JP6058018B2 - 摺動部品 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、メカニカルシール、軸受、その他、摺動部に適した摺動部品に関する。特に、摺動面に流体を介在させて摩擦を低減させるとともに、摺動面から流体が漏洩するのを防止する必要のある密封環または軸受などの摺動部品に関する。
摺動部品の一例である、メカニカルシールにおいて、密封性を長期的に維持させるためには、「密封」と「潤滑」という相反する条件を両立させなければならない。特に、近年においては、環境対策などのために、被密封流体の漏れ防止を図りつつ、機械的損失を低減させるべく、より一層、低摩擦化の要求が高まっている。低摩擦化の手法としては、回転により摺動面間に動圧を発生させ、液膜を介在させた状態で摺動する、いわゆる流体潤滑状態とすることにより達成できる。しかしながら、この場合、摺動面間に正圧が発生するため、流体が正圧部分から摺動面外へ流出する。軸受でいう側方漏れであり、シールの場合の漏れに該当する。
液体シールにおいては、気体より粘度が大きいため、平面同士であっても面の微小なうねりや粗さの凹凸等により動圧効果が得られる。このため、密封性能を優先した構造を採用することが多い。一方、密封と潤滑を両立させるために、漏れた液体を高圧側に引き戻す、ポンピング効果を有した機構もいくつか考案されている。たとえば、特許文献1には、回転リングの軸封面に流体を高圧室側へ移送するらせん溝が円周方向に複数設けられた発明が開示されている。
また、摺動部品に関する発明として、摺動面の被密封流体側に形成された吸込手段により、摺動面に被密封流体を導入し、この導入した被密封流体を摺動面に形成された径方向外周側及び径方向内周側の2つのディンプル部にダム部を介して被密封流体を蓄積すると同時に径方向内周側のディンプル部においてポンピングさせることにより、2つのディンプル部より径方向内周側に位置するシール面から被密封流体が漏洩するのを防止するようにした発明が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、シールなどの摺動面の内・外周に圧力差がある場合、圧力に対抗したポンピング作用が必要となり、圧力の大きさによっては流体を押し戻すことができない場合がある。このため、圧力差が小さい場合には漏れを防止することは可能であるが、圧力差が大きい場合には漏れ量は多くならざるを得ないという問題があった。また、上記特許文献2に記載の発明では、被密封流体側のディンプル部のポンピング効果が強すぎると漏れ量が増大し、逆に、大気側のディンプル部のポンピング効果が強すぎるとシール面から被密封流体が無くなり、シール面に形成されたこれらディンプル部が相手側摺動面と直接接触してトルクが増大するという現象が発生する。従来技術2において、漏れ量の増大及びトルクの増大を防止するには、それぞれのディンプル部のポンピング効果のバランスを取る必要があるが、実際には中々難しいという問題があった。
特開平8−277941号公報(第5頁、図6) 特開2005−180652号公報
本発明は、摺動面に形成されたディンプルなどの窪み部分(本明細書においては「ディンプル」という。)の上流側のキャビテーション領域で流体を吸い込み、ディンプルの下流側で摺動面間に正圧を発生させることにより、摺動面の内・外周の差圧の大きさに関係することなく漏れ防止と潤滑の両機能を備えた摺動部品を提供することを目的とするものである。
また、キャビテーション領域内の筋状の流体の流れを制御することにより、より一層、漏れ防止の機能を向上させた摺動部品を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため本発明の摺動部品は、第1に、一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面にディンプルが設けられ、各ディンプルの上流側のキャビテーション形成領域は低圧流体側に寄って配置されると共に下流側の正圧発生領域は高圧流体側に寄って配置され、前記各ディンプルの前記キャビテーション形成領域で低圧流体側より吸入された流体は当該ディンプル内を通って前記正圧発生領域から高圧流体側に戻されることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧流体側の被密封流体の低圧流体側への漏洩を防止することができるだけでなく、低圧流体側に漏れた流体を高圧流体側に引き戻すポンピング作用が実現できると共に、正圧発生領域で発生した正圧により摺動面に流体潤滑膜を形成することができ、密封と潤滑の両立を図ることができる。
また、本発明の摺動部品は、第2に、第1の特徴において、周方向において隣接する前記ディンプルにおいて、上流側に位置するディンプルの前記正圧発生領域と下流側に位置するディンプルの前記キャビテーション形成領域とが径方向において重複するように配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、正圧発生領域から低圧流体側に漏洩しようとする流体および低圧流体側に漏洩した流体はキャビテーション形成領域に吸入されるので、低圧流体側への漏洩を一層防止することができる。
また、本発明の摺動部品は、第3に、第1または第2の特徴において、前記ディンプルの前記正圧発生領域が前記ディンプルの深さ以上の連通溝により高圧流体側に連通されていることを特徴としている。
この特徴によれば、正圧発生領域にはキャビテーション形成領域からだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用をより一層行うことができる。
また、本発明の摺動部品は、第4に、第1の特徴において、前記一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、前記ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、前記キャビテーション形成領域及び前記正圧発生領域がそれぞれ対称になるように配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する場合にも固定側の摺動環を交換することなく、密封と潤滑の両立を図ることができる。
また、本発明の摺動部品は、第5に、第3の特徴において、前記一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、前記ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、前記連通溝が対称になるように配設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する摺動部品において、正圧発生領域にはキャビテーション形成領域からだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用をより一層行うことができる。
また、本発明の摺動部品は、第6に、第1ないし5のいずれかの特徴において、前記キャビテーション形成領域には、方向性を備えた溝が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧流体側の被密封流体が低圧流体側に漏洩することが防止されると共に、正圧発生領域で発生した正圧で摺動面に流体潤滑膜が形成され、摺動面の潤滑が図られることに加えて、キャビテーション形成領域に設けられた方向性を備えた溝により、キャビテーション形成領域内の筋状の流体の流れは正圧発生領域に移動されるように制御されるため、流体の漏洩を一層防止することができる。
また、本発明の摺動部品は、第7に、第6の特徴において、前記キャビテーション形成領域の少なくとも低圧流体側には前記方向性を備えた溝が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、流体の漏洩を一層防止する摺動部品において、低圧流体側と高圧流体側との差圧が小さい場合に好適である。
また、本発明の摺動部品は、第8に、第1または第2の特徴において、前記ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側には前記ディンプルが配設され、前記正圧発生機構と前記ディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、前記圧力開放溝は高圧流体側と前記半径方向溝を介して連通されていることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルのキャビテーション形成領域で吸入された流体は正圧発生領域から圧力開放溝に導かれ、半径方向溝を介して高圧流体側に戻されるため、ディンプルによる密封作用を確実なものとすることができる。
また、本発明の摺動部品は、第9に、第4の特徴において、前記ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側には前記ディンプルが配設され、前記正圧発生機構と前記ディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、前記圧力開放溝は高圧流体側と前記半径方向溝を介して連通されていることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルによる密封作用を確実なものとする密封に加えて、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する場合にも固定側の摺動環を交換することなく対応可能である。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)各ディンプルの上流側のキャビテーション形成領域は低圧流体側に寄って配置されると共に下流側の正圧発生領域は高圧流体側に寄って配置され、各ディンプルのキャビテーション形成領域で吸入された流体は当該ディンプル内を通って正圧発生領域から高圧流体側に戻されることにより、高圧流体側の被密封流体の低圧流体側への漏洩を防止することができるだけでなく、低圧流体側に漏れた流体を高圧流体側に引き戻すポンピング作用が実現できると共に、正圧発生領域で発生した正圧により摺動面に流体潤滑膜を形成することができ、密封と潤滑の両立を図ることができる。
(2)周方向において隣接するディンプルにおいて、上流側に位置するディンプルの正圧発生領域と下流側に位置するディンプルのキャビテーション形成領域とが径方向において重複するように配設されていることにより、正圧発生領域から低圧流体側に漏洩しようとする流体および低圧流体側に漏洩した流体はキャビテーション形成領域に吸入されるので、低圧流体側への漏洩を一層防止することができる。
(3)ディンプルの正圧発生領域がディンプルの深さ以上の連通溝により高圧流体側に連通されていることにより、正圧発生領域にはキャビテーション形成領域からだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用をより一層行うことができる。
(4)回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、キャビテーション形成領域及び正圧発生領域がそれぞれ対称になるように配設されていることにより、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する場合にも固定側の摺動環を交換することなく、密封と潤滑の両立を図ることができる。
(5)回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、連通溝が対称になるように配設されていることにより、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する摺動部品において、正圧発生領域にはキャビテーション形成領域からだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用をより一層行うことができる。
(6)キャビテーション形成領域には、方向性を備えた溝が設けられていることにより、高圧流体側の被密封流体が低圧流体側に漏洩することが防止されると共に、正圧発生領域で発生した正圧で摺動面に流体潤滑膜が形成され、摺動面の潤滑が図られることに加えて、キャビテーション形成領域に設けられた方向性を備えた溝により、キャビテーション形成領域内の筋状の流体の流れは正圧発生領域に移動されるように制御されるため、流体の漏洩を一層防止することができる。
(7)キャビテーション形成領域の少なくとも低圧流体側には方向性を備えた溝が設けられていることにより、流体の漏洩を一層防止する摺動部品において、低圧流体側と高圧流体側との差圧が小さい場合に好適である。
(8)ディンプルの上流側のキャビテーション形成領域は低圧流体側に寄って配置されると共に下流側の正圧発生領域は高圧流体側に寄って配置された摺動部品において、ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側にはディンプルが配設され、正圧発生機構とディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、圧力開放溝は高圧流体側と半径方向溝を介して連通されていることにより、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルのキャビテーション形成領域で吸入された流体は正圧発生領域から圧力開放溝に導かれ、半径方向溝を介して高圧流体側に戻されるため、ディンプルによる密封作用を確実なものとすることができる。
(9)回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品であって、ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、キャビテーション形成領域及び前記正圧発生領域がそれぞれ対称になるように配設されている摺動部品において、ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側にはディンプルが配設され、正圧発生機構とディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、圧力開放溝は高圧流体側と半径方向溝を介して連通されていることにより、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルによる密封作用を確実なものとする密封に加えて、回転側の摺動環が正逆両方向に回転する場合にも固定側の摺動環を交換することなく対応可能である。
本発明の実施例に係るメカニカルシールの一例を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 (a)はディンプルの下流側の狭まり隙間(段差)からなる正圧発生機構を、(b)はディンプルの上流側の拡がり隙間(段差)からなる負圧発生機構を、説明するための図である。 本発明の実施例2に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例3に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例4に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例5に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 摺動面に形成されたディンプルなどの窪み部分に生じるキャビテーションに伴う筋状の流体の流れを説明する図である。 摺動面に形成されたディンプルの底面に方向性をもった溝を設置すると、ディンプル内に発生するキャビテーション領域の筋状の流体の流れの方向が変更されることを説明する図である。 本発明の実施例6に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例7に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例8に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例9に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例10に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例11に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例11に係る摺動部品の第1変形例の摺動面を示したものである。 本発明の実施例11に係る摺動部品の第2変形例の摺動面を示したものである。 本発明の実施例12に係る摺動部品の摺動面を示したものである。 本発明の実施例12に係る摺動部品の第1変形例の摺動面を示したものである。 本発明の実施例12に係る摺動部品の第2変形例の摺動面を示したものである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは、特に明示的な記載がない限り、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1ないし図3を参照して、本発明の実施例1に係る摺動部品について説明する。
なお、本実施例においては、メカニカルシールを構成する部品が摺動部品である場合を例にして説明する。
図1は、メカニカルシールの一例を示す縦断面図であって、摺動面の外周から内周方向に向かって漏れようとする高圧流体側の被密封流体を密封する形式のインサイド形式のものであり、高圧流体側のポンプインペラ(図示省略)を駆動させる回転軸1側にスリーブ2を介してこの回転軸1と一体的に回転可能な状態に設けられた円環状の回転環3と、ポンプのハウジング4に非回転状態かつ軸方向移動可能な状態で設けられた円環状の固定環5とが、この固定環5を軸方向に付勢するコイルドウェーブスプリング6及びベローズ7によって、ラッピング等によって鏡面仕上げされた摺動面S同士で密接摺動するようになっている。すなわち、このメカニカルシールは、回転環3と固定環5との互いの摺動面Sにおいて、被密封流体が回転軸1の外周から大気側へ流出するのを防止するものである。
なお、本発明は、インサイド形式のものに限らず、摺動面の内周から外周方向に向かって漏れようとする高圧流体側の被密封流体を密封するアウトサイド形式のものにも適用できることはいうまでもない。
図2は、本発明の実施例1に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。
なお、回転環3の摺動面にディンプルが形成される場合も同じである
図2において、摺動面Sにはディンプル10が周方向に複数設けられている。ディンプル10は、高圧流体側及び低圧流体側とは連通しておらず、また、各ディンプル10は相互に独立して周方向において離間するように設けられている。ディンプル10の数、面積及び深さは、摺動部品の径、摺動面の幅及び相対移動速度、並びに、密封及び潤滑の条件等に応じて適宜決定される性質のものであるが、面積が大きく、深さの浅いディンプルの方が流体潤滑作用及び液膜形成の点で好ましい。
各ディンプル10は、上流側のキャビテーション形成領域10aは低圧流体側に寄って配置されると共に下流側の正圧発生領域10bは高圧流体側に寄って配置され、これら2つの領域が連通されるような形状に形成されており、各ディンプル10のキャビテーション形成領域10aで吸入された流体は当該ディンプル内を通って正圧発生領域10bで動圧(正圧)を発生し、径方向に近い高圧流体側に戻されるようになっている。
図2に示されたディンプル10は、上流側のキャビテーション形成領域10a及び下流側の正圧発生領域10bが、それぞれ、円弧状をなすように一定幅を有して周方向に延び、キャビテーション形成領域10a及び下流側の正圧発生領域10bが径方向において一体的に連通されてクランク状の形状をしており、また、キャビテーション形成領域10aの周方向の長さが正圧発生領域10bの周方向の長さより長く形成されている。図2のディンプル10では、キャビテーション形成領域10aの周方向の長さが正圧発生領域10bの周方向の長さより長いため、流体の吸入される量が多くなり、漏洩防止効果が大きい。
図2に示すディンプル10の形状は、一例に過ぎず、要は、低圧流体側に寄って上流側のキャビテーション形成領域10aが配置され、高圧流体側に寄って下流側の正圧発生領域10bが配置されていればよく、例えば、長方形、長円などを傾斜して配置したものでもよい。
本例では、各ディンプル10の低圧流体側に寄って配置されたキャビテーション形成領域10aで吸入された流体は当該ディンプル内を通って下流側の高圧流体側に寄って配置された正圧発生領域10bで動圧(正圧)を発生し、径方向に近い高圧流体側に戻されるようになっているため、高圧流体側の被密封流体が低圧流体側に漏洩することが防止されると共に、正圧発生領域10bで発生した正圧で摺動面に流体潤滑膜が形成され、摺動面の潤滑が図られるものである。
ここで、図3を参照しながら、本発明におけるディンプルを設けた場合の正圧発生機構及び負圧発生機構について説明する。
図3(a)において、矢印で示すように、固定環5に対して回転環3が反時計方向に回転移動するが、固定環5の摺動面Sにディンプル10が形成されていると、該ディンプル10の下流側には狭まり隙間(段差)11が存在する。相対する回転環3の摺動面は平坦である。
回転環3が矢印で示す方向に相対移動すると、回転環3及び固定環5の摺動面間に介在する流体が、その粘性によって、回転環3の移動方向に追随移動しようとするため、その際、狭まり隙間(段差)11の存在によって破線で示すような動圧(正圧)が発生される。
図3(b)においては、矢印で示すように、固定環5に対して回転環3は反時計方向に回転移動するが、固定環5の摺動面Sにディンプル10が形成されていると、ディンプル10の上流側には拡がり隙間(段差)12が存在する。相対する回転環3の摺動面は平坦である。
回転環3が矢印で示す方向に相対移動すると、回転環3及び固定環5の摺動面間に介在する流体が、その粘性によって、回転環3の移動方向に追随移動しようとするため、その際、拡がり隙間(段差)12の存在によって破線で示すような動圧(負圧)が発生される。
このため、ディンプル10内の上流側には負圧が発生し、下流側には正圧が発生することになる。そして、上流側の負圧発生領域にはキャビテーションが発生する。
図4は、本発明の実施例2に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例2は、ディンプル10の周方向における配置関係が実施例1と相違するが、その他の点は実施例1と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図4において、周方向において隣接するディンプル10は、上流側に位置するディンプル10の正圧発生領域10bと下流側に位置するディンプル10のキャビテーション形成領域10aとが径方向において重複するように配設されている。
上流側に位置するディンプル10の正圧発生領域10bで動圧(正圧)が発生すると、流体は正圧発生領域10bに近い高圧流体側に主として戻されるが、一部の流体は低圧流体側に漏れようとする。しかし、当該正圧発生領域10bの低圧流体側には下流側のディンプル10のキャビテーション形成領域10aが配設されているため、低圧流体側に漏洩しようとする流体は当該キャビテーション形成領域10aに吸入されるので、低圧流体側への漏洩は防止される。
本例では、実施例1の効果に加えて、より一層の漏洩防止の効果を奏するものである。
図5は、本発明の実施例3に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例3は、正圧発生領域が高圧流体側に連通されている点で実施例2と相違するが、その他の点は実施例2と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図5において、各ディンプル10の正圧発生領域10bはディンプル10の深さと同等かそれ以上の深さの連通溝13により高圧流体側に連通されている。図5では、連通溝13は、キャビテーション形成領域10aと正圧発生領域10bとが径方向において連通する部分の径方向外側に設けられているが、これに限られるものではなく、正圧発生領域10bに高圧側流体が取り込まれるように設けられるものであればよい。
本例においては、正圧発生領域10bにはキャビテーション形成領域10aからだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用がより一層行われる。
図6は、本発明の実施例4に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例4は、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する場合に好適な摺動部品である。
図6は、一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品、すなわち、回転環3が正逆両方向に回転する場合の固定環5の摺動面を示したものであって、各ディンプル15は、その周方向の中心と回転中心とを結ぶ半径線0−0に対して、2つのキャビテーション形成領域15a、15a’及び2つの正圧発生領域15b、15b’がそれぞれ対称になるように配設され、低圧流体側に寄ったキャビテーション形成領域15a、15a’と高圧流体側に寄った正圧発生領域15b、15b’とは径方向において連通されている。また、キャビテーション形成領域15a、15a’の周方向の長さは正圧発生領域15b、15b’の周方向の長さより長く形成されている。
図6においては、相手摺動面が実線の矢印で示すように反時計方向に回転する場合を示しており、上流側のキャビテーション形成領域15aで吸入された流体は下流側の正圧発生領域15bにおいて正圧を発生するが、相手摺動面が破線の矢印で示すように時計方向に回転する場合には、線0−0に対して反対側の上流側となるキャビテーション形成領域15a’で吸入された流体は下流側となる正圧発生領域15b’において正圧を発生するようになっており、回転環3が正逆両方向に回転する場合にも固定環5を交換することなく対応可能である。
図7は、本発明の実施例5に係る摺動部品の摺動面を示したもので、正圧発生領域が高圧流体側に連通されている点で実施例4と相違するが、その他の点は実施例4と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図7では、一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品、すなわち、回転環3が正逆両方向に回転する固定環5において、正圧発生領域15b、15b’を高圧流体側に連通する連通溝16が設けられており、該連通溝16は、ディンプル15の周方向の中心と回転中心とを結ぶ半径線O−Oに対して対称になるように配設されている。
図7においては、正圧発生領域15bまたは15b’にはキャビテーション形成領域15aまたは15a’からだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用がより一層行われることはもちろん、相手摺動面が実線の矢印で示すように反時計方向に回転する場合、及び、破線の矢印で示すように時計方向に回転する場合にも固定環5を交換することなく対応可能である。
次に、ディンプルに発生するキャビテーション及びキャビテーション領域における流体の流れ制御について説明する。
一般的なメカニカルシールのように、2部品の各摺動面が平滑面で構成される場合、摺動面間には、被密封流体による膜だけでなく、流体中に発生したキャビテーションによる相が形成されることが知られている(Hamilton,Walowit,Allen : A. S. M. E. Paper No. 65−Lub−11(1965)参照)。すなわち、摺動面間には、液体(被密封流体)により構成される相(以下、液相と称する)と、気体により構成される相(以下、気相と称する)が形成される。
また、図8に示すように、摺動面Sに形成されたディンプルなどの窪み部分10には、キャビテーションに伴う筋状の流体の流れ20が生じることが一般的に知られている。
本発明者は、メカニカルシール等の摺動面におけるディンプルの流体潤滑作用に関する研究を行う中で、図9に示すように、摺動面に形成されたディンプルの底面に方向性をもった溝30を設置すると、ディンプル10内に発生するキャビテーション領域の筋状の流体の流れ20の方向を変更または制御することができるという知見を得た。これは、キャビテーション内部は液体と比較し粘性の十分に小さい気体で満たされるため、流動性がよく、キャビテーション内部の圧力は一定となり、摺動面の内・外周の差圧に関係することなく、キャビテーション内部の筋状流れが制御されると考えられるものである。
すなわち、ディンプル10の底面に方向性をもった溝30が存在する場合、溝30のエッジ部分40が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れ20が溝30上を通過する移動を妨げ、この結果、筋状の流体の流れ20は溝30のエッジ部分40に沿って一定程度移動し、キャビテーション内部の筋状流れが制御されると考えられるものである。
なお、エッジ部分の幾何学的な障壁作用については、本出願人による特許出願である特開2011−185292号公報に詳しく記載されている。
図10は、本発明の実施例6に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例6は、キャビテーション形成領域に方向性を備えた溝が形成されている点で図4で示した実施例2と相違するが、その他の点は実施例2と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図10において、各ディンプル10のキャビテーション形成領域10aには、方向性を備えた溝30が設けられている。方向性を備えた溝30の設けられる範囲は、キャビテーション形成領域10aの全部でも一部でもよい。また、方向性を備えた溝30はディンプル10の底部に形成されるものであり、その幅及び深さは、特に限定されないが、先において説明したように、方向性を備えた溝30のエッジ部分が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れが方向性を備えた溝30上を通過する移動を妨げられるものであればよい。
また、溝30の方向性は、流体をどのように制御するかにより決められるものであり、図10においては、キャビテーション形成領域10a内の流体を正圧発生領域10bに移動するようにするため、内径側から外径側に向かって反時計方向に傾斜している。先に説明したように、キャビテーション内部は液体と比較し粘性の十分に小さい気体で満たされ、流動性がよく、キャビテーション内部の圧力は一定となり、摺動面Sの内・外周の差圧に関係することなく、筋状の流れが制御されるものであるので、溝30が図10に示すような方向性を持った場合、キャビテーション形成領域10aに設けられた溝30により、キャビテーション形成領域10a内の筋状の流体の流れは上流側の最初の溝30のエッジ部分に沿って一定程度移動し、次に、2番目の溝30のエッジ部分に沿って一定程度移動することを順次繰り返し、正圧発生領域10bに移動されるように制御される。
なお、方向性を備えた溝30のピッチpは設計的に最適な値に設定されればよく、特に限定されない。
本例では、各ディンプル10の低圧流体側に寄って配置されたキャビテーション形成領域10aで吸入された流体は当該ディンプル内を通って下流側の高圧流体側に寄って配置された正圧発生領域10bで動圧(正圧)を発生し、径方向に近い高圧流体側に戻されるようになっているため、高圧流体側の被密封流体が低圧流体側に漏洩することが防止されると共に、正圧発生領域10bで発生した正圧で摺動面に流体潤滑膜が形成され、摺動面の潤滑が図られることに加えて、キャビテーション形成領域10aに設けられた方向性を備えた溝30により、キャビテーション形成領域10a内の筋状の流体の流れは正圧発生領域10bに移動されるように制御されるため、流体の漏洩が一層防止されるものである。
図11は、本発明の実施例7に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例7は、正圧発生領域が高圧流体側に連通されている点で図10で示した実施例6と相違するが、その他の点は実施例6と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図11において、各ディンプル10の正圧発生領域10bはディンプル10の深さと同等かそれ以上の深さの連通溝13により高圧流体側に連通されている。図11では、連通溝13は、キャビテーション形成領域10aと正圧発生領域10bとが径方向において連通する部分の径方向外側に設けられているが、これに限られるものではなく、正圧発生領域10bに高圧側流体が取り込まれるように設けられるものであればよい。
本例においては、正圧発生領域10bにはキャビテーション形成領域10aからだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用のより一層の向上が図れる。
図12は、本発明の実施例8に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例8は、キャビテーション形成領域の一部に方向性を備えた溝が形成されている点で図10で示した実施例6と相違するが、その他の点は実施例6と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示されるものでは、方向性を備えた溝30は、キャビテーション形成領域10aの低圧流体側にのみ設けられている。図10では、方向性を備えた溝30による筋状の流体の流れの制御はキャビテーション形成領域10aの低圧流体側から高圧流体側の径方向の全域で行われるが、図12では、方向性を備えた溝30による筋状の流体の流れの制御はキャビテーション形成領域10aの低圧流体側で行われる。低圧流体側と高圧流体側との差圧が大きい場合には、図10に示されるような方向性を備えた溝30が低圧流体側から高圧流体側の径方向の全域に設けられるものが望ましいが、低圧流体側と高圧流体側との差圧が小さい場合には、図12に示されるような方向性を備えた溝30が低圧流体側にのみ設けられるものでも漏洩を防止できる。
なお、方向性を備えた溝30は、低圧流体側にのみ設けられる場合に限らず、高圧流体側にのみ、あるいは、径方向の中央にのみ設けられてもよく、要するに、差圧などの大きさに応じて、方向性を備えた溝30を設ける部分を適宜選択すればよい。
図13は、本発明の実施例9に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例9は、正圧発生領域が高圧流体側に連通されている点で図12で示した実施例8と相違するが、その他の点は実施例8と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図13において、各ディンプル10の正圧発生領域10bはディンプル10の深さと同等かそれ以上の深さの連通溝13により高圧流体側に連通されている。図13では、連通溝13は、キャビテーション形成領域10aと正圧発生領域10bとが径方向において連通する部分の径方向外側に設けられているが、これに限られるものではなく、正圧発生領域10bに高圧側流体が取り込まれるように設けられるものであればよい。
本例においては、正圧発生領域10bにはキャビテーション形成領域10aからだけでなく、高圧流体側からも流体が取り込まれるため、潤滑作用がより一層行われる。
図14は、本発明の実施例10に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例10は、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する場合に好適な摺動部品であって、キャビテーション形成領域に溝が形成されている点で図7で示した実施例5と相違するが、その他の点は実施例5と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図14において、各ディンプル15のキャビテーション形成領域15a、15a’には、方向性を備えた溝30、30’が設けられている。溝30の設けられる範囲は、キャビテーション形成領域15a、15a’の全部でも一部でもよい。また、溝30はディンプル15の底部に形成されるものであり、その幅及び深さは、特に限定されないが、先において説明したように、溝15のエッジ部分が幾何学的な障壁として気液界面に作用し、筋状の流体の流れが溝30上を通過する移動を妨げられるものであればよい。
図14においては、相手摺動面が実線の矢印で示すように反時計方向に回転する場合を示しており、上流側のキャビテーション形成領域15aで吸入された流体は溝30により流れの方向が高圧流体側に向くように制御されつつ、下流側の正圧発生領域15bに移動される。逆に、相手摺動面が破線の矢印で示すように時計方向に回転する場合には、線0−0に対して反対側の上流側となるキャビテーション形成領域15a’で吸入された流体は溝30’により流れの方向が高圧流体側に向くように制御されつつ、下流側となる正圧発生領域15b’に移動されるようになっており、回転環3が正逆両方向に回転する場合にも固定環5を交換することなく対応可能である。
図15ないし図17は、本発明の実施例11に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例11は、ディンプルの設けられた摺動面の高圧流体側にレイリーステップからなる正圧発生機構が配設された点で図2に示された実施例1と相違するが、その他の点は実施例1と基本的には同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図15において、摺動面Sには、低圧流体側にディンプル10が配設され、高圧流体側にはレイリーステップ26からなる正圧発生機構が配設されている。
なお、低圧流体側のディンプルとして、図4に示す実施例2のディンプルを採用してもよい。
レイリーステップ26は、狭まり段差29、上流側のグルーブ部28及び高圧流体側と連通する半径方向溝25から構成されており、レイリーステップ26とディンプル10との間には高圧流体側と半径方向溝25を介して連通された圧力開放溝27が設けられている。圧力開放溝27は、レイリーステップ26で発生した動圧(正圧)を高圧側流体の圧力まで開放することで、流体が低圧流体側のディンプル10に流入し、ディンプル10の負圧発生能力が弱まることを防止するためのものであり、高圧流体側のレイリーステップ26で発生した正圧により低圧流体側に流入しようとする流体を圧力開放溝27に導き、高圧流体側に逃す役割を果たすものである。
グルーブ部28、半径方向溝25及び圧力開放溝27の深さ及び幅は、摺動部品の径、摺動面の幅及び相対移動速度、並びに、密封及び潤滑の条件等に応じて適宜決定される性質のものである。例えば、グルーブ部28の深さは、ディンプル10の深さの数倍であり、また、半径方向溝25及び圧力開放溝27の深さは、ディンプル10の深さの十倍以上である。
本例においては、高圧流体側に配設されたレイリーステップ26からなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプル10で密封と潤滑とを行うものであり、ディンプル10のキャビテーション形成領域10aで吸入された流体は正圧発生領域10bから圧力開放溝27に導かれ、半径方向溝25を介して高圧流体側に戻される。このように、本例では、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルによる密封作用を確実なものとすることができる。
〔第1変形例〕
図16は、ディンプル10の形状が図15のものと若干相違するがその他の点では図15と同じであり、重複する説明は省略する。
図16に示すディンプル10は、上流側のキャビテーション形成領域10a及び下流側の正圧発生領域10bが、それぞれ、円弧状をなすように一定幅を有して周方向に延び、キャビテーション形成領域10a及び下流側の正圧発生領域10bが径方向において一体的に連通されてクランク状の形状をしており、また、キャビテーション形成領域10aの周方向の長さが正圧発生領域10bの周方向の長さより長く形成されている点では図15のディンプルと共通するが、図16に示すディンプル10では、キャビテーション形成領域10aと下流側の正圧発生領域10bとを内径側から外径側に向かって一体的に連通する部分が相手摺動面回転方向に傾斜している。このため、キャビテーション形成領域10aで吸入された流体の正圧発生領域10bへのポンピング効果が増大され、ポンピング機能が強化される。
〔第2変形例〕
図17は、ディンプル10の形状が図16のものと若干相違するがその他の点では図16と同じであり、重複する説明は省略する。
図17に示すディンプル10は、キャビテーション形成領域10aと下流側の正圧発生領域10bとを内径側から外径側に向かって一体的に連通する部分が相手摺動面回転方向に傾斜している点では図16のディンプル10と共通するが、図17に示すディンプル10では、キャビテーション形成領域10a及び正圧発生領域10b並びにこれらを一体的に連通する径方向に傾斜する部分が滑らかな円弧形状に形成されている。このため、キャビテーション形成領域10aで吸入された流体の正圧発生領域10bへのポンピング機能の強化に加えて、流体の流れが円滑になされる。
なお、図16及び17に示したディンプル10の形状は、図2の実施例1、図4の実施例4、図5の実施例3、図10の実施例6、図11の実施例7、図12の実施例8及び図13の実施例9にも適用できることはもちろんである。
図18ないし図20は、本発明の実施例12に係る摺動部品の摺動面を示したもので、図1の固定環5の摺動面にディンプルが形成された場合を例にして説明する。実施例12は、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する場合に好適な摺動部品であって、一方向の回転にしか適用できない図15ないし図17の実施例11とはその点で異なるが、その他の点は図15ないし図17の実施例11と同じであり、同じ部材は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図18は、一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品、すなわち、回転環3が正逆両方向に回転する場合の固定環5の摺動面を示したものであって、低圧流体側に配設されたディンプルにおいて、各ディンプル17の周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線0−0に対して、キャビテーション形成領域17a、17a’及び正圧発生領域17b、17b’がそれぞれ対称になるように配設されているものである。詳述すると、各ディンプル17において、低圧流体側に寄ったキャビテーション形成領域17a、17a’は、半径線0−0寄りに、かつ、半径線0−0に対して対称に配設され、高圧流体側に寄った正圧発生領域17b、17b’は半径線0−0から離れて、かつ、半径線0−0対して対称に配設され、上流側のキャビテーション形成領域17aと逆方向回転の際の正圧発生領域17b’、及び、逆方向回転の際の下流側のキャビテーション形成領域17a’と正圧発生領域17bは径方向において連通されている。また、キャビテーション形成領域17a、17a’の周方向の長さは正圧発生領域17b、17b’の周方向の長さより長く形成されている。
なお、低圧流体側に配設されたディンプルとして、図6に示す実施例4のディンプルを採用してもよい。
摺動面のSの高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構において、高圧流体側に連通している複数の半径方向溝25のうち、周方向に1つ飛びの半径方向溝25の下流側にはレイリーステップ26を形成するグルーブ28及び狭まり段差29が、上流側(回転方向が逆の場合は下流側)にはレイリーステップ26’を形成するグルーブ28’及び狭まり段差29’が配設されている。符号27は、圧力開放溝である。
図18においては、相手摺動面が実線の矢印で示すように反時計方向に回転する場合を示しており、上流側のキャビテーション形成領域17aで吸入された流体は下流側の正圧発生領域17bにおいて正圧を発生するが、相手摺動面が破線の矢印で示すように時計方向に回転する場合には、線0−0に対して反対側のキャビテーション形成領域17a’で吸入された流体は正圧発生領域17b’において正圧を発生する。同時に、相手摺動面が実線の矢印で示すように反時計方向に回転する場合には、半径方向溝25の下流側のレイリーステップ26で正圧を発生し、相手摺動面が破線の矢印で示すように時計方向に回転する場合には、反対側のレイリーステップ26’で正圧を発生する。
本例では、高圧流体側に配設されたレイリーステップからなる正圧発生機構で流体膜を形成して潤滑し、低圧流体側に配設されたディンプルで密封と潤滑とを行うことができる摺動部品において、ディンプルによる密封作用を確実なものとする密封に加えて、回転環3が正逆両方向に回転する場合にも固定環5を交換することなく対応可能である。
〔第1変形例〕
図19は、ディンプル17の形状及びレイリーステップ26、26’の枚数が図18のものと若干相違するがその他の点では図18と同じであり、重複する説明は省略する。
図19のディンプル17は、ディンプル17の周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線0−0に対して、キャビテーション形成領域17a、17a’及び正圧発生領域17b、17b’がそれぞれ対称になるように配設されている点で図18のものと共通するが、図19のディンプル17では、キャビテーション形成領域17a、17a’と下流側の正圧発生領域17b、17b’とを内径側から外径側に向かって一体的に連通する部分が相手摺動面回転方向に傾斜しており、また、キャビテーション形成領域17a、17a’及び正圧発生領域17b、17b’並びにこれらを一体的に連通する径方向に傾斜する部分が滑らかな円弧形状に形成されている。このため、キャビテーション形成領域17a、17a’で吸入された流体の正圧発生領域17b、17b’へのポンピング機能の強化に加えて、流体の流れが円滑になされる。
また、レイリーステップ26、26’は、その枚数がディンプル17の数と同じに設定され、また、各ディンプル17の位置に対応して高圧流体側に配置されている。
〔第2変形例〕
図20は、ディンプル17の正圧発生領域17b、17b’が摺動面Sの高圧流体側に寄って配置されている点で図19のものと相違するがその他の点では図19と同じであり、重複する説明は省略する。
図20では、ディンプル17の正圧発生領域17b、17b’は摺動面Sの高圧流体側に寄って配置されるため、各レイリーステップ26、26’はディンプル17のキャビテーション形成領域17a、17a’の範囲に対応するように周方向の長さが短く設定されると共に、圧力開放溝27も各レイリーステップ26、26’の低圧流体側を取り巻くように延び、両端において高圧流体側と連通している。各レイリーステップ26、26’の間のスペースには、ディンプル17の正圧発生領域17b、17b’が高圧流体側の近くまで延びて配設されている。このため、各レイリーステップ26、26’はディンプル17のキャビテーション形成領域17a、17a’の範囲内で高圧流体側において動圧(正圧)を発生する役割を担うが、キャビテーション形成領域17a、17a’の範囲外においては、ディンプル17の正圧発生領域17b、17b’が動圧(正圧)を発生するものである。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、摺動部品をメカニカルシール装置における一対の回転用密封環及び固定用密封環のいずれかに用いる例について説明したが、円筒状摺動面の軸方向一方側に潤滑油を密封しながら回転軸と摺動する軸受の摺動部品として利用することも可能である。
また、例えば、前記実施例では、外周側に高圧の被密封流体が存在する場合について説明したが、内周側が高圧流体の場合にも適用でき、その場合、ディンプルのキャビテーション形成領域が外周側に、また、正圧発生領域が内周側に位置するように配設し、また、方向性を備えた溝を設ける場合には、溝の方向が逆になるように配設すればよい。
また、例えば、前記実施例では、ディンプルの形状について、周方向にクランク状に延びている場合を示しているが、これに限らず、要は、低圧流体側に寄って上流側のキャビテーション形成領域が配置され、高圧流体側に寄って下流側の正圧発生領域が形成が配置されていればよく、例えば、長方形、長円などを傾斜して配置したものでもよい。
また、前記実施例11及び12においては、回転環3及び固定環5のうち、固定環5の摺動面にポンピング作用をなすディンプル10及びレイリーステップ26からなる正圧発生機構が配設された場合について説明したが、これに限らず、回転環3の摺動面に配設されてもよく、また、回転環3及び固定環5のいずれか一方の摺動面にポンピング作用をなすディンプル10が、他方の摺動面にレイリーステップ26からなる正圧発生機構が配設されてもよい。例えば、回転環3の摺動面にポンピング作用をなすディンプル10が配設され、固定環5の摺動面にレイリーステップ26からなる正圧発生機構が配設されてもよく、その場合、密封機能及び潤滑機能のより一層の向上を図ることができる。なお、半径方向溝25及び圧力開放溝27はレイリーステップ26からなる正圧発生機構の設けられる側に配設される。
1 回転軸
2 スリーブ
3 回転環
4 ハウジング
5 固定環
6 コイルドウェーブスプリング
7 ベローズ
10 ディンプル
10a キャビテーション形成領域
10b 正圧発生領域
11 狭まり隙間(段差)
12 拡がり隙間(段差)
13 連通溝
15 ディンプル
15a、15a’ キャビテーション形成領域
15b、15b’ 正圧発生領域
16 連通溝
17 ディンプル
17a、17a’ キャビテーション形成領域
17b、17b’ 正圧発生領域
20 筋状の流体の流れ
25 半径方向溝
26、26’ レイリーステップ
27 圧力開放溝
28、28’ グルーブ
29、29’ 狭まり段差
30 方向性を備えた溝
40 方向性を備えた溝のエッジ部分

Claims (9)

  1. 一対の摺動部品の互いに相対摺動する一方側の摺動面にディンプルが設けられ、各ディンプルの上流側のキャビテーション形成領域は低圧流体側に寄って配置されると共に下流側の正圧発生領域は高圧流体側に寄って配置され、前記各ディンプルの前記キャビテーション形成領域で低圧流体側より吸入された流体は当該ディンプル内を通って前記正圧発生領域から高圧流体側に戻されることを特徴とする摺動部品。
  2. 周方向において隣接する前記ディンプルにおいて、上流側に位置するディンプルの前記正圧発生領域と下流側に位置するディンプルの前記キャビテーション形成領域とが径方向において重複するように配設されていることを特徴とする請求項1記載の摺動部品。
  3. 前記ディンプルの前記正圧発生領域が前記ディンプルの深さ以上の連通溝により高圧流体側に連通されていることを特徴とする請求項1または2記載の摺動部品。
  4. 前記一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、前記ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、前記キャビテーション形成領域及び前記正圧発生領域がそれぞれ対称になるように配設されていることを特徴とする請求項1記載の摺動部品。
  5. 前記一対の摺動部品のうち、回転側の摺動部品が正逆両方向に回転する摺動部品において、前記ディンプルの周方向の中心と回転中心とを結ぶ径方向の線に対して、前記連通溝が対称になるように配設されていることを特徴とする請求項3記載の摺動部品。
  6. 前記キャビテーション形成領域には、方向性を備えた溝が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の摺動部品。
  7. 前記キャビテーション形成領域の少なくとも低圧流体側には前記方向性を備えた溝が設けられていることを特徴とする請求項6記載の摺動部品。
  8. 請求項1または2記載の摺動部品において、前記ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側には前記ディンプルが配設され、前記正圧発生機構と前記ディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、前記圧力開放溝は高圧流体側と前記半径方向溝を介して連通されていることを特徴とする摺動部品。
  9. 請求項4記載の摺動部品において、前記ディンプルが設けられた摺動面の高圧流体側、又は、他方の摺動面の高圧流体側には高圧流体側と半径方向溝を介して連通するレイリーステップからなる正圧発生機構が配設され、また、低圧流体側には前記ディンプルが配設され、前記正圧発生機構と前記ディンプルとの間に圧力開放溝が設けられ、前記圧力開放溝は高圧流体側と前記半径方向溝を介して連通されていることを特徴とする摺動部品。
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