JP6059607B2 - 無線タグ捜索方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線機を使用した探索方法および探索装置に関し、より具体的には、無線機を使用して無線タグの位置を捜索する方法と装置に関する。
無線タグは、例えば商品や人などの識別対象に装着され、物流管理や駅や会社等の入退場管理などに利用されている。例えば、無線タグは、当該タグが装着されている商品などの識別対象に関する属性情報を内部に記憶し、ユーザ無線端末からのアクセスにより、当該タグが装着されている商品の属性情報や現在位置をユーザが識別するのに使用される。
アクティブ型無線タグの現在位置を捜索するための手段として、例えば、以下のような無線捜索装置が知られている。まず、無線捜索装置は無線タグに対してID番号の送信を要求する。続いて、無線タグが送信した電磁波を受信した無線捜索装置は、電磁波の受信強度と、電磁波の到来方向などに基づいて、無線装置から無線タグまでの距離や方向を推定する。最後に、無線捜索装置は、その推定位置を無線タグのID番号と関連付けて表示する。
加えて、無線タグからの電波を断続的に受信する無線捜索装置が、自身を中心とする周囲360度方向にわたって測定した受信電波強度のうち、最大の電波強度に対応する方向を検出し、当該検出した無線タグが存在する方向を推定する技術が知られている。この際に、無線タグの位置する方向を周囲360度の全方位に渡ってスキャンするために、ビームフォーミング技術を応用して、信号受信の際のアンテナの指向性を周囲360度の全方位にわたって変化させる技術も知られている。
特許文献1は、無線監視局がアンテナの指向性制御に基づいて無線発信源からの信号到来角(受信ビーム方向)に対応する方位を検出することにより、当該無線発信源が位置する方位を検知する技術を開示している。例えば、特許文献1開示の発明においては、無線タグは、複数の指向性アンテナを装備し、この複数の指向性アンテナを周期的に切替えながら、距離測定信号および方向測定信号を時分割で発信し、当該信号を受信した移動端末は、当該距離測定信号の位相を測定して無線タグからの距離を算出し、当該複数の指向性アンテナにそれぞれ対応した方向測定信号の位相差を測定して無線タグが位置する方向を算出する。
しかしながら、特許文献1記載の無線監視局は、送信ビームの指向性を制御して周囲に散在する一つ以上の無線タグに信号を送信したり、受信ビームの指向性を周囲360度の全方位に渡って回転させたりする必要が有る。このような無線監視局を使用して無線発信源の測位を高精度で実行するためには、送受信アンテナのビーム指向性や測位信号のタイミング同期を精密に高精度で制御するための複雑で高価なアンテナ制御機構を無線監視局が備える必要が有る。
そこで、そのような複雑で高価なアンテナ制御機構を備えない無線捜索装置による無線タグ探索を実行するには、例えば、無線捜索装置を手に持ったユーザがその場で体を一回転させ、周囲360度の全方位にわたって、無線タグからの電磁波の到来方向をスキャンする必要が有る。しかしその場合、周囲の環境によっては無線タグからの電磁波の到来方向や伝搬距離の推定精度が低くなる場合がある。
一方、以下の特許文献2乃至5記載の発明は、無線タグなどの無線発信源に関する現在位置の推定精度を改善する技術として、複数の異なる測位信号供給源からそれぞれ受信した複数の測位信号や測位補助情報を組み合わせる、または合成する技術を開示する。これにより、特許文献2乃至5記載の発明は、以下に具体的に後述するとおり、単一の測位信号供給源から受信した単一の測位信号を使用して無線タグの位置を測位する場合よりも高い精度で無線タグの位置を測位することができる。
例えば、特許文献2は、部品等を運ぶ自動搬送車両に取り付けられた無線タグと地理的に分散配置された3個の基地局との間で測距信号を通信して測位用端末に送信し、測位用端末で3個の基地局から取得した3個の測距信号に基づいて自動搬送車両上の無線タグの位置を三角測量する技術を開示する。
また、特許文献3は、GPS測位端末が、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいてエフェメリス情報を有する測位情報を取得し、基地局から受信した無線信号に基づいてGPS衛星の軌道情報を有する測位補助情報を取得し、エフェメリス情報と測位補助情報の共通する部分に基づいて測位を実行する技術を開示する。
特許文献3に加え、特許文献4にもGPS衛星と基地局を併用する測位技術の開示があるが、基地局から受信する測位補助情報は、エフェメリス情報(衛星軌道情報)および衛星との時刻同期に関する情報を含んでいる。
また、特許文献5は、GPS衛星から送信されるGPS信号のみならず、セルラー網基地局から送信される測位信号をも併用して移動端末の測位を実行することにより、測位に使用する衛星の個数が少ない場合でも、セルラー網基地局からの測位信号を併用することによって測位信号の不足を補充する技術を開示する。
特開2006−071380号公報 特開2005−241301号公報 特開2004−093378号公報 特開2004−085209号公報 特開2010−169688号公報
上述したとおり、送受信ビームの指向性制御や測位信号のタイミング同期制御のための複雑で高価な機構を備えない安価で簡単な構成の無線捜索装置を使用し、かつ、測位精度を低下させることなく、無線タグの探索を実行するための測位システムが必要とされている。しかしながら、特許文献2記載の発明において、基地局が無線タグとの間で通信する測位信号は、距離のみを測定するものであり、測位信号を乗せた電波の到来方向から無線タグの位置する方向を推定するものではない。従って、無線タグの現在位置が3次元座標ではなく、2次元座標として表される場合でさえ、無線タグと測位信号を通信するために3個以上の基地局が必要となる。
また、特許文献3乃至5記載の発明において、GPS測位システムと基地局を使用して測位しようとする移動無線機の現在位置は、例えば、緯度、経度および高度の組み合わせのような3次元座標で表される地理的に絶対的な座標位置である。しかも、多くの場合、複数のGPS衛星同士の間およびGPS衛星と基地局との間では、クロック時刻の同期がとられていない。そのため、測位のための位置推定計算の基礎となる測位信号の伝搬遅延時間を、全てのGPS衛星および基地局に関して正確に評価するためには、全てのGPS衛星および基地局の間でのクロック時刻のずれの補正が必要となる。従って、特許文献2記載の3個の基地局による三角測量の場合とは異なり、特許文献5記載の発明においては、クロック時刻の補正の必要性を考慮すると、3次元座標で表される測位対象の現在位置を推定するために、GPS衛星または基地局のいずれかが4個以上必要となる。特許文献3および特許文献4記載の発明は、GPS衛星または基地局が3個以下の場合でも必要な測位精度を得られるように、エフェメリス情報や測位補助情報などを併用している。しかし、GPSシステム以外の測位システムにおいて、このような補助情報を生成する仕組みを設けることは、測位システムを非常に複雑化し、かつ高コスト化する。
その反面、無線タグに関して現在位置の測位を実行する場合、後述する無線タグの用途や利用分野に鑑みて、測位すべき無線タグの現在位置は、地理的に絶対的な位置である必要はなく、測位主体であるユーザの位置を基点とした相対的な位置で充分である。また、無線タグに関して現在位置の測位を実行する場合、測位すべき無線タグの現在位置は、ユーザから見て無線タグが位置する方向と無線タグまでの距離の組み合わせとして得られれば充分である。
以上の問題点に鑑み、本発明は、無線タグ捜索装置において、アンテナのビーム指向性や測位信号のタイミング同期を高精度で制御するための複雑で高価なアンテナ制御機構を設けることなく、安価で単純ではあるが高精度な無線タグ測位システムを実現することを目的とする。加えて、本発明は、無線タグが位置する相対的な方向と距離のみを推定することにより、数多くの衛星や基地局との間の測位信号の通信を必要とせずに、最小限のシステム構成で高精度な無線タグ測位システムを実現することを目的とする。
以上より、本発明は、一つ以上の無線機および支援無線局から受信した無線信号に基づいて、前記無線機を捜索する無線捜索装置であって、前記無線機の位置を推定する位置推定部および前記無線信号を送受信する無線送受信部を備え、前記位置推定部は:前記無線機および前記支援無線局から受信した前記無線信号に基づいて、前記無線機および前記支援無線局の位置に関する第1の推定結果を生成する手段;および、前記第1の推定結果と共に前記支援無線局から受信した支援信号を使用して、前記無線機の位置に関する第2の推定結果を生成する手段;を備える構成を採り、前記支援信号は、前記支援無線局が測定した前記無線機までの距離に関する距離情報を含み、前記第2の推定結果は前記第1の推定結果よりも前記無線機の位置を高精度に特定する、ことを特徴とする。
さらに本発明においては、前記第2の推定結果を生成する手段は:前記支援無線局の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域から前記距離情報が表す距離だけ離れた領域を算出する手段;前記算出された領域と前記無線機の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域との交差領域を算出する手段;および、前記交差領域を表す情報を前記第2の推定結果として出力する手段;を備えることを特徴とする。
さらに本発明においては、前記無線機および前記支援無線局の位置は、当該無線捜索装置から見て前記無線機および前記支援無線局が位置する方向と距離によって表され、前記第1の推定結果は、前記無線機および前記支援無線局がそれぞれ位置する方向と距離に関する推定結果を含み、前記第2の推定結果は、前記無線機が位置する方向と距離に関して前記第1の推定結果よりも高精度な推定結果を含む、ことを特徴とする。
さらに本発明においては、前記支援無線局は、前記無線機から受信した前記無線信号の受信電界強度に基づいて、前記無線機までの距離を推定し、前記推定した距離に基づいて前記支援信号を生成し、当該無線捜索装置に送信する、ことを特徴とする。
さらに本発明においては、当該無線捜索装置は、当該無線捜索装置を把持したユーザが向きを変えた際に、当該無線捜索装置の向きの変化を検知するセンサをさらに備え、前記位置推定部は、当該ユーザが前記向きを変えた際に、前記センサが検知した向きの変化と関連付けて前記無線信号の受信強度の変化を測定結果として記録する手段;前記記録された測定結果から前記無線機が位置する方向を推定する手段;をさらに備えることを特徴とする。
本発明は、無線タグ捜索装置において、アンテナのビーム指向性や測位信号のタイミング同期を高精度で制御するための複雑で高価なアンテナ制御機構を設けることなく、安価で単純ではあるが高精度な無線タグ測位システムを実現することができる。加えて、本発明は、無線タグが位置する相対的な方向と距離のみを推定することにより、数多くの衛星や基地局との間の測位信号の通信を必要とせずに、最小限のシステム構成で高精度な無線タグ測位システムを実現することができる。
本実施の形態に係る無線通信システムの全体構成図 本発明に実施の形態に係る無線タグ、タグ捜索装置および無線送受信機のハードウェア構成を示す図 無線タグ捜索アプリケーションがユーザに提供する機能を説明する図 本発明に実施の形態に係るタグ捜索装置の機能ブロック構成を示す図 無線タグから受信した信号の電界強度と無線タグまでの距離との間の関係を示す図 ユーザがタグ捜索装置を手に持った状態でのタグ捜索装置の動きの一例を説明する図 タグ捜索装置の向きの変化に従って、測定された電界強度と各センサからの出力値の変化を示す図 ユーザがタグ捜索装置を動かす動作の開始時から終了時までの状態変化を示す図 無線タグ位置を推定する精度が低いことにより、一定範囲の領域に広がる位置推定結果を説明する図 無線タグの測位のためにタグ捜索装置、無線タグおよび無線送受信機の三者間で行われる信号通信を示す図 タグ捜索装置および無線送受信機による測位結果と、これら測位結果の合成操作を、タグ捜索装置のレーダーチャート画面上において示す図 無線タグの測位のために、タグ捜索装置、無線タグおよび無線送受信機の三者間で実行される動作フローを説明するイベントフロー図
<1>概要
無線タグは、例えば商品や人などの識別対象に装着され、物流管理や駅や会社等の入退場管理などに利用されている。無線タグは、パッシブ型とアクティブ型とに大別される。
パッシブ型無線タグは、電池を内蔵せずに、外部のリーダ/ライタからの電波によって内部に必要な電力を生成し、リーダ/ライタの呼びかけに応答する形でリーダ/ライタと交信する。交信範囲は大きくとることができず最大で1m程度となるが、小型化及び動作の恒久化が可能であることから、今後の普及が大いに期待されている。
一方、アクティブ型無線タグは、内部に電池を内蔵し、自ら外部の受信機に対して電波を発信する。電池を内蔵しているため、交信範囲は10〜20mと広いが、電池内蔵のため小型化できないこと、電池の寿命があるという点で難点がある。しかし、自発的に情報を発信できることから、その機能をうまく利用することで様々な応用が考えられる。例えば、不特定の場所に存在する識別対象を探索する場合等においては、パッシブ型無線タグよりもアクティブ型無線タグの方が適している。
このようなアクティブ型の無線タグとしては、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格を利用した小型の無線タグ等が知られている。例えば、Bluetooth Low Energy Wireless Technologyを利用した小型タグが提供されている。また、別の例として、無線タグに無線モジュールの他にGPSモジュールを搭載し、GPSモジュールの位置によりタグの場所を推定する方法がある。
本実施の形態に係るシステムは、アクティブ型無線タグが位置する距離と方向を推定するシステムである。具体的には、当該システムにおいては、無線捜索装置を手に持ったユーザが周囲360度の全方位にわたって一回転した間に、無線捜索装置がアクティブ型無線タグからの受信信号の強度レベルを測定し、この測定結果を無線捜索装置の向きの変化と共に記録しておくことで、無線タグが位置する方向を推定する。この際、無線捜索装置は、自身に内蔵されたジャイロ・センサや地磁気センサ等の動態センサを使用して無線捜索装置の向きの変化を検知する。本実施の形態は、上述したシステムにおいて、360度方向にわたって一回転した間に測定されたアクティブ型無線タグからの受信信号の強度レベルに基づいて、アクティブ型無線タグが位置する方向を推定する場合、推定誤差により正確な方向推定が困難となる問題を克服するための技術を開示する。
<2>本実施の形態に係る無線通信システムの構成
(2−1)無線通信システムの全体構成
以下、図1を使用して、無線通信システムの全体構成の一実施例について説明する。
無線通信システムの一実施例は、無線タグ捜索用の可搬型無線ユーザ端末装置としてユーザに使用されるタグ捜索装置100と、アクティブ型無線タグである無線タグ200n(nは、n>0の整数)と、無線送受信機700とを有する。図1には、一例として、n=4の場合について示す。nの値は、1〜3でもよいし、5以上であってもよい。
無線タグ200nは、子機と呼ばれてもよい。無線タグ200nは、近距離無線通信モジュールを有する。例えば、無線タグ200nは、近距離無線通信をBluetooth Low Energy Wireless Technologyに従って行う小型無線タグであっても良い。無線タグ200nは、様々なものに貼付される。例えば、無くしたくないものに、無線タグ200nが貼付されてもよい。無線通信システムの一実施例では、鍵、リモコン、傘、財布等に、無線タグ200nが貼付される。
無線タグ200nは、アクティブ型の無線タグであるので、内蔵されたバッテリによって駆動され、他の無線機に対して自発的に無線信号を送信することが可能である。無線タグ200nは、自身の現在位置を知らせるために一定の周期でAdvertising信号を間歇的に送信することが可能であり、Advertising信号の送信周期は、後述する親機からの設定コマンドによって設定されることが可能である。また、無線タグ200nは、Advertising信号の現在の送信周期と送信出力を親機に通知することも可能である。
タグ捜索装置100は、親機と呼ばれてもよい。タグ捜索装置100の近距離無線通信モジュールは、無線タグ200nの近距離無線通信モジュールと無線通信を行う。タグ捜索装置100は、無線タグ200nからの電波の電界強度を測定する。タグ捜索装置100に内蔵されたセンサは、タグ捜索装置100の動態を検出する。タグ捜索装置100は、無線タグ200nからの電波の電界強度と、センサにより検出された動態とに基づいて、無線タグ200nの位置を推定する。タグ捜索装置100は、GUI(Graphical User Interface)のようなユーザにとって直感的に操作可能なユーザ・インターフェースを備えた表示画面を有し、当該表示画面は無線タグ200nの位置を表示する。なお、タグ捜索装置100は、複数個の無線タグ200nの位置を同時に推定することにより、同時に複数個の無線タグを識別し、識別した全ての無線タグを表示画面上に一覧表示することが可能である。
無線送受信機700の一例は、セルラー電話や無線ユーザ端末としての機能を兼ね備えるタグ捜索装置100との間で上りリンク・チャネルおよび下りリンク・チャネルを介してデータ信号および制御信号を通信する無線アクセスポイントである。無線送受信機700は、無線ユーザ端末であるタグ捜索装置との間の無線通信だけでなく、無線タグとの間でも無線信号を送受信することが出来、無線タグとタグ捜索装置との間で送受信されるべき無線信号を中継することも可能である。この場合、当該無線信号は、無線タグの位置推定に使用される無線信号である。無線送受信機700は、セルラー網の基地局、無線LANアクセスポイント、マクロセル基地局、ピコセル基地局およびフェムトセル基地局などを含む無線アクセスポイントであっても良い。代替的に、無線送受信機700は、無線アクセスポイント以外の任意の無線送受信機であっても良く、無線中継局(レピータ)、無線地上局および無線信号中継機能を有する無線トランシーバなどを含み得る。
(2−2)無線タグ200n
図2(A)は、無線タグ200nの一実施例を示す。
無線通信システムの一実施例では、無線タグ200は鍵に貼付され、無線タグ200はリモコンに貼付され、無線タグ200は傘に貼付され、無線タグ200は財布に貼付される。
無線タグ200nは、制御部201と、報知情報送信部202と、無線通信部203と、計時部204と、記憶部205と、バッテリ206と、送受信アンテナ207と、制御信号受信部210と、を具備する。
制御部201は、汎用マイクロプロセッサやデジタル信号処理プロセッサ等により実装することが可能であり、無線タグ200nの全体の動作を制御する。
報知情報送信部202は、制御部201と無線通信部203との間に介在する形でこれらと接続され、親機であるタグ捜索装置100によって設定された送信周期でAdvertising信号を送信するように無線通信部203を制御する。具体的には、報知情報送信部202は、制御部201によって設定されたクロック・パルスの個数だけ内部のカウンター値をカウントダウンし、カウンター値が0になった時にAdvertising信号の無線送信の実行を無線通信部203に対して指示する。
無線通信部203は、報知情報送信部202と送受信アンテナ207との間に介在する形でこれらと接続され、Bluetooth、zigbee、Wi−Fi、ANT+等の近距離無線通信規格に従って無線通信を行う。Bluetooth、zigbee、Wi−Fi、ANT+に限られず、近距離無線通信モジュールは、これら以外の近距離無線通信規格に従って無線通信を行うものであってもよい。無線タグ200nの一実施例においては、無線通信部203がBluetooth Low Energy Wireless Technologyに従って近距離無線通信をする場合について説明する。
計時部204は、親機によってAdvertising信号の送信周期が新たに設定されるたびに、当該新たに設定された送信周期に等しい時間長を計測し、当該計測した時間長に対応するクロック・パルス数を報知情報送信部202に設定する。この際、計時部204によって設定されるクロック・パルス数は、計時部204から制御部201を経由して報知情報送信部202に出力される。
記憶部205は、無線タグ200nに関する各種の設定パラメータを記憶している。このような設定パラメータには、無線タグ200nが捜索の対象となっていない待機状態におけるAdvertising信号送信周期の設定値や現在のAdvertising信号送信周期を自動的に待機状態における送信周期の設定値に戻すまでの待ち時間などが含まれる。
バッテリ206は制御部201を介して、報知情報送信部202、無線送受信部203、計時部204、記憶部205および送受信アンテナ207に給電する。
制御信号受信部210は、制御部201と無線通信部203との間に介在する形でこれらと接続され、親機であるタグ捜索装置100が無線タグ200nの動作を制御するために送信した制御信号を無線通信部203を介して受信し、当該制御信号に含まれる制御コマンドを復号化して制御部201に出力する。
(2−3)タグ捜索装置100
図2(B)は、タグ捜索装置100の一実施例を示す。
タグ捜索装置100は、ユーザが無線通信に使用することができる適切な如何なる無線ユーザ端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ、スマートフォン等のユーザ端末が含まれるが、これらに限定されない。
タグ捜索装置100は、制御部101と、無線情報送受信部102A/102Bと、無線通信部103A/103Bと、表示部104と、記憶部105と、ユーザ入出力部106と、センサ部107と、送受信アンテナ108A/108Bと、を具備する。
制御部101は、汎用マイクロプロセッサやデジタル信号処理プロセッサ等により実装することが可能であり、無線情報受信部102A/102B、表示部104、記憶部105、ユーザ入出力部106およびセンサ部107と信号をやり取りしながらタグ捜索装置100全体の制御を実行する。制御部101は、記憶部105に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。具体的には、制御部101は、無線タグ200nからの電波の電界強度と、タグ捜索装置100の動態(タグ捜索装置100の向きや姿勢およびそれらの変化)を表す情報とに基づいて、無線タグ200nの位置を推定する。制御部101により推定される無線タグ200nの位置は、タグ捜索装置100との間の相対的な位置であってもよい。制御部101は、表示部104へ、無線タグ200nの位置を表す情報を出力する。
無線情報送受信部102Aは、制御部101と無線通信部103Aとの間に介在する形でこれらと接続される。無線情報送受信部102Aは、無線タグ200nからの無線信号を受信し、受信した無線信号がAdvertising信号であった場合、受信信号の情報内容を復号化することにより、無線タグ200nの無線タグ識別情報(タグID情報)およびタグ装着物品の属性情報を抽出し、制御部101に通知する。これにより、タグ捜索装置100は、受信信号の送信元である無線タグを一意に特定することが出来ると共に、当該無線タグが装着されている物品の属性情報を識別することが出来る。さらに、無線情報送受信部102Aは、親機であるタグ捜索装置100が無線タグ200nの動作を制御するための制御コマンドを制御部101から受け取り、これを制御信号として符号化した上で、無線通信部103Aを介して無線タグ200nに送信する。
無線情報送受信部102Bは、制御部101と無線通信部103Bとの間に介在する形でこれらと接続される。無線情報送受信部102Bは、無線送受信機700からの無線信号を受信し、受信信号の情報内容を復号化することにより、無線タグ200nの現在位置の推定に関する測位情報を抽出し、制御部101に通知する。これにより、タグ捜索装置100は、無線タグ200nの現在位置を高精度に推定するために補助的に使用される測位補助情報を無線送受信機700との間で通信することが出来る。さらに、無線情報送受信部102Aは、タグ捜索装置100が無線送受信機700に対して必要な情報の送信を要求するための制御コマンドを制御部101から受け取り、これを制御信号として符号化した上で、無線通信部103Bを介して無線送受信機700に送信する。
無線通信部103A/103Bは、Bluetooth、zigbee、Wi−Fi、ANT+等の近距離無線通信規格に従って無線通信を行う。無線通信部103Aはアンテナ108Aを介して捜索の対象となる無線タグ200nとの間で無線通信を行い、無線通信部103Bは、アンテナ108Bを介して無線送受信機700との間で無線通信を行う。Bluetooth、zigbee、Wi−Fi、ANT+に限られず、無線通信部103A/103Bは、これら以外の近距離無線通信規格に従って無線通信を行うものであってもよい。タグ捜索装置100の一実施例では、無線通信部103A/103Bが、Bluetooth Low Energy Wireless Technologyに従って近距離無線通信をする場合について説明する。また、無線通信部103A/103Bは、無線タグ200nからの電波に基づいて、電界強度を測定する。例えば、無線通信部103は、無線タグ200nからの電波に基づいて、受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indication、 Received Signal Strength Indicator)を測定するようにしてもよい。
表示部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、タグ捜索装置100による処理状態や処理結果を表示する。処理状態や処理結果には、OSやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)、CRT(Cathod Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP: Plasma Display Panel)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が含まれる。表示部104は、タグ捜索装置100が上述した無線タグ捜索アプリケーションを実行している場合に、タグ捜索装置100の周囲に存在する全ての無線タグの位置をまとめて一覧表示する、あるいは、ユーザによる捜索の対象とされた特定の無線タグを捜索している最中に捜索画面を表示する。
記憶部105は、無線タグ200nに関する各種の設定パラメータを記憶している。このような設定パラメータには、無線タグ200nが捜索の対象となっていない待機状態におけるAdvertising信号送信周期の設定値、タグ捜索装置100の周囲に存在する全ての無線タグの位置をまとめて一覧表示する際のAdvertising信号送信周期の設定値、およびユーザによる捜索の対象とされた特定の無線タグを捜索している最中におけるAdvertising信号送信周期の設定値などが含まれる。
さらに記憶部105は、センサ107が計測した計測値や無線タグ200nからの受信電波の強度を無線通信部103が測定したデータを記憶する。センサ107が計測した計測値や無線タグ200nからの受信電波の強度を無線通信部103が測定したデータを制御部101が記憶部105内に記憶させる際、制御部101は、センサ107からのセンサ計測値の変化と受信電波強度の変化とを関連付けて受信電波強度変化データとして記憶部105内に記憶させる。
さらに記憶部105は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを記憶する。アプリケーションは、ユーザ入力部106からユーザによって入力された指示コマンドにより起動され、制御部101により実行されるプログラムを含み、タグ捜索装置100上でユーザが実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。OSは、タグ捜索装置100の電源投入時に自動的に起動され、制御部101により実行されるシステム制御プログラムを含み、タグ捜索装置100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供する基本ソフトウェアである。このようなOSの具体例には、Android OS(登録商標)が含まれる。なお、本実施の形態におけるアプリケーションには、ユーザが無線タグ200nの現在位置を捜索し、無線タグ200nの現在位置を表示部104上にGUIを使用して表示させる無線タグ捜索アプリケーションが含まれる。
ユーザ入出力部106は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、ユーザがタグ捜索装置100へ指示を与えたり、データの入力を行ったりするための装置である。また、ユーザ入力部106は、タッチパネルにより構成されてもよい。また、ユーザ入出力部106は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声を入力する。音声には、着信者へのメッセージや、タグ捜索装置100への指示が含まれてもよい。指示には、OSに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。また、ユーザ入出力部106は、例えば、スピーカにより構成され、タグ捜索装置100による処理状態や処理結果に応じて、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。
センサ部107には、動態センサが含まれ、動態センサは、ユーザが把持するタグ捜索装置100の向きや姿勢の変化などを含む装置の動きを検出する。動態センサの一実施例としては、地磁気センサ107A、ジャイロ・センサ107B、加速度センサ107C(図4参照)等を含む動態センサが考えられる。地磁気センサ107A、ジャイロ・センサ107B、加速度センサ107Cに限らず、これら以外のセンサが含まれてもよい。加速度センサ107Cは、タグ捜索装置100の向きや姿勢が変化した際の角加速度(回転加速度)や加速度(直進加速度)を計測するセンサである。ジャイロ・センサ107Bは、タグ捜索装置100の現在の向きを検出するセンサである。地磁気センサ107Aは、地磁気に基づいてタグ捜索装置100から見た東西南北などの絶対方位を検出するセンサである。
(2−4)無線送受信機700
図2(C)は、無線送受信機700の装置構成を示す。図2(C)に示す無線送受信機700は、タグ捜索装置100および無線タグ200nのそれぞれとの間で捜索対象となる無線タグ200nの位置推定に使用する無線信号を送受信し、さらにタグ捜索装置100および無線タグ200nとの間で送受信されるべきこれらの無線信号を中継する無線局である。無線送受信機700は、セルラー網の基地局、無線LANアクセスポイントなどを含む無線アクセスポイントの他に、無線中継局(レピータ)、無線地上局および無線信号中継機能を有する無線トランシーバなどの任意の無線送受信機を含み得る。無線送受信機700は、制御部701と、無線情報送信部702Aと、無線情報受信部702Bと、無線通信部703と、アンテナ704とから構成される。
制御部701は、汎用マイクロプロセッサやデジタル信号処理プロセッサ等により実装することが可能であり、無線情報送信部702Aおよび無線情報受信部702Bと信号をやり取りしながら無線送受信機700全体の制御を実行する。制御部701は、無線送受信機700が無線により送受信する情報や無線送受信機700の動作を制御するための制御プログラムを格納するメモリを内蔵していても良い。
無線情報送信部702Aおよび無線情報受信部702Bは、無線通信部703と制御部701との間に介在する形で無線通信部703と制御部701との間に互いに並列に接続される。無線情報送信部702Aは、無線送受信機700がタグ捜索装置100およびm背運タグ200nに対して必要な情報の送信を要求するための制御コマンドを制御部101から受け取り、これを制御信号として符号化した上で、無線通信部703を介してタグ捜索装置100および無線タグ200nに送信する。無線情報受信部702Bは、無線通信部703を介して、タグ捜索装置100および無線タグ200nからの無線信号を受信し、受信信号の情報内容を復号化することにより、無線タグ200nの現在位置の推定に必要な情報を抽出し、制御部101に通知する。
無線通信部703は、無線情報送信部702Aおよび無線情報受信部702Bと接続される。無線通信部703は、無線情報送信部702Aから受け取った信号をRF信号にアップコンバートし、当該RF信号アンテナ704から送信する。さらに、無線通信部703は、アンテナ704が受信したRF信号を受け取ってベースバンド信号にダウンコンバートし、当該ベースバンド信号を無線情報受信部702Bに渡す。
(2−5)タグ捜索装置100がユーザに提供する機能とタグ捜索装置100の利用態様
以下、図3を使用して、無線タグ捜索アプリケーションを実行中のタグ捜索装置100がユーザに対して提供する機能について説明する。タグ捜索装置100上で実行される無線タグ捜索アプリケーションは、Android OS(登録商標)のAPIを呼び出すことにより実行されるAndroidアプリケーションとして実装することも可能である。この場合、無線タグ捜索アプリケーションは、Android OS(登録商標)のデスクトップを表示するタッチパネル画面上で対応するアイコンをユーザが指でタップすることにより起動される。
タグ捜索装置100は、捜索可能エリア内に在圏している全ての無線タグの位置を捜索して、在圏している全ての無線タグの現在位置を表示画面上に2次元マップのように一覧表示することが可能である。なお、上述した捜索可能エリアとは、タグ捜索装置100が離れた場所の無線タグから発信された信号を所定の品質以上の受信品質で受信することが出来る最大の範囲であり、タグ捜索装置100が無線通信可能なカバレージ・エリアに対応する。この場合の所定の品質とは、無線タグからの受信信号を一定以上の確率で正しく復号化して、タグID情報を取り出すことが出来る受信品質であっても良い。
ユーザはまず、手に持ったタグ捜索装置100を任意の方向に向けて左右に振る、もしくは、その場で一回転する。この時、タグ捜索装置100が実行する無線タグ捜索アプリケーションは、個々の無線タグからの受信したAdvertising信号の強度と当該信号受信の際の方位とを記憶部105内に記憶する。続いて、無線タグ捜索アプリケーションは、タグ捜索装置100の表示画面上に表示されるレーダーチャートの上に、ユーザの現在位置を中心として、捜索された全ての無線タグがそれぞれ位置する方向と距離を一覧表示する(図3)。各無線タグの方向と距離をレーダーチャート上に表示する際には、各無線タグのタグID情報に対応するアイコン画像を当該方向と距離に対応するレーダーチャート内の位置に一覧表示する(図3)。
タグ捜索装置100が、捜索可能エリア内に在圏している全ての無線タグの位置を表示画面上にレーダーチャートとして一覧表示している様子を図3に示す。図3において、レーダーチャートの中心に位置するアイコン画像500は、タグ捜索装置100を手に持っているユーザの現在位置を表す。レーダーチャート内に表示されている複数の同心円の各々は、アイコン画像500で表されるユーザ位置を中心として段階的に大きくなる円形の距離範囲を表し、各同心円に付記されている数字は対応する距離範囲の半径を表す。図3において、レーダーチャート内のアイコン画像400、400、400および400は、それぞれ捜索可能エリア内に在圏している4つの無線タグの現在位置を表す。アイコン画像400は、鍵に貼付された無線タグ200の現在位置を表示し、アイコン画像400は、リモコンに貼付された無線タグ200の現在位置を表示し、アイコン画像400は、傘に貼付された無線タグ200の現在位置を表示し、アイコン画像400は、財布に貼付された無線タグ200の現在位置を表示する。
(2−6)タグ捜索装置100内部の機能ブロック構成
図4は、タグ捜索装置100の機能の一実施例を示す機能ブロック図である。この機能ブロック図により表される機能は、主に、制御部101により実行される。つまり、図4の機能ブロック図により表される機能は、記憶部105に記憶されたアプリケーションに従って制御部101により実行される。記憶部105に記憶されたアプリケーションに従って、図4の機能ブロック図により表される機能を実行するCPUは、A−CPU(アプリケーション−CPU)300と呼ばれてもよい。
制御部101は、動態判定部302として機能する。動態判定部302には、加速度センサ107Cから、加速度を表す情報が入力される。動態判定部302は、加速度センサ107Cからの加速度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100が動いたか否かを判定する。動態判定部302は、位置推定部304へ、タグ捜索装置100が動いたか否かを表す情報を入力する。
制御部101は、位置推定部304として機能する。位置推定部304には、動態判定部302からタグ捜索装置100が動いたか否かを表す情報が入力される。位置推定部304は、動態判定部302からの情報に基づいて、タグ捜索装置100の動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとを検出する。位置推定部304は、タグ捜索装置100の動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとを検出した後、動き始めのタイミングと動きが終了するタイミングとの間に、無線通信部103により検出された電界強度、地磁気センサ107Aにより検出された地磁気の向きを表す情報、ジャイロ・センサ107Bにより検出された角加速度を表す情報に基づいて、無線タグ200nの位置を推定する。
位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100と無線タグ200nとの間の距離を推定する。具体的には、位置推定部304は、電界強度と距離との間の関係が含まれるデータベースを有するようにしてもよい。
図5は、電界強度と距離との間の関係の一実施例を示す。図5によれば、電界強度が高くなるに従ってタグ捜索装置100と無線タグ200nとの間の距離が短い(近い)ことが示され、電界強度が低くなるに従ってタグ捜索装置100と無線タグ200nとの間の距離が長い(遠い)ことが示される。図5に基づいて、電界強度と、距離とを対応付けたテーブルが用意されてもよい。
位置推定部304は、データベースに含まれる電界強度と距離との間の関係に基づいて、タグ捜索装置100と無線タグ200nとの間の距離を推定する。
位置推定部304は、地磁気センサ107Aからの地磁気の向きを表す情報に基づいて、タグ捜索装置100の方位を算出する。位置推定部304は、ジャイロ・センサ107Bからの角速度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100の角度や回転速度を算出する。
位置推定部304は、距離の推定値、方位を表す情報、角度や回転速度を表す情報に基づいて、無線タグ200nの位置を推定する。位置推定部304は、ユーザ入出力部106へ、推定した無線タグ200nの位置を表す情報を入力する。
ユーザ入出力部106は、位置推定部304からの無線タグ200nの位置を表す情報に基づいて、無線タグ200nの位置を表示する。
<3>無線タグの位置の推定方法
以下、図6〜図8を使用して、タグ捜索装置100が不特定の無線タグ200nが位置する距離と方向を推定する方法を説明するが、説明を簡単にするためにまず、推定した方向に含まれる誤差を考慮しない場合から説明する。無線タグ200nが位置する方向を当該方法によって推定した結果に含まれる誤差を考慮した方向推定の仕組みに関しては、図9以降に関する実施例の記載において後述する。概略的に言うならば、以下に述べる方法は、タグ捜索装置100が内蔵する動態センサにより、タグ捜索装置100の向きの変化を検出すると同時に、当該向きの変化と関係付けてタグ捜索装置100が無線タグ200nから受信した電波強度の変化を記録し、その記録を元にタグ捜索装置100の向きを検出するものである。
タグ捜索装置100は、無線タグ200nの位置を推定する無線タグ捜索アプリケーションを起動する。無線タグ200nの位置を推定する無線タグ捜索アプリケーションが起動されると、タグ捜索装置100自体を動かすことを促すメッセージが出力される。タグ捜索装置100自体を振ることを促すメッセージが出力されてもよいし、傾けることを促すメッセージが出力されてもよい。
例えば、「体を中心に円を描くように、5秒間程度かけて、無線通信装置を動かしてください」等のメッセージが出力される。音声により、ユーザに通知されてもよいし、表示することにより、ユーザに通知されてもよい。
ユーザは、メッセージに従って、タグ捜索装置100自体を動かす。
図6は、ユーザがメッセージに従って、タグ捜索装置100自体を動かす例を示す。ユーザは、手の平にタグ捜索装置100をのせて、ユーザ自身を中心にして一回転する。
タグ捜索装置100の位置を推定する処理は、ユーザ自身を中心にして、タグ捜索装置100を一回転させた後に開始されてもよいし、一回転させる際にリアルタイムで実行されてもよい。タグ捜索装置100の一実施例では、ユーザ自身を中心にして、タグ捜索装置100を一回転させた後に開始される場合について説明する。
位置推定部304は、動態判定部302からのタグ捜索装置100が動いたか否かを表す情報により、タグ捜索装置100の動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとを検出する。位置推定部304は、動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとが検出できた場合、該動き始めのタイミングから、動きが終了するタイミングの間に、無線通信部103により検出された電界強度、地磁気センサ107Aにより検出された地磁気の向きを表す情報、ジャイロ・センサ107Bにより検出された角加速度を表す情報を取得する。
位置推定部304は、地磁気の向きを表す情報に基づいて、タグ捜索装置100の方位を推定する。位置推定部304は、角加速度を表す情報から角度や回転速度を求め、該角度や回転速度により、タグ捜索装置100の移動の状態を推定する。位置推定部304は、電界強度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100と無線タグ200nとの間の距離を推定する。地磁気の向きを表す情報に基づいてタグ捜索装置100の方位を推定する代わりに、位置推定部304は、角加速度を表す情報から角度や回転速度を求め、該角度や回転速度により、タグ捜索装置100の移動の状態を推定する。このようにすることにより、動き始めからの相対位置を推定することができる。
図7は、タグ捜索装置100自体を動かした際に、各センサにより検出される値の変化の一例を示す。図7には、下から、加速度センサ107Cにより検出される加速度、ジャイロ・センサ107B及び地磁気センサ107Aにより検出される方位、無線通信部103により検出される電界強度が示される。
図8A〜図8Cは、ユーザが、ユーザ自身を中心として、タグ捜索装置100自体を回転させる動きを示す。図8(A)〜図8(C)には、動き始めた際に、ユーザが向いている方向と反対の方向に、無線タグ200nがある場合について示す。
ユーザがタグ捜索装置100自体を動かすことを開始すると、加速度センサ107Cにより検出される水平方向の加速度が大きく変化する。これは、図7及び図8(A)の「動き始め」に対応する。位置推定部304には、動態判定部302から動いたことを表す情報が入力される。
ユーザがタグ捜索装置100自体を動かすことを継続すると、加速度センサ107Cにより検出される加速度の変化が小さくなる。これは、図7及び図8(A)の「動き始め」後から、図7及び図8(B)の「180度回転時」を経て、図7及び図8(C)の「回転終了時」まで継続する。
ユーザがタグ捜索装置100自体を動かすことをさらに継続し、一回転すると、加速度センサ107Cにより検出される加速度の変化は大きくなる。これは、図7の「回転終了時」に対応する。位置推定部304には、動態判定部302から動いていないことを表す情報が入力される。
位置推定部304は、動態判定部302からのタグ捜索装置100が動いたか否かを表す情報により、タグ捜索装置100の動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとを検出する。
動き始めのタイミングと、動きが終了するタイミングとが検出された場合、位置推定部304は、無線タグ200nの位置推定を開始する。
「動き始め」の際、地磁気センサ107Aにより検出される方位に基づいて、位置推定部304は、例えば、ユーザが西側を向いていることを推定する。また、「動き始め」の際、無線通信部103により検出される電界強度は、無線タグ200nと無線通信端末100との間にユーザが存在するため低い値となる。位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度に基づいて、無線タグ200nと、タグ捜索装置100との間の距離を推定する。
また、位置推定部304は、「動き始め」の後から、回転終了時まで、ジャイロ・センサ107Bからの角速度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100の角度や回転速度を推定する。ジャイロ・センサ107Bからの角速度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100の角度や回転速度を推定することにより、「動き始め」からの相対的な動きを推定できる。
また、位置推定部304は、地磁気センサ107Aにより検出される方位に基づいて、無線通信端末100の向いている方位を推定するようにしてもよい。図7に示される例では、タグ捜索装置100は、例えば、ユーザが西から北、北から東を向いていることが推定される。
また、無線通信部103により検出される電界強度は、無線タグ200nと無線通信端末100との間の距離が近くなるため、徐々に高くなる。無線通信部103により検出される電界強度は、無線タグ200nと無線通信端末100との間に障害物がない場合に高くなる。位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度に基づいて、無線タグ200nと、タグ捜索装置100との間の距離を推定する。また、位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度と、ジャイロ・センサ107Bからの角速度を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100が向いている方向を検出する。また、位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度と、ジャイロ・センサ107Bからの角速度を表す情報と、地磁気センサ107Aからの方位を表す情報に基づいて、タグ捜索装置100が向いている方角を検出するようにしてもよい。具体的には、「180度回転時」に、無線通信部103により検出される電界強度は、無線タグ200nと無線通信端末100との間に障害物がなく、且つ距離が最も近くなるため、最大となる。位置推定部304は、無線通信部103からの電界強度に基づいて、無線タグ200nと、タグ捜索装置100との間の距離を推定する。さらに、位置推定部304は、無線通信部103により検出される電界強度が最大である場合に、ジャイロ・センサ107Bにより検出される角速度と、地磁気センサ107Aにより検出される方位により求められる方角を、タグ捜索装置100の向いている方角とする。
以上のように、本実施の形態に係るタグ捜索装置100は、内部に電池を内蔵し、自ら外部の受信機に対して電波を発信するアクティブ型の無線タグから発信された信号を受信する。加えて、本実施の形態に係るタグ捜索装置100は、自装置を手に持ったユーザがその場で一回転した際に、内蔵された動態センサ(ジャイロ・センサや地磁気センサなど)を使用して自装置の向きや姿勢の変化を検知し、無線タグからの受信信号の強度の変化と関係付ける。従って、特許文献1〜特許文献4記載の発明とは異なり、本実施の形態に係るタグ捜索装置100は、送信ビームの指向性を制御して周囲に散在する一つ以上の無線タグに信号を送信したり、受信ビームの指向性を周囲360度の全方位に渡って回転させたりしなくても良いので、送受信アンテナのビーム指向性を制御するための複雑で高価なアンテナ機構を備える必要が無い。
<4>無線タグの位置推定方法における位置推定精度の問題
図4〜図8に関して上述した方法に従って、無線タグ200nからタグ捜索装置100が受信したAdvertising信号に基づいて無線タグ200nが位置する方向と距離を推定する場合、特許文献1記載の方法と比べてタグ位置の推定精度が低下する。これは、特許文献1記載の無線タグ捜索装置は、送受信ビームの指向性制御や測位信号のタイミング同期制御を精密に行うための複雑で高価なアンテナ制御機構を備えているからである。そこで、まず図9を参照して、特許文献1記載のような複雑で高価なアンテナ制御機構を具備しないタグ捜索装置100が図4〜図8に関して上述した方法に従ってタグ位置を推定する場合に見られる推定精度の低下の具体例を説明する。
図9(A)は、タグ捜索装置100を手に持ったユーザが体をその場で一回転させ、ユーザの周囲360度に渡って無線タグ200nからのAdvertising信号の受信強度をスキャンする様子を表す。この時、図7に示すように無線タグ200nからのAdvertising信号の受信電界強度がピークとなる方向(方位角)は、特定の方位角に収斂するのではなく、一定の範囲に渡る広がりを見せる。これは、Advertising信号の受信電界強度に関する測定値に誤差が含まれている、または周囲のフェージング環境や電波干渉などにより、図7に示す受信電界強度曲線の形が規則的な単峰曲線とはならないからである。上記の同様の理由により、無線タグ200nからタグ捜索装置100が受信したAdvertising信号の受信電界強度に基づいて推定される無線タグ200nまでの距離の推定結果も特定の値に収斂するのではなく、一定の範囲に渡る広がりを見せる。
無線タグ200nからのAdvertising信号の受信電界強度がピークとなる方向が一定範囲に広がっている様子を図9(B)に示すレーダーチャート内において扇形領域A1として示す。また、無線タグ200nからタグ捜索装置100が受信したAdvertising信号の受信電界強度に基づいて推定される無線タグ200nまでの距離推定値が一定範囲に広がっている様子を図9(B)に示すレーダーチャート内においてドーナツ型領域D1として示す。図4〜図8に関して上述した方法に従って、無線タグ200nが位置すると推定される方向と距離の組み合わせからタグ位置を特定しようとする場合、図9(B)に示すレーダーチャート内において特定されるタグ位置は、扇形領域A1とドーナツ型領域D1との交差領域R1となる。この交差領域R1は、無線タグ200nが位置すると推定される方向と距離の両者に関して一定範囲の広がりを示すため、図4〜図8に関して上述した方法に従って推定された無線タグ200nの位置推定精度が十分でない場合も多い。
<5>本実施の形態に係る無線タグの位置推定精度の改善方法
以下、図10および図11を参照しながら、本実施の形態に係る無線タグの位置推定精度の改善方法について具体的に説明する。この位置推定精度の改善方法は、図4〜図8に関して上述した方法に従って、図9(B)のレーダーチャート上において無線タグ200nの現在位置が含まれる交差領域R1の中から、無線タグ200nが位置する可能性の高い領域をさらに狭く絞り込むための方法である。これによって、図4〜図8に関して上述した方法に従って、図9(B)のレーダーチャート上において推定される無線タグ200nの現在位置に関する推定精度を改善することが出来る。この推定精度の改善の結果、本実施の形態においては、タグ捜索装置100が、特許文献1記載のような複雑で高価なアンテナ制御機構を備えていなくても、無線タグ200nの現在位置の推定に関して、実用上充分な推定精度を達成することが出来る。なお、以下において、図10および図11を参照しながら説明する方法を実行する際に、タグ捜索装置100の上で実行される処理動作は、図4に示した位置推定部304により実行されることが可能である。図4に示す位置推定部304は、タグ捜索装置100に関して図2(B)に示す制御部101が記憶部105に記憶された所定の制御プログラムを実行することによって実現される。
まず、図10を使用して、この位置推定精度の改善方法を説明する。図10において、タグ捜索装置100は、無線タグ200nからの受信信号により推定した方向と距離のみならず、図1に示す無線送受信機700のような他の無線送受信機が推定した測位情報も加味することにより、無線タグ100nの位置を推定する。これにより、タグ捜索装置100が、無線タグ200nからの受信信号により無線タグ200nの位置を単独で推定するよりも精度の高い位置推定結果を得ることが出来る。ただしその際、タグ捜索装置100は、無線送受信機700と自身との間の相対的な位置関係をも把握する必要が有る。そのため、タグ捜索装置100は、無線送受信機700の相対的な位置を推定するために、図4〜図8に関して上述した方法と同様の方法を使用する。
従って、図10に示すタグ位置推定方法においては、図9(A)の場合と同様に、タグ捜索装置100を手に持ったユーザがその場で一回転することにより、無線タグ200nからの受信信号強度をユーザの周囲360度にわたってスキャンする。当該受信信号強度のスキャン操作の間に、タグ捜索装置100は、無線タグ200nから発信されたAdvertising信号を受信して、無線タグ200nに関する測位情報を生成する。同時に、無線送受信機700も、無線タグ200nから発信されたAdvertising信号を受信して、無線タグ200nに関する測位情報を生成する。この時のAdvertising信号の流れを図10中のm1およびm3として示す。さらに、タグ捜索装置100は、無線送受信機700と自身との間の相対的な位置関係をも把握する必要が有るため、タグ捜索装置100は、無線送受信機700からも測位信号を受信する。タグ捜索装置100からの要求に応じて、無線送受信機700が送信する測位信号は、無線タグ200nから発信されるAdvertising信号と同様の信号である。さらに、タグ捜索装置100は、無線送受信機700が推定した無線タグ200nまでの距離を表す距離情報を無線送受信機700から受信する。この時の測位信号の流れを図10中のm2として示す。
以上のように、タグ捜索装置100は、無線タグ200nからの受信信号により推定した方向と距離のみならず、無線送受信機700が推定した測位情報も加味することにより、無線タグ200nの位置を単独で推定するよりも精度の高い位置推定結果を得ることが出来る。従って、図1に示す無線送受信機700のような他の無線送受信機は、タグ捜索装置100が無線タグ200nの位置を測位する動作を支援する役割を有し、タグ捜索装置100から見て測位支援用の無線局として振舞う。
次に、図11を使用して、無線タグ200nの現在位置が含まれる交差領域R1(図9(B))の中から、無線タグ200nが位置する可能性の高い領域をさらに狭く絞り込むための原理を以下のとおりに説明する。図11(A)は、タグ捜索装置100が、無線送受信機700から受信した測位信号(図10のm2)を使用して、無線送受信機700が位置する方向と距離をレーダーチャート上で推定した結果を示す。無線送受信機700が位置する方向と距離に関するこの推定は、図4〜図8に関して上述した方法と同様の方法に従って、タグ捜索装置100が、無線送受信機700と自身との間の相対的な位置関係を把握するために実行される。図9に関して上述したのと同様に、図11(A)のレーダーチャート上においても、無線送受信機700が位置する方向と距離に関する推定結果は、特定の方向と距離に収斂することなく、一定範囲の広がりを見せる。その結果、図11(A)のレーダーチャート上において、無線送受信機700が位置する方向は、扇形領域A2として示され、無線送受信機700までの距離はドーナツ型領域D2として示される。従って、図11(A)のレーダーチャートにおいて、扇形領域A2とドーナツ型領域D2との交差領域R2がタグ捜索装置100から見た無線送受信機700の位置の推定結果となる。
次に、タグ捜索装置100は、図10のm2において、無線送受信機700の相対位置を推定するための上述した測位信号を無線送受信機700から受信することに加え、後述する距離情報dを無線送受信機700から受信する。この距離情報dは、無線送受信機700が推定した無線タグ200nまでの距離を表す情報であり、無線送受信機700の位置をタグ捜索装置100に対して報知するための測位信号と同様に無線送受信機700からタグ捜索装置100に送信される。図9に関して上述した利用と同様の理由により、距離情報dが表す無線タグ200nまでの距離の推定結果もまた、特定の値に収斂せずに一定の幅にわたって広がっている。言い換えると、距離情報dによって表される無線送受信機700から無線タグ200nまでの距離は、特定の値ではなく、一定の幅にわたる数値範囲である。図11(B)に示すドーナツ型領域A3は、レーダーチャート上において、タグ捜索装置100から見た無線送受信機700の相対位置に対応する領域R2を中心として、領域R2の外縁を距離情報dが表す距離だけ広げることによって得られる領域である。従って、ドーナツ型領域A3は、タグ捜索装置100をレーダーチャートの原点とした場合に、無線送受信機700の推定位置を中心として、無線タグ200nが位置する可能性のある範囲に相当するドーナツ型領域である。
次に、図11(C)に示す領域R1は、図9(B)に示す交差領域R1に対応し、タグ捜索装置100が図4〜図8の方法に従って単独で推定した無線タグ200nの位置推定結果に相当する。従って、タグ捜索装置100は、図9(B)の交差領域R1と図11(B)に示したドーナツ型領域A3との交差領域R3を求めることにより、図9の場合と比較して、無線タグ200nが位置する可能性の高い領域をさらに狭く絞り込むことができる。すなわち、図11(C)のレーダーチャートにおいて、上述した交差領域R3は、無線タグ200nの位置推定結果である図9(B)の領域R1を、無線送受信機700から受信した距離情報dを活用してさらに狭く絞り込むことにより得られた領域である。上述した交差領域R3をタグ捜索装置100から見た無線タグ200nの位置推定結果とすることにより、タグ捜索装置100が図4〜図8の方法に従って単独で推定した結果に相当する領域R1よりも推定精度を改善することが出来る。
なお、図10および図11に関して上述した実施例においては、無線送受信機700は、無線タグ200nから受信したAdvertising信号の受信電界強度に基づいて上述した距離情報dを生成してから距離情報dをタグ捜索装置100に送信する構成としていた。しかしながら、図12に関して後述するとおり、代替的な実施例においては、無線送受信機700は、距離情報dを生成する動作を実行する替わりに、無線タグ200nから受信したAdvertising信号の受信電界強度を単に測定し、測定した電界強度値をそのままタグ捜索装置100に送信することも可能である。この場合、無線送受信機700から電界強度値を受信したタグ捜索装置100は、この電界強度値から無線送受信機700と無線タグ200nとの間の距離を推定し、タグ捜索装置100の内部で距離情報dを生成することが可能である。
<6>本実施の形態に係る無線タグの位置推定方法の動作フロー
以下、図10および図11に関して上述した方法に従って、タグ捜索装置100、無線タグ200nおよび無線送受信装置700の三者がそれぞれ実行する動作のフローとこれら三者間で通信される情報のフローを図12のイベントフロー図を参照しながら説明する。図12のイベントフロー図に沿って以下のとおりに説明する一連の処理動作において、タグ捜索装置100の上で実行される処理動作は、図4に示した位置推定部304により実行されることが可能である。図4に示す位置推定部304は、タグ捜索装置100に関して図2(B)に示す制御部101が記憶部105に記憶された所定の制御プログラムを実行することによって実現される。
まず、ステップS1101において、タグ捜索装置100は、無線タグ200nに対して、Advertising信号の送信開始を指示するコマンドを含んだ制御信号を送信する。同時に、タグ捜索装置100は、無線送受信機700に対して測位信号の送信開始を指示する制御信号を送信する。タグ捜索装置100からの指示に応じて、無線送受信機700が送信する測位信号は、無線タグ200nから発信されるAdvertising信号と同様の信号である。
続いて、ステップS1102において、タグ捜索装置100から受信した制御信号に応じて、無線タグ200nは、Advertising信号の周期的な反復送信動作を開始する。無線タグ200nがこのとき送信するAdvertising信号は、タグ捜索装置100および無線送受信機700の両者によって受信される。これと並行して、無線送受信機700は、タグ捜索装置100から受信した制御信号に応じて、測位信号の周期的な反復送信動作を開始し、この測位信号は、タグ捜索装置100によって受信される。
続いて、ステップS1103Aにおいて、タグ捜索装置100は、無線タグ200nと無線送受信機700からそれぞれ受信したAdvertising信号と測位信号とを使用して、無線タグ200nおよび無線送受信機700の測位を実行する。具体的には、受信したAdvertising信号と測位信号に基づき、タグ捜索装置100は、自身の位置を中心として、無線タグ200nおよび無線送受信機700がそれぞれ位置する方向と距離を推定する。この際、タグ捜索装置100は、無線タグ200nおよび無線送受信機700がそれぞれ位置する方向と距離の推定を、図4〜図8に関して上述した方法に従って実行することが可能である。
ステップS1103Aと並行して実行されるステップS1103Bにおいては、無線送受信機700は、無線タグ200nから受信したAdvertising信号の受信電界強度を測定する。
続いて、ステップS1104において、無線送受信機700は、無線タグ200nから受信したAdvertising信号に関して測定した受信電界強度を表す情報をタグ捜索装置100に対して送信する。
ステップS1105において、タグ捜索装置100は、無線送受信機700から伝達されたAdvertising信号の受信電界強度に基づいて、無線送受信機700から無線タグ200nまでの距離を推定する。無線送受信機700が無線タグ200nまでの距離を推定した結果は、図11に関して上述した距離情報dとして生成される。なお、距離情報dによって表される無線送受信機700から無線タグ200nまでの距離は、特定の値ではなく、一定の幅にわたる数値範囲である。
最後に、ステップS1106において、タグ捜索装置100は、無線タグ200nと無線送受信機700のそれぞれが位置する方向と距離および無線送受信機700から伝達された距離情報dに基づいて無線タグ200nが位置する正確な方向と距離を推定する。この時、タグ捜索装置100は、図11(A)〜図11(C)を参照しながら上述した方法に従って、無線タグ200nが位置する正確な方向と距離を推定する。無線タグ200nと無線送受信機700のそれぞれが位置する方向と距離は、タグ捜索装置100がステップS1103Aにおいて無線タグ200nと無線送受信機700に関して推定した方向と位置である。なお、無線タグ200nの位置に関してステップS1106において推定された方向と距離は、ステップS1103Aにおいて、タグ捜索装置100が無線送受信機700から距離情報dを通知されずに単独で推定した無線タグ200nの位置に関する方向と距離よりも推定精度が改善されている。
<7>本実施の形態の作用効果
図10および図11に示すタグ位置の推定方法においては、無線送受信機700は、無線タグ200nが位置する方向を推定する必要が無く、無線タグ200nまでの距離に関する推定結果のみを距離情報dとしてタグ捜索装置100に報告すればよい点に留意されたい。これにより、タグ捜索装置100は、図4〜図8に関して上述した方法に従って無線タグ200nからの受信信号の到来方向を検出するためにセンサー類(図4に示す地磁気センサ107A、ジャイロ・センサ107Bおよび加速度センサ107C)を具備する必要が有るのに対して、無線送受信機700においては、そのようなセンサー類は不要である。同様に、特許文献1記載の無線監視局は、無線タグ200nが位置する方向を推定するために、送受信ビーム指向性制御や測位信号同期に関して高精度なアンテナ制御機構を必要とするのに対して、無線送受信機700においては、そのような機構は不要である。その結果、本実施の形態においては、無線送受信機700は、無線タグ200nからの受信信号の電界強度を測定する機能さえ有していれば、どのような無線送受信機であっても良く、任意のセルラー基地局、任意の無線中継局または任意の無線トランシーバとすることも可能である。
また、図10および図11に示すタグ位置の推定方法においては、測位実行装置として、タグ捜索装置100および無線送受信機700の2台のみを必要とし、特許文献2〜特許文献5記載の発明のように3台以上の測位実行装置を必要としない。しかも、図10および図11に示す方法は、タグ捜索装置100および無線送受信機700の2台のみを測位実行装置として使用するだけで、無線タグ位置の推定精度を実用上充分な程度まで改善することが出来る。何故なら、本実施の形態においては、無線タグの位置は、無線タグ200nからの受信信号の到来方向と受信電界強度のみに基づいて、無線タグ200nが位置する方向と距離のみから成る2次元極座標位置として推定すれば充分だからである。
その結果、本実施の形態は、無線タグ捜索装置100において、アンテナのビーム指向性や測位信号のタイミング同期を高精度で制御するための複雑で高価なアンテナ制御機構を設けることなく、安価で単純ではあるが実用上充分な精度を有する無線タグ測位システムを実現することができる。加えて、本実施の形態は、無線タグ200nが位置する相対的な方向と距離のみを推定することにより、数多くの衛星や基地局との間の測位信号の通信を必要とせずに、最小限のシステム構成で無線タグ測位システムを実現することができる。
本発明は、小型無線発信器を取り付けた物品や人の位置を、当該無線発信器からの電波に基づいて捜索するための位置捜索装置および位置捜索システムとして利用することが出来る。
100 タグ捜索装置
101 制御部
102 無線情報送受信部
103 無線通信部
104 表示部
105 記憶部
106 ユーザ入出力部
107 センサ部
107A 地磁気センサ
107B ジャイロ・センサ
107C 加速度センサ
108 送受信アンテナ
200 無線タグ
201 制御部
202 報知情報送信部
203 無線通信部
204 計時部
205 記憶部
206 バッテリ
207 送受信アンテナ
210 制御信号受信部
300 タグ捜索装置の機能ブロック構造
302 動態判定部
304 位置推定部
400 無線タグ位置を表示するアイコン画像
700 無線送受信機
701 制御部
702A 無線情報送信部
702B 無線情報受信部
703 無線通信部
704 アンテナ

Claims (9)

  1. 一つ以上の無線機および支援無線局から受信した無線信号に基づいて、前記無線機を捜索する無線捜索装置であって、前記無線機の位置を推定する位置推定部および前記無線信号を送受信する無線送受信部を備え、前記位置推定部は:
    前記無線機および前記支援無線局から受信した前記無線信号に基づいて、前記無線機および前記支援無線局の位置に関する第1の推定結果を生成する手段;および、
    前記第1の推定結果と共に前記支援無線局から受信した支援信号を使用して、前記無線機の位置に関する第2の推定結果を生成する手段;
    を備え、
    前記支援信号は、前記支援無線局が測定した前記無線機までの距離に関する距離情報を含む、ことを特徴とする、無線捜索装置。
  2. 前記第2の推定結果を生成する手段は:
    前記支援無線局の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域から前記距離情報が表す距離だけ離れた領域を算出する手段;
    前記算出された領域と前記無線機の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域との交差領域を算出する手段;および、
    前記交差領域を表す情報を前記第2の推定結果として出力する手段;
    を備える、請求項1記載の無線捜索装置。
  3. 前記無線機および前記支援無線局の位置は、当該無線捜索装置から見て前記無線機および前記支援無線局が位置する方向と距離によって表され、
    前記第1の推定結果は、前記無線機および前記支援無線局がそれぞれ位置する方向と距離に関する推定結果を含み、
    前記第2の推定結果は、前記無線機が位置する方向と距離に関して前記第1の推定結果よりも高精度な推定結果を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載の無線捜索装置。
  4. 前記支援無線局は、前記無線機から受信した前記無線信号の受信電界強度に基づいて、前記無線機までの距離を推定し、前記推定した距離に基づいて前記支援信号を生成し、当該無線捜索装置に送信する、
    ことを特徴とする、請求項1記載の無線捜索装置。
  5. 当該無線捜索装置を把持したユーザが向きを変えた際に、当該無線捜索装置の向きの変化を検知するセンサをさらに備え、
    前記位置推定部は、
    当該ユーザが前記向きを変えた際に、前記センサが検知した向きの変化と関連付けて前記無線信号の受信強度の変化を測定結果として記録する手段;
    前記記録された測定結果から当該無線捜索装置の向きを決定する手段;
    前記強度に基づいて、前記無線機が位置する方向を推定する手段;
    をさらに備える、請求項1記載の無線捜索装置。
  6. 一つ以上の無線機および支援無線局から受信した無線信号に基づいて、無線捜索装置が前記無線機を捜索する方法であって、前記無線捜索装置は、前記無線機の位置を推定する位置推定部および前記無線信号を送受信する無線送受信部を備え:
    前記無線機および前記支援無線局から受信した前記無線信号に基づいて、前記無線機および前記支援無線局の位置に関する第1の推定結果を前記位置推定部が生成するステップ;および、
    前記第1の推定結果と共に前記支援無線局から受信した支援信号を使用して、前記無線機の位置に関する第2の推定結果を前記位置推定部が生成する手段;
    を備え、
    前記支援信号は、前記支援無線局が測定した前記無線局までの距離に関する距離情報を含み、前記第2の推定結果は前記第1の推定結果よりも前記無線機の位置を高精度に特定する、ことを特徴とする、方法。
  7. 前記第2の推定結果を生成するステップは:
    前記支援無線局の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域から前記距離情報が表す距離だけ離れた領域を算出するステップ;
    前記算出された領域と前記無線機の推定位置に関して前記第1の推定結果が表す領域との交差領域を算出するステップ;および、
    前記交差領域を表す情報を前記第2の推定結果として出力するステップ;
    を備える、請求項6記載の方法。
  8. 前記無線機および前記支援無線局の位置は、当該無線捜索装置から見て前記無線機および前記支援無線局が位置する方向と距離によって表され、
    前記第1の推定結果は、前記無線機および前記支援無線局がそれぞれ位置する方向と距離に関する推定結果を含み、
    前記第2の推定結果は、前記無線機が位置する方向と距離に関して前記第1の推定結果よりも高精度な推定結果を含む、
    ことを特徴とする請求項6記載の方法。
  9. 前記支援無線局は、前記無線機から受信した前記無線信号の受信電界強度に基づいて、前記無線局までの距離を推定し、前記推定した距離に基づいて前記支援信号を生成し、当該無線捜索装置に送信する、
    ことを特徴とする、請求項6記載の方法。
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