回転駆動される。その感光体ドラム21の表面は、帯電部22と対向する位置で、一様に帯電される(帯電工程)。その帯電部22は、電源によって帯電バイアスが印加されながら回転駆動される回転体たる帯電ローラ22aを有する。その帯電ローラ22aは、帯電ローラクリーナにより表面がクリーニングされる。その後、感光体ドラム21の表面は、露光部26から発せられたレーザ光(露光光)Lの照射位置に達し、その位置での露光走査によってそれぞれが対応された色に応じた静電潜像が形成される(露光工程)。すなわち、感光体ドラム21の表面では、露光光Lの照射によって、画像情報に応じて選択的に除電される(電位が変化される)ことで、照射されなかった非画像部の電位との差(電位コントラスト)が発生して静電潜像が形成される。なお、この露光工程は、感光体ドラム21の感光層中で電荷発生物質が光を受けて電荷を発生して、このうち正孔が感光体ドラム21表面の帯電電荷と打ち消しあうものである。
その後、感光体ドラム21の表面は、現像装置23との対向位置に達し、その対向位置で静電潜像が現像(可視像化)されて、対応する色のトナー像が形成される(現像工程)。この現像装置23での動作については後述する。その後、感光体ドラム21の表面が、中間転写ベルト14aおよび1次転写バイアスローラ14bとの対向位置に達すると、その位置で感光体ドラム21上のトナー像が中間転写ベルト14a上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム21上(表面)には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム21の表面は、クリーニング部24との対向位置に達し、その位置で残存する未転写トナーがクリーニングブレード24aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。このクリーニング部24では、クリーニングブレード24aにより表面から除去したトナーを回収部分24bで回収する。その回収部分24bには、回収したトナーを廃トナーボトル27(図1参照)へと搬送するための搬送オーガスクリュ24cが設けられている。その廃トナーボトル27は、クリーニング部24で回収された廃トナーを、廃処理のために蓄えるものであり、画像形成装置10(筐体11)から取り外すことが可能とされている。そして、感光体ドラム21の表面は、除電部との対向位置に達し、その位置で残留電位が除去される。
その後、感光体ドラム21の表面は、潤滑剤塗布部25との対向位置に達し、潤滑剤が塗布される。この潤滑剤は、感光体ドラム21の表面の摩擦係数を低くするものである。潤滑剤塗布部25では、固形潤滑剤25aが加圧バネ25bによって押されて設けられており、その固形潤滑剤25aが塗布部材25cに押し当てられている。その塗布部材25cは、回転するファーブラシ等で構成されており、感光体ドラム21の表面に押し当てられて当該表面に潤滑剤を塗布する。その潤滑剤としては、ZnSt(ステアリン酸亜鉛)が最も一般的に用いられる。また、塗布部材25cとなるファーブラシには、絶縁PET、導電PET、アクリル繊維などが用いられる。感光体ドラム21の表面に塗布された潤滑剤は、塗布ブレード25dによって均一な厚さとされて感光体ドラム21の表面に定着する。このように感光体ドラム21の表面に潤滑剤を塗布することで、感光体ドラム21のトナーフィルミングを防止することができる。これにより、感光体ドラム21上(表面)で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、この一連の作像プロセスは、図1に示すように、5つの作像部15S、15Y、15M、15C、15Bkで同様に行われる。この各作像部における作像プロセスのために、上述したように露光部26(図2参照)によりレーザ光Lが照射される。その露光部26では、画像情報に基づいて光源からレーザ光Lを発し、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体ドラム21S、21Y、21M、21C、21Bk上に照射する。これにより、作像部15Sはブラックの特殊トナーを形成し、作像部15Yはイエローのトナー像を形成し、作像部15Mはマゼンタのトナー像を形成し、作像部15Cはシアンのトナー像を形成し、作像部15Bkはブラックのトナー像を形成する。
ここで、中間転写ユニット14では、5つの1次転写バイアスローラ14bが、対応する感光体ドラム21S、21Y、21M、21C、21Bkとの間で中間転写ベルト14aを挟み込んで1次転写ニップを形成している。その各1次転写バイアスローラ14bには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加されている。このため、中間転写ベルト14aが矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ14bおよび感光体ドラム21S、21Y、21M、21C、21Bkによる1次転写ニップを順次通過することにより、感光体ドラム21S、21Y、21M、21C、21Bk上の各色のトナー像が、互いに重なるように中間転写ベルト14a上に1次転写される。これにより、中間転写ベルト14a上に特殊トナーとともにカラー画像が形成される。
その後、中間転写ベルト14aの各色のトナー像が重ねて転写された箇所(カラー画像が形成された箇所)は、2次転写ローラ28との対向位置に達する。この対向位置では、2次転写バックアップローラ14dが、2次転写ローラ28との間に中間転写ベルト14aを挟み込んで2次転写ニップを形成している。このため、中間転写ベルト14a上に形成された4色に特殊トナーを加えたトナー像(カラー画像)は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト14aには、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト14aの未転写トナーが残存する箇所は、中間転写クリーニング部14cが設けられた位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト14a上の未転写トナーは、中間転写クリーニング部14cにより回収される。その中間転写クリーニング部14cでは、各作像部15のクリーニング部24(図2参照)と同様に、回収した未転写トナーである廃トナーを廃トナーボトル27へと送る。これにより、中間転写ベルト14a上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送される被転写材Pは、筐体11(画像形成装置10)の下部に設けられた給紙部29から、給紙ローラ31やレジストローラ対32等を経由して搬送される。その給紙部29には、転写紙、記録紙、OHP等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。給紙部29では、給紙ローラ31が図1を正面視して反時計方向に回転駆動されることにより、収納されたうちの一番上の被転写材Pがレジストローラ対32のローラ間に向けて送られる。そのレジストローラ対32は、回転駆動を停止することにより搬送された被転写材Pをローラニップの位置で一旦停止させる。その後、レジストローラ対32は、移動される中間転写ベルト14a上のカラー画像が形成された箇所の通過にタイミングを合わせて回転駆動され、被転写材Pを2次転写ニップに向けて搬送する。このため、被転写材P上には、その被転写材Pの白色と相まって形成される所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部33の位置に搬送される。そして、定着部33において、その加圧ローラ33aおよび加熱ローラ33bによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。その後、被転写材Pは、排紙ローラ対のローラ間を経て、装置外(筐体11の外方)へと排出される。この排出された被転写材Pは、出力画像として順次積み重ねられる。これにより、画像形成装置10における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部15(15S、15Y、15M、15C、15Bk)における現像装置23(23S、23Y、23M、23C、23Bk)の構成および動作について、図2を用いて説明する。現像装置23は、感光体ドラム21に対向する現像ローラ41、現像ローラ41に対向するドクターブレード42、現像剤を収容する現像剤収容箇所43、44、それらの中に設けられた2つの搬送スクリュ45、および現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ46を有する。現像ローラ41は、内部に固設されたマグネットと、そのマグネットの周囲を回転するスリーブとを有する。現像剤収容箇所43、44内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。すなわち、本実施例の画像形成装置10では、2成分現像剤Gを用いて画像を形成している。
この現像装置23は、後述するトナー搬送パイプ55とともに、画像形成装置10(筐体11)から取り外すことが可能とされている。すなわち、現像装置23は、現像ローラ41、ドクターブレード42、現像剤収容箇所43、44、2つの搬送スクリュ45、および濃度検知センサ46が組み合わされて一体的な構成(ユニット)とされている。そして、現像装置23は、その組み合わせを維持したまま画像形成装置10(筐体11)から取り外すことが可能とされている(図12等参照)。このため、現像装置23は、容易に交換することが可能とされている。
その現像ローラ41では、マグネットから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤G中のキャリアがスリーブ上にチェーン状に穂立ちする。そして、現像ローラ41では、このチェーン状に穂立ちしたキャリアに帯電したトナーが付着されて、磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、スリーブの回転によってスリーブと同方向に移動される。
現像剤収容箇所44は、その上方に形成された開口を介してトナー搬送パイプ55(図3参照)に通じている。このトナー搬送パイプ55は、トナー補給装置50(図3参照)の一部を構成しており、現像装置23内の現像剤Gにおけるトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように適宜トナーが供給される箇所である。換言すると、現像装置23内のトナー消費に応じて、トナー容器13に収納されているトナーが、トナー補給装置50によりトナー搬送パイプ55を介して現像剤収容箇所44内に補給される。なお、トナー補給装置50およびトナー容器13の構成および動作については、後に詳細に説明する。
その現像剤Gにおけるトナー濃度は、濃度検知センサ46により検知される。その濃度検知センサ46は、現像剤Gの透磁率を検知することにより、トナー濃度を検知する。これは、現像剤Gの透磁率が現像剤のトナー濃度と相関を示すことによる。その濃度検知センサ46は、制御部34に接続されている。濃度検知センサ46は、透磁率の検知結果としての電気信号を制御部34に出力する。
その制御部34は、記憶部34aやマイクロコンピュータを有して構成されている。制御部34は、画像形成装置10(筐体11)に設けられている。このため、制御部34は、本実施例では、上記した画像形成プロセスを行うべく各部における駆動処理を、記憶部34aに格納したプログラムにより統括的に行う。その記憶部34aには、濃度検知センサ46からの電気信号の目標値となるデータ(Vtref)が格納されている。制御部34は、濃度検知センサ46からの電気信号(出力電圧の値)とデータ(Vtref)とを比較し、その比較結果に応じた時間だけ後述するトナー補給装置50(その搬送ポンプ53および両搬送スクリュ73(図3参照))を駆動する。このため、現像装置23では、そのトナー消費に応じて、トナー容器13に収納されているトナーが、トナー補給装置50からトナー搬送パイプ55を介して現像剤収容箇所44内に補給される。これにより、現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度は、所定の範囲内に維持される。このため、現像装置23は、トナー補給装置50から現像剤が補給される補給対象として機能するとともに、トナー補給装置50により搬送される現像剤を収容する現像剤収容部(収容部)の一部(現像装置)として機能する。このことから、現像装置23の現像剤収容箇所44に設けられた濃度検知センサ46は、現像剤収容部(収容部)のトナー(粉体や流体)の量を検知する現像剤量検知機構として機能する。
この制御部34は、トナー補給装置50の各部(トナー容器装填部12(その回転駆動機構12a(図9等参照))、装置側連結部51の連結部センサ51d、現像装置23(その回転駆動機構)、搬送ポンプ53(そのポンプ用モータ69)、サブホッパ部54(そのトナーエンドセンサ74およびスクリュ駆動機構75(図9等参照))に接続されている(図3参照)。制御部34は、記憶部34aに格納したプログラムにより、トナー補給装置50により各トナー容器13内に収納されたトナーを対応する現像装置23へと補給する補給制御処理や、トナー補給装置50における搬送経路清掃処理および初期充填処理を行う。この補給制御処理、搬送経路清掃処理および初期充填処理については後に詳細に説明する。
この現像装置23は、次のように動作する。現像剤収容箇所44内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ45によって、キャリアとともに混合されかつ撹拌されながら、2つの現像剤収容箇所43、44を図2の紙面垂直方向の一方および他方へと移動しつつ、互いを行き交うように循環する。そして、現像剤Gは、トナーがキャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ41の内方のマグネットにより形成された磁界により現像ローラ41上に汲み上げられる。この現像ローラ41では、スリーブが回転されることにより、汲み上げられた現像剤Gがスリーブの回転に伴って移動して(搬送されて)、ドクターブレード42の位置に達する。その後、現像ローラ41上の現像剤Gは、この位置でドクターブレード42により適量化された後に、感光体ドラム21との対向位置である現像領域(2つの現像ローラ41と感光体ドラム21との対向領域)に搬送される。
その現像領域では、穂立ちされたキャリアが感光体ドラム21の表面上を摺るように擦り当てられる。このとき、キャリアに混合されているトナーは、キャリアとの摩擦によって負帯電されている。これに対して、キャリアは正帯電されている。また、現像ローラ41には、電源部から所定の現像バイアスが印加される。このため、現像ローラ41と感光体ドラム21との間に電界が形成されて、負帯電されたトナーが電界によって感光体ドラム21上の画像部(静電潜像)にのみ選択的に付着する。これにより、感光体ドラム21上の静電潜像は、トナーが付着されて可視化されて、トナー像(例えばイエローのトナー像)が形成される。その後、現像ローラ41上に残った現像剤Gは、スリーブの回転に伴い現像剤収容箇所43に達して、この位置で現像剤離れ極により現像ローラ41から離脱されて搬送スクリュ45上に戻される。その現像剤離れ極とは、現像ローラ41のスリーブ内部にあるマグネットが、部分的に磁極がない状態に設定する、もしくは反発磁界が形成されるような磁極配置のマグネットを用いることにより形成されている。
なお、本実施例では、画像形成装置10は、複写機およびプリンタとして機能する複合型の画像形成装置とされている。複写機として機能する場合には、スキャナから読み込まれた画像情報に対してA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理が施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する場合には、コンピュータ等から送信されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施されて書込みデータに変換される。
次に、トナー容器13内に収納されたトナーを現像装置23に導くトナー補給装置(粉体補給装置)50について、図3から図6を用いて説明する。なお、図3では、理解容易とするために、作像部15として簡略化しつつ現像装置23および感光体ドラム21のみを示している。また、図3では、後述するように、トナー容器13Y、13M、13C、13Bkに対応するトナー容器装填部12(12A)を示している。このトナー補給装置(粉体補給装置)50は、収納容器としてのトナー容器13から、現像剤収容部としてのサブホッパ部54および現像装置23へと、現像剤(トナー(粉体や流体))を搬送するものである。
トナー補給装置50は、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、各トナー容器装填部12に装填された各トナー容器13S、13Y、13M、13C、13Bkから適宜トナーを補給する。このトナー補給装置50は、トナー容器装填部12に加えて、装置側連結部51とトナー搬送チューブ52と搬送ポンプ53とサブホッパ部54とトナー搬送パイプ55とを有する。その装置側連結部51は、トナー容器装填部12に装填されたトナー容器13との接続箇所を形成する。そのトナー容器装填部12は、本実施例の画像形成装置10では、図3および図4に示す形式(以下では、形式毎に分けて示す際には12Aの符号を用いる)と、図5に示す形式(以下では、形式毎に分けて示す際には12Bの符号を用いる)と、が採用されている。前者のトナー容器装填部12Aは、トナー容器13Y、13M、13C、13Bkに対応して設けられており、後者のトナー容器装填部12Bは、トナー容器13Sに対応して設けられている。これは、特殊トナーは、上述したように種類の変更の要求があるのに対し、その他の各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーでは基本的には種類の変更の要求がないことによる。また、トナー容器装填部12Bは、対応するトナー容器13Sが種類の変更の要求により交換する必要があることから、4つのトナー容器装填部12Aとは異なる位置であって、画像形成装置10における最も外側に設けられている(図1参照)。なお、以下の説明では、トナー容器装填部12への装填のために、トナー容器13が移動される方向を挿入方向とし、挿入時の前側を挿入方向前側とし、反対側を挿入方向後側とする。
そのトナー容器装填部12Aに対応するトナー容器13(13Y、13M、13C、13Bk)は、図4に示すように、全体に円筒状を呈し、外周面には、挿入方向に沿う中心軸線を中心とする螺旋状の案内溝13aが形成されている。この案内溝13aは、トナー容器13における外周壁部を凹ませるように形成されており、内周面側で見ると螺旋状の突起を形成している。このため、トナー容器13では、中心軸線を回転中心として自転されることにより、内部に収容するトナーを挿入方向へと移動させることができる。このトナー容器13では、挿入方向前側に開口部13bが設けられている。この開口部13bは、トナー容器13の内部の空間を当該トナー容器13の外方に通じさせる開口であり、内部に収容するトナーを外部に排出することが可能とされている。開口部13bは、栓部材により封をすることが可能とされている。このトナー容器13では、挿入方向に直交する方向で開口部13bを取り巻いてシール部材13cが設けられている。このシール部材13cは、スポンジ等の弾性部材で構成されている。
このトナー容器13では、電子基板13dが設けられている。その電子基板13dは、トナー容器装填部12Aに設けられたアンテナ基板12bを介して画像形成装置10(その制御部34)との間で、通信による情報の授受を可能とするものである。このような電子基板13dは、RFID(Radio Frequency IDentification)等で構成することができる。その通信される情報としては、トナー容器の製造番号、リサイクル回数等の情報や、ロット番号、収容するトナーの種類(色等)の情報や、画像形成装置10の使用履歴等の情報がある。また、電子基板13dには、トナー容器内のトナー消費量に応じて、トナー容器内のトナー残量等に関する情報等が、アンテナ基板12bにより適宜書き込まれる。この電子基板13dは、トナー容器13がトナー容器装填部12Aに適切に装填されると、アンテナ基板12bとの間での通信が可能となる。このため、本実施例では、アンテナ基板12bが、電子基板13dとの協働により、トナー容器13がトナー容器装填部12Aに適切に装填されている否かを検知する装填検知機構として機能する。
なお、この装填検知機構は、トナー容器13がトナー容器装填部12Aに適切に装填されていることを検知するものであれば、他の構成であってもよく、本実施例の構成に限定されるものではない。その他の構成としては、電子基板13dに替えて、バーコードのように非接触でデジタル情報として読み取ることを可能とする識別子を設けるものとし、アンテナ基板12bに替えて、その識別子のデジタル情報として読み取る読取機構を設けるものとしてもよい。また、トナー容器13がトナー容器装填部12Aに適切に装填されると、当該トナー容器13と接触することにより装填検知信号を出力する接触式スイッチを設けるものや、光学式のセンサ(例えば反射センサ)を設けるものとすることもできる。なお、接触式スイッチや光学式のセンサを用いる場合には、画像形成装置10(その制御部34)との間での情報の授受ができなくなる。このため、接触式スイッチや光学式のセンサを用いる場合には、これらの部材を用いて、後述するようにトナー容器13が収容するトナーの種類を取得することができなくなる。
トナー補給装置50では、トナー容器装填部12Aに対応する装置側連結部51が、トナー容器13Y、13M、13C、13Bkに対応したトナー収容部51aを有する構成とされている。そのトナー収容部51aは、鉛直方向に長尺な筒状を呈し、上端が閉じられている。トナー収容部51aでは、上部に接続開口部分51bが設けられ、下部に漏斗部分51cが形成され、中間位置に連結部センサ51dが設けられている。接続開口部分51bは、トナー収容部51aの内部の空間を当該トナー収容部51aの外方に通じさせる開口であり、トナー容器13の開口部13bを嵌め入れることが可能とされている。この接続開口部分51bでは、開口部13bが嵌め入れられると、シール部材13cにより開口部13bとの間を封ずることが可能とされている。そのシール部材13cにより封じられた状態は、接続開口部分51b(トナー収容部51a)に対して開口部13b(トナー容器13)が回転されても維持するものとされている。
漏斗部分51cは、下方に向かうに連れて内径寸法を小さくする漏斗状を呈し、その下端に接続筒部分51eが設けられている。その接続筒部分51eは、筒状を呈し、自らの内部の空間を漏斗部分51c(トナー収容部51a)の内部の空間と通じて設けられ、他方の端部がトナー搬送チューブ52に接続されている。連結部センサ51dは、トナー収容部51a内におけるトナーの収容量を検知するものであり、その検知信号を制御部34へと送信することが可能とされている(図3参照)。
トナー容器装填部12Aでは、トナー容器13が開口部13b側から挿入方向に挿入されると(図4(b)参照)、その開口部13bが接続開口部分51bに嵌め入れられて、トナー容器13が装填される(図4(a)参照)。このとき、トナー容器13は、トナー容器装填部12Aに設けられた回転駆動機構12a(図9等参照)からの駆動力が付与される状態とされる。そのトナー容器装填部12Aでは、制御部34(図3参照)の制御下において、回転駆動機構12a(図9等参照)によりトナー容器13を適宜回転させる。すると、トナー容器13に収納されたトナーは、開口部13bから排出されて、接続開口部分51bからトナー収容部51a内へと送られて、そのトナー収容部51aに一時的に収容される。このため、回転駆動機構12aは、装填されたトナー容器13(収納容器)から現像剤(トナー)を排出させるべくトナー容器13を駆動する排出駆動機構として機能する。制御部34(図3参照)は、連結部センサ51dからの検知信号に基づき、トナー収容部51a(漏斗部分51cも含む)に収納されたトナーを一定量とするために、トナー容器装填部12Aの回転駆動機構12a(図9等参照)を適宜駆動する。ここで、トナー収容部51a(漏斗部分51cも含む)に収容するトナーを一定量とするのは、後述するように搬送ポンプ53が生じさせた圧力差により、収容するトナーをトナー搬送チューブ52へと円滑に送ることを可能とするためである。そのトナー収容部51aに収納されたトナー(各色トナー)は、接続筒部分51eへと移動することが可能とされ、その接続筒部分51eに接続されたトナー搬送チューブ52へと移動することが可能とされる。
また、トナー容器装填部12Bに対応するトナー容器13Sは、図5に示すように、全体に円筒状を呈する容器本体部13pと、その挿入方向後側に設けられた容器側連結部13qと、を有する。容器本体部13pでは、外周面に挿入方向に沿う中心軸線を中心とする螺旋状の案内溝13rが形成されている。この案内溝13rは、容器本体部13pにおける外周壁部を凹ませるように形成されており、内周面側で見ると螺旋状の突起を形成している。このため、容器本体部13pでは、中心軸線を回転中心として自転されることにより、内部に収容するトナーを挿入方向へと移動させることができる。その容器本体部13pでは、挿入方向後側に開口部13sが設けられている。この開口部13sは、容器本体部13pの内部の空間を当該容器本体部13pの外方に通じさせる開口であり、内部に収容するトナーを外部に排出することが可能とされている。開口部13sは、栓部材により封をすることが可能とされている。この容器本体部13pでは、挿入方向に直交する方向で開口部13sを取り巻いてシール部材13tが設けられている。このシール部材13tは、スポンジ等の弾性部材で構成されている。
容器側連結部13qは、容器本体部13pと等しい軸線とされた円筒形状を呈し、容器本体部13pとは反対側の一端(図5を正面視して右側の端部)が閉じられている。この容器側連結部13qでは、上部に接続開口部分13uが設けられ、下部に漏斗部分13vが形成され、その下端にシャッタ機構13wが設けられている。接続開口部分13uは、容器側連結部13qの内部の円柱状の空間を当該容器側連結部13qの外方に通じさせる開口であり、容器本体部13pの開口部13sが嵌め入れられている。この接続開口部分13uでは、シール部材13tにより、嵌め入れられた開口部13sとの間を封ずることが可能とされている。そのシール部材13tにより封じられた状態は、接続開口部分13u(容器側連結部13q)に対して開口部13s(容器本体部13p)が回転されても維持するものとされている。
漏斗部分13vは、下方に向かうに連れて内径寸法を小さくする漏斗状を呈する。その下端に設けられたシャッタ機構13wは、受入筒部分13xとシャッタ部分13yとを有する。その受入筒部分13xは、自らの内部の空間を、漏斗部分13v(容器側連結部13q)の内部の空間と通じて設けられている。受入筒部分13xには、内周面に沿って環状のシール部材13zが設けられている。
シャッタ部分13yは、受入筒部分13x(シール部材13zも含む)の内方に通すことが可能な柱状を呈し、シール部材13zとの協働により受入筒部分13xにおける漏斗部分13v(容器側連結部13q)と通じる箇所を塞ぐことが可能な大きさ寸法とされている。このシャッタ部分13yは、受入筒部分13xにおける漏斗部分13v(容器側連結部13q)と通じる箇所を塞ぐ閉位置(図5(b)参照)と、当該箇所を解放すべく挿入方向後側へと変位する開位置(図5(a)参照)と、の間で移動可能とされている。シャッタ部分13yは、開位置から閉位置へ向けて押す力が付与されており、外力を受けることにより閉位置から開位置へと変位される。
このトナー容器13Sでは、容器本体部13pに他の各色のトナー容器13と同様の電子基板13dが設けられている。この電子基板13dは、トナー容器装填部12Bに設けられたアンテナ基板12bを介して画像形成装置10(その制御部34)との間で、通信による情報の授受を可能とする。この電子基板13dは、トナー容器13Sがトナー容器装填部12Bに適切に装填されると、アンテナ基板12bとの間での通信が可能となる。このため、本実施例では、アンテナ基板12bが、電子基板13dとの協働により、トナー容器13Sがトナー容器装填部12Bに適切に装填されている否かを検知する装填検知機構として機能する。なお、この装填検知機構は、トナー容器13Sがトナー容器装填部12Bに適切に装填されていることを検知するものであれば、上述したトナー容器装填部12Aおよびそれに対応するトナー容器13で述べた内容と同様に他の構成であってもよく、本実施例の構成に限定されるものではない。
トナー補給装置50では、トナー容器装填部12Bに対応する装置側連結部51が、トナー容器13Sに対応したノズル51pを有する構成とされている。そのノズル51pは、容器側連結部13qの受入筒部分13x(シール部材13zも含む)の内方に通すことが可能な円筒状を呈し、挿入方向後側の端部が閉じられているとともに、他方の端部がトナー搬送チューブ52に接続されている。ノズル51pは、内径寸法がトナー搬送チューブ52と略等しいものとされている。このノズル51pは、容器本体部13pの受入筒部分13x(シール部材13zも含む)の内方に通されると、そのシール部材13zとの協働により受入筒部分13xの外方と通じる箇所を塞ぐことが可能な大きさ寸法とされている。ノズル51pでは、閉じられた挿入方向後側(図5を正面視して右側)の端部の近傍に接続開口部51qが設けられている。この接続開口部51qは、ノズル51pの内部の空間を当該ノズル51pの外方に通じさせる開口である。接続開口部51qは、容器本体部13pの受入筒部分13x内において、ノズル51pの内部の空間を、漏斗部分13v(容器側連結部13q)の内部の空間と通じさせることが可能とされている(図5(a)参照)。
トナー容器装填部12Bでは、トナー容器13Sが容器側連結部13qとは反対側(容器本体部13p側)から挿入方向に挿入されると(図5(b)参照)、その容器側連結部13qのシャッタ機構13wにノズル51pが連結されて、トナー容器13Sが装填される(図5(a)参照)。このとき、シャッタ機構13wでは、その受入筒部分13xに挿入方向前側からノズル51pが相対的に挿入されて、当該ノズル51pにより閉位置にあるシャッタ部分13yが挿入方向後側へと押される。このため、シャッタ部分13yは、閉位置から開位置へ移動される(図5で(b)から(a)参照)。そのノズル51pでは、図5(a)に示すように、シャッタ部分13yを開位置とすると、接続開口部51qが漏斗部分13v(容器側連結部13q)の内部の空間と通じる位置まで移動する。これにより、容器側連結部13qのシャッタ機構13wでは、漏斗部分13v(容器側連結部13q)の内部の空間を、接続開口部51qを介してノズル51pの内部の空間に通じさせて、ノズル51pが連結される。このとき、トナー容器13Sは、トナー容器装填部12Bに設けられた回転駆動機構12a(図9等参照)からの駆動力が付与される状態とされる。
そのトナー容器装填部12Bでは、制御部34(図3参照)の制御下において、回転駆動機構12a(図9等参照)によりトナー容器13Sの容器本体部13pを適宜回転させる。すると、容器本体部13pに収納されたトナーは、その開口部13sから排出されて、接続開口部分13uから容器側連結部13q内へと送られて、その容器側連結部13qに一時的に収容される。トナー容器13Sの容器側連結部13qに収納されたトナー(特殊トナー)は、接続開口部51qを経てノズル51pへと移動することが可能とされ、そのノズル51pに接続されたトナー搬送チューブ52へと移動することが可能とされている。このため、回転駆動機構12aは、装填されたトナー容器13S(収納容器)から現像剤(トナー)を排出させるべくトナー容器13S(その容器本体部13p)を駆動する排出駆動機構として機能する。また、トナー容器13Sでは、トナー容器装填部12Bに対して挿入方向後側へと移動されて、当該トナー容器装填部12Bから取り出される際、ノズル51pによるシャッタ機構13wのシャッタ部分13yを挿入方向後側へと押すことが解除される。このため、トナー容器13S(その容器側連結部13q)では、シャッタ機構13wのシャッタ部分13yが開位置から閉位置へ移動して、受入筒部分13xにおける漏斗部分13v(容器側連結部13q)と通じる箇所が塞がれる(図5(b)参照)。
トナー補給装置50では、いずれの色(特殊トナー、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応するものであるかに関わらず、換言すると装置側連結部51がトナー容器装填部12Aとトナー容器装填部12Bとのいずれに対応するかに関わらず、残りの構成が等しいものとされている。このため、以下の説明では、図3および図6を用いて、各色を示す符号(アルファベット(S、Y、M、C、Bk))を省略するとともに単にトナー容器装填部12と記載して説明する。
トナー搬送チューブ52は、各トナー容器装填部12に装填されるトナー容器13に収納されたトナーを、現像剤収容部としてのサブホッパ部54および現像装置23に導く搬送経路としての搬送管である。その各トナー容器装填部12は、それぞれに対応するトナー容器13の装填作業を容易としつつ画像形成装置10の小型化を可能とする観点から、当該画像形成装置10における配置が設定される。また、各現像装置23(作像部15)は、中間転写ベルト14aを用いて適切にカラー画像を形成することを可能としつつ画像形成装置10の小型化を可能とする観点から、当該画像形成装置10における配置が設定される。このため、トナー搬送チューブ52は、各トナー容器装填部12(そこに連結される装置側連結部51)と、それらが対応する色に合致する色に対応された現像装置23(サブホッパ部54)と、を繋ぐべく、画像形成装置10における様々な構成の間を通される。特に、本実施例の画像形成装置10では、作像部15Sを他の作像部15Y、15M、15C、15Bkに対して中間転写ベルト14aの移動方向の最も上流側に設けている(図1参照)。加えて、本実施例の画像形成装置10では、トナー容器装填部12Bを画像形成装置10における最も外側に設けている(図1参照)。このため、画像形成装置10では、特殊トナーに対応するトナー容器装填部12B(装置側連結部51)と現像装置23S(作像部15S)とを繋ぐトナー搬送チューブ52が長いものとなっている(図1参照)。このトナー搬送チューブ52は、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、他端が搬送ポンプ53に接続されている。
その搬送ポンプ53は、圧力差を生じさせることにより、搬送経路としてのトナー搬送チューブ52を経てトナー容器装填部12(装置側連結部51)すなわちトナー容器13から現像剤収容部(サブホッパ部54および現像装置23(作像部15))へと粉体や流体(本実施例ではトナー)を搬送するための搬送駆動機構である。搬送ポンプ53は、本実施例では、トナー搬送チューブ52における他端側すなわち現像剤収容部(サブホッパ部54および現像装置23(作像部15))側に設けられており、吸引により粉体や流体の搬送を行うものとされている。なお、搬送ポンプ53は、トナー搬送チューブ52における一端側すなわち装置側連結部51(トナー容器13)側に設けられて、吹き出しにより粉体や流体の搬送を行うものであってもよい。
搬送ポンプ53は、本実施例では、図6に示すように、ダイヤフラム式のポンプとされ、ケース61にダイヤフラム62が設けられて構成されている。そのケース61は、一端が開放された箱状を呈し、その開放された一端にダイヤフラム62が設けられている。ケース61は、ダイヤフラム62と協働して作動室63を形成する。ケース61には、作動室63に通じる吸入通路64と排出通路65とが形成されている。
その吸入通路64は、トナー搬送チューブ52と作動室63とを繋ぐ通路を形成するものであり、一端にトナー搬送チューブ52が着脱自在に接続されている。吸入通路64は、作動室63に至る他端で吸入口64aを形成している。その吸入口64aには、吸入通路64から作動室63への粉体や流体の通過を許すとともに、作動室63から吸入通路64への粉体や流体の通過を止める所謂逆止弁としての吸入弁66が設けられている。この吸入通路64では、作動室63側で吸入口64aの周辺を取り囲むように逃げ溝部64bが形成されている。この逃げ溝部64bは、吸入弁66と吸入口64aとの接触面積を小さくするとともに、吸入弁66が閉じる際に当該吸入弁66と吸入口64aと間の粉体(流体)が逃げる箇所を形成する。これにより、吸入弁66は、適切に吸入口64aを塞ぐことが可能とされている。また、吸入通路64では、一端と他端との中間位置に分岐通路部64cが設けられている。この分岐通路部64cは、圧力計67による吸入通路64内の圧力の検知を可能とするための通路である。その圧力計67は、検知信号を制御部34(図3等参照)へと送信することが可能とされている。
排出通路65は、作動室63とサブホッパ部54(その後述する現像剤収容箇所71)とを繋ぐ通路を形成するものであり、一端が作動室63に通じているとともに、他端が排出口65aを形成しつつサブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)に接続されている。その排出口65aには、排出通路65からサブホッパ部54への粉体や流体の通過を許すとともに、サブホッパ部54から排出通路65への粉体や流体の通過を止める所謂逆止弁としての排出弁68が設けられている。この排出通路65では、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)側で排出口65aの周辺を取り囲むように逃げ溝部65bが形成されている。この逃げ溝部65bは、排出弁68と排出口65aとの接触面積を小さくするとともに、排出弁68が閉じる際に当該排出弁68と排出口65aと間の粉体や流体が逃げる箇所を形成する。これにより、排出弁68は、適切に排出口65aを塞ぐことが可能とされている。
ダイヤフラム62は、可撓性部材から形成されており、ケース61の開放された一端を塞ぐように、当該ケース61に取り付けられている。このダイヤフラム62は、ケース61側すなわち作動室63側へと押し込んだ状態と、そことは反対側すなわちケース61の外方側へと突起した状態と、の間で移行することが可能とされている。ダイヤフラム62では、その中央部に伝達腕部62aが設けられている。その伝達腕部62aは、ダイヤフラム62を上記した2つの状態間で移行させるために設けられている。伝達腕部62aでは、その突出端部に軸穴62bが設けられている。この伝達腕部62aを介してダイヤフラム62へと動力を付与するために、ポンプ用モータ69が設けられている。
そのポンプ用モータ69は、制御部34(図3参照)に接続されており、その制御部34の制御下で適宜回転駆動される。ポンプ用モータ69では、出力軸がその回転中心から偏心されるクランク軸69aとされており、そのクランク軸69aがダイヤフラム62の伝達腕部62aの軸穴62bに通されている。このポンプ用モータ69は、制御部34の制御下で適宜回転駆動されることにより、搬送ポンプ53のダイヤフラム62を上記した2つの状態間で連続的に移行させて当該搬送ポンプ53を駆動する。このため、搬送ポンプ53では、作動室63の容積の増減が連続して行われることで、吸入口64a(吸入通路64)から粉体や流体を吸引するとともに、排出口65a(排出通路65)から粉体や流体を排出することができる。その制御部34は、後述するトナーエンドセンサ74からの検知信号と、圧力計67からの検知信号と、に基づいて、搬送ポンプ53の駆動を適宜制御する。
その排出口65aが接続されたサブホッパ部54は、現像剤を収容する現像剤収容箇所71、72と、それらの中に設けられた2つの搬送スクリュ73と、現像剤収容箇所71中のトナーの量を検知するトナーエンドセンサ74と、を有する。このサブホッパ部54は、現像装置23へと補給するトナーの量を調節すべく、搬送ポンプ53によりトナー搬送チューブ52(搬送経路)を経てトナー容器13から補給するトナー(粉体または流体)を一時的に貯留(収容)する箇所である。このため、サブホッパ部54は、現像剤収容部において、現像装置23(作像部15)に現像剤(トナー(粉体や流体))を補給すべく、その現像剤(トナー(粉体や流体))を一時的に収容(貯留)する一時収容部として機能する。
現像剤収容箇所71では、搬送ポンプ53の排出口65a(排出通路65)に通じており、搬送ポンプ53から排出されたトナー(粉体や流体)が重力により落下して補給される。その現像剤収容箇所71では、補給されたトナーが、現像剤収容箇所72との間で、それぞれに設けられた搬送スクリュ73の回転駆動により、撹拌されながら図6の紙面垂直方向の一方および他方へと移動しつつ、互いを行き交うように循環する。その2つの搬送スクリュ73は、スクリュ駆動機構75(図9等参照)から駆動力が付与されることにより回転駆動される。そのスクリュ駆動機構75は、制御部34(図3参照)に接続されており、その制御部34の制御下で適宜駆動される。
現像剤収容箇所72には、その下方の開口72aを介してトナー搬送パイプ55(図3参照)が接続されている。このトナー搬送パイプ55は、上述したように、現像装置23の現像剤収容箇所44に接続されている(図3参照)。このため、現像剤収容箇所72では、両搬送スクリュ73の回転駆動により循環されたトナーを、開口72a上へと移動させることにより、トナー搬送パイプ55を介して現像装置23の現像剤収容箇所44へと重力により落下させて補給することができる。このため、両搬送スクリュ73は、現像剤収容部(収容部(その一時収容部))において、現像剤としてのトナー(紛体または流体)を現像装置23(補給対象)へと補給するための現像剤補給機構として機能する。
トナーエンドセンサ74は、自らが設けられた現像剤収容箇所71内のトナーの量を検知するものであり、現像剤収容部(収容部(その一時収容部))のトナー(粉体や流体)の量を検知する現像剤量検知機構として機能する。このトナーエンドセンサ74は、本実施例では、圧力の変化を検知することによりトナーの量を検知するものであり、現像剤収容箇所71内で所定の高さ位置に設けられている。トナーエンドセンサ74は、自らが設けられた位置にトナーが達すると、その圧力を検知することで、現像剤収容箇所71内のトナーの量を検知する。このトナーエンドセンサ74は、制御部34(図3参照)に接続されており、圧力の検知結果としての電気信号(トナー検知信号)を制御部34に出力する。制御部34は、本実施例では、トナーエンドセンサ74からの検知信号を所定の時間内で複数回(例えば10回)検出し、そのうちの所定の回数(例えば5回)がトナー検知信号を検出できなかった場合、現像剤収容箇所71内のトナーが不足しているものと判断する。
なお、本実施例のトナー補給装置50では、搬送ポンプ53とサブホッパ部54とが組み合わされて一体的な構成(ユニット)とされており、画像形成装置10(筐体11)から取り外すことが可能とされている(図12等参照)。そのサブホッパ部54では、現像剤収容箇所72の下方の開口72aに接続されたトナー搬送パイプ55を取り外すことが可能とされており、その取り外しに伴い開口72aを塞ぐシャッタ片72bが設けられている。このシャッタ片72bは、トナー搬送パイプ55が開口72a(サブホッパ部54)に取り付けられる際、その開口72aを塞いだ状態が解除される。また、搬送ポンプ53では、吸入通路64の一端に接続されたトナー搬送チューブ52を当該吸入通路64から取り外すことが可能とされている。このため、搬送ポンプ53およびサブホッパ部54は、容易に交換することが可能とされている。
次に、トナー補給装置50における各トナー容器13内に収納されたトナーを対応する現像装置23へと補給する補給制御処理について説明する。このトナー補給装置50における補給制御処理は、図3に示すように、制御部34の制御下で実行される。この補給制御処理は、現像装置23(その現像剤収容箇所44)におけるトナーの量を所定の範囲内に維持するために行われるものである。
トナー補給装置50は、現像装置23の濃度検知センサ46により現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度が所定の値よりも小さくなったことを検知すると、スクリュ駆動機構75(図9等参照)を駆動してサブホッパ部54の2つの搬送スクリュ73を回転駆動させる。すると、サブホッパ部54では、現像剤収容箇所71と現像剤収容箇所72との間でトナーが撹拌されながら循環され、現像剤収容箇所72の開口72aに到達したトナーが自重により当該開口72aに接続されたトナー搬送パイプ55へと落下する。このトナーは、トナー搬送パイプ55を介して現像装置23の現像剤収容箇所44内に補給される。そして、トナー補給装置50は、濃度検知センサ46により現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度が所定の値となったことを検知すると、スクリュ駆動機構75による2つの搬送スクリュ73の回転駆動を停止する。
そのサブホッパ部54では、現像装置23の現像剤収容箇所44内へのトナーの補給により、現像剤収容箇所71、72内のトナーの量が減ることとなる。このため、トナー補給装置50は、トナーエンドセンサ74によりサブホッパ部54の現像剤収容箇所71内のトナーが不足したことを検知すると、ポンプ用モータ69を回転駆動して搬送ポンプ53を駆動させる。すると、搬送ポンプ53は、吸入通路64を介してトナー搬送チューブ52内の空気(トナーも含む)を吸引して当該トナー搬送チューブ52内に負圧を発生させ、吸入口64aへの吸引力を発生させる。このため、トナー補給装置50では、トナー容器13に接続された装置側連結部51のトナーが、空気とともにトナー搬送チューブ52を介して搬送ポンプ53の吸入口64aに吸引される。そして、トナー補給装置50では、吸入口64aまで吸引したトナーを搬送ポンプ53の作動室63内に送り込み、当該搬送ポンプ53の排出口65a(排出通路65)からサブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)内へと排出して補給する。その排出口65a(排出通路65)は、サブホッパ部54の現像剤収容箇所71に通じていることから、排出口65aから排出されたトナーは現像剤収容箇所71内すなわちサブホッパ部54に補給される。そして、トナー補給装置50は、トナーエンドセンサ74により現像剤収容箇所71内のトナーの量が所定の値となったこと(トナーが不足していないこと)を検知すると、ポンプ用モータ69による搬送ポンプ53の駆動を停止する。
ここで、本実施例のトナー補給装置50では、所定の時間(例えば0.7sec)駆動した後に停止して所定の間隔を置き、再び所定の時間(例えば0.7sec)駆動する、という間欠的なサイクルを繰り返すことで、ポンプ用モータ69による搬送ポンプ53の駆動を行う。これは、以下のことによる。トナー補給装置50では、トナー搬送チューブ52を経てトナー容器装填部12(装置側連結部51)すなわちトナー容器13から現像装置23(作像部15)へとトナーを搬送するための搬送ポンプとして、ダイヤフラム式のポンプである搬送ポンプ53を用いている。この搬送ポンプ53は、吸入口64a(吸入通路64)から粉体や流体を吸引するとともに、排出口65a(排出通路65)から粉体や流体を排出する能力(所謂搬送能力)が高い。このため、現像剤収容箇所71(サブホッパ部54)では、搬送ポンプ53を間欠的な駆動としないと、極めて短い時間でトナーが充満してしまう虞がある。また、現像剤収容箇所71(サブホッパ部54)では、搬送ポンプ53からトナーがある程度の勢いを持って排出されることから、排出された直後にはトナーが空気を含んだ状態(所謂嵩増し)となっている。すると、トナーエンドセンサ74では、現像剤収容箇所71内のトナーの量を正確に検知することが困難となってしまう虞がある。このため、トナーの嵩増しの状態を解消させるべく時間を置くことにより、トナーエンドセンサ74による現像剤収容箇所71内のトナーの量を正確に検知することを可能とすることができる。これらのことから、本実施例のトナー補給装置50では、間欠的なサイクルを繰り返してポンプ用モータ69による搬送ポンプ53の駆動を行う。
そのトナー搬送チューブ52では、トナー容器装填部12に装填されたトナー容器13に連結された装置側連結部51が接続されている。その装置側連結部51は、上述したように、トナー容器13Y、13M、13C、13Bkが対応されたトナー容器装填部12Aと、トナー容器13Sが対応されたトナー容器装填部12Bと、で異なる構成とされている。
トナー補給装置50は、トナー容器装填部12Aに対応する装置側連結部51において、連結部センサ51dからの検知信号により、トナー収容部51a内におけるトナーの収納量が所定の量を下回ったことを検知すると、回転駆動機構12a(図9等参照)を駆動してトナー容器13を回転させる。すると、トナー容器13は、収容するトナー(各色トナー)を、開口部13bから排出して接続開口部分51bからトナー収容部51a内へと送る。そして、トナー補給装置50は、連結部センサ51dによりトナー収容部51a内のトナーの量が所定の値となったことを検知すると、回転駆動機構12aの駆動を停止する。これにより、トナー補給装置50では、トナー収容部51a内に一時的に収容するトナーの量を所定のもので維持することができる。そのトナー収容部51aに収納されたトナーは、接続筒部分51eへと移動することが可能とされ、その接続筒部分51eに接続されたトナー搬送チューブ52へと移動することが可能とされている。
また、トナー補給装置50は、トナー容器装填部12B(図5参照)に対応する装置側連結部51である場合、搬送ポンプ53の駆動に応じて回転駆動機構12a(図9等参照)を駆動してトナー容器13Sの容器本体部13pを適宜回転させる。すると、トナー容器13Sでは、容器本体部13pに収納されたトナー(特殊トナー)が開口部13sから排出されて、接続開口部分13uから容器側連結部13q内へと送られて、その容器側連結部13qに一時的に収容される。その容器側連結部13qに収納されたトナーは、接続開口部51qを経てノズル51pへと移動することが可能とされ、そのノズル51pに接続されたトナー搬送チューブ52へと移動することが可能とされる。
このように、制御部34による補給制御処理において、トナー補給装置50は、トナー容器13(容器本体部13p)を適宜回転駆動することで、トナー搬送チューブ52から装置側連結部51に至る箇所のトナーの量を適切なものとしている。このため、トナー補給装置50は、搬送ポンプ53を駆動することにより、トナー搬送チューブ52を経てトナー容器装填部12(装置側連結部51)すなわちトナー容器13からサブホッパ部54へとトナーを搬送することを可能としている。そして、トナー補給装置50は、搬送ポンプ53を適宜駆動することで、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)のトナーの量を適切なものとしている。このため、トナー補給装置50は、サブホッパ部54の2つの搬送スクリュ73を回転駆動することにより、サブホッパ部54の現像剤収容箇所72からトナー搬送パイプ55を経て現像装置23(その現像剤収容箇所44)へとトナーを搬送することを可能としている。また、サブホッパ部54では、現像装置23(その現像剤収容箇所44)へのトナーの搬送を、2つの搬送スクリュ73の回転駆動により行うものであることから、搬送(補給)するトナーの量の調節が容易なものとされている。よって、トナー補給装置50は、補給制御処理を行うことにより、現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度を所定の範囲内に維持することができる。
ここで、トナー補給装置50では、補給制御処理において、トナー容器13(容器本体部13p)および搬送ポンプ53を適宜駆動させているにも関わらず、トナーエンドセンサ74からトナー検知信号が送られてこない場合が生じる。すると、制御部34(トナー補給装置50)は、トナー容器13(容器本体部13p)内のトナーエンド(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったこと)と判断する。その制御部34は、トナー容器13(容器本体部13p)内のトナーエンドを検出すると、画面表示や特定の点灯箇所(例えば後述する操作部35)を点灯させることにより、新たなトナー容器13への交換を促す旨を報知する。ここで、トナーエンド検出時であっても、サブホッパ部54からトナー搬送パイプ55を経て現像装置23(その現像剤収容箇所44)に至る間にはトナーがまだ残っている。このため、現像装置23では、トナー容器13が新しいものに交換されなくても、しばらくの間はトナーが補給されるので、直ちに画像が形成できなくなることを防止することができる。また、トナー補給装置50では、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)のトナーの量に基づいて、トナー容器13(容器本体部13p)内のトナーエンドを検出することから、トナー容器13(容器本体部13p)にトナー検知センサを設けなくても、トナーエンドの時期を適切に検出することができる。
次に、トナー補給装置50におけるトナー容器13(13S)内に収納されたトナーを、対応する現像装置23へと補給すべく搬送する搬送経路に存在するトナーを除去するための搬送経路清掃処理について説明する。このトナー補給装置50における搬送経路清掃処理は、制御部34の制御下で実行される。搬送経路清掃処理は、本実施例では、装置側連結部51としてノズル51pが設けられた経路、すなわち特殊トナーを収容するトナー容器13Sに対応して設けられたトナー補給装置50(トナー容器装填部12B)に対して実行する。これは、特殊トナーは、上述したように種類の変更の要求があるのに対し、その他の各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーでは基本的には種類の変更の要求がないことによる。図7は、本実施例における制御部34にて実行される搬送経路清掃処理内容を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートの各ステップについて説明する。なお、このフローチャートの説明では、各色を示す符号(アルファベット(S、Y、M、C、Bk))を省略するとともに単にトナー容器装填部12と記載して説明する。この搬送経路清掃処理は、制御部34に接続された操作部35(図3参照)において、搬送経路清掃(搬送経路清掃モード)を実行する旨の操作が為されることにより開始される。
ステップS1では、トナー容器13がトナー容器装填部12から取り外されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS2へ進み、Noの場合はステップS1へ戻る。このステップS1では、装填検知機構(本実施例ではアンテナ基板12bおよび電子基板13d)からの入力信号から、トナー容器13がトナー容器装填部12から取り外されたか否かを判断する。
ステップS2では、ステップS1でのトナー容器13が取り外されたとの判断、あるいは、ステップS3でのサブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足していないとの判断に続き、作像部15で作像プロセスを行いつつトナー補給装置50で補給制御処理を行い、ステップS3へ進む。このステップS2では、トナー容器13が取り外された状態において、トナー補給装置50に残存するトナー(特殊トナー)を消費させる。ステップS2では、本実施例では、作像部15において、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)を行うことにより、被転写材Pに全面に渡ってトナー(特殊トナー)を転写させた所謂トナー(特殊トナー)によるベタ画像を形成させる。その作像プロセスでは、上述したように感光体ドラム21の表面に残ったトナー(未転写トナー)をクリーニング部24で機械的に回収する(クリーニング工程)。その回収したトナーは、廃トナーボトル27へと送られることから、周辺を汚すことなく処理することができる。また、ステップS2では、作像部15での作像プロセスとともに、トナー補給装置50で補給制御処理を行う。これは、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52、搬送ポンプ53、サブホッパ部54、トナー搬送パイプ55を経て現像装置23に至る間のトナー(特殊トナー)を、作像部15での作像プロセスにより消費させるためである。換言すると、ステップS2では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52に至る間のトナー(特殊トナー)を、搬送ポンプ53によりサブホッパ部54へと搬送していることから、サブホッパ部54においてトナー(特殊トナー)が溢れる虞がある。このため、ステップS2では、作像部15での作像プロセスを同時に行うことにより、搬送ポンプ53により搬送されたトナー(特殊トナー)がサブホッパ部54において溢れることを防止する。なお、このステップS2(補給制御処理)では、トナー容器13が取り外されていることから、トナー容器装填部12の回転駆動機構12a(図9等参照)の回転駆動は行わない。
ステップS3では、ステップS2での作像部15で作像プロセスを行いつつトナー補給装置50で補給制御処理を行うことに続き、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足しているか否かを判断し、Yesの場合はステップS4へ進み、Noの場合はステップS2へ戻る。このステップS3では、トナーエンドセンサ74からトナー検知信号が送られてきたか否かを検出することにより、サブホッパ部54の現像剤収容箇所71内のトナーが不足しているか否かを判断する。すなわち、トナー検知信号が送られてきた場合には、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内にトナーが十分に存在することを意味し、トナー検知信号が送られてこない場合、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足していることを意味する。ここで、搬送ポンプ53を駆動させているにも関わらず、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足しているということは、搬送ポンプ53から補給されるトナーの量が極めて少なくなっている。これは、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーが殆ど残存していないことを意味する。このため、ステップS3では、搬送ポンプ53から補給されるトナーの量が極めて少なくなったか否か、すなわちノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーが極めて少なくなったか否か、を判断していることとなる。
ステップS4では、ステップS3でのサブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足しているとの判断に続き、残存除去動作を実行して、ステップS5へ進む。このステップS4では、残存除去動作として、搬送ポンプ53を所定の時間駆動した後に停止し、所定の間隔を置いて、再び搬送ポンプ53を所定の時間駆動した後に停止する、という間欠的なサイクルを所定回数行って、搬送ポンプ53の駆動を停止する。本実施例では、一例として、搬送ポンプ53を駆動する所定の時間を0.7secとし、間欠的なサイクルを行う所定の回数を10回(搬送ポンプ53の0.7secの駆動を10度繰り返す)とする(図8参照)。このステップS4では、残存除去動作を行うことにより、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間、特にトナー搬送チューブ52に残存するトナーを除去することを狙うものである。これは、次のことによる。上述したように、ステップS3では、搬送ポンプ53から補給されるトナーの量が極めて少なくなったと判断しているが、搬送ポンプ53から補給されるトナーの量が極端に減っただけで搬送ポンプ53から補給されるトナーが完全に無くなったとは限らない。すなわち、トナー搬送チューブ52等では、僅かではあるがトナーが残存している可能性がある。このため、ステップS4では、残存除去動作を行うことにより、トナー搬送チューブ52等に残存するトナーの除去を狙っている。なお、ステップS4の残存除去動作において、所定の回数だけ間欠的なサイクルを行って搬送ポンプ53の駆動を停止するのは、サブホッパ部54や現像装置23の圧力が不必要に高くなることを防止するためである。これは、サブホッパ部54や現像装置23では、圧力が高くなると、例えば、トナー搬送パイプ55を介するサブホッパ部54と現像装置23との連結箇所や、現像装置23における現像ローラ41の周辺から、収容するトナーが飛散する虞があることによる。
ステップS5では、ステップS4での残存除去動作の実行に続き、ダメ押し除去動作を実行するか否かを判断し、Yesの場合はステップS6へ進み、Noの場合は搬送経路清掃処理を終了する。このステップS5では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーの相性に基づいて、ダメ押し除去動作を実行するか否かを判断する。詳細は、以下のとおりである。例えば、交換前のトナーが白トナーであって、交換後の新たなトナーがクリアトナーである場合、交換前の白トナーが残存してクリアトナーに混入すると、カラー画像の全体に渡って白い点々が存在してしまう虞がある。逆に、交換前のトナーがクリアトナーであって、交換後の新たなトナーが白トナーである場合、交換前のクリアトナーが残存して白トナーに混入しても、形成されたカラー画像においては、クリアトナーが混入していることに気付くことは困難である。このため、種類が異なるものであることを前提として、前者のように混入が問題となる組み合わせを相性が悪いものとし、後者のように混入が問題とならない組み合わせを相性が良いものとする。このような相性の良し悪しは、予め設定するとともに、電子基板13dや制御部34(その記憶部34a)に情報として格納(記憶)しておく。本実施例では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーの相性が良いものを予め設定するとともに、その情報を予め電子基板13dや制御部34(その記憶部34a)に格納(記憶)する。そして、ステップS5では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーが格納(記憶)したものである、すなわち予め設定したもの(相性の良いもの)である場合、ダメ押し除去動作を実行しないもの(No)と判断する。また、ステップS5では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーが格納(記憶)したものではない、すなわち予め設定したものではない(相性の悪いもの)である場合、ダメ押し除去動作を実行するもの(Yes)と判断する。ここで、相性の良し悪しは、種類が異なるものであることを前提としていることから、交換前のトナーと交換後の新たなトナーとが同じ種類である場合、予め設定したもの(相性の良いもの)と判断し、ダメ押し除去動作を実行しないもの(No)と判断する。なお、交換前のトナーの種類は、トナー容器13に設けられた電子基板13dから制御部34が得た情報により判断することができる(図3参照)。また、交換後の新たなトナーの種類は、制御部34に接続された操作部35(図3参照)において、搬送経路清掃を実行する旨の操作が為された際、その種類を指定させることにより判断することができる。なお、これらの情報の取得は、例えば、ネットワークを利用して取得する等、他の手段を用いるものであってもよい。
ステップS6では、ステップS5でのダメ押し除去動作を実行するとの判断に続き、ダメ押し除去動作を実行して、搬送経路清掃処理を終了する。このステップS6では、ダメ押し除去動作として、トナー搬送チューブ52を経てトナー容器13から現像装置23(作像部15)へとトナーを搬送するための搬送ポンプ53を、ステップS4の残存除去動作よりも搬送力を高めた状態で駆動する。これは、ステップS4の残存除去動作でも除去することができなかったトナー搬送チューブ52等に残存するトナーを、除去の対象としていることによる。本実施例では、以下の2つの方法で、搬送ポンプ53を駆動することにより搬送力を高める。1つ目は、残存除去動作における所定の時間よりも長い時間連続して搬送ポンプ53を駆動すること。2つ目は、残存除去動作における駆動よりも大きな力で搬送ポンプ53を駆動すること。その1つ目の要件の一例として、残存除去動作での駆動時間である所定の時間が0.7secであることから、それよりも長い駆動時間(例えば、1〜3sec)とすべく2.0secの間連続して搬送ポンプ53を駆動する。ここで、搬送ポンプ53を駆動するためのポンプ用モータ69は、残存除去動作(補給制御処理でも同様である)において、20Vの電圧により2000rpmで駆動されているものとする。これに対して、2つ目の要件の一例として、残存除去動作よりも大きな力で駆動すべく、24Vの電圧により4000rpmで駆動する。本実施例のダメ押し除去動作では、2.0secの間連続して搬送ポンプ53(ポンプ用モータ69)を24Vの電圧により4000rpmで駆動する(図8参照)。このため、ダメ押し除去動作では、搬送ポンプ53によりノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に形成する空気の流量を残存除去動作よりも大きくすることができ、残存除去動作よりも搬送力を高めることができる。
使用者は、このトナー補給装置50を搭載した画像形成装置10において、目的に沿ったトナー(特殊トナー)を用いて画像を形成しているものとする(図9参照)。その後、使用者は、トナー(特殊トナー)の種類を変更すべく、操作部35(図3参照)において搬送経路清掃を実行する旨の操作を行うとともに、トナー容器13をトナー容器装填部12から取り外す(図10参照)。すると、画像形成装置10(トナー補給装置50)では、図7のフローチャートにおいてステップS1→ステップS2へと進むことにより、トナー補給装置50に残存するトナー(特殊トナー)を消費させる。そして、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナー(特殊トナー)が不足すると、ステップS3→ステップS4へと進むことにより、残存除去動作を実行する(図8参照)。その後、ステップS5へと進むことにより、ダメ押し除去動作の実行の有無を判断し、実行する場合にはステップS6へと進むことによりダメ押し除去動作を実行して(図8参照)、搬送経路清掃処理を終了する。これにより、トナー補給装置50を搭載した画像形成装置10では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間にトナーが残存することを防止する(現実的には殆ど残存しないものとする)ことができる(図11参照)。
そして、搬送経路清掃処理が終了したので、使用者は、一体的な構成とされた搬送ポンプ53およびサブホッパ部54を取り外すとともに、作像部15における現像装置23を取り外す(図12参照)。ここで、搬送ポンプ53では、吸入通路64一端に接続されたトナー搬送チューブ52を当該吸入通路64から取り外す必要があるが、そのトナー搬送チューブ52にはトナー(特殊トナー)が残存していないことから、トナー(特殊トナー)が飛散することはなく、容易な作業とすることができる。また、サブホッパ部54では、現像剤収容箇所72の下方の開口72aに接続されたトナー搬送パイプ55を取り外す必要があるが、その開口72aにはシャッタ片72b(図6参照)が設けられていることから、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所72)内のトナー(特殊トナー)が飛散することはなく、容易な作業とすることができる。現像装置23は、従来の構成と同様に、容易な作業で取り外すことができる。なお、現像装置23は、少なくとも現像ローラ41とともに取り外すことを可能とするものであれば、感光体ドラム21とともに取り外す構成であってもよく、他の構成であってもよく、本実施例に限定されるものではない。
そして、使用者は、新たなトナーが収容された現像装置23´と、搬送ポンプ53´およびサブホッパ部54´と、を取り付けるとともに、新たなトナーを収容するトナー容器13´をトナー容器装填部12に装填する(図13参照)。これにより、トナー補給装置50を含む画像形成装置10では、新たな種類のトナー(特殊トナー)へと変更することができ、交換前のトナー(特殊トナー)が交換後の新たなトナー(特殊トナー)に混入することを防止することができる。なお、取り外したトナー容器13と、搬送ポンプ53およびサブホッパ部54と、現像装置23と、を用いて、上記した工程を行うことでトナー(特殊トナー)の種類を元に戻すことができる。
ここで、トナー補給装置50を含む画像形成装置10では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52および搬送ポンプ53´を経てサブホッパ部54´に至る間に、新たなトナー(特殊トナー)が存在していない(図13参照)。このため、新たなトナー(特殊トナー)を用いて被転写材Pに画像を形成した場合、現像装置23´の現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度が所定の値よりも低下してしまう虞がある。このため、本実施例のトナー補給装置50を含む画像形成装置10では、新たな現像装置23´と、搬送ポンプ53´およびサブホッパ部54´と、が取り付けられ、かつ新たなトナー容器13´がトナー容器装填部12に装填されると(図13参照)、初期充填処理を行う。
以下では、初期充填処理について説明する。このトナー補給装置50における初期充填処理は、制御部34の制御下で実行される。図14は、本実施例における制御部34にて実行される初期充填処理内容を示すフローチャートである。以下、図14のフローチャートの各ステップについて説明する。この初期充填処理は、搬送経路清掃処理が終了したことにより開始される。なお、以下の説明では、説明が煩雑となるのを防ぐため、新たな現像装置23´と、搬送ポンプ53´およびサブホッパ部54´と、新たなトナー容器13´とを示す際、「´」の記号を省略して示すこととする。なお、図15では、理解容易のために、図14と同様に「´」の記号を付して示している。
ステップS11では、トナー容器13がトナー容器装填部12に装填されたか否かを判断し、Yesの場合はステップS12へ進み、Noの場合はステップS11へ戻る。このステップS11では、装填検知機構(本実施例ではアンテナ基板12bおよび電子基板13d)からの入力信号から、トナー容器13がトナー容器装填部12に装填されたか否かを判断する。なお、ステップS11では、新たな現像装置23と、搬送ポンプ53およびサブホッパ部54と、が取り付けられていることを確認していることを前提としている。
ステップS12では、ステップS11でのトナー容器13が装填されたとの判断に続き、トナー容器13(容器本体部13p)を回転させて、ステップS13へ進む。このステップS12では、回転駆動機構12aを駆動することにより、トナー容器13Sの容器本体部13pを適宜回転させる。これにより、トナー容器13Sの容器本体部13pに収納されたトナー(特殊トナー)を、容器側連結部13q内へと送り、その容器側連結部13qに一時的に収容させて、接続開口部51qを経てノズル51pへと移動することを可能とする。
ステップS13では、ステップS12でのトナー容器13(容器本体部13p)を回転させることに続き、搬送ポンプ53を駆動させて、ステップS14へ進む。このステップS13では、ポンプ用モータ69を回転駆動することにより、搬送ポンプ53を駆動させる。これにより、容器側連結部13qに一時的に収容されたトナー(特殊トナー)は、接続開口部51qおよびノズル51pを経てトナー搬送チューブ52から、搬送ポンプ53(その作動室63)内へと送り込まれる。そして、そのトナー(特殊トナー)は、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所71)内へと排出されて補給される。
ステップS14では、ステップS13での搬送ポンプ53の駆動に続き、サブホッパ部54の両搬送スクリュ73を回転駆動させて、ステップS15へ進む。このステップS14では、スクリュ駆動機構75を駆動することにより、2つの搬送スクリュ73を回転駆動させる。これにより、サブホッパ部54では、現像剤収容箇所71と現像剤収容箇所72との間でトナーが撹拌されながら循環される。ここで、このステップS14では、他の処理(補給制御処理等)とは異なり、両搬送スクリュ73を回転駆動により、現像剤収容箇所71と現像剤収容箇所72との間で循環されるトナー(特殊トナー)が、現像剤収容箇所72の開口72aに到達することのないものとする。これは、ステップS14では、補給されたトナーを、サブホッパ部54(その現像剤収容箇所71および現像剤収容箇所72)内で均すことが目的であることによる。
ステップS15では、ステップS14でのサブホッパ部54の両搬送スクリュ73の回転駆動に続き、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーの量が所定の値となったか否かを判断し、Yesの場合は初期充填処理を終了し、Noの場合はステップS15を繰り返す。このステップS15では、トナーエンドセンサ74からのトナー検知信号の有無を検出することにより、現像剤収容箇所71内のトナーの量が所定の値となったか否かを判断する。そして、現像剤収容箇所71内のトナーの量が所定の値となった場合、スクリュ駆動機構75による2つの搬送スクリュ73の回転駆動、ポンプ用モータ69による搬送ポンプ53の駆動、および回転駆動機構12aによるトナー容器13(容器本体部13p)の回転を停止して、初期充填処理を終了する。
トナー補給装置50は、初期充填処理を行うことにより、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52および搬送ポンプ53を経てサブホッパ部54に至る間に、新たなトナー(特殊トナー)を適切に補給することができる(図15参照)。これにより、本実施例のトナー補給装置50を含む画像形成装置10では、新たなトナー(特殊トナー)を用いて被転写材Pに画像を形成しても、上述した補給制御処理を行うことにより、現像装置23の現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度を所定の範囲内に維持することができる。
本発明に係る現像剤補給装置としてのトナー補給装置50では、トナー容器13が対応するトナー容器装填部12に装填されていない状態で搬送ポンプ53を駆動する搬送経路清掃処理を行う。このため、トナー補給装置50では、トナー容器13からトナーが補給されない状態において、トナー容器装填部12におけるノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーを搬送することができる。これにより、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存するトナーを、その搬送ポンプ53により吸引して除去することができる。
また、トナー補給装置50では、交換が容易とされたトナー容器13をトナー容器装填部12から取り外してから、搬送経路清掃処理として搬送ポンプ53を駆動する。このため、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存するトナーの除去のための搬送ポンプ53の駆動を、効率的なものとすることができる。
さらに、トナー補給装置50では、装填検知機構(アンテナ基板12bおよび電子基板13d)からの入力信号に基づいて、トナー容器13がトナー容器装填部12から取り外されたことを確認する。このため、トナー補給装置50では、より確実にトナー容器13がトナー容器装填部12に装填されていない状態において搬送ポンプ53を駆動することができる。
トナー補給装置50では、搬送経路としてのトナー搬送チューブ52を経てトナーを搬送するために搬送ポンプ53を用いている。このため、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経る間の配置(レイアウト)の自由度を確保しつつそれらに残存するトナーを吸引して除去することができる。これは、搬送機構として搬送スクリュのように直接接触したトナーしか搬送することができないものを用いた場合、当該搬送スクリュが直接トナーに接触できない箇所では、自重によりトナーを搬送できる配置とする必要があることによる。
トナー補給装置50では、搬送機構としてダイヤフラム式の搬送ポンプ53を用いている。このため、トナー補給装置50では、トナー容器13からトナーが補給されない状態であっても、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存するトナーを吸引してより効果的に除去することができる。これは、例えば、搬送機構としてモーノポンプ(吸引型一軸偏心スクリューポンプ)を用いた場合、トナー搬送チューブ52内のトナーがある程度減少してくると、その減少に伴いトナー搬送チューブ52内に形成された空間の空気のみを吸引してしまう虞があることによる。これに対して、ダイヤフラム式のポンプは、流体の搬送を主な用途とするものであるとともに、作動室63の容積を大きくすることが容易である。このため、トナー補給装置50では、トナーの減少に伴いトナー搬送チューブ52内に空間が形成されても、その空気と共にトナーを吸引することができる。これにより、トナー補給装置50では、残存するトナーをより確実に吸引することができ、当該トナーをより効果的に除去することができる。なお、紛体であるトナーは、流体のように振る舞うことから、ダイヤフラム式の搬送ポンプ53であっても何らの問題を生じさせることなく吸引することができる。
トナー補給装置50では、トナー容器装填部12(12B)においてトナー容器13(13S)と連結させる装置側連結部51をノズル51pとしていることから、トナー容器13(13S)が取り外された状態においてトナー搬送チューブ52の先を内径寸法が略等しいノズル51pとすることができる。このため、トナー補給装置50では、トナーが残存し得るノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間の内径寸法が広がることを防止することができる。これにより、トナー補給装置50では、搬送ポンプ53による吸引によりノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52に至る間に生じさせる流速を、上流部(ノズル51p)であっても略等しいものとすることができる。よって、トナー補給装置50では、残存するトナーをより確実に吸引することができ、当該トナーをより効果的に除去することができる。
トナー補給装置50では、特殊トナーに対応するトナー容器装填部12Bのみに装置側連結部51としてノズル51pを設けるものとし、特殊トナーを収容するトナー容器13Sを当該ノズル51pとの連結が可能な構成としている。また、トナー補給装置50では、その他の各色に対応するトナー容器装填部12Aに装置側連結部51としてトナー収容部51aを設け、かつその他の各色のトナーを収容するトナー容器13を当該トナー収容部51aとの連結が可能な構成としている。前者は、上述したように、搬送経路清掃処理として搬送ポンプ53を駆動することでトナーを除去する効果を高めることができる。これに対し、後者は、前者と比較して、安価なものとすることができる。これらのことから、トナー補給装置50では、種類の変更の要求がある特殊トナーを収容するトナー容器13(13S)に対応するもののみを前者とし、他の各色のトナー容器13(13Y、13M、13C、13Bk)に対応するものを後者とすることで、コストの上昇を抑制しつつ使い勝手のよいものとすることができる。
トナー補給装置50では、現像装置23を画像形成装置10(筐体11)から取り外すことを可能としているとともに、搬送ポンプ53とサブホッパ部54とを一体的な構成として画像形成装置10(筐体11)から取り外すことを可能としている。そして、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52に至る間に残存するトナーをより確実に吸引することができ、当該トナーをより効果的に除去することができる。これらのことから、トナー補給装置50では、交換前のトナーが残存することを防止することができ、交換前のトナーが新たなトナーに混入することを防止できる。このため、トナー補給装置50では、被転写材Pに形成する画像の品質の低下を防止することができる。
トナー補給装置50では、搬送ポンプ53の吸引によりノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーを除去するものであることから、異なる種類のトナーへの変更を容易なものとすることができる。これは次のことによる。異なる種類のトナーへの変更する場合、トナー容器13や現像装置23を交換することが考えられるが、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53およびサブホッパ部54に至る間にはトナーが残存する。そこで、現像装置23に加えて、トナー搬送チューブ52、搬送ポンプ53およびサブホッパ部54も交換可能な構成とすることが考えられる。ところが、トナー搬送チューブ52は、各トナー容器装填部12(その装置側連結部51)と、それらが対応する色に合致する色に対応された現像装置23(サブホッパ部54)と、を繋ぐべく、画像形成装置10における様々な構成の間を通される。特に、本実施例では、特殊トナーに対応するトナー搬送チューブ52が、現像装置23S(作像部15S)とトナー容器装填部12B(トナー容器13S)との配置関係から、長いものとされて画像形成装置10における様々な構成の間を通されている。このため、トナー搬送チューブ52では、単に取り外すことはできても、折れや誤った箇所への配置を生じさせることなく様々な構成の間を通して新たに配置することは困難であり、交換可能な構成とすることは容易ではない。さらに、トナー搬送チューブ52では、トナーが残存している場面において交換することを想定していることから、単純に交換すべく取り外すことを可能とするだけでは足りず、その取り外しの際にトナーが漏れることを防止する機構を設ける必要がある。ここで、トナー搬送チューブ52では、様々な構成の間に通すことを容易とするために、複数に分割することが考えられるが、作業の煩雑さを招くとともにトナー漏れ防止の機構を分割した箇所毎に設ける必要があり容易ではない。トナー搬送チューブ52では、取り外すことなく外部の機器(例えば掃除機)により、残存するトナーを除去することも考えられるが、トナーが周囲に飛び散ることを完全に防ぐのは極めて困難である。これに対し、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52に至る間に残存するトナーを、搬送ポンプ53で吸引して除去することができる。このため、トナー補給装置50では、現像装置23、搬送ポンプ53およびサブホッパ部54も交換可能な構成とするとともに、その交換の際にトナー搬送チューブ52を交換しないものとすることができる。よって、トナー補給装置50では、交換前のトナーが新たなトナーに混入することを防止しつつ異なる種類のトナーへの変更を容易なものとすることができる。
トナー補給装置50では、搬送経路清掃処理において、搬送ポンプ53を駆動させている際にサブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足した状態となったこと判断すると、残存除去動作を実行する。ここで、搬送ポンプ53を駆動させているにも関わらず、サブホッパ部54(現像剤収容箇所71)内のトナーが不足しているということは、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーが殆ど残存していないこととなる。このため、トナー補給装置50では、トナーが極めて少なくなった状態で残存除去動作を実行することとなるので、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存し得るトナーを高い可能性で除去することができる。
トナー補給装置50では、残存除去動作において、搬送ポンプ53を所定の時間駆動した後に停止して所定の間隔を置き再び搬送ポンプ53を所定の時間駆動する、という間欠的なサイクルを所定回数行う。このため、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーが殆ど残存していない状態から、予め決められた流量および時間でトナー搬送チューブ52内を吸引することができる。すなわち、トナー補給装置50では、いずれの箇所の検知結果(トナーの量)に関わらず、予め決められた残存除去動作を実行する。これにより、トナー補給装置50では、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存し得るトナーを除去することができる。
トナー補給装置50では、残存除去動作において、搬送ポンプ53を所定の時間駆動した後に停止して所定の間隔を置き再び搬送ポンプ53を所定の時間駆動する、という間欠的なサイクルを所定回数行った後に、搬送ポンプ53の駆動を停止する。このため、トナー補給装置50では、サブホッパ部54や現像装置23の圧力が不必要に高くなることを防止することができる。これにより、トナー補給装置50では、サブホッパ部54や現像装置23において、収容するトナーが飛散することを防止することができる。ここで、サブホッパ部54に空気穴を設けるとともに当該空気穴にトナーの通過を阻むフィルタを設けることも考えられるが、圧力を逃がす効果には限界があるので、上記した動作はより効果的である。
トナー補給装置50では、搬送経路清掃処理において、残存除去動作の後にダメ押し除去動作を行うことから、より確実にノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間のトナーを除去することができる。
トナー補給装置50では、搬送経路清掃処理において、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーの相性に基づいて、ダメ押し除去動作を実行するか否かを判断する。このため、トナー補給装置50では、被転写材Pに形成する画像の品質の低下が生じない場面ではダメ押し除去動作を行わず、必要な場面(品質の低下が生じ得る場面)のみでダメ押し除去動作を行うことができる。これにより、トナー補給装置50では、被転写材Pに形成する画像の品質の低下を防止することができるとともに、搬送経路清掃処理に要する時間の短縮を図ることができる。
トナー補給装置50では、搬送経路清掃処理において、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーの相性の良し悪しを予め設定するとともに、相性が良いものを電子基板13dや制御部34(その記憶部34a)に情報として格納(記憶)している。そして、トナー補給装置50では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーが格納(記憶)したものである場合、予め設定したものであって相性が良いものであると判断する。また、トナー補給装置50では、交換前のトナーに対する交換後の新たなトナーが格納(記憶)したものではない場合、予め設定したものではなく相性が悪いものであると判断する。このため、トナー補給装置50では、相性の良し悪しの判断、すなわちダメ押し除去動作を実行するか否かの判断を、簡易にかつ適切に行うことができる。
トナー補給装置50では、搬送経路清掃処理が終了すると、初期充填処理を実行することから、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52および搬送ポンプ53を経てサブホッパ部54に至る間に、新たなトナーを補給することができる。このため、トナー補給装置50では、新たなトナーを用いて被転写材Pに画像を形成した場合であっても、現像装置23の現像剤収容箇所44内の現像剤Gにおけるトナー濃度を所定の範囲内に維持することができる。
トナー補給装置50では、トナー容器13に収納されたトナーを現像装置23へと補給するトナー補給装置50の構成を用いて、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存し得るトナーを除去する。このため、トナー補給装置50では、異なる種類のトナーへの変更を容易なものとしつつ、より簡易な構成とすることができる。すなわち、トナー補給装置50は、トナー容器13に収納されたトナーを現像装置23へと補給する機能と、ノズル51p(装置側連結部51)からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間に残存し得るトナーを除去する機能と、を具備するものとされている。
本発明に係るトナー補給装置50を搭載する画像形成装置10では、被転写材Pに形成する画像の品質の低下を防止しつつ、容易に異なる種類のトナーへの変更することができるので、使い勝手を向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例の現像剤補給装置としてのトナー補給装置50では、被転写材Pに形成した画像の品質の低下を招くことなく、異なる種類の現像剤としてのトナーを用いることを可能とすることができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る現像剤補給装置としてのトナー補給装置50について説明したが、画像形成に用いられる現像剤を収納する収納容器の装填が可能とされた容器装填部と、前記容器装填部に前記収納容器が装填されたことを検知する装填検知機構と、前記現像剤を収容する現像剤収容部と、前記容器装填部に装填された前記収納容器から前記現像剤収容部に前記現像剤を搬送するための搬送経路と、前記搬送経路を経て前記収納容器から前記現像剤収容部に前記現像剤を搬送させる搬送ポンプと、を備え、前記現像剤収容部は、前記搬送経路と着脱自在とされて交換可能とされ、前記搬送ポンプは、前記収納容器が前記容器装填部に装填されていないことを前記装填検知機構が検知した状態において、前記搬送経路から前記現像剤収容部へ向けて前記現像剤を搬送すべく駆動する現像剤補給装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、図7のフローチャートのステップS2において、作像部15で作像プロセスを行うものとしていたが、トナー補給装置50に残存するトナー(特殊トナー)を消費させるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。そのような方法としては、作像部15において、現像装置23で感光体ドラム21の表面にトナー(特殊トナー)を付着させるとともに、クリーニング部24で感光体ドラム21の表面のトナー(未転写トナー)を機械的に回収する(クリーニング工程)ことがあげられる。また、作像部15において、現像装置23で感光体ドラム21の表面にトナー(特殊トナー)を付着させるとともに、感光体ドラム21のトナーを中間転写ユニット14の中間転写ベルト14aに転写させる。そして、その中間転写ベルト14aに転写されたトナーを中間転写ユニット14の中間転写クリーニング部14cで回収することがあげられる。さらに、作像部15Sにおいて、現像装置23Sで感光体ドラム21Sの表面にトナー(特殊トナー)を付着させるとともに、感光体ドラム21Sのトナーを中間転写ユニット14の中間転写ベルト14aに転写させる。そして、その中間転写ベルト14aに転写されたトナーを、他の作像部15Y、15M、15C、15Bkの各感光体ドラム21に逆に転写させる。このような中間転写ベルト14aから各感光体ドラム21への転写は、それぞれに対応する1次転写バイアスローラ14bの転写バイアスを逆転することで可能となる。そして、他の作像部15Y、15M、15C、15Bkにおいて、クリーニング部24で感光体ドラム21の表面のトナー(未転写トナー)を機械的に回収する(クリーニング工程)ことがあげられる。この最後にあげた方法は、本実施例の画像形成装置10では、特殊トナーに対応する作像部15Sは、他の作像部15Y、15M、15C、15Bkに対して、中間転写ベルト14aの移動方向における最も上流側に設けられていることにより実現することができる。そして、各作像部15のクリーニング部24および中間転写ユニット14の中間転写クリーニング部14cで回収したトナーは、廃トナーボトル27へと送られることから、周辺を汚すことなく処理することができる。これらのことから、ステップS2では、作像部15で作像プロセスを行うことに変えて、上記した3つの方法のいずれかを行うものであってもよく、作像部15で作像プロセスを行うことと上記した3つの方法とを適宜組み合わせて行うものであってもよい。
さらに、上記した実施例では、図7のフローチャートのステップS2において、作像部15で作像プロセスを行うものとしていたが、トナー補給装置50に残存するトナー(特殊トナー)を消費させるものであればよいことから、次のような構成することもできる。搬送経路清掃処理を実行する際、作像部15の現像装置23を取り外すとともに、サブホッパ部54の現像剤収容箇所72の下方の開口72aに廃トナーボトル27と同様の廃トナーボトルを取り付ける。すると、搬送経路清掃処理における画像形成装置10での動作(制御処理)をより簡易なものとすることができる。
上記した実施例では、トナー容器13Sに対応して設けられたトナー補給装置50に対してのみ搬送経路清掃処理を実行するものとされていたが、他のトナー容器13Y、13M、13C、13Bkに対応して設けられたトナー補給装置50に対して搬送経路清掃処理を実行するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。なお、この場合、より適切に装置側連結部51からトナー搬送チューブ52を経て搬送ポンプ53に至る間(特にトナー搬送チューブ52)に残存するトナーを除去する観点から、トナー容器装填部12Aの装置側連結部51としてトナー収容部51aを設けることに変えて、ノズル51pを設けるものとすることが望ましい。これは、装置側連結部51としてトナー収容部51aを設ける構成では、トナー搬送チューブ52および接続筒部分51eに対して当該トナー収容部51aの内径寸法が広がっていることから、そのトナー収容部51a内のトナーの除去の難易度が高まることによる。
上記した実施例では、ダイヤフラム式の搬送ポンプ53を用いていたが、圧力差を生じさせることにより直接トナーに接触することなく当該トナーを搬送経路(トナー搬送チューブ52)を経てトナー容器13から現像装置23(作像部15)へと現像剤(トナー)を搬送することができるものであれば、例えば、モーノポンプ(吸引型一軸偏心スクリューポンプ)であってもよく、他の構成の搬送ポンプであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、トナー補給装置50は、カラープリンタとしての画像形成装置10に適用した例を示していたが、単色の画像を形成する画像形成装置に適用してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を用いる例を示していたが、トナーからなる1成分現像剤を用いるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。すなわち、現像剤補給装置は、画像形成に用いられる粉体として、トナー、または、トナーを静電的に付着するキャリア、または、トナーとキャリアとを所定の割合で混合したもの(いわゆるプレミックストナー)を補給するものであればよい。いずれの場合であっても、上述した本願発明と同様の効果を得ることができる。
上記した実施例では、中間転写ベルトを用いた中間転写方式の画像形成装置について説明したが、トナー容器13に収納されたトナーを現像装置23で用いて画像を形成するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、収納容器(トナー容器13)の現像剤を現像装置23に補給すべく搬送ポンプ53により搬送経路を経て搬送する現像剤補給装置(トナー補給装置50)の例を示していたが、現像剤に変えて収納容器に収納した紛体もしくは流体を補給対象(現像装置23に相当する)に補給すべく搬送ポンプにより搬送経路を経て搬送する搬送装置に適用することができる。このような搬送装置であっても、上述した本願発明と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の現像剤補給装置、画像形成装置および搬送装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。